JP2004516670A - 光学的にポンピングされる固体レーザ - Google Patents

光学的にポンピングされる固体レーザ Download PDF

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Abstract

光学的にポンピングされる固体レーザは、ポンピング放射共振器(7)によって包囲されているレーザ媒質(1)を備え、ポンピング放射共振器(7)はポンピング放射源(9)から放射されるポンピング放射(14)をポンピング放射共振器(7)に入射するための少なくとも1つの開口(8)を備えている。このポンピング放射源(9)とレーザ媒質(1)との間にビームガイド及び/又はビーム形成光学系(10、11;11a〜i)が配置され、このビームガイド及び/又はビーム形成光学系はポンピング放射共振器(7)の内部においてポンピング放射源(9)のビーム通路に配置されている少なくとも1つの光学素子(11;11a〜i)を含み、この光学素子(11;11a〜i)が直接レーザ媒質(1)に向けられたポンピング放射(14)の少なくとも一部のパワー密度分布を変える。
図1

Description

【0001】
この発明は、ポンピング放射共振器によって囲まれたレーザ媒質を備え、ポンピング放射共振器はポンピング放射源から放射されるポンピング放射をポンピング放射共振器に入射するための少なくとも1つの開口を備え、ポンピング放射源とレーザ媒質との間にビームガイド及び/又はビーム形成光学系が配置されている光学的にポンピングされる固体レーザに関する。
【0002】
このような構成は例えばドイツ特許第68915421号明細書から公知である。この構成においてはレーザロッドがガラス管によって間隔を空けて包囲されている。このガラス管の外側は反射膜を備えている。このガラス管とレーザ媒質との間には冷却流体によって満たされているリング状空間が残されている。反射膜はレーザ媒質の軸に対して平行に延びるスリット状の開口を備え、これらの開口にはそれぞれポンピング放射源としてレーザダイオードが対応して配置されている。このレーザダイオードにはレンズが対応して設けられ、このレンズはレーザダイオードと共振器の外側との間にあって、それによりレーザダイオードから放出されて発散するビームを平行ビームに変形する。平行放射域の幅は、レーザ媒質の断面がほぼ全体に照射されるように選ばれている。
【0003】
上述の構成は、レーザ媒質を光学的にポンピングする基本的な可能性を説明するものである。上述のようなポンピング放射共振器は、またしばしば、前述のような冷却管を間隔を空けて包囲する別箇の構成部品として構成される。このポンピング放射共振器は、通常、ポンピング放射を形成するのに、例えばレーザ媒質におけるポンピングパワー密度分布を均質化するのに利用される。ポンピング放射源としては、この場合、通常、高出力ダイオードレーザが使用される。出力を上げるためにこのダイオードレーザは種々の方法で、例えば水平及び垂直方向のスタックもしくは積層体の形でn層対称に、レーザ媒質の回りに積み重ねられて配置される。共振器は、普通、誘電膜或いは例えば金のような金属膜による反射膜を備えている。或いはまた共振器は拡散共振器として構成される。このために、代表的には、吸収性が小さく、拡散的に散乱するセラミックス(例えば酸化アルミニウム)或いはテフロン(登録商標)をベースとする構造(例えば、スペクトラロン;なお、スペクトラロンはラブスフェア社の登録商標である)が使用される。
【0004】
このような構成においては、レーザ媒質内部においてポンピングパワー密度分布を均質に形成し、とりわけ望ましくない、熱により誘起される障害、例えばレーザ媒質において熱的に誘起される応力或いは屈折率の温度依存変化を低減することが基本的に望まれている。というのは、このような障害は正にこのようなレーザの効率の低下及びビーム品質の悪化を招くからである。
【0005】
従って、従来技術としてポンピング放射をレーザ媒質に入射することに関して多くの刊行物が知られている。この場合、以下に挙げる構成方式に主として区別される。即ち、
1.ビームを形成し及び/又はガイドする光学素子を使用することなく共振器開口にポンピング放射を直接入射する方式。このような構成は例えば、インタナショナル・ジャーナル・レーザ・フィジックス(International Journal Laser Physics)所載のT.ブランド(Brand)、B.オジガス(Ozygus)、H.ウエバー(Weber)の論文「kW範囲のダイオードポンピング固体レーザ(”Diode Pumped Solid State Lasers in the kW−Range”)に図示され、説明されている。この刊行物に示された構成においては棒状のレーザ物質が冷却管によって間隔を空けて包囲され、この構成の回りに再び断面で見てU字形の共振器が配置され、この共振器の開口範囲にダイオードレーザが対応して配置されている。
2.ポンピング放射を導波管により共振器開口に入射する方式。このために例えば「オプティックス・レターズ(Optics Letters)」、第21巻第3号(1996年2月1日)所載のD.ゴラ(Golla)他の論文「ファイバ結合されたダイオードレーザによりポンピングされる62−W cw TEMOO Nd:YAG レーザ(62−W cw TEMOO Nd:YAG laser side−pumped by fiber−coupled diode lasers)」 に、ポンピング放射を円筒状の導波管域からレーザロッド及び冷却管を包囲している共振器のスリット状開口にまで導き、共振器に入射するポンピング構成が記載されている。円筒状の導波管に代え、例えばヨーロッパ特許出願公開第0798827A2号明細書の図26に示されているような種々異なる形のプレーナ形導波管も知られている。
3.共振器開口をできるだけ小さく構成し、損失を少なくする目的で、ポンピング放射を共振器開口にビーム形成光学系により、例えば放射をレンズによって焦点化して入射する。このような手段は、例えばオプティックス・レターズ(Optics Letters)第21巻第7号(1996年4月1日)所載のハンス・ブリュッセルバッハ(Hans Bruesselbach)及びデビッド・S.スミダ(David S. Sumida)の論文「69−W平均出力Yb:YAGレーザ(69−W average−power Yb:YAG laser)」に記載されている。
4.さらに、ビームガイド及びビーム形成構成を前記2及び3に記載されたような導波管とビーム形成光学系との組み合わせにより構成することができる。
【0006】
ポンピング放射源として、既に前述したように、個々のダイオードレーザ或いはいわゆるダイオードレーザスタックが益々多く使用される。このようなダイオードレーザスタックは水平及び/又は垂直に積層されたダイオードレーザからなる。このような構成は前述のヨーロッパ特許出願公開第0798827A2号明細書に極めて多様な形が記載されている。
【0007】
ダイオードレーザによってポンピングされる固体レーザ増幅器及び固体レーザはまたヨーロッパ特許出願公開第0867988A2号明細書にも記載されている。この文献による構成は、ダイオードレーザのポンピング放射が直接レーザ媒質の軸の方向に入射されるのではなくて、仮にそうだとしても、先ずはレーザ媒質の断面に接する方向に入射される、という特徴を備えている。このような対策でレーザロッドの区間に関する温度勾配分布の均一性を改善しようとするものである。
【0008】
ドイツ特許出願公開第19908516A1号明細書からは、ポンピング放射光のビーム通路に散乱面を設け、これにより、ポンピング光源として半導体レーザダイオードを使用したときにレーザロッドを一様に照射することを保証した光学的にポンピングされる固体レーザが公知である。このための1つの構成例においては、その内面において粗面化されている光透過性の冷却管を設けている。しかしながら、この構成は共振器を欠いているので、効率、即ちポンピングパワーのレーザ出力への変換が、特に薄く或いは低くドープされたレーザロッドの場合に明らかに減少する。
【0009】
上述の構成もしくはポンピング放射の入射方式の全てにおいて、多かれ少なかれ、レーザ媒質にポンピングパワー密度分布の非均一性が発生し、これが望ましくない、熱的に誘起される障害、例えば熱により生ずる応力及び屈折率の温度依存変化をレーザ媒質内に招く。これらの障害は、結果的に、レーザの低効率及びビーム品質の悪化をもたらす。この効果は、固体がダイオードレーザから放射される放射によってポンピングされるときに、それだけ強く発生する。というのは、ダイオードレーザにおいては、放射される放射線の特性(波長、光学的出力、放射角)においてその製造に起因してばらついている多数の個々のポンピング放射源が問題であるからである。その上、これらのパラメータは劣化効果を受ける(波長はその寿命を越えると高い値にドリフトし、出力はその寿命を越えると20%低下する(ダイオードレーザの寿命は同一電流において初期出力の80%に達することをもって定義されている))。半導体構造の発展により放射特性の変化に対するさらに別の原因が生じている(これは例えば放出されたポンピング放射の放射角の減少によって現われる)。さらに、ダイオードレーザアレイから放出される放射はその多重の対称性及びその特性により相対的に非均一に分布される。
【0010】
上述の従来技術及びこれに伴う問題点から出発して、この発明の課題は、光学的にポンピングされる固体レーザにおいて、従来技術に比較して一方ではレーザ媒質の均等な照射と、他方ではポンピングパワーの効率的利用とが達成され、特に望ましくない熱的に誘起される障害が低減もしくはほぼ回避されるものを提供することにある。
【0011】
この課題は、冒頭に挙げたような光学的にポンピングされるレーザにおいて、ビームガイド及び/又はビーム形成光学系が、ポンピング放射共振器内において各ポンピング放射源のビーム通路に配置されている少なくとも1つの光学素子を備え、この光学素子がレーザ媒質に直接向けられているポンピング放射の少なくとも一部のパワー密度分布を変更することにより達成される。
【0012】
ポンピング放射共振器内において各ポンピング放射源のビーム通路に光学素子を配置することで、レーザ媒質に向けられたポンピング放射を効率の損失なしで均質化できることが示されている。共振器に光学素子を配置することにより、この光学素子で反射された放射がほぼ共振器に留まる結果となる(例えば、理想的な拡散器は一方側から入射する放射のそれぞれ50%を透過もしくは反射する(ランバート(Lambert)の法則))。
【0013】
ポンピング放射共振器においてポンピング放射を均質化することは、共振器の外部に、即ち放射源と、放射がそれを通して共振器に進入する共振器の開口との間に配置された光学素子により効率に関して妥協なしには達成することができない。というのは、これらの素子は、第一に、ポンピング放射を集束し、これをできるだけ狭い共振器開口を通して損失なしに導くという責務を持っているからである。
【0014】
従って、この発明による構成により、同時にポンピングパワーを充分に利用しながら、レーザ媒質において最適なポンピング光の形成、例えば均一な照射が可能となる。何故なら、例えば、高い散乱度、従ってそれから帰結する比較的高い反射ポンピング放射成分を持つ光学素子が効率を損なうことなく使用されるからである。
【0015】
この光学素子はポンピング放射共振器の内側近くに配置されるのが好ましい。この光学素子を開口の範囲においてポンピング放射共振器の内側近くに配置することは、光学素子が開口に突入するのではなく、精々共振器の内側、即ち反射面に接して位置を取ることを意味する。正にこのような配置により光学素子からレーザ媒質までにできるだけ大きい間隔が得られ、それにより、例えば光学素子の与えられた散乱度においてレーザ媒質の場所において最大の均質効果が得られる。この光学素子は、共振器スリットの幅及び光学素子の幅(これもまた共振器開口後のポンピング放射特性に関係する)に関係して、共振器開口からの最小間隔を持たねばならない。この最小間隔は上記の周辺条件を考慮して数値的に(例えば、レイ・トレイシング(光線追跡)プログラムにより)、できるだけ少なく、光学素子における反射によるポンピング放射が共振器開口に当るように最適化される。
【0016】
基本的には、この発明による光学素子の構成で求めるレーザ媒質におけるパワー損失の最小化とパワー密度分布の均質化とを実現する可能性は2つある。
【0017】
光学素子に対する第一の技術的実現の可能性は、一面或いは両面に拡散的に散乱する表面を備えた、ポンピング放射に対して透過性の媒体、例えば機械的に或いは化学的に粗面化した表面を備えたガラスである。表面の粗面化もしくは表面地形並びに光学材料の屈折率を介して影響される散乱度は、この場合、ビーム形成効果(例えば、均質化)並びにポンピング放射の反射された及び透過されたパワー部分への分割を決定する。加えるに、散乱度は散乱表面の数、即ち場合によっては、直列に配置された光学素子の数を介して増大される。
【0018】
この場合、それ故、ポンピング放射の直接の均質化が行われる。即ち、光学素子を通過したポンピング放射は広げられ、均質化されるので、レーザロッドに当った際に既に大幅に均一な照射が行われる。
【0019】
この発明の他の有利な構成において光学素子はその放射入射面及び/又は放射出射面にマイクロレンズ構成を備えているか回折光学系として形成されている。マイクロレンズもしくは回折構造の非常に短い焦点距離の場合、このように形成された光学素子は粗面化された表面を備えた光学素子と同じように散乱的に作用する。マイクロレンズ構成は、さらに、一つには方向性が得られるように、即ちビームを軸及び半径方向に異なる形に形成するように特別に設計される。その上、反射防止膜によって反射ポンピング放射成分を低減することができる。マイクロレンズ構成の寸法に対する最適化基準はポンピング放射のビーム形成の他にその構成の調節不感性である。この最適化はこの場合もレイ・トレイシング・プログラムにより数値的に行われる。ポンピング放射源の放射特性並びにポンピング放射共振器におけるその他の素子のトポロジー的配置を予め規定することにより、例えばレーザ媒質におけるポンピング放射のできるだけ均質な分布を得るためのレンズアレイのパラメータ(レンズの焦点距離、寸法及び数)が最適化される。同様に回折的光学系も、ポンピング放射の均質化が、反射防止膜を必要とすることなく、反射される放射成分を最小にして行われるように設計される。さらに回折的素子(即ち、表面トポロジー)の適切な設定によりそのビーム形成特性をレーザ媒質における最適なポンピング放射分布の要件に合せて最適化することができる。回折的な素子の設定及び最適化は、同様に数値的方法によってのみ可能である。回折的な素子は例えば、光学的に透過性の材料(例えば、プラスチックからなるフィルム或いはプレート)の表面トポロジーを変更することによって作られる。
【0020】
光学素子のその他の構成方法は、容積中において散乱する、同様にポンピング放射に対して全くもしくは僅かにしか吸収しない材料を使用することである。この場合、散乱度は光学素子における散乱中心の数並びにその厚さ(ポンピング放射の方向の寸法)を介して影響される。光学素子の特性を適切な表面トポロジーにより付加的に影響させることは個々の事例において有意義である。
【0021】
容積中において散乱する材料のその他の一般的な利点は、これを冷却管に容易に集積できることである。その他に粗面化された表面の場合とは異なり表面の効果的な反射防止が可能である。
【0022】
より簡単な、それにもかかわらず有効な構成において、光学素子は乳白ガラス或いは前処理された石英ガラスから形成される。乳白ガラスとしては例えばショット社により「ミルクオーバレイガラス」という名称で販売されている材料が好適である。前処理された石英ガラスに関してはガラスセラミックスを製造する際と同様な製造プロセスが使用される。狙いは最適な散乱度とより小さい吸収損失を得ることである。
【0023】
拡散的に散乱する光学素子の使用に代えて、この発明の第二の技術的実現方法においてはポンピング放射共振器の内部に、このポンピング放射共振器内部のポンピング放射のパワー密度分布をビーム偏向によって変える光学素子を設けることである。この構成においてはポンピング放射パワー密度が方向に関係して修正される。この構成では光学素子を通過するポンピング光ビームを方向に関連して狙いどおりに変えることにより、その他の共振器スリットを通してのパワー損失を、同時に共振器、特に拡散反射する表面を備えた共振器により行われる、レーザ媒質におけるパワー密度分布を均一にしながら最小にすることができる。
【0024】
このような光学素子を使用することは、特に、ポンピング光を入射するためにレーザ媒質の回りに対称的に配分された偶数の共振器スリット或いは開口を備えているポンピング光共振器において有利である。というのは、目的とするビーム偏向により、通常円筒状のレーザ媒質のレンズ効果に基づき反対側の共振器スリットに結像され、これを通して出て行くポンピング光の割合が減少するからである。換言すれば、この発明のこの構成においては、光学素子は第一に、ポンピング光ビームの伝播方向を、これが反対側の共振器スリットを通して出て行かないように制御するという責務を持っている。ポンピング光放射の本来の均質化は、その場合、ポンピング放射共振器の適切な構成により行われ、この共振器は、この場合、特に拡散共振器として形成されている。
【0025】
光学素子としては、このために、レンズ、特に円筒状の平凹面レンズ或いは一般的に屈折面、例えば面平行板或いは一方の面が平面で、他方の面が互いに傾斜している平面を持つ板のような従来のように結像する光学素子が適している。このような素子は、コスト的に有利に製造され、冷却管の壁に、その内表面及び外表面を適当な形状とするように加工することにより組み入れることは特に容易である。基本的には冷却管も勾配レンズとして、即ち半径方向及び周囲方向に屈折率が変化するように構成し、このようにして所望のビーム形成を行うようにすることができる。
【0026】
この発明の特に有利な構成として、従来のように結像する或いはビーム形成光学素子に代わって、放射入射面及び/又は放射出射面にマイクロレンズ構造が配置されている結像光学素子を設けることもできる。
【0027】
その他の有利な構成としてポンピング放射を形成するために光学素子は回折光学系として形成される。
【0028】
この変形構成において使用されるマイクロレンズ構成或いは回折光学系は、その場合、それぞれ、散乱性光学素子として使用されるマイクロレンズ構成及び回折光学系とは異なる表面トポロジー、例えばマイクロレンズのより大きな焦点距離によって区別される。
【0029】
従来技術において、レーザ媒質がポンピング放射に対して透過性の冷却管によって囲まれている光学的にポンピングされる固体レーザは公知である。このような構成と関連して光学素子は冷却管の壁に組み入れられる。これは、光学素子が冷却管の外周面に載置されることにより、また光学素子が冷却管にはめこまれることにより行われる。後者は例えば冷却管の内面及び/又は外表面をそれに合うような形状とすることにより行われる。いずれの場合にも、この光学素子はそれぞれ、ポンピング放射共振器の開口に関して及びポンピング放射に関して、レーザ媒質からの間隔に関する要求(例えば、所定の散乱度において充分な均質化或いは一般的なビーム形成効果を得るために)並びに共振器開口による損失の最小化に関する要求が光学素子で反射された放射光によって充足されるように注意されねばならない。
【0030】
このような構成の冷却外被は、通常、ポンピング放射に対して透過性の材料、例えば石英から形成され、ポンピング放射光に対して同様に透過性の、主として流体の冷却媒体、例えば水をレーザ媒質の表面に沿って流し、レーザ媒質を直接冷却する管として構成される。
【0031】
光学素子に対するその他の寸法決めの規定として、その寸法及び位置は、ポンピング放射源から放射され、直接レーザ媒質に向けられている、即ち光学素子が設けられていないときの放射分だけが光学素子によって検出されるように選ばれねばならない。これにより、主としてレーザ媒質においてポンピング放射分布の障害の原因となる放射部分が整合(例えば均質化)されることが保証される。その場合、光学素子によって検出されなかったポンピング放射は適切に共振器(例えば、拡散反射器もしくは適切に形成された直接反射器)によって影響を受けるものと想定される。
【0032】
ポンピング放射共振器の内部において光学素子の背面側に、即ちレーザ媒質の反対側に反射されるポンピング放射のある割分は、その特定の割分が再び光学素子に対向して配置されている開口に反射され、その結果ポンピング放射共振器から出て行くことが明らかである。これを実質的に回避するために、光学素子の放射入射面に反射防止を設けることが行われるのがよい。特に好ましい構成においては、これに代えて或いはこれに付加して、光学素子の放射入射面をポンピング放射源とレーザ媒質の中心との間の線に対して90°でない角度だけ傾けて、放射入射面で反射されたポンピング放射の成分を主としてポンピング放射共振器に、即ちこれに対応する開口の外で当るようにする。
【0033】
ポンピング放射共振器においてポンピング放射を均等に分布させるために、レーザ媒質の円周方向に見て、n個の側面から、それぞれ光学素子がポンピング放射共振器の内部において対向配置されているそれぞれの開口からポンピングを行うことができる。なお、ここでnは1から20までの整数である。個々の開口は、その場合、周囲にわたって均等に配分され、即ち例えば4個の開口の場合それぞれ90°、8個の開口の場合それぞれ45°互いにずれて配置される。
【0034】
レーザ媒質は普通棒状であるので、開口は特にスリットとして形成され、その長さがレーザ媒質の長さにほぼ一致するのがよい。その場合、結果的には、光学素子もまた細長い素子として、例えば直方体状の素子或いは冷却管の細長い部分として形成される。
【0035】
例えば放射入射面において、平滑な表面を持つ光学素子が使用される場合、この表面は、この面における反射を少なくするために、反射防止加工をするのがよい。
【0036】
各開口当りの光学素子が散乱効果或いはビーム偏向の点で充分でなくもしくはポンピング放射への影響が余りに弱い場合には、複数の光学素子を直列的に配置することができる。このような場合ポンピング放射源に対応して配置されるそれぞれの光学素子は、余り大きい体積を要求することなく、できるだけ個々の素子に替わるように構成されるのがよい。
【0037】
ポンピング放射共振器においてそれぞれの開口にポンピング放射共振器の内部に配置されている光学素子を対応して配置する手段だけで、ポンピング放射源の放射特性(この場合、大光学容量のダイオードレーザを使用することにより放射角度は比較的小さい)もまたポンピング構成の比較的高い非均一性もポンピング放射共振器における開口数の減少の結果補償されることが示されている。換言すれば、この発明による手段により比較的小さい放射角度を持つポンピング放射源を使用することができ、またポンピング放射共振器における開口の数も低減することができる。その場合、決定的なのは、最適化された構成においてポンピング効率の低下が観察されないことである(即ち、ポンピング放射源のパワーに関連するレーザ閾値並びにポンピングパワー以上の出力の勾配が変化しない)。
【0038】
スペクトル的に比較的狭い幅のダイオードレーザを使用し、これに伴って反転分布のためにポンピング光パワーをよりよく利用することにより、比較的低くドープされた固体材料で同じレーザ出力を発生することができる。この効果はこの発明による手段でポンピング光パワーの利用を改善することによりさらに増強される。ダイオードレーザをポンピング放射源として使用することにより、特に請求項1から23による手段と組み合わせて、従来技術において同じ出力及び同じポンピングパワーにおいて通常使用される固体材料の場合よりも明らかに低く光学的活性イオンでドーピングされているレーザ活性固体材料の使用が可能になる。特にネオジムNdでドーピングされ、そのドーピング濃度が0,5原子%より小さく、特に0,3原子%より小さく、好ましくは0,05から0,3原子%の間にあるYAGが使用される。
【0039】
ポンピング光パワーのよりよい利用は、それ自体、同じドーピングにおいて所定のレーザ出力を得るために必要なポンピング光パワーを削減するために利用されよう。ドーピングの減少により、しかし、一方ではレーザ活性媒質に吸収されるポンピングパワー密度の均質な分布が達成される。何故なら直接レーザ媒質に投入されたポンピング光放射の比較的僅かな部分が吸収され、従って共振器を介して均質化されるからである。これにより熱により誘起された光学的障害が減少し、レーザ光の安定性及び品質を改善する。さらに、ドーピングの減少によりこれに基因する、望ましくない結晶格子への影響もまたそのドーピングイオンの電子殻への反作用が減少する。これにより高いポンピングパワー密度で動作させた場合の光学的もしくは熱光学的障害が減少する。さらに、効率、即ちポンピングパワーのレーザ出力への変換が改善される。
【0040】
この発明のその他の詳細及び特徴を、図面による実施例を以下に説明することにより明らかにする。
【0041】
図1において、その軸を符号2で示す円筒状のレーザ媒質1は冷却管或いは冷却外被3によって間隔を空けて包囲され、それによりレーザ媒質1と冷却管3との間には隙間4が残り、その中を冷却流体5、例えば水が通されるようにされている。冷却管3もまた隙間6を残してポンピング放射共振器7によって包囲されている。冷却管3及びポンピング放射共振器7はレーザ媒質1の軸2に同心的に配置されている。
【0042】
レーザ媒質1としては光学的に活性のイオンでドープされた固体が使用され、そのドーピング濃度は同じ出力の固体レーザにおいて通常行われるドーピング濃度より明らかに低い。特にネオジムNdでドープされ、そのドーピング濃度が1原子%より小さく、特に0,5原子%よりも小さく、好ましくは約0,05から0,3原子%の間であるYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)が使用される。
【0043】
ポンピング放射共振器7には、その周囲に均等に4つの開口8が冷却媒体1の軸2の方向に延びる細長いスリットとして形成されている。
【0044】
各開口8にはポンピング放射源9としてダイオードレーザ又はダイオードレーザ装置が対応して配置され、これから放射されたポンピング放射14の光軸12はそれぞれの開口8を通してレーザ媒質1の軸2に向けられている。ポンピング放射源9とポンピング放射共振器7の開口8との間には模式的に示された、外部のビームガイド及びビーム形成装置10が配置されている。
【0045】
ポンピング放射共振器7の内部には、即ちそれぞれの開口8と冷却管3の間にはポンピング放射14の光路にそれぞれ光学素子11が配置されている。これらの光学素子11はポンピング放射源9から放射されたポンピング放射をレーザ媒質内に配分し、直接或いは間接にポンピング放射共振器7と共にレーザ媒質に吸収されたパワーを均一に配分するために使用される。
【0046】
ポンピング放射源9から放射されたポンピング放射14は、例えばダイオードレーザ装置を使用した場合、一般的には楕円形のビーム断面を持つが、先ずそれぞれのビームガイド及びビーム形成装置10により、それぞれの開口8もしくはスリットを通して妨げられずにポンピング放射共振器7の内部空間に入射し得るように形成される。図1の模式的図示から、ポンピング放射共振器7に入射されるポンピング放射14は、一方ではポンピング放射14の発散角度に関係し、他方では開口8の開口断面に関係することが明らかである。基本的には、開口8の開口面範囲はできるだけ小さくして、ポンピング光共振器7の内側にできるだけ大きな反射面13を得るようにするのが望ましい。他方、開口面は、充分なポンピング放射14がポンピング放射共振器7に入射し、これによりレーザ媒質1に向けられ得るように大きくされねばならない。ポンピング放射共振器7におけるそれぞれの開口8に対応して設けられている光学素子11により、ポンピング放射共振器7に開口8を介して入射されたポンピング放射の、光学素子11なしでレーザ媒質を照射するであろう部分を、光学素子11で、要求されるポンピング放射分布(例えば均一なパワー密度分布)がレーザ媒質1に得られるように影響させることが可能である。
【0047】
なお本質的なことは、それぞれの光学素子11はポンピング放射共振器7の内部に、即ちダイオードレーザ放射のビーム軸12の方向に見て、ポンピング共振器7の内部の(開口8の範囲に虚構的に補足された)共振器表面13(反射面)とレーザ媒質1もしくは冷却管3との間に配置されることである。
【0048】
図1の実施例において光学素子11は冷却管3とポンピング放射共振器7の間に配置されている。その場合、基本的には、光学素子11を共振器表面13に直接に、即ちそれぞれの共振器開口に直接に配置することも可能である。この場合には光学素子11は反射度が小さいものを使用するのが相応しい。これによって反射されるポンピング放射14は反射表面を通して失われるからである。
【0049】
図2の原理説明において開口8の近くに配置された光学素子11はこれを通して進入するポンピング放射14を散乱させ、その結果このポンピング放射は一方では均質化され、他方では少なくとも部分的にレーザ媒質1の傍を通ってポンピング放射共振器7の内部表面13上に曲げられる。光学素子11により、さらに、ビーム14aにより図示されているように、レーザ媒質1を一度横切って反対側の開口8から出射するポンピング放射14による損失は著しく低減される。
【0050】
図3は、同様に模式的にかつ図解を容易にするために簡単化して示された、光学素子11の後のポンピング放射14の伝播により、光学素子11の別の例の原理的作用を示す。ここでは光学素子11はポンピング放射14の方向変更(偏向)を行わせ、このポンピング放射14の一部(図では過度に図示されるため全ポンピング放射14)がレーザ媒質1の傍を通ってポンピング放射共振器7に向けられている。この実施例ではポンピング放射共振器7は拡散共振器として構成され、ポンピング放射光の均等化を行っている。この構成においても反対側の開口8から出るポンピング放射光14による損失は減少する。
【0051】
図4と5は、それぞれ、その他に開口8に反射されるポンピング放射14の部分が、光学素子11が傾斜している(図4)か、少なくともその入射面116が入射するポンピング放射14に対して傾斜して配置されている(図5)ことにより、減少している構成例を示す。光軸12もしくはポンピング放射14の中心面と光学素子11の入射面116との間の角度αは90°ではなく、図4及び5の構成では約135°である。この傾きにより、光学素子11の放射入射面116において反射するポンピング放射14rは直接開口8に反射されるのではなくて、反射面13に向けられポンピング放射反射器7に留まる。このような傾斜に代わって或いはこれに付加して放射光入射面116に反射防止加工を行うこともできる。
【0052】
図6は、この発明による光学素子が存在しない場合のポンピング放射共振器7内部のポンピング放射14についてレイ・トレイシング法(光線追跡法)により計算されたリアルな伝播を示す。冷却管3もレーザ媒質1も集束レンズと同様に機能し、ポンピング放射の大部分を反対側の開口8に集めるので、これらの部分はただ1回レーザ媒質1を通過した後ポンピング放射共振器7を離れる。
【0053】
図7においては冷却管3の外表面に平らな平行板として形成された光学素子11が配置されている。この光学素子11後のポンピング放射14の伝播により、図6の構成例に対して、一つにはレーザ媒質1がより均一に照射され、他方、反対側の開口8に当たるポンピング放射光14の部分は明らかに低減していることが認められる。
【0054】
光路を計算するために以下のパラメータが考慮される。
・ 全ての光学材料(共振器、冷却管(この場合、石英)、冷却媒体(この場合、水)、レーザ媒質(この場合、Nd;YAG)の反射、透過及び吸収特性、
・ ポンピング放射源の吸収特性(放射角度に関係するパワー密度分布、ポンピング放射のスペクトル分布)
この計算はただ代表的な形態における放射路を示す。
【0055】
レーザ媒質におけるパワー密度分布を求めるために、ここで分かり易くするために図示されているより、かなり多くのビーム通路が必要である(レーザ媒質における充分な位置分解能を得るために、ポンピング放射源の各々に対して数千のビーム通路が計算される)。
【0056】
この計算に基づき光学素子11は、ポンピング放射源から出るポンピング放射14の中、少なくとも光学素子11がないときレーザ媒質1に直接に達するであろうポンピング放射14を検出するような寸法とされている。各光学素子11についてレーザ媒質1と共振器7との間には、充分な均一性に対する要求もまた共振器開口に当る反射ポンピング放射によるできるだけ小さい損失に関する要求が満たされている最適な位置が存在する。この最適位置は、その場合、レイ・トレイシング法(光線追跡法)によるか実験的に見出される。
【0057】
光学素子によって求められる効果は次のとおりである。即ち、
・ レーザ媒質において吸収されるポンピングパワーの分布を(半径方向にもまた軸方向にも)、例えばレーザ媒質に吸収されたポンピング放射の均一な分布を或いは狙いどおりに影響可能な分布を得ることを目的として、形成すること。このようにしてレーザ媒質において熱的に誘起される障害(熱的なレンズ作用、熱的に誘起される応力複屈折に基づくデポラリゼーション)の低減が達成される。これによりビーム品質を保持したより高い出力並びに固体レーザの出力特性(ポンピングパワーの関数としての出力)の直線化が得られる。
・ 例えばダイオードレーザの技術的変化もしくはダイオードレーザの劣化特性によるポンピング放射源の放射特性からの独立性。
・固体レーザのポンピング効率における損失の回避もしくはその改善。
なお、光学素子によって求められた効果は以下に例示される種々の構成例によって実現される。
【0058】
図8の実施例では光学素子11aとして円筒状の平凹面レンズが使用されている。
【0059】
図9の実施例では、凹面の光入射面或いは出射面に代えて2つの互いに傾斜している平面が設けられている光学素子11bが示されている。
【0060】
図10の構成例では、平板から構成され、製造技術的に特に容易に実現できる光学素子11cが示されている。
【0061】
図11〜13には、図1に示された円筒状構成についてポンピング放射共振器7の反対側の開口8の範囲におけるポンピング放射14のパワー密度Iが周囲2πφにわたって取られている。なお、φ=0は開口8の真ん中であり、rはポンピング放射共振器7の内側半径である。
【0062】
図11は光学素子11が存在しなときのパワー密度を示す。この図において、図6の図示に対する類推から、開口8の範囲においてパワー密度が高いことが認められる。これにより必然的に共振器損失が大きくなる。
【0063】
簡単な平面平行板からなる光学素子11c(図10)を使用するだけで既に、図12において明らかに低い最大値により分かるように、開口8の範囲におけるパワー密度がかなり減少している。
【0064】
互いに向かい合って傾斜している面を備えた光学素子11b(図9)を使用することにより、図13により示されるように、開口8の範囲においてパワー密度が最小となり、従って共振器損失が特に小さい。
【0065】
図14ないし16においては、その光出射面もしくは光入射面に、また光出射面にも光入射面にもそれぞれマイクロレンズ110を備えている光学素子11d,e,fが示されている。これらの表面構造によりポンピング放射がポンピング放射共振器7の内部の容積に一定に分布する。マイクロレンズアレイ110はさらに、ビームを軸方向にも、また半径方向にも異なる形に形成するように構成される。
【0066】
マイクロレンズアレイを備えている光学素子に代えて、図17のように、光学素子11gはその光入射面及び/又は光出射面に結像する回折構造112を備えることができる。
【0067】
図18によれば光学素子11hはその光入射面及び/又は光出射面に例えば粗面化により作られた、拡散的に散乱する表面114を備えている。
【0068】
これに代えて図19による光学素子11iはその容積内においてポンピング放射を散乱させ、乳白ガラスもしくはオパールガラス或いはガラスセラミックス、例えば前処理された石英ガラスから形成される。
【0069】
光学素子11a〜gによりポンピング放射14の伝播方向を目的に合せて修正することができる(屈折及び/又は屈曲による光の偏向)。これに対して光学素子11h、i(図18、19)はポンピング放射の伝播方向の制御による光の偏向に代わってポンピング放射の拡散的散乱を行わせ、それぞれによりそのパワー密度を光学素子を通過した後に一方では減少し、他方では均一化する。
【0070】
基本的には光学素子11d〜g(図14〜17)によってもポンピング放射を、これらが同様に散乱する光学素子に作用するように制御できる。これは例えばマイクロレンズ或いは回折構造の非常に短い焦点距離によって達成される。
【0071】
図20においては光学素子11が冷却管3の内部に配置されている実施例が示されている。
【0072】
図21は、光学素子11a〜iが直接冷却管3に組み入れられている特に有利な構成を示す。この構成は冷却管3の内表面及び/又は外表面を適当な形状とすることにより特に光学素子11a〜c、hで製造技術的に容易に実現できる。
【0073】
図はこの発明による構成を模式的に表わしたものに過ぎないことは明らかである。光学素子11の構成は例えばレンズ状の素子或いは拡散的に散乱する素子であるが、その断面寸法はレーザ構成の基本的寸法設計に関係する。いずれの場合にも、比較的高い反射性を持つ光学素子(拡散的散乱素子)を使用するときには、冷却管の表面もしくはレーザ媒質の回りの仮想外被面のできるだけ僅かな部分が光学素子によって覆われ、効率低下(光学素子と共振器との間の反射による)を回避することに注意されるべきである。同時に光学素子は、直接ポンピング放射源から出て、レーザ媒質を共振器における反射なしで当るであろうポンピング放射の大部分に影響させるために、充分な面積を持たねばならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明によるレーザ構成をレーザ媒質の軸に対して垂直断面で模式的原理図として示す。
【図2】
ビームを拡散的に散乱させる光学素子の動作態様を原理的に示す。
【図3】
ビームを偏向させる光学素子の動作態様を原理的に示す。
【図4】
ポンピング放射共振器内にその放射入射面が傾斜して配置された光学素子を原理的に示す。
【図5】
ポンピング放射共振器内にその放射入射面が傾斜して配置された光学素子を原理的に示す。
【図6】
この発明による光学素子を備えていない場合におけるポンピング放射共振器内のポンピング放射の伝播を示す。
【図7】
この発明による光学素子を備えた場合におけるポンピング放射共振器内のポンピング放射の伝播を示す。
【図8】
表面構造を備えた光学素子の1つの例を示す。
【図9】
異なる表面構造を備えた光学素子の1つの例を示す。
【図10】
さらに異なる表面構造を備えた光学素子の1つの例を示す。
【図11】
この発明による光学素子を使用しないときに、入射するポンピング放射の共振器開口と反対位置に配置される共振器開口の範囲におけるポンピング放射のパワー密度をグラフで示す。
【図12】
この発明による1つの光学素子を使用したときに、入射するポンピング放射の共振器開口と反対位置に配置される共振器開口の範囲におけるポンピング放射のパワー密度をグラフで示す。
【図13】
この発明による異なる光学素子を使用したときに、入射するポンピング放射光の共振器開口と反対位置に配置される共振器開口の範囲におけるポンピング放射光の強度をグラフで示す。
【図14】
表面にマイクロレンズアレイ構成を備えた光学素子の1つの例を示す。
【図15】
表面にマイクロレンズアレイ構成を備えた光学素子の異なる例を示す。
【図16】
表面にマイクロレンズアレイ構成を備えた光学素子のさらに異なる例を示す。
【図17】
表面に回折構成を備えた光学素子の例を示す。
【図18】
表面に拡散的に散乱する構成を備えた光学素子の例を示す。
【図19】
内部においてポンピング放射を散乱する光学素子の例を示す
【図20】
この発明によるレーザ構成の1つの例をレーザ媒質の軸に対して垂直断面で示す。
【図21】
この発明によるレーザ構成の異なる例をレーザ媒質の軸に対して垂直断面で示す。
【符号の説明】
1 レーザ媒質
2 軸
3 冷却管
4 隙間
5 冷却流体
6 隙間
7 ポンピング放射共振器
8 開口
9 ポンピング放射源
10 外部のビーム形成光学系
11、11a〜i、11d〜f 光学素子
12 放射軸
13 共振器表面
14 ポンピング放射
110 マイクロレンズアレイ
112 回折構造
114 表面
116 放射入射面
I パワー密度
2rφ 周囲
r 内側半径

Claims (26)

  1. ポンピング放射共振器(7)によって囲まれたレーザ媒質(1)を備え、ポンピング放射共振器(7)はポンピング放射源(9)から放射されるポンピング放射(14)をポンピング放射共振器(7)に入射するための少なくとも1つの開口(8)を備え、ポンピング放射源(9)とレーザ媒質(1)との間にビームガイド及び/又はビーム形成光学系(10、11)が配置されている光学的にポンピングされる固体レーザにおいて、ビームガイド及び/又はビーム形成光学系(10、11;11a〜i)がポンピング放射共振器(7)の内部においてポンピング放射源(9)のビーム通路に配置されている少なくとも1つの光学素子(11;11a〜i)を含み、この光学素子(11;11a〜i)が直接レーザ媒質(1)に向けられたポンピング放射(14)の少なくとも一部のパワー密度分布を変えることを特徴とする光学的にポンピングされる固体レーザ。
  2. 光学素子(11h)が拡散的に散乱する表面(114)を備えている請求項1に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  3. 光学素子(11d〜f)がその放射入射面及び/又は放射出射面にマイクロレンズ装置を備えている請求項2に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  4. 光学素子(11g)が回折光学系として構成されている請求項2に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  5. 光学素子(11i)がポンピング放射(14)をその容積内で散乱させる請求項1に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  6. 光学素子(11i)が乳白ガラスから形成されている請求項5に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  7. 光学素子(11a−g)がポンピング放射(14)のパワー密度分布の変更をビーム偏向により行う請求項1に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  8. ポンピング放射共振器(7)が拡散的に反射する表面を備えている請求項7に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  9. 光学素子(11d−f)がその放射入射面及び/又は放射出射面にマイクロレンズ装置を備えている請求項7に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  10. 光学素子(11g)が回折光学系として構成されている請求項7又は8に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  11. レーザ媒質(1)がポンピング放射(14)を透過する冷却管(3)で包囲され、光学素子(11)がこの冷却管(3)の壁に組み入れられている請求項1〜10のいずれか1つに記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  12. 光学素子(11)が冷却管(3)の外周及び/又は内周に配置されている請求項11に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  13. 光学素子(11)が冷却管(3)にはめこまれている請求項11に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  14. 光学素子(11)が冷却管(3)もしくはレーザ媒質(1)の回りの仮想外被面を部分的にのみ覆っている請求項1〜13のいずれか1つに記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  15. 光学素子(11)の寸法及び位置が、この光学素子(11)が直接レーザ媒質(1)に向けられてポンピング放射源(9)から放射されるポンピング放射(14)の成分だけを検出するように選ばれている請求項1〜14のいずれか1つに記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  16. 光学素子(11)の放射入射面(116)がポンピング放射源(9)とレーザ媒質(1)の軸(2)との間の線(12)に対して90°に等しくない角度だけ傾斜し、それにより放射入射面(116)において反射されたポンピング放射(14)の部分がほぼポンピング放射共振器(7)に、光学素子(11)に対応する開口(8)の傍で当たる請求項1〜15のいずれか1つに記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  17. ポンピング放射共振器(7)がその周方向においてポンピング放射(14)を入射するための複数の開口(8)を備えている請求項1〜16のいずれか1つに記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  18. 開口(8)がポンピング放射共振器(7)の周囲に沿って均等に配分されている請求項17に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  19. 開口(8)がその長さにおいてレーザ媒質(1)の長さにほぼ一致するスリット形状を備えている請求項1〜18のいずれか1つに記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  20. 光学素子(11)の放射入射面或いは放射出射面が反射防止加工されている請求項1に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  21. 光学素子(11)が誘電反射層でかぶせられ、ポンピング放射の形成が主としてポンピング放射共振器(7)によって行われる請求項16に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  22. ポンピング放射の形成が半径方向にも軸方向にも行われる請求項1〜21のいずれか1つに記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  23. ポンピング放射共振器(7)によって囲まれたレーザ媒質(1)を備え、ポンピング放射共振器(7)はポンピング放射源(9)から放射されるポンピング放射(14)をポンピング放射共振器(7)に入射するための少なくとも1つの開口(8)を備えた特に請求項1〜22のいずれか1つに記載の光学的にポンピングされる固体レーザにおいて、レーザ媒質(1)として遷移金属或いは希土類元素のグループの光学的活性イオンで0.5原子%以下のドーピング濃度にドープされた固体が使用されている光学的にポンピングされる固体レーザ。
  24. ネオジムNdで0.3原子%以下のドーピング濃度にドープされたYAGが使用されている請求項23に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  25. ネオジムNdで0.05から0.3原子%の間のドーピング濃度にドープされたYAGが使用されている請求項24に記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
  26. ポンピング放射源(9)としてダイオードレーザ又はダイオードレーザ装置が使用されている請求項23〜25のいずれか1つに記載の光学的にポンピングされる固体レーザ。
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