JP2004535820A5 - - Google Patents

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Description

本発明は、幹細胞の分化を誘導する方法に関する。特に、本発明は、胚性幹細胞の筋細胞または血管内皮細胞への分化を誘導する方法に関する。本発明は、また、本発明の方法で用いられる細胞、細胞、試験モデルおよび培養システム、およびそこから生成された分化した細胞にも関する。本発明は、また、治療の目的で、本発明の分化細胞を用いる方法も提供する。
特に、幹細胞の筋細胞への分化の誘導は、筋肉の移植および治療の目的に有用であり、培養中での潜在的ヒト疾患モデルを提供する(例えば、薬剤試験)のに有用である。幹細胞において心筋細胞分化を誘導することは、心臓疾患および異常心臓症状のための治療法および治療製品を開発するのに特に有用である。しかしながら、発生中に胚性幹細胞から筋細胞のような特定の細胞型を特定化し最終的に分化させる分子経路は、完全には明らかでない。
好ましくは、幹細胞が、胚性内胚葉細胞および/または胚性内胚葉細胞の細胞外培地の存在下に増殖され、幹細胞の心筋細胞への分化を誘導する。より好ましくは、胚細胞は胚体外由来である。胚細胞は、好ましくは、内臓内胚葉に由来し、内臓内胚葉様特性を有する細胞であるまたは内臓内胚葉の特性を有する胚細胞に由来する。より好ましくは、幹細胞は、胚細胞の存在下に共培養される。
本発明のもう一つの態様は、本発明の方法で用いるための胚細胞である。好ましくは、胚細胞は、胚性または胚体外の内胚葉または外胚葉に由来する。好ましくは、胚細胞は、内臓内胚葉に由来するかまたは、内臓内胚葉様特性を有する細胞である。より好ましくは、胚細胞は、END−2細胞(Mummeryら著、1985年、Dev Biol.第109巻:402〜410頁)のような内臓内胚葉の特性を有する細胞に由来する。
幹細胞は、好ましくは、胚に由来するまたは、胚性幹細胞の培養から直接に由来するヒト胚性幹細胞である。例えば、幹細胞は、ヒト胚性幹細胞(hES)細胞(Reubinoffら著、Nature Biotech.第16巻:399〜404頁、2000年)のような細胞培養から得ることができる。幹細胞は他の動物に由来することができるが、これらは、最も好ましくはヒト胚性幹細胞である。幹細胞は、胚細胞または胚組織に由来することができる。胚性幹細胞は、培養され未分化状態に維持されている細胞であり得る。そのような細胞が、PCT/AU99/00990、PCT/AU00/01510、PCT/AU01/00735およびPCT/AU01/00278に開示されており、その内容を参照することにより本明細書に取り込む。
胚細胞は、培養中の細胞または細胞に由来することができる。胚細胞は、胚細胞、好ましくは、END−2細胞(Mummeryら著、1985年、Dev Biol.第109巻:402〜410頁)のような内臓内胚葉の特性を有する細胞に由来することができる。END−2細胞は、懸濁液中においてレチン酸で凝集体(胚様体)として処理されたP19EC細胞の培養からクローニングすることにより得られ、次に、再び平板培養した(Mummeryら著、1985年、Dev Biol.第109巻:402〜410頁)。END−2細胞は、αフェトプロテイン(AFP)および細胞骨格タンパク質ENDO−Aを発現している内臓内胚葉(VE)の特徴を有する。従って、胚細胞がEND−2細胞に由来することが最も好ましい。これらの細胞は、ヒト幹細胞の心筋細胞への分化を誘導するのに特に有用であると分かった。
本発明および先に記載の方法において、幹細胞および胚細胞が培養されて、特定の細胞型への分化が誘導される。好ましくは、幹細胞および胚細胞が、インビトロで共培養される。これは、典型的には、培養中において胚細胞を増幅することにより生成される胚細胞単層に幹細胞を導入することを含む。好ましくは、胚細胞単層は増殖して実質的集密性になり、幹細胞は、胚細胞の細胞外培地の存在下に、幹細胞から特定の細胞型への分化を誘導するのに充分な時間培養される。また、胚細胞の細胞外培地を含むが胚細胞は存在しない培地において幹細胞を増殖させることができる。胚細胞と幹細胞とは、フィルターまたは、寒天のような非細胞質マトリクスにより互いに分離することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態において、胚細胞は、内臓内胚葉に由来する内胚葉細胞であるまたは、内臓内胚葉特性を有する胚細胞である。より好ましくは、内臓内胚葉細胞は、E7.5マウス胚に由来する。胚細胞は、胎児性癌細胞、好ましくは、内臓内胚葉特性を有する細胞であってよい。より好ましくは、胚細胞は、培養中の細胞または細胞に由来する。胚細胞は、胚細胞、好ましくは、END−2細胞(Mummeryら著、1985年、Dev Biol.第109巻:402〜410頁)のような内臓内胚葉の特性を有する細胞に由来することができる。より好ましくは、胚細胞は胚体外組織に由来し、より好ましくは、内臓内胚葉に由来する。内胚葉細胞は、典型的には、脊椎動物の心臓形成部位に隣接する。内胚葉分化が欠損または存在していない個体において、心臓は異常に発生する。
また、幹細胞を、内胚葉細胞の細胞外培地を含むが内胚葉細胞が存在しない培養中で成長させることができる。従って、幹細胞を、胚性内胚葉細胞の細胞外培地の存在下に成長させて、幹細胞の、心筋細胞のような筋細胞への分化を誘導させることができる。
外胚葉細胞は、Roelenら著、1994年、Dev.Biol.第166巻:716〜728頁に記載の方法に従って単離することができる。外胚葉細胞はoct−4を発現しアルカリホスファターゼ活性を有することが知られており、これらは、その細胞表面上にSSEA−1も有する。従って、外胚葉細胞は、前記特性に基づいて同定および単離することができる。外胚葉細胞は、骨格筋への分化を誘導する分泌(成長)因子を分泌することができる。外胚葉細胞は、E7.5胚性マウス組織に由来することが好ましい。より好ましくは、外胚葉細胞は、先に記載したものと類似の方法を用いて幹細胞と共培養される。外胚葉単層は、好ましくは、培養中で形成され、好ましくは、解離した幹細胞が、幹細胞の骨格筋細胞への分化を誘導するのに充分な時間、培養に導入される。
本発明の方法により生成された分化細胞は、クローン的に増幅することができる。特定の分化細胞型を、他の細胞型の混合物から選択的に培養し、続いて増殖させることができる。クローン的に増幅した特定の分化細胞型は、移植治療用の充分な細胞の生成、遺伝子発見研究用の充分なRNAの生成、等のような種々の用途に有用であり得る。分化細胞は、従来法に従って細胞を作るのに用いることができる。
本発明の方法により生成された分化細胞は、生物学的材料の貯蔵に適した任意の方法により保蔵または維持することができる。分化細胞の効果的保存は、将来の種々の用途のために細胞を連続的に貯蔵させることができるので高度に重要である。細胞の凍結保存に一般的に用いられている伝統的緩慢凍結法を用いて分化細胞を凍結保存することができる。
[ヒト胚幹(hES)細胞の心筋細胞への分化]
(a)hES細胞とEND−2細胞との共培養
ヒト胚性幹細胞(hES細胞)(Reubinoffら著、Nature Biotech.第16巻:399〜404頁)を、END−2細胞(Mummeryら著、1985年、Dev Biol.第109巻:402〜410頁)と共培養した。1:1比のダルベッコ最少必須培地(DMEM)とハムF12培地(DF)(FCS7.5%含む)とにおいてEND−2細胞を増殖させた。次に、細胞を、1:5のトリプシン/EDTA(0.125%w/v;50mM resp)中で1週間に2回、継代培養した。hES細胞を、DMEMにおいて、20%のFCS、0.1mMのβ−メルカプトエタノール、1%の非必須アミノ酸、2mMのグルタミン+抗生物質(pen/strep)と共に、マイトマイシン(10μg/ml)処理胚のフィーダー細胞上で培養した。HESを、ジスパーゼ(dispase)で処理し、個々のコロニーを6〜10枚の断片に機械的にスライスし、続いて断片を新しいフィーダー細胞に移すことにより二次培養した。
(b)hES細胞と内臓内胚葉細胞との共培養
内臓内胚葉細胞を、ジスパーゼを用いて前述のようにE7.5(E0.5は、膣栓の日正午である)にて、原腸形成しているマウス胚の3つの胚葉から単離した(Roelenら著、1994年、Dev.Biol.第166巻:716〜728頁)。分離した胚葉を、M16培地におけるポリ−L−リシン被覆培養皿上に乗せ、一晩付着させた。翌日、M16をhES完全培地に置換し、胚細胞単離後3日目に、未分化細胞移植片」を、マウス胚からの付着した内胚葉および外胚葉細胞上で培養した。次に、培地を2〜3週間増殖させ、培地を5〜6日毎に新しくした。
(c)共培養実験(a)および(b)の分析
前記(a)および(b)に記載した培養を、10日後の収縮筋の領域の存在について評価した。
(i)免疫蛍光
次に、収縮筋の領域が明らかになった後、培養を、2%パラホルムアルデヒド中で30分間固定し、3回洗い、使用するまでPBS中に貯蔵した。次に、培地を、α−アクチニン抗体(モノクローナル抗体−α−アクチニン(筋節)クローンEA−53、1:1000希釈、Sigma製;二次抗体:ヤギ抗マウス−IgG−Cy3)を用いて、筋肉表現型を確認するために染色した。
(ii)hES−E7.5内胚葉共培養
培養の第1週中、hES断片を内胚葉の上で培養し、これは徐々に広がり平らになり、12日目に、収縮している筋細胞の第1の領域が明らかになる。これは、END−2共培養において観察される強度の嚢胞形成を伴わないが、血管内皮細胞ネットワークに似ている領域は、培養の端部に現れない。
[ヒト胚幹(hES)細胞の骨格筋細胞への分
実施例1で用いたヒト幹細胞(hES)を、E7.5日胚(E0.5は栓の日)から単離された外胚葉上に乗せた。鋭いピンセットとタングステン針を用いて、脱落膜から胚を取り出し、10%FCSを含むHEPES緩衝DMEM中で氷上に維持した。ライヘルト膜を除去した後、受胎産物の胚と胚体外部分を、タングステン針で分離した。結節と原始線条を取り出し、胚部分を、氷上のPBS中の2.5%パンクレアチンおよび0.5%トリプシン中で8分間インキュベートした。インキュベーション後、胚を、氷上の10%FCSを含むHEPES緩衝DMEMに移した。次に、外胚葉、内胚葉および中胚葉を、タングステン針を用いてきれいに単離することができた。
[内臓内胚葉細胞およびhESおよび分化心筋細胞の共培養]
a)共培養
END−2細胞、P19EC、hECおよびhES細胞を、前述のように培養した(Mummeryら著、1985年、1991年;vanden Eijnden−van Raaijら著、1991年;Slagerら著、1993年;Reubinofら著、2000年)。全ての実験において、ESI(Reubinofら著、2000年)からのhES2細胞を用いた。共培養を開始するために、実施例1に記載のようにマイトマイシンC(10μg/ml)で1時間処理した有糸分裂不活性のEND−2細胞培養で、hEC、mESおよびhES用のフィーダーであるマウス胚性線維芽細胞(MEF)を置き換えた。フィーダーに依存しないP19ECとの共培養を、先に記載(Mummeryら著、1991年)のように開始し維持した。次に、培地を2〜3週間成長させ、5日目からの収縮筋肉の領域の存在について評価した。
(b)一次ヒト成人心臓細胞の単離
手術生検からのヒト心房細胞が、抗体染色、電気生理学およびRT−PCRによるイオンチャンネルの特徴付け用の対照として使用された。心臓手術を受ける患者からの同意を得た心臓組織を得た。手術中に定法で除去された心房付属器を、直ちに、氷冷クレープス−リンガー(KR)食塩水に移した。過剰結合組織および脂肪組織を切り取り、滅菌KR溶液で2回洗った。心筋組織を、滅菌鋏で切り刻み、次に、公開された方法(Peetersら著、(1995年)、Am.J.Physiol.第268巻、H1757〜H1764)を用いて3段階酵素的単離手順により分離して個々の細胞を放出した。第1の段階は、37℃で4.0U/mLプロテアーゼ型XXIV(Sigma製、St Louis、MO、USA)を用いて15分間インキュベートすることを含む。次に、組織を、1.0mg/mLコラーゲナーゼおよび0.5mg/mLヒアルロニダーゼを含む溶液に移し、続いて、コラーゲナーゼ(1.0mg/mL)を用いてさらに3回、各々37℃で20分間インキュベートした。組織抽出物を一緒にし、カルシウム濃度を1.79mmol/Lに回復させた。心筋細胞を、10%のFBS、ペニシリン(100U/mL)ストレプトマイシン(100μg/mL)、2.0mmol/LのL−カルニチン、5.0mmol/のクレアチン、5.0mmol/Lのタウリンを加えた組織培養培地M199に移し、50μg/mLのポリL−リシンを被覆したガラスカバースリップ上に直接接種し、一晩培養した。
(c)免疫細胞化学
付着した一次心筋細胞、mES(E14およびR1)およびhES誘導心筋細胞を、Ca2+およびMg2+を含むPBS中の3.0%パラホルムアルデヒドで室温にて30分間固定し、次に、PBS中の0.1%トライトン100で4分間透過性にした。α−アクチニンおよびトロポミオシン(Sigma製)を含む筋節タンパク質に対するモノクローナル抗体を用いて標準的方法により免疫細胞化学を実施した。ミオシン軽鎖(MLC2a/2v)のアイソフォームに特異的な抗体を用いて、心房細胞と心室細胞(Dr Ken Chienから戴いた)とを区別した(表1)。二次抗体は、Jackson Immunoresearch Laboratoriesから得た。培養した心臓線維芽細胞は、筋節タンパク質用のネガティブコントロールとして役立ち、Zeiss Axiovert 135Mエピ蛍光顕微鏡(Carl Zeiss製、Jena GmbH、Germany)を用いて細胞を可視化した。画像処理ソフトウェアを用いて画像を擬似着色した。
(ii)mES−END−2共培養
2つの独立したマウスES細胞(E14およびR1)を、それらの共培養条件への反応について試験した。培養は単一細胞懸濁液として開始されなかったが、3日以内に、最初に接種したよりも大きな凝集塊が、両方の細胞について明らかとなった(図3b、c)。殆ど同時に、自発的収縮心筋細胞の著しい領域がR1ES細胞培地において明らかとなったが、僅か7日後には、収縮筋肉の(より小さな)領域がE14ES細胞中において見つかった。収縮領域中の細胞は、α−アクチニンで染色した場合に、筋細胞の特徴的筋節バンドパターンを示した(図6d参照)。
(iii)hEC−およびEND−2共培養
ヒトEC細胞GCT27Xは、フィーダーに依存する全能EC細胞であり、ヒトES細胞(Peraら著、(1989年)、Differentiation、第42巻、10〜23頁)に類似の特徴を有する。END−2細胞との共培養において、大きな凝集塊の形成が観察された(図3d)。しかしながら、3週間後でも、収縮筋肉の証拠は無かった。
(iv)hES−END−2共培養
共培養の第1週中に、細胞の小さな塊が徐々に広がり分化して、混合形状を有するが上皮様細胞の割合が比較的高い細胞を得る。第2週までに、これらは膨張して流体を満たした嚢胞になる(図示せず)。これらの間に、細胞の異なる区画が明らかになり、数日後に収縮するようになる。12〜21日の間に、これらの収縮している区画が次第に多く現れる(例えば、図3e)。全体では、15〜20%のウェルが収縮筋肉の1または2以上の領域を含む。収縮速度は1分当たり約60回であり、マウスES誘導心筋細胞と比べて高度に温度感受性である。これらの細胞は、α−アクチニンで陽性に染まり、その筋肉表現型が確認される(図6e)。しかしながら、mESおよびP19EC誘導心筋細胞と対照的に、筋節バンドパターンはあまり定まらないが、培養中で2日しか増殖していない一次ヒト心筋細胞と充分に匹敵している(図5および6a〜c)。一次ヒト心筋細胞は初期に筋節構造を維持するが、標準的培養条件により、劣化が迅速になることが明らかである(図5)。hES培養条件は、心筋細胞に最適ではなく、そのために、hES誘導心筋細胞はその特徴的表現型において同様に劣化を示すことが推定される。培地中の幹細胞から充分に機能的な心筋細胞を得るために、これらの条件を最適化することが必要である。筋節構造における劣化にも拘わらず、hES誘導心筋細胞は数週間にわたって周期的に収縮を続け、活動電位は、図4(c)に示すように電極を凝集塊に導入することにより行われる電流固定電気生理学により検出することができる(図4b)。しかしながら、このように電気生理学を行う、すなわち、単一細胞よりも凝集塊において電気生理学を行うことにより、細胞の群の蓄積された結果である活動電位が得られる。従って、これらは理解が困難であり、心室細胞、心房細胞またはペースメーカー細胞のいずれに帰することが困難である。単一細胞について決めるために凝集塊を分離し再培養する作業が現在進行中である。
(v)幹細胞分化中の心臓イオンチャンネル発現
心臓発育中に、成体活動電位のその後の相の原因となるイオン電流が生じる順番が、電気生理学的研究において確立された(Dviesら著、(1996年)、Circ.Res.第78巻、15〜25頁)。内向きL型Ca2+電流は、初期心臓胚形成において重要な役割を果たすが、内向きNa2+電流は、出産直前にしか上昇しない(Daviesら著、1996年)。マウスESおよびP19EC細胞は、イオン電流発現において同様のタイミングを示す(Wobusら著、(1994年)、In Vitro Cell.De.Biol.第30A巻、425〜434頁)。P19EC細胞の分化中の分子水準でのイオンチャンネル発現の順序を解明するために、我々は、未分化かつ16日齢の、−40〜−60mVの比較的陽性の膜電位(IK1が無いまたは少し)であるP19誘導心筋細胞の収縮塊から単離されたRNAについてRT−PCRを行った。これらの結果は、mES誘導心筋細胞について先に記載(Doevendansら著、(1998年)、cardiovasc.Res.第39巻、34〜39頁)したように、16日齢のP19心筋細胞がイオンチャンネル発現に関して胎児心筋細胞に似ていることを示している。
[内臓内胚葉様細胞との共培養により誘導されるヒト胚性幹細胞の心筋細胞分化]
(a)方法
i)細胞培養
END−2細胞およびhESを、実施例1に記載のように培養した。全ての実験において、ES Cell International Pte LtdからのhES2細胞を用いた。共培養を開始するために、マイトマイシンC(10μg/ml)で1時間処理した有糸分裂不活性のEND−2細胞培養で、hEC細胞用のフィーダーとして、マウス胚性線維芽細胞(MEF)を置き換えた。次に、共培地を6週間まで成長させ、5日目からの収縮筋肉の領域の存在について評価した。肝臓実質細胞に似ている癌細胞であるHepG2細胞(Knowlesら著、(1980年)Science第29巻:497〜9頁)を、10%FCSを含むDMEM中で培養し、1週間に2回継代培養した。END−2細胞のように共培養を開始したが、HepG2は集密性単層として成長せず、hES細胞がHepG2に選択的に付着した。P19EC細胞の懸滴培養を開始し、先に記載(Mummeryら著、1991年)のように通常のFCSを用いて、DMEM/ハムF12(1:1)中に維持し、一方、ノーザンブロット用のRNAを単離するためのEND−2調整培地の存在または不存在下におけるP19胚体のバルク生成を、前述(Mummeryら著、1991年)のように活性炭処理したFCSの存在下に行って、FCS中にレチノイド様活性を有する可能性のある親油性物質により引き起こされる心筋細胞分化の背景水準を低下させた。電気生理学のために、コラーゲナーゼを用いて収縮性凝集塊を分解し、ゼラチン被覆オーバースリップ上に乗せた。
ii)免疫組織化学
付着した一次心筋細胞hES誘導心筋細胞を、Ca2+およびMg2+を含むPBS中の3.0%パラホルムアルデヒドで室温にて30分間固定し、次に、PBS中の0.1%トライトン100で4分間透過性にした。α−アクチニンおよびトロポミオシン(Sigma製)を含む筋節タンパク質に対するモノクローナル抗体を用いて標準的方法により免疫細胞化学を実施した。ミオシン軽鎖(MLC2a/2v)のアイソフォームに特異的な抗体を用いて、心房細胞と心室細胞(Dr Ken Chienから戴いた)とを区別した。Oct−4およびα1c抗体はSigma製である。二次抗体は、Jackson Immunoresearch Labs.製である。
v)ノーザンブロット
RNA、先に記載(Mummeryら著、1990年、Dev.Biol.第142巻:406〜413頁)のようにP19凝集塊から単離され、ポリA+RNAが選択された
(b)ヒトES細胞の心筋細胞分化
本明細書で記載の実験の大部分は、hES2細胞(Reubinoffら著、2000年)を用いて行った。細胞を、前述(Mummeryら著、2002年)のように血清含有培地においてマイトマイシンC処理MEF「フィーダー細胞」と共培養することにより未分化状態に維持した。これらの条件下において、培養の塊中の全ての細胞が、oct−4について核染色を示すが、培養の端部における平坦細胞は陰性であった。Oct−4発現は、未分化細胞の表現型特性に関連する。未分化細胞の小さい塊を、新しいマイトマイシンC処理MEFに、またはマイトマイシンC処理END−2細胞の集密性培養に移すことによりhESを二次培養した。これらの条件下で約5日後、上皮細胞が明白になり、次の数日で、流体で満たされた嚢胞になった(図1A)。これらはαフェトプロテインを染色し、胚体外内臓内胚葉であることが分かる。さらに、10日までに、より固体の凝集塊中で周期的に収縮している種々の全体形状(図1B、3e)の細胞の領域が明らかになった(図1A、3e)。12ウェルプレートのウェルの16〜35%が収縮領域を含み、各々を分解し置き換えることにより、3次元構造よりも2次元構造を有する収縮細胞の12個までの新しいコロニーが産生され;これにより、パッチ−クランプ電気生理学によるさらなる特徴付けのために細胞に接触することが容易になる(図4、図9;以下参照)。分解の前後において、hES誘導心筋細胞は1分当たり45〜60回収縮し、時には不規則に収縮し;収縮は、カルバコール、イソプレナリンおよびフェニレフリンのような薬理学的作動薬に反応してアップレギュレーションされる。
(c)hES/END−2共培養における心臓イオンチャンネルおび幹細胞/筋節マーカーの発現
心臓特異的イオンチャンネルの発現を、未分化hES細胞および、END−2細胞との共培養の9日および14日後の分化細胞において判定した(図8)。先に他で示されている(Kehatら著、2001年)ように、収縮しているhESに由来する心筋細胞の領域はANFを発現する。心臓特異的L型カルシウムチャンネル(α1c)および一時的外向きカルシウムチャンネル(Kv4.3)のα−サブユニットの発現も検出され、Kv4.3の発現は、収縮の開始より数日間早い。遅延整流カリウムチャンネルKvLQT1用のRNAは、未分化細胞において見られ、これは、初期分解中に消滅し、やや後の段階において再び現れる。
(d)電気生理学
hES心筋細胞の解離し再培養した凝集塊のパッチクランプ電気生理学は、胎児起源の一次ヒト心筋細胞(図9B)に匹敵する範囲の(電気的)表現型が培養中に存在する(図9A)ことを示した。心室様活動電位が主要であった(31決定のうち28)が、心房細胞とペースメーカー様細胞の両方共が存在した(それぞれ、31決定のうち2および1)。注目すべきは、比較的遅い上昇速度(7.0+/−0.8V/s)および低い膜電位(図9A)であり、これは、細胞が、妊娠17週の胎児ヒト心筋細胞と比較しても比較的未熟であったことを示している。細胞が収縮していないが収縮領域から区別できない形状を有する共培養の領域において、電流注入は、繰り返し活動電位および持続する規則的収縮を誘導するのに充分であった。さらに、hES細胞とHepG2細胞との共培養により、hES−END−2共培養におけるものと類似の活動電位を有する心筋細胞が得られた。
従って、マウスからの内臓内胚葉様細胞と共にhES細胞を共培養すると、分化プログラムが始まり、収縮筋細胞が形成されることが示されている。筋節マーカータンパク質およびイオンチャンネルの発現は、これらの細胞が心筋細胞であることを示しており、単一細胞についてのパッチ−クランプ電気生理学は、大部分が心室の表現型であることを示している。この系は、通常達成が困難である、培地におけるヒト心筋細胞の研究のためのモデルを提供し、虚血性心臓疾患において失われた心室細胞の置換が心臓機能の回復を補助すると想像される場合の心筋細胞移植治療の可能性を提供する。これは、体細胞系への自発的分化を起こさないhES細胞における心筋細胞分化の誘導を始めて示すものである。
図1Aは、13日後のEND−2細胞と共培養したヒト胚性幹細胞(hES)の位相差顕微鏡写真を示す図である。分化した幹細胞は、混合形状を有するが、上皮様細胞の割合が比較的高い。上皮細胞は膨張して流体充填嚢胞になり、これらの細胞の間に心筋細胞のパッチがある。示されるコロニーの断面は約2mm(対物レンズ40×)である。目盛り棒=100μm。 図1Bは、2〜3週間後のEND−2細胞と共培養したヒト胚性幹細胞(hES)の位相差顕微鏡写真を示す図である。収縮心筋細胞(心筋細胞;bm)のパッチの増加がある。観察された収縮速度は、1分当たり約60回収縮である(対物レンズ20×)である。目盛り棒=100μm。 α−アクチニンで陽性染色された細胞を示し、本当の筋細胞であることを確認する図である。目盛り棒=100μm。 マウス内臓内胚葉様細胞系END−2と幹細胞との共培養を示す図である。(a)正常単層培地におけるP19EC、END−2細胞との共培養の開始から3日後および、収縮筋肉(B.M.)が明らかな場合には10日後。(b)正常「フィーダー」細胞上の単層におけるmES細胞R1(SNL)、共培養の開始から3日後および、収縮筋肉が明らかな場合には2日後。(c)は凝集から7日後にB.M.が明らかであることを除いて(b)と同様。(d)マウス胚性線維芽細胞(MEF)供給細胞上のGCT27XヒトEC細胞、共培養の開始から3日後および、16日後。収縮筋肉が存在しない。(e)MEFフィーダー上のhES細胞、END−2共培養の開始から3日後および、11日後に収縮筋肉が形成。 幹細胞からの心筋細胞の電気生理学的特性を示す図である。自発的に収縮している領域から記録された繰り返し活動電位。(a)マウスP19EC細胞誘導心筋細胞。(b)hES誘導心筋細胞の凝集塊。(c)(b)に示す記録が由来するhES培地の収縮領域の位相差像。(収縮領域が配される突起構造の高さに注目、対物レンズ20×)。 単離心筋細胞を示す図である。(a)2日間培養した細胞と比較して鋭い端部および良好に形成された筋節を示す。(b)筋節パターンを崩した。(a)は単離および固定後の複数細胞の位相差像。(b)は、(a)と比べて2倍にデジタル的に拡大した単一細胞。 成人ヒト一次心房心筋細胞および幹細胞誘導心筋細胞についての免疫細胞化学を示す図である。一次心房心筋細胞は、(緑色)αアクチン、(赤色)mlc−2a(a)およびトロポミオシン(b)を含む筋節タンパク質について陽性に染色された。細胞DNAを、Hoechstで(青色に)染色して、正常細胞とアポトーシス細胞とを区別した。2日間培養した細胞は、崩れたトロポミオシン筋節パターニングおよび散漫な抗体染色を示した(c)。mES誘導心筋細胞も、αアクチンで染色した場合に鋭いバンドを示す(d)が、hES誘導心筋細胞では、α−アクチニンが散漫で、あまりバンド形成していない(図示せず)。(e)は、低倍率で、hES誘導心筋細胞における全体としての強度のα−アクチニン染色を示す。 マウスにおける左心室機能の血行力学的査定を示す図である。(a)正常ループは、マウス心臓における体積変化と圧力変化との間の関係を表し、収縮および弛緩の1サイクル中の弁に関する事項および段階が示される。(b)心筋梗塞の4週間後の圧力体積関係:ループの形状の相違、および収縮と弛緩とにおける変化に注目。 RT−PCRによるhESとEND−2細胞の共培養における心筋細胞マーカーmRNAの発現を示す図である。 A.パッチクランプ電気生理学による活動電位およびイオンチャンネルおよびB.Ca2+の実時間分析の分析を示す図である。 P19胎児性癌細胞へのEND−2調整培地の効果を示す図である。A.P19EC凝集塊における収縮筋肉の誘導。7日目および8日目における2つの独立クローン(P19ECおよびP19クローン6EC)からの結果を示す。全ての凝集塊は、10日目にDMSOの存在下に収縮する。B.P19EC凝集塊におけるEND−2調節培地によるBrachyury Tの誘導を示すノーザンブロット。DMSOは心筋細胞分化も誘導し、対照として示される。END−2CMとDMSOの両方が誘導したBrachyury T発現はアクチビンにより阻害される。

Claims (20)

  1. 未分化のhES細胞を心筋細胞へと分化させる方法であって、
    hES細胞の未成熟心筋細胞及び/又は心筋細胞祖先細胞への分化を誘導するために、内胚葉細胞の存在下に、hES細胞を培養すること
    を含む方法。
  2. 未成熟心筋細胞及び/又は心筋細胞祖先細胞を含む細胞集団を得る方法であって、前記未成熟心筋細胞及び/又は心筋細胞祖先細胞は細胞集団における未分化のhES細胞に由来するものであり、前記方法は、請求項1の未分化hES細胞の分化を誘導することを含む、方法。
  3. 前記内胚葉細胞が、内胚葉様END−2細胞株である請求項1又は2の方法。
  4. 葉の組織が、原腸形成胚に由来する請求項の方法。
  5. 前記内胚葉細胞が、マウス7.5日胚に由来する請求項1〜4のいずれか1項の方法。
  6. 内胚葉細胞を実質的に集密な単層にまで予備培養することと、
    内胚葉細胞単層の存在下で、hES細胞を共培養することと
    をさらに含む請求項1〜のいずれか1項の方法。
  7. 細胞集団が未成熟心筋細胞及び/又は心筋細胞祖先細胞からなる請求項2〜のいずれか1項の方法。
  8. 未成熟心筋細胞を含む単離細胞集団であって、前記未成熟心筋細胞又はその祖先細胞が、内胚葉細胞の存在下で共培養された前記細胞集団中の未分化hES細胞に由来する、単離細胞集団。
  9. 未成熟心筋細胞及び/又は心筋細胞祖先細胞は、細胞集団中の5%より多い請求項の単離細胞集団。
  10. 未成熟心筋細胞及び/又は心筋細胞祖先細胞からなる請求項の単離細胞集団。
  11. 請求項2〜10のいずれか1項の方法により調製された単離細胞集団。
  12. 請求項1〜7のいずれか1項の方法により調製した単離未成熟心筋細胞及び/又は心筋細胞祖先細胞
  13. 患者の心臓疾患又は心臓の状態の治療又は予防に使用するための請求項11の単離細胞集団。
  14. 心臓疾患又は心臓の状態が、心筋梗塞又は心臓肥大からなる群から選択される請求項13に記載の単離細胞集団。
  15. 損傷した心臓組織を修復するために使用する請求項13の単離細胞集団。
  16. 損傷した心臓組織が、心臓の虚血の結果によるものである請求項15に記載の単離細胞集団。
  17. 請求項12の心筋細胞祖先細胞を移植により受容した、心機能の測定可能なパラメーターを有する非ヒト免疫不全動物と、
    心筋細胞の移植の前後に前記動物の心機能を決定する手段と
    を含む、心臓移植のための心筋細胞の適合性を試験するための動物モデル。
  18. 免疫不全動物が、梗塞後の心筋変性のモデルとして作成された請求項17のモデル。
  19. 心機能のパラメーターが収縮機能である請求項17又は18に記載のモデル。
  20. 測定可能な心機能を有する非ヒト免疫不全動物に移植され、前記動物の心機能が心筋細胞の移植の前後に測定される、心臓移植のための心筋細胞の適合性を試験する方法に使用するための請求項12の未成熟心筋細胞及び/又は心筋細胞祖先細胞
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