JP2004518279A - 光学的に給電される共鳴トンネルデバイス - Google Patents
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Abstract
原則的に、擬似共鳴がないよう光電池(21)及び光源(25)を用いて、RTDデバイス(23)に給電することにより、改善された共鳴トンネルデバイス(RTD)発振器を提供する。
Description
【0001】
発明の背景
[発明の属する技術分野]
本発明は、共鳴トンネルデバイス(RTD)に係り、より具体的には、共鳴トンネルデバイスに電力を供給する方法に係る。
【0002】
[発明の背景]
サブミリメートル波長のマイクロ波発振器は、必要不可欠なマイクロ波コンポーネントである。この発振器は、ミリメートル波長無線受信器内の局所発振器として、且つ、ミリメートル波長無線送信器内の基本周波数決定機能として使用される。周波数キャリアに印象付けられる情報の可能な帯域幅は、キャリア周波数に比例するので、1,000GHz(1テトラヘルツ)以上で動作する発振器は、現在の技術に前例のない変調帯域幅を可能にする。一般的に、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、衝撃イオン化ダイオード、及び、ガン効果ダイオードは、マイクロ波発振器に使用されるが、これらのデバイスは、それらの寸法による固有の周波数制限を有する。デバイスの寸法は、走行時間効果によって速度を制限してしまう。共鳴トンネルダイオード(RTD)は、非常に高い固有利得と非常に速い切替え速度を有する半導体デバイスであり、マイクロ波発振器を、1,000GHzを優に上回る周波数帯に対し構成することを可能にする。しかし、共鳴トンネルダイオード発振器回路は、バイアス回路が、RTDと共振して、望ましくない振動モードを生成しないよう電気的にバイアスをかけることが非常に困難である。レディ(Reddy)外は、伝送線とショットキーダイオードの使用に基づいて、マイクロ波発振器内のRTDを適切にバイアスをかける1つの方法を提供する。(参考文献:M.レディ(M. Reddy)外、「Bias Stabilization for Resonant Tunnel Diode Oscillators」、IEEE Microwave and Guided Wave Letters, 1995年7月、第5巻、第7号)しかし、この方法は依然として、電源回路内に寄生共振が発生することを可能にしてしまう。従って、低周波数の振動を抑えながら、極超短波で振動するRTD回路を提供することに関し問題が残っている。
【0003】
[発明の概要]
本発明の1つの実施例では、低インダクタンスを供給するには、電力を供給する高キャパシタンス手段は、基本的に、擬似共振がないようRTDに電力を与え、且つ、バイアスをかけるために光電池を使用する。
【0004】
[好適な実施例の説明]
共鳴トンネルダイオードは、固有電気利得を有する。固有電気利得は、共鳴トンネルダイオードを、少なくとも最大数百GHzの増幅器及び発振器に使用することを可能にする。図1を参照するに、一般的なRTD発振器10は、電源12及び共振回路13を有するRTD11を含み得る。共振回路13は、所望の無線周波数に合わされた誘導子14及びコンデンサ15からなり得る。電源12は、RFバイパスコンデンサ16と、電池17といった電圧源と、電圧源をバイパスコンデンサ、RTD、及び、同調回路に接続する誘導子18、19からなるワイヤとからなり得る。RTDは、ゼロ周波数(dc)から上限Fmaxまでの電気利得を有する。RTDの利得は、周波数と共に減少する傾向があるので、発振器10の回路の最低特性共振周波数が、RTD振動の周波数を設定する傾向がある。このことは、RTD利得が、周波数が増加するにつれてロールオフする傾向のある高マイクロ波周波数において特に問題である。本質的に低周波数において利得が大きいことにより、RTDを含む回路は、所望のマイクロ波周波数においてではなくて、電源の配線における比較的大きい値のインダクタンスによって設定される低周波数において振動する傾向がある。この問題は、レディ外によって指摘されており(前出参考文献参照)、電源回路に適切にバイアスをかけ、電源回路を、6.9GHzRTD発振器から反結合するための特別な予防策が必要とされる。レディのアプローチでは、同調された伝送線とバイパスコンデンサを用いて、バイアス電圧源を、RTDとマイクロ波共振器から隔離させている。しかし、このアプローチは、RTD利得が周波数の増加と共に非常に高速でロールオフする500GHz以上の周波数においては、好適ではない。良好に反結合された電源配線の場合でも、望ましくない振動影響が依然として引き起こされ得る。
【0005】
図2を参照するに、RTDに電力を供給するために光電池が用いられる本発明の1つの実施例を示す回路図である。この実施例では、光電池21は、RTDデバイス23と直列接続される。光電池21は、光放射25を吸収し、この光放射を、RTDを活性化する電力に変換する。
【0006】
図3を参照するに、本発明の1つの実施例による図2の直列構造のエピタキシャル構造の断面図を示す。エピタキシャル構造は、多層pn接合光電池35上にある多層RTD31を含む。光電池35は、基板36上にある。端子は、37、及び、38であり、これらの端子を介して更なる回路が接続され得る。光学照明32、33が与えられて、回路に電力が供給される。
【0007】
図4を参照するに、共通基板43上にある多層RTD41と、共通基板上にある多層光電池45からなる第2の構造を示す。層46は、RTD41と光電池45の両方に共通である。光学照明42、44が与えられて、回路に電力が供給される。端子48、49は、RTDと光電池にそれぞれ接続され、また、外部の回路に更に接続され得る。この技術において周知のように、量子井戸ダイオードとしても知られる共鳴トンネルダイオードは、負性微分コンダクタンス効果を生成するために、1対のポテンシャルエネルギー障壁を通過する電子のトンネル効果を用いる。RTDは一般的に、2つのエネルギー障壁によって囲まれる1つの量子エネルギー井戸を生成するよう形成されるエピタキシャル成長された半導体材料の多層スタック(ヘテロ構造)からなる。この構造に入射する電子は、特定の明確に決められたエネルギー以外は、この構造から反射する。このエネルギーは、量子井戸内の共振エネルギーレベルに対応し、また、これらのエネルギーに対し、この構造を通るコンダクタンスは、非常に効率がよい。非常に高い周波数のRTD用の一般的な設計を、表1に示す。これらの層は、インジウム(In)、ヒ素(As)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、及び、リン(P)からなる化合物を用いた、分子線エピタキシャル成長法、又は、化学蒸着法を用いて成長される。InGaAs量子井戸、及び、AlAsトンネル障壁に基づいたRTDは、標準InP基板上に容易に成長させることができる。シリコン及びホウ素といった様々なドーパントを用いて、各層の伝導率を変更することが可能である。このようなダイオードは、GaAs基板上のAlGaAs化合物を用いて製造することも可能である。
【0008】
表1 一般的な共鳴トンネルダイオードへテロ構造
【表1】
図5に示すように、上部コンタクトと下部コンタクトの間の電気バイアス下では、ダイオード内の電流は、バイアスが増加するにつれて、まず上昇する。次に、更なるバイアスで急激に降下する。次に、更なるバイアスで再び上昇する。図5は、最初の共振で、100,000アンペア/cm2の電流を示す表1のRTDの電圧応答に対する電流を示す。この応答は、1平方マイクロメートルの断面積を有するデバイスに対してのものである。最初の上昇と、約0.28ボルトのバイアスにての、ダイオード電流におけるピークは、ヘテロ構造内に確立された最低エネルギー伝導帯共振を通る電子の量子力学トンネル効果によるものである。0.5ボルトのバイアス以降の電流における第2の上昇は、次に高いエネルギー共振を通るトンネル効果の始まりによるものである。図5に示すように、0.28ボルト及び0.5ボルト間のバイアス電圧における電流の下落は、負の傾斜を有する。図6に、このデバイスに対してのバイアス領域に関連付けられる負性微分コンダクタンス(又は、反対に負性微分抵抗)を示す。このバイアス範囲内において、RTDは、増幅、又は、振動のための利得素子として使用することが可能である。最大負性微分コンダクタンス(−6.96E−3 オーム−1)は、この例示的なデバイスでは、約0.35ボルトにおいて生じる。これは、最大利用可能な利得のバイアスポイントでもある。RTDを共振電気回路に接続することは、RTD利得の大きさが回路内の損失を超えると、増幅及び発振を生成することが可能である。この電子回路における増幅及び発振を支援することのできる能力は、負性微分コンダクタンスを示す任意の電気デバイスの特徴である。(参考文献:「Basic Theory And Application of Tunnel Diodes」、S.P.ジェンタイル(S. P. Gentile)、ヴァン・ノストランド(Van Nostrand)、プリンストン、N.J.、1962年)現在の技術の状態では、共鳴トンネルダイオードは、固有電子利得を有する最速の半導体である。RTDは、700Ghz以上で発振することが示されている。(参考文献:ブラウン外、「High Frequency Resonant Tunneling Oscillators」、Microwave and Optical Technology Letters, 1991年1月、第4巻、第1号、p.19−23)従って、半導体利得素子に基づく最速発振器は、現在は、共鳴トンネルダイオードを使用しなければならない。
【0009】
図7に、pn接合光電池の既に実施される等価電気モデルを示す。(参考文献:「Physics of Semiconductor Devices」、S.M.スジ(S. M. Sze)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、第14章、1981年[ISBN0−471−05661−8])光電池100は、被制御電流源102、シャントダイオード102、接合キャパシタンス106、及び、直列出力抵抗108によって表される。コンデンサ106は、一般的に、ダイオードの面積の一次関数である。直列抵抗108は、ダイオードを製造するのに用いた材料の種類と厚さに依存する。電流源102の振幅ILは、光学照明110のレベルIPに正比例する。フォトダイオードの端子間の出力電圧は、外部負荷抵抗、光電流IL、内部ダイオード104の電圧応答に対する電流、及び、直列抵抗105の両端間の電圧降下によって決定される。図8は、一般的なpn接合光電池の出力電圧応答に対して計算されたdc出力電流を示す。計算には、10オームの直列抵抗を用いた。光学照明のレベルが、基準値から1倍、3倍、及び、6倍に上がると、ダイオードからの短絡出力電流は、それぞれ、0.5、1.5、及び、3ミリアンペアに増加する。同一の照明範囲に対し、ダイオードの両端の開回路電圧は、0.34乃至0.39ボルトの範囲に下落する。ダイオードのdc抵抗は、照明に応じて変化する。フォトダイオードの等価抵抗の最低値は、ゼロ電流の領域において生じる。図8に示す最高レベルの照明では、光電池のdc抵抗は、開回路条件に近い約34オームである。
【0010】
金属半導体接合に基づいた光電池は、ショットキー光電池と称し、pn接合ダイオードの代替である。多くの異なるタイプのpn及びショットキー光電池が可能であり、多くの半導体材料を用いて光電池を形成することが可能である。
【0011】
図9は、図5に示すRTDのI−V曲線58と、幾つかの光学照明レベルにおける一般的なpn又はショットキーダイオード光電池のI−V特性を示す。低レベルの光学照明では、光電池のI−V特性は、曲線52として表され得る。中間レベルの光学照明では、光電池のI−V特性は、曲線54として表され得る。高レベルの光学照明では、光電池のI−V特性は、曲線56として表され得る。増幅器又は発振器として動作するようRTDに適切にバイアスをかけるには、光電池のI−V特性が、RTDの最大負性微分抵抗59の点において、RTDのI−Vとインタセプトするよう光電池の光照明を調節しなければならない。上述した条件は、曲線54によって最もよく示される。
【0012】
RTDを、安定した増幅器又は発振器として使用するには、RTDの両端の平均電圧を、その負性抵抗領域内に維持するdc電圧で、RTDに電気的にバイアスをかける必要がある。
【0013】
光電池21の電気特性は、RTD23の有用な電源として機能するよう幾つかの要件を満たすべきである。第1に、光電池21は、光電池が、回路内のRF電流を妨げないよう所望のRF動作周波数において非常に低いインピーダンスを示すべきである。低インピーダンスという要件は、その接合キャパシタンスが、RTDに対し十分に低いリアクタンス性インピーダンスを提供する十分な面積を有する光電池を用いることによって満たすことが可能である。1つの実施例では、この接合キャパシタンスのリアクタンスの大きさは、動作周波数では、1オームより小さくされる。500GHzの動作周波数では、光電池21の接合キャパシタンスは、1/2πF=1/6.28*500E9=0.3ピコファラッド以上であるよう設定され得る。一般的なpn及びショットキー光電池は、約100平方マイクロメートルの面積で、この接合キャパシタンスを達成することができる。光電池の第2の要件は、光電池が、適切なバイアス安定性を保証するために、RTD回路に対し十分に低いdc抵抗を示すことである。光電池によって、RTDに示されるdc抵抗は、RTDのピーク負性微分抵抗の大きさより小さくなければならない。このことは、図9に曲線54として示すような光電池によって確立されるI−V負荷線が、1つのバイアス点においてのみ、RTDのI−Vをインタセプトすることを保証する。式で表すと、直列接続されたRTD及び光電池を含む増幅器又は発振器の適切な動作のためには、
−RRTD(dc)>RPhotocell(dc) (式1)
であることを必要とする。ただし、RRTD(dc)は、RTDの微分dc抵抗であり、RPhotocell(dc)は、RTDと直列接続される光電池の微分dcコンダクタンスに等しい。1つの例として、図9に示すRTDのピーク負性微分抵抗は、約(1/−6.46E−3)=−154オームである。このRTDが、増幅器又は発振器に正しく使用されるには、RTDの両端に配置される実効dc抵抗は、154オーム以下でなくてはならない。設計マージンを設けるために、RPhotocellは、(−RRTD)の1/2の値より小さい値に制限されるべきである。回路の残りの部分も非ゼロのdc抵抗を有する場合、光電池のdc抵抗は、同様の分だけ更に少なくされなければならない。シミュレートされたI−Vトレース54によって示される微分dc抵抗は、バイアスポイント59において約40オームである。従って、曲線54と類似するI−Vを供給する光電池は、好適な微分dc抵抗を有し得る。
【0014】
図10を参照するに、RTD発振器120は、光電池121、RTD123、及び、共振回路124を含み得る。共振回路124は、所望の発振周波数に合わせられた誘導子126及びコンデンサ128からなる。図11は、光電池回路131、RTD133、及び、誘導ストラップ136からなるモノリシック発振器130の断面図を示す。誘導ストラップ136は、発振器120内の共振器124の機能を供給するよう等価インダクタンス及び寄生キャパシタンスを有する。N+層138は、誘導子136の端を光電池131に相互接続する。この実施例では、N+層138及び基板140に使用する材料は、光電池131により吸収されるスペクトル領域に対し光学的に透明であるよう選択される。これにより、光電池131の光照明142が、発振器の基板側から結合されることが可能となる。一般的に、光学照明143は、回路に電力を供給するよう使用する。
【0015】
図12を参照するに、導電性の金層で覆われる進行波アンテナ71を用いる光学電力発振器の1つの実施例を示す。このアンテナは、所望の周波数においてシステムを共振させる壁78からのある点において壁73、74に亘って配置されるRTD及び太陽電池直列セット77を有する。直列接続されるRTD及び光電池は、任意の所与の周波数において特定のインピーダンス値を有する。壁73、74によって形成されるスロットの両端で測定されるインピーダンスは、短絡壁78からの距離の関数として変化する。例えば、壁78に非常に近ければ、スロットのインピーダンスは、非常に低いインダクタンスとして測定される。電気波長の4分の1より僅かに離れる点では、スロットは、僅かに容量性として測定される。図12の回路を、周波数Fにおける発振器として動作させるには、直列セット77は、スロットのインピーダンスが、直列セット77のインピーダンスの複素共役となるようにスロットに沿って配置されるべきである。このようにして、直列セット77の実効リアクタンスが、スロットの共役リアクタンスによって相殺される。これが、周波数Fにおける発振器として機能する為の、直列セット77の場所の好適な点である。この回路は、送信器、又は、高周波受信器回路内において局所発振器として使用され得る。この回路は、直列セット77を担持する基板と同じ基板上に製造され得る。又は、アンテナ71が、クオーツ又はマイラープラスチックの基板上に配置され、直列セット77が、標準フリップチップ又は他の周知の技術を用いて、アンテナに物理的及び電気的に付着される。
【0016】
図13を参照するに、直列接続されたRTD及び光電池セット81が、ダイポール83に亘って配置され、それにより、RTD及び光電池セットが、送信器、又は、受信器回路用のフリースペースの局所発振器として機能することができるようにされる。ダイポール83の両端で測定されるインピーダンスは、中心84からの距離の関数として変化する。例えば、中心84に非常に近ければ、ダイポールのインピーダンスは、非常に低く、インダクティブとして測定される。中心から離れた点のインピーダンスは、増加する。図13の回路を、周波数Fにおける発振器として動作させるために、RTD及び光電池セット81は、ダイポールのインピーダンスが、RTD及び光電池セット81のインピーダンスの複素共役となるようダイポールに電気的に接続されるべきである。このようにして、RTD及び光電池セット81の実効リアクタンスは、ダイポールの共役リアクタンスによって相殺される。これが、周波数Fにおける発振器として機能する為の、RTD及び光電池セット81の場所の好適な点である。この回路は、送信器、又は、高周波数受信器回路における局所発振器として使用され得る。回路は、RTD及び光電池セット81を担持する基板と同じ基板上に製造され得る。又は、アンテナ83が、クオーツ又はマイラープラスチックといった基板に配置され、RTD及び光電池セット81は、標準フリップチップ又は他の周知の技術を用いてアンテナに物理的及び電気的に付着される。
【0017】
図14を参照するに、共通基板62上の共振発振器のアレイ全体61を示す図である。各発振器は、ダイポールアンテナ、RTD、及び、光電池からなる。RTD及び光電池は、直列接続されてセットを形成する。各セットの端子は、セットがダイポールとインピーダンスが合わされるよう各ダイポールに接続される。各ダイポール発振器は、アレイ全体が首尾一貫して発振する、即ち、位相ロックされた方法で発振することを可能にするよう電気的に半波長の長さにされる。ダイポール発振器のアレイ61は、光源63からの光によって電力が得られる。光源の強度及び均一性は、各ダイポール発振器に同等に電力が供給されるよう調整される。
【0018】
本発明の一部の利用法では、RTDと光電池とを異なる基板上に製造することが望ましい場合がある。又は、RTDと光電池とを、両立しないエピタキシャル成長法によって製造することが望ましい場合がある。1つの実施例では、RTDは、別個の基板上に製造され、機械的又は化学的に個々の単位にダイスカットされ、周知のフリップチップ又はマルチチップモジュール組立体を用いて光電池端子の1つに機械的及び電気的に接合され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】
従来技術における、リード線を用いたRTD発振器への電力供給を示す図である。
【図2】
本発明の1つの実施例を示す回路図である。
【図3】
本発明の1つの実施例の構造を示す図である。
【図4】
本発明の第2の実施例の構造を示す図である。
【図5】
RTDのI−Vプロットを示す図である。
【図6】
RTDの電圧に対する微分コンダクタンスのプロットを示す図である。
【図7】
pn接合光電池の等価電気モデルを示す図である。
【図8】
pn接合光電池のI−Vプロットを示す図である。
【図9】
RTD及びpn接合光電池のI−Vプロットを示す図である。
【図10】
本発明の1つの実施例によるRTD発振器を示す回路図である。
【図11】
本発明の1つの実施例によるRTD発振器構造を示す図である。
【図12】
進行波アンテナを用いた本発明の別の実施例を示す図である。
【図13】
ダイポールアンテナを用いた本発明の別の実施例を示す図である。
【図14】
光によって電力が供給されるアレイ全体を示す図である。
発明の背景
[発明の属する技術分野]
本発明は、共鳴トンネルデバイス(RTD)に係り、より具体的には、共鳴トンネルデバイスに電力を供給する方法に係る。
【0002】
[発明の背景]
サブミリメートル波長のマイクロ波発振器は、必要不可欠なマイクロ波コンポーネントである。この発振器は、ミリメートル波長無線受信器内の局所発振器として、且つ、ミリメートル波長無線送信器内の基本周波数決定機能として使用される。周波数キャリアに印象付けられる情報の可能な帯域幅は、キャリア周波数に比例するので、1,000GHz(1テトラヘルツ)以上で動作する発振器は、現在の技術に前例のない変調帯域幅を可能にする。一般的に、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、衝撃イオン化ダイオード、及び、ガン効果ダイオードは、マイクロ波発振器に使用されるが、これらのデバイスは、それらの寸法による固有の周波数制限を有する。デバイスの寸法は、走行時間効果によって速度を制限してしまう。共鳴トンネルダイオード(RTD)は、非常に高い固有利得と非常に速い切替え速度を有する半導体デバイスであり、マイクロ波発振器を、1,000GHzを優に上回る周波数帯に対し構成することを可能にする。しかし、共鳴トンネルダイオード発振器回路は、バイアス回路が、RTDと共振して、望ましくない振動モードを生成しないよう電気的にバイアスをかけることが非常に困難である。レディ(Reddy)外は、伝送線とショットキーダイオードの使用に基づいて、マイクロ波発振器内のRTDを適切にバイアスをかける1つの方法を提供する。(参考文献:M.レディ(M. Reddy)外、「Bias Stabilization for Resonant Tunnel Diode Oscillators」、IEEE Microwave and Guided Wave Letters, 1995年7月、第5巻、第7号)しかし、この方法は依然として、電源回路内に寄生共振が発生することを可能にしてしまう。従って、低周波数の振動を抑えながら、極超短波で振動するRTD回路を提供することに関し問題が残っている。
【0003】
[発明の概要]
本発明の1つの実施例では、低インダクタンスを供給するには、電力を供給する高キャパシタンス手段は、基本的に、擬似共振がないようRTDに電力を与え、且つ、バイアスをかけるために光電池を使用する。
【0004】
[好適な実施例の説明]
共鳴トンネルダイオードは、固有電気利得を有する。固有電気利得は、共鳴トンネルダイオードを、少なくとも最大数百GHzの増幅器及び発振器に使用することを可能にする。図1を参照するに、一般的なRTD発振器10は、電源12及び共振回路13を有するRTD11を含み得る。共振回路13は、所望の無線周波数に合わされた誘導子14及びコンデンサ15からなり得る。電源12は、RFバイパスコンデンサ16と、電池17といった電圧源と、電圧源をバイパスコンデンサ、RTD、及び、同調回路に接続する誘導子18、19からなるワイヤとからなり得る。RTDは、ゼロ周波数(dc)から上限Fmaxまでの電気利得を有する。RTDの利得は、周波数と共に減少する傾向があるので、発振器10の回路の最低特性共振周波数が、RTD振動の周波数を設定する傾向がある。このことは、RTD利得が、周波数が増加するにつれてロールオフする傾向のある高マイクロ波周波数において特に問題である。本質的に低周波数において利得が大きいことにより、RTDを含む回路は、所望のマイクロ波周波数においてではなくて、電源の配線における比較的大きい値のインダクタンスによって設定される低周波数において振動する傾向がある。この問題は、レディ外によって指摘されており(前出参考文献参照)、電源回路に適切にバイアスをかけ、電源回路を、6.9GHzRTD発振器から反結合するための特別な予防策が必要とされる。レディのアプローチでは、同調された伝送線とバイパスコンデンサを用いて、バイアス電圧源を、RTDとマイクロ波共振器から隔離させている。しかし、このアプローチは、RTD利得が周波数の増加と共に非常に高速でロールオフする500GHz以上の周波数においては、好適ではない。良好に反結合された電源配線の場合でも、望ましくない振動影響が依然として引き起こされ得る。
【0005】
図2を参照するに、RTDに電力を供給するために光電池が用いられる本発明の1つの実施例を示す回路図である。この実施例では、光電池21は、RTDデバイス23と直列接続される。光電池21は、光放射25を吸収し、この光放射を、RTDを活性化する電力に変換する。
【0006】
図3を参照するに、本発明の1つの実施例による図2の直列構造のエピタキシャル構造の断面図を示す。エピタキシャル構造は、多層pn接合光電池35上にある多層RTD31を含む。光電池35は、基板36上にある。端子は、37、及び、38であり、これらの端子を介して更なる回路が接続され得る。光学照明32、33が与えられて、回路に電力が供給される。
【0007】
図4を参照するに、共通基板43上にある多層RTD41と、共通基板上にある多層光電池45からなる第2の構造を示す。層46は、RTD41と光電池45の両方に共通である。光学照明42、44が与えられて、回路に電力が供給される。端子48、49は、RTDと光電池にそれぞれ接続され、また、外部の回路に更に接続され得る。この技術において周知のように、量子井戸ダイオードとしても知られる共鳴トンネルダイオードは、負性微分コンダクタンス効果を生成するために、1対のポテンシャルエネルギー障壁を通過する電子のトンネル効果を用いる。RTDは一般的に、2つのエネルギー障壁によって囲まれる1つの量子エネルギー井戸を生成するよう形成されるエピタキシャル成長された半導体材料の多層スタック(ヘテロ構造)からなる。この構造に入射する電子は、特定の明確に決められたエネルギー以外は、この構造から反射する。このエネルギーは、量子井戸内の共振エネルギーレベルに対応し、また、これらのエネルギーに対し、この構造を通るコンダクタンスは、非常に効率がよい。非常に高い周波数のRTD用の一般的な設計を、表1に示す。これらの層は、インジウム(In)、ヒ素(As)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、及び、リン(P)からなる化合物を用いた、分子線エピタキシャル成長法、又は、化学蒸着法を用いて成長される。InGaAs量子井戸、及び、AlAsトンネル障壁に基づいたRTDは、標準InP基板上に容易に成長させることができる。シリコン及びホウ素といった様々なドーパントを用いて、各層の伝導率を変更することが可能である。このようなダイオードは、GaAs基板上のAlGaAs化合物を用いて製造することも可能である。
【0008】
表1 一般的な共鳴トンネルダイオードへテロ構造
【表1】
図5に示すように、上部コンタクトと下部コンタクトの間の電気バイアス下では、ダイオード内の電流は、バイアスが増加するにつれて、まず上昇する。次に、更なるバイアスで急激に降下する。次に、更なるバイアスで再び上昇する。図5は、最初の共振で、100,000アンペア/cm2の電流を示す表1のRTDの電圧応答に対する電流を示す。この応答は、1平方マイクロメートルの断面積を有するデバイスに対してのものである。最初の上昇と、約0.28ボルトのバイアスにての、ダイオード電流におけるピークは、ヘテロ構造内に確立された最低エネルギー伝導帯共振を通る電子の量子力学トンネル効果によるものである。0.5ボルトのバイアス以降の電流における第2の上昇は、次に高いエネルギー共振を通るトンネル効果の始まりによるものである。図5に示すように、0.28ボルト及び0.5ボルト間のバイアス電圧における電流の下落は、負の傾斜を有する。図6に、このデバイスに対してのバイアス領域に関連付けられる負性微分コンダクタンス(又は、反対に負性微分抵抗)を示す。このバイアス範囲内において、RTDは、増幅、又は、振動のための利得素子として使用することが可能である。最大負性微分コンダクタンス(−6.96E−3 オーム−1)は、この例示的なデバイスでは、約0.35ボルトにおいて生じる。これは、最大利用可能な利得のバイアスポイントでもある。RTDを共振電気回路に接続することは、RTD利得の大きさが回路内の損失を超えると、増幅及び発振を生成することが可能である。この電子回路における増幅及び発振を支援することのできる能力は、負性微分コンダクタンスを示す任意の電気デバイスの特徴である。(参考文献:「Basic Theory And Application of Tunnel Diodes」、S.P.ジェンタイル(S. P. Gentile)、ヴァン・ノストランド(Van Nostrand)、プリンストン、N.J.、1962年)現在の技術の状態では、共鳴トンネルダイオードは、固有電子利得を有する最速の半導体である。RTDは、700Ghz以上で発振することが示されている。(参考文献:ブラウン外、「High Frequency Resonant Tunneling Oscillators」、Microwave and Optical Technology Letters, 1991年1月、第4巻、第1号、p.19−23)従って、半導体利得素子に基づく最速発振器は、現在は、共鳴トンネルダイオードを使用しなければならない。
【0009】
図7に、pn接合光電池の既に実施される等価電気モデルを示す。(参考文献:「Physics of Semiconductor Devices」、S.M.スジ(S. M. Sze)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、第14章、1981年[ISBN0−471−05661−8])光電池100は、被制御電流源102、シャントダイオード102、接合キャパシタンス106、及び、直列出力抵抗108によって表される。コンデンサ106は、一般的に、ダイオードの面積の一次関数である。直列抵抗108は、ダイオードを製造するのに用いた材料の種類と厚さに依存する。電流源102の振幅ILは、光学照明110のレベルIPに正比例する。フォトダイオードの端子間の出力電圧は、外部負荷抵抗、光電流IL、内部ダイオード104の電圧応答に対する電流、及び、直列抵抗105の両端間の電圧降下によって決定される。図8は、一般的なpn接合光電池の出力電圧応答に対して計算されたdc出力電流を示す。計算には、10オームの直列抵抗を用いた。光学照明のレベルが、基準値から1倍、3倍、及び、6倍に上がると、ダイオードからの短絡出力電流は、それぞれ、0.5、1.5、及び、3ミリアンペアに増加する。同一の照明範囲に対し、ダイオードの両端の開回路電圧は、0.34乃至0.39ボルトの範囲に下落する。ダイオードのdc抵抗は、照明に応じて変化する。フォトダイオードの等価抵抗の最低値は、ゼロ電流の領域において生じる。図8に示す最高レベルの照明では、光電池のdc抵抗は、開回路条件に近い約34オームである。
【0010】
金属半導体接合に基づいた光電池は、ショットキー光電池と称し、pn接合ダイオードの代替である。多くの異なるタイプのpn及びショットキー光電池が可能であり、多くの半導体材料を用いて光電池を形成することが可能である。
【0011】
図9は、図5に示すRTDのI−V曲線58と、幾つかの光学照明レベルにおける一般的なpn又はショットキーダイオード光電池のI−V特性を示す。低レベルの光学照明では、光電池のI−V特性は、曲線52として表され得る。中間レベルの光学照明では、光電池のI−V特性は、曲線54として表され得る。高レベルの光学照明では、光電池のI−V特性は、曲線56として表され得る。増幅器又は発振器として動作するようRTDに適切にバイアスをかけるには、光電池のI−V特性が、RTDの最大負性微分抵抗59の点において、RTDのI−Vとインタセプトするよう光電池の光照明を調節しなければならない。上述した条件は、曲線54によって最もよく示される。
【0012】
RTDを、安定した増幅器又は発振器として使用するには、RTDの両端の平均電圧を、その負性抵抗領域内に維持するdc電圧で、RTDに電気的にバイアスをかける必要がある。
【0013】
光電池21の電気特性は、RTD23の有用な電源として機能するよう幾つかの要件を満たすべきである。第1に、光電池21は、光電池が、回路内のRF電流を妨げないよう所望のRF動作周波数において非常に低いインピーダンスを示すべきである。低インピーダンスという要件は、その接合キャパシタンスが、RTDに対し十分に低いリアクタンス性インピーダンスを提供する十分な面積を有する光電池を用いることによって満たすことが可能である。1つの実施例では、この接合キャパシタンスのリアクタンスの大きさは、動作周波数では、1オームより小さくされる。500GHzの動作周波数では、光電池21の接合キャパシタンスは、1/2πF=1/6.28*500E9=0.3ピコファラッド以上であるよう設定され得る。一般的なpn及びショットキー光電池は、約100平方マイクロメートルの面積で、この接合キャパシタンスを達成することができる。光電池の第2の要件は、光電池が、適切なバイアス安定性を保証するために、RTD回路に対し十分に低いdc抵抗を示すことである。光電池によって、RTDに示されるdc抵抗は、RTDのピーク負性微分抵抗の大きさより小さくなければならない。このことは、図9に曲線54として示すような光電池によって確立されるI−V負荷線が、1つのバイアス点においてのみ、RTDのI−Vをインタセプトすることを保証する。式で表すと、直列接続されたRTD及び光電池を含む増幅器又は発振器の適切な動作のためには、
−RRTD(dc)>RPhotocell(dc) (式1)
であることを必要とする。ただし、RRTD(dc)は、RTDの微分dc抵抗であり、RPhotocell(dc)は、RTDと直列接続される光電池の微分dcコンダクタンスに等しい。1つの例として、図9に示すRTDのピーク負性微分抵抗は、約(1/−6.46E−3)=−154オームである。このRTDが、増幅器又は発振器に正しく使用されるには、RTDの両端に配置される実効dc抵抗は、154オーム以下でなくてはならない。設計マージンを設けるために、RPhotocellは、(−RRTD)の1/2の値より小さい値に制限されるべきである。回路の残りの部分も非ゼロのdc抵抗を有する場合、光電池のdc抵抗は、同様の分だけ更に少なくされなければならない。シミュレートされたI−Vトレース54によって示される微分dc抵抗は、バイアスポイント59において約40オームである。従って、曲線54と類似するI−Vを供給する光電池は、好適な微分dc抵抗を有し得る。
【0014】
図10を参照するに、RTD発振器120は、光電池121、RTD123、及び、共振回路124を含み得る。共振回路124は、所望の発振周波数に合わせられた誘導子126及びコンデンサ128からなる。図11は、光電池回路131、RTD133、及び、誘導ストラップ136からなるモノリシック発振器130の断面図を示す。誘導ストラップ136は、発振器120内の共振器124の機能を供給するよう等価インダクタンス及び寄生キャパシタンスを有する。N+層138は、誘導子136の端を光電池131に相互接続する。この実施例では、N+層138及び基板140に使用する材料は、光電池131により吸収されるスペクトル領域に対し光学的に透明であるよう選択される。これにより、光電池131の光照明142が、発振器の基板側から結合されることが可能となる。一般的に、光学照明143は、回路に電力を供給するよう使用する。
【0015】
図12を参照するに、導電性の金層で覆われる進行波アンテナ71を用いる光学電力発振器の1つの実施例を示す。このアンテナは、所望の周波数においてシステムを共振させる壁78からのある点において壁73、74に亘って配置されるRTD及び太陽電池直列セット77を有する。直列接続されるRTD及び光電池は、任意の所与の周波数において特定のインピーダンス値を有する。壁73、74によって形成されるスロットの両端で測定されるインピーダンスは、短絡壁78からの距離の関数として変化する。例えば、壁78に非常に近ければ、スロットのインピーダンスは、非常に低いインダクタンスとして測定される。電気波長の4分の1より僅かに離れる点では、スロットは、僅かに容量性として測定される。図12の回路を、周波数Fにおける発振器として動作させるには、直列セット77は、スロットのインピーダンスが、直列セット77のインピーダンスの複素共役となるようにスロットに沿って配置されるべきである。このようにして、直列セット77の実効リアクタンスが、スロットの共役リアクタンスによって相殺される。これが、周波数Fにおける発振器として機能する為の、直列セット77の場所の好適な点である。この回路は、送信器、又は、高周波受信器回路内において局所発振器として使用され得る。この回路は、直列セット77を担持する基板と同じ基板上に製造され得る。又は、アンテナ71が、クオーツ又はマイラープラスチックの基板上に配置され、直列セット77が、標準フリップチップ又は他の周知の技術を用いて、アンテナに物理的及び電気的に付着される。
【0016】
図13を参照するに、直列接続されたRTD及び光電池セット81が、ダイポール83に亘って配置され、それにより、RTD及び光電池セットが、送信器、又は、受信器回路用のフリースペースの局所発振器として機能することができるようにされる。ダイポール83の両端で測定されるインピーダンスは、中心84からの距離の関数として変化する。例えば、中心84に非常に近ければ、ダイポールのインピーダンスは、非常に低く、インダクティブとして測定される。中心から離れた点のインピーダンスは、増加する。図13の回路を、周波数Fにおける発振器として動作させるために、RTD及び光電池セット81は、ダイポールのインピーダンスが、RTD及び光電池セット81のインピーダンスの複素共役となるようダイポールに電気的に接続されるべきである。このようにして、RTD及び光電池セット81の実効リアクタンスは、ダイポールの共役リアクタンスによって相殺される。これが、周波数Fにおける発振器として機能する為の、RTD及び光電池セット81の場所の好適な点である。この回路は、送信器、又は、高周波数受信器回路における局所発振器として使用され得る。回路は、RTD及び光電池セット81を担持する基板と同じ基板上に製造され得る。又は、アンテナ83が、クオーツ又はマイラープラスチックといった基板に配置され、RTD及び光電池セット81は、標準フリップチップ又は他の周知の技術を用いてアンテナに物理的及び電気的に付着される。
【0017】
図14を参照するに、共通基板62上の共振発振器のアレイ全体61を示す図である。各発振器は、ダイポールアンテナ、RTD、及び、光電池からなる。RTD及び光電池は、直列接続されてセットを形成する。各セットの端子は、セットがダイポールとインピーダンスが合わされるよう各ダイポールに接続される。各ダイポール発振器は、アレイ全体が首尾一貫して発振する、即ち、位相ロックされた方法で発振することを可能にするよう電気的に半波長の長さにされる。ダイポール発振器のアレイ61は、光源63からの光によって電力が得られる。光源の強度及び均一性は、各ダイポール発振器に同等に電力が供給されるよう調整される。
【0018】
本発明の一部の利用法では、RTDと光電池とを異なる基板上に製造することが望ましい場合がある。又は、RTDと光電池とを、両立しないエピタキシャル成長法によって製造することが望ましい場合がある。1つの実施例では、RTDは、別個の基板上に製造され、機械的又は化学的に個々の単位にダイスカットされ、周知のフリップチップ又はマルチチップモジュール組立体を用いて光電池端子の1つに機械的及び電気的に接合され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】
従来技術における、リード線を用いたRTD発振器への電力供給を示す図である。
【図2】
本発明の1つの実施例を示す回路図である。
【図3】
本発明の1つの実施例の構造を示す図である。
【図4】
本発明の第2の実施例の構造を示す図である。
【図5】
RTDのI−Vプロットを示す図である。
【図6】
RTDの電圧に対する微分コンダクタンスのプロットを示す図である。
【図7】
pn接合光電池の等価電気モデルを示す図である。
【図8】
pn接合光電池のI−Vプロットを示す図である。
【図9】
RTD及びpn接合光電池のI−Vプロットを示す図である。
【図10】
本発明の1つの実施例によるRTD発振器を示す回路図である。
【図11】
本発明の1つの実施例によるRTD発振器構造を示す図である。
【図12】
進行波アンテナを用いた本発明の別の実施例を示す図である。
【図13】
ダイポールアンテナを用いた本発明の別の実施例を示す図である。
【図14】
光によって電力が供給されるアレイ全体を示す図である。
Claims (12)
- 共鳴トンネルダイオードと、
上記共鳴トンネルダイオードに接続され、光に応答して、上記共鳴トンネルダイオードにバイアスをかける光電池と、
を含む発振器。 - 上記光電池は、上記共鳴トンネルダイオードに電力を供給し、且つ、バイアスをかけるよう一体にされる請求項1記載の発振器。
- 上記太陽電池は、上記共鳴トンネルダイオードに適合するよう高いI−V太陽電池応答を有する低漏出の光電池である請求項1記載の発振器。
- アンテナと、
上記アンテナに接続される発振器と、を含み、
上記発振器は、
共鳴トンネルダイオードと、
上記トンネルダイオードに接続され、光に応答して、上記共鳴トンネルダイオードにバイアスをかける光電池と、
を含む変換器。 - 上記アンテナは、進行波アンテナである請求項4記載の変換器。
- 上記共鳴トンネルダイオード、及び、上記光電池は、システムを所望の周波数において共振させる端壁からの1つの点において、側壁の間に直列接続される請求項5記載の変換器。
- 上記アンテナは、ダイポールアンテナである請求項4記載の変換器。
- 上記共鳴トンネルダイオードと、上記光電池は、上記ダイポールアンテナの中心に亘って直列接続される請求項7記載の変換器。
- 発振器である請求項4記載の変換器。
- アンテナのアレイと、
上記アンテナのアレイの各アンテナに接続される発振器と、を含み、
上記発振器は、
共鳴トンネルダイオードと、
上記トンネルダイオードに接続され、光に応答して、上記共鳴トンネルダイオードにバイアスをかける太陽電池と、
を含む発振器。 - 各アンテナは、ダイポールである請求項10記載の発振器。
- 上記アンテナのアレイは、共通の基板上にある請求項10記載の発振器。
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