JP2004521102A - 抗真菌化合物の活性代謝物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、真菌感染を治療するための方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬適合性の塩をそうした治療が必要な哺乳動物患者に投与することを含む方法に関する。本発明の他の態様には、式Iの化合物と第二抗真菌剤の組み合わせを用いる真菌感染の治療法および前記組み合わせの医薬組成物が挙げられる。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗真菌活性を有する下記式I:
【0002】
【化1】
の代謝化合物の同定に関する。この代謝産物は、ヒトの血漿において生産されるCANCIDAS(商標)(酢酸カスポフンジン(caspofungin acetate))の主たる代謝物であることがわかった。酢酸カスポフンジンは、カンジダ感染、アスペルギウス感染、ニューモシスティス−カリニ感染および他の真菌感染の非経口治療用に開発された半合成抗真菌剤である。その活性は、β−(1,3)−グルカン(標的生物の細胞壁内在性成分)の合成の阻害によって媒介される。カスポフンジンは、米国特許第5,378,804号に開示されている分子量1094の大環状ペプチドである。この化合物は、アミナール部分を含む様々な潜在的に反応性の官能基を有する。この代謝物は、オルニチン残基中のアミナールを加水分解し、開環し、再環化して、二つの異性体5員環状ヘミアミナール生成物を生成することによって、生産される。これらの二つの異性体は、高速液体クロマトグラフィーによって容易に分解されないため、一つの生産物として一緒に分離し、まとめて「代謝物」と呼ばれる。
【0003】
【化2】
【背景技術】
【0004】
ニューモカンジンB0の関連開環類似体が、非常に劣ったβ−(1,3)−グルカン合成活性を有すると判明することは、先行の研究において見極められていたことだった。しかし、式Iのこのヘキサペプチド代謝物は、カンジダ分離菌に対して驚くべき活性を有することが判明した。
【0005】
ニューモカンジンB0の開環類似体は、Merck Research Laboratoriesによって開示されている。J.M.Balkovecら、「新規エキノカンジンリポペプチドの水溶性プロドラッグの合成、安定性および生物学的評価。全身性カンジダ症およびニューモシスティスカリニ肺炎(PCP)の治療用に可能性のある臨床薬の発見(Synthesis,Stability and Biological Evaluation of Water Soluble Prodrugs of New Echinocandin Lipopeptide.Discovery of a Potential Clinical Agent for the Treatment of Systemic Candidiasis and Pneumocystis carinii Pneumonia(PCP))」J.Med.Chem.1992,35,194−8を参照のこと。化合物2(式Iの化合物の合成における中間体)の合成は、F.A.Bouffardら、「新規カチオン性ニューモカンジンB0誘導体の合成および抗真菌活性(Synthesis and Antifungal Activiry of Novel Cationic Pneumocandin B0 Derivatives)」J.Med.Chem.1994,37,222−5によって最初に説明された。式Iの化合物の調製は、Merck Research Laboratoriesによって開示されている手順に従うことにより分離することができるニューモカンジンB0を用いて開始する。R.E.Schwartzら、「Zalerion arboricola Iからのニューモカンジン。発見および分離(Pneumocandins from Zalerion arboricola I.Discovery and isolation)」J.Antibiot.(1992)45:1853−1866、およびP.S.Masurekarら、「Zalerion arboricola IIからのニューモカンジン。突然変異および培地操作による生産物スペクトルの修飾(Pneumocandins from Zalerion arboricola II.Modificaton of product spectrum by mutation and medium manipulation)」J.Antibiot.(1992)45:1867−1874、および米国特許第5,194,377号および同第5,202,309号を参照のこと。米国特許第5,854,212号および同第5,939,384号は、ニューモカンジンB0の調製方法も開示している。実施例1を参照のこと。
【0006】
最近の開示物は、カスポフンジンの代謝/分解副生産物の形成を論議している。XU,X.,DELUNA,F.,YUANG,A.,CYLC,D.,DAVIS,M.,SAHLY,YおよびLIN,J.H.を参照のこと。ラットでは、遅い肝摂取および排出は、L−743,872(強力な抗真菌剤)の動態に重要な役割を果たす。Ammerican Association of Pharmaceutical Scientists 10th Annual Meeting(AAPS),Seattle,Washington,10/26/1996−10/31/1996;KAUFMAN,M.J.and NERURKAR,M.「大環状抗真菌剤L−743,872の分解:反応生成物および動態、ならびに安定化戦略(Degradation of the macrocyclic antifungal agent L−743,872:Reaction products and kinetics,and stabilizaiton strategies)」での発表の故。American Chemical Society 31st Middle Atlanitc Regional Meeting,Pleasantville,New York,05/27/1997−05/30/1997;KAUFMAN,M.J.and NERURKAR,M.「大環状抗真菌剤L−743,872の分解:反応生成物および動態、ならびに安定化戦略(Degradation of the macrocyclic antifungal agent L−743,872:Reaction products and kinetics,and stabilizaiton strategies)」での発表の故。American Chemical Society 31st Middle Atlanitc Regional Meeting,Pleasantville,New York,05/27/1997−05/30/1997;BALANI,S.K.,XU,X.,ARISON,B.H.,SILVA,M.V.,GRIES,A.,DELUNA,F.A.,CUI,D.,KARI,P.H.,LY,T.,HOP,C.E.C.A.,SINGH,R.,WALLACE,M.A.,DEAN,D.C.,LIN,J.H.,PEARSON,P.G.and BAILLIE,T.A.「ヒトの血漿および尿中の酢酸カスポフンジン、強力な抗真菌剤、の代謝物質(Metabilites of caspofungin acetate,a potent antifungal agent,in human plasma and urine)」での発表の故。薬物代謝および動態(Drug Metabolism and Disposition)、ならびにMCQUADE,M.S.,FORSYTH,R.J.,ZIMMERMAN,J.and ROBERTS,J.C.「通常用いられる静脈内適用溶液および軟質ポリ塩化ビニル容器中での再構成Canicidas(商標)(酢酸カスポフンジン)の安定性(Stability of reconstituted CancidasTM(caspofungin acetate)in commonly used i.v.solution and flexible polyvinyl chloride containers)」に準拠する故。American Journal of Health−System Pharmacyに準拠する故。
【発明の開示】
【0007】
真菌感染を治療するための方法であって、有効量の下記式I:
【0008】
【化3】
の化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な哺乳動物の患者に投与することを含む方法。本発明のさらなる態様には、1)真菌感染を制御するための方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な免疫構成患者に投与することを含む方法;2)ニューモシスティス肺炎を制御する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な免疫構成患者に投与することを含む方法;3)式Iの化合物またはその医薬適合性の塩、ならびにアゾールまたはポリエン、プリンまたはピリミジンヌクレオチド阻害剤、キチン合成阻害剤、延長因子阻害剤、マンナン形成抗真菌剤、殺菌性/透過性誘発(BPI)蛋白質産物、および複合糖質抗真菌剤から成る群より選択される第二抗真菌剤を含む医薬組成物;および4)真菌感染を治療するための方法であって、有効量の、式Iの化合物またはその医薬適合性の塩と、アゾールまたはポリエン、プリンまたはピリミジンヌクレオチド阻害剤、キチン合成阻害剤、延長因子阻害剤、マンナン形成抗真菌剤、殺菌性/透過性誘発(BPI)蛋白質産物、および複合糖質抗真菌剤から成る群より選択される第二抗真菌剤から成る群より選択される第二抗真菌剤との組み合わせを、そうした治療が必要な哺乳動物患者に投与することを含む方法が挙げられる。
【0009】
(発明の詳細な説明)
真菌感染を治療するための方法であって、有効量の下記式I:
【0010】
【化4】
の化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な哺乳動物の患者に投与することを含む方法。
【0011】
式Iの化合物が、医薬適合性の担体を伴う前記化合物の医薬組成物として投与される、上に記載の方法。
【0012】
医薬組成物が、非経口投与または経口投与される、上に記載の方法。
【0013】
医薬組成物が、非経口投与される、上に記載の方法。
【0014】
医薬組成物が、静脈内注入によって投与される、上に記載の方法。
【0015】
真菌感染を制御するための方法であって、有効量の下記式I
【0016】
【化5】
の化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な哺乳動物の患者に投与することを含む方法。
【0017】
式Iの化合物が、医薬適合性の担体を伴う前記化合物の医薬組成物として投与される、上に記載の方法。
【0018】
医薬組成物が、非経口投与される、上に記載の方法。
【0019】
医薬組成物が、静脈内注射によって投与される、上に記載の方法。
【0020】
医薬組成物が、静脈内注入によって投与される、上に記載の方法。
【0021】
ニューモシスティス肺炎を制御する方法であって、有効量の下記式I:
【0022】
【化6】
の化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な免疫構成患者に投与することを含む方法。
【0023】
式Iの化合物が、医薬適合性の担体を伴う前記化合物の医薬組成物として投与される、上に記載の方法。
【0024】
医薬組成物が、非経口投与される、上に記載の方法。
【0025】
医薬組成物が、静脈内注射によって投与される、上に記載の方法。
【0026】
医薬組成物が、静脈内注入によって投与される、上に記載の方法。
【0027】
本発明は、記式Iの化合物と第二抗真菌剤の組み合わせを含む医薬組成物、ならびに式Iの抗真菌化合物および第二抗真菌剤の投与を含む抗真菌併用療法にも関する。
【0028】
この併用療法は、これら二つの薬剤の逐次、同時または並行投与を含むものとする。より詳細には、本発明は、アゾールまたはポリエン、プリンまたはピリミジンヌクレオチド阻害剤、キチン合成阻害剤、延長因子阻害剤、マンナン形成抗真菌剤、殺菌性/透過性誘発(BPI)蛋白質産物、および複合糖質抗真菌剤などの第二抗真菌剤の使用を含む抗真菌併用療法に関する。
【0029】
こうした第二抗真菌剤の代表例は、フルコナゾール、ボリコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾールなどのアゾール;アンフォテリシンB、ナイスタチンまたはそのリポソームおよびリピド形態(ABELCET、AMBISOMEおよびAMPHOCILなど);フルシトシンなどのプリンまたはピリミジンヌクレオチド阻害剤;またはニッコマイシン(特に、ニッコマイシンZ)などのポリオキシンまたは他のキチン合成阻害剤;ソルダリンおよびその類似体などの延長因子阻害剤;プラダマイシンなどのマンナン形成抗真菌剤;XMP.97もしくはXMP.127などの殺菌性/透過性誘発(BPI)蛋白質産物;またはCAN−296などの複合糖質抗真菌剤である。
【0030】
特に、本併用療法は、クリプトコックス属、カンジダ属、アスペルギウス属、ヒストプラズマ属、コクシジオイデス属、パラコクシジオイデス属、ブラストミセス属、フザリウム属、スポロトリクス属、トリコスポロン属、クモノスカビ属、シュードアレシェリア属、皮膚糸状菌、ペシロミセス属、アルテルナリア属、フルブラリア属、エキソフィアラ属、ワンギエラ属、ペニシリウム属、サッカロミセス属、黒色真菌およびニューモシスティス−カリニなどの日和見病原体に対して有用であることが判明した。
【0031】
CANCIDAS(商標)(酢酸カスポフンジン)は、米国特許第5,378,804号に開示されており、その調製法は、前記特許および米国特許第5,552,521号に記載されている。
【0032】
アゾール、ポリエンまたは他の抗真菌剤は、経口投与または非経口投与することができる。式Iの化合物は、好ましくは、非経口投与されるが、その経路に限定されず、経口、筋肉内もしくは皮下などの他の経路によっても投与されうる。
【0033】
併用療法は、すべての薬剤の部分阻害濃度を利用して、結果的に作用を強化する。これらの作用は、カンジダ−ネオフォーマンス、カンジダ−ルビカンス、アスペルギウス−フミガーツスの臨床および環境菌株を用いて、インビトロおよびインビボで実証することができる。
【0034】
式Iの化合物は、動物性の基を加水分解し、その後、開環して、オルニチン基のN2上へ再び環化することによって、カスポフンジンから生成する。
【0035】
式Iの化合物は、図式1に概要を示す手順に従って、ニューモカンジンB0(化合物I)から調製することができる。簡単にいえば、ニューモカンジンB0の3−ヒドロキシグルタミン残基を還元して、化合物2を得ることができる。ボラン−硫化ジメチル複合体が、好ましい還元剤である。化合物2をトリエチルアミンなどの塩基で処理して開環させ、その後の再び環化して、式Iの化合物を得ることができる。式Iの化合物は、新たに生成されるヘミアミナール基での二つの異性体の混合物として生成される。これらの異性体は、標準的なクロマトグラフ技術によって容易に分離することができないため、混合物として用いることとなる。
【0036】
【化7】
【0037】
本発明は、酸付加塩も包含する。分離の標準的な過程での式Iの化合物は、酸付加塩として得られる。従って、この塩を水に溶解し、望ましいアニオンを有するアニオン交換カラムに通すことができる。その望ましい塩を含有する溶離液を濃縮して、その塩を固体生成物として回収することができる。
【0038】
式Iの化合物をプロトコルM27−Aに従って酵母菌感受性について試験した。このプロトコルは、それらの酵母分離菌を抗真菌剤に対する感受性についてすべて臨床検査する標準的プロトコルである。J.N.Galgianiら、「液体希釈抗真菌感受性試験についての参照法:承認基準M27−A(参照F−7)(Reference Method for Broth Dilution Antifungal Susceptibility Testing:Approved Standard M27−A(Reference F−7))」、米国臨床研究所規格委員会(National Committee for Clinical Laboratory Standards)1997;17(9):1−29を参照のこと。この方法の記載は次のとおりである:接種材料は、分光光電光度計(光学密度、550nm)で標準化し、希釈して、L−グルタミンを含有し、炭酸水素ナトリウムを含有せず、0.165MのMOPS(モルホリンプロパンスルホン酸)で緩衝されたRPMI1640培地(BioWhittaker,Walkersville,MD)中での最終濃度0.5×103〜2.5×103にした。
【0039】
式Iの化合物とともに適切な対照標準物質を、滅菌脱イオン水中の濃縮保存溶液として調製し、PRMI1640培地中で希釈し、128μg/mLから二段階希釈法で0.06μg/mLに低下する濃度範囲で試験した。最小阻止濃度(MIC)は、35℃で24または48時間インキュベーションした後、目に見える増殖を完全に阻害した化合物の最小濃度と定義した。
【0040】
標準試料をM38−P[米国臨床研究所規格委員会。分生子形成性糸状菌の液体希釈真菌感受性試験についての参照法(Reference method for broth dilution antifungal susceptibility testing of conidium−forming filamentous fungi)。推奨基準M38−P。Wayne,PA:米国臨床研究所規格委員会;1998]にすること、接種材料最終濃度を分生子1〜5×104/mLにしたこと、およびMICを増殖対照と比較した時、増殖を顕著に低下させる(対照の約50%)化合物の最低濃度と定義すること以外は、上に記載したものと同じ方法をアスペルギウスに用いた。結果を表Aに示す:
【0041】
【表1】
【0042】
式Iの化合物は、真菌に対するインビボでの有効性も示し、これは、次のインビボアッセイを利用して実証することができる。
【0043】
カンジダ−アルビカンス MY 1055のオーバーナイトSDA培養物からの増殖物を滅菌サリンに浮遊させ、その細胞濃度を血球計数器での計数によって測定し、細胞浮遊液を細胞3.75×105/mLにした。その後、最終接種材料が細胞7.5×104/mLになるように、この浮遊液の0.2ミリリットルをマウスの尾静脈に静脈内投与した。
【0044】
その後、上記の方法であらかじめカンジダ−アルビカンスに感染させた18〜20グラムの雌DBA/2マウスに、式Iの化合物の水溶液を1日の間、1日3回(t.i.d.)、様々な濃度で腹腔内(I.P.)投与することによって、アッセイを行った。対照として、脱イオン水をカンジダ−アルビカンス感染マウスにI.P.投与した。24時間後、二酸化炭素ガスによってマウスを犠牲にし、対の腎臓を無菌状態で取り出し、滅菌サリン5ミリリットルを収容した無菌ポリエチレンバッグに入れた。腎臓をバッグ内でホモジナイズし、滅菌サリン中で系列希釈して、アリコートをSDAプレートの表面に塗布した。そのプレートを35℃で48時間インキュベートし、酵母菌コロニーを数えて、腎臓1グラムあたりのコロニー形成単位(CFU)の数を決定した。結果を表Bに示す。式Iの化合物は、0.31、1.25、5および10mg/kg/日の用量で感染させた動物の腎臓における汚染組織数を減少させた。
【0045】
【表2】
【0046】
式Iの化合物は、免疫無防備状態の患者におけるニューモシスティス−カリニ感染の阻害または緩和にも有用である。治療目的または抗感染目的のための本発明の化合物の効能は、免疫抑制ラットでの研究で実証することができる。
【0047】
代表的な研究では、Sprague−Dawleyラット(体重約250グラム)を飲み水の中のデキサメタゾン(2.0mg/L)で免疫抑制し、7週間低蛋白食を続けて、潜伏感染からのニューモシスティス肺炎の発症を誘発する。薬物治療の前に、2匹のラットを犠牲にして、ニューモシスティスカリニ肺炎(PCP)の存在を確認する。5匹のラット(体重約150グラム)に1日2回、4日間、ビヒクル(蒸留水)0.25mL中の式Iの化合物を皮下(sc)注射する。ビヒクル対照も行う。すべての動物は、治療期間中、飲み水の中のデキサメタゾンおよび低蛋白食を摂取し続ける。治療完了時、すべての動物を犠牲にし、肺を取り出して、処理し、染色されたスライドの顕微鏡分析によって疾病の広がりを測定した。
【0048】
その傑出した特性は、この化合物が通常の医薬調剤技術に従って医薬適合性の担体を伴う新規医薬組成物に調合される時、最も有効に利用される。
【0049】
この新規組成物は、少なくとも治療抗真菌または抗ニューモシスティス量の活性化合物を含有する。一般に、この組成物は、少なくとも1重量%の式Iの化合物を含有する。使用前の希釈液に適する濃縮組成物は、90重量%以上の組成物を含有しうる。こうした組成物には、経口、局所、非経口(腹腔内、皮下、筋肉内および静脈内を含む)、鼻内および坐薬投与または吸入に適する組成物が挙げられる。こうした組成物は、式Iの化合物を望ましい培地に適する成分と均質混合することによって事前包装することができる。
【0050】
経口投与用に調合された組成物は、液体組成物または固体組成物であることができる。液体製剤については、水、グリコール、油、アルコールおよびこれらに類するものなどの液体担体を用いて治療薬を調合することができ、また、カプセルおよび錠剤などの固体製剤については、ステアリン酸カルシウムなどの潤滑剤とともに結合剤、崩壊剤およびこれらに類するものを一般には含有する、デンプン、糖、カオリン、エチルセルロース、炭酸カルシウムおよびナトリウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、ラクトースなどの固体担体を用いて治療薬を調合することができる。錠剤およびカプセルは、投与が容易なため、最も有利な経口剤形の代表である。投与の容易さおよび投薬量の均一性のためには、組成物を単位剤形(下文にて定義)で調合すると、特に有利である。単位剤形での組成物は、本発明の一つの態様を構成する。
【0051】
組成物は、注射用に調合することができ、水中0.85%の塩化ナトリウムまたは5%のデキストロースなどの油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンなどの形態を取ることができ、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤などの調合剤を含有することができる。緩衝剤ならびに添加剤(生理食塩水またはグルコースなど)を添加して、溶液を等張性にすることができる。点滴静脈内投与のために、化合物をアルコール/プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールに溶解することもできる。これらの組成物は、望ましくは保存薬を添加した、アンプル内または複数回分用容器内の単位剤形で提供することもできる。あるいは、有効成分は、投与前に適するビヒクルと再構成するように、粉末形態であることができる。
【0052】
本明細書および特許請求の範囲で用いられている用語「単位剤形」は、各単位が医薬用担体と共同して望ましい治療効果を生じるように計算された所定量の有効成分を含有する物理的に別個の単位を指す。こうした単位剤形の例は、錠剤、カプセル、ピル、粉末パケット、カシェ剤、アンプル内または複数回分用容器内の定量単位である。本発明の単位投薬量は、一般に、本化合物のうちの一つを100〜200ミリグラム含む。
【0053】
本化合物が抗真菌用途用である時、あらゆる投与方法を用いることができる。真菌感染の治療には、通常、経口投与または静脈内投与が用いられる。
【0054】
本化合物をニューモシスティス感染の制御に用いるべき時には、肺および気管支を直接治療することが望ましい。このためには吸入法が好ましい。吸入による投与については、本発明の化合物は、加圧パックまたはネブライザーから、エーロゾルスプレー押し出しの形態で、適便に送達される。吸入のために好ましい送達系は、定量吸入(MDI)用エーロゾルあり、これは、過フッ化炭化水素または炭化水素などの適する噴射剤中の式Iの化合物の懸濁液または溶液として調合することができる。
【0055】
本発明の化合物は、錠剤、カプセル、局所用組成物、吸入用粉剤、坐薬およびこれらに類するものとして用いることができるが、水および水性媒体への本発明の化合物の溶解度によって注射用調合物で用いることができるようになり、また、エーロゾルスプレーに適する液体組成物でも用いることができるようになる。
【0056】
以下の実施例は、本発明を説明するものであるが、制限するものとは解釈しないでいただきたい。
【実施例1】
【0057】
【表3】
【0058】
パートA.ニューモカンジンB0(化合物Iとも呼ぶ)は、1993年4月13日発行の米国特許第5,202,309号に開示されており、好気条件下で真菌Glarea lozoyensis(Zalerion arboricolaとして以前に特定されたもの)を培養することによって生産する。ニューモカンジンB0の生産方法は、1993年3月16日発行の米国特許第5,194,377号に開示されている。ニューモカンジンB0は、ブダペスト条約のもと、12301 Parklawn Drive,Rockville,Md.20852のCulture Collection of American Type Culture Collectionに寄託されたGlarea lozoyensis、ATCC番号20868を培養することによって生産する。ニューモカンジンB0は、米国特許第5,939,384号に記載の手順に従って調製することもできる。あるいは、ニューモカンジンB0は、下記の手順に従って分離することができる。
【0059】
パートB.ニューモカンジンB0の別合成
培養
真菌Glarea lozoyensis(ATCC 74030)を用いて、化合物Iおよび構造関連類似体を生産する。この改良生産菌種は、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジンの突然変異誘発の逐次的段階によって、野生型生物、ATCC 20868(淡水のサンプルから分離したもの)から最終的に誘導した。その培養物を5%(容積/容積)グリセロール中の菌糸浮遊液のアリコートとして維持して、−70℃で保管した。
【0060】
フラスコ振盪スケールの発酵制御方法
1mLの解凍培養株とともに50mLのLYCP−5培地を収容した250mLエルレンマイヤーフラスコを無菌状態でインキュベートした。この第一段階の種培養物を220rpmで攪拌しながら25℃で3〜5日間インキュベートした。50mLのLYCP−5培地を収容した第二の250mLエルレンマイヤーフラスコに第一段階の種の1mL量を移した。第二段階の種培養物を3日間、上記のようにインキュベートした。
【0061】
【表4】
【0062】
試験した各不確定要素(すなわち、治療グループ)について、25mLのFGY培地(表2)またはその変種(下記のもの)を各々収容した幾つかの250mLエルレンマイヤーフラスコを第二段階の種5%(容積/容積)接種した。フラスコを220rpmで振盪しながら25℃で14日間インキュベートした。必要な場合には、各治療グループからフラスコを一つ取り出し、酸または塩基を添加してpHを5.0〜5.5に戻し、その後、それと同じ量の滅菌滴定液をそのグループの残りのフラスコに添加することによって、治療グループごとにpHを調整した。必要な場合には、一定量の滅菌フルクトース溶液を発酵中に添加して、残留濃度を特定の範囲内で維持した。
【0063】
【表5】
【0064】
生産されたニューモカンジンの分析は、全ブイヨンの有機溶媒での抽出、その後の標準的逆相および順相手順を用いたクロマトグラフ分析によって行った。ニューモカンジンB0の力価は、任意の「単位」として表す。構造類似体のレベルは、比率(生産されたニューモカンジンB0の量の%)として表す。
【0065】
アミノ酸の補充
発酵6日目またはほぼ6日目(すなわち、中間期)に、L−プロリン、trans−3−ヒドロキシ−L−プロリン、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、トレオニン、セリン、アルギニン、オルニチンまたはグルタミンの無菌液をその発酵に添加して、適切な最終濃度を得た。ニューモカンジンの抽出および分析は、発酵の14日後に行った。
【0066】
基礎培地中のプロリン濃度を上昇させると(0〜15g/L)、結果的として化合物XおよびXIのレベルが用量に依存して低下したが、化合物VIのレベルは、プロリン濃度の関数として上昇した(表3)。6日目またはほぼ6日目にこれらの治療グループ各々に15g/Lのプロリンを添加すると、結果として、各治療グループについて匹敵する力価をもたらしたが、培地中のプロリンの初期レベルの影響を相殺することはできなかった。
【0067】
【表6】
【0068】
ヒドロキシプロリンの中間期の添加は、発酵にも影響を及ぼす(表4)。trans−3−ヒドロキシ−L−プロリンを5g/L添加すると、結果として、力価が50%向上し、化合物X、VIおよびXIのレベルが劇的に低下した。逆に、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンを5g/L添加すると、結果として、化合物Xのレベルが二倍になり、他の類似体またはニューモカンジンB0の力価に対する影響が最小になった。
【0069】
【表7】
【0070】
Δ1−プロリン−5−カルボキシレート(P5C)に代謝されうるグルタミン、アルギニンおよびオルニチンなどのアミノ酸も、ニューモカンジンB0における3−ヒドロキシプロリンによって「占有された」位置に組み込まれる特異的アミノ酸によって定義される類似体に対して影響を有するように見受けられる(表5)。
【0071】
【表8】
【0072】
トレオニンまたはセリン5g/Lを培地に補充すると、結果として、それぞれ、化合物IVのレベルが完全に無くなるかまたは大きく上昇した(表6)。両方の場合において、化合物Iの力価は、30%低下した。追加研究によって、1g/Lのトレオニンは、化合物IVを許容レベルで維持するには充分であるが、化合物Iの力価に対する影響は有さないことが判明した。
【0073】
【表9】
【0074】
微量元素の影響
幾つかの微量元素を化合物Iの力価および生産された構造類似体のスペクトルに対する影響について試験した。第一鉄塩と等しい濃度で添加した時、亜鉛塩、コバルト塩およびニッケル塩は、最も顕著な影響を有した(表7)。亜鉛は、化合物Iの力価を50%低下させ、化合物VIのレベルを二倍にした。コバルトは、化合物Iの力価を25%低下させたが、化合物VI、VIII、IXおよびVのレベルを上昇させた。ニッケルの添加は、化合物Iの力価に対して影響を有さなかったが、化合物Vのレベルを上昇させた。
【0075】
【表10】
【0076】
オスモル濃度
この発酵では、残留フルクトース濃度を高濃度(>75g/L)または低濃度(<30g/L)で維持することによって、オスモル濃度を制御することができる。対照法における初期フルクトース濃度は125g/Lであり、14サイクルの間に50g/Lを2回添加することによって高濃度を維持する。あるいは、初期フルクトース濃度を40g/Lに低下させ、発酵の過程で25g/Lを数回添加して、低い残留糖レベルを維持することができる。「低」フルクトース法を行うと、化合物Iの力価が上昇するとともに、化合物Xのレベルが上昇する(表8)。化合物Xのレベル上昇は、塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウムなどの無機塩の添加によって相殺することができる。無機塩の添加は、低下したフルクトース濃度で行うことの影響を低下させる。これらの結果は、オスモル濃度がニューモカンジン合成において一定の役割を果たすことを示唆している。
【0077】
【表11】
【0078】
要約すると、ニューモカンジンB0のアミノ酸のヒドロキシル化パターンは、亜鉛、コバルトおよびニッケルの影響を受けやすい。加えて、生産培地へのアミノ酸の添加は、発酵によって生産されたニューモカンジンに直接的な影響を及ぼす。生産培地にプロリン、trans−3−ヒドロキシプロリンおよびtrans−4−ヒドロキシプロリンを補充することによって、ニューモカンジンB0にtrans−3またはtrans−4−ヒドロキシプロリン残基が組み込まれる。発酵にトレオニンを添加することによって、セリン類似体、化合物IVのレベルが制御される。
【0079】
従って、発酵に対するアミノ酸および微量元素の影響は、ニューモカンジンB0(化合物I)の生体合成に影響を及ぼす因子に対する洞察をもたらすものであり、構造類似体のレベルを低下させ、ニューモカンジンB0の力価を上昇させる改善された発酵法のために提供したものである。
【実施例2】
【0080】
式Iの化合物の調製
パートA.ニューモカンジンB0(15.9g、純型領域%89%、水分3.4重量%、0.0128mol)を乾燥THF(0.64L)に添加し、その浮遊液を3Åモレキュラーシーブの床を通して還流させることによって水分10mol%未満に乾燥させた。追加の乾燥THFを添加して、混合物を元の容積に再構成し、氷/水/メタノール浴でその浮遊液を4℃未満に冷却した。ニートBH3SMe2(10.91g、0.144g)を10分間かけて添加し、その反応混合物を、出発原料の生産物に対する比率が反応の終了を示す1:1になるまで(3.5時間)、HPLCによってモニターした。4時間で、その混合物を−12℃に冷却し、2NのHCl(0.036L)でゆっくりと反応を停止させた。この溶液を水で1.14Lに希釈した。化合物IIのアッセイ収量は、6.60g(47%)であった。その反応停止溶液を水で4Lに希釈し、LiChroprep RP−C18吸着剤(158g)の中圧カラムに充填した。充填後、カラムを1.2Lの水で洗浄し、そのアミンを1:4(容積/容積)のアセトニトリル/水1.9L、次いで1:3(容積/容積)のアセトニトリル/水0.38Lで溶離した。そのリッチカット(>80領域%)を混合し、水で希釈して1:7.3(容積/容積)アセトニトリル/水(合計1.7L)にした。この混合物を上記のものと同じカラムに充填し、そのカラムを0.57Lの水で洗浄した。所望の化合物を0.57Lのメタノールで抽出した。そのリッチカット画分(>85領域%)を混合し、ロータリーエバポレータおよび静的高真空によって濃縮して、43%の分離収率のために5.92gの化合物2の塩酸塩を含有する6.81g(純型87重量%、水分6.8重量%)を得た。部分1H−NMR(400MHz、CD3OD):δ7.12(d,2H)、6.75(d,2H)、5.18(d,1H)、4.97(d,1H)、1.19(d,3H)、0.89(t,3H)、0.86(d,6H)。質量スペクトル(FAB)m/z(M+Li)+:1058。
【0081】
パートB.図式Iに示した化合物2(0.220g、0.202mmol)を1:1(容積/容積)アセトニトリル/水(8mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.060mL、0.43mmol)を添加し、その濁った混合物を室温で一晩攪拌した。午前中に追加のトリエチルアミン0.060mLを添加し、混合物をさらに2時間攪拌した。HPLC分析(45:55(容積/容積)のアセトニトリル/水/0.1%のTFA、Zorbax C18、1.5mL/分)は、出発原料(RRT 4.83分)より所望の生産物(RRT 5.68分)のほうが優勢であることを示した。この反応混合物を0.5mLの氷酢酸で酸性化し、真空下で濃縮した。分取HPLC(42:58(容積/容積)のアセトニトリル/水/0.1%のTFA、Waters DELTAPAK C−18 19X300mm、12mL/分)による精製によって、式Iの化合物をヘミアミナール中心での二つの異性体の混合物として得た(HPLC分析による純度98%)。部分1H NMR(400MHz、CD3OD):δ7.20および7.18(d,2H)、6.74(d,2H)、5.32および5.27(d,1H)。質量スペクトル(ESI)m/z(M+H)+:1051.7。
【0001】
本発明は、抗真菌活性を有する下記式I:
【0002】
【化1】
の代謝化合物の同定に関する。この代謝産物は、ヒトの血漿において生産されるCANCIDAS(商標)(酢酸カスポフンジン(caspofungin acetate))の主たる代謝物であることがわかった。酢酸カスポフンジンは、カンジダ感染、アスペルギウス感染、ニューモシスティス−カリニ感染および他の真菌感染の非経口治療用に開発された半合成抗真菌剤である。その活性は、β−(1,3)−グルカン(標的生物の細胞壁内在性成分)の合成の阻害によって媒介される。カスポフンジンは、米国特許第5,378,804号に開示されている分子量1094の大環状ペプチドである。この化合物は、アミナール部分を含む様々な潜在的に反応性の官能基を有する。この代謝物は、オルニチン残基中のアミナールを加水分解し、開環し、再環化して、二つの異性体5員環状ヘミアミナール生成物を生成することによって、生産される。これらの二つの異性体は、高速液体クロマトグラフィーによって容易に分解されないため、一つの生産物として一緒に分離し、まとめて「代謝物」と呼ばれる。
【0003】
【化2】
【背景技術】
【0004】
ニューモカンジンB0の関連開環類似体が、非常に劣ったβ−(1,3)−グルカン合成活性を有すると判明することは、先行の研究において見極められていたことだった。しかし、式Iのこのヘキサペプチド代謝物は、カンジダ分離菌に対して驚くべき活性を有することが判明した。
【0005】
ニューモカンジンB0の開環類似体は、Merck Research Laboratoriesによって開示されている。J.M.Balkovecら、「新規エキノカンジンリポペプチドの水溶性プロドラッグの合成、安定性および生物学的評価。全身性カンジダ症およびニューモシスティスカリニ肺炎(PCP)の治療用に可能性のある臨床薬の発見(Synthesis,Stability and Biological Evaluation of Water Soluble Prodrugs of New Echinocandin Lipopeptide.Discovery of a Potential Clinical Agent for the Treatment of Systemic Candidiasis and Pneumocystis carinii Pneumonia(PCP))」J.Med.Chem.1992,35,194−8を参照のこと。化合物2(式Iの化合物の合成における中間体)の合成は、F.A.Bouffardら、「新規カチオン性ニューモカンジンB0誘導体の合成および抗真菌活性(Synthesis and Antifungal Activiry of Novel Cationic Pneumocandin B0 Derivatives)」J.Med.Chem.1994,37,222−5によって最初に説明された。式Iの化合物の調製は、Merck Research Laboratoriesによって開示されている手順に従うことにより分離することができるニューモカンジンB0を用いて開始する。R.E.Schwartzら、「Zalerion arboricola Iからのニューモカンジン。発見および分離(Pneumocandins from Zalerion arboricola I.Discovery and isolation)」J.Antibiot.(1992)45:1853−1866、およびP.S.Masurekarら、「Zalerion arboricola IIからのニューモカンジン。突然変異および培地操作による生産物スペクトルの修飾(Pneumocandins from Zalerion arboricola II.Modificaton of product spectrum by mutation and medium manipulation)」J.Antibiot.(1992)45:1867−1874、および米国特許第5,194,377号および同第5,202,309号を参照のこと。米国特許第5,854,212号および同第5,939,384号は、ニューモカンジンB0の調製方法も開示している。実施例1を参照のこと。
【0006】
最近の開示物は、カスポフンジンの代謝/分解副生産物の形成を論議している。XU,X.,DELUNA,F.,YUANG,A.,CYLC,D.,DAVIS,M.,SAHLY,YおよびLIN,J.H.を参照のこと。ラットでは、遅い肝摂取および排出は、L−743,872(強力な抗真菌剤)の動態に重要な役割を果たす。Ammerican Association of Pharmaceutical Scientists 10th Annual Meeting(AAPS),Seattle,Washington,10/26/1996−10/31/1996;KAUFMAN,M.J.and NERURKAR,M.「大環状抗真菌剤L−743,872の分解:反応生成物および動態、ならびに安定化戦略(Degradation of the macrocyclic antifungal agent L−743,872:Reaction products and kinetics,and stabilizaiton strategies)」での発表の故。American Chemical Society 31st Middle Atlanitc Regional Meeting,Pleasantville,New York,05/27/1997−05/30/1997;KAUFMAN,M.J.and NERURKAR,M.「大環状抗真菌剤L−743,872の分解:反応生成物および動態、ならびに安定化戦略(Degradation of the macrocyclic antifungal agent L−743,872:Reaction products and kinetics,and stabilizaiton strategies)」での発表の故。American Chemical Society 31st Middle Atlanitc Regional Meeting,Pleasantville,New York,05/27/1997−05/30/1997;BALANI,S.K.,XU,X.,ARISON,B.H.,SILVA,M.V.,GRIES,A.,DELUNA,F.A.,CUI,D.,KARI,P.H.,LY,T.,HOP,C.E.C.A.,SINGH,R.,WALLACE,M.A.,DEAN,D.C.,LIN,J.H.,PEARSON,P.G.and BAILLIE,T.A.「ヒトの血漿および尿中の酢酸カスポフンジン、強力な抗真菌剤、の代謝物質(Metabilites of caspofungin acetate,a potent antifungal agent,in human plasma and urine)」での発表の故。薬物代謝および動態(Drug Metabolism and Disposition)、ならびにMCQUADE,M.S.,FORSYTH,R.J.,ZIMMERMAN,J.and ROBERTS,J.C.「通常用いられる静脈内適用溶液および軟質ポリ塩化ビニル容器中での再構成Canicidas(商標)(酢酸カスポフンジン)の安定性(Stability of reconstituted CancidasTM(caspofungin acetate)in commonly used i.v.solution and flexible polyvinyl chloride containers)」に準拠する故。American Journal of Health−System Pharmacyに準拠する故。
【発明の開示】
【0007】
真菌感染を治療するための方法であって、有効量の下記式I:
【0008】
【化3】
の化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な哺乳動物の患者に投与することを含む方法。本発明のさらなる態様には、1)真菌感染を制御するための方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な免疫構成患者に投与することを含む方法;2)ニューモシスティス肺炎を制御する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な免疫構成患者に投与することを含む方法;3)式Iの化合物またはその医薬適合性の塩、ならびにアゾールまたはポリエン、プリンまたはピリミジンヌクレオチド阻害剤、キチン合成阻害剤、延長因子阻害剤、マンナン形成抗真菌剤、殺菌性/透過性誘発(BPI)蛋白質産物、および複合糖質抗真菌剤から成る群より選択される第二抗真菌剤を含む医薬組成物;および4)真菌感染を治療するための方法であって、有効量の、式Iの化合物またはその医薬適合性の塩と、アゾールまたはポリエン、プリンまたはピリミジンヌクレオチド阻害剤、キチン合成阻害剤、延長因子阻害剤、マンナン形成抗真菌剤、殺菌性/透過性誘発(BPI)蛋白質産物、および複合糖質抗真菌剤から成る群より選択される第二抗真菌剤から成る群より選択される第二抗真菌剤との組み合わせを、そうした治療が必要な哺乳動物患者に投与することを含む方法が挙げられる。
【0009】
(発明の詳細な説明)
真菌感染を治療するための方法であって、有効量の下記式I:
【0010】
【化4】
の化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な哺乳動物の患者に投与することを含む方法。
【0011】
式Iの化合物が、医薬適合性の担体を伴う前記化合物の医薬組成物として投与される、上に記載の方法。
【0012】
医薬組成物が、非経口投与または経口投与される、上に記載の方法。
【0013】
医薬組成物が、非経口投与される、上に記載の方法。
【0014】
医薬組成物が、静脈内注入によって投与される、上に記載の方法。
【0015】
真菌感染を制御するための方法であって、有効量の下記式I
【0016】
【化5】
の化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な哺乳動物の患者に投与することを含む方法。
【0017】
式Iの化合物が、医薬適合性の担体を伴う前記化合物の医薬組成物として投与される、上に記載の方法。
【0018】
医薬組成物が、非経口投与される、上に記載の方法。
【0019】
医薬組成物が、静脈内注射によって投与される、上に記載の方法。
【0020】
医薬組成物が、静脈内注入によって投与される、上に記載の方法。
【0021】
ニューモシスティス肺炎を制御する方法であって、有効量の下記式I:
【0022】
【化6】
の化合物またはその医薬適合性の塩を、そうした治療が必要な免疫構成患者に投与することを含む方法。
【0023】
式Iの化合物が、医薬適合性の担体を伴う前記化合物の医薬組成物として投与される、上に記載の方法。
【0024】
医薬組成物が、非経口投与される、上に記載の方法。
【0025】
医薬組成物が、静脈内注射によって投与される、上に記載の方法。
【0026】
医薬組成物が、静脈内注入によって投与される、上に記載の方法。
【0027】
本発明は、記式Iの化合物と第二抗真菌剤の組み合わせを含む医薬組成物、ならびに式Iの抗真菌化合物および第二抗真菌剤の投与を含む抗真菌併用療法にも関する。
【0028】
この併用療法は、これら二つの薬剤の逐次、同時または並行投与を含むものとする。より詳細には、本発明は、アゾールまたはポリエン、プリンまたはピリミジンヌクレオチド阻害剤、キチン合成阻害剤、延長因子阻害剤、マンナン形成抗真菌剤、殺菌性/透過性誘発(BPI)蛋白質産物、および複合糖質抗真菌剤などの第二抗真菌剤の使用を含む抗真菌併用療法に関する。
【0029】
こうした第二抗真菌剤の代表例は、フルコナゾール、ボリコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾールなどのアゾール;アンフォテリシンB、ナイスタチンまたはそのリポソームおよびリピド形態(ABELCET、AMBISOMEおよびAMPHOCILなど);フルシトシンなどのプリンまたはピリミジンヌクレオチド阻害剤;またはニッコマイシン(特に、ニッコマイシンZ)などのポリオキシンまたは他のキチン合成阻害剤;ソルダリンおよびその類似体などの延長因子阻害剤;プラダマイシンなどのマンナン形成抗真菌剤;XMP.97もしくはXMP.127などの殺菌性/透過性誘発(BPI)蛋白質産物;またはCAN−296などの複合糖質抗真菌剤である。
【0030】
特に、本併用療法は、クリプトコックス属、カンジダ属、アスペルギウス属、ヒストプラズマ属、コクシジオイデス属、パラコクシジオイデス属、ブラストミセス属、フザリウム属、スポロトリクス属、トリコスポロン属、クモノスカビ属、シュードアレシェリア属、皮膚糸状菌、ペシロミセス属、アルテルナリア属、フルブラリア属、エキソフィアラ属、ワンギエラ属、ペニシリウム属、サッカロミセス属、黒色真菌およびニューモシスティス−カリニなどの日和見病原体に対して有用であることが判明した。
【0031】
CANCIDAS(商標)(酢酸カスポフンジン)は、米国特許第5,378,804号に開示されており、その調製法は、前記特許および米国特許第5,552,521号に記載されている。
【0032】
アゾール、ポリエンまたは他の抗真菌剤は、経口投与または非経口投与することができる。式Iの化合物は、好ましくは、非経口投与されるが、その経路に限定されず、経口、筋肉内もしくは皮下などの他の経路によっても投与されうる。
【0033】
併用療法は、すべての薬剤の部分阻害濃度を利用して、結果的に作用を強化する。これらの作用は、カンジダ−ネオフォーマンス、カンジダ−ルビカンス、アスペルギウス−フミガーツスの臨床および環境菌株を用いて、インビトロおよびインビボで実証することができる。
【0034】
式Iの化合物は、動物性の基を加水分解し、その後、開環して、オルニチン基のN2上へ再び環化することによって、カスポフンジンから生成する。
【0035】
式Iの化合物は、図式1に概要を示す手順に従って、ニューモカンジンB0(化合物I)から調製することができる。簡単にいえば、ニューモカンジンB0の3−ヒドロキシグルタミン残基を還元して、化合物2を得ることができる。ボラン−硫化ジメチル複合体が、好ましい還元剤である。化合物2をトリエチルアミンなどの塩基で処理して開環させ、その後の再び環化して、式Iの化合物を得ることができる。式Iの化合物は、新たに生成されるヘミアミナール基での二つの異性体の混合物として生成される。これらの異性体は、標準的なクロマトグラフ技術によって容易に分離することができないため、混合物として用いることとなる。
【0036】
【化7】
【0037】
本発明は、酸付加塩も包含する。分離の標準的な過程での式Iの化合物は、酸付加塩として得られる。従って、この塩を水に溶解し、望ましいアニオンを有するアニオン交換カラムに通すことができる。その望ましい塩を含有する溶離液を濃縮して、その塩を固体生成物として回収することができる。
【0038】
式Iの化合物をプロトコルM27−Aに従って酵母菌感受性について試験した。このプロトコルは、それらの酵母分離菌を抗真菌剤に対する感受性についてすべて臨床検査する標準的プロトコルである。J.N.Galgianiら、「液体希釈抗真菌感受性試験についての参照法:承認基準M27−A(参照F−7)(Reference Method for Broth Dilution Antifungal Susceptibility Testing:Approved Standard M27−A(Reference F−7))」、米国臨床研究所規格委員会(National Committee for Clinical Laboratory Standards)1997;17(9):1−29を参照のこと。この方法の記載は次のとおりである:接種材料は、分光光電光度計(光学密度、550nm)で標準化し、希釈して、L−グルタミンを含有し、炭酸水素ナトリウムを含有せず、0.165MのMOPS(モルホリンプロパンスルホン酸)で緩衝されたRPMI1640培地(BioWhittaker,Walkersville,MD)中での最終濃度0.5×103〜2.5×103にした。
【0039】
式Iの化合物とともに適切な対照標準物質を、滅菌脱イオン水中の濃縮保存溶液として調製し、PRMI1640培地中で希釈し、128μg/mLから二段階希釈法で0.06μg/mLに低下する濃度範囲で試験した。最小阻止濃度(MIC)は、35℃で24または48時間インキュベーションした後、目に見える増殖を完全に阻害した化合物の最小濃度と定義した。
【0040】
標準試料をM38−P[米国臨床研究所規格委員会。分生子形成性糸状菌の液体希釈真菌感受性試験についての参照法(Reference method for broth dilution antifungal susceptibility testing of conidium−forming filamentous fungi)。推奨基準M38−P。Wayne,PA:米国臨床研究所規格委員会;1998]にすること、接種材料最終濃度を分生子1〜5×104/mLにしたこと、およびMICを増殖対照と比較した時、増殖を顕著に低下させる(対照の約50%)化合物の最低濃度と定義すること以外は、上に記載したものと同じ方法をアスペルギウスに用いた。結果を表Aに示す:
【0041】
【表1】
【0042】
式Iの化合物は、真菌に対するインビボでの有効性も示し、これは、次のインビボアッセイを利用して実証することができる。
【0043】
カンジダ−アルビカンス MY 1055のオーバーナイトSDA培養物からの増殖物を滅菌サリンに浮遊させ、その細胞濃度を血球計数器での計数によって測定し、細胞浮遊液を細胞3.75×105/mLにした。その後、最終接種材料が細胞7.5×104/mLになるように、この浮遊液の0.2ミリリットルをマウスの尾静脈に静脈内投与した。
【0044】
その後、上記の方法であらかじめカンジダ−アルビカンスに感染させた18〜20グラムの雌DBA/2マウスに、式Iの化合物の水溶液を1日の間、1日3回(t.i.d.)、様々な濃度で腹腔内(I.P.)投与することによって、アッセイを行った。対照として、脱イオン水をカンジダ−アルビカンス感染マウスにI.P.投与した。24時間後、二酸化炭素ガスによってマウスを犠牲にし、対の腎臓を無菌状態で取り出し、滅菌サリン5ミリリットルを収容した無菌ポリエチレンバッグに入れた。腎臓をバッグ内でホモジナイズし、滅菌サリン中で系列希釈して、アリコートをSDAプレートの表面に塗布した。そのプレートを35℃で48時間インキュベートし、酵母菌コロニーを数えて、腎臓1グラムあたりのコロニー形成単位(CFU)の数を決定した。結果を表Bに示す。式Iの化合物は、0.31、1.25、5および10mg/kg/日の用量で感染させた動物の腎臓における汚染組織数を減少させた。
【0045】
【表2】
【0046】
式Iの化合物は、免疫無防備状態の患者におけるニューモシスティス−カリニ感染の阻害または緩和にも有用である。治療目的または抗感染目的のための本発明の化合物の効能は、免疫抑制ラットでの研究で実証することができる。
【0047】
代表的な研究では、Sprague−Dawleyラット(体重約250グラム)を飲み水の中のデキサメタゾン(2.0mg/L)で免疫抑制し、7週間低蛋白食を続けて、潜伏感染からのニューモシスティス肺炎の発症を誘発する。薬物治療の前に、2匹のラットを犠牲にして、ニューモシスティスカリニ肺炎(PCP)の存在を確認する。5匹のラット(体重約150グラム)に1日2回、4日間、ビヒクル(蒸留水)0.25mL中の式Iの化合物を皮下(sc)注射する。ビヒクル対照も行う。すべての動物は、治療期間中、飲み水の中のデキサメタゾンおよび低蛋白食を摂取し続ける。治療完了時、すべての動物を犠牲にし、肺を取り出して、処理し、染色されたスライドの顕微鏡分析によって疾病の広がりを測定した。
【0048】
その傑出した特性は、この化合物が通常の医薬調剤技術に従って医薬適合性の担体を伴う新規医薬組成物に調合される時、最も有効に利用される。
【0049】
この新規組成物は、少なくとも治療抗真菌または抗ニューモシスティス量の活性化合物を含有する。一般に、この組成物は、少なくとも1重量%の式Iの化合物を含有する。使用前の希釈液に適する濃縮組成物は、90重量%以上の組成物を含有しうる。こうした組成物には、経口、局所、非経口(腹腔内、皮下、筋肉内および静脈内を含む)、鼻内および坐薬投与または吸入に適する組成物が挙げられる。こうした組成物は、式Iの化合物を望ましい培地に適する成分と均質混合することによって事前包装することができる。
【0050】
経口投与用に調合された組成物は、液体組成物または固体組成物であることができる。液体製剤については、水、グリコール、油、アルコールおよびこれらに類するものなどの液体担体を用いて治療薬を調合することができ、また、カプセルおよび錠剤などの固体製剤については、ステアリン酸カルシウムなどの潤滑剤とともに結合剤、崩壊剤およびこれらに類するものを一般には含有する、デンプン、糖、カオリン、エチルセルロース、炭酸カルシウムおよびナトリウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、ラクトースなどの固体担体を用いて治療薬を調合することができる。錠剤およびカプセルは、投与が容易なため、最も有利な経口剤形の代表である。投与の容易さおよび投薬量の均一性のためには、組成物を単位剤形(下文にて定義)で調合すると、特に有利である。単位剤形での組成物は、本発明の一つの態様を構成する。
【0051】
組成物は、注射用に調合することができ、水中0.85%の塩化ナトリウムまたは5%のデキストロースなどの油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンなどの形態を取ることができ、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤などの調合剤を含有することができる。緩衝剤ならびに添加剤(生理食塩水またはグルコースなど)を添加して、溶液を等張性にすることができる。点滴静脈内投与のために、化合物をアルコール/プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールに溶解することもできる。これらの組成物は、望ましくは保存薬を添加した、アンプル内または複数回分用容器内の単位剤形で提供することもできる。あるいは、有効成分は、投与前に適するビヒクルと再構成するように、粉末形態であることができる。
【0052】
本明細書および特許請求の範囲で用いられている用語「単位剤形」は、各単位が医薬用担体と共同して望ましい治療効果を生じるように計算された所定量の有効成分を含有する物理的に別個の単位を指す。こうした単位剤形の例は、錠剤、カプセル、ピル、粉末パケット、カシェ剤、アンプル内または複数回分用容器内の定量単位である。本発明の単位投薬量は、一般に、本化合物のうちの一つを100〜200ミリグラム含む。
【0053】
本化合物が抗真菌用途用である時、あらゆる投与方法を用いることができる。真菌感染の治療には、通常、経口投与または静脈内投与が用いられる。
【0054】
本化合物をニューモシスティス感染の制御に用いるべき時には、肺および気管支を直接治療することが望ましい。このためには吸入法が好ましい。吸入による投与については、本発明の化合物は、加圧パックまたはネブライザーから、エーロゾルスプレー押し出しの形態で、適便に送達される。吸入のために好ましい送達系は、定量吸入(MDI)用エーロゾルあり、これは、過フッ化炭化水素または炭化水素などの適する噴射剤中の式Iの化合物の懸濁液または溶液として調合することができる。
【0055】
本発明の化合物は、錠剤、カプセル、局所用組成物、吸入用粉剤、坐薬およびこれらに類するものとして用いることができるが、水および水性媒体への本発明の化合物の溶解度によって注射用調合物で用いることができるようになり、また、エーロゾルスプレーに適する液体組成物でも用いることができるようになる。
【0056】
以下の実施例は、本発明を説明するものであるが、制限するものとは解釈しないでいただきたい。
【実施例1】
【0057】
【表3】
【0058】
パートA.ニューモカンジンB0(化合物Iとも呼ぶ)は、1993年4月13日発行の米国特許第5,202,309号に開示されており、好気条件下で真菌Glarea lozoyensis(Zalerion arboricolaとして以前に特定されたもの)を培養することによって生産する。ニューモカンジンB0の生産方法は、1993年3月16日発行の米国特許第5,194,377号に開示されている。ニューモカンジンB0は、ブダペスト条約のもと、12301 Parklawn Drive,Rockville,Md.20852のCulture Collection of American Type Culture Collectionに寄託されたGlarea lozoyensis、ATCC番号20868を培養することによって生産する。ニューモカンジンB0は、米国特許第5,939,384号に記載の手順に従って調製することもできる。あるいは、ニューモカンジンB0は、下記の手順に従って分離することができる。
【0059】
パートB.ニューモカンジンB0の別合成
培養
真菌Glarea lozoyensis(ATCC 74030)を用いて、化合物Iおよび構造関連類似体を生産する。この改良生産菌種は、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジンの突然変異誘発の逐次的段階によって、野生型生物、ATCC 20868(淡水のサンプルから分離したもの)から最終的に誘導した。その培養物を5%(容積/容積)グリセロール中の菌糸浮遊液のアリコートとして維持して、−70℃で保管した。
【0060】
フラスコ振盪スケールの発酵制御方法
1mLの解凍培養株とともに50mLのLYCP−5培地を収容した250mLエルレンマイヤーフラスコを無菌状態でインキュベートした。この第一段階の種培養物を220rpmで攪拌しながら25℃で3〜5日間インキュベートした。50mLのLYCP−5培地を収容した第二の250mLエルレンマイヤーフラスコに第一段階の種の1mL量を移した。第二段階の種培養物を3日間、上記のようにインキュベートした。
【0061】
【表4】
【0062】
試験した各不確定要素(すなわち、治療グループ)について、25mLのFGY培地(表2)またはその変種(下記のもの)を各々収容した幾つかの250mLエルレンマイヤーフラスコを第二段階の種5%(容積/容積)接種した。フラスコを220rpmで振盪しながら25℃で14日間インキュベートした。必要な場合には、各治療グループからフラスコを一つ取り出し、酸または塩基を添加してpHを5.0〜5.5に戻し、その後、それと同じ量の滅菌滴定液をそのグループの残りのフラスコに添加することによって、治療グループごとにpHを調整した。必要な場合には、一定量の滅菌フルクトース溶液を発酵中に添加して、残留濃度を特定の範囲内で維持した。
【0063】
【表5】
【0064】
生産されたニューモカンジンの分析は、全ブイヨンの有機溶媒での抽出、その後の標準的逆相および順相手順を用いたクロマトグラフ分析によって行った。ニューモカンジンB0の力価は、任意の「単位」として表す。構造類似体のレベルは、比率(生産されたニューモカンジンB0の量の%)として表す。
【0065】
アミノ酸の補充
発酵6日目またはほぼ6日目(すなわち、中間期)に、L−プロリン、trans−3−ヒドロキシ−L−プロリン、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、トレオニン、セリン、アルギニン、オルニチンまたはグルタミンの無菌液をその発酵に添加して、適切な最終濃度を得た。ニューモカンジンの抽出および分析は、発酵の14日後に行った。
【0066】
基礎培地中のプロリン濃度を上昇させると(0〜15g/L)、結果的として化合物XおよびXIのレベルが用量に依存して低下したが、化合物VIのレベルは、プロリン濃度の関数として上昇した(表3)。6日目またはほぼ6日目にこれらの治療グループ各々に15g/Lのプロリンを添加すると、結果として、各治療グループについて匹敵する力価をもたらしたが、培地中のプロリンの初期レベルの影響を相殺することはできなかった。
【0067】
【表6】
【0068】
ヒドロキシプロリンの中間期の添加は、発酵にも影響を及ぼす(表4)。trans−3−ヒドロキシ−L−プロリンを5g/L添加すると、結果として、力価が50%向上し、化合物X、VIおよびXIのレベルが劇的に低下した。逆に、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンを5g/L添加すると、結果として、化合物Xのレベルが二倍になり、他の類似体またはニューモカンジンB0の力価に対する影響が最小になった。
【0069】
【表7】
【0070】
Δ1−プロリン−5−カルボキシレート(P5C)に代謝されうるグルタミン、アルギニンおよびオルニチンなどのアミノ酸も、ニューモカンジンB0における3−ヒドロキシプロリンによって「占有された」位置に組み込まれる特異的アミノ酸によって定義される類似体に対して影響を有するように見受けられる(表5)。
【0071】
【表8】
【0072】
トレオニンまたはセリン5g/Lを培地に補充すると、結果として、それぞれ、化合物IVのレベルが完全に無くなるかまたは大きく上昇した(表6)。両方の場合において、化合物Iの力価は、30%低下した。追加研究によって、1g/Lのトレオニンは、化合物IVを許容レベルで維持するには充分であるが、化合物Iの力価に対する影響は有さないことが判明した。
【0073】
【表9】
【0074】
微量元素の影響
幾つかの微量元素を化合物Iの力価および生産された構造類似体のスペクトルに対する影響について試験した。第一鉄塩と等しい濃度で添加した時、亜鉛塩、コバルト塩およびニッケル塩は、最も顕著な影響を有した(表7)。亜鉛は、化合物Iの力価を50%低下させ、化合物VIのレベルを二倍にした。コバルトは、化合物Iの力価を25%低下させたが、化合物VI、VIII、IXおよびVのレベルを上昇させた。ニッケルの添加は、化合物Iの力価に対して影響を有さなかったが、化合物Vのレベルを上昇させた。
【0075】
【表10】
【0076】
オスモル濃度
この発酵では、残留フルクトース濃度を高濃度(>75g/L)または低濃度(<30g/L)で維持することによって、オスモル濃度を制御することができる。対照法における初期フルクトース濃度は125g/Lであり、14サイクルの間に50g/Lを2回添加することによって高濃度を維持する。あるいは、初期フルクトース濃度を40g/Lに低下させ、発酵の過程で25g/Lを数回添加して、低い残留糖レベルを維持することができる。「低」フルクトース法を行うと、化合物Iの力価が上昇するとともに、化合物Xのレベルが上昇する(表8)。化合物Xのレベル上昇は、塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウムなどの無機塩の添加によって相殺することができる。無機塩の添加は、低下したフルクトース濃度で行うことの影響を低下させる。これらの結果は、オスモル濃度がニューモカンジン合成において一定の役割を果たすことを示唆している。
【0077】
【表11】
【0078】
要約すると、ニューモカンジンB0のアミノ酸のヒドロキシル化パターンは、亜鉛、コバルトおよびニッケルの影響を受けやすい。加えて、生産培地へのアミノ酸の添加は、発酵によって生産されたニューモカンジンに直接的な影響を及ぼす。生産培地にプロリン、trans−3−ヒドロキシプロリンおよびtrans−4−ヒドロキシプロリンを補充することによって、ニューモカンジンB0にtrans−3またはtrans−4−ヒドロキシプロリン残基が組み込まれる。発酵にトレオニンを添加することによって、セリン類似体、化合物IVのレベルが制御される。
【0079】
従って、発酵に対するアミノ酸および微量元素の影響は、ニューモカンジンB0(化合物I)の生体合成に影響を及ぼす因子に対する洞察をもたらすものであり、構造類似体のレベルを低下させ、ニューモカンジンB0の力価を上昇させる改善された発酵法のために提供したものである。
【実施例2】
【0080】
式Iの化合物の調製
パートA.ニューモカンジンB0(15.9g、純型領域%89%、水分3.4重量%、0.0128mol)を乾燥THF(0.64L)に添加し、その浮遊液を3Åモレキュラーシーブの床を通して還流させることによって水分10mol%未満に乾燥させた。追加の乾燥THFを添加して、混合物を元の容積に再構成し、氷/水/メタノール浴でその浮遊液を4℃未満に冷却した。ニートBH3SMe2(10.91g、0.144g)を10分間かけて添加し、その反応混合物を、出発原料の生産物に対する比率が反応の終了を示す1:1になるまで(3.5時間)、HPLCによってモニターした。4時間で、その混合物を−12℃に冷却し、2NのHCl(0.036L)でゆっくりと反応を停止させた。この溶液を水で1.14Lに希釈した。化合物IIのアッセイ収量は、6.60g(47%)であった。その反応停止溶液を水で4Lに希釈し、LiChroprep RP−C18吸着剤(158g)の中圧カラムに充填した。充填後、カラムを1.2Lの水で洗浄し、そのアミンを1:4(容積/容積)のアセトニトリル/水1.9L、次いで1:3(容積/容積)のアセトニトリル/水0.38Lで溶離した。そのリッチカット(>80領域%)を混合し、水で希釈して1:7.3(容積/容積)アセトニトリル/水(合計1.7L)にした。この混合物を上記のものと同じカラムに充填し、そのカラムを0.57Lの水で洗浄した。所望の化合物を0.57Lのメタノールで抽出した。そのリッチカット画分(>85領域%)を混合し、ロータリーエバポレータおよび静的高真空によって濃縮して、43%の分離収率のために5.92gの化合物2の塩酸塩を含有する6.81g(純型87重量%、水分6.8重量%)を得た。部分1H−NMR(400MHz、CD3OD):δ7.12(d,2H)、6.75(d,2H)、5.18(d,1H)、4.97(d,1H)、1.19(d,3H)、0.89(t,3H)、0.86(d,6H)。質量スペクトル(FAB)m/z(M+Li)+:1058。
【0081】
パートB.図式Iに示した化合物2(0.220g、0.202mmol)を1:1(容積/容積)アセトニトリル/水(8mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.060mL、0.43mmol)を添加し、その濁った混合物を室温で一晩攪拌した。午前中に追加のトリエチルアミン0.060mLを添加し、混合物をさらに2時間攪拌した。HPLC分析(45:55(容積/容積)のアセトニトリル/水/0.1%のTFA、Zorbax C18、1.5mL/分)は、出発原料(RRT 4.83分)より所望の生産物(RRT 5.68分)のほうが優勢であることを示した。この反応混合物を0.5mLの氷酢酸で酸性化し、真空下で濃縮した。分取HPLC(42:58(容積/容積)のアセトニトリル/水/0.1%のTFA、Waters DELTAPAK C−18 19X300mm、12mL/分)による精製によって、式Iの化合物をヘミアミナール中心での二つの異性体の混合物として得た(HPLC分析による純度98%)。部分1H NMR(400MHz、CD3OD):δ7.20および7.18(d,2H)、6.74(d,2H)、5.32および5.27(d,1H)。質量スペクトル(ESI)m/z(M+H)+:1051.7。
Claims (22)
- 真菌感染を治療するための方法であって、有効量の下記式I:
- 式Iの化合物が、医薬適合性の担体を伴う前記化合物の医薬組成物として投与される、請求項1に記載の方法。
- 医薬組成物が、非経口投与または経口投与される、請求項2に記載の方法。
- 医薬組成物が、非経口投与される、請求項3に記載の方法。
- 医薬組成物が、静脈内注入によって投与される、請求項4に記載の方法。
- 真菌感染を制御するための方法であって、有効量の下記式I
- 式Iの化合物が、医薬適合性の担体を伴う前記化合物の医薬組成物として投与される、請求項1に記載の方法。
- 医薬組成物が、非経口投与または経口投与される、請求項7に記載の方法。
- 医薬組成物が、非経口投与される、請求項8に記載の方法。
- 医薬組成物が、静脈内注入によって投与される、請求項9に記載の方法。
- ニューモシスティス肺炎を制御する方法であって、有効量の下記式I:
- 式Iの化合物が、医薬適合性の担体を伴う前記化合物の医薬組成物として投与される、請求項11に記載の方法。
- 医薬組成物が、非経口投与または経口投与される、請求項1に記載の方法。
- 医薬組成物が、非経口投与される、請求項1に記載の方法。
- 医薬組成物が、静脈内注入によって投与される、請求項1に記載の方法。
- 下記式I:
- 第二抗真菌剤が、アゾール:フルコナゾール、ボリコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ラブコナゾール、またはポサコナゾールである、請求項16に記載の医薬組成物。
- 第二抗真菌剤が、ポリエン:アンフォテリシンB、ナイスタチンまたはそのリポソーム、ABELCET、AMBISOMEもしくはAMPHOCILである、請求項16に記載の医薬組成物。
- 真菌感染を治療するための方法であって、有効量の、下記式I:
- 前記組み合わせの投与が、逐次、同時または並行投与である、請求項19に記載の治療方法。
- 第二抗真菌剤が、アゾール:フルコナゾール、ボリコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ラブコナゾール、またはポサコナゾールである、請求項20に記載の治療方法。
- 第二抗真菌剤が、ポリエン:アンフォテリシンB、ナイスタチンまたはそのリポソーム、ABELCET、AMBISOMEまたはAMPHOCILである、請求項20に記載の治療方法。
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