JP2004513536A - 最大距離ブロック符号化方式 - Google Patents
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Abstract
【課題】高データレート通信システムにおいて符号化利得を改良すること。
【解決手段】可変レート伝送が可能なデータ通信システムにおいて、高レートパケットデータ伝送は順方向リンクの利用を改良し、伝送遅延を減少する。順方向リンク上のデータ伝送は時間多重化され、基地局(4)は順方向リンクによりサポートされる最高データレートで1つの移動局(6)に伝送する。データレートは、移動局(6)において測定される順方向リンク信号の最大C/I測定により決定される。エラーで受信したデータパケットを判断すると、移動局(6)はNACKメッセージを基地局(4)に伝送する。NACKメッセージはエラーで受信したデータパケットの再伝送を生じる。データパケットは、データパケット内の各データユニットを識別するためにシーケンス番号の使用により順序が狂って伝送することができる。逆方向リンク上で、逆方向レートインジケータシンボルは移動局(6)において符号化され、異なるコードワード間の最大距離を得る。
【選択図】図11
【解決手段】可変レート伝送が可能なデータ通信システムにおいて、高レートパケットデータ伝送は順方向リンクの利用を改良し、伝送遅延を減少する。順方向リンク上のデータ伝送は時間多重化され、基地局(4)は順方向リンクによりサポートされる最高データレートで1つの移動局(6)に伝送する。データレートは、移動局(6)において測定される順方向リンク信号の最大C/I測定により決定される。エラーで受信したデータパケットを判断すると、移動局(6)はNACKメッセージを基地局(4)に伝送する。NACKメッセージはエラーで受信したデータパケットの再伝送を生じる。データパケットは、データパケット内の各データユニットを識別するためにシーケンス番号の使用により順序が狂って伝送することができる。逆方向リンク上で、逆方向レートインジケータシンボルは移動局(6)において符号化され、異なるコードワード間の最大距離を得る。
【選択図】図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はデータ通信に関し、特に高レートパケットデータ通信システムで使用する最大距離、レート3/128ブロック符号化方式に関する。
【0002】
【関連出願の記載】
近年の通信システムはいろいろなアプリケーションをサポートする必要がある。そのような通信システムの1つは、「デュアルモード広帯域スペクトル拡散通信システムのためのTIA/EIA/IS−95移動局−基地局互換規格」(以下IS−95規格と呼ぶ)に準拠する符号分割多元接続システムである。CDMAシステムは地上リンクを介してユーザー間で音声通信およびデータ通信を可能にさせる。多重アクセス通信システムにおけるCDMA技術の使用は、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第4,901,307号(発明の名称:「衛星または地上リピーターを用いたスペクトル拡散多重アクセス通信システム」)および米国特許第5,103,459号(発明の名称:「CDMAセルラ電話システムにおいて波形を発生するためのシステムおよび方法」)に開示されている。
【0003】
この明細書において、基地局は移動局が通信するハードウエアに言及する。セルは用語が使用する文脈に依存してハードウエアまたは地理的なカバーエリアに言及する。セクタはセルのパーティションである。CDMAシステムのセクタはセルの属性を有するので、セルの観点から記載される開示はすでにセクタに拡張されている。
【0004】
CDMAシステムにおいて、ユーザ間の通信は1つ以上の基地局を介して行なわれる。第1の移動局の第1のユーザは逆方向リンクを介して基地局にデータを伝送することにより第2の移動局の第2のユーザと通信する。基地局はそのデータを受信し、そのデータを他の基地局に配信することができる。データは同じ基地局または第2の基地局の順方向リンクを介して第2の移動局に伝送される。順方向リンクは基地局から移動局への伝送に言及し、逆方向リンクは移動局から基地局への伝送に言及する。IS−95システムにおいて、順方向リンクと逆方向リンクには別々の周波数が割当てられる。
【0005】
通信の期間、移動局は少なくとも1つの基地局と通信する。ソフトハンドオフの期間、CDMA移動局は複数の基地局と同時に通信することができる。ソフトハンドオフは以前のリンクを切断する前に新しい基地局とのリンクを確立するプロセスである。ソフトハンドオフは落とされた通話の確率を最小にする。ソフトハンドオフの期間に1つ以上の基地局を介して移動局との通信を供給するための方法およびシステムは、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第5,267,261号(発明の名称:「CDMAセルラ電話システムの移動援助ソフトハンドオフ」)に開示される。ソフタハンドオフ(softer handoff)は同じ基地局によりサービスされる複数のセクタを介して通信が生じるプロセスである。ソフタハンドオフのプロセスは、この発明の譲受人に譲渡され参照することによりここに組み込まれる1999年8月3日に発行された同時係属米国特許第5,933,787(発明の名称:「共通基地局のセクタ間でハンドオフを実行するための方法および装置」)に詳細に記載されている。
【0006】
無線データアプリケーションの需要が高まるにつれ、非常に効率のよい無線通信システムの必要性がますます重要になってきた。IS−95規格は順方向リンクおよび逆方向リンクを介してトラヒックデータおよび音声データを伝送することができる。固定サイズの符号チャネルフレームでトラヒックデータを伝送するための方法は、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第5,504、773(発明の名称:「伝送のためのデータのフォーマッティングのための方法および装置」)に詳細に記載されている。IS−95規格に従って、トラヒックデータまたは音声データは14.4Kbpsのデータレートを有する20msec幅の符号チャネルフレームに分割される。
【0007】
音声サービスとデータサービスとの間の著しい違いは前者は厳しい固定の遅延要件を課すという事実である。一般に音声フレームの全体の一方向の遅延は100msec未満でなければならない。それにひきかえ、データ遅延は、データ通信システムの効率を最適化するために使用される可変パラメータになることができる。特に、音声サービスにより許容可能な遅延よりも著しく大きな遅延を必要とするより効率的なエラー訂正符号化技術を利用することができる。データのための例示的な能率的な符号化方式は、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる、1999年8月3日に発行された米国特許第5,933,462(発明の名称:「たたみこみ符号化コードワードを復号するためのソフト決定出力デコーダー」)に開示されている。
【0008】
音声サービスとデータサービスの他の著しい違いは前者はすべてのユーザに対して固定かつ共通のサービス程度(GOS)を必要とすることである。一般に、音声サービスを提供するデジタルシステムの場合、これはすべてのユーザに対して固定かつ等しい伝送に変換し、音声フレームのエラーレートに対して最大許容値に変換する。それにひきかえ、データサービスの場合、GOSはユーザ毎に異なることができ、データ通信システムの全体の効率を増大するために最適化されたパラメータであり得る。データ通信システムのGOSは一般に所定のデータ量(以下データパケットと呼ぶ)の伝送において被る合計遅延として定義される。
【0009】
音声サービスとデータサービスとの間のさらに他の著しい違いは、前者は、例示CDMA通信システムにおいて、ソフトハンドオフにより提供される信頼できる通信リンクを必要とすることである。ソフトハンドオフは信頼度を改善するために2以上の基地局から冗長な伝送を生じる。しかしながら、このさらなる信頼度はデータ伝送においては必要ない。何故ならエラーで受信したデータパケットは再送信することができるからである。データサービスの場合、ソフトハンドオフをサポートするために使用される送信電力はさらなるデータを伝送するためにより効率的に使用することができる。
【0010】
データ通信システムの品質と有効性を測定するパラメータはデータパケットを伝送するために必要とされる伝送遅延とシステムの平均スループットである。伝送遅延は、音声通信の場合と同じデータ通信の影響力を持たないが、データ通信システムの品質を測定するための重要な測定基準である。平均スループットレートは、通信システムのデータ伝送能力の効率性の測定値である。
【0011】
セルラシステムにおいて、所定のユーザの信号対雑音および干渉比C/Iはそのカバーエリア内のユーザのロケーションの関数である。所定レベルのサービスを維持するために、TDMAシステムおよびFDMAシステムは周波数再使用技術の手段を取る。すなわち、すべての周波数チャネルおよび/またはタイムスロットが各基地局において使用されるわけではない。CDMAシステムにおいては、システムのセルごとに同じ周波数割当てが再使用され、それにより全体の効率を改善する。所定のユーザの移動局が得るC/Iは基地局からユーザの移動局へのこの特定のリンクのためにサポートできる情報レートを決定する。伝送のために使用される特定の変調とエラー訂正方法が与えられると、これはこの発明がデータ伝送のために最適化することを求めているものだが、所定レベルの性能が対応するレベルのC/Iにおいて得られる。六角形のセルレイアウトを有し、セルごとに共通の周波数を利用する理想的なセルラシステムの場合に、理想的なセル内で得られるC/Iの分配を計算することができる。
【0012】
所定のユーザにより得られるC/Iは伝送路損失の関数であり、これは地上セルラシステムの場合にr3乃至r5に増大する。ただし、rは放射源までの距離である。さらに伝送路損失は、無線波の伝送路内の人工的なまたは自然の障害によりランダムな変化を受けやすい。これらのランダムな変化は一般に8dBの標準偏差を有した対数正規のシャドウイング(shadowing)ランダムプロセスとしてモデル化される。無指向性の基地局アンテナ、r4伝搬法則、および8dB標準偏差を有した理想的な六角形のセルラレイアウトのために得られる結果として生じるC/I分布は図10に示される。
【0013】
得られたC/I分布は、いつでもおよびいかなるロケーションにおいても、各基地局への物理的距離に関係なく、最大のC/I値を得るものとして定義される最良の基地局によって移動局がサービスされる場合にのみ達成することができる。上述したように伝送路損失のランダムな性質のために、最大C/I値を有する信号は、移動局からの最小物理距離以外の信号であり得る。それにひきかえ、移動局が最小距離の基地局を介してのみ通信していたならば、C/Iは実質的に品位を落とすことになり得る。それゆえ、いつでも移動局が最良のサービスをする基地局と通信することは有利であり、それにより最適なC/I値を得る。また、上述した理想的なモデルであって図10に示すモデルにおいて、得られたC/Iの値のレンジは、最大値と最小値との間の差分が10,000となり得るようなレンジである。実用的な実施においては、このレンジは一般的にほぼ1:100または20dBに制限される。それゆえ、以下の関係式が適用できるので、CDMA基地局は、100の因数と同量だけ変化できる情報ビットレートを有した移動局にサービスすることが可能である。
【0014】
【数1】
ただし、Rbは特定の移動局に対する情報レート、Wはスペクトル拡散信号により占有される合計帯域幅、Eb/Ioは所定のレベルの性能を得るために必要な干渉密度に対するビットあたりのエネルギーである。例えば、スペクトル拡散信号が1.2288MHzの帯域幅を占有し、信頼できる通信が3dBに等しい平均値Eb/Ioを必要とするなら、最良の基地局に対して3dBのC/I値を得る移動局は1.2288Mbpsのデータレートで通信することができる。一方、移動局が隣接する基地局からの実質的干渉を受け、−7dBのC/Iしか得ることができないなら、信頼できる通信は122.88Kbpsより大きなレートでサポートすることはできない。それゆえ、平均スループットを最適化するように設計された通信システムは、最良にサービスしている基地局からの各移動ユーザに、移動ユーザが確実にサポートできる最も高いデータレートRbで、サービスしようと試みるであろう。上述した特性を利用し、CDMA基地局から移動局へのデータスループットを最適化するデータ通信システムを提供することが都合がよいであろう。
【0015】
データを伝送している逆方向リンクデータレートを示している時使用する移動局のためのより堅固なチャネルを提供することはさらに都合がよいであろう。データ通信システムにおいて、逆方向リンクデータレートインジケータは、例えばパイロットチャネルが伝送される時間の一部においてのみ伝送を必要とする、有利に相対的に「遅い」チャネルである。現在反復を有した相対的に高いレートの直交符号化方式が使用される。符号化利得を改良するために、そのような符号化方式において、異なるエンコーダー出力コードワード間で最小距離(異なるエンコーダー出力コードワードにおけるシンボルの数)を増大させることは望ましいであろう。従って、高データレート通信システムにおいて、符号化利得を改良する方法の必要性がある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は高データレート通信システムにおいて符号化利得を改良する方法に向けられている。従って、この発明の1つの観点において、データを符号化する方法が提供される。この方法は有利にデータをブロック符号化して複数のコードワードを発生し、各コードワードを所定回数反復することを含む。
【0017】
一実施形態において、この方法は有利に3行および32列のマトリクスとしてデータをブロック符号化し各コードワードを4回反復することを含む。マトリクスの第1行目は左から右に2492DBBFに2つのゼロが続く16進値を持つ2進数である。マトリクスの第2行目は左から右に、ゼロの後に2492DBBFの16進値を持つ2進数が続きその後に別のゼロが続き、マトリクスの3行目は左から右に、2つのゼロの後に2492DBBFの16進値を持つ2進数が続く。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の特徴、目的および利点は、同一部に同符号を付した図面とともに以下に述べる詳細な記述からより明らかになるであろう。
【0019】
データ通信システムの例示実施形態に従って、順方向リンクおよびシステムによりサポート可能な最大データレートまたはその付近のデータレートで1つの基地局から1つの移動局に順方向リンクデータ伝送が生じる(図1参照)。逆方向リンクデータ通信は1つの移動局から1つ以上の基地局に生じることができる。順方向リンク伝送のための最大データレートの計算は以下に記載される。データは複数のデータパケットに分割され、各データパケットは1つ以上のタイムスロット(またはスロット)を介して伝送される。各タイムスロットにおいて、基地局はその基地局と通信している移動局にデータ伝送を指示することができる。
【0020】
初めに、移動局は所定のアクセス手続きを用いて基地局と通信を確立する。この接続状態において、移動局は基地局からのデータおよび制御メッセージを受信することができ、データおよび制御メッセージを基地局に伝送することができる。移動局は次に、移動局のアクティブセット(active set)において、基地局からの伝送のために順方向リンクを監視する。アクティブセットはその移動局と通信する基地局のリストを含む。特に、移動局は、その移動局において受信した、アクティブセットにある基地局からの順方向リンクパイロットの信号対雑音および干渉比(C/I)を測定する。受信したパイロット信号が所定の加算しきい値を越える場合または所定の降下しきい値より少ない場合、移動局はこれを基地局に報告する。基地局からのその後のメッセージは移動局にそれぞれ基地局をアクティブセットに追加したり、アクティブセットから基地局を削除したりするように指示する。移動局の種々の動作状態を以下に記載する。
【0021】
送信すべきデータが無い場合、移動局はアイドル状態に戻り基地局(基地局群)へのデータレート情報の伝送を中止する。移動局がアイドル状態にある間、移動局はメッセージをページングするためにアクティブセットにある1つ以上の基地局からの制御チャネルを監視する。
【0022】
移動局に伝送すべきデータがある場合には、そのデータは中央コントローラによって、アクティブセットにあるすべての基地局に送信され各基地局においてキューに記憶される。次に、ページングメッセージは各制御チャネルを介して1つ以上の基地局により移動局に送信される。移動局が基地局間を切り替わっている間でも受信を保証するために基地局はいくつかの基地局間で同時にそのようなすべてのページングメッセージを送信することができる。移動局は1つ以上の制御チャネル上の信号を復調しかつ復号してページングメッセージを受信する。
【0023】
ページングメッセージを受信すると、データ伝送が完了するまでの各タイムスロット毎に、移動局は、移動局において受信した、アクティブセットにある基地局からの順方向リンク信号のC/Iを測定する。順方向リンク信号のC/Iは各パイロット信号を測定することにより得ることができる。次に、移動局はパラメータの組に基づいて最良の基地局を選択する。パラメータの組は現在のC/I測定値、以前のC/I測定値およびビットエラーレートまたはパケットエラーレートから構成し得る。例えば、最良の基地局は最大のC/I測定値に基づいて選択することができる。次に、移動局は、その最良の基地局を識別し、選択された基地局に、データ要求チャネル(以下、DRCチャネルと呼ぶ)を介してデータ要求メッセージ(以下、DRCメッセージと呼ぶ)を伝送する。DRCメッセージは要求されたデータレート、または二者択一的に順方向リンクの品質の表示(例えばC/I測定値自体、ビットエラーレートまたはパケットエラーレート)を含むことができる。例示実施形態において、移動局は、固有に基地局を識別するウオルシュコードの使用により特定の基地局にDRCメッセージの伝送を指示することができる。DRCメッセージは固有のウオルシュコードとイクスクルーシブOR(XOR)される。移動局のアクティブセットにある各基地局は固有の識別コードにより識別されるので、移動局により行なわれたXOR演算と同一のXOR演算を実行する選択された基地局のみが、正しいウオルシュコードを用いて、DRCメッセージを正しく復号することができる。基地局は各移動局からのレート制御情報を用いて最高の可能なレートで順方向リンクデータを効率的に伝送する。
【0024】
各タイムスロットにおいて、基地局はデータ伝送のためにページングされた移動局を選択することができる。次に、基地局は、移動局から受信したDRCメッセージの最も最近の値に基づいて、選択された移動局にデータを伝送するデータレートを決定する。さらに、基地局は、その移動局に固有な拡散コードを用いて特定の移動局への伝送を固有に識別する。例示実施形態において、この拡散コードはIS−95規格により定義される長い擬似雑音(PN)コードである。
【0025】
データパケットが送られる移動局はデータ伝送を受信し、データパケットを復号する。各データパケットは複数のデータユニットから構成される。例示実施形態において、データユニットは8情報ビットから構成される。しかしながら、異なるデータユニットサイズを定義することができ、この発明の範囲内である。例示実施形態において、各データユニットは、シーケンス番号と相関され、移動局は、失ったまたは重複する伝送を識別することができる。そのような場合には、移動局は、逆方向リンクチャネルを介して失ったデータユニットのシーケンス番号を通信する。移動局からデータメッセージを受信する基地局コントローラは、この特定の移動局と通信するすべての基地局に、どのデータユニットが移動局により受信されなかったかを示す。基地局は次に、そのようなデータユニットの再送信をスケジュールする。
【0026】
データ通信システムの各移動局は、逆方向リンクを介して複数の基地局と通信することができる。例示実施例において、この発明のデータ通信システムは幾つかの理由で逆方向リンクを介してソフトハンドオフおよびソフタハンドオフをサポートする。第1にソフトハンドオフは逆方向リンクのさらなる収容能力を消費せず、少なくとも1つの基地局が確実にデータを復号できるように移動局が最小電力レベルでデータを伝送することを可能にする。第2により多くの基地局による逆方向リンク信号の受信は伝送の信頼性を増大し、基地局にさらなるハードウエアが必要のみである。
【0027】
例示実施形態において、データ伝送システムの順方向リンク収容能力は移動局のレート要求により決定される。順方向リンク収容能力のさらなる利得は指向性アンテナおよび/または適応空間フィルタを使用することにより得ることができる。指向性伝送を供給するための例示方法と装置は、共にこの発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる、1999年1月5日に発行された同時係属米国特許番号第5,857,147、(発明の名称:「マルチユーザ通信システムにおける伝送データレートを決定するための方法および装置」)および1997年9月8日に出願された米国特許出願シリアル番号第08/925,521、(発明の名称:「直交スポットビーム、セクタおよびピコセルを供給するための方法および装置」)に記載されている。
【0028】
I.システム記述
図面を参照すると、図1は複数のセル2a−2gを構成する一実施形態に従って例示データ通信システムを表す。各セル2は対応する基地局4によりサービスされる。種々の移動局6がデータ通信システムの全体に渡って分散される。例示実施形態において、各移動局6は各タイムスロットにおいて、順方向リンクを介して多くても1つの基地局4と通信するが、移動局6がソフトハンドオフ状態にあるかどうかににより逆方向リンクを介して1つ以上の基地局4と通信することができる。例えば、基地局4aは独占的にデータを移動局6aに伝送し、基地局4bは独占的にデータを移動局6bに伝送し、および基地局4cはタイムスロットnにおいて準方向リンクを介して独占的にデータを移動局6cに伝送する。図1において、矢を有した実線は基地局4から移動局6へのデータ伝送を示す。矢を有した破線は
移動局6がパイロット信号を受信しているが、基地局4からのデータ伝送は無いことを示している。簡単のために、逆方向リンク通信は図1には示されていない。
【0029】
図1によって示されるように、各基地局4はいつなんどきでも1つの移動局6にデータを伝送することが好ましい。移動局、特にセル境界付近に位置する移動局は複数の基地局4からパイロット信号を受信することができる。パイロット信号が所定のしきい値を越えていれば、移動局6は、移動局6のアクティブセットに基地局4を追加することを要求することができる。例示実施形態において、移動局6はアクティブセットのゼロまたは1メンバからデータ伝送を受信することができる。
【0030】
図1のデータ通信システムの基本サブシステムを示すブロック図が図2に示される。基地局コントローラ10はパケットネットワークインタフェース24、PSTN30、およびデータ通信システムのすべての基地局4とインターフェースする(簡単のために1つの基地局4のみが図2に示されている)。基地局コントローラ10はデータ通信システムの移動局6とパケットネットワークインタフェース24に接続された他のユーザおよびPSTN30との間の通信を調節する。PSTN30は標準電話機回路網(図2には示していない)を介してユーザとインターフェースする。
【0031】
基地局コントローラ10は、簡単のために図2には1つしか示していないが、多くのセレクタエレメント14を含む。1つのセレクタエレメント14は1つ以上の基地局4と1つの移動局6との間の通信を制御するために割当てられる。セレクタエレメント14が移動局6に割当てられていなかったならば、呼制御プロセッサ16には、移動局6をページングする必要性が知らされる。
【0032】
データソース20は移動局6に伝送されるデータを含む。データソース20はデータをパケットネットワークインタフェース24に供給する。パケットネットワークインタフェース24はデータを受信し、そのデータをセレクタエレメント14に供給する。セレクタエレメント14はデータを移動局と通信している各基地局4に送信する。各基地局4は移動局6に伝送すべきデータを含むデータキュー40を維持する。
【0033】
例示実施形態において、順方向リンクを介して、データパケットはデータレートに関係無く所定のデータ量に言及する。データパケットは他の制御および符号化ビットでフォーマット化され符号化される。データ伝送が複数のウオルシュチャネルを介して生じるならば、符号化されたパケットは並列ストリームに逆多重化され、各ストリームは1つのウオルシュチャネルを介して伝送される。
【0034】
データはデータパケットで、データキュー40からチャネルエレメント42に送られる。各データパケットに対して、チャネルエレメント42は必要な制御フィールドを挿入する。データパケット、制御フィールド、フレームチェックシーケンスビット、および符号テールビットはフォーマット化されたパケットを構成する。次に、チャネルエレメント42は1つ以上のフォーマット化されたパケットを符号化し、符号化されたパケット内のシンボルをインターリーブ(並べ替えする)。次に、インターリーブされたパケットはスクランブリングシーケンスを用いてスクランブルされ、ウオルシュカバーを用いてカバーされ、長いPNコードと短いPNIおよびPNQコードを用いて拡散される。拡散データはRFユニット44内の送信器により直交変調され、濾波され、増幅される。順方向リンク信号は順方向リンク50上のアンテナ46を介して放送で伝送される。
【0035】
移動局6において、順方向リンク信号はアンテナ60により受信されフロントエンド62内の受信器に送られる。受信器は信号を濾波し、増幅し、直交変調し、および量子化する。2値化された信号は復調器(DEMOD)64に供給され、長いPNコードおよび短いPNIコードおよびPNQコードでデスプレッド(despread)され、ウオルシュカバーでデカバーされ、同一スクランブリングシーケンスでデスクランブルされる。復調されたデータはデコーダー66に供給され、デコーダー66は基地局4においてなされた信号処理機能の逆、特に、デインターリービング、デコーディングおよびフレームチェック機能を行う。復号されたデータはデータシンク68に供給される。上述したように、ハードウエアはデータ、メッセージング、音声、ビデオの伝送および順方向リンクを介した他の通信をサポートする。
【0036】
システム制御およびスケジューリング機能は多くの実施により成就可能である。チャネルスケジューラー48のロケーションは集中的または分散制御/スケジューリング処理が望ましいかどうかに依存する。例えば、分散処理の場合にチャネルスケジューラー48は各基地局4内に配置できる。逆に、集中的処理の場合には、チャネルスケジューラー48は基地局コントローラー10内に配置可能であり、複数の基地局4のデータ伝送を調節するように設計することができる。上述した機能の他の実施を検討することができ、この発明の範囲内である。
【0037】
図1に示すように、移動局6はデータ通信システム全体に渡って分散され、順方向リンクを介してゼロまたは1つの基地局4と通信可能である。例示実施形態において、チャネルスケジューラー48は1つの基地局4の順方向リンクデータ伝送を調節する。例示実施形態において、チャネルスケジューラー48は基地局4内のデータキュー40とチャネルエレメント42内に接続し、移動局6に伝送するデータ量を示すキューサイズおよび移動局6からのDRCメッセージを受信する。チャネルスケジューラー48は最大データスループットのシステムゴールが最小伝送遅延が最適化されるように高レートデータ伝送をスケジュールする。
【0038】
例示実施形態において、データ伝送は、ある程度通信リンクの品質に基づいてスケジュールされる。リンク品質に基づいて伝送レートを選択する例示通信システムは、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる、1996年9月11日に出願された米国特許出願シリアル番号第08/741,320(発明の名称:「セルラ環境において高速データ通信を供給するための方法および装置」)に開示されている。現在開示された実施形態において、データ通信のスケジューリングは、ユーザのGOS、キューサイズ、データの種類、すでに経験した遅延量、およびデータ伝送のエラーレートのようなさらなる考慮に基づくことが出来る。これらの考慮はともに、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる、1997年2月11日に出願された米国特許出願番号第08/798,951(発明の名称:「順方向リンクレートスケジューリングのための方法および装置」)および1997年8月20日に出願された米国特許出願シリアル番号第08/914,928(発明の名称:「逆方向リンクレートスケジューリングのための方法および装置」)に記載されている。他の要因をデータ伝送をスケジューリングする際に考慮することができ、この発明の範囲内である。
【0039】
ここに開示される実施形態のデータ通信システムは有利に逆方向リンク上のデータおよびメッセージ伝送をサポートする。移動局6内において、コントローラ76はデータソース70からのデータまたはメッセージをエンコーダー72に供給することにより、データまたはメッセージ伝送を処理する。コントローラ76はマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッシング(DSP)チップ、またはここに記載した機能を実行するようにプログラムされたASICで実現することができる。
【0040】
例示実施形態において、エンコーダー72は上述した米国特許第5,504,773に記載されたブランクおよびバーストシグナリングデータフォーマットに一致するメッセージを符号化する。次に、エンコーダー72はCRCビットの組を発生して付加し、コードテイルビット(code tail bit)の組を付加し、データおよび付加されたビットを符号化し、符号化されたデータ内でシンボルを並び替える。インターリーブされたデータは変調器(MOD)74に供給される。
【0041】
変調器74は多くの実施形態において実現することができる。例示実施形態において(図6参照)、インターリーブされたデータはウオルシュコードでカバーされ、長いPNコードで拡散し、さらに短いPNコードで拡散する。拡散データはフロントエンド62内の送信器に供給される。送信器は逆方向リンク信号を変調し、濾波し、増幅し、逆方向リンク52を介してアンテナ60を介して放送で逆方向リンク信号を伝送する。
【0042】
例示実施形態において、移動局6は長いPNコードに従って逆方向リンクデータを拡散する。各逆方向リンクチャネルは共通の長いPNシーケンスの時間的オフセットに従って定義される。2つの異なるオフセットにおいて、結果として得られる変調シーケンスは無相関である。移動局6のオフセットは移動局の固有の数値の識別番号に従って決定される。これは、IS−95移動局6の例示実施形態において、移動局特定識別番号である。従って、各移動局6は固有の電子シリアル番号に従って決定された1つの無相関の逆方向リンクチャネルを介して伝送する。
【0043】
基地局4において、逆方向リンク信号はアンテナ46により受信され、RFユニット44に供給される。RFユニット44は信号を濾波し、増幅し、復調し、量子化し、2値化された信号をチャネルエレメント42に供給する。チャネルエレメントは短いPNコードおよび長いPNコードで2値化された信号をデスプレッド(despread)する。チャネルエレメント42はまたウオルシュコードデカバリングおよびパイロットおよびDRC抽出を行なう。次に、チャネルエレメント42は復調されたデータの並び替えを行い、デインターリーブされたデータを復号し、CRCチェック機能を実行する。復号されたデータ、例えばデータまたはメッセージはセレクタエレメント14に供給される。セレクタエレメント14はデータとメッセージを適当な送信先に送る。チャネルエレメント42はまた、受信したデータパケットの条件を示す品質インジケーターをセレクタエレメント14に送ることができる。
【0044】
例示実施形態において、移動局6は3つの動作状態の1つを取り得る。移動局6の種々の動作状態間の遷移を示す例示状態図は図9に示される。アクセス状態902において、移動局6はアクセスプローブを送信し、基地局4によるチャネル割当てを待つ。チャネル割当ては、電力制御チャネルおよび周波数割り当てのようなリソースの割当てから構成される。移動局6が呼び出されデータ送信があると注意を促されるなら、または移動局6がデータを逆方向リンクを介して伝送するなら、移動局6はアクセス状態902から接続状態904に遷移することができる。接続状態904において、移動局6はデータを交換(例えば送信または受信)し、ハンドオフ動作を行なう。リリース手続きが完了すると、移動局6は接続状態904からアイドル状態906に遷移する。移動局6はまた、基地局4との接続が拒絶されると、アクセス状態902からアイドル状態906に遷移することができる。アイドル状態906において、移動局6は順方向制御チャネル上のメッセージを受信して復号することによりオーバーヘッドおよびページングメッセージを聞き、アイドルハンドオフ手続きを行なう。移動局6はアクセス手続きを開始することによりアクセス状態902に遷移することができる。図9に示す状態図は説明のために示される例示状態定義に過ぎない。他の状態図も利用可能であり、この発明の範囲内である。
【0045】
II.順方向リンクデータ伝送
例示実施形態において、移動局6と基地局4との間の通信の開始はCDMAシステムの場合と同様に生じる。呼のセットアップが完了すると、移動局6はページングメッセージのために制御チャネルを監視する。接続状態の間、移動局6はパイロット信号の送信を逆方向リンクに開始する。
【0046】
順方向リンク高レートデータ伝送の例示フロー図を図5に示す。基地局4が移動局6に伝送するデータを有しているなら、基地局4はブロック502において移動局6にアドレス指定されたページングメッセージを制御チャネルに送信する。ページングメッセージは移動局6のハンドオフ状態に応じて、1つまたは複数の基地局4から送信することができる。ページングメッセージを受信すると、移動局6はブロック504においてC/I測定プロセスを開始する。順方向リンク信号のC/Iは以下に記載する方法の1つまたは組合せから計算される。次に、移動局6はブロック506において、最良のC/I測定値に基づいて要求されたデータレートを選択し、DRCメッセージをDRCチャネルに伝送する。
【0047】
同じタイムスロット内において、基地局4はブロック508において、DRCメッセージを受信する。次のタイムスロットがデータ伝送のために利用できるなら、基地局4はブロック510においてデータを要求されたデータレートで移動局6に伝送する。移動局6はブロック512においてデータ伝送を受信する。次のタイムスロットが利用可能であるなら、基地局4はブロック514においてパケットの残りを伝送し、移動局6はブロック516においてそのデータ伝送を受信する。
【0048】
一実施形態において、移動局6は1つ以上の基地局4と同時に通信することができる。移動局により取られる行動は移動局6がソフトハンドオフ状態にあるかないかに依存する。これら2つの場合を以下に別個に述べる。
【0049】
III.ハンドオフなしの場合
ハンドオフなしの場合、移動局6は1つの基地局4と通信する。図2を参照すると、特定の移動局6に向けられたデータは、移動局6との通信を制御するように割当てられたセレクタエレメント14に供給される。セレクタエレメント14はデータを基地局4内のデータキュー40に送る。基地局4はデータをキューイングし、ページングメッセージを制御チャネルに伝送する。次に、基地局4は移動局6からのDRCメッセージのために逆方向リンクDRCチャネルを監視する。DRCチャネルにおいて信号が検出されなければ、基地局4はDRCメッセージが検出されるまでページングメッセージを再送信する。所定数の再送信の試みの後、基地局4はそのプロセスを終了することができる、または移動局6との呼を再開始することができる。
【0050】
例示実施形態において、移動局6は要求されたデータレートを、DRCメッセージの形態で、DRCチャネル上の基地局4に伝送する。他の実施形態において、移動局6は順方向リンクチャネルの品質の表示(例えばC/I測定値)を基地局4に伝送する。例示実施形態において、3−ビットDRCメッセージは基地局4によりソフト決定を用いて復号される。例示実施形態において、DRCメッセージは各タイムスロットの最初の半分内で伝送される。そのタイムスロットが、この移動局6へのデータ伝送のために利用可能であるならば、次に基地局4はそのタイムスロットの残りの半分を使ってDRCメッセージを復号し、次の連続するタイムスロットにおいてデータ伝送のためのハードウエアを構成する。次の連続するタイムスロットが利用できない場合、基地局4は次の利用可能なタイムスロットを待ち、新しいDRCメッセージのためにDRCチャネルを監視する。
【0051】
第1の実施形態において、基地局4は要求されたデータレートを送信する。この実施形態はデータレートを選択するという重要な判断を移動局6と協議する。要求されたデータレートで常に伝送することは移動局6がどのデータレートを期待するかを知るという利点を有する。従って、移動局6は要求されたデータレートに従ってトラヒックチャネルを復調し復号するのみである。基地局4はどのデータレートが基地局4により使用されているかを知らせるメッセージを移動局6に伝送する必要がない。
【0052】
第1の実施形態において、ページングメッセージの受信の後、移動局6は要求されたデータレートで連続的にそのデータを復調しようと試みる。移動局6は順方向トラヒックチャネルを復調し、ソフト決定シンボルをデコーダーに供給する。デコーダーはそのシンボルを復号し、復号されたパケットにフレームチェックを施し、パケットが正しく受信されたかどうかを判断する。パケットがエラーで受信された場合またはパケットが他の移動局6に向けられていた場合、フレームチェックはパケットエラーを表示するであろう。あるいは、第1の実施形態において、移動局6は、スロット毎にデータを復調する。例示実施形態において、移動局6は以下に記載するように、各伝送されるデータパケット内に組み込まれるプリアンブルに基づいて、データ伝送がその移動局に向けられているかどうかを判断することができる。従って、移動局6はその伝送が他の移動局6に向けられていると判断したならば、その復号プロセスを終了することができる。いずれの場合にも、移動局6はネガティブアクノレジメント(NACK)メッセージを基地局4に伝送し、データユニットの正しくない受信を認識する。NACKメッセージを受信すると、エラーで受信したデータユニットは再伝送される。
【0053】
NACKメッセージの伝送は、CDMAシステムのエラーインジケータービット(EIB)の伝送と同様に実現することができる。EIB伝送の実現と使用は、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第5,568,483(発明の名称:「伝送のためのデータのフォーマッティングのための方法および装置」)に記載されている。あるいはNACKをメッセージとともに伝送することができる。
【0054】
第2実施形態において、データレートは移動局6からの入力に従って基地局4により判断される。移動局6はC/I測定を実行し、リンク品質の表示(例えばC/I測定値)を基地局4に伝送する。基地局4はキューサイズおよび利用可能な伝送電力のような基地局に利用可能なリソースに基づいて要求されたデータレートを調節することができる。調節されたデータレートは、調節されたデータレートでのデータ伝送以前またはデータ伝送と同時に移動局6に伝送することができ、または、データパケットの符号化時にその情報を含めることができる。データ伝送前に調節されたデータレートを移動局6が受信する第1の場合、移動局6は第1の実施形態に記載した態様で受信したパケットを復調し復号する。調節されたデータレートがデータ伝送と同時に移動局6に伝送される第2の場合、移動局6は順方向トラヒックチャネルを復調し、復調されたデータを記憶することができる。調節されたデータレートを受信すると、移動局6は調節されたデータレートに従ってそのデータを復号する。そして、調節されたデータレートが符号化されたデータパケットに含まれる第3の場合に、移動局6はすべての候補レートを復調し復号し、復号されたデータの選択のために伝送レートを帰納的に判断する。レート判断を実行するための方法および装置は、共にこの発明の譲受人に譲渡され参照することによりここに組み込まれる、1998年5月12日に発行された米国特許第5,751、725号(発明の名称:「可変レート通信システムにおける受信されたデータのレートを決定するための方法および装置」)および1997年8月8日に出願された米国特許出願シリアル番号第08/908,866(発明の名称:「可変レート通信システムにおいて受信したデータのレートを決定するための方法および装置」)に記載されている。上述した両ケースの場合、移動局6は、フレームチェックの結果がネガティブの場合上述したNACKメッセージを伝送する。
【0055】
以降の説明は、別段の表示が無い場合、移動局6が基地局4に、要求されたデータレートを示すDRCメッセージを伝送する第1の実施形態に基づいている。しかしながら、ここに記載した発明概念は、移動局6がリンク品質の表示を基地局4に伝送する第2実施形態に等しく適用することができる。
【0056】
IV.ハンドオフの場合
ハンドオフの場合、移動局6は複数の基地局4と逆方向リンクを介して通信する。例示実施形態において、順方向リンクを介して特定の移動局6へのデータ伝送は1つの基地局4から生じる。しかしながら、移動局6は同時に複数の基地局4からのパイロット信号を受信することができる。基地局4のC/I測定値が所定のしきい値を越えているなら、基地局4は移動局6のアクティブセットに追加される。ソフトハンドオフ指示メッセージの期間、新しい基地局4は移動局6を、以下に記載する逆方向電力制御(RPC)ウオルシュチャネルに割当てる。移動局6とソフトハンドオフ状態にある各基地局4は、逆方向リンク伝送を監視し、各RPCウオルシュチャネルにRPCビットを送信する。
【0057】
図2を参照すると、移動局6との通信を制御するために割当てられたセレクタエレメント14はデータを移動局6のアクティブセットにある全ての基地局4に送る。セレクタエレメント14からデータを受信するすべての基地局4は各制御チャネルを介してページングメッセージを移動局6に伝送する。移動局6が接続状態にあるとき、移動局6は2つの機能を実行する。第1に、移動局6は最良のC/I測定値になり得るパラメータの組に基づいて、最良の基地局4を選択する。次に、移動局6はC/I測定値に対応するデータレートを選択し、DRCメッセージを選択された基地局4に伝送する。移動局6はDRCメッセージをその特定の基地局4に割当てられたウオルシュカバーでカバーすることにより特定の基地局4へのDRCメッセージの伝送を指示することができる。第2に、移動局6は各連続するタイムスロットにおいて、要求されたデータレートに従って、順方向リンク信号を復調しようと試みる。
【0058】
ページングメッセージを伝送した後、アクティブセット内のすべての基地局4は、移動局6からのDRCメッセージのためにDRCチャネルを監視する。再びDRCメッセージがウオルシュコードでカバーされるので、同じウオルシュカバーで割当てられた選択された基地局4はDRCメッセージをデカバーすることができる。DRCメッセージを受信すると、選択された基地局4は次の利用可能なタイムスロットで移動局6にデータを伝送する。
【0059】
例示実施形態において、基地局4は要求されたデータレートで複数のデータユニットからなるパケットのデータを移動局6に伝送する。データユニットが不正確に移動局6により受信されたなら、NACKメッセージが逆方向リンクを介して、アクティブセット内の全ての基地局4に伝送される。例示実施形態において、NACKメッセージは基地局4により復調されおよび復号され、処理のためにセレクタエレメント14に送られる。NACKメッセージを処理すると、上述した手続きを用いてデータユニットが再伝送される。例示実施形態において、セレクタエレメント14はすべての基地局4から受信したNACK信号を1つのNACKメッセージに結合し、このNACKメッセージをアクティブセット内のすべての基地局4に送る。
【0060】
例示実施形態において、移動局6は最良のC/I測定値の変化を検出することができ、効率を改善するために各タイムスロットにおいて異なる基地局4からのデータ伝送を動的に要求することができる。例示実施形態において、データ伝送はいかなるタイムスロットにおいても唯一つの基地局4から生じるので、アクティブセット内の他の基地局4はもしあれば、どのデータユニットが移動局6に伝送されたかを知らないかもしれない。例示実施形態において、伝送している基地局4はセレクタエレメント14にデータ伝送を通知する。次に、セレクタエレメント14はメッセージをアクティブセット内のすべての基地局4にメッセージを送信する。例示実施形態において、伝送されたデータは移動局6により正しく受信されたとみなされる。それゆえ、移動局6がアクティブセット内の異なる基地局4からのデータ伝送を要求するなら、新しい基地局4が残りのデータユニットを伝送する。例示実施形態において、新しい基地局4はセレクタエレメント14からの最後の伝送更新に従って伝送する。あるいは、新しい基地局4は平均伝送レートのような測定基準に基づく予測方式を用いてかつセレクタエレメント14からの更新前に伝送すべき次のデータユニットを選択する。これらの機構は、効率の損失を生じる、異なるタイムスロットで複数の基地局4による同一データの重複した再伝送を最小にする。以前の伝送がエラーで受信されたなら、各データユニットは上述したように固有のシーケンス番号により識別されるので、基地局4はこれらのデータユニットを順序が狂って再伝送することができる。例示実施形態において、穴(すなわち伝送されないデータユニット)が作られたなら(例えば、一方の基地局4から他方の基地局4間のハンドオフの結果として)、失ったデータユニットは、あたかもエラーで受信されたかの如くに考えられる。移動局6は失われたデータユニットに対応してNACKメッセージを伝送し、これらのデータユニットが再伝送される。
【0061】
例示実施形態において、アクティブセット内の各基地局4は移動局6に伝送されるデータを含む独立したデータキュー40を保持する。選択された基地局4はエラーで受信したデータユニットの再伝送およびシグナリングメッセージを除いて、連続した順番でデータキュー40に存在するデータを伝送する。例示実施形態において、伝送されたデータユニットは伝送後キュー40から削除される。
【0062】
V.順方向リンクデータ伝送のための他の考察
現在開示される実施形態のデータ通信システムにおける重要な考察は将来の伝送のためにデータレートを選択する目的のためのC/I推定値の精度である。例示実施形態において、C/I測定は基地局4がパイロット信号を伝送する時間間隔にC/I測定がパイロット信号に行なわれる。例示実施形態において、パイロット信号のみがこのパイロット時間間隔に伝送されるので、マルチパスと干渉の効果は最小である。
【0063】
IS−95システムの場合と同様にパイロット信号が直交コードチャネルに連続的に伝送される他の実施において、マルチパスと干渉の効果はC/I測定値を歪ませることができる。同様にパイロット信号の代わりにC/I測定を実行すると、マルチパスおよび干渉は、またC/I測定を低下させる。これらの両方の場合に、1つの基地局4が1つの移動局6に伝送しているとき、他の干渉信号が存在しないので、移動局6は順方向リンク信号のC/Iを正確に測定することができる。しかしながら、移動局6がソフトハンドオフ状態にあって、複数の基地局4からパイロット信号を受信するとき、移動局6は基地局4がデータを伝送していたかどうかを識別することができない。最悪のシナリオの場合、移動局6は、基地局4がいずれの移動局6にもデータを伝送していないとき第1のタイムスロットにおいて高いC/Iを測定することができ、すべての基地局4がデータを同じタイムスロットで伝送しているとき、第2スロットにおいてデータ伝送を受信する。データ通信システムのステータスが変わっているので、すべての基地局4がアイドルのとき、第1のタイムスロットにおけるC/I測定は第2タイムスロットにおいて順方向リンク信号品質の偽の表示を与える。事実、第2タイムスロットにおける実際のC/Iは、要求されたデータレートで確実な復号ができない程度まで低下し得る。
【0064】
移動局6によるC/I推定が最大干渉に基づくとき、逆の極端なシナリオが存在する。しかしながら、実際の伝送は選択された基地局のみが伝送しているときに生じる。この場合、C/I推定値と選択されたデータレートは控えめであり、確実に復号できるレートよりも低いレートで伝送が生じるので、伝送効率を低下させる。
【0065】
C/I測定が連続したパイロット信号またはトラヒック信号上で行なわれる実施において、第1タイムスロットにおけるC/Iの測定に基づく第2タイムスロットにおけるC/Iの予測は3つの実施形態により、さらに正確に行なうことができる。第1の実施形態において、基地局4からのデータ伝送は制御されるので、基地局4は連続するタイムスロットにおいて、伝送状態とアイドル状態の間で絶えずトグルしない。これは、移動局6への実際のデータ伝送前に十分なデータ(例えば、所定数の情報ビット)をキューイングすることにより達成することができる。
【0066】
第2の実施形態において、各基地局4は次の半フレームにおいて伝送が生じるかどうかを示す順方向活動ビット(以下FACビットと呼ぶ)を伝送する。FACビットの詳細は以下に詳細に記載される。移動局6は各基地局4からの受信したFACビットを考慮してC/I測定を実行する。
【0067】
リンク品質の表示が基地局4に伝送され、基地局4は中央スケジューリング方式を使用する方式に相当する第3の実施形態において、各タイムスロットにおいてどの基地局4がデータを送信したかを示すスケジューリング情報がチャネルスケジューラー48に利用可能である。チャネルスケジューラー48は移動局6からC/I測定値を受信し、データ通信システムの各基地局からのデータ伝送の有無の知識に基づいてC/I測定値を調節することができる。例えば、移動局6は、隣接する基地局4が伝送していないとき第1のタイムスロットにおいてC/Iを測定することができる。測定されたC/Iはチャネルスケジューラー48に供給される。チャネルスケジューラー48は、チャネルスケジューラー48により何もスケジュールされなかったので、隣接する基地局4は第1タイムスロットにおいてデータを伝送しなかったことを知る。第2タイムスロットにおいてデータ伝送をスケジューリングする際に、チャネルスケジューラー48は1つ以上の基地局4がデータを伝送するかどうかを知る。チャネルスケジューラー48は、隣接する基地局4によるデータ伝送により第2タイムスロットにおいて、移動局6が受信するであろうさらなる干渉を考慮するために、第1タイムスロットにおいて測定したC/Iを調節することができる。隣接する基地局が伝送しているときであって、これら隣接する基地局4が第2タイムスロットにおいて伝送していないとき、C/Iが第1タイムスロットで測定されるなら、チャネルスケジューラー48はさらなる情報を考慮してC/I測定を調節することができる。
【0068】
他の重要な考察は冗長な再伝送を最小にすることである。冗長な再伝送は、連続するタイムスロットにおいて、異なる基地局4からのデータ伝送を移動局6が選択可能にすることにより生じる。移動局6がこれらの基地局4に対してほぼ等しいC/Iを測定するなら、連続する対スロットに対して2以上の基地局4間で最良のC/I測定がトグルすることができる。このトグルはC/I測定の偏差および/またはチャネル条件の変化によるものである。連続するタイムスロットにおいて、異なる基地局4によるデータ伝送は効率の損失を生じる。
【0069】
トグルの問題はヒステリシスの使用により解消することができる。ヒステリシスは信号レベル方式を用いて、タイミング方式を用いて、または信号レベル方式とタイミング方式の組合せを用いて実現することができる。例示信号レベル方式において、アクティブセット内の異なる基地局4のさらに良いC/I測定値は、現在伝送している基地局4のC/I測定値を少なくともヒステリシス量だけ超えない限り、選択されない。一例として、ヒステリシスが1.0dBであり、第1基地局4のC/I測定値が3.5dBであり、第2基地局4のC/I測定値は第1タイムスロットにおいて3.0dBであると仮定する。次のタイムスロットにおいて、第2基地局4はそのC/I測定値が第1基地局4のC/I測定値よりも少なくとも1.0dB高くなければ選択されない。従って、第1基地局4のC/I測定値が次のタイムスロットにおいて以前として3.5dBであるならば、C/I測定値が少なくとも4.5dBでなければ第2基地局は選択されない。
【0070】
例示タイミング方式において、基地局4は所定数のタイムスロットに対してデータパケットを移動局6に伝送する。移動局6は所定数のタイムスロット内で異なる伝送基地局4を選択することはできない。移動局6は各タイムスロットにおいて現在の伝送基地局4のC/Iを連続して測定し、このC/I測定値に応答してデータレートを選択する。
【0071】
さらに他の重要な考察はデータ伝送の効率である。図4Eおよび4Fを参照すると、各データパケットフォーマット410および430はデータおよびオーバーヘッドビットを含む。例示実施形態において、オーバーヘッドの数はすべてのデータレートに対して固定されている。最も高いデータレートにおいて、オーバーヘッドのパーセンテージはパケットサイズに対して小さく、効率は高い。より低いデータレートにおいて、オーバーヘッドビットはより大きなパーセンテージのパケットを構成することができる。より低いレートにおける非能率は可変長のデータパケットを移動局6に伝送することにより改善することができる。可変長データパケットは分割することができ、複数のタイムスロットに対して移動局6に伝送することができる。有利に、可変長データパケットは処理を簡単にするために連続するタイムスロットに対して移動局6に伝送される。現在開示される実施形態は、種々のサポートされるデータレートに対して種々のパケットサイズの使用に向けられており、全体の伝送効率を改良する。
【0072】
VI.順方向リンクアーキテクチャ
例示実施形態において、基地局4は基地局に利用可能な最大電力で、かつデータ通信システムによりサポートされる最大データレートでいかなるスロットにおいても単一の移動局6に伝送する。サポート可能な最大データレートは動的であり、移動局6により測定される順方向リンク信号のC/Iに依存する。有利に、基地局4はいかなるタイムスロットにおいても唯一の移動局6に伝送する。
【0073】
データ伝送を容易にするために、順方向リンクは4つの時間多重化チャネルから構成される:すなわちパイロットチャネル、電力制御チャネル、制御チャネルおよびトラヒックチャネルである。これらのチャネルの各々の機能と実現を以下に記載する。例示実施形態において、トラヒックチャネルおよび電力制御チャネルは各々多数の直交的に拡散するウオルシュチャネルから構成される。一実施形態において、トラヒックチャネルはトラヒックデータとページングメッセージを移動局6に伝送するために使用される。ページングメッセージを伝送するために使用するとき、トラヒックチャネルはこの明細書では制御チャネルとも呼ばれる。
【0074】
例示実施形態において、順方向リンクの帯域幅は1.2288MHzに選択される。この帯域幅の選択は、IS−95規格に一致するCDMAシステムのために設計された既存のハードウエア部品の使用を可能にする。しかしながら、この発明のデータ通信システムは、容量を改善しおよび/またはシステ用件に準拠するために異なる帯域幅に使用するように採用することができる。例えば容量を増大するために5MHzの帯域幅を使用することができる。さらに、必要に応じてより接近してリンク容量を一致させる順方向リンクの帯域幅と逆方向リンクの帯域幅を異ならせることができる(例えば、順方向リンクを5MHz帯域幅として逆方向リンクを1.2288MHz帯域幅とする)。
【0075】
例示実施形態において、ショートPNIコードおよびPNQコードはIS−95規格により規定される同じ長さの215PNコードである。1.2288MHzチップレートにおいて、ショートPNシーケンスは26.67msec{26.67msec=215・1.2288×106}毎に反復する。例示実施形態において、同じショートPNコードがデータ通信システム内のすべての基地局4により使用される。しかしながら、各基地局4はベーシックショートPNシーケンスの固有のオフセットにより識別される。例示実施形態において、オフセットは64チップの増分内にある。他の帯域幅とPNコードを利用することができ、この発明の範囲内である。
【0076】
VII.順方向リンクトラヒックチャネル
例示順方向リンクアーキテクチャのブロック図を図3Aに示す。データはデータパケットに分割され、CRCエンコーダー112に供給される。データパケットごとに、CRCエンコーダー112はフレームチェックビット(例えばCRCパリティビット)を発生し、コードテールビットを挿入する。CRCエンコーダー112からのフォーマット化されたパケットは、データ、フレームチェックおよびコードテールビット、および以下に記載する他のオーバーヘッドビットから構成される。フォーマット化されたパケットはエンコーダー114に供給される。エンコーダー114は、例示実施形態において、上述した米国特許第5,933,462に開示される符号化フォーマットに従ってパケットを符号化する。他の符号化フォーマットも使用することができ、この発明の範囲内である。エンコーダー114からの符号化されたパケットは、パケットのコードシンボルを並び替えするインターリーバー116に供給される。インターリーブされたパケットはフレームパンクチャーエレメント118に供給される。フレームパンクチャーエレメント118は以下に記載するような態様でパケットの一部を取り除く。パンクチュアドされたパケットは乗算器120に供給される。乗算器120はスクランブラー122からのスクランブリングシーケンスを用いてデータをスクランブルする。パンクチャーエレメント118とスクランブラー122は以下に詳細に記載する。乗算器120からの出力はスクランブルされたパケットを構成する。スクランブルされたパケットは可変レートコントローラ130に供給される。可変レートコントローラ130はパケットをK個の並列同相チャネルおよび直交チャネルに逆多重化する。ただしKはデータレートに依存する。例示実施形態において、スクランブルされたパケットは最初に同相(I)ストリームおよび直交(Q)ストリームに逆多重化される。例示実施形態において、Iストリームは偶数インデックス付きシンボルから構成され、Qストリームは奇数インデックス付きシンボルから構成される。各ストリームはさらに、各チャネルのシンボルレートはすべてのデータレートに対して固定であるようにK個の並列チャネルに逆多重化される。各ストリームのKチャネルはウオルシュカバーエレメント132に供給される。ウオルシュカバーエレメント132は各チャネルをウオルシュ関数でカバーし直交チャネルを供給する。直交チャネルデータは利得エレメント134に供給される。利得エレメント134はすべてのデータレートに対してチップあたりの一定のトータルエネルギー(それゆえ一定の出力電力)を維持するためにデータに倍率をかける。利得エレメント134からの倍率のかけられたデータは、データをプリアンブルと多重化するマルチプレクサ(MUX)160に供給される。プリアンブルは以下に詳細に記載する。MUX160からの出力は、トラヒックデータ、電力制御ビット、およびパイロットデータを多重化するマルチプレクサ(MUX)162に供給される。MUX162の出力はIウオルシュチャネルとQウオルシュチャネルから構成される。
【0077】
データを変調するために使用される例示変調器のブロック図は図3Bに示される。IウオルシュチャネルとQウオルシュチャネルはそれぞれ加算器212a、212bに供給される。加算器212a、212bはK個のウオルシュチャネルを加算し、それぞれ信号IsumおよびQsumを供給する。Isum信号とQsum信号は複素乗算器214に供給される。複素乗算器214はまた、それぞれ乗算器236a、236bからPN_I信号およびPN_Q信号を受け取り、以下の式に従って2つの複素入力を乗算する。
【0078】
【数2】
ただし、ImultおよびQmultは複素乗算器214からの出力であり、jは複素表示である。Imult信号およびQmult信号はそれぞれ信号を濾波するフィルタ216aおよび216bに供給される。フィルタ216aおよび216bからの濾波された信号はそれぞれ乗算器218aおよび218bに供給される。乗算器218aおよび218bは信号を、それぞれ同相シヌソイドCOS(wct)および直交シヌソイドSIN(wct)と乗算する。I変調された信号およびQ変調された信号は、信号を加算して順方向変調された波形S(t)を供給する加算器220に供給される。
【0079】
例示実施形態において、データパケットはロングPNコードおよびショートPNコードを用いて拡散される。ロングPNコードは、パケットが向けられる移動局6のみがそのパケットのスクランブルを解くことができるようにパケットをスクランブルする。例示実施形態において、パイロットおよび電力制御ビットおよび制御チャネルパケットは、すべての移動局6がこれらのビットを受信できるようにロングPNコードではなくショートPNコードで拡散される。ロングPNシーケンスはロングコードジェネレータ232により発生され、マルチプレクサ(MUX)234に供給される。ロングPNマスクはロングPNシーケンスのオフセットを決定し、送信先移動局6に固有に割当てられる。MUX23からの出力がデータ部分の伝送である場合にはロングPNシーケンスであり、そうでない場合はゼロである(例えばパイロットおよび電力制御部分の期間)。MUX234からのゲートされたロングPNシーケンスおよびショートコードジェネレータ238からのショートPNIシーケンスおよびPNQシーケンスはそれぞれ乗算器236aおよび236bに供給される。乗算器236a、236bは2つの組のシーケンスを乗算し、それぞれPN_I信号およびPN_Q信号を形成する。PN_I信号およびPN_Q信号は複素乗算器214に供給される。
【0080】
図3Aおよび図3Bに示す例示トラヒックチャネルのブロック図は順方向リンクを介してデータの符号化と変調をサポートする多数のアーキテクチャの1つである。IS−95規格に準拠するCDMAシステムにおける順方向リンクトラヒックチャネルのためのアーキテクチャのような他のアーキテクチャも利用することができ、この発明の範囲内である。
【0081】
例示実施形態において、基地局4によりサポートされるデータレートはあらかじめ決められており、各サポートされるデータレートには固有のレートインデックスが割当てられる。移動局6はC/I測定値に基づいてサポートされたデータレートの1つを選択する。要求されたデータレートでデータを伝送するように基地局4に指示するために、要求されたデータレートを基地局4に伝送する必要があるので、サポートされるデータレートの数と、要求されたデータレートを識別するために必要なビットの数との間でトレードオフがなされる。例示実施形態において、サポートされるデータレートの数は7であり、要求されたデータレートを識別するために3ビットレートインデックスが使用される。サポートされるデータレートの例示定義は表1に示される。サポートされるデータレートの異なる定義も検討することができ、この発明の範囲内である。
【0082】
例示実施形態において、最小データレートは38.4Kbpsであり、最大データレートは2.4576Mbpsである。最小データレートは、システムの最悪の場合のC/I測定値、システムの処理利得、エラー訂正コードの設計、および所望のレベルの性能に基づいて選択される。例示実施形態において、サポートされるデータレートは、サポートされるデータレート間の差分が3dBであるように選択される。この3dBの増分は、移動局6により得ることのできるC/I測定値の精度、C/I測定値に基づいてデータレートの量子化から生じる損失(非能率)、および要求されたデータレートを移動局6から基地局4に伝送するのに必要なビット数(またはビットレート)を含むいくつかの要因のうちの妥協案である。それ以上のサポートされたデータレートは要求されたデータレートを識別するためにより多くのビットを必要とするが、計算された最大データレートとサポートされたデータレートとの間のより小さな量子化エラーのために順方向リンクのより効率的な使用を可能にする。この発明はいかなる数のデータレートの使用および表1に記載されたデータレート以外のデータレートの使用に向けられている。
【0083】
【表1】
この発明の順方向リンクフレーム構造の例示図面は図4Aに示される。トラヒックチャネル伝送は、例示実施形態において、ショートPNシーケンスの長さすなわち26.67msecに定義されるフレームに分割される。各フレームはすべての移動局6にアドレス指定された制御チャネル情報(制御チャネルフレーム)、特定の移動局6にアドレス指定されたトラヒックデータ(トラヒックフレーム)を運ぶことができ、または空(アイドルフレーム)であり得る。各フレームの内容は伝送している基地局4により実行されるスケジューリングにより決定される。例示実施形態において、各フレームは16タイムスロットから構成され、各タイムスロットは1.667msecの持続時間を有する。1.667msecのタイムスロットは、移動局6が順方向リンク信号のC/I測定を実行可能にするのに適当である。1.667msecのタイムスロットはまた効率的なパケットデータ伝送のための十分な時間量も表している。例示実施形態において、各タイムスロットはさらに4つの1/4スロットに分割される。
【0084】
一実施形態において、各データパケットは表1に示すように1つ以上のタイムスロットを介して伝送される。例示実施形態において、各順方向リンクデータパケットは1024または2048ビットから構成される。従って、各データパケットを伝送するのに必要なタイムスロットの数はデータレートに依存し、38.4Kbpsレートの場合の16タイムスロットから1.2288Mbpsレートおよびそれ以上の場合の1タイムスロットまで広がっている。
【0085】
例示順方向リンクスロット構造の図を図4Bに示す。例示実施形態において、各スロットは4つの時間多重化チャネル、トラヒックチャネル、制御チャネル、パイロットチャネル、および電力制御チャネルのうちの3つから構成される。例示実施形態において、パイロットチャネルおよび電力制御チャネルは、各タイムスロットの同じ位置に配置された2つのパイロットバーストおよび電力制御バーストで伝送される。パイロットバーストおよび電力制御バーストは以下に詳細に記載される。
【0086】
例示実施形態において、インターリーバー116からインターリーブされたパケットはパイロットバーストおよび電力制御バーストに適応させるためにパンクチュアド(punctured)される。例示実施形態において、各インターリーブされたパケットは4096コードシンボルから構成され、最初の512コードシンボルが、図4Dに示すようにパンクチュアドされる。残りのコードシンボルは、トラヒック伝送区間に合わせるために時間的にずらす。
【0087】
パンクチュアドされたコードシンボルは、直交ウオルシュカバーを適用する前にデータをランダム化するためにスクランブルされる。ランダム化は変調された波形S(t)上のピークツーアベレージ包絡線を制限する。スクランブルシーケンスは、技術的に知られた方法で線形フィードバックシフトレジスタを用いて発生することができる。例示実施形態において、スクランブラー122には各スロットの開始時にLC状態がロードされる。例示実施形態において、スクランブラー122のクロックはインターリーバー116のクロックと同期しているが、パイロットバーストと電力制御バーストの期間遅らせる。
【0088】
例示実施形態において、(トラヒックチャネルおよび電力制御チャネルのための)順方向ウオルシュチャネルは、1.2288Mcpsの固定チップレートで16ビットウオルシュカバーを用いて直交的に拡散される。同相かつ直交信号あたりの並列直行チャネルの数Kは表1に示すようにデータレートの関数である。例示実施形態において、低いデータレートの場合、同相かつ直交ウオルシュカバーは復調器位相推定エラーへのクロストークを最小にするために直交の組であるように選択される。例えば、16ウオルシュチャネルの場合、例示ウオルシュ割当ては同相信号に対してW0ないしW7が割当てられ、直交信号に対してW8乃至W15が割当てられる。
【0089】
例示実施形態において、1.2288Mbps以下のデータレートの場合、QPSK変調が使用される。QPSK変調の場合、各ウオルシュチャネルは1ビットから構成される。例示実施形態において、2.4576Mbpsの最大データレートにおいて、16−QAMが使用され、スクランブルされたデータは各々2ビット幅の32の並列ストリームに逆多重化され、同相信号の場合16並列ストリームに逆多重化され、直交信号の場合16並列ストリームに逆多重化される。例示実施形態において、各2ビットシンボルのLSBはインターリーバー116からのより早い出力である。例示実施形態において、(0,1,3,2)のQAM変調入力はそれぞれ(+3、+1、−1、−3)の変調値に割当てる。m進位相シフトキーイングPSKのような他の変調方式の使用を検討することができ、この発明の範囲内である。
【0090】
データレートと無関係な一定のトータル伝送電力を維持するために変調前に同相および直行ウオルシュチャネルに倍率がかけられる。利得の設定は変調されていないBPSKに等しいユニティリファレンス(unity reference)に正規化される。ウオルシュチャネル(またはデータレート)の数の関数として正規化されたチャネル利得Gが表2に示される。また、表2には、トータルの正規化された電力が1に等しいようにウオルシュチャネル(同相または直交)あたりの平均電力がリストアップされている。16−QAMのためのチャネル利得はウオルシュチップあたりの正規化エネルギーはQPSKの場合1であり、16−QAMの場合5であるという事実を説明していることに留意する必要がある。
【0091】
【表2】
一実施形態において、移動局6が各可変レート伝送の最初のスロットに同期するのを補助するためにプリアンブルが各トラヒックフレームにパンクチュアドされる。例示実施形態において、プリアンブルは全てゼロのシーケンスであり、このシーケンスはトラヒックフレームの場合ロングPNコードで拡散されるが、制御チャネルフレームの場合ロングPNコードで拡散されない。例示実施形態において、プリアンブルはウオルシュカバーW1で直交的に拡散される変調されないBPSKである。単一直交チャネルの使用はピークツーアベレージの包絡線を最小にする。また、非ゼロウオルシュカバーW1の使用は、トラヒックフレームの場合、パイロットはウオルシュカバーW0で拡散されパイロットとプリアンブルはロングPNコードで拡散されないので、偽のパイロット検出を最小にする。
【0092】
プリアンブルはデータレートの関数である期間パケットの開始時にトラヒックチャネルストリームに多重化される。プリアンブルの長さは偽の検出の確率を最小にしながらすべてのデータレートに対してプリアンブルオーバーヘッドがほぼ一定であるような長さである。データレートの関数としてのプリアンブルの概要を表3に示す。プリアンブルはデータパケットの3.1パーセント以下を構成する。
【0093】
【表3】
VIII.順方向リンクトラヒックフレームフォーマット
例示実施形態において、各データパケットはフレームチェックビット、コードテールビット、および他の制御フィールドの加算によりフォーマット化される。この明細書において、オクテットは8情報ビットとして定義され、データユニットは単一オクテットであり8情報ビットから構成される。
【0094】
例示実施形態において、順方向リンクは図4Eおよび4Fに示される2つのデータパケットフォーマットをサポートする。パケットフォーマット410は5フィールドで構成され、パケットフォーマット430は9フィールドで構成される。パケットフォーマット410は移動局6に伝送されるデータパケットがDATAフィールド418にすべての利用可能なオクテットを充填するのに十分なデータを含むとき使用される。伝送されるデータ量がDATAフィールド418の利用可能なオクテット未満なら、パケットフォーマット430が使用される。未使用のオクテットはすべてゼロでパディングされ、PADDINGフィールド446として指定される。
【0095】
例示実施形態において、フレームチェックシーケンス(FCS)フィールド412および432は所定のジェネレータ多項式に従ってCRCジェネレータ112(図3A参照)により発生されるCRCパリティビットを含む。例示実施形態において、CRC多項式はg(x)=x16+x12+x5+1であるが、他の多項式を使用することができ、この発明の範囲内である。例示実施形態において、CRCビットはFMTフィールド、SEQフィールド、LENフィールド、DATAフィールドおよびPADDINGフィールドに対して計算される。これは、順方向リンク上のトラヒックチャネルを介して伝送される、TAILフィールド420および448のコードテールビットを除く、すべてのビットに対してエラー検出を供給する。他の実施形態において、CRCビットはDATAフィールドに対してのみ計算される。例示実施形態において、FCSフィールド412および432は16CRCパリティビットを含む。しかしながら、異なる数のパリティビットを供給する他のCRCジェネレータを使用することができ、この発明の範囲内である。現在開示する実施形態のFCSフィールド412および432はCRCパリティビットとの関連で記載したが、他のフレームチェックシーケンスを使用することができ、この発明の範囲内である。例えば、パケットに対してチェックサムを計算することができ、FCSフィールドに供給することができる。
【0096】
例示実施形態において、フレームフォーマット(FMT)フィールド414および434は、データフレームがデータオクテット(パケットフォーマット410)のみを含むかまたはデータおよびパディングオクテットおよびゼロまたはより多くのメッセージ(パケットフォーマット430)を含むかどうかを示す1制御ビットを含む。例示実施形態において、FMTフィールド414に対する低い値がパケットフォーマット410に対応する。あるいはFMTフィールド434に対する高い値がパケットフォーマット430に対応する。
【0097】
シーケンス番号(SEQ)フィールド416および442はそれぞれデータフィールド418および444の第1データユニットを識別する。シーケンス番号は、例えばエラーで受信したパケットの再伝送のために、データを順序が狂って移動局6に伝送することを可能にする。データ単位レベルでのシーケンス番号の割当ては、再伝送のためにフレーム分解プロトコルの必要性を無くす。シーケンス番号はまた移動局6が二重のデータユニットを検出可能にする。FMTフィールド、SEQフィールドおよびLENフィールドを受信すると、移動局6は特別なシグナリングメッセージの使用なしに、どのデータユニットが各タイムスロットにおいて受信されたかを判断することができる。
【0098】
シーケンス番号を表すために割当てられるビット数は1タイムスロットで伝送可能なデータユニットの最大数および最悪の場合のデータ再伝送遅延に依存する。例示実施形態において、各データユニットは24ビットシーケンス番号で識別される。2.4576Mbpsにおいて、各スロットで伝送可能なデータユニットの最大数はほぼ256である。各データユニットを識別するために8ビットが必要である。さらに、より悪い場合のデータ再伝送遅延が500msec未満であることが計算できる。再伝送遅延は、移動局6によるNACKメッセージに必要な時間、データの再伝送、およびより悪い場合のバーストエラーラン(burst error runs)により生じた再伝送の試みの数を含む。それゆえ、24ビットはあいまいさを伴わずに、移動局6が、受信したデータユニットを正しく識別することを可能にする。SEQフィールド416および442のビット数はDATAフィールドのサイズおよび再伝送遅延に応じて増大または減少することができる。SEQフィールド416および442に対して異なるビット数を使用することはこの発明の範囲内である。
【0099】
基地局4が、DATAフィールド418で利用可能な空間よりも少ないデータを移動局6に伝送するとき、パケットフォーマット430が使用される。パケットフォーマット430は、最大数の利用可能なデータユニットまで、いかなる数のデータユニットをも移動局6に伝送可能にする。例示実施形態において、FMTフィールド434に対して高い値は基地局4がパケットフォーマット430を伝送していることを示す。パケットフォーマット430において、LENフィールド440はそのパケットで伝送されているデータユニットの数の値を含む。例示実施形態において、DATAフィールド444は0乃至255オクテットの範囲であるので、LENフィールド440は8ビットの長さである。
【0100】
DATAフィールド418および444は移動局6に伝送されるデータを含む。例示実施形態において、パケットフォーマット410の場合、各データパケットは1024から構成され、そのうち992ビットがデータビットである。しかしながら、可変長データパケットを使用して情報ビット数を増大させることができ、この発明の範囲内である。パケットフォーマット430の場合、DATAフィールド444のサイズはLENフィールド440により決定される。
【0101】
例示実施形態において、パケットフォーマット430はゼロ以上のシグナリングメッセージを伝送するために使用することができる。シグナリング長(SIG LEN)フィールド436は次のシグナリングメッセージの長さをオクテットで含む。例示実施形態において、SIG LENフィールド436は8ビット長である。SIGNALINGフィールド438はシグナリングメッセージを含む。例示実施形態において、各シグナリングメッセージは以下に記載するように、メッセージ識別フィールド(MESSAGE ID)フィールド、メッセージ長(LEN)フィールド、およびメッセージペイロードから構成される。
【0102】
PADDINGフィールド446は、例示実施形態において、0x00(hex)に設定されるパディングオクテットを含む。PADDINGフィールド446が使用されるのは、基地局4がDATAフィールド418で利用可能なオクテット数よりも少ないデータオクテットを移動局6に伝送するかもしれないからである。これが起きると、PADDINGフィールド446は未使用のデータフィールドを充填するために十分なパディングオクテットを含む。PADDINGフィールド446は可変長でありDATAフィールド444の長さに依存する。
【0103】
パケットフォーマット410および430の最後のフィールドはそれぞれTAILフィールド420および448である。TAILフィールド420および448は各データパケットの終わりでエンコーダ114(図3A参照)を既知の状態にさせるために使用されるゼロ(0x0)コードテールビットを含む。コードテールビットにより、エンコーダ114は1つのパケットからのビットのみが符号化プロセスにおいて使用されるように、パケットを簡潔に分割することができる。コードテールビットはまた、移動局6内のデコーダが復号プロセス中にパケット境界を決定可能にする。TAILフィールド420および448のビット数はエンコーダ114の設計に依存する。例示実施形態において、TAILフィールド420および448はエンコーダ114を既知の状態にさせるのに十分長い。
【0104】
上述した2つのパケットフォーマットはデータおよびシグナリングメッセージの伝送を容易にするために使用することができる例示フォーマットである。特定の通信システムのニーズに合うように種々の他のパケットフォーマットを作ることができる。また、通信システムは上述した2つのパケットフォーマット以上に適応するように設計することができる。
【0105】
IX.順方向リンク制御チャネルフレーム
一実施形態において、トラヒックチャネルはまた基地局4から移動局6にメッセージを伝送するためにも使用される。伝送されるメッセージの種類は:(1)ハンドオフ指示メッセージ、(2)ページングメッセージ(例えばその移動局のキューにデータがある移動局を呼び出す、(3)特定の移動局のためのショートデータパケット、および(4)逆方向リンクデータ伝送(後でここに記載する)のためのACKまたはNACK。他のタイプのメッセージも制御チャネルを介して伝送することができ、この発明の範囲内である。呼のセットアップが完了すると、移動局6はページングメッセージのために制御チャネルを監視し、逆方向リンクパイロット信号の伝送を開始する。
【0106】
例示実施形態において、制御チャネルは図4Aに示すように、トラヒックチャネル上のトラヒックデータと時間多重化される。移動局は所定のPNコードでカバーされたプリアンブルを検出することにより制御メッセージを識別する。例示実施形態において、制御メッセージは取得中に移動局6により決定される固定レートで伝送される。好適実施形態において、制御チャネルのデータレートは76.8Kbpsである。
【0107】
制御チャネルはメッセージを制御チャネルカプセルに伝送する。例示制御チャネルカプセルの図は図4Gに示される。例示実施形態において、各カプセルはプリアンブル462、制御ペイロード、およびCRCパリティビット474から構成される。制御ペイロードは1つ以上のメッセージから構成され、必要であれば、パディングビット472から構成される。各メッセージはメッセージ識別子(MSG ID)464、メッセージ長(LEN)466、オプショナルアドレス(ADDR)468(例えばメッセージが特定の移動局6に向けられているなら)、およびメッセージペイロード470から構成される。例示実施形態において、メッセージはオクテット境界に合わせられる。図4Gに示す例示制御チャネルカプセルはすべての移動局6に向けられた2つのブロードキャストメッセージと特定の移動局6に向けられた1つのメッセージから構成される。MSG IDフィールド464はメッセージがアドレスフィールドを必要とするかどうかを決定する(例えばそれがブロードキャストか特定のメッセージか)。
【0108】
X.順方向リンクパイロットチャネル
例示実施形態において、順方向リンクパイロットチャネルは、初期取得、位相リカバリ(recovery)、タイミングリカバリ、および比率結合のために移動局6により使用されるパイロット信号を供給する。これらの使用は、IS−95規格に準拠するCDMA通信システムの使用に類似する。例示実施形態において、パイロット信号もC/I測定を行なうために移動局6により使用される。
【0109】
順方向リンクパイロットチャネルの例示のブロック図は図3Aに示される。パイロットデータはすべてゼロ(または全て1)のシーケンスから構成され乗算器156に供給される。乗算器156はパイロットデータをウオルシュコードW0でカバーする。ウオルシュコードW0はすべてゼロのシーケンスなので、乗算器156の出力はパイロットデータである。パイロットデータはMUX162により時間多重化され、複素乗算器214(図3B参照)内のショートPNIコードにより拡散されるIウオルシュチャネルに供給される。例示実施形態において、パイロットデータはロングPNコードで拡散されず、MUX234によるパイロットバースト中にゲートオフ(gated off)され、すべての移動局6による受信を可能にする。従ってパイロット信号は変調されないBPSK信号である。
【0110】
パイロット信号を示す図は図4Bに示される。例示実施形態において、各タイムスロットは、タイムスロットの第1の1/4および第3の1/4の終わりで生じる2つのパイロットバースト306aおよび306bから構成される。例示実施形態において、各パイロットバースト306は64チップの持続期間(Tp=64チップ)である。トラヒックデータまたは制御チャネルデータが無い場合に、基地局4はパイロットバーストと電力制御バーストしか伝送せず、1200Hzの周期的なレートでバーストする不連続な波形を生じる。パイロット変調パラメータは表4に示される。
【0111】
XI.逆方向リンク電力制御
現在開示される実施形態において、順方向リンク電力制御チャネルは、移動局6から逆方向リンク伝送の伝送電力を制御するために使用される電力制御コマンドを送信するために使用される。逆方向リンクを介して、各伝送している移動局6はネットワーク内の他の全ての移動局6に対して干渉源として動作する。逆方向リンク上の干渉を最小にし容量を最大にするために、各移動局6の送信電力は2つの電力制御ループにより制御される。例示実施形態において、電力制御ループは、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第5,056,109(発明の名称:「CDMAセルラ移動電話システムにおいて伝送電力を制御するための方法および装置」)に開示されたCDMAシステムの電力制御ループと同様である。他の電力制御機構も検討することができ、この発明の範囲内である。
【0112】
第1の電力制御ループは、逆方向リンク信号品質が設定されたレベルに維持されるように移動局6の伝送電力を調節する。信号品質は、基地局4において受信した逆方向リンク信号のビットあたりのエネルギー対雑音プラス干渉比Eb/Ibとして測定される。設定レベルはEb/Io設定ポイントと呼ばれる。第2の電力制御ループは、フレームエラーレート(FER)により測定される所望レベルの性能が維持されるように設定ポイントを調節する。電力制御は逆方向リンクに関して重要である。なぜなら、各移動局6の伝送電力はその通信システム内の他の移動局6に対して干渉であるからである。逆方向リンク伝送電力を最小にすると干渉が低減され、逆方向リンク容量が増大する。
【0113】
第1の電力制御ループ内において、逆方向リンク信号のEbn/Ioは基地局4において測定される。次に、基地局4は測定されたEb/Ioを設定されたポイントと比較する。測定されたEb/Ioが設定されたポイントより大きければ、基地局4は電力制御メッセージを移動局6に伝送し、伝送電力を減少する。あるいは、測定されたEb/Ioが設定されたポイント未満であるならば、基地局4は電力制御メッセージを移動局6に伝送し、電力を増大する。例示実施形態において、電力制御メッセージは1電力制御ビットで実現される。例示実施形態において、電力制御ビットの高い値は、移動局6に伝送電力を増大するように指示し、低い値は移動局6に伝送電力を減少するように指示する。
【0114】
一実施形態において、各基地局4と通信している全ての移動局6のための電力制御ビットは電力制御チャネルを介して伝送される。例示実施形態において、電力制御チャネルは16ビットウオルシュカバーで拡散される最大32の直交チャネルから構成される。各ウオルシュチャネルは1つの逆方向電力制御(RPC)ビットまたは1つのFACビットを定期的な間隔で伝送する。各動作中の移動局6にはその移動局6に向けられたRPCビットストリームの伝送のためにウオルシュカバーとQPSK変調位相(例えば同相または直交)を定義するRPCインデックスが割当てられる。例示実施形態において、0のRPCインデックスがFACビットのために予約される。
【0115】
例示電力制御チャネルのブロック図は図3Aに示される。RPCビットは、各RPCビットを所定回数反復するシンボルリピーター150に供給される。反復されたRPCビットはウオルシュカバーエレメント152に供給される。ウオルシュカバーエレメント152はそのビットをRPCインデックスに対応するウオルシュカバーでカバーする。カバーされたビットは利得エレメント154に供給される。利得エレメント154は一定のトータル伝送電力を維持するように変調前にビットに倍率をかける。例示実施形態において、RPCウオルシュチャネルの利得は正規化されるので、トータルRPCチャネル電力はトータル利用可能伝送電力に等しい。ウオルシュチャネルの利得は、動作中のすべての移動局6に対する信頼できるRPC伝送を維持しながら、トータル基地局伝送電力の有効な利用のために、時間の関数として変化することができる。例示実施形態において、動作していない移動局6のウオルシュチャネル利得はゼロに設定される。RPCウオルシュチャネルの自動電力制御は移動局6からの対応するDRCチャネルからの順方向リンク品質測定の推定値を用いて可能である。利得エレメント154からの倍率のかけられたRPCビットはMUX162に供給される。
【0116】
例示実施形態において、0乃至15のRPCインデックスはそれぞれウオルシュカバーW0乃至W15に割当てられ、スロット内の第1パイロットバースト(図4CのRPCバースト)の周囲に伝送される。16乃至31のRPCインデックスはそれぞれウオルシュカバーW0乃至W15に割当てられ、スロット内の第2パイロットバースト(図4CのRPCバースト308)の周囲に伝送される。例示実施形態において、RPCビットは、同相信号上で変調された偶数ウオルシュカバー(例えばW0,W2、W4など)でBPSK変調されるとともに、直交信号上で変調された奇数ウオルシュカバー(例えばW1、W3、W5など)でBPSK変調される。ピークツーアベレージ包絡線を低減するために、同相および直交電力をバランスすることが望ましい。さらに、復調器位相推定エラーによるクロストークを最小にするために、同相信号および直交信号に直交カバーを割当てることが望ましい。
【0117】
例示実施形態において、最大31のRPCビットが各タイムスロットにおいて、31のRPCウオルシュチャネル上に伝送される。例示実施形態において、15RPCビットは第1のハーフスロット上に伝送され、16RPCビットは第2のハーフスロット上に伝送される。RPCビットは加算器212(図3B参照)により結合され、電力制御チャネルの複合波形は図4Cに示す如くである。
【0118】
電力制御チャネルのタイミング図は図4Bに示される。例示実施形態において、RPCビットレートは600bpsであり、タイムスロットあたり1RPCビットである。各RPCビットは時間多重化され、図4Bおよび4Cに示すように2つのRPCバースト(例えばRPCバースト304aおよび304b)を介して伝送される。例示実施形態において、各RPCバーストは32PNチップ(または2ウオルシュシンボル)の幅(Tpc=32チップ)であり、各RPCビットのトータル幅は64PNチップ(または4ウオルシュシンボル)である。他のRPCビットレートはシンボル反復の数を変えることにより得ることができる。例えば、(最大63の移動局6をサポートするためにまたは電力制御レートを増大させるために)1200bpsのRPCビットレートは第1の組の31RPCビットをRPCバースト304aおよび304bに伝送し、第2の組の32RPCビットをRPCバースト308aおよび308bに伝送することにより得ることができる。この場合、すべてのウオルシュカバーは同相信号および直交信号に使用される。RPCビットのための変調パラメータは表4に要約される。
【0119】
【表4】
各基地局4と通信している移動局6の数は利用可能なRPCウオルシュチャネルの数未満であり得るので、電力制御チャネルはバースト的な性質(bursty nature)を有する。この状況において、いくつかのRPCウオルシュチャネルは利得エレメント154の利得の適切な調節によりゼロに設定される。
【0120】
例示実施形態において、RPCビットは、処理遅延を最小にするように符号化またはインタリーブなしに移動局6に伝送される。さらに電力制御ビットの誤った受信はこの発明のデータ通信システムに有害ではない。何故ならエラーは次のタイムスロットにおいて、電力制御ループにより訂正可能だからである。
【0121】
現在開示した実施形態において、移動局6は逆方向リンクを介して複数の基地局4とソフトハンドオフ状態になることができる。ソフトハンドオフ状態にある移動局の6の逆方向リンク電力制御のための方法および装置は上述した米国特許第5,056,109、およびこの発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第5,267,261に記載されている。ソフトハンドオフ状態にある移動局6はアクティブセットにある基地局4ごとにRPCウオルシュを監視し、上述した米国特許第5,056,109および5,267,261に開示された方法に従ってRPCビットを結合する。第1の実施形態において、移動局6は電力降下コマンドの論理ORを実行する。受信したRPCビットのいずれかが移動局6に伝送電力を低減するように指示すると、移動局6は伝送電力を低減する。第2実施形態において、ソフトハンドオフ状態にある移動局6は硬判定を行なう前にRPCビットの軟判定を結合することができる。受信したRPCビットを処理するための他の実施形態も検討することができ、この発明の範囲内である。
【0122】
一実施形態において、FACビットは相関するパイロットチャネルのトラヒックチャネルが次のハーフフレームに伝送するかどうかを移動局6に示す。FACビットを使用することにより、移動局によるC/I推定が改良され、それゆえ干渉活動の知識をブロードキャストすることによりデータレート要求が改良される。例示実施形態において、FACビットはハーフフレーム境界で変化するだけであり、8つの連続するタイムスロットに対して反復され、75bpsのビットレートを生じる。FACビットのためのパラメータは表4に記載されている。
【0123】
FACビットを用いて、移動局は以下のようにC/I測定を計算することができる。
【0124】
【数3】
ただし、(C/I)iはi番目の順方向リンク信号のC/I測定値であり、Ciはi番目の順方向リンク信号のトータル受信電力であり、Cjはj番目の順方向リンク信号の受信電力であり、Iはすべての基地局4が伝送しているならトータルの干渉であり、αjはj番目の順方向リンク信号のFACビットであり、FACビットに応じて0または1を取り得る。
【0125】
XII.逆方向リンクデータ伝送
現在開示した実施形態において、逆方向リンクは可変レートデータ伝送をサポートする。可変レートにより柔軟性が与えられ、移動局6は、基地局4に伝送されるデータ量に応じて幾つかのデータレートの1つで伝送可能である。例示実施形態において、移動局6はいつでも最も低いデータレートでデータを伝送することができる。例示実施形態において、より高いデータレートでのデータ伝送は基地局4による許可が必要である。この実施は、逆方向リンクリソースの効率的な利用を供給しながら逆方向リンクの伝送遅延を最小にする。
【0126】
逆方向リンクデータ伝送のフロー図の例示を図8に示す。初めに、ブロック802において、スロットnにおいて、移動局6は、上述した米国特許第5,289、527に記載されるようなアクセスプローブを実行し逆方向リンク上に最も低いレートデータチャネルを確立する。ブロック804において同じスロットnにおいて基地局4はアクセスプローブを復調しアクセスメッセージを受信する。ブロック806において、基地局4はデータチャネルのための要求を許可し、スロットn+2において、その許可と、割当てられたRPCインデックスを制御チャネルに伝送する。ブロック808において、スロットn+2において、移動局6はその許可を受信し基地局4により電力制御される。スロットn+3に始まり、移動局6はパイロット信号の伝送を開始し、逆方向リンク上の最も低いレートデータに迅速にアクセスする。
【0127】
移動局6がトラヒックチャネルを有し、高レートデータチャネルを要求するなら、移動局はブロック810においてその要求を開始することができる。ブロック812において、スロットn+3において、基地局4は高速データ要求を受信する。ブロック814において、スロットn+5において、基地局4は許可を制御チャネル上に伝送する。ブロック816において、スロットn+5において、移動局6はその許可を受信し、ブロック818において、スロットn+6で始まる逆方向リンク上の高速データ伝送を開始する。
【0128】
XIII.逆方向リンクアーキテクチャ
現在開示される実施形態のデータ通信システムにおいて、逆方向リンク伝送はいくつかの点で順方向リンク伝送とは異なる。順方向リンクに関して、データ伝送は一般に1つの基地局4から1つの移動局6に生じる。しかしながら、逆方向リンクに関しては、各基地局4は複数の移動局6からのデータ伝送を同時に受信することができる。例示実施形態において、各移動局6は、基地局4に伝送すべきデータ量に応じていくつかのデータレートの1つで伝送することができる。このシステム設計はデータ通信の非対称な特性を反映する。
【0129】
例示実施形態において、逆方向リンク上の時間軸ユニットは順方向リンク上の時間軸ユニットと同一である。例示実施形態において、順方向リンクデータ伝送と逆方向リンクデータ伝送は、1.667msecの持続時間であるタイムスロットを介して生じる。しかしながら、逆方向リンク上でのデータ伝送は一般により低いデータレートで生じるので、効率を改善するためにより長い時間軸ユニットを使用することができる。
【0130】
例示実施形態において、逆方向リンクは2つのチャネルをサポートする:すなわちパイロット/DRC/RRIチャネルとデータチャネルである。これらのチャネルの各々の機能と実施を以下に記載する。パイロット/DRC/RRIチャネルを用いてパイロット信号、DRCメッセージ、およびRRIシンボル(以下に記載)を伝送し、データチャネルを用いてトラヒックデータを伝送する。RRI(リバースレートインジケータ)は逆方向リンクトラヒックチャネルのレートを示す。
【0131】
例示逆方向リンクフレーム構造の図を図7Aに示す。例示実施形態において、逆方向リンクフレーム構造は図4Aに示す順方向リンクフレーム構造と類似している。しかしながら、逆方向リンクに関しては、パイロット/DRC/RRIデータおよびトラヒックデータは同時に同相チャネルおよび直交チャネルに伝送される。一実施形態において、各スロットは2048チップの長さであり、パイロット信号は、64チップの時間間隔ごとにDRCメッセージと時間多重化される。RRIチャネルシンボルはパイロットシンボルの1/16に対するパイロット(スロットの1/30秒)または、スロットあたり1つの64チップ時間間隔にパンクチュアド(puncutured)される。
【0132】
例示実施形態において、移動局6は、移動局6が高速データ伝送を受信しているときはタイムスロットごとにパイロット/DRC/RRIチャネル上にDRCメッセージを伝送する。あるいは、移動局6が高速データ伝送を受信していないとき、パイロット/DRC/RRIチャネル上の全体のスロットはパイロット信号を構成する。パイロット信号は受信している基地局により多数の機能のために使用される:すなわち、初期取得のための補助として、パイロット/DRCおよびデータチャネルのための位相基準として、および閉ループ逆方向リンク電力制御のための源として使用される。
【0133】
例示実施形態において、逆方向リンクの帯域幅は1.2288MHzであるように選択される。この帯域幅を選択することによりIS−95規格に準拠するCDMAシステムの既存のハードウエアが使用可能である。しかしながら、他の帯域幅を利用して容量を増大したりおよび/またはシステム要件に準拠することができる。例示実施形態では、IS−95規格により規定されるものと同じロングPNコードおよびショートPNIコードおよびPNQコードを用いて逆方向リンク信号を拡散する。例示実施形態において、逆方向リンクチャネルはQPSK変調を用いて伝送される。あるいは、OQPSK変調を用いて変調された信号のピークツーアベレージ振幅変化を最小にすることができ、性能を改良することができる。異なるシステム帯域幅、PNコードおよび変調方式の使用を検討することができ、この発明の範囲内である。
【0134】
例示実施形態において、基地局4において測定された逆方向リンク信号のEb/Ioが上述した米国特許第5,506、109で述べられたEb/Io設定ポイントに維持されるように、パイロット/DRC/RRIチャネルおよびデータチャネル上の逆方向リンク伝送の伝送電力が制御される。電力制御は、移動局6と通信している基地局4により維持され、コマンドは上述したようにRPCビットとして伝送される。
【0135】
XIV.逆方向リンクデータチャネル
例示逆方向リンクアーキテクチャのブロック図を図6に示す。データはデータパケットに分割されエンコーダ612に供給される。各データパケットに対して、エンコーダ612はCRCパリティビットを発生し、コードテールビットを挿入し、データを符号化する。例示実施形態において、エンコーダ512は、上述した米国特許出願シリアル番号第08/743,688に開示された符号化フォーマットに従ってパケットを符号化する。他の符号化フォーマットも使用することができ、この発明の範囲内である。エンコーダ612から符号化されたパケットはブロックインターリーバ614に供給され、インターリーバ614はパケット内のコードシンボルを並び替えする。インターリーブされたパケットは乗算器616に供給される。乗算器616はデータをウオルシュカバーでカバーし、カバーしたデータを利得エレメント618に供給する。利得エレメント618はデータレートに関係なく一定のビットEbあたりのエネルギーを維持するためにデータに倍率をかける。利得エレメント618からの倍率のかけられたデータは、データをそれぞれPN_QシーケンスおよびPN_Iシーケンスに拡散する乗算器650bおよび650dに供給する。乗算器650bおよび650dからの拡散データはそれぞれデータを濾波するフィルタ652aおよび652dに供給される。フィルタ652aおよび652bからの濾波された信号は加算器654aに供給され、フィルタ652cおよび652dからの濾波された信号は加算器654bに供給される。加算器654はデータチャネルからの信号をパイロット/DRC/RRIチャネルからの信号と加算する。加算器654aおよび654bの出力はそれぞれIOUTおよびQOUTを構成し、これらは、(順方向リンクのように)同相シヌソイドCOS(wct)および直交シヌソイドSIN(wct)により変調され、加算される(図6には示していない)。例示実施形態において、トラヒックデータはシヌソイドの同相および直交位相の両方に伝送される。
【0136】
例示実施形態において、データはロングPNコードおよびショートPNコードで拡散される。ロングPNコードは、受信している基地局4が送信している移動局6を識別することができるようにデータをスクランブルする。ショートPNコードはシステム帯域幅に対して信号を拡散する。ロングPNシーケンスはロングコードジェネレータ642により発生され乗算器646に供給される。ショートPNIシーケンスおよびPNQシーケンスはショートコードジェネレータ644により発生され、それぞれ乗算器646aおよび646bに供給される。乗算器646aおよび646bは2つの組のシーケンスを乗算して、それぞれPN_I信号およびPN_Q信号を形成する。タイミング制御回路640はタイミング基準を供給する。
【0137】
図6に示すデータチャネルアーキテクチャの例示ブロック図は逆方向リンク上でデータの符号化および変調をサポートする多くのアーキテクチャの1つである。高レートデータ伝送の場合、複数の直交チャネルを利用した順方向リンクのアーキテクチャに類似したアーキテクチャクも使用することができる。IS−95規格に準拠するCDMAシステムにおいて逆方向リンクトラヒックチャネルのような他のアーキテクチャも検討することができ、この発明の範囲内である。
【0138】
例示実施形態において、逆方向リンクチャネルは表5に示す4つのデータレートをサポートする。さらなるデータレートおよび/または異なるデータレートをサポートすることができ、この発明の範囲内である。例示実施形態において、逆方向リンクのためのパケットサイズは、表5に示すようにデータレートに依存する。上述した米国特許第5,933、462に記載されているように、より大きなパケットサイズに対して改善されたデコーダ性能を得ることができる。従って、表5に記載したパケットサイズと異なるパケットサイズを用いて性能を改善することができ、この発明の範囲内である。さらに、パケットサイズをデータレートに関係ないパラメータにすることができる。
【0139】
【表5】
表5に示すように、逆方向リンクは複数のデータレートをサポートする。例示実施形態において、基地局4で登録すると、9.6Kbpsの最も低いデータレートが各移動局に割当てられる。例示実施形態において、移動局6は基地局4からの許可を要求する必要なしに最も低いレートデータチャネル上にデータを伝送することができる。例示実施形態において、より高いデータレートにおけるデータ伝送は、システムローディング、公平、トータルスループットのようなシステムパラメータの組に基づいて選択された基地局4により許可される。高速データ伝送のための例示スケジューリング機構は上述した米国出願シリアル番号第08/798,951に詳細に記載されている。
【0140】
XV.逆方向リンクパイロット/DRC/RRIチャネル
パイロット/DRC/RRIチャネルの例示ブロック図は図6に示される。DRCメッセージはDRCエンコーダ626に供給される。DRCエンコーダ626は所定の符号化フォーマットに従ってメッセージを符号化する。正しくない順方向リンクデータレートの決定はシステムスループット性能に影響を与えるので、DRCメッセージのエラー確立は十分低くする必要があるのでDRCメッセージの符号化は重要である。例示実施形態において、DRCエンコーダ626は3ビットDRCメッセージを8ビットコードワードに符号化するレート(8、4)直交ブロックエンコーダである。符号化されたDRCメッセージは乗算器628に供給される。乗算器628は、DRCメッセージが向けられた送信先基地局4を固有に識別するウオルシュコードでメッセージをカバーする。ウオルシュコードはウオルシュジェネレータ624により供給される。カバーされたDRCメッセージはマルチプレクサ(MUX)630に供給される。MUX630はDRCメッセージをパイロットデータと乗算し、次に8チップウオルシュカバー(図示せず)により乗算される。MUX630により乗算された後、パイロットデータはまた同じ8チップウオルシュカバー(図示せず)により乗算される。RRIシンボルはRRIエンコーダ627に供給される。RRIエンコーダ627は図11を参照して以下に記載する一実施形態に従ってRRIシンボルを符号化する。符号化されたRRIシンボルはMUX630に供給される。MUX630はRRIシンボルをDRCメッセージおよびパイロットデータで多重化し、次に同じ8チップウオルシュカバー(図示せず)により乗算される。RRIメッセージ、DRCメッセージ、およびパイロットデータは乗算器650aおよび650cに供給される。乗算器650aおよび650cはデータをそれぞれPN_I信号およびPN_Q信号で拡散する。従って、パイロットデータ、RRIシンボル、およびDRCメッセージはシヌソイドの同相および直交位相に伝送される。8チップウオルシュカバーは有利にあらかじめ定義されたウオルシュ関数である。一実施形態において、オールゼロのウオルシュ関数が使用される。他の実施形態において、8チップウオルシュカバーは、パイロットデータ、RRIシンボル、およびDRCメッセージ信号がMUX630により乗算される前にパイロットデータ、RRIシンボル、およびDRCメッセージと乗算することができる。
【0141】
例示実施形態において、DRCメッセージは選択された基地局4に伝送される。これは、DRCメッセージを、選択された基地局4を識別するウオルシュコードでカバーすることにより達成される。例示実施形態において、ウオルシュコードは128チップの長さである。128チップウオルシュコードの導出は技術的に知られている。移動局6と通信している各基地局4に1つの固有のウオルシュコードが割当てられる。各基地局4はDRCチャネル上の信号をその割当てられたウオルシュコードでデカバーする。選択された基地局4はDRCメッセージをデカバーすることができ、DRCメッセージに応答して順方向リンクを介して要求している移動局6にデータを伝送する。他の基地局4は、これらの基地局4には異なるウオルシュコードが割当てられているので、要求されたデータレートが自分達に向けられたものではないことを判断することができる。例示実施形態において、データ通信システム内のすべての基地局4に対する逆方向リンクショートPNコードは同じであり、異なる基地局4を識別するためにショートPNシーケンスにオフセットは無い。データ通信システムは逆方向リンクを介してソフトハンドオフを有利にサポートする。オフセットなしの同じショートPNコードを用いることにより、複数の基地局4はソフトハンドオフの期間移動局6から同じ逆方向リンク伝送を受信する。ショートPNコードはスペクトル拡散を供給するが、基地局4の識別を可能にしない。
【0142】
例示実施形態において、DRCメッセージは移動局6により、要求されたデータレートを運ぶ。他の実施形態において、DRCメッセージは順方向リンク品質(例えば、移動局6により測定されたC/I情報)の表示を運ぶ。移動局6は1つ以上の基地局4からの順方向リンクパイロット信号を受信し、各受信したパイロット信号について、C/I測定を行なう。次に、移動局6は現在および以前のC/I測定値を構成することのできるパラメータの組に基づいて最良の基地局4を選択する。レート制御情報は、いくつかの実施形態の1つにおいて基地局4に運ぶことのできるDRCメッセージにフォーマット化される。
【0143】
第1の実施形態において、移動局6はDRCメッセージを要求されたデータレートに基づいて伝送する。要求されたデータレートは最高のサポートされたデータレートであり、移動局6により測定されるC/Iにおいて満足のいく性能を生じる。このC/I測定から、移動局6は最初に満足のいく性能を生じる最大データレートを計算する。次に、最大データレートはサポートされたデータレートのうちの1つに量子化され、要求されたデータレートとして指定される。要求されたデータレートに対応するデータレートインデックスは選択された基地局4に伝送される。サポートされたデータレートの例示組および対応するデータレートインデックスは表1に示される。
【0144】
移動局6が順方向リンク品質の表示を選択された基地局4に伝送する第2実施形態において、移動局6はC/I測定の量子化された値を表すC/Iインデックスを伝送する。C/I測定値は表にマッピングすることができ、C/Iインデックスと相関させることができる。C/Iインデックスを表すためにより多くのビットを用いることによりC/I測定値のより細かい量子化が可能となる。また、マッピングは線形または非線形であり得る。線形マッピングの場合、C/Iインデックスの各増分は対応するC/I測定値の増分を表す。例えば、C/Iインデックスの各ステップはC/I測定値の2.0dB増分値を表すことができる。非線形マッピングの場合には、C/Iインデックスの各増分はC/I測定値の異なる増分を表すことができる。一例として、非線形のマッピングを用いてC/I測定値を量子化し、図10に示すようにC/I分布の累積分布関数(CDF)に一致させることができる。
【0145】
移動局6から基地局4にレート制御情報を運ぶ他の実施形態を検討することができ、この発明の範囲内である。さらにレート制御情報を表すために異なるビット数を使用することもこの発明の範囲内である。明細書の大部分において、現在開示されている実施形態は第1の実施形態、すなわち要求されたデータレートを運ぶためにDRCメッセージを使用することに関連して記載され、簡便化を図っている。
【0146】
例示実施形態において、C/I測定はCDMAシステムで使用される方法と同様の方法で順方向リンクパイロット信号を介して実行することができる。C/I測定を行なうための方法および装置は、この発明の譲受人に譲渡され,参照することによりここに組み込まれる、1999年5月11日に発行された米国特許第5,903,554(発明の名称:「スペクトル拡散通信システムにおいてリンク品質を測定するための方法および装置」)に開示されている。要約すれば、パイロット信号についてのC/I測定値は受信した信号をショートPNコードでデカバーすることにより得ることができる。C/I測定の時間と実際のデータ伝送の時間との間でチャネル条件が変化するなら、パイロット信号のC/I測定は不正確さを含み得る。一実施形態において、FACビットを使用することにより、移動局6は要求されたデータレートを判断するとき順方向リンク活動を考慮することができる。
【0147】
他の実施形態において、C/I測定は順方向リンクトラヒックチャネル上で実行することができる。トラヒックチャネル信号は最初にロングPNコードおよびショートPNコードで逆拡散され、ウオルシュコードでデカバーされる。データチャネル上の信号についてのC/I測定はより正確である。なぜなら、大きなパーセンテージの伝送した電力がデータ伝送のために割当てられるからである。移動局6による受信した順方向リンク信号のC/Iを測定するための他の方法も検討することができ、この発明の範囲内である。
【0148】
例示実施形態において、DRCメッセージはタイムスロットの最初の半分で伝送される(図7A参照)。1.667msecの例示タイムスロットの場合、DRCメッセージは最初の1024チップまたはタイムスロットの0.83msecから構成される。残りの1024チップの時間は基地局4がメッセージを復調し復号するために使用される。タイムスロットの早期の部分でのDRCメッセージの伝送により基地局4は同じタイムスロット内でDRCメッセージを復号し、恐らくすぐ隣の連続したタイムスロットで要求されたデータレートでデータを伝送することができる。短い処理遅延により、この発明の通信システムは動作環境の変化に迅速に対応することができる。
【0149】
他の実施形態において、要求されたデータレートは絶対参照および相対参照の使用により基地局4に運ばれる。この実施形態において、要求されたデータレートからなる絶対参照は周期的に伝送される。絶対参照は、基地局4が移動局6により要求された正確なデータレートを判定することを可能にする。絶対参照の伝送間のタイムスロット毎に、移動局6は、次のタイムスロットに対する要求されたデータレートが以前のタイムスロットの要求されたデータレートより高いか、低いか、同じかを示す相対参照を基地局4に伝送する。周期的に移動局6は絶対参照を伝送する。データレートインデックスを周期的に伝送することにより、要求されたデータレートを既知の状態に設定可能であり、相対参照の誤った受信が堆積しないことを保証する。絶対参照および相対参照の使用は、基地局6へのDRCメッセージの伝送レートを低減することができる。要求されたデータレートを伝送するための他のプロトコルも検討することができ、この発明の範囲内である。
【0150】
XVI.逆方向リンクRRI符号化
例示実施形態において、RRIエンコーダ627はコードワード反復ジェネレータ1004に接続されたエンコーダ1002を含む。16スロットパケットあたり1つの3−ビットRRIシンボルがエンコーダ1002に供給される。一実施形態において、エンコーダ1002は(32,3)線形ブロックエンコーダである。エンコーダ1002は以下に記載するようにパケットあたり32バイナリRRIシンボルを発生し、符号化されたRRIシンボルをコードワード反復ジェネレータ1004に供給する。一実施形態において、コードワード反復ジェネレータ1004は符号化されたRRIシンボルの因数4反復を実行し、それによりパケットあたり128バイナリRRIシンボルを発生する。符号化され、反復されたRRIシンボルはMUX630に供給される。MUX630はRRIシンボルをパイロットシンボルとDCRシンボルで多重化する。MUX630から出力された多重化されたデータストリームは信号ポイントマッピングロジック1006に供給される。信号ポイントマッピングロジック1006は、一実施形態に従って、デジタルゼロを+1値に、デジタル1をー1値にマッピングする。シグナルポイントマッピングロジック1006は多重化されたパイロット、DRC、およびRRI値を乗算器1008に供給する。乗算器1008はまた8チップウオルシュ関数も受信する。8チップウオルシュ関数は8プラス1値の有利にあらかじめ定義されたウオルシュ関数である。一実施形態において、乗算器1008はウオルシュ関数を多重化されたパイロット、DRC、およびRRI値と乗算し、1.2288メガチップ/秒のチップレートで出力データストリームを出力する。
【0151】
従って、RRIエンコーダ627は、(32,3)線形符号化からなる(128,3)符号化を行い、その後で4の因数を有したコードワード反復を行なう。有利に、パンクチャリングは必要ない。すべての反復はコードワード反復である。(32,3)コードは重みゼロの1コードワード、重み18の6コードワード、および重み20の1コードワードを有した重量分布を有する。4回の反復の後、重量は4倍になっている。当業者は、(n、k)符号化(または(n、k)コーディング)は、kビットが符号化されk/nのコードレートを有したnシンボル(nはkより大きい)を出力することを理解するであろう。さらに、当業者は、所定のコードワードの重みはコードワードのデジタル1の数の合計に等しいことを理解する。(32,3)線形コードは、以下の3×32ジェネレータマトリクス、G:の観点から記載することができる。
【0152】
【数4】
ジェネレータマトリクスGにおいて3つの行のいずれかにある30のシンボルg29乃至g0(左から右)はgと表示することができる。ジェネレータマトリクス、Gの1行目は単にg00である。2行目は0g0である。3行目は00gである。一実施形態において、gのバイナリ値は16進表示で2492DBBFに等しい。8コードワードはジェネレータマトリクス、Gの8つの全組合せであり、行のビット毎のイクスクルーシブOR(XOR)結合(すなわち、summing mod 2)を有し、適当な行が3ビット入力RRIシンボル値に基づいてオンまたはオフされる。一実施形態に従って、マッピングを下記表6に示す。左列は3ビット入力RRIシンボル値を示し、右列はエンコーダ1002から出力された相関するコードワードを示し、ジェネレータマトリクス、Gの最下行はgとして使用することができる。
【0153】
【表6】
gの特定値は異なるコードワード間で最大の可能な距離を得るように有利に選択される。コードワード間の距離は2つのコードワードが異なる出力シンボル位置の数である。より大きな距離は雑音が存在する場合に2つのコード間を区別するのをより容易にする。(32,3)線形ブロックコードの場合、異なるコード間の最大の可能な距離は、A.E. Brouwer & T.Verhoeff著「バイナリコードのための最小距離境界の更新された表」IEEE Trans. on Information Theory, Vol. 39, No. 2, Mar. 1993の662頁乃至677頁に記載されているように18である。4回の反復の後、距離は(128,3)コードで72である。(上述した(32,3)コードは、4回のコードワードの反復の後、重みゼロを有した1コードワード、重み72(18×4)を有した6コードワード、および重み80(20×4)を有した1コードワード重量分布を有することを思い起こす)。
【0154】
当業者は、他のブロックサイズおよび反復因子を採用することができる(より小さな反復因子を有したより大きなブロックサイズまたはより大きな反復因子を有したより小さなブロックサイズ)ことを認識するであろう。一実施形態において、(128,3)コードは(8,3)線形ブロックコードおよび16の反復因子を用いて形成され、64の距離を生じる。他の実施形態において、(128,3)コードは(8,3)線形ブロックコードおよび8の反復因子を用いて形成され、64の距離を生じる。図11を参照して上述した実施形態において、(128,3)コードは(32,3)線形ブロックコードおよび4の反復因子を用いて形成され、72の距離を生じる。他の実施形態において、(128,3)コードは(32,3)線形ブロックコードおよび4の反復因子を用いて形成され、72の距離を生じる。他の実施形態において、(128,3)コードは(64,3)線形ブロックコードおよび2の反復因子を用いて形成され、72の距離を生じる。他の実施形態において、(128,3)コードは反復を用いずに形成され、72の距離を生じる。他の実施形態において、以下に記載するように、(133,3)コードは(7,3)線形ブロックコードおよび19の反復因子を用いて形成され、(76の最小距離を生じる)。次に、(133,3)コードが5つの指定されたシンボルロケーションにおいてパンクチュアドされ(128,3)を生成する。
【0155】
上述した最後の他の実施形態において、RRIシンボルは(7,3)シンプレックスエンコーダ(simplex encoder)に供給される。(7,3)シンプレックスエンコーダはコードワード毎の最初のシンボルをパンクチャ(puncturing)することにより直交コードから有利に構成される。次に符号化されたシンボルは、19の反復因子を有するコードワード反復ジェネレータに供給される。コードワード反復ジェネレータからの出力はシンボルパンクチャリングロジックに供給される。シンボルパンクチャリングロジックは各コードワードのあらかじめ選択されたシンボルに関して5シンボルパンクチャリングを実行する。この実施形態の不利点はパンクチャリング(およびそれゆえより大きなコーダの複雑さ)が、(128,3)コードを得るために必要となることである。
【0156】
XVII.逆方向リンクアクセスチャネル
アクセスチャネルは登録フェーズの期間基地局4にメッセージを伝送するために移動局6により使用される。例示実施形態において、アクセスチャネルは図7Bに示すように、スロットを有した構造を用いて実現される。各スロットは移動局6により無作為にアクセスされる。例示実施形態において、アクセスチャネルは、DRCチャネルと時間多重化される。
【0157】
例示実施形態において、アクセスチャネルはメッセージをアクセスチャネルカプセルで伝送する。例示実施形態において、アクセスチャネルフレームフォーマットはIS−95規格により規定されるものと同じである。ただし、タイミングは、IS−95規格では20msecフレームであるが、本発明の実施形態では26.67msecフレームである。例示アクセスチャネルカプセル712の図を図7Bに示す。例示実施形態において、各アクセスチャネルカプセル712はプリアンブル722、1つ以上のメッセージカプセル724、およびパディングビット726から構成される。各メッセージカプセル724はメッセージ長(MSG LEN)フィールド732、メッセージ本体734、およびCRCパリティビット736から構成される。
【0158】
XVIII.逆方向リンクNACKチャネル
一実施形態において、移動局6はNACKメッセージをデータチャネルに伝送する。NACKメッセージは移動局6によりエラーで受信された各パケットに対して発生される。例示実施形態において、NACKメッセージは上述した米国特許第5,504,773に開示されたブランクアンドバーストシグナリングデータフォーマット(Blank and Burst signaling format)を用いて伝送することができる。
【0159】
現在開示される実施形態はNACKプロトコルとの関連で記載したが、ACKプロトコルの使用を検討することもでき、この発明の範囲内である。
【0160】
XIX.結論
従って、新規で改良された、最大距離およびレート3/128ブロックコーディング方式について述べた。ここに記載した実施形態において、移動局6は加入者装置と呼ぶこともできる。加入者装置は、例えば無線電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、コンピュータに接続された電話、ハンズフリーカーキットに接続された受話器、または何らかの既知の形態のアクセス端末であり得る。当業者は、上述した記載を通して参照されるかもしれないデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは有利に、電圧、電流、電磁波、磁界または磁気粒子、オプティカルフィールド(optical field)またはオプティカル粒子またはそれらの組合せにより表されることを理解するであろう。当業者はさらに、ここに開示された実施形態に関連して記載された種々の実例となる論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは電子ハードウエア、コンピュータソフトウエアまたはその両方の組合せとして実現可能であることを理解するであろう。種々の実例となる部品、ブロック、モジュール、回路およびステップは一般にそれらの機能の観点から記載した。機能性がハードウエアとしてまたはソフトウエアとして実現されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられた設計制約に依存する。熟練工は、これらの環境下でのハードウエアとソフトウエアの互換性を認識し、各特定のアプリケーションに対して記載した機能性をどのように最善に実現するかを認識する。例として、ここに開示した実施形態に関連して記載された種々の実例となる論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、例えばレジスタおよびFIFOのようなディスクリートハードウエアコンポーネント、ファームウエア命令セットを実行するプロセッサ、何らかの一般的なプログラマブルソフトウエアモジュールおよびプロセッサ、または、ここに記載した機能を実行するように設計されたいずれかの組合せを用いて実現または実行できる。プロセッサは有利にマイクロプロセッサで有り得るが、別の方法では、プロセッサは、何らかの一般的なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。ソフトウエアモジュールはRAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、着脱可能ディスク、CD−ROM、または技術的に知られている何らかの他の形態の記憶媒体に常駐させることができる。例示プロセッサは有利に記憶媒体と接続され、記憶媒体から情報を読み、記憶媒体に情報を書き込む。別の方法では、記憶媒体はプロセッサと一体化することができる。プロセッサと記憶媒体をASICに駐在させることができる。ASICは電話に駐在させることができる。別の方法では、プロセッサと記憶媒体を電話に駐在させることができる。プロセッサはDSPとマイクロプロセッサの組合せとして、またはDSPコアと連動して2つのマイクロプロセッサとして、等実現可能である。
【0161】
好適実施形態の上述した記載は技術的に熟達した人がこの発明を作成し使用可能にするために提供される。これらの実施形態に対する種々の変形例は当業者には即容易であり、発明力の使用なしに他の実施形態に適用可能である。従って、この発明は、ここに示した実施形態に限定されることを意図したものではなく、ここに開示された原理および新規な特徴に一致する最も広い範囲に一致する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は複数のセル、複数の基地局および複数の移動局から構成されるデータ通信システムの図である。
【図2】
図2は図1のデータ通信システムのサブシステムの例示ブロック図である。
【図3A】
図3Aは例示順方向リンクアーキテクチャのブロック図である。
【図3B】
図3Bは例示順方向リンクアーキテクチャのブロック図である。
【図4A】
図4Aは例示順方向リンクフレーム構造の図である。
【図4B】
図4Bは例示順方向トラヒックチャネルの図である。
【図4C】
図4Cは例示電力制御チャネルの図である。
【図4D】
図4Dはパンクチュアドパケットの図である。
【図4E】
図4Eはそれぞれ2つの例示データパケットフォーマットおよび制御チャネルカプセルの図である。
【図4F】
図4Fはそれぞれ2つの例示データパケットフォーマットおよび制御チャネルカプセルの図である。
【図4G】
図4Gはそれぞれ2つの例示データパケットフォーマットおよび制御チャネルカプセルの図である。
【図5】
図5は順方向リンクでの高レートパケット伝送を示す例示タイミング図である。
【図6】
図6は例示逆方向リンクアーキテクチャのブロック図である。
【図7A】
図7Aは例示逆方向リンクフレーム構造の図である。
【図7B】
図7Bは例示逆方向リンクアクセスチャネルの図である。
【図8】
図8は逆方向リンクでの高レートデータ転送を示す例示タイミング図である。
【図9】
図9は移動局の種々の動作状態間の遷移を示す例示状態図である。
【図10】
図10は理想的な六角形セルラレイアウトのC/I分布の累積分布関数(CDF)の図である。
【図11】
図11は図6の逆方向リンクアーキテクチャの逆方向レートインジケータ(RRI)のブロック図である。
【発明の属する技術分野】
この発明はデータ通信に関し、特に高レートパケットデータ通信システムで使用する最大距離、レート3/128ブロック符号化方式に関する。
【0002】
【関連出願の記載】
近年の通信システムはいろいろなアプリケーションをサポートする必要がある。そのような通信システムの1つは、「デュアルモード広帯域スペクトル拡散通信システムのためのTIA/EIA/IS−95移動局−基地局互換規格」(以下IS−95規格と呼ぶ)に準拠する符号分割多元接続システムである。CDMAシステムは地上リンクを介してユーザー間で音声通信およびデータ通信を可能にさせる。多重アクセス通信システムにおけるCDMA技術の使用は、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第4,901,307号(発明の名称:「衛星または地上リピーターを用いたスペクトル拡散多重アクセス通信システム」)および米国特許第5,103,459号(発明の名称:「CDMAセルラ電話システムにおいて波形を発生するためのシステムおよび方法」)に開示されている。
【0003】
この明細書において、基地局は移動局が通信するハードウエアに言及する。セルは用語が使用する文脈に依存してハードウエアまたは地理的なカバーエリアに言及する。セクタはセルのパーティションである。CDMAシステムのセクタはセルの属性を有するので、セルの観点から記載される開示はすでにセクタに拡張されている。
【0004】
CDMAシステムにおいて、ユーザ間の通信は1つ以上の基地局を介して行なわれる。第1の移動局の第1のユーザは逆方向リンクを介して基地局にデータを伝送することにより第2の移動局の第2のユーザと通信する。基地局はそのデータを受信し、そのデータを他の基地局に配信することができる。データは同じ基地局または第2の基地局の順方向リンクを介して第2の移動局に伝送される。順方向リンクは基地局から移動局への伝送に言及し、逆方向リンクは移動局から基地局への伝送に言及する。IS−95システムにおいて、順方向リンクと逆方向リンクには別々の周波数が割当てられる。
【0005】
通信の期間、移動局は少なくとも1つの基地局と通信する。ソフトハンドオフの期間、CDMA移動局は複数の基地局と同時に通信することができる。ソフトハンドオフは以前のリンクを切断する前に新しい基地局とのリンクを確立するプロセスである。ソフトハンドオフは落とされた通話の確率を最小にする。ソフトハンドオフの期間に1つ以上の基地局を介して移動局との通信を供給するための方法およびシステムは、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第5,267,261号(発明の名称:「CDMAセルラ電話システムの移動援助ソフトハンドオフ」)に開示される。ソフタハンドオフ(softer handoff)は同じ基地局によりサービスされる複数のセクタを介して通信が生じるプロセスである。ソフタハンドオフのプロセスは、この発明の譲受人に譲渡され参照することによりここに組み込まれる1999年8月3日に発行された同時係属米国特許第5,933,787(発明の名称:「共通基地局のセクタ間でハンドオフを実行するための方法および装置」)に詳細に記載されている。
【0006】
無線データアプリケーションの需要が高まるにつれ、非常に効率のよい無線通信システムの必要性がますます重要になってきた。IS−95規格は順方向リンクおよび逆方向リンクを介してトラヒックデータおよび音声データを伝送することができる。固定サイズの符号チャネルフレームでトラヒックデータを伝送するための方法は、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第5,504、773(発明の名称:「伝送のためのデータのフォーマッティングのための方法および装置」)に詳細に記載されている。IS−95規格に従って、トラヒックデータまたは音声データは14.4Kbpsのデータレートを有する20msec幅の符号チャネルフレームに分割される。
【0007】
音声サービスとデータサービスとの間の著しい違いは前者は厳しい固定の遅延要件を課すという事実である。一般に音声フレームの全体の一方向の遅延は100msec未満でなければならない。それにひきかえ、データ遅延は、データ通信システムの効率を最適化するために使用される可変パラメータになることができる。特に、音声サービスにより許容可能な遅延よりも著しく大きな遅延を必要とするより効率的なエラー訂正符号化技術を利用することができる。データのための例示的な能率的な符号化方式は、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる、1999年8月3日に発行された米国特許第5,933,462(発明の名称:「たたみこみ符号化コードワードを復号するためのソフト決定出力デコーダー」)に開示されている。
【0008】
音声サービスとデータサービスの他の著しい違いは前者はすべてのユーザに対して固定かつ共通のサービス程度(GOS)を必要とすることである。一般に、音声サービスを提供するデジタルシステムの場合、これはすべてのユーザに対して固定かつ等しい伝送に変換し、音声フレームのエラーレートに対して最大許容値に変換する。それにひきかえ、データサービスの場合、GOSはユーザ毎に異なることができ、データ通信システムの全体の効率を増大するために最適化されたパラメータであり得る。データ通信システムのGOSは一般に所定のデータ量(以下データパケットと呼ぶ)の伝送において被る合計遅延として定義される。
【0009】
音声サービスとデータサービスとの間のさらに他の著しい違いは、前者は、例示CDMA通信システムにおいて、ソフトハンドオフにより提供される信頼できる通信リンクを必要とすることである。ソフトハンドオフは信頼度を改善するために2以上の基地局から冗長な伝送を生じる。しかしながら、このさらなる信頼度はデータ伝送においては必要ない。何故ならエラーで受信したデータパケットは再送信することができるからである。データサービスの場合、ソフトハンドオフをサポートするために使用される送信電力はさらなるデータを伝送するためにより効率的に使用することができる。
【0010】
データ通信システムの品質と有効性を測定するパラメータはデータパケットを伝送するために必要とされる伝送遅延とシステムの平均スループットである。伝送遅延は、音声通信の場合と同じデータ通信の影響力を持たないが、データ通信システムの品質を測定するための重要な測定基準である。平均スループットレートは、通信システムのデータ伝送能力の効率性の測定値である。
【0011】
セルラシステムにおいて、所定のユーザの信号対雑音および干渉比C/Iはそのカバーエリア内のユーザのロケーションの関数である。所定レベルのサービスを維持するために、TDMAシステムおよびFDMAシステムは周波数再使用技術の手段を取る。すなわち、すべての周波数チャネルおよび/またはタイムスロットが各基地局において使用されるわけではない。CDMAシステムにおいては、システムのセルごとに同じ周波数割当てが再使用され、それにより全体の効率を改善する。所定のユーザの移動局が得るC/Iは基地局からユーザの移動局へのこの特定のリンクのためにサポートできる情報レートを決定する。伝送のために使用される特定の変調とエラー訂正方法が与えられると、これはこの発明がデータ伝送のために最適化することを求めているものだが、所定レベルの性能が対応するレベルのC/Iにおいて得られる。六角形のセルレイアウトを有し、セルごとに共通の周波数を利用する理想的なセルラシステムの場合に、理想的なセル内で得られるC/Iの分配を計算することができる。
【0012】
所定のユーザにより得られるC/Iは伝送路損失の関数であり、これは地上セルラシステムの場合にr3乃至r5に増大する。ただし、rは放射源までの距離である。さらに伝送路損失は、無線波の伝送路内の人工的なまたは自然の障害によりランダムな変化を受けやすい。これらのランダムな変化は一般に8dBの標準偏差を有した対数正規のシャドウイング(shadowing)ランダムプロセスとしてモデル化される。無指向性の基地局アンテナ、r4伝搬法則、および8dB標準偏差を有した理想的な六角形のセルラレイアウトのために得られる結果として生じるC/I分布は図10に示される。
【0013】
得られたC/I分布は、いつでもおよびいかなるロケーションにおいても、各基地局への物理的距離に関係なく、最大のC/I値を得るものとして定義される最良の基地局によって移動局がサービスされる場合にのみ達成することができる。上述したように伝送路損失のランダムな性質のために、最大C/I値を有する信号は、移動局からの最小物理距離以外の信号であり得る。それにひきかえ、移動局が最小距離の基地局を介してのみ通信していたならば、C/Iは実質的に品位を落とすことになり得る。それゆえ、いつでも移動局が最良のサービスをする基地局と通信することは有利であり、それにより最適なC/I値を得る。また、上述した理想的なモデルであって図10に示すモデルにおいて、得られたC/Iの値のレンジは、最大値と最小値との間の差分が10,000となり得るようなレンジである。実用的な実施においては、このレンジは一般的にほぼ1:100または20dBに制限される。それゆえ、以下の関係式が適用できるので、CDMA基地局は、100の因数と同量だけ変化できる情報ビットレートを有した移動局にサービスすることが可能である。
【0014】
【数1】
ただし、Rbは特定の移動局に対する情報レート、Wはスペクトル拡散信号により占有される合計帯域幅、Eb/Ioは所定のレベルの性能を得るために必要な干渉密度に対するビットあたりのエネルギーである。例えば、スペクトル拡散信号が1.2288MHzの帯域幅を占有し、信頼できる通信が3dBに等しい平均値Eb/Ioを必要とするなら、最良の基地局に対して3dBのC/I値を得る移動局は1.2288Mbpsのデータレートで通信することができる。一方、移動局が隣接する基地局からの実質的干渉を受け、−7dBのC/Iしか得ることができないなら、信頼できる通信は122.88Kbpsより大きなレートでサポートすることはできない。それゆえ、平均スループットを最適化するように設計された通信システムは、最良にサービスしている基地局からの各移動ユーザに、移動ユーザが確実にサポートできる最も高いデータレートRbで、サービスしようと試みるであろう。上述した特性を利用し、CDMA基地局から移動局へのデータスループットを最適化するデータ通信システムを提供することが都合がよいであろう。
【0015】
データを伝送している逆方向リンクデータレートを示している時使用する移動局のためのより堅固なチャネルを提供することはさらに都合がよいであろう。データ通信システムにおいて、逆方向リンクデータレートインジケータは、例えばパイロットチャネルが伝送される時間の一部においてのみ伝送を必要とする、有利に相対的に「遅い」チャネルである。現在反復を有した相対的に高いレートの直交符号化方式が使用される。符号化利得を改良するために、そのような符号化方式において、異なるエンコーダー出力コードワード間で最小距離(異なるエンコーダー出力コードワードにおけるシンボルの数)を増大させることは望ましいであろう。従って、高データレート通信システムにおいて、符号化利得を改良する方法の必要性がある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は高データレート通信システムにおいて符号化利得を改良する方法に向けられている。従って、この発明の1つの観点において、データを符号化する方法が提供される。この方法は有利にデータをブロック符号化して複数のコードワードを発生し、各コードワードを所定回数反復することを含む。
【0017】
一実施形態において、この方法は有利に3行および32列のマトリクスとしてデータをブロック符号化し各コードワードを4回反復することを含む。マトリクスの第1行目は左から右に2492DBBFに2つのゼロが続く16進値を持つ2進数である。マトリクスの第2行目は左から右に、ゼロの後に2492DBBFの16進値を持つ2進数が続きその後に別のゼロが続き、マトリクスの3行目は左から右に、2つのゼロの後に2492DBBFの16進値を持つ2進数が続く。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の特徴、目的および利点は、同一部に同符号を付した図面とともに以下に述べる詳細な記述からより明らかになるであろう。
【0019】
データ通信システムの例示実施形態に従って、順方向リンクおよびシステムによりサポート可能な最大データレートまたはその付近のデータレートで1つの基地局から1つの移動局に順方向リンクデータ伝送が生じる(図1参照)。逆方向リンクデータ通信は1つの移動局から1つ以上の基地局に生じることができる。順方向リンク伝送のための最大データレートの計算は以下に記載される。データは複数のデータパケットに分割され、各データパケットは1つ以上のタイムスロット(またはスロット)を介して伝送される。各タイムスロットにおいて、基地局はその基地局と通信している移動局にデータ伝送を指示することができる。
【0020】
初めに、移動局は所定のアクセス手続きを用いて基地局と通信を確立する。この接続状態において、移動局は基地局からのデータおよび制御メッセージを受信することができ、データおよび制御メッセージを基地局に伝送することができる。移動局は次に、移動局のアクティブセット(active set)において、基地局からの伝送のために順方向リンクを監視する。アクティブセットはその移動局と通信する基地局のリストを含む。特に、移動局は、その移動局において受信した、アクティブセットにある基地局からの順方向リンクパイロットの信号対雑音および干渉比(C/I)を測定する。受信したパイロット信号が所定の加算しきい値を越える場合または所定の降下しきい値より少ない場合、移動局はこれを基地局に報告する。基地局からのその後のメッセージは移動局にそれぞれ基地局をアクティブセットに追加したり、アクティブセットから基地局を削除したりするように指示する。移動局の種々の動作状態を以下に記載する。
【0021】
送信すべきデータが無い場合、移動局はアイドル状態に戻り基地局(基地局群)へのデータレート情報の伝送を中止する。移動局がアイドル状態にある間、移動局はメッセージをページングするためにアクティブセットにある1つ以上の基地局からの制御チャネルを監視する。
【0022】
移動局に伝送すべきデータがある場合には、そのデータは中央コントローラによって、アクティブセットにあるすべての基地局に送信され各基地局においてキューに記憶される。次に、ページングメッセージは各制御チャネルを介して1つ以上の基地局により移動局に送信される。移動局が基地局間を切り替わっている間でも受信を保証するために基地局はいくつかの基地局間で同時にそのようなすべてのページングメッセージを送信することができる。移動局は1つ以上の制御チャネル上の信号を復調しかつ復号してページングメッセージを受信する。
【0023】
ページングメッセージを受信すると、データ伝送が完了するまでの各タイムスロット毎に、移動局は、移動局において受信した、アクティブセットにある基地局からの順方向リンク信号のC/Iを測定する。順方向リンク信号のC/Iは各パイロット信号を測定することにより得ることができる。次に、移動局はパラメータの組に基づいて最良の基地局を選択する。パラメータの組は現在のC/I測定値、以前のC/I測定値およびビットエラーレートまたはパケットエラーレートから構成し得る。例えば、最良の基地局は最大のC/I測定値に基づいて選択することができる。次に、移動局は、その最良の基地局を識別し、選択された基地局に、データ要求チャネル(以下、DRCチャネルと呼ぶ)を介してデータ要求メッセージ(以下、DRCメッセージと呼ぶ)を伝送する。DRCメッセージは要求されたデータレート、または二者択一的に順方向リンクの品質の表示(例えばC/I測定値自体、ビットエラーレートまたはパケットエラーレート)を含むことができる。例示実施形態において、移動局は、固有に基地局を識別するウオルシュコードの使用により特定の基地局にDRCメッセージの伝送を指示することができる。DRCメッセージは固有のウオルシュコードとイクスクルーシブOR(XOR)される。移動局のアクティブセットにある各基地局は固有の識別コードにより識別されるので、移動局により行なわれたXOR演算と同一のXOR演算を実行する選択された基地局のみが、正しいウオルシュコードを用いて、DRCメッセージを正しく復号することができる。基地局は各移動局からのレート制御情報を用いて最高の可能なレートで順方向リンクデータを効率的に伝送する。
【0024】
各タイムスロットにおいて、基地局はデータ伝送のためにページングされた移動局を選択することができる。次に、基地局は、移動局から受信したDRCメッセージの最も最近の値に基づいて、選択された移動局にデータを伝送するデータレートを決定する。さらに、基地局は、その移動局に固有な拡散コードを用いて特定の移動局への伝送を固有に識別する。例示実施形態において、この拡散コードはIS−95規格により定義される長い擬似雑音(PN)コードである。
【0025】
データパケットが送られる移動局はデータ伝送を受信し、データパケットを復号する。各データパケットは複数のデータユニットから構成される。例示実施形態において、データユニットは8情報ビットから構成される。しかしながら、異なるデータユニットサイズを定義することができ、この発明の範囲内である。例示実施形態において、各データユニットは、シーケンス番号と相関され、移動局は、失ったまたは重複する伝送を識別することができる。そのような場合には、移動局は、逆方向リンクチャネルを介して失ったデータユニットのシーケンス番号を通信する。移動局からデータメッセージを受信する基地局コントローラは、この特定の移動局と通信するすべての基地局に、どのデータユニットが移動局により受信されなかったかを示す。基地局は次に、そのようなデータユニットの再送信をスケジュールする。
【0026】
データ通信システムの各移動局は、逆方向リンクを介して複数の基地局と通信することができる。例示実施例において、この発明のデータ通信システムは幾つかの理由で逆方向リンクを介してソフトハンドオフおよびソフタハンドオフをサポートする。第1にソフトハンドオフは逆方向リンクのさらなる収容能力を消費せず、少なくとも1つの基地局が確実にデータを復号できるように移動局が最小電力レベルでデータを伝送することを可能にする。第2により多くの基地局による逆方向リンク信号の受信は伝送の信頼性を増大し、基地局にさらなるハードウエアが必要のみである。
【0027】
例示実施形態において、データ伝送システムの順方向リンク収容能力は移動局のレート要求により決定される。順方向リンク収容能力のさらなる利得は指向性アンテナおよび/または適応空間フィルタを使用することにより得ることができる。指向性伝送を供給するための例示方法と装置は、共にこの発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる、1999年1月5日に発行された同時係属米国特許番号第5,857,147、(発明の名称:「マルチユーザ通信システムにおける伝送データレートを決定するための方法および装置」)および1997年9月8日に出願された米国特許出願シリアル番号第08/925,521、(発明の名称:「直交スポットビーム、セクタおよびピコセルを供給するための方法および装置」)に記載されている。
【0028】
I.システム記述
図面を参照すると、図1は複数のセル2a−2gを構成する一実施形態に従って例示データ通信システムを表す。各セル2は対応する基地局4によりサービスされる。種々の移動局6がデータ通信システムの全体に渡って分散される。例示実施形態において、各移動局6は各タイムスロットにおいて、順方向リンクを介して多くても1つの基地局4と通信するが、移動局6がソフトハンドオフ状態にあるかどうかににより逆方向リンクを介して1つ以上の基地局4と通信することができる。例えば、基地局4aは独占的にデータを移動局6aに伝送し、基地局4bは独占的にデータを移動局6bに伝送し、および基地局4cはタイムスロットnにおいて準方向リンクを介して独占的にデータを移動局6cに伝送する。図1において、矢を有した実線は基地局4から移動局6へのデータ伝送を示す。矢を有した破線は
移動局6がパイロット信号を受信しているが、基地局4からのデータ伝送は無いことを示している。簡単のために、逆方向リンク通信は図1には示されていない。
【0029】
図1によって示されるように、各基地局4はいつなんどきでも1つの移動局6にデータを伝送することが好ましい。移動局、特にセル境界付近に位置する移動局は複数の基地局4からパイロット信号を受信することができる。パイロット信号が所定のしきい値を越えていれば、移動局6は、移動局6のアクティブセットに基地局4を追加することを要求することができる。例示実施形態において、移動局6はアクティブセットのゼロまたは1メンバからデータ伝送を受信することができる。
【0030】
図1のデータ通信システムの基本サブシステムを示すブロック図が図2に示される。基地局コントローラ10はパケットネットワークインタフェース24、PSTN30、およびデータ通信システムのすべての基地局4とインターフェースする(簡単のために1つの基地局4のみが図2に示されている)。基地局コントローラ10はデータ通信システムの移動局6とパケットネットワークインタフェース24に接続された他のユーザおよびPSTN30との間の通信を調節する。PSTN30は標準電話機回路網(図2には示していない)を介してユーザとインターフェースする。
【0031】
基地局コントローラ10は、簡単のために図2には1つしか示していないが、多くのセレクタエレメント14を含む。1つのセレクタエレメント14は1つ以上の基地局4と1つの移動局6との間の通信を制御するために割当てられる。セレクタエレメント14が移動局6に割当てられていなかったならば、呼制御プロセッサ16には、移動局6をページングする必要性が知らされる。
【0032】
データソース20は移動局6に伝送されるデータを含む。データソース20はデータをパケットネットワークインタフェース24に供給する。パケットネットワークインタフェース24はデータを受信し、そのデータをセレクタエレメント14に供給する。セレクタエレメント14はデータを移動局と通信している各基地局4に送信する。各基地局4は移動局6に伝送すべきデータを含むデータキュー40を維持する。
【0033】
例示実施形態において、順方向リンクを介して、データパケットはデータレートに関係無く所定のデータ量に言及する。データパケットは他の制御および符号化ビットでフォーマット化され符号化される。データ伝送が複数のウオルシュチャネルを介して生じるならば、符号化されたパケットは並列ストリームに逆多重化され、各ストリームは1つのウオルシュチャネルを介して伝送される。
【0034】
データはデータパケットで、データキュー40からチャネルエレメント42に送られる。各データパケットに対して、チャネルエレメント42は必要な制御フィールドを挿入する。データパケット、制御フィールド、フレームチェックシーケンスビット、および符号テールビットはフォーマット化されたパケットを構成する。次に、チャネルエレメント42は1つ以上のフォーマット化されたパケットを符号化し、符号化されたパケット内のシンボルをインターリーブ(並べ替えする)。次に、インターリーブされたパケットはスクランブリングシーケンスを用いてスクランブルされ、ウオルシュカバーを用いてカバーされ、長いPNコードと短いPNIおよびPNQコードを用いて拡散される。拡散データはRFユニット44内の送信器により直交変調され、濾波され、増幅される。順方向リンク信号は順方向リンク50上のアンテナ46を介して放送で伝送される。
【0035】
移動局6において、順方向リンク信号はアンテナ60により受信されフロントエンド62内の受信器に送られる。受信器は信号を濾波し、増幅し、直交変調し、および量子化する。2値化された信号は復調器(DEMOD)64に供給され、長いPNコードおよび短いPNIコードおよびPNQコードでデスプレッド(despread)され、ウオルシュカバーでデカバーされ、同一スクランブリングシーケンスでデスクランブルされる。復調されたデータはデコーダー66に供給され、デコーダー66は基地局4においてなされた信号処理機能の逆、特に、デインターリービング、デコーディングおよびフレームチェック機能を行う。復号されたデータはデータシンク68に供給される。上述したように、ハードウエアはデータ、メッセージング、音声、ビデオの伝送および順方向リンクを介した他の通信をサポートする。
【0036】
システム制御およびスケジューリング機能は多くの実施により成就可能である。チャネルスケジューラー48のロケーションは集中的または分散制御/スケジューリング処理が望ましいかどうかに依存する。例えば、分散処理の場合にチャネルスケジューラー48は各基地局4内に配置できる。逆に、集中的処理の場合には、チャネルスケジューラー48は基地局コントローラー10内に配置可能であり、複数の基地局4のデータ伝送を調節するように設計することができる。上述した機能の他の実施を検討することができ、この発明の範囲内である。
【0037】
図1に示すように、移動局6はデータ通信システム全体に渡って分散され、順方向リンクを介してゼロまたは1つの基地局4と通信可能である。例示実施形態において、チャネルスケジューラー48は1つの基地局4の順方向リンクデータ伝送を調節する。例示実施形態において、チャネルスケジューラー48は基地局4内のデータキュー40とチャネルエレメント42内に接続し、移動局6に伝送するデータ量を示すキューサイズおよび移動局6からのDRCメッセージを受信する。チャネルスケジューラー48は最大データスループットのシステムゴールが最小伝送遅延が最適化されるように高レートデータ伝送をスケジュールする。
【0038】
例示実施形態において、データ伝送は、ある程度通信リンクの品質に基づいてスケジュールされる。リンク品質に基づいて伝送レートを選択する例示通信システムは、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる、1996年9月11日に出願された米国特許出願シリアル番号第08/741,320(発明の名称:「セルラ環境において高速データ通信を供給するための方法および装置」)に開示されている。現在開示された実施形態において、データ通信のスケジューリングは、ユーザのGOS、キューサイズ、データの種類、すでに経験した遅延量、およびデータ伝送のエラーレートのようなさらなる考慮に基づくことが出来る。これらの考慮はともに、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる、1997年2月11日に出願された米国特許出願番号第08/798,951(発明の名称:「順方向リンクレートスケジューリングのための方法および装置」)および1997年8月20日に出願された米国特許出願シリアル番号第08/914,928(発明の名称:「逆方向リンクレートスケジューリングのための方法および装置」)に記載されている。他の要因をデータ伝送をスケジューリングする際に考慮することができ、この発明の範囲内である。
【0039】
ここに開示される実施形態のデータ通信システムは有利に逆方向リンク上のデータおよびメッセージ伝送をサポートする。移動局6内において、コントローラ76はデータソース70からのデータまたはメッセージをエンコーダー72に供給することにより、データまたはメッセージ伝送を処理する。コントローラ76はマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッシング(DSP)チップ、またはここに記載した機能を実行するようにプログラムされたASICで実現することができる。
【0040】
例示実施形態において、エンコーダー72は上述した米国特許第5,504,773に記載されたブランクおよびバーストシグナリングデータフォーマットに一致するメッセージを符号化する。次に、エンコーダー72はCRCビットの組を発生して付加し、コードテイルビット(code tail bit)の組を付加し、データおよび付加されたビットを符号化し、符号化されたデータ内でシンボルを並び替える。インターリーブされたデータは変調器(MOD)74に供給される。
【0041】
変調器74は多くの実施形態において実現することができる。例示実施形態において(図6参照)、インターリーブされたデータはウオルシュコードでカバーされ、長いPNコードで拡散し、さらに短いPNコードで拡散する。拡散データはフロントエンド62内の送信器に供給される。送信器は逆方向リンク信号を変調し、濾波し、増幅し、逆方向リンク52を介してアンテナ60を介して放送で逆方向リンク信号を伝送する。
【0042】
例示実施形態において、移動局6は長いPNコードに従って逆方向リンクデータを拡散する。各逆方向リンクチャネルは共通の長いPNシーケンスの時間的オフセットに従って定義される。2つの異なるオフセットにおいて、結果として得られる変調シーケンスは無相関である。移動局6のオフセットは移動局の固有の数値の識別番号に従って決定される。これは、IS−95移動局6の例示実施形態において、移動局特定識別番号である。従って、各移動局6は固有の電子シリアル番号に従って決定された1つの無相関の逆方向リンクチャネルを介して伝送する。
【0043】
基地局4において、逆方向リンク信号はアンテナ46により受信され、RFユニット44に供給される。RFユニット44は信号を濾波し、増幅し、復調し、量子化し、2値化された信号をチャネルエレメント42に供給する。チャネルエレメントは短いPNコードおよび長いPNコードで2値化された信号をデスプレッド(despread)する。チャネルエレメント42はまたウオルシュコードデカバリングおよびパイロットおよびDRC抽出を行なう。次に、チャネルエレメント42は復調されたデータの並び替えを行い、デインターリーブされたデータを復号し、CRCチェック機能を実行する。復号されたデータ、例えばデータまたはメッセージはセレクタエレメント14に供給される。セレクタエレメント14はデータとメッセージを適当な送信先に送る。チャネルエレメント42はまた、受信したデータパケットの条件を示す品質インジケーターをセレクタエレメント14に送ることができる。
【0044】
例示実施形態において、移動局6は3つの動作状態の1つを取り得る。移動局6の種々の動作状態間の遷移を示す例示状態図は図9に示される。アクセス状態902において、移動局6はアクセスプローブを送信し、基地局4によるチャネル割当てを待つ。チャネル割当ては、電力制御チャネルおよび周波数割り当てのようなリソースの割当てから構成される。移動局6が呼び出されデータ送信があると注意を促されるなら、または移動局6がデータを逆方向リンクを介して伝送するなら、移動局6はアクセス状態902から接続状態904に遷移することができる。接続状態904において、移動局6はデータを交換(例えば送信または受信)し、ハンドオフ動作を行なう。リリース手続きが完了すると、移動局6は接続状態904からアイドル状態906に遷移する。移動局6はまた、基地局4との接続が拒絶されると、アクセス状態902からアイドル状態906に遷移することができる。アイドル状態906において、移動局6は順方向制御チャネル上のメッセージを受信して復号することによりオーバーヘッドおよびページングメッセージを聞き、アイドルハンドオフ手続きを行なう。移動局6はアクセス手続きを開始することによりアクセス状態902に遷移することができる。図9に示す状態図は説明のために示される例示状態定義に過ぎない。他の状態図も利用可能であり、この発明の範囲内である。
【0045】
II.順方向リンクデータ伝送
例示実施形態において、移動局6と基地局4との間の通信の開始はCDMAシステムの場合と同様に生じる。呼のセットアップが完了すると、移動局6はページングメッセージのために制御チャネルを監視する。接続状態の間、移動局6はパイロット信号の送信を逆方向リンクに開始する。
【0046】
順方向リンク高レートデータ伝送の例示フロー図を図5に示す。基地局4が移動局6に伝送するデータを有しているなら、基地局4はブロック502において移動局6にアドレス指定されたページングメッセージを制御チャネルに送信する。ページングメッセージは移動局6のハンドオフ状態に応じて、1つまたは複数の基地局4から送信することができる。ページングメッセージを受信すると、移動局6はブロック504においてC/I測定プロセスを開始する。順方向リンク信号のC/Iは以下に記載する方法の1つまたは組合せから計算される。次に、移動局6はブロック506において、最良のC/I測定値に基づいて要求されたデータレートを選択し、DRCメッセージをDRCチャネルに伝送する。
【0047】
同じタイムスロット内において、基地局4はブロック508において、DRCメッセージを受信する。次のタイムスロットがデータ伝送のために利用できるなら、基地局4はブロック510においてデータを要求されたデータレートで移動局6に伝送する。移動局6はブロック512においてデータ伝送を受信する。次のタイムスロットが利用可能であるなら、基地局4はブロック514においてパケットの残りを伝送し、移動局6はブロック516においてそのデータ伝送を受信する。
【0048】
一実施形態において、移動局6は1つ以上の基地局4と同時に通信することができる。移動局により取られる行動は移動局6がソフトハンドオフ状態にあるかないかに依存する。これら2つの場合を以下に別個に述べる。
【0049】
III.ハンドオフなしの場合
ハンドオフなしの場合、移動局6は1つの基地局4と通信する。図2を参照すると、特定の移動局6に向けられたデータは、移動局6との通信を制御するように割当てられたセレクタエレメント14に供給される。セレクタエレメント14はデータを基地局4内のデータキュー40に送る。基地局4はデータをキューイングし、ページングメッセージを制御チャネルに伝送する。次に、基地局4は移動局6からのDRCメッセージのために逆方向リンクDRCチャネルを監視する。DRCチャネルにおいて信号が検出されなければ、基地局4はDRCメッセージが検出されるまでページングメッセージを再送信する。所定数の再送信の試みの後、基地局4はそのプロセスを終了することができる、または移動局6との呼を再開始することができる。
【0050】
例示実施形態において、移動局6は要求されたデータレートを、DRCメッセージの形態で、DRCチャネル上の基地局4に伝送する。他の実施形態において、移動局6は順方向リンクチャネルの品質の表示(例えばC/I測定値)を基地局4に伝送する。例示実施形態において、3−ビットDRCメッセージは基地局4によりソフト決定を用いて復号される。例示実施形態において、DRCメッセージは各タイムスロットの最初の半分内で伝送される。そのタイムスロットが、この移動局6へのデータ伝送のために利用可能であるならば、次に基地局4はそのタイムスロットの残りの半分を使ってDRCメッセージを復号し、次の連続するタイムスロットにおいてデータ伝送のためのハードウエアを構成する。次の連続するタイムスロットが利用できない場合、基地局4は次の利用可能なタイムスロットを待ち、新しいDRCメッセージのためにDRCチャネルを監視する。
【0051】
第1の実施形態において、基地局4は要求されたデータレートを送信する。この実施形態はデータレートを選択するという重要な判断を移動局6と協議する。要求されたデータレートで常に伝送することは移動局6がどのデータレートを期待するかを知るという利点を有する。従って、移動局6は要求されたデータレートに従ってトラヒックチャネルを復調し復号するのみである。基地局4はどのデータレートが基地局4により使用されているかを知らせるメッセージを移動局6に伝送する必要がない。
【0052】
第1の実施形態において、ページングメッセージの受信の後、移動局6は要求されたデータレートで連続的にそのデータを復調しようと試みる。移動局6は順方向トラヒックチャネルを復調し、ソフト決定シンボルをデコーダーに供給する。デコーダーはそのシンボルを復号し、復号されたパケットにフレームチェックを施し、パケットが正しく受信されたかどうかを判断する。パケットがエラーで受信された場合またはパケットが他の移動局6に向けられていた場合、フレームチェックはパケットエラーを表示するであろう。あるいは、第1の実施形態において、移動局6は、スロット毎にデータを復調する。例示実施形態において、移動局6は以下に記載するように、各伝送されるデータパケット内に組み込まれるプリアンブルに基づいて、データ伝送がその移動局に向けられているかどうかを判断することができる。従って、移動局6はその伝送が他の移動局6に向けられていると判断したならば、その復号プロセスを終了することができる。いずれの場合にも、移動局6はネガティブアクノレジメント(NACK)メッセージを基地局4に伝送し、データユニットの正しくない受信を認識する。NACKメッセージを受信すると、エラーで受信したデータユニットは再伝送される。
【0053】
NACKメッセージの伝送は、CDMAシステムのエラーインジケータービット(EIB)の伝送と同様に実現することができる。EIB伝送の実現と使用は、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第5,568,483(発明の名称:「伝送のためのデータのフォーマッティングのための方法および装置」)に記載されている。あるいはNACKをメッセージとともに伝送することができる。
【0054】
第2実施形態において、データレートは移動局6からの入力に従って基地局4により判断される。移動局6はC/I測定を実行し、リンク品質の表示(例えばC/I測定値)を基地局4に伝送する。基地局4はキューサイズおよび利用可能な伝送電力のような基地局に利用可能なリソースに基づいて要求されたデータレートを調節することができる。調節されたデータレートは、調節されたデータレートでのデータ伝送以前またはデータ伝送と同時に移動局6に伝送することができ、または、データパケットの符号化時にその情報を含めることができる。データ伝送前に調節されたデータレートを移動局6が受信する第1の場合、移動局6は第1の実施形態に記載した態様で受信したパケットを復調し復号する。調節されたデータレートがデータ伝送と同時に移動局6に伝送される第2の場合、移動局6は順方向トラヒックチャネルを復調し、復調されたデータを記憶することができる。調節されたデータレートを受信すると、移動局6は調節されたデータレートに従ってそのデータを復号する。そして、調節されたデータレートが符号化されたデータパケットに含まれる第3の場合に、移動局6はすべての候補レートを復調し復号し、復号されたデータの選択のために伝送レートを帰納的に判断する。レート判断を実行するための方法および装置は、共にこの発明の譲受人に譲渡され参照することによりここに組み込まれる、1998年5月12日に発行された米国特許第5,751、725号(発明の名称:「可変レート通信システムにおける受信されたデータのレートを決定するための方法および装置」)および1997年8月8日に出願された米国特許出願シリアル番号第08/908,866(発明の名称:「可変レート通信システムにおいて受信したデータのレートを決定するための方法および装置」)に記載されている。上述した両ケースの場合、移動局6は、フレームチェックの結果がネガティブの場合上述したNACKメッセージを伝送する。
【0055】
以降の説明は、別段の表示が無い場合、移動局6が基地局4に、要求されたデータレートを示すDRCメッセージを伝送する第1の実施形態に基づいている。しかしながら、ここに記載した発明概念は、移動局6がリンク品質の表示を基地局4に伝送する第2実施形態に等しく適用することができる。
【0056】
IV.ハンドオフの場合
ハンドオフの場合、移動局6は複数の基地局4と逆方向リンクを介して通信する。例示実施形態において、順方向リンクを介して特定の移動局6へのデータ伝送は1つの基地局4から生じる。しかしながら、移動局6は同時に複数の基地局4からのパイロット信号を受信することができる。基地局4のC/I測定値が所定のしきい値を越えているなら、基地局4は移動局6のアクティブセットに追加される。ソフトハンドオフ指示メッセージの期間、新しい基地局4は移動局6を、以下に記載する逆方向電力制御(RPC)ウオルシュチャネルに割当てる。移動局6とソフトハンドオフ状態にある各基地局4は、逆方向リンク伝送を監視し、各RPCウオルシュチャネルにRPCビットを送信する。
【0057】
図2を参照すると、移動局6との通信を制御するために割当てられたセレクタエレメント14はデータを移動局6のアクティブセットにある全ての基地局4に送る。セレクタエレメント14からデータを受信するすべての基地局4は各制御チャネルを介してページングメッセージを移動局6に伝送する。移動局6が接続状態にあるとき、移動局6は2つの機能を実行する。第1に、移動局6は最良のC/I測定値になり得るパラメータの組に基づいて、最良の基地局4を選択する。次に、移動局6はC/I測定値に対応するデータレートを選択し、DRCメッセージを選択された基地局4に伝送する。移動局6はDRCメッセージをその特定の基地局4に割当てられたウオルシュカバーでカバーすることにより特定の基地局4へのDRCメッセージの伝送を指示することができる。第2に、移動局6は各連続するタイムスロットにおいて、要求されたデータレートに従って、順方向リンク信号を復調しようと試みる。
【0058】
ページングメッセージを伝送した後、アクティブセット内のすべての基地局4は、移動局6からのDRCメッセージのためにDRCチャネルを監視する。再びDRCメッセージがウオルシュコードでカバーされるので、同じウオルシュカバーで割当てられた選択された基地局4はDRCメッセージをデカバーすることができる。DRCメッセージを受信すると、選択された基地局4は次の利用可能なタイムスロットで移動局6にデータを伝送する。
【0059】
例示実施形態において、基地局4は要求されたデータレートで複数のデータユニットからなるパケットのデータを移動局6に伝送する。データユニットが不正確に移動局6により受信されたなら、NACKメッセージが逆方向リンクを介して、アクティブセット内の全ての基地局4に伝送される。例示実施形態において、NACKメッセージは基地局4により復調されおよび復号され、処理のためにセレクタエレメント14に送られる。NACKメッセージを処理すると、上述した手続きを用いてデータユニットが再伝送される。例示実施形態において、セレクタエレメント14はすべての基地局4から受信したNACK信号を1つのNACKメッセージに結合し、このNACKメッセージをアクティブセット内のすべての基地局4に送る。
【0060】
例示実施形態において、移動局6は最良のC/I測定値の変化を検出することができ、効率を改善するために各タイムスロットにおいて異なる基地局4からのデータ伝送を動的に要求することができる。例示実施形態において、データ伝送はいかなるタイムスロットにおいても唯一つの基地局4から生じるので、アクティブセット内の他の基地局4はもしあれば、どのデータユニットが移動局6に伝送されたかを知らないかもしれない。例示実施形態において、伝送している基地局4はセレクタエレメント14にデータ伝送を通知する。次に、セレクタエレメント14はメッセージをアクティブセット内のすべての基地局4にメッセージを送信する。例示実施形態において、伝送されたデータは移動局6により正しく受信されたとみなされる。それゆえ、移動局6がアクティブセット内の異なる基地局4からのデータ伝送を要求するなら、新しい基地局4が残りのデータユニットを伝送する。例示実施形態において、新しい基地局4はセレクタエレメント14からの最後の伝送更新に従って伝送する。あるいは、新しい基地局4は平均伝送レートのような測定基準に基づく予測方式を用いてかつセレクタエレメント14からの更新前に伝送すべき次のデータユニットを選択する。これらの機構は、効率の損失を生じる、異なるタイムスロットで複数の基地局4による同一データの重複した再伝送を最小にする。以前の伝送がエラーで受信されたなら、各データユニットは上述したように固有のシーケンス番号により識別されるので、基地局4はこれらのデータユニットを順序が狂って再伝送することができる。例示実施形態において、穴(すなわち伝送されないデータユニット)が作られたなら(例えば、一方の基地局4から他方の基地局4間のハンドオフの結果として)、失ったデータユニットは、あたかもエラーで受信されたかの如くに考えられる。移動局6は失われたデータユニットに対応してNACKメッセージを伝送し、これらのデータユニットが再伝送される。
【0061】
例示実施形態において、アクティブセット内の各基地局4は移動局6に伝送されるデータを含む独立したデータキュー40を保持する。選択された基地局4はエラーで受信したデータユニットの再伝送およびシグナリングメッセージを除いて、連続した順番でデータキュー40に存在するデータを伝送する。例示実施形態において、伝送されたデータユニットは伝送後キュー40から削除される。
【0062】
V.順方向リンクデータ伝送のための他の考察
現在開示される実施形態のデータ通信システムにおける重要な考察は将来の伝送のためにデータレートを選択する目的のためのC/I推定値の精度である。例示実施形態において、C/I測定は基地局4がパイロット信号を伝送する時間間隔にC/I測定がパイロット信号に行なわれる。例示実施形態において、パイロット信号のみがこのパイロット時間間隔に伝送されるので、マルチパスと干渉の効果は最小である。
【0063】
IS−95システムの場合と同様にパイロット信号が直交コードチャネルに連続的に伝送される他の実施において、マルチパスと干渉の効果はC/I測定値を歪ませることができる。同様にパイロット信号の代わりにC/I測定を実行すると、マルチパスおよび干渉は、またC/I測定を低下させる。これらの両方の場合に、1つの基地局4が1つの移動局6に伝送しているとき、他の干渉信号が存在しないので、移動局6は順方向リンク信号のC/Iを正確に測定することができる。しかしながら、移動局6がソフトハンドオフ状態にあって、複数の基地局4からパイロット信号を受信するとき、移動局6は基地局4がデータを伝送していたかどうかを識別することができない。最悪のシナリオの場合、移動局6は、基地局4がいずれの移動局6にもデータを伝送していないとき第1のタイムスロットにおいて高いC/Iを測定することができ、すべての基地局4がデータを同じタイムスロットで伝送しているとき、第2スロットにおいてデータ伝送を受信する。データ通信システムのステータスが変わっているので、すべての基地局4がアイドルのとき、第1のタイムスロットにおけるC/I測定は第2タイムスロットにおいて順方向リンク信号品質の偽の表示を与える。事実、第2タイムスロットにおける実際のC/Iは、要求されたデータレートで確実な復号ができない程度まで低下し得る。
【0064】
移動局6によるC/I推定が最大干渉に基づくとき、逆の極端なシナリオが存在する。しかしながら、実際の伝送は選択された基地局のみが伝送しているときに生じる。この場合、C/I推定値と選択されたデータレートは控えめであり、確実に復号できるレートよりも低いレートで伝送が生じるので、伝送効率を低下させる。
【0065】
C/I測定が連続したパイロット信号またはトラヒック信号上で行なわれる実施において、第1タイムスロットにおけるC/Iの測定に基づく第2タイムスロットにおけるC/Iの予測は3つの実施形態により、さらに正確に行なうことができる。第1の実施形態において、基地局4からのデータ伝送は制御されるので、基地局4は連続するタイムスロットにおいて、伝送状態とアイドル状態の間で絶えずトグルしない。これは、移動局6への実際のデータ伝送前に十分なデータ(例えば、所定数の情報ビット)をキューイングすることにより達成することができる。
【0066】
第2の実施形態において、各基地局4は次の半フレームにおいて伝送が生じるかどうかを示す順方向活動ビット(以下FACビットと呼ぶ)を伝送する。FACビットの詳細は以下に詳細に記載される。移動局6は各基地局4からの受信したFACビットを考慮してC/I測定を実行する。
【0067】
リンク品質の表示が基地局4に伝送され、基地局4は中央スケジューリング方式を使用する方式に相当する第3の実施形態において、各タイムスロットにおいてどの基地局4がデータを送信したかを示すスケジューリング情報がチャネルスケジューラー48に利用可能である。チャネルスケジューラー48は移動局6からC/I測定値を受信し、データ通信システムの各基地局からのデータ伝送の有無の知識に基づいてC/I測定値を調節することができる。例えば、移動局6は、隣接する基地局4が伝送していないとき第1のタイムスロットにおいてC/Iを測定することができる。測定されたC/Iはチャネルスケジューラー48に供給される。チャネルスケジューラー48は、チャネルスケジューラー48により何もスケジュールされなかったので、隣接する基地局4は第1タイムスロットにおいてデータを伝送しなかったことを知る。第2タイムスロットにおいてデータ伝送をスケジューリングする際に、チャネルスケジューラー48は1つ以上の基地局4がデータを伝送するかどうかを知る。チャネルスケジューラー48は、隣接する基地局4によるデータ伝送により第2タイムスロットにおいて、移動局6が受信するであろうさらなる干渉を考慮するために、第1タイムスロットにおいて測定したC/Iを調節することができる。隣接する基地局が伝送しているときであって、これら隣接する基地局4が第2タイムスロットにおいて伝送していないとき、C/Iが第1タイムスロットで測定されるなら、チャネルスケジューラー48はさらなる情報を考慮してC/I測定を調節することができる。
【0068】
他の重要な考察は冗長な再伝送を最小にすることである。冗長な再伝送は、連続するタイムスロットにおいて、異なる基地局4からのデータ伝送を移動局6が選択可能にすることにより生じる。移動局6がこれらの基地局4に対してほぼ等しいC/Iを測定するなら、連続する対スロットに対して2以上の基地局4間で最良のC/I測定がトグルすることができる。このトグルはC/I測定の偏差および/またはチャネル条件の変化によるものである。連続するタイムスロットにおいて、異なる基地局4によるデータ伝送は効率の損失を生じる。
【0069】
トグルの問題はヒステリシスの使用により解消することができる。ヒステリシスは信号レベル方式を用いて、タイミング方式を用いて、または信号レベル方式とタイミング方式の組合せを用いて実現することができる。例示信号レベル方式において、アクティブセット内の異なる基地局4のさらに良いC/I測定値は、現在伝送している基地局4のC/I測定値を少なくともヒステリシス量だけ超えない限り、選択されない。一例として、ヒステリシスが1.0dBであり、第1基地局4のC/I測定値が3.5dBであり、第2基地局4のC/I測定値は第1タイムスロットにおいて3.0dBであると仮定する。次のタイムスロットにおいて、第2基地局4はそのC/I測定値が第1基地局4のC/I測定値よりも少なくとも1.0dB高くなければ選択されない。従って、第1基地局4のC/I測定値が次のタイムスロットにおいて以前として3.5dBであるならば、C/I測定値が少なくとも4.5dBでなければ第2基地局は選択されない。
【0070】
例示タイミング方式において、基地局4は所定数のタイムスロットに対してデータパケットを移動局6に伝送する。移動局6は所定数のタイムスロット内で異なる伝送基地局4を選択することはできない。移動局6は各タイムスロットにおいて現在の伝送基地局4のC/Iを連続して測定し、このC/I測定値に応答してデータレートを選択する。
【0071】
さらに他の重要な考察はデータ伝送の効率である。図4Eおよび4Fを参照すると、各データパケットフォーマット410および430はデータおよびオーバーヘッドビットを含む。例示実施形態において、オーバーヘッドの数はすべてのデータレートに対して固定されている。最も高いデータレートにおいて、オーバーヘッドのパーセンテージはパケットサイズに対して小さく、効率は高い。より低いデータレートにおいて、オーバーヘッドビットはより大きなパーセンテージのパケットを構成することができる。より低いレートにおける非能率は可変長のデータパケットを移動局6に伝送することにより改善することができる。可変長データパケットは分割することができ、複数のタイムスロットに対して移動局6に伝送することができる。有利に、可変長データパケットは処理を簡単にするために連続するタイムスロットに対して移動局6に伝送される。現在開示される実施形態は、種々のサポートされるデータレートに対して種々のパケットサイズの使用に向けられており、全体の伝送効率を改良する。
【0072】
VI.順方向リンクアーキテクチャ
例示実施形態において、基地局4は基地局に利用可能な最大電力で、かつデータ通信システムによりサポートされる最大データレートでいかなるスロットにおいても単一の移動局6に伝送する。サポート可能な最大データレートは動的であり、移動局6により測定される順方向リンク信号のC/Iに依存する。有利に、基地局4はいかなるタイムスロットにおいても唯一の移動局6に伝送する。
【0073】
データ伝送を容易にするために、順方向リンクは4つの時間多重化チャネルから構成される:すなわちパイロットチャネル、電力制御チャネル、制御チャネルおよびトラヒックチャネルである。これらのチャネルの各々の機能と実現を以下に記載する。例示実施形態において、トラヒックチャネルおよび電力制御チャネルは各々多数の直交的に拡散するウオルシュチャネルから構成される。一実施形態において、トラヒックチャネルはトラヒックデータとページングメッセージを移動局6に伝送するために使用される。ページングメッセージを伝送するために使用するとき、トラヒックチャネルはこの明細書では制御チャネルとも呼ばれる。
【0074】
例示実施形態において、順方向リンクの帯域幅は1.2288MHzに選択される。この帯域幅の選択は、IS−95規格に一致するCDMAシステムのために設計された既存のハードウエア部品の使用を可能にする。しかしながら、この発明のデータ通信システムは、容量を改善しおよび/またはシステ用件に準拠するために異なる帯域幅に使用するように採用することができる。例えば容量を増大するために5MHzの帯域幅を使用することができる。さらに、必要に応じてより接近してリンク容量を一致させる順方向リンクの帯域幅と逆方向リンクの帯域幅を異ならせることができる(例えば、順方向リンクを5MHz帯域幅として逆方向リンクを1.2288MHz帯域幅とする)。
【0075】
例示実施形態において、ショートPNIコードおよびPNQコードはIS−95規格により規定される同じ長さの215PNコードである。1.2288MHzチップレートにおいて、ショートPNシーケンスは26.67msec{26.67msec=215・1.2288×106}毎に反復する。例示実施形態において、同じショートPNコードがデータ通信システム内のすべての基地局4により使用される。しかしながら、各基地局4はベーシックショートPNシーケンスの固有のオフセットにより識別される。例示実施形態において、オフセットは64チップの増分内にある。他の帯域幅とPNコードを利用することができ、この発明の範囲内である。
【0076】
VII.順方向リンクトラヒックチャネル
例示順方向リンクアーキテクチャのブロック図を図3Aに示す。データはデータパケットに分割され、CRCエンコーダー112に供給される。データパケットごとに、CRCエンコーダー112はフレームチェックビット(例えばCRCパリティビット)を発生し、コードテールビットを挿入する。CRCエンコーダー112からのフォーマット化されたパケットは、データ、フレームチェックおよびコードテールビット、および以下に記載する他のオーバーヘッドビットから構成される。フォーマット化されたパケットはエンコーダー114に供給される。エンコーダー114は、例示実施形態において、上述した米国特許第5,933,462に開示される符号化フォーマットに従ってパケットを符号化する。他の符号化フォーマットも使用することができ、この発明の範囲内である。エンコーダー114からの符号化されたパケットは、パケットのコードシンボルを並び替えするインターリーバー116に供給される。インターリーブされたパケットはフレームパンクチャーエレメント118に供給される。フレームパンクチャーエレメント118は以下に記載するような態様でパケットの一部を取り除く。パンクチュアドされたパケットは乗算器120に供給される。乗算器120はスクランブラー122からのスクランブリングシーケンスを用いてデータをスクランブルする。パンクチャーエレメント118とスクランブラー122は以下に詳細に記載する。乗算器120からの出力はスクランブルされたパケットを構成する。スクランブルされたパケットは可変レートコントローラ130に供給される。可変レートコントローラ130はパケットをK個の並列同相チャネルおよび直交チャネルに逆多重化する。ただしKはデータレートに依存する。例示実施形態において、スクランブルされたパケットは最初に同相(I)ストリームおよび直交(Q)ストリームに逆多重化される。例示実施形態において、Iストリームは偶数インデックス付きシンボルから構成され、Qストリームは奇数インデックス付きシンボルから構成される。各ストリームはさらに、各チャネルのシンボルレートはすべてのデータレートに対して固定であるようにK個の並列チャネルに逆多重化される。各ストリームのKチャネルはウオルシュカバーエレメント132に供給される。ウオルシュカバーエレメント132は各チャネルをウオルシュ関数でカバーし直交チャネルを供給する。直交チャネルデータは利得エレメント134に供給される。利得エレメント134はすべてのデータレートに対してチップあたりの一定のトータルエネルギー(それゆえ一定の出力電力)を維持するためにデータに倍率をかける。利得エレメント134からの倍率のかけられたデータは、データをプリアンブルと多重化するマルチプレクサ(MUX)160に供給される。プリアンブルは以下に詳細に記載する。MUX160からの出力は、トラヒックデータ、電力制御ビット、およびパイロットデータを多重化するマルチプレクサ(MUX)162に供給される。MUX162の出力はIウオルシュチャネルとQウオルシュチャネルから構成される。
【0077】
データを変調するために使用される例示変調器のブロック図は図3Bに示される。IウオルシュチャネルとQウオルシュチャネルはそれぞれ加算器212a、212bに供給される。加算器212a、212bはK個のウオルシュチャネルを加算し、それぞれ信号IsumおよびQsumを供給する。Isum信号とQsum信号は複素乗算器214に供給される。複素乗算器214はまた、それぞれ乗算器236a、236bからPN_I信号およびPN_Q信号を受け取り、以下の式に従って2つの複素入力を乗算する。
【0078】
【数2】
ただし、ImultおよびQmultは複素乗算器214からの出力であり、jは複素表示である。Imult信号およびQmult信号はそれぞれ信号を濾波するフィルタ216aおよび216bに供給される。フィルタ216aおよび216bからの濾波された信号はそれぞれ乗算器218aおよび218bに供給される。乗算器218aおよび218bは信号を、それぞれ同相シヌソイドCOS(wct)および直交シヌソイドSIN(wct)と乗算する。I変調された信号およびQ変調された信号は、信号を加算して順方向変調された波形S(t)を供給する加算器220に供給される。
【0079】
例示実施形態において、データパケットはロングPNコードおよびショートPNコードを用いて拡散される。ロングPNコードは、パケットが向けられる移動局6のみがそのパケットのスクランブルを解くことができるようにパケットをスクランブルする。例示実施形態において、パイロットおよび電力制御ビットおよび制御チャネルパケットは、すべての移動局6がこれらのビットを受信できるようにロングPNコードではなくショートPNコードで拡散される。ロングPNシーケンスはロングコードジェネレータ232により発生され、マルチプレクサ(MUX)234に供給される。ロングPNマスクはロングPNシーケンスのオフセットを決定し、送信先移動局6に固有に割当てられる。MUX23からの出力がデータ部分の伝送である場合にはロングPNシーケンスであり、そうでない場合はゼロである(例えばパイロットおよび電力制御部分の期間)。MUX234からのゲートされたロングPNシーケンスおよびショートコードジェネレータ238からのショートPNIシーケンスおよびPNQシーケンスはそれぞれ乗算器236aおよび236bに供給される。乗算器236a、236bは2つの組のシーケンスを乗算し、それぞれPN_I信号およびPN_Q信号を形成する。PN_I信号およびPN_Q信号は複素乗算器214に供給される。
【0080】
図3Aおよび図3Bに示す例示トラヒックチャネルのブロック図は順方向リンクを介してデータの符号化と変調をサポートする多数のアーキテクチャの1つである。IS−95規格に準拠するCDMAシステムにおける順方向リンクトラヒックチャネルのためのアーキテクチャのような他のアーキテクチャも利用することができ、この発明の範囲内である。
【0081】
例示実施形態において、基地局4によりサポートされるデータレートはあらかじめ決められており、各サポートされるデータレートには固有のレートインデックスが割当てられる。移動局6はC/I測定値に基づいてサポートされたデータレートの1つを選択する。要求されたデータレートでデータを伝送するように基地局4に指示するために、要求されたデータレートを基地局4に伝送する必要があるので、サポートされるデータレートの数と、要求されたデータレートを識別するために必要なビットの数との間でトレードオフがなされる。例示実施形態において、サポートされるデータレートの数は7であり、要求されたデータレートを識別するために3ビットレートインデックスが使用される。サポートされるデータレートの例示定義は表1に示される。サポートされるデータレートの異なる定義も検討することができ、この発明の範囲内である。
【0082】
例示実施形態において、最小データレートは38.4Kbpsであり、最大データレートは2.4576Mbpsである。最小データレートは、システムの最悪の場合のC/I測定値、システムの処理利得、エラー訂正コードの設計、および所望のレベルの性能に基づいて選択される。例示実施形態において、サポートされるデータレートは、サポートされるデータレート間の差分が3dBであるように選択される。この3dBの増分は、移動局6により得ることのできるC/I測定値の精度、C/I測定値に基づいてデータレートの量子化から生じる損失(非能率)、および要求されたデータレートを移動局6から基地局4に伝送するのに必要なビット数(またはビットレート)を含むいくつかの要因のうちの妥協案である。それ以上のサポートされたデータレートは要求されたデータレートを識別するためにより多くのビットを必要とするが、計算された最大データレートとサポートされたデータレートとの間のより小さな量子化エラーのために順方向リンクのより効率的な使用を可能にする。この発明はいかなる数のデータレートの使用および表1に記載されたデータレート以外のデータレートの使用に向けられている。
【0083】
【表1】
この発明の順方向リンクフレーム構造の例示図面は図4Aに示される。トラヒックチャネル伝送は、例示実施形態において、ショートPNシーケンスの長さすなわち26.67msecに定義されるフレームに分割される。各フレームはすべての移動局6にアドレス指定された制御チャネル情報(制御チャネルフレーム)、特定の移動局6にアドレス指定されたトラヒックデータ(トラヒックフレーム)を運ぶことができ、または空(アイドルフレーム)であり得る。各フレームの内容は伝送している基地局4により実行されるスケジューリングにより決定される。例示実施形態において、各フレームは16タイムスロットから構成され、各タイムスロットは1.667msecの持続時間を有する。1.667msecのタイムスロットは、移動局6が順方向リンク信号のC/I測定を実行可能にするのに適当である。1.667msecのタイムスロットはまた効率的なパケットデータ伝送のための十分な時間量も表している。例示実施形態において、各タイムスロットはさらに4つの1/4スロットに分割される。
【0084】
一実施形態において、各データパケットは表1に示すように1つ以上のタイムスロットを介して伝送される。例示実施形態において、各順方向リンクデータパケットは1024または2048ビットから構成される。従って、各データパケットを伝送するのに必要なタイムスロットの数はデータレートに依存し、38.4Kbpsレートの場合の16タイムスロットから1.2288Mbpsレートおよびそれ以上の場合の1タイムスロットまで広がっている。
【0085】
例示順方向リンクスロット構造の図を図4Bに示す。例示実施形態において、各スロットは4つの時間多重化チャネル、トラヒックチャネル、制御チャネル、パイロットチャネル、および電力制御チャネルのうちの3つから構成される。例示実施形態において、パイロットチャネルおよび電力制御チャネルは、各タイムスロットの同じ位置に配置された2つのパイロットバーストおよび電力制御バーストで伝送される。パイロットバーストおよび電力制御バーストは以下に詳細に記載される。
【0086】
例示実施形態において、インターリーバー116からインターリーブされたパケットはパイロットバーストおよび電力制御バーストに適応させるためにパンクチュアド(punctured)される。例示実施形態において、各インターリーブされたパケットは4096コードシンボルから構成され、最初の512コードシンボルが、図4Dに示すようにパンクチュアドされる。残りのコードシンボルは、トラヒック伝送区間に合わせるために時間的にずらす。
【0087】
パンクチュアドされたコードシンボルは、直交ウオルシュカバーを適用する前にデータをランダム化するためにスクランブルされる。ランダム化は変調された波形S(t)上のピークツーアベレージ包絡線を制限する。スクランブルシーケンスは、技術的に知られた方法で線形フィードバックシフトレジスタを用いて発生することができる。例示実施形態において、スクランブラー122には各スロットの開始時にLC状態がロードされる。例示実施形態において、スクランブラー122のクロックはインターリーバー116のクロックと同期しているが、パイロットバーストと電力制御バーストの期間遅らせる。
【0088】
例示実施形態において、(トラヒックチャネルおよび電力制御チャネルのための)順方向ウオルシュチャネルは、1.2288Mcpsの固定チップレートで16ビットウオルシュカバーを用いて直交的に拡散される。同相かつ直交信号あたりの並列直行チャネルの数Kは表1に示すようにデータレートの関数である。例示実施形態において、低いデータレートの場合、同相かつ直交ウオルシュカバーは復調器位相推定エラーへのクロストークを最小にするために直交の組であるように選択される。例えば、16ウオルシュチャネルの場合、例示ウオルシュ割当ては同相信号に対してW0ないしW7が割当てられ、直交信号に対してW8乃至W15が割当てられる。
【0089】
例示実施形態において、1.2288Mbps以下のデータレートの場合、QPSK変調が使用される。QPSK変調の場合、各ウオルシュチャネルは1ビットから構成される。例示実施形態において、2.4576Mbpsの最大データレートにおいて、16−QAMが使用され、スクランブルされたデータは各々2ビット幅の32の並列ストリームに逆多重化され、同相信号の場合16並列ストリームに逆多重化され、直交信号の場合16並列ストリームに逆多重化される。例示実施形態において、各2ビットシンボルのLSBはインターリーバー116からのより早い出力である。例示実施形態において、(0,1,3,2)のQAM変調入力はそれぞれ(+3、+1、−1、−3)の変調値に割当てる。m進位相シフトキーイングPSKのような他の変調方式の使用を検討することができ、この発明の範囲内である。
【0090】
データレートと無関係な一定のトータル伝送電力を維持するために変調前に同相および直行ウオルシュチャネルに倍率がかけられる。利得の設定は変調されていないBPSKに等しいユニティリファレンス(unity reference)に正規化される。ウオルシュチャネル(またはデータレート)の数の関数として正規化されたチャネル利得Gが表2に示される。また、表2には、トータルの正規化された電力が1に等しいようにウオルシュチャネル(同相または直交)あたりの平均電力がリストアップされている。16−QAMのためのチャネル利得はウオルシュチップあたりの正規化エネルギーはQPSKの場合1であり、16−QAMの場合5であるという事実を説明していることに留意する必要がある。
【0091】
【表2】
一実施形態において、移動局6が各可変レート伝送の最初のスロットに同期するのを補助するためにプリアンブルが各トラヒックフレームにパンクチュアドされる。例示実施形態において、プリアンブルは全てゼロのシーケンスであり、このシーケンスはトラヒックフレームの場合ロングPNコードで拡散されるが、制御チャネルフレームの場合ロングPNコードで拡散されない。例示実施形態において、プリアンブルはウオルシュカバーW1で直交的に拡散される変調されないBPSKである。単一直交チャネルの使用はピークツーアベレージの包絡線を最小にする。また、非ゼロウオルシュカバーW1の使用は、トラヒックフレームの場合、パイロットはウオルシュカバーW0で拡散されパイロットとプリアンブルはロングPNコードで拡散されないので、偽のパイロット検出を最小にする。
【0092】
プリアンブルはデータレートの関数である期間パケットの開始時にトラヒックチャネルストリームに多重化される。プリアンブルの長さは偽の検出の確率を最小にしながらすべてのデータレートに対してプリアンブルオーバーヘッドがほぼ一定であるような長さである。データレートの関数としてのプリアンブルの概要を表3に示す。プリアンブルはデータパケットの3.1パーセント以下を構成する。
【0093】
【表3】
VIII.順方向リンクトラヒックフレームフォーマット
例示実施形態において、各データパケットはフレームチェックビット、コードテールビット、および他の制御フィールドの加算によりフォーマット化される。この明細書において、オクテットは8情報ビットとして定義され、データユニットは単一オクテットであり8情報ビットから構成される。
【0094】
例示実施形態において、順方向リンクは図4Eおよび4Fに示される2つのデータパケットフォーマットをサポートする。パケットフォーマット410は5フィールドで構成され、パケットフォーマット430は9フィールドで構成される。パケットフォーマット410は移動局6に伝送されるデータパケットがDATAフィールド418にすべての利用可能なオクテットを充填するのに十分なデータを含むとき使用される。伝送されるデータ量がDATAフィールド418の利用可能なオクテット未満なら、パケットフォーマット430が使用される。未使用のオクテットはすべてゼロでパディングされ、PADDINGフィールド446として指定される。
【0095】
例示実施形態において、フレームチェックシーケンス(FCS)フィールド412および432は所定のジェネレータ多項式に従ってCRCジェネレータ112(図3A参照)により発生されるCRCパリティビットを含む。例示実施形態において、CRC多項式はg(x)=x16+x12+x5+1であるが、他の多項式を使用することができ、この発明の範囲内である。例示実施形態において、CRCビットはFMTフィールド、SEQフィールド、LENフィールド、DATAフィールドおよびPADDINGフィールドに対して計算される。これは、順方向リンク上のトラヒックチャネルを介して伝送される、TAILフィールド420および448のコードテールビットを除く、すべてのビットに対してエラー検出を供給する。他の実施形態において、CRCビットはDATAフィールドに対してのみ計算される。例示実施形態において、FCSフィールド412および432は16CRCパリティビットを含む。しかしながら、異なる数のパリティビットを供給する他のCRCジェネレータを使用することができ、この発明の範囲内である。現在開示する実施形態のFCSフィールド412および432はCRCパリティビットとの関連で記載したが、他のフレームチェックシーケンスを使用することができ、この発明の範囲内である。例えば、パケットに対してチェックサムを計算することができ、FCSフィールドに供給することができる。
【0096】
例示実施形態において、フレームフォーマット(FMT)フィールド414および434は、データフレームがデータオクテット(パケットフォーマット410)のみを含むかまたはデータおよびパディングオクテットおよびゼロまたはより多くのメッセージ(パケットフォーマット430)を含むかどうかを示す1制御ビットを含む。例示実施形態において、FMTフィールド414に対する低い値がパケットフォーマット410に対応する。あるいはFMTフィールド434に対する高い値がパケットフォーマット430に対応する。
【0097】
シーケンス番号(SEQ)フィールド416および442はそれぞれデータフィールド418および444の第1データユニットを識別する。シーケンス番号は、例えばエラーで受信したパケットの再伝送のために、データを順序が狂って移動局6に伝送することを可能にする。データ単位レベルでのシーケンス番号の割当ては、再伝送のためにフレーム分解プロトコルの必要性を無くす。シーケンス番号はまた移動局6が二重のデータユニットを検出可能にする。FMTフィールド、SEQフィールドおよびLENフィールドを受信すると、移動局6は特別なシグナリングメッセージの使用なしに、どのデータユニットが各タイムスロットにおいて受信されたかを判断することができる。
【0098】
シーケンス番号を表すために割当てられるビット数は1タイムスロットで伝送可能なデータユニットの最大数および最悪の場合のデータ再伝送遅延に依存する。例示実施形態において、各データユニットは24ビットシーケンス番号で識別される。2.4576Mbpsにおいて、各スロットで伝送可能なデータユニットの最大数はほぼ256である。各データユニットを識別するために8ビットが必要である。さらに、より悪い場合のデータ再伝送遅延が500msec未満であることが計算できる。再伝送遅延は、移動局6によるNACKメッセージに必要な時間、データの再伝送、およびより悪い場合のバーストエラーラン(burst error runs)により生じた再伝送の試みの数を含む。それゆえ、24ビットはあいまいさを伴わずに、移動局6が、受信したデータユニットを正しく識別することを可能にする。SEQフィールド416および442のビット数はDATAフィールドのサイズおよび再伝送遅延に応じて増大または減少することができる。SEQフィールド416および442に対して異なるビット数を使用することはこの発明の範囲内である。
【0099】
基地局4が、DATAフィールド418で利用可能な空間よりも少ないデータを移動局6に伝送するとき、パケットフォーマット430が使用される。パケットフォーマット430は、最大数の利用可能なデータユニットまで、いかなる数のデータユニットをも移動局6に伝送可能にする。例示実施形態において、FMTフィールド434に対して高い値は基地局4がパケットフォーマット430を伝送していることを示す。パケットフォーマット430において、LENフィールド440はそのパケットで伝送されているデータユニットの数の値を含む。例示実施形態において、DATAフィールド444は0乃至255オクテットの範囲であるので、LENフィールド440は8ビットの長さである。
【0100】
DATAフィールド418および444は移動局6に伝送されるデータを含む。例示実施形態において、パケットフォーマット410の場合、各データパケットは1024から構成され、そのうち992ビットがデータビットである。しかしながら、可変長データパケットを使用して情報ビット数を増大させることができ、この発明の範囲内である。パケットフォーマット430の場合、DATAフィールド444のサイズはLENフィールド440により決定される。
【0101】
例示実施形態において、パケットフォーマット430はゼロ以上のシグナリングメッセージを伝送するために使用することができる。シグナリング長(SIG LEN)フィールド436は次のシグナリングメッセージの長さをオクテットで含む。例示実施形態において、SIG LENフィールド436は8ビット長である。SIGNALINGフィールド438はシグナリングメッセージを含む。例示実施形態において、各シグナリングメッセージは以下に記載するように、メッセージ識別フィールド(MESSAGE ID)フィールド、メッセージ長(LEN)フィールド、およびメッセージペイロードから構成される。
【0102】
PADDINGフィールド446は、例示実施形態において、0x00(hex)に設定されるパディングオクテットを含む。PADDINGフィールド446が使用されるのは、基地局4がDATAフィールド418で利用可能なオクテット数よりも少ないデータオクテットを移動局6に伝送するかもしれないからである。これが起きると、PADDINGフィールド446は未使用のデータフィールドを充填するために十分なパディングオクテットを含む。PADDINGフィールド446は可変長でありDATAフィールド444の長さに依存する。
【0103】
パケットフォーマット410および430の最後のフィールドはそれぞれTAILフィールド420および448である。TAILフィールド420および448は各データパケットの終わりでエンコーダ114(図3A参照)を既知の状態にさせるために使用されるゼロ(0x0)コードテールビットを含む。コードテールビットにより、エンコーダ114は1つのパケットからのビットのみが符号化プロセスにおいて使用されるように、パケットを簡潔に分割することができる。コードテールビットはまた、移動局6内のデコーダが復号プロセス中にパケット境界を決定可能にする。TAILフィールド420および448のビット数はエンコーダ114の設計に依存する。例示実施形態において、TAILフィールド420および448はエンコーダ114を既知の状態にさせるのに十分長い。
【0104】
上述した2つのパケットフォーマットはデータおよびシグナリングメッセージの伝送を容易にするために使用することができる例示フォーマットである。特定の通信システムのニーズに合うように種々の他のパケットフォーマットを作ることができる。また、通信システムは上述した2つのパケットフォーマット以上に適応するように設計することができる。
【0105】
IX.順方向リンク制御チャネルフレーム
一実施形態において、トラヒックチャネルはまた基地局4から移動局6にメッセージを伝送するためにも使用される。伝送されるメッセージの種類は:(1)ハンドオフ指示メッセージ、(2)ページングメッセージ(例えばその移動局のキューにデータがある移動局を呼び出す、(3)特定の移動局のためのショートデータパケット、および(4)逆方向リンクデータ伝送(後でここに記載する)のためのACKまたはNACK。他のタイプのメッセージも制御チャネルを介して伝送することができ、この発明の範囲内である。呼のセットアップが完了すると、移動局6はページングメッセージのために制御チャネルを監視し、逆方向リンクパイロット信号の伝送を開始する。
【0106】
例示実施形態において、制御チャネルは図4Aに示すように、トラヒックチャネル上のトラヒックデータと時間多重化される。移動局は所定のPNコードでカバーされたプリアンブルを検出することにより制御メッセージを識別する。例示実施形態において、制御メッセージは取得中に移動局6により決定される固定レートで伝送される。好適実施形態において、制御チャネルのデータレートは76.8Kbpsである。
【0107】
制御チャネルはメッセージを制御チャネルカプセルに伝送する。例示制御チャネルカプセルの図は図4Gに示される。例示実施形態において、各カプセルはプリアンブル462、制御ペイロード、およびCRCパリティビット474から構成される。制御ペイロードは1つ以上のメッセージから構成され、必要であれば、パディングビット472から構成される。各メッセージはメッセージ識別子(MSG ID)464、メッセージ長(LEN)466、オプショナルアドレス(ADDR)468(例えばメッセージが特定の移動局6に向けられているなら)、およびメッセージペイロード470から構成される。例示実施形態において、メッセージはオクテット境界に合わせられる。図4Gに示す例示制御チャネルカプセルはすべての移動局6に向けられた2つのブロードキャストメッセージと特定の移動局6に向けられた1つのメッセージから構成される。MSG IDフィールド464はメッセージがアドレスフィールドを必要とするかどうかを決定する(例えばそれがブロードキャストか特定のメッセージか)。
【0108】
X.順方向リンクパイロットチャネル
例示実施形態において、順方向リンクパイロットチャネルは、初期取得、位相リカバリ(recovery)、タイミングリカバリ、および比率結合のために移動局6により使用されるパイロット信号を供給する。これらの使用は、IS−95規格に準拠するCDMA通信システムの使用に類似する。例示実施形態において、パイロット信号もC/I測定を行なうために移動局6により使用される。
【0109】
順方向リンクパイロットチャネルの例示のブロック図は図3Aに示される。パイロットデータはすべてゼロ(または全て1)のシーケンスから構成され乗算器156に供給される。乗算器156はパイロットデータをウオルシュコードW0でカバーする。ウオルシュコードW0はすべてゼロのシーケンスなので、乗算器156の出力はパイロットデータである。パイロットデータはMUX162により時間多重化され、複素乗算器214(図3B参照)内のショートPNIコードにより拡散されるIウオルシュチャネルに供給される。例示実施形態において、パイロットデータはロングPNコードで拡散されず、MUX234によるパイロットバースト中にゲートオフ(gated off)され、すべての移動局6による受信を可能にする。従ってパイロット信号は変調されないBPSK信号である。
【0110】
パイロット信号を示す図は図4Bに示される。例示実施形態において、各タイムスロットは、タイムスロットの第1の1/4および第3の1/4の終わりで生じる2つのパイロットバースト306aおよび306bから構成される。例示実施形態において、各パイロットバースト306は64チップの持続期間(Tp=64チップ)である。トラヒックデータまたは制御チャネルデータが無い場合に、基地局4はパイロットバーストと電力制御バーストしか伝送せず、1200Hzの周期的なレートでバーストする不連続な波形を生じる。パイロット変調パラメータは表4に示される。
【0111】
XI.逆方向リンク電力制御
現在開示される実施形態において、順方向リンク電力制御チャネルは、移動局6から逆方向リンク伝送の伝送電力を制御するために使用される電力制御コマンドを送信するために使用される。逆方向リンクを介して、各伝送している移動局6はネットワーク内の他の全ての移動局6に対して干渉源として動作する。逆方向リンク上の干渉を最小にし容量を最大にするために、各移動局6の送信電力は2つの電力制御ループにより制御される。例示実施形態において、電力制御ループは、この発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第5,056,109(発明の名称:「CDMAセルラ移動電話システムにおいて伝送電力を制御するための方法および装置」)に開示されたCDMAシステムの電力制御ループと同様である。他の電力制御機構も検討することができ、この発明の範囲内である。
【0112】
第1の電力制御ループは、逆方向リンク信号品質が設定されたレベルに維持されるように移動局6の伝送電力を調節する。信号品質は、基地局4において受信した逆方向リンク信号のビットあたりのエネルギー対雑音プラス干渉比Eb/Ibとして測定される。設定レベルはEb/Io設定ポイントと呼ばれる。第2の電力制御ループは、フレームエラーレート(FER)により測定される所望レベルの性能が維持されるように設定ポイントを調節する。電力制御は逆方向リンクに関して重要である。なぜなら、各移動局6の伝送電力はその通信システム内の他の移動局6に対して干渉であるからである。逆方向リンク伝送電力を最小にすると干渉が低減され、逆方向リンク容量が増大する。
【0113】
第1の電力制御ループ内において、逆方向リンク信号のEbn/Ioは基地局4において測定される。次に、基地局4は測定されたEb/Ioを設定されたポイントと比較する。測定されたEb/Ioが設定されたポイントより大きければ、基地局4は電力制御メッセージを移動局6に伝送し、伝送電力を減少する。あるいは、測定されたEb/Ioが設定されたポイント未満であるならば、基地局4は電力制御メッセージを移動局6に伝送し、電力を増大する。例示実施形態において、電力制御メッセージは1電力制御ビットで実現される。例示実施形態において、電力制御ビットの高い値は、移動局6に伝送電力を増大するように指示し、低い値は移動局6に伝送電力を減少するように指示する。
【0114】
一実施形態において、各基地局4と通信している全ての移動局6のための電力制御ビットは電力制御チャネルを介して伝送される。例示実施形態において、電力制御チャネルは16ビットウオルシュカバーで拡散される最大32の直交チャネルから構成される。各ウオルシュチャネルは1つの逆方向電力制御(RPC)ビットまたは1つのFACビットを定期的な間隔で伝送する。各動作中の移動局6にはその移動局6に向けられたRPCビットストリームの伝送のためにウオルシュカバーとQPSK変調位相(例えば同相または直交)を定義するRPCインデックスが割当てられる。例示実施形態において、0のRPCインデックスがFACビットのために予約される。
【0115】
例示電力制御チャネルのブロック図は図3Aに示される。RPCビットは、各RPCビットを所定回数反復するシンボルリピーター150に供給される。反復されたRPCビットはウオルシュカバーエレメント152に供給される。ウオルシュカバーエレメント152はそのビットをRPCインデックスに対応するウオルシュカバーでカバーする。カバーされたビットは利得エレメント154に供給される。利得エレメント154は一定のトータル伝送電力を維持するように変調前にビットに倍率をかける。例示実施形態において、RPCウオルシュチャネルの利得は正規化されるので、トータルRPCチャネル電力はトータル利用可能伝送電力に等しい。ウオルシュチャネルの利得は、動作中のすべての移動局6に対する信頼できるRPC伝送を維持しながら、トータル基地局伝送電力の有効な利用のために、時間の関数として変化することができる。例示実施形態において、動作していない移動局6のウオルシュチャネル利得はゼロに設定される。RPCウオルシュチャネルの自動電力制御は移動局6からの対応するDRCチャネルからの順方向リンク品質測定の推定値を用いて可能である。利得エレメント154からの倍率のかけられたRPCビットはMUX162に供給される。
【0116】
例示実施形態において、0乃至15のRPCインデックスはそれぞれウオルシュカバーW0乃至W15に割当てられ、スロット内の第1パイロットバースト(図4CのRPCバースト)の周囲に伝送される。16乃至31のRPCインデックスはそれぞれウオルシュカバーW0乃至W15に割当てられ、スロット内の第2パイロットバースト(図4CのRPCバースト308)の周囲に伝送される。例示実施形態において、RPCビットは、同相信号上で変調された偶数ウオルシュカバー(例えばW0,W2、W4など)でBPSK変調されるとともに、直交信号上で変調された奇数ウオルシュカバー(例えばW1、W3、W5など)でBPSK変調される。ピークツーアベレージ包絡線を低減するために、同相および直交電力をバランスすることが望ましい。さらに、復調器位相推定エラーによるクロストークを最小にするために、同相信号および直交信号に直交カバーを割当てることが望ましい。
【0117】
例示実施形態において、最大31のRPCビットが各タイムスロットにおいて、31のRPCウオルシュチャネル上に伝送される。例示実施形態において、15RPCビットは第1のハーフスロット上に伝送され、16RPCビットは第2のハーフスロット上に伝送される。RPCビットは加算器212(図3B参照)により結合され、電力制御チャネルの複合波形は図4Cに示す如くである。
【0118】
電力制御チャネルのタイミング図は図4Bに示される。例示実施形態において、RPCビットレートは600bpsであり、タイムスロットあたり1RPCビットである。各RPCビットは時間多重化され、図4Bおよび4Cに示すように2つのRPCバースト(例えばRPCバースト304aおよび304b)を介して伝送される。例示実施形態において、各RPCバーストは32PNチップ(または2ウオルシュシンボル)の幅(Tpc=32チップ)であり、各RPCビットのトータル幅は64PNチップ(または4ウオルシュシンボル)である。他のRPCビットレートはシンボル反復の数を変えることにより得ることができる。例えば、(最大63の移動局6をサポートするためにまたは電力制御レートを増大させるために)1200bpsのRPCビットレートは第1の組の31RPCビットをRPCバースト304aおよび304bに伝送し、第2の組の32RPCビットをRPCバースト308aおよび308bに伝送することにより得ることができる。この場合、すべてのウオルシュカバーは同相信号および直交信号に使用される。RPCビットのための変調パラメータは表4に要約される。
【0119】
【表4】
各基地局4と通信している移動局6の数は利用可能なRPCウオルシュチャネルの数未満であり得るので、電力制御チャネルはバースト的な性質(bursty nature)を有する。この状況において、いくつかのRPCウオルシュチャネルは利得エレメント154の利得の適切な調節によりゼロに設定される。
【0120】
例示実施形態において、RPCビットは、処理遅延を最小にするように符号化またはインタリーブなしに移動局6に伝送される。さらに電力制御ビットの誤った受信はこの発明のデータ通信システムに有害ではない。何故ならエラーは次のタイムスロットにおいて、電力制御ループにより訂正可能だからである。
【0121】
現在開示した実施形態において、移動局6は逆方向リンクを介して複数の基地局4とソフトハンドオフ状態になることができる。ソフトハンドオフ状態にある移動局の6の逆方向リンク電力制御のための方法および装置は上述した米国特許第5,056,109、およびこの発明の譲受人に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる米国特許第5,267,261に記載されている。ソフトハンドオフ状態にある移動局6はアクティブセットにある基地局4ごとにRPCウオルシュを監視し、上述した米国特許第5,056,109および5,267,261に開示された方法に従ってRPCビットを結合する。第1の実施形態において、移動局6は電力降下コマンドの論理ORを実行する。受信したRPCビットのいずれかが移動局6に伝送電力を低減するように指示すると、移動局6は伝送電力を低減する。第2実施形態において、ソフトハンドオフ状態にある移動局6は硬判定を行なう前にRPCビットの軟判定を結合することができる。受信したRPCビットを処理するための他の実施形態も検討することができ、この発明の範囲内である。
【0122】
一実施形態において、FACビットは相関するパイロットチャネルのトラヒックチャネルが次のハーフフレームに伝送するかどうかを移動局6に示す。FACビットを使用することにより、移動局によるC/I推定が改良され、それゆえ干渉活動の知識をブロードキャストすることによりデータレート要求が改良される。例示実施形態において、FACビットはハーフフレーム境界で変化するだけであり、8つの連続するタイムスロットに対して反復され、75bpsのビットレートを生じる。FACビットのためのパラメータは表4に記載されている。
【0123】
FACビットを用いて、移動局は以下のようにC/I測定を計算することができる。
【0124】
【数3】
ただし、(C/I)iはi番目の順方向リンク信号のC/I測定値であり、Ciはi番目の順方向リンク信号のトータル受信電力であり、Cjはj番目の順方向リンク信号の受信電力であり、Iはすべての基地局4が伝送しているならトータルの干渉であり、αjはj番目の順方向リンク信号のFACビットであり、FACビットに応じて0または1を取り得る。
【0125】
XII.逆方向リンクデータ伝送
現在開示した実施形態において、逆方向リンクは可変レートデータ伝送をサポートする。可変レートにより柔軟性が与えられ、移動局6は、基地局4に伝送されるデータ量に応じて幾つかのデータレートの1つで伝送可能である。例示実施形態において、移動局6はいつでも最も低いデータレートでデータを伝送することができる。例示実施形態において、より高いデータレートでのデータ伝送は基地局4による許可が必要である。この実施は、逆方向リンクリソースの効率的な利用を供給しながら逆方向リンクの伝送遅延を最小にする。
【0126】
逆方向リンクデータ伝送のフロー図の例示を図8に示す。初めに、ブロック802において、スロットnにおいて、移動局6は、上述した米国特許第5,289、527に記載されるようなアクセスプローブを実行し逆方向リンク上に最も低いレートデータチャネルを確立する。ブロック804において同じスロットnにおいて基地局4はアクセスプローブを復調しアクセスメッセージを受信する。ブロック806において、基地局4はデータチャネルのための要求を許可し、スロットn+2において、その許可と、割当てられたRPCインデックスを制御チャネルに伝送する。ブロック808において、スロットn+2において、移動局6はその許可を受信し基地局4により電力制御される。スロットn+3に始まり、移動局6はパイロット信号の伝送を開始し、逆方向リンク上の最も低いレートデータに迅速にアクセスする。
【0127】
移動局6がトラヒックチャネルを有し、高レートデータチャネルを要求するなら、移動局はブロック810においてその要求を開始することができる。ブロック812において、スロットn+3において、基地局4は高速データ要求を受信する。ブロック814において、スロットn+5において、基地局4は許可を制御チャネル上に伝送する。ブロック816において、スロットn+5において、移動局6はその許可を受信し、ブロック818において、スロットn+6で始まる逆方向リンク上の高速データ伝送を開始する。
【0128】
XIII.逆方向リンクアーキテクチャ
現在開示される実施形態のデータ通信システムにおいて、逆方向リンク伝送はいくつかの点で順方向リンク伝送とは異なる。順方向リンクに関して、データ伝送は一般に1つの基地局4から1つの移動局6に生じる。しかしながら、逆方向リンクに関しては、各基地局4は複数の移動局6からのデータ伝送を同時に受信することができる。例示実施形態において、各移動局6は、基地局4に伝送すべきデータ量に応じていくつかのデータレートの1つで伝送することができる。このシステム設計はデータ通信の非対称な特性を反映する。
【0129】
例示実施形態において、逆方向リンク上の時間軸ユニットは順方向リンク上の時間軸ユニットと同一である。例示実施形態において、順方向リンクデータ伝送と逆方向リンクデータ伝送は、1.667msecの持続時間であるタイムスロットを介して生じる。しかしながら、逆方向リンク上でのデータ伝送は一般により低いデータレートで生じるので、効率を改善するためにより長い時間軸ユニットを使用することができる。
【0130】
例示実施形態において、逆方向リンクは2つのチャネルをサポートする:すなわちパイロット/DRC/RRIチャネルとデータチャネルである。これらのチャネルの各々の機能と実施を以下に記載する。パイロット/DRC/RRIチャネルを用いてパイロット信号、DRCメッセージ、およびRRIシンボル(以下に記載)を伝送し、データチャネルを用いてトラヒックデータを伝送する。RRI(リバースレートインジケータ)は逆方向リンクトラヒックチャネルのレートを示す。
【0131】
例示逆方向リンクフレーム構造の図を図7Aに示す。例示実施形態において、逆方向リンクフレーム構造は図4Aに示す順方向リンクフレーム構造と類似している。しかしながら、逆方向リンクに関しては、パイロット/DRC/RRIデータおよびトラヒックデータは同時に同相チャネルおよび直交チャネルに伝送される。一実施形態において、各スロットは2048チップの長さであり、パイロット信号は、64チップの時間間隔ごとにDRCメッセージと時間多重化される。RRIチャネルシンボルはパイロットシンボルの1/16に対するパイロット(スロットの1/30秒)または、スロットあたり1つの64チップ時間間隔にパンクチュアド(puncutured)される。
【0132】
例示実施形態において、移動局6は、移動局6が高速データ伝送を受信しているときはタイムスロットごとにパイロット/DRC/RRIチャネル上にDRCメッセージを伝送する。あるいは、移動局6が高速データ伝送を受信していないとき、パイロット/DRC/RRIチャネル上の全体のスロットはパイロット信号を構成する。パイロット信号は受信している基地局により多数の機能のために使用される:すなわち、初期取得のための補助として、パイロット/DRCおよびデータチャネルのための位相基準として、および閉ループ逆方向リンク電力制御のための源として使用される。
【0133】
例示実施形態において、逆方向リンクの帯域幅は1.2288MHzであるように選択される。この帯域幅を選択することによりIS−95規格に準拠するCDMAシステムの既存のハードウエアが使用可能である。しかしながら、他の帯域幅を利用して容量を増大したりおよび/またはシステム要件に準拠することができる。例示実施形態では、IS−95規格により規定されるものと同じロングPNコードおよびショートPNIコードおよびPNQコードを用いて逆方向リンク信号を拡散する。例示実施形態において、逆方向リンクチャネルはQPSK変調を用いて伝送される。あるいは、OQPSK変調を用いて変調された信号のピークツーアベレージ振幅変化を最小にすることができ、性能を改良することができる。異なるシステム帯域幅、PNコードおよび変調方式の使用を検討することができ、この発明の範囲内である。
【0134】
例示実施形態において、基地局4において測定された逆方向リンク信号のEb/Ioが上述した米国特許第5,506、109で述べられたEb/Io設定ポイントに維持されるように、パイロット/DRC/RRIチャネルおよびデータチャネル上の逆方向リンク伝送の伝送電力が制御される。電力制御は、移動局6と通信している基地局4により維持され、コマンドは上述したようにRPCビットとして伝送される。
【0135】
XIV.逆方向リンクデータチャネル
例示逆方向リンクアーキテクチャのブロック図を図6に示す。データはデータパケットに分割されエンコーダ612に供給される。各データパケットに対して、エンコーダ612はCRCパリティビットを発生し、コードテールビットを挿入し、データを符号化する。例示実施形態において、エンコーダ512は、上述した米国特許出願シリアル番号第08/743,688に開示された符号化フォーマットに従ってパケットを符号化する。他の符号化フォーマットも使用することができ、この発明の範囲内である。エンコーダ612から符号化されたパケットはブロックインターリーバ614に供給され、インターリーバ614はパケット内のコードシンボルを並び替えする。インターリーブされたパケットは乗算器616に供給される。乗算器616はデータをウオルシュカバーでカバーし、カバーしたデータを利得エレメント618に供給する。利得エレメント618はデータレートに関係なく一定のビットEbあたりのエネルギーを維持するためにデータに倍率をかける。利得エレメント618からの倍率のかけられたデータは、データをそれぞれPN_QシーケンスおよびPN_Iシーケンスに拡散する乗算器650bおよび650dに供給する。乗算器650bおよび650dからの拡散データはそれぞれデータを濾波するフィルタ652aおよび652dに供給される。フィルタ652aおよび652bからの濾波された信号は加算器654aに供給され、フィルタ652cおよび652dからの濾波された信号は加算器654bに供給される。加算器654はデータチャネルからの信号をパイロット/DRC/RRIチャネルからの信号と加算する。加算器654aおよび654bの出力はそれぞれIOUTおよびQOUTを構成し、これらは、(順方向リンクのように)同相シヌソイドCOS(wct)および直交シヌソイドSIN(wct)により変調され、加算される(図6には示していない)。例示実施形態において、トラヒックデータはシヌソイドの同相および直交位相の両方に伝送される。
【0136】
例示実施形態において、データはロングPNコードおよびショートPNコードで拡散される。ロングPNコードは、受信している基地局4が送信している移動局6を識別することができるようにデータをスクランブルする。ショートPNコードはシステム帯域幅に対して信号を拡散する。ロングPNシーケンスはロングコードジェネレータ642により発生され乗算器646に供給される。ショートPNIシーケンスおよびPNQシーケンスはショートコードジェネレータ644により発生され、それぞれ乗算器646aおよび646bに供給される。乗算器646aおよび646bは2つの組のシーケンスを乗算して、それぞれPN_I信号およびPN_Q信号を形成する。タイミング制御回路640はタイミング基準を供給する。
【0137】
図6に示すデータチャネルアーキテクチャの例示ブロック図は逆方向リンク上でデータの符号化および変調をサポートする多くのアーキテクチャの1つである。高レートデータ伝送の場合、複数の直交チャネルを利用した順方向リンクのアーキテクチャに類似したアーキテクチャクも使用することができる。IS−95規格に準拠するCDMAシステムにおいて逆方向リンクトラヒックチャネルのような他のアーキテクチャも検討することができ、この発明の範囲内である。
【0138】
例示実施形態において、逆方向リンクチャネルは表5に示す4つのデータレートをサポートする。さらなるデータレートおよび/または異なるデータレートをサポートすることができ、この発明の範囲内である。例示実施形態において、逆方向リンクのためのパケットサイズは、表5に示すようにデータレートに依存する。上述した米国特許第5,933、462に記載されているように、より大きなパケットサイズに対して改善されたデコーダ性能を得ることができる。従って、表5に記載したパケットサイズと異なるパケットサイズを用いて性能を改善することができ、この発明の範囲内である。さらに、パケットサイズをデータレートに関係ないパラメータにすることができる。
【0139】
【表5】
表5に示すように、逆方向リンクは複数のデータレートをサポートする。例示実施形態において、基地局4で登録すると、9.6Kbpsの最も低いデータレートが各移動局に割当てられる。例示実施形態において、移動局6は基地局4からの許可を要求する必要なしに最も低いレートデータチャネル上にデータを伝送することができる。例示実施形態において、より高いデータレートにおけるデータ伝送は、システムローディング、公平、トータルスループットのようなシステムパラメータの組に基づいて選択された基地局4により許可される。高速データ伝送のための例示スケジューリング機構は上述した米国出願シリアル番号第08/798,951に詳細に記載されている。
【0140】
XV.逆方向リンクパイロット/DRC/RRIチャネル
パイロット/DRC/RRIチャネルの例示ブロック図は図6に示される。DRCメッセージはDRCエンコーダ626に供給される。DRCエンコーダ626は所定の符号化フォーマットに従ってメッセージを符号化する。正しくない順方向リンクデータレートの決定はシステムスループット性能に影響を与えるので、DRCメッセージのエラー確立は十分低くする必要があるのでDRCメッセージの符号化は重要である。例示実施形態において、DRCエンコーダ626は3ビットDRCメッセージを8ビットコードワードに符号化するレート(8、4)直交ブロックエンコーダである。符号化されたDRCメッセージは乗算器628に供給される。乗算器628は、DRCメッセージが向けられた送信先基地局4を固有に識別するウオルシュコードでメッセージをカバーする。ウオルシュコードはウオルシュジェネレータ624により供給される。カバーされたDRCメッセージはマルチプレクサ(MUX)630に供給される。MUX630はDRCメッセージをパイロットデータと乗算し、次に8チップウオルシュカバー(図示せず)により乗算される。MUX630により乗算された後、パイロットデータはまた同じ8チップウオルシュカバー(図示せず)により乗算される。RRIシンボルはRRIエンコーダ627に供給される。RRIエンコーダ627は図11を参照して以下に記載する一実施形態に従ってRRIシンボルを符号化する。符号化されたRRIシンボルはMUX630に供給される。MUX630はRRIシンボルをDRCメッセージおよびパイロットデータで多重化し、次に同じ8チップウオルシュカバー(図示せず)により乗算される。RRIメッセージ、DRCメッセージ、およびパイロットデータは乗算器650aおよび650cに供給される。乗算器650aおよび650cはデータをそれぞれPN_I信号およびPN_Q信号で拡散する。従って、パイロットデータ、RRIシンボル、およびDRCメッセージはシヌソイドの同相および直交位相に伝送される。8チップウオルシュカバーは有利にあらかじめ定義されたウオルシュ関数である。一実施形態において、オールゼロのウオルシュ関数が使用される。他の実施形態において、8チップウオルシュカバーは、パイロットデータ、RRIシンボル、およびDRCメッセージ信号がMUX630により乗算される前にパイロットデータ、RRIシンボル、およびDRCメッセージと乗算することができる。
【0141】
例示実施形態において、DRCメッセージは選択された基地局4に伝送される。これは、DRCメッセージを、選択された基地局4を識別するウオルシュコードでカバーすることにより達成される。例示実施形態において、ウオルシュコードは128チップの長さである。128チップウオルシュコードの導出は技術的に知られている。移動局6と通信している各基地局4に1つの固有のウオルシュコードが割当てられる。各基地局4はDRCチャネル上の信号をその割当てられたウオルシュコードでデカバーする。選択された基地局4はDRCメッセージをデカバーすることができ、DRCメッセージに応答して順方向リンクを介して要求している移動局6にデータを伝送する。他の基地局4は、これらの基地局4には異なるウオルシュコードが割当てられているので、要求されたデータレートが自分達に向けられたものではないことを判断することができる。例示実施形態において、データ通信システム内のすべての基地局4に対する逆方向リンクショートPNコードは同じであり、異なる基地局4を識別するためにショートPNシーケンスにオフセットは無い。データ通信システムは逆方向リンクを介してソフトハンドオフを有利にサポートする。オフセットなしの同じショートPNコードを用いることにより、複数の基地局4はソフトハンドオフの期間移動局6から同じ逆方向リンク伝送を受信する。ショートPNコードはスペクトル拡散を供給するが、基地局4の識別を可能にしない。
【0142】
例示実施形態において、DRCメッセージは移動局6により、要求されたデータレートを運ぶ。他の実施形態において、DRCメッセージは順方向リンク品質(例えば、移動局6により測定されたC/I情報)の表示を運ぶ。移動局6は1つ以上の基地局4からの順方向リンクパイロット信号を受信し、各受信したパイロット信号について、C/I測定を行なう。次に、移動局6は現在および以前のC/I測定値を構成することのできるパラメータの組に基づいて最良の基地局4を選択する。レート制御情報は、いくつかの実施形態の1つにおいて基地局4に運ぶことのできるDRCメッセージにフォーマット化される。
【0143】
第1の実施形態において、移動局6はDRCメッセージを要求されたデータレートに基づいて伝送する。要求されたデータレートは最高のサポートされたデータレートであり、移動局6により測定されるC/Iにおいて満足のいく性能を生じる。このC/I測定から、移動局6は最初に満足のいく性能を生じる最大データレートを計算する。次に、最大データレートはサポートされたデータレートのうちの1つに量子化され、要求されたデータレートとして指定される。要求されたデータレートに対応するデータレートインデックスは選択された基地局4に伝送される。サポートされたデータレートの例示組および対応するデータレートインデックスは表1に示される。
【0144】
移動局6が順方向リンク品質の表示を選択された基地局4に伝送する第2実施形態において、移動局6はC/I測定の量子化された値を表すC/Iインデックスを伝送する。C/I測定値は表にマッピングすることができ、C/Iインデックスと相関させることができる。C/Iインデックスを表すためにより多くのビットを用いることによりC/I測定値のより細かい量子化が可能となる。また、マッピングは線形または非線形であり得る。線形マッピングの場合、C/Iインデックスの各増分は対応するC/I測定値の増分を表す。例えば、C/Iインデックスの各ステップはC/I測定値の2.0dB増分値を表すことができる。非線形マッピングの場合には、C/Iインデックスの各増分はC/I測定値の異なる増分を表すことができる。一例として、非線形のマッピングを用いてC/I測定値を量子化し、図10に示すようにC/I分布の累積分布関数(CDF)に一致させることができる。
【0145】
移動局6から基地局4にレート制御情報を運ぶ他の実施形態を検討することができ、この発明の範囲内である。さらにレート制御情報を表すために異なるビット数を使用することもこの発明の範囲内である。明細書の大部分において、現在開示されている実施形態は第1の実施形態、すなわち要求されたデータレートを運ぶためにDRCメッセージを使用することに関連して記載され、簡便化を図っている。
【0146】
例示実施形態において、C/I測定はCDMAシステムで使用される方法と同様の方法で順方向リンクパイロット信号を介して実行することができる。C/I測定を行なうための方法および装置は、この発明の譲受人に譲渡され,参照することによりここに組み込まれる、1999年5月11日に発行された米国特許第5,903,554(発明の名称:「スペクトル拡散通信システムにおいてリンク品質を測定するための方法および装置」)に開示されている。要約すれば、パイロット信号についてのC/I測定値は受信した信号をショートPNコードでデカバーすることにより得ることができる。C/I測定の時間と実際のデータ伝送の時間との間でチャネル条件が変化するなら、パイロット信号のC/I測定は不正確さを含み得る。一実施形態において、FACビットを使用することにより、移動局6は要求されたデータレートを判断するとき順方向リンク活動を考慮することができる。
【0147】
他の実施形態において、C/I測定は順方向リンクトラヒックチャネル上で実行することができる。トラヒックチャネル信号は最初にロングPNコードおよびショートPNコードで逆拡散され、ウオルシュコードでデカバーされる。データチャネル上の信号についてのC/I測定はより正確である。なぜなら、大きなパーセンテージの伝送した電力がデータ伝送のために割当てられるからである。移動局6による受信した順方向リンク信号のC/Iを測定するための他の方法も検討することができ、この発明の範囲内である。
【0148】
例示実施形態において、DRCメッセージはタイムスロットの最初の半分で伝送される(図7A参照)。1.667msecの例示タイムスロットの場合、DRCメッセージは最初の1024チップまたはタイムスロットの0.83msecから構成される。残りの1024チップの時間は基地局4がメッセージを復調し復号するために使用される。タイムスロットの早期の部分でのDRCメッセージの伝送により基地局4は同じタイムスロット内でDRCメッセージを復号し、恐らくすぐ隣の連続したタイムスロットで要求されたデータレートでデータを伝送することができる。短い処理遅延により、この発明の通信システムは動作環境の変化に迅速に対応することができる。
【0149】
他の実施形態において、要求されたデータレートは絶対参照および相対参照の使用により基地局4に運ばれる。この実施形態において、要求されたデータレートからなる絶対参照は周期的に伝送される。絶対参照は、基地局4が移動局6により要求された正確なデータレートを判定することを可能にする。絶対参照の伝送間のタイムスロット毎に、移動局6は、次のタイムスロットに対する要求されたデータレートが以前のタイムスロットの要求されたデータレートより高いか、低いか、同じかを示す相対参照を基地局4に伝送する。周期的に移動局6は絶対参照を伝送する。データレートインデックスを周期的に伝送することにより、要求されたデータレートを既知の状態に設定可能であり、相対参照の誤った受信が堆積しないことを保証する。絶対参照および相対参照の使用は、基地局6へのDRCメッセージの伝送レートを低減することができる。要求されたデータレートを伝送するための他のプロトコルも検討することができ、この発明の範囲内である。
【0150】
XVI.逆方向リンクRRI符号化
例示実施形態において、RRIエンコーダ627はコードワード反復ジェネレータ1004に接続されたエンコーダ1002を含む。16スロットパケットあたり1つの3−ビットRRIシンボルがエンコーダ1002に供給される。一実施形態において、エンコーダ1002は(32,3)線形ブロックエンコーダである。エンコーダ1002は以下に記載するようにパケットあたり32バイナリRRIシンボルを発生し、符号化されたRRIシンボルをコードワード反復ジェネレータ1004に供給する。一実施形態において、コードワード反復ジェネレータ1004は符号化されたRRIシンボルの因数4反復を実行し、それによりパケットあたり128バイナリRRIシンボルを発生する。符号化され、反復されたRRIシンボルはMUX630に供給される。MUX630はRRIシンボルをパイロットシンボルとDCRシンボルで多重化する。MUX630から出力された多重化されたデータストリームは信号ポイントマッピングロジック1006に供給される。信号ポイントマッピングロジック1006は、一実施形態に従って、デジタルゼロを+1値に、デジタル1をー1値にマッピングする。シグナルポイントマッピングロジック1006は多重化されたパイロット、DRC、およびRRI値を乗算器1008に供給する。乗算器1008はまた8チップウオルシュ関数も受信する。8チップウオルシュ関数は8プラス1値の有利にあらかじめ定義されたウオルシュ関数である。一実施形態において、乗算器1008はウオルシュ関数を多重化されたパイロット、DRC、およびRRI値と乗算し、1.2288メガチップ/秒のチップレートで出力データストリームを出力する。
【0151】
従って、RRIエンコーダ627は、(32,3)線形符号化からなる(128,3)符号化を行い、その後で4の因数を有したコードワード反復を行なう。有利に、パンクチャリングは必要ない。すべての反復はコードワード反復である。(32,3)コードは重みゼロの1コードワード、重み18の6コードワード、および重み20の1コードワードを有した重量分布を有する。4回の反復の後、重量は4倍になっている。当業者は、(n、k)符号化(または(n、k)コーディング)は、kビットが符号化されk/nのコードレートを有したnシンボル(nはkより大きい)を出力することを理解するであろう。さらに、当業者は、所定のコードワードの重みはコードワードのデジタル1の数の合計に等しいことを理解する。(32,3)線形コードは、以下の3×32ジェネレータマトリクス、G:の観点から記載することができる。
【0152】
【数4】
ジェネレータマトリクスGにおいて3つの行のいずれかにある30のシンボルg29乃至g0(左から右)はgと表示することができる。ジェネレータマトリクス、Gの1行目は単にg00である。2行目は0g0である。3行目は00gである。一実施形態において、gのバイナリ値は16進表示で2492DBBFに等しい。8コードワードはジェネレータマトリクス、Gの8つの全組合せであり、行のビット毎のイクスクルーシブOR(XOR)結合(すなわち、summing mod 2)を有し、適当な行が3ビット入力RRIシンボル値に基づいてオンまたはオフされる。一実施形態に従って、マッピングを下記表6に示す。左列は3ビット入力RRIシンボル値を示し、右列はエンコーダ1002から出力された相関するコードワードを示し、ジェネレータマトリクス、Gの最下行はgとして使用することができる。
【0153】
【表6】
gの特定値は異なるコードワード間で最大の可能な距離を得るように有利に選択される。コードワード間の距離は2つのコードワードが異なる出力シンボル位置の数である。より大きな距離は雑音が存在する場合に2つのコード間を区別するのをより容易にする。(32,3)線形ブロックコードの場合、異なるコード間の最大の可能な距離は、A.E. Brouwer & T.Verhoeff著「バイナリコードのための最小距離境界の更新された表」IEEE Trans. on Information Theory, Vol. 39, No. 2, Mar. 1993の662頁乃至677頁に記載されているように18である。4回の反復の後、距離は(128,3)コードで72である。(上述した(32,3)コードは、4回のコードワードの反復の後、重みゼロを有した1コードワード、重み72(18×4)を有した6コードワード、および重み80(20×4)を有した1コードワード重量分布を有することを思い起こす)。
【0154】
当業者は、他のブロックサイズおよび反復因子を採用することができる(より小さな反復因子を有したより大きなブロックサイズまたはより大きな反復因子を有したより小さなブロックサイズ)ことを認識するであろう。一実施形態において、(128,3)コードは(8,3)線形ブロックコードおよび16の反復因子を用いて形成され、64の距離を生じる。他の実施形態において、(128,3)コードは(8,3)線形ブロックコードおよび8の反復因子を用いて形成され、64の距離を生じる。図11を参照して上述した実施形態において、(128,3)コードは(32,3)線形ブロックコードおよび4の反復因子を用いて形成され、72の距離を生じる。他の実施形態において、(128,3)コードは(32,3)線形ブロックコードおよび4の反復因子を用いて形成され、72の距離を生じる。他の実施形態において、(128,3)コードは(64,3)線形ブロックコードおよび2の反復因子を用いて形成され、72の距離を生じる。他の実施形態において、(128,3)コードは反復を用いずに形成され、72の距離を生じる。他の実施形態において、以下に記載するように、(133,3)コードは(7,3)線形ブロックコードおよび19の反復因子を用いて形成され、(76の最小距離を生じる)。次に、(133,3)コードが5つの指定されたシンボルロケーションにおいてパンクチュアドされ(128,3)を生成する。
【0155】
上述した最後の他の実施形態において、RRIシンボルは(7,3)シンプレックスエンコーダ(simplex encoder)に供給される。(7,3)シンプレックスエンコーダはコードワード毎の最初のシンボルをパンクチャ(puncturing)することにより直交コードから有利に構成される。次に符号化されたシンボルは、19の反復因子を有するコードワード反復ジェネレータに供給される。コードワード反復ジェネレータからの出力はシンボルパンクチャリングロジックに供給される。シンボルパンクチャリングロジックは各コードワードのあらかじめ選択されたシンボルに関して5シンボルパンクチャリングを実行する。この実施形態の不利点はパンクチャリング(およびそれゆえより大きなコーダの複雑さ)が、(128,3)コードを得るために必要となることである。
【0156】
XVII.逆方向リンクアクセスチャネル
アクセスチャネルは登録フェーズの期間基地局4にメッセージを伝送するために移動局6により使用される。例示実施形態において、アクセスチャネルは図7Bに示すように、スロットを有した構造を用いて実現される。各スロットは移動局6により無作為にアクセスされる。例示実施形態において、アクセスチャネルは、DRCチャネルと時間多重化される。
【0157】
例示実施形態において、アクセスチャネルはメッセージをアクセスチャネルカプセルで伝送する。例示実施形態において、アクセスチャネルフレームフォーマットはIS−95規格により規定されるものと同じである。ただし、タイミングは、IS−95規格では20msecフレームであるが、本発明の実施形態では26.67msecフレームである。例示アクセスチャネルカプセル712の図を図7Bに示す。例示実施形態において、各アクセスチャネルカプセル712はプリアンブル722、1つ以上のメッセージカプセル724、およびパディングビット726から構成される。各メッセージカプセル724はメッセージ長(MSG LEN)フィールド732、メッセージ本体734、およびCRCパリティビット736から構成される。
【0158】
XVIII.逆方向リンクNACKチャネル
一実施形態において、移動局6はNACKメッセージをデータチャネルに伝送する。NACKメッセージは移動局6によりエラーで受信された各パケットに対して発生される。例示実施形態において、NACKメッセージは上述した米国特許第5,504,773に開示されたブランクアンドバーストシグナリングデータフォーマット(Blank and Burst signaling format)を用いて伝送することができる。
【0159】
現在開示される実施形態はNACKプロトコルとの関連で記載したが、ACKプロトコルの使用を検討することもでき、この発明の範囲内である。
【0160】
XIX.結論
従って、新規で改良された、最大距離およびレート3/128ブロックコーディング方式について述べた。ここに記載した実施形態において、移動局6は加入者装置と呼ぶこともできる。加入者装置は、例えば無線電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、コンピュータに接続された電話、ハンズフリーカーキットに接続された受話器、または何らかの既知の形態のアクセス端末であり得る。当業者は、上述した記載を通して参照されるかもしれないデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは有利に、電圧、電流、電磁波、磁界または磁気粒子、オプティカルフィールド(optical field)またはオプティカル粒子またはそれらの組合せにより表されることを理解するであろう。当業者はさらに、ここに開示された実施形態に関連して記載された種々の実例となる論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは電子ハードウエア、コンピュータソフトウエアまたはその両方の組合せとして実現可能であることを理解するであろう。種々の実例となる部品、ブロック、モジュール、回路およびステップは一般にそれらの機能の観点から記載した。機能性がハードウエアとしてまたはソフトウエアとして実現されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられた設計制約に依存する。熟練工は、これらの環境下でのハードウエアとソフトウエアの互換性を認識し、各特定のアプリケーションに対して記載した機能性をどのように最善に実現するかを認識する。例として、ここに開示した実施形態に関連して記載された種々の実例となる論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、例えばレジスタおよびFIFOのようなディスクリートハードウエアコンポーネント、ファームウエア命令セットを実行するプロセッサ、何らかの一般的なプログラマブルソフトウエアモジュールおよびプロセッサ、または、ここに記載した機能を実行するように設計されたいずれかの組合せを用いて実現または実行できる。プロセッサは有利にマイクロプロセッサで有り得るが、別の方法では、プロセッサは、何らかの一般的なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。ソフトウエアモジュールはRAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、着脱可能ディスク、CD−ROM、または技術的に知られている何らかの他の形態の記憶媒体に常駐させることができる。例示プロセッサは有利に記憶媒体と接続され、記憶媒体から情報を読み、記憶媒体に情報を書き込む。別の方法では、記憶媒体はプロセッサと一体化することができる。プロセッサと記憶媒体をASICに駐在させることができる。ASICは電話に駐在させることができる。別の方法では、プロセッサと記憶媒体を電話に駐在させることができる。プロセッサはDSPとマイクロプロセッサの組合せとして、またはDSPコアと連動して2つのマイクロプロセッサとして、等実現可能である。
【0161】
好適実施形態の上述した記載は技術的に熟達した人がこの発明を作成し使用可能にするために提供される。これらの実施形態に対する種々の変形例は当業者には即容易であり、発明力の使用なしに他の実施形態に適用可能である。従って、この発明は、ここに示した実施形態に限定されることを意図したものではなく、ここに開示された原理および新規な特徴に一致する最も広い範囲に一致する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は複数のセル、複数の基地局および複数の移動局から構成されるデータ通信システムの図である。
【図2】
図2は図1のデータ通信システムのサブシステムの例示ブロック図である。
【図3A】
図3Aは例示順方向リンクアーキテクチャのブロック図である。
【図3B】
図3Bは例示順方向リンクアーキテクチャのブロック図である。
【図4A】
図4Aは例示順方向リンクフレーム構造の図である。
【図4B】
図4Bは例示順方向トラヒックチャネルの図である。
【図4C】
図4Cは例示電力制御チャネルの図である。
【図4D】
図4Dはパンクチュアドパケットの図である。
【図4E】
図4Eはそれぞれ2つの例示データパケットフォーマットおよび制御チャネルカプセルの図である。
【図4F】
図4Fはそれぞれ2つの例示データパケットフォーマットおよび制御チャネルカプセルの図である。
【図4G】
図4Gはそれぞれ2つの例示データパケットフォーマットおよび制御チャネルカプセルの図である。
【図5】
図5は順方向リンクでの高レートパケット伝送を示す例示タイミング図である。
【図6】
図6は例示逆方向リンクアーキテクチャのブロック図である。
【図7A】
図7Aは例示逆方向リンクフレーム構造の図である。
【図7B】
図7Bは例示逆方向リンクアクセスチャネルの図である。
【図8】
図8は逆方向リンクでの高レートデータ転送を示す例示タイミング図である。
【図9】
図9は移動局の種々の動作状態間の遷移を示す例示状態図である。
【図10】
図10は理想的な六角形セルラレイアウトのC/I分布の累積分布関数(CDF)の図である。
【図11】
図11は図6の逆方向リンクアーキテクチャの逆方向レートインジケータ(RRI)のブロック図である。
Claims (33)
- 複数のコードワードを発生するためにデータをブロック符号化し;および
各コードワードを所定回数反復する;
ことから構成されるデータを符号化する方法。 - 前記ブロック符号化は3行および32列の行列としてデータを符号化することから構成される請求項1の方法。
- 前記所定回数は4である、請求項1の方法。
- 前記ブロック符号化は3行および32列のマトリクスとしてデータを符号化することから構成され、前記所定回数は4である、請求項1の方法。
- 前記行列の各行2つのゼロと2492DBBFの16進値を有する、請求項4の方法。
- 前記行列の第1行は左から右に2492DBBFの16進値を有する2進数であり、2つのゼロが続き、前記行列の第2行は左から右に、2つのゼロの1番目であり、それに続いて2492DBBFの16進値を有する2進数が続き、その後に前記2つのゼロの2番目が続き、および前記行列の3行目は2つのゼロでありそれに続いて2492DBBFの16進値の2進数が続く、請求項5の方法。
- 前記ブロック符号化は3行および8列の行列としてデータを符号化することから構成され、前記所定回数は16である、請求項1の方法。
- 前記ブロック符号化は3行および16列の行列としてデータを符号化することから構成され、前記所定回数は8である、請求項1の方法。
- 前記ブロック符号化は3行および64列の行列としてデータを符号化することから構成され、前記所定回数は2である、請求項1の方法。
- 前記ブロック符号化は3行および128列の行列としてデータを符号化することから構成され、前記所定回数はゼロである、請求項1の方法。
- 前記ブロック符号化は3行および7列の行列としてデータを符号化し、前記所定回数は11であり、反復されたコードワードの各セットは5つのロケーションでパンクチャリングすることをさらに具備する、請求項1の方法。
- 前記データは、データ通信システムの加入者装置からの伝送データレートインジケータから構成される、請求項1の方法。
- 符号化された、反復されたレートインジケータデータを、符号化されたレート要求メッセージおよびパイロット信号と多重化し、多重化された信号を発生する、請求項12の方法。
- 前記多重化された信号を直交コードでカバーすることをさらに具備する、請求項13の方法。
- 前記直交コードは8チップを有するウオルシュ関数である、請求項14の方法。
- データをブロック符号化し、複数のコードワードを発生する手段と;および
各コードワードを所定回数反復する手段と;
から構成される加入者装置。 - 前記ブロック符号化手段は、3行および32列の行列としてデータを符号化する手段から構成され、前記所定回数は4であり、前記行列の第1行は左から右に2492DBBFの16進値を有する2進数であり、その後に2つのゼロが続き、前記行列の第2行は左から右に第1のゼロであり、その後に2492DBBFの16進値の2進数が続き、その後に第2のゼロが続き、前記行列の第3行は左から右に2つのゼロであり、その後に2492DBBFの16進値の2進数が続く、請求項16の加入者装置。
- プロセッサと;および
前記プロセッサと接続され、前記プロセッサにより実行可能な命令セットを含み、データをブロック符号化し、複数のコードワードを発生し、各コードワードを所定回数反復する記憶媒体と;
から構成される加入者装置。 - 前記命令セットはさらに、各コードワードを4回反復し、3行×32列の行列としてデータを符号化するために前記プロセッサによりさらに実行可能であり、前記行列の第1行は左から右に2492DBBFの16進値を有する2進数であり、その後に2つのゼロが続き、前記行列の第2行は左から右に第1のゼロであり、その後に2492DBBFの16進値の2進数が続き、その後に第2のゼロが続き、前記行列の第3行は左から右に、2つのゼロであり、その後2492DBBFの16進値の2進数が続く。
- ブロックエンコーダと;および
前記ブロックエンコーダに接続されたコードワード反復ジェネレータと;
から構成されるデータ伝送システム。 - 前記ブロックエンコーダは、3行および32列の行列としてデータを符号化することにより少なくとも1つのコードワードを発生するように構成された(32,3)線形ブロックエンコーダから構成され、前記コードワード反復ジェネレータは各コードワードを所定回数反復するように構成される、請求項20のデータ伝送システム。
- 前記コードワード反復ジェネレータは各コードワードを4回反復するように構成される、請求項21のデータ伝送システム。
- 前記行列の各行は2つのゼロと2492DBBFの16進値の2進数から構成される、請求項22のデータ伝送システム。
- 前記行列の第1行は左から右に2492DBBFの16進値の2進数であり、その後の2つのゼロが続き、前記行列の第2行は左から右に2つのゼロの第1であり、その後に、2492DBBFの16進値の2進数が続き、その後に2つのゼロの第2が続き、前記行列の第3行は左から右に2つのゼロであり、その後に2492DBBFの16進値を有する2進数が続く、請求項23のデータ伝送システム。
- 前記ブロックエンコーダは、3行および8列の行列としてデータを符号化することにより少なくとも1つのコードワードを発生するように構成される(8、3)線形ブロックエンコーダから構成される、請求項20のデータ伝送システム。
- 前記ブロックエンコーダは、3行および16列の行列としてデータを符号化することにより少なくとも1つのコードワードを発生するように構成される(16,3)線形ブロックエンコーダから構成され、前記コードワード反復ジェネレータは各コードワードを8回反復するように構成される、請求項20のデータ伝送システム。
- 前記ブロックエンコーダは3行および64列の行列としてデータを符号化することにより少なくとも1つのコードワードを発生するように構成される(64,3)線形ブロックエンコーダから構成され、前記コードワード反復ジェネレータは各コードワードを2回反復するように構成される、請求項20のデータ伝送システム。
- 前記ブロックエンコーダは3行および128列のマトリクスとしてデータを符号化することにより少なくとも1つのコードワードを発生するように構成される(128,3)線形ブロックエンコーダから構成され、前記コードワード反復ジェネレータは各コードワードをゼロ回反復するように構成される。請求項20のデータ伝送システム。
- 前記ブロックエンコーダは3行および7列の行列としてデータを符号化することにより少なくとも1つのコードワードを発生するように構成される(7,3)線形ブロックエンコーダから構成され、前記コードワード反復ジェネレータは、少なくとも1つのコードワードを19回反復することにより少なくとも1つの反復コードワードセットを発生するように構成され、前記データ伝送システムはさらに、前記コードワード反復ジェネレータと接続され、前記少なくとも1つの反復コードワードセットを5つのロケーションにパンクチャするように構成されるシンボルパンクチャリングエレメントをさらに具備する、請求項20のデータ伝送システム。
- 前記データは、データ通信システムの加入者装置からの伝送データレートインジケータから構成され、前記データ伝送システムは前記加入者装置に駐在する、請求項21のデータ伝送システム。
- 前記コードワード反復ジェネレータに接続され、符号化され、反復されたレートインジケータデータを符号化されたレート要求メッセージおよびパイロット信号と多重化し、多重化された信号を発生するマルチプレクサをさらに具備する、請求項30のデータ伝送システム。
- 前記マルチプレクサと接続され、多重化された信号の各ビットを直交コードと乗算するように構成された乗算器をさらに具備する、請求項31のデータ伝送システム。
- 前記直交コードは8チップを有するウオルシュ関数である、請求項32のデータ伝送システム。
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