JP2004521710A - 塞栓防止用フィルタを展開する方法、システム、および装置 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、一般に経皮的な医療用フィルタの分野に関し、より詳細には、患者の血管内に経皮挿入するように構成された血管用フィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの血管は、斑(plaque)、トロンビン、他の沈積物、または血管の血液運搬能力を低下させる物質によって、しばしば閉塞または阻害される。万一、循環系の重要な箇所に閉塞が生じると、深刻で恒久的な病変が生じ、死に至る恐れさえある。これを防ぐために、通常は、重大な閉塞が見つかると、何らかの形態で医療処置が行われる。
【0003】
現在では、幾つかの手技を用いて、血管壁に沈積した斑または他の物質によって生じた患者体内のこれらの狭窄または閉塞した血管を広げる。例えば、血管形成術が広く知られており、この手術では、可膨張性バルーン(inflatable baloon)を閉塞部位に導入する。バルーンが膨張して閉塞を拡張し、それによって管内直径を増大させる。
【0004】
別の手技は粥腫切除術(atherectomy)である。粥腫切除の間、カテーテルを狭くなった動脈に挿入し、動脈を閉塞または狭窄する物質、すなわち、脂肪物質を除去する。このカテーテルには、その先端に配置した回転刃またはカッタが備わる。その先端部にはまた、穴と、この穴に対向する側のカテーテル先端に配置したバルーンが位置する。先端を脂肪物質の直近に配置すると、バルーンが膨張して穴を押し通って脂肪物質に接触する。刃を回転させると、脂肪物質の一部が削ぎ取られてカテーテル内側の内腔中に保持される。十分な量の脂肪物質を取り除き実質的に正常な血流が再開するまで、この過程を反復する。
【0005】
別の手技では、血管の内腔を広げるために、ステントを恒久的または一時的に狭窄部位に導入することによって動脈および他の血管内部の狭窄症を治療する。このステントには典型的に、ステンレス鋼またはニチノールなどの材料から作製した実質的に円筒形の管または網目の鞘が含まれる。材料の設計によって、ステントの直径を径方向に拡張可能にし、他方では、一旦、ステントが望ましい大きさに拡張したらその形状を維持するように、依然として十分な剛性が備わる。
【0006】
残念ながら、このような閉塞処置手技、すなわち、血管形成術、粥腫切除術、およびステンティング(stenting)は、しばしば物質が血管壁から離脱する。このような離脱物質は、血流中に進入する恐れがあり、より細い下流の血管を閉塞するには十分の大きさである可能性があり、組織への血液流を閉塞しかねない。その結果生じる虚血は、心臓、肺臓、腎臓、または脳などの重要な組織で閉塞が生じると、脳卒中または梗塞を引き起こし、患者の健康または生命にとって深刻な脅威となる。
【0007】
一般的に言って、既存の装置および技術は、高外形、込み入った操作手順につながる幾つもの部品および構成要素を使用する難しさ、製造上の複雑さ、および装置ないしシステムの複雑な操作を含めて幾つもの欠点を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、上に言及した問題を克服するためのシステム、方法、および装置を提供する。さらに具体的には、本発明の実施形態は、外形が小さく、低く、またはほとんどないか、部品および構成要素が少なく、製造および使用が容易なフィルタ装置を含む。したがって、本発明の実施形態は、容易に患者に挿入可能であり、患者の蛇行する解剖学的構造を通り抜けるように操縦可能であり、交換能力を備えるのに十分な低外形を有して、他の医療装置をフィルタ装置に沿って送出可能であり、しかも捕捉した物質をフィルタの引込み中に逃がさずに、このような物質を除去することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの実施形態の1つの態様によれば、本発明の例示的な1つの実施形態は、血管用フィルタ装置を含む。この装置は、遠位端から近位端に向かってのびる内腔を有するガイドワイヤまたはハイポチューブなどの案内部材を含む。1つまたは複数の駆動部材と、フィルタ組立体が、内腔の内部に配置してある。1つまたは複数の駆動部材は、案内部材の近位端の駆動機構に結合し、1つまたは複数の駆動部材を移動させることによって、処置中にフィルタ組立体を展開するように構成されている。
【0010】
フィルタ組立体は、フィルタと、このフィルタの近位端の周辺部に連結する径方向に離間した複数の支柱を含む。支柱は、案内部材の内腔から展開されると外側に拡張して、フィルタの近位端の周辺部を血管壁に隣接して配置する。
【0011】
フィルタは、処置中に離脱する恐れのある物質を捕捉するようにサイズ決めしてある複数の孔または穴部を含む。フィルタの近位端は、フィルタが内部に配置されている血管に対して拘束されるように構成してあり、他方で、1つの実施形態では、その遠位端は、血管を通過する血液中を「浮動」し、物質を回収すると形状を変えかつ血管を通過する血液の流れを維持するように構成してある。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、フィルタ装置は、この装置上の様々な箇所に取り付けた幾つかの放射能不透過の帯および/またはマーカを含む。これらの放射能不透過の帯および/またはマーカは放射能不透過手段の一例であり、様々な他の放射能不透過手段が当業者に知られている。
【0013】
本発明のフィルタ装置の使用中は、フィルタ内部に物質が回収されるように、フィルタが、血流によってパラシュート状の構成をとることになる。1つの実施形態では、フィルタおよび物質を取り出すために、フィルタの近位端が案内部材を貫通する内腔の遠位端と協働するように、駆動部材を近位方向に移動する。フィルタの近位端を位置決めすると、捕捉カテーテルは、このカテーテルがフィルタを実質的に封入するまで、案内部材に沿って移動または送出される。捕捉カテーテルを位置決めした後で、カテーテルおよび案内部材を患者から取り出す。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、案内部材は、この案内部材の遠位端に配置した複数の支柱を含む。1つの構成では、案内部材の遠位端が、複数の支柱に分割され、これらの少なくとも2本が偏倚されて外側に移動する。別の実施形態では、支柱組立体が案内部材の遠位端に結合され、この支柱組立体はフィルタに付着した1本または複数の支柱を含み、コイル先端部が第3の支柱の遠位端に形成されている。この第3の支柱は、任意選択的に、案内部材の内腔の中心に向かって偏倚される。フィルタを展開する前に、フィルタを案内部材の遠位端回りに折り重ね、複数の支柱の1本または複数の回りに折り重ね、かつ/または案内部材の内腔の内部に位置決めする。
【0015】
支柱を閉じ位置に維持するために、すなわち、案内部材の残りの部分から外側に伸張しないように、保持部材または機構が、案内部材および/または支柱と協働して1本または複数の支柱に拘束力を加える。案内部材を拘束部材に対して移動させることによって、または逆も同様であるが、2本以上の偏倚された支柱の遠位端が外側に移動してフィルタを展開できる、すなわち、拘束力を解除することができる。
【0016】
別の構成では、拘束部材または機構が、案内部材の支柱および一部を含む、案内部材の先端部を取り巻く。この拘束部材または機構は、支柱に付着可能であり、かつ1本または複数の支柱に拘束力を加えるように構成してある。1つの構成では、拘束部材または機構が、2本以上の偏倚された支柱を外側に移動させてフィルタを展開できるように、幾つかの異なる部分に分離するように構成されている。別の実施形態では、拘束部材または機構が、それぞれの支柱の近位端に直近の箇所に付着されている2つ以上の駆動部材を含む。これらの2つ以上の駆動部材は、案内部材の遠位端に達し、拘束部材または機構の遠位端中の穴を通過し、それぞれの支柱の近位端に近接する案内部材中に構成した穴を通過した後、案内部材の内腔の中で終端する。
【0017】
フィルタ装置を駆動するために、案内部材の近位端の駆動組立体が、駆動部材を近位方向に引っ張る。駆動部材の一端は、拘束部材または機構の一部を形成するか、拘束部材または機構に付着してあるか、または案内部材に付着してあるかを問わず、拘束部材または構成の近位端に位置するので、駆動部材を近位方向に移動させると、駆動部材が拘束部材または機構を選択的に分離し、それによって支柱を解放する。
【0018】
別の構成では、拘束部材または機構が、その内部に形成した複数の穴を含む。この拘束部材または機構は、内部に1つまたは複数の穴を有する、第1部分および第2部分を有する。拘束部材または機構は、第1部分を第2部分に解放自在に連結させるために、複数の穴の1つまたは複数を通過する固定部材をさらに含む。固定部材は、案内部材および/または支柱組立体中の穴を通過して案内部材の端部に進入し、近位端に向かって延長する。様々な異なる駆動機構の1つを使用して、固定部材を近位方向に移動させると、固定部材の遠位端が、穴と、拘束部材または機構の第1および第2部分から取り外される。このような方式で、支柱が外側に伸張するのを拘束または抑制する閉じ位置に維持する、支柱に加わる力を支柱から解放し、これらの支柱がフィルタを展開できるようにする。
【0019】
さらに別の構成では、固定部材または機構が、拘束部材の一部に通して「縫い付けられる」固定部材を含む。上に論じた構成と同様の方式で、固定部材を拘束部材または機構との協働から切り離し可能であり、支柱が外側に伸張してフィルタを展開することができる。
【0020】
さらに別の構成では、固定部材または機構が複数のチャネルを含む。これらのチャネルは、フィルタの第1および第2端部上に互い違い構成で形成してある。固定部材は、第1および第2側面に形成した1つはまたは複数のチャネルを通過して、第1側面を第2側面と協働係合の状態に維持することができる。この方式では、拘束部材または機構が、1つまたは複数の支柱に拘束力を加え、これらが外側に伸張するのを防止する。固定部材を近位方向に移動させると、固定部材の遠位端が、第1側面および第2側面の中に形成したチャネルから取り外され、それによって1つまたは複数の支柱に対して拘束部材または機構が加える拘束力を解放する。
【0021】
さらに別の構成では、拘束部材または機構が、内部に1つまたは複数のフープ(hoop)を形成するようになされるスリーブの形態を有する。このワイヤは、固定部材を使用して第1組の複数のフープおよび第2組の複数のフープと係合状態に維持することによってチャネルを形成する。固定部材を1つまたは複数のフープ中での係合から切り離すことによって、拘束部材または機構の第1側および第2側を相互に切り離して1本または複数の支柱に加えた拘束力を解放することができる。このような方式で、支柱はフィルタを展開することができる。
【0022】
さらに別の構成では、拘束部材または機構をフィルタ装置の1つまたは複数の支柱と組み合わせる。このような構成では、2本以上の支柱が、固定部材を受けるようになされた管状部材を含む。支柱を相互に引き寄せると、管状部材の内腔が一直線に整列して固定部材がこれらの内腔を通過し、支柱が外側に伸張するのを防止するか、または別様に支柱を一体にまたは相互に緊密な近接状態に維持することができる。
【0023】
さらに別の構成では、拘束部材または機構をフィルタ装置のフィルタと組み合わせることができる。この構成では、フィルタが、2本の支柱の間に配置した間隙を通り抜けるようになされる少なくとも1つの折り返しを含む。これらの1つまたは複数の折り返しは、支柱回りに巻き付けて固定され、支柱が外側に伸張するのを防止する。
【0024】
本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から十二分に明らかになるか、または以下に記載の本発明の実施によって知ることができる。
【0025】
本発明の以上のおよび他の利点および特徴をさらに明確にするために、添付の図面に例示する本発明の特定の実施形態を参照することによって、本発明のさらに具体的な説明を提供する。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって本発明の範囲を限定するものと考えるべきではないことが分かる。添付の図面を使用して、本発明をさらに具体的かつ詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は一般に、経皮的なフィルタ装置、システム、および同装置の使用方法に関する。本発明の実施形態は、これらに限定しないが、患者の任意の血管内部に、血管用フィルタ装置などのフィルタ装置を挿入するための装置、システム、および方法と連係して利用可能である。
【0027】
本発明のフィルタ装置の1つまたは複数の実施形態は、ガイドワイヤ(guidewire)とフィルタ装置の両方の基準を満足する。例えば、ガイドワイヤは操縦可能であることが好ましい。したがって、本発明のフィルタ装置の実施形態は、これらに限定しないが、冠状動脈、頸動脈、腎動脈、バイパス移植片、表層大腿動脈(superficial femoral artery)、上部および下部四肢動脈、または脳血管など、患者の任意の血管内部に挿入可能であり、内科医の操作および操縦によって患者の蛇行する解剖学的構造を通り抜けて病変または閉塞に達することができる。
【0028】
内科医の以上に列挙した試みを補助するために、フィルタ装置の1つまたは複数の実施形態は、造形可能で柔軟な遠位端を含む。さらに、このフィルタ装置は、その近位端に加えられた回転運動すなわち力を実質的に等しく遠位端に移すことができる。換言すれば、このフィルタ装置を患者の血管内部に位置決めすれば、内科医がフィルタ装置の近位端を回転すると、フィルタ装置の遠位端が、ほぼ同時に近位端の動きと同じように回転する。これは、典型的に1対1のトルク応答性(toqueability)を有すると定義される。
【0029】
さらには、本発明のフィルタ装置は、捩れ耐性があり、潤滑性を高めるために様々な異なる被膜を受け入れることが可能であり、抗血栓特性を有し、かつ/または血小板凝集を抑制する。これらに限定しないが、被膜には、限定しないが、親水性被膜、ヘパリン化被膜、テフロン(登録商標)、シリコーン、または本明細書に記載の内容に照らして公知の他の被膜が含まれ得る。
【0030】
本発明のフィルタ装置のフィルタに関して、1つの実施形態では、フィルタが、多様な大きさの物質を捕捉し、かつこの捕捉物質を除去可能にするように構成してある。したがって、フィルタの孔の大きさおよび形状は、捕捉すべき物質の大きさに基づいて選択可能である。この物質には、限定しないが、微粒子、トロンビン、処置中に離脱した何らかのアテロスクレローゼもしくは斑物質、または患者の血管系中に進入する恐れのある他の異物が含まれ得る。
【0031】
ここで図1を参照すると、参照符号10で示す本発明の血管フィルタ装置の1つの実施形態が示してある。図示のように、フィルタ装置10は、遠位端14と近位端16を有する案内部材12を含む。内部に駆動部材40とフィルタ組立体42を配置する内腔18が、案内部材12の遠位端14と近位端16の間に延在する。案内部材12の遠位端14は、患者の血管中に経皮的に挿入するように構成されている先端部15を含み、他方で近位端16が駆動組立体20と一体に構成されているか、またはこの組立体に結合されている。
【0032】
このような構成では、フィルタ装置10は、患者すなわち体の任意の血管中に挿入可能であり、これらに限定しないが、カテーテル、ステント、バルーン、粥腫(じゅく腫)切除装置、またはガイドワイヤを使用して交換可能な他の構成要素もしくは装置といった他の医療構成要素もしくは装置のためのガイドワイヤまたは交換ワイヤの働きをする。さらには、以降に詳細を説明するように、フィルタ装置10を使用して、微粒子を濾過し、それによって処置中の塞栓防止を実行または実現する。
【0033】
例示すると、「案内部材」という用語は、ガイドワイヤなどの完全に中実な部材、内部の一部に内腔を含む部材、またはハイポチューブ(hypo−tube)など、その近位端から遠位端に達する内腔を含む部材を指すことができる。したがって、「案内部材」という用語は、本明細書で説明する機能を果たすように構成されているガイドワイヤまたはハイポチューブを含むかまたは包含する。
【0034】
案内部材12は多様な材料から製造可能である。例えば、ニチノール、鋼、金属、金属合金、複合材、プラスチック、ポリマー、合成材料、またはこれらの組合せから案内部材12を製造することができる。さらに、案内部材12は、限定しないが、潤滑性を高めるかまたは抗血栓特性を備え、血小板凝集を抑制するための被膜、親水性被膜、ヘパリン化被膜、テフロン(登録商標)、シリコーン、またはこれらの組合せなど、様々な異なる被膜を被覆することができる。
【0035】
例示すれば、案内部材12は、約0.010インチ(0.025cm)から約0.035インチ(0.089cm)までの間、約0.014インチ(0.036cm)から約0.018インチ(0.046cm)までの間、または約0.010インチ(0.025cm)から約0.018インチ(0.046cm)までの間の外径を有することができる。1つの構成では、案内部材12の外径が約0.014インチ(0.036cm)である。同様に、内腔18の直径は、約0.004インチ(0.010cm)から約0.029インチ(0.074cm)までの範囲にわたるか、または約0.008インチ(0.020cm)から約0.014インチ(0.036cm)の間であり得る。1つの構成では、内腔18の直径が約0.008インチ(0.020cm)である。
【0036】
図2および3に示すように、案内部材12の典型的な遠位端14は、段構成を有し、案内部材12の段部分22が、案内部材12の他の部分よりも小さい直径を有する。説明の便宜上、駆動部材40およびフィルタ組立体42を図2および3から割愛した。
【0037】
段部分22は、フィルタ装置10の他の部分と結合するようになされている限り、様々な異なる構成を有することができる。例えば、段部分22が、図2に示した1つの段ではなく、幾つかの段を含み得る。したがって、案内部材12の遠位端14が、案内部材12の近位端16側の残りの部分の外径よりも小さい第1外径を有する第1段部分を含むことができよう。さらには、案内部材12の遠位端14が、この第1部分の第1外径よりも小さい外径を有する第2段部分を含むこともできよう。
【0038】
鞘24が案内部材12の段部分22に付着してある。鞘24は、その遠位端26と近位端28の間に延在する内腔30を有する。鞘24が案内部材12に連結されるとき、遠位端26の一部は、案内部材12の遠位端14と実質的に共平面となる。別の言い方をすれば、案内部材12の遠位端14の一部と鞘24の遠位端26が、鞘24を案内部材12に結合、連結または付着するとき、案内部材12の内腔18の長手軸に実質的に直交する平面内に含まれる。これは本発明の1つの実施形態における場合であるが、その必要がない場合は、当業者なら他の様々な構成を特定することができる。例えば、1つの代替構成では、遠位端14および26が共平面ではない。別の構成では、遠位端14および26の一部が共平面である。さらに別の構成では、遠位端14および26の少なくとも一方が、内腔18または内腔30の長手軸に対して角度を付けて配向されている。
【0039】
図3に示すように、鞘24の遠位端26が、単独にまたは案内部材12の遠位端14と組み合わせて、非外傷性になっている。このような方式では、フィルタ装置10を血管内部に挿入すると、フィルタ装置10は血管の内表面に沿って滑動可能になり、処置時に、隆起、すなわち、病変、閉塞、狭窄、または同様のものに引っ掛かるのを防止する。このような望ましい機能を果たすように、当業者なら遠位端14および/または26の様々な異なる構成を特定することができる。例えば、案内部材12の遠位端14の湾曲は、この湾曲によって、フィルタ装置10が隆起に引っ掛からずに血管内部の内表面に沿って滑動できる限り変更可能であり、この湾曲は案内部材12の遠位端14および/または鞘24の遠位端に基づいて構成可能である。
【0040】
鞘24の近位端28は、段部分22の近位端と協働するように構成してある。鞘24の近位端28と段部分22の近位端は、鞘24を段部分22に結合、連結、または付着するとき、相互に実質的に平行である。別の構成では、段部分22の近位端が1つまたは複数の隆起部分を含み、それに近位端28中に形成した1つまたは複数の相補的な凹部が嵌合できるが、逆の場合も同様である。さらに別の構成では、段部分が幾つかの段を含む場合など、鞘24が、段部分24の相補的に構成した段付き近位端と嵌合可能な段付き構成を有する。様々な他の構成を適用して鞘24と案内部材12の残部を相互に結合、連結、または付着することができる。
【0041】
本発明の1つの実施形態を別の面から見ると、鞘24は案内部材12の外径と実質的に同じ外径を有すると共に、内腔30の直径は段部分22の外径と実質的に同じである。したがって、鞘24を段部分22で案内部材12と結合するとき、案内部材12は、その長さに沿って実質的に同一の外径を有する。他の構成では、鞘24が案内部分12よりも小さいかまたは大きい直径を有する。
【0042】
例示のように、鞘24は、段部分22に摩擦ばめするように構成してある。したがって、鞘24の内径は、鞘24と段部分22を滑動自在に係合するとき、段部分22に固定されるように構成してある。他の構成では、限定しないが、任意の医療向け等級の接着剤、UV硬化接着剤、または鞘24を段部分22に確実に連結させる他の接着剤など、接着剤を使用して段部分22に固着することができる。さらに別の構成では、鞘24を段部分22に確実に連結させる他の任意の機構を使用して鞘24を案内部材12にプレスばめ、はんだ付け、機械的な付着、または結合を行うことができる。さらに他の構成では、鞘24と段部分22がキー構成を有するが、その場合は、鞘24が少なくとも1つのキーを含み、段部分22がこの少なくとも1つのキーを受け入れる少なくとも1つのキー溝を含むか、または逆の場合も同様である。
【0043】
一般に、鞘24は、様々な異なる材料から製造可能であり、様々な異なる構成を有することができる。例えば、鋼、チタン、プラチナ、金属、金属合金、複合材、プラスチック、ポリマー、合成材料、またはこれらの組合せから鞘24を製造することができる。さらには、鞘24は放射線不透過性手段を含むことができる。また、鞘24は、(i)放射線不透過物質、(ii)非放射線不透過物質であって放射線不透過物質を被覆したもの、または(iii)放射線不透過物質を添加した非放射線不透過物質からも製造可能である。これらに限定しないが、放射線不透過物質には、硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、二酸化チタン、これらの組合せ、または他の放射線不透過物質が含まれ得る。さらに別の構成では、鞘24が、放射線不透過特徴を有する1つまたは複数のマーカを含むことができる。これらのマーカを放射線不透過材料から製造できるが、この材料は、放射線不透過材料でも、放射線不透過材料を被覆した非放射線不透過材料であっても、あるいは放射線不透過材料を添加した非放射線不透過材料でもよい。したがって、鞘24は放射線不透過性手段を含み得るが、このような手段は、鞘24を形成する材料からであっても、あるいは放射線不透過特性または特徴を有する付着、結合、または連結マーカ、帯、または他のインジケータから得られるものでもよい。
【0044】
カバー32が、鞘24に被せて、また随意選択的に案内部材12の一部に被せて配置してある。カバー32は、鞘24を案内部材12に封止かつ固定されるように形成されている。したがって、カバー32は、鞘24を案内部材12に固定する手段の役割を果たす。1つの実施形態では、カバー32は、薄い壁状でプラスチック製の熱収縮チューブまたはシリコーンチューブである。他の構成では、熱収縮させる必要のない干渉ばめまたはプレスばめした、プラスチック、ポリマー、合成材料、またはシリコーンも使用可能である。一般に、カバー32は医療向け等級の合成材料でよい。
【0045】
本発明の別の態様によれば、案内部材12の遠位端14、鞘24の遠位端26、および/またはカバー32の遠位端は、全体としてブレットノーズ(bullet nose)を形成するかまたは湾曲輪郭を有するように構成されている。このような構成は、追加的にまたは別法として、案内部材12の遠位端14のみおよび/または鞘24の遠位端26のみが湾曲するかまたは非外傷性であってもよい。
【0046】
全体として、案内部材12の遠位端14、鞘24、カバー32が、フィルタ装置10の先端部15を形成する。これは1つの構成であるが、先端部15は、案内部材12、鞘24、およびカバー32のうちから単独でまたはこれらを組み合わせて形成可能であることは当業者なら理解できる。
【0047】
フィルタ装置10の先端部15に柔軟性を付与するために、図4A〜4Iに例示するように、本発明の実施形態は、案内部材12の遠位端14、鞘24、およびカバー32の1つまたは複数の全体または一部に延在する1つまたは複数の溝34を含むことができる。先端部15を柔軟にすると、内科医または臨床医が、先端に形状を付けて、処置時に案内部材を操縦することができる。したがって、案内部材が患者の蛇行する解剖学的構造を通り抜けて移動する間、内科医または臨床医によって画定された湾曲を保つように、先端部は一定水準の弾力性を維持することができる。
【0048】
「溝」という用語には、フィルタ装置10、随意選択的には、そのスリーブおよび固定部材も含めて、その一部を部分的または完全に延在する1つまたは複数の切込みまたは切目が含まれる。さらに、「溝」という用語には、フィルタ装置10の一部を部分的または完全に取り囲む1つまたは複数の切込みまたは切目が含まれるが、このような1つまたは複数の切込みまたは切目が、案内部材、鞘、または固定部材の1つまたは複数を完全にまたは部分的に延在していても、あるいは延在していなくてもよい。
【0049】
それぞれの溝34は、限定しないが、直線的、螺旋状、幾何学的、またはこれらの組合せなどの様々な異なる構成を有することができる。例えば、1本の溝34が、先端部15の全部または一部の回りに延在可能であり、随意選択的にはフィルタ装置10の残部の中まで延長してもよい。さらには、処置に必要な柔軟性の程度に応じて、任意の数の溝34をフィルタ装置10の先端部5に含むことができる。例えば、フィルタ装置10の先端部15に溝34を多く含めば含むほど、それだけ柔軟性が増大する。同様に、それぞれの溝34の深さは、所望の柔軟性に応じて変更可能である。例えば、溝34が深ければ深いほど、それだけフィルタ装置10の先端部15の柔軟性が増大する。同様に、それぞれの溝34の形状が異なると、フィルタ装置10の先端部15の柔軟性に影響する。例えば、溝34の側面が急峻であればあるほど、それだけ先端部15の柔軟性が減少する。
【0050】
図4A〜4Iに例示したように、溝34は、フィルタ装置10の先端部15の長手方向の長さに沿って均等に、段階的に、連続的に、周期的に、またはこれらの組合せで配置可能である。例えば、図4Aに示すように、先端部15が、この先端部15の長さに沿って均等なピッチを有する1本の螺旋溝34を含むが、図4Bは、先端部15の長さに沿って段階的にピッチが増大する1本の螺旋溝34を示す。図示しないが、先端部15は、その近位端から遠位端まで先端部15の長さに沿って段階的にピッチが減少する1本の螺旋溝34を含み得ることが分かる。
【0051】
図4Cに示すように、先端部15は、この先端部15の長さに沿って配置した複数の個別の溝34を持つことができる。それぞれの溝34は案内部材12の先端部15を取り巻く必要はないが、図4Dに例示するように、それぞれの溝34が案内部材12の先端部15の一部を取り巻いてもよいことが分かる。
【0052】
図4Eは、直線的、螺旋状、または幾何学的を問わず、溝34のグループが先端部15の異なる部分に配置してある先端部15の構成を示す。
【0053】
図4Fは、溝34が大きく、かつ浅い側面を有する、すなわち、溝の頂点を通過する溝の軸と溝側面の間の角度が大きい構成を示す。別法として、それぞれの溝34が小さく、かつ急峻な側面を有しても、すなわち、溝の頂点を通過する溝の軸と溝側面の間の角度が小さくてもよい。
【0054】
図4Gは、フィルタ装置10の先端部15の1つの構成を示すが、この構成では、隣接する溝の間のピッチが、先端部15の近位端から遠位端まで増大し、かつそれぞれの溝34の深さが変化する、すなわち、それぞれの溝34はフィルタ装置10の先端部15の深さ全体に達する必要がない。
【0055】
図4Hは、溝34が直線的でかつ内腔18に貫入する、フィルタ装置10の先端部15の構成を示し、図4Iは、溝34が螺旋で先端部15の外面から内腔18まで延在する構成を示す。
【0056】
フィルタ装置10の先端部15に関して以上に説明した溝の構成は、例示に過ぎず、本明細書に記載の教示に照らして当業者に知られた他の構成の応用可能性を限定するものと考えるべきではない。例えば、溝34は、固定部材32、鞘24を通過して案内部材12で終端するか、鞘24を通過して案内部材12で終端するか、案内部材12の中にのみ留まるか、これらの組合せであるか、または同様のものでよい。
【0057】
一般に、溝34は、限定しないが、微小機械加工、研削、エッチング、レーザ切断、ウォータージェット研磨、電気放電機械、または同様のものなど、様々な異なる技術を使用してフィルタ装置10の先端部15中に形成可能である。さらには、溝34は、約0.015インチ(0.038cm)から約0.100インチ(0.254cm)の間、約0.020インチ(0.051cm)から約0.060インチ(0.152cm)まで、または約0.025インチ(0.064cm)から約0.050インチ(0.127cm)までのピッチを有することができる。
【0058】
ここで図5には、案内部材12の内腔18の部分断面図が示されている。駆動部材40とフィルタ組立体42が、案内部材12の内腔18内部に配置されている。駆動部材40は、駆動組立体20の一部を構成してフィルタ組立体42を展開しかつ部分的または完全に引き込むようになされている。さらに、駆動部材40は、フィルタ装置10を構造的に支持しかつフィルタ装置10の捻れ防止を助ける。
【0059】
駆動部材40は、フィルタ装置10の近位端16に向かって延長する。例示するように、駆動部材40の遠位端はヘッド44を含む。このヘッド44は、ほぼ円筒形状を有し、駆動部材40と内腔18の内壁の間に封止体を形成するように構成してある。本発明の他の実施形態では、駆動部材40の残部が、駆動部材40と内腔18の内壁の間に封止体を創成するように構成されている。別法として、駆動部材40とヘッド44が内腔18の内壁と封止体を創成するような構成ではなく、限定しないが、1つまたは複数のOリング、コードリング(quad−rings)、Vリング、ガスケット、これらの組合せ、または封止体を創成できる他の構造など、別体の封止体をヘッド44上に取り付けて内腔18の内壁とヘッド44の間に封止体を創成する。
【0060】
駆動部材40のヘッド44は、フィルタ組立体42と協働または係合して、駆動部材40を処置時に動かすとフィルタ組立体42を内腔18の遠位端から引き離す。それによってフィルタ組立体42のフィルタ50を展開して物質を回収する。さらには、駆動部材40によって内腔18内部でヘッド44を動かして、フィルタ組立体42を引き込み、それによって処置後の回収物質の除去を助けたり、またはフィルタ組立体42のフィルタ50の再位置決めを可能にする。ヘッド44と駆動部材40は、駆動部材40がフィルタ組立体42を展開しかつ引き込みできる限り、他の様々な構成を有することができる。例えば、別の構成では、駆動部材40が、ヘッド44を備えず、複数のワイヤ、ストランド(strands)、またはフィルタ組立体42と編組され、連結され、またはその一部として形成される部材から形成可能である。
【0061】
駆動部材40とヘッド44は、限定しないが、ステンレス鋼、タングステン、チタン、プラチナ、ニチノール、他の金属、その金属の合金、複合材、プラスチック、ポリマー、合成材料、またはこれらの組合せなど、様々な異なる材料から製造可能である。
【0062】
ここで図6aおよび6bを参照すると、駆動部材40を遠位方向へ移動した後の展開位置にあるフィルタ組立体42が示してある。例示するように、フィルタ組立体42は、フィルタ50と、このフィルタ50から駆動部材40のヘッド44に延びている、径方向に離間する複数の支柱52を含む。フィルタ50は、中間部分56によって近位端58から分離される遠位端54を有する。近位端58の周縁部は物質がフィルタ50に流入できる開口部60を形成するようにして、支柱52に固定されている一方、遠位端54は物質がフィルタ50から逃げ出したりまたは抜け出たりするのを防止するために閉じられている。
【0063】
1つの構成ではフィルタが半球であるが、フィルタ50は、限定しないが、半球、円錐形、円筒形、これらの組合せ、または内部に物質を回収すると共に、フィルタの開口部が内部にフィルタを配置する血管の周囲壁に実質的に達し得る任意の構成など、多様な構成が可能であることが理解できる。さらに一般的に言えば、近位端58が、フィルタ50内に物質が流入できる開口部を有し、かつ遠位端54が、フィルタ50から物質が逃げ出したりまたは抜け出したりするのを防止するために閉ざされている限り、任意の構成を有することができる。
【0064】
中間部分56と遠位端54が血管内部の血流または流れに自由に浮動し、他方で近位端58が支柱52を介して駆動部材40と固定関係にある。フィルタ50の中間部56と遠位端54を浮動させることによって、図7に例示するように、フィルタ50が物質を回収すると、物質によってフィルタが引きずられて、フィルタ50の形状が変化するが、実質的に展開時と同じ容積を維持する。したがって、物質が遠位端54を満たし続けるとき、血液は、図7の矢印AおよびBで示すように、中間部分56の一部を通過し流れ続ける。このような方式で、血流が持続的にフィルタ50を通過するとき、物質を回収することができる。
【0065】
フィルタ50は、これらに限定しないが、編込みまたは編上げプラスチックまたは金属網、有孔ポリマー薄膜、ニチノール網、これらの組合せ、または流れる血液内部の物質を捕捉すると共に、その孔または開口に血液を通過させることができる他の材料など、様々な異なる材料から製造可能である。一般に、フィルタ50が、内腔18内部に詰め込み可能であり、それが挿入されている血管を通過する血流または流れに浮動し、かつ生体適合性である限り、フィルタ50を様々な材料から製造することができる。
【0066】
フィルタ50は、約50ミクロンから約200ミクロン、約60ミクロンから約180ミクロン、または約75ミクロンから150ミクロンまでの範囲にわたる様々な異なる大きさの孔51を有する。例えば、図6bに例示するように、孔51は、限定しないが、円形、楕円形、多角形、これらの組合せ、または本明細書に記載の教示に照らして当業者に知られた他の構成など、様々な異なる構成を有することができる。したがって、1つの構成では、フィルタ50が異なる大きさおよび構成の孔を含むことができる。したがって、それぞれの孔の大小の軸は、約50ミクロンから約200ミクロン、約60ミクロンから180ミクロン、または約75ミクロンから約150ミクロンまでの範囲にわたる様々な異なる大きさを有することができる。一般に、孔の大きさは、これらの孔が、フィルタを通過する血液流を損なわず、すなわち、血液がフィルタを通過するのを妨げ、かつより細い下流の血管を閉塞する恐れがあり、組織への血流を阻害する恐れまたは卒中もしくは梗塞をもたらす恐れがある物質を回収するようにサイズ決めされている限り、必要に応じて変更可能である。
【0067】
上記に加えて、フィルタ50は、親水性被膜、ヘパリン化被膜、テフロン(登録商標)、シリコーン、これらの組合せ、または本明細書に記載の教示に照らし、当業者に知られたまたは所望の他の様々な被膜を被覆可能である。
【0068】
再び図6aを参照すると、支柱52が、フィルタ50をヘッド44に、随意選択的に直接に駆動部材40に連結してある。例示のように、支柱52の遠位端は、フィルタ50の近位端58の周縁部回りに径方向に離間した箇所で連結してある。支柱52は、フィルタ50の外面上で、フィルタ50の内面上で、フィルタ50の縁部沿いに、フィルタ50を貫通して、または以上の1つまたは複数の組合せでフィルタ50に付着する。支柱52は、限定しないが、紫外線硬化性接着剤、アクリル製品、シアノアクリレート、溶剤接着、高周波または超音波接着、または1つまたは複数の支柱52の遠位端をフィルタ50に固着するための何らかの他の方式など、医療向け等級の接着剤によってフィルタ50および/または駆動部材40に付着可能である。他にも、支柱52をフィルタ50および/または駆動部材40に熱接着することが可能であるが、それはこのような熱接着が可能な材料から支柱52を製造する場合である。別の構成では、支柱52がフィルタ50に編み込まれるか、または支柱52をフィルタ50に取りつけるために使用可能なフックまたはループを支柱52の遠位端側に形成する。さらに別の構成では、支柱52が、フィルタ50から駆動部材40に達する、フィルタ50の延長ストランドであり得る。さらに別の実施形態では、駆動部材40が編上げワイヤ、スリットチューブ(slit tube)、または駆動部材40に関して本明細書に説明した機能を果し得る他の部材などの場合は、支柱52が駆動部材40の延長部またはストランドである。さらに別の実施形態では、支柱52がヘッド44に延びてそれに連結する、フィルタ50の延長部である。
【0069】
例示のように、支柱52のそれぞれは、ニチノール、ステンレス鋼、金属、合金、複合材、プラスチック、ポリマー、合成材料、これらの組合せ、または支柱が本明細書に説明する機能の1つまたは複数を果し得る他の材料から作製される。それぞれの支柱52は、概ね湾曲した遠位部分62を有し、フィルタ52が展開すべきときに、径方向に外側に伸張するように偏倚可能である。このような方式で、遠位部分62は、フィルタ装置10が展開されると、その装置が挿入されている血管の壁と近接状態にある。支柱52は、フィルタ50の近位端58の縁部を伸張して血管の壁に接触させる。それによって、フィルタ50の近位端58が、血管の壁の実質的な一部と接触可能になり、この壁の輪郭の変化に適合する。
【0070】
血管に接触する近位端58の縁部について言及するが、本発明の他の構成は、近位端58の縁部を血管の壁に近接し、接近し、並列し、または隣接して配置する。物質を開口60に通して捕捉し、フィルタ50の外表面と、フィルタ装置10を挿入する血管の壁の間に物質を捕捉しない限り、このような場合も可能である。
【0071】
ここで図8を参照すると、フィルタ50が捕捉すなわち引込み位置で示してある。駆動部材40を近位方向に移動させるとき、フィルタ50の開口60を案内部材12の遠位端14に向かって引き寄せる。駆動部材40を近位方向に移動させると、内腔18の内壁が支柱52を内側に押し入れる。同時に、それぞれの支柱52の遠位端62が、開口60を閉じるように内側に移動する。このように同時に動くことによって、フィルタ50の内側に捕捉された物質が逃げ出すのを防ぐ。別法として、アクチュエータ部材40が近位方向に移動を開始した後に開口60を実質的に完全に閉ざすことができる。さらに別の構成では、アクチュエータ部材40が、近位方向に移動するとき開口60の一部が閉じ、さらに支柱52の実質的な部分がフィルタ装置10の内腔18中に引き込まれるとき、徐々に実質的に完全に閉じることができる。さらに別の構成では、支柱52の一部がフィルタ装置10の内腔18中に引き込まれるとき、開口60を実質的に完全に閉ざす。
【0072】
駆動部材40を近位方向および/または遠位方向に移動するために、フィルタ装置10が駆動組立体20を含む。この駆動組立体20は、案内部材12と一体でもよいし、および/またはそれとは別体であってもよい。図9を参照すると、駆動組立体20の例示的な構成が示してある。
【0073】
ここで図9を参照すると、駆動部材40を操作するために使用可能な駆動組立体20の1つの典型的な実施形態が示してある。フィルタ組立体42(図5)は、駆動組立体20を操作することによって展開および引込みが可能である。
【0074】
例示のように、駆動組立体20は、駆動要素70とアクチュエータ部材40を含む。駆動要素70は、案内部材12と協働するように構成されている遠位端74を含み、一方で駆動要素70の近位端76は案内部材12の近位端16に取り付けられている。遠位端74は、段構成を有し、かつ案内部材12中に形成した相補的な突起80と協働するように構成されている凹部78を含む。駆動要素70が遠位方向に移動すると、凹部78と突起80が嵌合して駆動要素70を案内部材12の近位端16に対して望ましい箇所に位置決めし、それによって図9に示す引込み位置などの選択位置にフィルタ組立体42を位置決めする。
【0075】
駆動要素70が遠位方向に移動し続けると、遠位端74が、案内部材12に形成された壁82に衝突し、遠位方向のそれ以上の移動が阻止される。このような構成によって、駆動要素70が遠位方向へ過剰に長手方向に変位するのを防止する。このように駆動要素70の長手方向の変位が停止することによって、フィルタ組立体42の展開を知らせる。
【0076】
フィルタ組立体42の特定の位置を知らせる1つの方式に言及したが、当業者なら様々な異なる方式を特定することができる。例えば、駆動要素70と案内部材12に含まれることが可能であり、複数の凹部および/突起が、これによって駆動要素70との距離が制御され、結果としてフィルタ組立体42が移動される。別の構成では、駆動要素70に形成した壁が案内部材12の遠位端に嵌合して遠位方向へ過剰な長手方向の変位を防止する。さらに別の構成では、駆動要素70と案内部材12の壁の組合せを使用することができる。さらに別の構成では、駆動要素70の遠位端76にテーパを付け、案内部材12の近位端16に形成したテーパと協働する。これらの相補的なテーパが、案内部材12の近位端16に対して駆動要素70の長手方向の変位を制御する。さらに他の構成では、凹部、突起、壁、またはテーパの組合せを使用することができる。駆動要素70の移動距離を制御すると共にフィルタ組立体42の位置を知らせるための様々な他の方式が知られている。
【0077】
フィルタ装置10を患者の体内から取り出すために、本発明の実施形態が図10に示すように、捕捉カテーテル90を提供する。捕捉カテーテル90は、フィルタ50を封入するのに適しており、フィルタを破裂、またはステント、移植片、他のインプラント、案内部材、カテーテル、鞘、またはフィルタ50を患者から取り出されるときに遭遇する恐れのある他の隆起に引っ掛かったりすることから防止するのに適している。
【0078】
図10に例示するように、捕捉カテーテル90は、その遠位端94から近位端96に達する内腔92を有する概ね細長い形状を有する。図11に例示するように、内科医または臨床医が捕捉カテーテル90をフィルタ50に対して望ましい箇所に位置決めするのを助ける少なくとも1つの放射線不透過性マーカまたは帯100が遠位端94に配置してある。螢光透視鏡を介して捕捉カテーテル90が挿入されるのを見ることによって、内科医または臨床医は、フィルタ50を包囲するように遠位端94を配置することができる。
【0079】
捕捉カテーテル90の内腔92は、フィルタ50を収容するのに適しており、実質的に完全にフィルタ50を封入するようになされている。内腔92の内径は、支柱52が開いた構成にあるとき、すなわち、フィルタ50が展開位置にあるとき、これらの支柱52に係合し、支柱52を径方向に押し合わせて開口60を閉じるように構成してある。このような構成によって、捕捉カテーテル90の遠位端94がフィルタ50に接触する前に開口60を閉ざし、捕捉カテーテル90とフィルタ50が係合しても、フィルタ50内部から塞栓物質を逃がすことがない。
【0080】
捕捉カテーテル90がフィルタ50上に進められると、フィルタ50は捕捉カテーテル90の内腔92中に圧入される。フィルタ50内部の塞栓物質の圧縮量を制限するために、内腔92の一部分が、捕捉カテーテル90の残部よりも大きな弾力性を有するか、または随意選択的に有するが、この部分の境界を図10で点線によって示す。それによって、捕捉カテーテル90のこの部分が、フィルタ50および任意の捕捉された塞栓物質の回りに拡張可能である。
【0081】
捕捉カテーテル90は、様々な構成を有しかつ様々な異なる材料から製造可能である。例えば、金属、合金、プラスチック、ポリマー、合成材料、複合材、または他の医療向け等級の材料から捕捉カテーテル90を製造することができる。さらには、捕捉カテーテル90は、全体または一部が、捩れ耐性、生体適合性、放射線不透過性であり、案内部材12上に沿って交換可能である。さらには、捕捉カテーテル90の弾力性は、その長さに沿って一定であるか、その長さに沿って可変であるか、捕捉カテーテル90の一部分に沿って一定でありかつ別の部分に沿って可変であるか、またはこれらの組合せであり得る。
【0082】
図10に例示するように、固定機構98が、捕捉カテーテル90の近位端96に配置してある。この固定機構98は、案内部材12の近位端と係合し、遠位端94がフィルタ50を部分的にまたは完全に包囲するとき(図11)、案内部材12を確実に捕捉する。1つの構成では、固定機構98が、回転させて案内部材12の近位端を締め付けできる環状クランプである。別の構成では、固定機構98が回転式止血弁(hemostatis valve)でよく、それに通して案内部材12の近位端が配置してある。さらに別の構成では、固定機構98が、機械的なコレット(collett)などの固定ジョーセット(jaw−set)でよい。これらの固定機構のそれぞれが、様々な異なる方式で構成可能であり、当業者に知られた様々な異なる材料から製造可能である。例えば、プラスチック、ポリマー、金属、合成材料、合金、または様々な他の材料から固定機構を製造することができる。
【0083】
本発明の別の態様によれば、フィルタ装置10は一般に、内科医が患者の蛇行する体内構造を通ってフィルタ装置10が挿入されるのを見ることができる螢光透視鏡とともに使用される。内科医にフィルタ装置10が見えるようにするために、フィルタ装置10には、放射線不透過性の帯、マーカ、または内科医に基準点を提供する他の放射線不透過手段が備わる。図7を参照すると、様々な箇所に、参照符号Rによって放射線不透過であることが例示してある。図示のように、フィルタ装置10の先端部は放射線不透過である。さらに具体的には、内科医がフィルタ装置10の先端部15の位置が分かるように、遠位端14の最末端部分が放射線不透過である。
【0084】
駆動部材40の遠位端は、フィルタ組立体42が格納、展開、または引込み位置にあるかどうかを内科医に分かるように放射線不透過であり、他方でフィルタ50の遠位端54が、フィルタ装置10の最末端部分を画定する放射線不透過性マーカを含む。同様に、捕捉カテーテル90は、その遠位端を画定するために、放射線不透過性の帯、他のマーカ、または放射線不透過手段を含むことができる。
【0085】
案内部材12の遠位端、捕捉カテーテル90、駆動部材40、およびフィルタ50に加えて、本発明の実施形態には、支柱52とフィルタ50の近位端58の接合部に放射線不透過性マーカまたは他の放射線不透過手段を含む。このような方式で、処置中に、内科医は、開口60の位置を見ることが可能であり、処置の完了時に、内科医がフィルタ装置10を引き込む前に、開口60が閉じているかどうかを確認することができる。
【0086】
フィルタ装置10の構成要素上の様々な箇所に放射線不透過性の帯またはマーカを配置することに言及したが、当業者なら放射線不透過性の帯、マーカ、または放射線不透過手段の他の様々な適切な箇所を特定することができる。さらには、本発明の実施形態は、必ずしも論じたすべての放射線不透過性の帯またはマーカを含む必要はなく、望ましい場合は、説明した放射線不透過性の帯またはマーカの1つまたは複数を含むことができる。
【0087】
以降に本発明の1つの実施形態のフィルタ装置を頸動脈内に挿入する1つの例示的な方式を論じる。本発明を頸動脈内に挿入することに言及するが、異なる方法を用いて本発明のフィルタ装置を患者の任意の血管内に挿入できることは当業者には理解できる。
【0088】
図12〜17を参照すると、ブロック110によって示すように、最初に細い針を使用して大腿部の進入口を確保する。その後、この小さい穴が、当業者に知られた適切な大きさの誘導針が挿入できるほど大きくなるまで拡張される。
【0089】
図13を参照すると、様々な異なる進入部位を使用できることが当業者には理解できる。例えば、右鎖骨下動脈210、左鎖骨下動脈206、右腕動脈218、左腕動脈215、右大腿動脈225、左大腿動脈220、右橈骨動脈および左橈骨動脈227、228、または当業者によって知られた他の任意の動脈を使用して患者の動脈循環に進入することができる。別法として、当業者によって知られているように、内科医が選択可能な他の任意の血管を進入部位として選択することができる。
【0090】
図12〜17を参照すると、誘導針の挿入後にガイドワイヤ230を大腿の進入部位に挿入し、蛍光透視法にしたがって、ブロック112によって表す、処置すべき病変に直近の動脈系の所望箇所まで操縦する。この図示の実施例では、図12の矢印Dで示される、図13に示すように、以下の論議は内頸動脈中の病変のステンティング(stenting)に関する。
【0091】
ブロック114で表し、図12に示すように、ガイドワイヤ230の遠位端を病変の近位に配置するまで、ガイドワイヤ230とガイドカテーテル232を一緒に漸進させる。ガイドカテーテル232を配置したら、ブロック116で表し、図14に示すように、ガイドワイヤ230を取り出し、ガイドカテーテル232を通してフィルタ装置10を送り出す。
【0092】
フィルタ装置10は、慎重に病変を通り抜けて病変の遠位箇所まで送り出され、その後、フィルタを付着した交換ガイドワイヤの役割を果たす。他に、内科医がフィルタ装置10をガイドワイヤ230と交換する必要のないように、フィルタ装置10が案内部材230の機能も果たすことができる。このような構成では、フィルタ装置を配置する段階と病変に到達する段階を同時に実行することができる。このような特定の構成は、内科医が行う交換回数を制限し、したがって処置の実行を促進するので有用である。
【0093】
一旦、位置決めしたら、ブロック118によって表し、図15の点線で示すように、駆動部材40を遠位に移動することによって、フィルタ装置10を駆動してフィルタ50を展開する。この方式では、図6aに示したように、フィルタ組立体42が案内部材12の内腔18から展開され、支柱52が伸張してフィルタの近位端58を血管壁に対して固定する。別法として、支柱52をフィルタ50と同じ材料から作製する場合は、血管を通過する血液の流れによって、近位端58が血管壁に対して固定される。したがって、いずれの場合も、その後、病変を通過する血液はフィルタ50を通って流れる。
【0094】
次に、ブロック120によって表すように、ステントを病変上に配置する。これに先行して、点線で示すように相対的に長く、高圧のバルーンなどの事前拡張バルーン234を、フィルタ装置10上に沿って、このバルーン234が病変内部に達するまで送り出すことができる。次に、図16に例示するように、バルーン234を膨張させて病変を拡張し、次いでこのバルーンを萎ませて患者から取り出す。次に、図17に点線で示すステント236が病変内部に達するまで、ステント送出システムを案内部材12上に沿って送り出す。ステント送出システムがステント236を配備し、次いでステントが拡張して動脈中の病変の内部に取り付く。一旦、ステント236をこのように配備したら、次にステント送出システムは取り出される。
【0095】
ステント236を定位置に固定するために、事前拡張バルーンと同様の構成を有する事後拡張バルーンを、このバルーンがステント236内部に達するまでフィルタ装置10上に沿って送り出す。次いで、この事後拡張バルーンを一定の圧力まで膨張させ、内科医が選択する時間の間、その望ましい圧力に保持する。この時間の間、このような圧力でバルーンを維持することによって、ステント236が血管の内壁に埋め込まれる。ステント236を血管の内壁に埋め込んだ後で、このバルーンを萎めて取り出す。
【0096】
処置を完了するために、患者内部から装置を取り出し、穴が空いた血管と組織を閉じる。フィルタ装置10については、固定機構20を駆動して駆動部材40を近位方向に移動させる。図8に例示し、図12のブロック122によって表すように、駆動部材40が案内部材12の内腔18内に支柱52を引き込み、それによってフィルタ50の近位端58を内腔18内部に保持する。別の構成では、駆動部材40を駆動することによって、フィルタ50の近位端58を案内部材12の遠位端26に接触させ、他方でフィルタは内腔18の外部に留まる。いずれの場合も、フィルタ50内に捕捉した物質が封入され、フィルタ装置10の除去時に逃げないように防止されている。フィルタ50の近位端58を内腔18内部に配置することによって、または案内部材12の遠位端26と接触状態にしておくことによって、フィルタ装置10は、物質が逃げないように防止するが、物質がフィルタ50の穴から押し出されないように、十分に小さい力で物質を確実に封入する。
【0097】
一旦、フィルタ50が引込み位置になると、図11に例示したように、捕捉カテーテル70が、フィルタ装置10を封入するまで、捕捉カテーテル70が、案内部材12上に沿って送り出される。この捕捉カテーテルは、随意選択的に、案内部材12および、フィルタ装置10を含むフィルタシステムに対して定位置に固定される。次いで、ブロック124に示すように、捕捉カテーテル70とフィルタ装置10を患者から取り出す。この処置を完了するために、すべての残留装置を患者から取り出して血管の穴を閉じる。
【0098】
先に説明した本発明のフィルタ装置の実施形態は、フィルタ装置の1つの例示的な実施形態に過ぎない。以下に、案内部材、捕捉カテーテル、および構成要素の様々な要素を含めて、フィルタ装置の様々な代替実施形態の様々な他の構成を提供する。以下の実施形態は、フィルタ装置を頸動脈またはいずれかの他の人体内腔中に挿入する上述の方法を実施する際に、フィルタ装置10と同様の方式で使用可能である。さらには、本発明の上述の実施形態に関して論じた特徴および機能の適用性は、以下の実施形態にも応用可能である。
【0099】
ここで図18を参照すると、図18は、フィルタ組立体および駆動組立体の別の構成または実施形態が示してある。図18に示すように、フィルタ装置310が、遠位端314と、この遠位端314から近位端(図示せず)に達する内腔318を有する案内部材312を含む。この特定の構成では、鞘およびカバーが案内部材312から除去してある。しかし、別の構成では、鞘とカバーを案内部材12と同様の方式で含むことができる。
【0100】
フィルタ組立体342とアクチュエータ340を、対応するヘッド344と共に内腔318内部に配置する。フィルタ組立体342は、フィルタ350(このフィルタは本明細書に説明した他のフィルタと同様でよい)と、このフィルタ350からアクチュエータ340またはヘッド344に達する複数の支柱352を含む。それぞれの支柱152は、遠位部362、近位部366、および遠位部362と近位部366の間に配置した中間部364を含む。支柱352は、フィルタ350の外面上に、フィルタ350の内面上に、フィルタ350の縁部沿いに、フィルタ350を貫通して、または以上の1つまたは複数の組合せでフィルタ350に付着する。それぞれの支柱352をフィルタ30に連結するための追加的な表面部分を設けるために、遠位部362が中間部364よりも大きい断面寸法を有するように、それぞれの支柱352を構成することができる。別の言い方をすれば、遠位部362は、中間部364よりも大きい表面積を有することができる。遠位部312の断面寸法によって設けた大きな断面部分が、それぞれの支柱352をフィルタ350に接着するための大きな部分となる。このような構成では、それぞれの支柱352とフィルタ350の間に強力な接着部を形成する。
【0101】
同様に、各支柱352は、近位部366が中間部364よりも大きい断面寸法を有するように構成され得るが、一方で必要に応じて、遠位部362と同様の、それよりも大きい、またはそれよりも小さい断面寸法を有してもよい。大きな断面寸法、したがって、大きな表面積を有することによって、それぞれの支柱352は、駆動部材340またはヘッド342(本明細書に説明する他の駆動部材およびヘッドと同様のものでよい)に確実に連結可能である。
【0102】
遠位部362、中間部364、および/または近位部366の断面寸法を変更することによって、遠位部362を血管の壁に向かって移動させる、それぞれの支柱352が及ぼす偏倚の程度を変えることができる。このような偏倚力はまた、随意選択的に、それぞれの支柱352の長さを変更することによっておよび/またはそれぞれの支柱352の湾曲を変化させることによって変更可能である。
【0103】
本明細書では各支柱352が上述の構成を有することに言及するが、当業者には、1本または複数の支柱352を上に説明したように構成できることを理解することができる。さらには、随意選択的に、それぞれの支柱352が、同じフィルタ装置の他の支柱352と比較して同様のまたは異なる偏倚力を有するように、それぞれの支柱352を異なるように構成することもできる。偏倚力を様々に変えることによって、フィルタ装置を様々な異なる処置または血管構成に使用することができる。
【0104】
支柱352は、ニチノール、ステンレス鋼、金属、合金、複合材、プラスチック、ポリマー、合成材料、またはこれらの組合せから作製可能である。それぞれの支柱352は、概ね湾曲した遠位部362、近位部366、および/または中間部364を有することができる。
【0105】
ここで図19を参照すると、参照符号420によって示すアクチュエータ組立体の1つの代替実施形態が例示してある。このようなアクチュエータ420の特定の実施形態は、クランプ組立体472を使用してフィルタ組立体の展開および引込みを行うことができる。
【0106】
例示するように、駆動組立体420は、駆動要素470と駆動部材440を含み、これらはそれぞれ、本明細書に説明する他の駆動要素と駆動部材と同様のものでよい。駆動要素470は、案内部材412(本明細書に説明する他の案内部材と同様のものでよい)と協働するように構成されている遠位端474を含み、他方で駆動要素470の近位端476が、駆動部材440の近位端に付着されている。遠位端474は、段構成を有し、さらに案内部材412に形成した相補的な凹部480と協働するように構成されている突起478を含む。内科医、臨床医によって、または内科医、臨床医、もしくは技師が操作する装置などによって、駆動要素470を遠位方向に移動すると、突起478と凹部480が嵌合して、駆動要素470を案内部材412の近位端416に対して望ましい箇所に位置決めし、それによって、図8に例示した引込み位置などの選択位置にフィルタ組立体442を位置決めする。
【0107】
駆動要素470を遠位方向に移動し続けると、遠位端474が、それ以上の遠位方向の移動を防止するために、案内部材412に形成された壁482に衝突する。このような構成によって、駆動要素470が遠位方向へ過剰に長手方向に変位するのを防止する。このように駆動要素470の長手方向の変位が停止することによって、フィルタ組立体442が展開されていることを知らせる。
【0108】
例示するように、駆動要素470がクランプ組立体472に係合する。このクランプ組立体472は、2つの環状クランプセット(clamp sets)484および486を含む。クランプセット484はアクチュエータ要素470に結合し、クランプセット486は案内部材412に結合する。この例示的な実施形態では、クランプセット484がフィルタ装置の長手軸に沿って並進し、他方ではクランプセット486が固定されている。クランプセット484は、ねじ(threaded screw)、油圧ラム、空圧ラム、滑動システム、直線アクチュエータ、これらの組合せ、またはクランプセット484を近位方向と遠位方向に移動できる同様のものに連結可能である。例えば、1つの実施形態では、ねじを回転自在にクランプセット486に取り付け、クランプセット484をそのねじに取り付ける。ねじを回転すると、クランプセット484が、近位方向または遠位方向にねじに沿って進み、フィルタ装置のフィルタ組立体(図示せず)を展開するかまたは引き込む。
【0109】
一般に、クランプ組立体472は、環状のまたは対向する固定ジョーまたはクランプセットであれ、あるいは当業者に知られた同様のものであれ、多様な異なるクランプセットを含み得る。さらには、クランプ組立体472は、空圧式、油圧式、電動式、これらの組合せ、または同様のものを使用してアクチュエータ要素470および/または案内部材412を移動させることができる。
【0110】
ここで図20を参照すると、本発明の別の例示的な実施形態が示してある。図示のように、案内部材512(本明細書に説明する他の案内部材と同様のものでよい)が、遠位端514、近位端516、および遠位端514から近位端516まで達する内腔518を有する。案内部材512の先端部515が、3つ以上の支柱など、複数の支柱522を含む。それぞれの支柱522は、その遠位端が偏倚されて案内部材512の長手軸から外側に移動するように偏倚可能である。
【0111】
参照符号524によって示す少なくとも1本の支柱が、図21に示すように、案内部材512の長手軸に向かって偏倚される。図20でより明確に分かるように、ガイドワイヤと共に一般的に使用されるコイル先端部526が、支柱部分524上に配置してある。このコイル先端部526を、単独でまたは支柱524と併用して、内科医または臨床医が、体内の内腔に挿入する前に同先端部を造形できるように構成可能である。このような方式で、内科医または臨床医は、患者の蛇行する解剖学的構造を通り抜けて案内部材512を案内できるのに適切なJ字形を有するように先端を構成することができる。このコイル先端526は、プラチナ、プラチナ合金、放射線不透過性材料、金属、合金、プラスチック、ポリマー、合成材料、これらの組合せ、または適切なX線不透過性サイン(signature)を提供すると共に、単独または支柱524との併用を問わず、内科医または臨床医が造形できる他の材料でよい。
【0112】
フィルタ550が、2本以上の支柱522の遠位端に付着してある。図示のように、フィルタ550は、案内部材512の内腔518内部に配置してある。代替実施形態では、このフィルタ550が、案内部材512を包囲するかまたは一部を包囲でき、かつ一部が内腔518内部に収容可能である。フィルタ550は、本明細書に説明する他のフィルタに関して説明したものなど、様々な異なる構成を有することができる。
【0113】
フィルタ550は、当業者に知られた様々な異なる技術および方法によって案内部材512に付着可能である。例えば、接着剤、溶剤接着、熱接着、機械的連結、またはフィルタ550を1本または複数の支柱522に確実に連結可能な何らかの他の方式によって、フィルタ550を付着することができる。別の構成では、2本以上の支柱522の遠位端がそれぞれに穴(図示せず)を含むことが可能であり、これらの穴にフィルタ550のストランドを通して支柱522に付着し、フィルタ550を支柱522に連結することができる。別法として、これらのストランドを結んで結節にするかまたはフィルタ550上に折り返し、フィルタ550に編み込むかまたは取り付けることができる。
【0114】
支柱522を閉じた位置に、すなわち、案内部材512から外側に伸張しないように維持するために、カテーテル540が案内部材512を包囲する。カテーテルは、案内部材512の遠位端から近位端まで完全にまたは部分的に延在し得る。例示すれば、カテーテルは実質的に支柱522のみを包囲することができる。カテーテル540は、支柱に対して力を加えて支柱が外部に伸張するのを防止する保持部材または機構の役割を果たす。カテーテル540は、案内部材512の外径とほぼ同じ内径を有しており、支柱522が外部に伸張しないように拘束する内腔(図示せず)を有することができる。案内部材512をカテーテル540に対して移動することによって、または逆の場合も同様であるが、2本の支柱522を有する案内部材512を示す図21の例示のように、2本以上の支柱522の遠位端が外側に移動してフィルタ550を展開することができる。フィルタ550およびカテーテル540の引込みは、限定しないが、捕捉カテーテルの使用など、本明細書で論じる他のフィルタ装置に関して説明したものと同様の方式で実施可能である。
【0115】
上述のように、カテーテルは案内部材の長さ全体にまたは一部に達し得る。別の構成では、カテーテルの代わりに、スリーブ、帯、または案内部材の遠位端から近位端に向かって部分的に延在する他の構造と置換え可能である。これらのスリーブ、帯、または他の構造は、放射能不透過性であり、1つまたは複数の放射線不透過マーカを含む。さらには、これらのスリーブ、帯、または他の構造は、駆動部材を使用して案内部材に対して滑動自在することが可能であるが、この駆動部材は、案内部材の外面上に、案内部材の内腔中に、あるいは一部が内腔中にありかつ一部が案内部材の外面上に配置されたものである。アクチュエータ部材は、本明細書に説明するアクチュエータ部材のいずれでもよい。
【0116】
本発明の1つの代替構成によれば、フィルタ装置610が、その遠位端614に配置した複数の支柱622を有する案内部材612を含む。これらの支柱622は、図22に例示するように、スリーブ660を使用して閉じ位置に維持可能である。これらのスリーブ660は、支柱に対して力を加えて支柱が外部に伸張するのを防止する保持部材または機構の役割を果たす。
【0117】
スリーブ660は、支柱622と、フィルタ650が案内部材612の外部表面上に位置するときは、フィルタ650を包囲するが、このフィルタは、本明細書に説明する他のフィルタと同様のものでよい。1つまたは複数の駆動部材654が、スリーブ660内部、またはスリーブ660と案内部材612および/またはフィルタ650の間に配置してある。これらの駆動部材654は、それぞれの支柱622の近位端に直近の位置(参照符号Eによって示す)で案内部材612に付着し、スリーブ660の遠位端まで遠位方向に延長し、次いでスリーブ660の外面上を近位方向に延長して1つまたは複数の穴656、さらに内腔618を経由して駆動組立体620(図25)の駆動要素670で終端する。それぞれの駆動部材654の一方の端部は、スリーブ660の一部を形成するか、スリーブ660に付着するか、案内部材612に付着するか、またはこれらの組合せであるかを問わず、スリーブ660の近位端に位置し、駆動組立体620(図25)の駆動要素670によって駆動部材654を近位方向に引っ張ると、駆動部材654によってスリーブ660が1つまたは複数の部分に選択的に分離し、それによって、図24に例示するように、支柱622を解放する。
【0118】
別の言い方をすれば、図25を参照すると、1つまたは複数の駆動部材654が、駆動組立体620と協働し、はんだ付け、接着剤、または他の付着形態などによって駆動要素670に連結することができる。駆動要素670は、この駆動要素670の近位端616に形成された止め部材672が案内部材612の止め部材674と係合するまで、近位方向に移動することができる。駆動要素670の遠位端676が案内部材612の表面678と協働する状態から、止め部材674と止め部材672とが係合するまで、駆動要素70が移動する間に、駆動部材654が近位方向に移動してスリーブ660を選択的に分離する。
【0119】
スリーブ660は、支柱522を固着するのに十分強靱であると共に、駆動部材654の動作下で選択的に分離するように構成してある限り、様々な異なる材料から作製可能である。例えば、スリーブ660は限定しないが、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリテレフタル酸エチレン(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン(PU)、またはシリコーンチューブを含む、熱収縮性の合成材料から製造可能である。
【0120】
駆動部材654は、その使用材料が、本明細書に開示するこのような駆動機構などの駆動機構が、駆動部材654を破損せずに同部材を近位方向に移動させるのに十分強靱である限り、様々な異なる材料から作製可能である。例えば、プラスチック、ポリマー、金属、複合材、合金、合成材料、またはこれらの組合せから駆動部材654を製造することができる。
【0121】
本発明の実施形態は、駆動部材654を使用せずに、様々な方式を使用してスリーブ660を好ましく分離することができる。例えば、スリーブ660は、フィルタ装置を内部に配置する血管中の液体との化学反応によって溶解する溶解性化学的結合部、または材料がスリーブの他の領域または部分よりも低い強度を有する選択領域または部分に、抵抗加熱、紫外線、または高周波エネルギーを加えることによって破断される結合部、またはこれらの組合せを有することができる。
【0122】
次に、案内部材に付着するか、またはその一部として一体に形成した1本または複数の支柱を拘束または制約する他の方法、装置、およびシステムを論じる。本実施形態は、拘束力を1本または複数の支柱に加え、次いで同力を解放して支柱を外部に伸張させる方法、装置、およびシステムを提供する。
【0123】
ここで図26を参照すると、拘束部材または機構の1つの実施形態の斜視図が示してある。この拘束部材または機構は、スリーブ760および関連する固定部材762の形態にあり、これらの組合せが、案内部材712の1本または複数の支柱752を取り巻き、これらの支柱752に対して拘束力を加えて支柱752を閉じた構成に維持する。スリーブ760は、第1側面764と第2側面766を有し、これらの第1および第2側面764、766が中間部分768によって分離されている。スリーブ760は、この中間部分768の部分同士が接触、並列、近接、または隣接するように、中間部分768が案内部材712を取り巻く方式で案内部材712を取り巻く。固定部材762は、中間部分768のこのような部分を通過して、スリーブ760を案内部材712上に固定する。支柱752に拘束力を加えるのをさらに助けるために、第1側面764および第2側面766を折り畳んで、スリーブ760の外表面の部分にそれぞれ付着する。
【0124】
図26の拘束部材または機構の形成過程を図27および28に例示する。最初に図27を参照すると、この図ではスリーブ760が、それに固定部材762を結合する前の広げた位置で示してあるが、このスリーブ760を案内部材712上に直接形成するか、または別体の管状部材上に形成し、次いで案内部材712に付着または結合することもできる。概ね多角形の構成を有するようにスリーブ760を例示するが、このスリーブ760は、それが本明細書に説明する機能を果たすことができる限り、様々な他の構成を有し得ることは当業者には理解できる。この典型的な構成では、スリーブ760を案内部材712に直接結合する。スリーブ760の第1側面764および第2側面766は、中間部分768の一部が、この中間部分768の別の部分に緊密に近接するまで、案内部材760の少なくとも一部の回りに巻き付けられる。別法として、第1側面764が第2側面766に、接触、並列、近接、または隣接することができる。
【0125】
中間部分768のこれらの部分が緊密な近接状態にあるとき、図28に示すように、固定部材762、または代替として他の何らかの駆動部材がスリーブ760の両側を通ってスリーブ760を縫い合わせ、中間部分768のこれらの部分を結合する。一旦、固定部材762が引っ張られ真っ直ぐにされると、図25に示したように、第1端部764と第2端部766は折り畳まれて、スリーブ760のそれぞれの外表面に付着される。
【0126】
図29に示すように、1つの代替構成では、スリーブ760が、固定部材762を受ける複数の穴780を中間部分768の一部に含んでもよく、それによって、スリーブ760に通して縫い付けるのではなく、これらの穴780に通すことができる。別の実施形態では、第1端部764または第2端部766をスリーブ760の外表面に付着せずに、スリーブ760の第1端部764をスリーブ760の第2端部764に結合することができる。特定の構成に応じて、第1端部764の一部を第2端部766の一部に重ねることができるが、逆の場合も同様である。別法として、第1端部764および第2端部766が相互に接触するが重ならない。同様に、第1端部764および第2端部766が、相互に隣接し、相互に接合し、相互に近接し、または相互に並列してもよい。
【0127】
図26〜29を参照して説明した拘束部材または構成を動作させるために、固定部材762の近位端(図示せず)が、案内部材712の内腔の内側または外側を通って案内部材712の近位端(図示せず)に達する。駆動部材20などの駆動部材は、固定部材762の端部上に配置してあり、この駆動部材によって、内科医または臨床医は、固定部材762を長手方向に移動させて、スリーブ760の少なくとも一部に通して配置してある状態から固定部材762を切り離す。それによって、スリーブ760によって加えた拘束力を解放し、支柱752が外側に伸張してフィルタ(図示せず)を展開する。
【0128】
スリーブ760は、その材料が1本または複数の支柱752を拘束するのに十分に強靱である限り、様々な異なる材料から作製可能である。例えば、限定しないが、熱収縮性プラスチック、ポリマー、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリテレフタル酸エチレン(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン(PU)、またはシリコーンチューブなどの、様々な種類のポリマーまたはシリコーン薄膜からスリーブ760を製造することができる。
【0129】
固定部材762は、その使用材料が、固定部材762を破断せずに、本明細書に開示する駆動機構が固定部材762を近位方向に移動させるのに十分に強靱である限り、様々な異なる材料から作製可能である。例えば、プラスチック、ポリマー、金属、複合材、合金、合成材料、これらの組合せ、またはスリーブ760に通して配置される役割を果たしかつそれから引抜き可能である他の材料から固定部材762を製造することができる。
【0130】
ここで図30〜34を参照すると、拘束部材または機構の別の代替構成が例示してある。この特定の構成は、ピンの役割を果たす固定部材を備えるヒンジ構成を利用して、スリーブのヒンジ部分を閉位置に維持し案内部材の一部を拘束または抑制する。
【0131】
図30に示すように、スリーブ860が、固定部材862を受けるようになされている複数のチャネル864a〜864fを含む。スリーブ860の第1側面866および第2側面868が、チャネル864a〜864fの幾つか、すなわち、第1側面866上のチャネル864a、864c、864eおよび第2側面868上のチャネル864b、864d、864fと一体に形成されている。固定部材862が第1側面866のチャネルを通過し、次ぎに第2側面868のチャネルを通過するように、固定部材862をチャネル864a〜864fに順番に通過させることによって、第1側面866を第2側面868に結合し、スリーブ860が案内部材の支柱(図示せず)に対して拘束力を加える。
【0132】
図30の拘束部材または機構を形成する過程を図31〜34に例示する。最初に図31を参照すると、この図はスリーブ860が、それに固定部材862を結合する前の広げた位置にあるのを示すが、スリーブ860が、幾つかの延長部または折り返し870a〜870nを含む。これらの延長部870a〜870nは、限定しないが案内部材812などの管状部材またはチューブを取り巻き、以下に説明するように、内部に固定部材862が配置されるチャネル864a〜864fを形成するように構成してある。
【0133】
スリーブ860を案内部材812に付着するために、スリーブ860を案内部材860の望ましい部分の上に位置決めする。図31および32に示すように、固定部材862を案内部材860に緊密に近接して配置する。図33に示すように、延長部870a〜870nの端部は案内部材860と固定部材862の間に挿入される。別法として、延長部870a〜870nの一部を案内部材812回りに巻き付け、これらの部分的に巻き付けた延長部870a〜870nに接触するように固定部材862を配置することができる。
【0134】
延長部870a〜870nを案内部材812と固定部材862の回りに引き締めてから、図30および34に示すように、それぞれの延長部870a〜870nの一端を固定部材862上に折り重ねてスリーブ860の外表面に付着する。このような方式で、チャネル862a〜862nを形成してスリーブ860を固定部材862と一体に構成し、案内部材812の支柱(図示せず)を解放自在に拘束する。
【0135】
スリーブ860単独もしくは固定部材862と組み合わせることによって、加えられる拘束力を解除することは、固定部材862を案内部材812に対して長手方向に移動させるかまたは引っ張ることによって実現される。支柱(図示せず)の偏倚力によって支柱が外側に伸張してフィルタ(図示せず)を展開できるように、固定部材862をチャネル862a〜862fから引き抜く。固定部材862の長手方向への動きは、限定しないが駆動組立体20などの本明細書に説明する様々な異なる機構、または別様に本明細書の教示に照らして当業者に知られた機構によって起動可能である。
【0136】
ここで図35を参照すると、本発明の拘束部材または機構の別の実施形態が示してある。この拘束部材960は、固定部材962を受けるようになされている幾つかのフープ964a〜964nを含む。拘束部材または機構の他の実施形態に関して説明したものと同様の方式で、拘束部材960が案内部材912の支柱に対して拘束力を加えるように固定部材962をフープ964a〜964nの中に配置する。固定部材962をフープ964a〜964nから取り除き、それによって支柱が外側に伸張してフィルタ(図示せず)を展開することができる。拘束部材960は、金属ワイヤ、ポリマー繊維、または固定部材を中に通して配置するフープを形成するように処理可能であり、かつ1本または複数の支柱の作用を受けて、または拘束部材の構成および/または材料によって加えられる偏倚力のために外側に拡張できる他の材料から作製可能である。
【0137】
拘束部材960は、様々な付着機構によって、案内部材912および/またはそれに設けた1本または複数の支柱に付着可能である。例えば、接着剤、機械的固定具、固定ループ、または拘束部材960を案内部材および/または1本または複数の支柱に固着する他の方式で、拘束部材960を案内部材および/または1本または複数の支柱に付着することができる。別法として、拘束部材960を固定部材962に付着し、固定部材962を近位方向に移動するときに取り外すことができる。
【0138】
ここで図36〜39を参照すると、本発明の拘束部材または機構の別の実施形態が示してある。案内部材に連結されている別体の拘束部材または機構の代わりに、フィルタ手段自体が、フィルタと拘束部材または機構として機能するようになされている。
【0139】
例示するように、案内部材1010が、この案内部材1010の内腔1018内部に配置されているフィルタ1050を展開するために外側に伸張するようになされている複数の支柱1052を含む。フィルタ1050は、2本の支柱1052間の間隙1064の間に延長する2つの折り返し1060および1062を含む。これらの折り返し1060および1062を、図37に例示するように、支柱1052回りに引っ張ってこれらを圧迫してフィルタ1050を内腔1018内部に固定する。これらの折り返し1060および1062は、フィルタ1050と一体であっても、フィルタ1050に接着または別様に連結した2つの別体部材でも、またはフィルタ1050に接着または別様に連結した中間部分を有する1つの部材であってもよく、この部材の両端が折り返し1060および1062を形成する。
【0140】
折り返し1060および1062を位置決めして支柱1052を確実に保持したとき、図38に特定されている箇所1066で、これらの折り返しを一緒に駆動部材1070に縫い付ける。この駆動部材1070は、フィルタ装置の長さにわたり、限定しないが、本明細書に説明する駆動組立体および本明細書に記載の教示に照らして当業者に知られたものなどの駆動組立体と協働する。
【0141】
駆動部材1070を使用して折り返し1060および1062を結合した後、束ねた支柱1052とフィルタ1050回りに折り返し1060および1062を折り返し、次いで、図39に例示するように、フィルタ1050、支柱1052、または案内部材1012の他の部分に付着する。駆動部材1070を近位方向に移動するとき、折り返し1060および1062が解放され、支柱1052が外側に伸張すると、フィルタ1050が展開される。
【0142】
2つの折り返し1060および1062を参照するが、フィルタが1つまたは複数の折り返しを含み得ることは当業者なら理解できる。例えば、1つの折り返しを支柱1052回りに巻き付け、この折り返しの一端をフィルタ1050に縫い付けるかまたは別様に解放自在に結合することができる。
【0143】
図40を参照すると、本発明の拘束部材または機構の別の実施形態が示してある。この特定の構成は、案内部材の遠位端に結合または取付け可能なフィルタ組立体1142の一部として図示してある。このフィルタ組立体1142は、支柱組立体1144と、この支柱組立体1144に結合したフィルタ(図示せず)を含むことができる。支柱組立体1144は、細長い近位端1146と、複数の支柱1152を有する遠位端1148を有する。この細長い近位端1146の長さは、案内部材の特定の構成に応じて変更可能である。例えば、近位端1146は、1cmよりも長い任意の長さを有することができる。
【0144】
上述のように、支柱1152は遠位端1148に位置する。それぞれの支柱1152は、固定部材1162を受けるようなされた管状部材1154を含む。隣接する支柱1152上の隣接する管状部材1154は、図41に例示するように、支柱1152を寄せ集めるとき、固定部材1162を管状部材1154に通して配置し、支柱1152を拘束し、これらの支柱が外側に伸張するのを防止できるように交互配置してある。
【0145】
固定部材1162は、支柱構成体1144の内腔1164を貫通して案内部材1112の内腔1118に進入し、案内部材1112の近位端1116における駆動組立体(図示せず)で終端することができる。別法として、固定手段1162が、内腔1164を貫通し、案内部材1112の近位端における駆動部材(図示せず)で終端する前に、支柱組立体1144中の、点線で示す穴1166を通って退出する。さらに別の構成では、固定部材1162が、案内部材1112の近位端における駆動組立体(図示せず)で終端する前に、支柱組立体1144中の、点線で示す穴1166を通って内腔1164中に進入する。
【0146】
支柱1152に結合する管状部材1154はそれぞれ、その材料が案内部材1112を形成する材料と同じであってもなくても、金属、プラスチックポリマー、ポリマー、合成材料から製造可能である。1つの実施形態では、それぞれの管状部材1154が、接着剤でそれぞれの支柱1152に固着されるポリイミドまたはポリウレタンチューブなどのポリマーチューブである。別の構成では、それぞれの管状部材1154が、接着剤またははんだでそれぞれの支柱1152に付着可能な金属カットチューブ(cut−tube)である。さらに別の構成では、それぞれの支柱1152が穴を含み、それを固定部材1162が貫通して支柱1152を拘束し、同支柱が外側に伸張するのを防止する。
【0147】
ここで図42を参照すると、本発明の別の態様による装置の別の構成または実施形態が示してある。図42に示すように、フィルタ装置1210が、遠位端1214と、この遠位端1214から近位端(図示せず)に向かって延長する内腔1218を有する案内部材1212を含む。この特定の構成では、また説明の便宜上、フィルタ装置1210から拘束部材または機構が割愛してあるが、他の構成では、フィルタ装置1210は拘束部材または機構を含むことができる。
【0148】
複数の支柱1252が遠位端1214に配置してあり、これらの支柱にフィルタ1250が結合される。本明細書では、支柱1252が、案内部材1212と一体に形成されているのを参照するが、これらの支柱1252は、案内部材1212の近位端1214に付着する支柱組立体の一部でもよいことが理解できる。例えば、この支柱組立体が、案内部材の近位端と実質的に成端するか、または案内部材の近位端に遠位の位置で終端する近位端を有し得るが、このような位置は、案内部材の遠位端に近くても、あるいは案内部材の近位端に近くてもよい。
【0149】
それぞれの支柱1252は、遠位部分1262、近位部分1266、およびこの遠位部分1262と近位部分1266の間の中間部分1264を含む。支柱1252は、フィルタ1250の内面上に、フィルタ1250の外面上に、フィルタ1250の縁部沿いに、フィルタ1250を貫通して、または上記の1つまたは複数の組合せで、フィルタ1250に付着する。それぞれの支柱1252をフィルタ1250に連結するための追加的な表面積を設けるために、それぞれの支柱1252は、遠位部分1262が中間部分1264よりも大きな断面寸法を有するように構成可能である。別の言い方をすれば、遠位部分1262は、中間部分1264よりも大きな表面積を有することができる。遠位部分1212の断面寸法によって備わる大きな断面部分が、それぞれの支柱1252をフィルタ1250に接着するための大きな部分となる。このような構成では、強力な接着がそれぞれの支柱1252とフィルタ1250の間に創成される。
【0150】
同様に、それぞれの支柱1252は、近位部分1266が中間部分1264よりも大きな断面寸法を有し、他方では、随意選択的に遠位部分1262と同様の、それよりも小さい、または大きい断面寸法を有するように構成可能である。大きな断面寸法を有し、したがって大きな表面積を有することによって、それぞれの支柱1252は、この支柱1252が外側に伸張してフィルタ1250を展開するためにより大きい偏倚力を加えることができる。
【0151】
遠位部分1262、中間部分1264、および/または近位端1266の断面寸法を変えることによって、それぞれの支柱1252が及ぼす、遠位部分1262を血管壁に向かって移動させる偏倚の程度を変更することができる。この偏倚力はまた、それぞれの支柱1252の長さを変えることによって、および/またはそれぞれの支柱1252の湾曲を変えることによって変更可能である。
【0152】
それぞれの支柱1252が上述の構成を有するのを参照するが、当業者には、1本または複数の支柱1252を上に説明したように構成できることが分かる。さらには、随意選択的に、それぞれの支柱1252が、同じフィルタ装置の他の支柱1252と比較して同様のまたは異なる偏倚力を有するように、それぞれの支柱1252を異なる構成にすることもできる。偏倚力を様々に変えることによって、フィルタ装置を様々な異なる処置または血管構成に使用することができる。
【0153】
支柱1252は、ニチノール、ステンレス鋼、金属、合金、複合材、プラスチック、ポリマー、合成材料、またはこれらの組合せから作製可能である。それぞれの支柱1252は、概ね湾曲した、遠位部1262、近位部1266、および/または中間部1264を有することができる。
【0154】
非外傷性先端部1262の一部を形成する芯1260が、内腔1218を備えて遠位端1214に配置してある。非外傷性先端部1262に柔軟性と放射能不透過特性を付与するコイル1264が、芯1260の少なくとも一部を取り巻く。この芯1260は、フィルタ1250の遠位端中の穴1266を貫通する。別法として、芯1260がフィルタ1250中に形成した1つまたは複数の孔を貫通する。
【0155】
フィルタ1250を非外傷性先端部1262に固定するために、固定コイル1270が、コイル1264の一部と、フィルタ1250の遠位端を取り巻く。これはフィルタ1250を非外傷性先端部1262に連結するための1つの方式であるが、フィルタ1250を非外傷性先端部1262に連結するための様々な方式を当業者なら特定することができる。例えば、フィルタ1250の遠位端は、接着剤、機械的固定具、圧着、封止、摩擦ばめ、プレスばめ、またはフィルタ1250を非外傷性先端部1262に連結するための他の方式を使用して非外傷性先端部1262に結合可能である。別の構成では、フィルタ1250を非外傷性先端部1262に連結せずに、非外傷性先端部1262の一部に沿って滑動させることができる。
【0156】
ここで図43を参照すると、本発明の別の例示的な実施形態が示してある。本発明の他の実施形態に関して先に論じた形状構成の大部分をこの典型的な実施形態に応用可能である。
【0157】
フィルタ組立体1342が、フィルタ1350とばね部材1364を備える。フィルタ1350は複数の支柱1352を含む。これらの支柱1352は、フィルタ1350の延長ストランドである。これらの支柱1352は、フィルタ1350を駆動部材1340に連結するが偏倚されていない。別法として、支柱1352を偏倚してフィルタ1350を開くこともできる。
【0158】
偏倚ばね部材1364が、フィルタ1350の近位端1358に位置する。この偏倚ばね部材1364は、コイル型構成を有し、案内部材1312の内腔1318中に延長し、本明細書に論じた駆動部材40と同様の駆動部材1340に、および/またはヘッド1344に付着されている近位端1368を含む。ばね部材1364は、このばね部材1364が開口1360を形成する開位置に偏倚される。フィルタ組立体1342の展開中は、血管を通過する血流がフィルタ1350に力を加える。この力によって、フィルタ1350を内腔1318から引き出して、本明細書に説明する形状に展開することができる。ばね部材1364は開くように偏倚されているので、このばね部材1364が、フィルタ1350近位端1358の外側周縁部を血管の内壁に向かって引っ張る。
【0159】
フィルタ1350を引き込むためには、駆動部材1340を近位方向に移動させて、フィルタ1350の近位端1358を近位方向に引き寄せる。これによって近位端1358が内腔1318に向かって引き寄せられて閉ざされ、それによって、捕捉カテーテルの使用などの本明細書に説明した手技によってフィルタ1350を取り出すことができる。
【0160】
捕捉カテーテルの様々な構成が、本明細書に記載の教示に照らして当業者に知られている。本明細書に説明する捕捉カテーテルは、本明細書に説明のフィルタ装置または案内部材の実施形態のいずれにも使用可能である。
【0161】
図44に例示するように、参照符号1390によって示す捕捉カテーテルの1つの代替実施形態を例示する。図示のように、捕捉カテーテル1390が、遠位部分1392と、この遠位部分1392に連結または付着する位置決め部分1394を含む。遠位部分1392は、遠位端1396から延長して、その遠位部分の近位端1398における穴1402で終端する内腔1400を含む。遠位端1396は、随意選択的に放射能不透過マーカまたは帯1408を含み、他方で内腔1400が、捕捉カテーテル90の内腔92と同じ方式でフィルタ装置のフィルタ組立体を収容するように構成してある。別法として、内腔1400は、点線で示す止め部材1404を含み、それを穴1406が貫通する。この止め部材1404は、案内部材1412を穴1406に通過させるが、一旦、捕捉カテーテル1390がフィルタ組立体を内腔1400内部に収容したら、案内部材1412の遠位端に配置したフィルタ組立体が穴1406を通過するのを防止することができる。当業者なら止め部材の他の様々な構成を特定することができる。例えば、穴1406は、止め部材1404の任意の箇所に配置可能である。
【0162】
捕捉カテーテル1390をフィルタ装置の案内部材1412に沿って移動させるために、捕捉カテーテル1390は位置決め部材1394を含む。この位置決め部材1394は、近位端1416で加えた力を捕捉カテーテル1390の遠位部分1392の長手方向の動きに伝達し得る十分な剛性を有する。1つの構成では、位置決め部材1394が中実の部材であるが、別の構成では、位置決め部材1394が、中空または少なくともその一部が中空である。このような位置決め部材1394は、ポリマー、プラスチックポリマー、合成材料、金属、金属合金、これらの組合せ、または医療装置用に使用可能であり、また必要な剛性を有する他の材料から製造可能である。
【0163】
図45に例示するように、参照符号1420によって示す捕捉カテーテルの1つの代替実施形態を例示する。図示のように、捕捉カテーテル1420が、遠位端1422と、この遠位端1422から延長して、この遠位端1422に対して近位の箇所の穴1426で終端する内腔1424を含む。この内腔1424は、捕捉カテーテル90の内腔92と同様の方式でフィルタ装置のフィルタ組立体を収容するように構成され、一方で、穴1426が案内部材1412を受け入れ、かつフィルタ装置のフィルタ組立体の通過を防止するようになされている。この構成では、内腔1424の長さは、捕捉カテーテル1420を必要以上にフィルタ装置またはこのフィルタ装置のフィルタ組立体の上に沿ってさらに送出するのを防止するように構成してある。別法として、内腔1424が、本明細書で論じた止め部材1404と同様の止め部材を含むことができる。さらには、捕捉カテーテル1420が、その遠位端と近位端に、および/またはこれらの間に配置した1つまたは複数の放射能不透過マーカを随意選択的に含むことができる。
【0164】
ここで図46を参照すると、本発明の別の態様による捕捉カテーテルの別の実施形態が示してある。例示のように、この捕捉カテーテル1490は、フィルタ装置1510と協働するようになされている。例示のフィルタ装置1510は、案内部材1512の遠位端1514に結合したフィルタ組立体1542を含む。このフィルタ組立体1542は、複数の支柱1552と、これらの複数の支柱1552の1本または複数の支柱に連結したフィルタ1550を含む。図示のように、フィルタ組立体1542は、案内部材1512に付着、連結、または結合されている別体の構成要素である。しかし、1つの代替構成では、フィルタ組立体1542が案内部材1512と一体に形成可能であり、複数の支柱1552のそれぞれが案内部材1512の一部から形成されている。非外傷性先端部1560も同様にフィルタ組立体1542の一部を形成している。非先端部1560をフィルタ組立体1542のフィルタ1550に通して配置することができる。別法として、この非外傷性先端部1560は、点線で示すように、フィルタ1550の回りを通過し、複数の支柱1552の細長く延びた1本から構成可能である。
【0165】
捕捉カテーテル1490に戻ると、この捕捉カテーテル1490が、遠位部分1492と、この遠位部分1492に連通する近位部分1494を含む。この近位部分1494は、遠位部分1492よりも剛性が大きく、本明細書に説明した他の捕捉カテーテルと同様の構成を有することができる。例えば、近位部分1494は、捕捉カテーテル90であっても、捕捉カテーテル1390の遠位部分1392と同様の構成を有していても、または捕捉カテーテル1420であってもよい。遠位部分1492は、柔軟性があり、かつ近位部分1494に隣接するところから捕捉カテーテル1490の遠位端1498まで先細りになる。
【0166】
フィルタ装置1510の案内部材1512を収容する内腔1500が遠位端1498に配置してある。この内腔1500は、捕捉カテーテル1490の遠位端に連結、付着、または結合する別体の管状部材から形成可能である。別法として、内腔1500を捕捉カテーテル1490の遠位部分1492から形成することができる。内腔1500は、フィルタ装置1510の案内部材1512を滑動自在に収容できるが、フィルタ1542の通過を防止する。別の言い方をすれば、フィルタ組立体1542は、内腔1500の内径よりも大きい外径を有する。したがって、捕捉カテーテル1490が遠位方向に移動すると、遠位端1498が、フィルタ組立体1542の近位端または伸張している支柱1552の1本または複数の支柱と係合する。捕捉カテーテル1490を送出し続けると、その柔軟性のために、図47に示すように、反転し始める。捕捉カテーテル1490を送出し続けると、図48に示すように、支柱1552とフィルタ1550が捕捉カテーテル内部に完全に封入される。
【0167】
本発明の実施形態およびそれらの実施形態の様々な構成要素または要素は互換自在に使用可能であり、フィルタ装置の1つの典型的な実施形態の形状構成および機能をフィルタ装置の他の実施形態で使用することができる。例示すれば、本発明の説明した実施形態の拘束部材または機構は、フィルタ装置の幾つかの異なる構成で使用可能である。さらには、典型的な捕捉カテーテルは、いずれの捕捉カテーテルであっても、説明したフィルタ装置および本明細書の教示に照らして当業者が知り得るような他の装置など、いずれのフィルタ装置にも使用できるように互換自在に使用可能である。また、本発明の1つの実施形態を使用する方法を本発明の他の実施形態で使用することができる。したがって、本発明の実施形態は、外形が小さく、低く、またはほとんどなく、部品および構成要素が少なく、製造および使用が容易であり、患者に挿入しやすく、患者の蛇行する解剖学的な構造を通り抜けるように操縦可能であるフィルタ装置を提供し、濾過能力が備わり、交換能力が備わって他の医療装置をこのフィルタ装置上にまたはそれに沿って送出可能であり、しかも捕捉した物質をフィルタの引込み中に逃がさずに、このような物質を除去することができる。
【0168】
本発明は、その真髄または基本的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実施可能である。説明した実施形態は、すべての態様において例示であるに過ぎず、限定するものではない。したがって、本発明の範囲は、以上の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等性の趣旨および範囲内に入るすべての変更を特許請求の範囲内に包摂するものである。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明の1つの実施形態における代表的なフィルタ装置を示す図である。
【図2】図1のフィルタ装置の典型的な先端部を示す分解組立斜視図である。
【図3】図2のフィルタ装置の典型的な先端部を示す側断面図である。
【図4A】図2のフィルタ装置の先端部の異なる典型的な構成または実施形態を示す側断面図である。
【図4B】図2のフィルタ装置の先端部の異なる典型的な構成または実施形態を示す側断面図である。
【図4C】図2のフィルタ装置の先端部の異なる典型的な構成または実施形態を示す側断面図である。
【図4D】図2のフィルタ装置の先端部の異なる典型的な構成または実施形態を示す側断面図である。
【図4E】図2のフィルタ装置の先端部の異なる典型的な構成または実施形態を示す側断面図である。
【図4F】図2のフィルタ装置の先端部の異なる典型的な構成または実施形態を示す側断面図である。
【図4G】図2のフィルタ装置の先端部の異なる典型的な構成または実施形態を示す側断面図である。
【図4H】図2のフィルタ装置の先端部の異なる典型的な構成または実施形態を示す側断面図である。
【図4I】図2のフィルタ装置の先端部の異なる典型的な構成または実施形態を示す側断面図である。
【図5】図2のフィルタ装置の先端部を示す側断面図であり、典型的な駆動部材およびフィルタ組立体が閉じ位置にある。
【図6a】図2のフィルタ装置の先端部を示す側断面図であり、典型的な駆動部材およびフィルタ組立体が駆動された位置にある。
【図6b】本発明のフィルタ装置のフィルタの1つまたは複数の孔を示す図である。
【図7】図2のフィルタ装置の先端部を示す側断面図であり、典型的な駆動部材およびフィルタ組立体が駆動された位置にあり、フィルタの一部に物質が溜まっている。
【図8】図2のフィルタ装置の先端部を示す側断面図であり、典型的な駆動部材およびフィルタ組立体が引込み位置にある。
【図9】図2のフィルタ装置の典型的な駆動組立体を示す側断面図である。
【図10】本発明のフィルタ装置で使用するようになされた1つの典型的な捕捉カテーテルを示す斜視図である。
【図11】引込み位置にある駆動部材およびフィルタ組立体を示す側断面図であり、捕捉カテーテルが図2のフィルタ装置のフィルタを包囲する位置にある。
【図12】図2のフィルタ装置を使用する典型的な方法を示す流れ図である。
【図13】内部に図2のフィルタ装置を挿入できる個人の血管系の一部を示す図である。
【図14】図13の個人の頸動脈内部に形成された病変を示す図である。
【図15】図14の病変の遠位の頸動脈内部に展開した図2のフィルタ装置の1つの実施形態を示す図である。
【図16】図14の病変の遠位の頸動脈内部に展開した図2のフィルタ装置の1つの実施形態と事前拡張バルーンを示す図である。
【図17】図14の病変の遠位の頸動脈内部に展開した図2のフィルタ装置の1つの実施形態と病変回りに配置したステントを示す図である。
【図18】本発明のフィルタ装置の別の実施形態を示す部分側断面図である。
【図19】本発明によるフィルタ装置の別の典型的な駆動組立体を示す側断面図である。
【図20】本発明のフィルタ装置のさらに別の実施形態を示す部分断面図である。
【図21】図20のフィルタ装置の先端部を示す側面図である。
【図22】フィルタを展開した図20の実施形態を示す側面図である。
【図23】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合する拘束部材を備えるフィルタ装置のさらに別の実施形態を示す側面図である。
【図24】フィルタを展開した図23の実施形態を示す側面図である。
【図25】本発明によるフィルタ装置の別の典型的な駆動組立体を示す側断面図である。
【図26】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合する拘束部材を備えるフィルタ装置の別の実施形態を示す斜視図である。
【図27】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合される前の図26の拘束部材を示す斜視図である。
【図28】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合される前の図26の拘束部材を示す斜視図である。
【図29】本発明の別の態様によるフィルタ装置の別の拘束部材を示す斜視図である。
【図30】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合する拘束部材を備えるフィルタ装置の別の実施形態を示す斜視図である。
【図31】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合される前の図30の拘束部材を示す斜視図である。
【図32】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合される前の図30の拘束部材を示す側面図である。
【図33】本発明の別の態様によるフィルタ装置を拘束する途中にある図30の拘束部材を示す側面図である。
【図34】本発明の別の態様によるフィルタ装置を拘束するときの図30の拘束部材を示す側面図である。
【図35】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合する拘束部材を備えるフィルタ装置の別の実施形態を示す斜視図である。
【図36】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合する拘束部材を備えるフィルタ装置の別の実施形態を示す斜視図である。
【図37】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合される前の図36の拘束部材を示す側面図でわる。
【図38】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合される前の図36の拘束部材を示す側面図である。
【図39】本発明の別の態様によるフィルタ装置を拘束するときの図36の拘束部材を示す斜視図である。
【図40】本発明の別の態様によるフィルタ装置に結合する拘束部材を備えるフィルタ装置の別の実施形態を示す斜視図である。
【図41】本発明の別の態様によるフィルタ装置を拘束するときの図40の拘束部材を示す斜視図である。
【図42】本発明の別の態様によるフィルタ装置の別の実施形態を示す側面図である。
【図43】本発明の別の態様によるフィルタ装置のさらに別の実施形態を示す側面図である。
【図44】本発明のフィルタ装置で使用する捕捉カテーテルの別の実施形態を示す斜視図である。
【図45】本発明のフィルタ装置で使用する捕捉カテーテルのさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【図46】本発明のフィルタ装置で使用する捕捉カテーテルのさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【図47】本発明のフィルタ装置を捕捉し始めるときの図46の捕捉カテーテルを示す側面図である。
【図48】本発明のフィルタ装置を捕捉するときの図46の捕捉カテーテルを示す側面図である。
Claims (53)
- 処置の間にフィルタを展開し拘束するためのシステムであって、
(a)流体内で物質を捕獲するのに適したフィルタ装置であって、
(i)ガイドワイヤの交換として働くのに適した案内部材と、
(ii)該案内部材に接続され、流体内の物質を捕獲するのに適したフィルタと、
(iii)前記案内部材と接続され、前記フィルタが展開されるのを防止するのに適した拘束部材と、
(iv)前記拘束部材と協働し、前記フィルタを展開するように構成された作動組立体であって、該作動組立体の起動時に選択された位置で前記フィルタを保持する作動組立体とを具えるフィルタ装置と、
(b)前記フィルタ装置に選択的に接続された捕獲カテーテルであって、前記フィルタの展開に続いて前記フィルタによって物質が捕獲されたときに、少なくとも部分的に前記フィルタを取り囲むのに適した捕獲カテーテルと、
を具えることを特徴とするシステム。 - さらに、案内部材は遠位端と近位端を具え、前記遠位端は複数の支柱を具えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- さらに、前記案内部材の遠位端に接続された支柱組立体を備え、該支柱組立体は複数の支柱を具えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記拘束部材は少なくとも一つのスリーブと固定部材を具えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記フィルタ装置は複数の支柱を具え、前記拘束部材は少なくとも複数の支柱と固定部材の一部から成ることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記拘束部材は少なくとも前記フィルタの一部から成り、前記フィルタの少なくとも一部は前記案内部材の末端をほぼ取り囲むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記作動組立体は前記少なくとも1つのフィルタと接続された作動部材と前記拘束部材から成ることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記拘束部材はスリーブを具え、該スリーブは前記案内部材の末端を取り囲むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記作動組立体は、
(a)前記拘束部材と前記案内部材との間に配置された作動部材と、
(b)前記拘束部材に接続され、近位方向へ拘束部材を移動するように形成された作動機構と、
を具えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。 - 前記捕獲カテーテルは前記フィルタ装置に固定するのに適していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記捕獲カテーテルは前記フィルタ装置の少なくとも一部を収容することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記捕獲カテーテルは、らせんとじの捕獲カテーテルであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記捕獲カテーテルは、急速な交換捕獲カテーテルであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 前記少なくとも一つのフィルタ装置および捕獲カテーテルと接続された、少なくとも一つの放射線不透過マーカーを具えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
- 処置の間にフィルタを展開し拘束するためのシステムであって、
(a)流体内の物質を捕獲するのに適したフィルタ装置であって、
(i)交換ガイドワイヤとして働くのに適した案内部材と、
(ii)前記案内部材に接続され、流体内の物質を捕獲するのに適したフィルタと、該フィルタに接続された複数の支柱とを具え、該複数の支柱が前記フィルタを開口するために外方向に延びるようになされたフィルタ組立体と、
(iii)少なくとも一つの前記案内部材と前記フィルタ組立体に接続され、前記フィルタを外方向に展開するために、複数の支柱が伸びるのを防止するようになされた拘束部材と、
(iv)前記拘束部材と協働し、前記複数の支柱が外方向に延びるのを可能にするために、前記拘束部材を解除するよう構成された作動組立体とを具えるフィルタ装置と、
(b)前記フィルタ装置に接続され、前記フィルタを展開した後に前記フィルタによって物質が捕獲されたときに、少なくとも部分的に前記フィルタを取り囲むようになされた捕獲カテーテルと、
を具えることを特徴とするシステム。 - 前記拘束部材は前記案内部材にスライド可能に協働するようになされたスリーブを具えることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記作動組立体は前記スリーブと接続された作動部材と、該作動部材と接続された作動要素とを具え、前記作動要素の移動は、複数の支柱が外方向に伸びるのを可能にするために、前記作動部材を移動させることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
- 前記拘束部材は前記フィルタ装置の少なくとも一部を取り囲むスリーブと、該スリーブと協働する固定部材とを具え、前記スリーブと前記固定部材の間の共同は前記フィルタを展開するように複数の支柱が外方向に延びることを防止することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記拘束部材は第1部分と第2部分とを有するスリーブと、前記第1部分と第2部分に形成された複数の穴とを具え、前記複数の穴は固定部材を収容するのに適し、固定部材と協働し、前記複数の穴と前記固定部材との間の協働は前記フィルタを展開するように複数の支柱が外方向に延びるのを防止することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記拘束部材は第1端部と第2端部と、該第1端部と第2端部に形成された複数のチャンネルとを有するスリーブを具え、前記複数のチャンネルは固定部材を収容するのに適し、固定部材と協働し、前記複数のチャンネルと前記固定部材との間の協働は、前記フィルタを外方向に展開するように複数の支柱が外方向に延びるのを防止することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記拘束部材は複数のフープを有するスリーブを具え、前記複数のフープは固定部材を収容し固定部材と協働するのに適しており、前記複数のフープと前記固定部材との間の協働は前記フィルタを展開するように前記複数の支柱が外方向に延びるのを防止することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記拘束部材は複数の筒状部材を具え、該筒状部材のそれぞれは、前記複数の支柱の個々と接続され、前記複数の筒状部材は固定部材を収容し協働するのに適しており、前記複数の筒状部材と前記固定部材は、前記フィルタを展開するように前記複数の支柱が外方向に延びるのを防止することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記フィルタは少なくとも一つの折り返しを具え、該折り返しは前記複数の支柱をほぼ取り囲むのに適しており、前記フィルタを展開するように前記複数の支柱が外方向に延びるのを防止することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記作動組立体はさらに前記拘束部材と接続された作動部材と、前記作動部材と接続された作動要素とを具えることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記作動組立体はさらに固定クランプセットと該固定クランプセットに接続された移動可能なクランプセットとを具え、前記移動可能なクランプセットは作動部材と接続されることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
- 前記複数の支柱は前記フィルタを開口するように偏倚されていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記複数の支柱の少なくとも一つは配置されたコイルを具えることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記フィルタ組立体はさらに前記複数の支柱の近位端で穴を備え、前記穴はatraumatic先端を収容するのに適していることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記捕獲カテーテルは近位端と遠位端とを具え、前記近位端は前記作動組立体と接続するように形成されており、前記遠位端が前記案内部材に沿って進められるようにして、前記複数の支柱に前記フィルタを閉じさせるように前記遠位端は形成されていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記捕獲カテーテルは前記近位端に配置されたロック機構を具えることを特徴とする請求項29に記載のシステム。
- 前記捕獲カテーテルは前記近位端から前記遠位端まで伸びる内腔を具えることを特徴とする請求項29に記載のシステム。
- 前記捕獲カテーテルは前記遠位端から前記近位端に向かって伸びる内腔を具え、該内腔の近位端は前記捕獲カテーテルの基端へ末端方向に伸びていることを特徴とする請求項29に記載のシステム。
- 前記捕獲カテーテルはさらに、処置の間、前記捕獲カテーテルが配置されるのを可能にするのに適した位置決め部材を具えることを特徴とする請求項29に記載のシステム。
- さらに前記捕獲カテーテルは、
(a)前記遠位端から近位端へ向かって伸びる内腔と、
(b)前記内腔と連通し、前記近位端と遠位端の中間に配置される出力穴と、
を具えることを特徴とする請求項29に記載のシステム。 - 前記フィルタ装置と前記捕獲カテーテルの少なくとも一つは放射線不透過のための手段を具えることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
- 前記放射線不透過のための手段は少なくとも一つの放射線不透過性マーカーを具えることを特徴とする請求項35に記載のシステム。
- 前記放射線不透過のための手段は、前記フィルタ装置と前記捕獲カテーテルの少なくとも一つに付与される少なくとも一つの放射線不透過性コーティングを具えることを特徴とする請求項35に記載のシステム。
- 処置のためにフィルタを展開し拘束するための方法であって、
(a)処置に際し接触される患者の血管の遠位の一部における脈管構造の中にフィルタ装置を挿入する工程であって、ガイドワイヤの交換として働くのに適しており、
(i)近位端と遠位端を具える案内部材と、
(ii)フィルタと前記案内部材と前記フィルタとに協働する複数の支柱とを具えるフィルタ組立体と、
(iii)前記複数の支柱の少なくとも一部と接続された拘束部材であって、前記フィルタが展開されるのを防止する拘束力を付与するのに適した拘束部材と、
を具えるフィルタ装置を、挿入する工程と、
(b)処置を通じて取り除く物質を捕獲するために血流内に前記フィルタを展開する工程と、
(c)前記フィルタと案内部材の少なくとも一部を取り囲む捕獲カテーテルを配置し、患者の脈管構造から前記フィルタ装置と前記捕獲カテーテルを取り除く工程と、
を具えることを特徴とする方法。 - 前記フィルタを展開する工程は、前記拘束力を解除するために前記拘束部材を解除することを特徴とする請求項38に記載の方法。
- 前記拘束力を解除する工程はさらに、前記拘束部材と接続された作動組立体を作動させることも含むことを特徴とする請求項39に記載の方法。
- さらに、前記作動組立体の作動要素を作動して、前記拘束部材に接続された作動部材を移動する工程を具えることを特徴とする請求項40に記載の方法。
- 前記拘束力を解除するために前記案内部材に対して前記作動要素を移動させる工程をさらに具えることを特徴とする請求項40に記載の方法。
- 前記拘束部材に形成された1または複数の選択的分離領域について前記拘束部材を選択的に分離する工程をさらに具えることを特徴とする請求項40に記載の方法。
- 前記拘束力を解除する工程は、さらに、前記複数の支柱をほぼ取り囲むスリーブに対して近位方向に固定部材を移動させる工程を具え、前記スリーブに対して前記固定部材を移動させる工程は、前記スリーブと前記固定部材との協働によって、前記複数の支柱に付与される前記拘束力を解除することを特徴とする請求項39に記載の方法。
- 前記拘束力を解除する工程はさらに、複数の支柱に形成された1または複数の筒状部材に対して近位方向に固定部材を移動させる工程を具え、前記1または複数の筒状の部材に対して前記固定部材を移動させる工程は、前記1または複数の筒状部材と前記固定部材との協働によって、複数の支柱に付与される拘束力を解除することを特徴とする請求項39に記載の方法。
- 前記フィルタが捕獲した物質が逃げるのを防止するために前記案内部材に隣接して配置された開口端まで前記フィルタを引っ込ませる工程をさらに具えることを特徴とする請求項38に記載の方法。
- 前記複数の支柱のそれぞれの遠位端を前記案内部材の内腔の長手軸に向かって前記開口端を閉じるように移動させる工程をさらに具えることを特徴とする請求項46に記載の方法。
- 前記捕獲カテーテルを前記案内部材に固定する工程をさらに具えることを特徴とする請求項38に記載の方法。
- 処置のために血管フィルタ装置を展開する方法であって、
(a)処置に際し接触される患者の血管の遠位の一部における脈管構造の中に血管フィルタ装置を配置する工程であって、
(i)近位端と遠位端を具える案内部材と、
(ii)前記案内部材の前記遠位端と接続されるフィルタ手段と、
(iii)前記案内部材と接続され、前記フィルタ手段を展開する手段と、
(iv)前記案内部材と前記フィルタ手段とに接続され、前記フィルタ手段がフィルタを展開するのを防止するように働く拘束機構であって、
(1)前記案内部材の遠位端を取り囲むスリーブで閉じた状態と開口した状態とを含むスリーブと、
(2)前記スリーブと接続され、前記スリーブを閉じた位置で拘束する固定部材とを具える拘束機構と、
を具えるフィルタ装置を配置する工程と、
(b)前記スリーブが前記開口した状態に移り、前記フィルタ手段がフィルタを展開することを可能とするために、前記スリーブを解除するように前記固定部材を移す工程と、
を具えることを特徴とする方法。 - 前記フィルタ手段はフィルタを具えることを特徴とする請求項49に記載の方法。
- 前記展開手段は、前記案内部材の遠位端に接続された複数の支柱を具え、複数の支柱のうち少なくとも一つが前記フィルタを展開するために外方向に伸びるために偏倚されることを特徴とする請求項50に記載の方法。
- 前記複数の支柱のうち少なくとも一つを、前記フィルタを展開するべく外方向に伸ばすために、前記複数の支柱を解除する工程をさらに具える請求項51に記載の方法。
- 前記案内部材の少なくとも一部に捕獲カテーテルを配置する工程をさらに具える請求項49に記載の方法。
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