JP2004517846A - ワクチン - Google Patents
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Abstract
本発明は、ニコチン代謝産物に対する能動的または受動的形態の免疫療法を提供する。例えば、ニコチン中毒の免疫療法に使用される、ニコチン代謝産物を含有するワクチン、及び特にコチニンを含有するワクチンが提供される。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチン中毒の治療及び予防のための新規ワクチン及び医薬製剤に関する。特に本発明は、ニコチン代謝産物の1種を含有するワクチン、またはニコチン代謝産物に結合し得るリガンドを含有する医薬製剤に関する。本発明のワクチンは、体内でのニコチン代謝産物の効果を排除する抗体を誘導し、それによって喫煙制御を容易にし得る。また本発明によって、ニコチン代謝産物を含有する新規な免疫原、及び喫煙制御のためのワクチンの製剤化におけるその使用が提供される。本発明のワクチンまたは医薬製剤の投与によって、喫煙を減らすかまたはやめることを望む個人の治療方法も提供される。
【背景技術】
【0002】
喫煙は健康に悪影響があり、そのため喫煙者がその習慣をやめようとすることがしばしばある。しかしながら、ニコチンの中毒性とタバコの入手し易さの故に、ニコチンに対する継続的な依存性及びやめようとする者の失敗率の高さを押し上げている。禁断症状は不快であり、通常更に喫煙することで逃れられる。
【0003】
喫煙をやめようとして失敗する主な原因の1つは、ニコチンに対する身体的依存である。投与の後、ニコチンは脳内の多くの受容体を刺激してドーパミンの放出を引き起こし、その後多くの代謝経路(Kyerematen(1991)DrugMetabolismReviews23(1&2),3―41)を介して種々の代謝産物、例えばコチニン、ニコチン1´―N―オキシド、ニコチングルクロニド、ノルニコチン(NicotineSafetyandToxicity,Benowitz1998)、コチニンN―オキシド、ノルコチニン、トランス―3´―ヒドロキシコチニン及びコチニングルクロニド等に広範な生体内変化を受ける。
【0004】
コチニンはニコチンの主要な代謝産物であることが示されており、Benowitzによる研究(ClinPharmacolTher(1983)34(5),604―611)で、ヒトでは全身に吸収されたニコチンの86%がコチニンに代謝されると評価されている。コチニンはまた、ニコチンの末梢投与後のラット脳で最も多い代謝産物であることが示された(Dwoskinら,TheJournalofPharmacologyandExperimentalTherapeutics(1999),288(2),905―911)。更に、コチニンが精神作用を有しており、ヒト及び動物においてニコチンのinvivoの効果に拮抗し得ることが示唆されている(Hatsukamiら,Psychopharmacology(1998)135:141―150)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ニコチン中毒に対して多くの治療法が開発され、使用されているが、これらはニコチンそのものの活性に焦点を合わせたものである。これらの治療法は、ニコチン含有チューインガム若しくは皮膚パッチ等のニコチン代替治療の形態であるか、あるいはWO98/124216(ImmulogicPharmaceuticalsInc)及びWO00/33229(Nabi)に記載されているワクチン接種によるニコチンの効果の破棄のいずれかであった。これらの文献と異なり、本発明はニコチン代謝産物のターゲッティングに関連する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、免疫療法によるニコチン代謝産物のターゲッティングによって、喫煙制御が容易になることが見出された。特に、本発明の一態様は、それ自身がニコチンのアンタゴニストであるニコチン代謝産物の生物学的効果の免疫療法的改変に関連する。喫煙をやめようとしている個人に対するこの型の免疫療法の結果は、喫煙禁断症状の低減、防止若しくは変化、またはニコチン摂取のプラスの効果の変化であり、それによって個人が禁煙を成功させる可能性を高める。本発明において特に好ましいニコチン代謝産物はコチニンである。
【0007】
理論に拘束されることを望むわけではないが、コチニン代謝産物に対する被検者における免疫反応によって、ニコチンの神経学的効果に対してコチニン代謝産物が有する弱い(dampening)効果が驚くほど低減され、それによって被検者が必要とするニコチンの量がより少なくなり得る。
【0008】
従って本発明は、ニコチン代謝産物に対する能動的形態または受動的形態の免疫療法を提供する。例えば、ニコチン中毒の免疫療法のために使用される、ニコチン代謝産物を含有するワクチン、特にコチニンを含有するワクチンが提供される。
【0009】
また、免疫原性が弱い代謝産物を効果的な免疫原に変換し得る担体分子にコンジュゲートさせたニコチン代謝産物を含有する、本発明のワクチンにおける使用のための免疫原が提供される。
【0010】
従って、ニコチン中毒の免疫療法における使用のための、ニコチン代謝産物と、タンパク質等のT―ヘルパーエピトープを含有する担体分子とを含有する免疫原が提供される。本発明の好ましい免疫原には、タンパク質担体分子にコンジュゲートしたコチニンが含まれる。
【0011】
抗コチニン抗体は例えば、AmericanResearchProductsInc(ARP),489CommonSt.#B,Belmont,MA,02178―4455から購入した。
【0012】
抗コチニン抗体はまた、CortexBiochemInc.,1933DavisSt.,#321,SanLeandro,Ca,94577及びAdvancedBiotechnologiesLtd.,MoleBusinessPark3,#7RandallsRoad,Leatherhead,Surrey,KT227Bからも入手できる。
【0013】
本発明によって、ニコチン中毒の治療のための医薬の製造における、ニコチン代謝産物、特にコチニンの使用も提供される。
【0014】
また、本発明によって、ニコチン中毒の受動的治療が提供される。従って、ニコチン代謝産物に結合し、その活性を低下させ得るリガンドを含有する医薬製剤が投与のために提供される。本発明のこの態様において、好ましいリガンドはポリクローナルまたはモノクローナル抗体である。受動免疫療法のための好ましいニコチン代謝産物はコチニンである。
【0015】
本明細書において、用語「抗体」は、有用な抗原結合特異性を有する分子をいうために使用される。当業者は、この用語が、抗体の断片または誘導体であって、なおかつ同じかまたは密接に類似した機能性を示し得るポリペプチドをも含み得ることを容易に認識するであろう。こうした抗体断片または誘導体は、本明細書において使用する用語「抗体」に含まれることが意図される。
【0016】
従って、本発明の関連した態様において、コチニンに結合し、その活性を低下させ得るリガンドが提供される。本発明の免疫原は、(公知の技術、例えばKohler及びMilstein,Nature,1975,256,p495を用いた)モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの作製、当分野で公知の技術によるヒト化モノクローナル抗体またはCDRグラフト化モノクローナル抗体の作製のために使用することもできる。ニコチン中毒の治療のためのポリクローナルまたはモノクローナル抗体の製造における本明細書に記載の免疫原の使用もまた、本発明によって提供される。
【0017】
タンパク質担体含有T―ヘルパーエピトープへのニコチン代謝産物の結合を含む新規な免疫原が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
コチニンは以下の構造で示される:
【化1】
【0019】
本発明の免疫原は、リンカーが2’(カルボニル)位に結合しないという条件で、コチニン分子上の任意の位置にタンパク質担体を結合させることによって作製される。
【0020】
コチニンに基く特に好ましい本発明の免疫原は、以下の式で示される:
【化2】
【0021】
[式中、タンパク質担体はコチニン分子に1、2、5、6、または4’位のいずれかに共有結合する。]
特殊なリンカー及び対応するリンカーの化学は、WO98/124216(ImmulogicPharmaceuticalCorporation)、WO00/33229(Nabi)、及びWO99/61054(IndependentPharmaceuticaAB)に記載されている。これら全てを参照により本明細書に組み入れる。
【0022】
代謝産物のペプチドの免疫原性担体への共有結合は、当分野で周知の方法で行うことができる。例えば、直接的な共有結合のためには、CDAP及びSPDP等の通常の市販されているヘテロ二官能性リンカーを(製造者の使用説明書に従って)利用して、カルボジイミド、グルタルアルデヒドまたは(N―[γ―マレイミドブチリルオキシ])スクシンイミドエステルを利用することができる。カップリング反応の後、透析法、ゲル濾過法、分画法等の手段によって免疫原を容易に単離し、精製することができる。
【0023】
本発明の免疫原において使用される担体の型は、当業者には容易にわかるであろう。担体の機能は、ニコチン代謝産物に対する免疫応答を誘導するのを促進するためのサイトカインの援助を提供することである。本発明において使用し得る担体の網羅的ではないリストには、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)等の血清アルブミン、破傷風若しくはジフテリアトキシン(TT及びDT)等の不活化細菌毒素、CRM197若しくはその組み換え断片(例えばTTの断片Cのドメイン1、若しくはDTの転座(translocation)ドメイン)、またはツベルクリン由来の精製タンパク質(PPD)が含まれる。あるいはまた、ニコチン代謝産物は、T細胞の援助を提供し得る免疫原を更に含み得るリポソーム担体に直接結合することができる。好ましくは、ニコチン代謝産物の数のそれぞれの担体に対する比は1:1〜20:1のオーダーであり、好ましくは各担体は3−15個のニコチン代謝産物を担持する。
【0024】
本発明の実施形態において、好ましい担体はインフルエンザ菌(Haemophilusinfluenzae)のプロテインDである。プロテインDは、インフルエンザ菌のIgD結合タンパク質であり、Forsgrenに特許が与えられている(WO91/18926、特許EP0594610B1)。状況によっては、例えば組み換え免疫原の発現系においては、プロテインDの断片、例えばプロテインD1/3rd(プロテインDのN―末端の100―110アミノ酸を含有(GB9717953.5))を使用することが望ましい場合がある。
【0025】
あるいはまた、担体分子は、他の非ヘルパーアミノ酸配列なしでT―ヘルパーエピトープからなっていても良く(WO99/67293)、またニコチン代謝産物は免疫原マトリクス中に形成されても良い(WO00/33229)。
【0026】
従って本発明は、ニコチン中毒の予防または治療のためのワクチンの製造におけるニコチン代謝産物の使用を提供する。従って、本発明の免疫原は医薬、及びニコチン中毒の治療または予防における使用のために提供される。従って、ニコチン中毒の患者若しくはニコチン中毒になりやすい患者に本発明のワクチンまたは医薬を投与することを含む、ニコチン中毒の治療方法が提供される。
【0027】
本発明のワクチンは、有利にはアジュバントを含むこともできる。本発明のワクチンのために好適なアジュバントは、ニコチン代謝産物に対する抗体応答を増大させ得るアジュバントを含有する。アジュバントは当分野で周知である(VaccineDesign―TheSubunitandAdjuvantApproach,1995,PharmaceuticalBiotechnology,Volume6,Eds.Powell,M.F.andNewman,M.J.,PlenumPress,NewYorkandLondon,ISBN0―306―44867―X)。本発明の免疫原と共に使用するために好適なアジュバントとしては、アルミニウム塩またはカルシウム塩(例えば水酸化物またはリン酸塩)が挙げられる。その他のアジュバントとしては、QS21(US5,057,540)及び3D―MPL(GB2220211)等のサポニンアジュバントが挙げられる。
【0028】
本発明のワクチンは、一般的にプライミング投与及びブースター投与の双方のために投与される。ブースター投与は、適当な間隔をおくことが期待され、好ましくは年に1度、または循環抗体のレベルが所望レベル以下に落ちた時に投与する。
【0029】
本発明の更なる態様において、医薬において使用するための上記のワクチンが提供される。
【0030】
本発明のワクチン製剤は、該ワクチンを全身投与または粘膜経路を介して投与することによって、ニコチン中毒の個体を治療するために使用することができる。これらの投与には、筋肉内、腹腔内、皮内、または皮下経路を介した注射、あるいは経口/食事、呼吸器、尿生殖路への粘膜投与を介したものが挙げられる。経皮経路を介した投与経路は、例えばワクチン送達皮膚パッチによるものである。
【0031】
各ワクチンの投与におけるタンパク質の量は、典型的なワクチンに見られる有意な副作用なしに免疫防御応答を誘導する量として選択される。このような量は、どの特定の免疫原を使用するか、またどのようにそれを提示するかによって変動する。一般には、各投与量に1―1000μgのタンパク質が含まれることが期待され、好ましくは1―500μg、更に好ましくは1―100μg、中でも1から50μgが最も好ましい範囲である。特定のワクチンのための最適量は、被検者における適切な免疫応答の観察が含まれる標準的な研究によって確かめることができる。最初のワクチン接種の後、被検者は適当に間隔をあけて1回または数回のブースター免疫を受けることができる。
【0032】
上記のリガンドを含有する医薬組成物も本発明の態様を形成する。医薬、及びニコチン中毒の治療のための医薬の製造におけるリガンドの使用も提供される。
【0033】
ワクチンの調製は、NewTrendsandDevelopmentsinVaccines,Vollerら編,UniversityParkPress,Baltimore,Maryland,U.S.A.1978に概説されている。タンパク質の高分子へのコンジュゲート形成についてはLikhiteの米国特許第4,372,945号及びArmorらの米国特許第4,474,757号に開示されている。
【0034】
本発明を以下の実施例によって説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0035】
1.コチニン−タンパク質コンジュゲートの調製
1.1 N―アルキルピリジルコチニンコンジュゲートの調製
以下の誘導体化したコチニン分子の製造を以下のようにして行った。
【化3】
【0036】
反応は窒素下で行い、ガラス器具は全て少なくとも使用12時間前にオーブン中150℃で予め乾燥させた。
【0037】
(―)―コチニン(200mg、1.1mmol)をTorontoResearchChemicals(www.trc―canada.com)から購入し、無水メタノール(1cm3、CaH2から蒸留)に溶解し、氷浴中で0℃まで冷却した。これに無水メタノール中の6―ブロモヘキサン酸(244mg、1.25mmol)を滴下した。次に溶液を室温で24時間攪拌した。次いで溶媒を減圧下で除去し、残渣に水(5cm3)及びCH2Cl2(5cm3)を添加した。水相を、TLC(メタノール)で1個の基準産物のみを示すようになるまで(過剰の臭素酸(bromoacid)を除去するために)CH2Cl2(6×5cm3)で洗浄した。次いで水溶液を濃縮して(フリーズドライヤー)無色の油としてN―アルキルピリジルコチニンコンジュゲート(90mg、27%)を得た。
【0038】
【0039】
カルボキシル基含有分子のタンパク質への結合
カルボキシル基は、活性エステル中間体を用いて(例えばN―ヒドロキシスクシンイミドエステルを製造して)、またはカルボジイミドによってinsituでカルボキシル基を活性化することによって、タンパク質上のアミノ基にコンジュゲートさせることができる。
【0040】
カルボジイミド:
タンパク質に結合させる場合、通常水溶性のカルボジイミドを使用する。これらをEDCまたはEDACという。他のカルボジイミドも存在するが、これらは一般に有機合成のためである。
【0041】
ハプテンを、タンパク質に対して20―100倍モル過剰になるように水に溶解する。pHはカルボキシル基がプロトン化された形態となるように調整する。これは一般にpHを7以下、理想的には約pH5にすることが必要である。pHがより高い場合にも反応は生じるが、反応を起こさせるためにはタンパク質に対するハプテンの比率がより高いことが必要となり得る。
【0042】
次に、(カルボキシル基に対して)10倍モル過剰の水溶性カルボジイミド1―エチル―3―(3―ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)を添加する。これは、粉末、または水に溶解したばかりの溶液として添加することができる。これを室温で3―5分間インキュベートする。
【0043】
次に活性化したハプテン―EDC混合物を、タンパク質の100mMリン酸緩衝液pH8の溶液に添加する。この緩衝系によって、残ったカルボジイミドがタンパク質上のカルボキシル基を活性化するのが防止される。
【0044】
数時間(5―8時間)放置し、リン酸緩衝食塩水に対して透析することで、未反応の誘導体化したコチニンを除去する。
【0045】
ヒドロキシスクシンイミドエステル
insituでカルボキシル基を活性化する代わりに、小さな有機分子では前もって活性化を行うことができる。
【0046】
この場合、N―ヒドロキシスクシンイミドを、一般にジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の有機溶媒に可溶性のカルボジイミドを使用して、ハプテンのカルボキシル基にコンジュゲートさせる。得られたN―ヒドロキシスクシンイミドエステルは、タンパク質上のアミノ基に自動的にコンジュゲートする。
【0047】
ここで必要となるのは、活性化したハプテンが水溶性であることと、タンパク質が7.5から8.5のpHであることである。
【0048】
N―ヒドロキシスクシンイミドエステルが水に直接可溶でない場合、活性化されたハプテンはジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドまたはエタノールに溶解でき、この有機溶液の少量を次いでタンパク質の50mMリン酸緩衝液pH7.5―8の溶液に添加する。有機溶液は極めて新しいものであることが重要である。これらの溶液中に痕跡量の水が存在すると、活性エステルがゆっくり加水分解される。その後のコンジュゲーション反応において、10―20容量%以下の有機溶媒をタンパク質溶液に添加してタンパク質が沈殿するのを防止する。
【0049】
別の方法は、スルホ―N―ヒドロキシスクシンイミドエステルを作製するものである。この場合、N―ヒドロキシスクシンイミド上に硫酸基があり、水溶性が増大する。
【0050】
一般に、タンパク質の20―50mMリン酸緩衝液pH7.5―8の溶液に、10倍または20倍モル過剰の活性化エステルを添加する。およそ1mg/mlのタンパク質濃度が一般に使用される。反応を少なくとも5時間進行させ、次いでリン酸緩衝食塩水に対して透析して未反応の誘導体化したコチニンを除去する。透析は4℃で行い、少なくとも2回緩衝液を交換して行い、それぞれの透析を少なくとも3時間行うのが良い。
【0051】
カルボキシル基をタンパク質にコンジュゲートさせる他の方法、例えばスルホ―N―ヒドロキシスクシンイミドをEDC反応に添加して反応を促進させること(スルホ―NHS活性エステル中間体のinsitu形成)またはHATUの使用については、既に記載されている。
【実施例2】
【0052】
1.2 コチニンのチオールコンジュゲートの調製
以下の誘導体化したコチニン分子の製造は以下のようにして行った。
【化4】
【0053】
反応は窒素下で行い、全てのガラス器具は使用前に150℃のオーブンで少なくとも12時間かけて予め乾燥させた。
【0054】
(±)―トランス―4―コチニンカルボン酸(200mg、0.9mmol)、2―アミノエタンチオール.HCl(103mg、0.9mmol)及びトリエチルアミン(0.13cm3、1.8mmol)を無水DMF(1.5cm3)に溶解した。混合液を氷浴中で0℃まで冷却し、次いでEDCl.HCl(174mg、0.9mmol)を添加した。反応混合液を室温まで加温し、更に12時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、残渣に水(5cm3)及びCH2Cl2(5cm3)を添加した。水相をCH2Cl2(4×5cm3)で抽出し、有機抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。5%メタノール/ジクロロメタンを溶出液として用いたフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、無色の油としてチオール(136mg、収率54%)を得た。
【0055】
【0056】
次いで誘導体化したコチニンを、通常のマレイミド化学を用いてタンパク質キャリアーとしてのオボアルブミンにチオエーテル結合を介してコンジュゲートした。GMBS(γ―マレイミドブチリルオキシ―スクシンイミドエステル)等のヘテロ二官能性試薬はヒドロキシスクシンイミドエステルを介してタンパク質上のアミノ基と反応し、マレイミド修飾タンパク質を生成し、これが次にチオールと反応し得る。
【0057】
製造業者の推奨に従うべきであるが、以下の条件を使用した。GMBSをエタノールまたはジメチルホルムアミドに1mg/mlで溶解し、タンパク質(OVA)をリン酸緩衝液またはPBSpH7.5―8に溶解する。タンパク質に10―20倍モル過剰のGMBSを添加する。10倍過剰の場合は、オボアルブミン1分子あたり約5個のマレイミド基が結合する。20倍過剰の場合は、オボアルブミン1分子あたり約10個のマレイミド基が結合する。2―3時間反応させる。多量(1l)のリン酸緩衝液またはPBSpH7.5に対して透析する。3―4時間の透析後、チオール化試薬を修飾タンパク質に添加する。チオール化試薬はマレイミド基に対して例えば20倍過剰等の過剰量で添加する。8時間以上反応させる。数時間の透析後によって未結合のハプテンを除去する。
【実施例3】
【0058】
1.3 6―アミノコチニンコンジュゲートの調製
以下の誘導体化したコチニン分子の製造は以下のようにして行った。
【化5】
【0059】
アクリル酸(0.04cm3、0.6mmol)を6―アミノコチニン(100mg、0.5mmol)のトルエン(1cm3)溶液に添加して環流し、1時間加熱を持続した。この間に油分が分離してきた。反応混合液を室温まで冷却し、溶媒を減圧除去した。水(5cm3)及びジクロロメタン(5cm3)を添加し、水相を更にジクロロメタンを用いて(3×5cm3)分離抽出した。有機抽出物を合わせて溶媒を減圧除去した。2%メタノール/ジクロロメタンを溶出液として用いたフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、無色の油として6―アミノコチニンコンジュゲート(12mg、9%)を得た。
【0060】
【0061】
6―アミノコチニン誘導体のアクリルアミド基は、チオ酢酸またはチオ酢酸カリウムと反応して容易に遊離のチオール基に変換され得る。次に遊離のチオール基は炭酸カリウム/メタノールまたはメタノール中のナトリウムメトキシドを用いてチオ酢酸を切断することによって生成される。次に誘導体化したコチニンを通常のチオール化学を用い、チオエーテル結合を介してタンパク質担体としてのオボアルブミンにコンジュゲートさせた。
【0062】
ヘテロ二官能性試薬SPDP(N―スクシンイミジル3,2―ピリジルジチオプロピオネート)をタンパク質上のアミノ基と反応させ、ジチオピリジルで誘導体化したタンパク質を形成する。ジチオピリジル基はpH5以上でチオール基と反応してジスルフィド結合を形成する(pH7以下ではチオールは他のチオールと容易に反応しないため、pH5〜7の間でチオールを有するハプテンとタンパク質間のジスルフィド結合を形成する反応が起こる)。
【実施例4】
【0063】
1.4 ワクチンの製剤化
1.1、1.2及び1.3の産物を、Superfosから購入した水酸化アルミニウム塩上に吸着させることによってワクチンに製剤化した。
【0001】
本発明は、ニコチン中毒の治療及び予防のための新規ワクチン及び医薬製剤に関する。特に本発明は、ニコチン代謝産物の1種を含有するワクチン、またはニコチン代謝産物に結合し得るリガンドを含有する医薬製剤に関する。本発明のワクチンは、体内でのニコチン代謝産物の効果を排除する抗体を誘導し、それによって喫煙制御を容易にし得る。また本発明によって、ニコチン代謝産物を含有する新規な免疫原、及び喫煙制御のためのワクチンの製剤化におけるその使用が提供される。本発明のワクチンまたは医薬製剤の投与によって、喫煙を減らすかまたはやめることを望む個人の治療方法も提供される。
【背景技術】
【0002】
喫煙は健康に悪影響があり、そのため喫煙者がその習慣をやめようとすることがしばしばある。しかしながら、ニコチンの中毒性とタバコの入手し易さの故に、ニコチンに対する継続的な依存性及びやめようとする者の失敗率の高さを押し上げている。禁断症状は不快であり、通常更に喫煙することで逃れられる。
【0003】
喫煙をやめようとして失敗する主な原因の1つは、ニコチンに対する身体的依存である。投与の後、ニコチンは脳内の多くの受容体を刺激してドーパミンの放出を引き起こし、その後多くの代謝経路(Kyerematen(1991)DrugMetabolismReviews23(1&2),3―41)を介して種々の代謝産物、例えばコチニン、ニコチン1´―N―オキシド、ニコチングルクロニド、ノルニコチン(NicotineSafetyandToxicity,Benowitz1998)、コチニンN―オキシド、ノルコチニン、トランス―3´―ヒドロキシコチニン及びコチニングルクロニド等に広範な生体内変化を受ける。
【0004】
コチニンはニコチンの主要な代謝産物であることが示されており、Benowitzによる研究(ClinPharmacolTher(1983)34(5),604―611)で、ヒトでは全身に吸収されたニコチンの86%がコチニンに代謝されると評価されている。コチニンはまた、ニコチンの末梢投与後のラット脳で最も多い代謝産物であることが示された(Dwoskinら,TheJournalofPharmacologyandExperimentalTherapeutics(1999),288(2),905―911)。更に、コチニンが精神作用を有しており、ヒト及び動物においてニコチンのinvivoの効果に拮抗し得ることが示唆されている(Hatsukamiら,Psychopharmacology(1998)135:141―150)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ニコチン中毒に対して多くの治療法が開発され、使用されているが、これらはニコチンそのものの活性に焦点を合わせたものである。これらの治療法は、ニコチン含有チューインガム若しくは皮膚パッチ等のニコチン代替治療の形態であるか、あるいはWO98/124216(ImmulogicPharmaceuticalsInc)及びWO00/33229(Nabi)に記載されているワクチン接種によるニコチンの効果の破棄のいずれかであった。これらの文献と異なり、本発明はニコチン代謝産物のターゲッティングに関連する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、免疫療法によるニコチン代謝産物のターゲッティングによって、喫煙制御が容易になることが見出された。特に、本発明の一態様は、それ自身がニコチンのアンタゴニストであるニコチン代謝産物の生物学的効果の免疫療法的改変に関連する。喫煙をやめようとしている個人に対するこの型の免疫療法の結果は、喫煙禁断症状の低減、防止若しくは変化、またはニコチン摂取のプラスの効果の変化であり、それによって個人が禁煙を成功させる可能性を高める。本発明において特に好ましいニコチン代謝産物はコチニンである。
【0007】
理論に拘束されることを望むわけではないが、コチニン代謝産物に対する被検者における免疫反応によって、ニコチンの神経学的効果に対してコチニン代謝産物が有する弱い(dampening)効果が驚くほど低減され、それによって被検者が必要とするニコチンの量がより少なくなり得る。
【0008】
従って本発明は、ニコチン代謝産物に対する能動的形態または受動的形態の免疫療法を提供する。例えば、ニコチン中毒の免疫療法のために使用される、ニコチン代謝産物を含有するワクチン、特にコチニンを含有するワクチンが提供される。
【0009】
また、免疫原性が弱い代謝産物を効果的な免疫原に変換し得る担体分子にコンジュゲートさせたニコチン代謝産物を含有する、本発明のワクチンにおける使用のための免疫原が提供される。
【0010】
従って、ニコチン中毒の免疫療法における使用のための、ニコチン代謝産物と、タンパク質等のT―ヘルパーエピトープを含有する担体分子とを含有する免疫原が提供される。本発明の好ましい免疫原には、タンパク質担体分子にコンジュゲートしたコチニンが含まれる。
【0011】
抗コチニン抗体は例えば、AmericanResearchProductsInc(ARP),489CommonSt.#B,Belmont,MA,02178―4455から購入した。
【0012】
抗コチニン抗体はまた、CortexBiochemInc.,1933DavisSt.,#321,SanLeandro,Ca,94577及びAdvancedBiotechnologiesLtd.,MoleBusinessPark3,#7RandallsRoad,Leatherhead,Surrey,KT227Bからも入手できる。
【0013】
本発明によって、ニコチン中毒の治療のための医薬の製造における、ニコチン代謝産物、特にコチニンの使用も提供される。
【0014】
また、本発明によって、ニコチン中毒の受動的治療が提供される。従って、ニコチン代謝産物に結合し、その活性を低下させ得るリガンドを含有する医薬製剤が投与のために提供される。本発明のこの態様において、好ましいリガンドはポリクローナルまたはモノクローナル抗体である。受動免疫療法のための好ましいニコチン代謝産物はコチニンである。
【0015】
本明細書において、用語「抗体」は、有用な抗原結合特異性を有する分子をいうために使用される。当業者は、この用語が、抗体の断片または誘導体であって、なおかつ同じかまたは密接に類似した機能性を示し得るポリペプチドをも含み得ることを容易に認識するであろう。こうした抗体断片または誘導体は、本明細書において使用する用語「抗体」に含まれることが意図される。
【0016】
従って、本発明の関連した態様において、コチニンに結合し、その活性を低下させ得るリガンドが提供される。本発明の免疫原は、(公知の技術、例えばKohler及びMilstein,Nature,1975,256,p495を用いた)モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの作製、当分野で公知の技術によるヒト化モノクローナル抗体またはCDRグラフト化モノクローナル抗体の作製のために使用することもできる。ニコチン中毒の治療のためのポリクローナルまたはモノクローナル抗体の製造における本明細書に記載の免疫原の使用もまた、本発明によって提供される。
【0017】
タンパク質担体含有T―ヘルパーエピトープへのニコチン代謝産物の結合を含む新規な免疫原が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
コチニンは以下の構造で示される:
【化1】
【0019】
本発明の免疫原は、リンカーが2’(カルボニル)位に結合しないという条件で、コチニン分子上の任意の位置にタンパク質担体を結合させることによって作製される。
【0020】
コチニンに基く特に好ましい本発明の免疫原は、以下の式で示される:
【化2】
【0021】
[式中、タンパク質担体はコチニン分子に1、2、5、6、または4’位のいずれかに共有結合する。]
特殊なリンカー及び対応するリンカーの化学は、WO98/124216(ImmulogicPharmaceuticalCorporation)、WO00/33229(Nabi)、及びWO99/61054(IndependentPharmaceuticaAB)に記載されている。これら全てを参照により本明細書に組み入れる。
【0022】
代謝産物のペプチドの免疫原性担体への共有結合は、当分野で周知の方法で行うことができる。例えば、直接的な共有結合のためには、CDAP及びSPDP等の通常の市販されているヘテロ二官能性リンカーを(製造者の使用説明書に従って)利用して、カルボジイミド、グルタルアルデヒドまたは(N―[γ―マレイミドブチリルオキシ])スクシンイミドエステルを利用することができる。カップリング反応の後、透析法、ゲル濾過法、分画法等の手段によって免疫原を容易に単離し、精製することができる。
【0023】
本発明の免疫原において使用される担体の型は、当業者には容易にわかるであろう。担体の機能は、ニコチン代謝産物に対する免疫応答を誘導するのを促進するためのサイトカインの援助を提供することである。本発明において使用し得る担体の網羅的ではないリストには、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)等の血清アルブミン、破傷風若しくはジフテリアトキシン(TT及びDT)等の不活化細菌毒素、CRM197若しくはその組み換え断片(例えばTTの断片Cのドメイン1、若しくはDTの転座(translocation)ドメイン)、またはツベルクリン由来の精製タンパク質(PPD)が含まれる。あるいはまた、ニコチン代謝産物は、T細胞の援助を提供し得る免疫原を更に含み得るリポソーム担体に直接結合することができる。好ましくは、ニコチン代謝産物の数のそれぞれの担体に対する比は1:1〜20:1のオーダーであり、好ましくは各担体は3−15個のニコチン代謝産物を担持する。
【0024】
本発明の実施形態において、好ましい担体はインフルエンザ菌(Haemophilusinfluenzae)のプロテインDである。プロテインDは、インフルエンザ菌のIgD結合タンパク質であり、Forsgrenに特許が与えられている(WO91/18926、特許EP0594610B1)。状況によっては、例えば組み換え免疫原の発現系においては、プロテインDの断片、例えばプロテインD1/3rd(プロテインDのN―末端の100―110アミノ酸を含有(GB9717953.5))を使用することが望ましい場合がある。
【0025】
あるいはまた、担体分子は、他の非ヘルパーアミノ酸配列なしでT―ヘルパーエピトープからなっていても良く(WO99/67293)、またニコチン代謝産物は免疫原マトリクス中に形成されても良い(WO00/33229)。
【0026】
従って本発明は、ニコチン中毒の予防または治療のためのワクチンの製造におけるニコチン代謝産物の使用を提供する。従って、本発明の免疫原は医薬、及びニコチン中毒の治療または予防における使用のために提供される。従って、ニコチン中毒の患者若しくはニコチン中毒になりやすい患者に本発明のワクチンまたは医薬を投与することを含む、ニコチン中毒の治療方法が提供される。
【0027】
本発明のワクチンは、有利にはアジュバントを含むこともできる。本発明のワクチンのために好適なアジュバントは、ニコチン代謝産物に対する抗体応答を増大させ得るアジュバントを含有する。アジュバントは当分野で周知である(VaccineDesign―TheSubunitandAdjuvantApproach,1995,PharmaceuticalBiotechnology,Volume6,Eds.Powell,M.F.andNewman,M.J.,PlenumPress,NewYorkandLondon,ISBN0―306―44867―X)。本発明の免疫原と共に使用するために好適なアジュバントとしては、アルミニウム塩またはカルシウム塩(例えば水酸化物またはリン酸塩)が挙げられる。その他のアジュバントとしては、QS21(US5,057,540)及び3D―MPL(GB2220211)等のサポニンアジュバントが挙げられる。
【0028】
本発明のワクチンは、一般的にプライミング投与及びブースター投与の双方のために投与される。ブースター投与は、適当な間隔をおくことが期待され、好ましくは年に1度、または循環抗体のレベルが所望レベル以下に落ちた時に投与する。
【0029】
本発明の更なる態様において、医薬において使用するための上記のワクチンが提供される。
【0030】
本発明のワクチン製剤は、該ワクチンを全身投与または粘膜経路を介して投与することによって、ニコチン中毒の個体を治療するために使用することができる。これらの投与には、筋肉内、腹腔内、皮内、または皮下経路を介した注射、あるいは経口/食事、呼吸器、尿生殖路への粘膜投与を介したものが挙げられる。経皮経路を介した投与経路は、例えばワクチン送達皮膚パッチによるものである。
【0031】
各ワクチンの投与におけるタンパク質の量は、典型的なワクチンに見られる有意な副作用なしに免疫防御応答を誘導する量として選択される。このような量は、どの特定の免疫原を使用するか、またどのようにそれを提示するかによって変動する。一般には、各投与量に1―1000μgのタンパク質が含まれることが期待され、好ましくは1―500μg、更に好ましくは1―100μg、中でも1から50μgが最も好ましい範囲である。特定のワクチンのための最適量は、被検者における適切な免疫応答の観察が含まれる標準的な研究によって確かめることができる。最初のワクチン接種の後、被検者は適当に間隔をあけて1回または数回のブースター免疫を受けることができる。
【0032】
上記のリガンドを含有する医薬組成物も本発明の態様を形成する。医薬、及びニコチン中毒の治療のための医薬の製造におけるリガンドの使用も提供される。
【0033】
ワクチンの調製は、NewTrendsandDevelopmentsinVaccines,Vollerら編,UniversityParkPress,Baltimore,Maryland,U.S.A.1978に概説されている。タンパク質の高分子へのコンジュゲート形成についてはLikhiteの米国特許第4,372,945号及びArmorらの米国特許第4,474,757号に開示されている。
【0034】
本発明を以下の実施例によって説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0035】
1.コチニン−タンパク質コンジュゲートの調製
1.1 N―アルキルピリジルコチニンコンジュゲートの調製
以下の誘導体化したコチニン分子の製造を以下のようにして行った。
【化3】
【0036】
反応は窒素下で行い、ガラス器具は全て少なくとも使用12時間前にオーブン中150℃で予め乾燥させた。
【0037】
(―)―コチニン(200mg、1.1mmol)をTorontoResearchChemicals(www.trc―canada.com)から購入し、無水メタノール(1cm3、CaH2から蒸留)に溶解し、氷浴中で0℃まで冷却した。これに無水メタノール中の6―ブロモヘキサン酸(244mg、1.25mmol)を滴下した。次に溶液を室温で24時間攪拌した。次いで溶媒を減圧下で除去し、残渣に水(5cm3)及びCH2Cl2(5cm3)を添加した。水相を、TLC(メタノール)で1個の基準産物のみを示すようになるまで(過剰の臭素酸(bromoacid)を除去するために)CH2Cl2(6×5cm3)で洗浄した。次いで水溶液を濃縮して(フリーズドライヤー)無色の油としてN―アルキルピリジルコチニンコンジュゲート(90mg、27%)を得た。
【0038】
【0039】
カルボキシル基含有分子のタンパク質への結合
カルボキシル基は、活性エステル中間体を用いて(例えばN―ヒドロキシスクシンイミドエステルを製造して)、またはカルボジイミドによってinsituでカルボキシル基を活性化することによって、タンパク質上のアミノ基にコンジュゲートさせることができる。
【0040】
カルボジイミド:
タンパク質に結合させる場合、通常水溶性のカルボジイミドを使用する。これらをEDCまたはEDACという。他のカルボジイミドも存在するが、これらは一般に有機合成のためである。
【0041】
ハプテンを、タンパク質に対して20―100倍モル過剰になるように水に溶解する。pHはカルボキシル基がプロトン化された形態となるように調整する。これは一般にpHを7以下、理想的には約pH5にすることが必要である。pHがより高い場合にも反応は生じるが、反応を起こさせるためにはタンパク質に対するハプテンの比率がより高いことが必要となり得る。
【0042】
次に、(カルボキシル基に対して)10倍モル過剰の水溶性カルボジイミド1―エチル―3―(3―ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)を添加する。これは、粉末、または水に溶解したばかりの溶液として添加することができる。これを室温で3―5分間インキュベートする。
【0043】
次に活性化したハプテン―EDC混合物を、タンパク質の100mMリン酸緩衝液pH8の溶液に添加する。この緩衝系によって、残ったカルボジイミドがタンパク質上のカルボキシル基を活性化するのが防止される。
【0044】
数時間(5―8時間)放置し、リン酸緩衝食塩水に対して透析することで、未反応の誘導体化したコチニンを除去する。
【0045】
ヒドロキシスクシンイミドエステル
insituでカルボキシル基を活性化する代わりに、小さな有機分子では前もって活性化を行うことができる。
【0046】
この場合、N―ヒドロキシスクシンイミドを、一般にジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の有機溶媒に可溶性のカルボジイミドを使用して、ハプテンのカルボキシル基にコンジュゲートさせる。得られたN―ヒドロキシスクシンイミドエステルは、タンパク質上のアミノ基に自動的にコンジュゲートする。
【0047】
ここで必要となるのは、活性化したハプテンが水溶性であることと、タンパク質が7.5から8.5のpHであることである。
【0048】
N―ヒドロキシスクシンイミドエステルが水に直接可溶でない場合、活性化されたハプテンはジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドまたはエタノールに溶解でき、この有機溶液の少量を次いでタンパク質の50mMリン酸緩衝液pH7.5―8の溶液に添加する。有機溶液は極めて新しいものであることが重要である。これらの溶液中に痕跡量の水が存在すると、活性エステルがゆっくり加水分解される。その後のコンジュゲーション反応において、10―20容量%以下の有機溶媒をタンパク質溶液に添加してタンパク質が沈殿するのを防止する。
【0049】
別の方法は、スルホ―N―ヒドロキシスクシンイミドエステルを作製するものである。この場合、N―ヒドロキシスクシンイミド上に硫酸基があり、水溶性が増大する。
【0050】
一般に、タンパク質の20―50mMリン酸緩衝液pH7.5―8の溶液に、10倍または20倍モル過剰の活性化エステルを添加する。およそ1mg/mlのタンパク質濃度が一般に使用される。反応を少なくとも5時間進行させ、次いでリン酸緩衝食塩水に対して透析して未反応の誘導体化したコチニンを除去する。透析は4℃で行い、少なくとも2回緩衝液を交換して行い、それぞれの透析を少なくとも3時間行うのが良い。
【0051】
カルボキシル基をタンパク質にコンジュゲートさせる他の方法、例えばスルホ―N―ヒドロキシスクシンイミドをEDC反応に添加して反応を促進させること(スルホ―NHS活性エステル中間体のinsitu形成)またはHATUの使用については、既に記載されている。
【実施例2】
【0052】
1.2 コチニンのチオールコンジュゲートの調製
以下の誘導体化したコチニン分子の製造は以下のようにして行った。
【化4】
【0053】
反応は窒素下で行い、全てのガラス器具は使用前に150℃のオーブンで少なくとも12時間かけて予め乾燥させた。
【0054】
(±)―トランス―4―コチニンカルボン酸(200mg、0.9mmol)、2―アミノエタンチオール.HCl(103mg、0.9mmol)及びトリエチルアミン(0.13cm3、1.8mmol)を無水DMF(1.5cm3)に溶解した。混合液を氷浴中で0℃まで冷却し、次いでEDCl.HCl(174mg、0.9mmol)を添加した。反応混合液を室温まで加温し、更に12時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、残渣に水(5cm3)及びCH2Cl2(5cm3)を添加した。水相をCH2Cl2(4×5cm3)で抽出し、有機抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。5%メタノール/ジクロロメタンを溶出液として用いたフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、無色の油としてチオール(136mg、収率54%)を得た。
【0055】
【0056】
次いで誘導体化したコチニンを、通常のマレイミド化学を用いてタンパク質キャリアーとしてのオボアルブミンにチオエーテル結合を介してコンジュゲートした。GMBS(γ―マレイミドブチリルオキシ―スクシンイミドエステル)等のヘテロ二官能性試薬はヒドロキシスクシンイミドエステルを介してタンパク質上のアミノ基と反応し、マレイミド修飾タンパク質を生成し、これが次にチオールと反応し得る。
【0057】
製造業者の推奨に従うべきであるが、以下の条件を使用した。GMBSをエタノールまたはジメチルホルムアミドに1mg/mlで溶解し、タンパク質(OVA)をリン酸緩衝液またはPBSpH7.5―8に溶解する。タンパク質に10―20倍モル過剰のGMBSを添加する。10倍過剰の場合は、オボアルブミン1分子あたり約5個のマレイミド基が結合する。20倍過剰の場合は、オボアルブミン1分子あたり約10個のマレイミド基が結合する。2―3時間反応させる。多量(1l)のリン酸緩衝液またはPBSpH7.5に対して透析する。3―4時間の透析後、チオール化試薬を修飾タンパク質に添加する。チオール化試薬はマレイミド基に対して例えば20倍過剰等の過剰量で添加する。8時間以上反応させる。数時間の透析後によって未結合のハプテンを除去する。
【実施例3】
【0058】
1.3 6―アミノコチニンコンジュゲートの調製
以下の誘導体化したコチニン分子の製造は以下のようにして行った。
【化5】
【0059】
アクリル酸(0.04cm3、0.6mmol)を6―アミノコチニン(100mg、0.5mmol)のトルエン(1cm3)溶液に添加して環流し、1時間加熱を持続した。この間に油分が分離してきた。反応混合液を室温まで冷却し、溶媒を減圧除去した。水(5cm3)及びジクロロメタン(5cm3)を添加し、水相を更にジクロロメタンを用いて(3×5cm3)分離抽出した。有機抽出物を合わせて溶媒を減圧除去した。2%メタノール/ジクロロメタンを溶出液として用いたフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、無色の油として6―アミノコチニンコンジュゲート(12mg、9%)を得た。
【0060】
【0061】
6―アミノコチニン誘導体のアクリルアミド基は、チオ酢酸またはチオ酢酸カリウムと反応して容易に遊離のチオール基に変換され得る。次に遊離のチオール基は炭酸カリウム/メタノールまたはメタノール中のナトリウムメトキシドを用いてチオ酢酸を切断することによって生成される。次に誘導体化したコチニンを通常のチオール化学を用い、チオエーテル結合を介してタンパク質担体としてのオボアルブミンにコンジュゲートさせた。
【0062】
ヘテロ二官能性試薬SPDP(N―スクシンイミジル3,2―ピリジルジチオプロピオネート)をタンパク質上のアミノ基と反応させ、ジチオピリジルで誘導体化したタンパク質を形成する。ジチオピリジル基はpH5以上でチオール基と反応してジスルフィド結合を形成する(pH7以下ではチオールは他のチオールと容易に反応しないため、pH5〜7の間でチオールを有するハプテンとタンパク質間のジスルフィド結合を形成する反応が起こる)。
【実施例4】
【0063】
1.4 ワクチンの製剤化
1.1、1.2及び1.3の産物を、Superfosから購入した水酸化アルミニウム塩上に吸着させることによってワクチンに製剤化した。
Claims (10)
- ニコチン中毒の治療に使用するための、T細胞エピトー
プを含む担体とコンジュゲートさせたニコチン代謝産物を含有する組成物。 - 担体がタンパク質である、請求項1に記載の組成物。
- ニコチン代謝産物と担体がリンカーによって架橋されている、請求項1または2に記載の組成物。
- ニコチン代謝産物がコチニンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- コチニンが1、2、5、6または4'位を介して担体とコンジュゲートしている、請求項4に記載の組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物、及びアジュバントを薬学上許容し得る担体中に含有するワクチン。
- 全身投与または経粘膜投与のための、請求項6に記載のワクチン。
- ニコチン中毒に罹患している患者またはそのおそれがある患者に対して請求項7に記載のワクチン組成物を投与することを含む、ニコチン中毒の治療方法。
- ニコチン中毒の治療のための医薬の製造における、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物の使用。
- コチニンを1、2、5、6または4'位を介してT細胞エピトープを含む担体に、場合によってリンカーを介してコンジュゲートする段階を含む、コチニンコンジュゲートの製造方法。
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