JP2004534071A - リンパ性薬デリバリー系 - Google Patents
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Abstract
本発明はリンパ輸送系を介する体循環へ中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に対する該親油性薬物および内因性脂質の産生を刺激することのできる成分、または長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含む処方の経口投与を含み、該成分が上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分量ある方法、およびリンパ輸送の回避に対応する方法に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
本発明はリンパ輸送系を介する薬物の経口デリバリー、より詳しくはリンパ輸送系を介する体循環への中親油性ないし高親油性薬物のデリバリーに関する。本発明は中親油性ないし高親油性薬物の経口デリバリーする方法、リンパ輸送を促進するための内因性脂質の産生/転移を刺激する方法、満腹状態で中親油性ないし高親油性薬物を投与する必要性を回避する方法、中親油性ないし高親油性薬物を投与した後の(ECGの)QTC間隔の延長を回避する方法、およびリンパにおいて高濃度で、または、高親油性心臓活性薬の場合、心臓付近の体循環へ高濃度で中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の開示
コンビナトリアルケミストリーおよびハイスループットスクリーニングの出現は多くの高い効能を示す新規化学物質の急速な同定を可能にした。しかしながら、これらの技術の使用増加に一致して、より高い分子量およびログオクタノール/水分配係数(LogP)、難水溶性を有する主要な化合物の同定に対する傾向が発展した。これらの特性は標的薬物への高結合親和性を提供するに至ったが、必ずしも理想的な生物薬剤学的供給を生産しているわけではない。確かに、歴史的に、これらの化合物の多くは、理想的な薬物速度論的/吸収性プロフィールを有しない薬物を発展させることへの遠慮から、臨床応用への発展には失敗してきた。
中親油性薬物と同様、高親油性薬物は薬理学者への挑戦、および潜在的にいくらかの特別な利益の両方を提供する。それ故、難水溶性はほとんど必然的に従来の投与形態から経口での生物学的利用能が低くなる。しかしながら、高親油性難水溶性化合物の処方戦略はここ数年で非常に発展して脂質を基盤とするエマルションおよびマイクロエマルションの使用、および自己乳化および自己微小乳化処方は許容される経口での生物学的利用能を有する多くのこのような化合物を有効に発展させた。高親油性薬物分子を有効にデリバリーする能力は、特に脂質を基盤とするデリバリー系と組み合わせて腸管リンパによる薬物輸送への関心を改めた。
【0003】
腸細胞への吸収の後、非常に大部分の経口投与薬物は細胞に入り急速に分散して、門脈の毛細管へ吸収されて体循環に入る前に肝臓を通過する。しかしながら、高親油性薬物分子は腸細胞内でリンパリポ蛋白と会合して腸間膜(腸管)リンパ管に入って、肝臓を有効に迂回して胸部リンパ管を介して体循環に入る。
リンパで達成可能な非常に高い薬物濃度(血漿濃度の1000倍まで)は、リンパ常在BおよびTリンパ球への特異的なデリバリーおよび播種性腫瘍転移に関する基本経路を標的とする機会を含む、リンパによって輸送された薬物に関する一次通過代謝の減少に加えて薬物デリバリーにおける利点を提供する。従って、インターフェロンおよび免疫調節療法において有用な薬物、および細胞毒性剤のリンパ輸送は特別な利点を提供するだろう。HIV感染の発展におけるリンパおよびリンパ組織に関する主要な役割の指摘では(例えば、G.Pantaleo、C.Graziosi、J.F.Demarest、O.J.Cohen、 M.Vaccarezza、 Gantt、 K、 C.Muro-Cacho、 A.S.Fauci、 Role of Lymphoid organs in the pathogenesis of human immunodeficiency virus (HIV) infection.Immunol.Rev.140(1994)105-130およびG.Pantaleo、C.Graziosi、 A.S.Fauci、The role of Lymphoid organs in the immunopathogenesis of HIV infection. Aids 7(1993)S19-23を参照)、AIDS患者における抗ウイルス標的としてのリンパに関心が高まっている。
【0004】
(門脈血に対抗する)腸管リンパへの接触に関する特異度はリンパ管および血管間の内皮構造における相違によって提供される。血管内壁は内皮間密着結合および連続する基底膜を特徴とする一方、リンパ管は不連続な基底膜または基底膜の不在および比較的広い内皮間結合距離によって特徴化される(例えば、N.S.Kumar、C.M.Mansbach、Prechylomicron transport vesicle: isolation and partial characterization.Am.J.Physiol.276(1999)G378-86を参照)。小型の、親油性分子の細胞透過性接触は比較的妨害無く、これらの条件下では、物質移動工程を促進するリンパ流量に比較して血流量が決定的に多いため、血液への吸収が優先される。しかしながら、大型(>10,000Da)または極度の親水性化合物または大型コロイド構造に関して血液への細胞透過性輸送は決定的に妨害されて、「漏れやすい」リンパ内皮細胞への傍細胞接触が有利である。
食事および処方由来の脂質のリンパ輸送はコロイド構造(リポ蛋白)へのトリグリセリド(TG)再合成産物の集合体によって確保されて、その大きさが血液への吸収を阻害する。共投与薬物の場合、薬物分子がリンパリポ蛋白と有利に会合し、門脈血を介する流体の有意に高い物質移動を超えるのに十分なアビディティを有する際に小型分子の適当なリンパ輸送が生じるだろう。
【0005】
Charmanおよび共同研究者は約5を越えるログ分配係数(logP)値および約50mg/mLを越えるTG溶解度が適当なリンパ輸送の必要最低限であることを以前に指摘した(例えば、W.N.Charman、V.J.Stella、Estimating the maximal potential for intestinal lymphatic transport of lipophilic drug molecules、Int.J.Pharmaceut.34(1986)175-178を参照)。この評価は門脈血流量およびリンパ流量間の相違(500:1)およびリンパにおける実際の脂質負荷は総リンパ流量の約1%と説明され、リンパ脂質および門脈血間の物質移動比率は1対50,000の等級であるという認識に基づいていた。リンパで輸送される薬物はキロミクロンのTG核と会合して輸送されるため、リンパへ優先的に輸送されるような薬物分子に関して、門脈血と比較した場合リンパ脂質では少なくとも50,000倍の親和性を有する必要がある(例えば、logP>4.7)。
リンパ輸送のこれらの一般的な指摘(logP>5、脂質溶解度>50mg/g)とは対照的にNankervisおよび共同研究者は経口吸収後に3つの高親油性レチノイド(テマロテン(temarotene)、エトレチナートおよびイソトレチノイン)に関して脂質溶解度およびリンパ吸収量間の逆の関係を最近証明した。著者は最も可溶性の高い担体からのレチノイドのリンパ輸送の程度が腸細胞への分配よりむしろ共投与した脂質担体への分配に関する選択によって制限されることを指摘した(例えば、R.Nankervis、S.S.Davis、N.H.Day、P.N.Shaw、Intestinal lymphatic transport of three retinoids in the rat after oral administrations: effect of lipophilicity and lipid vehicle.Int.J.Pharmaceut.130(1996)57-64参照)。
【0006】
これらの結果は腸管リンパによる薬物輸送の前に親油性薬物の処理に関連した複雑さを強調している。リンパによって輸送された親油性薬物は腸管内腔で脂性のミクロドメインと会合し(おそらく単純な分配態度によって行われる)、さらにリンパ性リポ蛋白と非常に特異的に会合することが見出されている。しかしながら、親油性薬物とリンパ性リポ蛋白との会合の仕組みは十分に記載されていない。確かに、薬物−リポ蛋白会合は歴史的に単純に分配現象と考えられ会合部位、腸細胞における微小分布の型の寄与および結合および輸送蛋白の潜在的な役割に関してはほとんど知られていない。
腸管リンパ管を介した薬物輸送の必要条件としての腸管由来のリポ蛋白と薬物の会合に関して明確に必要であるのは食物とまたは食事の時間に高親油性薬物を投与する決まりであった。これはまた腸管リンパ輸送を増大させるための脂質および脂質を基盤とする処方の共通の使用に繋がった(例えば、W.N.Charman、C.J.H.Porter、Lipophilic prodrugs designed for intestinal lymphatic transport.Adv.Drug.Deliv.Rev.19 (1996) 149-169、 C.J.H.Porter、 Drug deliver to the lymphatic system.Criti.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.14 (1997)333-93およびS.Muranishi、Drug targeting towards the lymphatics.Adv.Drug.Res.21(1991)1-38を参照)。処方の設計の基盤となる基本的な前提は共投与した脂質の消化および吸収が腸細胞を介する脂質交代を刺激して、キロミクロン合成を増大させて薬物が分散するリポ蛋白を基盤とする脂質の巣を増加させることである。
脂質を基盤とする処方はまた一般に腸管環境内での溶解および可溶化における改善、胃の空腹率の減少、および粘膜透過性の増加を通して薬物吸収を増大させて、吸収物の割合を増加させると同時に吸収の全体的な程度も増大させる潜在性を有しており、腸管リンパを介する体循環へ輸送されるだろう(例えば、A.J.Humberstone、W.N.Charman、Lipid based vehicles for the oral delivery of poorly water soluble drugs.Adv.Drug.Deliv.Rev.25(1997)103-128およびW.N.Charman、 C.J.Porter、 S.Mithani、 J.B.Dressman、 Physiochemical and physiological mechanisms for the effects of food on drug absorption: the role of lipids and pH.J.Pharm.Sci.86(1997)269-82を参照)。
【0007】
リンパによる薬物輸送の例を詳述しているごく最近の報告の多くは、企画の主要な目的がリンパ輸送の程度の平行した調査とともに、全体的な生物学的利用能における増大である産業内の発展グループから生じている。結果的に、これらの研究の大部分が個々の成分固有のリンパ方向能の評価をより困難にする比較的複雑で一般に高い分散性を示す脂質担体において経口投与後のリンパによる薬物輸送の程度を試験していた。これらの研究はまた比較的多量の脂質(体重と比較して)が投与されなければならないラットを使用してほとんどが行われた。
例えば、Haussおよび共同研究者は水を基盤とする懸濁液および4つの相異なる脂質を基盤としたエマルション処方として処方した、親油性、難水溶性の、抗炎症薬および効能のあるロイコトリエン(LTB4)合成阻害剤の、オンタゾラスト(ontazolast)リンパ輸送を試験してリンパ輸送および全身血液吸収における処方の効果を定量した(例えば、D.J.Hauss、S.E.Fogal、J.V.Ficorilli、C.A.Price、T.Roy、A.A.Jayaraj、J.J.Keirns、Lipid-based delivery systems for improving the bioavailavility and lymphatic transport of a poorly water-soluble LTB4 inhibitor.J.Pharm.Scie.87(1998)164-9を参照)。使用される処方はオンタゾラストのペセオール(Peceol)(オレイン酸のモノおよびジグリセリドの混合物)中単一溶液、水中油(大豆油)型エマルションおよびゲルシア44/14(Gelucire44/14)(モノ−、ジ−およびトリグリセリド、脂肪酸のPEG1500モノ−およびジエステルおよび遊離PEG1500を含有)の混合物を含む2つの自己乳化剤デリバリー系(SEDDS)を含んでいた。脂質を基盤とする処方の複雑さが個々の脂質の効果の比較を困難にしている一方で、投与後24時間に渡るリンパによって輸送されたオンタゾラストの総量は、水を基盤とする懸濁液処方と比較した場合、脂質を基盤とするSEDDS系では約20ないし25倍および大豆油エマルションでは50倍であることが見出された。著者はリンパによる薬物輸送に関する傾向を反映するトリグリセリド脂質のリンパ輸送で同一の増加を報告した。
【0008】
Hauseらはまた意識のあるラットに脂質のない懸濁液処方または脂質を基盤とするエマルションのいずれかを投与した後に親油性脂質調節因子Cl−917の腸管リンパ吸収および全身吸収を増大させる脂質を基盤とする処方の能力を研究した(例えば、D.J.Haus、S.Mehta、G.W.Radebaugh、Targeted lymphatic transport and modified systemic distribution of Cl-976、a lipophilic lipid-regulator drug、 via a formulation approach.Int.J.Pharmaceut.108(1994)85-93を参照)。14時間に渡るリンパで輸送されたCl−917の総量は、投与量の割合としては懸濁液処方と比較した場合脂質を基盤とするエマルションでは7倍であった。リンパで輸送された薬物の絶対量は低いが(<1%)、全身有効性の大半がキロミクロンと会合した薬物を介したリンパ輸送によることが指摘された。
Kweiおよび共同研究者は3つの処方:水性懸濁液、脂質/界面活性剤混合物(イミワイター(登録商標)(Imiwitor(登録商標))、カプリン酸およびカプリル酸/ポリソルベート80のモノおよびジグリセリド)処方および長鎖脂質(大豆油)溶液処方から、難水溶性(<1μg/mL)および高脂質可溶性の(大豆油に>80mg/mL)、5α還元酵素阻害剤である、MK−386のリンパ輸送をラットに放射性同位体標識MK−386を経口投与した後に研究した(例えば、G.Y.Kwei、L.B.Novak、L.H.Hettrick、E.R.Reiss、 E.K.Fong、 T.V.Olah、 A.H.Loper、 Lymphatic uptake of MK-386、a sterol 5-alpha reductase inhibitor、 from aqueous and lipid formation.Int.J.Pharmaceut.164(1998)37-44を参照)。興味深いことに、腸間膜リンパへ輸送された投与後6時間に渡るMK−386の総量の順位は水性懸濁液>脂質/界面活性剤混合系>大豆油、すなわち脂質のない処方で最も優れているものであることが見出された。これらの研究は行った6時間のサンプリング時間では完全な吸収プロフィールを把握するのに不十分であるという事実から複雑であった。さらに、脂質/界面活性剤混合処方は比較的多量の界面活性剤を、臨界ミセル濃度を著しく越えて含有していてこれは難水溶性のMK−386の溶解率およびその程度およびその後の吸収プロフィールに影響しただろう。それにも関わらず、MK−386は(3つの処方を全て投与した後で)腸管リンパによって体循環へ主に輸送されて、門脈血と比較して80倍もの高レベルな放射性同位体活性が見られた。
【0009】
多くの他の研究は脂質を共投与しない場合決定的なリンパ輸送が生じることを実証した。例えば、Nishigakiおよび共同研究者は脂質溶液処方と比較してポリソルベート80ミセル水溶液では投与後のレチニルパルミチン酸のリンパ輸送において2倍の増加を報告し(例えば、R.Nishigaki、S.Awazu、M.Hanano、T.Fuwa、The effect of dosage form on absorption of vitamin A into lymph.Chem.Pharm.Bull.24(1976)3207-3211を参照)、またシクロスポリンのリンパ吸収は脂質溶液または混合ミセル処方と比較した場合単純ミセル溶液処方において投与後決定的に優れている(5−10倍)ことが見出された(例えば、K.Takada、H.Yoshimura、H.Yoshikawa、S.Muranishi、T.Yasamura、S.Oka、Enhanced lymphatic delivery of cyclosporin A by solubilisers and intensified immunosuppressive activity against mice skin allograft.Pharm.Res.3(1986)48-51を参照)。同様に、ポリソルベート80ミセル溶液またはトリグリセリド脂質担体における投与後のメピチオスタン(mepitiostane)のリンパ輸送の程度において決定的な相違は全く報告されなかった(例えば、T.Ichihashi、H.Kinoshita、Y.Takagishi、H.Yamada、Effect of oily vehicles on absorption of mepitiostane by the lymphatic system in rats.J.Pharm.Pharmacol.44(1992)560-4を参照)。これらの例では、脂質のない処方における経口投与後に観察されるリンパ輸送の比較的高い程度は(1)(通常)界面活性剤に富む処方における有効な可溶化の結果として生じる全体的な薬物吸収を増大させる、(2)膜透過性の一般的な増加に繋がる高濃度の界面活性剤によって容易にした薬物吸収を増大させる、および(3)内因性脂質または界面活性剤の加水分解産物からリンパリポ蛋白へ薬物を分配する、機能であるかもしれない。これら後者のごくわずかな例にも関わらず、しかしながら、大半の場合、脂質を基盤とする処方がラットにおいて共投与した高親油性薬物のリンパ輸送を増大させるように見える。
これらのラット研究は脂質を基盤とする処方がラットにおけるリンパ輸送の増大に繋がることを示すが、ラットにおけるほぼ一定の胆汁流量のような高い種まで代表的な食前および食後状態の到達を除外して、ラットに投与した処方がほとんど高い種とは関連がない
とは考えにくい。
【0010】
(発明の開示)
この度、意外にも、中親油性ないし高親油性薬物と一緒に、中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤またはそれらの組み合わせ、または内因性脂質の産生または転移を刺激できる成分を共投与することで、リンパ輸送系への親油性薬物の輸送を促進し得るということが見出された。
従って、第1の態様において、本発明は、リンパ輸送系を介して体循環へ中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物および中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含む処方を経口投与することを含み、上記の成分が上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、方法を提供する。
【0011】
第2の態様に従って、リンパ輸送系を介して体循環へ中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物および該薬物のリンパ輸送系への輸送を可能にするのに十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分を含む処方を経口投与することを含む、方法が提供される。
第3の態様に従って、本発明は、空腹状態の対象において中親油性ないし高親油性薬物を体循環へデリバリーするためのリンパ輸送系へ輸送するのを増大または促進するのに十分な量の内因性脂質の産生を刺激する方法であって、上記の対象に対して上記の親油性薬物と組み合わせて中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される有効量の成分を経口投与することを含む方法であり、中鎖ないし長鎖脂質薬を投与した後に上記のリンパ輸送系へ輸送された脂質の量が上記の親油性薬物とともに投与された脂質の量を上回る、方法を提供する。
【0012】
第4の態様に従って、満腹状態での中親油性ないし高親油性薬物の投与の必要性を回避する方法であって、中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分とともに上記の親油性薬物を処方して、満腹または空腹状態での該処方の経口投与がリンパ輸送系を介する体循環への該薬物のデリバリーを可能にすることを含む、方法が提供される。
第5の態様において、満腹状態での中親油性ないし高親油性薬物の投与の必要性を回避する方法であって、内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とともに上記の親油性薬物を処方して、満腹または空腹状態での該処方の経口投与がリンパ輸送系を介する体循環への親油性薬物のデリバリーを可能にすることを含む、方法が提供される。
【0013】
第6の態様において、中親油性ないし高親油性薬物を経口投与した後の心電図(ECG)のQTC間隔の延長を回避する方法であって、中鎖ないし長鎖脂質、または内因性脂質の産生を刺激することのできる他の成分の存在しない上記の親油性薬物の処方を含み、上記の処方を空腹状態にて投与する、方法が提供される。
第7の態様において、本発明は、リンパへ高濃度で中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物および中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含む処方を経口投与することを含み、上記の成分が上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、方法を提供する。
【0014】
第8の態様において、本発明は、リンパへ高濃度で中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物と、該薬物をリンパ輸送系へ高濃度で輸送させるのに十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とを含む処方を経口投与することを含む、方法を提供する。
第9の態様に従って、本発明は、心臓へ中親油性ないし高親油性薬物を標的デリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物と、中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分とを含む処方を経口投与することを含み、上記の脂質が上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、方法を提供する。
【0015】
第10の態様に従って、心臓へ中親油性ないし高親油性薬物を標的デリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の薬物と、該薬物のリンパ輸送系への輸送を可能にするのに十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とを含む処方を経口投与することを含む、方法が提供される。
第11の態様に従って、本発明は、高親油性薬物および中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含む医薬処方であって、上記の成分が空腹状態で投与される場合に、上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、医薬処方を提供する。
第12の態様において、本発明は、高親油性薬物と、該薬物のリンパ輸送系への輸送を可能にする投与の後に十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とを含む医薬処方を提供する。
【0016】
(好ましい具体例の説明)
本発明は中親油性ないし高親油性薬物の対象における作用部位へのデリバリーに関する従来の方法を上回る多くの利点を提供する。例えば、心臓関連症状の治療に有用な薬物の場合、心臓付近の体循環内の位置に体循環を介して高濃度で薬物をデリバリーすることが可能である。これはリンパ輸送系が左鎖骨下静脈および左頸静脈の分岐で体循環と合流するために可能であって、それは心臓の真上に位置する。脂質に関連した大量の外因性食物がリンパ内で薬物を有効に希釈する満腹状態とは対照的に、リンパ中高濃度は薬物が空腹状態で投与される場合に可能である。逆に、本発明によれば、このような方法で、すなわち高親油性薬物のリンパ内濃度が最小であるような、満腹状態において、対象に中親油性ないし高親油性薬物を処方およびデリバリーすることが可能である。これは、リンパを介して高濃度で心臓にデリバリーされる場合、例えば心電図(ECG)で測定した際にQTC間隔を延長させることによって心臓に対して有害な効果を与える親油性薬物の場合に特に重要である。このような薬物の一例が抗マラリア薬の、ハロファントリン(halofantorine)である。この効果を考慮して、本発明は少量の適当な成分とともに空腹状態の対象への薬物の投与を保証するために中親油性ないし高親油性薬物を試験して、心臓付近の体循環にデリバリーされた結果的に高濃度の薬物が、ECGのQTC間隔の延長を引き起こさない手段を提供する。本発明のさらなる利点はある薬物が本発明に従って処方される際に、該処方が満腹状態の対象に、例えば食前、食間または食後に摂取されなければならないと特記する必要がないことである。これは該薬物が本発明に従って処方される場合優れた生物学的利用能が満腹および空腹状態の両方で達成可能なためである。もちろん、リンパで高濃度の薬物が(空腹状態で投与される場合)対象の心臓に対して決定的な逆効果を与えないことを保証するようないずれのこのような処方の試験の間でも注意する必要があるだろう。これらの利点は門脈血を介する肝臓への薬物経路を本質的に回避する薬物デリバリー系における本来の利点に加えられる。
【0017】
本明細書で使用される「中親油性ないし高親油性薬物」なる語は腸管壁を介してリンパへ吸収可能な薬物のことを言う。上記のように、門脈血に対抗してリンパへ優先的に輸送されるために、薬物はlogP(オクタノール/水)>4.7および、例えば、大豆油またはその類似物への、50mg/mLを越える溶解度によって、測定されるような、トリグリセリド(TG)溶解度を有するのが好ましい。しかしながらlogP>2を有する薬物もまた、本発明に従って投与されてもよい。本発明に記載の処方に適した中親油性ないし高親油性薬物の例は以下を含む:
鎮痛薬および抗炎症薬:アロキシプリン、アウラノフィン、アザプロパゾン、ベノリラート、ジフルニサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェンカルシウム、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク。
駆虫薬:アルベンダゾール、ベフェニウムヒドロキシナフトエート、カンベンダゾール、ジクロロフェン、アイバメクチン、メベンダゾール、オキサムニキン、オキシフェンダゾール、オキサンテルエンボナート、プラジカンテル、ピランテルエンボナート、チアベンダゾール。
抗不整脈薬:アミオダロン、ジソピラミド、酢酸フレカイニド、硫酸キニジン。
【0018】
抗菌薬:ベネタミンペニシリン、シノキサシン、シプロフラキサシン、クラリスロマイシン、クロファジミン、クロキサシリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、エチオナミド、イミペネム、ナリジスク酸、ニトロフラントイン、リファンピシン、スピラマイシン、スルファベンザミド、スルファドキシン、スルファメラジン、スルファセタミド、スルファフラゾール、スルファメトキサゾール、スルファピリジン、テトラサイクリン、トリメトプリム。
抗凝固薬:ジクマロール、ジピリダモール、ニクマロン、フェニンジオン。
抗うつ薬:アモキサピン、マプロチリン、ミアンセリン、ノルトリプチリン、トラゾドン、マレイン酸トリミプラミン。
抗糖尿病薬:アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピジド、トラザミド、トルブタミド。
【0019】
抗痙攣薬:ベクラミド、カルバマゼピン、クロナゼパム、エトトイン、メトイン、メトスクシミド、メチルフェノバルビトン、オキシカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェノバルビトン、フェニトイン、フェンスクシミド、プリミドン、スルチアム、バルプロ酸。
抗真菌薬:アンホテリシン、硝酸ブトコナゾール、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナタマイシン、ナイスタチン、硝酸スルコナゾール、テルビナフィン、テルコナゾール、チオコナゾール、ウンデセン酸。
抗痛風薬:アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン。
抗高血圧薬:アムロジピン、ベニジピン、ダロジピン、ジリタゼム、ジアゾキシド、フェロジピン、酢酸グアナベンズ、イスラジピン、ミノキシジル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、フェノキシベンザミン、プラゾシン、レセルピン、テラゾシン。
【0020】
抗マラリア薬:アモジアキン、クロロキン、クロロプログアニル、ハロファントリン、メフロキン、プログアニル、ピリメタミン、硫酸キニーネ。
抗片頭痛薬:ジヒドロエルゴタミンメシラート、酒石酸エルゴタミン、マレイン酸メチルセルジド、マレイン酸ピゾチフェン、コハク酸スマトリプタン。
抗ムスカリン様作用薬:アトロピン、ベンズヘキソル、ビペリデン、エトプロパジン、ヒヨスチアミン、臭化メペンゾレート、オキシフェンシクリミン、トロピカミド。
抗癌剤および免疫抑制剤:アミノグルテチミド、アムサクリン、アザチオプリン、ブスルファン、クロラムブシル、シクロスポリン、ダカルバジン、エストラムスチン、エトポシド、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトーテン、ミトザントロン、プロカルバジン、クエン酸タモキシフェン、テストラクトン。
【0021】
抗原虫薬:ベンズニダゾール、クリオキノール、デコキナート、ジヨードヒドロキシキノリン、ジロキサニドフロエート、ジニトルミド、フルゾリドン、メトロニダゾール、ニモラゾール、ニトロフラゾン、オルニダゾール、チニダゾール。
抗甲状腺薬:カルビマゾール、プロピオチオウラシル。
抗不安薬、鎮静薬、催眠薬および神経弛緩薬:アルプラゾラム、アミロバルビトン、バルビトン、ベンタゼパム、ブロマゼパム、ブロムペリドール、ブロチゾラム、ブトバルビトン、カルブロマル、クロロジアゼポキシド、クロルメチアゾール、クロルプロマジン、クロバザム、クロチアゼパム、クロザピン、ジアゼパム、ドロペリドール、エチナメート、フルナニゾン、フルニトラゼパム、フルオプロマジン、デカン酸フルペンチキソール、デカン酸フルフェナジン、フルラゼパム、ハロペリドール、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、メプロバメート、メタクワロン、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、ペントバルビトン、パーフェナジンピモジド、プロクロルペラジン、スルピリド、テマゼパム、チオリダジン、トリアゾラム、ゾピクロン。
【0022】
β遮断薬:アセブトロール、アルプレノロール、アテノロール、ラベタロール、メトロプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ピンドロール、プロプラノロール。
心筋変力作用薬:アムリノン、ジギトキシン、ジゴキシン、エノキシモン、ラナトシドC、メジゴキシン。
コルチコステロイド:ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、酢酸コルチゾン、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、フルニゾリド、フルコルトロン、プロピオン酸フルチカゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン。
利尿薬:アセタゾラミド、アミロリド、ベンドロフルアジド、ブメタニド、クロロチアジド、クロルタリドン、エタクリン酸、フルセミド、メトラゾン、スピロノラクトン、トリアムテレン。
【0023】
抗パーキンソン薬:ブロモクリプチンメシラート、マレイン酸ライスリド。
胃腸薬:ビサコジル、シメチジン、シサプリド、ジフェノキシラート、ドンペリドン、ファモチジン、ロペラミド、メサラジン、ニザチジン、オメプラゾール、オンダンセトロン、ラニチジン、スルファサラジン。
ヒスタミンH、−受容体拮抗薬:アクリバスチン、アステミゾール、シンナリジン、シクリジン、シプロヘパタジン、ジメンヒドリナート、フルナリジン、ロラタジン、メクロジン、オキサトミド、テルフェナジン。
脂質調節薬:ベザフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、プロブコール。
硝酸塩および他の抗狭心症薬:硝酸アミル、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、イソソルビドモノニトレート、三硝酸ペンタエリスリトール。
【0024】
栄養剤:ベータカロテン、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK。
オピオイド鎮痛薬:コデイン、デキストロプロポキシフェン、ジアモルヒネ、ジヒドロコデイン、メプタジノール、メサドン、モルヒネ、ナルブフェン、ペンタゾシン。
性ホルモン:クエン酸クロミフェン、ダナゾール、エチニルエストラジオール、酢酸メドロキシプロゲステロン、メストラノール、メチルテストステロン、ノルエチステロン、ノルゲストレル、エストラジオール、共役エストロゲン、プロゲステロン、スタノゾロール、スチルベストロール、テストステロン、チボロン。
興奮薬:アンフェタミン、デキサンフェタミン、デキシフェンフルラミン、フェンフルラミン、マチンドール。
親油性薬物は遊離酸、遊離基剤または塩形態であってもよく、親油性薬物の混合物が治療的に有効に使用されるだろう。
【0025】
「中親油性ないし高親油性薬物」なる語はまた、例えばリンパ輸送が可能である程度まで該薬物の親油性を増加させるために、親油性部分に付着させることで修飾されている治療化合物を含む。好ましくは、該薬物は高親油性薬物であって、例えばlogP>3.5、より好ましくはlogP>4.7を有する薬物である。
本明細書で使用される「空腹状態」なる語は、本発明に係る処方に配合されている脂質は別にして、あるとしても対象の腸管にある脂質だけが内因性資質である、対象の状態を言う。本発明に記載の薬物または処方の「空腹状態の」対象への経口投与とは、治療的に有効量の薬物のリンパ系への吸収の際に、対象が空腹状態であるような対象の消化系への経口投与のことである。これは一般的に対象が投与前の少なくとも3ないし4時間摂食していないことを意味し、吸収率および薬物の効力によって、食後1ないし6時間全く食事を摂ってはいけないこともある。
【0026】
本明細書で使用される「満腹状態」なる語は上記の「空腹状態」以外の対象のいずれの状態をも言う。
本明細書で使用される「内因性脂質の産生」なる表現は生体前駆体からの、モノ、ジまたはトリグリセリドおよびリン脂質を含む、脂質の腸細胞内での生合成のことを言い、その生体前駆体はそれ自身脂質または、グリセリドのような、脂質共役物質であってもよい。例えば、該生合成はリンパ輸送系への薬物の輸送を促進不可能な脂質種の可能な種への転換を含んでもよい。「内因性脂質の産生」なる語はまた、該脂質、またはその脂質代謝産物が、リンパ輸送系への薬物の輸送を促進できるように、脂質種の他からの腸細胞への転移のことを言う。
意図に反しなければ本明細書で使用される「脂質」なる語は飽和、モノ不飽和およびポリ不飽和脂肪酸およびその誘導体のことを言うと理解される。適当な誘導体はリン脂質または他のグリセリドエステルと同様に、モノ、ジおよびトリグリセリドのような、エステル誘導体を含む。
【0027】
内因性脂質の産生を刺激するまたはそうでなければリンパ輸送を増大または促進することができる成分は脂質または脂質の組み合わせであってもよい。
該脂質はC8ないしC22の中鎖ないし長鎖脂肪酸、またはその誘導体とすることができる。好ましくは該脂質はC14ないしC22の、より好ましくはC16ないしC18の、不飽和長鎖状脂肪酸、またはそのモノ、ジまたはトリグリセリドであり、またはそれらを含む。該脂質はモノ不飽和脂肪酸またはそのモノ、ジまたはトリグリセリド、またはそのリン脂質であるのが好ましい。「長鎖脂質」なる語は長鎖脂肪酸、同様に長鎖脂肪酸の誘導体、のことを言う。内因性脂質の産生を刺激してヒト消費に安全な適当な化合物である脂質の例は米国特許番号6,096,338に記載のものを含み、その全体の内容はその出典を明示することによって本明細書の一部とする。
該脂質は、大豆油、オリーブ油、ピーナッツ油、ナタネ油、ヒマワリ油、ココナッツ油、コーン油、ヒマワリ種子油、綿実油、パーム油、落花生油またはそれらの組み合わせのような、天然油の形態で高親油性薬物とともに処方されるのが好ましい。
【0028】
内因性脂質の産生を刺激するまたはそうでなければリンパ輸送を増大または促進することができる成分は脂質または1つまたはそれ以上の医薬上許容される界面活性剤と組み合わせた脂質であってもよい。適当な界面活性剤の例は酢酸、コハク酸、乳酸、クエン酸または酒石酸エステル、脂肪酸のプロピレングリコールモノまたはジエステル、脂肪酸のポリグリセロール、脂肪酸の酸およびエステルエトキシラート、脂肪酸のソルビタンエステル、天然または水素化野菜油トリグリセリドおよびポリアルキレンポリオールのエステル交換反応産物、アルコールエトキシラート、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン共重合体、リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸誘導体、ヒマシ油または水素化ヒマシ油エトキシラート、例えばクレモフォルELTM(Cremophor ELTM)、ラウリル硫酸ナトリウムまたはオレイン酸ナトリウムのようなアニオン界面活性剤、アルキルフェノール界面活性剤、同様にこのような界面活性剤の混合物を含む。このような組み合わせでは、該界面活性剤は脂肪酸の腸管内腔からの吸収補助として作用することができる。好ましい具体例において一般に、クレモフォルELTMのような、>10のHLB値を有する親水性界面活性剤が、任意に、HLB値<10を有する疎水性界面活性剤である、共界面活性剤と組み合わせて、使用される。界面活性剤が中鎖ないし長鎖脂質のない場合に使用される際、単一の脂肪酸または複数の脂肪酸由来の界面活性剤であるのが好ましい。
【0029】
親油性薬物および脂質産生の刺激物質および/またはリンパ輸送の増大物質または促進物質は、いずれかの従来のアジュバント、担体または希釈剤とともに、医薬組成物形態およびその単位投与形に置換され、このような形態では、錠剤、丸剤または封入カプセルのような、固体、または溶液、懸濁液、エマルション、エリキシル、または同様の封入カプセルのような液体として使用され、全て経口使用である。このような医薬組成物およびその単位投与形は、活性化合物または成分を加えてまたは加えず、従来の割合で従来の成分を含んでもよく、このような単位投与形は意図した1日の服用範囲に見合ういずれかの適当な有効量の活性成分を含有してもよい。実際の投与範囲は薬物の処方に含まれる特別な薬物および腸管腔からリンパへ吸収されるその薬物の性質に依存するだろう。いくつかの場合、薬物の全てが腸管壁を介して体循環へ通過するわけではないという事実を考慮する必要があるだろう。
該処方に含まれる中鎖ないし長鎖脂質または他の内因性脂質の産生刺激物質、またはリンパの輸送の増大物質または促進物質の量はさらなる内因性脂質の産生またはリンパ輸送の増大または促進のない場合で該薬物をリンパに輸送するのに必要な量以下だろう。該量は一般に0.05ないし4g、より好ましくは0.1ないし1gの等級内であって、該処方の、カプセルのような、一回の単位投与形に容易に取り込まれうる量に対応するだろう。
【0030】
本発明に記載の医薬組成物の調製に関して、医薬上許容される担体または希釈剤は固体または液体のいずれであってもよい。固形製剤は散剤、錠剤、丸剤、カプセル、サッシェおよび分散性顆粒を含む。固形担体は希釈剤、芳香剤、溶解剤、潤沢剤、懸濁剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、またはカプセル化物質としても作用する1つまたはそれ以上の物質であってもよい。
散剤では、該担体は細分した活性成分、および対応量の脂質の産生刺激物質/リンパ輸送の増大物質または促進物質の混合物内にある細分した固体である。
錠剤では、該化合物は適当な割合で必要な結合能を有する担体と混合されて所望の形および大きさに圧縮される。
【0031】
散剤または錠剤は好ましくは活性化合物の重量で5または10ないし約70%および2ないし60%、より好ましくは5ないし40%の、脂質の産生刺激物質(またはリンパ輸送の増大物質または促進物質)を含有するが、正確な割合は親油性薬物の割合および該薬物をリンパへ輸送するのに十分な量の脂質産生を刺激するための刺激成分の能力またはリンパ輸送を増大または促進するための増大物質または促進物質の能力に依存するだろう。適当な担体は炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストラン、スターチ、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、ココアバター、およびその類似物である。「製剤」なる語はカプセル化物質を活性化物質が、担体のある場合またはない場合で、担体に、それと会合して、取り込まれるカプセルを提供する担体と定義した化合物の処方を含むと考えられる。同様に、サッシェおよびロゼンジを含む。錠剤、散剤、カプセル、丸剤、サッシェ、およびロゼンジは経口投与に適した固体形態として使用可能である。液体製剤は溶液、懸濁液、および、マイクロエマルションを含むエマルションを含み、それら液体製剤はカプセル内に封入されるまたはバイアルまたはアンプル内に含有されるだろう。
【0032】
また経口投与用の液体製剤に、使用前に容易に、転換すると考えられる固形製剤も含まれる。このような液体製剤は懸濁液およびエマルションを含む。これらの製剤は、活性成分および脂質の産生刺激物質に加えて、着色料、フレーバー、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、溶解剤、およびその類似物を含有していてもよい。
本発明の医薬処方は単位投与形であるのが好ましい。このような形態では、該製剤は適量の薬物および他の成分(複数)を含有する単位用量に細分される。単位投与形はまた要すれば適量の希釈剤、芳香剤、溶解剤、潤沢剤、懸濁剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、またはカプセル化物質を含有するだろう。単位投与形は包装製剤であってもよく、該包装は、包装した錠剤、カプセル、カプレットおよび散剤またはバイアルまたはアンプル内液体のような、離散量の製剤を含有していてもよい。また単位投与形はカプセル、錠剤、カプレット、サッシェ(cachet)またはロゼンジ自体であってもよく、これらのいずれかは包装形態であってもよい。
親油性薬物および脂質の産生刺激物質またはリンパ輸送の増大物質または促進物質は腸管腔からの薬物の吸収を増大させるように処方されるのが好ましい。このような処方型は当業者に公知であって脂質を基盤とするエマルションおよびマイクロエマルションおよび自己乳化および自己微小乳化処方を含み、その活性成分は、脂質溶液および脂質懸濁液と同様に、界面活性剤のある場合高度に分散する。自己乳化および自己微小乳化カプセル処方はカプセルが開裂してカプセル内容物が胃腸液と接触してエマルションまたはマイクロエマルションを自発的に形成するものであってそれは一般に自己乳化薬物デリバリー系(SEDDS)または自己微小乳化薬物デリバリー系(SMEDDS)と言う。
【0033】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は本発明の具体例を説明する添付の図および実施例を参照しながら記載されるだろう。しかしながら、以下の本発明の特定の説明が本発明の一般的な説明に取って代わるものではないと理解しなければならない。
【0034】
図面の簡単な説明
図面を参照して:
図1は、試験した種々のハロファントリン処方の、時間に対する累積的リンパ性ハロファントリン輸送率を示す平面図である。
【0035】
実施例
化学物質、試薬およびハロファントリン(Hf)の調製
Hf基剤はSmithKline Beecham Pharmaceuticals社(Mysore、India)製のもので、PEG6000(ポリエチレングリコール6000)はAjax Chemicals社(Australia)製のものである。マレイン酸アセチルプロマジン(Delvet Pty Ltd社、Australia)、プロポフォール(Schering-Plough社、Australia)、セファゾリン(Sigma Pharmaceuticals社、Australia)、カルプロフェン(Pfizer社、Australia)、イオヘキソール(Nycomed社、Australia)およびポリジオキシノン縫合糸(Ethicon社、USA)を標準的に使用した。正常食塩水(0.9%)および乳酸化リンガー溶液(3.22g/Lの乳酸ナトリウム、6.0g/L塩化ナトリウム、0.4g/L塩化カリウムおよび0.27g/L塩化カルシウム含有等張液)をBaxter Healthcare社(Australia)から得た。Hf基剤の経口処方(100mg)は融合法で調製した無定形PEG6000固体分散体であった。簡単に言えば、Hf基剤結晶を加熱して70−80℃での薬物および担体の融合のためにPEG6000を加える前に無定形形態を生成した。自己微小乳化(SMEDDS)処方は長鎖トリグリセリド(大豆油−29重量%)、長鎖モノおよびジグリセリド(メシン)−29%、クレモフォルELTM−30%、エタノール−7%およびハロファントリン−5%の等方性混合物である。大豆油は54重量%のリノール酸(C18:2)、22%のオレイン酸(18:1)、11%のパルミチン酸(C16)、9%のリノレン酸(C18:3)および4%のステアリン酸(C18:0)を含有する(分析証明、Sigma Chemical Co.社、St Louis、MO)長鎖トリグリセリドである。35−1は57重量%のリノール酸(C18:2)、28%のオレイン酸(C18:1)、11%のパルミチン酸(C16)、2%のステアリン酸(C18:0)、<1%のリノレン酸(C18:3)、アラキドン酸(C20:0)およびエイコセン酸(C20:1)を含有する(分析証明、Gattefosse社、Saint-Priest、France)長鎖モノ、ジおよびトリグリセリドの混合物(38%モノグリセリド、48%ジグリセリド、13%トリグリセリド<1%脂肪酸)である。ガラス管中の適量のHf遊離基剤を計量し、適量の賦形剤を加えて完全に溶解するまで50℃で攪拌して該処方を製造した。混合物を冷却してエタノールを加えてさらに攪拌した。その後該処方を48時間外界温度で平衡させた。1つのカプセルが約1gの充填物質および50mgのHf基剤を含有するように注射器および針を使用してこの充填物質を空のソフトゼラチンカプセルに封入した。該カプセルを融解ゼラチンで密封した。
【0036】
手術方法および関連方法
全ての手術方法および実験方法は地方団体動物実験倫理委員会(the local Institutional Animal Experimentation Ethics Committee)の指針および認可に従って行った。研究はオスのグレーハウンド犬(28−35kg)で行われ、健康状態は研究前に獣医によって確認された。手術前に、胸管の同定を容易にするために各イヌに少量の脂質性の食餌を与えた。術前投薬はマレイン酸アセチルプロマジン(3−6mg/kg)の皮下注入を含み、その後プロポフォール(3−6mg/kg)の静脈内注入で感覚麻痺を誘発し、術中感覚麻痺をハロタン(1.5%)および酸素のデリバリーによって維持した。各イヌに乳酸化リンガー溶液(300mL/h)の術中静脈内注入を、抗生物質(セファゾリン、20mg/kg)および鎮痛薬(カルプロフェン、4mg/kg)の術後注入を行った。
まず腹側腹部をクリップで固定して無菌手術の準備をした。長さ5cmの腹側正中開腹術を行い、空腸ループを表出させた。133mmゲージのカニューレを門脈のレベルまで頸静脈内に挿入した。門脈および頸静脈に3/0絹の結紮を有する頸静脈の両方にカニューレを固定して最小量伸長管を、ヘパリン化食塩水で満たされている、分離穿刺切開で左側腹部内に付着、表出させて縫合糸で固定した。3/0ポリジオキシノン縫合糸を使用して開腹創を解剖学層で閉鎖した。造影剤(イオヘキソール)10mLを注入して門脈内のカニューレの位置を門脈造影で確認し、カニューレ開通性を少量のヘパリン化食塩水(1U/mL)で洗浄して維持した。
【0037】
従来技術に従って胸部リンパ管にカニューレを挿入した(例えば、N.E.Hoffman、The relationship between uptake in vitro of oleic acid and micellar solubilization.Biochim.Biophys.Acta 196(1970)193-203を参照)。左腹側頚部および頭側胸郭をクリップで固定して無菌手術の準備をした。左外頸静脈に沿って曲線状に切開して該静脈を周囲の組織から腋窩静脈まで剖出した。内頸静脈および腕頭静脈の分岐点において、胸管膨大部をそのやや白い外観から同定した。腕頭静脈への入り口部分で結紮し、胸管へ集合する全ての支流を結紮して主なリンパ管を通してリンパの逆流を確認した。分離穿刺切開で経皮的に導入した、縫合糸およびシアノアクリラート接着剤で位置を固定したPVC管(内径1.4mm、(o.d)1.9mm、BioService、Australia)で直接胸管にカニューレを挿入した。ポリジオキシノン縫合糸を使用して層で手術創を閉鎖した。表出したカニューレを首から緩く掛ける(回復中)またはイヌの首周囲に掛けた収集ビン内に置いた。
手術に続いて、通常の歩行運動が可能になるまでの14−16時間イヌを施錠した檻に放置して回復させた。投薬前に橈側皮静脈にカテ−テルを挿入して研究中に全血液を抽出した。研究終了後、各イヌをペントバルビトンの静脈内注入によって処理した。
【0038】
実施例1
実験方法
空腹状態で研究するため、イヌは回復および研究の間空腹のままであった。食後状態を得るために、イヌに(最大)5%粗製脂肪を含有する市販のドッグフードの標準缶(680g)を投薬の30−45分前に与えた。単一の平行した設計研究において、無定形の固体分散として調製した100mgHf基剤を50mLの水とともに空腹(n=3)または満腹(n=4)のいずれかのイヌに経口投与した。分離した脚に一回のソフトゼラチンカプセルに含有されるSMEDDS処方の1x50mgHfを空腹のイヌ(n=4)に投与した。胸部リンパの収集によって生じる脱水を防ぐために、サンプリングの間IVボーラスで25mL標準食塩水を1時間ごとに投与した。水は任意に摂取可能であって10または12時間のサンプルのいずれかの収集後にイヌに食餌を与えた。本研究は24時間に制限されたが、適当な液体置換を行えば48時間研究は容易に達成可能であった。
空腹および食後の経口投与から投与前(−5分)、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、8、10および24時間後における全身の静脈および門脈の血液サンプル(2.5mL)を内在のカニューレから得、食後投与後ではさらに12時間後のサンプルを採取した。EDTAカリウムを含有する個々の管に血液サンプルを収集し、血漿を遠心分離によって分離して、分析まで−20℃で保存した。
Hfの投与後に、(血餅形成を阻害するために)75mgEDTAナトリウムを含有する50mL管に投与後10−12時間リンパを継続的に収集した。各時間に収集した個々のリンパサンプルを合わせて1時間当たり収集したリンパの重量を定量した。リンパの1mLアリコートを各時間サンプルから得て、個々の1.5mL管に入れて分析まで(24時間以内)5−8℃で保存した。
【0039】
分析方法
確認HPLCアッセイを使用してHfおよびHfmの血漿濃度を定量した(例えば、Humberstone A.J.、Currie G.J.、Poter C.J.H、Scanlon M.J.、CharmanW.N.、Simplified Liquid Chromatography Assay For the Quantitation of Harofantrine and Debutylhalofantrine in Plasma and Identification of a Degradation Product of Debutylhalofantrine Fomed Under Alkaline Conditions、Journalof Pharmaceutical and Biochemical Analysis、1995、13、265-272を参照)。要するに、HfおよびHfmの両方でアッセイの計量制限は10ng/mLでアッセイは10ないし1000ng/mLの直線状であった。除去率は85%以上で、HfおよびHfmの日内および日間変化率は濃度範囲内(10ないし1000ng/mL)の15%以下であった。リンパ中Hf分析は100μLのリンパをアセトニトリルで10mLまで希釈して1分間攪拌して行った。不溶性蛋白を基盤とする成分を遠心分離によって除去して、上清をHPLCで分析した。ブランクのリンパからのスパイク状Hfの回復は95%以上であった。胸管から吸収される全てのリンパを収集したため、薬物輸送の量はリンパ内薬物濃度を各収集時間からの対応するリンパ量に掛けて計算される。
Roche Cobas Mira臨床化学分析器(Roche Cobas Mira clinical chemistry analyser)(Basle、Switzerland)および市販の酵素を基盤とする比色定量アッセイキットBoehringer Mannheim、Germanyを使用してTGのリンパおよび血漿濃度を測定した。1−2、2−3および3−4時間で収集した食後のリンパリポ蛋白分画をBeckman SW 60 Ti回転器(Beckman SW 60 Ti rotor)中で超遠心分離して分離した。まず1.3時間44,100rpmで(15℃)遠心して塩化ナトリウム溶液(d=1.0063g/mL)下でリンパを層化してキロミクロンを分離した。管の底に針で穴を開けて残存するリンパを除去し、管の上部に白色半固体の栓を形成したキロミクロン分画を残した。密度勾配溶液を使用して19時間58,000rpm(15℃)で超遠心分離して残存するリポ蛋白分画を分離した。分別後、各リポ蛋白分画と会合したHf量をHPLCで定量した。
【0040】
データ分析
最終測定濃度まで線形台形方法を使用して血漿濃度−時間プロフィール下面積(AUC)を計算した。最大血漿濃度(Cmax)、および最大血漿濃度到達時間(Tmax)を、個々のプロフィールから直接調べた。治療群(空腹時投与対食後投与)間の薬物速度論的パラメーターの相違をα=0.05の有効レベルでスチューデントt−試験によって分析した。門脈および全身血漿Hfm濃度の間の相違が投与後10時間を越えてゼロ以上であるかどうかを1%レベルの非子宮傍組織サイン試験を使用した。
【0041】
結果
結果を表1に示す一方で、図1は様々な処方について様々なリンパ性輸送を経時的に示す。
【0042】
【表1】
空腹状態でLCT SMEDDSを投与した後の非リンパカニューレ挿入ビーグルにおけるHfの総生物学的利用能(BA)は67.3+/−21.0であることが見出された。
【0043】
比較例1
本比較例で使用した処方は以下の通りである:
ハロファントリン 5重量%
カプレックス355 29重量%
カプマルMCM 29重量%
クレモフォルEL 30重量%
エタノール 7重量%
カプテックス355(Captex 355)は59重量%カプリル酸(C8)、40%のカプリン酸(C10)、<1%のラウリル酸(C12)および<1%のカプロン酸(C6)を含有する(分析証明、Abitec、Corporation、Janesville WI)中鎖状トリグリセリドであって、カプマルMCM(Capmul MCM)は80重量%カプリル酸(C8)、20%のカプリン酸(C10)および2%のカプロン酸(C6)を含有する、平均モル分子量277の(分析証明、Abitec、Corporation、Janesville WI)中鎖状モノ、ジおよびトリグリセリドの混合物(TLCによると58%モノグリセリド、36%ジグリセリドおよび5%トリグリセリド)である。
比較例は2体の空腹のグレーハウンド犬が上記の処方の1gを含有する1xソフトゼラチンカプセルを各々与えられることを除いて上記の実施例と正確に同様の方法で行われた。各動物に投与した総Hh量は50mgであった。上記の通りリンパを収集してリンパ中のハロファントリンおよびトリグリセリドをアッセイした。
【0044】
結果
結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
本明細書および以下の請求項を通して、文脈が必要としなければ、「comprise」という語、および「comprises」および「comprising」のような変化は、いずれの他の全体または工程または全体または工程の群の除外ではなく言及される全体または工程または全体または工程の群の含有を意味すると理解されるだろう。
当業者に公知の技術は本明細書に記載の本発明が特記されなければ変化および修飾可能であることがわかるだろう。本発明が意図および範疇内に含まれるようなあらゆる変化および修飾を含むのが理解される。本発明はまた本明細書に、個々にまたはまとめて、参照または示される工程、特徴、組成物および化合物の全て、および上記の工程または特徴のいずれか2つまたはそれ以上のいずれかおよび全ての組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】試験した種々のハロファントリン処方の、時間に対する累積的リンパ性ハロファントリン輸送率を示す平面図である。
【0001】
1.技術分野
本発明はリンパ輸送系を介する薬物の経口デリバリー、より詳しくはリンパ輸送系を介する体循環への中親油性ないし高親油性薬物のデリバリーに関する。本発明は中親油性ないし高親油性薬物の経口デリバリーする方法、リンパ輸送を促進するための内因性脂質の産生/転移を刺激する方法、満腹状態で中親油性ないし高親油性薬物を投与する必要性を回避する方法、中親油性ないし高親油性薬物を投与した後の(ECGの)QTC間隔の延長を回避する方法、およびリンパにおいて高濃度で、または、高親油性心臓活性薬の場合、心臓付近の体循環へ高濃度で中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の開示
コンビナトリアルケミストリーおよびハイスループットスクリーニングの出現は多くの高い効能を示す新規化学物質の急速な同定を可能にした。しかしながら、これらの技術の使用増加に一致して、より高い分子量およびログオクタノール/水分配係数(LogP)、難水溶性を有する主要な化合物の同定に対する傾向が発展した。これらの特性は標的薬物への高結合親和性を提供するに至ったが、必ずしも理想的な生物薬剤学的供給を生産しているわけではない。確かに、歴史的に、これらの化合物の多くは、理想的な薬物速度論的/吸収性プロフィールを有しない薬物を発展させることへの遠慮から、臨床応用への発展には失敗してきた。
中親油性薬物と同様、高親油性薬物は薬理学者への挑戦、および潜在的にいくらかの特別な利益の両方を提供する。それ故、難水溶性はほとんど必然的に従来の投与形態から経口での生物学的利用能が低くなる。しかしながら、高親油性難水溶性化合物の処方戦略はここ数年で非常に発展して脂質を基盤とするエマルションおよびマイクロエマルションの使用、および自己乳化および自己微小乳化処方は許容される経口での生物学的利用能を有する多くのこのような化合物を有効に発展させた。高親油性薬物分子を有効にデリバリーする能力は、特に脂質を基盤とするデリバリー系と組み合わせて腸管リンパによる薬物輸送への関心を改めた。
【0003】
腸細胞への吸収の後、非常に大部分の経口投与薬物は細胞に入り急速に分散して、門脈の毛細管へ吸収されて体循環に入る前に肝臓を通過する。しかしながら、高親油性薬物分子は腸細胞内でリンパリポ蛋白と会合して腸間膜(腸管)リンパ管に入って、肝臓を有効に迂回して胸部リンパ管を介して体循環に入る。
リンパで達成可能な非常に高い薬物濃度(血漿濃度の1000倍まで)は、リンパ常在BおよびTリンパ球への特異的なデリバリーおよび播種性腫瘍転移に関する基本経路を標的とする機会を含む、リンパによって輸送された薬物に関する一次通過代謝の減少に加えて薬物デリバリーにおける利点を提供する。従って、インターフェロンおよび免疫調節療法において有用な薬物、および細胞毒性剤のリンパ輸送は特別な利点を提供するだろう。HIV感染の発展におけるリンパおよびリンパ組織に関する主要な役割の指摘では(例えば、G.Pantaleo、C.Graziosi、J.F.Demarest、O.J.Cohen、 M.Vaccarezza、 Gantt、 K、 C.Muro-Cacho、 A.S.Fauci、 Role of Lymphoid organs in the pathogenesis of human immunodeficiency virus (HIV) infection.Immunol.Rev.140(1994)105-130およびG.Pantaleo、C.Graziosi、 A.S.Fauci、The role of Lymphoid organs in the immunopathogenesis of HIV infection. Aids 7(1993)S19-23を参照)、AIDS患者における抗ウイルス標的としてのリンパに関心が高まっている。
【0004】
(門脈血に対抗する)腸管リンパへの接触に関する特異度はリンパ管および血管間の内皮構造における相違によって提供される。血管内壁は内皮間密着結合および連続する基底膜を特徴とする一方、リンパ管は不連続な基底膜または基底膜の不在および比較的広い内皮間結合距離によって特徴化される(例えば、N.S.Kumar、C.M.Mansbach、Prechylomicron transport vesicle: isolation and partial characterization.Am.J.Physiol.276(1999)G378-86を参照)。小型の、親油性分子の細胞透過性接触は比較的妨害無く、これらの条件下では、物質移動工程を促進するリンパ流量に比較して血流量が決定的に多いため、血液への吸収が優先される。しかしながら、大型(>10,000Da)または極度の親水性化合物または大型コロイド構造に関して血液への細胞透過性輸送は決定的に妨害されて、「漏れやすい」リンパ内皮細胞への傍細胞接触が有利である。
食事および処方由来の脂質のリンパ輸送はコロイド構造(リポ蛋白)へのトリグリセリド(TG)再合成産物の集合体によって確保されて、その大きさが血液への吸収を阻害する。共投与薬物の場合、薬物分子がリンパリポ蛋白と有利に会合し、門脈血を介する流体の有意に高い物質移動を超えるのに十分なアビディティを有する際に小型分子の適当なリンパ輸送が生じるだろう。
【0005】
Charmanおよび共同研究者は約5を越えるログ分配係数(logP)値および約50mg/mLを越えるTG溶解度が適当なリンパ輸送の必要最低限であることを以前に指摘した(例えば、W.N.Charman、V.J.Stella、Estimating the maximal potential for intestinal lymphatic transport of lipophilic drug molecules、Int.J.Pharmaceut.34(1986)175-178を参照)。この評価は門脈血流量およびリンパ流量間の相違(500:1)およびリンパにおける実際の脂質負荷は総リンパ流量の約1%と説明され、リンパ脂質および門脈血間の物質移動比率は1対50,000の等級であるという認識に基づいていた。リンパで輸送される薬物はキロミクロンのTG核と会合して輸送されるため、リンパへ優先的に輸送されるような薬物分子に関して、門脈血と比較した場合リンパ脂質では少なくとも50,000倍の親和性を有する必要がある(例えば、logP>4.7)。
リンパ輸送のこれらの一般的な指摘(logP>5、脂質溶解度>50mg/g)とは対照的にNankervisおよび共同研究者は経口吸収後に3つの高親油性レチノイド(テマロテン(temarotene)、エトレチナートおよびイソトレチノイン)に関して脂質溶解度およびリンパ吸収量間の逆の関係を最近証明した。著者は最も可溶性の高い担体からのレチノイドのリンパ輸送の程度が腸細胞への分配よりむしろ共投与した脂質担体への分配に関する選択によって制限されることを指摘した(例えば、R.Nankervis、S.S.Davis、N.H.Day、P.N.Shaw、Intestinal lymphatic transport of three retinoids in the rat after oral administrations: effect of lipophilicity and lipid vehicle.Int.J.Pharmaceut.130(1996)57-64参照)。
【0006】
これらの結果は腸管リンパによる薬物輸送の前に親油性薬物の処理に関連した複雑さを強調している。リンパによって輸送された親油性薬物は腸管内腔で脂性のミクロドメインと会合し(おそらく単純な分配態度によって行われる)、さらにリンパ性リポ蛋白と非常に特異的に会合することが見出されている。しかしながら、親油性薬物とリンパ性リポ蛋白との会合の仕組みは十分に記載されていない。確かに、薬物−リポ蛋白会合は歴史的に単純に分配現象と考えられ会合部位、腸細胞における微小分布の型の寄与および結合および輸送蛋白の潜在的な役割に関してはほとんど知られていない。
腸管リンパ管を介した薬物輸送の必要条件としての腸管由来のリポ蛋白と薬物の会合に関して明確に必要であるのは食物とまたは食事の時間に高親油性薬物を投与する決まりであった。これはまた腸管リンパ輸送を増大させるための脂質および脂質を基盤とする処方の共通の使用に繋がった(例えば、W.N.Charman、C.J.H.Porter、Lipophilic prodrugs designed for intestinal lymphatic transport.Adv.Drug.Deliv.Rev.19 (1996) 149-169、 C.J.H.Porter、 Drug deliver to the lymphatic system.Criti.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.14 (1997)333-93およびS.Muranishi、Drug targeting towards the lymphatics.Adv.Drug.Res.21(1991)1-38を参照)。処方の設計の基盤となる基本的な前提は共投与した脂質の消化および吸収が腸細胞を介する脂質交代を刺激して、キロミクロン合成を増大させて薬物が分散するリポ蛋白を基盤とする脂質の巣を増加させることである。
脂質を基盤とする処方はまた一般に腸管環境内での溶解および可溶化における改善、胃の空腹率の減少、および粘膜透過性の増加を通して薬物吸収を増大させて、吸収物の割合を増加させると同時に吸収の全体的な程度も増大させる潜在性を有しており、腸管リンパを介する体循環へ輸送されるだろう(例えば、A.J.Humberstone、W.N.Charman、Lipid based vehicles for the oral delivery of poorly water soluble drugs.Adv.Drug.Deliv.Rev.25(1997)103-128およびW.N.Charman、 C.J.Porter、 S.Mithani、 J.B.Dressman、 Physiochemical and physiological mechanisms for the effects of food on drug absorption: the role of lipids and pH.J.Pharm.Sci.86(1997)269-82を参照)。
【0007】
リンパによる薬物輸送の例を詳述しているごく最近の報告の多くは、企画の主要な目的がリンパ輸送の程度の平行した調査とともに、全体的な生物学的利用能における増大である産業内の発展グループから生じている。結果的に、これらの研究の大部分が個々の成分固有のリンパ方向能の評価をより困難にする比較的複雑で一般に高い分散性を示す脂質担体において経口投与後のリンパによる薬物輸送の程度を試験していた。これらの研究はまた比較的多量の脂質(体重と比較して)が投与されなければならないラットを使用してほとんどが行われた。
例えば、Haussおよび共同研究者は水を基盤とする懸濁液および4つの相異なる脂質を基盤としたエマルション処方として処方した、親油性、難水溶性の、抗炎症薬および効能のあるロイコトリエン(LTB4)合成阻害剤の、オンタゾラスト(ontazolast)リンパ輸送を試験してリンパ輸送および全身血液吸収における処方の効果を定量した(例えば、D.J.Hauss、S.E.Fogal、J.V.Ficorilli、C.A.Price、T.Roy、A.A.Jayaraj、J.J.Keirns、Lipid-based delivery systems for improving the bioavailavility and lymphatic transport of a poorly water-soluble LTB4 inhibitor.J.Pharm.Scie.87(1998)164-9を参照)。使用される処方はオンタゾラストのペセオール(Peceol)(オレイン酸のモノおよびジグリセリドの混合物)中単一溶液、水中油(大豆油)型エマルションおよびゲルシア44/14(Gelucire44/14)(モノ−、ジ−およびトリグリセリド、脂肪酸のPEG1500モノ−およびジエステルおよび遊離PEG1500を含有)の混合物を含む2つの自己乳化剤デリバリー系(SEDDS)を含んでいた。脂質を基盤とする処方の複雑さが個々の脂質の効果の比較を困難にしている一方で、投与後24時間に渡るリンパによって輸送されたオンタゾラストの総量は、水を基盤とする懸濁液処方と比較した場合、脂質を基盤とするSEDDS系では約20ないし25倍および大豆油エマルションでは50倍であることが見出された。著者はリンパによる薬物輸送に関する傾向を反映するトリグリセリド脂質のリンパ輸送で同一の増加を報告した。
【0008】
Hauseらはまた意識のあるラットに脂質のない懸濁液処方または脂質を基盤とするエマルションのいずれかを投与した後に親油性脂質調節因子Cl−917の腸管リンパ吸収および全身吸収を増大させる脂質を基盤とする処方の能力を研究した(例えば、D.J.Haus、S.Mehta、G.W.Radebaugh、Targeted lymphatic transport and modified systemic distribution of Cl-976、a lipophilic lipid-regulator drug、 via a formulation approach.Int.J.Pharmaceut.108(1994)85-93を参照)。14時間に渡るリンパで輸送されたCl−917の総量は、投与量の割合としては懸濁液処方と比較した場合脂質を基盤とするエマルションでは7倍であった。リンパで輸送された薬物の絶対量は低いが(<1%)、全身有効性の大半がキロミクロンと会合した薬物を介したリンパ輸送によることが指摘された。
Kweiおよび共同研究者は3つの処方:水性懸濁液、脂質/界面活性剤混合物(イミワイター(登録商標)(Imiwitor(登録商標))、カプリン酸およびカプリル酸/ポリソルベート80のモノおよびジグリセリド)処方および長鎖脂質(大豆油)溶液処方から、難水溶性(<1μg/mL)および高脂質可溶性の(大豆油に>80mg/mL)、5α還元酵素阻害剤である、MK−386のリンパ輸送をラットに放射性同位体標識MK−386を経口投与した後に研究した(例えば、G.Y.Kwei、L.B.Novak、L.H.Hettrick、E.R.Reiss、 E.K.Fong、 T.V.Olah、 A.H.Loper、 Lymphatic uptake of MK-386、a sterol 5-alpha reductase inhibitor、 from aqueous and lipid formation.Int.J.Pharmaceut.164(1998)37-44を参照)。興味深いことに、腸間膜リンパへ輸送された投与後6時間に渡るMK−386の総量の順位は水性懸濁液>脂質/界面活性剤混合系>大豆油、すなわち脂質のない処方で最も優れているものであることが見出された。これらの研究は行った6時間のサンプリング時間では完全な吸収プロフィールを把握するのに不十分であるという事実から複雑であった。さらに、脂質/界面活性剤混合処方は比較的多量の界面活性剤を、臨界ミセル濃度を著しく越えて含有していてこれは難水溶性のMK−386の溶解率およびその程度およびその後の吸収プロフィールに影響しただろう。それにも関わらず、MK−386は(3つの処方を全て投与した後で)腸管リンパによって体循環へ主に輸送されて、門脈血と比較して80倍もの高レベルな放射性同位体活性が見られた。
【0009】
多くの他の研究は脂質を共投与しない場合決定的なリンパ輸送が生じることを実証した。例えば、Nishigakiおよび共同研究者は脂質溶液処方と比較してポリソルベート80ミセル水溶液では投与後のレチニルパルミチン酸のリンパ輸送において2倍の増加を報告し(例えば、R.Nishigaki、S.Awazu、M.Hanano、T.Fuwa、The effect of dosage form on absorption of vitamin A into lymph.Chem.Pharm.Bull.24(1976)3207-3211を参照)、またシクロスポリンのリンパ吸収は脂質溶液または混合ミセル処方と比較した場合単純ミセル溶液処方において投与後決定的に優れている(5−10倍)ことが見出された(例えば、K.Takada、H.Yoshimura、H.Yoshikawa、S.Muranishi、T.Yasamura、S.Oka、Enhanced lymphatic delivery of cyclosporin A by solubilisers and intensified immunosuppressive activity against mice skin allograft.Pharm.Res.3(1986)48-51を参照)。同様に、ポリソルベート80ミセル溶液またはトリグリセリド脂質担体における投与後のメピチオスタン(mepitiostane)のリンパ輸送の程度において決定的な相違は全く報告されなかった(例えば、T.Ichihashi、H.Kinoshita、Y.Takagishi、H.Yamada、Effect of oily vehicles on absorption of mepitiostane by the lymphatic system in rats.J.Pharm.Pharmacol.44(1992)560-4を参照)。これらの例では、脂質のない処方における経口投与後に観察されるリンパ輸送の比較的高い程度は(1)(通常)界面活性剤に富む処方における有効な可溶化の結果として生じる全体的な薬物吸収を増大させる、(2)膜透過性の一般的な増加に繋がる高濃度の界面活性剤によって容易にした薬物吸収を増大させる、および(3)内因性脂質または界面活性剤の加水分解産物からリンパリポ蛋白へ薬物を分配する、機能であるかもしれない。これら後者のごくわずかな例にも関わらず、しかしながら、大半の場合、脂質を基盤とする処方がラットにおいて共投与した高親油性薬物のリンパ輸送を増大させるように見える。
これらのラット研究は脂質を基盤とする処方がラットにおけるリンパ輸送の増大に繋がることを示すが、ラットにおけるほぼ一定の胆汁流量のような高い種まで代表的な食前および食後状態の到達を除外して、ラットに投与した処方がほとんど高い種とは関連がない
とは考えにくい。
【0010】
(発明の開示)
この度、意外にも、中親油性ないし高親油性薬物と一緒に、中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤またはそれらの組み合わせ、または内因性脂質の産生または転移を刺激できる成分を共投与することで、リンパ輸送系への親油性薬物の輸送を促進し得るということが見出された。
従って、第1の態様において、本発明は、リンパ輸送系を介して体循環へ中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物および中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含む処方を経口投与することを含み、上記の成分が上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、方法を提供する。
【0011】
第2の態様に従って、リンパ輸送系を介して体循環へ中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物および該薬物のリンパ輸送系への輸送を可能にするのに十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分を含む処方を経口投与することを含む、方法が提供される。
第3の態様に従って、本発明は、空腹状態の対象において中親油性ないし高親油性薬物を体循環へデリバリーするためのリンパ輸送系へ輸送するのを増大または促進するのに十分な量の内因性脂質の産生を刺激する方法であって、上記の対象に対して上記の親油性薬物と組み合わせて中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される有効量の成分を経口投与することを含む方法であり、中鎖ないし長鎖脂質薬を投与した後に上記のリンパ輸送系へ輸送された脂質の量が上記の親油性薬物とともに投与された脂質の量を上回る、方法を提供する。
【0012】
第4の態様に従って、満腹状態での中親油性ないし高親油性薬物の投与の必要性を回避する方法であって、中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分とともに上記の親油性薬物を処方して、満腹または空腹状態での該処方の経口投与がリンパ輸送系を介する体循環への該薬物のデリバリーを可能にすることを含む、方法が提供される。
第5の態様において、満腹状態での中親油性ないし高親油性薬物の投与の必要性を回避する方法であって、内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とともに上記の親油性薬物を処方して、満腹または空腹状態での該処方の経口投与がリンパ輸送系を介する体循環への親油性薬物のデリバリーを可能にすることを含む、方法が提供される。
【0013】
第6の態様において、中親油性ないし高親油性薬物を経口投与した後の心電図(ECG)のQTC間隔の延長を回避する方法であって、中鎖ないし長鎖脂質、または内因性脂質の産生を刺激することのできる他の成分の存在しない上記の親油性薬物の処方を含み、上記の処方を空腹状態にて投与する、方法が提供される。
第7の態様において、本発明は、リンパへ高濃度で中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物および中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含む処方を経口投与することを含み、上記の成分が上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、方法を提供する。
【0014】
第8の態様において、本発明は、リンパへ高濃度で中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物と、該薬物をリンパ輸送系へ高濃度で輸送させるのに十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とを含む処方を経口投与することを含む、方法を提供する。
第9の態様に従って、本発明は、心臓へ中親油性ないし高親油性薬物を標的デリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物と、中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分とを含む処方を経口投与することを含み、上記の脂質が上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、方法を提供する。
【0015】
第10の態様に従って、心臓へ中親油性ないし高親油性薬物を標的デリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の薬物と、該薬物のリンパ輸送系への輸送を可能にするのに十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とを含む処方を経口投与することを含む、方法が提供される。
第11の態様に従って、本発明は、高親油性薬物および中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含む医薬処方であって、上記の成分が空腹状態で投与される場合に、上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、医薬処方を提供する。
第12の態様において、本発明は、高親油性薬物と、該薬物のリンパ輸送系への輸送を可能にする投与の後に十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とを含む医薬処方を提供する。
【0016】
(好ましい具体例の説明)
本発明は中親油性ないし高親油性薬物の対象における作用部位へのデリバリーに関する従来の方法を上回る多くの利点を提供する。例えば、心臓関連症状の治療に有用な薬物の場合、心臓付近の体循環内の位置に体循環を介して高濃度で薬物をデリバリーすることが可能である。これはリンパ輸送系が左鎖骨下静脈および左頸静脈の分岐で体循環と合流するために可能であって、それは心臓の真上に位置する。脂質に関連した大量の外因性食物がリンパ内で薬物を有効に希釈する満腹状態とは対照的に、リンパ中高濃度は薬物が空腹状態で投与される場合に可能である。逆に、本発明によれば、このような方法で、すなわち高親油性薬物のリンパ内濃度が最小であるような、満腹状態において、対象に中親油性ないし高親油性薬物を処方およびデリバリーすることが可能である。これは、リンパを介して高濃度で心臓にデリバリーされる場合、例えば心電図(ECG)で測定した際にQTC間隔を延長させることによって心臓に対して有害な効果を与える親油性薬物の場合に特に重要である。このような薬物の一例が抗マラリア薬の、ハロファントリン(halofantorine)である。この効果を考慮して、本発明は少量の適当な成分とともに空腹状態の対象への薬物の投与を保証するために中親油性ないし高親油性薬物を試験して、心臓付近の体循環にデリバリーされた結果的に高濃度の薬物が、ECGのQTC間隔の延長を引き起こさない手段を提供する。本発明のさらなる利点はある薬物が本発明に従って処方される際に、該処方が満腹状態の対象に、例えば食前、食間または食後に摂取されなければならないと特記する必要がないことである。これは該薬物が本発明に従って処方される場合優れた生物学的利用能が満腹および空腹状態の両方で達成可能なためである。もちろん、リンパで高濃度の薬物が(空腹状態で投与される場合)対象の心臓に対して決定的な逆効果を与えないことを保証するようないずれのこのような処方の試験の間でも注意する必要があるだろう。これらの利点は門脈血を介する肝臓への薬物経路を本質的に回避する薬物デリバリー系における本来の利点に加えられる。
【0017】
本明細書で使用される「中親油性ないし高親油性薬物」なる語は腸管壁を介してリンパへ吸収可能な薬物のことを言う。上記のように、門脈血に対抗してリンパへ優先的に輸送されるために、薬物はlogP(オクタノール/水)>4.7および、例えば、大豆油またはその類似物への、50mg/mLを越える溶解度によって、測定されるような、トリグリセリド(TG)溶解度を有するのが好ましい。しかしながらlogP>2を有する薬物もまた、本発明に従って投与されてもよい。本発明に記載の処方に適した中親油性ないし高親油性薬物の例は以下を含む:
鎮痛薬および抗炎症薬:アロキシプリン、アウラノフィン、アザプロパゾン、ベノリラート、ジフルニサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェンカルシウム、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク。
駆虫薬:アルベンダゾール、ベフェニウムヒドロキシナフトエート、カンベンダゾール、ジクロロフェン、アイバメクチン、メベンダゾール、オキサムニキン、オキシフェンダゾール、オキサンテルエンボナート、プラジカンテル、ピランテルエンボナート、チアベンダゾール。
抗不整脈薬:アミオダロン、ジソピラミド、酢酸フレカイニド、硫酸キニジン。
【0018】
抗菌薬:ベネタミンペニシリン、シノキサシン、シプロフラキサシン、クラリスロマイシン、クロファジミン、クロキサシリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、エチオナミド、イミペネム、ナリジスク酸、ニトロフラントイン、リファンピシン、スピラマイシン、スルファベンザミド、スルファドキシン、スルファメラジン、スルファセタミド、スルファフラゾール、スルファメトキサゾール、スルファピリジン、テトラサイクリン、トリメトプリム。
抗凝固薬:ジクマロール、ジピリダモール、ニクマロン、フェニンジオン。
抗うつ薬:アモキサピン、マプロチリン、ミアンセリン、ノルトリプチリン、トラゾドン、マレイン酸トリミプラミン。
抗糖尿病薬:アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピジド、トラザミド、トルブタミド。
【0019】
抗痙攣薬:ベクラミド、カルバマゼピン、クロナゼパム、エトトイン、メトイン、メトスクシミド、メチルフェノバルビトン、オキシカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェノバルビトン、フェニトイン、フェンスクシミド、プリミドン、スルチアム、バルプロ酸。
抗真菌薬:アンホテリシン、硝酸ブトコナゾール、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナタマイシン、ナイスタチン、硝酸スルコナゾール、テルビナフィン、テルコナゾール、チオコナゾール、ウンデセン酸。
抗痛風薬:アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン。
抗高血圧薬:アムロジピン、ベニジピン、ダロジピン、ジリタゼム、ジアゾキシド、フェロジピン、酢酸グアナベンズ、イスラジピン、ミノキシジル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、フェノキシベンザミン、プラゾシン、レセルピン、テラゾシン。
【0020】
抗マラリア薬:アモジアキン、クロロキン、クロロプログアニル、ハロファントリン、メフロキン、プログアニル、ピリメタミン、硫酸キニーネ。
抗片頭痛薬:ジヒドロエルゴタミンメシラート、酒石酸エルゴタミン、マレイン酸メチルセルジド、マレイン酸ピゾチフェン、コハク酸スマトリプタン。
抗ムスカリン様作用薬:アトロピン、ベンズヘキソル、ビペリデン、エトプロパジン、ヒヨスチアミン、臭化メペンゾレート、オキシフェンシクリミン、トロピカミド。
抗癌剤および免疫抑制剤:アミノグルテチミド、アムサクリン、アザチオプリン、ブスルファン、クロラムブシル、シクロスポリン、ダカルバジン、エストラムスチン、エトポシド、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトーテン、ミトザントロン、プロカルバジン、クエン酸タモキシフェン、テストラクトン。
【0021】
抗原虫薬:ベンズニダゾール、クリオキノール、デコキナート、ジヨードヒドロキシキノリン、ジロキサニドフロエート、ジニトルミド、フルゾリドン、メトロニダゾール、ニモラゾール、ニトロフラゾン、オルニダゾール、チニダゾール。
抗甲状腺薬:カルビマゾール、プロピオチオウラシル。
抗不安薬、鎮静薬、催眠薬および神経弛緩薬:アルプラゾラム、アミロバルビトン、バルビトン、ベンタゼパム、ブロマゼパム、ブロムペリドール、ブロチゾラム、ブトバルビトン、カルブロマル、クロロジアゼポキシド、クロルメチアゾール、クロルプロマジン、クロバザム、クロチアゼパム、クロザピン、ジアゼパム、ドロペリドール、エチナメート、フルナニゾン、フルニトラゼパム、フルオプロマジン、デカン酸フルペンチキソール、デカン酸フルフェナジン、フルラゼパム、ハロペリドール、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、メプロバメート、メタクワロン、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、ペントバルビトン、パーフェナジンピモジド、プロクロルペラジン、スルピリド、テマゼパム、チオリダジン、トリアゾラム、ゾピクロン。
【0022】
β遮断薬:アセブトロール、アルプレノロール、アテノロール、ラベタロール、メトロプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ピンドロール、プロプラノロール。
心筋変力作用薬:アムリノン、ジギトキシン、ジゴキシン、エノキシモン、ラナトシドC、メジゴキシン。
コルチコステロイド:ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、酢酸コルチゾン、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、フルニゾリド、フルコルトロン、プロピオン酸フルチカゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン。
利尿薬:アセタゾラミド、アミロリド、ベンドロフルアジド、ブメタニド、クロロチアジド、クロルタリドン、エタクリン酸、フルセミド、メトラゾン、スピロノラクトン、トリアムテレン。
【0023】
抗パーキンソン薬:ブロモクリプチンメシラート、マレイン酸ライスリド。
胃腸薬:ビサコジル、シメチジン、シサプリド、ジフェノキシラート、ドンペリドン、ファモチジン、ロペラミド、メサラジン、ニザチジン、オメプラゾール、オンダンセトロン、ラニチジン、スルファサラジン。
ヒスタミンH、−受容体拮抗薬:アクリバスチン、アステミゾール、シンナリジン、シクリジン、シプロヘパタジン、ジメンヒドリナート、フルナリジン、ロラタジン、メクロジン、オキサトミド、テルフェナジン。
脂質調節薬:ベザフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、プロブコール。
硝酸塩および他の抗狭心症薬:硝酸アミル、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、イソソルビドモノニトレート、三硝酸ペンタエリスリトール。
【0024】
栄養剤:ベータカロテン、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK。
オピオイド鎮痛薬:コデイン、デキストロプロポキシフェン、ジアモルヒネ、ジヒドロコデイン、メプタジノール、メサドン、モルヒネ、ナルブフェン、ペンタゾシン。
性ホルモン:クエン酸クロミフェン、ダナゾール、エチニルエストラジオール、酢酸メドロキシプロゲステロン、メストラノール、メチルテストステロン、ノルエチステロン、ノルゲストレル、エストラジオール、共役エストロゲン、プロゲステロン、スタノゾロール、スチルベストロール、テストステロン、チボロン。
興奮薬:アンフェタミン、デキサンフェタミン、デキシフェンフルラミン、フェンフルラミン、マチンドール。
親油性薬物は遊離酸、遊離基剤または塩形態であってもよく、親油性薬物の混合物が治療的に有効に使用されるだろう。
【0025】
「中親油性ないし高親油性薬物」なる語はまた、例えばリンパ輸送が可能である程度まで該薬物の親油性を増加させるために、親油性部分に付着させることで修飾されている治療化合物を含む。好ましくは、該薬物は高親油性薬物であって、例えばlogP>3.5、より好ましくはlogP>4.7を有する薬物である。
本明細書で使用される「空腹状態」なる語は、本発明に係る処方に配合されている脂質は別にして、あるとしても対象の腸管にある脂質だけが内因性資質である、対象の状態を言う。本発明に記載の薬物または処方の「空腹状態の」対象への経口投与とは、治療的に有効量の薬物のリンパ系への吸収の際に、対象が空腹状態であるような対象の消化系への経口投与のことである。これは一般的に対象が投与前の少なくとも3ないし4時間摂食していないことを意味し、吸収率および薬物の効力によって、食後1ないし6時間全く食事を摂ってはいけないこともある。
【0026】
本明細書で使用される「満腹状態」なる語は上記の「空腹状態」以外の対象のいずれの状態をも言う。
本明細書で使用される「内因性脂質の産生」なる表現は生体前駆体からの、モノ、ジまたはトリグリセリドおよびリン脂質を含む、脂質の腸細胞内での生合成のことを言い、その生体前駆体はそれ自身脂質または、グリセリドのような、脂質共役物質であってもよい。例えば、該生合成はリンパ輸送系への薬物の輸送を促進不可能な脂質種の可能な種への転換を含んでもよい。「内因性脂質の産生」なる語はまた、該脂質、またはその脂質代謝産物が、リンパ輸送系への薬物の輸送を促進できるように、脂質種の他からの腸細胞への転移のことを言う。
意図に反しなければ本明細書で使用される「脂質」なる語は飽和、モノ不飽和およびポリ不飽和脂肪酸およびその誘導体のことを言うと理解される。適当な誘導体はリン脂質または他のグリセリドエステルと同様に、モノ、ジおよびトリグリセリドのような、エステル誘導体を含む。
【0027】
内因性脂質の産生を刺激するまたはそうでなければリンパ輸送を増大または促進することができる成分は脂質または脂質の組み合わせであってもよい。
該脂質はC8ないしC22の中鎖ないし長鎖脂肪酸、またはその誘導体とすることができる。好ましくは該脂質はC14ないしC22の、より好ましくはC16ないしC18の、不飽和長鎖状脂肪酸、またはそのモノ、ジまたはトリグリセリドであり、またはそれらを含む。該脂質はモノ不飽和脂肪酸またはそのモノ、ジまたはトリグリセリド、またはそのリン脂質であるのが好ましい。「長鎖脂質」なる語は長鎖脂肪酸、同様に長鎖脂肪酸の誘導体、のことを言う。内因性脂質の産生を刺激してヒト消費に安全な適当な化合物である脂質の例は米国特許番号6,096,338に記載のものを含み、その全体の内容はその出典を明示することによって本明細書の一部とする。
該脂質は、大豆油、オリーブ油、ピーナッツ油、ナタネ油、ヒマワリ油、ココナッツ油、コーン油、ヒマワリ種子油、綿実油、パーム油、落花生油またはそれらの組み合わせのような、天然油の形態で高親油性薬物とともに処方されるのが好ましい。
【0028】
内因性脂質の産生を刺激するまたはそうでなければリンパ輸送を増大または促進することができる成分は脂質または1つまたはそれ以上の医薬上許容される界面活性剤と組み合わせた脂質であってもよい。適当な界面活性剤の例は酢酸、コハク酸、乳酸、クエン酸または酒石酸エステル、脂肪酸のプロピレングリコールモノまたはジエステル、脂肪酸のポリグリセロール、脂肪酸の酸およびエステルエトキシラート、脂肪酸のソルビタンエステル、天然または水素化野菜油トリグリセリドおよびポリアルキレンポリオールのエステル交換反応産物、アルコールエトキシラート、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン共重合体、リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸誘導体、ヒマシ油または水素化ヒマシ油エトキシラート、例えばクレモフォルELTM(Cremophor ELTM)、ラウリル硫酸ナトリウムまたはオレイン酸ナトリウムのようなアニオン界面活性剤、アルキルフェノール界面活性剤、同様にこのような界面活性剤の混合物を含む。このような組み合わせでは、該界面活性剤は脂肪酸の腸管内腔からの吸収補助として作用することができる。好ましい具体例において一般に、クレモフォルELTMのような、>10のHLB値を有する親水性界面活性剤が、任意に、HLB値<10を有する疎水性界面活性剤である、共界面活性剤と組み合わせて、使用される。界面活性剤が中鎖ないし長鎖脂質のない場合に使用される際、単一の脂肪酸または複数の脂肪酸由来の界面活性剤であるのが好ましい。
【0029】
親油性薬物および脂質産生の刺激物質および/またはリンパ輸送の増大物質または促進物質は、いずれかの従来のアジュバント、担体または希釈剤とともに、医薬組成物形態およびその単位投与形に置換され、このような形態では、錠剤、丸剤または封入カプセルのような、固体、または溶液、懸濁液、エマルション、エリキシル、または同様の封入カプセルのような液体として使用され、全て経口使用である。このような医薬組成物およびその単位投与形は、活性化合物または成分を加えてまたは加えず、従来の割合で従来の成分を含んでもよく、このような単位投与形は意図した1日の服用範囲に見合ういずれかの適当な有効量の活性成分を含有してもよい。実際の投与範囲は薬物の処方に含まれる特別な薬物および腸管腔からリンパへ吸収されるその薬物の性質に依存するだろう。いくつかの場合、薬物の全てが腸管壁を介して体循環へ通過するわけではないという事実を考慮する必要があるだろう。
該処方に含まれる中鎖ないし長鎖脂質または他の内因性脂質の産生刺激物質、またはリンパの輸送の増大物質または促進物質の量はさらなる内因性脂質の産生またはリンパ輸送の増大または促進のない場合で該薬物をリンパに輸送するのに必要な量以下だろう。該量は一般に0.05ないし4g、より好ましくは0.1ないし1gの等級内であって、該処方の、カプセルのような、一回の単位投与形に容易に取り込まれうる量に対応するだろう。
【0030】
本発明に記載の医薬組成物の調製に関して、医薬上許容される担体または希釈剤は固体または液体のいずれであってもよい。固形製剤は散剤、錠剤、丸剤、カプセル、サッシェおよび分散性顆粒を含む。固形担体は希釈剤、芳香剤、溶解剤、潤沢剤、懸濁剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、またはカプセル化物質としても作用する1つまたはそれ以上の物質であってもよい。
散剤では、該担体は細分した活性成分、および対応量の脂質の産生刺激物質/リンパ輸送の増大物質または促進物質の混合物内にある細分した固体である。
錠剤では、該化合物は適当な割合で必要な結合能を有する担体と混合されて所望の形および大きさに圧縮される。
【0031】
散剤または錠剤は好ましくは活性化合物の重量で5または10ないし約70%および2ないし60%、より好ましくは5ないし40%の、脂質の産生刺激物質(またはリンパ輸送の増大物質または促進物質)を含有するが、正確な割合は親油性薬物の割合および該薬物をリンパへ輸送するのに十分な量の脂質産生を刺激するための刺激成分の能力またはリンパ輸送を増大または促進するための増大物質または促進物質の能力に依存するだろう。適当な担体は炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストラン、スターチ、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、ココアバター、およびその類似物である。「製剤」なる語はカプセル化物質を活性化物質が、担体のある場合またはない場合で、担体に、それと会合して、取り込まれるカプセルを提供する担体と定義した化合物の処方を含むと考えられる。同様に、サッシェおよびロゼンジを含む。錠剤、散剤、カプセル、丸剤、サッシェ、およびロゼンジは経口投与に適した固体形態として使用可能である。液体製剤は溶液、懸濁液、および、マイクロエマルションを含むエマルションを含み、それら液体製剤はカプセル内に封入されるまたはバイアルまたはアンプル内に含有されるだろう。
【0032】
また経口投与用の液体製剤に、使用前に容易に、転換すると考えられる固形製剤も含まれる。このような液体製剤は懸濁液およびエマルションを含む。これらの製剤は、活性成分および脂質の産生刺激物質に加えて、着色料、フレーバー、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、溶解剤、およびその類似物を含有していてもよい。
本発明の医薬処方は単位投与形であるのが好ましい。このような形態では、該製剤は適量の薬物および他の成分(複数)を含有する単位用量に細分される。単位投与形はまた要すれば適量の希釈剤、芳香剤、溶解剤、潤沢剤、懸濁剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、またはカプセル化物質を含有するだろう。単位投与形は包装製剤であってもよく、該包装は、包装した錠剤、カプセル、カプレットおよび散剤またはバイアルまたはアンプル内液体のような、離散量の製剤を含有していてもよい。また単位投与形はカプセル、錠剤、カプレット、サッシェ(cachet)またはロゼンジ自体であってもよく、これらのいずれかは包装形態であってもよい。
親油性薬物および脂質の産生刺激物質またはリンパ輸送の増大物質または促進物質は腸管腔からの薬物の吸収を増大させるように処方されるのが好ましい。このような処方型は当業者に公知であって脂質を基盤とするエマルションおよびマイクロエマルションおよび自己乳化および自己微小乳化処方を含み、その活性成分は、脂質溶液および脂質懸濁液と同様に、界面活性剤のある場合高度に分散する。自己乳化および自己微小乳化カプセル処方はカプセルが開裂してカプセル内容物が胃腸液と接触してエマルションまたはマイクロエマルションを自発的に形成するものであってそれは一般に自己乳化薬物デリバリー系(SEDDS)または自己微小乳化薬物デリバリー系(SMEDDS)と言う。
【0033】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は本発明の具体例を説明する添付の図および実施例を参照しながら記載されるだろう。しかしながら、以下の本発明の特定の説明が本発明の一般的な説明に取って代わるものではないと理解しなければならない。
【0034】
図面の簡単な説明
図面を参照して:
図1は、試験した種々のハロファントリン処方の、時間に対する累積的リンパ性ハロファントリン輸送率を示す平面図である。
【0035】
実施例
化学物質、試薬およびハロファントリン(Hf)の調製
Hf基剤はSmithKline Beecham Pharmaceuticals社(Mysore、India)製のもので、PEG6000(ポリエチレングリコール6000)はAjax Chemicals社(Australia)製のものである。マレイン酸アセチルプロマジン(Delvet Pty Ltd社、Australia)、プロポフォール(Schering-Plough社、Australia)、セファゾリン(Sigma Pharmaceuticals社、Australia)、カルプロフェン(Pfizer社、Australia)、イオヘキソール(Nycomed社、Australia)およびポリジオキシノン縫合糸(Ethicon社、USA)を標準的に使用した。正常食塩水(0.9%)および乳酸化リンガー溶液(3.22g/Lの乳酸ナトリウム、6.0g/L塩化ナトリウム、0.4g/L塩化カリウムおよび0.27g/L塩化カルシウム含有等張液)をBaxter Healthcare社(Australia)から得た。Hf基剤の経口処方(100mg)は融合法で調製した無定形PEG6000固体分散体であった。簡単に言えば、Hf基剤結晶を加熱して70−80℃での薬物および担体の融合のためにPEG6000を加える前に無定形形態を生成した。自己微小乳化(SMEDDS)処方は長鎖トリグリセリド(大豆油−29重量%)、長鎖モノおよびジグリセリド(メシン)−29%、クレモフォルELTM−30%、エタノール−7%およびハロファントリン−5%の等方性混合物である。大豆油は54重量%のリノール酸(C18:2)、22%のオレイン酸(18:1)、11%のパルミチン酸(C16)、9%のリノレン酸(C18:3)および4%のステアリン酸(C18:0)を含有する(分析証明、Sigma Chemical Co.社、St Louis、MO)長鎖トリグリセリドである。35−1は57重量%のリノール酸(C18:2)、28%のオレイン酸(C18:1)、11%のパルミチン酸(C16)、2%のステアリン酸(C18:0)、<1%のリノレン酸(C18:3)、アラキドン酸(C20:0)およびエイコセン酸(C20:1)を含有する(分析証明、Gattefosse社、Saint-Priest、France)長鎖モノ、ジおよびトリグリセリドの混合物(38%モノグリセリド、48%ジグリセリド、13%トリグリセリド<1%脂肪酸)である。ガラス管中の適量のHf遊離基剤を計量し、適量の賦形剤を加えて完全に溶解するまで50℃で攪拌して該処方を製造した。混合物を冷却してエタノールを加えてさらに攪拌した。その後該処方を48時間外界温度で平衡させた。1つのカプセルが約1gの充填物質および50mgのHf基剤を含有するように注射器および針を使用してこの充填物質を空のソフトゼラチンカプセルに封入した。該カプセルを融解ゼラチンで密封した。
【0036】
手術方法および関連方法
全ての手術方法および実験方法は地方団体動物実験倫理委員会(the local Institutional Animal Experimentation Ethics Committee)の指針および認可に従って行った。研究はオスのグレーハウンド犬(28−35kg)で行われ、健康状態は研究前に獣医によって確認された。手術前に、胸管の同定を容易にするために各イヌに少量の脂質性の食餌を与えた。術前投薬はマレイン酸アセチルプロマジン(3−6mg/kg)の皮下注入を含み、その後プロポフォール(3−6mg/kg)の静脈内注入で感覚麻痺を誘発し、術中感覚麻痺をハロタン(1.5%)および酸素のデリバリーによって維持した。各イヌに乳酸化リンガー溶液(300mL/h)の術中静脈内注入を、抗生物質(セファゾリン、20mg/kg)および鎮痛薬(カルプロフェン、4mg/kg)の術後注入を行った。
まず腹側腹部をクリップで固定して無菌手術の準備をした。長さ5cmの腹側正中開腹術を行い、空腸ループを表出させた。133mmゲージのカニューレを門脈のレベルまで頸静脈内に挿入した。門脈および頸静脈に3/0絹の結紮を有する頸静脈の両方にカニューレを固定して最小量伸長管を、ヘパリン化食塩水で満たされている、分離穿刺切開で左側腹部内に付着、表出させて縫合糸で固定した。3/0ポリジオキシノン縫合糸を使用して開腹創を解剖学層で閉鎖した。造影剤(イオヘキソール)10mLを注入して門脈内のカニューレの位置を門脈造影で確認し、カニューレ開通性を少量のヘパリン化食塩水(1U/mL)で洗浄して維持した。
【0037】
従来技術に従って胸部リンパ管にカニューレを挿入した(例えば、N.E.Hoffman、The relationship between uptake in vitro of oleic acid and micellar solubilization.Biochim.Biophys.Acta 196(1970)193-203を参照)。左腹側頚部および頭側胸郭をクリップで固定して無菌手術の準備をした。左外頸静脈に沿って曲線状に切開して該静脈を周囲の組織から腋窩静脈まで剖出した。内頸静脈および腕頭静脈の分岐点において、胸管膨大部をそのやや白い外観から同定した。腕頭静脈への入り口部分で結紮し、胸管へ集合する全ての支流を結紮して主なリンパ管を通してリンパの逆流を確認した。分離穿刺切開で経皮的に導入した、縫合糸およびシアノアクリラート接着剤で位置を固定したPVC管(内径1.4mm、(o.d)1.9mm、BioService、Australia)で直接胸管にカニューレを挿入した。ポリジオキシノン縫合糸を使用して層で手術創を閉鎖した。表出したカニューレを首から緩く掛ける(回復中)またはイヌの首周囲に掛けた収集ビン内に置いた。
手術に続いて、通常の歩行運動が可能になるまでの14−16時間イヌを施錠した檻に放置して回復させた。投薬前に橈側皮静脈にカテ−テルを挿入して研究中に全血液を抽出した。研究終了後、各イヌをペントバルビトンの静脈内注入によって処理した。
【0038】
実施例1
実験方法
空腹状態で研究するため、イヌは回復および研究の間空腹のままであった。食後状態を得るために、イヌに(最大)5%粗製脂肪を含有する市販のドッグフードの標準缶(680g)を投薬の30−45分前に与えた。単一の平行した設計研究において、無定形の固体分散として調製した100mgHf基剤を50mLの水とともに空腹(n=3)または満腹(n=4)のいずれかのイヌに経口投与した。分離した脚に一回のソフトゼラチンカプセルに含有されるSMEDDS処方の1x50mgHfを空腹のイヌ(n=4)に投与した。胸部リンパの収集によって生じる脱水を防ぐために、サンプリングの間IVボーラスで25mL標準食塩水を1時間ごとに投与した。水は任意に摂取可能であって10または12時間のサンプルのいずれかの収集後にイヌに食餌を与えた。本研究は24時間に制限されたが、適当な液体置換を行えば48時間研究は容易に達成可能であった。
空腹および食後の経口投与から投与前(−5分)、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、8、10および24時間後における全身の静脈および門脈の血液サンプル(2.5mL)を内在のカニューレから得、食後投与後ではさらに12時間後のサンプルを採取した。EDTAカリウムを含有する個々の管に血液サンプルを収集し、血漿を遠心分離によって分離して、分析まで−20℃で保存した。
Hfの投与後に、(血餅形成を阻害するために)75mgEDTAナトリウムを含有する50mL管に投与後10−12時間リンパを継続的に収集した。各時間に収集した個々のリンパサンプルを合わせて1時間当たり収集したリンパの重量を定量した。リンパの1mLアリコートを各時間サンプルから得て、個々の1.5mL管に入れて分析まで(24時間以内)5−8℃で保存した。
【0039】
分析方法
確認HPLCアッセイを使用してHfおよびHfmの血漿濃度を定量した(例えば、Humberstone A.J.、Currie G.J.、Poter C.J.H、Scanlon M.J.、CharmanW.N.、Simplified Liquid Chromatography Assay For the Quantitation of Harofantrine and Debutylhalofantrine in Plasma and Identification of a Degradation Product of Debutylhalofantrine Fomed Under Alkaline Conditions、Journalof Pharmaceutical and Biochemical Analysis、1995、13、265-272を参照)。要するに、HfおよびHfmの両方でアッセイの計量制限は10ng/mLでアッセイは10ないし1000ng/mLの直線状であった。除去率は85%以上で、HfおよびHfmの日内および日間変化率は濃度範囲内(10ないし1000ng/mL)の15%以下であった。リンパ中Hf分析は100μLのリンパをアセトニトリルで10mLまで希釈して1分間攪拌して行った。不溶性蛋白を基盤とする成分を遠心分離によって除去して、上清をHPLCで分析した。ブランクのリンパからのスパイク状Hfの回復は95%以上であった。胸管から吸収される全てのリンパを収集したため、薬物輸送の量はリンパ内薬物濃度を各収集時間からの対応するリンパ量に掛けて計算される。
Roche Cobas Mira臨床化学分析器(Roche Cobas Mira clinical chemistry analyser)(Basle、Switzerland)および市販の酵素を基盤とする比色定量アッセイキットBoehringer Mannheim、Germanyを使用してTGのリンパおよび血漿濃度を測定した。1−2、2−3および3−4時間で収集した食後のリンパリポ蛋白分画をBeckman SW 60 Ti回転器(Beckman SW 60 Ti rotor)中で超遠心分離して分離した。まず1.3時間44,100rpmで(15℃)遠心して塩化ナトリウム溶液(d=1.0063g/mL)下でリンパを層化してキロミクロンを分離した。管の底に針で穴を開けて残存するリンパを除去し、管の上部に白色半固体の栓を形成したキロミクロン分画を残した。密度勾配溶液を使用して19時間58,000rpm(15℃)で超遠心分離して残存するリポ蛋白分画を分離した。分別後、各リポ蛋白分画と会合したHf量をHPLCで定量した。
【0040】
データ分析
最終測定濃度まで線形台形方法を使用して血漿濃度−時間プロフィール下面積(AUC)を計算した。最大血漿濃度(Cmax)、および最大血漿濃度到達時間(Tmax)を、個々のプロフィールから直接調べた。治療群(空腹時投与対食後投与)間の薬物速度論的パラメーターの相違をα=0.05の有効レベルでスチューデントt−試験によって分析した。門脈および全身血漿Hfm濃度の間の相違が投与後10時間を越えてゼロ以上であるかどうかを1%レベルの非子宮傍組織サイン試験を使用した。
【0041】
結果
結果を表1に示す一方で、図1は様々な処方について様々なリンパ性輸送を経時的に示す。
【0042】
【表1】
空腹状態でLCT SMEDDSを投与した後の非リンパカニューレ挿入ビーグルにおけるHfの総生物学的利用能(BA)は67.3+/−21.0であることが見出された。
【0043】
比較例1
本比較例で使用した処方は以下の通りである:
ハロファントリン 5重量%
カプレックス355 29重量%
カプマルMCM 29重量%
クレモフォルEL 30重量%
エタノール 7重量%
カプテックス355(Captex 355)は59重量%カプリル酸(C8)、40%のカプリン酸(C10)、<1%のラウリル酸(C12)および<1%のカプロン酸(C6)を含有する(分析証明、Abitec、Corporation、Janesville WI)中鎖状トリグリセリドであって、カプマルMCM(Capmul MCM)は80重量%カプリル酸(C8)、20%のカプリン酸(C10)および2%のカプロン酸(C6)を含有する、平均モル分子量277の(分析証明、Abitec、Corporation、Janesville WI)中鎖状モノ、ジおよびトリグリセリドの混合物(TLCによると58%モノグリセリド、36%ジグリセリドおよび5%トリグリセリド)である。
比較例は2体の空腹のグレーハウンド犬が上記の処方の1gを含有する1xソフトゼラチンカプセルを各々与えられることを除いて上記の実施例と正確に同様の方法で行われた。各動物に投与した総Hh量は50mgであった。上記の通りリンパを収集してリンパ中のハロファントリンおよびトリグリセリドをアッセイした。
【0044】
結果
結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
本明細書および以下の請求項を通して、文脈が必要としなければ、「comprise」という語、および「comprises」および「comprising」のような変化は、いずれの他の全体または工程または全体または工程の群の除外ではなく言及される全体または工程または全体または工程の群の含有を意味すると理解されるだろう。
当業者に公知の技術は本明細書に記載の本発明が特記されなければ変化および修飾可能であることがわかるだろう。本発明が意図および範疇内に含まれるようなあらゆる変化および修飾を含むのが理解される。本発明はまた本明細書に、個々にまたはまとめて、参照または示される工程、特徴、組成物および化合物の全て、および上記の工程または特徴のいずれか2つまたはそれ以上のいずれかおよび全ての組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】試験した種々のハロファントリン処方の、時間に対する累積的リンパ性ハロファントリン輸送率を示す平面図である。
Claims (24)
- リンパ輸送系を介して体循環へ中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物および中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含む処方を経口投与することを含み、上記の成分が上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、方法。
- リンパ輸送系を介して体循環へ中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物および該薬物のリンパ輸送系への輸送を可能にするのに十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分を含む処方を経口投与することを含む、方法。
- 空腹状態の対象において中親油性ないし高親油性薬物を体循環へデリバリーするためのリンパ輸送系へ輸送するのを増大または促進するのに十分な量の内因性脂質の産生を刺激する方法であって、上記の対象に対して上記の親油性薬物と組み合わせて中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される有効量の成分を経口投与することを含む方法であり、中鎖ないし長鎖脂質薬を投与した後に上記のリンパ輸送系へ輸送された脂質の量が上記の親油性薬物とともに投与された脂質の量を上回る、方法。
- 満腹状態での中親油性ないし高親油性薬物の投与の必要性を回避する方法であって、中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分とともに上記の親油性薬物を処方して、満腹または空腹状態での該処方の経口投与がリンパ輸送系を介する体循環への該薬物のデリバリーを可能にすることを含む、方法。
- 満腹状態での中親油性ないし高親油性薬物の投与の必要性を回避する方法であって、内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とともに上記の親油性薬物を処方して、満腹または空腹状態での該処方の経口投与がリンパ輸送系を介する体循環への親油性薬物のデリバリーを可能にすることを含む、方法。
- リンパへ高濃度で中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物および中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含む処方を経口投与することを含み、上記の成分が上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、方法。
- リンパへ高濃度で中親油性ないし高親油性薬物をデリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物と、該薬物をリンパ輸送系へ高濃度で輸送させるのに十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とを含む処方を経口投与することを含む、方法。
- 心臓へ中親油性ないし高親油性薬物を標的デリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の親油性薬物と、中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分とを含む処方を経口投与することを含み、上記の脂質が上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、方法。
- 心臓へ中親油性ないし高親油性薬物を標的デリバリーする方法であって、空腹状態の対象に、上記の薬物と、該薬物のリンパ輸送系への輸送を可能にするのに十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とを含む処方を経口投与することを含む、方法。
- 中親油性ないし高親油性薬物を経口投与した後の心電図(ECG)のQTC間隔の延長を回避する方法であって、中鎖ないし長鎖脂質、または内因性脂質の産生を刺激することのできる他の成分の存在しない上記の親油性薬物の処方を含み、上記の処方を空腹状態にて投与する、方法。
- 高親油性薬物および中鎖ないし長鎖脂質、医薬上許容される界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される成分を含む医薬処方であって、上記の成分が空腹状態で投与される場合に、上記の親油性薬物のリンパ輸送を増大または促進するのに十分な量にて存在するところの、医薬処方。
- 高親油性薬物と、該薬物のリンパ輸送系への輸送を可能にする投与の後に十分な内因性脂質の産生を刺激することのできる成分とを含む医薬処方。
- 成分が中鎖ないし長鎖脂質および医薬上許容される界面活性剤と組み合わせた中鎖ないし長鎖脂質から選択される、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の方法。
- 成分が長鎖脂質および医薬上許容される界面活性剤と組み合わせた長鎖脂質から選択される、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の方法。
- 成分がC16ないしC18脂肪酸またはその誘導体、または医薬上許容される界面活性剤と組み合わせたC16ないしC18脂肪酸またはその誘導体であるまたはそれらを含む、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の方法。
- 親油性薬物がlogP>3.5およびトリグリセリド溶解度>50mg/mLを有する、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の方法。
- 親油性薬物がlogP>4.7を有する、請求項16記載の方法。
- 脂肪酸誘導体がモノ、ジまたはトリグリセリドである、請求項15記載の方法。
- 脂肪酸が不飽和、モノ不飽和またはポリ不飽和脂肪酸またはその誘導体である、請求項15記載の方法。
- 医薬上許容される界面活性剤が一般に親水性界面活性剤であって、共界面活性剤と組み合わされていてもよい、請求項1、3、4、6、8、13、14または15のいずれか1つに記載の方法。
- 自己乳化または自己微小乳化処方の形態である、請求項11または12記載の医薬処方。
- 処方がエマルションまたはマイクロエマルション処方である、請求項21記載の医薬処方。
- 脂質が0.05ないし4gの量にて存在する、請求項11記載の医薬処方。
- 脂質が0.1ないし1gの量にて存在する、請求項23記載の方法。
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