JP2004534048A - 骨再吸収を阻害するための組成物および方法 - Google Patents
骨再吸収を阻害するための組成物および方法 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、注射部位での潜在的な局所的刺激を相殺しながら、哺乳動物における骨再吸収を阻害するための非経口組成物および方法に関する。ここでの有用な組成物は薬学的に有効な量のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および薬学的に有効な量のスクアレン合成酵素阻害剤の組合せを含む。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物における骨吸収を注入部位の潜在的な局所的刺激を相殺しながら阻害するための非経口組成物および方法に関する。ここで有用な組成物は、薬学的に有効な量のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および薬学的に有効な量のスクアレン合成酵素阻害剤の組合せを含む。
【背景技術】
【0002】
ヒトおよび他の哺乳動物における様々な障害に異常骨吸収が関与または関連する。そのような障害には、これらに限定されるものではないが、骨粗鬆症、パジェット病、補綴物周囲の骨喪失、すなわち、骨溶解、および悪性の高カルシウム血症が含まれる。これらの障害のうちで最も一般的なものは骨粗鬆症であり、それは、その最頻の出現において、閉経後の女性に生じる。骨粗鬆症は、低骨質量および骨組織の微小構造的な劣化を特徴とし、結果として骨の脆弱性および骨折の罹患率の上昇を伴う全身性骨格疾患である。骨粗鬆症性の骨折は高齢者集団の罹患率および死亡率の主要原因である。70%もの女性および男性の1/3が骨粗鬆症性の骨折を経験する。高齢者集団の大部分が既に骨密度が低く、かつ高い骨折の危険性を有する。骨粗鬆症および骨吸収に関連する他の状態を予防および治療する高度な必要性が存在する。骨粗鬆症に加えて骨吸収に関連する他の障害は一般に慢性状態であるため、適切な治療は、典型的には、長期にわたる治療を必要とするものと信じられる。
【0003】
破骨細胞と呼ばれる多核細胞が骨吸収として知られるプロセスによる骨喪失の生成の原因である。ビスホスホネートが破骨細胞性の骨吸収の選択的阻害剤であることが公知であり、それがこれらの化合物を異常骨吸収によって生じ、またはそれに関連する様々な全身性または局所的骨障害の治療および予防における重要な治療薬にする。H.Fleisch,Bisphosphonates In Bone Disease,From The Laboratory To The Patient,第4版,Academic Press(2000)(これは、参照してその全体がここに組み込まれる)を参照のこと。理論によって限定されるものではないが、ビスホスホネートはアポトーシス、すなわち、プログラムされた細胞死を誘発することによって破骨細胞の機能を阻害するものと信じられる。D.E.Hughesら,「Bisphosphonates promote apoptosis in murine osteoclasts in vitro and in vivo」,Journal of Bone and Mineral Research,10(10),1478−1487(1995)(これは、参照してその全体がここに組み込まれる)を参照のこと。
【0004】
現時点では、強力な窒素含有ビスホスホネート化合物、アレンドロネートの多量の前臨床および臨床データが存在する。他のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート、例えば、パミドロネート、リセドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、オルパドロネートおよびゾレンドロネートが、破骨細胞性骨吸収の阻害剤としての高い効力を含む、アレンドロネートと共通の多くの特性を有することを証拠が示唆する。
【0005】
それらの治療有用性にもかかわらず、ビスホスホネートは胃腸管からの吸収が不十分である。B.J.Gertzら,Clinical Pharmacology of Alendronate Sodium,Osteoporosis Int.,Suppl.3: S13−16(1993) および B.J.Gertzら,Studies of the oral bioavailability of alendronate.Clinical Pharmacology & Therapeutics,第58巻,第3号,288−298ページ(1995、9月)(これらは参照してそれらの全体がここに組み込まれる)を参照のこと。このバイオアベイラビリティ問題を克服するため、静脈内投与が用いられている。しかしながら、静脈内注射は、特に患者が繰り返し数時間継続する静脈内輸液を受けなければならない場合、経費がかさみ、かつ不便である。
【0006】
より迅速かつ簡便な投与手段を非経口投与の代替手段によって達成することができた。患者は、インシュリンと全く同様に、家庭で注射を実施することができ、したがって、経費がかさみ、かつ時間を浪費する医師の事務所または診療所への訪問を回避することができた。しかしながら、強力なビスホスホネートは、例えば食道を裏打ちし、または皮膚の上層を含む層化扁平上皮を刺激することも公知である。
【0007】
本発明においては、ファルネシルジホスホフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤の組合せが、ビスホスホネート治療に伴い得る注射部位での潜在的な局所的刺激を緩和しながら、骨吸収の阻害に非常に有効である。この組合せは、高められた安全性およびより良好な患者のコンプライアンスを提供する利点を有し、これらは治療効果を最大にするはずである。スクアレン合成酵素阻害剤は、外来的に付与されたときにはファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートによるアポトーシスの誘導を遮断するタンパク質イソプレニル化前駆体の堆積を生じることにより、皮膚の上皮細胞に対するビスホスホネートの潜在的有害効果を遮断するものと信じられる。スクアレン合成酵素阻害剤の適切な投与量を選択することにより、骨吸収を阻害するのにビスホスホネートの完全な治療上の有用性が望まれる破骨細胞に対する遮断効果を最小にしながら、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの潜在的有害効果を遮断するのに十分な高さのスクアレン合成酵素阻害剤の局所濃度を所望の部位に非経口的に送達することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤の組合せを含む組成物を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、哺乳動物において骨吸収およびそれに関連する状態を阻害するための方法であって、特には、該哺乳動物がヒトである方法を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、異常骨吸収およびそれに関連する状態を治療または予防するための改善された非経口法を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、潜在的な有害胃腸効果を相殺しながらそのような方法を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、所望の治療効果が達成されるまで投薬を維持する、そのような方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、骨粗鬆症哺乳動物、好ましくは、骨粗鬆症のヒトにおいて異常骨吸収を治療または予防することである。
【0014】
これらの、および他の目的は以下の詳細な説明から容易に明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤を含む医薬組成物に関する。
【0016】
さらなる実施形態において、本発明は、薬学的に有効な量のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および注射部位でのファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート関連の局所刺激を相殺するのに有効な量のスクアレン合成酵素阻害剤を含む医薬組成物に関する。
【0017】
さらなる実施形態において、本発明は、骨吸収の阻害を、それらを必要とする哺乳動物において行うための方法であって、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤を投与することを含む方法に関する。
【0018】
さらなる実施形態において、本発明は、骨吸収の阻害を、それらを必要とする哺乳動物において行うための方法であって、スクアレン合成酵素阻害剤および窒素含有ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩を連続的に投与することを含む方法に関する。
【0019】
さらなる実施形態において、本発明は、骨吸収の阻害を、それらを必要とする哺乳動物において行うための医薬の製造における組成物の使用であって、該組成物がファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤を含む使用。
【0020】
さらなる実施形態において、本発明は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤を含む組成物の、骨吸収の阻害を必要とする哺乳動物における骨吸収の阻害への使用。
【0021】
ここで用いられる全てのパーセンテージおよび割合は、他に指示されない限り、重量基準である。本明細書の発明は、ここで説明される必須のものに加えて任意の成分、構成要素、および方法を含み、それらからなり、または本質的にそれらからなることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、注射部位での局所刺激の発生を相殺しながら、骨吸収の阻害を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行うための組成物および方法に関する。これらの組成物は薬学的に有効な量のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および医薬適合性の量のスクアレン合成酵素阻害剤を含む。
【0023】
「薬学的に有効な量」という用語は、ここで用いられる場合、所望の治療措置に従って投与されたときに所望の治療効果を誘発するか、または所望の有用性を応答もしくは提供する、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート化合物またはスクアレン合成酵素阻害剤の量を意味する。ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの好ましい薬学的に有効な量は骨吸収阻害性の量である。スクアレン合成酵素阻害剤の好ましい薬学的に有効な量は、注射部位での局所的刺激の発生を相殺し、すなわち、それを遮断もしくは緩和し、それに対してファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの治療的骨吸収効果を相殺しないか、または最小限に相殺するのみの量である。
【0024】
「注射部位での局所的刺激の発生を相殺する」という用語は、ここで用いられる場合、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート単独での治療に関連する、注射部位での望ましくない副作用、局所的刺激の発生を防止、遮断、低減、または減少させることを意味する。
【0025】
本発明においては、骨吸収を阻害すること、より具体的には、望ましくない、または異常な骨吸収を阻害することが目的である。「異常な骨吸収」という用語は、ここで用いられる場合、局所的に、または骨格全体において骨形成の程度を上回る骨吸収の程度を意味する。その代わりに、「異常な骨吸収」は、パジェット病におけるように、異常な構造を有する骨の形成を伴うものであり得る。
【0026】
「骨吸収阻害」という用語は、ここで用いられる場合、破骨細胞の形成または活性の直接または間接的変更による骨吸収の防止を意味する。骨吸収の阻害は、破骨細胞の形成または活性の直接または間接的変更による骨喪失の防止、特には、既存の骨の無機相および/または有機マトリックス相からの離脱の防止を指す。
【0027】
「所望の治療効果が達成されるまで」という用語は、ここで用いられる場合、治療薬(1種類もしくは複数種類)を、選択された投薬スケジュールに従い、治療している疾患または状態に求められる臨床的または医学的効果が臨床医または研究者によって観察される時間まで連続的に投与することを意味する。本発明の治療方法については、骨の質量または構造における所望の変化が観察されるまで医薬組成物を連続的に投与する。そのような場合、骨の質量の増加または異常な骨構造の正常な骨構造での置換の達成が望ましい目的である。本発明の防止方法については、望ましくない状態を防止するのに必要である限り医薬組成物を連続的に投与する。そのような場合、骨質量密度の維持がしばしば目的である。投与期間の非限定的な例は、約2週間からその哺乳動物の残りの寿命までの範囲をとり得る。ヒトについては、投与期間は約2週間からそのヒトの残りの寿命まで、好ましくは約2週間から約20年、より好ましくは約1ヶ月から約20年、より好ましくは約6ヶ月から約10年、最も好ましくは約1年から約10年の範囲をとり得る。
【0028】
「ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害」という用語は、ここで用いられる場合、問題のビスホスホネートが分子レベルでファルネシルジホスフェート合成酵素を抑制するように作用し、かつ、そのようなものとして、この分子作用を介してその抗吸収活性を達成することを意味する。例えば、アレンドロン酸、すなわち、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸がファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの例である。
【0029】
「非経口投与」という用語は、ここで用いられる場合、静脈内、皮下または筋肉内注射によるもののように、消化管を介する以外の方法で身体に摂取されるか、または投与されることを意味する。
【0030】
本発明の組成物
本発明の医薬組成物は、薬学的に有効な量のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および薬学的に有効な量のスクアレン合成酵素阻害剤を含む。これらの組成物は、ビスホスホネートの非経口等に伴い得る潜在的に有害な効果、例えば、注射部位での局所的刺激を相殺しながら、骨吸収の阻害を、それらを必要とする哺乳動物において行うのに有用である。
【0031】
ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート
本発明の方法および組成物は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたは医薬適合性のそれらの塩の投与を含む。本発明のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートは以下の化学式の相当する。
【0032】
【化1】
(ここで、nは0から7の整数であり、並びにAおよびXは、独立に、H、OH、ハロゲン、NH2、SH、フェニル、C1−C30アルキル、C3−C30分岐もしくはシクロアルキル、C1−C30置換アルキル、C1−C10アルキル置換NH2、C3−C10分岐もしくはシクロアルキル置換NH2、C1−C10ジアルキル置換NH2、C1−C10アルコキシ、C1−C10アルキル置換チオ、チオフェニル、ハロフェニルチオ、C1−C10アルキル置換フェニル、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、およびベンジルからなる群より、nが0であるときにAおよびXの両者がHもしくはOHから選択されないように選択され;またはAおよびXはそれらが結合する炭素原子(1つもしくは複数)と共にC3−C10環を形成する)
前記化学式において、その化学式に十分な原子が選択されるのであれば、アルキル基は直鎖であっても、分岐鎖であっても、または環状であってもよい。C1−C30置換アルキルには様々な置換基が含まれ、その非限定的な例には、フェニル、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾニル、NH2、C1−C10アルキルもしくはジアルキル置換NH2、OH、SH、およびC1−C10アルコキシからなる群より選択されるものが含まれる。
【0033】
前記化学式は、Aおよび/またはX置換基について複合炭素環式、芳香族およびヘテロ原子構造を包含することも意図されており、その非限定的な例にはナフチル、キノリル、イソキノリル、アダマンチル、およびクロロフェニルチオが含まれる。 本発明において有用な構造の非限定的なクラスは、AがH、OH、およびハロゲンからなる群より選択され、かつXがC1−C30アルキル、C1−C30置換アルキル、ハロゲン、およびC1−C10アルキルもしくはフェニル置換チオからなる群より選択されるものである。
【0034】
本発明において有用な構造の非限定的なサブクラスは、AがH、OH、およびClからなる群より選択され、かつXがC1−C30アルキル、C1−C30置換アルキル、Cl、およびクロロフェニルチオからなる群より選択されるものである。
【0035】
本発明において有用な構造のサブクラスの非限定的な例は、AがOHであり、Xが3−アミノプロピル部分であり、かつnがゼロであるときであり、それ故、生じる化合物は4−アミノ−1,1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホネート、すなわち、アレンドロネートである。
【0036】
ビスホスホネートの医薬適合性の塩および誘導体もここでは有用である。塩の非限定的な例には、アルカリ金属、アルカリ金属、アンモニウム、およびモノ−、ジ−、トリ−、またはテトラ−C1−C30−アルキル−置換アンモニウムからなる群より選択されるものが含まれる。好ましい塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアンモニウム塩からなる群より選択されるものである。ナトリウム塩がより好ましい。誘導体の非限定的な例には、エステル、水和物、およびアミドからなる群より選択されるものが含まれる。
【0037】
「ビスホスホネート(1種類および複数種類)」という用語が、ここで本発明の治療薬の参照において用いられる場合、ジホスホネート、ビスジホスホン酸、およびジホスホン酸に加えてこれらの物質の塩および誘導体をも包含しようとすることに注意すべきである。ビホスホネート(1種類もしくは複数種類)の参照における特定の専門語の使用は、明確に指示されない限り、本発明の範囲を限定しようとするものではない。当業者によって現在使用されている混合命名法のため、本発明におけるビスホスホネート化合物の具体的な量またはパーセンテージの参照は、ここで他に指示されない限り、酸活性重量基準である。例えば、「アレンドロネート、それらの医薬適合性の塩、およびそれらの混合物からなる群より選択される、アレンドロン酸活性重量基準で約5mgの骨吸収阻害性ビスホスホネート」という句は、選択されたビスホスホネート化合物の量が5mgのアレンドロン酸に基づいて算出されることを意味する。
【0038】
ここで有用なビスホスホネートの非限定的な例には以下のものが含まれる:
アレンドロン酸、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸。
【0039】
アレンドロネート(別名、アレンドロネートナトリウムまたはアレンドロネート一ナトリウム三水和物)、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸一ナトリウム三水和物。
【0040】
アレンドロン酸およびアレンドロネートは、1990年5月1日発行の、Kieczykowskiらの米国特許第4,922,007号;1991年5月28日発行の、Kieczykowskiらの第5,019,651号;1996年4月23日発行の、Dauerらの第5,510,517号;1997年7月15日発行の、Dauerらの第5,648,491号に記載されており、これらの全ては参照してそれらの全体がここに組み込まれる。
【0041】
1990年11月13日発行の、Isomuraらの米国特許第4,970,335号(これは、参照してその全体がここに組み込まれる)に記載される、シクロヘプチルアミノメチレン−1,1−ビスホスホン酸、YM175、Yamanouchi(インカドロネート、従来はシマドロネートとして知られる)。
【0042】
1,1−ジクロロメチレン−1,1−ジホスホン酸(クロドロン酸)、および二ナトリウム塩(クロドロネート、Procter and Gamble)はベルギー特許第672,205号(1966)およびJ.Org.Chem.32,4111(1967)に記載されており、これらの両者は参照してそれらの全体がここに組み込まれる。
【0043】
1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(EB−1053)。
【0044】
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(エチドロン酸)。
【0045】
1−ヒドロキシ−3−(N−メチル−N−ペンチルアミノ)プロピリデン−1,1−ビスホスホン酸、別名BM−210955、Boehringer−Mannheim(イバンドロネート)は1990年5月22日発行の米国特許第4,927,814号に記載されており、これは参照してその全体がここに組み込まれる。
【0046】
1−ヒドロキシ−2−イミダゾ−(1,2−a)ピリジン−3−yエチリデン(ミノドロネート)。
【0047】
6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシリデン−1,1−ビスホスホン酸(ネリドロネート)。
【0048】
3−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(オルパドロネート)。
【0049】
3−アミノ−1−ヒドロキシプロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(パミドロネート)。
【0050】
[2−(2−ピリジニル)エチリデン]−1,1−ビスホスホン酸(ピリドロネート)は米国特許第4,761,406号に記載されており、これは参照してその全体が組み込まれる。
【0051】
1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)−エチリデン−1,1−ビスホスホン酸(リセドロネート)。
【0052】
(4−クロロフェニル)チオメタン−1,1−ジホスホン酸(チルドロネート)は、1989年10月24日発行の、Breliereらの米国特許第4,876,248号に記載されており、これは参照してその全体がここに組み込まれる。
【0053】
1−ヒドロキシ−2−(1H−イミダゾル−1−イル)エチリデン−1,1−ビスホスホン酸(ゾレドロネート)。
【0054】
本発明において有用なビスホスホネートの非限定的なクラスは、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカンドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、ピリドロネート、リセドロネート、チルドロネート、ゾレドロネート、それらの医薬適合性の塩、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0055】
より好ましいものは、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、それらの医薬適合性の塩またはエステル、およびそれらの混合物である。
【0056】
この場合に有用な上記クラスの非限定的なサブクラスには、アレンドロネート、それらの医薬適合性の塩、、それらのエステルおよびそれらの混合物が含まれる。
【0057】
この場合に有用な上記クラスの非限定的なサブクラスは、アレンドロネートの医薬適合性の塩がナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアンモニウム塩からなる群より選択されるようなものである。さらなる非限定的なクラスにおいては、塩はナトリウム塩であり、その非限定的な例には、例えば、一ナトリウム、二ナトリウム、三ナトリウム、四ナトリウム、および他の高次塩が含まれる。そのような塩には、非整数比、例えば、1.5ナトリウム塩、2.75ナトリウム塩等が含まれ得る。その上、整数および非整数水和物を含む様々な水和物の他、無水物形態が本発明の範囲内にあるものとして考慮される。
【0058】
サブクラスの非限定的な例はアレンドロネート一ナトリウム三水和物である。
【0059】
他の実施形態においては、他の好ましい塩がイバンドロネートのナトリウム塩およびリセドロネート一ナトリウム半五水和物(すなわち、一ナトリウム塩の2.5水和物)である。
【0060】
2つ以上のビスホスホネート活性体の混合物を用いることができることは認識される。
【0061】
ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの正確な投与量は、投薬スケジュール、選択される特定のビスホスホネート、哺乳動物もしくはヒトの年齢、大きさ、性別および状態、治療しようとする障害の性質および重篤性、並びに他の関連する医学的および身体的要素に従って変化する。したがって、正確な薬学的に有効な量を予め指定することはできず、介護者または臨床医が容易に決定することができる。適切な量は、定型的な実験により、動物モデルおよびヒト臨床研究から決定することができる。一般には、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの適切な量は、骨吸収阻害効果が得られるように、すなわち、骨吸収阻害量のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートが投与されるように選択される。ヒトについては、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの有効経口用量は、典型的には約1.5から約6000μg/体重kg、好ましくは約10から約2000μg/体重kgである。
【0062】
ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート、アレンドロネート一ナトリウム三水和物については、投与される通常のヒト用量は、一般には約2mg/日から約40mg/日、好ましくは約5mg/日から約40mg/日である。米国において、現時点で認可されているアレンドロネート一ナトリウム三水和物の投与量は、骨粗鬆症の予防については5mg/日、骨粗鬆症の治療については10mg/日、およびパジェット病の治療については40mg/日である。
【0063】
他の投薬措置においては、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートを毎日以外の間隔で、例えば、週1回投薬、週2回投薬、隔週投薬、および月2回投薬で投与することができる。週1回投薬措置においては、アレンドロネート一ナトリウム三水和物を35mg/週から70mg/週の投与量で投与する。
【0064】
ここでの医薬組成物は、ビスホスホン酸を基準にして、約1mgから約100mgのファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート、好ましくは約2mgから70mg、より好ましくは約5mgから約70mgを含む。ビスホスホネート、アレンドロネート一ナトリウム三水和物については、ここで有用な医薬組成物は、アレンドロン酸活性重量基準で、約2.5mg、5mg、10mg、35mg、40mg、または70mgの活性成分を含む。
【0065】
スクアレン合成酵素阻害剤
本発明の組成物は薬学的に有効な量のスクアレ合成酵素阻害剤を含む。
【0066】
本発明のスクアレン合成酵素阻害剤は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートを非経口投与するとき、注射部位での局所的刺激を遮断するのに有用である。本発明のスクアレン合成酵素阻害剤の非限定的な例は4つの群に分類することができる:ザラゴジン酸/スクアレスタチン、ホスフェート誘導基質類似体、カルボン酸誘導化合物、並びにキヌクリジンおよび関連アミン。
【0067】
ザラゴジン酸/スクアレスタチンの天然イソ型は2,8−ジオキソビシクロ[3.2.1]オクタン−3,4,5−トリカルボン酸環系を特徴とする。これらの天然形態は真菌発酵および天然産生物から単離することができ、多様な半合成および合成類似体の出発物質としても役立つ。本発明のザラゴジン酸/スクアレスタチンには、Merck & Co.,Inc.の米国特許第5,506,262号および第5,369,125号;Takedaの日本特許第7173166号;三共株式会社(Sankyo Co.Ltd.)の日本特許第9124655号;ファイザー株式会社(Pfizer,Inc.)の米国特許第5,430,055号;Glaxo Group Ltd.の米国特許第5,409,950号;およびSagami Chuo Kagaku Kenkyujoの日本特許第9227566号に記載される化合物が含まれる。ザラゴジン酸/スクアレスタチンの非限定的な例には、以下のものが含まれる:
【0068】
【化2】
【0069】
ホスフェート誘導阻害剤は、元はスクアレン合成酵素の基質類似体として設計され、ER Squibb & Sons,Inc.の米国特許第5,374,628号、第5,428,028号、第5,470,845号、第5,447.922号およびRhone−Poulenc Rorer Pharm.,Inc.の米国特許第5,441,946号に記載される化合物が含まれる。ホスフェート誘導阻害剤の非限定的な例には以下のものが含まれる:
【0070】
【化3】
【0071】
代表的なカルボン酸誘導阻害剤は、1つ以上のカルボン酸残基に結合する親油性基(1つもしくは複数)を有することを特徴とする。本発明の化合物のカルボン酸誘導残基は、三共株式会社(Sankyo Co.Ltd.)の日本特許第7041454号;中外製薬株式会社(Cugai Seiyaku Kabushiki Kaisha)のWO9504025;Cancer Res.Campaign Tech.Ltd.のWO9740006;万有製薬株式会社(Banyu)の日本特許第7173120号;Abbott LabのWO9633159およびWO9521815;武田薬品工業株式会社(Takeda Chem.Ind.Ltd.)のEP645377、EP645378およびWO9521834;ファイザー株式会社(Pfizer,Inc.)のWO9748701およびEP814080に開示される。カルボン酸誘導体阻害剤の非限定的な例には以下のものが含まれる:
【0072】
【化4】
【0073】
ビアリールキヌクリジン、キヌクリジン誘導体および関連アミンがスクアレン合成酵素阻害剤であり、これらにはZeneca Ltd.のWO9403541、WO9405660およびWO9535295;山之内製薬株式会社(Yamanouchi Pharm.Co.Ltd.)のWO9626938および日本特許第8134067号;Rhone−Poulenc Rorer Pharm.,Inc.の米国特許第5,385,912号、第5,494,918号、第5,395,846号、第5,451,596号、WO9531458およびWO9500146に記載される化合物が含まれる。キヌクリジンおよび関連アミンの非限定的な例には以下のものが含まれる:
【0074】
【化5】
【0075】
2種類以上のスクアレン合成酵素阻害剤の混合物を用いることができることは認識される。
【0076】
スクアレン合成酵素阻害剤の正確な投与量は、投薬スケジュール、選択される化合物、哺乳動物もしくはヒトの年齢、大きさ、性別および状態、治療しようとする障害の性質および重篤性、並びに他の関連する医学的および身体的要素に従って変化する。したがって、正確な薬学的に有効な量を予め指定することはできず、介護者または臨床医が容易に決定することができる。適切な量は定型的な実験によって動物モデルおよびヒト臨床研究から決定することができる。一般には、適切な量は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの潜在的に有害な胃腸効果の阻害が得られるように選択される。その量は、窒素含有ビスホスホネートの所望の骨吸収阻害効果を阻害するレベルを下回らなければならない。スクアレン合成酵素阻害剤については、ヒトに投与することができるヒト用量は、他の範囲を用いることもできるが、約25ng/日から約10mg/日、好ましくは約25ナノグラムから約1ミリグラムの範囲である。非限定的な例示用量は、ヒト被験者に対して約1マイクログラムである。週1回投与においては、他の範囲を用いることもできるが、スクアレン合成酵素阻害剤を約25ng/用量から約10mg/用量、好ましくは約25ナノグラムから約1ミリグラムをヒトに投与することができる。非限定的な例示用量は、ヒト被験者に対して約1マイクログラムである。
【0077】
医薬組成物の他の成分
ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートおよびスクアレン合成酵素阻害剤は、典型的には、通常の医薬実務に一致して非経口投与に関して適切に選択される、ここで集合的に「担体物質」と呼ばれる適切な医薬希釈剤、賦形剤、または担体と混合された状態で投与される。
【0078】
非経口投与、特には、皮下投与については、薬剤を典型的には水性ビヒクル、例えば、無菌水または無菌等張(0.9%)塩化ナトリウム中で組み合わせる。
【0079】
本発明において用いられる化合物は、標的化可能な薬物担体としての可溶性ポリマーと結合させることもできる。そのようなポリマーには、ポリビニル−ピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシルプロピル−メタクリルアミド等が含まれ得る。
【0080】
本発明の方法
本発明は、哺乳動物における異常骨吸収の治療方法を含む。また、本発明は、哺乳動物における異常骨吸収の予防方法も含む。本発明の好ましい実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0081】
本発明の方法および組成物は、異常骨吸収およびそれに関連する状態の治療および予防の両者に有用である。異常骨吸収に関連する状態には、全身性および局所的の両者の骨喪失が含まれる。その上、パジェット病におけるような異常構造を有する骨の創出も異常骨吸収に伴い得る。「全身性骨喪失」という用語は、複数の骨格部位での、または骨格系全体を通しての骨喪失を意味する。「局所的骨喪失」という用語は、1つ以上の特定の限定された骨格部位での骨喪失を意味する。
【0082】
全身性骨喪失は、しばしば、骨粗鬆症を伴う。骨粗鬆症は、エストロゲン産生が大きく減少している閉経後の女性において最も一般的である。しかしながら、骨粗鬆症はステロイド誘導性でもあり得、年齢のために男性においても観察されている。骨粗鬆症は疾患、例えば、関節リウマチによって誘導されることがあり、二次的原因、例えば、糖質コルチコイド治療によって誘導されることがあり、または同定不能の原因で生じ、すなわち、突発性骨粗鬆症であることもある。本発明において、好ましい方法には骨粗鬆症のヒトにおける異常骨吸収の治療または予防が含まれる。
【0083】
局所的骨喪失は歯周病、骨折、および補綴物周囲骨溶解(換言すると、補綴移植片の近傍で骨吸収が生じている場所)に関連付けられている。
【0084】
全身性または局所的骨喪失は不使用から生じることがあり、これはしばしばベッドもしくは車椅子に拘束されている者、またはギプス内もしくは牽引状態に留められている固定化肢を有する者にとって問題である。
【0085】
本発明の方法および組成物は以下の状態または疾患状態の治療およびまたは予防に有用である:閉経後骨粗鬆症、糖質コルチコイド誘導骨粗鬆症、男性の骨粗鬆症、疾患誘導骨粗鬆症、突発性骨粗鬆症を含み得る骨粗鬆症;パジェット病;異常に増加した骨ターンオーバー;骨軟化症;歯周病;補綴物周囲骨溶解を伴う局所的骨喪失;および骨折。
【0086】
本発明の組成物および方法は、所望の治療効果が達成されるまで投与および実施される。
【0087】
本発明の方法においては、一般に、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートおよびスクアレン合成酵素阻害剤を同時に投与する。代わりの実施形態においては、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートおよびスクアレン合成酵素阻害剤を連続的に投与することができる。
【0088】
以下の例は本発明をより良好に説明するために示される。
【実施例1】
【0089】
ALNによってCh1.Es食道線維芽細胞中に誘導されたタンパク質イソプレニル化の阻害のスクアレン合成酵素阻害剤抑制
Ch1.Es線維芽細胞を培養して24時間成長させた後、300μMのアレンドロネート[ALN]で処理した。細胞を24時間処理し、タンパク質分解物をタンパク質イソプレニル化の抑制について分析した。マーカーには、ファルネシル化が存在しないときにより緩慢に移動するファルネシル化タンパク質抗−hDNAJ(2本のバンドが観察される)または、イソプレニル化が遮断される場合にRap1Aに優先的に結合することを我々が従来示している抗−Rap1A(バンドの存在はタンパク質ゲラニルゲラニル化がないことを示す)のいずれかが含まれていた。図1を参照のこと。
【0090】
(A)細胞を予備処理なし、または3μMのスクアレン合成酵素阻害剤、ザラゴジン酸(Zara−A)(指示される3つのレーン)で24時間予備処理した。これを、示されているように、ALN、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ阻害剤(GGTI、100nM)またはゲラニルゲラニオール(GGOH)の存在下または不在下でさらに24時間継続した。GGTIではなくALNのゲラニルゲラニル化の抑制がZara−Aの添加によって低下したことに注目のこと。
【0091】
(B)細胞を様々な濃度のZara−A(0および0.1μMから10μM)で24時間予備処理した後、ALNの不在下または存在下においてさらに24時間継続した。Zara−Aの不在下において、ALNがファルネシル化およびゲラニルゲラニル化の両者を強力に阻害することに注目のこと。Zara−Aは用量依存的にALNの効果を低下させる。
【0092】
(A)および(B)において、Zara−Aは、コレステロール合成のためのファルネシルジホスフェート貯蔵物の使用を妨げることにより分子トラップとして作用する。このように、ファルネシルジホスフェートおよびその誘導体、ゲラニルゲラニルジホスフェートのプールは、ALNが細胞に添加された後でさえ、タンパク質イソプレニル化経路に向けられる。
【実施例2】
【0093】
本発明の具体的な実施形態として、0.5mgのファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および5マイクログラムのスクアレン合成酵素阻害剤を総容積0.5mLまでの無菌等張(0.9%)塩化ナトリウムに溶解する。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1A】Ch1.Es食道線維芽細胞において誘導されたタンパク質イソプレニル化の阻害の、アレンドロネートによるスクアレン合成酵素阻害剤抑制。 Ch1.Es線維芽細胞を培養により24時間成長させた後、300μMのアレンドロネート[ALN]で処理した。細胞を24時間処理し、タンパク質溶解物をタンパク質イソプレニル化の抑制について分析した。マーカーには、抗−hDNAJ、ファルネシル化が存在しないときにより緩慢に移動するファルネシル化タンパク質(2本のバンドが観察される)または、イソプレニル化が遮断される場合にRap1Aに優先的に結合することを我々が従来示している抗−Rap1A(バンドの存在はタンパク質ゲラニルゲラニル化がないことを示す)のいずれかが含まれていた(Reszka,A.A.,Halasy−Nagy,J.and Rodan,G.A.,Molecular Pharmacology 59:193−202,2001を参照)。(A)細胞を予備処理なし、または3μMのスクアレン合成酵素阻害剤、ザラゴジン酸(Zara−A)(指示される3つのレーン)で24時間予備処理した。続いて、細胞をアレンドロネート(ALN、300μM)またはゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ阻害剤(0.1μM)で処理した。GGTIではなくALNで、細胞をZara−Aで予備処理したときにRap1Aゲラニルゲラニル化の阻害(イムノブロットにおいて暗帯の存在として現れる)が消失することに注目のこと。
【図1B】Ch1.Es食道線維芽細胞において誘導されたタンパク質イソプレニル化の阻害の、アレンドロネートによるスクアレン合成酵素阻害剤抑制。 Ch1.Es線維芽細胞を培養により24時間成長させた後、300μMのアレンドロネート[ALN]で処理した。細胞を24時間処理し、タンパク質溶解物をタンパク質イソプレニル化の抑制について分析した。マーカーには、抗−hDNAJ、ファルネシル化が存在しないときにより緩慢に移動するファルネシル化タンパク質(2本のバンドが観察される)または、イソプレニル化が遮断される場合にRap1Aに優先的に結合することを我々が従来示している抗−Rap1A(バンドの存在はタンパク質ゲラニルゲラニル化がないことを示す)のいずれかが含まれていた(Reszka,A.A.,Halasy−Nagy,J.and Rodan,G.A.,Molecular Pharmacology 59:193−202,2001を参照)。 (B)細胞を様々な濃度のZara−A(0および0.1μMから10μM)で24時間予備処理した後、ALNの不在下または存在下においてさらに24時間継続した。Zara−Aが、hDNAJファルネシル化(阻害は、いかなる処理もなしに見られるhDNAJバンドの上の暗色バンドの形成として現れる)およびRap1Aゲラニルゲラニル化を阻害するALNの能力を用量依存的に消失させたことに注目のこと。
【図2】Ch1.Es食道線維芽細胞においてALNによって誘導されるアポトーシスの誘導のスクアレン合成酵素阻害剤抑制 Ch1.Es細胞をZara−Aの不在下(上パネルおよび下パネル)または存在下(中央)において24時間成長させた。さらに24時間継続し、細胞をビスホスホネートなし((No BP)、ALN(300μM)またはALNおよび10μMのゲラニルゲラニオール(GGOH)で処理した。アポトーシスを細胞の丸まりおよび皿からの脱着として観察する。
【図3】リポタンパク質の不在下におけるスクアレン合成酵素阻害剤はアレンドロネートおよびリセドロネート誘導アポトーシスを最大に抑制する。 Ch1.Es細胞をウシ胎児血清(FBS)(上パネル)またはZara−A(10μM)の不在下(中央)もしくは存在下(下)におけるリポタンパク質欠乏FBS(LPDS)のいずれかにおいて24時間成長させた。さらに24時間継続し、細胞をビスホスホネートなし((No BP)、ALN(300μM)またはリセドロネート[RIS](300μM)で処理した。表現型を図2と同様に評点した。アポトーシスの抑制はZara−Aの包接の後にほぼ完了する。
【図4】ALNおよびRISはCh1.Es食道線維芽細胞においてプロアポトーシスキナーゼ(pro−apoptotic kinases)を活性化する。 細胞をビヒクル、ALN(300μM)、RIS(300μM)、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤ロバスタチン(10μM)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI、100nM)またはゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ阻害剤(GGTI、100nM)の存在下において24時間成長させた。細胞溶解物を、イン・ゲルキナーゼ・アッセイ(上)を用いて、または活性MAPキナーゼ(Erk1および2)、p38、もしくはJun N末端キナーゼ(Jnk)を認識する抗ホスホ特異的抗体を用いる免疫ブロットによって分析した。
【図5】アレンドロネートおよびリセドロネートによって誘導される皮膚刺激はイン・ビボにおけるHMG CoA−レダクターゼの阻害によって模倣される。 ラットに5日間(ビヒクル、ALN[0.5mg/kg]もしくはRIS[0.5mg/kg])または2日間(ビヒクルもしくは10mg/kgのシンバスタチン[SIM])皮下注射した。剖検の後に皮膚を回収し、ホルマリンで固定して薄片化し、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。各々の患部の厚みおよび長さを測定することによって面積を決定し、対H2O対照として表す。
【図6】スクアレン合成酵素阻害剤はイン・ビボにおけるALN誘導皮膚刺激を抑制する。 ラットにH2Oビヒクル、ALN[0.5mg/kg、Zara−A(3μg/kg)を伴うALNまたはZara−A単独を5日間皮下注射した。試料を図4と同様に処理した。反転した「T」はALNによる患部の厚みおよび長さを示すのに用いられる。
【図7】スクアレン合成酵素阻害剤はイン・ビボにおけるALNまたはRIS誘導皮膚刺激を抑制する。 ラットにH2Oビヒクル、ALNもしくはRIS(0.5mg/kg)、Zara−A(3μg/kg)を伴うALNもしくはRISまたはZara−A単独を5日間皮下注射した。剖検の後に皮膚を回収し、キャリパ・マイクロメーターを用いて患部を厚みおよび直径について測定した。患部は形状が円形であり、したがって、その円の面積に厚みをかけることによって体積分析を決定した。ビヒクル対照においては体積が50mmから100mm3の範囲であったのに対して、RISまたはALNでの処理の後には、それぞれ、それが240から280の範囲であったことに注目すること。Zara−Aとの同時投与は、ALNまたはRISのいずれかによって誘導される肥厚を有意に減少させた(P≦0.01)。
【0001】
本発明は、哺乳動物における骨吸収を注入部位の潜在的な局所的刺激を相殺しながら阻害するための非経口組成物および方法に関する。ここで有用な組成物は、薬学的に有効な量のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および薬学的に有効な量のスクアレン合成酵素阻害剤の組合せを含む。
【背景技術】
【0002】
ヒトおよび他の哺乳動物における様々な障害に異常骨吸収が関与または関連する。そのような障害には、これらに限定されるものではないが、骨粗鬆症、パジェット病、補綴物周囲の骨喪失、すなわち、骨溶解、および悪性の高カルシウム血症が含まれる。これらの障害のうちで最も一般的なものは骨粗鬆症であり、それは、その最頻の出現において、閉経後の女性に生じる。骨粗鬆症は、低骨質量および骨組織の微小構造的な劣化を特徴とし、結果として骨の脆弱性および骨折の罹患率の上昇を伴う全身性骨格疾患である。骨粗鬆症性の骨折は高齢者集団の罹患率および死亡率の主要原因である。70%もの女性および男性の1/3が骨粗鬆症性の骨折を経験する。高齢者集団の大部分が既に骨密度が低く、かつ高い骨折の危険性を有する。骨粗鬆症および骨吸収に関連する他の状態を予防および治療する高度な必要性が存在する。骨粗鬆症に加えて骨吸収に関連する他の障害は一般に慢性状態であるため、適切な治療は、典型的には、長期にわたる治療を必要とするものと信じられる。
【0003】
破骨細胞と呼ばれる多核細胞が骨吸収として知られるプロセスによる骨喪失の生成の原因である。ビスホスホネートが破骨細胞性の骨吸収の選択的阻害剤であることが公知であり、それがこれらの化合物を異常骨吸収によって生じ、またはそれに関連する様々な全身性または局所的骨障害の治療および予防における重要な治療薬にする。H.Fleisch,Bisphosphonates In Bone Disease,From The Laboratory To The Patient,第4版,Academic Press(2000)(これは、参照してその全体がここに組み込まれる)を参照のこと。理論によって限定されるものではないが、ビスホスホネートはアポトーシス、すなわち、プログラムされた細胞死を誘発することによって破骨細胞の機能を阻害するものと信じられる。D.E.Hughesら,「Bisphosphonates promote apoptosis in murine osteoclasts in vitro and in vivo」,Journal of Bone and Mineral Research,10(10),1478−1487(1995)(これは、参照してその全体がここに組み込まれる)を参照のこと。
【0004】
現時点では、強力な窒素含有ビスホスホネート化合物、アレンドロネートの多量の前臨床および臨床データが存在する。他のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート、例えば、パミドロネート、リセドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、オルパドロネートおよびゾレンドロネートが、破骨細胞性骨吸収の阻害剤としての高い効力を含む、アレンドロネートと共通の多くの特性を有することを証拠が示唆する。
【0005】
それらの治療有用性にもかかわらず、ビスホスホネートは胃腸管からの吸収が不十分である。B.J.Gertzら,Clinical Pharmacology of Alendronate Sodium,Osteoporosis Int.,Suppl.3: S13−16(1993) および B.J.Gertzら,Studies of the oral bioavailability of alendronate.Clinical Pharmacology & Therapeutics,第58巻,第3号,288−298ページ(1995、9月)(これらは参照してそれらの全体がここに組み込まれる)を参照のこと。このバイオアベイラビリティ問題を克服するため、静脈内投与が用いられている。しかしながら、静脈内注射は、特に患者が繰り返し数時間継続する静脈内輸液を受けなければならない場合、経費がかさみ、かつ不便である。
【0006】
より迅速かつ簡便な投与手段を非経口投与の代替手段によって達成することができた。患者は、インシュリンと全く同様に、家庭で注射を実施することができ、したがって、経費がかさみ、かつ時間を浪費する医師の事務所または診療所への訪問を回避することができた。しかしながら、強力なビスホスホネートは、例えば食道を裏打ちし、または皮膚の上層を含む層化扁平上皮を刺激することも公知である。
【0007】
本発明においては、ファルネシルジホスホフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤の組合せが、ビスホスホネート治療に伴い得る注射部位での潜在的な局所的刺激を緩和しながら、骨吸収の阻害に非常に有効である。この組合せは、高められた安全性およびより良好な患者のコンプライアンスを提供する利点を有し、これらは治療効果を最大にするはずである。スクアレン合成酵素阻害剤は、外来的に付与されたときにはファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートによるアポトーシスの誘導を遮断するタンパク質イソプレニル化前駆体の堆積を生じることにより、皮膚の上皮細胞に対するビスホスホネートの潜在的有害効果を遮断するものと信じられる。スクアレン合成酵素阻害剤の適切な投与量を選択することにより、骨吸収を阻害するのにビスホスホネートの完全な治療上の有用性が望まれる破骨細胞に対する遮断効果を最小にしながら、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの潜在的有害効果を遮断するのに十分な高さのスクアレン合成酵素阻害剤の局所濃度を所望の部位に非経口的に送達することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤の組合せを含む組成物を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、哺乳動物において骨吸収およびそれに関連する状態を阻害するための方法であって、特には、該哺乳動物がヒトである方法を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、異常骨吸収およびそれに関連する状態を治療または予防するための改善された非経口法を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、潜在的な有害胃腸効果を相殺しながらそのような方法を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、所望の治療効果が達成されるまで投薬を維持する、そのような方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、骨粗鬆症哺乳動物、好ましくは、骨粗鬆症のヒトにおいて異常骨吸収を治療または予防することである。
【0014】
これらの、および他の目的は以下の詳細な説明から容易に明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤を含む医薬組成物に関する。
【0016】
さらなる実施形態において、本発明は、薬学的に有効な量のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および注射部位でのファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート関連の局所刺激を相殺するのに有効な量のスクアレン合成酵素阻害剤を含む医薬組成物に関する。
【0017】
さらなる実施形態において、本発明は、骨吸収の阻害を、それらを必要とする哺乳動物において行うための方法であって、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤を投与することを含む方法に関する。
【0018】
さらなる実施形態において、本発明は、骨吸収の阻害を、それらを必要とする哺乳動物において行うための方法であって、スクアレン合成酵素阻害剤および窒素含有ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩を連続的に投与することを含む方法に関する。
【0019】
さらなる実施形態において、本発明は、骨吸収の阻害を、それらを必要とする哺乳動物において行うための医薬の製造における組成物の使用であって、該組成物がファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤を含む使用。
【0020】
さらなる実施形態において、本発明は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤を含む組成物の、骨吸収の阻害を必要とする哺乳動物における骨吸収の阻害への使用。
【0021】
ここで用いられる全てのパーセンテージおよび割合は、他に指示されない限り、重量基準である。本明細書の発明は、ここで説明される必須のものに加えて任意の成分、構成要素、および方法を含み、それらからなり、または本質的にそれらからなることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、注射部位での局所刺激の発生を相殺しながら、骨吸収の阻害を、そのような治療を必要とする哺乳動物において行うための組成物および方法に関する。これらの組成物は薬学的に有効な量のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および医薬適合性の量のスクアレン合成酵素阻害剤を含む。
【0023】
「薬学的に有効な量」という用語は、ここで用いられる場合、所望の治療措置に従って投与されたときに所望の治療効果を誘発するか、または所望の有用性を応答もしくは提供する、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート化合物またはスクアレン合成酵素阻害剤の量を意味する。ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの好ましい薬学的に有効な量は骨吸収阻害性の量である。スクアレン合成酵素阻害剤の好ましい薬学的に有効な量は、注射部位での局所的刺激の発生を相殺し、すなわち、それを遮断もしくは緩和し、それに対してファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの治療的骨吸収効果を相殺しないか、または最小限に相殺するのみの量である。
【0024】
「注射部位での局所的刺激の発生を相殺する」という用語は、ここで用いられる場合、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート単独での治療に関連する、注射部位での望ましくない副作用、局所的刺激の発生を防止、遮断、低減、または減少させることを意味する。
【0025】
本発明においては、骨吸収を阻害すること、より具体的には、望ましくない、または異常な骨吸収を阻害することが目的である。「異常な骨吸収」という用語は、ここで用いられる場合、局所的に、または骨格全体において骨形成の程度を上回る骨吸収の程度を意味する。その代わりに、「異常な骨吸収」は、パジェット病におけるように、異常な構造を有する骨の形成を伴うものであり得る。
【0026】
「骨吸収阻害」という用語は、ここで用いられる場合、破骨細胞の形成または活性の直接または間接的変更による骨吸収の防止を意味する。骨吸収の阻害は、破骨細胞の形成または活性の直接または間接的変更による骨喪失の防止、特には、既存の骨の無機相および/または有機マトリックス相からの離脱の防止を指す。
【0027】
「所望の治療効果が達成されるまで」という用語は、ここで用いられる場合、治療薬(1種類もしくは複数種類)を、選択された投薬スケジュールに従い、治療している疾患または状態に求められる臨床的または医学的効果が臨床医または研究者によって観察される時間まで連続的に投与することを意味する。本発明の治療方法については、骨の質量または構造における所望の変化が観察されるまで医薬組成物を連続的に投与する。そのような場合、骨の質量の増加または異常な骨構造の正常な骨構造での置換の達成が望ましい目的である。本発明の防止方法については、望ましくない状態を防止するのに必要である限り医薬組成物を連続的に投与する。そのような場合、骨質量密度の維持がしばしば目的である。投与期間の非限定的な例は、約2週間からその哺乳動物の残りの寿命までの範囲をとり得る。ヒトについては、投与期間は約2週間からそのヒトの残りの寿命まで、好ましくは約2週間から約20年、より好ましくは約1ヶ月から約20年、より好ましくは約6ヶ月から約10年、最も好ましくは約1年から約10年の範囲をとり得る。
【0028】
「ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害」という用語は、ここで用いられる場合、問題のビスホスホネートが分子レベルでファルネシルジホスフェート合成酵素を抑制するように作用し、かつ、そのようなものとして、この分子作用を介してその抗吸収活性を達成することを意味する。例えば、アレンドロン酸、すなわち、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸がファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの例である。
【0029】
「非経口投与」という用語は、ここで用いられる場合、静脈内、皮下または筋肉内注射によるもののように、消化管を介する以外の方法で身体に摂取されるか、または投与されることを意味する。
【0030】
本発明の組成物
本発明の医薬組成物は、薬学的に有効な量のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および薬学的に有効な量のスクアレン合成酵素阻害剤を含む。これらの組成物は、ビスホスホネートの非経口等に伴い得る潜在的に有害な効果、例えば、注射部位での局所的刺激を相殺しながら、骨吸収の阻害を、それらを必要とする哺乳動物において行うのに有用である。
【0031】
ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート
本発明の方法および組成物は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたは医薬適合性のそれらの塩の投与を含む。本発明のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートは以下の化学式の相当する。
【0032】
【化1】
(ここで、nは0から7の整数であり、並びにAおよびXは、独立に、H、OH、ハロゲン、NH2、SH、フェニル、C1−C30アルキル、C3−C30分岐もしくはシクロアルキル、C1−C30置換アルキル、C1−C10アルキル置換NH2、C3−C10分岐もしくはシクロアルキル置換NH2、C1−C10ジアルキル置換NH2、C1−C10アルコキシ、C1−C10アルキル置換チオ、チオフェニル、ハロフェニルチオ、C1−C10アルキル置換フェニル、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、およびベンジルからなる群より、nが0であるときにAおよびXの両者がHもしくはOHから選択されないように選択され;またはAおよびXはそれらが結合する炭素原子(1つもしくは複数)と共にC3−C10環を形成する)
前記化学式において、その化学式に十分な原子が選択されるのであれば、アルキル基は直鎖であっても、分岐鎖であっても、または環状であってもよい。C1−C30置換アルキルには様々な置換基が含まれ、その非限定的な例には、フェニル、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾニル、NH2、C1−C10アルキルもしくはジアルキル置換NH2、OH、SH、およびC1−C10アルコキシからなる群より選択されるものが含まれる。
【0033】
前記化学式は、Aおよび/またはX置換基について複合炭素環式、芳香族およびヘテロ原子構造を包含することも意図されており、その非限定的な例にはナフチル、キノリル、イソキノリル、アダマンチル、およびクロロフェニルチオが含まれる。 本発明において有用な構造の非限定的なクラスは、AがH、OH、およびハロゲンからなる群より選択され、かつXがC1−C30アルキル、C1−C30置換アルキル、ハロゲン、およびC1−C10アルキルもしくはフェニル置換チオからなる群より選択されるものである。
【0034】
本発明において有用な構造の非限定的なサブクラスは、AがH、OH、およびClからなる群より選択され、かつXがC1−C30アルキル、C1−C30置換アルキル、Cl、およびクロロフェニルチオからなる群より選択されるものである。
【0035】
本発明において有用な構造のサブクラスの非限定的な例は、AがOHであり、Xが3−アミノプロピル部分であり、かつnがゼロであるときであり、それ故、生じる化合物は4−アミノ−1,1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホネート、すなわち、アレンドロネートである。
【0036】
ビスホスホネートの医薬適合性の塩および誘導体もここでは有用である。塩の非限定的な例には、アルカリ金属、アルカリ金属、アンモニウム、およびモノ−、ジ−、トリ−、またはテトラ−C1−C30−アルキル−置換アンモニウムからなる群より選択されるものが含まれる。好ましい塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアンモニウム塩からなる群より選択されるものである。ナトリウム塩がより好ましい。誘導体の非限定的な例には、エステル、水和物、およびアミドからなる群より選択されるものが含まれる。
【0037】
「ビスホスホネート(1種類および複数種類)」という用語が、ここで本発明の治療薬の参照において用いられる場合、ジホスホネート、ビスジホスホン酸、およびジホスホン酸に加えてこれらの物質の塩および誘導体をも包含しようとすることに注意すべきである。ビホスホネート(1種類もしくは複数種類)の参照における特定の専門語の使用は、明確に指示されない限り、本発明の範囲を限定しようとするものではない。当業者によって現在使用されている混合命名法のため、本発明におけるビスホスホネート化合物の具体的な量またはパーセンテージの参照は、ここで他に指示されない限り、酸活性重量基準である。例えば、「アレンドロネート、それらの医薬適合性の塩、およびそれらの混合物からなる群より選択される、アレンドロン酸活性重量基準で約5mgの骨吸収阻害性ビスホスホネート」という句は、選択されたビスホスホネート化合物の量が5mgのアレンドロン酸に基づいて算出されることを意味する。
【0038】
ここで有用なビスホスホネートの非限定的な例には以下のものが含まれる:
アレンドロン酸、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸。
【0039】
アレンドロネート(別名、アレンドロネートナトリウムまたはアレンドロネート一ナトリウム三水和物)、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸一ナトリウム三水和物。
【0040】
アレンドロン酸およびアレンドロネートは、1990年5月1日発行の、Kieczykowskiらの米国特許第4,922,007号;1991年5月28日発行の、Kieczykowskiらの第5,019,651号;1996年4月23日発行の、Dauerらの第5,510,517号;1997年7月15日発行の、Dauerらの第5,648,491号に記載されており、これらの全ては参照してそれらの全体がここに組み込まれる。
【0041】
1990年11月13日発行の、Isomuraらの米国特許第4,970,335号(これは、参照してその全体がここに組み込まれる)に記載される、シクロヘプチルアミノメチレン−1,1−ビスホスホン酸、YM175、Yamanouchi(インカドロネート、従来はシマドロネートとして知られる)。
【0042】
1,1−ジクロロメチレン−1,1−ジホスホン酸(クロドロン酸)、および二ナトリウム塩(クロドロネート、Procter and Gamble)はベルギー特許第672,205号(1966)およびJ.Org.Chem.32,4111(1967)に記載されており、これらの両者は参照してそれらの全体がここに組み込まれる。
【0043】
1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(EB−1053)。
【0044】
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(エチドロン酸)。
【0045】
1−ヒドロキシ−3−(N−メチル−N−ペンチルアミノ)プロピリデン−1,1−ビスホスホン酸、別名BM−210955、Boehringer−Mannheim(イバンドロネート)は1990年5月22日発行の米国特許第4,927,814号に記載されており、これは参照してその全体がここに組み込まれる。
【0046】
1−ヒドロキシ−2−イミダゾ−(1,2−a)ピリジン−3−yエチリデン(ミノドロネート)。
【0047】
6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシリデン−1,1−ビスホスホン酸(ネリドロネート)。
【0048】
3−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(オルパドロネート)。
【0049】
3−アミノ−1−ヒドロキシプロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(パミドロネート)。
【0050】
[2−(2−ピリジニル)エチリデン]−1,1−ビスホスホン酸(ピリドロネート)は米国特許第4,761,406号に記載されており、これは参照してその全体が組み込まれる。
【0051】
1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)−エチリデン−1,1−ビスホスホン酸(リセドロネート)。
【0052】
(4−クロロフェニル)チオメタン−1,1−ジホスホン酸(チルドロネート)は、1989年10月24日発行の、Breliereらの米国特許第4,876,248号に記載されており、これは参照してその全体がここに組み込まれる。
【0053】
1−ヒドロキシ−2−(1H−イミダゾル−1−イル)エチリデン−1,1−ビスホスホン酸(ゾレドロネート)。
【0054】
本発明において有用なビスホスホネートの非限定的なクラスは、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカンドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、ピリドロネート、リセドロネート、チルドロネート、ゾレドロネート、それらの医薬適合性の塩、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0055】
より好ましいものは、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、それらの医薬適合性の塩またはエステル、およびそれらの混合物である。
【0056】
この場合に有用な上記クラスの非限定的なサブクラスには、アレンドロネート、それらの医薬適合性の塩、、それらのエステルおよびそれらの混合物が含まれる。
【0057】
この場合に有用な上記クラスの非限定的なサブクラスは、アレンドロネートの医薬適合性の塩がナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアンモニウム塩からなる群より選択されるようなものである。さらなる非限定的なクラスにおいては、塩はナトリウム塩であり、その非限定的な例には、例えば、一ナトリウム、二ナトリウム、三ナトリウム、四ナトリウム、および他の高次塩が含まれる。そのような塩には、非整数比、例えば、1.5ナトリウム塩、2.75ナトリウム塩等が含まれ得る。その上、整数および非整数水和物を含む様々な水和物の他、無水物形態が本発明の範囲内にあるものとして考慮される。
【0058】
サブクラスの非限定的な例はアレンドロネート一ナトリウム三水和物である。
【0059】
他の実施形態においては、他の好ましい塩がイバンドロネートのナトリウム塩およびリセドロネート一ナトリウム半五水和物(すなわち、一ナトリウム塩の2.5水和物)である。
【0060】
2つ以上のビスホスホネート活性体の混合物を用いることができることは認識される。
【0061】
ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの正確な投与量は、投薬スケジュール、選択される特定のビスホスホネート、哺乳動物もしくはヒトの年齢、大きさ、性別および状態、治療しようとする障害の性質および重篤性、並びに他の関連する医学的および身体的要素に従って変化する。したがって、正確な薬学的に有効な量を予め指定することはできず、介護者または臨床医が容易に決定することができる。適切な量は、定型的な実験により、動物モデルおよびヒト臨床研究から決定することができる。一般には、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの適切な量は、骨吸収阻害効果が得られるように、すなわち、骨吸収阻害量のファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートが投与されるように選択される。ヒトについては、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの有効経口用量は、典型的には約1.5から約6000μg/体重kg、好ましくは約10から約2000μg/体重kgである。
【0062】
ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート、アレンドロネート一ナトリウム三水和物については、投与される通常のヒト用量は、一般には約2mg/日から約40mg/日、好ましくは約5mg/日から約40mg/日である。米国において、現時点で認可されているアレンドロネート一ナトリウム三水和物の投与量は、骨粗鬆症の予防については5mg/日、骨粗鬆症の治療については10mg/日、およびパジェット病の治療については40mg/日である。
【0063】
他の投薬措置においては、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートを毎日以外の間隔で、例えば、週1回投薬、週2回投薬、隔週投薬、および月2回投薬で投与することができる。週1回投薬措置においては、アレンドロネート一ナトリウム三水和物を35mg/週から70mg/週の投与量で投与する。
【0064】
ここでの医薬組成物は、ビスホスホン酸を基準にして、約1mgから約100mgのファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネート、好ましくは約2mgから70mg、より好ましくは約5mgから約70mgを含む。ビスホスホネート、アレンドロネート一ナトリウム三水和物については、ここで有用な医薬組成物は、アレンドロン酸活性重量基準で、約2.5mg、5mg、10mg、35mg、40mg、または70mgの活性成分を含む。
【0065】
スクアレン合成酵素阻害剤
本発明の組成物は薬学的に有効な量のスクアレ合成酵素阻害剤を含む。
【0066】
本発明のスクアレン合成酵素阻害剤は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートを非経口投与するとき、注射部位での局所的刺激を遮断するのに有用である。本発明のスクアレン合成酵素阻害剤の非限定的な例は4つの群に分類することができる:ザラゴジン酸/スクアレスタチン、ホスフェート誘導基質類似体、カルボン酸誘導化合物、並びにキヌクリジンおよび関連アミン。
【0067】
ザラゴジン酸/スクアレスタチンの天然イソ型は2,8−ジオキソビシクロ[3.2.1]オクタン−3,4,5−トリカルボン酸環系を特徴とする。これらの天然形態は真菌発酵および天然産生物から単離することができ、多様な半合成および合成類似体の出発物質としても役立つ。本発明のザラゴジン酸/スクアレスタチンには、Merck & Co.,Inc.の米国特許第5,506,262号および第5,369,125号;Takedaの日本特許第7173166号;三共株式会社(Sankyo Co.Ltd.)の日本特許第9124655号;ファイザー株式会社(Pfizer,Inc.)の米国特許第5,430,055号;Glaxo Group Ltd.の米国特許第5,409,950号;およびSagami Chuo Kagaku Kenkyujoの日本特許第9227566号に記載される化合物が含まれる。ザラゴジン酸/スクアレスタチンの非限定的な例には、以下のものが含まれる:
【0068】
【化2】
【0069】
ホスフェート誘導阻害剤は、元はスクアレン合成酵素の基質類似体として設計され、ER Squibb & Sons,Inc.の米国特許第5,374,628号、第5,428,028号、第5,470,845号、第5,447.922号およびRhone−Poulenc Rorer Pharm.,Inc.の米国特許第5,441,946号に記載される化合物が含まれる。ホスフェート誘導阻害剤の非限定的な例には以下のものが含まれる:
【0070】
【化3】
【0071】
代表的なカルボン酸誘導阻害剤は、1つ以上のカルボン酸残基に結合する親油性基(1つもしくは複数)を有することを特徴とする。本発明の化合物のカルボン酸誘導残基は、三共株式会社(Sankyo Co.Ltd.)の日本特許第7041454号;中外製薬株式会社(Cugai Seiyaku Kabushiki Kaisha)のWO9504025;Cancer Res.Campaign Tech.Ltd.のWO9740006;万有製薬株式会社(Banyu)の日本特許第7173120号;Abbott LabのWO9633159およびWO9521815;武田薬品工業株式会社(Takeda Chem.Ind.Ltd.)のEP645377、EP645378およびWO9521834;ファイザー株式会社(Pfizer,Inc.)のWO9748701およびEP814080に開示される。カルボン酸誘導体阻害剤の非限定的な例には以下のものが含まれる:
【0072】
【化4】
【0073】
ビアリールキヌクリジン、キヌクリジン誘導体および関連アミンがスクアレン合成酵素阻害剤であり、これらにはZeneca Ltd.のWO9403541、WO9405660およびWO9535295;山之内製薬株式会社(Yamanouchi Pharm.Co.Ltd.)のWO9626938および日本特許第8134067号;Rhone−Poulenc Rorer Pharm.,Inc.の米国特許第5,385,912号、第5,494,918号、第5,395,846号、第5,451,596号、WO9531458およびWO9500146に記載される化合物が含まれる。キヌクリジンおよび関連アミンの非限定的な例には以下のものが含まれる:
【0074】
【化5】
【0075】
2種類以上のスクアレン合成酵素阻害剤の混合物を用いることができることは認識される。
【0076】
スクアレン合成酵素阻害剤の正確な投与量は、投薬スケジュール、選択される化合物、哺乳動物もしくはヒトの年齢、大きさ、性別および状態、治療しようとする障害の性質および重篤性、並びに他の関連する医学的および身体的要素に従って変化する。したがって、正確な薬学的に有効な量を予め指定することはできず、介護者または臨床医が容易に決定することができる。適切な量は定型的な実験によって動物モデルおよびヒト臨床研究から決定することができる。一般には、適切な量は、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートの潜在的に有害な胃腸効果の阻害が得られるように選択される。その量は、窒素含有ビスホスホネートの所望の骨吸収阻害効果を阻害するレベルを下回らなければならない。スクアレン合成酵素阻害剤については、ヒトに投与することができるヒト用量は、他の範囲を用いることもできるが、約25ng/日から約10mg/日、好ましくは約25ナノグラムから約1ミリグラムの範囲である。非限定的な例示用量は、ヒト被験者に対して約1マイクログラムである。週1回投与においては、他の範囲を用いることもできるが、スクアレン合成酵素阻害剤を約25ng/用量から約10mg/用量、好ましくは約25ナノグラムから約1ミリグラムをヒトに投与することができる。非限定的な例示用量は、ヒト被験者に対して約1マイクログラムである。
【0077】
医薬組成物の他の成分
ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートおよびスクアレン合成酵素阻害剤は、典型的には、通常の医薬実務に一致して非経口投与に関して適切に選択される、ここで集合的に「担体物質」と呼ばれる適切な医薬希釈剤、賦形剤、または担体と混合された状態で投与される。
【0078】
非経口投与、特には、皮下投与については、薬剤を典型的には水性ビヒクル、例えば、無菌水または無菌等張(0.9%)塩化ナトリウム中で組み合わせる。
【0079】
本発明において用いられる化合物は、標的化可能な薬物担体としての可溶性ポリマーと結合させることもできる。そのようなポリマーには、ポリビニル−ピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシルプロピル−メタクリルアミド等が含まれ得る。
【0080】
本発明の方法
本発明は、哺乳動物における異常骨吸収の治療方法を含む。また、本発明は、哺乳動物における異常骨吸収の予防方法も含む。本発明の好ましい実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0081】
本発明の方法および組成物は、異常骨吸収およびそれに関連する状態の治療および予防の両者に有用である。異常骨吸収に関連する状態には、全身性および局所的の両者の骨喪失が含まれる。その上、パジェット病におけるような異常構造を有する骨の創出も異常骨吸収に伴い得る。「全身性骨喪失」という用語は、複数の骨格部位での、または骨格系全体を通しての骨喪失を意味する。「局所的骨喪失」という用語は、1つ以上の特定の限定された骨格部位での骨喪失を意味する。
【0082】
全身性骨喪失は、しばしば、骨粗鬆症を伴う。骨粗鬆症は、エストロゲン産生が大きく減少している閉経後の女性において最も一般的である。しかしながら、骨粗鬆症はステロイド誘導性でもあり得、年齢のために男性においても観察されている。骨粗鬆症は疾患、例えば、関節リウマチによって誘導されることがあり、二次的原因、例えば、糖質コルチコイド治療によって誘導されることがあり、または同定不能の原因で生じ、すなわち、突発性骨粗鬆症であることもある。本発明において、好ましい方法には骨粗鬆症のヒトにおける異常骨吸収の治療または予防が含まれる。
【0083】
局所的骨喪失は歯周病、骨折、および補綴物周囲骨溶解(換言すると、補綴移植片の近傍で骨吸収が生じている場所)に関連付けられている。
【0084】
全身性または局所的骨喪失は不使用から生じることがあり、これはしばしばベッドもしくは車椅子に拘束されている者、またはギプス内もしくは牽引状態に留められている固定化肢を有する者にとって問題である。
【0085】
本発明の方法および組成物は以下の状態または疾患状態の治療およびまたは予防に有用である:閉経後骨粗鬆症、糖質コルチコイド誘導骨粗鬆症、男性の骨粗鬆症、疾患誘導骨粗鬆症、突発性骨粗鬆症を含み得る骨粗鬆症;パジェット病;異常に増加した骨ターンオーバー;骨軟化症;歯周病;補綴物周囲骨溶解を伴う局所的骨喪失;および骨折。
【0086】
本発明の組成物および方法は、所望の治療効果が達成されるまで投与および実施される。
【0087】
本発明の方法においては、一般に、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートおよびスクアレン合成酵素阻害剤を同時に投与する。代わりの実施形態においては、ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートおよびスクアレン合成酵素阻害剤を連続的に投与することができる。
【0088】
以下の例は本発明をより良好に説明するために示される。
【実施例1】
【0089】
ALNによってCh1.Es食道線維芽細胞中に誘導されたタンパク質イソプレニル化の阻害のスクアレン合成酵素阻害剤抑制
Ch1.Es線維芽細胞を培養して24時間成長させた後、300μMのアレンドロネート[ALN]で処理した。細胞を24時間処理し、タンパク質分解物をタンパク質イソプレニル化の抑制について分析した。マーカーには、ファルネシル化が存在しないときにより緩慢に移動するファルネシル化タンパク質抗−hDNAJ(2本のバンドが観察される)または、イソプレニル化が遮断される場合にRap1Aに優先的に結合することを我々が従来示している抗−Rap1A(バンドの存在はタンパク質ゲラニルゲラニル化がないことを示す)のいずれかが含まれていた。図1を参照のこと。
【0090】
(A)細胞を予備処理なし、または3μMのスクアレン合成酵素阻害剤、ザラゴジン酸(Zara−A)(指示される3つのレーン)で24時間予備処理した。これを、示されているように、ALN、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ阻害剤(GGTI、100nM)またはゲラニルゲラニオール(GGOH)の存在下または不在下でさらに24時間継続した。GGTIではなくALNのゲラニルゲラニル化の抑制がZara−Aの添加によって低下したことに注目のこと。
【0091】
(B)細胞を様々な濃度のZara−A(0および0.1μMから10μM)で24時間予備処理した後、ALNの不在下または存在下においてさらに24時間継続した。Zara−Aの不在下において、ALNがファルネシル化およびゲラニルゲラニル化の両者を強力に阻害することに注目のこと。Zara−Aは用量依存的にALNの効果を低下させる。
【0092】
(A)および(B)において、Zara−Aは、コレステロール合成のためのファルネシルジホスフェート貯蔵物の使用を妨げることにより分子トラップとして作用する。このように、ファルネシルジホスフェートおよびその誘導体、ゲラニルゲラニルジホスフェートのプールは、ALNが細胞に添加された後でさえ、タンパク質イソプレニル化経路に向けられる。
【実施例2】
【0093】
本発明の具体的な実施形態として、0.5mgのファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および5マイクログラムのスクアレン合成酵素阻害剤を総容積0.5mLまでの無菌等張(0.9%)塩化ナトリウムに溶解する。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1A】Ch1.Es食道線維芽細胞において誘導されたタンパク質イソプレニル化の阻害の、アレンドロネートによるスクアレン合成酵素阻害剤抑制。 Ch1.Es線維芽細胞を培養により24時間成長させた後、300μMのアレンドロネート[ALN]で処理した。細胞を24時間処理し、タンパク質溶解物をタンパク質イソプレニル化の抑制について分析した。マーカーには、抗−hDNAJ、ファルネシル化が存在しないときにより緩慢に移動するファルネシル化タンパク質(2本のバンドが観察される)または、イソプレニル化が遮断される場合にRap1Aに優先的に結合することを我々が従来示している抗−Rap1A(バンドの存在はタンパク質ゲラニルゲラニル化がないことを示す)のいずれかが含まれていた(Reszka,A.A.,Halasy−Nagy,J.and Rodan,G.A.,Molecular Pharmacology 59:193−202,2001を参照)。(A)細胞を予備処理なし、または3μMのスクアレン合成酵素阻害剤、ザラゴジン酸(Zara−A)(指示される3つのレーン)で24時間予備処理した。続いて、細胞をアレンドロネート(ALN、300μM)またはゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ阻害剤(0.1μM)で処理した。GGTIではなくALNで、細胞をZara−Aで予備処理したときにRap1Aゲラニルゲラニル化の阻害(イムノブロットにおいて暗帯の存在として現れる)が消失することに注目のこと。
【図1B】Ch1.Es食道線維芽細胞において誘導されたタンパク質イソプレニル化の阻害の、アレンドロネートによるスクアレン合成酵素阻害剤抑制。 Ch1.Es線維芽細胞を培養により24時間成長させた後、300μMのアレンドロネート[ALN]で処理した。細胞を24時間処理し、タンパク質溶解物をタンパク質イソプレニル化の抑制について分析した。マーカーには、抗−hDNAJ、ファルネシル化が存在しないときにより緩慢に移動するファルネシル化タンパク質(2本のバンドが観察される)または、イソプレニル化が遮断される場合にRap1Aに優先的に結合することを我々が従来示している抗−Rap1A(バンドの存在はタンパク質ゲラニルゲラニル化がないことを示す)のいずれかが含まれていた(Reszka,A.A.,Halasy−Nagy,J.and Rodan,G.A.,Molecular Pharmacology 59:193−202,2001を参照)。 (B)細胞を様々な濃度のZara−A(0および0.1μMから10μM)で24時間予備処理した後、ALNの不在下または存在下においてさらに24時間継続した。Zara−Aが、hDNAJファルネシル化(阻害は、いかなる処理もなしに見られるhDNAJバンドの上の暗色バンドの形成として現れる)およびRap1Aゲラニルゲラニル化を阻害するALNの能力を用量依存的に消失させたことに注目のこと。
【図2】Ch1.Es食道線維芽細胞においてALNによって誘導されるアポトーシスの誘導のスクアレン合成酵素阻害剤抑制 Ch1.Es細胞をZara−Aの不在下(上パネルおよび下パネル)または存在下(中央)において24時間成長させた。さらに24時間継続し、細胞をビスホスホネートなし((No BP)、ALN(300μM)またはALNおよび10μMのゲラニルゲラニオール(GGOH)で処理した。アポトーシスを細胞の丸まりおよび皿からの脱着として観察する。
【図3】リポタンパク質の不在下におけるスクアレン合成酵素阻害剤はアレンドロネートおよびリセドロネート誘導アポトーシスを最大に抑制する。 Ch1.Es細胞をウシ胎児血清(FBS)(上パネル)またはZara−A(10μM)の不在下(中央)もしくは存在下(下)におけるリポタンパク質欠乏FBS(LPDS)のいずれかにおいて24時間成長させた。さらに24時間継続し、細胞をビスホスホネートなし((No BP)、ALN(300μM)またはリセドロネート[RIS](300μM)で処理した。表現型を図2と同様に評点した。アポトーシスの抑制はZara−Aの包接の後にほぼ完了する。
【図4】ALNおよびRISはCh1.Es食道線維芽細胞においてプロアポトーシスキナーゼ(pro−apoptotic kinases)を活性化する。 細胞をビヒクル、ALN(300μM)、RIS(300μM)、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤ロバスタチン(10μM)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI、100nM)またはゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ阻害剤(GGTI、100nM)の存在下において24時間成長させた。細胞溶解物を、イン・ゲルキナーゼ・アッセイ(上)を用いて、または活性MAPキナーゼ(Erk1および2)、p38、もしくはJun N末端キナーゼ(Jnk)を認識する抗ホスホ特異的抗体を用いる免疫ブロットによって分析した。
【図5】アレンドロネートおよびリセドロネートによって誘導される皮膚刺激はイン・ビボにおけるHMG CoA−レダクターゼの阻害によって模倣される。 ラットに5日間(ビヒクル、ALN[0.5mg/kg]もしくはRIS[0.5mg/kg])または2日間(ビヒクルもしくは10mg/kgのシンバスタチン[SIM])皮下注射した。剖検の後に皮膚を回収し、ホルマリンで固定して薄片化し、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。各々の患部の厚みおよび長さを測定することによって面積を決定し、対H2O対照として表す。
【図6】スクアレン合成酵素阻害剤はイン・ビボにおけるALN誘導皮膚刺激を抑制する。 ラットにH2Oビヒクル、ALN[0.5mg/kg、Zara−A(3μg/kg)を伴うALNまたはZara−A単独を5日間皮下注射した。試料を図4と同様に処理した。反転した「T」はALNによる患部の厚みおよび長さを示すのに用いられる。
【図7】スクアレン合成酵素阻害剤はイン・ビボにおけるALNまたはRIS誘導皮膚刺激を抑制する。 ラットにH2Oビヒクル、ALNもしくはRIS(0.5mg/kg)、Zara−A(3μg/kg)を伴うALNもしくはRISまたはZara−A単独を5日間皮下注射した。剖検の後に皮膚を回収し、キャリパ・マイクロメーターを用いて患部を厚みおよび直径について測定した。患部は形状が円形であり、したがって、その円の面積に厚みをかけることによって体積分析を決定した。ビヒクル対照においては体積が50mmから100mm3の範囲であったのに対して、RISまたはALNでの処理の後には、それぞれ、それが240から280の範囲であったことに注目すること。Zara−Aとの同時投与は、ALNまたはRISのいずれかによって誘導される肥厚を有意に減少させた(P≦0.01)。
Claims (19)
- ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤を含む医薬組成物。
- 前記ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートがアレンドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、リセドロネート、ピリドロネート、パミドロネート、ゾレンドロネート、それらの医薬適合性の塩、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記スクアレン合成酵素阻害剤がザラゴジン酸Aおよびそれらの医薬適合性の塩である、請求項4に記載の医薬組成物。
- 前記ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートがアレンドロネートおよびそれらの医薬適合性の塩である、請求項5に記載の医薬組成物。
- 前記ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートがアレンドロネート一ナトリウム三水和物である、請求項6に記載の医薬組成物。
- 1mgから100mgのファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および25ナノグラムから1ミリグラムのスクアレン合成酵素阻害剤を含む医薬組成物。
- 2mgから70mgのファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩および1マイクログラムから1ミリグラムのスクアレン合成酵素阻害剤を含む、請求項8に記載の医薬組成物。
- アレンドロン酸重量基準で1mgから100mgのアレンドロネート一ナトリウム三水和物および1マイクログラムから1ミリグラムのザラゴジン酸Aを含む医薬組成物。
- アレンドロン酸重量基準で約2mgから約70mgのアレンドロネート一ナトリウム三水和物および約1マイクログラムから約1ミリグラムのザラゴジン酸Aを含む、請求項10に記載の医薬組成物。
- ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートおよびスクアレン合成酵素阻害剤を組み合わせることによって調製される医薬組成物。
- ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤を投与することを含む、骨吸収の阻害を、それらを必要とする哺乳動物において行うための方法。
- 前記哺乳動物がヒトである、請求項13に記載の方法。
- ファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩およびスクアレン合成酵素阻害剤を投与することを含む、骨粗鬆症またはパジェット病の治療または予防を、それらを必要とする哺乳動物において行うための非経口方法。
- 前記哺乳動物がヒトである、請求項15に記載の方法。
- 前記ジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩がアレンドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、リセドロネート、ピリドロネート、パミドロネート、ゾレンドロネート、それらの医薬適合性の塩、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
- 前記スクアレン合成酵素阻害剤がザラゴジン酸A、ザラゴジン酸B、ザラゴジン酸C、スクアレスタチンS、並びにそれらの医薬適合性の塩および混合物からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
- スクアレン合成酵素阻害剤およびファルネシルジホスフェート合成酵素阻害性ビスホスホネートまたはそれらの医薬適合性の塩を連続的に投与することを含む、骨吸収の阻害を、それらを必要とする哺乳動物において行うための方法。
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