JP2004530251A - 電気化学セルの活性領域の圧縮を維持する方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
単一型の有孔導電性圧力パッドが電気セルスタックに使用される。圧力パッドは、一般に電気化学セルに適合する材料で形成される、導電性材料と重合材料との完全混合物を含む。導電性圧力パッドは、第1電極、第2電極、または第1及び第2電極のいずれにも少なくとも部分的に流体接続されている。
Description
【0001】
(技術分野)
本発明は、電気化学セルの活性領域内の圧縮を維持する方法及び装置に関する。
【0002】
(背景技術)
電気化学セルは、エネルギ変換装置であり、通常、電解セルまたは燃料電池のいずれかに分類される。陽子交換膜電解セルは、水を電解的に分解して水素ガスと酸素ガスを生成することにより水素生成器として機能できるとともに、水素を電気化学的に酸素に反応させて電気を発生させることにより燃料電池として機能できる。図1は、一般的な陽極フィード電解セル(anode feed electrolysis cell)100の部分断面図である。図1を参照すると、プロセス水102が酸素極(陽極)116側からセル100に供給され、酸素ガス104、電子、及び水素イオン(陽子)106を形成する。この反応は、陽極116に電気的に接続された電源120の正端子と、水素極(陰極)114に接続された電源120の負端子とにより促進される。酸素ガス104及びプロセス水の一部108はセル100から放出され、一方、陽子106及び水110が陽子交換膜118を通過して陰極114に移動し、ここで水素ガス112が生成される。
【0003】
図1の構成と同じ構成を用いた別の一般的な水電解セルは、陰極フィードセル(cathode feed cell)であり、プロセス水が水素極側に供給される。水の一部が陰極から膜を通過して陽極に移動し、陽極において、陽極及び陰極の電源との接続により促進される反応のため、水素イオン及び酸素ガスが生成される。プロセス水の一部は、膜を通過せずに陰極側からセルを出る。
【0004】
一般的な燃料電池も図1に示される構成と同じ概略構成を使用する。水素ガスが水素極(燃料電池では陽極)に導入され、酸素または酸素含有ガス、例えば空気が酸素極(燃料電池では陰極)に導入される。さらに、フィードガスとともに水を導入することができる。燃料セルの作用のための水素ガスは、純粋な水素源、炭化水素、メタノール、または燃料電池の作用に適する純度(すなわち、触媒の作用を阻害しないまたは電池の作用を干渉しない純度)で水素を供給する、他の任意の水素源から発生させることができる。水素ガスは陽極と電気化学的に反応して陽子及び電子を生成する。ここで、電子は陽極から、電気的に接続された外部負荷に流れ、陽子は膜を通過して陰極に移動する。陰極において、陽子と電子が酸素と反応することにより水が生成される。この水が、膜を介して陰極に引き出されるフィード水をさらに含む。陽極及び陰極において発生する電気的電位を利用し、外部負荷に電力供給することができる。
【0005】
別の実施形態においては、1つ以上の電気化学セルを1つの装置内に使用し、水の電解処理による水素及び酸素の生成、及び水素及び酸素の必要に応じた水への再変換による電気の生成のいずれもが可能である。このようなシステムは、一般に、再生燃料電池システムと呼ばれる。
【0006】
電気化学セルシステムは一般に、スタック形状に配置された1つ以上の個別電池を含み、このスタック構成内部に形成された入り口及び出口流路を介して作用流体がセルに導入される。スタック状のセルは、連続的に並べられ、各セルは、陰極、陽子交換膜及び陽極(以下、これらを「膜電極アセンブリ」または「MEA」と呼ぶ)を含む。各セルは、一般に、陰極に流体接続する第1のフローフィールド(flow field)と、陽極に流体接続する第2のフローフィールドをさらに有する。MEAは、フローフィールド内に設けられたスクリーンパックまたはバイポーラプレートのいずれかまたは両方に支持されてもよい。このスクリーンパックまたはバイポーラプレートは、膜の水和とMEAに対する流体の移動の少なくとも一方を促進すべく構成することができる。
【0007】
さまざまな動作条件のもとで、長期間にわたってセルの構成要素どうしの密接な接触を維持するために、均一の圧縮力がセルの構成要素に印加される。圧力パッドまたは他の圧縮手段がしばしば用いられ、電気化学セルの内部からさらなる圧縮力を供給する。圧力パッドには、システム流体とセル膜のいずれにもまたはいずれかに適合しない材料で製造されるものもあり、この場合、圧力パッドを保護容器内に配置するか、またはシステム流体から隔離する必要がある。
【0008】
保護容器または隔離プレートがないとしても、均一の圧縮力、特に高圧力、例えば平方インチあたり約150ポンド(150psi=1.034MPa)より大きい圧力を生成する圧力パッドを製造するのは依然として難しい。したがって、均一の圧縮力を維持し、高圧で長時間使用でき、かつ電気化学セルの環境に適合する、改良された圧力パッドが、当業界で求められ続けている。
【0009】
(発明の開示)
上記の欠点及び問題は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に設けられる膜と、記第1または第2の電極に隣接して設けられ、導電性材料と重合材料との完全混合物を含む単一型導電性圧力パッドと、を含む電気化学セルにより解決する。好ましい実施形態においては、圧力パッドは、電気化学セルの環境に適合する材料で形成され、前記第1または第2電極と少なくとも部分的に流体接続している。
【0010】
上記及び他の特徴及び効果は、以下の詳細な説明及び図面から当業者に理解されるであろう。
【0011】
(発明を実施するための最良の形態)
電気化学セルの活性領域の圧縮を維持する新規の一体型導電性圧力パッドは、導電性材料と重合材料との完全混合物(integral blend)を含む単一の有孔シートの形状を有する。これらの圧力パッドは第1電極または第2電極に最も近いセルの側、または両電極に近いセルの両側に別々に使用できる。本発明の圧力パッドは、システム流体に晒したり、セルのフローフィールドに配置したり、あるいは従来の圧力パッド及び支持部材のアセンブリの代用として設けることができる。
【0012】
以下の開示は、水素、酸素、及び水を用いる陽子交換膜電気化学セルに関する説明であるが、他のタイプの電気化学セル及び/または電解質を用いてもよい。例として、リン酸を含むがこれに限られない。また、種々の反応物を用いることができ、例として臭化水素、酸素、空気、塩素及びヨウ素を含むがこれに限られない。異なる反応物及び/または異なる電解質を適用する場合、この特定タイプの電気化学セルに関連して一般的に理解されているように、流れ及び反応も対応して変化する。
【0013】
図2には、陽極フィード電解セル、陰極フィード電解セル、燃料電池、及び再生燃料電池としての動作に適する電気化学セル200が示されている。したがって、陽極フィード電解セルに関して以下に説明するが、陰極フィード電解セル、燃料セル、及び再生燃料セルも同様に本発明の範囲内である。セル200は、通常、電気化学セルシステムの一部としてセルスタックに用いられる複数セルの1つである。セル200が電解セルとして使用される場合、電気入力は一般に約1.48ボルトから約3.0ボルトのあいだであり、その電流密度は約4.6A/m2(約50A/ft2(平方フィート当たりのアンペア))から約371.6A/m2(約4,000A/ft2)のあいだである。燃料電池として使用される場合は、電気出力が約0.4ボルトから約1ボルトであり、電流密度は約0.009A/m2(約0.1A/ft2(平方フィート当たりのアンペア))から約929.03A/m2(約10,000A/ft2)の範囲である。スタック内のセルの数及び個々のセルの寸法は、セルの電気出力及び/または気体出力の要件に応じて調整可能である。
【0014】
セル200は、第1電極(例えば陽極)204と第2電極(例えば陰極)206がその対向する側に設けられた膜202を含む。これらの電極204及び206のそれぞれに流体接続するフローフィールド(flow fields)210,220は、各電極204,206に最も近い領域によってほぼ画定され、各電極204,206の少なくとも一方の側により境界が定められる。フローフィールド部材228は、フローフィールド220内部において、電極206と、任意に設けられる圧力パッド分離プレート222との間に配置することができる。圧力パッド230は、通常、圧力パッド分離プレート222(任意)とセル分離プレート232との間に配置される。セル分離プレート232は、圧力パッド230に近接して設けられている。フレーム224はフローフィールド220を概略的に取り囲み、任意のガスケット226は、フレーム224と任意の圧力パッド分離プレート222との間に設けられて、フレーム224、圧力パッド分離プレート222、及び電極206によって、セル200の一方の側に形成される反応チャンバ内部の密封を強化する。ガスケット236を、圧力パッド分離プレート222と任意のセル分離パッド232との間に設け、圧力パッド230を密閉してもよい。
【0015】
別のフローフィールド部材218をフローフィールド210に設けることができる。フレーム214はフローフィールド218を概略的に取り囲み、セル分離プレート212がフローフィールド部材218に近接して酸素電極204と反対の側に設けられる。ガスケット216は、フレーム214とセル分離プレート212との間に設けられて、フレーム214、セル分離プレート212、及び膜202の酸素極側によって形成される反応チャンバ内部の密封を強化する。セルの構成要素、特にセル分離プレート212,232、フレーム214,224及びガスケット216,226及び236は、従来どおり適当なマニホルドまたはその他の導管を有して形成される。
【0016】
膜202は、電気化学セルの動作条件下で好ましくは固体またはゲルである電解質を含む。有用な材料としては、陽子伝導性イオノマ及びイオン交換樹脂が含まれる。有用な陽子伝導性イオノマには、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸(alkali earth metal salt)、プロトニック酸(protonic acid)、またはプロトニック酸塩(protonic acid salt)を含む錯体が含まれる。上記塩において有効な対イオンには、ハロゲンイオン、過塩素イオン、チオシアン酸イオン(thiocyanate ion)、トリフルオロメタンスルホンイオン(trifluoromethane sulfonic ion)、フッ化ホウ酸イオン(borofluoric ion)などを含む。このような塩の代表例として、フッ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、スルホン化トリフルオロメタンリチウム(lithium trifluoromethane sulfonate)、ホウフッ化リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム(lithium hexafluorophosphate)、リン酸、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸などを含むがこれらに限定されない。アルカリ金属塩、アルカリアース金属塩、プロトニック酸またはプロトニック酸塩は、有極高分子(polar polymer)、例えばポリエーテル、ポリエステルまたはポリイミドなどの1つ以上、または上記の有極高分子をセグメントとして含む網状ポリマまたは架橋ポリマと合成される。有用なポリエーテルには、ポリオキシアルキレン、例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、及びポリエチレングリコールジエーテル、これらポリエーテルの少なくとも1つのコポリマ、例えばポリ(オキシエチレン−コ−オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン−コ−オキシプロピレン)グリコールモノエーテル、及びポリ(オキシエチレン−コ−オキシプロピレン)グリコールジエーテル、上記ポリオキシアルキレンを有するエチレンジアミンの縮合生成物、及びエステル、例えば、上記のポリオキシアルキレンのリン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルを含む。ジアルキルシロキサンを有するポリエチレングリコール、無水マレイン酸、またはメタクリル酸を有するポリエチレングリコールモノエチルエーテルのコポリマは、当業界において、有用な十分なイオン伝導性を示すものとして知られている。
【0017】
陽子伝導性材料として有効なイオン交換樹脂には、ハイドロカーボン(炭化水素)タイプ樹脂及びフッ素タイプ樹脂を含む。ハイドロカーボンタイプイオン交換樹脂は、フェノール樹脂、縮合樹脂、例えばフェノールホルムアルデヒド、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマ、スチレン−ブタジエンコポリマ、スチレン−ジビニルベンゼン−塩化ビニルターポリマなどを含む。これらは、スルホン化(sulfonation)によりカチオン交換能力を備え、クロロメチル化(chloromethylation)によりアニオン交換能力を備え、その後、対応する第4級アミン(quaternary amine)に変換される。
【0018】
フッ素タイプイオン交換樹脂には、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロスルホニルエトキビニルエーテルまたはテトラフルオロエチレン−ハイドロキシレート(ペルフルオロビニルエーテル)コポリマの水和物を含むことができる。酸化及び/または耐酸性が、例えば燃料電池の陰極において望ましい場合、スルホン酸、カルボン酸、リン酸機能性の少なくともいずれかを有するフッ素タイプ樹脂が好ましい。フッ素タイプ樹脂は、通常、ハロゲン、強酸及び塩基による優れた酸化耐性を示す。スルホン酸基機能性を有するフッ素タイプ樹脂の1ファミリは、(米国デラウェア州ウィルミントン所在のイーアイデュポンデュヌムールアンドカンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Companyから販売される)ナフィオン(NAFION(商標名))樹脂である。
【0019】
電極204及び206は、必要な電気化学反応(すなわち、水を電解して水素と酸素を生成する)を実行するのに適した触媒を含む。適当な電極は、白金、パラジウム、ロジウム、炭素、金、タンタル、タングステン、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、これらの合金などを含むが、これらに限定されるものではない。電極204及び206は、膜202上に形成することもできるし、膜202に近接して、ただし膜202に接触して積層してもよい。いずれの技術も当業界では周知である。
【0020】
フローフィールド部材218,288は、膜202を支持し、システム流体が通過でき、好ましくは導電性であり、例えばスクリーンパックまたはバイポーラプレートでもよい。スクリーンパックは、金属またはストランドで形成された穿孔シートまたは織り込みメッシュの層を1つ以上含む。これらのスクリーンは、一般に金属、例えば、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、チタン、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル、コバルト及びこれらの合金を含む。バイポーラプレートは、繊維炭素(fibrous carbon)またはポリテトラフルオロエチレンまたはPTEE(イーアイデュポンデュヌムールアンドカンパニーからテフロン(TEFLON)の商標名で市販される)を含浸した繊維炭素を含む、一般的な多孔性構造体である。
【0021】
圧力パッド230は、セルの活性領域、すなわち電極及びセルの電気的に関連する2つ以上の電極間のいずれの空間にも均一の圧縮を与える。セルパッドの活性領域全体に均一の圧縮力を維持するのはきわめて難しく、特に膜全体の圧力差が約1.03MPa(約150psi)、1.72MPa(250psi)、3.45MPa(500psi)、6.895MPa(1000psi)以上であり、特に13.79MPa(2,000psi)以上である場合は特に難しい。
【0022】
本願の発明者は、エラストマ材料と導電性粒子材料との完全混合物(integral blend)から本質的に構成される、導電性の多孔単一型圧力パッドの使用により、従来技術に関する問題点が少なくとも一部は解決することを見出した。好ましくは、システム流体に晒されることによるパッドの劣化を防ぎ、かつ材料によるシステム流体の汚染を防ぐために、エラストマ材料及び導電性材料は、電気化学セルの環境において不活性であるよう選択される。
【0023】
適当なエラストマ材料には、シリコーン、例えばフッ素シリコーン(fluorosilicones)、フッ素ゴム、例えば、カルレッツ(KALREZ)(商標名:イーアイデュポンデュヌムールアンドカンパニーから販売)、バイトン(VITON)(商標名:イーアイデュポンデュヌムールアンドカンパニーから販売)、及びフルオレル(FLUOREL)(商標名:米国ミネソタ州セントポール所在のミネソタマイニングアンドマニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company)から販売)、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0024】
適当な導電性材料には、粒子導電金属及びその合金及び超合金、例えば銅、銀、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉄及び鉄合金、例えばステンレス鋼などのスチール、ニッケル及びニッケル合金、例えばハステロイ7(HASTELLOY7:米国インディアナ州ココモ所在のヘインズインターナショナル(Haynes International)より販売)など、コバルトまたはコバルト超合金、例えばエルジロイ7(ELGILOY7:米国イリノイ州エルギン所在のエルジロイ(登録商標)リミティッドパートナーシップ(Elgiloy Limited Partnership)から市販される)及びMP35N7(米国ニューヨーク州ライ所在のメリーランドスペシャリティワイヤ社(Maryland Speciality Wire, Inc.)から販売される)、ハフニウム及びタングステン、並びに上記の少なくとも1つを含む混合物を含むが、これらに限定されない。また、導電性材料でコーティングした非導電性粒子、例えば銀コートしたガラス球体も有用である。導電性粒子カーボン、例えばアセチレンブラック、導電性ファーネスブラック(CF)、超導電ファーネスブラック(SCF)、エクストラ導電ファーネスブラック(XCF)、導電チャンネルブラック(CC)、約1500℃の高温熱処理後のファーネスブラック及びチャンネルブラックなども使用できる。種々の商業製品も入手可能であり、例えば、電気化学工業株式会社製のデンカアセチレンブラック、キャボット社(Cabot Corp.)製のバルカンC(Vulcan C)、コンチネンタルカーボン社(Continental Carbon Co.)製のコンティネクス(Continex)SCF、キャボット社製のバルカンSC、キャボット社のバルカンXC−72、デグッサ社(DEGUSSA Co.)製のKohlax L、ケッチェンブラックインターナショナル社(Ketjen Black International Co.)のケッチェンブラックEC及びケッチェンブラックEC−600JDなどを使用できる。特に、アセチレンブラックは、一次粒子の十分に開発された二次構造の結果、不純物含有量が極めて低く、導電率伝達力(electroconductivity−imparting power)が高い。他の導電性カーボンには、気相成長炭素繊維、カーボンチューブなどを含む。銅、ニッケル、導電性カーボンまたはその組合わせは、その導電率、使用性、低コスト、および電気化学セルの環境との適合性により、現在では好ましい。
【0025】
導電性材料は、粒子形状である。粒子は、平滑な表面を提供できるサイズ、すなわち製造後に圧力パッド230のプロファイル内に収まるサイズである。適当な粒子サイズは広い範囲で変化し、選択される特定材料、圧力パッドの望ましいエラストマ特性及び導電率(逆に言えば抵抗率)、材料のコスト、圧力パッドのサイズ、製造方法及び他の条件を限定的でなく含む要因に応じて、当業者により容易に決定される。一般に、粒子の平均最長サイズは、圧力パッドの粒子の最小サイズより小さい。粒子の特定形状は重要でなく、球体、プレート、ウィスカ、短繊維、不規則形状粒子などを含む。
【0026】
圧力パッド230は、上記の材料の完全混合物を含み、電気化学セルの動作中に受ける圧力によって混合物の成分が物理的に分離しないようになっている。このような混合物を実現する方法は当業界で周知であり、例えば、適量の導電性粒子材料及びエラストマ粒子材料を焼結及び/または圧縮してシートを形成する方法を含む。これらの方法を用いる場合、導電性材料とエラストマ粒子の相対的なサイズはほぼ等しくてもよい。適当な最大平均粒子サイズは、例えば約0.254mm(約0.01インチ)から約5.08cm(約2インチ)、好ましくは約2.54mm(約0.1インチ)から約2.54cm(約1インチ)、より好ましくは約2.54mm(約0.1インチ)から約1.27cm(約0.5インチ)の間でもよい。
【0027】
あるいは、粒状の電気的充填材料を樹脂に添加する周知の方法を使用してもよい。この場合、重合樹脂(polymeric resin)を導電成分とともに任意の商業的に入手可能な生成装置、例えば、押出し機、ロールミル、ドウミキサなどで、任意のさらなる添加剤と混合する。重合樹脂は、最初は粉末形状でも、ストランドでもペレットでもよく、混合物にせん断を提供できるヘンシェルミキサまたは他のタイプのミキサにおいて導電粒子と予備混合し、成分どうしを密接に接触させてもよい。続いて、予備混合した混合物を適当な温度でストランドに押出し成形し、このストランドを急冷して小球化する。あるいは、重合樹脂を押出し機に直接添加し、導電粒子を同時または順次、該押出し機に添加して導電ストランドを形成してもよい。押出し機の温度は一般に重合樹脂を流動させるのに十分であり、これにより導電粒子の分散及び湿潤が実現する。続いて、押出しの結果形成される導電ペレット(またはロールミルから得られる導電シート)に、仕上げまたは成形処理、例えば射出成形、ブロー成形、真空成形などを行い、利用可能な導電物を形成する。別の処理としては、エラストマ樹脂を溶媒に溶解し、粒子導電材料を添加して混合し、その後注型または成形などを行う。これらの方法が用いられる場合、当業界で周知のように、最大平均粒径はかなり小さくてもよい。適当な最大平均粒子サイズは、例えば約10ナノメートルから約100ミリメートル、好ましくは約1マイクロメートルから1ミリメートルでもよい。導電性充填剤は、延伸ワイヤ、チューブ、ナノチューブ、フレーク(薄片)、積層、小板(platelets)、楕円体、円板体、及び他の商業的に入手できる形状で存在することができる。導電性充填剤粒子の正確なサイズ、形状及び組成にかかわらず、導電性充填粒子は、重合樹脂全体に、その組成物の総重量に基づき、約1wt%以上、好ましくは約1.5wt%以上、より好ましくは2wt%以上の充填(loadings)で完全に分散しなければならない。上記固体金属及び非金属導電性充填剤粒子の充填は、50wt%以下であり、好ましくは約45wt%以下であり、より好ましくは約40wt%以下である。このような組成物及びその製造方法が、例えば、米国特許第4,011,360号、第5,082,596号、第5,296,570号、第5,498,644号、第5,585,038号、及び第5,656,690号に記載されている。このタイプの完全混合物は、ストックウェルラバーカンパニーまたはパフォーマンスポリマーテクノロジーズ(Stockwell Rubber Company or Performance Polymer Technologies)などのメーカから多数市販されている。例えば、番号S6305でパーカーコメリクス(Parker Chomerics)より入手できる、粒状ニッケル及び炭素を含有するソリッドシリコーンエラストマ、番号1285でパーカーコメリクスより入手できる、粒状銀コートアルミナ(酸化アルミニウム)を含有するソリッドシリコーンエラストマ、番号1285でパーカーコメリクスより入手できる、粒状シルバーコートガラスを含有するソリッドシリコーンエラストマ、番号1215でパーカーコメリクスより入手できる、銀とニッケルの混合物を含有するソリッドシリコーンエラストマ、及び番号1350でパーカーコメリクスより入手できる銀コートガラスなどが含まれる。
【0028】
上記のように、完全混合物のタイプ、サイズ、形状及び成分の量は、きわめて予測可能で実質的に均一なばね定数(spring rate)を実現できる、圧力パッドの最適な弾性を提供すべく選択され、これにより圧力下でのセルシステムの実質的に均一な圧縮が可能になる。完全混合物のタイプ、サイズ、形状及び成分の量は、さらに、圧力パッドに対して最適な導電率(逆に言えば、抵抗率)を提供すべく選択される。最適な抵抗率は、反応物、セルサイズ、圧力などの動作パラメータなどの要因によって異なる。一般に、圧力パッドは、MIL−G−83528para.4.6.11で測定した際に、約5.0オーム/cm未満、好ましくは約1.0オーム/cm未満、より好ましくは約0.1オーム/cm未満、最も好ましくは約0.01オーム/cm未満の体積抵抗率を有する。好ましい範囲は、約1x10−5から約1x10−1オーム/cm、好ましくは1x10−2オーム/cmである。
【0029】
さらに、完全混合物は、単一型シートの形状で提供される。ここで、「単一型」とは、電気化学セルの活性領域に隣接配置される外表面が図3に示すように平滑である単一シートを意味する。したがって、「単一型シート」という表現は、例えば、エラストマ繊維が導電性繊維と織り合わされたり、または打ち抜かれた金属シートのくぼみにエラストマが成形されている構成を除外することを意味する。
【0030】
圧力パッドの形状及びサイズは、セルの形状、サイズ及び動作圧力、及び同様の条件によって異なる。したがって、圧力パッド230は、好ましくは、活性領域方向に圧力を作用させるのに適した形状及び面積を有する。例えば、円形圧力パッドは、約0.1インチ(2.54mm)未満から最大10フィート(3.048メートル)の直径を有する概して円形の断面を有する電気化学セルに適する。一般に、約0.01〜約10平方フィート(約0.00093〜約0.93平方メートル)の断面積を有するセルに対し、約0.0005〜約6インチ(約0.0127〜約152.4ミリメートル(mm))、好ましくは約0.005〜約1インチ(約0.127〜約25.4ミリメートル(mm))の厚さが有用である。もちろん、電気化学セルのサイズ及び形状は、空間利用性及び電力要件を非限定的に含む要因によって変化する可能性がある。
【0031】
圧力パッド230は、さらに、圧力下での圧縮を可能にすべく空隙体積(void volume)を有する。図3に示される圧力パッド330の1実施形態においては、空隙体積は、圧力パッド330の厚さを通過して延びる孔240によって提供される。空隙体積の程度はセルの動作条件に応じて変化し、過度の実験をせずに当業者により簡単に決定できる。一般に、有効な圧縮性の実現には、圧力パッドの総体積に基づき、約0.1または10または30パーセント以下の空隙体積が有効である。空隙体積は、通常、圧力パッドの総体積に基づき90または85パーセント以下、場合によっては50パーセント以下を含む。圧力パッドが流体を通過させる設計の場合、圧力パッドは一般により高い空隙体積、通常は、圧力パッドの総体積に基づき約10〜90パーセント、好ましくは約20〜約80パーセントの空隙体積を有する。
【0032】
導電性の単一型圧力パッドは、単独で使用してもよいし、圧力パッドシステム450の一部として使用してもよい。図4に示される例示的なシステムでは、単一型導電性圧力パッド430は、1つ以上の導電層460,470、例えば1つ以上の銅ホイルに隣接して設けられる。この実施形態において、空隙体積は孔、または図示される空隙480によって提供してもよい。空隙480は任意の適当な形状(プロファイル)を有することができる。適当な形状には、半球体、ダイアモンド形、チャネル、不規則形状などが含まれるがこれらに限定されない。
【0033】
圧力パッド及び圧力パッドシステムのそれぞれは、約1.03MPa(約150psi)以上、好ましくは約3.45MPa(約500psi)以上、より好ましくは約6.895MPa(約1,000psi)以上、より好ましくは約13.79MPa(約2,000psi)以上、さらに好ましくは約68.948MPa(約10,000psi)以上の圧力に耐えることができる。このように、圧力パッドは、高圧の電気化学セル環境に導入することができる。
【0034】
以下の非限定的な実施例により本発明をさらに説明する。以下の実施例においては、圧力パッドの組成及び構成を詳細に説明する。
【0035】
(実施例)
実施例1
圧力パッド330は、50wt.%のバイトン(商標名)と50wt.%のニオブとの混合物で形成される。バイトン(商標名)は、直径が約0.05インチ(約1.27mm)で長さ約0.25インチ(約6.35mm)の、75デュロメータのリングの切断片の形状を有する。ニオブは、最小サイズが約0.05インチ(約1.27mm)で、最大サイズが約0.25インチ(約6.35mm)の切断片の形状である。バイトン(商標名)とニオブを完全に混合し、適当な焼結装置に載置し、約400℃(華氏約750度)で加熱した。焼結したプレートは、厚さ約0.25インチ(約6.35mm)のバイトン(商標名)とニオブの完全混合物を含む。この完全混合物は一般的に脆いため、周囲圧力から最大約68.948MPa(約10,000psi)までの動作圧力を有するシステムにおける使用に適する。
【0036】
実施例2
圧力パッド330は、50wt.%のバイトン(商標名)と50wt.%のニオブとの混合物で形成される。バイトン(商標名)は、直径が約0.125インチ(約3.175mm)で長さ約0.25インチ(約6.35mm)の、50ゲージ(gauge)のコードの切断片形状を有する。ニオブは、最小サイズが約0.125インチ(約3.175mm)で、最大サイズが約0.25インチ(約6.35mm)の切断片形状である。バイトン(商標名)とニオブを完全に混合し、直径が約1インチ(2.54センチメートル)の適当な焼結及び圧縮装置に載置し、約204℃(華氏約400度)で13.79MPa(2000psi)に加圧した。焼結したプレートは、厚さ約0.25インチ(約6.35mm)のバイトン(商標名)とニオブの完全混合物を含み、周囲圧力から最大約68.948MPa(約10,000psi)までの動作圧力を有するシステムにおける使用に適する。
【0037】
実施例3
圧力パッド330は、50wt.%のバイトン(商標名)と50wt.%のニオブとの混合物で形成される。バイトン(商標名)は、直径が約0.125インチ(約3.175mm)で長さ約0.25インチ(約6.35mm)の、50ゲージ(gauge)のコードの切断片形状を有する。ニオブは、最小サイズが約0.125インチ(約3.175mm)で、最大サイズが約0.25インチ(約6.35mm)の切断片形状である。バイトン(商標名)とニオブを完全に混合し、直径が約5インチ(12.7センチメートル)の適当な焼結及び圧縮装置に載置し、約204℃(華氏約400度)で20分間、13.79MPa(2000psi)に加圧した。このとき、温度傾斜(temperature ramping)に10分間、1.4℃(華氏2.5度)のオーバーシュート(overshoot)が認められた。焼結したプレートは、厚さ約0.25インチ(約6.35mm)のバイトン(商標名)とニオブの完全混合物を含み、周囲圧力から最大約68.948MPa(約10,000psi)までの動作圧力を有するシステムにおける使用に適する。
【0038】
実施例4
多数の単一型圧力パッドを以下のようにテストした。48.2%の空隙体積を有する小さいカーボンとニッケルの繊維を含むシリコーン圧力パッド(直径4.25インチ、厚さ0.33インチ(0.81mm))をテスト装置に設置し、0.24MPa(35インチ−ポンド)の荷重をかけ、25〜2000アンペアの電流をパッドに流した。電流及び電圧から抵抗率を計算した。比較テストの結果を図5に示す。これらの結果からわかるように、粒状のNi/C、Ag/Cu、Ag/ガラス、及びAg/Alの充填剤(それぞれ、テスト6,1,5,5a及び3)は25〜175アンペアの電流密度範囲にわたって低い抵抗率を示した。比較テスト2はエラストマ圧力パッド全体に織り込まれたニオブストリップを使用する従来技術の圧力パッドである。このパッドも低い抵抗率を有するが、ニオブがパッドに一体化していないため、パッドの表面が平滑でない。
【0039】
上記の電気化学セルは、システム流体及び膜に適合する金属で形成された圧力パッドを使用している。圧力パッドは、17.24MPa(2,500psi)を超える圧力、さらには68.948MPa(10,000psi)を超える圧力にも耐えることができ、この上限圧力は、システム能力によって制御される。さらに、適当に構成された場合、圧力パッドは、予想が簡単でかつ均一のばね定数を有する。導電性材料及びその相対量が選択可能で、圧力パッドは、全体的な電気抵抗が低く、それにより全体スタック抵抗が低減するように構成されている。さらに、圧力パッドは、単一部品として容易に焼結及び/または圧縮できるので、低コストで製造できる。その結果、電気化学セルの組み立て及び準備が簡単になる。最後に、部品数が少ないため、このようなパッドを使用する電気化学セルはコストが低く、より高い信頼性を有する。
【0040】
好ましい実施形態を図示して説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく、これに種々の修正及び置換えを行うことができる。したがって、本発明は例示の目的で記載され、該記載に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気化学反応を示す、従来技術の電気化学セルの部分概略図である。
【図2】電気化学セルの拡大概略図である。
【図3】例示的な単一型の有孔導電圧力パッドの概略図である。
【図4】単一型圧力パッドを含む例示的な圧力パッドシステムの概略図である。
【図5】種々の圧力パッドに対する、抵抗対電流の関係を示すグラフである。
(技術分野)
本発明は、電気化学セルの活性領域内の圧縮を維持する方法及び装置に関する。
【0002】
(背景技術)
電気化学セルは、エネルギ変換装置であり、通常、電解セルまたは燃料電池のいずれかに分類される。陽子交換膜電解セルは、水を電解的に分解して水素ガスと酸素ガスを生成することにより水素生成器として機能できるとともに、水素を電気化学的に酸素に反応させて電気を発生させることにより燃料電池として機能できる。図1は、一般的な陽極フィード電解セル(anode feed electrolysis cell)100の部分断面図である。図1を参照すると、プロセス水102が酸素極(陽極)116側からセル100に供給され、酸素ガス104、電子、及び水素イオン(陽子)106を形成する。この反応は、陽極116に電気的に接続された電源120の正端子と、水素極(陰極)114に接続された電源120の負端子とにより促進される。酸素ガス104及びプロセス水の一部108はセル100から放出され、一方、陽子106及び水110が陽子交換膜118を通過して陰極114に移動し、ここで水素ガス112が生成される。
【0003】
図1の構成と同じ構成を用いた別の一般的な水電解セルは、陰極フィードセル(cathode feed cell)であり、プロセス水が水素極側に供給される。水の一部が陰極から膜を通過して陽極に移動し、陽極において、陽極及び陰極の電源との接続により促進される反応のため、水素イオン及び酸素ガスが生成される。プロセス水の一部は、膜を通過せずに陰極側からセルを出る。
【0004】
一般的な燃料電池も図1に示される構成と同じ概略構成を使用する。水素ガスが水素極(燃料電池では陽極)に導入され、酸素または酸素含有ガス、例えば空気が酸素極(燃料電池では陰極)に導入される。さらに、フィードガスとともに水を導入することができる。燃料セルの作用のための水素ガスは、純粋な水素源、炭化水素、メタノール、または燃料電池の作用に適する純度(すなわち、触媒の作用を阻害しないまたは電池の作用を干渉しない純度)で水素を供給する、他の任意の水素源から発生させることができる。水素ガスは陽極と電気化学的に反応して陽子及び電子を生成する。ここで、電子は陽極から、電気的に接続された外部負荷に流れ、陽子は膜を通過して陰極に移動する。陰極において、陽子と電子が酸素と反応することにより水が生成される。この水が、膜を介して陰極に引き出されるフィード水をさらに含む。陽極及び陰極において発生する電気的電位を利用し、外部負荷に電力供給することができる。
【0005】
別の実施形態においては、1つ以上の電気化学セルを1つの装置内に使用し、水の電解処理による水素及び酸素の生成、及び水素及び酸素の必要に応じた水への再変換による電気の生成のいずれもが可能である。このようなシステムは、一般に、再生燃料電池システムと呼ばれる。
【0006】
電気化学セルシステムは一般に、スタック形状に配置された1つ以上の個別電池を含み、このスタック構成内部に形成された入り口及び出口流路を介して作用流体がセルに導入される。スタック状のセルは、連続的に並べられ、各セルは、陰極、陽子交換膜及び陽極(以下、これらを「膜電極アセンブリ」または「MEA」と呼ぶ)を含む。各セルは、一般に、陰極に流体接続する第1のフローフィールド(flow field)と、陽極に流体接続する第2のフローフィールドをさらに有する。MEAは、フローフィールド内に設けられたスクリーンパックまたはバイポーラプレートのいずれかまたは両方に支持されてもよい。このスクリーンパックまたはバイポーラプレートは、膜の水和とMEAに対する流体の移動の少なくとも一方を促進すべく構成することができる。
【0007】
さまざまな動作条件のもとで、長期間にわたってセルの構成要素どうしの密接な接触を維持するために、均一の圧縮力がセルの構成要素に印加される。圧力パッドまたは他の圧縮手段がしばしば用いられ、電気化学セルの内部からさらなる圧縮力を供給する。圧力パッドには、システム流体とセル膜のいずれにもまたはいずれかに適合しない材料で製造されるものもあり、この場合、圧力パッドを保護容器内に配置するか、またはシステム流体から隔離する必要がある。
【0008】
保護容器または隔離プレートがないとしても、均一の圧縮力、特に高圧力、例えば平方インチあたり約150ポンド(150psi=1.034MPa)より大きい圧力を生成する圧力パッドを製造するのは依然として難しい。したがって、均一の圧縮力を維持し、高圧で長時間使用でき、かつ電気化学セルの環境に適合する、改良された圧力パッドが、当業界で求められ続けている。
【0009】
(発明の開示)
上記の欠点及び問題は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に設けられる膜と、記第1または第2の電極に隣接して設けられ、導電性材料と重合材料との完全混合物を含む単一型導電性圧力パッドと、を含む電気化学セルにより解決する。好ましい実施形態においては、圧力パッドは、電気化学セルの環境に適合する材料で形成され、前記第1または第2電極と少なくとも部分的に流体接続している。
【0010】
上記及び他の特徴及び効果は、以下の詳細な説明及び図面から当業者に理解されるであろう。
【0011】
(発明を実施するための最良の形態)
電気化学セルの活性領域の圧縮を維持する新規の一体型導電性圧力パッドは、導電性材料と重合材料との完全混合物(integral blend)を含む単一の有孔シートの形状を有する。これらの圧力パッドは第1電極または第2電極に最も近いセルの側、または両電極に近いセルの両側に別々に使用できる。本発明の圧力パッドは、システム流体に晒したり、セルのフローフィールドに配置したり、あるいは従来の圧力パッド及び支持部材のアセンブリの代用として設けることができる。
【0012】
以下の開示は、水素、酸素、及び水を用いる陽子交換膜電気化学セルに関する説明であるが、他のタイプの電気化学セル及び/または電解質を用いてもよい。例として、リン酸を含むがこれに限られない。また、種々の反応物を用いることができ、例として臭化水素、酸素、空気、塩素及びヨウ素を含むがこれに限られない。異なる反応物及び/または異なる電解質を適用する場合、この特定タイプの電気化学セルに関連して一般的に理解されているように、流れ及び反応も対応して変化する。
【0013】
図2には、陽極フィード電解セル、陰極フィード電解セル、燃料電池、及び再生燃料電池としての動作に適する電気化学セル200が示されている。したがって、陽極フィード電解セルに関して以下に説明するが、陰極フィード電解セル、燃料セル、及び再生燃料セルも同様に本発明の範囲内である。セル200は、通常、電気化学セルシステムの一部としてセルスタックに用いられる複数セルの1つである。セル200が電解セルとして使用される場合、電気入力は一般に約1.48ボルトから約3.0ボルトのあいだであり、その電流密度は約4.6A/m2(約50A/ft2(平方フィート当たりのアンペア))から約371.6A/m2(約4,000A/ft2)のあいだである。燃料電池として使用される場合は、電気出力が約0.4ボルトから約1ボルトであり、電流密度は約0.009A/m2(約0.1A/ft2(平方フィート当たりのアンペア))から約929.03A/m2(約10,000A/ft2)の範囲である。スタック内のセルの数及び個々のセルの寸法は、セルの電気出力及び/または気体出力の要件に応じて調整可能である。
【0014】
セル200は、第1電極(例えば陽極)204と第2電極(例えば陰極)206がその対向する側に設けられた膜202を含む。これらの電極204及び206のそれぞれに流体接続するフローフィールド(flow fields)210,220は、各電極204,206に最も近い領域によってほぼ画定され、各電極204,206の少なくとも一方の側により境界が定められる。フローフィールド部材228は、フローフィールド220内部において、電極206と、任意に設けられる圧力パッド分離プレート222との間に配置することができる。圧力パッド230は、通常、圧力パッド分離プレート222(任意)とセル分離プレート232との間に配置される。セル分離プレート232は、圧力パッド230に近接して設けられている。フレーム224はフローフィールド220を概略的に取り囲み、任意のガスケット226は、フレーム224と任意の圧力パッド分離プレート222との間に設けられて、フレーム224、圧力パッド分離プレート222、及び電極206によって、セル200の一方の側に形成される反応チャンバ内部の密封を強化する。ガスケット236を、圧力パッド分離プレート222と任意のセル分離パッド232との間に設け、圧力パッド230を密閉してもよい。
【0015】
別のフローフィールド部材218をフローフィールド210に設けることができる。フレーム214はフローフィールド218を概略的に取り囲み、セル分離プレート212がフローフィールド部材218に近接して酸素電極204と反対の側に設けられる。ガスケット216は、フレーム214とセル分離プレート212との間に設けられて、フレーム214、セル分離プレート212、及び膜202の酸素極側によって形成される反応チャンバ内部の密封を強化する。セルの構成要素、特にセル分離プレート212,232、フレーム214,224及びガスケット216,226及び236は、従来どおり適当なマニホルドまたはその他の導管を有して形成される。
【0016】
膜202は、電気化学セルの動作条件下で好ましくは固体またはゲルである電解質を含む。有用な材料としては、陽子伝導性イオノマ及びイオン交換樹脂が含まれる。有用な陽子伝導性イオノマには、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸(alkali earth metal salt)、プロトニック酸(protonic acid)、またはプロトニック酸塩(protonic acid salt)を含む錯体が含まれる。上記塩において有効な対イオンには、ハロゲンイオン、過塩素イオン、チオシアン酸イオン(thiocyanate ion)、トリフルオロメタンスルホンイオン(trifluoromethane sulfonic ion)、フッ化ホウ酸イオン(borofluoric ion)などを含む。このような塩の代表例として、フッ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、スルホン化トリフルオロメタンリチウム(lithium trifluoromethane sulfonate)、ホウフッ化リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム(lithium hexafluorophosphate)、リン酸、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸などを含むがこれらに限定されない。アルカリ金属塩、アルカリアース金属塩、プロトニック酸またはプロトニック酸塩は、有極高分子(polar polymer)、例えばポリエーテル、ポリエステルまたはポリイミドなどの1つ以上、または上記の有極高分子をセグメントとして含む網状ポリマまたは架橋ポリマと合成される。有用なポリエーテルには、ポリオキシアルキレン、例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、及びポリエチレングリコールジエーテル、これらポリエーテルの少なくとも1つのコポリマ、例えばポリ(オキシエチレン−コ−オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン−コ−オキシプロピレン)グリコールモノエーテル、及びポリ(オキシエチレン−コ−オキシプロピレン)グリコールジエーテル、上記ポリオキシアルキレンを有するエチレンジアミンの縮合生成物、及びエステル、例えば、上記のポリオキシアルキレンのリン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルを含む。ジアルキルシロキサンを有するポリエチレングリコール、無水マレイン酸、またはメタクリル酸を有するポリエチレングリコールモノエチルエーテルのコポリマは、当業界において、有用な十分なイオン伝導性を示すものとして知られている。
【0017】
陽子伝導性材料として有効なイオン交換樹脂には、ハイドロカーボン(炭化水素)タイプ樹脂及びフッ素タイプ樹脂を含む。ハイドロカーボンタイプイオン交換樹脂は、フェノール樹脂、縮合樹脂、例えばフェノールホルムアルデヒド、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマ、スチレン−ブタジエンコポリマ、スチレン−ジビニルベンゼン−塩化ビニルターポリマなどを含む。これらは、スルホン化(sulfonation)によりカチオン交換能力を備え、クロロメチル化(chloromethylation)によりアニオン交換能力を備え、その後、対応する第4級アミン(quaternary amine)に変換される。
【0018】
フッ素タイプイオン交換樹脂には、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロスルホニルエトキビニルエーテルまたはテトラフルオロエチレン−ハイドロキシレート(ペルフルオロビニルエーテル)コポリマの水和物を含むことができる。酸化及び/または耐酸性が、例えば燃料電池の陰極において望ましい場合、スルホン酸、カルボン酸、リン酸機能性の少なくともいずれかを有するフッ素タイプ樹脂が好ましい。フッ素タイプ樹脂は、通常、ハロゲン、強酸及び塩基による優れた酸化耐性を示す。スルホン酸基機能性を有するフッ素タイプ樹脂の1ファミリは、(米国デラウェア州ウィルミントン所在のイーアイデュポンデュヌムールアンドカンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Companyから販売される)ナフィオン(NAFION(商標名))樹脂である。
【0019】
電極204及び206は、必要な電気化学反応(すなわち、水を電解して水素と酸素を生成する)を実行するのに適した触媒を含む。適当な電極は、白金、パラジウム、ロジウム、炭素、金、タンタル、タングステン、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、これらの合金などを含むが、これらに限定されるものではない。電極204及び206は、膜202上に形成することもできるし、膜202に近接して、ただし膜202に接触して積層してもよい。いずれの技術も当業界では周知である。
【0020】
フローフィールド部材218,288は、膜202を支持し、システム流体が通過でき、好ましくは導電性であり、例えばスクリーンパックまたはバイポーラプレートでもよい。スクリーンパックは、金属またはストランドで形成された穿孔シートまたは織り込みメッシュの層を1つ以上含む。これらのスクリーンは、一般に金属、例えば、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、チタン、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル、コバルト及びこれらの合金を含む。バイポーラプレートは、繊維炭素(fibrous carbon)またはポリテトラフルオロエチレンまたはPTEE(イーアイデュポンデュヌムールアンドカンパニーからテフロン(TEFLON)の商標名で市販される)を含浸した繊維炭素を含む、一般的な多孔性構造体である。
【0021】
圧力パッド230は、セルの活性領域、すなわち電極及びセルの電気的に関連する2つ以上の電極間のいずれの空間にも均一の圧縮を与える。セルパッドの活性領域全体に均一の圧縮力を維持するのはきわめて難しく、特に膜全体の圧力差が約1.03MPa(約150psi)、1.72MPa(250psi)、3.45MPa(500psi)、6.895MPa(1000psi)以上であり、特に13.79MPa(2,000psi)以上である場合は特に難しい。
【0022】
本願の発明者は、エラストマ材料と導電性粒子材料との完全混合物(integral blend)から本質的に構成される、導電性の多孔単一型圧力パッドの使用により、従来技術に関する問題点が少なくとも一部は解決することを見出した。好ましくは、システム流体に晒されることによるパッドの劣化を防ぎ、かつ材料によるシステム流体の汚染を防ぐために、エラストマ材料及び導電性材料は、電気化学セルの環境において不活性であるよう選択される。
【0023】
適当なエラストマ材料には、シリコーン、例えばフッ素シリコーン(fluorosilicones)、フッ素ゴム、例えば、カルレッツ(KALREZ)(商標名:イーアイデュポンデュヌムールアンドカンパニーから販売)、バイトン(VITON)(商標名:イーアイデュポンデュヌムールアンドカンパニーから販売)、及びフルオレル(FLUOREL)(商標名:米国ミネソタ州セントポール所在のミネソタマイニングアンドマニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company)から販売)、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0024】
適当な導電性材料には、粒子導電金属及びその合金及び超合金、例えば銅、銀、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉄及び鉄合金、例えばステンレス鋼などのスチール、ニッケル及びニッケル合金、例えばハステロイ7(HASTELLOY7:米国インディアナ州ココモ所在のヘインズインターナショナル(Haynes International)より販売)など、コバルトまたはコバルト超合金、例えばエルジロイ7(ELGILOY7:米国イリノイ州エルギン所在のエルジロイ(登録商標)リミティッドパートナーシップ(Elgiloy Limited Partnership)から市販される)及びMP35N7(米国ニューヨーク州ライ所在のメリーランドスペシャリティワイヤ社(Maryland Speciality Wire, Inc.)から販売される)、ハフニウム及びタングステン、並びに上記の少なくとも1つを含む混合物を含むが、これらに限定されない。また、導電性材料でコーティングした非導電性粒子、例えば銀コートしたガラス球体も有用である。導電性粒子カーボン、例えばアセチレンブラック、導電性ファーネスブラック(CF)、超導電ファーネスブラック(SCF)、エクストラ導電ファーネスブラック(XCF)、導電チャンネルブラック(CC)、約1500℃の高温熱処理後のファーネスブラック及びチャンネルブラックなども使用できる。種々の商業製品も入手可能であり、例えば、電気化学工業株式会社製のデンカアセチレンブラック、キャボット社(Cabot Corp.)製のバルカンC(Vulcan C)、コンチネンタルカーボン社(Continental Carbon Co.)製のコンティネクス(Continex)SCF、キャボット社製のバルカンSC、キャボット社のバルカンXC−72、デグッサ社(DEGUSSA Co.)製のKohlax L、ケッチェンブラックインターナショナル社(Ketjen Black International Co.)のケッチェンブラックEC及びケッチェンブラックEC−600JDなどを使用できる。特に、アセチレンブラックは、一次粒子の十分に開発された二次構造の結果、不純物含有量が極めて低く、導電率伝達力(electroconductivity−imparting power)が高い。他の導電性カーボンには、気相成長炭素繊維、カーボンチューブなどを含む。銅、ニッケル、導電性カーボンまたはその組合わせは、その導電率、使用性、低コスト、および電気化学セルの環境との適合性により、現在では好ましい。
【0025】
導電性材料は、粒子形状である。粒子は、平滑な表面を提供できるサイズ、すなわち製造後に圧力パッド230のプロファイル内に収まるサイズである。適当な粒子サイズは広い範囲で変化し、選択される特定材料、圧力パッドの望ましいエラストマ特性及び導電率(逆に言えば抵抗率)、材料のコスト、圧力パッドのサイズ、製造方法及び他の条件を限定的でなく含む要因に応じて、当業者により容易に決定される。一般に、粒子の平均最長サイズは、圧力パッドの粒子の最小サイズより小さい。粒子の特定形状は重要でなく、球体、プレート、ウィスカ、短繊維、不規則形状粒子などを含む。
【0026】
圧力パッド230は、上記の材料の完全混合物を含み、電気化学セルの動作中に受ける圧力によって混合物の成分が物理的に分離しないようになっている。このような混合物を実現する方法は当業界で周知であり、例えば、適量の導電性粒子材料及びエラストマ粒子材料を焼結及び/または圧縮してシートを形成する方法を含む。これらの方法を用いる場合、導電性材料とエラストマ粒子の相対的なサイズはほぼ等しくてもよい。適当な最大平均粒子サイズは、例えば約0.254mm(約0.01インチ)から約5.08cm(約2インチ)、好ましくは約2.54mm(約0.1インチ)から約2.54cm(約1インチ)、より好ましくは約2.54mm(約0.1インチ)から約1.27cm(約0.5インチ)の間でもよい。
【0027】
あるいは、粒状の電気的充填材料を樹脂に添加する周知の方法を使用してもよい。この場合、重合樹脂(polymeric resin)を導電成分とともに任意の商業的に入手可能な生成装置、例えば、押出し機、ロールミル、ドウミキサなどで、任意のさらなる添加剤と混合する。重合樹脂は、最初は粉末形状でも、ストランドでもペレットでもよく、混合物にせん断を提供できるヘンシェルミキサまたは他のタイプのミキサにおいて導電粒子と予備混合し、成分どうしを密接に接触させてもよい。続いて、予備混合した混合物を適当な温度でストランドに押出し成形し、このストランドを急冷して小球化する。あるいは、重合樹脂を押出し機に直接添加し、導電粒子を同時または順次、該押出し機に添加して導電ストランドを形成してもよい。押出し機の温度は一般に重合樹脂を流動させるのに十分であり、これにより導電粒子の分散及び湿潤が実現する。続いて、押出しの結果形成される導電ペレット(またはロールミルから得られる導電シート)に、仕上げまたは成形処理、例えば射出成形、ブロー成形、真空成形などを行い、利用可能な導電物を形成する。別の処理としては、エラストマ樹脂を溶媒に溶解し、粒子導電材料を添加して混合し、その後注型または成形などを行う。これらの方法が用いられる場合、当業界で周知のように、最大平均粒径はかなり小さくてもよい。適当な最大平均粒子サイズは、例えば約10ナノメートルから約100ミリメートル、好ましくは約1マイクロメートルから1ミリメートルでもよい。導電性充填剤は、延伸ワイヤ、チューブ、ナノチューブ、フレーク(薄片)、積層、小板(platelets)、楕円体、円板体、及び他の商業的に入手できる形状で存在することができる。導電性充填剤粒子の正確なサイズ、形状及び組成にかかわらず、導電性充填粒子は、重合樹脂全体に、その組成物の総重量に基づき、約1wt%以上、好ましくは約1.5wt%以上、より好ましくは2wt%以上の充填(loadings)で完全に分散しなければならない。上記固体金属及び非金属導電性充填剤粒子の充填は、50wt%以下であり、好ましくは約45wt%以下であり、より好ましくは約40wt%以下である。このような組成物及びその製造方法が、例えば、米国特許第4,011,360号、第5,082,596号、第5,296,570号、第5,498,644号、第5,585,038号、及び第5,656,690号に記載されている。このタイプの完全混合物は、ストックウェルラバーカンパニーまたはパフォーマンスポリマーテクノロジーズ(Stockwell Rubber Company or Performance Polymer Technologies)などのメーカから多数市販されている。例えば、番号S6305でパーカーコメリクス(Parker Chomerics)より入手できる、粒状ニッケル及び炭素を含有するソリッドシリコーンエラストマ、番号1285でパーカーコメリクスより入手できる、粒状銀コートアルミナ(酸化アルミニウム)を含有するソリッドシリコーンエラストマ、番号1285でパーカーコメリクスより入手できる、粒状シルバーコートガラスを含有するソリッドシリコーンエラストマ、番号1215でパーカーコメリクスより入手できる、銀とニッケルの混合物を含有するソリッドシリコーンエラストマ、及び番号1350でパーカーコメリクスより入手できる銀コートガラスなどが含まれる。
【0028】
上記のように、完全混合物のタイプ、サイズ、形状及び成分の量は、きわめて予測可能で実質的に均一なばね定数(spring rate)を実現できる、圧力パッドの最適な弾性を提供すべく選択され、これにより圧力下でのセルシステムの実質的に均一な圧縮が可能になる。完全混合物のタイプ、サイズ、形状及び成分の量は、さらに、圧力パッドに対して最適な導電率(逆に言えば、抵抗率)を提供すべく選択される。最適な抵抗率は、反応物、セルサイズ、圧力などの動作パラメータなどの要因によって異なる。一般に、圧力パッドは、MIL−G−83528para.4.6.11で測定した際に、約5.0オーム/cm未満、好ましくは約1.0オーム/cm未満、より好ましくは約0.1オーム/cm未満、最も好ましくは約0.01オーム/cm未満の体積抵抗率を有する。好ましい範囲は、約1x10−5から約1x10−1オーム/cm、好ましくは1x10−2オーム/cmである。
【0029】
さらに、完全混合物は、単一型シートの形状で提供される。ここで、「単一型」とは、電気化学セルの活性領域に隣接配置される外表面が図3に示すように平滑である単一シートを意味する。したがって、「単一型シート」という表現は、例えば、エラストマ繊維が導電性繊維と織り合わされたり、または打ち抜かれた金属シートのくぼみにエラストマが成形されている構成を除外することを意味する。
【0030】
圧力パッドの形状及びサイズは、セルの形状、サイズ及び動作圧力、及び同様の条件によって異なる。したがって、圧力パッド230は、好ましくは、活性領域方向に圧力を作用させるのに適した形状及び面積を有する。例えば、円形圧力パッドは、約0.1インチ(2.54mm)未満から最大10フィート(3.048メートル)の直径を有する概して円形の断面を有する電気化学セルに適する。一般に、約0.01〜約10平方フィート(約0.00093〜約0.93平方メートル)の断面積を有するセルに対し、約0.0005〜約6インチ(約0.0127〜約152.4ミリメートル(mm))、好ましくは約0.005〜約1インチ(約0.127〜約25.4ミリメートル(mm))の厚さが有用である。もちろん、電気化学セルのサイズ及び形状は、空間利用性及び電力要件を非限定的に含む要因によって変化する可能性がある。
【0031】
圧力パッド230は、さらに、圧力下での圧縮を可能にすべく空隙体積(void volume)を有する。図3に示される圧力パッド330の1実施形態においては、空隙体積は、圧力パッド330の厚さを通過して延びる孔240によって提供される。空隙体積の程度はセルの動作条件に応じて変化し、過度の実験をせずに当業者により簡単に決定できる。一般に、有効な圧縮性の実現には、圧力パッドの総体積に基づき、約0.1または10または30パーセント以下の空隙体積が有効である。空隙体積は、通常、圧力パッドの総体積に基づき90または85パーセント以下、場合によっては50パーセント以下を含む。圧力パッドが流体を通過させる設計の場合、圧力パッドは一般により高い空隙体積、通常は、圧力パッドの総体積に基づき約10〜90パーセント、好ましくは約20〜約80パーセントの空隙体積を有する。
【0032】
導電性の単一型圧力パッドは、単独で使用してもよいし、圧力パッドシステム450の一部として使用してもよい。図4に示される例示的なシステムでは、単一型導電性圧力パッド430は、1つ以上の導電層460,470、例えば1つ以上の銅ホイルに隣接して設けられる。この実施形態において、空隙体積は孔、または図示される空隙480によって提供してもよい。空隙480は任意の適当な形状(プロファイル)を有することができる。適当な形状には、半球体、ダイアモンド形、チャネル、不規則形状などが含まれるがこれらに限定されない。
【0033】
圧力パッド及び圧力パッドシステムのそれぞれは、約1.03MPa(約150psi)以上、好ましくは約3.45MPa(約500psi)以上、より好ましくは約6.895MPa(約1,000psi)以上、より好ましくは約13.79MPa(約2,000psi)以上、さらに好ましくは約68.948MPa(約10,000psi)以上の圧力に耐えることができる。このように、圧力パッドは、高圧の電気化学セル環境に導入することができる。
【0034】
以下の非限定的な実施例により本発明をさらに説明する。以下の実施例においては、圧力パッドの組成及び構成を詳細に説明する。
【0035】
(実施例)
実施例1
圧力パッド330は、50wt.%のバイトン(商標名)と50wt.%のニオブとの混合物で形成される。バイトン(商標名)は、直径が約0.05インチ(約1.27mm)で長さ約0.25インチ(約6.35mm)の、75デュロメータのリングの切断片の形状を有する。ニオブは、最小サイズが約0.05インチ(約1.27mm)で、最大サイズが約0.25インチ(約6.35mm)の切断片の形状である。バイトン(商標名)とニオブを完全に混合し、適当な焼結装置に載置し、約400℃(華氏約750度)で加熱した。焼結したプレートは、厚さ約0.25インチ(約6.35mm)のバイトン(商標名)とニオブの完全混合物を含む。この完全混合物は一般的に脆いため、周囲圧力から最大約68.948MPa(約10,000psi)までの動作圧力を有するシステムにおける使用に適する。
【0036】
実施例2
圧力パッド330は、50wt.%のバイトン(商標名)と50wt.%のニオブとの混合物で形成される。バイトン(商標名)は、直径が約0.125インチ(約3.175mm)で長さ約0.25インチ(約6.35mm)の、50ゲージ(gauge)のコードの切断片形状を有する。ニオブは、最小サイズが約0.125インチ(約3.175mm)で、最大サイズが約0.25インチ(約6.35mm)の切断片形状である。バイトン(商標名)とニオブを完全に混合し、直径が約1インチ(2.54センチメートル)の適当な焼結及び圧縮装置に載置し、約204℃(華氏約400度)で13.79MPa(2000psi)に加圧した。焼結したプレートは、厚さ約0.25インチ(約6.35mm)のバイトン(商標名)とニオブの完全混合物を含み、周囲圧力から最大約68.948MPa(約10,000psi)までの動作圧力を有するシステムにおける使用に適する。
【0037】
実施例3
圧力パッド330は、50wt.%のバイトン(商標名)と50wt.%のニオブとの混合物で形成される。バイトン(商標名)は、直径が約0.125インチ(約3.175mm)で長さ約0.25インチ(約6.35mm)の、50ゲージ(gauge)のコードの切断片形状を有する。ニオブは、最小サイズが約0.125インチ(約3.175mm)で、最大サイズが約0.25インチ(約6.35mm)の切断片形状である。バイトン(商標名)とニオブを完全に混合し、直径が約5インチ(12.7センチメートル)の適当な焼結及び圧縮装置に載置し、約204℃(華氏約400度)で20分間、13.79MPa(2000psi)に加圧した。このとき、温度傾斜(temperature ramping)に10分間、1.4℃(華氏2.5度)のオーバーシュート(overshoot)が認められた。焼結したプレートは、厚さ約0.25インチ(約6.35mm)のバイトン(商標名)とニオブの完全混合物を含み、周囲圧力から最大約68.948MPa(約10,000psi)までの動作圧力を有するシステムにおける使用に適する。
【0038】
実施例4
多数の単一型圧力パッドを以下のようにテストした。48.2%の空隙体積を有する小さいカーボンとニッケルの繊維を含むシリコーン圧力パッド(直径4.25インチ、厚さ0.33インチ(0.81mm))をテスト装置に設置し、0.24MPa(35インチ−ポンド)の荷重をかけ、25〜2000アンペアの電流をパッドに流した。電流及び電圧から抵抗率を計算した。比較テストの結果を図5に示す。これらの結果からわかるように、粒状のNi/C、Ag/Cu、Ag/ガラス、及びAg/Alの充填剤(それぞれ、テスト6,1,5,5a及び3)は25〜175アンペアの電流密度範囲にわたって低い抵抗率を示した。比較テスト2はエラストマ圧力パッド全体に織り込まれたニオブストリップを使用する従来技術の圧力パッドである。このパッドも低い抵抗率を有するが、ニオブがパッドに一体化していないため、パッドの表面が平滑でない。
【0039】
上記の電気化学セルは、システム流体及び膜に適合する金属で形成された圧力パッドを使用している。圧力パッドは、17.24MPa(2,500psi)を超える圧力、さらには68.948MPa(10,000psi)を超える圧力にも耐えることができ、この上限圧力は、システム能力によって制御される。さらに、適当に構成された場合、圧力パッドは、予想が簡単でかつ均一のばね定数を有する。導電性材料及びその相対量が選択可能で、圧力パッドは、全体的な電気抵抗が低く、それにより全体スタック抵抗が低減するように構成されている。さらに、圧力パッドは、単一部品として容易に焼結及び/または圧縮できるので、低コストで製造できる。その結果、電気化学セルの組み立て及び準備が簡単になる。最後に、部品数が少ないため、このようなパッドを使用する電気化学セルはコストが低く、より高い信頼性を有する。
【0040】
好ましい実施形態を図示して説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく、これに種々の修正及び置換えを行うことができる。したがって、本発明は例示の目的で記載され、該記載に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気化学反応を示す、従来技術の電気化学セルの部分概略図である。
【図2】電気化学セルの拡大概略図である。
【図3】例示的な単一型の有孔導電圧力パッドの概略図である。
【図4】単一型圧力パッドを含む例示的な圧力パッドシステムの概略図である。
【図5】種々の圧力パッドに対する、抵抗対電流の関係を示すグラフである。
Claims (9)
- 電気化学セルであって、
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と第2電極との間に、該第1電極と第2電極に密接に接触して設けられる膜と、
前記膜と反対側で前記第1電極と流体接続する第1のフローフィールドと、
前記膜と反対側で前記第2電極と流体接続する第2のフローフィールドと、
前記第1のフローフィールド及び前記第1電極に隣接し、粒状の導電性材料とエラストマ材料との完全混合物を含む、単一型有孔導電性圧力パッドと、
を含む電気化学セル。 - 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記エラストマ材料は粒子状である、電気化学セル。
- 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記圧力パッドは、該圧力パッドの総体積に基づき約0.1%から約90%の空隙体積を有する、電気化学セル。
- 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記圧力パッドは、該圧力パッドの総体積に基づき約10%から約80%の空隙体積を有する、電気化学セル。
- 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記導電性材料は前記電気化学セル内の流体に対して不活性である、電気化学セル。
- 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記導電性材料は、銅、銀、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、チタン、スチール、ニッケル、コバルト、炭素、貴金属、及びこれらの導電性材料の少なくとも1つを含む合金からなるグループから選択される、電気化学セル。
- 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記エラストマ材料は、シリコーン、フッ素シリコーン、フッ素ゴム、及びこれらの重合材料の少なくとも1つを含む混合物からなるグループから選択される、電気化学セル。
- 請求項1に記載の電気化学セルであって、前記圧縮パッドと電気的に接続する導電性ホイルをさらに含む、電気化学セル。
- 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記圧縮パッドは前記第1のフローフィールドに流体接続している、電気化学セル。
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