JP2004538302A - 新規治療方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、抗コリン作用性薬剤と組み合わせてホスホジエステラーゼ4阻害剤を投与することによる閉塞性肺疾患または喘息のごとき肺疾患の治療に関する。
Description
【0001】
発明の領域
本発明は、肺疾患の徴候の発生を予防または減少させる組成物および方法、あるいは肺疾患の重篤性を処置または減少させる組成物および方法に関する。詳細には、本発明は、PDE4阻害剤および抗コリン作用性薬剤、特にM1、M2、M1/M2またはM3受容体アンタゴニストを投与することによる肺疾患の治療用組成物および治療方法に関する。
【0002】
発明の背景
新規な肺疾患治療薬の同定は、多数のメディエイタが疾病の発症に関与しているという事実により困難なものとなっている。かくして、単一のメディエイタの効果を除去することが特定の肺疾患の他のすべての成分に対して実質的に影響することはありえないように思われている。「メディエイタアプローチ」とは別のアプローチは、疾患の病理生理に関与する細胞の活性を調節することである。本明細書に示されたそのようなアプローチは、2種のレギュレータ、PDE4特異的阻害剤および抗コリン作用性薬剤を用いるものである。
【0003】
PDE4特異的阻害剤は、cAMP(アデノシンサイクリック 3',5'-モノホスフェート)レベルを上昇させることにより細胞調節のための新たなアプローチを提供する。サイクリックAMPは、広範なホルモン、神経伝達物質および薬剤に対する生物学的応答を媒介する第2のメッセンジャーであることが示されている(Krebs Endocrinology Proceedings of the 4th International Congress Excerpta Medica, 17-29, 1973)。適切なアゴニストが特異的な細胞表面受容体に結合すると、アデニル酸シクラーゼが活性化され、それは速やかにMg2+−ATPをcAMPに変換する。
【0004】
サイクリックAMPは、外来性(アレルギー性)喘息の病理生理に関与する細胞のすべてではないが大部分の活性をモジュレーションする。そのようなものとして、cAMPの上昇は下記のものを包含する有益な効果をもたらす:1)気道平滑筋弛緩、2)肥満細胞メディエイタ放出抑制、3)好中球脱顆粒抑制、4)好塩基球脱顆粒抑制、および5)単球およびマクロファージ活性化抑制。それゆえ、アデニル酸シクラーゼを活性化あるいはホスホジエステラーゼを阻害する化合物は、気道平滑筋および広範な炎症細胞の不適切な活性化の抑制に有効なはずである。cAMP不活性化に関する主要な細胞機構は、環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDEs)と呼ばれるアイソザイムのファミリーの1種またはそれ以上のものによる3’−ホスホジエステル結合の加水分解である。
【0005】
独特な環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)アイソザイムであるPDE4は、気道平滑筋および炎症細胞におけるcAMP分解に関与している(Torphy, "Phosphodiesterase Isozymes: Potential Targets for Novel Anti-asthmatic Agents" in New Drugs for Asthma, Barnes, ed. IBC Technical Services Ltd., 1989)。この酵素を阻害すると、気道平滑筋弛緩が起こるだけでなく、肥満細胞、好塩基球および好中球の立つ顆粒も抑制され、同時に単球および好中球の活性化も抑制されることが研究により示されている。そのうえ、インビボの場合であろうが、標的細胞のアデニル酸シクラーゼ活性が適切なホルモンまたはオートコイドにより上昇されるとPDE4阻害剤の有益な効果が著しく高められる。かくして、PDE4阻害剤、特にPDE4特異的阻害剤は肺において有効であり、そこでプロスタグランジンE2およびプロスタサイクリン(アデニル酸シクラーゼの活性化剤)のレベルが上昇するであろう。
【0006】
さらに、多くの肺疾患の病因が多数のメディエイタに関連しているという事実に照らせば、治療薬を組み合わせることが有用でありうる。本発明において、肺疾患、特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息または慢性気管支炎もしくはアレルギー性鼻炎のごとき関連肺疾患を治療するための、PDE4阻害剤と適切な抗コリン作用性薬剤の組み合わせが提供される。
【0007】
発明の概要
第1の態様において、本発明は、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させることが必要な患者に有効量のPDE4阻害剤および抗コリン作用性薬剤を単一の組み合わせ形態として、別個に、あるいは別個かつ逐次に投与することによる、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させる方法に関し、ここに逐次投与は時間的に近いものであってもよく、遠いものであってもよい。
【0008】
第2の態様において、本発明は、有効量のPDE4阻害剤、有効量の抗コリン作用性薬剤、および医薬上許容される賦形剤を含む、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させるための組成物に関する。
【0009】
第3の態様において、本発明は、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させるのに有効な組成物の製造方法に関し、該方法は、有効量のPDE4阻害剤と抗コリン作用性薬剤とを医薬上許容される賦形剤と混合することを特徴とする。
【0010】
第4の態様において、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させるための医薬または医薬パックの製造における、単一の組み合わせ形態となった、別個の、あるいは別個かつ逐次に投与される有効量のPDE4阻害剤および抗コリン作用性薬剤の使用が提供され、ここに逐次投与は時間的に近いものであってもよく、遠いものであってもよい。
【0011】
第5の態様において、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させるための医薬または医薬パックの製造における、有効量のPDE4阻害剤、有効量のM1、M2またはM1/M2受容体アンタゴニストおよび医薬上許容される賦形剤を含む組成物の使用が提供される。
【0012】
発明の詳細な記載
本発明により完成された組み合わせ治療は、抗コリン作用性薬剤、詳細にはM1、M2またはM1/M2受容体アンタゴニストとともにPDE4阻害剤を投与して、肺疾患イベントの発生を予防し、存在している症状を治療し、あるいは慢性気道疾患にかかっている患者においてしばしば発生する病状悪化の頻度または重篤性を減じることを特徴とする。化合物を一緒にして単一の剤形として投与してもよい。あるいはそれらを異なる剤形として投与してもよい。それらを同時に投与してもよい。あるいはそれらを時間的に近くあるいは遠く、例えば、1の薬剤を朝に投与し、第2の薬剤を夕方に投与してもよい。組み合わせを予防的に用いてもよく、あるいは徴候の発生が起こってから用いてもよい。いくつかの例において、組み合わせ(複数も可)を用いて肺疾患の進行を防止してもよく、あるいは肺機能のごとき機能低下を阻止してもよい。さらに、この組み合わせは、COPDのごときある種の肺疾患の罹病率および/または重篤性を減じるのに有用である。COPD患者における病状悪化の頻度および重篤性に対するこの組み合わせの影響を決定し評価するための試験方法については2000年7月27日に出願された同時係属の米国仮出願第60/221275号参照。その方法論、およびその出願の全開示を参照により本明細書に一体化させる。
【0013】
本発明において有用であるPDE4阻害剤は、PDE4酵素を阻害することが知られている化合物、あるいはPDE4阻害剤として作用することが見出された化合物、およびPDE4のみ、または本質的にPDE4のみに対する阻害剤である化合物であってよいが、PDE4だけでなく他のPDEファミリーのメンバーに対して治療効果を示す程度にまで影響する化合物ではない。一般的には、高いアフィニティーでロリプラムに結合するPED4触媒形態に対するIC50を低いアフィニティーでロリプラムに結合する形態に対するIC50で割った場合におけるIC50比が約0.1またはそれ以上であるPDE4アンタゴニストを用いることが好ましい。
【0014】
炎症の治療に、そして気管支拡張剤、テオフィリンおよびペントキシフィリン様薬剤として使用されるPDE阻害剤は、すべての組織において無差別にPDEアイソザイムを阻害する。見かけ上これらの化合物はすべての組織において5種すべてのPDEアイソザイムを非選択的に阻害するので、副作用を示す。かかる化合物により標的とされる疾病状態が有効に治療されうるが、望ましくない副作用が示される。仮にそれらが回避あるいは最小化され得た場合には、特定の疾病状態を治療するためのこのアプローチの正味の治療効果は増大するであろう。例えば、抗鬱剤として開発された選択的PDE4阻害剤ロリプランを用いた臨床研究により、それが向精神活性を有し、胃腸に対する影響、例えば、胸焼けおよび悪心嘔吐を生じさせることが示されている。
【0015】
阻害剤が結合するヒト単球組み換え型PDE4(hPDE4)には少なくとも2種の結合形態が存在することがわかった。これらの観察結果に関する1の説明は、hPDE4が2つの異なる形態として存在するというものである。1の形態はロリプラムおよびデンブフィリンのように高いアフィニティーで結合し、もう1つの形態は低いアフィニティーでこれらの化合物に結合する。本発明に使用される好ましいPDE4阻害剤は健康によい治療比を有する化合物、すなわち、酵素が低いアフィニティーでロリプラムに結合する形態である場合にcAMP触媒活性を優先的に阻害し、そのことにより高いアフィニティーでロリプラムに結合する形態の阻害に見かけ上リンクした副作用を減じる化合物である。このことを叙述するためのもう1つのやり方は、好ましい化合物は、高いアフィニティーでロリプラムに結合するPED4触媒形態に対するIC50を低いアフィニティーでロリプラムに結合する形態に対するIC50で割った場合におけるIC50比が約0.1またはそれ以上であるということである。
【0016】
米国特許第5998428号が参照され、それはこれらの方法をより詳細に説明するものである。それを本明細書に一体化させる。
【0017】
0.5よりも大きいIC50比を有するPDE4阻害剤が最も好ましく、特に1.0よりも大きいIC50比を有するPDE4阻害剤が最も好ましい。
【0018】
好ましい化合物は、シロミラスト(cilomilast)またはアリフロ(Ariflo)(登録商標)としても知られるシス[シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート]、2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン、およびシス[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]である。それらは米国特許第5449686号および5552438号に記載の方法により製造できる。本発明に用いることができる他のPDE4阻害剤、特異的阻害剤はAstraのAWD−12−281(Hofgen, N. et al. 15th EFMC Int Symp Med Chem (Sept 6-10, Edinburgh) 1998, Abst P.98);NCS−613と命名された9−ベンジルアデニン誘導体(INSERM);Chiroscience および Schering-PloughのD−4418;CI−1018として同定されたベンゾジアゼピンPDE4阻害剤(PD-168787; Parke-Davis/Warner-Lambert);WO9916766に開示されたベンゾジオキソール誘導体Kyowa Hakko;NappのV−11294A(Landells, L.J. et al. Eur Resp J [Annu Cong Eur Resp Soc (Sept 19-23, Geneva) 1998] 1998, 12(Suppl. 28): Abst P2393);ロフルミラスト(CAS reference No 162401-32-3)およびByk-Guldenのフタラジノン(WO9947505);あるいはT−440として同定された化合物(Tanabe Seiyaku; Fuji, K. et al. J Pharmacol Exp Ther,1998, 284(1): 162)である。
【0019】
本発明の抗コリン作用性薬剤はムスカリン様受容体においてアンタゴニストとして作用する化合物である。主としてこれらの受容体は、節後副交感神経により刺激される自律神経エフェクター細胞上に見出される。それらは脳、神経節、および血管のごときある種の血液細胞上にも存在する。このタイプの受容体に関する初期の研究により、末梢や中枢の細胞や組織に存在するものとして特徴付けられるサブタイプが同定された。それらは2種のアゴニスト、McN−A−343およびベタネコール(bethanechol)により分類され、M1(神経節)およびM2(エフェクター細胞)と呼ばれている。1988年にGoyalはこれら2種の受容体に関する現在の知識についてのレビューを公表した(Goyal, R. K., Identification, Localizaton and classification of muscarinic receptor subtypes in the gut. Life Sci. 1988, 43, 2009-2220)。cDNAクローニング法を用いたその後の研究により、現在に至るまで5種の異なるサブタイプが同定されている(Bonner et al., Science, 1987, 237: 527-531)。この治療法の目的からすると、主要な興味はM1およびM2ならびにこれらの受容体のアンタゴニストにある。典型的な化合物はアトロピン、スコポラミン、ホマトロピン、ヒオシアミンのごときベラドンナ植物のアルカロイドであり、それらの化合物は通常には第3級アミン類であり、塩として投与される。これらの薬剤、特に塩の形態のものは多くの市販源から容易に入手でき、あるいは下記のごとき文献データから製造または調製されうる:
アトロピン(Atropine) - CAS-51-55-8 または CAS-51-48-1 (無水物)、硫酸アトロピン - CAS-5908-99-6; アトロピンオキシド - CAS-4438-22-6 または そのHCl塩 - CAS-4574-60-1 および 硝酸メチルアトロピン - CAS-52-88-0
ホマトロピン(Homatropine) - CAS-87-00-3、 臭化水素酸塩 - CAS-51-56-9、臭化メチル塩 - CAS-80-49-9
ヒオシアミン(Hyoscyamine)(d, l) - CAS-101-31-5、臭化水素酸塩 - CAS-306-03-6 および 硫酸塩 - CAS-6835-16-1
スコポラミン(Scopolamine) - CAS-51-34-3、臭化水素酸塩 - CAS-6533-68-2、臭化メチル塩 - CAS-155-41-9
【0020】
ベラドンナアルカロイドの第4級アンモニウム誘導体もまたこの組み合わせにおいて有用である。例えば、アトロベント(Atrovent)の名称で販売されている臭化イプラトロピウムは、アトロピンの窒素上にイソプロピル基を導入することにより得られるアトロピンの第4級アンモニウム誘導体である。アトロピンの別の誘導体である臭化オキシトロピウムはアザビシクロ[3.2.1]オクチル環の窒素上にエチル基を有する。関連化合物はチオトロピウム(CAS−139404−48−1)およびその臭化物塩(Spiriva(登録商標))である。興味深いものとしてはさらに下記のものがある:
メタンセリン(methantheline)(CAS-53-46-3)、臭化プロパンセリン(propantheline bromide)(CAS- 50-34-9)、臭化メチルアニソトロピン(anisotropine methyl bromide)またはバルピン(Valpin)50 (CAS- 80-50-2)、臭化クロジニウム(clidinium bromide)(カルザン(Quarzan),CAS-3485-62-9)、コピロレート(copyrrolate)(ロビヌル(Robinul))、ヨウ化イソプロパミド(isopropamide iodide)(CAS-71-81-8)、臭化メペンゾレート(mepenzolate bromide)(米国特許第2,918,408号)、塩化トリジヘキセチル(tridihexethyl chloride)(パチロン,CAS-4310-35-4)、およびメチル硫酸ヘキソシクリウム(hexocyclium methylsulfate)(トラール(Tral),CAS-115-63-9)。塩酸シクロペントレート(cyclopentolate hydrochloride)(CAS-5870-29-1)、トロピカミド(tropicamide)(CAS-1508-75-4)、塩酸トリヘキシフェニジル(CAS-144-11-6)、ピレンゼピン(pirenzepine)(CAS-29868-97-1)、テレンゼピン(telenzepine)(CAS-80880-90-9)、AF-DX 116、またはメトクトラミン(methoctramine)も参照。
【0021】
これらの化合物は市販源から入手可能である。さらに、それらはテキストGoodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, Ninth Ed, 1996, McGraw-Hill at pages 586 to 591中にいくぶん詳細に説明されており、大部分のものはいくつかの形態または別形態がThe Physicians Desk Reference, (Vol. 54, 2000, Medical Economic Co., Montvale, NJ, USAに示されている。両方の文献は各化合物に関する情報、投与量および経路、典型的な処方データ、臭化メペンゾレートに関して記載されたChemical Abstract System番号および米国特許を提供するものである。
【0022】
予防または治療のために、1種またはそれ以上のこれらの薬剤を1またはそれ以上のPDE4阻害剤とともに使用することができる。
【0023】
記載したすべての化合物は、必要かつ適切ならば、別の医薬上許容される誘導体の形態、例えば、その塩およびエステルとして使用してもよい。
【0024】
通常には、これらの薬剤は経口調合物または鼻用スプレーまたはエアロゾルとして、あるいは吸入用粉末として投与される。本発明は、吸入器のごとき1のデリバリー形態として両方の薬剤を同時投与すること、すなわち、両方の薬剤を同じ吸入器に入れることも企図する。あるいはまた、PDE4阻害剤を錠剤に入れ、それらを抗コリン作用性薬剤の入った吸入器とともに包装することもできる。
【0025】
経口投与された場合に活性のある本発明の化合物および医薬上許容される塩を、シロップ、錠剤、カプセル、制御放出調合物またはロゼンジとして、あるいは吸入可能な調合物として処方することができる。
【0026】
一般的には、シロップ処方は、香料または着色料を伴った液体担体、例えばエタノール、ピーナッツ油、オリーブ油、グリセリンまたは水中の化合物または塩の懸濁液または溶液からなる。組成物が錠剤の形態である場合には、固体処方を調合するのに通常使用されるいずれの医薬担体を用いてもよい。かかる担体の例は、シテアリン酸マグネシウム、白陶土、タルク、ゼラチン、アラビアゴム、ステアリン酸、デンプン、乳糖およびショ糖を包含する。組成物がカプセルの形態である場合には、いずれのカプセル封入法も適し、例えば、硬ゼラチンカプセル殻中に上記担体を用いる。組成物が軟ゼラチン殻カプセルの形態である場合、分散物または懸濁液を調合するのに通常使用されるいずれかの医薬担体が用いられ、例えば、水性ガム、セルロース、シリケートまたは油脂であり、それらは軟ゼラチンカプセル殻中に入れられる。
【0027】
吸入のための典型的な組成物は乾燥粉末、溶液、懸濁液またはエマルジョンの形態である。例えば、乾燥粉末吸入器(例えば、1回用または複数回用吸入器、米国特許第5590645号に例がある)により、あるいは霧化により、あるいは加圧エアロゾルの形態として投与してもよい。典型的には、乾燥粉末組成物には乳糖、トレハロースまたはデンプンのごとき担体を用いる。典型的には、霧化用組成物には水を担体として用いる。典型的には、加圧エアロゾルにはジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンまたはより好ましくは1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパンまたはそれらの混合物のごとき噴射剤を用いる。加圧エアロゾル処方は溶液(おそらくエタノールのごとき可溶化剤を使用)または懸濁液の形態であってもよく、それらは賦形剤不含であってもよく、あるいは界面活性剤および/または共溶媒(例えば、エタノール)を包含する賦形剤を用いるものであってもよい。乾燥粉末組成物および懸濁エアロゾル組成物において、好ましくは、有効成分は吸入に適したサイズである(典型的には、20ミクロン未満、例えば、1〜10ミクロン、特別には1〜5ミクロンのマスメジアン直径(MMD)を有する)。例えば、微粉砕により有効成分のサイズを減少させることが必要かもしれない。
【0028】
一般的には、弁、特に計量弁に適合するキャニスター中に加圧エアロゾル組成物を充填する。キャニスターはプラスチック材料、例えばWO96/32150に記載されたフルオロカーボンポリマーでコーティングされていてもよい。キャニスターは頬側デリバリーに適合したアクチュエーター中に適合したものであろう。
【0029】
典型的な鼻デリバリー用組成物は上記の吸入用のものを包含し、さらに、鼻用ポンプにより投与されてもよい、バッファー、抗微生物剤、浸透圧調節剤および粘度調節剤のごとき慣用的な賦形剤と組み合わされていてもよい水のごとき不活性担体中の溶液または懸濁液の形態の非加圧組成物を包含する。
【0030】
典型的な皮膚および経皮処方は慣用的な水性または非水性担体を含有し、例えば、クリーム、軟膏、ローションまたはパスタであり、あるいは薬用プラスター、パッチまたは膜の形態である。
【0031】
好ましくは、組成物は単位投与形態、例えば錠剤、カプセルまたは一定量エアロゾルであり、患者が1回で服用できるものである。
【0032】
経口投与用の各投与単位は、適当には0.3mgないし60mg/kg、好ましくは1mgないし30mg/kgの化合物またはその医薬上許容される塩を含有する。好ましい用量は、COPDに治療には10mgないし15mg/kgである。非経口投与用の各投与単位は、適当には0.1mgないし100mg/kgの化合物またはその医薬上許容される塩を含有する。鼻腔内投与用の各投与単位は、1回の活性化につき適当には1ないし400mcg、好ましくは10ないし200mcgである。局所処方は、適当には0.001ないし5.0%の本発明化合物を含む。所望活性が十分に示されるよう有効成分を1日の1ないし6回投与してもよい。好ましくは、有効成分を1日に1回または2回投与する。
【0033】
両方の有効成分を同時に、あるいは時間的に非常に近傍において投与することが企図される。別法として、1の薬剤を朝に投与し、もう1つの薬剤をその日遅くに投与することができる。あるいは1の薬剤を1日に2回投与し、もう1つの薬剤を1日に1回投与することができ、もう1つの薬剤の投与は1の薬剤の2回投与のうちのいずれかと同時であってもよく、別個に投与してもよい。
【0034】
下記の実施例は本発明をいかにして実施するのかを説明するものである。実施例は本発明を何等限定するものではない。発明者の権利がいかなるものかは特許請求の範囲を参照されたい。
【実施例】
【0035】
5つのスピーシズにまたがる下記の8つのアッセイを用いて約0.1またはそれ以上のIC50比の選択を支持するデータを得た。アッセイは下記のものであった:ウサギの単離壁腺(parietal gland)からの酸の産生に対する刺激;ヒト好中球におけるFMLPにより誘導される脱顆粒(myleoperoxidaseの放出)に対する阻害;モルモット好酸球におけるFMLPにより誘導されるO2生成に対する阻害;ヒト単球におけるFMLPにより誘導されるTNFα産生に対する阻害;イヌにおける嘔吐の発生;モルモットにおいて抗原により誘導される気管支収縮に対する阻害;マウスにおけるレセルピンにより誘導される低体温の逆転;ならびにマウスにおける養子移入されたヒト単球からのLPSにより誘導されるTNFα産生に対する阻害。これらのアッセイおよびデータを以下に示す。
【0036】
統計学的分析
PDE4の低アフィニティー部位の阻害がこのクラスの化合物の抗炎症作用に関連しているが、高アフィニティー部位の阻害はある種の副作用の発生に関連していることを調べるために、我々は、インビトロおよびインビボ両方における種々のPDE4阻害剤の炎症細胞機能ブロック能ならびにインビトロおよびインビボモデルにおけるこれらの化合物の副作用発生能を調べた。PDE4阻害剤が一定の治療効果または副作用を誘発する能力を、PDE4の高アフィニティー部位を阻害するそれらの能力対低アフィニティー部位を阻害するそれらの能力と比較するために、我々は、インビトロまたはインビボアッセイにおいて、単離酵素触媒活性または高アフィニティー部位に対するこれらの化合物の能力を、(r2)の線形相関またはランクオーダー相関(Spearman's Rho)により比較した。線形相関は、低アフィニティー部位または高アフィニティー部位のいずれかを阻害する際の化合物の能力を用いて一定の抗炎症効果または副作用を誘発する能力を予測できるかどうかを調べるものである。ランクオーダー相関は、一定の抗炎症効果または副作用を生じさせる際のランクオーダー能(rank order potency)が低アフィニティー部位または高アフィニティー部位を阻害する際のランクオーダー能に類似したものであるかどうかを調べるものである。r2およびSpearman's RhoはいずれもマッキントシュのSTST View IIコンピュータープログラムを用いて計算された。
【0037】
PDE4対ロリプラム高アフィニティー結合
実施例1−ホスホジエステラーゼおよびロリプラム結合アッセイ
実施例1A
単離ヒト単球PDE4およびhrPDE(ヒト組み換え型PDE4)は、主に低アフィニティー形態として存在していることがわかった。それゆえ、1μM[3H]cAMPを基質として用いてPED4触媒活性に関する標準的アッセイを用いてPDE4の低アフィニティー形態に対する試験化合物のアフィニティーを評価することができる(Torphy et al., J. of Biol. Chem., Vol. 267, No. 3 pp1798-1804, 1992)。
【0038】
ラット脳高速上清(high-speed supernatants)を蛋白源として用いた。[3H]−ロリプラムのエナンチオマーを調製して、25.6Ci/mmolの比活性とした。標準アッセイ条件を公表された手順を改変して、cAMPの関する最終手順を除きPDEアッセイ条件と同じにした:50mM Tris HCl (pH 7.5), 5 mM MgCl2, and 1 nanoM of [3H]-rolipram (Torphy et al., J. of Biol. Chem., Vol. 267, No. 3 pp1798-1804, 1992)。アッセイを30℃で1時間行った。反応を終結させ、Brandellセルハーベスターを用いて結合リガンドを遊離リガンドから分離した。[3H]−cAMPおよび[3H]5’−AMPが存在しないことを除き、低アフィニティーPDE活性の測定に用いられる条件と同じ条件下で高アフィニティー結合部位に関する競争を評価した。実施例1Aに記載したプロトコルを用いて8ページの表Iに示すデータを得た。
【0039】
実施例1B
ホスホジエステラーゼ活性の測定
供給者(Amersham Life Sciences)により説明されたようにして[3H]cAMPシンチレーション近似アッセイまたは[3H]cGMP SPA酵素アッセイを用いてPDE活性をアッセイした。以下のもの(最終濃度)を含有する0.1mlの反応バッファー中で、96ウェル中室温で反応を行った:50 mM Tris-HCl, pH 7.5, 8.3 mM MgCl2, 1.7 mM EGTA, [3H]cAMP または [3H] cGMP (約 2000 dpm/pmol), 酵素および種々の濃度の阻害剤。アッセイを1時間行い、硫酸亜鉛の存在下で50μlのSPAイットリウムシリケートビーズを添加することによりアッセイを停止させた。プレートを振盪し、次いで、室温で20分放置した。シンチレーション分光測定法により放射性標識生成物の形成を評価した。0.05μMの[3H]cAMPを基質として用いてPDE3およびPDE7の活性を評価し、1μMの[3H]cAMPを基質として用いてPDE4を評価した。1μMの[3H]cGMPを基質として用いてPDE1B、PDE1C、PDE2およびPDE5の活性を評価した。
【0040】
[3H]R−ロリプラム結合アッセイ
Schneiderおよび共同研究者らの方法を改変することにより[3H]R−ロリプラム結合アッセイを行った。Nicholson, et al., Trends Pharmacol. Sci., Vol. 12, pp.19-27 (1991) および McHale et al., Mol. Pharmacol., Vol. 39, 109-113 (1991)参照。R−ロリプラムはPDE4の触媒部位に結合する。Torphy et al., Mol. Pharmacol., Vol. 39, pp. 376-384 (1991)参照。結果として、[3H]R−ロリプラム結合に関する競争により、未標識成分のPDE4阻害能の独立した確認が行える。最終濃度で50 mM Tris-HCl, pH 7.5, 5 mM MgCl2, 0.05% ウシ血清アルブミン, 2 nM [3H]R-ロリプラム (5.7 x 104 dpm/pmol) および種々の濃度の未放射性標識阻害剤を含有する0.5μlのバッファー中、30℃で1時間アッセイを行った。2.5mlの氷冷反応バッファー([3H]R−ロリプラム不含)を添加することにより反応を停止させ、次いで、0.3%ポリエチレンイミンに前もって浸漬しておいたWhatman GF/Bフィルターによる迅速減圧濾過(Brandel Cell Harvester)を行った。さらなる氷冷バッファー7.5mlでフィルターを洗浄し、乾燥させ、次いで、液体シンチレーション分光測定法によりカウントした。
【0041】
処方例
A:一定用量吸入器
【表1】
微粉砕された有効成分(例えば、120回分)をアルミ缶中に計り取り、次いで、1,1,1,2-テトラフルオロエタンを減圧フラスコから添加し、計量弁を装備する。
【0042】
B:乾燥粉末吸入器
【表2】
有効成分を微粉砕し、上記割合で乳糖とバルクブレンドする。ブレンド物を硬ゼラチンカプセルまたはカートリッジ中あるいは特別に構成された二重ホイルブリスターパックに充填して、Rotahaler、Diskhaler、またはDiskus 吸入器 (これらはそれぞれGlaxo Group Limitedの商標である)のごとき吸入器により投与する。
【0043】
C.鼻からの投与のための処方
【表3】
【0044】
Valois VP7プレコンプレッションポンプにより分注された100μlの一定体積中に、約15mcgのシロミラストおよび10mcgのチオプロピウムがデリバリーされるであろう。
【0045】
D.経口錠剤
表5は、PDE4阻害剤および抗コリン作用性薬剤の組み合わせを投与するために用いることができる錠剤処方を示す。
【表4】
標準的な乾燥粉末混合および圧縮錠剤化ツールを用いる慣用的手段により錠剤調合物が調製される。
発明の領域
本発明は、肺疾患の徴候の発生を予防または減少させる組成物および方法、あるいは肺疾患の重篤性を処置または減少させる組成物および方法に関する。詳細には、本発明は、PDE4阻害剤および抗コリン作用性薬剤、特にM1、M2、M1/M2またはM3受容体アンタゴニストを投与することによる肺疾患の治療用組成物および治療方法に関する。
【0002】
発明の背景
新規な肺疾患治療薬の同定は、多数のメディエイタが疾病の発症に関与しているという事実により困難なものとなっている。かくして、単一のメディエイタの効果を除去することが特定の肺疾患の他のすべての成分に対して実質的に影響することはありえないように思われている。「メディエイタアプローチ」とは別のアプローチは、疾患の病理生理に関与する細胞の活性を調節することである。本明細書に示されたそのようなアプローチは、2種のレギュレータ、PDE4特異的阻害剤および抗コリン作用性薬剤を用いるものである。
【0003】
PDE4特異的阻害剤は、cAMP(アデノシンサイクリック 3',5'-モノホスフェート)レベルを上昇させることにより細胞調節のための新たなアプローチを提供する。サイクリックAMPは、広範なホルモン、神経伝達物質および薬剤に対する生物学的応答を媒介する第2のメッセンジャーであることが示されている(Krebs Endocrinology Proceedings of the 4th International Congress Excerpta Medica, 17-29, 1973)。適切なアゴニストが特異的な細胞表面受容体に結合すると、アデニル酸シクラーゼが活性化され、それは速やかにMg2+−ATPをcAMPに変換する。
【0004】
サイクリックAMPは、外来性(アレルギー性)喘息の病理生理に関与する細胞のすべてではないが大部分の活性をモジュレーションする。そのようなものとして、cAMPの上昇は下記のものを包含する有益な効果をもたらす:1)気道平滑筋弛緩、2)肥満細胞メディエイタ放出抑制、3)好中球脱顆粒抑制、4)好塩基球脱顆粒抑制、および5)単球およびマクロファージ活性化抑制。それゆえ、アデニル酸シクラーゼを活性化あるいはホスホジエステラーゼを阻害する化合物は、気道平滑筋および広範な炎症細胞の不適切な活性化の抑制に有効なはずである。cAMP不活性化に関する主要な細胞機構は、環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDEs)と呼ばれるアイソザイムのファミリーの1種またはそれ以上のものによる3’−ホスホジエステル結合の加水分解である。
【0005】
独特な環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)アイソザイムであるPDE4は、気道平滑筋および炎症細胞におけるcAMP分解に関与している(Torphy, "Phosphodiesterase Isozymes: Potential Targets for Novel Anti-asthmatic Agents" in New Drugs for Asthma, Barnes, ed. IBC Technical Services Ltd., 1989)。この酵素を阻害すると、気道平滑筋弛緩が起こるだけでなく、肥満細胞、好塩基球および好中球の立つ顆粒も抑制され、同時に単球および好中球の活性化も抑制されることが研究により示されている。そのうえ、インビボの場合であろうが、標的細胞のアデニル酸シクラーゼ活性が適切なホルモンまたはオートコイドにより上昇されるとPDE4阻害剤の有益な効果が著しく高められる。かくして、PDE4阻害剤、特にPDE4特異的阻害剤は肺において有効であり、そこでプロスタグランジンE2およびプロスタサイクリン(アデニル酸シクラーゼの活性化剤)のレベルが上昇するであろう。
【0006】
さらに、多くの肺疾患の病因が多数のメディエイタに関連しているという事実に照らせば、治療薬を組み合わせることが有用でありうる。本発明において、肺疾患、特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息または慢性気管支炎もしくはアレルギー性鼻炎のごとき関連肺疾患を治療するための、PDE4阻害剤と適切な抗コリン作用性薬剤の組み合わせが提供される。
【0007】
発明の概要
第1の態様において、本発明は、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させることが必要な患者に有効量のPDE4阻害剤および抗コリン作用性薬剤を単一の組み合わせ形態として、別個に、あるいは別個かつ逐次に投与することによる、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させる方法に関し、ここに逐次投与は時間的に近いものであってもよく、遠いものであってもよい。
【0008】
第2の態様において、本発明は、有効量のPDE4阻害剤、有効量の抗コリン作用性薬剤、および医薬上許容される賦形剤を含む、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させるための組成物に関する。
【0009】
第3の態様において、本発明は、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させるのに有効な組成物の製造方法に関し、該方法は、有効量のPDE4阻害剤と抗コリン作用性薬剤とを医薬上許容される賦形剤と混合することを特徴とする。
【0010】
第4の態様において、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させるための医薬または医薬パックの製造における、単一の組み合わせ形態となった、別個の、あるいは別個かつ逐次に投与される有効量のPDE4阻害剤および抗コリン作用性薬剤の使用が提供され、ここに逐次投与は時間的に近いものであってもよく、遠いものであってもよい。
【0011】
第5の態様において、肺疾患に関連した病状悪化を予防、治療または減少させるための医薬または医薬パックの製造における、有効量のPDE4阻害剤、有効量のM1、M2またはM1/M2受容体アンタゴニストおよび医薬上許容される賦形剤を含む組成物の使用が提供される。
【0012】
発明の詳細な記載
本発明により完成された組み合わせ治療は、抗コリン作用性薬剤、詳細にはM1、M2またはM1/M2受容体アンタゴニストとともにPDE4阻害剤を投与して、肺疾患イベントの発生を予防し、存在している症状を治療し、あるいは慢性気道疾患にかかっている患者においてしばしば発生する病状悪化の頻度または重篤性を減じることを特徴とする。化合物を一緒にして単一の剤形として投与してもよい。あるいはそれらを異なる剤形として投与してもよい。それらを同時に投与してもよい。あるいはそれらを時間的に近くあるいは遠く、例えば、1の薬剤を朝に投与し、第2の薬剤を夕方に投与してもよい。組み合わせを予防的に用いてもよく、あるいは徴候の発生が起こってから用いてもよい。いくつかの例において、組み合わせ(複数も可)を用いて肺疾患の進行を防止してもよく、あるいは肺機能のごとき機能低下を阻止してもよい。さらに、この組み合わせは、COPDのごときある種の肺疾患の罹病率および/または重篤性を減じるのに有用である。COPD患者における病状悪化の頻度および重篤性に対するこの組み合わせの影響を決定し評価するための試験方法については2000年7月27日に出願された同時係属の米国仮出願第60/221275号参照。その方法論、およびその出願の全開示を参照により本明細書に一体化させる。
【0013】
本発明において有用であるPDE4阻害剤は、PDE4酵素を阻害することが知られている化合物、あるいはPDE4阻害剤として作用することが見出された化合物、およびPDE4のみ、または本質的にPDE4のみに対する阻害剤である化合物であってよいが、PDE4だけでなく他のPDEファミリーのメンバーに対して治療効果を示す程度にまで影響する化合物ではない。一般的には、高いアフィニティーでロリプラムに結合するPED4触媒形態に対するIC50を低いアフィニティーでロリプラムに結合する形態に対するIC50で割った場合におけるIC50比が約0.1またはそれ以上であるPDE4アンタゴニストを用いることが好ましい。
【0014】
炎症の治療に、そして気管支拡張剤、テオフィリンおよびペントキシフィリン様薬剤として使用されるPDE阻害剤は、すべての組織において無差別にPDEアイソザイムを阻害する。見かけ上これらの化合物はすべての組織において5種すべてのPDEアイソザイムを非選択的に阻害するので、副作用を示す。かかる化合物により標的とされる疾病状態が有効に治療されうるが、望ましくない副作用が示される。仮にそれらが回避あるいは最小化され得た場合には、特定の疾病状態を治療するためのこのアプローチの正味の治療効果は増大するであろう。例えば、抗鬱剤として開発された選択的PDE4阻害剤ロリプランを用いた臨床研究により、それが向精神活性を有し、胃腸に対する影響、例えば、胸焼けおよび悪心嘔吐を生じさせることが示されている。
【0015】
阻害剤が結合するヒト単球組み換え型PDE4(hPDE4)には少なくとも2種の結合形態が存在することがわかった。これらの観察結果に関する1の説明は、hPDE4が2つの異なる形態として存在するというものである。1の形態はロリプラムおよびデンブフィリンのように高いアフィニティーで結合し、もう1つの形態は低いアフィニティーでこれらの化合物に結合する。本発明に使用される好ましいPDE4阻害剤は健康によい治療比を有する化合物、すなわち、酵素が低いアフィニティーでロリプラムに結合する形態である場合にcAMP触媒活性を優先的に阻害し、そのことにより高いアフィニティーでロリプラムに結合する形態の阻害に見かけ上リンクした副作用を減じる化合物である。このことを叙述するためのもう1つのやり方は、好ましい化合物は、高いアフィニティーでロリプラムに結合するPED4触媒形態に対するIC50を低いアフィニティーでロリプラムに結合する形態に対するIC50で割った場合におけるIC50比が約0.1またはそれ以上であるということである。
【0016】
米国特許第5998428号が参照され、それはこれらの方法をより詳細に説明するものである。それを本明細書に一体化させる。
【0017】
0.5よりも大きいIC50比を有するPDE4阻害剤が最も好ましく、特に1.0よりも大きいIC50比を有するPDE4阻害剤が最も好ましい。
【0018】
好ましい化合物は、シロミラスト(cilomilast)またはアリフロ(Ariflo)(登録商標)としても知られるシス[シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート]、2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン、およびシス[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]である。それらは米国特許第5449686号および5552438号に記載の方法により製造できる。本発明に用いることができる他のPDE4阻害剤、特異的阻害剤はAstraのAWD−12−281(Hofgen, N. et al. 15th EFMC Int Symp Med Chem (Sept 6-10, Edinburgh) 1998, Abst P.98);NCS−613と命名された9−ベンジルアデニン誘導体(INSERM);Chiroscience および Schering-PloughのD−4418;CI−1018として同定されたベンゾジアゼピンPDE4阻害剤(PD-168787; Parke-Davis/Warner-Lambert);WO9916766に開示されたベンゾジオキソール誘導体Kyowa Hakko;NappのV−11294A(Landells, L.J. et al. Eur Resp J [Annu Cong Eur Resp Soc (Sept 19-23, Geneva) 1998] 1998, 12(Suppl. 28): Abst P2393);ロフルミラスト(CAS reference No 162401-32-3)およびByk-Guldenのフタラジノン(WO9947505);あるいはT−440として同定された化合物(Tanabe Seiyaku; Fuji, K. et al. J Pharmacol Exp Ther,1998, 284(1): 162)である。
【0019】
本発明の抗コリン作用性薬剤はムスカリン様受容体においてアンタゴニストとして作用する化合物である。主としてこれらの受容体は、節後副交感神経により刺激される自律神経エフェクター細胞上に見出される。それらは脳、神経節、および血管のごときある種の血液細胞上にも存在する。このタイプの受容体に関する初期の研究により、末梢や中枢の細胞や組織に存在するものとして特徴付けられるサブタイプが同定された。それらは2種のアゴニスト、McN−A−343およびベタネコール(bethanechol)により分類され、M1(神経節)およびM2(エフェクター細胞)と呼ばれている。1988年にGoyalはこれら2種の受容体に関する現在の知識についてのレビューを公表した(Goyal, R. K., Identification, Localizaton and classification of muscarinic receptor subtypes in the gut. Life Sci. 1988, 43, 2009-2220)。cDNAクローニング法を用いたその後の研究により、現在に至るまで5種の異なるサブタイプが同定されている(Bonner et al., Science, 1987, 237: 527-531)。この治療法の目的からすると、主要な興味はM1およびM2ならびにこれらの受容体のアンタゴニストにある。典型的な化合物はアトロピン、スコポラミン、ホマトロピン、ヒオシアミンのごときベラドンナ植物のアルカロイドであり、それらの化合物は通常には第3級アミン類であり、塩として投与される。これらの薬剤、特に塩の形態のものは多くの市販源から容易に入手でき、あるいは下記のごとき文献データから製造または調製されうる:
アトロピン(Atropine) - CAS-51-55-8 または CAS-51-48-1 (無水物)、硫酸アトロピン - CAS-5908-99-6; アトロピンオキシド - CAS-4438-22-6 または そのHCl塩 - CAS-4574-60-1 および 硝酸メチルアトロピン - CAS-52-88-0
ホマトロピン(Homatropine) - CAS-87-00-3、 臭化水素酸塩 - CAS-51-56-9、臭化メチル塩 - CAS-80-49-9
ヒオシアミン(Hyoscyamine)(d, l) - CAS-101-31-5、臭化水素酸塩 - CAS-306-03-6 および 硫酸塩 - CAS-6835-16-1
スコポラミン(Scopolamine) - CAS-51-34-3、臭化水素酸塩 - CAS-6533-68-2、臭化メチル塩 - CAS-155-41-9
【0020】
ベラドンナアルカロイドの第4級アンモニウム誘導体もまたこの組み合わせにおいて有用である。例えば、アトロベント(Atrovent)の名称で販売されている臭化イプラトロピウムは、アトロピンの窒素上にイソプロピル基を導入することにより得られるアトロピンの第4級アンモニウム誘導体である。アトロピンの別の誘導体である臭化オキシトロピウムはアザビシクロ[3.2.1]オクチル環の窒素上にエチル基を有する。関連化合物はチオトロピウム(CAS−139404−48−1)およびその臭化物塩(Spiriva(登録商標))である。興味深いものとしてはさらに下記のものがある:
メタンセリン(methantheline)(CAS-53-46-3)、臭化プロパンセリン(propantheline bromide)(CAS- 50-34-9)、臭化メチルアニソトロピン(anisotropine methyl bromide)またはバルピン(Valpin)50 (CAS- 80-50-2)、臭化クロジニウム(clidinium bromide)(カルザン(Quarzan),CAS-3485-62-9)、コピロレート(copyrrolate)(ロビヌル(Robinul))、ヨウ化イソプロパミド(isopropamide iodide)(CAS-71-81-8)、臭化メペンゾレート(mepenzolate bromide)(米国特許第2,918,408号)、塩化トリジヘキセチル(tridihexethyl chloride)(パチロン,CAS-4310-35-4)、およびメチル硫酸ヘキソシクリウム(hexocyclium methylsulfate)(トラール(Tral),CAS-115-63-9)。塩酸シクロペントレート(cyclopentolate hydrochloride)(CAS-5870-29-1)、トロピカミド(tropicamide)(CAS-1508-75-4)、塩酸トリヘキシフェニジル(CAS-144-11-6)、ピレンゼピン(pirenzepine)(CAS-29868-97-1)、テレンゼピン(telenzepine)(CAS-80880-90-9)、AF-DX 116、またはメトクトラミン(methoctramine)も参照。
【0021】
これらの化合物は市販源から入手可能である。さらに、それらはテキストGoodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, Ninth Ed, 1996, McGraw-Hill at pages 586 to 591中にいくぶん詳細に説明されており、大部分のものはいくつかの形態または別形態がThe Physicians Desk Reference, (Vol. 54, 2000, Medical Economic Co., Montvale, NJ, USAに示されている。両方の文献は各化合物に関する情報、投与量および経路、典型的な処方データ、臭化メペンゾレートに関して記載されたChemical Abstract System番号および米国特許を提供するものである。
【0022】
予防または治療のために、1種またはそれ以上のこれらの薬剤を1またはそれ以上のPDE4阻害剤とともに使用することができる。
【0023】
記載したすべての化合物は、必要かつ適切ならば、別の医薬上許容される誘導体の形態、例えば、その塩およびエステルとして使用してもよい。
【0024】
通常には、これらの薬剤は経口調合物または鼻用スプレーまたはエアロゾルとして、あるいは吸入用粉末として投与される。本発明は、吸入器のごとき1のデリバリー形態として両方の薬剤を同時投与すること、すなわち、両方の薬剤を同じ吸入器に入れることも企図する。あるいはまた、PDE4阻害剤を錠剤に入れ、それらを抗コリン作用性薬剤の入った吸入器とともに包装することもできる。
【0025】
経口投与された場合に活性のある本発明の化合物および医薬上許容される塩を、シロップ、錠剤、カプセル、制御放出調合物またはロゼンジとして、あるいは吸入可能な調合物として処方することができる。
【0026】
一般的には、シロップ処方は、香料または着色料を伴った液体担体、例えばエタノール、ピーナッツ油、オリーブ油、グリセリンまたは水中の化合物または塩の懸濁液または溶液からなる。組成物が錠剤の形態である場合には、固体処方を調合するのに通常使用されるいずれの医薬担体を用いてもよい。かかる担体の例は、シテアリン酸マグネシウム、白陶土、タルク、ゼラチン、アラビアゴム、ステアリン酸、デンプン、乳糖およびショ糖を包含する。組成物がカプセルの形態である場合には、いずれのカプセル封入法も適し、例えば、硬ゼラチンカプセル殻中に上記担体を用いる。組成物が軟ゼラチン殻カプセルの形態である場合、分散物または懸濁液を調合するのに通常使用されるいずれかの医薬担体が用いられ、例えば、水性ガム、セルロース、シリケートまたは油脂であり、それらは軟ゼラチンカプセル殻中に入れられる。
【0027】
吸入のための典型的な組成物は乾燥粉末、溶液、懸濁液またはエマルジョンの形態である。例えば、乾燥粉末吸入器(例えば、1回用または複数回用吸入器、米国特許第5590645号に例がある)により、あるいは霧化により、あるいは加圧エアロゾルの形態として投与してもよい。典型的には、乾燥粉末組成物には乳糖、トレハロースまたはデンプンのごとき担体を用いる。典型的には、霧化用組成物には水を担体として用いる。典型的には、加圧エアロゾルにはジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンまたはより好ましくは1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパンまたはそれらの混合物のごとき噴射剤を用いる。加圧エアロゾル処方は溶液(おそらくエタノールのごとき可溶化剤を使用)または懸濁液の形態であってもよく、それらは賦形剤不含であってもよく、あるいは界面活性剤および/または共溶媒(例えば、エタノール)を包含する賦形剤を用いるものであってもよい。乾燥粉末組成物および懸濁エアロゾル組成物において、好ましくは、有効成分は吸入に適したサイズである(典型的には、20ミクロン未満、例えば、1〜10ミクロン、特別には1〜5ミクロンのマスメジアン直径(MMD)を有する)。例えば、微粉砕により有効成分のサイズを減少させることが必要かもしれない。
【0028】
一般的には、弁、特に計量弁に適合するキャニスター中に加圧エアロゾル組成物を充填する。キャニスターはプラスチック材料、例えばWO96/32150に記載されたフルオロカーボンポリマーでコーティングされていてもよい。キャニスターは頬側デリバリーに適合したアクチュエーター中に適合したものであろう。
【0029】
典型的な鼻デリバリー用組成物は上記の吸入用のものを包含し、さらに、鼻用ポンプにより投与されてもよい、バッファー、抗微生物剤、浸透圧調節剤および粘度調節剤のごとき慣用的な賦形剤と組み合わされていてもよい水のごとき不活性担体中の溶液または懸濁液の形態の非加圧組成物を包含する。
【0030】
典型的な皮膚および経皮処方は慣用的な水性または非水性担体を含有し、例えば、クリーム、軟膏、ローションまたはパスタであり、あるいは薬用プラスター、パッチまたは膜の形態である。
【0031】
好ましくは、組成物は単位投与形態、例えば錠剤、カプセルまたは一定量エアロゾルであり、患者が1回で服用できるものである。
【0032】
経口投与用の各投与単位は、適当には0.3mgないし60mg/kg、好ましくは1mgないし30mg/kgの化合物またはその医薬上許容される塩を含有する。好ましい用量は、COPDに治療には10mgないし15mg/kgである。非経口投与用の各投与単位は、適当には0.1mgないし100mg/kgの化合物またはその医薬上許容される塩を含有する。鼻腔内投与用の各投与単位は、1回の活性化につき適当には1ないし400mcg、好ましくは10ないし200mcgである。局所処方は、適当には0.001ないし5.0%の本発明化合物を含む。所望活性が十分に示されるよう有効成分を1日の1ないし6回投与してもよい。好ましくは、有効成分を1日に1回または2回投与する。
【0033】
両方の有効成分を同時に、あるいは時間的に非常に近傍において投与することが企図される。別法として、1の薬剤を朝に投与し、もう1つの薬剤をその日遅くに投与することができる。あるいは1の薬剤を1日に2回投与し、もう1つの薬剤を1日に1回投与することができ、もう1つの薬剤の投与は1の薬剤の2回投与のうちのいずれかと同時であってもよく、別個に投与してもよい。
【0034】
下記の実施例は本発明をいかにして実施するのかを説明するものである。実施例は本発明を何等限定するものではない。発明者の権利がいかなるものかは特許請求の範囲を参照されたい。
【実施例】
【0035】
5つのスピーシズにまたがる下記の8つのアッセイを用いて約0.1またはそれ以上のIC50比の選択を支持するデータを得た。アッセイは下記のものであった:ウサギの単離壁腺(parietal gland)からの酸の産生に対する刺激;ヒト好中球におけるFMLPにより誘導される脱顆粒(myleoperoxidaseの放出)に対する阻害;モルモット好酸球におけるFMLPにより誘導されるO2生成に対する阻害;ヒト単球におけるFMLPにより誘導されるTNFα産生に対する阻害;イヌにおける嘔吐の発生;モルモットにおいて抗原により誘導される気管支収縮に対する阻害;マウスにおけるレセルピンにより誘導される低体温の逆転;ならびにマウスにおける養子移入されたヒト単球からのLPSにより誘導されるTNFα産生に対する阻害。これらのアッセイおよびデータを以下に示す。
【0036】
統計学的分析
PDE4の低アフィニティー部位の阻害がこのクラスの化合物の抗炎症作用に関連しているが、高アフィニティー部位の阻害はある種の副作用の発生に関連していることを調べるために、我々は、インビトロおよびインビボ両方における種々のPDE4阻害剤の炎症細胞機能ブロック能ならびにインビトロおよびインビボモデルにおけるこれらの化合物の副作用発生能を調べた。PDE4阻害剤が一定の治療効果または副作用を誘発する能力を、PDE4の高アフィニティー部位を阻害するそれらの能力対低アフィニティー部位を阻害するそれらの能力と比較するために、我々は、インビトロまたはインビボアッセイにおいて、単離酵素触媒活性または高アフィニティー部位に対するこれらの化合物の能力を、(r2)の線形相関またはランクオーダー相関(Spearman's Rho)により比較した。線形相関は、低アフィニティー部位または高アフィニティー部位のいずれかを阻害する際の化合物の能力を用いて一定の抗炎症効果または副作用を誘発する能力を予測できるかどうかを調べるものである。ランクオーダー相関は、一定の抗炎症効果または副作用を生じさせる際のランクオーダー能(rank order potency)が低アフィニティー部位または高アフィニティー部位を阻害する際のランクオーダー能に類似したものであるかどうかを調べるものである。r2およびSpearman's RhoはいずれもマッキントシュのSTST View IIコンピュータープログラムを用いて計算された。
【0037】
PDE4対ロリプラム高アフィニティー結合
実施例1−ホスホジエステラーゼおよびロリプラム結合アッセイ
実施例1A
単離ヒト単球PDE4およびhrPDE(ヒト組み換え型PDE4)は、主に低アフィニティー形態として存在していることがわかった。それゆえ、1μM[3H]cAMPを基質として用いてPED4触媒活性に関する標準的アッセイを用いてPDE4の低アフィニティー形態に対する試験化合物のアフィニティーを評価することができる(Torphy et al., J. of Biol. Chem., Vol. 267, No. 3 pp1798-1804, 1992)。
【0038】
ラット脳高速上清(high-speed supernatants)を蛋白源として用いた。[3H]−ロリプラムのエナンチオマーを調製して、25.6Ci/mmolの比活性とした。標準アッセイ条件を公表された手順を改変して、cAMPの関する最終手順を除きPDEアッセイ条件と同じにした:50mM Tris HCl (pH 7.5), 5 mM MgCl2, and 1 nanoM of [3H]-rolipram (Torphy et al., J. of Biol. Chem., Vol. 267, No. 3 pp1798-1804, 1992)。アッセイを30℃で1時間行った。反応を終結させ、Brandellセルハーベスターを用いて結合リガンドを遊離リガンドから分離した。[3H]−cAMPおよび[3H]5’−AMPが存在しないことを除き、低アフィニティーPDE活性の測定に用いられる条件と同じ条件下で高アフィニティー結合部位に関する競争を評価した。実施例1Aに記載したプロトコルを用いて8ページの表Iに示すデータを得た。
【0039】
実施例1B
ホスホジエステラーゼ活性の測定
供給者(Amersham Life Sciences)により説明されたようにして[3H]cAMPシンチレーション近似アッセイまたは[3H]cGMP SPA酵素アッセイを用いてPDE活性をアッセイした。以下のもの(最終濃度)を含有する0.1mlの反応バッファー中で、96ウェル中室温で反応を行った:50 mM Tris-HCl, pH 7.5, 8.3 mM MgCl2, 1.7 mM EGTA, [3H]cAMP または [3H] cGMP (約 2000 dpm/pmol), 酵素および種々の濃度の阻害剤。アッセイを1時間行い、硫酸亜鉛の存在下で50μlのSPAイットリウムシリケートビーズを添加することによりアッセイを停止させた。プレートを振盪し、次いで、室温で20分放置した。シンチレーション分光測定法により放射性標識生成物の形成を評価した。0.05μMの[3H]cAMPを基質として用いてPDE3およびPDE7の活性を評価し、1μMの[3H]cAMPを基質として用いてPDE4を評価した。1μMの[3H]cGMPを基質として用いてPDE1B、PDE1C、PDE2およびPDE5の活性を評価した。
【0040】
[3H]R−ロリプラム結合アッセイ
Schneiderおよび共同研究者らの方法を改変することにより[3H]R−ロリプラム結合アッセイを行った。Nicholson, et al., Trends Pharmacol. Sci., Vol. 12, pp.19-27 (1991) および McHale et al., Mol. Pharmacol., Vol. 39, 109-113 (1991)参照。R−ロリプラムはPDE4の触媒部位に結合する。Torphy et al., Mol. Pharmacol., Vol. 39, pp. 376-384 (1991)参照。結果として、[3H]R−ロリプラム結合に関する競争により、未標識成分のPDE4阻害能の独立した確認が行える。最終濃度で50 mM Tris-HCl, pH 7.5, 5 mM MgCl2, 0.05% ウシ血清アルブミン, 2 nM [3H]R-ロリプラム (5.7 x 104 dpm/pmol) および種々の濃度の未放射性標識阻害剤を含有する0.5μlのバッファー中、30℃で1時間アッセイを行った。2.5mlの氷冷反応バッファー([3H]R−ロリプラム不含)を添加することにより反応を停止させ、次いで、0.3%ポリエチレンイミンに前もって浸漬しておいたWhatman GF/Bフィルターによる迅速減圧濾過(Brandel Cell Harvester)を行った。さらなる氷冷バッファー7.5mlでフィルターを洗浄し、乾燥させ、次いで、液体シンチレーション分光測定法によりカウントした。
【0041】
処方例
A:一定用量吸入器
【表1】
微粉砕された有効成分(例えば、120回分)をアルミ缶中に計り取り、次いで、1,1,1,2-テトラフルオロエタンを減圧フラスコから添加し、計量弁を装備する。
【0042】
B:乾燥粉末吸入器
【表2】
有効成分を微粉砕し、上記割合で乳糖とバルクブレンドする。ブレンド物を硬ゼラチンカプセルまたはカートリッジ中あるいは特別に構成された二重ホイルブリスターパックに充填して、Rotahaler、Diskhaler、またはDiskus 吸入器 (これらはそれぞれGlaxo Group Limitedの商標である)のごとき吸入器により投与する。
【0043】
C.鼻からの投与のための処方
【表3】
【0044】
Valois VP7プレコンプレッションポンプにより分注された100μlの一定体積中に、約15mcgのシロミラストおよび10mcgのチオプロピウムがデリバリーされるであろう。
【0045】
D.経口錠剤
表5は、PDE4阻害剤および抗コリン作用性薬剤の組み合わせを投与するために用いることができる錠剤処方を示す。
【表4】
標準的な乾燥粉末混合および圧縮錠剤化ツールを用いる慣用的手段により錠剤調合物が調製される。
Claims (9)
- 肺疾患の予防、治療、または肺疾患に関連した病状悪化の抑制の方法であって、有効量のPDE4阻害剤および抗コリン作用性薬剤を単一の組み合わせ形態として、別個に、あるいは別個かつ逐次に、該予防、治療、または抑制を必要とする患者に投与することによる方法。
- 有効量のPDE4阻害剤、有効量の抗コリン作用性薬剤、および医薬上許容される賦形剤を含む、肺疾患の予防、治療、または肺疾患に関連した病状悪化の抑制のための組成物。
- 有効量のPDE4阻害剤および有効量の抗コリン作用性薬剤を医薬上許容される賦形剤と混合することを特徴とする、肺疾患の予防、治療、または肺疾患に関連した病状悪化の抑制のための組成物の製造方法。
- 肺疾患の予防、治療、または肺疾患に関連した病状悪化の抑制のための医薬の製造における、有効量のPDE4阻害剤、有効量の抗コリン作用性薬剤および医薬上許容される賦形剤を含む組成物の使用。
- PDE4阻害剤がシロミラストである上記請求項1−4のいずれか1項記載の発明。
- 抗コリン作用性薬剤がチオトロピウムまたはその塩である上記請求項1−5のいずれか1項記載の発明。
- PDE4阻害剤がシロミラストであり、抗コリン作用性薬剤がチオトロピウムまたはその塩である請求項1−6のいずれか1項記載の発明。
- 肺疾患が慢性閉塞性肺疾患である請求項1−7のいずれか1項記載の発明。
- 肺疾患が喘息である請求項1−7のいずれか1項記載の発明。
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