JP2004522408A - プレセニリンエンハンサー - Google Patents

プレセニリンエンハンサー Download PDF

Info

Publication number
JP2004522408A
JP2004522408A JP2001582501A JP2001582501A JP2004522408A JP 2004522408 A JP2004522408 A JP 2004522408A JP 2001582501 A JP2001582501 A JP 2001582501A JP 2001582501 A JP2001582501 A JP 2001582501A JP 2004522408 A JP2004522408 A JP 2004522408A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pen
polypeptide
presenilin
interaction
stress
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001582501A
Other languages
English (en)
Inventor
カーティス,ダニエル,ティム
フランシス,ジョージ,ロス
エリス,マイケル,クリストファー
ラディ,デービッド,アンドリュー
ニコル,シャーモン,モニーク
マグラス,ガース,ジェセフ
Original Assignee
エクセリクシス・インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エクセリクシス・インコーポレイテッド filed Critical エクセリクシス・インコーポレイテッド
Publication of JP2004522408A publication Critical patent/JP2004522408A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • C07K14/4701Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used
    • C07K14/4702Regulators; Modulating activity
    • C07K14/4705Regulators; Modulating activity stimulating, promoting or activating activity
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

本発明はpen特異的構造及び活性を有するpenポリペプチド、関連ポリヌクレオチド及びpen機能のモジュレーターに関する方法及び組成物を提供する。本発明は、天然pen遺伝子と特異的にハイブリダイズする能力のある単離されたpenハイブリダイゼーションプローブ及びプライマー、pen特異的結合をする薬剤、例えば特異的抗体、並びに診断(例えばpen転写物の遺伝子ハイブリダイゼーションスクリーニング)、治療(例えば、APP生成を調節するpen阻害物質)及び生物薬剤産業(例えば、免疫原、リード薬物の化学ライブラリをスクリーニングするための試薬等)における対象組成物を製造及び使用する方法を提供する。

Description

【0001】
(導入)
(発明の分野)
本発明の分野は、プレセニリン機能を調節するタンパク質である。
【0002】
(背景)
アルツハイマー病は、中年から後年において記憶障害及び認知低下を引き起こす中枢神経系の変性疾患である。疾患は2つの主な病理学的特徴、脳内の細胞外アミロイドプラークとニューロン内神経原繊維変化により特徴づけられる。これらの障害は神経及びグリア細胞の機能を阻害し、シナプスの減少および痴呆を引き起こす。早発性及び遅発性発症のどちらの型の疾患も遺伝的な要素を有していることが示されており、4つの遺伝子がADの増大したリスクに決定的に関連している:APP、PS1、PS2及びApoE。これらの遺伝子は、最終的にアミロイドβ(Aβ)、アルツハイマーアミロイドプラークの主要成分の生成、輸送、及び/又は排除の役割に機能的に関連している(Selkoe, D. 1999, Nature 399 supp: A23参照)。
【0003】
アルツハイマーアミロイドプラークは、大部分、40−42のアミノ酸ペプチドAβから成る(Glenner, G. G., 及び Wong, C. W., 1984 Biochem. Biophys. Res. Commun. 122:1131)。Aβはbアミロイド前駆体タンパク質、又はβAPPからタンパク質分解性の切断により誘導される(Kang J. 等 1987, Nature 325:733)。3つの分泌酵素活性はAPPを切断してAβペプチド又はより短いp3と呼ばれる別の断片産物を生成する。β分泌酵素はAβのN末端を生成するが、α分泌酵素はAβ配列を内部切断してp3のN末端を生成する。γ分泌酵素は、APPのC末端β及びα分泌酵素産物を切断してAβ及びp3の異質性のC末端を生成する。家族性アルツハイマー病(FAD)系統に見られるAPP突然変異は、3つの分泌酵素切断部位の周りに集まり(Goate, A. 等 1991, Nature 349:704; Murrell, J.,等 1991, Science 254:97; Chartier−Harlin等 1991, Nature 353:844; Mullan, M.等 1992, Nature Genet. 1:345; Levy, E.等, 1990, Science 248:1124; Hendriks, L.等1992, Nature Genet. 1:218)、それらはそれぞれ全Aβ(Aβ42+Aβ40)を増加するか、又はAβ42/40の割合を増加する。Aβ42はインビトロでより敏速に沈殿し、びまん性老人斑と呼ばれるアミロイド沈着の素早い形成の主要成分であるため、増加した全身性のAβ42はプラークのより早い形成、ADのより早い発症を引き起こしうる。
【0004】
家族研究によって優性遺伝、早期発症ADに関連する他の2つの遺伝子、プレセニリン1(PS1)及びプレセニリン2(PS2)が同定された(Sherrington, R. 等 1995, Nature 375: 754; Levy−Lahad, E.等 1995, Science 269: 973; Rogaev., E. I. 等 1995, Nature 376: 775)。これらのタンパク質は、配列において互いに類似し、8つの膜貫通セグメントを有するポリトピック膜タンパク質をコードする。FADヒト細胞株、トランスフェクト細胞、及び遺伝子導入マウスの研究によって、PS FAD突然変異がAPPのプロセシングパターンに変化を生じさせ、Aβ42/40の割合を増加させることが説明された(Scheuner, D.等 1996, Nat. Med. 2:864; Citron, M.等 1997, Nat. Med. 3:67; Borchelt, D.等 1996, Neuron 17: 1005; Duff, K.等 1996, Nature 383: 710; Tomita, T.等 1997, PNAS 94:2025)。PS1ノックアウトマウスの研究によって、PS1機能の低下はγ分泌酵素活性の減小によるAβ生成の減少を引き起こすことが説明された(De Strooper, B.等 1998, Nature 391: 387)。従ってプレセニリン機能は2つの経路:ミスセンス突然変異がγ分泌酵素切断特異性を変化させること、さらにプレセニリン活性の低下がγ分泌酵素活性の低下を引き起こすことで、γ分泌酵素の活性に関与する。
【0005】
プレセニリン活性の阻害は、Aβ生成を減少させ、従ってアルツハイマー病に対する潜在的に有用な治療アプローチである。しかしながら、γ分泌酵素活性とAβの生成に対する機能的な関与にも関わらず、PS活性の生物学的性質はあまり分かっていない。ER及び/又はゴルジ複合体でのAPP、Notch、及び/又はγ分泌酵素のシャペロンとしての作用(Thinakaran, G. 等 1998, Neurobiol. Dis. 4: 438)、新規なアスパルチルプロテアーゼとしての、すなわちそれ自体のγ分泌酵素としての活性(Wolfe, M. S. 等 1999, Nature 398: 513)、及び酸化ストレス及びアポトーシスに対する反応における潜在的な役割(Wolozin, B.等 1996, Science 274:1710; vito, P.等 1997, J. Biol. Chem 272:28315; Guo, Q., 等 1997, J. Neurosci. 17:4212)を含む様々な機能が提案されている。明確な機能的アッセイがないことは、プレセニリンを対象とする有用な小分子治療学の確立の困難性を増大させる。プレセニリンを対象とする代わりの方法は、γ分泌酵素及びAβ生成の経路においてプレセニリンと共に作用し、薬剤の開発にさらに受け入れられやすい更なるタンパク質を見つけねばならない。このような新規な対象の発見に利用できる方法の1つは、ショウジョウバエ及び線虫等のモデル生物でプレセニリンと相互作用する遺伝子の遺伝子スクリーニングを行うことである。
【0006】
PS遺伝子の無脊椎動物オルソログが、配列検索及び遺伝子スクリーニングの両方により同定されている。線虫のゲノムは、3つのプレセニリン遺伝子、sel−12(lin−12のサプレッサー及び/又はエンハンサー;Levitan, D.等 1995, Nature 377:351)、hop−1(プレセニリンのホモログ;Li, X.等, 1997, PNAS 94:12204)及びspe−4(精子形成欠陥;L’Hernault等, 1992, J. Cell Biol. 119:55)を含む。sel−12、hop−1及びspe−4はそれぞれ、PS1及び2と48、35及び23%の配列類似性を有する。sel−12及びhop−1は幾つかの組織で重複した機能を有し(下記参照)、さらにspe−4はオスの生殖系列で独立した機能を果たすようである。導入遺伝子を用いたレスキュー実験により、ヒトPS1及びPS2はsel−12の低下により生じる表現型を救済することができることが示され、プレセニリン機能が線形動物から哺乳動物まで保存されていることを証明する(Levitan, D. 等 1996, Nature 377:351; Baumeister, R. 等 1997, Genes Function 1:149)。
【0007】
sel−12はNotch遺伝子lin−12の活性化対立遺伝子のサプレッサーとして遺伝学的に同定された。この発見はプレセニリン活性及びNotchシグナル伝達経路の活性の間の機能的な関係を証明した。マウス(Herreman, A.等 1999, PNAS 96:11872)、ショウジョウバエ(Struhl, G.等 1999, Nature 398: 522; Ye, Y.等 1999 Nature 398:525)及び線虫(Li, X.等, 1997, PNAS 94:12204; Westlund, B.等 1999, PNAS 96:2497)でのインビボ実験では、プレセニリン活性の完全な欠損の表現型が生物におけるNotchシグナル伝達の完全な排除と非常によく一致することが示され、Notchシグナル伝達活性に絶対的に必要であることを示唆する。Notchレセプターは、無脊椎動物及び脊椎動物の多くの胚及び成体の組織の分化に重要な細胞間シグナル伝達現象を媒介する細胞表面にある1回貫通型の膜貫通タンパク質である。シグナル伝達は、膜貫通セグメントの内面におけるNotchのリガンド依存性切断、それに続く核のC末端ドメインの転位座に関与する。細胞培地及びインビボでのNotchプロセシングの分析は更に、プレセニリンがNotch細胞内ドメインを膜貫通ドメインから放すリガンド依存性切断現象に必要であることを示した(Struhl, G.等 1999, Nature 398: 522; De Strooper, B.等 1999 Nature 398: 518)。Notch及びAPPの両方の切断におけるプレセニリンの類似した要求は、Notchシグナル伝達経路がプレセニリン系遺伝子のスクリーニングでAb生成の代わりに利用できる代用のアッセイであり得ることを示唆する。
【0008】
線虫プレセニリンsel−12及びhop−1の突然変異は、線虫Notchレセプターlin−12及びglp−1による欠陥のあるシグナル伝達と関係した表現型となる。hop−1単独の欠損では、明らかな表現型とはならない。sel−12の欠損は、lin−12突然変異を思わせる産卵口の欠損と強い産卵障害表現型となる。sel−12及びhop−1両方の欠損はsel−12単独の場合に見られるNotch表現型をより重大に生じる。sel−12;hop−1二重突然変異に見られる特定の表現型は、これらの虫が母性の野生型プレセニリン活性を受け継ぐかどうかによる。母性的に与えられるsel−12+活性がある場合、二重突然変異は新たな産卵欠陥表現型を示し、全ての子孫がglp−1様の発達欠陥で胚形成の間に停止する。母性sel−12+活性のない場合には、二重突然変異はglp−1突然変異の生殖系列増殖欠陥特性を有する生殖不能のより強い表現型を示す。総合して、この一連の特性は、sel−12及びhop−1が部分的に重複し、2つの線虫Notchレセプターによるシグナル伝達を刺激するために協調的に作用することを示す。
【0009】
sel−12とhop−1活性の間の部分的な重複性は、sel−12;hop−1二重突然変異に相当する表現型を生じうる機能対立遺伝子のsel−12欠損のエンハンサー検索を可能にする。このエンハンサースクリーニングは、pen−1及び2(pen=プレセニリンエンハンサー)と名付けられ、プレセニリン機能に必要とされる2つの新規な遺伝子を同定した。pen遺伝子の表現型に基づいて、我々は第3のプレセニリンエンハンサー遺伝子、aph−2を同定した。pen−1、pen−2及びaph−2遺伝子配列は、pen−1Bを含むヒト及び他の動物のオルソロガス遺伝子を同定する。これらの遺伝子及びそれらを調節する方法は、アルツハイマー病治療のための治療法進歩のための対象である。
【0010】
(関連分野)
ヒトpen−1に関する配列は、特にWO9855508、WO9855508、WO9906554及びUnigene CGI−78(GI#6911522及びGI#4929623)に見られる。
ヒトpen−2に関する配列は、特にAD000671(ゲノム)及びGI#3601371(cDNA)に見られる。
ヒトAph−2に関する配列は、特にWO9845435、WO9845436、WO9300353及び(KIAA0253、DNA GI1665772、タンパク質GI1665773)に見られる。
多数のESTsが、ここに開示される天然ヒトpen−1B配列の部分を含む公的データベースに見られ、ns43g08.sl(GI#2874520、注釈なし)及びUnigenコンティグHs.42954(pen−1(CGI−78)に53%類似)のESTsを含み、それは、AI538204(IMAGE:2189986); AA808355(IMAGE:1334417); N21153(IMAGE:264868); AI204164(IMAGE:1734840); AI001990(IMAGE:1619191); AA578718(IMAGE:953241); AA887975(IMAGE:1160119); AI004282(IMAGE:1626004); AI188040(IMAGE:1738954); AI192033(IMAGE:1738659); AI005113(IMAGE:1626277); AW118908(IMAGE:2605631); AI760754(IMAGE:2398349); AA805770(IMAGE:1186430); AA805757(IMAGE:1186406); AW182071(IMAGE:2662428); AA805773(IMAGE:1186436); AI301191(IMAGE:1897253); AA976455(IMAGE:1589895); 及びN31710(IMAGE:271292)。
【0011】
(発明の概要)
本発明は、プレセニリンエンハンサータンパク質(pens)に関する方法、組成物及びシステムを提供し、プレセニリン−pen相互作用を調節(例えば、促進又は抑制)及び検出する方法を含む。特定の態様では、本方法は、上流又は下流のNotch又はAPPのプロセシングとプレセニリンエンハンサー(pen)の機能的相互作用を変化させるストレスを特異的に検出するために提供され、次のことによってなされる:(i)Notch又はAPPプロセシングとpenの機能的相互作用を提供するシステムに所定のストレスを導入し、それによって、システムはNotch又はAPPプロセシングとpenのストレス偏向性相互作用を提供し、ストレスのない場合にシステムはNotch又はAPPプロセシングとpenの不偏性相互作用を提供するものであり;及び(ii)Notch又はAPPプロセシングとpenのストレス偏向性相互作用を検出し、ストレス偏向性及び不偏性相互作用の間の差異は、ストレスがNotch又はAPPプロセシングとpenの相互作用を変化させることを示す。
【0012】
システムは、pen発現が非天然又は病原性であると決定されるpenを発現する生細胞、あるいは規定量のpenを含有するインビトロ無細胞混合物であり得る。広範で様々な実施態様が包含され;例えば、システムが、生細胞、インサイツ又はインビトロであるもの、ストレスが、薬理学的に活性な薬剤、或いは例えばpenをコードする別の内在性対立遺伝子のゲノム崩壊又はpenをコードする内在性対立遺伝子の配列アンチセンスを含むポリヌクレオチドの共発現等によるpenの機能的発現の欠損であるものである。或いは、システムは、インビトロ、無細胞混合物であってもよく、ストレスは薬理学的に活性な薬剤である。
Notch又はAPPプロセシングとpenのストレス偏向性相互作用は、あらゆる都合のよい手段又はマーカーにより検出することができ、例えばアルツハイマー病の徴候、Notchの転写レポーター、Aβ等の下流産物の生成又はpenの例えば特定の抗体との構造変化を検出する。
【0013】
本発明は、pen特異的構造及び活性を有するpenポリペプチド、関連するヌクレオチド及びpen機能の調節因子に関する様々な他の方法及び組成物を提供する。penポリペプチドは、対象penポリペプチドコーディング核酸で形質転換した宿主細胞から組み換えにより作成しても、例えば哺乳動物細胞等の天然源から精製してもよい。本発明は、天然pen遺伝子と特異的にハイブリッド形成する能力のある単離したpenハイブリダイゼーションプローブ及びプライマー、penに特異的に結合する薬剤、例えば特異的抗体、アゴニスト及びアンタゴニスト、並びに診断(例えばpen転写物の遺伝子ハイブリダイゼーションスクリーニング)、治療(例えば、Aβ生成を調節するpen阻害物質)及び生物薬剤産業(例えば、免疫原、天然pen遺伝子及び転写物を単離するための試薬、リード薬物の化学ライブラリをスクリーニングするための試薬)における対象組成物を製造及び使用する方法を提供する。特定の態様では、pen方法及び組成物はpen−1Bポリペプチドに関する。
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明は、プレセニリンエンハンサータンパク質(pens)に関する方法、組成物及びシステムを提供し、penとNotch又はAPPプロセシングとの間の相互作用を調節(例えば、促進又は阻害)及び/又は検出の方法を含む。特定の実施態様では、本方法は、プレセニリンエンハンサー(pen)とNotch又はAPPプロセシングの機能的な相互作用を変化させるストレスの特異的な検出を提供する。
penはpen−1、pen−1B、pen−2及びAph−2ポリペプチドから単独で選択される。これらの名称は、開示された親配列を含む、その特定断片を含む、或いは開示される親配列に類似した配列を有するポリペプチドを呼ぶ際に一般的に使用され、配列類似性は、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは100%であり、具体的に開示されるプレセニリン又は相当する親配列pen特異的抗体に特異的に結合し、一以上の開示される相互作用アッセイで測定される。ポリペプチドは、少なくとも10、好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも25、より好ましくは少なくとも35、より好ましくは少なくとも50の連続した残基、及び最も好ましくは全ポリペプチド及び/又は親pen配列にわたって含み、並びに類似性又は同一性がその範囲にわたる。
【0015】
表1.親penポリペプチド
Figure 2004522408
【0016】
開示される同義遺伝子について、親配列に関して「特定のウィンドウサイズWを超えるパーセント(%)配列同一性」とは、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならばギャップを導入した後に、親配列の残基と一致する候補配列のW残基の任意のウィンドウにおける残基のパーセンテージとして定義される。%同一性の値は、Altschul等, J. Mol. Biol. 215:403−410 (1990);http://blast.wustl.edu/blast/README.htmlから得られるWU−BLAST−2.0a19により作られる。幾つかの検索パラメータを使用するWU−BLAST−2.0a19は、その全てが初期の値に設定される。HSP SとHSP S2パラメータは動的な値であり、特定の配列の組成及び対象の配列が検索されるものに対する特定のデータベースの組成に応じてプログラム自身により確立されるが;しかしながら、値は感度を向上させるように調節してもよい。従って、%アミノ酸配列同一性の値は、パーセント同一性が記録されるウィンドウサイズWで割った一致する同一残基数により決定される。一致する親配列を突然変異させ、プレセニリン又は抗体結合を確認することにより例示的な種が容易に作成される。例えば、配列番号:16−25に定義されるpen−1Bポリペプチドは、親配列である配列番号:6の周りに活性な(プレセニリン結合を示す)90%のジーナスを例証する。特定の実施態様では、penは天然のpen、例えばヒト、マウス、キイロショウジョウバエ、オオタバコガ(H. virescens)又は線虫のpen−1;ヒト、ラット、マウス、ウシ、キイロショウジョウバエ又は線虫のpen−2;ヒトのpen−1B;及びヒト、キイロショウジョウバエ又は線虫のAph−2である。特定の態様では、sel−12Δ(Δは欠失対立遺伝子を意味する)ホモ接合penは線虫遺伝子突然変異エンハンサースクリーニングで同定可能な天然に生じるpenである。
【0017】
penとNotch又はAPPプロセシングとの間の相互作用は、プロセシング経路でのpenの影響を特異的にアッセイするあらゆる便利な方法で検出されうる。生成物の生成(例えば、Aβ又はNotch細胞内ドメイン生成)の下流摂動、中間経路段階(多くの中間Notch及びAPPプロセシング経路段階及び中間成分相互作用が当該分野でよく記録されてる)、又はpen−プレセニリン又はpen−γ分泌酵素結合の開始をモニターするためにアッセイが構築されうる。
広範な種々のシステムが本方法に使用されうる。以下に記載されるのは、突然変異体pen遺伝子でストレスを与え、感作したNotch及び/又はAPPプロセシング経路を提供する動物システムであり、システムは更なる相互作用タンパク質を特徴づけるのに使用される。特定の実施態様では、システムはプレセニリン又はγ分泌酵素等の結合標的とpenの両方を発現する細胞又は動物、規定量のpen及び結合標的を含有するインビトロ無細胞混合物を含み;このような細胞及び混合物の適用は、2−ハイブリッド、生化学的pull−down、免疫沈降、蛍光偏光及び固相結合アッセイを含む。適用できるシステムの多様性により、化学薬品、例えば候補薬、毒、汚染物質等;放射線、例えば紫外線及びx線;感染、例えば細胞性形質転換を含むウィルス又は細菌感染;遺伝子突然変異等を含む広範な種々のストレスがアッセイ又は評価されうる。
【0018】
相互作用が特異的に検出されれば、penポリペプチドとプレセニリンの相互作用の検出のために用いられる特定の方法はアッセイの性質に依存しうる。例えば、以下に説明されるように、pen突然変異体特定表現型の調節は、遺伝子相互作用アッセイについての読み取りを与える。インビトロアッセイにおいて、penポリペプチド及び/又は標的が標識されるかどうか、どのようにしてそれが為されるかによって、相互作用の読み取りは蛍光、光学濃度、ゲルシフト、放射等の変化により測定されうる。特定の実施態様では、システムは下流APPプロセシング読み取りを提供する。
特定の実施態様では、本方法は、APP及び/又はNotchプロセシングとpenポリペプチドの物理的な相互作用を変化させるストレスの特異的な検出を包含する。一態様では、この実施態様は次の工程を含む(a)結合標的とpenの物理的相互作用を与えるシステムに所定のストレスを導入する工程、それによりシステムが標的とpenのストレス偏向性相互作用を提供し、ストレスのない場合にシステムは標的とpenポリペプチドの不偏性相互作用を提供する;及び(b)標的とpenポリペプチドのストレス偏向性相互作用を検出する工程、ストレス偏向性及び不偏性相互作用の間の差異によって、ストレスが標的とpenポリペプチドの相互作用を変化させることを示し、好ましい標的はγ分泌酵素、プレセニリン、notch及び/又はAPP基質、及び/又はその組み合わせ及び複合体を含む。
【0019】
後者の実施態様では、プレセニリンはプレセニリン−1(PS−1)及びプレセニリン−2(PS−2)から選択される。これらの名称は、一般に開示される親配列を含む、又はその特定断片を含む、又は開示された親プレセニリン配列に対して配列類似性を有するポリペプチドを称するのに使用され、配列類似性は少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%及び最も好ましくは100%であり、ここでプレセニリンは、一以上の開示される遺伝子的又は生化学的相互作用アッセイで測定されるような相当親配列プレセニリンにより提供されるものと比較して、プレセニリンに特異的で検出可能な機能的相互作用を提供するのに十分である。プレセニリンは、少なくとも10、好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも25、より好ましくは少なくとも35、より好ましくは少なくとも50の連続した残基、最も好ましくは全長プレセニリン又は親配列を含み、類似性又は同一性がその範囲にわたる。親プレセニリンは、当該分野でよく知られGenbank等の公的な受託者から入手できる、天然配列プレセニリン1(例えば、ヒト、マウス、ニワトリ及びアフリカツメガエルの配列)及びプレセニリン2(例えば、ヒト、マウス、及びアフリカツメガエルの配列)から選択される。
【0020】
対象とする方法に有用な本発明の組成物は、対象とするpenポリペプチド及び所定量の開示されるpen及びプレセニリンポリペプチドを含む混合物を含み、特に、好ましくはこれらの成分が共に単離されるもの及び本質的に両成分からなる混合物、即ち、混合物の他の成分(アッセイしたストレスを除く)がこれら2つの成分の相互作用に有意に影響しないものである。本発明の他の態様は、開示されるpenポリペプチドをコードする核酸、それらに特異的に結合する抗体、及び使用方法を含む。
開示される親配列又はその断片からなる対象ポリペプチドが単離され、即ち非天然又は異種性の成分、例えば非天然アミノ酸又はアミノ酸配列或いは天然のタンパク質においてポリペプチドが結合するもの以外の天然アミノ酸又は配列と共有的に結合するpenポリペプチドを包含し、好ましくは溶液中にあり、好ましくは得られる試料中で全ポリペプチドの少なくとも約0.5重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%を構成し、純粋なポリペプチドが、得られる試料中で全ポリペプチドの少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約99重量%を構成し、親配列以外を含む対象ポリペプチドが好ましい。ポリペプチドはより大きい複合体、例えばより大きいポリペプチド及び/又は種々のコンジュゲート等の共有的又は非共有的な部分でありうる。ポリペプチドは組み換え技術により合成、作成され、又は哺乳動物、好ましくはヒト細胞から精製されうる。広範な種々の分子及び生物化学の方法が生化学合成、分子発現及び対象とする組成物の精製に利用可能であり、例えばMolecular Cloning, A Laboratory Manual(Sambrook,等 Cold Spring Harbor Laboratory)、Current Protocols in Molecular Biology(Eds. Ausubel,等, Greene Publ. Assoc., Wiley−Interscience, NY)又は他に当分野で既知のものを参照のこと。
【0021】
断片を包含するpenは、相当する開示した親pen配列の少なくとも10、好ましくは少なくとも15,より好ましくは少なくとも25、より好ましくは少なくとも35、最も好ましくは少なくとも50の連続する残基を含む。penポリペプチドは、相当するpen特異的機能、例えば天然notch又はAPPプロセシング過程、特にここで開示されるような一以上の結合アッセイに示されるようなプレセニリン結合又は結合阻害活性、及び/又は特に開示される結合アッセイで測定されるようなpen特異的抗体結合又は結合阻害活性との相互作用を提供する。
pen特異的機能は、便宜的なインビトロ、細胞系、又はインビボアッセイ、例えば結合アッセイにより測定することができる。結合アッセイという用語は、一般にpenポリペプチドと特異的結合標的の分子相互作用を評価する、インビトロ、細胞培地又は動物系アッセイ(例えば遺伝子治療技術を使用する又は遺伝子組み換えを含む)等を含むあらゆるアッセイを包含して使用される。結合標的は、天然細胞内結合標的、例えばプレセニリン、pen調節タンパク質又はpen活性もしくはその局在を直接変化させる他の調節分子;あるいは非天然結合標的、例えば下記されるようなスクリーニングアッセイで同定されるもののようなpen特異的薬剤、又は抗体等の特異的免疫タンパク質であり得る。pen結合特異性は、APPプロセシング(例えば、pen発現細胞の負のエフェクターとしての機能に対する対象ポリペプチドの能力)により、結合平衡定数(通常は少なくとも約10−1、好ましくは少なくとも約10−1、より好ましくは少なくとも約10−1)により、免疫原性(例えば、マウス、ラット、ヤギ又はウサギ等の異種の宿主のpen特異的抗体を誘発する能力)等によりアッセイされ得る。
【0022】
特定の実施態様では、対象ポリペプチドは、特に担体タンパク質と結合する場合にpen特異的抗原及び/又は免疫原を提供する。例えば、対象ポリペプチドはキーホールリンペット抗原(KLH)に共有的に結合し、コンジュゲートは完全フロイントアジュバンドに乳化される。実験用ウサギを従来のプロトコールに従って免疫化し、出血させる。pen特異的抗体の存在を、免疫化した対応するpenポリペプチドを用いて固相免疫吸着アッセイによりアッセイする。例えば表2参照。
表2.pen−1B特異的ウサギポリクローナル抗体を誘発する免疫原pen−1Bポリペプチド:上記されるプロトコールにより免疫化されたpen−1Bポリペプチド−KLHコンジュゲート
Figure 2004522408
【0023】
対象penポリペプチドはまた、N−及び/又はC−末端切断を含む、親penポリペプチドの小さな欠失型突然変異を包含する。このような欠失型の突然変異は、pen競合的又はドミナントネガティブな活性を求めてスクリーニングされる。pen−1Bの例示的な活性欠失突然変異は、配列番号6、残基1−254;配列番号:6、残基4−255;配列番号:6、残基9−257;及び配列番号:6、残基2−255からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
本発明は、天然細胞内結合標的等を含む、請求したpen−1Bポリペプチドに特異的な結合物質、このような物質を同定及び作成する方法、並びに診断、治療及び医薬開発におけるそれらの使用を提供する。例えば、特異的結合物質は、様々な診断及び治療で、特に疾患又は疾患の兆候が例えばAPPプロセシング等のpenに関わる過程の不適化利用に関係する場合に利用される。新規なpen特異的結合物質は、pen特異的レセプター、例えば体細胞性組み換えポリペプチドレセプター様特異抗体又はT細胞抗原レセプター(例えば、Harlow及びLane (1988) Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory)及び1−、2重−及び3重−ハイブリッドスクリーニング等のアッセイで同定される他の天然細胞内結合物質、ここに記載されるインビトロ、細胞系及び動物系結合アッセイ等の化学ライブラリのスクリーニングで同定される非天然細胞内結合物質、あるいは当業者に既知の他のものを含む。特に対象とする物質はpen機能、例えば、pen依存性Notch又はAPPプロセシングを調節し、ドミナントネガティブな欠失突然変異等を含む。従って、本発明はまた、例えば、常在pen、ドミナントネガティブpen欠失突然変異体、又はpenポリヌクレオチド(下記)の調節物質と細胞の接触によって、pen活性の調節段階を含む細胞のAPPプロセシングを調節する方法を提供する。
【0024】
また、直接的な合成に加えて、対象のポリペプチドは対応する親ポリヌクレオチド、又は縮重オリゴヌクレオチドプライマー及び対象のポリペプチド配列から創出された(“GCG”ソフトウェアー、Genetics Computer Group, Inc, Madison WI)プローブを用いて単離された天然コード化ポリヌクレオチド、又はコンピューターアルゴリズムに従って対象のポリペプチドを逆翻訳(back−translating)することにより作成される選択された発現系に最適化されたポリヌクレオチド(例えば、Holler等 (1993) Gene 136, 323−328;Martin等 (1995) Gene 154, 150−166)などのコード化ポリヌクレオチドから細胞及び無細胞系で発現させることもできる(例えば、Jermutus L,等, Curr Opin Biotechnol. 1998 Oct;9(5):534−48)。従って、ポリペプチドは組み換え技術により合成、作成され、或いは細胞から精製されうる。広範な種々の分子及び生物化学の方法が生化学合成、分子発現及び対象組成物の精製に利用可能である。例えば、Molecular Cloning, A Laboratory Manual(Sambrock,等 Cold Spring Harbor Laboratory)、Current Protcols in Molecular Biology(Eds. Ausubel, 等, Greene Publ. Assoc., Wiley−Interscience, NY)又は他に当分野で既知のものを参照のこと。
【0025】
本発明は、開示されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及びpen遺伝子特異的ポリヌクレオチドを提供し、該ポリヌクレオチドは他の化合物、例えば標識又は他のポリヌクレオチド配列と結合されていてもよく(即ち、それらはより大きい配列の部分であってもよい)、合成/非天然配列のものであり、及び/又は単離され、即ちその天然状態で関わる少なくとも幾つかの物質を伴わず、好ましくは得られる分画に存在する全核酸の少なくとも約0.5重量%、より好ましくは約5重量%を構成し、通常、組み換え体は、それらが天然染色体で結合するもの以外のヌクレオチドと結合した非天然配列又は天然配列を含むことを意味する。天然配列を含む組み換えポリヌクレオチドは、末端にこのような配列を含み、天然染色体で結合するもの以外の配列に直接隣接し(即ち連続する)、あるいは10kb未満、好ましくは2kb未満、より好ましくは500塩基未満、最も好ましくは100塩基未満の天然隣接領域に隣接し、それは末端にあるか、又は天然染色体で結合するもの以外の配列に直接隣接する。ポリヌクレオチドは、通常RNA又はDNAであるため、しばしば他の塩基又はヌクレオチド類似体を含むポリヌクレオチドを使用して変化した安定性等を得るのに有利である。更に、ポリヌクレオチド及び核酸という用語は、長さの制限なく、ヌクレオチドのあらゆる重合体を指して互換的に使用される。
【0026】
本発明はまた、pen、特にpen−1B遺伝子特異的ポリヌクレオチドを包含する。例えば、天然ヒトpen−1Bポリペプチドをコードする天然ヒト転写物のヌクレオチド配列は、配列番号:26として示される。pen−1B遺伝子特異的ポリヌクレオチドは、通常、配列番号:26を含む、配列番号:26の特定断片を含む、あるいは配列番号:26と配列類似性を有するポリヌクレオチドを指して使用され、例えばハイブリダーゼーションプローブ及び複製/増幅プライマーとして利用でき、配列番号:26の少なくとも12、好ましくは少なくとも24、より好ましくは少なくとも48、より好ましくは少なくとも96及び最も好ましくは少なくとも182の連続したヌクレオチドを含む。
pen遺伝子特異的ポリヌクレオチドは、相当する親配列又はその補体との特異的ハイブリダイゼーションに影響を与え;例えば、全てのpen−1B遺伝子特異的ポリヌクレオチドは、配列番号:26又はその補体との特異的ハイブリダイゼーションに影響する。示される特異的ハイブリダイゼーションは、通常のストリンジェンシー条件、例えば30%のホルムアミド含有5xSSPE(0.18MのNaCl、0.01MのNaPO、pH7.7、0.001MのEDTA)バッファーを含む緩衝液で42℃の温度でのハイブリッド形成、及び42℃の0.2xSSPEを用いて42℃で洗浄したときに結合して残留し;好ましくは50%のホルムアミド含有5xSSPEバッファーを含む緩衝液で42℃の温度でのハイブリッド形成、及び42℃の0.2xSSPEバッファーを用いて42℃で洗浄したときに結合して残留することを必要とする。特異的にハイブリッド形成したポリヌクレオチドは、簡便なゲルベース(gel−based)アッセイで簡単に同定され;例えば、配列番号27−38を含むポリヌクレオチドは、上述の好ましいハイブリダイゼーション条件下で配列番号:26と特異的にハイブリッド形成することが示される。
【0027】
表3.条件I及びIIで配列番号:26の鎖とハイブリッド形成する例示的なpen−1B遺伝子特異的ポリヌクレオチド
Figure 2004522408
【0028】
対象核酸は、翻訳可能な転写物、ハイブリダイゼーションプローブ、PCRプライマー、診断用核酸等としての使用;他のpen遺伝子特異的ポリヌクレオチド及び遺伝子転写物の存在の検出において並びに更なるpen相同体及び構造類似体をコードする核酸の検出又は増幅においての使用を含む広範な種々の用途が見出される。例えば、penコーディングポリヌクレオチドはpen発現ベクターで使用することができ、一般に異種プロモーターに作用可能に結合し、及び/又は例えば、発現及びスクリーニングのために、組み換え宿主細胞に、例えばpen調節細胞機能に関する疾患の候補薬の効果等の機能研究のために、形質転換動物に組み込まれる。診断では、penハイブリダイゼーションプローブは、臨床及び研究用試料での野生型及び突然変異pen対立遺伝子の同定における使用が見出される。突然変異対立遺伝子は、例えばアルツハイマー病に関するpen突然変異のためなどの、高処理臨床診断のための対立遺伝子特異的プローブを作成するのに使用される。治療では、治療用penポリヌクレオチドは、活性penの細胞発現又は細胞内の濃度あるいは有効性を調節するために使用する。
【0029】
例えば、penポリヌクレオチドは、活性penタンパク質の細胞発現又は細胞内濃度或いは有効性を調節するために使用される。penの抑制性核酸は、典型的にはアンチセンス:開示される天然pen転写配列の補体を含む1本鎖配列である。得られるpenポリペプチドの発現のアンチセンス調節には、遺伝子調節配列に作用可能に結合するアンチセンス核酸を用いることができる。遺伝子の転写が内在性penコーディングmRNAへの結合能力のあるアンチセンス転写物を生産するように適応させたプロモーター配列を有するpen遺伝子特異的ポリヌクレオチドを含むベクターで細胞に形質移入する。或いは、ゲノムDNA又はmRNAコーディングpenポリペプチドに結合する1本鎖アンチセンスポリヌクレオチドは、標的タンパク質の発現の実質的な減少を生じる濃度で、宿主内の又は宿主から一時的に単離された標的細胞に投入されうる。pen発現の増強は、相当する遺伝子産物の機能発現を増大させるpenポリヌクレオチドを標的とする細胞型に導入することにより成される。このようなポリヌクレオチドはpen発現ベクター、内在性対立遺伝子の機能発現を促進制御するベクター、あるいは内在性突然変異又は野生型対立遺伝子の対象とする修飾の置換ベクターであり得る。核酸を生細胞に導入するための技術は当分野で既知であり、レトロウィルス系トランスフェクション、ウィルスコートタンパク質−リポソーム媒介トランスフェクション等を含む。
【0030】
本発明は、転写を含む細胞性機能及び/又はpen遺伝子発現の調節が可能なpenのレベルで活性な薬剤、化合物又は薬剤のリード化合物を同定する効果的な方法を提供する。標識したインビトロリガンド結合アッセイ、免疫アッセイ等を含む転写調節物質又は結合物質のための広範で種々のアッセイを提供する。方法は、リード化合物の化学ライブラリの自動化した対費用効率のよい高処理スクリーニングに従う。同定される試薬は、動物及びヒトの治験のための医薬産業での使用が見出され;例えば、試薬は医薬の開発のための活性の最適化及び毒性の最小化のためのインビトロ及びインビボアッセイで誘導体化され、再スクリーニングされうる。
結合物質の広範で種々のアッセイ、例えば天然pen結合標的とのpen相互作用を調節する化合物のスクリーニングもまた提供される。これらのアッセイは、例えば検出又は固着のためのペプチドタグ等の他のポリペプチドとの融合産物の部分であり得るpenポリペプチドを含む成分の混合物を用いる。アッセイ混合物は、天然細胞内pen結合標的を含む。特定の実施態様では、結合標的はプレセニリン、或いはそのアッセイで簡便に測定可能な対象penポリペプチドに対する結合親和性及び結合活性を好ましくは無償のプレセニリンに匹敵する程度で与える部分である。アッセイ混合物はまた、候補薬物を含む。候補薬は多くの化学分類を包含するが、典型的にそれらは有機化合物;好ましくは小有機化合物であり、合成又は天然化合物のライブラリを含む広範で種々の供給源から得られる。また、様々な他の試薬が混合物中に含まれうる。これらは、塩、緩衝液、中性タンパク質、例えばアルブミン、界面活性剤、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗菌剤等を含む。
【0031】
できた混合物は、仮に候補薬物が存在しなければpenポリペプチドが細胞性結合標的、部分又は関連した結合親和性を有する類似物に特異的に結合するような条件下でインキュベートされる。混合物の成分は、必要な結合を提供する任意の順序で添加することができ、インキュベーションは最適な結合を促進する任意の温度で実施することができる。インキュベーション時間は同様に、最適な結合について選択されるが、高速の、高処理スクリーニングを促進するために最小化される。
インキュベーションの後、penポリペプチドと一以上の結合標的の間の薬剤系結合が、任意の都合のよい方法によって検出される。産物の性質及び他のアッセイ要因に依存する、例えば光学又は電子密度、放射性放出、無放射性エネルギー移動等、あるいは抗体コンジュゲート等を用いた間接的検出による変化を検出するために様々な方法が使用されうる。薬剤存在下での結合親和性に比較した、薬剤不存在下での標的に対するpen−1Bの結合親和性の差異は、薬剤がpen結合標的に対するpenの結合を調節することを示す。ここで使われる差異は、統計的に有意であり、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも90%の差異を示す。
次の実験の部分及び実施例は、例示のために提供され、限定するものではない。
【0032】
実施例、プロトコール及び実験方法
I.高処理インビトロ蛍光偏光アッセイ
試薬:
penペプチド(サイズ最小化、ローダミン標識;最終濃度=1−5nM)
PSポリペプチド(最終濃度=100−200nM)
緩衝液:10mMのHEPES、10mMのNaCl、6mMの塩化マグネシウム、pH7.6
プロトコール:
1.90マイクロリットルのpenペプチド/PSポリペプチド混合物を96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに加える。
2.ウェルにつき10マイクロリットルの試験化合物を加える。
3.5分振盪し、Fluorolite FPM−2 Fluorescence Polarization Microtiter System(Dynatech Laboratories社)を用いて蛍光偏光の量を5分以内に測定する。
【0033】
II.高次構造センサー−ELISAフォーマットアッセイ
緩衝液及び溶液の調製:
1.10Xアッセイ緩衝液:
1MのHepesを100mL
5MのNaClを300mL
1MのMgClを20mL
MQ H2Oを1Lまで加える
2.ペプチド/タンパク質のマスターミックス
タンパク質:グルタチオンSトランスフェラーゼ/γ分泌酵素ポリペプチド融合タンパク質:最終濃度=100nM
penペプチド(サイズ最小化、ビオチン標識;最終濃度=1uM)
アッセイ緩衝液及びH2Oを最終容量になるまで加える:最終緩衝液濃度=1X
3.抗体の構成:
抗GST、ウサギ(最終濃度=1:10000)
抗ウサギHRP(最終濃度=1:10000)
T−TBSを最終容量になるまで加える:最終緩衝液濃度=1X
【0034】
方法:
1.適切なペプチド/タンパク質の組み合わせの50mLのマスターミックス(上記2参照)を生成する。RTで1時間インキュベートする。
2.Pierce社のSuper−Blocking試薬で阻害した、96穴プレートReacti−Bindストレプトアビジン被覆、ホワイトポリスチレンプレート(#15118B)の各ウェルに95uLのマスターミックスを加える。
3.5uLのそれぞれの試験化合物(ストック=60uM)をプレートの各ウェルに移す。
4.RTで1時間プレートをインキュベートする。
5.インキュベートの間に、抗GST抗体と抗ウサギHRP抗体の混合物(上記3参照)を生成する。氷上で1時間インキュベートする。
6.プレートをH2Oで3回十分に洗浄する。
7.100uLの抗体混合物をプレートの各ウェルに加える。
8.RTで1時間インキュベートする。
9.H2Oで3回洗浄する。
10.Supersignal基質(ルミノール及び過酸化物を混合)をH2Oに1:2で希釈し、次いで各ウェルに100uL加える。
11.3−5分撹拌する。化学発光を読み取る。
【0035】
III.高処理インビトロ結合アッセイ
A.試薬:
−中性のアビジン:PBS中20μg/ml
−阻害緩衝液:PBS中5%のBSA、0.5%のTween;室温で1時間
−アッセイ緩衝液:100mMのKCl、20mMのHEPES pH7.6、1mMのMgCl、1%のグリセロール、0.5%のNP−40、50mMのb−メルカプトエタノール、1mg/mlのBSA、プロテアーゼ阻害剤の混合物。
33Ppenペプチド10xストック:200,000−250,000cpmの標識したpenペプチド(Beckman counter)を補足した10−8−10−6Mの「非放射性」penペプチド。スクリーニングの間、4℃のマイクロフリッジにおく。
−プロテアーゼ阻害剤混合物(1000X):10mgのトリプシン阻害剤(BMB#109894)、10mgのアプロチニン(BMB#236624)、25mgのベンズアミジン(Sigma#B−6506)、25mgロイペプチン(BMB#1017128)、10mgのAPMSF(BMB#917575)、及び10mlのPBS中2mMのNaVO(シグマ#S−6508)。
−結合ポリペプチド:PBS中10−7−10−5Mのビオチン化PSポリペプチド。
B.アッセイプレートの調製:
−ウェルにつき120μlのストックN−アビジンで一晩、4℃でコートする。
−200μlのPBSで2回洗浄する。
−150μlのブロッキングバッファーでブロックする。
−200μlのPBSで2回洗浄する。
【0036】
C.アッセイ
−40μlアッセイ緩衝液/ウェルで添加する。
−10μlの化合物又は抽出物を添加する。
−10μlの33P−penペプチド(20−25,000cpm/0.1−10pmoles/ウェル=10−9−10−7Mの最終濃度)を添加する。
−25℃で15分間撹拌する。
−さらに25℃で45分間インキュベートする。
−40μMのビオチン化PSポリペプチド(アッセイ緩衝液中0.1−10pmoles/40ul)を添加する。
−室温で1時間インキュベートする。
−200μMのPBSで4回洗浄して反応を停止する。
−150μMのシンチレーションカクテルを添加する。
−トップカウントで計測する。
D.全てのアッセイのコントロール(各プレートに配置する):
a.非特異的結合
b.80%阻害での溶解(非ビオチニル化PSポリペプチド)
【0037】
IV.プレセニリンエンハンサー遺伝子の同定:天然pen−1及びpen−2 sel−12及びhop−1の一部重複性は、ほとんどの組織において、どちらか一方の遺伝子の欠失がプレセニリン機能の一部の損失のみを生じることを意味する。従って、どちらか一方の遺伝子におけるノックアウト突然変異はプレセニリン相互作用遺伝子を同定するために設計される遺伝子スクリーニングに感作された環境を提供する。この推論を用いて、我々はプレセニリンと協力して作用する遺伝子の同定の目的で幾つかの種類の遺伝子を作成した。1つの種類(選別A)はsel−12欠失突然変異にとってホモ接合である虫を突然変異誘発させ(以下sel−12Δと称する)、sel−12Δと組み合わせてsel−12Δ;hop−1Δ二重突然変異のものに相当する表現型を作成しエンハンサー突然変異のスクリーニングをする。このようなエンハンサー突然変異を、1)hop−1プレセニリンと唯一相互作用する成分及び2)hop−1及びsel−12プレセニリンの両方と相互作用する成分を共に同定する。内在性のコントロールとして、選別がsel−12Δ;hop−1Δ二重突然変異で見られる表現型を対象とするので、選別Aは機能喪失hop−1対立遺伝子を生成することが期待される。他の差異は、hop−1単一突然変異の突然変異誘発及びさらに完全なプレセニリンに伴う表現型の増大ついてのスクリーニングをする。
【0038】
プレセニリンの不足を増大させる所望の突然変異に加えて、これらの選別は、これらの遺伝子産物の欠損がglp−1様の生殖不能を生じるので、glp−1シグナル伝達経路の既知の要素における突然変異(例えば、glp−1/Notchレセプター、lag−2/DSLリガンド、lag−2/Su(H)ファミリーエフェクター)を同定する。プレセニリンエンハンサーと既知のglp−1系の遺伝子における突然変異との間の重要な差異は、前者がsel−12Δを背景としてのみglp−1様生殖不能を生じるが、後者は野生型遺伝子の背景(Austin, J. 及び Kimble, J., Cell (1987) 51:589−599; Lambie, E. 及びKimble, J., Development 1991) 112:231−240)とsel−12Δの背景を併せもつglp−1生殖不能を生じることである。
我々は、エチルメタンスルホン酸を用いたsel−12Δホモ接合株の突然変異誘発の後に約128,000の半数体ゲノムをスクリーニングして選別Aを手広く実施した。選別は、27の推定上のglp−1対立遺伝子、地図の位置に基づいておそらくlag−1又はlag−2対立遺伝子として同定される3の突然変異、及び8のhop−1突然変異を含む期待される型の単離を生じた。期待されるように、推定上のglp−1、lag−1、及びlag−2突然変異は、野生型及びsel−12Δ遺伝子の両方を背景としたglp−1様生殖不能を生じ;従って、これらの突然変異はsel−12+機能の存在又は不存在に関係なく生殖不能を引き起こす。対照的に、8のhop−1突然変異は、sel−12+活性の存在下ではなく、不存在下で浸透性glp−1様生殖不能表現型を生じる。
【0039】
前述に加えて、我々は、マッピング及び相補性試験に基づき、2つの新規なプレセニリン相互作用遺伝子を同定する7つの突然変異体を単離した。これらの突然変異体の4つは、染色体Iに位置する遺伝子pen−1を同定し、他の3つは、染色体IIIに位置する遺伝子pen−2を同定する。これらの遺伝子を用いた我々のその後の研究で:1)pen−1及びpen−2エンハンサー対立遺伝子は機能喪失突然変異であり;2)sel−12+機能の喪失を伴うpen−1+又はpen−2+機能の喪失が、プレセニリン機能の完全な喪失として同一の表現型の結果を有し;3)sel−12+を背景としたpen−1+及びpen−2+の喪失は、プレセニリン/Notch系の機能の一部の喪失を示す表現型を生じ;4)pen−1及びpen−2はsel−12及びhop−1の両方と遺伝学的に相互作用し;5)pen−1及びpen−2のオープンリーディングフレームは、無関係の完全な膜タンパク質をコードし;6)pen−1及びpen−2関連遺伝子は門の分類をこえて保存されていることが示された。
【0040】
pen−1及びpen−2突然変異は、sel−12Δをプレセニリン喪失の全体に関わるlin−12/glp−1様表現系まで増強させる。sel−12Δ突然変異との二重突然変異として、pen−1対立遺伝子及びpen−2対立遺伝子はそれぞれ、母性sel−12+活性を受けていないsel−12Δ;hop−1Δの虫に見られるものと同一の表現型の集合を生じる。特に、sel−12Δとのこれらの各二重突然変異は、sel−12Δ又はhop−1Δ単一突然変異、あるいはpen−1又はpen−2単一突然変異には見られない3つの共通の異常を共有する。第1に、二重突然変異の3つ全ての集合は、glp−1機能消失突然変異について記載されたもの(Austin及びKimble, 1987)と同様の生殖細胞増殖により特徴付けられる区別のつかないglp−1様生殖不能表現型を示す。第2に、3つ全ての二重突然変異はlin−12/Notchシグナル伝達の欠損を示す共通の細胞運命特性を示す。lin−12+活性は、アンカー細胞運命の決定に対して腹側の子宮前駆体に必要であり:lin−12(lf)突然変異は、正常に腹側子宮前駆体運命をとる細胞が代わりにアンカー細胞になるので、その正常な補体ではなく、2つのアンカー細胞を有する(Greenwald, I. 等, Cell (1983) 34:435−444)。sel−12Δ;pen−1及びsel−12Δ;pen−2二重突然変異は、sel−1Δ2;hop−1Δ二重突然変異がそうであるように、この「2つのアンカー細胞」表現型を示す(Westlund, B等, Proc. Natl. Acad. Sci. (1999)96:2497−2502)。第3に、sel−12Δ;pen−1及びsel−12Δ;pen−2二重突然変異は、sel−12Δ;hop−1Δのように、lin−12(lf)突然変異に見られる産卵口の欠陥を思わせるめくれた産卵口の表現型を示す。
【0041】
前記の表現型の比較は、pen−1+又はpen−2+活性の減少が、sel−12+活性の欠損と併せて、sel−12及びhop−1によりコードされる2つの重複したプレセニリンを排除する効果に匹敵するプレセニリン系機能の喪失を生じる。
単一のpen−1及びpen−2突然変異は、プレセニリン機能の部分的な喪失に関する表現型を与える。単一の突然変異のように、pen−1及びpen−2の虫は2つの明らかな異常を示す。第1に、pen−1及びpen−2ホモ接合体(pen−1/+又はpen−2/+の雌から産まれた)は共に、正常な数の自己子孫の胚を作るが、これらの胚は動物の子宮にとどまり、産まれることはない。従って、pen−1及びpen−2雌雄同体は産卵欠陥(又はEgl)があり、表現型はsel−12Δ単一突然変異と共通していた。
【0042】
第2に、ホモ接合pen−1又はpen−2雌雄同体から産まれた胚は孵化しないが、代わりに複数の異常のある発達を停止する。pen−1及びpen−2雌雄同体から産まれた停止した胚は、非常に類似した異常を見せる。最も著しくは、多くの停止した胚が部分的な咽頭のみを生じ;後部咽頭葉はあるが、前葉はない。前咽頭の欠如は、(前咽頭がないことに関する)Aph表現型と呼ばれ、最初glp−1の特定の劣勢対立遺伝子として説明された。GLP−1レセプターは前咽頭の形成を誘発する特定のシグナル伝達の現象に必要であり(Mello, C. 等, Cell (1994) 77:95−106; Moscovitz, I 等, Development (1994) 120:3325−3338; Hutter, H. 及び Schnabel, R., Development (1994) 120:2051−2064);従って、母性付与型のglp−1+活性の欠如は、Aph表現型並びに他の欠損を生じる(Priess, J. 等., Cell (1987) 5:601−611)。減少したプレセニリン機能とAph表現型の関連は、母性sel−12+を受けるsel−12Δ;hop−1Δ雌雄同体の分析(母性sel−12+機能の欠如に見られる生殖不能をレスキューすること)によってもたらされる。この状況において、sel−12Δ;hop−1Δ雌雄同体は、他のglp−1様の胚欠陥に加えて、同様にAph表現型を表す停止した胚を産む(上掲のWestlund, B.)。pen−1及びpen−2のこれらの特性は、pen−1又はpen−2の欠損がsel−12又はhop−1単一突然変異によって引き起こされるものよりも深刻な表現型を引き起こすので、両方の遺伝子がsel−12及びhop−1の両方のプレセニリンと協力して作用することを示す。
【0043】
Aph表現型に加えて、ホモ接合pen−1又はpen−2雌雄同体により生成される胚は他の異常を表す。通常、胚はほとんど伸長の形跡なしに停止し、胚の皮下組織(角質の下及び裏にある表皮細胞の層)はしばしば他の細胞型を完全に包み込むことができない。同様の表現型がglp−1(ts)突然変異により生成される胚について説明されている。
要約すると、pen−1及びpen−2突然変異は、Notchファミリーレセプターglp−1及びlin−12に関与する細胞シグナル伝達欠陥の表れである複数の表現型(Egl、Aph及び欠陥のある胚伸長)を共通にもつ。更に、sel−12Δ、pen−1及びpen−2との組み合わせは、加えて、より強力なNotch系に関連する欠陥(glp−1様生殖不能、2つのアンカー細胞表現型;産卵口の外がえし)を生じる。一体とした遺伝子的及び表現型的証拠は、pen−1及びpen−2がNotchレセプター成熟及び/又はプロセシングにおけるプレセニリンを抑止しうる新規な成分であることを示す。
【0044】
pen−1は、予測される線虫の遺伝子VF36H2L.1に相当する。pen−1をクローニングするために、我々は、ますます小さな間隔でpen−1(ep140)の遺伝子地図を、まず検出可能な遺伝子マーカーを用いて、次いで分子マーカーを用いて[Tc1トランスポゾンの挿入及び単一ヌクレオチド多型(SNPs)]作成した。SNPマッピングの最終段階は、その位置を染色体Iで52KB間隔まで狭くした。線虫のデータベースACEDBに記録されるように(Eeckman, F. 及び Durbin, R. C. elegans: Modern Biological Analysis of an Organism (1995) pp.583−599)、この間隔は全体で7つの予測される遺伝子を含む。これらの1つ、VF36H2L.1は、RNA干渉(RNAi)のデータと突然変異の検出に基づいてpen−1であると同定された。多くの線虫遺伝子について、RNAiは母性及び接合遺伝子活性の両方を乱す(Tabara, H. 等 Science (1998)282:430−431)。pen−1の場合には、成体の雌雄同体へのdsRNAの注入後の母性活性の破壊は、Aph表現型で発生的に停止させた胚の作成によって証明された。期待されるように、この表現型は野生型及びsel−12Δ雌雄同体の両方のRNAiの後に観察された。何れの背景でもRNAiはまた、成体期まで成長する多くの明らかな死を免れた子孫を得た。sel−12Δの背景でのRNAiの場合には、高い比率のこれらの死を免れた個体は、glp−1様生殖不能を示し、接合pen−1活性の阻害と一致する。意外なことに、野生型のVF36H2L.1のRNAiはGlp生殖不能の子孫を生じるが、sel−12Δ雌雄同体のpen−1RNAiによるものよりも非常に低い頻度である。対照的に、glp−1様生殖不能はpen−1単一突然変異には見られない。この違いは、RNAiが典型的に母性及び接合遺伝子機能を共に混乱させる特性に最も帰因し、従って接合性の致死突然変異に見られるよりもより深刻な表現型を生じうる。
【0045】
配列分析によって、我々はsel−12エンハンサーとして単離した4つのpen−1対立遺伝子がVF36H2L.1オープンリーディングフレームの単一のヌクレオチド置換を含むことを決定した。著しくこれら4つの独立した由来の領域は、それぞれ同じコドン、Trp191のナンセンス突然変異である。これらの対立遺伝子(ep140、ep168、及びep170)は、3番目の塩基UGGのUGAへの変更であり、4番目(ep216)は2番目の塩基UAGのUGGへの変化である。これらの領域がVF36H2L.1のRNAiに類似したAph及びglp−1様生殖不能表現型を生じることは、それらが機能減少突然変異であることを示す。
【0046】
pen−1は複数の膜貫通ドメインで進化的に保存されたタンパク質をコードする。pen−1(VF36H2L.1、GI#2815036)オープンリーディングフレームは、スプライシングしたときに308アミノ酸のタンパク質をコードする4つのエキソンに分けられる。我々は、部分的なcDNA産物の配列分析によって、エキソン2及び3の予定されるスプライシング結合を確認した。pen−1は、以下に詳細に説明されるように様々なヒト、マウス、及びショウジョウバエのタンパク質の予測される構造との類似性を示す。pen−1は、構造予測プログラムPSORT2及びTopPred2によって決定されるように最大7つの膜貫通ドメインまで含みうる、予測される完全な膜タンパク質である。
【0047】
pen−2は、予測される線虫遺伝子T28D6.9に相当する。我々は、クローン化遺伝子pha−1及びdpy−18の間の染色体IIIに遺伝学的に位置づけた。この間隔はおよそ240KBのDNAに及び、ACEDBバージョン9に記録されるように(Eeckman, F. 及び Durbin, R. C. elegans: Modern Biological Analysis of an Organism (1995) pp.583−599)31の予測される遺伝子を含む。pen−2はRNAiデータ及び突然変異検出に基づいてT28D6.9であると同定された。その間の多くの遺伝子のRNAiは、T28D6.9がRNAiによって予測される母性及び接合pen−2表現型が与えられる唯一の候補遺伝子であると同定した。T28D6.9を注入した野生型及びsel−12Δ雌雄同体は、高い割合の発達停止胚を生成し、その多くがAphである。更に、sel−12Δ(野生型以外)の虫のRNAiはglp−1様の生殖不能を示す明らかな「死を免れた」子孫を生じる。sel−12エンハンサーとして単離された3つのpen−2対立遺伝子の突然変異検出は、それぞれがT28D6.9の予測されるオープンリーディングフレームのナンセンス突然変異を含むことを明らかにした。2つの領域(ep219及びep220)は、UGGからUGA(ep219)又はUAG(ep220)に変えてTrp74コドンを変化させ、3番目の領域(ep221)はTrp36をUGA停止コドンに変える。これらのナンセンス対立遺伝子は、遺伝子機能を強力に減少させる又は消滅させて、sel−12Δの増強が野生型pen−2+活性の喪失に起因することを示す。
【0048】
pen−2は予測される複数回膜貫通タンパク質をコードする。pen−2(T28D6.9、GI#3873415)オープンリーディングフレームは101アミノ酸タンパク質をコードする。pen−2の予測されるエキソン/イントロン構造は、Genbankにある公にされていない全長cDNA(yk569h5 GI#5572325及び5558557)の配列により確かめられた。pen−2は、以下に詳細に説明されるように、様々なヒト、マウス、ラット、及びショウジョウバエのタンパク質の予測される構造と高いレベルの類似性を示す。pen−2は、構造予測プログラムPSORT2及びTopPred2により決定されるように、2つの見込みの膜貫通ドメインを含む、予測される完全な膜タンパク質である。
それら独自の特定の表現型及びsel−12とのそれらの相互作用を含む、幾つかの推定に基づき、pen−1及びpen−2はおそらくプレセニリンと相互作用する産物をコードする。引いては、pen−1、pen−2、sel−12、又はhop−1と共通の特性を有する他の遺伝子を、潜在的なプレセニリン相互作用遺伝子とみなすことができる。我々は、1)aph−2+機能の欠損と関連する特定の表現型及び2)aph−2とsel−12及びhop−1との、及びpen−1及びpen−2との新規な遺伝学的相互作用の我々による同定に基づいて、aph−2遺伝子をプレセニリン相互作用遺伝子と同定した。
【0049】
aph−2遺伝子は、C. Goutte等 (1995 International Worm Meeting, abstract 39; 1998 East Coast Worm Meeting, abstract 151; Worm Breeder’s Gazette 12(5):27(1993); Worm Breeder Gazette 13(d):83(1994))によって線虫胚のglp−1媒介性シグナル伝達の可能性のある成分として同定された。これらの研究者により特徴付けられたaph−2突然変異は、未報告の接合表現型を有するが、Aph表現型を含みglp−1(ts)胚の欠陥と著しく類似する母性胚欠陥を有する。aph−2は、報告によれば、予測される遺伝子ZC434.6に相当する。予測されるaph−2タンパク質は、721アミノ酸長であり、PSORT2(Nakai K., 及びHorton P., Trends Biochem Sci, 1999, 24:34−6)及びTopPred2(Claros MG, 及びvon Heijne G. Comput Appl Biosci 1994 Dec; 10(6):685−6)により予測されるようなシグナル配列及び1〜3の膜貫通ドメインによって特徴づけられる。
【0050】
pen−1及びpen−2を同定するスクリーニングはaph−2の突然変異を引き起こさなかった。このスクリーニングの高いストリンジェンシーにより失敗しうる潜在的なプレセニリン/aph−2相互作用を同定するために、我々はプレセニリン欠損にさらに高度に感作させる様々な遺伝学的背景を調べた。これらの実験について、入手可能なaph−2突然変異体が不足していたことにより、我々は、選択される背景のaph−2+機能を減少させるRNAiを用いた。野生型雌雄同体の生殖細胞系へのaph−2 dsRNAの注入は、子孫に高く浸透した胚の致死率、並びにAph表現型を示す多くの停止した胚をもたらす。しかしながら、注入した雌雄同体はさらに、体細胞組織の表現型の異常のない成体に成長する相当な割合の生存能力のある子孫を産む。それらの多くが発達停止Aph胚を産むので、これらの虫は「一時的に死を免れたもの」とみなすことができる。従って、我々は成体の雌雄同体にaph−2RNAを注入し、プレセニリン依存表現型の一時的な死を免れた子孫を調べた。これらの調査の結果を表4にまとめる。
【0051】
表4 aph−2RNAiによるプレセニリン及びpen遺伝子表現型(導入遺伝子の死を免れた子孫の表現型)の増大
Figure 2004522408
1 XX雌雄同体の完全な遺伝子型は次のとおりである:Row1:N2(野生型)。Row2:sel−12(ep6)。Row3:sel−12(ep6);hop−1(ep168)unc−74(x19)/hT2[hop−1+unc−74+]。Row4:hop−1(ep171)unc−74(x19)。Row5:unc−29(e1072)pen−1(ep140)Row6:pen−2(ep220)dpy−18(e364)。
2 ホモ接合又はヘテロ接合系統からの雌雄同体はaph−2dsRNAを注入した。
全ての遺伝子型は、発達停止したAph−2胚、並びに一部の生存する死を免れた子孫を分離した。aph−2(RNAi)が死を免れた子孫のうち接合Glp−1様生殖不能を生じる遺伝子型について、Glp生殖不能の虫の概算の割合を示す。
【0052】
ホモ接合sel−12Δを背景とするAph−2RNAiは、より深刻なプレセニリン表現型にsel−12を目立って増強しない。しかしながら、有意な増強は、hop−1ナンセンス突然変異(hop−1(ep168)/+)にとってもホモ接合であるホモ接合sel−12Δの虫で検出される。aph−2RNAiに併せて、約12%のsel−12Δ;hop−1(ep168)/+の動物はglp−1様生殖不能を示し、aph−2のない状態でこの遺伝子型には何も見られない。更に、aph−2RNAiの増強は、sel−12Δで相互作用が見られないので、両方のプレセニリンの複合した減少に依存する。
aph−2との更なる相互作用は、異常なhop−1対立遺伝子、ep171で観察される。この対立遺伝子は、ヒトPS1のAsp385残基(TMドメイン8に位置する)に相当する保存されたアスパラギン酸残基でDからNへのミスセンス変異をもたらす。PS1Asp285Ala突然変異は、PS1機能の喪失を生じ、PS+発現でのドミナントネガティブは効果もまた有する(Wolfe, M. Nature (1999) 398:513−517)。PS1 D385A変異のように、hop−1(ep171)は野生型のプレセニリン活性を持たず;sel−12Δ;hop−1(ep171)二重突然変異は、sel−12Δ;hop−1Δに類似するglp−1様の生殖不能欠陥を有する。sel−12+の背景において、hop−1(ep171)は非常に低い浸透度(<1%)のglp−1様生殖不能表現型を生じ、sel−12プレセニリン機能又は発現でのドミナントネガティブな効果を有するはずであると示唆する。我々は、ホモ接合hop−1(ep171)雌雄同体aph−2のRNAiが高い浸透度のglp−1様生殖不能(>50%の生存子孫)を生じることを発見し、減少したaph−2+機能及びhop−1(ep171)ドミナントの効果の間に強い付加的な相互作用が示唆される。
【0053】
最後に、我々はまた、aph−2RNAiがpen−1及びpen−2突然変異表現型を強力に促進することを観察した。ヘテロ接合系統から分離するホモ接合成体pen−1及びpen−2雌雄同体は、正常にみえる生殖系列を有し、glp−1様生殖不能が見られない。対照的に、相当するpen−1;aph−2(RNAi)及びpen−2;aph−2(RNAi)雌雄同体は高い浸透度(>50%の生存pen−1又はpen−2雌雄同体の子孫)でglp−1様生殖不能を示す。これらの観察は、部分的に減少したプレセニリン系活性の様々な遺伝学的背景が、aph−2活性のRNAi媒介減少によるより強い表現型に増強することが可能であることを示唆する。データは、プレセニリン及びpen−1及びpen−2とaph−2の機能的相互作用を示す。
APH−2の構造及びAPH−2はヒト及びハエのタンパク質に関連する。APH−2は、PSORT2で予測される切断可能なシグナル配列及びPSORT2及びTopPred2により予測される1〜3の膜貫通ドメインを含む。APH−2は、ほぼ全長のcDNA KIAA0253によりコードされる予測のヒトタンパク質とアミノ酸配列において18%の同一性である(Nagase, T. 等 DNA research (1996)3:321−329)。更に、APH−2は、Exelixis社で作成されたコンティグ化されたESTsから予測されるショウジョウバエのタンパク質に対して同様のレベルの同一性を示す。ヒト及びショウジョウバエのAPH−2関連タンパク質は30%同一であり、3つのタンパク質のClustalアラインメントは各タンパク質の完全長にわたる保存を示す。
【0054】
方法:RNA干渉(RNAi)。特定の遺伝子のRNAiは、一般にPCR増幅遺伝子DNA断片の鋳型から調製されたdsRNAを用いてなされた。PCRプライマーの5’末端はT7RNAポリメラーゼのプロモータ配列を含み、3’領域は、標的とする遺伝子の一以上のエキソンをそれらが増幅するように作成された。PCR反応は、50ml反応で0.5mgの野生型ゲノムと5mモルの各プライマーを用い、拡張キット(Expand kit)(Roche Biochemicals, Summerville, NJ)を使用して製造業者のプロトコールに従って為された。PCR条件は次の通りであった:95℃で30秒間の初期変性、続いて35サイクルの94℃で30秒間、55℃で15秒間、72℃で1分間、最終伸長72℃で3分間。増幅したDNAは、エタノール沈殿させ、20mlのRNAseを含まない水に再懸濁した。PCR産物の部分を、製造業者の指示書(Promega社)に従ってT7ポリメラーゼ関連インビトロ転写反応の鋳型として使用した。反応物をエタノールで懸濁し、RNAを20mlのRNAseを含まない水と10mlの3X IM緩衝液(20mMのKPO4 pH7.5、3mMのK+クエン酸塩 pH7.5、2%のPEG6000)に再懸濁した。相補的なセンス及びアンチセンスRNAsを68℃で10分間のインキュベーション、続いて37℃で30分間インキュベーションによりアニールし、次いで0.45umのセルロースアセテートフィルターをとおして遠心分離した。RNAの微量注入は、L4又は若い成体期の雌雄同体を用いての記載(Fire等, Development(1991)113:503−514)のようにして行った。注入した虫をM9バッファー(リットル当たり:30gのNa2HPO4、15gのKH2PO4、2.5gのNaCl、5gのNH4Cl)に10−30分間回収し、個々のプレートに移し、次いで毎日新しいプレートに移した。注入した雌雄同体の第1世代の自己子孫は、ノマルスキー微分干渉顕微鏡を備えた複合顕微鏡又は解剖顕微鏡で観察することによりRNAi誘発の表現型を調べた。
【0055】
使用される線虫の系統。線虫を処理及び培養する方法は記載がある(Brenner, S. Genetics(1974)77: 71−94)。線虫のバリエーション、Bristol系統N2は野生型を示し、ここで使用されるほとんどの突然変異株と大部分がアイソジェニックである。遺伝子地図作成及び特徴付けに使用された特定の突然変異は:LGI−unc74(x19)、dpy−5(e61)、unc−29(e1072)、fog−3(q443)、dpy−24(s71)。LGIII−dpy−19(e1259ts)、unc−119(e2498)、pha−1(e2123)、dpy−18(n499又はe364)LGIV−him−8(e1489)、LGX lon−2(e678)を含んでいた。全ては線虫IIで説明される。sel−12又はhop−1コード領域の大部分又は部分を除去する欠失突然変異は、以下に説明される。sel−12遺伝子は伴性であり、sel−12突然変異は交配欠陥があるので、系統の間のsel−12Δの移動は、通常、相補的なsel−12+対立遺伝子をもつ染色体増幅mnDp66(X;I)を持つ雄を用いて成された。
【0056】
DHPLCによるSNPスクリーニング:候補SNPsをCB4856及びN2ゲノムDNAから分離して増幅した。PCR産物を混合、変性及び再アニールして、変性HPLC(DHPLC)によるスクリーニングのためのヘテロ接合分子を作成した。各SNPを同一の分離勾配を用いて5つの異なる温度でスクリーニングした。SNPを、ヘテロ二本鎖がヘテロ接合状態で検出されるが、ホモ接合の初期の系統では検出されない場合に信頼できる結果とした。各SNPの適切な温度を記録し、組み換えした虫のSNPをスクリーニングするために使用した。
組み換えした虫のSNPスコアリング:適切な組み換え体からのライセートをPCRによりSNPsを増幅するためのゲノムDNA鋳型として用いた。次いで、これらの粗製のPCR産物を、先に決定した各SNPの適した温度を用いてDHPLCを実施した。各組み換え体について、各SNPをタイプし、無作為に表計算シートに入力した。次いでSNPsの物理的次数をAceDBから決定した。これは各組み換え体のハプロタイプを作り、組み換えが生じる位置を意味した。
【0057】
sel−12及びhop−1突然変異株の単離及び特徴付け。sel−12及びhop−1の欠失対立遺伝子を、Plasterkの2段階法(Plasterk, R. C. elegans: Modern BiologicalAnalysis of an Organism (1995) pp. 59−80)によってTc1トランスポゾン変異誘発活性源としてmut−2を用いて得た。sel−12(ep6)(以下sel−12Δと称する)はsel−12オープンリーディングフレームのアミノ酸34から441がなくなる欠失突然変異である。hop−1(ep90)(以下hop−1と称する)は、hop−1オープンリーディングフレームのアミノ酸216で始まり、遺伝子の3’非翻訳領域で終結する722bpの欠失である。sel−12Δ及びhop−1Δ単一突然変異を、表現型の特徴付け及び二重突然変異の構築の前に少なくとも10回、野生型(上掲の線虫のバリエーション.Bristol系統N2)に戻し勾配した。sel−12Δ単一突然変異は、前記したsel−12(lf)突然変異のものと同様の産卵欠陥表現型を有する(Lavitan, D. 及び Greenwald , I. Nature (1995)377:351−354)。hop−1Δ突然変異は、他で記載される(Westlund, B. 等 Proc. Natl. Acad. Sci (1999) 96:2497−2502)hop−1欠失対立遺伝子と同様に、肉眼的な表現型の異常はない。
母性sel−12+活性を欠くsel−12Δ;hop−1Δ二重突然変異源を与えるために、我々は、平衡にしたsel−12Δ/sel−12Δ;hop−1Δ+/+unc−74系統を構築した。この系統は、glp−1(lf)突然変異の特性をもつ生殖系統増殖欠陥を有する完全な浸透度の生殖不能表現型を示す二重突然変異sel−12Δ;hop−1Δ雌雄同体を分離する(Austin, J. 及び Kimble, J., Cell (1987)51:589−599)。更に、これらの虫は十分な浸透度の2つのアンカー細胞表現型及びlin−12(lf)突然変異により引き起こされる産卵口欠陥を思わせるめくれた産卵口表現型を有する。
【0058】
sel−12Δのエンハンサーの単離。pen−1及びpen−2のエンハンサー対立遺伝子は、ホモ接合sel−12Δ系統、又は後の実験においてsel−12Δ;unc−74(x19)系統(unc−74突然変異は染色体I上のhop−1の近くにあり、組み込みの(built−in)地図作成の材料を提供する)の突然変異誘発の後に得られる。何れの遺伝子型のXX雌雄同体も、記載されるように(Brenner, S. Genetics (1974) 77:71−94)エチルメタンスルホン酸で突然変異誘発し、1(又は時には2)の雌雄同体を個々の生育プレート(全部で約55,000プレート)につまみ出した。3から5日後、プレートを生殖系統増殖の欠陥を示す「暗い」外観を有する生殖不能F2子孫の外観について選別した。次いで候補生殖不能突然変異をsel−12Δ;hop−1Δの虫と同様のglp−1様生殖不能を示すものを同定するノマルスキー微分干渉顕微鏡により選別した。
【0059】
この方法で決定した44の候補の集団を、これらの突然変異の生殖不能表現型がsel−12エンハンサーに予想されるような虫のsel−12表現型に依存するかどうかを決定するために設計された交配計画を実施した。この試験のために、各候補をdpy−19III;him−8;lon−2の雄に交配させ、生じた交配子孫を個々のプレートにつまみ出した。次の世代において、lon−2/lon−2子孫(組み換えのないsel−12+/sel−12+である)の存在は、生殖不能表現型がsel−12+活性の欠損に依存しない、あるいは既知のglp−1系遺伝子(glp−1、lag−1、lag−2)のものの突然変異が原因であることを示唆する。この方法で分析された29の候補はsel−12非依存性であり、従って、おそらくプレセニリンエンハンサーとしては拒否された。29の拒否候補の26について、生殖不能を引き起こす突然変異はトランスでdpy−19に分離され、glp−1対立遺伝子に予測される作用である。これらのLGIII突然変異の9つは、既知のglp−1対立遺伝子の生殖不能表現型を補足することができず;他の17LGIII突然変異は試験しなかった。
残りの15の候補について、Glp生殖不能表現型はF2世代には見られず、結果は、sel−12との相互作用を母性sel−12+活性によりレスキューするエンハンサー突然変異の存在と一致する。この解釈は、個々のプレートのF2世代のsel−12/sel−12の虫を選び出し、次世代のglp−1様生殖不能の再出現についてそれらの子孫を調べることにより試験された。これは、残り15の候補のそれぞれについて得た結果であった。相補性試験の組み合わせ、減数分裂マッピング、突然変異体対立遺伝子の配列分析によって、各候補はhop−1(8候補)或いは2つの新しく同定された遺伝子、pen−1(4候補)又はpen−2(3候補)の何れかの突然変異を持つことが示された。
【0060】
pen−1のマッピング、特徴付け、クローニング、及びコンピュータ分析:pen−1の遺伝子地図の作成を、sel−12Δの背景において行い、二重突然変異pen−1;sel−12Δの虫のglp−1様生殖不能表現型を基にした。我々は、初めに染色体Iのunc−29及びdpy−24の間にpen−1(ep140)を位置づけた。更に可視マーカーでのマッピングはunc−29及びfog−3の間、1.1MBの間隔に位置を狭めた。遺伝子型pen−1の雌雄同体/unc−29fog−3トランス雌雄同体から、16/20Unc−29non−Fog−3組み換え及び1/4Fog−3non−Unc−29組み換えはpen−1を分離した。
【0061】
pen−1突然変異が誘導されるN2 Bristol系統と、線虫の系統CB4856 Hawaiian系統の間で多形であるSNPマーカーを用いて更に細かいマッピングを行った。ゲノム配列決定センター(セントルイス、MO)は、多数のCB4856の潜在的なSNPsを同定した(http://genome.wustl.edu/gsc/CEpolymorph/snp.shtml)。unc−29からfog−3間のこれらの潜在的な4つのSNPsは、HPLCを変性させることによりヘテロ二本鎖PCR産物の分離に基づくSNP遺伝子型同定アッセイで試験することにより確認された(Underhill PA, 等, Genome Res. 1997 Oct; 7(10):996−1005)。これらSNPsに対する初期マッピングは、遺伝子型unc−29 pen−1/CB4856又はpen−1 dpy−24/CB4956の雌雄同体の構築、及びUnc−29 non−Pen−1又はDpy−24 non−Pen−1組み換え体の選択により為された。さらなるnon−Pen−1組み換え体はunc−29 pen−1 fog−3/CB4856ヘテロ接合体から単離された。50のUnc−29 non−Pen−1組み換え体のうちの9つは、C31H5 SNPの右に生じ、pen−1をこのマーカーの右に位置させる交差を有していた。45のDpy−24 non−Pen−1又はFog−3 non−Pen−1組み換え体のうちの4つは、F14B4 SNPの左に交差を有して、pen−1をこのマーカーの左に位置させていた。複合したデータは、C31H5とF14B4 SNPsの区間、〜240KBの間にpen−1を位置づけた。
【0062】
同様の間隔にpen−1をマッピングするために、C45G3からF14B4の間にある更なるSNPsをDNA配列決定により同定した。間にあるDNAの約2KBの6つのセグメントをN2及びCB4856ゲノムDNA及び配列決定された末端のPCRにより増幅した。場合によっては、更なる配列決定プライマーは開始配列を作成するのに使用された。N2とCB4856の間のSNPsを配列アラインメントにより同定し、〜200bpのPCR産物をそれぞれ質のよい候補の周りに作成した。これらの200bpの産物をスクリーニングし、上記のようにDHPLCにより記録した。この分析はpen−1を2つのSNPs、一方がコスミドC45G3と他方がコスミドF36H2の間に位置づけ、相互に約52KBのところにある。
【0063】
突然変異の検出。2つの一本鎖ヌクレオチド多形(SNPs)、標識したC45G3A及びF36H2Aは、7つの予測される候補遺伝子が存在する52kbのゲノム間隔、pen−1を決定した。この52kbの間隔の30kb遺伝子の多い部分が、この領域に遺伝学的に位置づけされる突然変異を有する3つの虫、ep140、ep169、及びep170で示された。全てのDNA配列決定反応をBigDye配列決定試薬(Applied Biosystems, Inc. Foster City, CA)の標準的なプロトコールを用いて実施し、産物をABI377DNA配列を用いて分析した。
ABI377DNA配列から得られたトレースデータを分析し、Phred−Phrapプログラム(Gordon, Genome Res. (1998)8:195−202)を用いてコンティグに構築した。次いで再配列のデータを野生型の系統、N2と多形性について比較した。この分析は、第3位の塩基の変化、GからAを3つのpen−1対立遺伝子、トリプトファン(W)から停止(*)までアミノ酸変化を生じるep140、ep169及びep170のVF36H2L.1遺伝子(GI#2815036)の191AAで同定した。マッピングされていない突然変異体の更なる配列分析は、同じコドンの虫ep216の他の突然変異を明らかにするが、第2の部分ではGからAもまた、同じアミノ酸変化となる。ヒトpen−1の分析により新規なpen−1Bタンパク質を同定することができた。
【0064】
pen−2のマッピング、特徴付け、クローニング、及びコンピュータ分析。我々は、初めにpen−2(ep220)を染色体IIIのunc−25の左に位置づけた。遺伝子型pen−2/dpy−18 unc−25の雌雄同体から、4/4 non−Dpy−18 Unc−25組み換え体はpen−2を分離し、0/21 Dpy−18 non−Unc−25組み換え体はpen−2を分離した。70のdpy−18 unc−25ホモ接合体が同一のヘテロ接合雌雄同体、2つのみの分離されたpen−2から選択され、pen−2がdpy−18の比較的近区にあり、或いはこの遺伝子の左にあることが示唆される。
pha−1及びdpy−18の間にpen−1を位置づけする更なるマッピング:pen−1/pha−1 dpy19;sel−12Δ雌雄同体から、1/14non−Pha−1 Dpy−1組み換え体はpen−2を選択した。これらのデータは、pen−2をpha−1及びdpy−18の間、約240KBの間に位置づけ、pen−2がdpy−18の近くにあることを示唆した。
【0065】
予測遺伝子T28D6.9としてのpen−2の同定:我々は、1)pha−1からpdy−18の間の予測遺伝子のRNAi及び2)突然変異検出に基づいて、pen−2が予測遺伝子T28D6.9(GI#3873415)であることを決定した。その間の31の遺伝子の28について、T7プロモータ配列を付随するプライマーを、上記されるような鋳型として第一鎖cDNAプール又はゲノムDNAの何れかを用いた選択されるコーディング領域の増幅に使用した。2本鎖RNAを各PCR産物から合成し、sel−12Δホモ接合体に注入した。T28D6.9のRNAiは注入した虫の子孫のうち予期されるpen−2表現型を作り、sel−12Δの虫のglp−1様生殖不能、並びにN2及びsel−12Δの虫への注入の後のAph胚停止表現型を含む。T28D6.9オープンリーディングフレームの突然変異検出は、3つのpen−2対立遺伝子(ep219、ep220、ep221)のそれぞれでナンセンス突然変異を同定した。概略すると、このグループ、ep220の単一突然変異をep220ライセート及び野生型系統で増幅したPCR産物を配列決定することにより試験した。この分析は、トリプトファン(W)から停止(*)で生じた74AAのGからAへの突然変異を同定した。位置づけされない突然変異の更なる配列分析は、このグループに2以上の突然変異があることを明らかにした。ep219の虫はWから*を作る74AAの3番目の位置にGからAへの変異を有する。ep221の虫は36AAの停止コドンにも生じる他のWでGからAへの変異を有する。これら3つの変異は全て、T28d6.9遺伝子の機能を有意に変化させ又は除去することができる、高度に保存されたトリプトファンに影響する。
【0066】
V.細胞を利用したレポーターアッセイ
我々は、Gal4VP16転写活性化タンパク質に融合するAPPのC末端の99アミノ酸を持つレポーター構造を利用した細胞培地γ分泌酵素アッセイを開発した。Gal4部分は、プレセニリン依存切断がそれを遊離して核に移動させ、UASルシフェラーゼレポーター導入遺伝子の転写を活性化するまで、APP膜貫通ドメインによって細胞表面に維持される。アッセイ確証実験において、既知のγ分泌酵素阻害剤はレポーター遺伝子活性を完全に阻止し、既知のドミナントネガティブプレセニリン突然変異はまた、レポーター活性を阻害した。概念的に類似したアッセイは、以前、UASβガラクトシダーゼ導入遺伝子レポーターを用いたインビボのショウジョウバエでの研究が示されている。βガラクトシダーゼレポーター遺伝活性、従ってさらにγ分泌酵素様プロテアーゼ活性は、このインビボアッセイにおけるプレセニリンの存在に完全に依存していることが示されている。
【0067】
我々のデータは、pen−1、pen−2、aph−2又はプレセニリンの阻害が定常状態のプレセニリンタンパク質レベルの強力な減少、及びγ分泌酵素活性の相関した減少を生じることを示す。pen−1又はaph−2阻害の効果は等しい強さであり、pen−2はγ分泌酵素活性の減少及びプレセニリンタンパク質減少の両方に関してほぼ同等の強さが、そのプレセニリン阻害である。プレセニリン減少は、ショウジョウバエ及びヒト細胞システムを含む複数の細胞を利用したシステムにおいて、RNAi、開示されるスクリーニングで同定される複素環式化合物、及び細胞内発現抗体を含む幾つかの阻害剤を用いて立証される。これらのデータは、pen遺伝子及びプレセニリンの機能的相互作用についてのアッセイを提供する。従って、本発明は、プレセニリンとプレセニリンエンハンサー(pen)ポリペプチドの機能的相互作用を変化させるストレスを特異的に検出するための、プレセニリンとpenポリペプチドの機能的相互作用を与えるシステムに予測されるストレスを導入することによる方法を提供し、よってシステムはプレセニリンとpenポリペプチドのストレス偏向性相互作用を与え、ストレスのない状態で、システムはプレセニリンとpenポリペプチドの不偏性相互作用を与え;システム内のプレセニリンの量の変化としてプレセニリンとpenポリペプチドのストレス偏向性相互作用を検出し、量はプレセニリンN又はC末端断片(NTFs)プレセニリンホロタンパク質の量、又はその割合として表されてもよく、ストレス偏向性及び不偏性相互作用の間の差異は、ストレスがプレセニリンとpenポリペプチドの相互作用を変化させることを示す。
【0068】
この明細書において引用した全ての刊行物及び特許出願は、各刊行物もしくは特許出願が特にまた個々に出典明示により取込むことが示されているかのごとく、出典明示によりここに取込む。上述した発明は、理解を明瞭にする目的で、例証及び実施例によりある程度の詳細さをもって記載したが、特許請求の範囲の精神又は範囲から逸脱しない限りそれに所定の変化と変更を加えても良いことは本発明の教唆から当業者にとって明らかであろう。

Claims (42)

  1. Notch又はAPPプロセシングとプレセニリンエンハンサー(pen)ポリペプチドの機能的相互作用を変化させるストレスを特異的に検出するための方法であって、
    Notch又はAPPプロセシングとpenポリペプチドの機能的相互作用を提供するシステムに所定のストレスを導入し、それによって、システムはNotch又はAPPプロセシングとpenポリペプチドのストレス偏向性相互作用を提供し、ストレスのない場合にシステムはNotch又はAPPプロセシングとpenポリペプチドの不偏性相互作用を提供し;及び
    Notch又はAPPプロセシングとpenポリペプチドのストレス偏向性相互作用を検出して、ストレス偏向性及び不偏性相互作用の間の差異によって、ストレスがNotch又はAPPプロセシングとpenポリペプチドの相互作用を変化させることを示すことを含み、
    システムは:(i)penポリペプチド発現が非天然又は病原性であると決定されるpenポリペプチドを発現する生細胞、及び(ii)規定量のpenポリペプチドを含有するインビトロ無細胞混合物からなる群から選択され、
    penポリペプチドは、ヒト、ラット、マウス、キイロショウジョウバエ、及び線虫のpen−2;ヒト、マウス、キイロショウジョウバエ及び線虫のpen−1;及びヒトのpen−1Bからなる群から選択されるpenポリペプチドと配列類似性を有し、類似性が少なくとも20%同一性である方法。
  2. APPプロセシングとプレセニリン(pen)ポリペプチドのエンハンサーの機能的相互作用を変化させるストレスを特異的に検出するための方法であって、
    APPプロセシングとpenポリペプチドの機能的相互作用を提供するシステムに所定のストレスを導入し、それによって、システムはAPPプロセシングとpenポリペプチドのストレス偏向性相互作用を提供し、ストレスのない場合にシステムはAPPプロセシングとpenポリペプチドの不偏性相互作用を提供し;及び
    APPプロセシングとpenポリペプチドのストレス偏向性相互作用を検出して、ストレス偏向性及び不偏性相互作用の間の差異によって、ストレスがAPPプロセシングとpenポリペプチドの相互作用を変化させることを示すことを含み、
    システムは:(i)penポリペプチド発現が非天然又は病原性であると決定されるpenポリペプチドを発現する生細胞、及び(ii)規定量のpenポリペプチドを含有するインビトロ無細胞混合物からなる群から選択され、
    penポリペプチドは、ヒト、ラット、マウス、キイロショウジョウバエ、及び線虫のpen−2;ヒト、マウス、キイロショウジョウバエ及び線虫のpen−1;ヒトのpen−1B;及びヒト、キイロショウジョウバエ又は線虫のAph−2からなる群から選択されるpenポリペプチドと配列類似性を有し、類似性が少なくとも20%同一性である方法。
  3. プレセニリンとプレセニリンエンハンサー(pen)ポリペプチドの機能的相互作用を変化させるストレスを特異的に検出するための方法であって、
    プレセニリンとpenポリペプチドの機能的相互作用を提供するシステムに所定のストレスを導入し、それによって、システムはプレセニリンとpenポリペプチドのストレス偏向性相互作用を提供し、ストレスのない場合にシステムはプレセニリンとpenポリペプチドの不偏性相互作用を提供し;及び
    システム内でのプレセニリンの量の変化としてプレセニリンとpenポリペプチドのストレス偏向性相互作用を検出し、その量はプレセニリンN又はC末端断片(NTFs)、プレセニリンホロタンパク質、又はその割合の量として表されてもよく、ストレス偏向性及び不偏性相互作用の間の差異によって、ストレスがプレセニリンとpenポリペプチドの相互作用を変化させることを示すことを含み、
    システムは:(i)penポリペプチド発現が非天然又は病原性であると決定されるpenポリペプチドを発現する生細胞、及び(ii)規定量のpenポリペプチドを含有するインビトロ無細胞混合物からなる群から選択され、
    penポリペプチドは、ヒト、ラット、マウス、キイロショウジョウバエ、及び線虫のpen−2;ヒト、マウス、キイロショウジョウバエ及び線虫のpen−1;及びヒトのpen−1Bからなる群から選択されるpenポリペプチドと配列類似性を有し、類似性が少なくとも20%同一性である方法。
  4. penポリペプチドが、ヒト、ラット、マウス、キイロショウジョウバエ及び線虫のpen−2からなる群から選択される、請求項1、2又は3に記載の方法。
  5. penポリペプチドが、ヒト、マウス、キイロショウジョウバエ及び線虫のpen−1からなる群から選択される、請求項1、2又は3に記載の方法。
  6. penポリペプチドが、ヒトのpen−1Bである、請求項1、2又は3に記載の方法。
  7. 前記penポリペプチドが、sel−12Δ(デルタ)ホモ接合線虫遺伝子突然変異エンハンサースクリーニングにおいて天然に生じるpenポリペプチドである、請求項1、2又は3に記載の方法。
  8. 同一性が少なくとも50%である、請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の方法。
  9. 同一性が100%である、請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の方法。
  10. 機能的相互作用が、Notch又はAPPプロセシングの構成要素とpenポリペプチドの結合を含む、請求項1、4、5、6、7、8又は9に記載の方法。
  11. 機能的相互作用が、Notch又はAPPプロセシングの構成要素とpenポリペプチドの結合を含み、構成要素がプレセニリン又はγ分泌酵素である、請求項1、4、5、6、7、8又は9に記載の方法。
  12. システムが生細胞であり、ストレスが薬理学的活性剤である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  13. システムが生細胞であり、ストレスがpenポリペプチドの機能的発現における欠陥である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  14. システムが生細胞であり、ストレスがpenポリペプチドをコードする他の内因性対立遺伝子のゲノム破壊によるpenポリペプチドの機能的発現における欠陥である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  15. システムが生細胞であり、ストレスがpenポリペプチドをコードする内因性対立遺伝子の配列アンチセンスを含むポリヌクレオチドの共発現によるpenポリペプチドの機能的発現における欠陥である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  16. システムが生細胞であり、細胞がインサイツ(動物宿主内にある)である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  17. システムが生細胞であり、細胞がインビトロ(動物宿主から単離された)である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  18. システムがインビトロ無細胞混合物であり、ストレスが薬理学的活性剤である、請求項1、2、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  19. 検出工程がアルツハイマー病の徴候を検出する、請求項1、2、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  20. 検出工程がnotchの転写レポーターを検出する、請求項1、2、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  21. 検出工程がAβ(ベータ)の生成を検出する、請求項1、2、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  22. 検出工程が、Aβ(ベータ)の生成をAβ特異的抗体を用いて検出する、請求項1、2、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  23. 検出工程がpenポリペプチドの構造変化を検出する、請求項1、2、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  24. 検出工程が、penポリペプチドの構造変化をpenポリペプチド特異的抗体を用いて検出する、請求項1、2、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  25. 検出可能なプレセニリンの量の変化が、プレセニリン特異的抗体により検出される、請求項3に記載の方法。
  26. システムが生細胞であり、γ分泌酵素レポーターを含む、請求項1、2、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  27. システムが生細胞であり、C末端APP−Gal4融合タンパク質及びUASレポーター導入遺伝子を含むγ分泌酵素レポーターを含み、γ分泌酵素による融合タンパク質の切断がGal4を遊離し、次にレポーターを発現する導入遺伝子の転写を活性化する、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  28. penポリペプチドが、ヒト、キイロショウジョウバエ又は線虫のAph−2からなる群から選択される、請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の方法。
  29. 配列番号:1に対して少なくとも50%の配列類似性を有する配列を含み、ポリペプチド又は断片がヒトpen−1B特異的抗体と交差反応する、単離されたポリペプチド。
  30. ポリペプチドが、ヒトプレセニリン又はγ分泌酵素と結合する、請求項28に記載のポリペプチド。
  31. 配列番号:6、残基1−14;配列番号:6、残基6−15;配列番号:6、残基10−20;配列番号:6、残基25−46;配列番号:6、残基62−71;配列番号:6、残基67−76;配列番号:6、残基72−95;配列番号:6、残基115−126;配列番号:6、残基130−140;配列番号:6、残基139−151;配列番号:6、残基166−182;配列番号:6、残基184−198;配列番号:6、残基214−232;及び配列番号:6、残基246−257からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項29又は30に記載のポリペプチド。
  32. 配列番号:2−10からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項29に記載のポリペプチド。
  33. 配列番号:6、残基1−254;配列番号:6、残基4−255;配列番号:6、残基9−257;及び配列番号:6、残基2−255からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項29に記載のポリペプチド。
  34. 配列番号:2を含む請求項29に記載のポリペプチド。
  35. 請求項29、30、31、32、33又は34に記載のポリペプチドをコードする組み換えポリヌクレオチド。
  36. ベクター又は細胞内に含まれる請求項29、30、31、32、33又は34に記載のポリペプチドをコードする組み換えポリヌクレオチド。
  37. ポリペプチドを作成する方法であって、宿主細胞又は細胞抽出物中に請求項29、30、31、32、33又は34に記載のポリヌクレオチドを導入し、前記宿主細胞又は抽出物を、前記ポリヌクレオチドが転写物として発現され、前記転写物が前記ポリペプチドを含む翻訳産物として発現される条件下でインキュベートする工程を含む方法。
  38. 結合標的に対するpen−1Bポリペプチドの相互作用を調節する薬剤のスクリーニング方法であって、
    請求項29、30、31、32、33又は34に記載の単離されたポリペプチド、
    前記ポリペプチドの結合標的、及び
    候補薬剤
    を含む混合物を、前記薬剤が存在しない場合には前記ポリペプチドが基準親和性で前記結合標的に特異的に結合する条件下でインキュベートし;
    前記結合標的に対する前記ポリペプチドの結合親和性を検出して薬剤偏向性親和性を測定する工程を含み、
    薬剤偏向性親和性と基準親和性の間の差異によって、前記薬剤が前記結合標的に対する前記ポリペプチドの結合を調節することを示す方法。
  39. 前記結合標的がヒトプレセニリン又はγ分泌酵素を含む、請求項38に記載の方法。
  40. 結合標的に対するpen−1Bポリペプチドの相互作用を調節する薬剤のスクリーニング方法であって、
    請求項29、30、31、32、33又は34に記載のポリヌクレオチドをポリペプチドが発現される条件下でインキュベートし;
    前記ポリペプチドを含む混合物、前記ポリペプチドの結合標的、及び候補薬剤を含む混合物を、前記薬剤が存在しない場合には前記ポリペプチドが基準親和性で前記結合標的に特異的に結合する条件下でインキュベートし;
    前記結合標的に対する前記ポリペプチドの結合親和性を検出して薬剤偏向性親和性を測定する工程を含み、
    薬剤偏向性親和性と基準親和性の間の差異によって、前記薬剤が前記結合標的に対する前記ポリペプチドの結合を調節することを示す方法。
  41. 前記ポリヌクレオチドが細胞内にある、請求項40に記載の方法。
  42. 前記結合標的がプレセニリン又はγ分泌酵素を含む、請求項40に記載の方法。
JP2001582501A 2000-05-05 2001-05-03 プレセニリンエンハンサー Pending JP2004522408A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/568,942 US7125687B1 (en) 2000-05-05 2000-05-05 Presenilin enhancers assays
PCT/US2001/014648 WO2001085912A2 (en) 2000-05-05 2001-05-03 Presenilin enhancers

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004522408A true JP2004522408A (ja) 2004-07-29

Family

ID=24273402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001582501A Pending JP2004522408A (ja) 2000-05-05 2001-05-03 プレセニリンエンハンサー

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7125687B1 (ja)
EP (1) EP1350104A4 (ja)
JP (1) JP2004522408A (ja)
AU (2) AU6298801A (ja)
CA (1) CA2408166A1 (ja)
WO (1) WO2001085912A2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6900367B2 (en) 2000-09-29 2005-05-31 Novartis Transgenic Drosophila melanogaster expressing a β42 in the eye
WO2003046006A1 (en) * 2001-11-27 2003-06-05 Bayer Healthcare Ag Polynucleotides encoding nexin-related serine protease inhibitor
DE10260537A1 (de) * 2002-12-21 2004-07-15 Kerek, Franz, Dr. Peptide mit hohem Cysteingehalt
US20050095604A1 (en) * 2003-11-05 2005-05-05 Tae-Wan Kim Novel modulators of amyloid-beta production and uses thereof
WO2007028631A1 (en) * 2005-09-09 2007-03-15 H. Lundbeck A/S Genetic risk factor for neurodevelopmental disorders and their complications
EP1821103A1 (en) * 2006-02-17 2007-08-22 Cellzome Ag Methods for the identification of gama-secretase modulators
US20100000511A1 (en) * 2008-07-07 2010-01-07 Athanasios Koropoulis Barbecue grilling grate assembly

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU4885297A (en) 1996-11-13 1998-06-03 Protegene Inc. Human proteins having transmembrane domains and DNAs encoding these prot eins
US6278039B1 (en) * 1997-05-28 2001-08-21 Axys Pharmaceuticals, Inc. C. elegans deletion mutants
AU7549498A (en) 1997-06-03 1998-12-21 Protegene Inc. Human proteins having transmembrane domains and dnas encoding these prot eins
EP1000146B1 (en) 1997-08-01 2006-08-30 Serono Genetics Institute S.A. 5'ESTs FOR NON TISSUE SPECIFIC SECRETED PROTEINS
ES2330903T3 (es) 1997-12-17 2009-12-16 Serono Genetics Institute S.A. Adncs extendidos para proteinas secretadas.
CA2331386A1 (en) 1998-06-26 2000-01-06 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Human signal peptide-containing proteins
AU3650600A (en) 1999-04-01 2000-10-23 Governing Council Of The University Of Toronto, The A presenilin associated membrane protein and uses thereof

Also Published As

Publication number Publication date
WO2001085912A3 (en) 2003-07-31
US7125687B1 (en) 2006-10-24
AU6298801A (en) 2001-11-20
EP1350104A4 (en) 2004-09-22
CA2408166A1 (en) 2001-11-15
EP1350104A2 (en) 2003-10-08
AU2001262988B2 (en) 2005-09-01
WO2001085912A2 (en) 2001-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lanjuin et al. Otx/otd homeobox genes specify distinct sensory neuron identities in C. elegans
de Nooij et al. A cyclin-dependent kinase inhibitor, Dacapo, is necessary for timely exit from the cell cycle during Drosophila embryogenesis
Xu et al. Syntaxin 5 is required for cytokinesis and spermatid differentiation in Drosophila
US20070032443A1 (en) Therapy for Alzheimer's disease
US20080152644A1 (en) Genes Involved in Neurodegenerative Conditions
WO2007015122A1 (en) Therapy for alzheimer’s disease
Yabe et al. The maternal-effect gene cellular island encodes aurora B kinase and is essential for furrow formation in the early zebrafish embryo
Boylan et al. Motility screen identifies Drosophila IGF-II mRNA-binding protein—zipcode-binding protein acting in oogenesis and synaptogenesis
US6900367B2 (en) Transgenic Drosophila melanogaster expressing a β42 in the eye
JP2004522408A (ja) プレセニリンエンハンサー
Kagoshima et al. The C. elegans RUNX transcription factor RNT-1/MAB-2 is required for asymmetrical cell division of the T blast cell
US6943278B2 (en) Transgenic Drosophila having a disrupted Parkin gene and exhibits reduced climbing ability
AU2001262988A1 (en) Presenilin enhancers
JP2007511474A (ja) 神経変性障害に関与する遺伝子
Schiller et al. The role of the UNC-82 protein kinase in organizing myosin filaments in striated muscle of Caenorhabditis elegans
Siddall et al. Ttk69-dependent repression of lozenge prevents the ectopic development of R7 cells in the Drosophila larval eye disc
JP4929277B2 (ja) 神経変性疾患に対する診断上及び治療上の標的prkxタンパク質
Skelly Mechanisms of Sexual Mode Evolution in Caenorhabditis elegans
Almuhanna Molecular Genetic Analysis of the Role of M-line Proteins in Thick Filament Assembly and Attachment in C. elegans
Jayne Investigations of γ-secretase substrates Amyloid precursor protein and p75 neurotrophin receptor in zebrafish
Fields Spatiotemporal Regulation of Liquid-like Condensates in Epigenetic Inheritance
Schmidt Regulation and function of actin nucleators Dia and FMNL in the early Drosophila embryo
Kandachar Genetic dissection of Drosophila auxilin function in Notch signaling
Melkman Studying neuronal development in Caenorhabditis elegans: The role of the ARX homolog, alr-1
WO2003048196A2 (en) Means and methods for diagnosing and treating craniofacial malformations

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070403

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070925