JP2004538115A - ソニフィケーションを用いた生理学的モニタ方法および手段 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は人間の呼吸およびガス交換のモニタ手段及び方法に関する。特に、呼吸パラメータのソニフィケーションを行って、麻酔をしている間および集中治療を行っている間の人間の呼吸およびガス交換をモニタする技術に関するが、この用途に限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
従来より様々な呼吸検知および/またはモニタ装置が提案されており、様々な装置に利用されている。これらの装置はインピーダンス血量計、インダクタンス血量計、聴覚モニタ、筋電図または心電図モニタ、歪計などを利用した装置を含む。これらの装置は、目的によっては使用方法が複雑すぎる、モニタが不可能である、あるいは呼吸の型の違い及び/又は気道を塞ぐ異物、驚き、ため息、あくびなどの関連性のないできごとと、機械的および電磁的な特徴のある人為的なできごととの差がわからない等、さまざまな限界がある。このような限界があるにもかかわらず、これらの装置は、患者の安全のために呼吸モニタが非常に重要な役割を持つという過去の実績に基づいて今日も使用されている。
【0003】
近年は、パルス酸素濃度計およびカプノグラフィが、心拍度数および酸素飽和状態をモニタするのに使用されている。パルス酸素濃度計は、米国特許4,653,498に開示されており、これはソニフィケーションを利用している。呼吸機能に関する情報を伝達するように設計されたソニフィケーションの実験が報告されているが(フィッチアンドクラマー、1994; ローブアンドフィッチ、2000)、どれも心血管ソニフィケーションを再加工するという内容であり、また、すべては実験的なものに過ぎない。制御条件下におけるさまざまな呼吸ソニフィケーションの効果についての比較研究はなされておらず、また手術室における場合のように、他の課題が実行されなくてはならない場合の呼吸ソニフィケーションの効果についての研究もなされていない。従って、呼吸ソニフィケーションはヘルスケアその他の生理学的なモニタコンテキストにおける通常の臨床的使用には利用されていない。
【0004】
臨床的なコンテキストに使用されている唯一の装置は、呼吸に関する聴覚的な情報を提供するものであり、それは人工呼吸器と前胸部聴診器である。人口呼吸器は麻酔および集中治療において、患者の呼吸を補助するために使用され、通常は空気と酸素を混合したものを送り込む装置である。麻酔を行う場合は、笑気ガス、イソフルラン、セボフルラン、ハロタンなどの様々な麻酔薬が加えられる。人工呼吸器は、概ね以下のように区別され、様々なモードで作動する。
1)患者の自発呼吸
2)患者の呼吸の手動補助
3)患者の呼吸の機械補助
【0005】
自発呼吸は、補助なしでの呼吸を意味し、呼吸数、気管内圧、1回の呼吸量、呼吸流量、呼気終末炭酸ガス分圧(ETCO2)を測定することができる。手動補助呼吸は、麻酔医によって補助されて患者が呼吸することを意味し、麻酔医は人工呼吸器に取り付けられたガスが充満したバッグを絞って一定のインターバルで患者の肺へ手動でガスを送り込む。
【0006】
機械補助呼吸は、維持する肺内圧の状態、供給されるガス量、維持する呼吸数、患者がある程度呼吸している場合は患者の1回の呼気について与えられる機械呼気の割合、呼息期間に対する吸息期間の割合、などに応じた様々なモードがある。機械的に人工呼吸を行う場合、機械的に駆動するベローズを介してガスが患者に自動的に送り込まれる。
【0007】
旧式の麻酔装置や人工呼吸器では、ベローズが目に見える場所にあり、周辺ノイズと伴にその動作音をはっきりと聞き取ることができる。しかしながら、新式の麻酔装置や人工呼吸器では、ベローズの動作はより静かに行われ、ベローズを見えないところに配置する傾向にある。それにより、旧式の人工呼吸器がもたらしていた機械補助呼吸における非公式情報は得られなくなりつつあり、それが不利な結果を伴っている可能性もある。
【0008】
前胸部聴診器は、通常の聴診器に見られるような患者の胸に取り付けられたチューブに連結されたセンサと、麻酔医や救命医療者が身につける通常1個のイヤーピースを具える。前胸部聴診器は、自然に発生した心臓と肺の音を高い忠実度で増幅する。呼吸数と呼息と吸息の比率を聞くことができ、呼吸の深さを推察できるのみならず、様々に変化する肺の音や、適切でない挿管(呼吸チューブの位置)、妨害および閉塞、呼吸異常および肺疾患を示唆する特徴を知ることができる。しかしながら、前胸部聴診器は、患者の呼吸機能を連続的にモニタする手段としては問題がある。例えば、前胸部聴診器は、カプノメトリの存在を必要とするETCO2に関する情報を提供するものではなく、又、モニタするためにはセンサとイヤーピースが常に所定の位置になければならず不便である。
【0009】
このように、人工呼吸器も前胸部聴診器も満足のゆく標題の呼吸モニタ手段を提供するものではない。従って、特に麻酔中および集中治療を行っている間に、人間の呼吸をモニタする手段が現実的に嘱望されている。
【0010】
本出願人は、上記の注目されている問題点を解決する、もしくは少なくともある程度改善する呼吸ソニフィケーション手段および方法を開発した。
【0011】
参考文献
【非特許文献1】
Fitch, W.T., & Kramer, g. (1994). Sonifying the body electric: Superiority of an auditory over a visual display in a complex, multivariate system. In G. Kramer (Ed.), Auditory display: Sonification, audification, and auditory interfaces. Reading, MA: Addison-Wesley.
【非特許文献2】
Kramer, G. (1994), Auditory display: Sonification, audification, and auditory interfaces. Reading, MA: Addison-Wesley.
【非特許文献3】
Loeb, R. G., & Fitch, W. T. (2000) Laboratory Evaluation of an Auditory Display Designed to Enhance Intra-Operative Monitoring. The Society for Technology in Anesthesia Annual Meeting 13-15 January 2000 Orlando. Abstract from anestech. org/publications. File: Annual-2000/Loeb. html
【非特許文献4】
Tinker, J., Dull, D., Caplan, R., Ward, J., & Cheney, F (1989). Role of monitoring devices in prevention of anesthetic mishaps: a closed claims analysis. Anesthesiology, 71, 541-546.
【非特許文献5】
Webb, R., van der Walt, J., Runciman, W., Williamson, J., Cockings, J., Russell, W. J., & Helps, S. (1993). Which monitor? An analysis of 2000 incident reports. Anaesthesia and Intensive Care, 21, 529-542.
【非特許文献6】
Seagull, F. J., & Sanderson, P.M. (2001a). Anesthesia alarms in surgical context: An observational study. Human Factors, 43(1), 66-77.
【非特許文献7】
Watson, M., & Sanderson, P.M. (1998). Work domain analysis for the evaluation of human interaction with anaesthesia alarm systems. Proceedings of the Australian/New Zealand conference on Computer-Human Interaction (0zCHI98). Los Alamitos: IEEE Computer Society. Pp228-235.
【非特許文献8】
Watson, M., Russel, W. J., & Sanderson, P. (1999). Ecological interface design for anesthesia monitoring. Proceedings of the Australian/New Zealand conference on Computer-Human Interaction (0zCHI99). Wagga Wagga: Charles Sturt University. Pp78-84.
【非特許文献9】
Watson, M., Russell, W. J., & Sanderson, P. (2000a). Anesthesia monitoring, alarm proliferation, and ecological interface design. Australian Journal of Information Systems, 7(2), 109-114.
【非特許文献10】
Watson, M., Sanderson, P., & Russell, J.W. (2000b). Alarm noise and end-user tailoring: The case for continuous auditory displays. Proceedings of the Fifth Annual Symposium on Human Interaction with Complex Systems (HICS2000). Urbana, IL: Beckman Institute. Pp75-80.
【0012】
発明の目的
本発明は、従来の麻酔中および集中治療中の呼吸モニタシステムの制限および欠点を解消すること、あるいは少なくとも有益な選択肢を提供することを目的とする。
【0013】
発明の開示
本発明の一特徴として、本発明は呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムであり、
呼吸中の二酸化炭素濃度を測定するカプノメトリ手段と、
ガス流量と、時間で当該ガスを累積して当該ガス流量の体積を測定する流量測定手段と、
前記カプノメトリ手段と流量測定手段の信号出力をデジタル情報として処理するように適応された信号処理手段と、
前記デジタル情報を合成音響出力に変換する音声合成手段とを具えるシステムにおいて、
呼気と吸気間の呼吸フローの変化と、
呼気終末炭酸ガス分圧(ETCO2)と、累積1回呼吸量(cumVt)における変化が、ラウドスピーカ、ヘッドホン、あるいはイヤーピースを介して聞くことのできる合成音声の変化として表現され、モニタされることを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記カプノメトリ手段は、信号出力手段を有する二酸化炭素電子モニタであり、呼気終末炭酸ガス分圧(ETCO2)を検出して記録できる。
【0015】
好ましくは、前記流量測定手段は、電子呼吸流量計であり、累積1回呼吸量測定が、所定の時間インターバルでガス流量信号を電子的に集積して計数する。
【0016】
好ましくは、前記信号処理手段は、アナログ−デジタル信号コンバータであり、前記カプノメトリ手段と、流量計手段からのアナログ信号をデジタル情報に変換する。
【0017】
好ましくは、音声合成手段は、前記デジタル情報を調整する音響プリアンプ手段を具え、前記デジタル情報を、ラウドスピーカ、ヘッドホン、あるいはイヤーピースを介して聞くことができる合成可聴音声に変換する。
【0018】
好ましくは、吸気が音楽的な3度の音程の高音側として表され、呼気が2音程を含む低音側として表される。
【0019】
好ましくは、呼気終末炭酸ガス分圧(ETCO2)が、呼吸サイクルの相対ピッチの変化によって表され、呼気音のピッチが吸気音の短3度下にセットされており、高ETCO2が高ピッチの一組の音程で表され、低ETCO2が低ピッチの一組の音程で表される。
【0020】
好ましくは、ピッチの変化に5つの領域があり、最も低いピッチレベルが、任意の低ETCO2濃度値を下回る呼気終末炭酸ガス分圧を表し、最も高いピッチレベルが、任意の高ETCO2濃度値を上回る呼気終末炭酸ガス分圧を表す。
【0021】
好ましくは、測定した呼気終末炭酸ガス分圧レベルを呼気音と吸気音の一組の短三度の音の周波数変調としてグラフで表現することができる。
【0022】
好ましくは、累積呼吸量(cumVt)が、時間で体積流量(Vf)を累積することによって計算され、音強度(大きさ)及び/又は音質(音色あるいは明るさ)によって表され、前記累積呼吸量(cumVt)が一以上の音のスペクトル成分の振幅で表され、可聴音の音色あるいはハーモニーの明るさにおける差異を認識することができる。
【0023】
好ましくは、ソニフィケーションの全音量を調節及び調整する音量調整手段などのユーザインターフェース手段を具える。
【0024】
好ましくは、前記ユーザインターフェース手段が電子的あるいは電子機械的な音量調整手段である。
【0025】
好ましくは、呼吸モニタ装置は必ずしも独立して使用される必要はなく、従来のパルス酸素測定システムに併設される。
【0026】
本発明の他の特徴は、麻酔中あるいは集中治療中の人間の呼吸およびガス交換のモニタ方法であり、
流量計を麻酔回路に接続して、患者の肺へのガスの流入量(吸気)と流出量(呼気)を測定するステップと、
カプノメータを麻酔回路に接続して、各呼気の呼気終末炭酸ガス分圧を含む二酸化炭素濃度を測定するステップと、
前記流量計およびカプノメータからの信号を信号処理装置で処理してデジタル情報にするステップと、
前記デジタル情報を音シンセサイザ手段にて音響出力に変換するステップとを具え、呼気と吸気のオンセットおよびオフセットが合成音楽音のトーンの変化として表され、
累積呼吸量(cumVt)が音の強度(大きさ)及び/又は音質(音色あるいは明るさ)として表され、
呼気終末炭酸ガス分圧(ETCO2)が、呼吸サイクルのピッチにおける相対変化によって表され、呼気のピッチが吸気音のピッチの短3度下の音に設定されることを特徴とする。
【0027】
発明の詳細な説明
本発明の呼吸ソニフィケーションは、患者モニタシステムもしくは人工呼吸器から、様々な呼吸パラメータについてのデジタル情報を収集する。次いで、各呼吸パラメータに関する情報を当該呼吸パラメータに対して指定されている特定の可聴ディメンションの値にマッピングする。
【0028】
吸気の初め、すなわち新たな息の開始と、吸気中と呼気中は、すべて、例えば体積流量計などの人工呼吸器センサが決定する。吸気の開始と、呼気の開始は、呼吸ソニフィケーションの構成部品が動作する時間を定義する(図1の矢印1および2参照)。
【0029】
肺に出入りする空気の動きはいずれも、基本音ストリームとして表される。本発明者らの初期の研究では、基本音ストリームに純粋音を使用していた。しかしながら、他の波形あるいは波形の組み合わせも、混乱が生じるほど自然の呼吸音に近い音でない限り使用することができる(下記参照)。
【0030】
肺への移動(吸気)と肺からの移動(呼気)の違いは、整合性のある音質の差として表される。初期の研究では、吸気と呼気を以下のように区別していた。吸気は、音楽的に3度高い音として、吸気は低い音として区別していた(図1のポイント3参照)。しかしながら、これ以外の音程などの、吸気と呼気を音響的に区別する他の方法を使用することもできる。
【0031】
ETCO2は、常に呼吸の終期において計測される。従って、測定を行うその呼吸についてのCO2濃度の情報(音響的あるいは視覚的情報)を提供することは不可能である。ETCO2は測定を行った呼吸の後にのみ計ることが可能である。従って、時間t−1における呼吸のETCO2は、時間tにおける呼吸のソニフィケーションにマッピングされる。ETCO2、その他の変数、および作成したソニフィケーションの関係を図1に示す。
【0032】
本発明の呼吸ソニフィケーションは、ETCO2を呼気音と吸気音の相対的なピッチにマッピングする。(図1の、ポイント4参照)。本発明者らが行った試験では、ETCO2は呼気と吸気で作られる短三度の周波数変調として表されている。言い換えれば、呼気と吸気は、常に同じ音楽的関係、あるいはピッチにおける同じ距離にあるが、呼気と吸気の組合わせの相対ピッチは、ETCO2に応じて変化する。
【0033】
呼吸ソニフィケーションは、1回の呼吸量を表示する必要がある。1回の呼吸量(Vt)は、ETCO2と同様のパラメータであり、呼吸の終期においてのみ知ることができる。従って、Vtをソニフィケーションにマッピングするのであれば、ETCO2のように直前の呼吸についての情報を与える。これに代えて体積流量(Vf)あるいは、麻酔回路のYピースに取り付け可能な流量計の目盛りを用いることができる(図1、ポイント5および6を参照)。Vfは、現呼吸時に、患者の肺にガスが流れるレートに関する即時の情報であり、現呼吸ソニフィケーションにリアルタイムでマッピングすることができる。時間で累積したVfからは、累積呼吸量CumVtを求められる。CumVtは、音強度と音質(音色あるいは明るさ)の組み合わせにマッピングされる。ここでは、CumVt(Vtに対する−実施例1参照)を評価しており、両者とも、音強度(実施例1参照)にのみマッピングされている。図1には、吸気と呼気が、それぞれの中心点あたりに広く記載されている。これは、CumVtで音スペクトラムを文字通り横に広げたものではなく、より大きな音強度の存在及び/又は高調波の様相(音の基本振動数の高調波の存在の増加)の増加を示すものである。
【0034】
本発明の呼吸ソニフィケーションの意義を、次のファクタに関して、従来例と比較した。
【0035】
本発明の呼吸ソニフィケーションは、商用パルス酸素濃度測定システムに併設して動作するものであり、心血管系の変化を含む生理学的変化をより広い範囲で音処理するためのシステムの一部というだけではない。
【0036】
従来の技術では、このことは考えられていなかった。なぜなら、カプノメトリ(呼気終末炭酸ガス分圧)と1回の呼吸量(呼吸量)は、現呼吸が終わるまでわからないため、次の呼吸で音処理されるだけであった。従って、本発明は、前呼吸の1回の呼吸量ではなく、現呼吸の体積流量を音処理する方法を提供するものである。これによって、聴者に対して現呼吸における呼吸機能に関する即座の音響情報を提供する。各吸気と呼気の間に、体積流量が音処理されるため、吸気と呼気は一定の音強度や明るさで示されるのではなく、ゼロから最大値の範囲に亘る。ベースラインから音が伝わる距離は、従って、有益な関連情報をもたらし、リスナーに全呼気量を、特定の音強度や明るさの絶対的且つ一定の表示から判断させることはない。
【0037】
一回のソニフィケーションでは、呼吸に関連する臨床的な兆候の全アレイをとらえることができないので、本発明者らは、呼吸音や白色雑音のような複合された自然音を使用して呼吸を表現すると、誤解を生じさせやすいことがあると考えた。したがって、呼吸ソニフィケーションのベース音として、患者の実際の呼吸と間違える危険性のない人工音を用いた。
【0038】
吸気と呼気の識別は、シーケンスで動作し、両者間の音響的な差が一定である二つの純音で表した。本発明の呼吸ソニフィケーションは、音楽的に3度高い音である第1音(吸気)と、音楽的に3度低い音である第2音(呼気)で動作し、変形が可能である。
【0039】
従って、本発明のソニフィケーションは、米国特許第5,730,140号にあるように、どの変化を音処理するか、あるいはどのように音処理するのかをユーザに選択させる方法や、インターフェースではない。米国特許第5,730,140号と本発明の主な差異は、本発明の方法が、この特許と違って、リアルな肉体音の生成とシュミレーションに基づくものではなく、合成可聴音の生成に基づいている点である。合成調音を使用することには、自然の呼吸音のシミュレーションと比較すると、二つの主たる利点がある。第一には、手術室において、吸引などの他の音によるマスキングが少ないことである。第2の利点は、合成調音が、患者の自然な胸音を音響化したもの(単に増幅して変形した自然音)と術者が間違えることにより不適切な連想がなされることを防ぐことである。第3に、呼吸パラメータの音ディメンションへのマッピングを特定し、麻酔医が生理学的パラメータの音ディメンションへのマッピングを選択することができない点である。すなわち、麻酔医でない者が呼吸とパルス酸素濃度測定ソニフィケーションの組み合わせから異常な患者の状態を識別することができるようになり、手術室の他のスタッフが患者の生理学的状態に気付くことができる。更に、米国特許5,730,140は、呼気音が吸気音より3度低い短音にセットされているという呼吸サイクルの相対ピッチの変化によってETCO2を表す、およびETCO2の高い値の変化が高いピッチの変化によって表し、ETCO2の低い値の変化が低いピッチの変化によって表すという旨を提供するものではない。さらに、米国特許5,730,140では、cumVtの計数も行うことができない。
【0040】
ブロック図とサウンドマッピング
本発明の呼吸ソニフィケーションは、カプノメトリと体積流量計の二つの検知システムを使用している。これらのシステムからデジタル出力を得て、この出力を必要なレンジに調整し、その結果を音シンセサイザで利用可能な音のディメンションにマッピングし、この情報を音シンセサイザを用いて音に変換し、ラウドスピーカやヘッドホン、あるいは麻酔医が着用するイヤーピースを介して音響出力を提供する。本発明の呼吸ソニフィケーションを行う音シンセサイズソリューションには様々なものがある。本願の請求項は、その装置というよりはむしろ、ソニフィケーションの設計そのものについてなされている。
【0041】
カプノメトリは、ほとんどの麻酔装置とほとんどの人工呼吸器に設けられている。呼吸
回路に設けたセンサは、息を吐いたときのガスに含まれるCO2濃度の分析用に連続的に
信号を提供し、呼吸終期におけるCO2量は息を吐き終わった時に供給される。本発明の呼吸ソニフィケーションシステムは、シリアルポートから、あるいは内部のソフトウエア通信を介して、mmHg(ミリメートル水銀柱)単位で表されるカプノグラフィ出力を使用する(図2、A)。
【0042】
体積流量は、外付け呼吸回路のYピースに接続できるものであれば通常の流量計で測定することができる(図2、B)流量計からのアナログ信号は、吸気された体積流量(Vfinh)と呼気された体積流量(Vfenh)に関する連続的なデジタル出力に変換され、ml/分(ミリリットル/分)のフォローレートで表される(図2、C)。体積フローは時間で累積され、以下に述べるようにソニフィケーションパラメータにマッピングされた値である、累積流量Vtを出す。
【0043】
信号処理及びマッピングユニット(図2、D)は、受け取ったデジタル情報を音シンセサイザに送る準備を行う。本装置は、吸気の開始に関する情報(人工呼吸器から患者へのガスの流入開始)と、呼気の開始(患者から人工呼吸器へのガスの流入開始)に関する情報を提供するデジタル化された流量計の出力を取り出す。このユニットは、また、各呼気の終端におけるmmHg単位のETCO2に関するデジタル化された情報を受信する。この情報は、音シンセサイザで読み取ることができる形式に変換される。特に、吸気と呼気のオンセットおよびオフセットは、トーンで表される。体積流量の絶対値は音の強度(大きさ)及び/又は音質(音色または明るさ)で表され、この値はマッピング機能から読み取ることができる。最後の呼吸からのETCO2値は、吸気トーンのピッチにマッピングされ、実際のピッチ値は、更なるマッピング機能から読み取ることができる。呼気トーンのピッチは、吸気トーンより3度下の音程にセットされる。
【0044】
結果情報は音シンセサイザ(図2、E)に送信される。吸気の開始時点で、シンセサイザは上記のように決定されたトーンを発する。呼気の開始時点でシンセサイザは、上記に示されたトーンを発する。この結果はリアルタイムで音響出力部(図2、F)に送られる。体積流量の絶対値が大きくなると、音強度(大きさ)及び/又は音質(音色または明るさ)が上がり、その吸気内および呼気内で、その音の明るさが上下し、及び/又はその音の大きさが上下することを認知できる。
【0045】
ユーザは、ユーザインターフェース(図2、G)で、呼吸ソニフィケーションの全音量を調節することができる。
【0046】
mmHg単位の二酸化炭素濃度のHzへのマッピングは、非直線的に行われる。ETCO2のノーマルレンジは、通常38−42mmHgである。このレンジで、mmHgがHzにマッピングされる。ここではmmHgの変化に対してHzの変化はほんのわずかであり、このマッピング機能においてフラットな、あるいはほとんどフラットな領域ができる。mmHgが38以下あるいは42以上になると、mmHgの変化に対するHzの変化が有意なものとなり、急勾配領域ができる。この領域を過ぎるとmmHg値が過度に大きくなり、過度のHz値が平坦になって一定に保たれる。この結果は、一般波形を図3に示すが、区分定義関数となる。
【0047】
累積Vtの音強度(大きさ)及び/又は音質(音色または明るさ)へのマッピングは、図4に示す通常のスキームに従って行われる。累積Vtが増加すると、音強度が大きくなるか、及び/又は、低調波対高調波の音の相対強度が変化する。低いCumVtは可聴音量の良く響く音で音響的に認識され、高いCumVtは、よりシャープで明るい音、およびまたはいくらか音量が大きい音で認識される。吸気と呼気内でCumVtの値が変化すると、上記の音の大きさ及び/又は質に変化が生じる。
【0048】
本発明の呼吸ソニフィケーションの経験的評価
本発明者らは下記の問題を検証する研究を行った。
【0049】
H1 パルス酸素濃度計が心血管状態についての判断を効果的に支援すると同様に、上述した呼吸パラメータの少なくとも一つのソニフィケーションが呼吸状態の判断を支援する。
H2 呼吸ソニフィケーションが、専門家知識と一致する生理学的情報を表わすのであれば、麻酔医はより良く仕事をすることができる。
H3 様々な生理学的パラメータに対する正答率は、イベントレートの変化に対応する。
H4 様々な生理学的パラメータに対する正答率は、様々なパラメータのベースレート変化可能性に対応する。
H5 参与者が経験的事実認識に基づいて主タスクを実行するとき、この参与者は患者のデータがソニファイされていれば、データが視覚的にサポートされている場合よりより効果的に患者の生理学的状態をモニタすることができる。
【0050】
以下に、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。以下の実施例は実例にすぎず、本発明の普遍性を限定するものではない。
【0051】
実施例1 呼吸ソニフィケーション法の比較
呼吸ソニフィケーションの好ましい方法を二つの旧式バージョンと比較して、一の仮定を立てた:
「少なくとも一つの呼吸パラメータをソニフィケーションすることは、パルス酸素濃度測定が心血管の判断を支援すると同程度に効果的に呼吸状態の判断を支援する。」
【0052】
すべてのソニフィケーションは、純粋音を使用し、吸気と呼気を音楽的に3度はなれた上側音と下側音にマッピングした。呼吸数は吸気と呼気の直接時系列マッピングによって表される。「変化(Varying)」ソニフィケーションとして、CumVtを音強度(本発明の呼吸ソニフィケーションは音質(音色あるいは明るさ)をCumVtへマッピングするものでもよい)によって表した。時間体積流量の累積は、呼吸終期における体積となる。ETCO2は、吸気の周波数変調で表し、呼気は3度下の音とした。3つの変形例をテストした。
【0053】
(1)変化(varying)ソニフィケーションは、上述したとおりに機能して、先の呼吸から現呼吸の吸気ピッチへETCO2をマッピングする。また、現呼吸の体積流量を用いて、現呼吸の吸気と呼気についてピークVtまで、音強度に傾斜をつけた。
(2)均一(even)ソニフィケーションは、ガス体積流量の時間での累積を聞くことによって、参与者が呼吸終期の体積を判定することが困難であるかどうかをテストするために開発された。均一ソニフィケーションでは、先の呼吸のETCO2と呼吸終期の体積(Vt)を使用した。ETCO2は、現呼吸の吸気ピッチにマッピングされ、呼吸終期の体積を使用して、吸気と呼気について、一定あるいは同一の音強度レベルを決定した。
【0054】
短期(short)ソニフィケーションは、参与者が呼吸終期までに呼吸数情報を抽出するのが困難であるか否かをテストするために開発した。短期ソニフィケーションは各吸気の開始時点において呼吸ソニフィケーションをトリガし、変化ソニフィケーションと均一ソニフィケーションに関して、ソニフィケーション時間を通常の約1/3まで短縮するものである。同時に長い息と短い息の相対期間および吸気と呼気の比率を保存する。短期ソニフィケーションの目的は、呼吸数に関する情報が、全呼吸自体の時間より短期間に抽出された時にパフォーマンスが改善されるかどうかを見るためのものでる。
【0055】
本発明の焦点は、生理学的パラメータの音へのマッピングが判りやすいか否かである。この研究は、被験者内計画を使用しており、参与者は一般の住民で、医学的あるいは看護学的な訓練は受けていないが、第3次教育を受けた23人のメンバーである。参与者は、ボディライブラリ(Body−登録商標−library)、インターフェースを提供するシルズアービター(SCHIL’S Arbiter)実験環境(ワトソン他、1999;2000a;2000b)による麻酔シミュレーションから作成した麻酔シナリオを聞いた。セミレギュラー期間で調べたところ、参与者は、各パラメータが異常に高いか、普通であるか、異常に低いか、および、このパラメータが上昇しているか、安定してるか、下降しているかを報告した。体積については、体積流量ではなく、体積流量を時間で累積した累積呼吸量を問われた。
【0056】
正答率に関する結果を図5に示す。パルス酸素濃度測定(HR および02)が明らかに優位であるが、より深く分析すると、信号の演繹的確率が正答率に強く影響していることがわかった。めったにない変化は、「正答拒絶」応答率が高く、全正解の可能性が人為的に増大する。応答の偏りから識別能力を分離する信号検出を行った。しかし最もエコロジカルで有効性が高いテストは、以下の通りであった。
【0057】
音処理した生理学的パラメータの判りやすさに関する従来のテストにおいては、何人の参与者が、選択回答数が与えられているチャンス、p(チャンス)、より有意に良好であったか、および、参与者がランダムに、しかし非正常あるいは非安定イベントの基本レートに一致する回答、p(正解/基本レート)、の偏りをもって答えていた場合、何人の参与者が予想より有意に良好であったかを調べた。各ケース共、参与者がチャンスより良好であったというには、チャンス/基本レート値が、その項目の回答分布の下5%以内に入っていなければならない。
【0058】
表1に示すように、変化ソニフィケーションは、他のソニフィケーションの方が優れているマイナーポイントが3点あるものの、判定種類、テスト、生理学的パラメータにおいてのパフォーマンスが最良である。
【0059】
【表1】
【0060】
各ソニフィケーションについて、チャンスより有意に良好であったと判定された参与者の数を示す。白い四角内の下線が引かれている数は、多くの参与者がp<0.05で、有意にチャンスと異なっていたことを表わす。白い四角内の数は、0.1<p<0.05で、有意にチャンスと異なっていたことを表わす。灰色セル内の数は、結果がチャンスと有意に変わらなかった旨を示す。
【0061】
変化ソニフィケーションは、他の二つのソニフィケーションより異常の判断が良好であり、RRとCO2については、明らかにパルス酸素濃度測定HR及びO2より良好に異常を検出している。また、変化ソニフィケーションは、全種類について方向性の変化をより良好に支援している。均一ソニフィケーションはRRについては良好でなく、また短期ソニフィケーションはVtについて良好でない。重要なことは、変化ソニフィケーションが著しく良好なパフォーマンスを示していることである。
【0062】
実施例2 麻酔パフォーマンス
本発明者らは、変化ソニフィケーションを用いて、麻酔医(医学的訓練を受けている)と、生理学的な訓練を受けていない情報技術の大学院生によって相対的にパフォーマンスを実験した。5つのパラメータにおいて異常イベントがより平均的に分布している麻酔シナリオ、異常イベントの絶対数がより多い麻酔シナリオ、または報告すべき方向の変化がより多い麻酔シナリオを用いた。
【0063】
本発明者らの仮定は:
H2 変化ソニフィケーションが専門家の知識と同じように生理学的情報を表すのであれば、麻酔医は非麻酔医より良好なパフォーマンスを示す。
H3 生理学的パラメータの正答率は、実施例1および2のすべてのイベント率に対応する。
H4 様々な生理学的パラメータの正答率は、様々なパラメータの基本レート変化可能性に対応する。
【0064】
被験者間−内ANOVAの結果が、H2が支持されていると表示した場合:
異常および方向の変化のいずれの判定についても、F(1,19)=20.604,p<001,及びF(1,19)=10.341、P<00.1と、麻酔医のパフォーマンスは大学院生より良好であった。
【0065】
H3も支持されている。比較的似通った参与者グループを比較するために、実施例1の一般住民の結果を実施例2のIT大学院生の結果と比較した。トライアルごとの異常イベント数は、実施例1では2.2、実施例2では3.4であり、トライアルごとの方向の変化の数は実施例1で2.5、実施例2では4.1であった。正答率は実施例2の方が実施例1より低かった。異常判断については、F(1,31=23.8、p<0.0001)、方向性判断については、F(1,31)=61.59,p<0.0001)であった。
【0066】
回答の正確性が低いことは、ソニフィケーションが実質的に信頼性がないことを示すものではない。イベント率が、最も緊張した臨床状態の最も混み合った部分にのみ見られるであろうレートで維持されていた。明らかに、パルス酸素濃度計は臨床設備において有効であり、呼吸ソニフィケーションはこの酸素濃度計と現コンテキストにおいて比較すべきである。
【0067】
H4も支持された。実施例2において、イベントはパルス酸素濃度計(HRおよび02)と呼吸(RR、Vt及びCO2)に同じように配分されており、呼吸に対しての従来の偏りが減少している。図5は、HRとO2についての正解の偏りが減少したことを示す図である。呼吸ソニフィケーションでは、参与者は3つのパラメータを区別しなければならず、一方、パルス酸素濃度計では参与者は二つのパラメータを区別することが要求される。従って、呼吸ソニフィケーションは、パルス酸素濃度計との比較レンジにおいてパフォーマンスを生み出すので有れば、極めて性能が良いと言える。
【0068】
表2は実施例1において実行された判りやすさに関して従来の分析を再度行ったものである。ただし、実施例2では11人の麻酔医と10人のIT大学院生を試験した。これによると、麻酔医はIT大学院生より良好な結果を出し、呼吸ソニフィケーションは、パルス酸素濃度計と同程度或はそれ以上の結果をもたらしている。方向の変化の区別はHRとVtについてあまり効果的に行われなかった。
【0069】
【表2】
【0070】
判定がチャンスより有意に良好であった各グループの参与者の数を示す。白い四角内の下線がひかれている数は、p<0.05でチャンスと有意に異なる参与者の数であり、白い四角内の何も付いていない数は0.1>p>0.5でチャンスと有意に異なる参与者の数である。グレーの四角内の数字は、結果がチャンスと有意に違わなかった参与者の数を示す。麻酔医の総数は11人、IT大学院生の総数は10人である。
【0071】
総括すると、呼吸ソニフィケーションについて事前の練習を行っていない麻酔医とIT大学院生が15分間の初期習熟によって得られた実施例2の結果は、臨床装置としての呼吸ソニフィケーションの実行可能性を高く助長するものであった。
【0072】
実施例3 患者の状態のモニタ
この実施例では、参与者が他のタスクを実行する場合の呼吸ソニフィケーションを使用する能力を調べた。モニタリングは、ソニフィケーションのみ、ソニフィケーションと視覚ディスプレイ、視覚ディスプレイのみ、の各場合について行われた。仮定は以下の通りであった。
【0073】
H5 参与者が経験的事実認識に基づいて主タスクを実行するとき、参与者は、患者のデータが音処理されていれば、視覚的に支援されている場合よりも、患者の生理学的状態をより効果的にモニタすることができる。
【0074】
この仮定をテストするために、大変保守的なテストを構築した。参与者は主タスクを実行し、10秒ごとに生じる新規な表現を用いて単純な算数表現(図6参照)について、正/誤の判断をなすことを要求した。これは、臨床医が患者の状態をモニタする間に行う必要がある薬剤投与計算に似ている。同時に、参与者は、上記の実施例にあるような2次的な生理学的モニタリングタスクを実行した。生理学的モニタリングタスクは3つのフォーマットの一つで表されており、被験者内で変化する。
【0075】
ソニフィケーション単独(S 状態)。患者情報がないか、コンピュータスクリーン上に呼び出せない。
視覚単独(V 状態)。生理学的な読み出しが継続的に存在しない。参与者は、現値をみるためにはスクリーンの関連部分を5秒間タッチ(質問)しなければならない。(保持)
【0076】
ソニフィケーションと視覚(SV 状態)。視覚状態で、上記の保持動作を行った。
【0077】
10秒という麻酔の問題の到着レートは、VおよびSV状態の参与者に、次の麻酔表現が現れる前にすべてのパラメータを問うのに十分な時間である。視覚情報が入手不可能であるか、あるいは入手困難である場合に、情報を提供するようにソニフィケーションが意図されてはいるが、この最初のテストにおいて、視覚ディスプレイに対して最良の状態を設定した。にもかかわらず、Sが卓越したパフォーマンスを引き出すのであれば、同じレベルのパフォーマンスでそのタスクを視覚的に行うことが可能な状態でこの卓越性を見ることができるであろう。しかしながら、SがVと同じレベルのパフォーマンスを引き出すのであれば、ソニフィケーションによるパフォーマンスが視覚ディスプレイによるパフォーマンスより悪いものでないことがわかる。したがって、上記結果は上記三つの状態間で従来のベースラインの比較を提供するものである。問題の計算と計算の間隔が短くなるにつれて、Sと、おそらくSVもより効果的なモニタリングパフォーマンスを示すであろう。
【0078】
参与者はもっともらしい手術室シナリオを経験した。ほぼ各分ごとに、参与者は、最新の異常について、および最後の1分では5つのパラメータの一つの変化方向を判断するように言われる。質問はパラメータに均一に配分されており、どのパラメータに対しても質問することにおいて偏りは存在しない。
【0079】
主(計算)タスクのパフォーマンスは、被験者間−内のANOVAを用いて分析した。この分析結果は図7aおよびbの、各グラフのx軸上に示されている。F(1,19)=9.54,p<0.01と、群には良好な結果が見られ、麻酔医はIT大学院生より良好な結果を出した。様相は、F(2,38)=10.05,p<0.001と有意であり、S状態、ついでV、次いでSVの順で最も正確な回答があった。ニューマンケウルスの分析は、S状態における回答が、他のVあるいはSV状態のいずれにおける回答より有意により正確であることを示す。
【0080】
二次タスクである異常判断の結果は、図7aのy軸に示されている。F(1,19)=44.69,p<0.0001と、群は非常に有意であり、異常の報告において麻酔医はIT大学院生より良好な結果を示した。様相は、F(2,38)=5.69,p<0.01と有意であり、S状態で最もパフォーマンスが悪かった。ただし、これはIT大学院生のパフォーマンスの悪さによるものであった。実際、様相は、F(2,38)=6.49,p<0.01と、群と相互に強く作用しあう。図7aおよび7bに示すとおり、麻酔医は、三つの様相すべてで同じように異常を判断したが、IT大学院生はS状態のときに、特に悪かった。パラメータも、F(4,76)=13.83,p<0.0001と、同様に有意であり、Vtが最もパフォーマンスが悪く、HRのパフォーマンスが最も良かった(図8a参照)。しかしながら、Vtの良好でないパフォーマンスは、麻酔医は、IT大学院生に比較すると少なく、これはパラメータF(4.76)=4.08,p<0.01の相互作用によって、群に影響している。
【0081】
変化方向に関する二次タスク判断の結果は、図7bのy軸に示されている。群は、F(1,19)=41.06,p<0.0001と有意で有り、麻酔医のほうが、IT大学院生より良好だった。様相については主な効力あるいは相互作用はないが、F(3.76)=6.06,p<0.001と、パラメータは有意であった。Vtが最もパフォーマンスが悪かった。(図8b参照)。
【0082】
SV状態においては、Vに比較すると質問の頻度が有意に少なかった。しかし、これは麻酔医に関してのみであり、従って、HRと02、最も良く知られているパルス酸素濃度ソニフィケーションについてのみである。更なる実験によって、および更なるフィードバックされたパフォーマンスによって、参与者はソニフィケーションから情報を抽出し、呼吸パラメータの視覚的モニタリングを減少させる能力においてより自信を深めることができるであろう。これがそのケースであるか否か、現在調査されている。
【0083】
総括すると、実施例3は、ソニフィケーションは、麻酔医に正確なモニタを行わせて、視覚的サポートが可能である場合より麻酔医が計算タスクを有意に良好に実行することを示している。IT大学院生は、モニタタスクと計算タスクの間で同時に満たし得ないいくつかの条件についての妥協を示した。ソニフィケーションではモニタパフォーマンスがより悪くなったが、これは、おそらくIT大学院生は生理学的訓練がなされていないせいであると考えられる。しかし、計算タスクではより良いパフォーマンスがなされ、これはおそらくモニタタスクにそれ以上注意を払わなかったことがパフォーマンスを改善したものと考えられる。
【0084】
Vtは、実施例1および2における他の音処理されたディメンションよりやや効果が落ちる。ここでは、よけいな視覚的情報のないソニフィケーションが実験されている。しかしながら、実施例3においてVtの判断がV、SV、S状態に対して均等な精度レベルを有しているという事実が、Vtについて精度パフォーマンスの低さが、様相というよりは、Vt自体の特有のものであることを示している。シナリオを与えると、Vtは、より多数で小さな変動を示し、全ての様相状態に影響する少数で大きな変動を示す場合以上にモニタすることが難しい。実際、Vtに対する麻酔医の異常判定は、ソニフィケーション単独(S状態)であるほうがいくらかより良いように見える。
【0085】
結論
以上をまとめると、実施例1乃至3の結果は、パルス酸素濃度測定ソニフィケーションによって心血管状態をモニタできると同様に、最小レベルの習熟で、参与者は変化呼吸ソニフィケーションを用いて呼吸状態をモニタすることができる。実施例3は、手術室でしばしばあるように、麻酔医がモニタと同時に気の散るタスクを実行するときに、ソニフィケーションはそのタスクを時分割するものである。しかしながら。このようなタスクがなされる間にモニタパフォーマンスを増幅する変わりに、ソニフィケーションが、麻酔医のモニタパフォーマンスを高いレベルに維持することで、気の散るタスクのパフォーマンスをより良いものにする。現在進行中のリサーチでは、主タスクの困難レベルを進歩させており、患者のモニタ状態により大きな差ができ、ソニフィケーションを好む者が多くなることが期待されている。また、その効果を特定する為にVtに関するソニフィケーションに明るさを加えている。
【0086】
本発明の研究結果は、研究員が特定のディスプレイ状態についての優位性等をクレームするに当たり、演繹的イベント可能性と変化の大きさの影響を考慮するまで注意深くなくてはならないことを示す。五つの生理学的パラメータに関する判定精度は、これらのファクタにより、実施例1,2、3で様々である。
【0087】
まとめると、従来のパルス酸素濃度を越えた患者の生理のソニフィケーションは、患者の状態をモニタする時に実行可能であり、有益な補助手段である。視覚的モニタでモニタする場合に比べ、ソニフィケーションは麻酔医が患者の状態を高いレベルで感知しつつ、同時にほかのタスクをより効果的に行うことを補助する。変化呼吸ソニフィケーションは、この役割において効果的であり、関連する呼吸ソニフィケーションについて幾つかの有利性を持っている。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図1は、呼吸パラメータを呼吸ソニフィケーションのディメンションでマッピングした状態を示す図である。吸気ラインと呼気ライン(黒い領域)の高さが、ベース音の基本振動数近傍におけるスペクトラル帯の変化、より適切には音の明るさと強度の増加を表す。
【図2】図2は、実施可能な呼吸ソニフィケーションのブロック図である。
【図3】図3は、mmHg単位のETCO2をHzピッチでマッピングした図である。5つの領域があり、1は最小ETCO2レベルに用いる最小ピッチ、2はETCO2に伴って単調に増加しているピッチ、3は正常レンジ(グレーで表す)に同等あるいはほぼ同等なピッチ値、4はETCO2を伴い単調に増加しているピッチ、5は、最高ETCO2レベルに用いる最高ピッチである。
【図4】図4は、累積呼吸量に対する高調波構造を用いた、音強度(音圧レベルあるいはSPL)及び/または音質(音色または明るさ)のマッピングを示す図である。図に示すように、累積呼吸量が上がると、ETCO2によって決まる基本振動数(FF)は一定に保たれるが、高調波領域では音エネルギーの配分が変化する。
【図5】図5は、試験例1および2について、パラメータが正常(上側グラフ)であるか、異常に高いか、異常に低いか、あるいは安定している、上がっているか、下がっているか(下側グラフ)についての、プローブへの応答の正答率を示す。
【図6】図6は、試験例3において使用された麻酔シュミレーションを示す。麻酔ガスと人工呼吸器の制御は閉じられている。
【図7】図7a及び図7bは、生理学的な異常(図7a)あるいは生理学的な変化の方向(図7b)についての主タスク(計算)のパフォーマンスと、二次タスク(患者のモニタ)の判断を示す図である。
【図8】図8a及び図8bは、麻酔医らの判断と、IT大学院生らの判断を、様式(S、VおよびSV)と生理学的パラメータをモニタして比較した図である。図8aは異常についての判断を、図8bは方向についての判断を示す。
Claims (14)
- 対象における呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、
呼吸二酸化炭素濃度を測定するカプノメトリ手段と、
時間に関してガス流量を累積することによって、ガス流量と前記ガス流量の体積を測定する流量計測手段と、
前記カプノメトリ手段と流量計測手段からの信号出力をデジタル情報に処理するように適応された信号処理手段と、
前記デジタル情報を合成音響出力に変換するように適応された音シンセサイザ手段とを具え、
吸気と呼気の間の呼吸流量の変化と、呼気終末炭酸ガス分圧(ETCO2)及び対象の累積呼吸量(cumVt)の変化が表され、ラウドスピーカ、ヘッドホン、またはイヤーピースを介して聞かれる合成音の変化としてモニタされる事を特徴とする呼吸ソニフィケーションモニタシステム。 - 請求項1に記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、前記カプノメトリ手段が信号出力手段を有す二酸化炭素電子モニタであり、呼気終末炭酸ガス分圧(ETCO2)を測定し記録することができることを特徴とする呼吸ソニフィケーションモニタシステム。
- 請求項1または2に記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、前記流量計測手段が電気式の呼吸流量測定器であって、累積体積測定が所定の時間間隔で流量信号の電気的な累積によって計数可能であることを特徴とする呼吸ソニフィケーションシステム。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、前記信号処理手段がアナログ−デジタル信号変換器であって、前記カプノメトリ手段および前記流量計測手段からのアナログ信号がデジタル情報に変換されることを特徴とする呼吸ソニフィケーションシステム。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、前記音シンセサイザ手段が、前記デジタル情報を調整して、ラウドスピーカ、ヘッドホン、あるいはイヤーピースを介して聞くことができる合成可聴音に変換する音響プリアンプ手段を有することを特徴とする呼吸ソニフィケーションシステム。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、吸気が3度高い音で表され、呼気が一対の音を含むより低い音で表される事を特徴とする呼吸ソニフィケーションシステム。
- 請求項6に記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、呼気終末炭酸ガス分圧(ETCO2)が、呼吸サイクルにおける関連ピッチの変化として表され、呼気の音のピッチが、吸気の音のピッチから短3度低く設定されており、高いETCO2が高ピッチにおける一対の音によって、また低いETCO2が低ピッチにおける一対の音によって表されていることを特徴とする呼吸ソニフィケーションシステム。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、ピッチの変化に五つの領域があり、最も低いピッチレベルが任意の低いETCO2濃度値より下の呼気終末炭酸ガス分圧を反映しており、最も高いピッチが、任意の高いETCO2濃度値より上の呼気終末炭酸ガス分圧値を反映していることを特徴とする呼吸ソニフィケーションシステム。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、前記測定した呼気終末炭酸ガス分圧レベルが、吸気音と呼気音の短3度音ペアの周波数変調としてグラフィカルに表すことができることを特徴とする呼吸ソニフィケーションシステム。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、累積呼吸量(cumVt)が、時間における体積流量(Vf)を累積することによって計数され、音強度(大きさ)及び/又は音質(音色あるいは明るさ)によって表すことが可能であり、前記累積呼吸量(cumVt)が、一つ以上のスペクトラル成分振幅で表すことができ、その可聴音の音色あるいは音調の明るさにおける認識可能な差異を生じることを特徴とする呼吸ソニフィケーションシステム。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、前記ソニフィケーションの全音量を調節および調整する音量調整などの、ユーザインターフェース手段を具えることを特徴とする呼吸ソニフィケーションシステム。
- 請求項11に記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、前記ユーザインターフェース手段が、電気的あるいは電子機械的な音量調整手段であることを特徴とする呼吸ソニフィケーションシステム。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載の対象の呼吸及び/又はガス交換をモニタする呼吸ソニフィケーションモニタシステムにおいて、前記呼吸モニタ装置は、必ずしも独立して使用される必要はなく、従来のパルス酸素濃度システムに併設して使用することを特徴とする呼吸ソニフィケーションモニタシステム。
- 麻酔中あるいは集中治療中に人間の呼吸およびガス交換をモニタする方法において、流量計を麻酔回路に接続してガスが患者の肺に吸引され(吸気)、排出され(呼気)るレートを測定するステップと、カプノメータを前記麻酔回路に接続して、各呼気の終期において呼気終末炭酸ガス分圧を含む、二酸化炭素濃度を測定するステップと、前記流量計及び前記カプノメータからの信号を前記信号処理手段にてデジタル情報に処理するステップと、前記デジタル情報を音シンセサイザ手段によって音響出力に変換するステップとを具え、吸気と呼気の開始およびオフセットが合成音楽音のトーンの変化として表され、累積呼吸量(cumVt)の値が、当該音の音強度(大きさ)及び/または音質(音色あるいは明るさ)として表され、呼気終末炭酸ガス分圧(ETCO2)が呼吸サイクルにわたるピッチの相対変化として表され、呼気音のピッチが吸気音のピッチから短3度下にセットされていることを特徴とする方法。
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