JP2004514908A - 免疫アッセイにおける結合パートナーとしての分子内共有結合架橋タンパク質の使用 - Google Patents

免疫アッセイにおける結合パートナーとしての分子内共有結合架橋タンパク質の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、分子内共有結合架橋タンパク質の使用、免疫アッセイにおける免疫学的結合パートナーとしてのHIV の共有結合架橋逆転写酵素の使用、試料における被検体を測定するための免疫学的試験法(ここで分子内共有結合架橋タンパク質は結合パートナーとして使用される)、HIV の分子内共有結合架橋逆転写酵素、ならびにこれらの逆転写酵素の作製方法に関する。

Description

【0001】
本発明は、試料における被検体を検出するための免疫アッセイ、免疫学的試験手順における免疫学的結合パートナーとしての分子内共有結合架橋タンパク質の使用、特にHIV に由来する共有結合架橋逆転写酵素の使用に関し、ここで分子内共有結合架橋タンパク質は結合パートナーとして使用される。本発明はまた、HIV に由来する分子内共有結合架橋逆転写酵素、およびこの逆転写酵素の作製方法に関する。
【0002】
免疫診断試験手順における被検体の検出のための結合パートナーとしてのタンパク質の使用が、長い間にわたり知られている。全ての従来の免疫アッセイにおいて、試料は被検体に特異的である1つ以上の結合パートナーとインキュベートされる。1つまたは複数の結合パートナーは、検出対象の被検体に特異的に結合する。抗体試験の場合、例えばHCV 感染の場合、例えば検出対象の抗HCV 抗体に特異的に結合するHCV 抗原と試験対象の試料とを接触させる。例えば、腫瘍マーカー前立腺特異的抗原(PSA) を検出するための抗原試験において、試料中のPSA と特異的に結合する抗体と試料とを接触させる。
【0003】
その後、全ての免疫アッセイにおいて被検体が検出される。これは、例えば、被検体と免疫学的結合パートナーとからなる複合体に結合する検出可能な標識を用いる場合もう1つの結合パートナーと結合し、続いて検出することにより行なわれうる。
【0004】
一般に、免疫アッセイは、異種または同種の試験フォーマットにおいて行なわれる。異種試験フォーマットは、サンドイッチまたは結合試験としてしばしば行なわれる。拮抗的な方法もまた周知であり、被検体または特異的結合パートナーのいずれかが、例えば標識された被検体アナログを添加することにより、被検体と特異的結合パートナーとの複合体から置換される。
【0005】
全ての免疫学的試験方法において、特異的免疫学的結合パートナーとして使用される反応物が安定な形態で存在すること、およびそれらが例えば好ましくない保管条件により破壊されないことが重要である。このリスクは、特異的結合パートナーとして使用されるタンパク質が数個のサブユニットからなる場合に特に生じうる。サブユニットは、互いに、例えばジスルフィド結合により共有結合的に保持され得、または例えば水素結合、逆電荷および/または疎水性相互作用により非共有結合的に保持されうる。
【0006】
ある場合において、免疫学的試験に必要な材料は、試験のために調製された作業溶液における保管条件下(例えば、液体試薬として)でまたは免疫学的反応それ自身の間に不安定となり、変性しうる。その結果として、タンパク質の三次元構造および四次元構造は、免疫アッセイにおいて基質がもはや使用され得ないように、変化されうる。
【0007】
特異的結合対として使用されるタンパク質のサブユニット成分は、好ましくない条件下で分離しうる。サブユニットのこの解離は、例えば、天然の共有結合の場合、DTT などの一般の緩衝液添加物によるジスルフィド結合の減少により生じうる。
【0008】
しかしながら、解離のリスクは、電荷または疎水性相互作用により互いに保持されるタンパク質の非共有結合的に連結されるサブユニットの場合、よりいっそう高い。かかるタンパク質のサブユニットは、塩もしくは界面活性剤などの一般の緩衝液添加物またはpHおよび温度における好ましくないバリエーションにより、いっそう非常に容易に解離されうる。個々のおよびよって非保護サブユニットは、したがって、また変性を受けやすい。これは、タンパク質の三次元構造または個々のサブユニットの三次元構造における主要な変更を導きうる。これはまた、重要なエピトープの利用性などの免疫学的特性が、免疫アッセイにおける結合パートナーとして使用されるタンパク質がもはや免疫学的に認識されず、したがってもはや特異的に結合されない程度まで変更されることを意味する。
【0009】
サブユニット解離のもう1つのリスクは、異なる標識基を与えられたサブユニットは、化学平衡の調整のために再会合しうることである。特定の場合において、結合試験フォーマットでの抗体試験における使用のための2つのサブユニットから構成されるタンパク質は、万能固相として使用されるために誘導化され、一方、同一のタンパク質がまた、シグナル生成成分として使用され、そしてこの目的のために標識(例えば、酵素、蛍光または化学発光標識)に連結される場合、以下のことが起こるであろう:陽性試料(被検体を含む試料)を用いて初期に生じる較正曲線が、時間が経過するにつれてより平らになる。陰性試料に対するシグナル(ブランク値)は増加し、より高い陽性試料の値にだんだん近づくので、被検体を含まない試料と被検体含有試料とを区別することはもはや可能でない。
【0010】
キノンとの反応により酵素を化学的に修飾する方法は、独国特許出願第DE 26 15 349号に記載されている。これらの修飾は安定性を増加し、改善された酵素活性をもたらす。酵素分子は、互いに、すなわち分子間でおよびまた分子内で架橋されうることが言及される。この場合において、免疫反応性エピトープの保存は、関連性がない。免疫診断法におけるキノンを用いて修飾した酵素の使用は、記載されていない。
【0011】
Debyser およびDe Clercq(Protein Science 1996, 5, p.278−286) は、リジン側鎖を架橋するジメチルスベリミデートによる、HIV−1 逆転写酵素(RT)の2つのサブユニットの架橋を記載している。架橋の目的は、2つのRTサブユニットの二量体化を試験することである。二量体化RTのみ、酵素的に活性である。2つのサブユニットは様々なインヒビターの存在下で共有結合的に架橋される。インヒビターの効力に依存してより強くまたは弱く架橋されるRT分子および多量体が、化学的架橋反応後に形成される。免疫学的に関連性のあるエピトープの架橋の効果または免疫アッセイにおける架橋分子の使用は、重要でない。
【0012】
免疫アッセイにおける分子間架橋免疫グロブリンの使用は、EP−A−0 331 068に開示されている。これは、数個の免疫グロブリン分子またはその断片が、共有結合により互いに連結されることを意味する。抗体およびその断片の多量体は、干渉低減試薬として使用される。架橋された免疫グロブリンおよびその断片は、免疫グロブリンに対するヒト血清の干渉因子を除去することが意図される。
【0013】
天然条件下で数個のサブユニットから構成される従来技術で記載した架橋タンパク質は、抗原または免疫学的結合パートナーとしての使用に不適切であるか、または限定的に適切であるのみである。なぜなら、一般に、数個のタンパク質分子からなる分子間多量体が形成されるからである。これらの多量体は、明確なサイズを通常持たないので、免疫アッセイに対して限定的に使用されるのみである。したがって、多量体は、ランダムなサイズ分布を有し、すなわち単量体、二量体、三量体、四量体などが、1つの混合物の中に互いに存在する。明確でない架橋は、エピトープをマスクしうる。したがって、検出対象の試料抗体は、抗原のマスクされたエピトープに結合され得ず、そのために擬陰性結果が得られる。
【0014】
免疫学的結合パートナーとして多量体を用いることに関する別の問題は、試料中に存在する干渉因子が多量体タンパク質に非特異的に結合しうるという増加したリスクがあるという事実である。リウマチ因子などの干渉因子は、低親和性の数個の結合部位をしばしば有する。次に、多量体タンパク質が免疫学的結合パートナーとして使用される場合、これは、特に干渉因子が多くの標的、すなわち多量体タンパク質の結合部位を見出すという効果を有するであろう。これは、擬陽性試験結果を導き得、免疫アッセイの全体的な特異性は、非常に低減される。
【0015】
したがって、本目的は、免疫アッセイにおいて結合パートナーとして使用されうる、改良された安定性を有するタンパク質を提供することであった。このように改良されたタンパク質は、良好なエピトープ利用性を有さなければらず、このタンパク質が使用される免疫学的試験手順の特異性が維持されなければならない。
【0016】
本目的は、独立形式請求項に記載される発明により達成される。従属形式請求項は、好ましい態様を示す。
【0017】
驚くべきことに、ほとんどもっぱら分子内架橋されるタンパク質が、免疫学的特性の損失なしに作製され得、これらのタンパク質は、免疫学的試験手順において免疫学的結合パートナーとして有利な様式で使用されうることがわかった。タンパク質が架橋されない場合に起こる安定性問題は、したがって実質的に避けられる。したがって、本発明は、免疫学的試験手順における免疫学的結合パートナーとしての分子内共有結合架橋タンパク質の使用に関する。
【0018】
当業者によく知られている免疫学的試験手順に必要な全てのタンパク質は、タンパク質として使用されうる。そのフォールディング、すなわち三次元または四次元構造の結果として、免疫アッセイの条件下で非フォールディング、変性または種々のサブユニットへの解離の傾向を有しうる全てのポリペプチドが使用されうる。かかる構造変化が起こる場合、免疫学的に重要なエピトープが、例えば、もはや抗体により特異的に結合されない様式で変更されるというリスクがある。最悪の場合、これは、免疫学的試験結果が陰性であることを意味し、すなわち、結合パートナーとして使用されるタンパク質が変性されるので、それは検出対象の抗体の存在を示さない。これらの不利益は、本発明の分子内共有結合架橋タンパク質の使用により、実質的に避けられる。
【0019】
特に、天然に数個のサブユニットから構成される分子内共有結合架橋タンパク質が使用される。DNA またはRNA ポリメラーゼ、特にHIV 由来の逆転写酵素、および特に好ましくはHIV−1 由来の逆転写酵素が、好ましく使用される。
【0020】
タンパク質は、任意の所望の供給源に由来しうる。架橋されるタンパク質は、生物体またはウイルスなどの天然の供給源から単離されうる。しかしながら、遺伝子工学により作製された組換えタンパク質の使用が好ましい。例えば、Mueller ら、J. Biol. Chem. 264/24:13975−13978(1989) に記載されるような発現クローンにより発現される組換え精製RTが、特に好ましく使用される。
【0021】
分子内共有結合架橋タンパク質に関して、免疫学的認識に重要であるエピトープが架橋により変更されないかまたはほんのわずかのみ変更され、試験における他の免疫学的結合パートナーが、まさしく架橋タンパク質ならびに非架橋タンパク質を認識し、かつ特異的に結合することが重要である。したがって、架橋は、試験結果を裏切りうるいずれの免疫学的関連人工産物も生成しないであろう。
【0022】
タンパク質という用語は、少なくとも約50アミノ酸、好ましくは少なくとも100 アミノ酸から構成される全てのポリペプチドのことを言う。タンパク質という用語はまた、糖残基、シアリン酸または脂質構造に連結されるタンパク質などの修飾タンパク質を含む。
【0023】
「分子内共有結合架橋」という用語は、もはや非フォールディングし得ない、すなわちその三次元構造およびしたがって重要なエピトープの利用性を失い得ない様式で、ポリペプチド鎖が互いに化学修飾により連結されているタンパク質のことを言う。数個のサブユニットから構成されるタンパク質の場合、分子内共有結合架橋は、三次元ならびに四次元構造を維持する。該修飾は、種々のポリペプチド鎖が互いに離れて拡散するのを妨げる。
【0024】
タンパク質分子内に共有結合連結のみが生じることが、重要である。1つのポリペプチド鎖のみから構成されるタンパク質、したがって天然条件下で1つのサブユニットのみの場合、ポリペプチド鎖の少なくとも2つの部位が連結される。したがって、数個のタンパク質からなるオリゴマーは、分子内共有結合架橋によって形成されない。かかるオリゴマーはまた、以下で、ポリマーまたは多量体と呼ばれる。したがって、分子内共有結合架橋タンパク質の分子量は、化学リンカーがタンパク質に共有結合され、したがって、全量がわずかに増加する場合に、増加するのみである。
【0025】
数個のサブユニットから構成されるタンパク質の場合、本発明の連結は、そのままのタンパク質分子を天然にまた形成するそれらのサブユニットの間で生じるのみである。このことは、本発明の分子内共有結合架橋タンパク質のサイズおよび分子量が、架橋化学物質によりわずかに増加するのみであることを意味する。数個のタンパク質分子間の連結は事実上除外され、その結果、タンパク質のオリゴマーまたは多量体でさえ形成される。
【0026】
本発明により、架橋タンパク質は、架橋前後に他の修飾基を提供され得、それは例えば、標識抗原としての適用のため、または架橋タンパク質の固相への結合のために必要である。例えば、それらは、ビオチンもしくはストレプトアビジンとまたは酵素、蛍光もしくは化学発光基などのシグナル生成標識基と連結されうる。かかる修飾は、当業者によく知られている。これらの修飾は、本発明の分子内架橋タンパク質の免疫学的特性を変更しないか、または免疫アッセイにおける特異的な結合パートナーによる認識がまだ確保されている程度までのみ変更するであろう。
【0027】
タンパク質のほとんどもっぱらの分子内連結は、例えば、特に四次元構造を有するタンパク質の場合、SDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、続くクーマシーブルー染色により検出されうる。本発明によるタンパク質架橋の後、SDS−PAGEゲルにおいて天然のタンパク質の分子量よりも大きいいかなる分子量も裸眼で検出し得ないであろう。例えば、小型化した市販の8 〜25%のポリアクリルアミドのSDS−ポリアクリルアミドグラジエントゲル(Pharmaciaの PhastTMシステム) が使用される場合、レーン当たり適用されるタンパク質の量は、約500ng である。この量のタンパク質を用いて、天然の分子量より大きい分子量は、本発明によりこのシステムにおいて裸眼で検出され得ない。数個のサブユニット、すなわち数個のポリペプチド鎖を天然に有するタンパク質の場合、架橋後のバンドの分子量は、サブユニットの分子量の合計を超えないであろう。サブユニットの分子量の合計に対応する分子量を有するゲル上のタンパク質バンドは、四次構造を有するタンパク質の成功した分子内架橋に対する試験とみなされうる。したがって、SDS−PAGEは、数個のサブユニットからなるタンパク質の成功した分子内架橋および多量体の不在を確立するために使用されうる。
【0028】
多量体の不在を検出するための別の方法は、例えば、市販のHPLC装置を用いて行われうるゲル排除クロマトグラフィーとも呼ばれるゲル浸透クロマトグラフィーによる。個々のタンパク質の多量体に対応する分子量を有するタンパク質複合体は、単一で存在するタンパク質よりも、実質的に早く溶出される。本発明により、低い割合のかかる多量体のみが、存在するであろう。HPLCクロマトグラムの積分を測定する場合、これは、分子内架橋のみである本発明のタンパク質の溶出ピーク(積分)に関連して約5%を超えない多量体が存在するであろうことを意味する。
【0029】
免疫学的結合パートナーは、免疫アッセイの条件下で他の分子に特異的に結合しうる全ての分子のことを言う。とりわけ、免疫学的結合パートナーは、被検体または被検体に結合した基質に特異的に結合されうるであろう。古典的な一群は、抗原への抗体の特異的な結合、例えばPSA への抗PSA 抗体の結合である。抗体および抗原は、免疫学的結合パートナーである。本発明の分子内共有結合架橋タンパク質は、免疫アッセイにおいて免疫学的結合パートナーとして使用される。抗原は、これらの抗原に対する抗体を検出することが意図される場合、免疫学的結合パートナーとして好ましく使用される。この場合、本発明の架橋されているHIV 逆転写酵素による抗HIV RT抗体の検出が好ましく、後の段落に記載される。
【0030】
本発明はまた、試料中の被検体を検出するための免疫学的試験手順に関する。該方法は、分子内共有結合架橋タンパク質が、免疫学的結合パートナーとして使用されることを特徴とする。分子内共有結合架橋タンパク質、特に数個のサブユニットから天然に構成されるものは、免疫アッセイの条件下で非架橋タンパク質よりもかなり安定である。
【0031】
免疫アッセイの種々のフォーマットおよび態様、ならびに酵素反応、蛍光または化学発光物質によるなどの種々の検出方法が、当業者によく知られており、したがって、本明細書で特に説明する必要はない。免疫学的反応の完了後、固相が液相から分離される本発明の異種試験フォーマットが好ましい。
【0032】
該方法は、好ましくは、HIV 感染を診断するための免疫アッセイである。患者がHIV 感染を有する場合、これは、血液、血清または血漿試料中のウイルスの一定の抗原に対して形成されている抗体を基礎として検出されうる。HIV−1 のp24 抗原などのHIV 自身のウイルス抗原を検出することもまた、しばしば可能である。これは、HIV 抗原、この場合p24 に対する特異的な抗体の使用を必要とする。
【0033】
試料におけるHIV 感染の検出が、組み合わされた抗原および抗体検出試験としてしばしば行われる。かかる試験は、コンビテストと呼ばれる。かかるコンビテストは、WO98/40744に記載されている。この場合、HIV 抗原、すなわちHIV−1 またはHIV−1 サブタイプO のp24 抗原および対応するHIV−2 のp26 抗原は、特異的な抗体、ならびにHIV に対する抗体、とりわけHIV−1 のgp160 、gp120 、gp41およびHIV−2 のgp140 、gp110 、gp36などの病原体のエンベロープタンパク質(env) に対する抗体により検出される。さらに、HIV−RTに対する抗体もまた、WO98/40744のコンビテストにおいて検出される。この目的のために、組換え的に作製されるHIV−1 逆転写酵素が、免疫学的結合パートナーとして使用されるが、しかしながら、それは分子内共有結合架橋されていない。
【0034】
本発明のHIV 由来の分子内共有結合架橋RT、とりわけHIV−1 由来のRTは、好ましくは試料中のHIV 感染を検出するためのコンビテストに使用される。
【0035】
本発明の別の主題は、HIV 由来の分子内共有結合架橋逆転写酵素(天然に2つのサブユニットが存在する酵素)である。HIV−RTは、天然条件下でヘテロ二量体として存在する。HIV−1 RTは、51kDa の1つのサブユニットと66kDa の1つのサブユニットから構成される。組換え形態は、例えば、発現クローンから得られうる(例えば、Mueller ら、1989、J. Biol. Chem. 264/24, p.13975−13978) 。アミノ酸レベルでのいくつかのセクションにおける約60%および100 %でさえの相同性の程度に起因して、HIV−1 RTは、一般に、HIV−2 RTに対する抗体を検出するためにも使用されうる。HIV という用語は、HIV−1 、HIV−2 、ならびにHIV−1 サブタイプO などのウイルスの全てのサブタイプおよびサブグループを含む。分子内共有結合架橋形態のHIV−1 RTが、好ましい。
【0036】
驚くべきことに、分子内共有結合架橋HIV RTが、免疫アッセイの条件下で非架橋形態よりも非常に安定であることがわかった。本発明のRTは、非架橋形態よりもかなり良好であり、例えば、より長いまたは不適当な保管であるいはアッセイ条件下で曝露される温度ストレスに抵抗した。本発明の分子内共有結合架橋RTは、2つのサブユニットが互いに共有結合されるが、数個の分子の分子間架橋がないことを特徴とする。例えば、すでに説明したゲル排除クロマトグラフィーまたはSDS−PAGEを用いることにより、数個のRT分子のオリゴマーが存在しないことが証明されうる。
【0037】
ホモ二官能性リンカーおよびヘテロ二官能性リンカーが、架橋試薬として好ましく使用される。特に、以下のものが、RTを分子内架橋するために好ましく使用される:MHS (3− マレイミドベンゾイル−N− ヒドロキシスクシンイミドエステル) 、EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド) 、DSS(ジスクシンイミジルスベリン酸) 、HSAB(N− ヒドロキシスクシンイミジル−4− アジド安息香酸) 、スルホSANPAH (スルホスクシンイミジル−6(4’−アミド−2’−ニトロフェニルアミド) ヘキサノエート) 。すでに説明したように、架橋リンカーの化学反応は、タンパク質または2つのRTサブユニットの分子内架橋を生じるのみであるが、数個のRT分子間の架橋は生じないことが重要である。さらに、免疫学的関連エピトープが化学反応により破壊されないことが重要である。
【0038】
本発明の別の主題は、分子内架橋HIV 逆転写酵素の作製方法である。該方法は、
−RTを溶解形態で提供する工程、
−任意に、RTをSH基に対するブロッキング試薬と反応させる工程、
−混合物を水性緩衝液に透析させる工程、
−活性化RTを、架橋試薬であるMHS (3− マレイミドベンゾイル−N− ヒドロキシスクシンイミドエステル) 、EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド) 、DSS(ジスクシンイミジルスベリン酸) 、HSAB(N− ヒドロキシスクシンイミジル−4− アジド安息香酸) 、スルホSANPAH (スルホスクシンイミジル−6(4’−アミド−2’−ニトロフェニルアミド) ヘキサノエート) の1つと反応させる工程、
−任意に、反応を停止させる工程、
−透析により、反応生成物から過剰の反応物を分離する工程、
−任意に、透析した反応生成物をUV光に曝露する工程、
を含む。
【0039】
RT対架橋試薬の好ましい化学量論は、約1:1 〜1:20である。反応物の比は、数個のRT分子間にオリゴマー化が生じないかまたは無視してよいオリゴマー化のみが生じるように選択される。
【0040】
本発明は、以下の実施例によってさらに説明される。
【0041】
実施例1
HIV−1 逆転写酵素の分子内架橋
a)MHS による架橋
HIV−1 逆転写酵素(10mg/ml )を、50mMのジエタノールアミン、pH8.8 、25mMのNaCl、1mM のDTT 、1mM のEDTAに溶解する。pHを1MのKHPO溶液を添加することによって6.4 に調整する。
【0042】
この混合物をNMM (N−メチルマレインイミド)含有DMSOの1M溶液の適切なアリコートを添加することによって5mM のNMM に調整し、続いて60分間25℃にて攪拌しながらインキュベートする。続いて、50mMのジエタノールアミン、pH8.8 、25mMのNaClに対して透析する。
【0043】
pHをここで1MのKHPO溶液を添加することによってpH7.0 に調整する。MHS (3−マレイミドベンゾイル−N− ヒドロキシスクシンイミドエステル)のストック溶液を、DMSO中に調製する(5mg/ml)。1:8 (mol 逆転写酵素/mol MHS)の初期化学量論に対応するこの溶液の量を、混合物に添加し、次いで攪拌しながらさらに60分、25℃にてインキュベートする。この反応を、リジンを反応混合物に10mMの最終濃度で添加して、さらに30分間インキュベートすることによって停止する。過剰の反応物を、10mMのリン酸カリウム緩衝液、pH6.0 、50mMのNaCl、1mM のEDTAに対する透析によって分離する。
【0044】
透析後、pHを1MのKHPO溶液のアリコートを添加することによって7.4 に調整し、2mM の最終濃度でシステインを添加する前に、この混合物を攪拌しながらさらに4時間25℃でインキュベートする。さらに30分間のインキュベーション後、反応を、NMM (最終濃度5mM )を添加することによって停止する。この混合物を、50mMのジエタノールアミン、pH8.8 、25mMのNaClに対して透析する。
【0045】
b)EDC による架橋
HIV−1 逆転写酵素(10mg/ml )を、50mMのジエタノールアミン、pH8.8 、25mMのNaCl、1mM のDTT 、1mM のEDTAに溶解する。pHを1MのKHPO溶液を添加することによって6.4 に調整する。
【0046】
この混合物をNMM (N−メチルマレインイミド)含有DMSOの1M溶液の適切なアリコートを添加することによって5mM のNMM に調製し、続いて60分間25℃にて攪拌しながらインキュベートする。続いて、10mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.0 、50mMのNaClに対して透析する。
【0047】
EDC (1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド)のストック溶液を、DMSO中に調製する(2mg/ml)。1:10(mol 逆転写酵素/mol EDC)の初期化学量論に対応するこの溶液の量を、混合物に添加し、次いで攪拌しながらさらに60分間25℃にてインキュベートする。過剰の反応物を、25mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.0 、50mMのNaClに対する透析によって分離する。
【0048】
c)DSS による架橋
HIV−1 逆転写酵素(10mg/ml )を、50mMのジエタノールアミン、pH8.8 、25mMのNaCl、1mM のDTT 、1mM のEDTAに溶解する。pHを1MのKHPO溶液を添加することによって6.4 に調整する。
【0049】
この混合物をNMM (N−メチルマレインイミド)含有DMSOの1M溶液の適切なアリコートを添加することによって5mM のNMM に調製し、続いて60分間25℃にて攪拌しながらインキュベートする。続いて、10mMのリン酸カリウム緩衝液、pH8.0 、25mMのNaClに対して透析する。
【0050】
DSS (ジスクシンイミジルスベリン酸)のストック溶液を、DMSO中に調製する(2mg/ml)。1:10(mol 逆転写酵素/mol DSS)の初期化学量論に対応するこの溶液の量を、混合物に添加し、次いで攪拌しながらさらに60分間25℃にてインキュベートする。過剰の反応物を、25mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.0 、50mMのNaClに対する透析によって分離する。
【0051】
d)HSABによる架橋
HIV−1 逆転写酵素(10mg/ml )を、50mMのジエタノールアミン、pH8.8 、25mMのNaCl、1mM のDTT 、1mM のEDTAに溶解する。pHを1MのKHPO溶液を添加することによって6.4 に調整する。
【0052】
この混合物をNMM (N−メチルマレインイミド)含有DMSOの1M溶液の適切なアリコートを添加することによって5mM のNMM に調製し、続いて60分間25℃にて攪拌しながらインキュベートする。続いて、10mMのリン酸カリウム緩衝液、pH8.0 、25mMのNaClに対して透析する。
【0053】
HSAB(N−ヒドロキシスクシンイミジル−4− アジド安息香酸)のストック溶液を、DMSO中に調製する(2mg/ml)。1:5 (mol 逆転写酵素/mol HSAB )の初期化学量論に対応するこの溶液の量を、混合物に添加し、次いで攪拌しながらさらに60分間25℃にてインキュベートする。過剰の反応物を、25mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.0 、50mMのNaClに対する透析によって分離する。
【0054】
この混合物を、次いでUVランプを用いて7分間照射する。
【0055】
e)スルホSANPAHによる架橋
HIV−1 逆転写酵素(10mg/ml )を、50mMのジエタノールアミン、pH8.8 、25mMのNaCl、1mM のDTT 、1mM のEDTAに溶解する。pHを1MのKHPO溶液を添加することによって6.4 に調整する。
【0056】
この混合物をNMM (N−メチルマレインイミド)含有DMSOの1M溶液の適切なアリコートを添加することによって5mM のNMM に調製し、続いて60分間25℃にて攪拌しながらインキュベートする。続いて、10mMのリン酸カリウム緩衝液、pH8.0 、25mMのNaClに対して透析する。
【0057】
スルホSANPAH(スルホシスクシンイミジル−6(4’−アミド−2’−ニトロフェニルアミド) ヘキサノエート)のストック溶液を、DMSO中に調製する(4mg/ml)。1:5 (mol 逆転写酵素/molスルホSANPAH)の初期化学量論に対応するこの溶液の量を、混合物に添加し、次いで攪拌しながらさらに60分間25℃にてインキュベートする。過剰の反応物を、25mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.0 、50mMのNaClに対する透析によって分離する。
【0058】
この混合物を、次いでUVランプを用いて7分間照射する。
【0059】
実施例2
HIV−1 逆転写酵素の限定的分子内架橋の検出
a)SDS ゲル電気泳動
分子内架橋されたHIV−1 逆転写酵素のアリコートを、製造業者の標準的プロトコールに従って、Phast ゲル装置(Pharmacia TM)上でのSDS の存在下でポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析した。
【0060】
未架橋対照は、逆転写酵素のサブユニットに対応する66kDおよび51kDの分子量を有するバンドのみを有する。分子内架橋された逆転写酵素は、サブユニット間の架橋が成功したことを示す110 〜120kD の分子量を有するバンドを示す。より大きなタンパク質複合体は、検出不可能である、すなわち、逆転写酵素のいくつかの分子の分子内連結は、本発明に従う架橋方法では生じない。
【0061】
b)分析ゲル浸透クロマトグラフィー
分子内架橋されたHIV−1 逆転写酵素のアリコートを、製造業者の標準的プロトコールに従って、市販されているHPLC装置を用いてTSK3000 カラム(Toso Haas TM)上のゲル浸透クロマトグラフィーにより分析した。
【0062】
分子内架橋された逆転写酵素は、100 〜130kD の分子量を有する球状タンパク質に対応する保持時間(この場合は7.5 分)でカラムから溶出する。クロマトグラムにおいてより短い保持時間を有するより大きなタンパク質複合体は、検出不可能である、すなわち、本発明に従う架橋方法は、オリゴマー構造またはポリマー構造を形成するような逆転写酵素のいくつかの分子の分子間架橋を生じない。クロマトグラムを図1に示す。
【0063】
実施例3
例としてビオチン標識を用いる分子内架橋されたHIV−1 逆転写酵素の誘導
分子内架橋されたHIV−1 逆転写酵素(実施例1参照)は、ジエタノールアミンまたはリン酸カリウム緩衝液中に存在する。未架橋RTを、比較として、N−メチルマレイミドで処理し、ジエタノールアミンに対して透析する。必要な場合、pHを、NaOHを添加することによって全てのRT混合物において8.6 〜8.8 に調整する。ビオチン−DDS(ビオチン化− ジアミノジオキサオクタン− ジスクシンイミジルスベリン酸)のストックを、DMSO中に調製する(6mg/ml)。1:4 (mol 逆転写酵素/molビオチン−DDS)の初期化学量論に対応するこの溶液の量を、混合物に添加し、次いで攪拌しながらさらに60分間25℃にてインキュベートする。この反応を、リジンを反応混合物に10mMの最終濃度で添加して、さらに30分間インキュベートすることによって停止する。過剰の反応物を、50mMのジエタノールアミン、pH8.8 、25mMのNaClに対する透析によって分離する。
【0064】
実施例4
機能試験における安定性チェック
免疫アッセイを、Roche Diagnostics GmbH, Mannheim製Elecsys (登録商標)上で実施して、HIV−1 逆転写酵素の安定性を試験した。抗RT抗体を含まない陰性対照(NC)および抗RT抗体を含む陽性対照(PC)に加えて、抗RT反応性を有する2つのHIV 陽性ヒト血清を測定した。
【0065】
45μl のサンプルを、55μl の試薬1(ビオチン化RT)および55μl の試薬2(ルテニウム標識RT)と共に9分間37℃にてインキュベートした。続いて、ストレプトアビジンコーティングされた磁性ビーズを添加し、この混合物をさらに9分間インキュベートした。ビーズを磁石により捕らえた後、電気化学発光シグナルを定量した。
【0066】
本発明の架橋形態および未架橋形態におけるビオチン化逆転写酵素の安定性を比較するため、試薬1(ビオチン化RT)を、試験を実施する前に以下に記載のように18時間42℃にてインキュベートした。同時に調製し、4℃にて貯蔵した試薬1を参考として利用した。全ての他の試薬を実験のために新たに調製した。
【0067】
評価は、シグナルとそれぞれの陰性対照の比率を決定することを意味するシグナルの動的範囲に基づいた。シグナル動力に対する値が大きくなればなるほど、HIV 抗体陽性と陰性サンプルとの間の差は大きくなる。これ故、シグナルのより大きな動的範囲が所望される。それぞれの値間の関係を使用して、ストレスRTと非ストレスRTを比較した。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 2004514908
【0069】
上昇させた温度での数時間のストレス後でさえ、本発明のRT架橋を用いた免疫アッセイにおけるシグナルの動的範囲は、非ストレスRTと比較して少なくともまだ79%であり、好ましくは少なくとも90%であったが、一方、陰性対照に基づく動的範囲は、未架橋RTの場合、せいぜい約30%であり、時には30%よりずいぶん低くまたは20%未満でさえあった。未架橋RTを用いた場合、シグナルは、陰性血清のレベルに低下したが、一方、本発明の架橋RTは、その免疫学的機能を維持したままである。それ故、サンプル抗体によって認識されるRTエピトープは、温度ストレスに関わらず実質的に保存される。これは、本発明の架橋RTが未架橋RTよりもずいぶん安定であることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、架橋後に得られるRTの分子量のゲル浸透クロマトグラフィーによる解析を示す。

Claims (9)

  1. 免疫学的試験手順における免疫学的結合パートナーとしての分子内共有結合架橋タンパク質の使用。
  2. 数個のサブユニットから構成されるタンパク質が使用されることを特徴とする請求項1記載の使用。
  3. タンパク質としてDNA ポリメラーゼまたはRNA ポリメラーゼが使用されることを特徴とする前記請求項の1つに記載の使用。
  4. タンパク質としてHIV 逆転写酵素が使用されることを特徴とする前記請求項の1つに記載の使用。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の分子内共有結合架橋タンパク質が免疫学的結合パートナーとして使用されることを特徴とする、試料中の被検体を検出するための免疫学的試験手順。
  6. HIV 感染を診断するための方法であることを特徴とする、請求項5記載の免疫学的試験手順。
  7. 逆転写酵素(RT)の2つのサブユニットのみが互いに共有結合架橋され、数個のRT分子間に分子間架橋が無いことを特徴とする、分子内共有結合架橋HIV 逆転写酵素。
  8. MHS (3− マレイミドベンゾイル−N− ヒドロキシスクシンイミドエステル) 、EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド) 、DSS(ジスクシンイミジルスベリン酸) 、HSAB(N− ヒドロキシスクシンイミジル−4− アジド安息香酸) またはスルホSANPAH (スルホスクシンイミジル−6(4’−アミド−2’−ニトロフェニルアミド) ヘキサノエート) が、架橋試薬として使用されることを特徴とする、請求項7記載の分子内共有結合架橋HIV 逆転写酵素。
  9. −RTを溶解形態で提供する工程、
    −任意に、RTをSH基に対するブロッキング試薬と反応させる工程、
    −混合物を水性緩衝液に透析させる工程、
    −活性化RTを、架橋試薬であるMHS (3− マレイミドベンゾイル−N− ヒドロキシスクシンイミドエステル) 、EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド) 、DSS(ジスクシンイミジルスベリン酸) 、HSAB(N− ヒドロキシスクシンイミジル−4− アジド安息香酸) 、スルホSANPAH (スルホスクシンイミジル−6(4’−アミド−2’−ニトロフェニルアミド) ヘキサノエート) の1つと反応させる工程、
    −任意に、反応を停止させる工程、
    −透析により、反応生成物から過剰の反応物を分離する工程、
    −任意に、透析した反応生成物をUV光に曝露する工程、
    を含む、請求項7または8の1つに記載の分子内架橋HIV 逆転写酵素の作製方法。
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