JP2004520092A - 圧力応答手段および関連製造方法 - Google Patents
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Abstract
吸入器において使用するのに適した圧力応答手段(40)が提供され、圧力応答手段(40)は、閉じたフレーム(42)を含み、その上に膜(44)が固定され、舌片(46)が膜(44)上に支持される。2つの直立ウイング(50)が舌片(46)と一体的に成形され、矩形の開口部(52)を組入れる。圧力応答手段(40)の製造方法も提供される。
Description
【0001】
【発明の分野】
この発明は、薬物を分配する吸入器における使用に適した圧力応答手段、このような圧力応答手段を組入れる吸入器、および関連製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
隔膜を含むものなど圧力応答手段が公知である。しかし、空気の吸入から生じる圧力差に応答して偏向するように、これらの圧力応答要素が意図される場合は、これらの手段は、偏向が生じるためには比較的大きな圧力差を必要とするため、しばしば満足のいくものではない。その吸気によって圧力差を提供しようと意図される人は、圧力応答要素を偏向させるのに十分な力を生成するのが困難であり得る。特に、手動のトリガに応答するのではなく、患者による吸入に応答して、服用量分の薬物を分配するために使用される喘息吸入器においてそうである。
【0003】
この発明の目的は、小さな圧力差に対して感度がよい圧力応答手段、このような圧力応答手段を組入れた吸入器、さらに、関連する製造方法を提供することである。
【0004】
この発明は、吸入器の分野のみでの使用に限定されるよう意図されるのではなく、小さな圧力差に対する感度のよい圧力応答手段を必要とするいかなる分野にも応用可能である。
【0005】
【発明の概要】
この発明の一局面により、可撓性シートを担持する支持手段を含む圧力応答手段が提供され、可撓性シートは、圧力変化に応答して運動可能な舌片を担う。
【0006】
圧力応答手段は特に、舌片の運動が、服用量分の分配をトリガするため使用され得る、薬物分配のために使用される呼吸で動作させられる吸入器で使用されるが、一般に、小さな圧力差に対する感度の高い圧力応答手段を必要とするいかなる分野にも応用可能である。
【0007】
支持手段は、可撓性シートの周辺縁部全体がフレームに固定される、矩形フレームなどの閉じたフレームであることが好ましい。したがってシートはフレームにシールされる。支持手段はいかなる構成でもよく、したがって、楕円形であり得、または、適当であればU字形フレームなどの開放型フレームでもよい。
【0008】
したがって、可撓性シートは、弛み領域をさらに含む膜により提供されてもよく、よって、弛み領域は、フレーム内で膜が偏向可能である区域を提供する。
【0009】
舌片は、舌片の上部が膜の弛み領域によって担われるよう、膜にわたって延びることが好ましい。このような配列では、舌片の上部は、膜の弛み領域により許容される運動によって空気圧の差に応答して偏向し、膜の残りの部分は蝶着手段として作用し、そのまわりを舌片の上部が旋回する。したがって、舌片とフレームとの間には接続がなく、舌片はただ膜で担われるにすぎない。したがって、舌片はフレームとは独立して運動可能である。
【0010】
舌片はその長さに沿って先細りしていてよく、上部幅広領域および下部幅狭領域を有し、上部領域が、膜の弛み領域により担われてよい。
【0011】
舌片はさらに、舌片の一面に取付けられる2つのウイングを含んでよく、2つのウイングは各々、トリガ手段の部分を受けるための開口部を有する。圧力応答手段が、呼吸で動作させられる吸入器内で使用される場合は、トリガ手段の部分がウイング開口部内に受けられているため、舌片の運動でトリガ手段がトリガされる。
【0012】
典型的には、蝶着手段から最遠の舌片の端部が、蝶着手段から約4ミリメートル偏向し、すなわち、偏向総値としては8ミリメートルとなり、舌片が膜に担われる結果として、蝶着手段に最も近い舌片の端部の一定の平行移動があり得る。このように、フレーム内の蝶着手段の平行移動が生じ得るが、この平行移動は、蝶着手段から最遠の舌片の端部よりもはるかに小さな程度のもので、典型的には約0.5ミリメートルである。
【0013】
フレームおよび舌片は、ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンなどのプラスチック材料で作られることが好ましく、実質的に剛体である。典型的には、フレームは、約60mm×15mmの寸法で、約4mm厚であり、フレーム内の膜上に舌片が座し、舌片のまわりにクリアランス領域が設けられて、舌片とフレームとが分離され、いずれの点でも常に相互に接続しない。
【0014】
膜は、プラスチック材料の薄い可撓性ウェブで作られ、ウェブは約10ミクロン厚である。典型的にはウェブは、通常非弾力性である高密度ポリエチレンで作られる。代替的に、EBA(エチレンブチルアクリレート)およびEMA(エチレンメチルアクリレート)膜を使用してもよい。
【0015】
圧力応答手段を作るために使用される射出成形処理の結果として、膜はフレームに固定されてもよい。
【0016】
典型的には使用中、圧力応答手段は、呼吸で動作させられる吸入器の空気通路をシールするため使用され、患者の吸入およびそれに伴う圧力降下によって舌片が偏向する。舌片の運動は、服用量分の分配を引起こすよう、通路の外側の機構をトリガするために使用できる。
【0017】
したがって、この発明の他の局面により、空気通路を含むボディと、トリガ機構と、上述のように支持手段、可撓性シートおよび舌片を含む圧力応答手段とを含む、服用量分の材料を分配するための投薬装置または吸入器が提供され、圧力応答手段は、ボディ内の空気通路の端部と密封係合するよう位置付けられ、それによってトリガ機構をシールし、トリガ機構は、空気通路内の圧力差に応答して舌片の運動により作動される。患者が薬物を必要とするとき、患者は彼らの口を空気通路の一端部に位置付けて、実質的に気密の密封部を作り出して、吸入する。これによって、通路内で圧力降下が生じる。この圧力変化に応答して舌片が偏向し、トリガ機構をトリガして服用量分を分配させる。
【0018】
トリガ機構は好ましくは、舌片に取付けられ、中間的連結部の必要なく、舌片の運動によって直接トリガ機構が作動される。舌片にトリガ機構を接続することでまた、舌片が比較的固定された位置に保持され、吸入の際の偏向に対しての準備が確実になる。
【0019】
圧力応答手段は、ボディ内の空気通路の端部とスナップ状に取付けられる接続部を形成し、圧力応答手段と空気通路との間に密封係合が容易に達成できることが所望であろう。
【0020】
この発明のさらに他の局面により、上部射出成形道具と下部射出成形道具との間に材料のシートを位置付けることと、道具を合せて閉じることと、道具内で支持手段と舌片とを射出成形することと、支持手段と舌片との間のシート内に弛み領域を提供することとを含む、上述の圧力応答手段を製造する方法が提供される。
【0021】
支持手段および舌片は、シートの同じ側上に形成されてもよく、または代替的に反対側に形成されてもよい。
【0022】
この方法はさらに、シートの一領域の可塑的変形を達成し、それによって弛み領域を提供するよう引き伸ばすことで、シートをゆがめることを含んでもよい。
【0023】
代替的に、この方法はさらに、成形中にシートの部分を道具内に引き入れることを含んでもよく、それによって、シートによって起こされる引き伸ばしの量を限定する。これは、圧力応答手段の製造中に穴のあく可能性の低い、引き伸ばされたシートを作り出すという利点を有する。
【0024】
【好ましい実施例の詳細な説明】
この発明を、図面を参照し例として以下に説明する。図1、図2および図3は、この発明による圧力応答手段を組入れる、呼吸で動作させられる投与量分測定吸入器(MDI)を示す。MDIは、プラスチック材料で作られるのが典型的であり、開口部11と、マウスピース14、ステムブロック16およびシャーシ18を含むマウスピース成形物12とを含む中空外側ボディ10を含む。マウスピース用のカバー20は、カバー20が運動するに伴い旋回するカム22により、ボディに取付けられる。図1および図2では吸入器は、ボディ10内に含まれるキャニスタ23からの薬物の一服用量分の送達のための発射を待つ停止位置で示される。薬物は、ハイドロフルオロアルカン型(HFA)の推進薬内で懸濁される。
【0025】
キャニスタ23は、ボディ10内で、キャニスタキャリッジ24と、キャニスタ23の両側に配置される2つのメインスプリング30を担持する実質的にU字形のスプリングキャリッジ26の部分を形成するスチールバーまたはフック25との間に位置付けられる。吸入器のこの停止位置では、キャニスタは比較的弛んでおり、キャニスタのバルブステムがステムブロック16内に保持されていることによって定位置に保持されているにすぎない。
【0026】
ボディ10は、保持区域32を規定し、この区域内に投薬作動機構34が位置付けられ、さらに空気通路36を形成する導管が位置付けられ、その内側端部に圧力応答手段40が密封係合するよう位置付けられる。空気通路は、図2に示すように導管の壁内の2つの小さな開口部41を介して開口部11と流動的に連通する。圧力応答手段40は、閉じたフレーム42を含み、フレーム上に可塑性の膜44が固定され、舌片46が膜上に支持され、2つの直立ウイング50が舌片ともに一体的に成形され矩形の開口部52を組み入れる。圧力応答手段40を、図6から図9を参照しさらに詳細に説明する。
【0027】
トリガ機構34は、トリガリンク54、中間リンク56およびパワーリンク58を含み、ポリプロピレンの一体成形物として作られるのが典型である。トリガリンク54は、長さ約30mm、幅7mm、厚さ1mmであり、その蝶着点60で約100ミクロン厚に先細りしている。ピン62は、蝶着点近くでリンクに成形され、ウイング50の矩形開口部内に座する。中間リンク56は、約1mm厚で、その蝶着点64で200ミクロン厚に先細りし、パワーリンク58は約2mm厚で、その蝶着点66で約0.5mm厚に先細りする。バイアシングねじりばね70が、シャーシ18内に支持されるロールピン72上に保持され、バイアシングねじりばね70は、トリガリンク54によって、中間リンク56の最上部表面上にシャーシ18と装着位置73との間に圧縮された状態で保持される。
【0028】
図1、図2および図4中、トリガ機構34は停止位置にあり装置は服用量分の投与準備がされている。トリガリンク54はバイアシングねじりばね70のために安定したオーバーセンター位置に保持され、各ピン62は、それぞれの矩形開口部52の一端縁に対して係止する。トリガリンクは実質的に垂直な構成であり、第1の要素74と第2の要素76とがほぼ180°の弧を規定する。ほぼ垂直のトリガリンク54は、中間リンク56とパワーリンク58とを不安定なアンダーセンター位置に保持する。ピンジョイント80、82、84、86は、機構の自由端部をボディ内に固定する。蝶着点62から最も遠い第2の要素76の端部は、ヒンジ64に近い中間リンク56に永久的に蝶着され、中間リンクの端部90は、パワーリンクの蝶着点66近くでパワーリンクに蝶着される。バイアシングねじりばね70の脚は、中間リンクのヒンジ64近くで中間リンク上のサドル73内に座し、中間リンク56が若干アンダーセンターとなるものの実質的にまっすぐとなることを可能にしている。
【0029】
トリガ機構および圧力応答手段を形成する要素は、一服用量分発射前の状態で図4に詳細に示される。
【0030】
患者が薬剤の一服用量分の摂取を所望するとき、彼らはカバー20を開いてマウスピース14にアクセスする。カバーが開かれると、カム22が回転し、カム従動節またはサドル92が下方へ運動しスチールバーまたはフック25が図3に示すようにキャニスタ23と係合するよう運動する。カムが回転し続けるに伴い、バー25はキャニスタをキャニスタキャリッジ24内へと押し付け、このときようやくトリガ機構がメインスプリングの力の大部分を担うようになり、それまではメインスプリングの力はカムにより担われる。この待機位置で患者は彼らの口をマウスピース14上に位置付け、それによって密封部を生み出し吸入する。空気通路壁内の開口部およびスロット11を通じて空気が引き入れられ、空気の流れが生み出され、装置内に約0.5kPaの圧力降下が生じ、圧力応答手段の舌片の運動が引起こされる。吸気に応答して舌片が運動するに伴い、トリガリンク54が図3および図5に示すようにアンダーセンターへ引かれる。一旦キャニスタが発射されれば、所定の流量で圧力降下を減じるため、空気通路に空気弁を加えることができる。
【0031】
トリガリンク54が、図5に示すようにこのアンダーセンター位置へ運動するに伴い、バイアシングねじりばね70が中央リンク56をアンダーセンターへ押す。パワーリンク58は、パワーリンクと中間リンクとの相互接続のためにアンダーセンターへ引かれ、パワーリンクは実質的にV字形へと運動する。こうして、パワーリンクの全体的高さまたは範囲が減じられ、スプリングキャリッジ26上に保持される2つのメインスプリングが解放されて、キャニスタをステムブロックに向かって延ばし付勢しそれによって弁棒を押し下げて一服用量分を放出させる。
【0032】
このトグル型のトリガ機構は、極めて感度が高く、トリガリンク54を運動させるために約0.5Nの力を生み出すのに、圧力応答手段40にわたって約0.5kPaの小さな圧力降下が必要なだけである。一旦、服用量分が投与されれば、カバー20が閉じられ、カバーカムが回転してパワーリンクおよびトリガリンクを停止位置へとリセットする。サドル92上に担われるカンチレバーが、トリガリンクをオーバーセンターに押し、トリガ機構のリセットが完了する。
【0033】
トリガ機構と接続されたときの圧力応答手段100の詳細な図が図6に示され、圧力応答手段は、ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンで作られる閉じた矩形フレーム102、高密度ポリエチレンで作られフレームに溶接される約10ミクロン厚の支持膜104、および膜上に固定され膜上に担われる舌片106を含む。一体型ウイング110、112が舌片106に成形され、各ウイングまたはウェブは既に説明したように、トリガリンクのピン62を受けるための矩形開口部114、116を有する。フレーム102は、空気通路36の内側端部37とスナップ状に接続でき、一端で通路をシールするかまたは内側端37へ超音波溶接され得る。膜104は、舌片106周辺の制御できない漏れを防止する。
【0034】
フレームの典型的な寸法は、約60mm×30mmであり、約5mmの厚みを有する。舌片は、ポリエチレンなどのプラスチック材料で作られ、約2mm厚である。舌片、ウイングおよびフレームの両方がプラスチック材料で作られ、これらは少なくとも小さな力に対しては本質的に剛体である。
【0035】
膜は、典型的には絞り加工によって領域118において変形させられ、弛み領域が提供される。このように膜は通常非弾性である、すなわち偏向後に自動的に定位置へ戻らないが、弛み領域は舌片の偏向を可能にする柔軟性を提供する。図7でわかるように、舌片106はフレーム102内ではあるがフレーム102から間隔をおいて保持され、完全に膜104によって支持される。舌片106は先細りして、下方幅狭端部120は、膜の下方部上に支持され、舌片の上方幅広端部122は、膜の弛み領域118上に担われる。弛み領域118のために、フレーム102に対しての舌片の上方端部122の運動が可能となり、膜の下方部124によって、舌片106が旋回できる蝶着点が提供される。舌片の上方端部122は、このように、図9(c)から図9(e)に示すように約4mm、すなわち全部で8mmの移動をして蝶着点に関して前後に運動できる。蝶着点はさらに、フレーム内で一定量の運動を行なうが、約0.5mm以下の範囲の前後運動である。
【0036】
図8に、図7のVIII−VIIIの線に沿った圧力応答手段の断面図を示す。
圧力応答手段または無摩擦フラップが吸入器内で使用されるとき、マウスピースを通じての患者による空気の吸入で、部分的な真空が生じ、それによって舌片106の上部領域122が偏向する。舌片が運動するに伴い、舌片に取付けられたトリガリンクが引かれ、トリガ機構が解放されて一服用量分が分配される。舌片を担うのに極めて薄いウェブを使用することで、圧力応答手段は極めて低圧にも応答可能であり、舌片とフレームとの間のクリアランスが、製造において精度が下がったとしても圧力応答手段が動作不能になるほど小さな寸法ではないので、製造公差に対してもそれほど敏感ではない。
【0037】
圧力応答手段は、2つのかなり類似した方法で作られ得る。
第1の方法を、図9(a)、図9(b)および図10を参照し説明する。使用される処理は、鋳型内ラベリングに類似し、上部射出成形道具132と下部射出成形道具134との間に10ミクロン厚の高密度ポリエチレンのフィルムまたは膜130を位置付けることを含む。道具132、134は次に合せて閉じられ、各道具内にポリエチレンが注入され、上方道具内に圧力応答手段の舌片が形成され、下方道具内に圧力応答手段のフレームが形成される。こうして、膜の各側にフレームと舌片とが位置付けられ、舌片がフレーム内にある間に膜の皺を防止するよう膜が成形される。所望であれば、舌片およびフレームは膜の同一側に成形することもできる。
【0038】
膜、フレームおよび舌片用に選択される材料は注意深く選ばれ、フレームは膜に溶接され、膜は舌片に溶接される。成形後に、図9(a)に示すように膜は上部領域において引き伸ばされ、図9(b)に示すように撓み、そして図9(c)から図9(e)に示すように舌片は自由に前後に運動できる。膜は、エラストマであると、撓んだ後の過程において永久的に伸びたままとなるのではなく、伸びてから回復するであろうから、エラストマでないことが重要である。また、圧力応答手段の性能に影響が出るであろうから、穴があくことなく撓み得る材料から膜を確実に選択することが重要である。
【0039】
膜の純粋に可塑的な変形の代替案において、絞り加工を使用することができ、可塑変形と組合せて使用することもできる。絞り加工を使用するときは、上方道具面140および下方道具面142が、膜143がそれらの間で締められたとき、図12に示すように膜が圧力リング144によって定位置に保持されるように形成されるよう、方法を変更する。道具の設計は、舌片がフレームに対して一定の角度に設定され、道具を閉めるときに膜が必要な形となるよう引き伸ばされるようにする。この形において、舌片はフレームに対して一定の角度に位置付けられ、この角度は装置の動作中に舌片が経験するであろう最大偏向に等しいかまたはそれよりも大きい。道具の2つの部分140および142が合せて付勢されるとき、道具面の傾斜領域146にわたって膜が変形する。
【0040】
膜の連続シートを使用して道具の外側から材料を内側に引入れることで、膜が薄くなるのを避けることができ、穴があく危険を減じられる。ややエラストマ的であるEBAフィルムおよびEMAフィルムなどの膜が使用される。この絞り加工は、図11に示すように厚みを変えることなく膜の形を変え、図11(a)に絞り加工されなかった長さLの膜150が示され、図11(b)に全長は同じだが形の変形された絞り加工膜を示す。これによって、説明した第1の方法のように可塑性変形を使用するだけの場合と比べて、伸びの集中度が下がり、局所歪みが低くなり穴のあく可能性が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧力応答手段を組入れた吸入器の切欠図である。
【図2】発射前状態の吸入器を示す吸入器の縦断面図である。
【図3】発射後状態の吸入器を示す吸入器の縦断面図である。
【図4】一服用量分の発射前の、圧力応答手段およびトリガ機構の詳細な斜視図である。
【図5】一服用量分の発射後の圧力応答手段およびトリガ機構の詳細な斜視図である。
【図6】圧力応答手段の斜視図である。
【図7】圧力応答手段の平面図である。
【図8】図7の線VIII−VIIIに沿った断面図である。
【図9】圧力応答手段の運動を示す一連の図である。
【図10】圧力応答手段の第1の成形方法の概略図である。
【図11】第2の方法で使用する絞り加工の概略図である。
【図12】圧力応答手段の第2の成形方法で使用する道具の断面図である。
【発明の分野】
この発明は、薬物を分配する吸入器における使用に適した圧力応答手段、このような圧力応答手段を組入れる吸入器、および関連製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
隔膜を含むものなど圧力応答手段が公知である。しかし、空気の吸入から生じる圧力差に応答して偏向するように、これらの圧力応答要素が意図される場合は、これらの手段は、偏向が生じるためには比較的大きな圧力差を必要とするため、しばしば満足のいくものではない。その吸気によって圧力差を提供しようと意図される人は、圧力応答要素を偏向させるのに十分な力を生成するのが困難であり得る。特に、手動のトリガに応答するのではなく、患者による吸入に応答して、服用量分の薬物を分配するために使用される喘息吸入器においてそうである。
【0003】
この発明の目的は、小さな圧力差に対して感度がよい圧力応答手段、このような圧力応答手段を組入れた吸入器、さらに、関連する製造方法を提供することである。
【0004】
この発明は、吸入器の分野のみでの使用に限定されるよう意図されるのではなく、小さな圧力差に対する感度のよい圧力応答手段を必要とするいかなる分野にも応用可能である。
【0005】
【発明の概要】
この発明の一局面により、可撓性シートを担持する支持手段を含む圧力応答手段が提供され、可撓性シートは、圧力変化に応答して運動可能な舌片を担う。
【0006】
圧力応答手段は特に、舌片の運動が、服用量分の分配をトリガするため使用され得る、薬物分配のために使用される呼吸で動作させられる吸入器で使用されるが、一般に、小さな圧力差に対する感度の高い圧力応答手段を必要とするいかなる分野にも応用可能である。
【0007】
支持手段は、可撓性シートの周辺縁部全体がフレームに固定される、矩形フレームなどの閉じたフレームであることが好ましい。したがってシートはフレームにシールされる。支持手段はいかなる構成でもよく、したがって、楕円形であり得、または、適当であればU字形フレームなどの開放型フレームでもよい。
【0008】
したがって、可撓性シートは、弛み領域をさらに含む膜により提供されてもよく、よって、弛み領域は、フレーム内で膜が偏向可能である区域を提供する。
【0009】
舌片は、舌片の上部が膜の弛み領域によって担われるよう、膜にわたって延びることが好ましい。このような配列では、舌片の上部は、膜の弛み領域により許容される運動によって空気圧の差に応答して偏向し、膜の残りの部分は蝶着手段として作用し、そのまわりを舌片の上部が旋回する。したがって、舌片とフレームとの間には接続がなく、舌片はただ膜で担われるにすぎない。したがって、舌片はフレームとは独立して運動可能である。
【0010】
舌片はその長さに沿って先細りしていてよく、上部幅広領域および下部幅狭領域を有し、上部領域が、膜の弛み領域により担われてよい。
【0011】
舌片はさらに、舌片の一面に取付けられる2つのウイングを含んでよく、2つのウイングは各々、トリガ手段の部分を受けるための開口部を有する。圧力応答手段が、呼吸で動作させられる吸入器内で使用される場合は、トリガ手段の部分がウイング開口部内に受けられているため、舌片の運動でトリガ手段がトリガされる。
【0012】
典型的には、蝶着手段から最遠の舌片の端部が、蝶着手段から約4ミリメートル偏向し、すなわち、偏向総値としては8ミリメートルとなり、舌片が膜に担われる結果として、蝶着手段に最も近い舌片の端部の一定の平行移動があり得る。このように、フレーム内の蝶着手段の平行移動が生じ得るが、この平行移動は、蝶着手段から最遠の舌片の端部よりもはるかに小さな程度のもので、典型的には約0.5ミリメートルである。
【0013】
フレームおよび舌片は、ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンなどのプラスチック材料で作られることが好ましく、実質的に剛体である。典型的には、フレームは、約60mm×15mmの寸法で、約4mm厚であり、フレーム内の膜上に舌片が座し、舌片のまわりにクリアランス領域が設けられて、舌片とフレームとが分離され、いずれの点でも常に相互に接続しない。
【0014】
膜は、プラスチック材料の薄い可撓性ウェブで作られ、ウェブは約10ミクロン厚である。典型的にはウェブは、通常非弾力性である高密度ポリエチレンで作られる。代替的に、EBA(エチレンブチルアクリレート)およびEMA(エチレンメチルアクリレート)膜を使用してもよい。
【0015】
圧力応答手段を作るために使用される射出成形処理の結果として、膜はフレームに固定されてもよい。
【0016】
典型的には使用中、圧力応答手段は、呼吸で動作させられる吸入器の空気通路をシールするため使用され、患者の吸入およびそれに伴う圧力降下によって舌片が偏向する。舌片の運動は、服用量分の分配を引起こすよう、通路の外側の機構をトリガするために使用できる。
【0017】
したがって、この発明の他の局面により、空気通路を含むボディと、トリガ機構と、上述のように支持手段、可撓性シートおよび舌片を含む圧力応答手段とを含む、服用量分の材料を分配するための投薬装置または吸入器が提供され、圧力応答手段は、ボディ内の空気通路の端部と密封係合するよう位置付けられ、それによってトリガ機構をシールし、トリガ機構は、空気通路内の圧力差に応答して舌片の運動により作動される。患者が薬物を必要とするとき、患者は彼らの口を空気通路の一端部に位置付けて、実質的に気密の密封部を作り出して、吸入する。これによって、通路内で圧力降下が生じる。この圧力変化に応答して舌片が偏向し、トリガ機構をトリガして服用量分を分配させる。
【0018】
トリガ機構は好ましくは、舌片に取付けられ、中間的連結部の必要なく、舌片の運動によって直接トリガ機構が作動される。舌片にトリガ機構を接続することでまた、舌片が比較的固定された位置に保持され、吸入の際の偏向に対しての準備が確実になる。
【0019】
圧力応答手段は、ボディ内の空気通路の端部とスナップ状に取付けられる接続部を形成し、圧力応答手段と空気通路との間に密封係合が容易に達成できることが所望であろう。
【0020】
この発明のさらに他の局面により、上部射出成形道具と下部射出成形道具との間に材料のシートを位置付けることと、道具を合せて閉じることと、道具内で支持手段と舌片とを射出成形することと、支持手段と舌片との間のシート内に弛み領域を提供することとを含む、上述の圧力応答手段を製造する方法が提供される。
【0021】
支持手段および舌片は、シートの同じ側上に形成されてもよく、または代替的に反対側に形成されてもよい。
【0022】
この方法はさらに、シートの一領域の可塑的変形を達成し、それによって弛み領域を提供するよう引き伸ばすことで、シートをゆがめることを含んでもよい。
【0023】
代替的に、この方法はさらに、成形中にシートの部分を道具内に引き入れることを含んでもよく、それによって、シートによって起こされる引き伸ばしの量を限定する。これは、圧力応答手段の製造中に穴のあく可能性の低い、引き伸ばされたシートを作り出すという利点を有する。
【0024】
【好ましい実施例の詳細な説明】
この発明を、図面を参照し例として以下に説明する。図1、図2および図3は、この発明による圧力応答手段を組入れる、呼吸で動作させられる投与量分測定吸入器(MDI)を示す。MDIは、プラスチック材料で作られるのが典型的であり、開口部11と、マウスピース14、ステムブロック16およびシャーシ18を含むマウスピース成形物12とを含む中空外側ボディ10を含む。マウスピース用のカバー20は、カバー20が運動するに伴い旋回するカム22により、ボディに取付けられる。図1および図2では吸入器は、ボディ10内に含まれるキャニスタ23からの薬物の一服用量分の送達のための発射を待つ停止位置で示される。薬物は、ハイドロフルオロアルカン型(HFA)の推進薬内で懸濁される。
【0025】
キャニスタ23は、ボディ10内で、キャニスタキャリッジ24と、キャニスタ23の両側に配置される2つのメインスプリング30を担持する実質的にU字形のスプリングキャリッジ26の部分を形成するスチールバーまたはフック25との間に位置付けられる。吸入器のこの停止位置では、キャニスタは比較的弛んでおり、キャニスタのバルブステムがステムブロック16内に保持されていることによって定位置に保持されているにすぎない。
【0026】
ボディ10は、保持区域32を規定し、この区域内に投薬作動機構34が位置付けられ、さらに空気通路36を形成する導管が位置付けられ、その内側端部に圧力応答手段40が密封係合するよう位置付けられる。空気通路は、図2に示すように導管の壁内の2つの小さな開口部41を介して開口部11と流動的に連通する。圧力応答手段40は、閉じたフレーム42を含み、フレーム上に可塑性の膜44が固定され、舌片46が膜上に支持され、2つの直立ウイング50が舌片ともに一体的に成形され矩形の開口部52を組み入れる。圧力応答手段40を、図6から図9を参照しさらに詳細に説明する。
【0027】
トリガ機構34は、トリガリンク54、中間リンク56およびパワーリンク58を含み、ポリプロピレンの一体成形物として作られるのが典型である。トリガリンク54は、長さ約30mm、幅7mm、厚さ1mmであり、その蝶着点60で約100ミクロン厚に先細りしている。ピン62は、蝶着点近くでリンクに成形され、ウイング50の矩形開口部内に座する。中間リンク56は、約1mm厚で、その蝶着点64で200ミクロン厚に先細りし、パワーリンク58は約2mm厚で、その蝶着点66で約0.5mm厚に先細りする。バイアシングねじりばね70が、シャーシ18内に支持されるロールピン72上に保持され、バイアシングねじりばね70は、トリガリンク54によって、中間リンク56の最上部表面上にシャーシ18と装着位置73との間に圧縮された状態で保持される。
【0028】
図1、図2および図4中、トリガ機構34は停止位置にあり装置は服用量分の投与準備がされている。トリガリンク54はバイアシングねじりばね70のために安定したオーバーセンター位置に保持され、各ピン62は、それぞれの矩形開口部52の一端縁に対して係止する。トリガリンクは実質的に垂直な構成であり、第1の要素74と第2の要素76とがほぼ180°の弧を規定する。ほぼ垂直のトリガリンク54は、中間リンク56とパワーリンク58とを不安定なアンダーセンター位置に保持する。ピンジョイント80、82、84、86は、機構の自由端部をボディ内に固定する。蝶着点62から最も遠い第2の要素76の端部は、ヒンジ64に近い中間リンク56に永久的に蝶着され、中間リンクの端部90は、パワーリンクの蝶着点66近くでパワーリンクに蝶着される。バイアシングねじりばね70の脚は、中間リンクのヒンジ64近くで中間リンク上のサドル73内に座し、中間リンク56が若干アンダーセンターとなるものの実質的にまっすぐとなることを可能にしている。
【0029】
トリガ機構および圧力応答手段を形成する要素は、一服用量分発射前の状態で図4に詳細に示される。
【0030】
患者が薬剤の一服用量分の摂取を所望するとき、彼らはカバー20を開いてマウスピース14にアクセスする。カバーが開かれると、カム22が回転し、カム従動節またはサドル92が下方へ運動しスチールバーまたはフック25が図3に示すようにキャニスタ23と係合するよう運動する。カムが回転し続けるに伴い、バー25はキャニスタをキャニスタキャリッジ24内へと押し付け、このときようやくトリガ機構がメインスプリングの力の大部分を担うようになり、それまではメインスプリングの力はカムにより担われる。この待機位置で患者は彼らの口をマウスピース14上に位置付け、それによって密封部を生み出し吸入する。空気通路壁内の開口部およびスロット11を通じて空気が引き入れられ、空気の流れが生み出され、装置内に約0.5kPaの圧力降下が生じ、圧力応答手段の舌片の運動が引起こされる。吸気に応答して舌片が運動するに伴い、トリガリンク54が図3および図5に示すようにアンダーセンターへ引かれる。一旦キャニスタが発射されれば、所定の流量で圧力降下を減じるため、空気通路に空気弁を加えることができる。
【0031】
トリガリンク54が、図5に示すようにこのアンダーセンター位置へ運動するに伴い、バイアシングねじりばね70が中央リンク56をアンダーセンターへ押す。パワーリンク58は、パワーリンクと中間リンクとの相互接続のためにアンダーセンターへ引かれ、パワーリンクは実質的にV字形へと運動する。こうして、パワーリンクの全体的高さまたは範囲が減じられ、スプリングキャリッジ26上に保持される2つのメインスプリングが解放されて、キャニスタをステムブロックに向かって延ばし付勢しそれによって弁棒を押し下げて一服用量分を放出させる。
【0032】
このトグル型のトリガ機構は、極めて感度が高く、トリガリンク54を運動させるために約0.5Nの力を生み出すのに、圧力応答手段40にわたって約0.5kPaの小さな圧力降下が必要なだけである。一旦、服用量分が投与されれば、カバー20が閉じられ、カバーカムが回転してパワーリンクおよびトリガリンクを停止位置へとリセットする。サドル92上に担われるカンチレバーが、トリガリンクをオーバーセンターに押し、トリガ機構のリセットが完了する。
【0033】
トリガ機構と接続されたときの圧力応答手段100の詳細な図が図6に示され、圧力応答手段は、ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンで作られる閉じた矩形フレーム102、高密度ポリエチレンで作られフレームに溶接される約10ミクロン厚の支持膜104、および膜上に固定され膜上に担われる舌片106を含む。一体型ウイング110、112が舌片106に成形され、各ウイングまたはウェブは既に説明したように、トリガリンクのピン62を受けるための矩形開口部114、116を有する。フレーム102は、空気通路36の内側端部37とスナップ状に接続でき、一端で通路をシールするかまたは内側端37へ超音波溶接され得る。膜104は、舌片106周辺の制御できない漏れを防止する。
【0034】
フレームの典型的な寸法は、約60mm×30mmであり、約5mmの厚みを有する。舌片は、ポリエチレンなどのプラスチック材料で作られ、約2mm厚である。舌片、ウイングおよびフレームの両方がプラスチック材料で作られ、これらは少なくとも小さな力に対しては本質的に剛体である。
【0035】
膜は、典型的には絞り加工によって領域118において変形させられ、弛み領域が提供される。このように膜は通常非弾性である、すなわち偏向後に自動的に定位置へ戻らないが、弛み領域は舌片の偏向を可能にする柔軟性を提供する。図7でわかるように、舌片106はフレーム102内ではあるがフレーム102から間隔をおいて保持され、完全に膜104によって支持される。舌片106は先細りして、下方幅狭端部120は、膜の下方部上に支持され、舌片の上方幅広端部122は、膜の弛み領域118上に担われる。弛み領域118のために、フレーム102に対しての舌片の上方端部122の運動が可能となり、膜の下方部124によって、舌片106が旋回できる蝶着点が提供される。舌片の上方端部122は、このように、図9(c)から図9(e)に示すように約4mm、すなわち全部で8mmの移動をして蝶着点に関して前後に運動できる。蝶着点はさらに、フレーム内で一定量の運動を行なうが、約0.5mm以下の範囲の前後運動である。
【0036】
図8に、図7のVIII−VIIIの線に沿った圧力応答手段の断面図を示す。
圧力応答手段または無摩擦フラップが吸入器内で使用されるとき、マウスピースを通じての患者による空気の吸入で、部分的な真空が生じ、それによって舌片106の上部領域122が偏向する。舌片が運動するに伴い、舌片に取付けられたトリガリンクが引かれ、トリガ機構が解放されて一服用量分が分配される。舌片を担うのに極めて薄いウェブを使用することで、圧力応答手段は極めて低圧にも応答可能であり、舌片とフレームとの間のクリアランスが、製造において精度が下がったとしても圧力応答手段が動作不能になるほど小さな寸法ではないので、製造公差に対してもそれほど敏感ではない。
【0037】
圧力応答手段は、2つのかなり類似した方法で作られ得る。
第1の方法を、図9(a)、図9(b)および図10を参照し説明する。使用される処理は、鋳型内ラベリングに類似し、上部射出成形道具132と下部射出成形道具134との間に10ミクロン厚の高密度ポリエチレンのフィルムまたは膜130を位置付けることを含む。道具132、134は次に合せて閉じられ、各道具内にポリエチレンが注入され、上方道具内に圧力応答手段の舌片が形成され、下方道具内に圧力応答手段のフレームが形成される。こうして、膜の各側にフレームと舌片とが位置付けられ、舌片がフレーム内にある間に膜の皺を防止するよう膜が成形される。所望であれば、舌片およびフレームは膜の同一側に成形することもできる。
【0038】
膜、フレームおよび舌片用に選択される材料は注意深く選ばれ、フレームは膜に溶接され、膜は舌片に溶接される。成形後に、図9(a)に示すように膜は上部領域において引き伸ばされ、図9(b)に示すように撓み、そして図9(c)から図9(e)に示すように舌片は自由に前後に運動できる。膜は、エラストマであると、撓んだ後の過程において永久的に伸びたままとなるのではなく、伸びてから回復するであろうから、エラストマでないことが重要である。また、圧力応答手段の性能に影響が出るであろうから、穴があくことなく撓み得る材料から膜を確実に選択することが重要である。
【0039】
膜の純粋に可塑的な変形の代替案において、絞り加工を使用することができ、可塑変形と組合せて使用することもできる。絞り加工を使用するときは、上方道具面140および下方道具面142が、膜143がそれらの間で締められたとき、図12に示すように膜が圧力リング144によって定位置に保持されるように形成されるよう、方法を変更する。道具の設計は、舌片がフレームに対して一定の角度に設定され、道具を閉めるときに膜が必要な形となるよう引き伸ばされるようにする。この形において、舌片はフレームに対して一定の角度に位置付けられ、この角度は装置の動作中に舌片が経験するであろう最大偏向に等しいかまたはそれよりも大きい。道具の2つの部分140および142が合せて付勢されるとき、道具面の傾斜領域146にわたって膜が変形する。
【0040】
膜の連続シートを使用して道具の外側から材料を内側に引入れることで、膜が薄くなるのを避けることができ、穴があく危険を減じられる。ややエラストマ的であるEBAフィルムおよびEMAフィルムなどの膜が使用される。この絞り加工は、図11に示すように厚みを変えることなく膜の形を変え、図11(a)に絞り加工されなかった長さLの膜150が示され、図11(b)に全長は同じだが形の変形された絞り加工膜を示す。これによって、説明した第1の方法のように可塑性変形を使用するだけの場合と比べて、伸びの集中度が下がり、局所歪みが低くなり穴のあく可能性が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧力応答手段を組入れた吸入器の切欠図である。
【図2】発射前状態の吸入器を示す吸入器の縦断面図である。
【図3】発射後状態の吸入器を示す吸入器の縦断面図である。
【図4】一服用量分の発射前の、圧力応答手段およびトリガ機構の詳細な斜視図である。
【図5】一服用量分の発射後の圧力応答手段およびトリガ機構の詳細な斜視図である。
【図6】圧力応答手段の斜視図である。
【図7】圧力応答手段の平面図である。
【図8】図7の線VIII−VIIIに沿った断面図である。
【図9】圧力応答手段の運動を示す一連の図である。
【図10】圧力応答手段の第1の成形方法の概略図である。
【図11】第2の方法で使用する絞り加工の概略図である。
【図12】圧力応答手段の第2の成形方法で使用する道具の断面図である。
Claims (16)
- 可撓性シートを担持する支持手段を含む圧力応答手段であって、該可撓性シートは、圧力の変化に応答して運動可能な舌片を担う、圧力応答手段。
- 前記支持手段は、閉じたフレームであって、可撓性シートの周辺縁部全体がフレームに固定されている、請求項1に記載の圧力応答手段。
- 前記可撓性シートは、弛み領域をさらに含む膜により提供され、弛み領域は、フレーム内で膜が偏向可能な区域を提供する、請求項1または請求項2に記載の圧力応答手段。
- 前記舌片は膜にわたって延び、舌片の上部が、膜の弛み領域により担われる、請求項3に記載の圧力応答手段。
- 前記舌片はその長さに沿って先細りし、上部幅広領域と下部幅狭領域とを有し、該上部幅広領域は、膜の弛み領域により担われる、請求項4に記載の圧力応答手段。
- 前記舌片はさらに、舌片の一面に取付けられる2つのウイングを含み、2つのウイングは各々、トリガ手段の部分を受けるための開口部を有する、請求項1から5のいずれかに記載の圧力応答手段。
- 前記フレームおよび舌片は、プラスチック材料から作られ、実質的に剛体である、請求項1から6のいずれかに記載の圧力応答手段。
- 前記舌片はフレーム内の膜上に座し、舌片のまわりにクリアランス領域があるため舌片とフレームとが分離される、請求項1から7のいずれかに記載の圧力応答手段。
- 前記膜は、プラスチック材料の薄い可撓性ウェブで作られ、ウェブは約10ミクロン厚である、請求項1から8のいずれかに記載の圧力応答手段。
- 空気通路を含むボディと、トリガ機構と、圧力変化に応答して運動可能な舌片を担う可撓性シートを担持する支持手段を含む圧力応答手段とを含む、服用量分材料を分配するための投薬装置または吸入器であって、該圧力応答手段は、ボディ内の空気通路の端部と密封係合するよう位置付けられ、そこからトリガ機構をシールし、トリガ機構は空気通路内の圧力差に応答して舌片の運動により作動される、投薬装置または吸入器。
- 前記トリガ機構は舌片に取付けられ、舌片の運動が直接トリガ機構を作動させる、請求項10に記載の投薬装置。
- 前記圧力応答手段は、ボディ内の空気通路の端部とスナップ状に取付けられる接続部を形成する、請求項11に記載の投薬装置。
- 上部射出成形道具と下部射出成形道具との間に材料のシートを位置付けることと、道具を合せて閉じることと、道具内で支持手段と舌片とを射出成形することと、支持手段と舌片との間のシート内に弛み領域を提供することとを含む、請求項1から9のいずれかに記載の圧力応答手段を製造する方法。
- 前記支持手段および前記舌片は、シートの同じ側上に形成されるか、また反対の側上に形成される、請求項13に記載の製造方法。
- シートの領域の可塑的変形を達成するために引き伸ばして弛み領域を提供することにより、シートをゆがめることをさらに含む、請求項13または請求項14に記載の製造方法。
- 成形が行なわれている間にシートの部分をツールに引き込み、シートに起こる引き伸ばしの量を限定することをさらに含む、請求項13また請求項14に記載の製造方法。
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JP2010525864A (ja) * | 2007-04-30 | 2010-07-29 | サン、ファーマ、アドバンスト、リサーチ、カンパニー、リミテッド | 吸入装置 |
JP2013500808A (ja) * | 2009-08-07 | 2013-01-10 | カインド・コンシューマー・リミテッド | 吸入器 |
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