JP2004532215A - 睡眠時の自律的安定性に関するカンナビノイドの機能的役割 - Google Patents

睡眠時の自律的安定性に関するカンナビノイドの機能的役割 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般に、カンナビン模擬剤またはその配合物の投与を介して、睡眠関連呼吸障害を予防または改善をするための薬理学的方法に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本願は、2001年4月6日に出願された米国仮特許出願第 60/281,949 号の優先権を請求するものである。
【0002】
本発明は、一般に、呼吸障害の薬理学的治療方法に関し、具体的には、(中枢性および閉塞性の)睡眠時無呼吸およびその他の睡眠関連呼吸障害を緩和するカンナビン様活性を有する薬剤または薬剤配合物を投与する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
睡眠時に生じる様々な呼吸障害に起因して、起きている間に眠気が続き、これにより、かなりの経済的損失(例えば、数千人時の損失)または勤務時の安全性の低下(例えば、重機を操作している従業員の注意力の欠如)などを招く結果となっており、これら呼吸障害のグループに関するたゆまぬ研究が、過去数年間にわたって行われてきた。 睡眠関連呼吸障害には、反復的な呼吸の減少(呼吸低下)、断続的な呼吸の停止(無呼吸)または、連続的、すなわち、持続的な換気の減少という特徴がある。
【0004】
一般的に、睡眠時無呼吸とは、睡眠時の鼻および口での断続的な気流の停止と定義されている。 慣習的には、少なくとも10秒間継続する無呼吸が重要であると考えられてきたものの、大部分の症例において、無呼吸は20秒〜30秒間継続し、そして、時には2〜3分間もの長きに至る場合もある。 臨床的に重要であると判断される無呼吸の最小値に関しては、いくつかの不確定性要素があるものの、多くの患者は、睡眠時に一時間当たりで少なくとも10〜15回の無呼吸を経験してから、医師のもとを訪ねるようである。
【0005】
睡眠時無呼吸は、三つのタイプ、すなわち、中枢性、閉塞性および混合型に分類されている。 中枢性睡眠時無呼吸では、すべての呼吸筋への中枢性出力が一時的に完全に喪失する。 閉塞性睡眠時無呼吸では、口腔咽頭の気道の閉塞が故に、呼吸出力が継続しているにもかかわらず、気流が停まってしまう。 中枢性無呼吸とそれに続く閉塞要因からなる混合型の無呼吸は、閉塞性睡眠時無呼吸の一種の変形である。 最も一般的なタイプの無呼吸は、閉塞性睡眠時無呼吸である。
【0006】
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、勤労成人男性の24%および勤労成人女性の9%において認められており、60歳に罹患率のピークを迎える。 OSASに固有の特徴である習慣的な激しいいびきは、中高年男性の最大で24%、そして、中高年女性の最大で14%において報告されており、患者が高齢になるに従い、その罹患率も高くなる。
【0007】
閉塞性睡眠時無呼吸症候群によって上気道が閉塞するが、その多くが、口腔咽頭部の閉塞である。 結果的に生じる無呼吸によって患者が睡眠状態から一時的に目覚めてから、気道の開通が回復して気流が復活するまでの間は、進行性の窒息状態に陥る。
【0008】
OSASにおいて上気道の失調を招く主要な因子とは、気道の安定性を維持するために機能する気道の拡大筋および外転筋の能力を超える吸息が作用する間に生じる危機的な減圧である。 睡眠は、拡大筋および外転筋を含む上気道の筋肉の活動を抑える、という重要な役割を果たしているのである。
【0009】
OSASの患者の多くが、気道の構造的な窮屈さが故に、気道の開通が難しくなって、閉塞を招きやすくなっている。 この構造上の窮屈に関連する症例として、明白な解剖学上の異常、すなわち、アデノイド肥大、下顎後退症または巨舌症に起因した症例などが、少数ながらも存在している。 しかしながら、OSASにかかりやすい患者の多くに見られる構造上の異常とは、ただ単に気道が微妙に小さいこと、すなわち、「咽頭の叢生」によるものである。 肥満症も、上気道の縮小を高頻度で招く。 いびきは、実際のところは、上気道内腔の縮小に起因する口蓋および咽頭での軟組織の高周波数振動であり、通常は、軟組織における浮腫の発生を介して狭窄を悪化させる。
【0010】
OSASに特有の夜間の窒息および睡眠からの覚醒という再発性症状の発現によって、一連の生理学上の二次的症状が現れる。 この症状は、この症候群の臨床上の合併症を次々に引き起こす。 最も一般的な症状の発現は、再発性の覚醒応答によって誘発される睡眠の断片化と、徐波睡眠の喪失に起因すると考えられている神経精神病学上および行動上の障害である。 夜間の脳低酸素もまた、重要な役割を演じるかもしれない。 最も一般的な症状の発現は、昼間に度を超えた眠気を催すことである。 OSASは今や、昼間に催す眠気の主原因として認識されており、そして、交通事故を誘発する危険因子と関係している。
【0011】
その他に関係する症状として、知能障害、記憶喪失、人格障害およびインポテンスなどがある。
【0012】
その他の主要な症状の発現として、心肺機能に関するものがあり、これは、夜間の窒息の再発的発現に起因するものと考えられている。 大抵の症例において、無呼吸の間に、心拍数が、一分間に30回〜50回の拍動にまで周期的に減少し、その後、換気段階の間に、一分間あたり90回〜120回の拍動という頻脈を示す。 少数の症例にあっては、不全収縮を伴う危険な徐脈が8〜12秒間継続し、あるいは、持続不可能な心室性頻拍を含む危険な頻拍性不整脈が現れる。 OSASは、潜在的な心臓病患者の左室不全をも、さらに悪化させる。 この合併症は、ほとんどがおそらく、各閉塞性症状の間に高まった左心室後負荷の影響の組み合わせが原因であり、胸腔内圧力の低下、再発性の夜間の低酸素血症、および慢性的に亢進する交感神経副腎の活動が派生的な原因である。
【0013】
中枢性睡眠時無呼吸は、一つの症候群としては、OSASほど一般的ではない。 しかしながら、中枢性睡眠時無呼吸は、昼間に起こる呼吸不全または断続的な呼吸に関連する内科的疾患、神経性疾患および/または神経と筋肉の異常を伴う広範囲の患者に認められる。
【0014】
中枢性睡眠時無呼吸になると、呼吸筋への中枢性の出力が、一時的に停止する。 その結果として生じる無呼吸によって、OSASの症状と類似した症状が初期に続発することになる。 いくつかの潜在的なメカニズムが、結果として、睡眠中に呼吸器の活動の停止を招く可能性がある。 代表的なものに、代謝性呼吸器調節系および呼吸器の神経筋器官の欠陥である。 その他の中枢性睡眠時無呼吸障害は、他に欠陥が認められない無傷の呼吸器調節系での一時的な不安定状態に起因する。
【0015】
健常者の多くは、睡眠時、特に、睡眠直後とレム睡眠時にわずかな回数の中枢性無呼吸を起こす。 これらの無呼吸は、生理学上または臨床上の障害とは全く関係がない。 臨床的に明らかな中枢性睡眠時無呼吸を伴う症例では、この障害に特有の現象が初期に続くことが、生理学上および臨床上の明確な結果に至る。 中枢性睡眠時無呼吸の患者では、肺胞性低換気症候群や、昼間の炭酸ガス過剰症および低酸素血症が日常的に明確であり、そして臨床像は、再発性の呼吸不全、赤血球増加症、肺性高血圧、それに右室側の心不全といった病歴に支配される。 睡眠不足、朝の頭痛、それに昼間の疲労感および眠気といった症状の訴えも顕著である。 それとは対照的に、呼吸器の活動の不安定な状態に起因する中枢性睡眠時無呼吸を伴う患者では、その臨床像は、再発性の夜間の覚醒、朝の疲労感、それに昼間の眠気などの睡眠障害に関する特徴に支配される。
【0016】
現在のところ、睡眠時無呼吸およびその他の睡眠関連呼吸障害を伴う成人患者のための最も一般的でかつ最も効果的な治療法は、気道に陽圧(PAP)を負荷するという機械的な治療法である。 PAP療法の下では、患者の鼻を密着して覆うプラスチック製のマスクを、患者は、睡眠時に装着する。 このマスクはコンプレッサーと接続されており、コンプレッサーから強制的に鼻の中に空気が送給されて、患者の気道内に陽圧が負荷される。 この方法の原理は、気道に圧力を負荷することで、機械的な「副木」作用を提供するものであり、これにより気道の失調が防止され、その結果、閉塞性睡眠時無呼吸が防がれるのである。 PAP療法を施したほとんどの患者に効果的な治療結果が認められるのにもかかわらず、器具や負荷圧力に我慢できずに、治療を拒否してしまう患者も多い。 さらに、秘密裏に実施された最近のモニタリング結果は、長期間のPAP治療の達成例が極めて少ないことを示している。
【0017】
OSASを治療するために、上気道および脳顔面頭蓋に対する種々の外科的処置が試みられてきた。 多数の子供たちに関して、アデノイド口蓋扁桃摘出術が、OSASの有効な治療法であると考えられている。 しかし、このような上気道の外科的処置を、成人のOSAS患者の治療のために適用することは稀である。 外科的処置の「成功」とは、一般的に、無呼吸の発生率が50%減少することとされており、そして、外科的処置において効果が認められた症例と、そうでない症例とを判別するための有用な選別方法は存在していない。
【0018】
睡眠時無呼吸の患者に対して、幾つかのタイプの薬理学的治療法が試みられてきたが、現在までのところ、汎用可能な方法は見出されていない。 ハドゲル(Hudgel)は、最近になって、これらの試みに関する体系的な総説を紹介している〔J. Lab. Clin. Med., 126: 13-18 (1995)〕。 呼吸促進薬の性質が期待されるという理由で、多数の化合物が試験されてきた。 これらには、(1)中枢性無呼吸の初期症例を時々好転させる一方で、閉塞性無呼吸を促進させるカルボニックアンヒドラーゼ阻害剤であるアセタゾールアミド、(2)OSASに関する再現性のない効果を示すプロゲスチンであるメドロキシプロゲステロン、および(3)喘息の治療によく使われる化合物であって、中枢性無呼吸患者に有用かもしれないが、閉塞性無呼吸の成人患者への適用は考えられないテオフィリンが含まれる。
【0019】
他に試みられた薬理学的治療として、アデノシン、アデノシン類似体およびアデノシン再取込阻害剤(米国特許第 5,075,290号)の投与がある。 特に、体内の至るところで認められ、かつOSASの患者にて高濃度で認められる化合物であるアデノシンは、呼吸を刺激することが知られており、また、睡眠時無呼吸の動物モデルにおける無呼吸を若干軽減する効果を有する。
【0020】
その他に考えられるOSASの薬理学的治療法として、脳の活動を刺激する薬剤、すなわち、オピオイド拮抗薬がある。 特に、OSASでは脳脊髄液のオピオイド活性の高まりが認められるため、中枢興奮薬、すなわち、オピオイド拮抗薬がOSASの治療の役に立つだろうことは当然に想到しうる。 現実的には、中枢神経系と頸動脈小体化学受容器を刺激するドキサプラムは、閉塞性睡眠時無呼吸の患者において、無呼吸の長さは短縮するものの、動脈血酸素飽和度の平均値を変化させることがない、ことが明らかとなった。 換気を刺激することが知られているオピオイド拮抗薬のナロキソンは、閉塞性睡眠時無呼吸の患者においては、わずかにしか効果を示さなかった。
【0021】
高血圧の発生とOSASとの関連性が強いことから、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤などの薬剤は、高血圧を伴うOSASの症例の治療において有益であろう。 しかしながら、それによって、OSASそれ自体の現実的な治療になるとは考えられない。
【0022】
最後に、神経伝達物質および呼吸に関与する神経伝達物質系に作用する幾つかの薬剤を、OSASの患者で試験を行った。 これらの化合物のほとんどは、ノルエピネフリン、ドーパミンおよびセロトニンなどのモノアミン神経伝達物質の活性を高めることによって作用する抗鬱薬として開発されてきたものである。 安定しない結果と頻繁かつ顕著な副作用が伴う幾つかの小規模の試験において、三環系抗鬱薬であるプロトリプチリンを用いて試験した。 セロトニンは、睡眠を促進し、そして呼吸を促すかもしれないため、セロトニンの前駆体であるトリプトファンと選択的セロトニン再取込阻害剤を、OSASの患者に用いて試験を行った。 セロトニン再取込阻害剤であるフルオキセチン(米国特許第 5,356,934号)を適用するために、患者に処方したところ、当初の証拠は、これらの化合物がOSASの患者の約50%についてのみに測定可能な程度の効果をもたらしたようである、ことを示している。 したがって、睡眠関連呼吸障害の患者のために適用可能な治療が、患者の達成度が小さい機械的な治療形態(PAP)だけであるという事実、そして薬理学的治療が期待されているにもかかわらず、未だにそれも実現していないという事実を考慮すれば、様々な睡眠関連呼吸障害を患った患者に対して広範な効果をもたらす、薬理学に基づく純粋な治療法の必要性は依然として残されている。 また、睡眠関連呼吸障害に対する適用可能で、患者の達成度も良好な好適な治療法についても、依然として必要とされているのである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、睡眠関連呼吸障害(例えば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群、上気道抵抗症候群、未熟児無呼吸発作、先天性中枢性低換気症候群、肥満低換気症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、チェーン−ストークス呼吸、およびいびきなどであるが、これらに限定されない)の予防または改善のための薬理学的処置方法の提供に関する。
【0024】
本発明は、処置を必要とする患者に、有効量のカンナビン模擬剤またはカンナビン模擬剤配合物を投与する、ことを含む睡眠−呼吸障害を予防または改善する方法に関する。
【0025】
このようなカンナビン模擬剤として、以下のもの、すなわち;
(a)アラキドニル-2'-クロロエチルアミド、アラキドニルシクロプロピルアミドおよびメトアナンダミドからなるグループから選択されるCB-1レセプターアゴニスト;
(b)L-759633、L-759656、JWH-133、HU-308およびパルミトイルエタノールアミドからなるグループから選択されるCB-2レセプターアゴニスト;
(c)9-テトラヒドロカンナビノール、8-テトラヒドロカンナビノール、HU-210、CP55940、WIN55,212-2、O-1057、2-アラキドノイルグリセロール、アナンダミド、デキサナビノール、ナビロン、レボナントラドール、およびN-(2-ヒドロキシエチル)ヘキサデカノアミドからなるグループから選択される非選択的カンナビノイドレセプターアゴニスト;および
(d)オレアミド、リノレオイルエタノールアミドおよびオレオイルエタノールアミドからなるグループから選択されるエンドカンナビノイド、がある(しかしながら、これらに限定されない)。
【0026】
本発明はさらに、睡眠関連呼吸障害の予防または改善に関するものであって、この方法は、処置を必要とする患者に、カンナビノイドの代謝を阻害する有効量の薬剤またはカンナビノイドの代謝を阻害する薬剤配合物を投与することを含む。 このような薬剤として、フェニルメチルスルホニルフルオリド、パルミチルスルホニルフルオリド、ステアリルスルホニルフルオリド、メチルアラキドニルフルオロホスフェートおよびO-1887がある(しかしながら、これらに限定されない)。
【0027】
本発明はさらに、処置を必要とする患者に、エンドカンナビノイドの膜輸送を阻害する有効量の薬剤またはエンドカンナビノイドの膜輸送を阻害する薬剤配合物を患者に投与することを含む、睡眠関連呼吸障害を予防または改善する方法に関する。 このような薬剤として、AM404、VDM11およびアルバニルがある(ただし、これらに限定されない)。
【0028】
本発明はさらに、処置を必要とする患者に、有効量のカンナビン模擬剤前駆体もしくはプロドラッグまたはカンナビン模擬剤前駆体もしくはプロドラッグ配合物を患者に投与することを含む、睡眠関連呼吸障害を予防または改善する方法に関する。 このような薬剤として、N-アラキドノイルホスファチジルエタノールアミンおよびデキサナビノールの第四級窒素を含有するグリシン酸エステルがある(ただし、これらに限定されない)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
大麻は、周知の行動上の影響を引き起こす物質であり、また、大麻の活性成分と結合する二つのタイプのGタンパク質結合レセプター(CB1およびCB2)の特徴決定も行われてきた〔シャイアー(Shire)ら、Life Sci., 65: 627-35 (1999)〕。 十分に認識されているこのような影響があるにもかかわらず、CB1およびCB2レセプターに関する内因性リガンドの機能的役割には、不明な点が依然としてある〔メコウラム(Mechoulam)ら、Prog. Med., Chem., 35: 199-243 (1998)〕。 初期の観察結果は、これらのエンドカンナビノイドが、神経調節的な役割を果たすかもしれないことを示唆している〔クラバット(Cravatt)ら、Science, 268: 1506-9 (1995);メンデルソン(Mendelson)ら、Neuroreport, 10:3237-9 (1999);サンツッチ(Santucci)ら、Life Sci, 58: L103-10 (1996);バルガ(Varga)ら、Eur. J. Pharmacol, 278: 279-83 (1995);バルガら、Hypertension, 28: 682-6 (1996)〕。 カンナビノイドレセプターは、アヘン誘導体、GABA、ドーパミン、グルタミン酸塩およびセロトニン系と相互作用し〔ジマルゾ(Di Marzo)ら、Trends Neurosci, 21:521-8 (1998)〕、これらのすべては、覚醒のレベルと自律神経の調整に影響を与えるなど、両者において根本的に重要な作用である。
【0030】
特に興味深いことは、末梢神経系内でのセロトニンレセプターの活性化によって、とりわけ、睡眠時に顕著な自律神経の混乱を導き得るという事実である。 例えば、末梢性5-HT3レセプターを刺激することで、とりわけ、急速眼球運動(レム)睡眠時に無呼吸の発現が激化する〔カーリーおよびラドウロバッキー(Carley and Radulovacki)、Chest, 115: 1397-401 (1999)〕。 セロトニンレセプターの機能を変化させることで、エンドカンナビノイドも、睡眠/覚醒および自律神経の挙動に影響を与えるかもしれない。 しかし、セロトニン/カンナビノイドの相互作用は、レセプターのサブタイプの特性であると考えられており、そして、公表された発見において矛盾が完全に無いわけではない。
【0031】
具体的には、幾つかの研究は、カンナビノイドが、セロトニンに対する応答を向上させることを示唆している。 例えば、チアー(Cheer)らは、オレアミドまたはCB1レセプターアゴニストのHU210のいずれか一方を用いた前処理を行うことで、ラットにおける特定の5-HT2レセプター誘発性の運動行動が激しくなったことを見出した〔Neuropharmacol., 38; 533 (1999)〕。 その一方で、キムラ(Kimura)らは、in vitroにおいて、エンドカンナビノイドであるアナンダミドが、シナプス膜での5-HTレセプターの結合性を低下させることを示し〔Biol. Pharm. Bull., 21: 224 (1998)〕、そして、ファン(Fan)は、アナンダミドを含む幾つかのCB1レセプターアゴニストが、ラットの下神経節細胞において、5-HT3レセプターが介在する流動を、投与量依存的に阻害したことを報告している〔J. Neurophysiol., 73:907 (1995)〕。
【0032】
重要な自律神経の混乱は、睡眠のあらゆる段階で起こり得る。 特に劇的な例として、一時的な呼吸の停止、すなわち、無呼吸がある。 無呼吸が睡眠中に頻繁に生じる場合、行動上かつ臨床上において深刻な病的状態が結果として生じる可能性がある。 我々のデータから、無呼吸の発現を投与量依存的に減少させることで、外因性のカンナビノイド(CB1)レセプターアゴニストであるΔ9THC、それに、内因性のカンナビン模倣性脂肪酸アミドであるオレアミドのそれぞれが、すべての睡眠段階において呼吸のパターンを安定化させることが示されている。 この観察結果は、睡眠中の自律神経の安定性を維持する上で、エンドカンナビノイドが重要な役割を果たしていることを示唆している。 我々は、呼吸に与える影響が、末梢神経系におけるカンナビノイドとセロトニンレセプターとの間の阻害的カップリングに起因するかもしれない、という論拠を支持する新規の知見を示すものである。
【0033】
以上のことから、ノンレム睡眠およびレム睡眠時に無意識的な無呼吸の発現が阻害されることを確認するために、自由な行動が許容された動物において、カンナビン模擬剤の効果を試す実験を行った。
【0034】
実施例1には、カンナビン模擬剤を用いて治療するための動物の作出と、それに引き続いて行われる生理学的記録と試験について記載されている。
【0035】
実施例2には、治療動物と対照動物とを生理学的に記録する方法と、カンナビン模擬剤を投与して得られた結果について記載されている。
【0036】
実施例3には、カンナビン模擬剤を投与することによって、睡眠関連呼吸障害を予防または改善するための方法について記載されている。
【0037】
以下の実施例は、本発明の実施態様を例示するものでしかなく、それに基づいて本発明を限定的に解釈すべきではない。
【実施例】
【0038】
実施例1
生理学的試験と記録のための動物の作出
Sprague-Dawleyラットは、すべての睡眠段階において、無意識的無呼吸の形態の呼吸障害を示す。 しかも、レム睡眠の間で最もそれを頻繁に示す(カーリーおよびラドウロバッキー、レム睡眠(Rapid Eye Movement Sleep)、ビー.エヌ.マルリック(B. N. Mallick)、エス.イノウエ(S. Inoue)編;ナロサ・パブリッシング(Narosa Publishing)社、ニューデリー、1999;286-300頁)。 これらの記録データと分析方法は、〔カーリーおよびラドウロバッキー、Chest., 115: 1397 (1999)〕の他の箇所に詳述されている。
【0039】
成体のオスのSprague-Dawleyラット(サスコ−キング(Sasco-King)社、ウィルミントン、マサチューセッツ州;試験グループあたり11匹;300g)を、食餌および水を自由に摂取できるように設計された独立したかごに収容して、12時間の明所(08:00〜20:00の間)/12時間の暗所(20:00〜08:00の間)のサイクルで、一週間育てた。 一週間かけて順化させた後、これら動物を、次の外科的処置に付した。
【0040】
脳波(EEG)を記録するための皮膚電極と、筋電図(EMG)を記録するための頸筋電極とを埋め込むために、ケタミン(ベドコ社(Vedco, Inc.)、セントジョセフ、ミズーリ州;80mg/ml)とキシラジン(ベドコ社、セントジョセフ、ミズーリ州;5mg/ml;4:1、体積/体積)との混合物を、体重1kgあたり1ml用いて、順化させた動物に麻酔をかけた。 頭蓋の表面を外科的に露出させ、そして過酸化水素の20%溶液で、次いで、95%のイソプロパノール溶液で洗浄した。 次に、フッ化ナトリウムの歯科用製剤(Flura-GEL(登録商標)、サスロウデンタル(Saslow Dental)社、マウントプロスペクト、イリノイ州)を添加して、頭頂皮質上の頭蓋を硬化させ、そして、その状態で5分間置いた。 次いで、頭頂皮質上の頭蓋からフッ化物混合物を取り除いた。 リード線が添着した四本のステンレススチール製の小ネジからなるEEG電極を、頭蓋内に貫通させて、頭頂皮質を覆う硬膜上に留めた。 Justi(登録商標)レジンセメント(サスロウデンタル社、マウントプロスペクト、イリノイ州)を薄く塗布して(頭蓋内に埋め込まれたネジの)ネジ頭を覆い、そして、周囲の頭蓋と埋没物との癒着を促した。 二本のボール状の金属線からなるEMG電極を、左右の頸部の筋肉組織内に挿入した。 すなわち、すべてのリード線(すなわち、EEGのリード線およびEMGのリード線)を、小型のコネクター(39F1401、ニューアークエレクトロニクス(Newark Electronics)社、シカゴ、イリノイ州)に、はんだ付けした。 最後に、歯科用セメントを用いて、この組み立て品の全体を頭蓋に固定した。
【0041】
外科手術の後、すべての動物を一週間かけて回復させ、その後、脈拍間隔から推定される血圧(BP)と心拍数(HP)をモニターするための遠隔測定伝達装置(TA11-PXT、データサイエンシーズインターナショナル(Data Sciences International)社、セントポール、ミネソタ州)の埋め込みを伴う別の外科手術を施した。 これらの動物に(上記したようにして)麻酔をかけた後、心窩部の空間から骨盤までの体毛を取り除いた。 ヨウ素ですべての領域を洗浄し、そして、アルコールと生理食塩水で洗浄した。 4〜6cmの腹部正中切開を行って、大動脈分岐から腎動脈までの領域を十分に露出させた。 開創器を用いて腹部の内容物を露出させ、そして、生理食塩水で湿らせたガーゼスポンジを用いて腸を留置した。 滅菌済みの綿製塗布器を用いて、周囲の脂肪および結合組織から大動脈を剥離せしめた。 3-0絹製縫合糸を大動脈の下に置き、そして、その縫合糸を引いて血流量を制限した。 次いで、斜端が湾曲している21-ゲージの針を用いて、その分岐のまさしく上方の位置で大動脈を穿刺したのと同時に、この埋没物(TA11-PXT)を鉗子で把持した。 ガイドとして針を用いて、厚みの小さい血圧センサー部分が管の中に達するまで、カテーテルの先端をその針の下に挿入した。 最後に、組織接着剤(Vetbond(登録商標)、スリーエム(3M)社、ミネアポリス、ミネソタ州)の一滴を、穿刺の部位に滴下し、そして、カテーテルを挿入した後に穿刺を密封するために、小さな正方形のセルロース繊維(約5mm2)で覆った。 3-0絹製縫合糸で、この無線通信埋没物を腹壁に固定し、そして、切り口を層状に塞いだ。 二回目の外科手術の後に、カンナビノイドレセプターアゴニストまたはカンナビン模擬剤の投与と、その後の生理学的記録に先行して、動物に、一週間の回復期間を再度与えた。
【0042】
実施例2
生理学的記録と無呼吸の抑制
Δ9THC(ドロナビノール、ロキサンラボラトリーズ(Roxane Laboratories)社、コロンバス、オハイオ州)を、DMSOで溶解した。 オレアミド(アイシーエヌバイオメディカルズ(ICN Biomedicals)社、オーロラ、オハイオ州)を、20分間、超音波処理して、ピーナッツ油に懸濁させた。 そして、セロトニンを、生理食塩水で溶解した。 各動物に対して、12種類、すなわち、媒体のみ(生理食塩水、DMSOまたはピーナッツ油);Δ9THC単独(0.1、1.0または10.0mg/kg);オレアミド単独(0.1、1.0または10.0mg/kg);セロトニン単独(0.79mg/kg);または注射の組み合わせ(0.1mg/kgのΔ9THCの15分後に、0.79mg/kgのセロトニンまたは0.1mg/kgのオレアミド、次いで、0.79mg/kgのセロトニン)、の腹腔内注射(1ml/kg)を、一度に正確に実施するために、この研究は、万遍なく交互的、再現的に測定する交差方式を採用した。 6時間(10:00〜16:00の間)実施されるポリグラフの15分前に、各注射を行った。 少なくとも三日間の時間を開けてから、各動物についての次の記録を行い、そして、任意の順序で治療を施した。
【0043】
新鮮空気のバイアス流が2L/分の速度で流されて室内が換気された、唯一のチャンバーを具備したプレチスモグラフ(PLYUN1R/U;バクスコエレクトロニクス(Buxco Electronics)社、シャロン、コネティカット州;6インチ×10インチ×6インチの大きさ)内に、各動物を放して、その呼吸を記録した。 動物のコネクターに接続され、かつ埋設されたポートを通るケーブルを用いて、頭部埋没物からの生体電気信号を得た。 呼吸、血圧、EEG活動度およびEMG活動度をビデオモニターに表示し、同時に、一秒間あたりに100回のデジタル化処理を施してコンピューターのディスク装置(エクスペリメンターズウォークベンチ(Experimenter's Workbench);データウェイブテクノロジーズ(Datawave Technologies)社、ロングモント、コロラド州)に保存した。
【0044】
ベニントン(Bennington)ら〔Sleep 17: 28-36 (1994)〕の記載に従い、10秒間の時間内に得られた両頭頂骨部EEG信号および項部EMG信号を用いて、睡眠状態と覚醒状態を評価した。 このソフトウェアは、高いトーンのEMGを同時に伴う高周波数で低振幅のEEGとして現れる覚醒状態(W)、紡錘波およびシータ波が増大すると共にEMGのトーンが減少するノンレム睡眠、それに、シータ波に対するデルタ波の割合が小さく、EMGのトーンも消失するレム睡眠を識別した。 ノンレム睡眠またはレム睡眠として記録される時間を合計したものを百分率で表して、睡眠の効率を測定した。
【0045】
室内空気のバイアス流(2L/分)が、ラットの肺胞換気量よりも一桁以上大きいと、再呼吸が生じないことを確認した。 一回呼吸量に関連する熱変動によって、一回換気量に比例して、プレチスモグラフの圧力に変化が生じた。 バリダイン(Validyne)DP45-14差圧型圧力トランジューサー(±2cm H2O)を用いて、プレチスモグラフの圧力をモニターした。 実証的な各研究に先駆けて、エプスタイン(Epstein)ら(J. Appl. Physiol., 49, 1107 (1980))に記載の方法に従って、プレチスモグラフの一回換気量を較正した。 閾値適合化アルゴリズム(データウェイブシステムズ(Datawave Systems)社、ロングモント、コロラド州)を用いて、各記録時における各呼吸の持続時間および一回振幅値を測定した。 これらの数値から、瞬時の呼吸数(RR)および分時換気量(MV)を、呼吸ごとに各呼吸について計算した。 10秒間の記録期間ごとのRRおよびMVの標準偏差を計算することによって、呼吸の変動性を評価した。 次いで、各々の睡眠状態/覚醒状態について、これらの標準偏差を個別に平均化した。
【0046】
標準的な睡眠時無呼吸の生理学的動物モデル〔ラット;モンチ(Monti)ら、Pharamcol. Biochem. Behav., 51: 125-131; (1995)〕を用いて、カンナビノイドレセプターアゴニスト活性および/またはカンナビン模擬剤活性を有する薬剤の効果を評価した。 具体的には、少なくとも2.5秒間の呼吸努力の停止として定義される睡眠時無呼吸を、各々の記録期間ごとに記録し、そして、睡眠時無呼吸を、それが生じる段階、すなわち、ノンレム睡眠またはレム睡眠と関連付けた。 2.5秒間の持続時間が要求されるということは、少なくとも2回の呼吸の「失敗」を意味するものであり、したがって、このことは、ヒトにおいて10秒間の無呼吸の持続時間が要求されることに等しく、2〜3回の呼吸の失敗にも相当する。 この知見は、中枢性無呼吸を意味するものであった。 というのも、閉塞、すなわち、気道の閉塞に関連して換気が減少することで、プレチスモグラフのシグナルの一時停止というよりも、むしろシグナルが増加することになったからに他ならない。 ある段階における一時間あたりの無呼吸の回数として定義される無呼吸指数(AI)を、ノンレム睡眠およびレム睡眠について個別に決定した。 睡眠段階(ノンレム対レム)の影響および(対照対試験化合物)注射時について、ANOVAを用いて繰り返し測定することによって、試験を行った。 フィッシャー(Fisher)の保証付最小有意差検定(PLSD)を用いて、多重比較を検証した。 さらに、自動分析装置(エクスペリメンターズウォークベンチ;データウェイブテクノロジーズ社、ロングモント、コロラド州)を用いて、各呼吸の時期と量を記録した。 各々の動物について、6時間の対照の記録期間を通して、Wに対する平均呼吸数(RR)および分時換気量(MV)を計算し、そして、それら動物における睡眠時の呼吸および試験化合物を投与した際の呼吸を正規化するための基準線として用いた。 非媒介変数(クラスカル・ウォリス(Kruskal-Wallis))解析によって、一方向ANOVAも行った。 パラメーターANOVAおよび非パラメーターANOVAを用いて得た結論は、すべての場合において同一であった。
【0047】
同様のソフトウェア(エクスペリメンターズウォークベンチ;データウェイブテクノロジーズ社、ロングモント、コロラド州)を用いて、血圧の波形を分析し、そして、各記録の拍動ごとに、収縮期血圧(SBP)および拡張期血圧(DBP)ならびに脈拍間隔を測定した。 心拍数から推定される拍動によって、脈拍間隔から拍動が求められた。 各拍動についてのSBPおよびDBPの加重平均に従って、平均血圧(MBP)、すなわち、MBP=DBP+(SBP-DBP)/3を算出した。 睡眠状態/覚醒状態およびこれらの状態にある記録時間に従って、各拍動に関するパラメーターについても分類した。
【0048】
双方の試験化合物によって、無呼吸に代表される呼吸パターンの極端な変動が軽減された。 すべての睡眠段階において、Δ9THCは、無意識的な無呼吸を強く抑制した(F=2.68;P=0.04)。 しかし、6時間の記録期間を通じて、この効果は時間には依存しなかった(ノンレムについては、F=0.91、p=0.57;レムについては、F=0.71、P=0.82であった)。 この後に、(フィッシャーの保証付最小有意差検定で検証した)比較によって、1.0mg/kgおよび10.0mg/kgのΔ9THCを投与することで、ノンレム睡眠中の無呼吸の頻度が減少し(それぞれについてP=0.03)、その一方で、10.0mg/kgの投与のみではレム睡眠時に顕著に減少した(P=0.03)ことが実証された。
【0049】
内因性の脂肪酸アミドであるオレアミドは、外因性のCB1レセプターアゴニストであるΔ9THCによる無呼吸の抑制とよく似た状態を引き起こした(図1)。 媒体に関して、オレアミドは、ノンレム睡眠時には三種類の投与量のすべてにおいて、そして、レム睡眠時にはより高投与量の二種類において、無呼吸の発現を抑制した(それぞれについてp<0.05)。 最も高い投与量では、Δ9THCおよびオレアミドに関する無呼吸の抑制の程度は同等であった。 オレアミドが無呼吸を抑制する能力は、6時間の記録間隔において持続していた(ノンレムについては、F=1.24、P=0.23;レムについては、F=0.72、P=0.80であった)。
【0050】
Δ9THCおよびオレアミドは共に、平均呼吸数(RR)を変化させたが、逆効果も伴った(図2)。 Δ9THCは、すべての睡眠状態/覚醒状態を通して、RRを投与量依存的に減少させた(F=4.67、p=0.003)。 逆に言えば、オレアミドは、RRを投与量依存的に増加させた。 その効果は、覚醒状態の間にのみ統計的有意性を示した(媒体に対しては10.0mg/kgでp=0.03であった)。 呼吸の分時換気量についても、同等の結果が観察された。あらゆる注射事例において、平均一回換気量は影響を受けなかった。 非急速眼球運動(ノンレム)睡眠時に、予想されるRRの減少も示された(睡眠の効果についてF=25.8、p<0.0001;睡眠状態および注射事例の間の相互作用については、F=1.49、p=0.17であった)。 その効果は、記録間隔全体において明らかであった(睡眠状態および記録時間の間の相互作用については、F=0.98、P=0.52であった。 図2を参照されたい)。
【0051】
オレアミドは、睡眠/覚醒の構成に顕著な変化を生じさせた(図3)。 6時間の記録において(時間と投与量との相互作用については、F=1.38、p=0.14であった)、1.0mg/kgのオレアミドを0.1だけ投与することにより、覚醒状態の減少を伴うレム睡眠の増加が生じ、それに対して10.0mg/kgを投与した結果、レム睡眠の減少を伴うノンレム睡眠の増加が生じた。 オレアミドでのこのような睡眠薬の特性によって、これまでの観察結果(4,14)が確認される。 Δ9THCによって引き起こされる睡眠内容の唯一の変化は、試験を行った内で最も高い投与量において、レム睡眠の発現が減少することであった(−66%、p=0.0002;データは示さず)。
【0052】
先に実証したように、セロトニンは、レム睡眠時の無呼吸の頻度を顕著に増加せしめた(図4)。 セロトニンによる、この重要ではない効果は、0.1mg/kgのΔ9THCまたはオレアミドのいずれか一方で前処理することで完全に阻害された。 この投与量では、投与してから以後は、レム睡眠時において、Δ9THCもオレアミドも、無呼吸の発現に対して何らの影響も及ぼさなかった(図1)。
【0053】
一時的ではあるが生理学的に重要な自律的ホメオスタシスの混乱を、すべてのレベルの睡眠時に観察することができるが、レム睡眠時において、最も頻度が高く、かつ最も激しい。 特に劇的な例として、一時的な呼吸の停止、すなわち無呼吸がある。 睡眠時に頻繁に無呼吸が生じる場合、深刻な行動上かつ臨床上の病的状態が結果として生じる可能性がある。 我々のデータから、無呼吸の発現を投与量依存的に減少させることで、CB1レセプターアゴニストのΔ9THCが、すべての睡眠段階で呼吸パターンを安定化させることを示している。
【0054】
中枢神経系における密度よりも低いにもかかわらず、CB1レセプターは、末梢ニューロンに現れる。 しかしながら、これらレセプターの機能は、十分に解明されていない。
【0055】
測定されるあらゆる作用に対して個別に影響を及ぼすことのない投与量のΔ9THCが、セロトニン誘発性無呼吸の悪化を完全に阻止する能力は、末梢神経系におけるCB1レセプターが、セロトニンレセプターのシグナリングに重大な影響を及ぼすことを示している。
【0056】
末梢神経系のレセプターにおいて、内因性のセロトニンが、無呼吸などの自律的な混乱を促進するように機能する可能性についての言及(9)は、Δ9THCだけを十分に投与することで、無意識的な無呼吸を抑制することが可能であるとする、我々が示した知見(図2)と一致する。
【0057】
エンドカンナビノイドオレアミドは、無意識的な無呼吸およびセロトニン誘発性無呼吸を抑制するというΔ9THCの能力を、完全に模倣していた(図2および図3)。 決定的とは言えないまでも、この類似性は、オレアミドとΔ9THCの作用が、シグナリングカスケードにおける同一の点に収束することを示唆している。 オレアミドによるこれらの効果が、カンナビノイドレセプターを介して直接的に媒介しているとは考えられない。 というのも、オレアミドが、CB1レセプターまたはCB2レセプターに対して、高い親和性で以ってして結合していないことによる。 オレアミドは、今もなお、周囲の影響によって、少なくとも部分的には説明可能なカンナビン模擬剤作用を発揮する。 内因性のCB1アゴニストであるオレアミドおよびアナンダミドは、おそらくは、別個の作用経路だけでなく、共通する作用経路を有する。 Δ9THCおよびオレアミドは、平均呼吸数および分時換気量に逆効果を及ぼすので、この二つの化合物によって引き起こされる呼吸パターンのさらなる安定化によって、呼吸器を刺激する非特異的な副作用は現れない(図1)。
【0058】
我々のデータは、治療または睡眠関連呼吸障害におけるカンナビン模擬剤の使用を検討するための理論的根拠を提供してきた。 これに関連して、オレアミドなどの深い睡眠を促すことが可能なエンドカンナビノイドは、睡眠に効果がない薬剤または睡眠を妨害しない薬剤よりも有利かもしれない。
【0059】
実施例3
無呼吸の抑制
前出の観察結果を考慮すれば、カンナビン模擬剤またはカンナビン模擬剤配合物を投与することで、睡眠関連呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群、乳児期の無呼吸、チェーン−ストークス呼吸、睡眠関連低換気症候群)を、効果的に抑制または予防できるかもしれない。
【0060】
当業者であれば、カンナビン模擬剤を、Δ9THC、WIN55212-2、CP55940、CP54939、HU308、HU211(デキサナビノール)、ナビロン、カンナビノール、11-ヒドロキシカンナビノール、O-1057、レボナントラドール、アナンダミド、R1-メトアナンダミド、および2-アラキドニルグリセロールなどのカンナビノイドレセプターアゴニスト;オレアミドおよびパルミトイルエタノールアミドなどのエンドカンナビン模擬剤ならびにそれらに関連する合成誘導体、ならびにAM404(エンドカンナビノイドの輸送阻害剤)および2-オクチル-γ-ブロモアセト酢酸塩、イブプロフェン、ケトロラク、ならびにフルオジプロフェン(すべてが、脂肪酸アミドヒドロラーゼ阻害剤であり、この酵素は、エンドカンナビノイドを分解する)などのエンドカンナビン模擬剤の作用を延長させる薬剤(これらに限定されるものではない)から選択可能であることを認識できるであろう。
【0061】
睡眠関連呼吸障害と診断された患者には、前述の薬理学的特性を有する組成物または薬剤のいずれかが、そのような障害を予防または抑制するのに有効な量で投与される。 体重または体表面などの要素にしたがって、具体的な投与量を計算してもよい。 さらに、睡眠関連呼吸障害の治療において適切な投与量を決定するために必要な計算の精度を上げることは、当業者が、過度の実験を経ずに日常的に行っている事項である。 投与量を決定するために確立された評価方法を採用することで、適切な投与量を確認してもよい。 前述の方法のための投与経路としては、口腔内、腹腔内、皮下、静脈内、筋肉内、経皮などのあらゆる全身性の手段によるものでもよく、または他の投与経路によるものでもよい。 小型の浸透圧ポンプおよび徐放性ペレット、または他の滞留タイプの投与形式によることもできる。
【0062】
最後に、当業者であれば、上記の化合物に関して、それら化合物がキラル中心を含有することをも認識するであろう。 したがって、そのような薬剤は、鏡像異性体混合物の異なる鏡像異性体として存在することもありえる。 任意のとある鏡像異性体を、単独または一種類以上の立体異性体を伴う鏡像異性体混合物に含まれた状態で用いることも、本発明では意図している。
【0063】
本発明を、好ましい実施態様に基づいて記載してきたが、本発明は、本明細書の開示に基づいて当業者が想到するであろうすべての修正や変更、特に、特許請求の範囲の記載およびそこに記載された構成要素において最も広義で適切な解釈をも包含することを意図している。 また、本明細書で引用したすべての文献は、参考までに本明細書に取り込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1A】媒体(上段パネル)、10.0mg/kgのΔ9THC(中段パネル)または10.0mg/kgのオレアミド(下段パネル)を注射をした後に、標準的な6時間の記録を行った際の、呼吸の持続時間と睡眠状態/覚醒状態との関係を示している。 各パネルでの下方の記録図は、覚醒、ノンレム睡眠およびレム睡眠の間の移行を階段関数として表現しており、また上方の記録図は、記録期間中の約30,000回の呼吸での各持続時間を表している。 呼吸の持続時間が2.5秒を上回る(水平方向の閾値ラインを超える)場合はいつも無呼吸が記録された。 呼吸数が非常に変化しやすい媒体(対照)を用いた場合、記録期間内に、断続的に無呼吸が発生したこと、そしてレム睡眠が一時的な無呼吸としばしば関連していたことを観察することできる。 対照的に、Δ9THCまたはオレアミドのいずれか一方を注射することで、1.5秒を超える持続時間の呼吸が明らかに減少していた。
【図1B】ノンレム睡眠(左欄)およびレム睡眠(右欄)でのΔ9THCによる投与量依存的な無意識的無呼吸の抑制を図示するグループ内の平均データを示している。 縦軸は、一時間のノンレム睡眠あたりの無呼吸(左側)または一時間のレム睡眠あたりの無呼吸(右側)を示す。 注射内容は、挿入凡例で符号化している。 媒体(DMSO)に関しては、無呼吸発現の投与量依存的な減少が、そこに記載の通りに観察された。
【図1C】オレアミドによる、パネルBの数式で導かれる無呼吸発現に与える影響を図示するグループ内の平均データを示している。 ここでも、投与量依存的な無呼吸の抑制が、そこに記載の通りに観察された。
【図2A】腹腔内のオレアミドおよびΔ9THCが、呼吸数(RR)に与える影響を示している。 Δ9THC投与後の覚醒中(左欄)、ノンレム睡眠中(中欄)およびレム睡眠中(右欄)の平均RRを表す相互影響プロットとしてデータが示されている。 凡例に従って、Δ9THCの濃度が符号化されている。 ノンレム睡眠中のRRが最小であり、そして記録期間内に、RRは時間による影響は受けなかった。 10.0mg/kgのΔ9THCを投与した後では、RRは、すべての睡眠状態/覚醒状態において顕著に減少した。
【図2B】腹腔内のオレアミドおよびΔ9THCが、呼吸数(RR)に与える影響を示している。 6時間の記録全体におけるオレアミドの平均RRに与える影響に関する、グループ内の平均データ(n=11)が示されている。 10.0mg/kgのオレアミドを投与した後に、RRが増加する傾向が見られた。 またここでも、ノンレム睡眠中でのRRが最小であり、そして記録期間内に、RRは時間による影響は受けなかった。
【図3】オレアミドが睡眠内容に与える影響に関する、グループ内の平均データが示されている。 縦軸は、覚醒(左欄)、ノンレム睡眠(中欄)またはレム睡眠(右欄)として記録される、6時間の各記録時間に占める百分率を示している。 注射のタイプは、挿入凡例で符号化している。 媒体に関する睡眠内容の顕著な変化が、そこに記載の通りに観察された。
【図4】媒体(生理食塩水)、セロトニン(0.79mg/kg、SER)単独、またはΔ9THCによる前処理後のセロトニン(0.1mg/kg、SER+Δ9THC)、またはΔ9THCによる前処理後のオレアミド(0.1mg/kg、SER+OLE)を腹腔内注入した後の、レム睡眠時の無呼吸の頻度を示す、6時間の各記録時間でのグループ内の平均データが示されている。 セロトニンは、レム睡眠の無呼吸を顕著に増加させた。 この効果は、Δ9THCまたはオレアミドのいずれか一方で前処理することで完全に阻害された。 一時的ではあるが、生理学的に重要な自律的ホメオスタシスの混乱を観察することは、すべての睡眠レベルにおいて可能であるが、レム睡眠時が、最も頻度が高く、かつ最も激しい。

Claims (15)

  1. 処置を必要とする患者に、有効量のカンナビン模擬剤またはカンナビン模擬剤配合物を投与する、ことを含む睡眠関連呼吸障害を予防または改善する方法。
  2. 前記睡眠関連呼吸障害が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、閉塞性睡眠時無呼吸/低呼吸症候群、上気道抵抗症候群、未熟児無呼吸発作、先天性中枢性低換気症候群、肥満低換気症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、チェーン−ストークス呼吸およびいびきからなるグループから選択される請求項1に記載の方法。
  3. 前記カンナビン模擬剤が、アラキドニル-2'-クロロエチルアミド、アラキドニルシクロプロピルアミドおよびメトアナンダミドからなるグループから選択されるカンナビノイドCB-1レセプターアゴニストである請求項2に記載の方法。
  4. 前記カンナビン模擬剤が、L-759633、L-759656、JWH-133、HU-308およびパルミトイルエタノールアミドからなるグループから選択されるカンナビノイドCB-2レセプターアゴニストである請求項2に記載の方法。
  5. 前記カンナビン模擬剤が、9-テトラヒドロカンナビノール、8-テトラヒドロカンナビノール、HU-210、CP55940、WIN55,212-2、O-1057、2-アラキドノイルグリセロール、アナンダミド、デキサナビノール、ナビロン、レボナントラドールおよびN-(2-ヒドロキシエチル)ヘキサデカノアミドからなるグループから選択される非選択的カンナビノイドレセプターアゴニストである請求項2に記載の方法。
  6. 前記カンナビン模擬剤が、オレアミド、リノレオイルエタノールアミドおよびオレオイルエタノールアミドからなるグループから選択されるエンドカンナビノイドである請求項2に記載の方法。
  7. 処置を必要とする患者に、カンナビノイドの代謝を阻害する有効量の薬剤またはカンナビノイドの代謝を阻害する薬剤配合物を投与する、ことを含む睡眠関連呼吸障害を予防または改善する方法。
  8. 前記睡眠関連呼吸障害が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、閉塞性睡眠時無呼吸/低呼吸症候群、上気道抵抗症候群、未熟児無呼吸発作、先天性中枢性低換気症候群、肥満低換気症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、チェーン−ストークス呼吸およびいびきからなるグループから選択される請求項7に記載の方法。
  9. 前記カンナビノイド代謝阻害剤が、フェニルメチルスルホニルフルオリド、パルミチルスルホニルフルオリド、ステアリルスルホニルフルオリド、メチルフルオロホスフェート、およびO-1887からなるグループから選択される請求項8に記載の方法。
  10. 処置を必要とする患者に、エンドカンナビノイドの膜輸送を阻害する有効量の薬剤またはエンドカンナビノイドの膜輸送を阻害する薬剤配合物を投与する、ことを含む睡眠関連呼吸障害を予防または改善する方法。
  11. 前記睡眠関連呼吸障害が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、閉塞性睡眠時無呼吸/低呼吸症候群、上気道抵抗症候群、未熟児無呼吸発作、先天性中枢性低換気症候群、肥満低換気症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、チェーン−ストークス呼吸およびいびきからなるグループから選択される請求項10に記載の方法。
  12. 前記エンドカンナビノイド膜輸送阻害剤が、AM404、VDM11およびアルバニルからなるグループから選択される請求項11に記載の方法。
  13. 処置を必要とする患者に、カンナビン模擬剤前駆体またはプロドラッグの有効量、あるいはカンナビン模擬剤前駆体またはプロドラッグ配合物を投与する、ことを含む睡眠関連呼吸障害を予防または改善する方法。
  14. 前記睡眠関連呼吸障害が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、閉塞性睡眠時無呼吸/低呼吸症候群、上気道抵抗症候群、未熟児無呼吸発作、先天性中枢性低換気症候群、肥満低換気症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、チェーン−ストークス呼吸およびいびきからなるグループから選択される請求項13に記載の方法。
  15. 前記カンナビン模擬剤前駆体またはプロドラッグが、N-アラキドノイルホスファチジルエタノールアミンおよびデキサナビノールの第四級窒素を含有するグリシン酸エステルからなるグループから選択される請求項14に記載の方法。
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