JP2004534948A - 過冷却された大きな滴氷検出器 - Google Patents
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Abstract
本発明は、航空機表面に過冷却された大きな滴(「SLD」)の着氷を形成する可能性がある水滴の存在を検出するように特に適合された氷検出器(5)に関する。本発明は、氷検出器(5)に隣接する境界層の流れパターン及び水滴に与える影響を利用し、SLD着氷状態が存在するときにそれを示す信号を提供する。検出器(5)は、通常の雲着氷を引き起こす水滴の存在と、SLD着氷を引き起こす水滴の存在とを識別することもできる。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、氷検出器に関し、より詳細には、凍結して航空機表面に氷を形成する過冷却された大きな滴の存在を検出するための氷検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
氷検出器は一般に、航空機に氷が形成される結果になる可能性がある状態で飛行していることをパイロットに知らせるために、様々な航空機で使用されている。たとえば、米国特許第4、611、492号、第4、553、137号及び第3、341、835号を参照のこと。翼表面か、または、フラップまたは補助翼等の他の制御表面に、氷が形成される場合に、航空機の空気力学的性能を低下する可能性があり、場合によっては、航空機を制御するのが困難になることもある。航空機に氷が形成されると、極端な場合には、パイロットは飛行方向を制御することができなくなることもあり、航空機は墜落する可能性がある。大半の氷検出器は、着氷状態の信号をパイロットに提供する電子機器を含み、それによってパイロットは、航空機の氷保護システムを作動させるか、または航空機のコースを変更して着氷状態から抜け出すことができる。従来の氷保護システムは一般に、熱的、化学的または機械的な原理(またはそれらの組み合わせ)に基づいており、電気ヒータ、空気圧式ブートまたはバイパスエアヒータを含む。米国特許第5、743、494号、第5、657、951号及び第5、562、265号参照のこと。
【0003】
一般に主要氷検出器と称される高度な氷検出器は、着氷状態が検出されるときには、航空機の抗着氷機器を自動的に作動するので、パイロットのさらなる動作を必要としない。
【0004】
一般に、水の凍結点すなわち0℃(32°F)よりも低い温度の水滴を通って航空機が飛んでいる場合に、航空機表面に氷が形成される。凍結点以下の滴は、「過冷却」滴と称されることが多い。
【0005】
典型的な降雨運搬雲は、約20ミクロン(0.00008インチ)の平均直径を有する水滴から構成される。20ミクロン直径の水滴を含む雲を通って飛ぶ航空機は、滴が過冷却される場合であっても、普通は、滴が航空機の表面にわたって流れるときに航空機表面が滴の方向に与える空気力学的影響のため、危険なほど高いレベルの着氷を経験しない。たとえば、翼は、翼表面上の空気の流れを乱し、20ミクロン直径範囲の水滴の大半が表面に実際にはぶつからず、むしろこれを通り過ぎて流れるようにする。これは、一般に、滴が、そうでなければ翼表面にぶつかるであろう流れ方向に流れ続けるには不十分な運動量を有するからである。小さな運動量(主に小さなサイズの結果)のため、滴が混入される気流の乱れが、滴を気流の方向に従わせ、翼に当たらなくさせる。しかし、いくつかの小滴が実際に翼表面にぶつかり凍結し、氷を形成することが観察される。これは普通、翼の前縁で発生し、上記されたように、大半の航空機は、抗着氷のまたは他の氷保護装置を備えて建造されているので、翼の前縁に形成される氷を除去する。氷は、航空機の他の制御表面にも形成されることが観察され、これらには、形成される氷を除去するための手段が装備されることが多い。
【0006】
民間航空機の実際の墜落を含む最近のいくつかの事件は、翼表面後部に、または翼及び他の制御表面上の氷保護システムの下流に、氷が形成されることがあることを示している。そのような着氷は、典型的な20ミクロン直径サイズの雲滴よりも大きな過冷却水滴によって引き起こされることを調査が示している。たとえば、ミラー(Miller)ら著、「NASA/FAA/NCAR過冷却された大きな滴の着氷飛行調査:冬季96〜97フライトオペレーションの概要(NASA/FAA/NCAR Supercooled Large Droplet Icing Flight Research:Summary of Winter96~97Flight Operations)」、AIAA98−0577、及び、シャー(Shahら著、「滴サイズ分布及び氷形状(Droplet Size Distribution and Ice Shapes)」、AIAA98−0487を参照のこと。これらの大きな滴は一般に、直径約50ミクロン以上の範囲である。これらのいわゆる過冷却された大きな滴によって引き起こされた着氷(「SLD着氷」と称されることもある)は、SLD滴が、典型的な20ミクロン直径すなわち雲滴よりもかなり大きい運動量を有する(その大きな直径及び関連したより大きな質量による)ため、発生することを調査が示している。これらのSLD滴は、一般に航空機翼によって乱されたり変化したりしない流路を移動する。結果として、これらの大きな滴は、翼の前縁及び前縁の翼下流の部分にぶつかる。翼の前縁表面に形成されるSLD氷は一般に、上記した従来の氷保護システムによって除去されるため、問題ではない。しかし、普通、航空機が飛行中には翼の後部部分及び他の制御表面に形成される氷を除去する方法がない。この着氷は、翼及び他の制御表面にわたって気流を妨害するだけではなく、航空機に余分な重量を加え、それによって、航空機を適切に且つ安全に操縦するパイロットの能力を危うくする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の先行技術の氷検出器は、検出器上の氷形成が、小さな(20ミクロン)の水滴によって引き起こされるか、または、大きな過冷却された(50ミクロン以上)の滴によって引き起こされるか、をパイロットに知らせることはできない。パイロットが飛行している大気は、水滴の様々な集団、たとえば、20ミクロンサイズ範囲(典型的な雲滴)の第1の滴の集団、及び、50ミクロンサイズ範囲(SLD滴)の第2の滴の集団等を含む。さらに、先行技術の氷検出器は検出器上に氷が形成されたことをパイロットに知らせるが、氷が従来の氷保護システムによって保護された表面のみに形成されているのか、または、これらの氷保護システムが作用していない表面にも氷が形成されているのか、をパイロットが知る方法はない(パイロットによって行われる目視は除く。これは、飛行中は必ずしも可能ではない)。
【0008】
一般に航空路の安全、特に乗客の安全が、航空産業の2つの最も重要な問題であるため、必要なものは、雲に典型的に見られる水滴(すなわち、約20ミクロンの平均直径を有する滴)が多数を占める環境を航空機が飛んでいるか、または、過冷却された大きな滴が多数を占める環境を航空機が飛んでいるか、をパイロットに知らせることができる氷検出器である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、過冷却水滴を含む環境で使用されるための、且つ、第1の着氷状態を示す第1の水滴の集団の存在と第1の状態とは異なる第2の着氷状態を示す第2の水滴の集団の存在とを識別するための、氷検出器は、その上に氷が形成されるのを示す信号を提供するためのセンサと、ハウジングであって、センサを支持し、且つ、第1の滴の集団が第2の滴の集団よりもセンサにぶつかりやすくその上に氷を形成しやすいように、ハウジングを通り過ぎて流れる滴の流れ方向を修正するための手段を含むハウジングと、を具備する。
【0010】
本発明の好適な実施形態において、検出器は、第2の滴の集団がセンサにぶつかりにくくしその上に氷を形成しにくくするように第2の滴の集団を偏向させるための手段を含み、第1の滴の集団はそのようには偏向せず、センサにぶつかりやすくその上に氷を形成しやすい。この実施形態において、第2の滴を偏向させるための手段は、センサに隣接する流体の境界層を修正するための手段を含む。境界層は、ハウジングの前縁に入口端を有しセンサの上流に出口端を有するハウジング内の流体通路によって修正される。境界層を修正することによって、滴の流路方向も、第1の滴がセンサにぶつかり第2の滴はぶつからないように、修正される。
【0011】
より詳細には、本発明の氷検出器は、センサと、センサを支持するためのハウジングと、を具備し、ハウジングは、基部と、先端表面を有する先端と、基部から先端へ延在する前縁及び後縁と、を具備し、センサは先端表面上に前縁と後縁との間を延在し、ハウジングは前縁の入口端から先端表面の出口端へ延在する流体通路を含み、通路出口端は前縁の下流且つセンサの上流にあり、ハウジングはさらに、先端の表面上に突出する一対の間隔をおいたレールを含み、センサ及び出口端はレールの間にある。
【0012】
本発明の他の特徴及び利点は、下記に検討されるように、本発明を実行するためのベストモードの説明及び図面を参照することによって、明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の氷検出器は、図1及び2を参照して理解することができる。これらの図面では、氷検出器は全体として参照符号5で示され、ハウジング基部14からハウジング先端16へ延在するハウジング12内に配置されそれによって支持される検知要素(センサ)10を具備する。ハウジング12は、サポート構造物15に取り付けられ、これは、氷の形成がモニタされるべき構造物の表面に検出器5を固定するためのボルトまたはねじ(図示せず)等の手段を含む。モデムジェットまたはプロペラ動力航空機の機体に取り付けられるときには、検出器5は一般に、前記表面に垂直に、かつそのような表面に隣接する境界層の外部に、装着される。ハウジング先端16は、先端表面18を含み、それを通ってセンサ10が突出している。ハウジング12は前縁20と後縁22とを有し、図面に示されるように、センサ10は縁20、22の間に位置する。先端表面18は、ハウジング12の前縁20からハウジング12の後縁22に向って上向きに(すなわち基部14から離れて)傾斜する。流体通路24は、ハウジング前縁20の通路入口26から先端表面18の通路出口28へ延びている。入口26は先端表面18に続いている。出口28は、前縁20の下流であり、センサ10の上流であり且つわずかにこれから離れている。ハウジング12は、軸方向に間隔をおいた一対のレール30を含み、これは、ハウジング先端表面18上に突出している。レール30は、センサ10が表面18上に突出する距離よりも長い距離を表面18上に突出している。レール30は、ハウジング前縁20から後縁22へ向けて延びる。下記により詳細に説明されるように、レール30は、水滴含有環境を通る飛行中にあるサイズの水滴から検知要素10を遮蔽するかまたは隠す働きをする。ハウジング12は、アルミニウム等の高熱伝導性特性を備えた材料から製造されることが好ましい。
【0014】
通路入口端26及び出口端28は、各々が長さ及び幅によって画成される断面積を有する。入口の長さLiは、出口の長さLoとほぼ同一である。入口の長さLi及び出口の長さLoは、両方とも、レール30の対向表面31の間の長さ(または距離)Lrよりもわずかに短い。入口端26及び出口端28は、幅(または高さ)によっても画成される。図1からわかるように、入口26の幅Wiは、出口28の幅Woよりも広い。したがって、ハウジング12の前縁20における入口26の断面積は、ハウジング12の先端表面18における出口28の断面積よりも大きい。図2に詳細に見られるように、出口端28で通路24内の空気の速度を最大にするために、流体通路24の断面積は、入口端26から出口端28へ向って減少する。さらに、軸方向に延在する通路壁32及び33は、両方の壁が通路入口端26で先端表面18にほぼ平行であり且つ通路出口端28でセンサ要素10の軸34にほぼ平行であるように、構成される。
【0015】
図2に示されるように、センサ10の軸34は、ハウジング12の前縁20及び後縁22にほぼ平行である。センサ10はハウジング12から断熱され、ハウジング12を通るチャネル36の中を延びる。センサ10は、図示されない手段によって取付構造物15に固定される。ハウジング12の前縁20に隣接して、ハウジング前縁20及び該前縁に隣接する面に形成される氷を除去するための手段がある。これらの氷除去手段は、前縁に形成される氷を除去する電気ヒータ、または温かい空気が通って流れるチャネル、または空気圧か電気で作動する構造物を含んでもよい。図2において、前縁の温度を凍結温度以上に保つために、ハウジング12の前縁に沿って延び、前縁20の面に隣接するが、センサ10から間隔をおいた従来のカートリッジヒータ38が示される。ヒータ38は、参照符号40によって概略的に示される電子機器によって制御される。ヒータ38に、ハウジングの温度、特にハウジング前縁20に沿う温度をモニタする熱電対(図示せず)または類似の温度検知装置が連結される。ハウジング12の温度が凍結温度以下に低下する場合には、ヒータコントローラがヒータを付勢し、ついには、ハウジング12の温度が凍結温度以上に上がる。検知要素10がハウジング12から断熱されているため、ハウジングに投入される熱は、検知要素10の動作に殆んどの影響を与えない。検知要素10の温度を制御しなければならない場合には、従来のペルティエ接合を使用することができ、冷接点が要素10と熱連通し、熱接点はハウジング12と熱連通する。
【0016】
本発明の代替の実施形態が図3に示される(類似特徴物を示すために、図1の参照符号が図3に使用される)。ハウジング12は、センサ10及び通路出口端28上に延在する一体キャップ42を含む。図3からわかるように、キャップは、レール30と一体であり、レール30の間をハウジング前縁20からハウジング後縁22へと延びている。図2に示された構成に類似する、前縁20及びセンサ10に隣接して延在するカートリッジヒータは、図3には示されない。任意ではあるが、ハウジングは、センサ10上の領域においてキャップを貫通する1つ以上の流体通路44を含む。
【0017】
図3において、キャップ42及びその一体的に取り付けられたレール30は、ハウジング前縁20に第2の入口端46と、ハウジング後縁22に第2の出口端(図示せず)を画成する。キャップ42は、第2の入口端46の断面積が第2の出口端の断面積よりもわずかに大きいように作られ、そのため、第2の入口端46の断面積は第1の入口端26の断面積よりもわずかに大きい。図3に示される氷検出器5も、図1及び2を参照して検討したものに類似した氷保護除去システムを含む。
【0018】
本発明のさらなる実施形態が、図4に示される。図4に示される検出器50は、基部54及び取付構造物55を含むハウジング52によって囲繞され支持される第1の氷検出センサ(または検知要素)51を含む。ハウジング52は、基部54から先端56へと延び、センサ51は、先端56の表面58からわずかに突出している。センサ51は、図1及び2に示されたものに類似して、ハウジング52中のチャネル(図示せず)を通って延びている。センサ51は、ハウジング52から断熱され、好ましくは、ハウジング52はアルミニウム等の高熱伝導性材料からまたは高熱伝導性を有する他の公知の材料から作られる。検出器50は、前縁60及び後縁62を有する。流体通路64は、ハウジング前縁60の入口66から先端表面58の出口68へと延びる。一対の間隔をおいたレール70が、検知要素51の両側を、先端表面58の上流から、センサ51の下流の位置まで延びる。図4からわかるように、先端表面58は、前縁60から後縁70に向かって上がる方向に傾斜する。
【0019】
第1のセンサ51の下流であって後縁62の上流に、検出器50は、第2の氷検出センサ72も備えている。第2のセンサ72は、第1のセンサ51に軸方向に整列配置され、第1のセンサ51が突出する距離よりも長い距離を先端表面58上に突出する。好ましくは、第2のセンサ72は、第1のセンサ51が表面58上に突出する距離の約5倍から10倍大きい範囲の量で、先端56の表面58上に突出する。図4に見られるように、第2のセンサ72は、第1のセンサ51よりも大きい距離を先端表面58上に突出するだけではなく、第2のセンサ72はレール70の下流にあり、レール70によって遮蔽されるかまたは隠されることはない。以下でより詳細に説明されるように、レール70は第1のセンサ51をあるサイズの水滴による衝撃から遮蔽する。さらに、第2のセンサ72はハウジング52のチャネル(図示せず)を通って延び、ハウジング52から断熱される。氷検出器50はさらに、ハウジング前縁から氷を除去するための手段(上記図1から3に関して説明されたように)、及び、特に、前述のカートリッジヒータ及びその関連コントローラを含む。必要に応じて、検出器要素51及び72の一方または両方に、ペルティエ接合技術が任意に使用される。
【0020】
上述の実施形態の各々のために、検出器ハウジングの特定の空気力学的形状、及び、空気/滴混合物が検出を過ぎて流れるときに該形状が空気及び水滴の流れ状態に与える影響は、本発明の検出器の望ましい性能特性を惹起する。検出器を通り過ぎる空気の流れはハウジング特徴によって大きく影響されることを計算流体力学分析は示す。検出器5の先端表面18に沿って流れる空気(水滴はない)の概略図である図5を参照すると、空気の流れは、一般的に参照符号80で表される矢印によって示されている。空気80が先端表面18に沿って流れるときに、通路入口26及び検知要素10と、先端表面18の上向きに傾斜する形状とは、空気の流れ80に影響を与える。図5に見られるように、通路24を通って流れる空気は、通路出口28の上流及び下流の両方に、一連の渦巻き82(真空または分離泡と称することもある)を形成する。渦巻き82は、検知要素10の上流及び下流にも形成される。図面に示されるように、これらの渦巻き82は、検知要素10を通り過ぎて流れる空気が、強制的に検知要素10から離れて及び検知要素10の上方を流れるようにする。検知要素10の両方の側にレール30が存在することが、空気を略軸方向に流れさせる。すなわち、空気がレール30の間をハウジング前縁20からハウジング後縁22へ流れるようにする。通路24及び検知要素10は、先端表面18に沿って流れる空気の境界層に最も大きな影響を与える。この境界層は一般に、先端表面18上を進むときに、厚さ約0.25から1.25cm(約0.1から0.5インチ)の範囲であると考えられる。境界層の形状及び流路方向を制御する能力が、本発明の重要な要因であるが、それは、これらの境界層の特性が、下記に、特に図6及び7を参照して、より詳細に説明されるように、検知要素10を通り過ぎて流れる水滴に大きな影響を与えるからである。
【0021】
図6は、「普通の」(または非SLD)着氷を形成することができる雲に一般的に見られる水滴の流れ方向の概略図を提供する。上記したように、航空機が約20ミクロンの平均直径を有する過冷却水滴の集団を通って飛ぶときに、一般的に普通の着氷が発生する。図6において、そのような水滴は参照符号84で表され、その流路は矢印86によって示される。図6に見られるように且つ上述のように、20ミクロン直径の水滴は一般に、それらが混入される空気の流れ方向に従う。水滴84の比較的小さな質量(及び運動量)のため、渦巻きの結果として形成された分離泡82を貫通することはできない。滴は空気の流路に従い、且つ、流路は検知要素10の表面にわたって且つその上を実際に移動するため、滴は要素10の表面にぶつかる方向に進まない。本発明のもっとも好適な実施形態においては、水滴が実際にハウジングの前縁表面20にぶつかり且つ前縁表面に氷を形成しようとするが、前縁表面20に隣接するヒータが氷を溶かし、ハウジング12への大幅な付着を防止する。20ミクロン滴のいくつかが要素10にぶつかり要素に氷を形成する場合でさえ、それらの中の十分の滴が単位時間当たりに該要素にぶつかり凍結することはないので、SLD着氷の指示が与えられることはない。
【0022】
図6に示された20ミクロン直径滴の流れ方向とは対照的に、図7は、50ミクロン直径滴の流れ方向を示す。これらのSLD着氷滴は、ハウジングの先端表面18に沿って形成する分離泡を通って進むことができるように、十分な質量及び運動量を有する。その流れ方向は、大部分が、先端表面18に隣接する渦巻きによって影響されないため、水滴は、先端表面にほぼ平行に移動し、検知要素10にぶつかり、要素10上に氷を形成する。
【0023】
本発明の好適な実施形態において、検知要素(図1及び3では参照符号10、図4では参照符号51及び72)は、振動要素型であり、氷が要素表面に形成されるときには、その固有周波数は質量荷重のため変わる。好ましくは且つ図1及び3を参照すると、検知要素10は、その長手方向軸34の方向に振動する。要素10の振動周波数は、その関連電子機器(図2に参照符号41として示される)によって連続的に検知され、検知周波数の変動は、要素10上に氷が形成されたことを示す。前述の原則で作動する磁気歪検知要素は、アメリカ合衆国、ミネソタ州、バーンズビル(Burnsville)のBFグッドリッチ エアクラフト センサ ディビジョン(BFGoodrich Aircraft Sensors Division)から入手可能であり、モデル番号0871HL1である。
【0024】
要素上に氷が形成されたことに関するデータを検知要素10から連続的に得るために、検出器は好ましくは、検知要素10に形成される氷を溶かすためのヒータ及び関連コントローラ回路を含む。検知要素上の氷が溶けるときに結果として生じるいずれの液体水を収容するために、ハウジングは、要素が中に存在するチャネルに流体連通する1つ以上の排水穴を含む。
【0025】
図5、6及び7は、ハウジング12の先端表面18に沿った境界層状態が、空気の流れ方向及び空気中に混入した水滴の流れ方向に与える影響を示す。50ミクロン直径範囲の滴は、分離泡を通って流れる十分な運動量を有して検知要素10にぶつかるが、50ミクロン未満の直径の粒子は一般に、検知要素10にぶつからない。
【0026】
センサ10の周波数モニタリング回路を調整して、それより上ではSLD状態が存在しないと推定される閾値レベルを制定してもよい。そのような閾値レベルより下では、SLD状態が存在すると推定される。閾値レベルは、周波数が変化する速度を考慮に入れ且つ周波数変化の量を単にモニタして、制定することができる。従来の氷検出器からの出力と比較するときに、周波数変化の速度を使用して、滴サイズを示すこともできる。閾値レベル及び氷蓄積速度は、着氷風洞の検出器のキャリブレーションから決定される。
【0027】
航空宇宙産業がSLD着氷を引き起こす水滴の正確なサイズを完全には立証していないことを当業者は認識している。約50ミクロン以上の直径を有する滴が過冷却状態にあるときにSLD着氷を引き起こすと一般に容認され理解されているが、他の直径(おそらく50ミクロン未満)を有する滴もSLD着氷を引き起こすと、その後の調査が示すこともある。したがって、本願の記載は、SLD着氷を引き起こす閾値直径として50ミクロンに焦点を当てているが、本発明は50ミクロン直径閾値に限定されないと認識されるべきである。上記したように、本発明の好適な実施形態では、氷検知要素は振動要素型であり、それによってユーザは、SLD着氷を引き起こす滴直径を絶対的に決定することを必要とすることなく、SLD状態の指示を安全に提供するのに適切であるような閾値レベルを制定することができるようになる。
【0028】
図1、2及び3の検出器に使用されるものと同一種類の周波数検知検出要素10を、図4に示される組み合わせセンサに使用してもよい。
【0029】
図1に示されるようなレール30及び図4に示されるようなレール70は、本発明の氷検出器の望ましい性能において特別な役割を演じる。レールの高さ及びレールに対する検知要素の相対位置は両方とも、流路に沿って移動する水滴に影響を与える。なお、この流路は、必ずしもハウジングの前縁に垂直でなくてもよい。たとえば、大きな迎え角のようなある飛行条件下では、滴は斜めの角度でハウジングにぶつかることもある。一般的な雲におけるサイズの水滴が検知要素にぶつかり、SLD着氷の不正確な指示が出るのを防止するために、レールは、検知要素を遮蔽するかまたは隠すのに十分な量だけ先端表面が上に延びており、検知要素に隣接して形成される渦巻き及び分離泡とあわせて、そのような小さな滴が検知要素にぶつかるのを防止する。
【0030】
様々な直径の水滴を含む環境で動作されるときに、本発明の氷検出器は、SLD着氷を形成する状態が存在するか否か、または、普通の雲着氷が結果として生じるか否か、を示す信号を提供することができる。SLD着氷状態が存在する場合には、環境は様々な直径の水滴を含み、その中には50ミクロン以上のものもあり、また、それよりも小さい、約20ミクロンのものもある。そのような環境において図4に示されるようなSLD検出器を使用すると、境界層(すなわち、50ミクロン粒子)によって乱されない十分な運動量を有するこれらの滴は、上述の動作でセンサ51に接触するであろう。これらの同じ滴はセンサ72にもぶつかるであろう。約50ミクロンより小さい直径の滴は境界層によって乱され、上述の理由のためセンサ72のみにぶつかるであろう。この設定において、検出器50に連結された電子機器は、SLD着氷状態、すなわち、センサ51及び72の両方に氷が形成されたことを示す信号を生成する。しかし、水滴の直径が50ミクロン未満である状態中に検出器がある場合には、すなわち、水滴の直径がSLD着氷を引き起こすには小さすぎる場合には、氷は第2のセンサ72上にのみ形成されるであろう。これらの小さな滴は、上述の境界層の影響のため、センサ51にはぶつからないであろう。この場合、電子機器は、センサ72における氷の形成を示す信号を提供するのみであり、「普通の」着氷状態を示す。
【0031】
SLD着氷状態にあるときを検出し、SLD着氷状態と非SLD着氷状態とを区別もする本発明のセンサの能力は、着氷状態での飛行の安全性を改善するための重要な技術を航空産業に提供する。
【0032】
本発明は、その好適な実施形態に関して示され説明されてきたが、請求された本発明の精神及び範囲から逸脱することなくその形態及び詳細に様々な変更を行うことができることは、当業者によって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による氷検出器の斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿って切られた本発明の氷検出器の断面図である。
【図3】本発明の代替の実施形態の斜視図である。
【図4】本発明のさらなる実施形態の図である。
【図5】図2の主にAで記された領域の概略図であり、図2の検出器を通り過ぎる空気の流れ方向を示す。
【図6】図5に示された領域の概略図であり、20ミクロン直径の水滴の流れ方向を示す。
【図7】図5に示された領域の概略図であり、50ミクロンの水滴の流れ方向を示す。
【符号の説明】
【0034】
5……氷検出器、10……検知要素(センサ)、18……先端表面、20……前縁、22……後縁、24……流体通路、30……レール、51……第1のセンサ、58……先端表面、64……流体通路、72……第2のセンサ
【0001】
本発明は、氷検出器に関し、より詳細には、凍結して航空機表面に氷を形成する過冷却された大きな滴の存在を検出するための氷検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
氷検出器は一般に、航空機に氷が形成される結果になる可能性がある状態で飛行していることをパイロットに知らせるために、様々な航空機で使用されている。たとえば、米国特許第4、611、492号、第4、553、137号及び第3、341、835号を参照のこと。翼表面か、または、フラップまたは補助翼等の他の制御表面に、氷が形成される場合に、航空機の空気力学的性能を低下する可能性があり、場合によっては、航空機を制御するのが困難になることもある。航空機に氷が形成されると、極端な場合には、パイロットは飛行方向を制御することができなくなることもあり、航空機は墜落する可能性がある。大半の氷検出器は、着氷状態の信号をパイロットに提供する電子機器を含み、それによってパイロットは、航空機の氷保護システムを作動させるか、または航空機のコースを変更して着氷状態から抜け出すことができる。従来の氷保護システムは一般に、熱的、化学的または機械的な原理(またはそれらの組み合わせ)に基づいており、電気ヒータ、空気圧式ブートまたはバイパスエアヒータを含む。米国特許第5、743、494号、第5、657、951号及び第5、562、265号参照のこと。
【0003】
一般に主要氷検出器と称される高度な氷検出器は、着氷状態が検出されるときには、航空機の抗着氷機器を自動的に作動するので、パイロットのさらなる動作を必要としない。
【0004】
一般に、水の凍結点すなわち0℃(32°F)よりも低い温度の水滴を通って航空機が飛んでいる場合に、航空機表面に氷が形成される。凍結点以下の滴は、「過冷却」滴と称されることが多い。
【0005】
典型的な降雨運搬雲は、約20ミクロン(0.00008インチ)の平均直径を有する水滴から構成される。20ミクロン直径の水滴を含む雲を通って飛ぶ航空機は、滴が過冷却される場合であっても、普通は、滴が航空機の表面にわたって流れるときに航空機表面が滴の方向に与える空気力学的影響のため、危険なほど高いレベルの着氷を経験しない。たとえば、翼は、翼表面上の空気の流れを乱し、20ミクロン直径範囲の水滴の大半が表面に実際にはぶつからず、むしろこれを通り過ぎて流れるようにする。これは、一般に、滴が、そうでなければ翼表面にぶつかるであろう流れ方向に流れ続けるには不十分な運動量を有するからである。小さな運動量(主に小さなサイズの結果)のため、滴が混入される気流の乱れが、滴を気流の方向に従わせ、翼に当たらなくさせる。しかし、いくつかの小滴が実際に翼表面にぶつかり凍結し、氷を形成することが観察される。これは普通、翼の前縁で発生し、上記されたように、大半の航空機は、抗着氷のまたは他の氷保護装置を備えて建造されているので、翼の前縁に形成される氷を除去する。氷は、航空機の他の制御表面にも形成されることが観察され、これらには、形成される氷を除去するための手段が装備されることが多い。
【0006】
民間航空機の実際の墜落を含む最近のいくつかの事件は、翼表面後部に、または翼及び他の制御表面上の氷保護システムの下流に、氷が形成されることがあることを示している。そのような着氷は、典型的な20ミクロン直径サイズの雲滴よりも大きな過冷却水滴によって引き起こされることを調査が示している。たとえば、ミラー(Miller)ら著、「NASA/FAA/NCAR過冷却された大きな滴の着氷飛行調査:冬季96〜97フライトオペレーションの概要(NASA/FAA/NCAR Supercooled Large Droplet Icing Flight Research:Summary of Winter96~97Flight Operations)」、AIAA98−0577、及び、シャー(Shahら著、「滴サイズ分布及び氷形状(Droplet Size Distribution and Ice Shapes)」、AIAA98−0487を参照のこと。これらの大きな滴は一般に、直径約50ミクロン以上の範囲である。これらのいわゆる過冷却された大きな滴によって引き起こされた着氷(「SLD着氷」と称されることもある)は、SLD滴が、典型的な20ミクロン直径すなわち雲滴よりもかなり大きい運動量を有する(その大きな直径及び関連したより大きな質量による)ため、発生することを調査が示している。これらのSLD滴は、一般に航空機翼によって乱されたり変化したりしない流路を移動する。結果として、これらの大きな滴は、翼の前縁及び前縁の翼下流の部分にぶつかる。翼の前縁表面に形成されるSLD氷は一般に、上記した従来の氷保護システムによって除去されるため、問題ではない。しかし、普通、航空機が飛行中には翼の後部部分及び他の制御表面に形成される氷を除去する方法がない。この着氷は、翼及び他の制御表面にわたって気流を妨害するだけではなく、航空機に余分な重量を加え、それによって、航空機を適切に且つ安全に操縦するパイロットの能力を危うくする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の先行技術の氷検出器は、検出器上の氷形成が、小さな(20ミクロン)の水滴によって引き起こされるか、または、大きな過冷却された(50ミクロン以上)の滴によって引き起こされるか、をパイロットに知らせることはできない。パイロットが飛行している大気は、水滴の様々な集団、たとえば、20ミクロンサイズ範囲(典型的な雲滴)の第1の滴の集団、及び、50ミクロンサイズ範囲(SLD滴)の第2の滴の集団等を含む。さらに、先行技術の氷検出器は検出器上に氷が形成されたことをパイロットに知らせるが、氷が従来の氷保護システムによって保護された表面のみに形成されているのか、または、これらの氷保護システムが作用していない表面にも氷が形成されているのか、をパイロットが知る方法はない(パイロットによって行われる目視は除く。これは、飛行中は必ずしも可能ではない)。
【0008】
一般に航空路の安全、特に乗客の安全が、航空産業の2つの最も重要な問題であるため、必要なものは、雲に典型的に見られる水滴(すなわち、約20ミクロンの平均直径を有する滴)が多数を占める環境を航空機が飛んでいるか、または、過冷却された大きな滴が多数を占める環境を航空機が飛んでいるか、をパイロットに知らせることができる氷検出器である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、過冷却水滴を含む環境で使用されるための、且つ、第1の着氷状態を示す第1の水滴の集団の存在と第1の状態とは異なる第2の着氷状態を示す第2の水滴の集団の存在とを識別するための、氷検出器は、その上に氷が形成されるのを示す信号を提供するためのセンサと、ハウジングであって、センサを支持し、且つ、第1の滴の集団が第2の滴の集団よりもセンサにぶつかりやすくその上に氷を形成しやすいように、ハウジングを通り過ぎて流れる滴の流れ方向を修正するための手段を含むハウジングと、を具備する。
【0010】
本発明の好適な実施形態において、検出器は、第2の滴の集団がセンサにぶつかりにくくしその上に氷を形成しにくくするように第2の滴の集団を偏向させるための手段を含み、第1の滴の集団はそのようには偏向せず、センサにぶつかりやすくその上に氷を形成しやすい。この実施形態において、第2の滴を偏向させるための手段は、センサに隣接する流体の境界層を修正するための手段を含む。境界層は、ハウジングの前縁に入口端を有しセンサの上流に出口端を有するハウジング内の流体通路によって修正される。境界層を修正することによって、滴の流路方向も、第1の滴がセンサにぶつかり第2の滴はぶつからないように、修正される。
【0011】
より詳細には、本発明の氷検出器は、センサと、センサを支持するためのハウジングと、を具備し、ハウジングは、基部と、先端表面を有する先端と、基部から先端へ延在する前縁及び後縁と、を具備し、センサは先端表面上に前縁と後縁との間を延在し、ハウジングは前縁の入口端から先端表面の出口端へ延在する流体通路を含み、通路出口端は前縁の下流且つセンサの上流にあり、ハウジングはさらに、先端の表面上に突出する一対の間隔をおいたレールを含み、センサ及び出口端はレールの間にある。
【0012】
本発明の他の特徴及び利点は、下記に検討されるように、本発明を実行するためのベストモードの説明及び図面を参照することによって、明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の氷検出器は、図1及び2を参照して理解することができる。これらの図面では、氷検出器は全体として参照符号5で示され、ハウジング基部14からハウジング先端16へ延在するハウジング12内に配置されそれによって支持される検知要素(センサ)10を具備する。ハウジング12は、サポート構造物15に取り付けられ、これは、氷の形成がモニタされるべき構造物の表面に検出器5を固定するためのボルトまたはねじ(図示せず)等の手段を含む。モデムジェットまたはプロペラ動力航空機の機体に取り付けられるときには、検出器5は一般に、前記表面に垂直に、かつそのような表面に隣接する境界層の外部に、装着される。ハウジング先端16は、先端表面18を含み、それを通ってセンサ10が突出している。ハウジング12は前縁20と後縁22とを有し、図面に示されるように、センサ10は縁20、22の間に位置する。先端表面18は、ハウジング12の前縁20からハウジング12の後縁22に向って上向きに(すなわち基部14から離れて)傾斜する。流体通路24は、ハウジング前縁20の通路入口26から先端表面18の通路出口28へ延びている。入口26は先端表面18に続いている。出口28は、前縁20の下流であり、センサ10の上流であり且つわずかにこれから離れている。ハウジング12は、軸方向に間隔をおいた一対のレール30を含み、これは、ハウジング先端表面18上に突出している。レール30は、センサ10が表面18上に突出する距離よりも長い距離を表面18上に突出している。レール30は、ハウジング前縁20から後縁22へ向けて延びる。下記により詳細に説明されるように、レール30は、水滴含有環境を通る飛行中にあるサイズの水滴から検知要素10を遮蔽するかまたは隠す働きをする。ハウジング12は、アルミニウム等の高熱伝導性特性を備えた材料から製造されることが好ましい。
【0014】
通路入口端26及び出口端28は、各々が長さ及び幅によって画成される断面積を有する。入口の長さLiは、出口の長さLoとほぼ同一である。入口の長さLi及び出口の長さLoは、両方とも、レール30の対向表面31の間の長さ(または距離)Lrよりもわずかに短い。入口端26及び出口端28は、幅(または高さ)によっても画成される。図1からわかるように、入口26の幅Wiは、出口28の幅Woよりも広い。したがって、ハウジング12の前縁20における入口26の断面積は、ハウジング12の先端表面18における出口28の断面積よりも大きい。図2に詳細に見られるように、出口端28で通路24内の空気の速度を最大にするために、流体通路24の断面積は、入口端26から出口端28へ向って減少する。さらに、軸方向に延在する通路壁32及び33は、両方の壁が通路入口端26で先端表面18にほぼ平行であり且つ通路出口端28でセンサ要素10の軸34にほぼ平行であるように、構成される。
【0015】
図2に示されるように、センサ10の軸34は、ハウジング12の前縁20及び後縁22にほぼ平行である。センサ10はハウジング12から断熱され、ハウジング12を通るチャネル36の中を延びる。センサ10は、図示されない手段によって取付構造物15に固定される。ハウジング12の前縁20に隣接して、ハウジング前縁20及び該前縁に隣接する面に形成される氷を除去するための手段がある。これらの氷除去手段は、前縁に形成される氷を除去する電気ヒータ、または温かい空気が通って流れるチャネル、または空気圧か電気で作動する構造物を含んでもよい。図2において、前縁の温度を凍結温度以上に保つために、ハウジング12の前縁に沿って延び、前縁20の面に隣接するが、センサ10から間隔をおいた従来のカートリッジヒータ38が示される。ヒータ38は、参照符号40によって概略的に示される電子機器によって制御される。ヒータ38に、ハウジングの温度、特にハウジング前縁20に沿う温度をモニタする熱電対(図示せず)または類似の温度検知装置が連結される。ハウジング12の温度が凍結温度以下に低下する場合には、ヒータコントローラがヒータを付勢し、ついには、ハウジング12の温度が凍結温度以上に上がる。検知要素10がハウジング12から断熱されているため、ハウジングに投入される熱は、検知要素10の動作に殆んどの影響を与えない。検知要素10の温度を制御しなければならない場合には、従来のペルティエ接合を使用することができ、冷接点が要素10と熱連通し、熱接点はハウジング12と熱連通する。
【0016】
本発明の代替の実施形態が図3に示される(類似特徴物を示すために、図1の参照符号が図3に使用される)。ハウジング12は、センサ10及び通路出口端28上に延在する一体キャップ42を含む。図3からわかるように、キャップは、レール30と一体であり、レール30の間をハウジング前縁20からハウジング後縁22へと延びている。図2に示された構成に類似する、前縁20及びセンサ10に隣接して延在するカートリッジヒータは、図3には示されない。任意ではあるが、ハウジングは、センサ10上の領域においてキャップを貫通する1つ以上の流体通路44を含む。
【0017】
図3において、キャップ42及びその一体的に取り付けられたレール30は、ハウジング前縁20に第2の入口端46と、ハウジング後縁22に第2の出口端(図示せず)を画成する。キャップ42は、第2の入口端46の断面積が第2の出口端の断面積よりもわずかに大きいように作られ、そのため、第2の入口端46の断面積は第1の入口端26の断面積よりもわずかに大きい。図3に示される氷検出器5も、図1及び2を参照して検討したものに類似した氷保護除去システムを含む。
【0018】
本発明のさらなる実施形態が、図4に示される。図4に示される検出器50は、基部54及び取付構造物55を含むハウジング52によって囲繞され支持される第1の氷検出センサ(または検知要素)51を含む。ハウジング52は、基部54から先端56へと延び、センサ51は、先端56の表面58からわずかに突出している。センサ51は、図1及び2に示されたものに類似して、ハウジング52中のチャネル(図示せず)を通って延びている。センサ51は、ハウジング52から断熱され、好ましくは、ハウジング52はアルミニウム等の高熱伝導性材料からまたは高熱伝導性を有する他の公知の材料から作られる。検出器50は、前縁60及び後縁62を有する。流体通路64は、ハウジング前縁60の入口66から先端表面58の出口68へと延びる。一対の間隔をおいたレール70が、検知要素51の両側を、先端表面58の上流から、センサ51の下流の位置まで延びる。図4からわかるように、先端表面58は、前縁60から後縁70に向かって上がる方向に傾斜する。
【0019】
第1のセンサ51の下流であって後縁62の上流に、検出器50は、第2の氷検出センサ72も備えている。第2のセンサ72は、第1のセンサ51に軸方向に整列配置され、第1のセンサ51が突出する距離よりも長い距離を先端表面58上に突出する。好ましくは、第2のセンサ72は、第1のセンサ51が表面58上に突出する距離の約5倍から10倍大きい範囲の量で、先端56の表面58上に突出する。図4に見られるように、第2のセンサ72は、第1のセンサ51よりも大きい距離を先端表面58上に突出するだけではなく、第2のセンサ72はレール70の下流にあり、レール70によって遮蔽されるかまたは隠されることはない。以下でより詳細に説明されるように、レール70は第1のセンサ51をあるサイズの水滴による衝撃から遮蔽する。さらに、第2のセンサ72はハウジング52のチャネル(図示せず)を通って延び、ハウジング52から断熱される。氷検出器50はさらに、ハウジング前縁から氷を除去するための手段(上記図1から3に関して説明されたように)、及び、特に、前述のカートリッジヒータ及びその関連コントローラを含む。必要に応じて、検出器要素51及び72の一方または両方に、ペルティエ接合技術が任意に使用される。
【0020】
上述の実施形態の各々のために、検出器ハウジングの特定の空気力学的形状、及び、空気/滴混合物が検出を過ぎて流れるときに該形状が空気及び水滴の流れ状態に与える影響は、本発明の検出器の望ましい性能特性を惹起する。検出器を通り過ぎる空気の流れはハウジング特徴によって大きく影響されることを計算流体力学分析は示す。検出器5の先端表面18に沿って流れる空気(水滴はない)の概略図である図5を参照すると、空気の流れは、一般的に参照符号80で表される矢印によって示されている。空気80が先端表面18に沿って流れるときに、通路入口26及び検知要素10と、先端表面18の上向きに傾斜する形状とは、空気の流れ80に影響を与える。図5に見られるように、通路24を通って流れる空気は、通路出口28の上流及び下流の両方に、一連の渦巻き82(真空または分離泡と称することもある)を形成する。渦巻き82は、検知要素10の上流及び下流にも形成される。図面に示されるように、これらの渦巻き82は、検知要素10を通り過ぎて流れる空気が、強制的に検知要素10から離れて及び検知要素10の上方を流れるようにする。検知要素10の両方の側にレール30が存在することが、空気を略軸方向に流れさせる。すなわち、空気がレール30の間をハウジング前縁20からハウジング後縁22へ流れるようにする。通路24及び検知要素10は、先端表面18に沿って流れる空気の境界層に最も大きな影響を与える。この境界層は一般に、先端表面18上を進むときに、厚さ約0.25から1.25cm(約0.1から0.5インチ)の範囲であると考えられる。境界層の形状及び流路方向を制御する能力が、本発明の重要な要因であるが、それは、これらの境界層の特性が、下記に、特に図6及び7を参照して、より詳細に説明されるように、検知要素10を通り過ぎて流れる水滴に大きな影響を与えるからである。
【0021】
図6は、「普通の」(または非SLD)着氷を形成することができる雲に一般的に見られる水滴の流れ方向の概略図を提供する。上記したように、航空機が約20ミクロンの平均直径を有する過冷却水滴の集団を通って飛ぶときに、一般的に普通の着氷が発生する。図6において、そのような水滴は参照符号84で表され、その流路は矢印86によって示される。図6に見られるように且つ上述のように、20ミクロン直径の水滴は一般に、それらが混入される空気の流れ方向に従う。水滴84の比較的小さな質量(及び運動量)のため、渦巻きの結果として形成された分離泡82を貫通することはできない。滴は空気の流路に従い、且つ、流路は検知要素10の表面にわたって且つその上を実際に移動するため、滴は要素10の表面にぶつかる方向に進まない。本発明のもっとも好適な実施形態においては、水滴が実際にハウジングの前縁表面20にぶつかり且つ前縁表面に氷を形成しようとするが、前縁表面20に隣接するヒータが氷を溶かし、ハウジング12への大幅な付着を防止する。20ミクロン滴のいくつかが要素10にぶつかり要素に氷を形成する場合でさえ、それらの中の十分の滴が単位時間当たりに該要素にぶつかり凍結することはないので、SLD着氷の指示が与えられることはない。
【0022】
図6に示された20ミクロン直径滴の流れ方向とは対照的に、図7は、50ミクロン直径滴の流れ方向を示す。これらのSLD着氷滴は、ハウジングの先端表面18に沿って形成する分離泡を通って進むことができるように、十分な質量及び運動量を有する。その流れ方向は、大部分が、先端表面18に隣接する渦巻きによって影響されないため、水滴は、先端表面にほぼ平行に移動し、検知要素10にぶつかり、要素10上に氷を形成する。
【0023】
本発明の好適な実施形態において、検知要素(図1及び3では参照符号10、図4では参照符号51及び72)は、振動要素型であり、氷が要素表面に形成されるときには、その固有周波数は質量荷重のため変わる。好ましくは且つ図1及び3を参照すると、検知要素10は、その長手方向軸34の方向に振動する。要素10の振動周波数は、その関連電子機器(図2に参照符号41として示される)によって連続的に検知され、検知周波数の変動は、要素10上に氷が形成されたことを示す。前述の原則で作動する磁気歪検知要素は、アメリカ合衆国、ミネソタ州、バーンズビル(Burnsville)のBFグッドリッチ エアクラフト センサ ディビジョン(BFGoodrich Aircraft Sensors Division)から入手可能であり、モデル番号0871HL1である。
【0024】
要素上に氷が形成されたことに関するデータを検知要素10から連続的に得るために、検出器は好ましくは、検知要素10に形成される氷を溶かすためのヒータ及び関連コントローラ回路を含む。検知要素上の氷が溶けるときに結果として生じるいずれの液体水を収容するために、ハウジングは、要素が中に存在するチャネルに流体連通する1つ以上の排水穴を含む。
【0025】
図5、6及び7は、ハウジング12の先端表面18に沿った境界層状態が、空気の流れ方向及び空気中に混入した水滴の流れ方向に与える影響を示す。50ミクロン直径範囲の滴は、分離泡を通って流れる十分な運動量を有して検知要素10にぶつかるが、50ミクロン未満の直径の粒子は一般に、検知要素10にぶつからない。
【0026】
センサ10の周波数モニタリング回路を調整して、それより上ではSLD状態が存在しないと推定される閾値レベルを制定してもよい。そのような閾値レベルより下では、SLD状態が存在すると推定される。閾値レベルは、周波数が変化する速度を考慮に入れ且つ周波数変化の量を単にモニタして、制定することができる。従来の氷検出器からの出力と比較するときに、周波数変化の速度を使用して、滴サイズを示すこともできる。閾値レベル及び氷蓄積速度は、着氷風洞の検出器のキャリブレーションから決定される。
【0027】
航空宇宙産業がSLD着氷を引き起こす水滴の正確なサイズを完全には立証していないことを当業者は認識している。約50ミクロン以上の直径を有する滴が過冷却状態にあるときにSLD着氷を引き起こすと一般に容認され理解されているが、他の直径(おそらく50ミクロン未満)を有する滴もSLD着氷を引き起こすと、その後の調査が示すこともある。したがって、本願の記載は、SLD着氷を引き起こす閾値直径として50ミクロンに焦点を当てているが、本発明は50ミクロン直径閾値に限定されないと認識されるべきである。上記したように、本発明の好適な実施形態では、氷検知要素は振動要素型であり、それによってユーザは、SLD着氷を引き起こす滴直径を絶対的に決定することを必要とすることなく、SLD状態の指示を安全に提供するのに適切であるような閾値レベルを制定することができるようになる。
【0028】
図1、2及び3の検出器に使用されるものと同一種類の周波数検知検出要素10を、図4に示される組み合わせセンサに使用してもよい。
【0029】
図1に示されるようなレール30及び図4に示されるようなレール70は、本発明の氷検出器の望ましい性能において特別な役割を演じる。レールの高さ及びレールに対する検知要素の相対位置は両方とも、流路に沿って移動する水滴に影響を与える。なお、この流路は、必ずしもハウジングの前縁に垂直でなくてもよい。たとえば、大きな迎え角のようなある飛行条件下では、滴は斜めの角度でハウジングにぶつかることもある。一般的な雲におけるサイズの水滴が検知要素にぶつかり、SLD着氷の不正確な指示が出るのを防止するために、レールは、検知要素を遮蔽するかまたは隠すのに十分な量だけ先端表面が上に延びており、検知要素に隣接して形成される渦巻き及び分離泡とあわせて、そのような小さな滴が検知要素にぶつかるのを防止する。
【0030】
様々な直径の水滴を含む環境で動作されるときに、本発明の氷検出器は、SLD着氷を形成する状態が存在するか否か、または、普通の雲着氷が結果として生じるか否か、を示す信号を提供することができる。SLD着氷状態が存在する場合には、環境は様々な直径の水滴を含み、その中には50ミクロン以上のものもあり、また、それよりも小さい、約20ミクロンのものもある。そのような環境において図4に示されるようなSLD検出器を使用すると、境界層(すなわち、50ミクロン粒子)によって乱されない十分な運動量を有するこれらの滴は、上述の動作でセンサ51に接触するであろう。これらの同じ滴はセンサ72にもぶつかるであろう。約50ミクロンより小さい直径の滴は境界層によって乱され、上述の理由のためセンサ72のみにぶつかるであろう。この設定において、検出器50に連結された電子機器は、SLD着氷状態、すなわち、センサ51及び72の両方に氷が形成されたことを示す信号を生成する。しかし、水滴の直径が50ミクロン未満である状態中に検出器がある場合には、すなわち、水滴の直径がSLD着氷を引き起こすには小さすぎる場合には、氷は第2のセンサ72上にのみ形成されるであろう。これらの小さな滴は、上述の境界層の影響のため、センサ51にはぶつからないであろう。この場合、電子機器は、センサ72における氷の形成を示す信号を提供するのみであり、「普通の」着氷状態を示す。
【0031】
SLD着氷状態にあるときを検出し、SLD着氷状態と非SLD着氷状態とを区別もする本発明のセンサの能力は、着氷状態での飛行の安全性を改善するための重要な技術を航空産業に提供する。
【0032】
本発明は、その好適な実施形態に関して示され説明されてきたが、請求された本発明の精神及び範囲から逸脱することなくその形態及び詳細に様々な変更を行うことができることは、当業者によって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による氷検出器の斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿って切られた本発明の氷検出器の断面図である。
【図3】本発明の代替の実施形態の斜視図である。
【図4】本発明のさらなる実施形態の図である。
【図5】図2の主にAで記された領域の概略図であり、図2の検出器を通り過ぎる空気の流れ方向を示す。
【図6】図5に示された領域の概略図であり、20ミクロン直径の水滴の流れ方向を示す。
【図7】図5に示された領域の概略図であり、50ミクロンの水滴の流れ方向を示す。
【符号の説明】
【0034】
5……氷検出器、10……検知要素(センサ)、18……先端表面、20……前縁、22……後縁、24……流体通路、30……レール、51……第1のセンサ、58……先端表面、64……流体通路、72……第2のセンサ
Claims (13)
- 流れ方向を有する過冷却水滴を含む環境で使用されるための、且つ、第1の着氷状態を示す第1の水滴の集団の存在と前記第1の状態とは異なる第2の着氷状態を示す第2の水滴の集団の存在とを識別するための、氷検出器であって、
(a)その上に氷が形成されるのを示す信号を提供するためのセンサと、
(b)ハウジングであって、前記センサを支持し、且つ、前記第1の滴の集団は前記センサにぶつかりやすくしてその上に氷を形成しやすくし、前記第2の滴の集団は前記センサにぶつかりにくくしてその上に氷を形成しにくくするように、前記ハウジングを通り過ぎて流れる水滴の流れ方向を修正するための手段を含むハウジングと、
を具備する氷検出器。 - 前記流れ方向を修正するための手段は、前記第2の滴が前記センサにぶつかりにくくしてその上に氷を形成しにくくするように第2の滴の集団を偏向させるための手段を含み、前記第1の滴はそのようには偏向せずに、前記センサにぶつかりやすくしてその上に氷を形成しやすくする、請求項1記載の氷検出器。
- 前記流れ方向を修正するための手段は、前記センサに隣接する空気の境界層を修正するための手段を含む請求項1または2に記載の氷検出器。
- 前記ハウジングは、前縁から後縁へ下流方向に延在し、前記センサは、前記前縁と前記後縁との間に位置し、前記流れ方向を修正するための前記手段は前記前縁の下流且つ前記センサの上流に位置する、請求項1から3のいずれか1項に記載の氷検出器。
- 前記流れ方向を修正するための手段は、前記ハウジング中に延びる流体通路を含み、前記通路は入口端と出口端とを有し、前記出口端は前記前縁の下流且つ前記センサの上流に位置する、請求項4記載の氷検出器。
- 前記ハウジングは、前縁から後縁へ延在し、先端表面を有しそれを通って前記センサが突出し、前記流れ方向を修正するための手段は、前記先端表面上に延在する一対の間隔をおいたレールを含み、前記センサは前記レールの間に位置する、請求項1記載の氷検出器。
- 流れ方向を有する過冷却水滴を含む環境で使用されるための、且つ、第1の着氷状態を示す第1の滴の集団の存在と前記第1の状態とは異なる第2の着氷状態を示す第2の滴の集団の存在とを識別するための、氷検出器であって、
(a)その上に氷が形成されるのを示す信号を提供するためのセンサと、
(b)前記センサを支持するためのハウジングであって、前記ハウジングは、前縁から後縁へと延びており、先端表面を有し、前記センサは、前記縁の間に位置し前記先端表面を通って突出しており、流体通路が前記ハウジング中に延在し、前記ハウジング前縁に入口断面積を画成する入口端を有し、前記ハウジング先端表面に出口断面積を画成する出口端を有し、前記出口端は前記前縁の下流且つ前記センサの上流に位置し、前記入口断面積は前記出口断面積よりも大きく、前記ハウジングは、前記センサが前記先端表面上に突出する距離よりも長い距離を前記先端表面上に突出する一対の間隔をおいたレールを含み、前記センサは前記レールの間に位置する氷検出器。 - 前記ハウジング前縁の温度を凍結温度以上に上げるためのヒータをさらに含む、請求項7記載の氷検出器。
- 前記ハウジング先端表面は、前記前縁から前記後縁に向って上向きに傾斜し、キャップが前記レールの間を前記前縁から前記後縁まで延在する、請求項7または8に記載の氷検出器。
- センサと前記センサを支持するハウジングとを具備する氷検出器であって、前記ハウジングは、基部と、先端表面を有する先端と、前記基部から前記先端へ延びる前縁及び後縁と、を具備し、前記センサは前記前縁と前記後縁との間で前記先端表面を通って突出し、前記ハウジングは前記前縁の入口端から前記先端表面中の出口端へ延びる流体通路を含み、前記通路出口端は前記前縁の下流且つ前記センサの上流にあり、前記ハウジングはさらに、前記先端表面上であって前記センサより上に突出する一対の間隔をおいたレールを含み、前記センサ及び前記出口端は前記レールの間にある氷検出器。
- 前記レールは、前記センサが前記表面上に突出する距離よりも長い距離を前記先端表面上に突出する、請求項10記載の氷検出器。
- 前記ハウジングの前記後縁に隣接する第2のセンサをさらに具備し、前記第2のセンサは前記先端表面より上に且つ前記レールより上に突出する、請求項10記載の氷検出器。
- 第1及び第2のセンサと、前記センサの各々を支持するためのハウジングと、を具備する氷検出器であって、前記ハウジングは、基部と、先端表面を有する先端と、前記基部から前記先端へ延びる前縁及び後縁と、を含み、前記第1のセンサは前記第2のセンサの上流にあり、前記センサの各々は前記先端表面上に突出し、前記ハウジングは前記前縁の入口端から前記先端表面の出口端へ延びる流体通路を含み、前記通路出口端は前記前縁の下流且つ前記センサの上流にあり、前記ハウジングはさらに、前記先端の前記表面上に延在する一対の間隔をおいたレールを含み前記第1のセンサ及び出口端が前記レールの間にあり前記第2のセンサが前記レールの下流にあるようにし、前記レールは前記第1のセンサより上に突出し、前記氷検出器はさらに、前記第1のセンサから氷を除去するための第1のヒータと、前記第2のセンサから氷を除去するための第2のヒータと、前記ハウジング前縁から氷を除去するための第3のヒータと、を具備する氷検出器。
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