JP2004522506A - 一連の電気的に誘発した筋肉収縮によって血流を改善するための方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
体の領域内の血管を通る血流の、局所的な増加を促進するための治療方法及び装置。この方法は、(a)(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極(80a,80b)、(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極(82a,82b)、そして(iii)第一の電極及び第二の電極に作用的に接続した、電極に複数の電気刺激を供給する信号発生器(87,85)を含むシステムを提供するステップ、(b)電気刺激を適用して筋組織を少なくとも一つの電圧差にさらすことによって、血管に関連する筋組織に方向性反復収縮運動を誘発し、血管を通る血流の、局所的な増加を発生させるステップを含む。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、血流を高める方法に関し、特に、血管が関連する筋組織に電流を加え、筋組織の反復収縮運動を誘発することによって、その血管を通過する血流の局所的増加を促進する方法に関する。筋組織のこの反復収縮運動は、血流を増加させる血管蠕動を生じさせる。択一的に、血流に対して、任意の領域への血流が低下するように、筋組織の反復収縮運動を誘発することもできる。
【0002】
ここに示す方法は、血液循環の悪化に関連する種々の問題に対して、保留水排流の改善、筋肉及び組織の疼痛の軽減、そして勃起組識の機能を制御する治療等を含む、種々様々の医学的用途に適切である。血流刺激は、血液循環不良に苦しむ四肢そして/あるいは器官の潰瘍の治療、例えば糖尿病患者の足指への血流を増加させる、あるいは体腔から水腫を排出する速度を増加させるのに特に重要である。血流の制限は、また、種々の外科手術を含む、種々様々の医学的用途に適当である。
【背景技術】
【0003】
血液循環を改善して神経痛及び筋肉痛を軽減する現在の治療は、手仕事的な、電気的な、そして機械的な方法を含む。物理療法で行う用手治療は、有資格者によるマッサージが要求される。この技術は、個々のマッサージ・セラピストの経験及び技術により異なるため、適当に標準化した形式で処方することができない。また、血液循環の改善は、非常に限られたものである。
【0004】
電気筋肉刺激(EMS)は、多くの用途で広範囲に用いられる。食糧医薬品局(セクション355.200電気筋肉刺激装置、CPG 7124.26)は、ヘルス・ケア・コミュニティでは、EMS装置が、筋肉再教育、筋痙攣の軽減、運動範囲の拡大、不使用萎縮治療、局所的な血液循環の増加、そして静脈血栓症を防ぐための、ふくらはぎ筋肉の当面の術後刺激に有効であると見なされると主張している。しかしながら、EMSよって提供される刺激が、マッサージ治療による刺激に非常に類似していることを強調しなくてはならない。血液循環の増加は、非常に微弱なもので、多くの場合、ドップラーに基づく装置等の、従来の流量測定装置を用いては検知できない。EMSは、局所的な組織領域の、ランダムな刺激である。したがって、マッサージ治療、熱水治療等と同様に、EMSの方法は、局所的な血流の目立った増加を提供することはできない。さらに、刺激がランダムであるため、EMSの方法は、基本的に、局所的な血流の減少を提供することはできない。
【0005】
また、水腫の縮小のための、順序空圧装置も既知である。この装置は、スリーブ・アセンブリ内に含まれる、複数の重なり合う区画から構成される。これらの区画を、水腫に隣接させて配置した遠心端から近位端へ連続的に膨張させて、水腫を近位方向へ押す。ポンプによって個々の区画を空気で満たすが、そのサイクルは、遠位の区画を満たすことから始まり、すべての区画を満たすまで、残りの区画を満たす。収縮期間の後、サイクルを繰り返す。
【0006】
このような電気機械的な設備においては、電気モータ、往復機構等が、不快なノイズ及び振動を発生する。さらに、これらの治療は、種々の装置構成要素を、皮膚に接触させなければならないという欠点がある。これらの要素は、しばしば患者に不快感を与えるので、衛生状態を保証するために、各使用後に交換及び洗浄を必要とする。
【0007】
したがって、必要に応じて、血管を介する局所的な流体循環を促進する、制御する、そして/または減少させる方法に対する需要が認められる。そのような方法を得ることは非常に有利であり、その方法が、単純で、使い易く、非侵襲性で、繰り返しが可能で、そして患者の個々の要求に調整可能であるなら、さらに有益である。
【発明の開示】
【0008】
本発明によれば、次のステップからなる、体の領域内の血管を通る血流の、局所的な増加を促進するための治療方法が提供される。(a)(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、そして(iii)第一の電極及び第二の電極に作用的に接続した、電極に複数の電気刺激を供給する信号発生器を含むシステムを提供するステップ。(b)電気刺激を適用して筋組織を少なくとも一つの電圧差にさらすことによって、血管に関連する筋組織に方向性反復収縮運動を誘発し、血管を通る血流の、局所的な増加を発生させるステップ。
【0009】
さらに、本発明のもう一つの局面によれば、次のステップからなる、体の領域内の血管を通る血流の、局所的な変化を促進するための治療方法が提供される。(a)(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、そして(iii)第一の電極及び第二の電極に作用的に接続した、電極に複数の電気刺激を供給する信号発生器を含むシステムを提供するステップ。(b)領域の一端に少なくとも第一の電極を配置し、領域の第二端に少なくとも第二の電極を配置するステップ。そして、(c)電極間に電圧差を設定するよう、電気刺激を適用するステップ。この場合、電圧差は、血管を通る血流の、局所的な変化を発生させるよう、電極間に対向する方向で伝播する二つの波形から構成される。
【0010】
さらに、本発明のもう一つの局面によれば、次のステップからなる、体の領域内の血管を通る血流の、局所的な減少を促進するための治療方法が提供される。(a)(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、そして(iii)第一の電極及び第二の電極に作用的に接続した、電極に複数の電気刺激を供給する信号発生器を含むシステムを提供するステップ。そして、(b)電気刺激を適用して筋組織を少なくとも一つの電圧差にさらすことによって、血管に関連する筋組織に反復収縮運動を誘発し、血管を通る血流の、局所的な減少を発生させるステップ。
【0011】
さらに、本発明のもう一つの局面によれば、血管を通る血流の、局所的な変化を促進する装置が提供される。この装置は、(a)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、(b)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、(c)第一の電極及び第二の電極に作用的に接続した、電極に複数の電気刺激を供給する信号発生器、そして(d)信号発生器が発生する信号を制御する制御手段を含む。この場合、電極間に対向する方向で伝播する波形から構成される電圧差を電極間に設定するよう、制御手段及び信号発生器を設計及び構成し、電極を移動する。この電圧差によって、血管を通る血流の、局所的な変化を促進する。
【0012】
好適実施例における特徴によれば、電気刺激は筋組織に対して作用し、血管に周期的な蠕動性反復運動を課す周期的な反復波状運動を発生させる。
【0013】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、第一の電極は、第一の複数の電極であり、第二の電極は、第二の複数の電極であり、血流の局所的な増加の提供は、その領域の全長に沿って、第一の複数の電極及び第二の複数の電極の間隔を決め、第一の複数の電極と第二の複数の電極との間に連続的な、そして反復的な電圧差を設定することによって達成する。
【0014】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)領域の一端に第一の電極を配置し、領域の第二端に第二の電極を配置するステップを含む。この場合、電極間に設定される電圧差は、筋組織の反復収縮運動を誘発する所定の方向、周波数及び強度を持つ信号を得るよう、対向する方向で伝播する二つの波形から構成される。
【0015】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、第一の電極は、単一の第一の電極であり、そして第二の電極は、単一の第二の電極である。
【0016】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)血流の局所的な増加を最適化するステップを含む。
【0017】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、最適化は、センサ制御による調節に基づく。
【0018】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、最適化は、計測器によって測定した血流に基づく。
【0019】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)血管を通る血流の、周期的な測定値を得るステップ、そして(d)この測定値に基づいて、血流の局所的な増加あるいは減少を最適化するステップを含む。
【0020】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)第一の電極と第二の電極とを横切って設定される波状信号のパラメータを調整するステップを含む。
【0021】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、波状信号のパラメータは、波状信号の周波数を含む。
【0022】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、波状信号のパラメータは、波状信号の形状を含む。
【0023】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、波状信号のパラメータは、波状信号の電圧を含む。
【0024】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)血流に対する所定の目標特性を達成するよう、反復収縮運動のパラメータを調整するステップを含む。
【0025】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、血流を測定する、あるいは示すために、圧力センサが用いられる。
【0026】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)血流の局所的な増加を得るために、前記複数の電気刺激を、心臓の鼓動に対応する血液の脈拍に同期させるステップを含む。
【0027】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この同期は、体内の血圧をモニタリングすることによって達成する。
【0028】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、信号は、正の電圧差相と負の電圧差相とからなり、正の相及び負の相には、時間的な重なりがある。
【0029】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この時間的な重なりは、1マイクロ秒から500マイクロ秒である。
【0030】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、時間的な重なりは、10マイクロ秒から100マイクロ秒である。
【0031】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、信号は、複数の正の電圧差ピークと複数の負の電圧差ピークとからなり、ピークの各々が、30から500マイクロ秒の持続時間を持つ。
【0032】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、ピークの各々は、50から300マイクロ秒の持続時間を持つ。
【0033】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、正のピークの各々が、150から300マイクロ秒の持続時間を持つ。
【0034】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、信号は、複数のパルスからなり、各パルスが正の電圧差相と負の電圧差相とを含む。この場合、複数のパルスは、毎秒0.5から150パルス(PPS)の範囲の周波数を持つ。
【0035】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、複数のパルスは、25から150PPSの範囲の周波数を持つ。
【0036】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、局所的な変化は、血管を通る血流の増加である。
【0037】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、局所的な変化は、血管を通る血流の減少である。
【0038】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、電圧差は、複数の電圧差である。
【0039】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、電圧差は、血管に関連する筋組織に方向性反復収縮運動を誘発するよう、制御手段によって制御され、血管を通る血流の、局所的な増加が達成される。
【0040】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、制御手段は、筋組織に反復収縮運動を誘発する所定の方向、周波数及び強度を持つ信号を得るよう、波形を制御する。
【0041】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、装置はさらに、(e)制御手段に作用的に結合した、血流を測定する計測器を含む。
【0042】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、制御手段は、計測器からの入力に基づいて、電気刺激のシーケンスを開始するように設計される。
【0043】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、計測器は、血圧データを提示する圧力センサを含む。
【0044】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、制御手段は、電気刺激のシーケンスを、心臓の鼓動に対応する血液の脈拍に同期させるように設計される。
【0045】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、信号発生器は、少なくとも二つの信号発生器を含む。
【0046】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、装置はさらに、(e)信号発生器へ作用的に並列に接続した増幅器を含む。
【0047】
本発明は、局所的な血流を増加あるいは低下させる無痛の、外部の、非侵襲性の方法を提供することによって、既存の技術の欠点を解決する。本発明は、単純で、調整が容易であり、特定な患者の必要に対して、容易に適応が可能である。
【0048】
本発明を、次の添付図面を参照しながら実施例を用いて説明する。さて、詳細に図面を参照するが、ここに示す特定な事項は、単に例として、本発明の好適実施例を説明する目的で示し、そして本発明の原理及び概念的な側面を、最も有用な、そして容易に理解可能な形態で提示していることを強調する。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要な範囲を超えて、本発明の構造的な細部を詳細に示す試みは行わないが、図面そしてこの説明から、本技術に熟練した者には、本発明の複数の形態を実際に具体化する方法は明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明によれば、体の特定な領域内の血管を通る血流を局所的に増進するための治療方法が提供される。
【0050】
本発明によるこの方法の原理及び作用は、図面及びその説明文から明確に理解することができる。
【0051】
本発明の少なくとも一つの実施例を詳細に説明する前に理解すべきことは、本発明は、次の説明文に、あるいは図面に示した構造の詳細、そして構成要素の組み合わせに、その用途が限られないということである。本発明は、他の実施例において、あるいは種々のやり方で実践、実行できる。また、ここに用いる表現及び用語は、説明のためのものであって、限定するものと見なすべきではないことも理解すべきである。
【0052】
本文、明細書内で、また、請求項内で用いる用語「極性」は、ゼロ電圧をも含む電圧の絶対量に言及する。
【0053】
本文、明細書内で、また、請求項内で用いる用語「被変調」及び「変調」は、本技術分野に既知であり、そして種々の市販の装置を用いて実現可能な方法によって、電磁エネルギーの一つ以上の特性を変化させるプロセスに言及する。
【0054】
本文、明細書内で、また、請求項内で用いる用語「電圧差」は、二つの別個の電圧値間の絶対差に言及する。
【0055】
本文、明細書内で、また、請求項内で用いる用語「蠕動」は、流体を運ぶ一つ以上の管が、一連の協調収縮あるいは狭窄の状態で圧縮され、所望の方向へ流体が移動される、蠕動運動に共通な特性に言及する。
【0056】
本文、明細書内で、また、請求項内で用いる用語「計測器によって測定した血流」等は、直接的な、あるいは間接的な方法を用いて計測器によって測定した流量を意味する。また、この用語は、心臓の鼓動あるいは脈拍を感知する直接的な、あるいは間接的な、計測器による方法をも意味する。特に、この用語は、相対的な、あるいは絶対的な血流速度を判定する、あるいは脈拍を感知する圧力センサを用いる方法を含むことを意図している。
【0057】
図1は、前腕の一部20を示す概要図である。この部分20の一端には第一の電極22が、その反対側端部に第二の電極24が付いている。電極22及び24は電源(図示せず)に接続されて作動可能である。本技術に既知であるが、電極22及び24へ適当な電圧差及び電流を加えることによって、筋組織を収縮させることができる(図2参照)。収縮は、特定な遅延の後、電極22及び24間におけるほぼ中央、ポイント26で起こる。
【0058】
図2は、図1の前腕部分の内部組織を表す概要図であり、骨151、筋肉153を形成する筋線維、そして体液管152を含む。筋肉153と皮膚150の間に位置する管152(血液を移送する導管に対する一般的な用語で、動脈及び静脈を含むが、それらに限定しない)は、筋肉153のほぼ全長に沿って血液を運ぶ。
【0059】
電極グループ110及び120に電流を加えた後、筋肉収縮が起こり、筋肉153の繊維内に膨れ、すなわち瘤154が生じ、それが狭窄点155において管152に衝突する。
【0060】
本発明者は、この現象を、管152を通る血流を高めるために利用することができることを発見した。理論による限定を望まないが、発明者は、電流によって筋組織の全長に沿う、このような筋肉収縮及び血管狭窄が連続的に生じる血流の増大を、蠕動効果によるものとする。一連の血管狭窄は非常に短い期間内に起こり、血管内の血流は、電極へ供給される電気刺激によって予め定まる方向へ増加する。
【0061】
蠕動ポンプの作用は、図3を参照すれば良く理解することができる。典型的な蠕動ポンプは、移送すべき流体を含んで運ぶ管130を用いる。管130の壁135は、典型的に、弾性のある柔軟な合成物質から形成され、管130は、図に示すようにU字形パターンに順応する。この管に対して、三つのローラー137、139及び141が、フレーム140上に半径方向等距離に配置されており、このフレームが、図示の方向136へ典型的に電気モータによって駆動される。フレーム140の軸は、三つのローラーの二つが、管130を圧縮して絞り、ローラー139が狭窄点144を、そしてローラー141が狭窄点143を生じるように配置されている。反時計回りの方向へフレーム140を回転させると、ポンプ作用が生じる。流体の部分133が方向131へ内側に吸引され、流体の部分142が、ローラー141及び139によって各々生じる狭窄点143及び144の間で移送されて方向136に沿って移動し、流体の一部134が方向132へ外側へ移動させる。したがって、蠕動によって注入口124から排出口126へ血液が流れる。
【0062】
筋組織における無意識の波状狭窄による蠕動輸送は、消化管の全長に沿って食物を移動するための体内メカニズムである。動脈の筋肉壁は、血流を増加あるいは減少させるために、無意識に拡張あるいは収縮する。
【0063】
本発明によれば、蠕動の流れに貢献するような適時の様式で、筋組織の全長に沿って筋肉収縮(その結果として、隣接する血管の狭窄)が生じるように、外部から一連の電気刺激を提供することによって、この原理を適用することができる。
【0064】
種々の方法によって、蠕動ポンプ効果を達成することができる。例として、図4は、図1に示す前腕部分20の概要図であるが、前腕部分20の部位Aと部位Bとの間に一連の電極51から60が取り付けられている。強調すべきことは、図4、そしてその説明における電極の数、電極の位置、そして電圧差を適用するシーケンスは、例として、本発明の説明のために提供するものであり、本技術に精通する者には、多くの他の配置及びシーケンスが可能であることは明らかである。
【0065】
電極51から60は、作用的に一つ以上の信号発生器(図示せず)に接続するものであるが、この例では、単一の信号発生器を用いる。まず、信号発生器は、電極51及び52に適当な電圧差及び電流を供給する。特定な遅延の後、電極51及び52間の中途のポイント62で筋組織の収縮が生じる。上記のように、この収縮は、その筋組織に隣接する血管の狭窄を引き起こす。その後、信号発生器は、電極51及び52に電圧差を供給し、今回は電極51及び53間のほぼ中央のポイント64において筋組織をさらに収縮させる。その後、信号発生器は、電極51及び54に電圧差を供給し、今回は電極51及び54間の中途であるポイント66において、さらに筋組織を収縮させる。その後、信号発生器は、電極51及び55に電圧差を供給し、今回は電極51及び55間の中途であるポイント68において、さらに筋組織を収縮させる。電極51以外の電極を有利に作動させてもよい。したがって、シーケンスの次の段階では、信号発生器は、電極52及び55に電圧差を供給し、今回は電極52及び55間のほぼ中央のポイント70において、さらに筋組織を収縮させてもよい。電極59及び60に電圧差を加えることによって、最終的な(ポイント72における)収縮を達成するまで、上記のシーケンスを継続してもよい。
【0066】
以上のように、前腕20の部位Aと部位Bとの間に一連の筋肉収縮を、筋組織の全長に沿って伝播させる。この一連の筋収縮は、隣接する血管を収縮させ、蠕動ポンプを効果的に作用させるため、血流が増加する。
【0067】
さらに、発明者は、先に図4に示した部位Aと部位Bとの間で、全長を横切る電極を配置することなく、部位Aから部位Bへの蠕動ポンプを血管に作用させることが可能であることを発見した。図5は、図1及び図4に示す前腕部分20の概要図であるが、第一の電極対80A及び80Bと第二の電極対82A及び82Bが取り付けられている。例として、電極80A及び82Aは、前腕部分20の部位Aの端部近くに位置し、電極80B及び82Bは、部位Bの端部近くに位置する。図7aに示すように、各電極対は、作用的に、異なる信号発生器に接続している。最初に、第一の信号発生器85によって、第一の電極対80A及び80Bに電圧差を適用する。その後すぐに、第二の信号発生器87によって、第二の電極対82A及び82Bに、第一の電極対80A及び80Bに供給した初期刺激に対して電圧差の符号が反転した電圧差を適用する。
【0068】
その結果、初期筋肉収縮は、予期されるように前述の電極対間の中央では起こらずに、部位Aの端部近くのポイント86で生じる。理論に限定されることを望まないが、この現象は、筋肉が、収縮発生までの固有な遅延時間を持つ非常に複雑な抵抗であるという点で、筋肉が理想的な抵抗とは基本的に異なるという事実に関係があると考える。とにかく、短時間後、第一の信号発生器85によって第一の電極対80A及び80Bに、もう一つの電圧差を適用する。その後すぐに、第二の信号発生器87によって、上記のように第二の電極対82A及び82Bに電圧差を適用する。結果的に、筋肉はポイント86からポイント88へと収縮を継続する。このシーケンスを数回繰り返し、収縮点を、ポイント88からポイント90へ、ポイント90からポイント92へ移行させ、そして究極的に、部位B近くに位置するポイント94に収縮点を到達させる。上記の説明のように、隣接する血管(図3を参照)の狭窄点は、筋組織の収縮点にほぼ匹敵する。したがって、血管の指向性狭窄は、蠕動効果により血管内の流量を増加させる。血管の指向性狭窄が、血管内の自然な流れの方向に対向する場合、蠕動効果は、心臓からの血流を低下させる。
【0069】
ポイント94に到達するや否や、サイクルを再開し、収縮点を、ポイント86近くから再び発生させる。
【0070】
第二の信号発生器87によって第二の電極対82A及び82Bに電圧差を適用することが好ましい。この場合、電圧差の符号は、第一の電極対80A及び80Bに供給した初期刺激に対して反転させ、第一の信号発生器85による第一の電極対80A及び80Bへの電圧差の適用が終了する前に、この電圧差の供給が開始されるようにタイミングをとる。下記の例1で説明する模範的な電圧対時間曲線を、図8a及び8bに示す。
【0071】
図6は、単一の電極対のみを必要とする、本発明のより単純な構成を示す。図6は、例として、図5に示す単一の電極対80A及び80Bとほぼ同じ位置に、単一の電極対180A及び180Bが取り付けられた、図1、4及び5に示す前腕部分20の概要図である。電極対180A及び180Bは、図7bに示し、さらに下記に詳細に説明するように、差動浮動スキームにおける四つの増幅器(a1からa4)に接続している。
【0072】
この構成は、コントローラが信号発生器85及び87に命令するプログラムによって、電極対180A及び180Bの各電極が、陽電荷から陰電荷へ、また逆方向へ極性を変化させることを可能にする。本質的に、電極180Aが電極80A及び82A(図5)の機能を担い、同様に、電極180Bが電極80B及び82Bの機能を担う。
【0073】
図7aは、図5の説明で言及するシステムの概略的な電気図であり、図7bは、図6の説明で言及するシステムの概略的な電気図である。図7aに示すように、システム300は、増幅器a1及びa2に各々結合した電極80A及び80Bを含む。増幅器a1及びa2は、さらに電源(図示せず)に接続する信号発生器85に接続している。同様に、電極82A及び82B は、各々、増幅器a3及びa4に結合している。増幅器a3及びa4は、さらに電源(図示せず)に接続する信号発生器87に接続している。電極80a及び80b(あるいは電極82A及び82B)を、患者の皮膚の領域に電気的に接触させると、電気回路を完結するように、その区域を電流が通過する。
【0074】
図7bに示すように、システム400は、増幅器a2及びa3に結合した電極180A、そして増幅器a1及びa4に結合した電極180Bを含む。増幅器a1及びa2は、上記、図7aに示すように、信号発生器85に結合している。同様に、増幅器a3及びa4は、図7aに示すように、信号発生器87に結合している。増幅器a1からa4は、差動浮動構成で配置されている。
【0075】
電極180a及び180bを、患者の皮膚の領域に電気的に接触させると、電気回路を完成するように電流がその区域を通過する。
【0076】
筋肉収縮の頻度、数、強度及び持続時間は、電極を通過する電流の変調特性によって制御される。本発明の治療方法は、血流の局所的な増加をもたらすように、治療領域に被変調電圧を十分な回数だけ繰り返して提供する。これは、限定せずに、外傷、非活動状態による影響から筋肉の反応を修復する、下肢における保水量を減少させる、血液及びリンパ液循環を改善して疼痛を軽減する、勃起組識機能の制御に関する治療を行う、そして、特に糖尿病患者における治癒を早めることを含む、種々様々の医学的用途に重要である。自然な血流に対して、筋組織の反復収縮運動を誘発することによって血流を制限することも、種々の外科手術を含む、種々様々の医学的用途に適用可能である。
【0077】
本発明の方法においては、種々の周波数及び波形が有効であることが分かっている。適当な波形としては、方形波、超越関数波、スパイク波、一次関数波、そしてステップ・パターンを含む。周波数は、利用者の総合的な健康状態、治療等のタイプ及び持続時間に応じて、かなり異なる。
【0078】
また、強調すべきことは、経験豊かな操作者は、個々の患者の必要に応じて、波形、周波数及び強度を調整することができる。
【0079】
図7bに示すように、信号発生器85及び信号発生器87が発生する波形、周波数等は、CPU89によって制御される。本発明の好適実施例では、CPU89の命令パラメータは、予め定められている。強調すべきことは、種々の周波数及び波形が、本発明の方法に関連して有効であることが分かっていることである。適当な波形は、方形波、超越関数波、スパイク波、一次関数波及びステップ・パターンを含む。周波数は、利用者の総合的な健康状態、治療のタイプ及び持続時間等に応じてかなり異なる。したがって、操作者が、CPU89の、このようなパラメータを容易に調整できるような装置構成であることが好ましい。
【0080】
CPU89がセンサ91からの入力に基づいて信号発生器を制御する、もう一つの好適実施例を下記に示す。
【0081】
図9aは、本発明の治療方法を行う前の、血管を通る血流を時間の関数で示すプロットである。血流の大きさは、ドップラー装置を用いて測定した線速度に相関関係がある。大きなピーク220は、各脈拍(心臓の鼓動)中、血管を通る血液の線速度に対応する。小さなピーク230は、脈拍間の、血管を通る血液の線速度に対応する。大きなピーク220の平均振幅は、21.1cm/sである。小さなピーク230の平均振幅は、6.0cm/sである。
【0082】
図9aに提供するプロットの完了後、本発明の治療方法を対象者に実行した。図9bは、血管を通って流れる血液の線速度を、時間の関数として示す。大きなピーク320は30.8cm/sの平均振幅を持ち、小さなピーク330は6.7cm/sの平均振幅を持つ。したがって、大きなピークの平均振幅は40から50%増加しており、このことは、血管を通る局所的な血流の、かなりの増加を示している。
【0083】
図10aは、図9aに類似する、もう一つのプロットであり、本発明の血流増大(BFE)方法を実行する前の、血管を通って流れる血液の線速度を時間の関数として示す。この線速度は、血管をマッピングする超音波機能を持つドップラー装置を用いて測定している。
【0084】
図10bは、本発明の治療方法の適用後図10aの装置を用いて測定した、血管を通って流れる血液の線速度を、時間の関数として示すプロットである。
【0085】
図11aは、図10aに示す血管マッピングの拡大図である。血管の直径が、時間に応じて変化し、そして心臓の鼓動に対してかなり周期的な、血液の容積流量に依存するため、この図は一時的なものである。図11bは、本発明の独創的なBFE方法を適用した、図10bに示す血管マッピングの拡大図である。超音波データに基づくと、血管の幅は、図11aの血管の幅に比べ、増加していることが分かる。血管を通る容積流量は、血管の横断面積と線速度との積に比例する。したがって、図9a及び9bで明示した線速度のパーセント増加率を、幅比率の平方で乗じて、容積流量のパーセント増加率を計算する。実際の、血管を通る血流の増加は、本発明のBFE装置及び方法を用いる血液速度における感知可能な増加よりも、さらに高いことが分かる。
【0086】
本発明によれば、体領域内の血管を通る血流の、局所的な増加あるいは減少を促進するための、次のステップからなる治療方法が提供される。(a)(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、そして(iii)第一の電極及び第二の電極に、少なくとも一つの電圧差を持つ複数の電気刺激を供給する信号発生器からなるシステムを提供するステップ。そして(b)血管に関連する筋組織の、方向性のある反復収縮運動の誘発によって、血管を通る血流の、局所的な増加あるいは減少を提供するステップ。この場合、誘発は、筋組織を電極を介して電圧差にさらすことによって達成される。
【0087】
さらに、好適実施例における特徴によれば、この方法は、さらに、血流の局所的な増加あるいは減少を最適化することを含む。この最適化は、センサ制御調節、そして/あるいは計測器測定による血流に基づいて行われることが好ましい。
【0088】
本技術に精通した者は、上記のような、血流あるいは心臓の鼓動のタイミングを計測器によって測定する種々様々な手段を用いることができるだろうが、この機能には、特に圧力センサが適していることが分かっている。特に、低圧用モトローラ・チップ・パック高容量センサ(Motorola Chip Pak High Volume Sensor for Low Pressure Applications、シリアル番号MPXC2011DT1)等の、ミニチュアの既製圧力センサは、本発明のBFE装置のCPUへの接続が容易である。このようなセンサから得たデータに基づいて、CPUは、発生すべき電気信号を制御する。
【0089】
このことは、上記の図7bに関連させると、理解が容易である。例として、圧力センサであるセンサ91は、システム400内のCPU89に作用的に接続している。センサ91は、外部にあり、対象者の皮膚に配置され、システム400の残り部分の近くで使用される。センサ91は、心臓に近い電極であると任意に定義した電極180aの近くの血圧の、連続的な、あるいは半連続的な読みが得られるように配置する。
【0090】
血管内の圧力は、特徴として、心臓の鼓動及び血液の循環に対応して脈打ち、かなり周期的である。結果的に、血管あるいは血管のグループを通る血液の最大流量が、センサ91によって感知される。一連の筋肉収縮の誘発を、心臓から供給される血液の最大流量に同期させた場合、本発明の血流増大の有効性は、かなり改善される。したがって、CPU89は、最大の読み、最大の読みに近い読み、あるいは所定値を超える読みを受信した後、(信号発生器85及び87、増幅器a1からa4、そして電極180a及び180bを介して)新しい一連の筋肉収縮を開始するように構成することが好ましい。
【0091】
さて、次の例を参照するが、これは、上記の説明と共に、非限定的に本発明を説明するものである。
【実施例1】
【0092】
図8は、図7b及び図6に表すシステムを用いる、本発明の治療方法の、模範的な電圧対時間グラフを示す。刺激は、30ボルトの強度を持つ方形波であり、各方形波の持続時間は、約100マイクロ秒である。指摘すべきは、グラフ内に三つの完全な周期が入るように、時間軸の尺度を変えていることである。
【0093】
第一の信号発生器85によって電極対180A及び180Bに供給される初期刺激は、正の電圧差(+30ボルト)を持つ。第二の信号発生器87によって電極対180A及び180Bに適用される第二の刺激は、逆の電荷、すなわち−30ボルトの負の電荷を持つ。第二の刺激が、第一の刺激の終了後約50マイクロ秒で終了するように、第二の刺激は約50だけ第一の刺激と重なり合う。
【0094】
正の刺激間(あるいは負の刺激間)の時間間隔は、約1ミリ秒である。六つの刺激のみを図8に示すが、実用的な治療は、このような刺激の大多数を必要とすることは明らかである。
【0095】
図8bは、本発明による治療方法のための、もう一つの模範的な電圧対時間曲線を示すオシロスコープ・トレースである。個々のパルス(あるいはスパイク)は、35Vまでの電圧と、250マイクロ秒の持続時間を持つ。このシーケンスは、二つの正のスパイクの後に二つの負のスパイクが続くという特徴がある。負荷は、約500オームである。
【0096】
本発明は、特定な実施例に関連させて説明したが、本技術に精通する者には、多くの選択肢、変更及び変化が可能であることは明らかである。したがって、このような選択肢、変更及び変化のすべては、添付の請求項の広範な範囲内に含まれることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第一の電極と第二の電極とを付けた前腕の一部を示す概要図である。
【図2】図1に示す前腕部の内部組織の概要図である。
【図3】蠕動ポンプの原理を表す部分断面図である。
【図4】本発明の一つの局面による、多数の電極を用いる、血流を高めるための方法を表す概要図である。
【図5】少なくとも二つの信号発生器を持つシステムに接続して作動する二つの電極対を用いる、血流を高めるための方法を表す概要図である。
【図6】単一の電極対を用いる、血流を高めるための方法を表す概要図である。
【図7a】図5の方法による、血流を高めるためのシステムを表す概要図である。
【図7b】図6の方法による、血流を高めるためのシステムを表す概要図である。
【図8a】本発明による治療方法の、模範的な電圧対時間曲線を示すグラフである。
【図8b】本発明による治療方法の、もう一つの模範的な電圧対時間曲線を示すグラフである。
【図9a】ドップラー装置を用いて測定した、本発明の治療方法を開始する前の通常の周期における、血管を通る血流を、時間の関数として示すプロットである。
【図9b】本発明の治療方法を用いたときの、血管を通る血流を、時間の関数として示すプロットである。
【図10a】本発明の治療方法を施す前の、血管を通る血流を、時間の関数として示すプロットである。血流は、血管をマッピングする、超音波機能を持つドップラー装置を用いて測定した。
【図10b】本発明の治療方法を適用したときの、図10aの装置を用いて血管を通る血流を、時間の関数として示すプロットである。
【図11a】図10aに示す血管マッピングの拡大図である。
【図11b】図10bに示す血管マッピングの拡大図である。
【0001】
本発明は、血流を高める方法に関し、特に、血管が関連する筋組織に電流を加え、筋組織の反復収縮運動を誘発することによって、その血管を通過する血流の局所的増加を促進する方法に関する。筋組織のこの反復収縮運動は、血流を増加させる血管蠕動を生じさせる。択一的に、血流に対して、任意の領域への血流が低下するように、筋組織の反復収縮運動を誘発することもできる。
【0002】
ここに示す方法は、血液循環の悪化に関連する種々の問題に対して、保留水排流の改善、筋肉及び組織の疼痛の軽減、そして勃起組識の機能を制御する治療等を含む、種々様々の医学的用途に適切である。血流刺激は、血液循環不良に苦しむ四肢そして/あるいは器官の潰瘍の治療、例えば糖尿病患者の足指への血流を増加させる、あるいは体腔から水腫を排出する速度を増加させるのに特に重要である。血流の制限は、また、種々の外科手術を含む、種々様々の医学的用途に適当である。
【背景技術】
【0003】
血液循環を改善して神経痛及び筋肉痛を軽減する現在の治療は、手仕事的な、電気的な、そして機械的な方法を含む。物理療法で行う用手治療は、有資格者によるマッサージが要求される。この技術は、個々のマッサージ・セラピストの経験及び技術により異なるため、適当に標準化した形式で処方することができない。また、血液循環の改善は、非常に限られたものである。
【0004】
電気筋肉刺激(EMS)は、多くの用途で広範囲に用いられる。食糧医薬品局(セクション355.200電気筋肉刺激装置、CPG 7124.26)は、ヘルス・ケア・コミュニティでは、EMS装置が、筋肉再教育、筋痙攣の軽減、運動範囲の拡大、不使用萎縮治療、局所的な血液循環の増加、そして静脈血栓症を防ぐための、ふくらはぎ筋肉の当面の術後刺激に有効であると見なされると主張している。しかしながら、EMSよって提供される刺激が、マッサージ治療による刺激に非常に類似していることを強調しなくてはならない。血液循環の増加は、非常に微弱なもので、多くの場合、ドップラーに基づく装置等の、従来の流量測定装置を用いては検知できない。EMSは、局所的な組織領域の、ランダムな刺激である。したがって、マッサージ治療、熱水治療等と同様に、EMSの方法は、局所的な血流の目立った増加を提供することはできない。さらに、刺激がランダムであるため、EMSの方法は、基本的に、局所的な血流の減少を提供することはできない。
【0005】
また、水腫の縮小のための、順序空圧装置も既知である。この装置は、スリーブ・アセンブリ内に含まれる、複数の重なり合う区画から構成される。これらの区画を、水腫に隣接させて配置した遠心端から近位端へ連続的に膨張させて、水腫を近位方向へ押す。ポンプによって個々の区画を空気で満たすが、そのサイクルは、遠位の区画を満たすことから始まり、すべての区画を満たすまで、残りの区画を満たす。収縮期間の後、サイクルを繰り返す。
【0006】
このような電気機械的な設備においては、電気モータ、往復機構等が、不快なノイズ及び振動を発生する。さらに、これらの治療は、種々の装置構成要素を、皮膚に接触させなければならないという欠点がある。これらの要素は、しばしば患者に不快感を与えるので、衛生状態を保証するために、各使用後に交換及び洗浄を必要とする。
【0007】
したがって、必要に応じて、血管を介する局所的な流体循環を促進する、制御する、そして/または減少させる方法に対する需要が認められる。そのような方法を得ることは非常に有利であり、その方法が、単純で、使い易く、非侵襲性で、繰り返しが可能で、そして患者の個々の要求に調整可能であるなら、さらに有益である。
【発明の開示】
【0008】
本発明によれば、次のステップからなる、体の領域内の血管を通る血流の、局所的な増加を促進するための治療方法が提供される。(a)(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、そして(iii)第一の電極及び第二の電極に作用的に接続した、電極に複数の電気刺激を供給する信号発生器を含むシステムを提供するステップ。(b)電気刺激を適用して筋組織を少なくとも一つの電圧差にさらすことによって、血管に関連する筋組織に方向性反復収縮運動を誘発し、血管を通る血流の、局所的な増加を発生させるステップ。
【0009】
さらに、本発明のもう一つの局面によれば、次のステップからなる、体の領域内の血管を通る血流の、局所的な変化を促進するための治療方法が提供される。(a)(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、そして(iii)第一の電極及び第二の電極に作用的に接続した、電極に複数の電気刺激を供給する信号発生器を含むシステムを提供するステップ。(b)領域の一端に少なくとも第一の電極を配置し、領域の第二端に少なくとも第二の電極を配置するステップ。そして、(c)電極間に電圧差を設定するよう、電気刺激を適用するステップ。この場合、電圧差は、血管を通る血流の、局所的な変化を発生させるよう、電極間に対向する方向で伝播する二つの波形から構成される。
【0010】
さらに、本発明のもう一つの局面によれば、次のステップからなる、体の領域内の血管を通る血流の、局所的な減少を促進するための治療方法が提供される。(a)(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、そして(iii)第一の電極及び第二の電極に作用的に接続した、電極に複数の電気刺激を供給する信号発生器を含むシステムを提供するステップ。そして、(b)電気刺激を適用して筋組織を少なくとも一つの電圧差にさらすことによって、血管に関連する筋組織に反復収縮運動を誘発し、血管を通る血流の、局所的な減少を発生させるステップ。
【0011】
さらに、本発明のもう一つの局面によれば、血管を通る血流の、局所的な変化を促進する装置が提供される。この装置は、(a)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、(b)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、(c)第一の電極及び第二の電極に作用的に接続した、電極に複数の電気刺激を供給する信号発生器、そして(d)信号発生器が発生する信号を制御する制御手段を含む。この場合、電極間に対向する方向で伝播する波形から構成される電圧差を電極間に設定するよう、制御手段及び信号発生器を設計及び構成し、電極を移動する。この電圧差によって、血管を通る血流の、局所的な変化を促進する。
【0012】
好適実施例における特徴によれば、電気刺激は筋組織に対して作用し、血管に周期的な蠕動性反復運動を課す周期的な反復波状運動を発生させる。
【0013】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、第一の電極は、第一の複数の電極であり、第二の電極は、第二の複数の電極であり、血流の局所的な増加の提供は、その領域の全長に沿って、第一の複数の電極及び第二の複数の電極の間隔を決め、第一の複数の電極と第二の複数の電極との間に連続的な、そして反復的な電圧差を設定することによって達成する。
【0014】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)領域の一端に第一の電極を配置し、領域の第二端に第二の電極を配置するステップを含む。この場合、電極間に設定される電圧差は、筋組織の反復収縮運動を誘発する所定の方向、周波数及び強度を持つ信号を得るよう、対向する方向で伝播する二つの波形から構成される。
【0015】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、第一の電極は、単一の第一の電極であり、そして第二の電極は、単一の第二の電極である。
【0016】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)血流の局所的な増加を最適化するステップを含む。
【0017】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、最適化は、センサ制御による調節に基づく。
【0018】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、最適化は、計測器によって測定した血流に基づく。
【0019】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)血管を通る血流の、周期的な測定値を得るステップ、そして(d)この測定値に基づいて、血流の局所的な増加あるいは減少を最適化するステップを含む。
【0020】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)第一の電極と第二の電極とを横切って設定される波状信号のパラメータを調整するステップを含む。
【0021】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、波状信号のパラメータは、波状信号の周波数を含む。
【0022】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、波状信号のパラメータは、波状信号の形状を含む。
【0023】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、波状信号のパラメータは、波状信号の電圧を含む。
【0024】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)血流に対する所定の目標特性を達成するよう、反復収縮運動のパラメータを調整するステップを含む。
【0025】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、血流を測定する、あるいは示すために、圧力センサが用いられる。
【0026】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この方法はさらに、(c)血流の局所的な増加を得るために、前記複数の電気刺激を、心臓の鼓動に対応する血液の脈拍に同期させるステップを含む。
【0027】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この同期は、体内の血圧をモニタリングすることによって達成する。
【0028】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、信号は、正の電圧差相と負の電圧差相とからなり、正の相及び負の相には、時間的な重なりがある。
【0029】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、この時間的な重なりは、1マイクロ秒から500マイクロ秒である。
【0030】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、時間的な重なりは、10マイクロ秒から100マイクロ秒である。
【0031】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、信号は、複数の正の電圧差ピークと複数の負の電圧差ピークとからなり、ピークの各々が、30から500マイクロ秒の持続時間を持つ。
【0032】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、ピークの各々は、50から300マイクロ秒の持続時間を持つ。
【0033】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、正のピークの各々が、150から300マイクロ秒の持続時間を持つ。
【0034】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、信号は、複数のパルスからなり、各パルスが正の電圧差相と負の電圧差相とを含む。この場合、複数のパルスは、毎秒0.5から150パルス(PPS)の範囲の周波数を持つ。
【0035】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、複数のパルスは、25から150PPSの範囲の周波数を持つ。
【0036】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、局所的な変化は、血管を通る血流の増加である。
【0037】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、局所的な変化は、血管を通る血流の減少である。
【0038】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、電圧差は、複数の電圧差である。
【0039】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、電圧差は、血管に関連する筋組織に方向性反復収縮運動を誘発するよう、制御手段によって制御され、血管を通る血流の、局所的な増加が達成される。
【0040】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、制御手段は、筋組織に反復収縮運動を誘発する所定の方向、周波数及び強度を持つ信号を得るよう、波形を制御する。
【0041】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、装置はさらに、(e)制御手段に作用的に結合した、血流を測定する計測器を含む。
【0042】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、制御手段は、計測器からの入力に基づいて、電気刺激のシーケンスを開始するように設計される。
【0043】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、計測器は、血圧データを提示する圧力センサを含む。
【0044】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、制御手段は、電気刺激のシーケンスを、心臓の鼓動に対応する血液の脈拍に同期させるように設計される。
【0045】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、信号発生器は、少なくとも二つの信号発生器を含む。
【0046】
さらに、下記の好適実施例における特徴によれば、装置はさらに、(e)信号発生器へ作用的に並列に接続した増幅器を含む。
【0047】
本発明は、局所的な血流を増加あるいは低下させる無痛の、外部の、非侵襲性の方法を提供することによって、既存の技術の欠点を解決する。本発明は、単純で、調整が容易であり、特定な患者の必要に対して、容易に適応が可能である。
【0048】
本発明を、次の添付図面を参照しながら実施例を用いて説明する。さて、詳細に図面を参照するが、ここに示す特定な事項は、単に例として、本発明の好適実施例を説明する目的で示し、そして本発明の原理及び概念的な側面を、最も有用な、そして容易に理解可能な形態で提示していることを強調する。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要な範囲を超えて、本発明の構造的な細部を詳細に示す試みは行わないが、図面そしてこの説明から、本技術に熟練した者には、本発明の複数の形態を実際に具体化する方法は明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明によれば、体の特定な領域内の血管を通る血流を局所的に増進するための治療方法が提供される。
【0050】
本発明によるこの方法の原理及び作用は、図面及びその説明文から明確に理解することができる。
【0051】
本発明の少なくとも一つの実施例を詳細に説明する前に理解すべきことは、本発明は、次の説明文に、あるいは図面に示した構造の詳細、そして構成要素の組み合わせに、その用途が限られないということである。本発明は、他の実施例において、あるいは種々のやり方で実践、実行できる。また、ここに用いる表現及び用語は、説明のためのものであって、限定するものと見なすべきではないことも理解すべきである。
【0052】
本文、明細書内で、また、請求項内で用いる用語「極性」は、ゼロ電圧をも含む電圧の絶対量に言及する。
【0053】
本文、明細書内で、また、請求項内で用いる用語「被変調」及び「変調」は、本技術分野に既知であり、そして種々の市販の装置を用いて実現可能な方法によって、電磁エネルギーの一つ以上の特性を変化させるプロセスに言及する。
【0054】
本文、明細書内で、また、請求項内で用いる用語「電圧差」は、二つの別個の電圧値間の絶対差に言及する。
【0055】
本文、明細書内で、また、請求項内で用いる用語「蠕動」は、流体を運ぶ一つ以上の管が、一連の協調収縮あるいは狭窄の状態で圧縮され、所望の方向へ流体が移動される、蠕動運動に共通な特性に言及する。
【0056】
本文、明細書内で、また、請求項内で用いる用語「計測器によって測定した血流」等は、直接的な、あるいは間接的な方法を用いて計測器によって測定した流量を意味する。また、この用語は、心臓の鼓動あるいは脈拍を感知する直接的な、あるいは間接的な、計測器による方法をも意味する。特に、この用語は、相対的な、あるいは絶対的な血流速度を判定する、あるいは脈拍を感知する圧力センサを用いる方法を含むことを意図している。
【0057】
図1は、前腕の一部20を示す概要図である。この部分20の一端には第一の電極22が、その反対側端部に第二の電極24が付いている。電極22及び24は電源(図示せず)に接続されて作動可能である。本技術に既知であるが、電極22及び24へ適当な電圧差及び電流を加えることによって、筋組織を収縮させることができる(図2参照)。収縮は、特定な遅延の後、電極22及び24間におけるほぼ中央、ポイント26で起こる。
【0058】
図2は、図1の前腕部分の内部組織を表す概要図であり、骨151、筋肉153を形成する筋線維、そして体液管152を含む。筋肉153と皮膚150の間に位置する管152(血液を移送する導管に対する一般的な用語で、動脈及び静脈を含むが、それらに限定しない)は、筋肉153のほぼ全長に沿って血液を運ぶ。
【0059】
電極グループ110及び120に電流を加えた後、筋肉収縮が起こり、筋肉153の繊維内に膨れ、すなわち瘤154が生じ、それが狭窄点155において管152に衝突する。
【0060】
本発明者は、この現象を、管152を通る血流を高めるために利用することができることを発見した。理論による限定を望まないが、発明者は、電流によって筋組織の全長に沿う、このような筋肉収縮及び血管狭窄が連続的に生じる血流の増大を、蠕動効果によるものとする。一連の血管狭窄は非常に短い期間内に起こり、血管内の血流は、電極へ供給される電気刺激によって予め定まる方向へ増加する。
【0061】
蠕動ポンプの作用は、図3を参照すれば良く理解することができる。典型的な蠕動ポンプは、移送すべき流体を含んで運ぶ管130を用いる。管130の壁135は、典型的に、弾性のある柔軟な合成物質から形成され、管130は、図に示すようにU字形パターンに順応する。この管に対して、三つのローラー137、139及び141が、フレーム140上に半径方向等距離に配置されており、このフレームが、図示の方向136へ典型的に電気モータによって駆動される。フレーム140の軸は、三つのローラーの二つが、管130を圧縮して絞り、ローラー139が狭窄点144を、そしてローラー141が狭窄点143を生じるように配置されている。反時計回りの方向へフレーム140を回転させると、ポンプ作用が生じる。流体の部分133が方向131へ内側に吸引され、流体の部分142が、ローラー141及び139によって各々生じる狭窄点143及び144の間で移送されて方向136に沿って移動し、流体の一部134が方向132へ外側へ移動させる。したがって、蠕動によって注入口124から排出口126へ血液が流れる。
【0062】
筋組織における無意識の波状狭窄による蠕動輸送は、消化管の全長に沿って食物を移動するための体内メカニズムである。動脈の筋肉壁は、血流を増加あるいは減少させるために、無意識に拡張あるいは収縮する。
【0063】
本発明によれば、蠕動の流れに貢献するような適時の様式で、筋組織の全長に沿って筋肉収縮(その結果として、隣接する血管の狭窄)が生じるように、外部から一連の電気刺激を提供することによって、この原理を適用することができる。
【0064】
種々の方法によって、蠕動ポンプ効果を達成することができる。例として、図4は、図1に示す前腕部分20の概要図であるが、前腕部分20の部位Aと部位Bとの間に一連の電極51から60が取り付けられている。強調すべきことは、図4、そしてその説明における電極の数、電極の位置、そして電圧差を適用するシーケンスは、例として、本発明の説明のために提供するものであり、本技術に精通する者には、多くの他の配置及びシーケンスが可能であることは明らかである。
【0065】
電極51から60は、作用的に一つ以上の信号発生器(図示せず)に接続するものであるが、この例では、単一の信号発生器を用いる。まず、信号発生器は、電極51及び52に適当な電圧差及び電流を供給する。特定な遅延の後、電極51及び52間の中途のポイント62で筋組織の収縮が生じる。上記のように、この収縮は、その筋組織に隣接する血管の狭窄を引き起こす。その後、信号発生器は、電極51及び52に電圧差を供給し、今回は電極51及び53間のほぼ中央のポイント64において筋組織をさらに収縮させる。その後、信号発生器は、電極51及び54に電圧差を供給し、今回は電極51及び54間の中途であるポイント66において、さらに筋組織を収縮させる。その後、信号発生器は、電極51及び55に電圧差を供給し、今回は電極51及び55間の中途であるポイント68において、さらに筋組織を収縮させる。電極51以外の電極を有利に作動させてもよい。したがって、シーケンスの次の段階では、信号発生器は、電極52及び55に電圧差を供給し、今回は電極52及び55間のほぼ中央のポイント70において、さらに筋組織を収縮させてもよい。電極59及び60に電圧差を加えることによって、最終的な(ポイント72における)収縮を達成するまで、上記のシーケンスを継続してもよい。
【0066】
以上のように、前腕20の部位Aと部位Bとの間に一連の筋肉収縮を、筋組織の全長に沿って伝播させる。この一連の筋収縮は、隣接する血管を収縮させ、蠕動ポンプを効果的に作用させるため、血流が増加する。
【0067】
さらに、発明者は、先に図4に示した部位Aと部位Bとの間で、全長を横切る電極を配置することなく、部位Aから部位Bへの蠕動ポンプを血管に作用させることが可能であることを発見した。図5は、図1及び図4に示す前腕部分20の概要図であるが、第一の電極対80A及び80Bと第二の電極対82A及び82Bが取り付けられている。例として、電極80A及び82Aは、前腕部分20の部位Aの端部近くに位置し、電極80B及び82Bは、部位Bの端部近くに位置する。図7aに示すように、各電極対は、作用的に、異なる信号発生器に接続している。最初に、第一の信号発生器85によって、第一の電極対80A及び80Bに電圧差を適用する。その後すぐに、第二の信号発生器87によって、第二の電極対82A及び82Bに、第一の電極対80A及び80Bに供給した初期刺激に対して電圧差の符号が反転した電圧差を適用する。
【0068】
その結果、初期筋肉収縮は、予期されるように前述の電極対間の中央では起こらずに、部位Aの端部近くのポイント86で生じる。理論に限定されることを望まないが、この現象は、筋肉が、収縮発生までの固有な遅延時間を持つ非常に複雑な抵抗であるという点で、筋肉が理想的な抵抗とは基本的に異なるという事実に関係があると考える。とにかく、短時間後、第一の信号発生器85によって第一の電極対80A及び80Bに、もう一つの電圧差を適用する。その後すぐに、第二の信号発生器87によって、上記のように第二の電極対82A及び82Bに電圧差を適用する。結果的に、筋肉はポイント86からポイント88へと収縮を継続する。このシーケンスを数回繰り返し、収縮点を、ポイント88からポイント90へ、ポイント90からポイント92へ移行させ、そして究極的に、部位B近くに位置するポイント94に収縮点を到達させる。上記の説明のように、隣接する血管(図3を参照)の狭窄点は、筋組織の収縮点にほぼ匹敵する。したがって、血管の指向性狭窄は、蠕動効果により血管内の流量を増加させる。血管の指向性狭窄が、血管内の自然な流れの方向に対向する場合、蠕動効果は、心臓からの血流を低下させる。
【0069】
ポイント94に到達するや否や、サイクルを再開し、収縮点を、ポイント86近くから再び発生させる。
【0070】
第二の信号発生器87によって第二の電極対82A及び82Bに電圧差を適用することが好ましい。この場合、電圧差の符号は、第一の電極対80A及び80Bに供給した初期刺激に対して反転させ、第一の信号発生器85による第一の電極対80A及び80Bへの電圧差の適用が終了する前に、この電圧差の供給が開始されるようにタイミングをとる。下記の例1で説明する模範的な電圧対時間曲線を、図8a及び8bに示す。
【0071】
図6は、単一の電極対のみを必要とする、本発明のより単純な構成を示す。図6は、例として、図5に示す単一の電極対80A及び80Bとほぼ同じ位置に、単一の電極対180A及び180Bが取り付けられた、図1、4及び5に示す前腕部分20の概要図である。電極対180A及び180Bは、図7bに示し、さらに下記に詳細に説明するように、差動浮動スキームにおける四つの増幅器(a1からa4)に接続している。
【0072】
この構成は、コントローラが信号発生器85及び87に命令するプログラムによって、電極対180A及び180Bの各電極が、陽電荷から陰電荷へ、また逆方向へ極性を変化させることを可能にする。本質的に、電極180Aが電極80A及び82A(図5)の機能を担い、同様に、電極180Bが電極80B及び82Bの機能を担う。
【0073】
図7aは、図5の説明で言及するシステムの概略的な電気図であり、図7bは、図6の説明で言及するシステムの概略的な電気図である。図7aに示すように、システム300は、増幅器a1及びa2に各々結合した電極80A及び80Bを含む。増幅器a1及びa2は、さらに電源(図示せず)に接続する信号発生器85に接続している。同様に、電極82A及び82B は、各々、増幅器a3及びa4に結合している。増幅器a3及びa4は、さらに電源(図示せず)に接続する信号発生器87に接続している。電極80a及び80b(あるいは電極82A及び82B)を、患者の皮膚の領域に電気的に接触させると、電気回路を完結するように、その区域を電流が通過する。
【0074】
図7bに示すように、システム400は、増幅器a2及びa3に結合した電極180A、そして増幅器a1及びa4に結合した電極180Bを含む。増幅器a1及びa2は、上記、図7aに示すように、信号発生器85に結合している。同様に、増幅器a3及びa4は、図7aに示すように、信号発生器87に結合している。増幅器a1からa4は、差動浮動構成で配置されている。
【0075】
電極180a及び180bを、患者の皮膚の領域に電気的に接触させると、電気回路を完成するように電流がその区域を通過する。
【0076】
筋肉収縮の頻度、数、強度及び持続時間は、電極を通過する電流の変調特性によって制御される。本発明の治療方法は、血流の局所的な増加をもたらすように、治療領域に被変調電圧を十分な回数だけ繰り返して提供する。これは、限定せずに、外傷、非活動状態による影響から筋肉の反応を修復する、下肢における保水量を減少させる、血液及びリンパ液循環を改善して疼痛を軽減する、勃起組識機能の制御に関する治療を行う、そして、特に糖尿病患者における治癒を早めることを含む、種々様々の医学的用途に重要である。自然な血流に対して、筋組織の反復収縮運動を誘発することによって血流を制限することも、種々の外科手術を含む、種々様々の医学的用途に適用可能である。
【0077】
本発明の方法においては、種々の周波数及び波形が有効であることが分かっている。適当な波形としては、方形波、超越関数波、スパイク波、一次関数波、そしてステップ・パターンを含む。周波数は、利用者の総合的な健康状態、治療等のタイプ及び持続時間に応じて、かなり異なる。
【0078】
また、強調すべきことは、経験豊かな操作者は、個々の患者の必要に応じて、波形、周波数及び強度を調整することができる。
【0079】
図7bに示すように、信号発生器85及び信号発生器87が発生する波形、周波数等は、CPU89によって制御される。本発明の好適実施例では、CPU89の命令パラメータは、予め定められている。強調すべきことは、種々の周波数及び波形が、本発明の方法に関連して有効であることが分かっていることである。適当な波形は、方形波、超越関数波、スパイク波、一次関数波及びステップ・パターンを含む。周波数は、利用者の総合的な健康状態、治療のタイプ及び持続時間等に応じてかなり異なる。したがって、操作者が、CPU89の、このようなパラメータを容易に調整できるような装置構成であることが好ましい。
【0080】
CPU89がセンサ91からの入力に基づいて信号発生器を制御する、もう一つの好適実施例を下記に示す。
【0081】
図9aは、本発明の治療方法を行う前の、血管を通る血流を時間の関数で示すプロットである。血流の大きさは、ドップラー装置を用いて測定した線速度に相関関係がある。大きなピーク220は、各脈拍(心臓の鼓動)中、血管を通る血液の線速度に対応する。小さなピーク230は、脈拍間の、血管を通る血液の線速度に対応する。大きなピーク220の平均振幅は、21.1cm/sである。小さなピーク230の平均振幅は、6.0cm/sである。
【0082】
図9aに提供するプロットの完了後、本発明の治療方法を対象者に実行した。図9bは、血管を通って流れる血液の線速度を、時間の関数として示す。大きなピーク320は30.8cm/sの平均振幅を持ち、小さなピーク330は6.7cm/sの平均振幅を持つ。したがって、大きなピークの平均振幅は40から50%増加しており、このことは、血管を通る局所的な血流の、かなりの増加を示している。
【0083】
図10aは、図9aに類似する、もう一つのプロットであり、本発明の血流増大(BFE)方法を実行する前の、血管を通って流れる血液の線速度を時間の関数として示す。この線速度は、血管をマッピングする超音波機能を持つドップラー装置を用いて測定している。
【0084】
図10bは、本発明の治療方法の適用後図10aの装置を用いて測定した、血管を通って流れる血液の線速度を、時間の関数として示すプロットである。
【0085】
図11aは、図10aに示す血管マッピングの拡大図である。血管の直径が、時間に応じて変化し、そして心臓の鼓動に対してかなり周期的な、血液の容積流量に依存するため、この図は一時的なものである。図11bは、本発明の独創的なBFE方法を適用した、図10bに示す血管マッピングの拡大図である。超音波データに基づくと、血管の幅は、図11aの血管の幅に比べ、増加していることが分かる。血管を通る容積流量は、血管の横断面積と線速度との積に比例する。したがって、図9a及び9bで明示した線速度のパーセント増加率を、幅比率の平方で乗じて、容積流量のパーセント増加率を計算する。実際の、血管を通る血流の増加は、本発明のBFE装置及び方法を用いる血液速度における感知可能な増加よりも、さらに高いことが分かる。
【0086】
本発明によれば、体領域内の血管を通る血流の、局所的な増加あるいは減少を促進するための、次のステップからなる治療方法が提供される。(a)(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、そして(iii)第一の電極及び第二の電極に、少なくとも一つの電圧差を持つ複数の電気刺激を供給する信号発生器からなるシステムを提供するステップ。そして(b)血管に関連する筋組織の、方向性のある反復収縮運動の誘発によって、血管を通る血流の、局所的な増加あるいは減少を提供するステップ。この場合、誘発は、筋組織を電極を介して電圧差にさらすことによって達成される。
【0087】
さらに、好適実施例における特徴によれば、この方法は、さらに、血流の局所的な増加あるいは減少を最適化することを含む。この最適化は、センサ制御調節、そして/あるいは計測器測定による血流に基づいて行われることが好ましい。
【0088】
本技術に精通した者は、上記のような、血流あるいは心臓の鼓動のタイミングを計測器によって測定する種々様々な手段を用いることができるだろうが、この機能には、特に圧力センサが適していることが分かっている。特に、低圧用モトローラ・チップ・パック高容量センサ(Motorola Chip Pak High Volume Sensor for Low Pressure Applications、シリアル番号MPXC2011DT1)等の、ミニチュアの既製圧力センサは、本発明のBFE装置のCPUへの接続が容易である。このようなセンサから得たデータに基づいて、CPUは、発生すべき電気信号を制御する。
【0089】
このことは、上記の図7bに関連させると、理解が容易である。例として、圧力センサであるセンサ91は、システム400内のCPU89に作用的に接続している。センサ91は、外部にあり、対象者の皮膚に配置され、システム400の残り部分の近くで使用される。センサ91は、心臓に近い電極であると任意に定義した電極180aの近くの血圧の、連続的な、あるいは半連続的な読みが得られるように配置する。
【0090】
血管内の圧力は、特徴として、心臓の鼓動及び血液の循環に対応して脈打ち、かなり周期的である。結果的に、血管あるいは血管のグループを通る血液の最大流量が、センサ91によって感知される。一連の筋肉収縮の誘発を、心臓から供給される血液の最大流量に同期させた場合、本発明の血流増大の有効性は、かなり改善される。したがって、CPU89は、最大の読み、最大の読みに近い読み、あるいは所定値を超える読みを受信した後、(信号発生器85及び87、増幅器a1からa4、そして電極180a及び180bを介して)新しい一連の筋肉収縮を開始するように構成することが好ましい。
【0091】
さて、次の例を参照するが、これは、上記の説明と共に、非限定的に本発明を説明するものである。
【実施例1】
【0092】
図8は、図7b及び図6に表すシステムを用いる、本発明の治療方法の、模範的な電圧対時間グラフを示す。刺激は、30ボルトの強度を持つ方形波であり、各方形波の持続時間は、約100マイクロ秒である。指摘すべきは、グラフ内に三つの完全な周期が入るように、時間軸の尺度を変えていることである。
【0093】
第一の信号発生器85によって電極対180A及び180Bに供給される初期刺激は、正の電圧差(+30ボルト)を持つ。第二の信号発生器87によって電極対180A及び180Bに適用される第二の刺激は、逆の電荷、すなわち−30ボルトの負の電荷を持つ。第二の刺激が、第一の刺激の終了後約50マイクロ秒で終了するように、第二の刺激は約50だけ第一の刺激と重なり合う。
【0094】
正の刺激間(あるいは負の刺激間)の時間間隔は、約1ミリ秒である。六つの刺激のみを図8に示すが、実用的な治療は、このような刺激の大多数を必要とすることは明らかである。
【0095】
図8bは、本発明による治療方法のための、もう一つの模範的な電圧対時間曲線を示すオシロスコープ・トレースである。個々のパルス(あるいはスパイク)は、35Vまでの電圧と、250マイクロ秒の持続時間を持つ。このシーケンスは、二つの正のスパイクの後に二つの負のスパイクが続くという特徴がある。負荷は、約500オームである。
【0096】
本発明は、特定な実施例に関連させて説明したが、本技術に精通する者には、多くの選択肢、変更及び変化が可能であることは明らかである。したがって、このような選択肢、変更及び変化のすべては、添付の請求項の広範な範囲内に含まれることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第一の電極と第二の電極とを付けた前腕の一部を示す概要図である。
【図2】図1に示す前腕部の内部組織の概要図である。
【図3】蠕動ポンプの原理を表す部分断面図である。
【図4】本発明の一つの局面による、多数の電極を用いる、血流を高めるための方法を表す概要図である。
【図5】少なくとも二つの信号発生器を持つシステムに接続して作動する二つの電極対を用いる、血流を高めるための方法を表す概要図である。
【図6】単一の電極対を用いる、血流を高めるための方法を表す概要図である。
【図7a】図5の方法による、血流を高めるためのシステムを表す概要図である。
【図7b】図6の方法による、血流を高めるためのシステムを表す概要図である。
【図8a】本発明による治療方法の、模範的な電圧対時間曲線を示すグラフである。
【図8b】本発明による治療方法の、もう一つの模範的な電圧対時間曲線を示すグラフである。
【図9a】ドップラー装置を用いて測定した、本発明の治療方法を開始する前の通常の周期における、血管を通る血流を、時間の関数として示すプロットである。
【図9b】本発明の治療方法を用いたときの、血管を通る血流を、時間の関数として示すプロットである。
【図10a】本発明の治療方法を施す前の、血管を通る血流を、時間の関数として示すプロットである。血流は、血管をマッピングする、超音波機能を持つドップラー装置を用いて測定した。
【図10b】本発明の治療方法を適用したときの、図10aの装置を用いて血管を通る血流を、時間の関数として示すプロットである。
【図11a】図10aに示す血管マッピングの拡大図である。
【図11b】図10bに示す血管マッピングの拡大図である。
Claims (51)
- 体の領域内の血管を通る血流の、局所的な増加を促進する治療方法であって、
(a)
(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、
(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、そして
(iii)前記第一の電極及び前記第二の電極に作用的に接続して前記電極に複数の電気刺激を供給する信号発生器を含むシステムを提供するステップ、そして
(b)前記電気刺激を適用して筋組織を少なくとも一つの電圧差にさらすことによって、前記血管に関連する筋組織の方向性反復収縮運動を誘発し、前記血管を通る血流の局所的な増加を発生させるステップからなる、方法。 - 周期的な反復波状運動が発生するように前記筋組織に対して前記電圧差を作用させて、前記血管に周期的な蠕動性反復運動を課す、請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも第一の電極が、第一の複数の電極であり、前記少なくとも第二の電極が、第二の複数の電極であり、前記血流の局所的な増加の提供が、前記第一の複数の、そして前記第二の複数の前記電極を、前記領域の全長に沿って間隔を決め、そして前記第一の複数の前記電極と前記第二の複数の前記電極との間に、連続的な、そして反復的な様式で前記少なくとも一つの電圧差を設定することによって達成される、請求項1に記載の方法。
- さらに、
(c)前記領域の一端に前記少なくとも第一の電極を配置し、そして前記領域の第二端に前記少なくとも第二の電極を配置するステップからなり、前記電極間に設定される前記電圧差を、対向する方向へ伝播する二つの波形から構成して、筋組織の前記反復収縮運動が誘発される所定の方向、周波数及び強度を持つ信号を得る、請求項1に記載の方法。 - 前記少なくとも第一の電極が、第一の単一電極であり、前記少なくとも第二の電極が、第二の単一電極である、請求項4に記載の方法。
- さらに、
(c)前記血流の前記局所的な増加を最適化するステップからなる、請求項1に記載の方法。 - 前記最適化が、センサ制御の調節に基づく、請求項6に記載の方法。
- 前記最適化を、計測器によって測定した血流に基づいて行う、請求項6に記載の方法。
- 前記血流を測定するために圧力センサを用いる、請求項6に記載の方法。
- さらに、
(c)前記血流の前記局所的な増加を得るために、心臓の鼓動に対応する血液の脈拍に、前記複数の電気刺激を同期させるステップからなる、請求項1に記載の方法。 - 前記同期を、前記体内の血圧をモニタリングすることによって達成する、請求項10に記載の方法。
- さらに、
(c)前記血管を通る血流の、周期的な測定値を得るステップ、そして
(d)前記測定値に基づいて血流の前記局所的な増加を最適化するステップからなる、請求項1に記載の方法。 - さらに、
(c)前記少なくとも第一の電極と前記少なくとも第二の電極とを横切って設定する波状信号のパラメータを変調するステップからなる、請求項1に記載の方法。 - 前記パラメータが前記波状信号の周波数を含む、請求項13に記載の方法。
- 前記パラメータが前記波状信号の形状を含む、請求項13に記載の方法。
- 前記パラメータが前記波状信号の電圧を含む、請求項13に記載の方法。
- さらに、
(c)前記反復収縮運動のパラメータを調整して、前記血流に対して所定の目標特性を達成するステップからなる、請求項1に記載の方法。 - 前記信号が、正の電圧差相及び負の電圧差相からなり、前記正の相及び前記負の相には時間の重なりがある、請求項4に記載の方法。
- 前記時間の重なりが、1マイクロ秒から500マイクロ秒である、請求項18に記載の方法。
- 前記時間の重なりが、10マイクロ秒から100マイクロ秒である、請求項18に記載の方法。
- 前記信号が、複数の正の電圧差ピーク及び複数の負の電圧差ピークからなり、前記ピークの各々が、30から500マイクロ秒の持続時間を持つ、請求項4に記載の方法。
- 前記ピークの各々が、50から300マイクロ秒の持続時間を持つ、請求項21に記載の方法。
- 前記正のピークの各々が、150から300マイクロ秒の持続時間を持つ、請求項21に記載の方法。
- 前記信号が複数のパルスからなり、前記パルスの各々が、正の電圧差相と負の電圧差相とを含み、前記複数のパルスが、毎秒0.5から150パルス(PPS)の範囲の周波数を持つ、請求項4に記載の方法。
- 体の領域内の血管を通る血流の、局所的な変化を促進するための治療方法であって、
(a)
(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、
(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、そして
(iii)前記第一の電極と前記第二の電極とに作用的に接続した、前記電極へ複数の電気刺激を供給する信号発生器を含むシステムを提供するステップ、
(b)前記領域の一端に前記少なくとも第一の電極を配置し、そして前記領域の第二端に前記少なくとも第二の電極を配置するステップ、そして
(c)前記電気刺激を適用して前記電極間に電圧差を設定するステップからなり、前記電圧差が、前記電極間で対向する方向に伝播する二つの波形から構成され、前記血管を通る血流に局所的な変化を発生させる、治療方法。 - 前記電気刺激を、前記血管に関連する筋組織に方向性反復収縮運動を誘発するように適用する、請求項25に記載の方法。
- 前記局所的な変化が、前記血管を通る血流の増加である、請求項25に記載の方法。
- 前記局所的な変化が、前記血管を通る血流の減少である、請求項25に記載の方法。
- さらに、
(d)血流の前記局所的な増加を得るために、前記複数の電気刺激を、心臓の鼓動に対応する血液の脈拍に同期させるステップからなる、請求項27に記載の方法。 - 体の領域内の血管を通る血流の、局所的な減少を促進するための治療方法であって、
(a)
(i)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、
(ii)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、そして
(iii)前記第一の電極と前記第二の電極とに作用的に接続した、前記電極に複数の電気刺激を供給する信号発生器を含むシステムを提供するステップ、そして
(b)前記電気刺激を適用して筋組織を少なくとも一つの電圧差にさらすことによって、前記血管に関連する筋組織に反復収縮運動を誘発し、前記血管を通る血流の局所的な減少を発生させるステップからなる、治療方法。 - 前記反復収縮運動が、方向性運動である、請求項30に記載の方法。
- 前記電圧差を前記筋組織に対して作用させて、前記血管に周期的な蠕動性反復運動を課す周期的な反復波状運動を発生させる、請求項30に記載の方法。
- さらに、
(c)前記領域の一端に前記少なくとも第一の電極を配置し、そして前記領域の第二端に前記少なくとも第二の電極を配置するステップからなり、前記電極間に設定される前記電圧差を、対向する方向で伝播する二つの波形から構成して、筋組織の前記反復収縮運動が誘発される所定の方向、周波数及び強度を持つ信号を得る、請求項30に記載の方法。 - 記信号が正の電圧差相及び負の電圧差相からなり、前記正の相及び前記負の相が、時間的に重なり合う、請求項33に記載の方法。
- 前記時間の重なりが、1マイクロ秒から500マイクロ秒である、請求項34に記載の方法。
- 前記信号が、複数の正の電圧差ピークと複数の負の電圧差ピークとからなり、前記ピークの各々が、30から500マイクロ秒の持続時間を持つ、請求項33に記載の方法。
- 前記信号が複数のパルスからなり、各パルスが正の電圧差相と負の電圧差相とを含み、前記複数のパルスが、毎秒0.5から150パルス(PPS)の範囲の周波数を持つ、請求項33に記載の方法。
- 血管を通る血流の、局所的な変化を促進するための装置であって、
(a)体組織の第一の部分に作用的に接触する少なくとも第一の電極、
(b)体組織の第二の部分に作用的に接触する少なくとも第二の電極、
(c)前記第一の電極と前記第二の電極とに作用的に接続した、前記電極へ複数の電気刺激を供給する信号発生器、そして
(d)前記信号発生器が発生する信号を制御する制御手段からなり、
前記電極間で、対向する方向に伝播する波形から構成される電圧差を前記電極間に設定するよう、前記制御手段及び前記信号発生器を設計及び構成し、そして前記電極を移動し、前記電圧差によって、前記血管を通る血流の局所的な変化を促進する、装置。 - 前記変化が、前記血管を通る血流の増加である、請求項38に記載の装置。
- 前記変化が、前記血管を通る血流の減少である、請求項38に記載の装置。
- 前記電圧差が複数の電圧差である、請求項38に記載の装置。
- 前記制御手段によって、前記電圧差が、前記血管に関連する筋組織に、方向性反復収縮運動を誘発するように制御することによって、前記血管を通る血流の局所的な増加を達成する、請求項38に記載の装置。
- 前記制御手段が、所定の方向、周波数及び強度を持つ信号を得るよう、前記波形を制御することによって、筋組織に反復収縮運動を誘発する、請求項38に記載の装置。
- さらに、
(e)前記制御手段に作用的に結合した、血流を測定する計測器からなる、請求項38に記載の装置。 - 前記制御手段が、さらに、前記計測器からの入力に基づいて、前記電気刺激のシーケンスを開始するように設計されている、請求項44に記載の装置。
- 前記計測器が圧力センサを含み、前記入力が血圧データを含む、請求項44に記載の装置。
- 前記制御手段が、さらに、前記電気刺激のシーケンスを、心臓の鼓動に対応する血液の脈拍に同期させるように設計されている、請求項38に記載の装置。
- 前記信号発生器が、少なくとも二つの信号発生器を含む、請求項38に記載の装置。
- さらに、
(e)前記信号発生器へ作用的に並列に接続した増幅器からなる、請求項38に記載の装置。 - 前記信号が複数のパルスからなり、前記のパルス各々が、正の電圧差相と負の電圧差相とを含み、前記複数のパルスが、毎秒0.5から150パルス(PPS)の範囲の周波数を持つ、請求項38に記載の装置。
- 前記複数のパルスが、毎秒25から150パルス(PPS)の範囲の周波数を持つ、請求項50に記載の装置。
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