JP2004513369A5 - - Google Patents

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【書類名】明細書
【発明の名称】血小板活性の測定方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】少なくとも1つの血小板球状化を行う成分と、少なくとも1つの血小板拮抗物質とを有する組成物中に懸濁された血小板の平均屈折率を測定することからなる、血小板活性の測定方法。
【請求項2】前記1ないしそれ以上の血小板拮抗物質が、
a) テオフィリン、
b) アデノシンおよび/または2−クロロアデノシン、
c) ジピリダモール、および
d) クエン酸塩
のうちの1ないしそれ以上を含むものである請求項1に記載の方法。
【請求項3】前記1ないしそれ以上の血小板拮抗物質が、
a) テオフィリン、
b) アデノシンおよび/または2−クロロアデノシン、
c) ジピリダモール、および
d) クエン酸塩
のうちの2ないしそれ以上を含むものである請求項1に記載の方法。
【請求項4】前記1ないしそれ以上の血小板拮抗物質が、
a) テオフィリン、
b) アデノシンおよび/または2−クロロアデノシン、
c) ジピリダモール、および
d) クエン酸塩
のうちの3ないしそれ以上を含むものである請求項3に記載の方法。
【請求項5】前記1ないしそれ以上の血小板拮抗物質が、
a) テオフィリン、
b) アデノシンおよび/または2−クロロアデノシン、
c) ジピリダモール、および
d) クエン酸塩
を含むものである請求項4に記載の方法。
【請求項6】前記1ないしそれ以上の血小板球状化を行う成分が、キレート剤を含むものである請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】前記キレート剤が、EDTAおよびEGTAの一方または双方である請求項6に記載の方法。
【請求項8】前記組成物がEDTAとCTADの混合物を有するものである請求項1ないし7のいずれか1つに記載の血小板活性の測定方法。
【請求項9】平均屈折率が、入射光ビームに対して2つの異なる角度で光散乱を計測することにより測定されるものである請求項1ないし8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】前記2つの異なる角度が、入射光ビームの方向に対して2〜3°の角度と5〜15°の角度である請求項9に記載の方法。
【請求項11】前記屈折率測定が、瀉血後30〜60分の時間に行われるものである請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】瀉血と測定との間、抗凝固化血液試料が0℃〜10℃の温度に保持されるものである請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】1ないしそれ以上の血小板球状化を行う成分と、2ないしそれ以上の血小板拮抗物質とを有する血液抗凝固組成物であって、前記2ないしそれ以上の血小板拮抗物質が、
a) テオフィリン、
b) アデノシンおよび/または2−クロロアデノシン、
c) ジピリダモール、および
d) クエン酸塩
のうちの2ないしそれ以上を含むものである血液抗凝固組成物。
【請求項14】前記2ないしそれ以上の血小板拮抗物質が、
a) テオフィリン、
b) アデノシンおよび/または2−クロロアデノシン、
c) ジピリダモール、および
d) クエン酸塩
のうちの3ないしそれ以上を含むものである請求項13に記載の組成物。
【請求項15】前記2ないしそれ以上の血小板拮抗物質が、
a) テオフィリン、
b) アデノシンおよび/または2−クロロアデノシン、
c) ジピリダモール、および
d) クエン酸塩
を含むものである請求項14に記載の組成物。
【請求項16】前記1ないしそれ以上の血小板球状化を行う成分がキレート剤を含むものである請求項13ないし15に記載の組成物。
【請求項17】前記キレート剤が、EDTAおよびEGTAの一方または双方である請求項16に記載の組成物。
【請求項18】EDTAとCTADの混合物を有するものである請求項17に記載の組成物。
【請求項19】瀉血と血小板活性の測定との間に血液試料を抗凝固状態に保持するための、請求項13ないし18のいずれか1つに記載の血液抗凝固組成物の使用。
【請求項20】請求項13ないし18のいずれか1つに記載の血液抗凝固組成物中に懸濁された白血球の白血球活性化指標を計測することからなる、白血球活性を測定する方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、血小板活性の測定に関し、特に、いわゆる「平均血小板成分(
mean platelet component)」を測定することにより行われる、このような測定に関するものである。
【0002】
複数の研究は、血小板活性の指標の測定が、血栓性およびその他の疾患からの危険性から患者を臨床的に評価するにおいて、利点を提供するであろうことを示唆している(Macey, M. G., Carty, E., Webb, L., Chapman, E. S., Zelmanovic D., Okrongly, D., Rampton, D. S., Newland, A. C. (1999) "Use of mean platelet component to measure platelet activation on the ADVIA 120 Haematology System" Cytometry, 38,250-255.; Mody, M., Lazarus, A. H., Semple, J. W. Freedman, J. (1999) "Pre-analytical requirements for flow cytometric evaluation of platelet activation: choice of anticoagulant." Transfusion Medicine 9, 147-154)。
【0003】
平均血小板成分(”MPC”)は、バイエル アクチエンゲゼルシヤフト(Bayer AG)によって製造された、一般的に用いられているADVIA 120TM ヘマトロジーシステム(Haematology System)のような、標準的研究室用血液学分析機によって測定することができるパラメーターである。MPCは血小板の平均屈折率の尺度であり、そして血小板活性の尺度としてのその値は、上記に言及したマーシー(Macey)らの論文において既に提唱されている。ウシ トロンビンによる全血中の正常血小板の生体外刺激は、CD62P(活性の尺度である)の増大した血小板発現、およびMPCにおける夾雑物減少を導く、活性化という結果となる。この応答は、投薬量および時間依存性である。
【0004】
ADVIA 120 ヘマトロジーシステムは、レーザーダイオード、フローセルおよび検出器部品群からなるレーザー光学作業台を有している。レーザーダイオードは、前記フローセル上へと集束された単色光を形成するために用いられるものである。光のミー散乱理論によると、均一均質球体によってある特定の角度で散乱された単色光の強度は、その容積および該球体とこの球体が懸濁された媒体との間の平均屈折率(RI)の差にのみ依存するものである。このことは、2つの未知数、容積およびRI、のみの関数である、与えられた角度間隔内での単色散乱光の強度に関する方程式を与える。2つの適当な異なる角の間隔で光散乱を測定することで、光が数値的に解き得る2つの未知数を有する2つの式を得ることができる。これが、ADVIA 120 ヘマトロジーシステムの赤血球および血小板測定値の基礎である(Tycko, D. H., Metz, M. H., Epstein, E. A., Grinbaum, A. (1985)"Flow cytometric light scattering measurement of red cell volume and hemoglobin concentration."Applied Optics, 24,1355-1360; Zelmanovic, D., Colella, G. M., Hetherington, E. J., Chapman, S. E., Paseltiner, L. (1998)"Automated method and device for identifying and quantifying platelets and for determining platelet activation state using whole blood samples."US-A- 817,519; Kunicka, J. E., Fischer, G., Murphy, J. and Zelmanovic, D. (2000)"Improved platelet counting using two-dimensional laser light scatter."American Journal of Clinical Pathology 114,283289)。
【0005】
ADVIA 120はまた、細胞1つごとに基づく、血小板の量およびRIを測定する。それらが光学フローセルを通過する際に、血小板はフォトダイオードによって発されるモノクロの675±10nmレーザー光の入射光を遮断する。システムは、2〜3°および5〜15°の範囲において散乱する光の強度を計測する。この一対の散乱光強度値は、均一な球形の分子のためのミー散乱理論に基づくルックアップ表を参照することで分子量およびRI値に変換される。RIからの水(1.333)の屈折率を減じ、平均屈折率増加(0.0018dL/g)によって、差を割ることによって、血小板RI値は、平均血小板成分(Mean Platelet Component: MPC)濃度に変換される(Zelmanovic et al., 1998)。この定数は、血小板の主な構成要素、すなわちタンパク質、脂質および炭水化物に関する加重平均屈折率増加から導き出される(Armstrong, S. H., Budka, M. J. E., Morrison, K. C., Hasson, M. 1947) "Preparation and properties of serum and plasma proteins. The refractive properties of the proteins of human plasma and certain purified fractions."Journal of the American Chemistry Society, 69,1747-1753; Barer, R., Joseph, S. (1954) "Refractometry of living cells."Quarterly Journal of Microscopical Science, 95,399-423; Zelmanovic et al., 1998)。最近の証拠も、血小板密度(分散勾配によって分離された)(Corash, L., Tan, H., Gralnick, H. (1997)"Heterogeneity of human whole blood platelet sub-populations. I. Relationship between buoyant density, cell volume, and ultrastructure."Blood, 49,71-87)とMPC (Chapman, E. S., Lerea, K. M., Kirk, R., Sorette, M. P., Sanjay, N. S., Zelmanovic, D. (1998) "Monitoring in vitro and ex vivo platelet activity: comparison of alpha granule release, density distribution, platelet adhesion and mean platelet component concentration (MPC)."Blood, 92, Suppl. 1,68B, Abstract 3273)との間の正比例関係を示している。
【0006】
平均血小板質量(MPM、pg)は平均PV(MPV)およびMPCから算出される。各パラメータに関する平均値が表にされると共に、個々の血小板に関するデータが細胞所見おいて提示される((Zelmanovic, D., Colella, G. M., Hetherington, E. J., Chapman, E. S., Paseltiner, L. (1998)"Automated method and device for identifying and quantifying platelets and for determining platelet activation state using whole blood samples". US-A5817519)。
【0007】
静脈切開においてすみやかにないしは直後に、血小板活性化が起こり、そして血小板のこの特徴は生体外分析を困難とする。しかしながら、この生体外での活性化の程度は、血液が採取されたところに添加される抗凝固剤に依存する((Kuhne, T., Hornstein, A., Semple, J., Chang, W., Blanchette, V., Freedman, J. (1995)"Flow cytometric evaluation of platelet activation in blood collected into EDTA vs. Diatube H, a sodium citrate solution supplemented with theophylline, adenosine, and dipyridamole."American Journal of Hematology, 50, 40-45)。単純化および経済的理由のため、理想的な抗凝血剤は、血小板活性化における情報を全血プロフィールの一部として得ることを可能としたものであろう。
【0008】
その有効性および調製の容易さという点から、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)がその液状三カリウム塩の形態で、抗凝固剤として一般的に用いられている(Perrotta, G., Roberts, L., Glazier, J., Schumacher, H. R. (1998)"Use of sodium citrate anticoagulant for routine hematology analysis on the CELL-DYNO 4000 : An opportunity to enhance efficiency in the clinical laboratory."Laboratory Hematology, 4, 156-162)。それは、また、その細胞保存特性ゆえに全血球計数および白血球分画のための好適な抗凝血剤であって、臨床研究所規格委員会によってこれらの目的の上で推薦されている抗凝血剤である(NCCLS; standard H1-A4)。
【0009】
生体外での血小板活性化を観察する場合、主な必要条件は、自発的な血小板活性化を最小にする静脈穿刺手順を使用すること、およびサンプルが分析されることができるまで、凝固を防止するのみならず、血小板の活性化状況をも保存し得る媒体に、血液を採集することである (George JN, Thio LL, Morgan RK (1981)"Quantitative analysis of platelet membrane glycoproteins;effect of platelet washing and isolation of platelet density subpopulations." Thrombosis Research 23,69-77; Hawiger J (1989)"Platelet secretory pathways: an overview."Methods in Enzymology 169,191195; Michelson AD (1996)"Flow cytometry: a clinical test of platelet function-a review."Blood 87,4925-4936; Wu KK (1994) "Platelet activation and arterial thrombosis."Lancet 344,991995)。
【0010】
血小板調査に関して、EDTAは、これが、時間とともに増加する、血小板の膨張および自己活性化を起すものであるゆえに好ましくない (Kuhne et al., 1995; Jackson, S. R., & Carter, J. M. (1993) "Platelet volume:
Laboratory measurement and clinical application."Blood Reviews, 7,104-113; McShine, R. L., Das, F. P. C., Siblinga, C. S., Brozovic, B. (1990)"Differences between the effects of EDTA and citrate anti-coagulants of platelet count and mean platelet volume."Clinical and Laboratory Haematology, 12,277-285; Pidard, D., Didry, D., Kunicki, T. J., Nurden, A. T. (1986) "Temperature-dependent effects of EDTA on the membrane glycoprotein IIb/IIIa complex and platelet aggregability."Blood, 67,604-611)。血小板の漸進的な膨張は、EDTAによって引き起こされる原形質膜の変容によるものであり、そして、光学密度の低下および平均血小板量(MPV)の増大をもたらす。光学密度における低下は、ADVIA 120 システム(Bayer AG)において、平均血小板成分(MPC)における変化として観察され得る(Zelmanovic et al., 1998)。EDTAはまた、血小板本来のつきの楕円状の形から球形のものへと血小板の形態を変容させる。血小板形状変化は、走査型電子顕微鏡のような形態学的方法、あるいは血小板凝集計において起こる光学密度の増加を見ることによって測定できる急速な反応である。光学的技術は、ADPによって誘発された形状変化が、2.5秒で半最大光学密度変化に達することを示している。血小板形状変化は、通常の円盤状の形(直径2〜4μmおよび厚さ約0.5μm)形から、多くの長い、薄い糸状偽足を有しているとげ状の球への形態的変化によって特徴づけられる。この形状変化は、前記抗凝血剤への露曝直後に始まり、2時間以内に最大となる(Jackson and Carter, 1993)。これらの変化は、ADVIA 120によって30分後に検出可能である。さらに、ある個体からの血液がEDTAで血液凝固を阻止された場合、血小板は凝集して、記録されるべき明白な血小板減少症を引き起す(Okada T (1999)"development ariW problems of automatic haematology analysers."Sysmex Journal International 9,52-57)。
【0011】
このため、血小板研究に関して、クエン酸三ナトリウムが、血小板研究のために選択される抗凝血剤として確立されている (Perrotta et al., 1998)。
クエン酸含有抗凝血剤は、EDTAより低いMPVを引き起こすこと、そして、通常の円盤状の形態の保存により部分的に説明される形質が証明されている(Jackson and Carter, 1993)。血液がクエン酸塩中に採集された場合、初期においては血小板形状および量にほとんどあるいは全く変化がない。しかしながら、クエン酸塩において、血小板はゆっくりと球形状となり(Macey et al., 1999)、そしてEDTAにおける場合と同様に、1〜2時間かけて漸進的に膨張する(クエン酸ナトリウムの濃度に依存するインピーダンス法での容積における3〜10%の増加(Bath, PWM (1993)"The routine measurement of platelet size using sodium citrate alone as the anticoagulant."Thrombosis and Haemostasis 70,687-690; Threatte GA, Adrados C, Ebbe S, Breecher G. (1984)"Mean platelet volume.
The need for a reference method."Am J Clin. Pathol. 81:
76972))。これらの理由から、クエン酸塩は元々血小板量の測定に役立たないと考えられていた(Thompson CB, Diaz DD, Quinn PG, Lapins M, Kurtz SR, Valeri CR. (1983)."The role of anticoagulation in the measurement of platelet volumes." Am J Clin Pathol 180:327-32)。
【0012】
クエン酸塩を主成分とする抗凝血剤が、ADVIA 120における血小板パラメータの測定のために用いられている (Macey et al., 1999; Zelmanovic et al., 1998)。しかしながら、MPCの標準偏差(血小板構成成分分布幅(PCDW)として記録される)は、EDTAにおけるよりクエン酸塩における方が最初は大きい。これは、円盤状の血小板の光散乱特性は、球状の場合とは異なり、これらの配向性に依存するためである(Macey et al., 1999; Zelmanovic et al., 1998)。以前の研究において、クエン酸ナトリウム(Maurer-Spurej, E., Pfiefer, G. Maurer, N., Linder, H., Glatter, O., Devine, D. V. (2001) ,"Room temperature activates human blood platelets". Lab. Invest. 81,581-592)または酸性クエン酸ブドウ糖(ACD)(Oliver, A. E., Tablin, F., Walker, N. J., Crowe, J. H. (1999)"The internal calcium concentration of human platelets increases during chilling". Biochimica Biophysica Acta, 1416,349-360)のいずれかによって抗凝固化された血液がそれぞれ20℃および5℃に冷却された場合、該血小板は、偽足を有する活性化された球状であることが見出されている。我々は、4℃でインキュベートされたクエン酸ナトリウムで抗凝固化された血液において、血小板におけるCD62P発現において時間依存性で増加すること、およびPLA形成の顕著な増加があることを示した(未発表のデータ)。
【0013】
ABOTT CELL-DYN 4000(商標名)血液システムを使用した予備的研究は、更正が異なる希薄因子を考慮するために実行されると仮定するならば、クエン酸塩は、基礎的な全血球計数のために、EDTAの代わりに用いられることができることを示している。
【0014】
オ マレイら(O'Malley et al.) ("Measurement of platelet volume using a variety of different anticoagulant and antiplatelet mixtures", Blood Coagulation and Fibrinolysis 7 (4), 1996,431-436)は、平均血小板量を測定するためにEDTAおよびテオフィリンを含んでいる抗凝血剤が用いられることを開示している。
【0015】
Diatube-H(商品名)という市販名を付けられた比較的新しい抗凝血剤が、血小板活性化を阻止し、そして血漿ヘパリン値および活性化された血小板から放出される血小板因子4およびβ−トロンボグロブリンを計測するために用いられている(Kuhne et al., 1995)。Diatube-H(商品名)の主な構成成分は、クエン酸塩、テオフィリン、アデノシンおよびジピリダモールであり、そして、それは非公式にCTADと呼ばれる。テオフィリンおよびジピリダモールは、血小板サイクリックAMPの増加および血小板活性を導く、ホスホジエステラーゼ活性を阻止することを示した。アデノシンも、トロンビンによって誘発された血小板凝集および細胞内でのカルシウムの放出を阻止する(Kuhne et al., 1995)。ジピリダモールは光過敏性であるという欠点を有しており、従ってCTAD抗凝固剤を収容した管体は適当に格納されなければならない。ミー理論を適用するため、および細胞1つづつを基準とする正確な容積およびMPC量を得るために、EDTA中の血小板は均質な球状に近づく(Zelmanovic et al., 1998)。しかしながら、EDTAの血小板活性化特性ゆえに、患者の血小板活性化状態を測定するために用いる抗凝固剤としてはきわめて不適当であると一般的に考えられている。
【0016】
好中球活性の測定は、臨床においてまた重要である。全部の血液凝固を阻止された血液において静脈切開直後の抗凝固処理全血において分析された場合、好中球は活性化(例えば、CD11b発現に関するこれらの値による)の証拠をほとんどないしは全く示さない。あいにく、EDTAおよびクエン酸塩は、血漿のCa2+濃度を減少させ、従ってCa2+依存性エピトープ(例えばCD11b)の抗原性に影響を及ぼす。別の試薬として、全血の保存のために推奨されている、Cyto-Chex(商品名)(Streck Laboratories、米国ネブラスカ州オマハ)は、リンパ球および好中球における抗原発現を安定化させるが、しかし血小板におけるそれの影響はまだほとんど知られていない。
【0017】
我々は、驚くべきことに、このような適用に不適であると一般的に考えられていたEDTAおよび同様の抗凝固剤が、例えば、CTADにおいて用いられていたもの、のような適当な血小板拮抗剤と共に用いられたとすれば、血小板活性化の研究に用いられ得るものであることを見出したものである。
【0018】
我々は、また、このような混合物で抗凝固処理された血液を低温で保つことは、雰囲気温度で試料を保持した場合と比較して、かなりの時間にわたり血小板活性化を低減することができるということを発見した。
【0019】
更に、我々はこのような混合物が、抗凝固処理された血液における好中球活性化を効果的に阻止するということを発見した。
【0020】
従って、本発明は、血小板球状化(たとえば、キレート試薬(例えばEDTAまたは [エチレン-ビス(オキシエチレンニトリロ)]四酢酸(EGTA))をもたらす成分と、血小板拮抗剤とを有する血液抗凝固剤を提供するものである。
【0021】
血小板球状化をもたらす成分および血小板拮抗剤は、血液試料に添加する前に混合されるか、成分の1つを血液試料に添加後に混合されることができる。
【0022】
血小板拮抗剤は、好ましくは、クエン酸塩、テオフィリン、アデノシンおよび/または2−クロロアデノシン、並びにジピリダモールの2ないしそれ以上、より好ましくは、3ないしそれ以上、特に好ましくは、クエン酸塩、テオフィリン、アデノシンおよび/または2−クロロアデノシン、並びにジピリダモールのすべてを含む。クエン酸塩、テオフィリン、アデノシン、並びにジピリダモールの好ましい濃度は、概して、コンタントら(Contant et al) (Thrombosis Research 31: pp365-374,1983)の論文に述べられたようなものであり、そして特に、次の範囲:
テオフィリン 7.5〜22.2 mM、
アデノシン 0. 01mM〜3.7mM、
ジピリダモール 0.001-2mM、好ましくは約0.02mM、
クエン酸塩 0.1 M〜0.258 M、好ましくは約0.11M
である。
【0023】
該組成物のpHは、好ましくは、4.5〜6.4、特に約5.0である。
【0024】
血小板拮抗剤は、好ましくはキレート試薬を含有することができる。キレート試薬は、好ましくはEDTAおよびEGTAの一方または双方を含むものである。
【0025】
血液抗凝固剤組成物は好ましくは、EDTAおよびCTADを有するものである。
【0026】
本発明はまた、少なくとも1つの血小板球状化を行う成分と、少なくとも1つの血小板拮抗物質とを有する組成物中に懸濁された血小板の平均屈折率を測定することからなる、血小板活性の測定方法を提供するものである。
【0027】
屈折率を介してのMPCの測定方法は、本質的は周知であり、例えば、前記したマーシーら(Macey et al.)の1999年の論文、ならびにその他の文献においておいて述べられている。屈折率測定は、2つの異なる角度、より好ましくは2〜3°の角度と5〜15°の角度で、光散乱を測定することにより好ましく行われる。
【0028】
本発明の方法において、屈折率測定は好ましくは、瀉血後30〜60分の時間に行われるもの行われるものである。
【0029】
本発明の方法において、好ましくは、瀉血と測定との間、抗凝固化血液試料が0℃〜10℃の温度に保持されるものである。抗凝固化血液試料がこの温度範囲に保持された場合、屈折率測定は、瀉血後6時間まで、好ましくは瀉血後3時間まで行うことができる。
【0030】
本発明はまた、本明細書において述べるような血液抗凝固組成物の、瀉血と血小板活性の測定との間に血液試料を抗凝固状態に保持するための使用を提供するものである。
【0031】
本発明はさらに、少なくとも1つの血小板球状化を行う成分と、少なくとも1つの血小板拮抗物質とを有する本明細書において述べたような組成物中に懸濁された白血球の白血球活性化指標を計測することからなる、白血球活性を測定する方法を提供するものである。
【0032】
本発明の好適な実施態様は、以下の実施例群に記載されている。
【0033】
【実施例】
実施例1:
EDTAおよびCTADを用いたE/Cの比較
材料および方法
材料: タイロード塩溶液(TS)は、シグマ(Sigma)(CaCl 2H20 0.265g/L、 MgCl 6H2O 0.214g/L、 KC1 0.2g/L、 NaH2CO2 1.0g/L、 NaCl 8.0g/L、 NaP04 0.05g/L、ブドウ糖1.0g/L)からのものである。Vacutainer(商品名)コンテナ中のEDTAおよびCTADは、ベクトンディッキンソン(Becton Dickinson)からのものである。後者は、遮光箱に格納し、使用の直前に取り除かれた。
【0034】
抗血清: IgGl−FITC、IgGl−PE、CD62P−FITCおよびCD45−RPEは、イムノテック(Immunotech)からのものである。マウスIgG2a−FITCおよびCD42a−FITCはベクトンディッキンソン(Becton Dickinson)からのものである。
【0035】
血液試料: 正常血液試料(n=6)。平均年齢35歳、男4人、女2人。
【0036】
ADVIA 120上での血小板活性の評価: 全血試料は、EDTA、CTAD、またはEDTAおよびCTADの混合物(E/C)のいずれかを入れたVacutainer(商品名)コンテナ(Becton Dickinson)に採取された。試料は、瀉血直後、および30、60、120および180分の時間間隔で分析された。、血小板数(PLT)、平均血小板量(MPV)、平均血小板成分(MPC)および平均血小板成分幅(PCDW)の分析は、ADVIA TESTポイント血液比較対照試薬(Bayer Corporation、ニューヨーク州テリータウン)を用いて予め較正されたADVIA 120血液システム(Bayer Corporation、ニューヨーク州テリータウン)を使用して実行された。
【0037】
発現CD62Pおよび白血球血小板凝集体(PLA)の数の測定: 抗凝固処理された血液(5μl)は、90μlのTS中の、FITC CD62P(5μ1)またはFITCイソタイプ比較対照(5μl)、あるいは、PE CD45(5μ1)およびFITC イソタイプ比較対照(5μl)またはFITC CD42a(5μ1)およびPE CD45(5μ1)で、室温にて5分間インキュベートされた。試料はTSを用いて1mlまで希釈され、直ちに血球計算機(flow cytometry)にて分析された。。
【0038】
血球計算機:血液細胞は、CellQuest(登録商標)ソフトウェアを有するFACScan(Becton Dickinson、米国オックスフォード)において分析された。この血球計算機は、使用前に、蛍光クロム標識ビーズ(Fluorospheres(商品名)、Dako)を用いて較正されていた。
【0039】
CD42aの分析に関して、発現データは、前方光散乱(FLS)対数関数的スケール(縦座標)および、横光拡散(SLS)対数関数的スケール(横座標)の二重のパラメータヒストグラムにおいて設定された第1ゲートにおいて、リアルタイムに得られた。これは、血液内での血小板の識別を容易にして、CD42a発現(図1)の分析によって確かめられた。バックグラウンド蛍光は、FITC接合イソタイプ比較対照抗体で標識された血小板を用いて評価された。カーソルは頻度(縦座標)および緑色蛍光強度(横座標)の単一パラメータヒストグラムにセットされ、血小板の1%未満しか比較対照抗体で陽性に染色されないようにされた。CD62P発現における変化(緑色蛍光対数関数的スケール)は、FLSおよびSLSのそれらを一緒にし、ゲートされた血小板において記録された。
【0040】
血小板−白血球凝集(図2)の分析に関して、細胞は、横の散乱(対数関数的なスケール縦座標)およびオレンジ色蛍光(対数関数的なスケール横座標)のヒストグラムにおいて分析された。PE CD45での陽性の染色によって識別される白血球は、緑色蛍光(対数関数的なスケール縦座標)およびオレンジ色蛍光(対数関数的なスケール横座標)のヒストグラムへとゲートされた。緑色およびオレンジ色の双方であった事象は、血小板白血球凝集とみなされ、そして、合計10,000のゲート化白血球のパーセンテージとして記録された。
【0041】
統計の分析:血小板CD62P発現、血小板−白血球凝集、およびMPCは、末端p値を用いたパラメータの統計(学生の対t-試験)を使用して比較された。
【0042】
結果
CD62P陽性の血小板のパーセンテージ
【0043】
【表1】
Figure 2004513369
【0044】
6人の検体におけるCD62P陽性の血小板のパーセンテージは、0分においては低いものであった (1.10±0.24%、平均±標準誤差)。180時間では、CD62P陽性の血小板のパーセンテージは、3つの全ての抗凝血剤(p< 0.02)において顕著に上昇したが、EDTAにおいてはより大きいものとなった(23.05±2.79%)。CTAD抗凝固化血液において、最小の活性化が観測された(4.14±0.61%)、一方、E/C抗凝固化血液は中間の血小板活性化(8.45±0.79%)を有していた。60分後における、EDTA抗凝固化血液中でのCD62Pの発現は、CTAD抗凝固化血液中でのものより、顕著に高い(p< 0.01)ものであった。
【0045】
血小板-白血球凝集体形成
【0046】
【表2】
Figure 2004513369
【0047】
0秒での血小板-白血球凝集体(PLA)は、全ての検体において検知でき、そしてこれらは、E/C抗凝固化血液におけるもの(2.82±0.67%)よりも、EDTA抗凝固化血液中(3.50±0.50%、平均±標準偏差)およびCTAD抗凝固化血液中(3.95±0.73%)のものがより多い数存在していた。CTAD抗凝固化血液中のPLAのパーセンテージは、180秒で増加し(18.88±3.38%)、そして、これは、EDTA中(13.50±2.41%、p<0.05)およびE/C(7.81±1.52%、p<0.02)に採取された血液中で検出された数よりも顕著に多いものであった。
【0048】
血小板数(PLT)
【0049】
【表3】
Figure 2004513369
【0050】
検体に関するEDTA抗凝固化血液の全血小板数は、平均±標準偏差が235±12を有して、正常な範囲にあった。180分にわたり、血小板数における顕著な変化は認められなかった。希釈のために補正された際、EDTAおよびE/Cで抗凝固化された血液中において、血小板が数えられた。(それぞれ、希釈因子=1.11および1.25)が、EDTA抗凝固化血液におけるそれらと同様に見出された。
【0051】
平均血小板量(MPV)
【0052】
【表4】
Figure 2004513369
【0053】
3つの異なる抗凝固剤のそれぞれにおいて0分から30分間の間において、MPV値が低下した。このことは、血小板球化はこの期間の間に起こるゆえ、瀉血後30分以内でのADVIA120での全血中の血小板測定は安定でないということを反映している。MPVは、30ないし60分間の間に最も安定していて、それから全ての3つの抗凝血剤において少ない量づつ180分間まで増加した。E/C抗凝固化血液における血小板量は、9.0±0.24fLから9.2±0.28fL(平均±標準偏差)に、EDTAにおいては8.0±0.37fLから8.1±0.21fL、そしてCTADにおいては9.1±0.24fLから9.2±0.20fLにそれぞれ増加した。
【0054】
平均血小板成分(MPC)
【0055】
【表5】
Figure 2004513369
【0056】
EDTAは最も高いMPC値を引き起こした、そして、180分にわたるMPCの減少はまた、この抗凝血剤を有する血液において最も大きかった(28.0±0.87g/dlから27.1±0.36g/dl、平均±標準偏差)。
最も低いMPC値は、E/C抗凝固化血液において、各時間間隔で観測された。
CTAD抗凝固化血液において、0分から180分の間、平均MPCの変化がなく(それぞれ25.2±0.62g/dlおよび25.2±0.40g/dl)、MPCは最も安定していた。平均MPC値は、0から30分まで増加して、それからその後全ての3つの抗凝血剤において減少した。
30分での値より低い60分でのMPC値が全ての抗凝血剤において観測されたが、しかし、これはCTAD(27.1±0.40g/dlから26.7±0.40g/dl)において最も目立った。
【0057】
血小板成分分布幅(PCDW)
【0058】
【表6】
Figure 2004513369
【0059】
このパラメータは、抗凝血剤の間で変化した。CTADは、より高いPCDW値を与え、そして180分にわたりこの抗凝血は、PCDWの小さい増加を引き起こした(7.41±0.13g/dlから7.80±0.11g/dl、平均±標準偏差)の小さい増加が生じた。
【0060】
対照的に、EDTAおよびE/C抗凝固化血液に関する平均の値は時間にわたって減少するものであった。但し、E/C(7.35±0.21から6.97±0.43)より非常に大きい減少がEDTA(4.80±0.08g/dlに対する5.85±0.28g/dl)であった。
【0061】
結果は、CTADが、EDTAのような血小板活性化剤が存在している場合であっても、血小板活性の非常に良好な抑制剤であることを示した。CD62P発現は、他の抗凝血剤とは対照的に、CTADへの露曝で3時間以上にわたって増加しなかった。60〜120分間の間、CD62P発現は、CTADにおいて低下した;その理由は、明白でなはないが、血小板表面からのCD62Pの消失または、チューブ壁にまたは血中の他の白血球に活性化した血小板の粘着によるものであると思われる。後者の理論は、EDTAまたはE/Cのそれらと比較してCTAD抗凝固化血液において測定された血小板−白血球凝集の著しい増加、および、CTAD抗凝固化血液における血小板数のわずかな減少が観測されたことによって指示される。その理由は直ちに明らかではないが、クエン酸塩よりよいカルシウムのキレート化剤であるEDTAの存在、そして、カルシウムは血小板活性化が生じるために必要である、ということに関するように思われる。血小板は非常に多量のアデノシン二リン酸(ADP)を含む。そして、それはカルシウムの存在下で活性化において放出される;ADPは、白血球によってアデノシンに低下されることができる(Faint, R. W. (1992) Platelet-neutrophil interactions:Their significance. Blood Reviews, 6,83-91)、これはそして血小板および好中球の双方の活性化における阻止効果を有する (Seis, W. (1989) Molecular mechanisms of platelet activation. Physiology Review, 69,58-65)。白血球および脈管内皮が、流れる血液中の循環するヌクレオチドの多くが代謝されるのに十分なエクトヌクレオチターゼを発現する (Coade, SB., Pearson, J. D. (1989) Metabolism of adenine nucleotides in human blood. Circulation Research, 65, 531-537)が、Vacutainer(商品名)コンテナの静的条件下では、この代謝は、ADPの正常値よりも大きな存在をもたらす最適状態に及ばないものであってもよい。ADPが血小板の膨張を引き起こし、そして血小板膜が互いに付着することをもたらすことは公知であり(Faint, 1992)、したがって、多量のADPが血小板および白血球の凝集する能力を高める可能性がある。したがって、CD62P発現によって測定される血小板活性化の明らかな抑制が、活性化血小板が白血球に付着しているゆえに、存在はするが、検出されないという事実によって、人為結果となるものであるかもしれない。
【0062】
EDTAは血液中において人為結果を引き起こすことは公知である、そして、室温で、EDTA抗凝固化血液においてMPVが平均して23%、対応するクエン酸塩抗凝固化血液より大きかったことが示された(Threatte et al., 1984)。この研究はまた、EDTA抗凝固化血液のMPVの最も大きい増加が露曝の数分以内で起こることを示した。しかし、我々はEDTA、CTADおよびEDTAとCTADとの混合物におけるMPVが0〜30分間に低下したことを示した。これらの結果は前の発見とは逆であり、そして、これは血液が分析された方法に関するものであると思われる。この研究において、ADVIA 120血液システム(Bayer, Tarrytown, N. Y.)が使われ、そして、血小板によって高および低角度に散乱された光を測定する。前者は、血小板の屈折率、すなわち、粒化または血小板活性の度合いの測定に関するものであり、後者は、細胞の容積に左右されるものである(Zelmanovic et al., 1998)。ところが、Ultra-Flo 100全血血小板アナラアイザ(Clay-Adams, Parsippany, N. J.)を用いたセアッテら(Threatte et al)(それは電導性希釈剤中に懸濁された細胞によって発生する小さな電流変化の発見を許す半自動の計測器である)は、これらが、開口を通じて流れると述べている(Guthrie, D. L., Lam, K. T., Priest, C. J. (1980) Ultra-Flo 100 platelet counter-a new approach to platelet counting. Clinical and Laboratory Haematology, 2,231-242)。臨床のおよびLaboratory Haematology、2,231-242)。
【0063】
上述したメイシーらの1999年の論文は、全血の試験管内的刺激が増加するCD62P発現およびMPCにおける並行する減少に至ることを示している。上記の結果はMPCがEDTAにおいて、CTADまたはEDTAおよびCTADの混合物におけるよりもより減少したことを明らかに示している。そして、EDTAによって血小板活性化が引き起こすことを示している。CTAD抗凝固化血液において、平均MPC値が時間にわたって変化しなかった。それゆえに、血小板は安定であり、蛍光流量細胞計数器によって測定された安定なCD62P発現と整合したものであった。CTADおよびEDTAとCTADの混合物で抗凝固化された血液は、180分間にわたってMPC値は同様のものであった。
【0064】
EDTAとCTADの混合物を用いた試料中での高いMPVと低いMPCは、血小板が脱顆粒化を起こすことなしに、MPC測定が満足できるように十分な程度まで、球状化されることを示している。このことは、EDTA/CTAD混合物抗凝固化血液中の血小板における低い量のCD62P発現によって確かめられる。そして、それはCTADのみで抗凝固処理された血液の血小板におけるものと同等だった。これに対して、EDTA抗凝固化血液における血小板は、高いMPVと高いCD62P発現を有し、これはこれらが膨張し、脱顆粒化を起こしていることを示した。この後者の発見は、以前の論文に、一致するものであった(McShine et al, 1990; Kuhne et al, 1995;
Thompson, C. B., Diaz, D. D., Quinn, P. G., Lapins, M., Kurtz, S. R., Valeri, C. R. (1983) The role of anticoagulation in the measurement of platelet volumes. American Journal of Clinical Pathology, 80,327-332;
and Macey et al, 1999)。
【0065】
実施例2: E/C の、 EDTA/ クエン酸 , EDTA/ アデノシン , EDTA/ ジピリダモールおよび EDTA/ テオフィリンとの比較
【0066】
材料および方法
血小板活性化制御薬が0.11Mクエン酸(Sigma, Steinheim, Germany)と組み合わせて用いられた:これらは、次の通りだった;3.7mMアデノシン(Sigma, Steinheim, Germany)、0.198mMジピリダモール(Sigma, Belgium)および15mMテオフィリン。各溶液のpHは、必要ならpH 5.0に調整された。溶液はフィルター殺菌され、必要であるまで、-20℃で格納された。抗凝固剤CTAD (Becton Dickinson, Plymouth, UK)は、遮光箱に格納され、使用の直前に取り除かれた。
【0067】
材料
実施例1と同様。
【0068】
抗血清
実施例1と同様。
【0069】
血液採取
血液は、21-ゲージ針を使用して、4つのEDTA Vacutainerwコンテナ(Becton Dickinson, Plymouth, UK)に、5人のボランティア(平均年齢38歳、女3人、男2人)の肘前の静脈から採血された。3つのEDTA試料は、アデノシンまたはジピリダモールまたはテオフィリンをクエン酸と含んでいるVacutainerwコンテナに加えられた。最後のEDTA試料は、抗凝血剤CTADを含んでいるVacutainerwに加えられた。
【0070】
ADVIA 120上での血小板活性の評価
全血試料は、EDTAを含みそして前記血小板拮抗剤と混合されている、または、CTADと混合されている(この混合物をE/Cと呼ぶ。)Vacutainer(商品名)コンテナ(Becton Dickinson)に採取された。試料は実施例1におけると同様にして分析された。
【0071】
発現 CD62P および白血球血小板凝集体(PLA)の数の測定
実施例1と同様。
【0072】
血球計算機
実施例1と同様。
【0073】
統計的分析
対t-試験が、4つの抗凝固剤混合物の間の違いを測定するために適用された。
【0074】
結果
血小板数
【0075】
【表7】
Figure 2004513369
【0076】
血小板数は、いずれも類似しており、各々の4つの抗凝血剤の組合せにおいて、正常な範囲内であった。
【0077】
平均血小板量
【0078】
【表8】
Figure 2004513369
【0079】
E/Cで抗凝固処理された血液においては、最初の30分間の間において、MPV値が低下し、その後増加した。これに対して、E/A、E/D、およびE/Tで抗凝固処理された血液においては、最初の60分間の間において、MPV値が低下し、その後は安定にとどまった。
【0080】
平均血小板成分
【0081】
【表9】
Figure 2004513369
【0082】
E/Cで抗凝固処理された血液においては、最初の30分間の間において、MPCが増加し、その後低下した。これに対して、E/DおよびE/Tで抗凝固処理された血液においては、瀉血60分後まで、MPVが上昇を続け、E/Aで抗凝固処理された血液においては、瀉血120分後まで、MPVが上昇を続けた。
【0083】
平均血小板量
【0084】
【表10】
Figure 2004513369
【0085】
MPMの経時変化は、全ての4つの抗凝血剤組合せにおいて非常に類似していた。
【0086】
CD62P 陽性の血小板のパーセンテージ
【0087】
【表11】
Figure 2004513369
【0088】
CD62P陽性の血小板のパーセンテージは、180分間にわたりすべての4つの抗凝血剤において、経時増加した。
【0089】
血小板 - 白血球凝集体形成
【0090】
【表12】
Figure 2004513369
【0091】
血小板-白血球凝集体の数は、すべての4つの抗凝血剤の組合せで抗凝固処理された血液において経時増加した。180分での最も低い血小板-白血球凝集体のパーセンテージは、E/Cで抗凝固処理された血液に見出された。
【0092】
結論
E/Cで抗凝固処理された血液において、MPVの減少および瀉血後の最初30分におけるMPCの増加があった。これらの変化は、血小板の球状化に関連すると思われる。同様の変化は、E/A、E/TおよびE/Dで抗凝固処理された血液においても起きたが、より延長化された時間において起きた。血小板の球状化はADVIA 120でのMPVおよびMPC測定に必要であるので、これが可能な限り瀉血後早くに起こることが望ましい。したがって、E/Cの使用は、E/A、E/TおよびE/Dより好ましい。
【0093】
実施例3−予備混合成分、低温での効果、全血液計数
材料および方法
材料: タイロード塩溶液(TS)は、シグマ(Sigma)(CaCl 2H20 0.265g/L、 MgCl 6H2O 0.214g/L、 KC1 0.2g/L、 NaH2CO2 1.0g/L、 NaCl 8.0g/L、 NaP04 0.05g/L、ブドウ糖1.0g/L)からのもの、また、ヒトトロンビン(10単位)はシグマ(Poole, Dorset, UK)からのものである。Vacutainer(商品名)コンテナ中のK3EDTAおよびCTADは、BDバイオサイエンス(BD Biosciences )(Cowley, Oxford, UK)らのものである。後者は、遮光箱に格納し、使用の直前に取り除かれた。
【0094】
抗血清
実施例1と同様。
【0095】
血液試料
血液は、アスピリンまたはアスピリン含有製品を48時間前までに摂取していない、7人の健常人(平均年齢35歳)の肘前の静脈から採血された。
【0096】
ADVIA 120上での血小板活性の評価
全血試料は、K3EDTA、CTADまたはK3EDTAとCTADの混合物(E/C)のいずれかをVacutainer(商品名)コンテナに採取された。後者に関しては、血液は最初にK3EDTAに採取され、それから直ちにCTADを含んでいるVacutainerへ移された。試料は雰囲気温度に保持され、瀉血直後、および30、60、120および180分後に分析された。血小板数(PLT)、平均血小板量(MPV)および平均血小板成分濃度(MPC)の分析は、ADVIA0120血液システム(Bayer Corporation, Tarrytown, NY)を使用して行われた。CTADおよびE/Cで抗凝固処理された血液での血小板計数は、希釈のために補正された(それぞれ、希釈因子は1.11および1.25である。)。 装置は、使用前に、ADVIA SETポイント血液比較対照試薬、およびADVIA OPTIポイント血液比較対照試薬(Bayer Corporation)を用いてそれぞれ較正され、標準化された。実験(n = 4)の1つの連続において、これらの分析は、E/Cで抗凝固処理された血液試料において実行されるが、血小板活性化における冷却効果を調査するために雰囲気温度および4℃で調査された。
【0097】
発現 CD62P および付着血小板を有する白血球(白血球血小板凝集体)のパーセンテージの測定
実施例1と同様。
【0098】
血球計算機
実施例1と同様。白血球血小板凝集体は、ついで、横の散乱(対数関数的なスケール縦座標)およびオレンジ蛍光(対数関数的なスケール横座標)のヒストグラム(C)に、白血球がPLAを形成している、これらの特徴のあるSLSによって、同定のために、ゲートされることができる。
【0099】
トロンビン活性化血小板におけるCTADの阻害効果の調査
実験(n = 3)の1つの連続において、ヒトトロンビンの最適状態に及ばない濃度(予め滴定によって決定)でインキュベートされたK3EDTA抗凝固化血液において血小板活性化におけるCTADの効果が調査された。CD62P発現によって定まる血小板活性化の低レベルを刺激するために、トロンビンの濃度が選ばれた。トロンビン(15μl)は、0.0012のU/mlの最終的な濃度を与えるK3EDTAで抗凝固処理された血液(210μl)に加えられ、そしてFITC-CD62P(25μl)とともに雰囲気温度でインキュベートされた。10分で、試料(40のμl)が除去され、CTAD(5μl)が添加され、さらに20分間インキュベートされた。比較対照血液試料は、トロンビンが添加されなかったK3EDTAまたはCTADで抗凝固処理され、そして同様に、FITC-CD62P(25μl)とともに雰囲気温度でインキュベートされた。血液のアリコート(5μl)が、各反応管から、0、10、20、40、および60分で除去され、TS(995μ1)で希釈され、直ちに血球計算機によって分析された。
【0100】
統計的分析
血球計算機およびADVIA 120血液システムからの結果は、対t-試験を用いて、異なる時間で分析された同じ試料間の有意差を調べるために、比較された。p < 0.01の多数の比較値を考慮に入れることは、重大であるとみなされた。結果はまた、手段の間の有意差を見つけるため、偏差(ANOVA)の分析のために比較された。そして、hoc Scheffe試験が多重比較のために使用された。
【0101】
結果
血小板数
瀉血直後における全ての3つの抗凝血剤における血小板数に有意差はなく、そして正常の通常の範囲内であった。血小板数の有意差は、雰囲気温度(第1表)で異なる抗凝血剤とともに保持された血液あるいは、E/Cで抗凝固された血液が4℃で保たれた場合でも180分にわたって、生じなかった。
【0102】
【表13】
Figure 2004513369
【0103】
【表14】
Figure 2004513369
【0104】
MPVに関する値は、まず最初に全ての抗凝血剤において下がり、それから再び上がった。血液が雰囲気温度に保持された場合、全ての抗凝血剤で30分が底であったが、E/Cで抗凝固された血液が4℃で保たれた場合60分であった。雰囲気温度に保持した場合、すべての時間でのMPV値は、K3EDTA抗凝固化血液において、CTADまたはE/C抗凝固化血液におけるよりも有意(p < 0.04)に低かった。
【0105】
平均血小板成分
【0106】
【表15】
Figure 2004513369
【0107】
MPV値(上記の)の結果との正比例して、MPC値は、まず最初に上がって、それから下がった。血液が雰囲気温度に保持された場合、全ての抗凝血剤で最大値は30分で達し、E/Cで抗凝固された血液が4℃で保たれた場合60分で達した。雰囲気温度に保持した場合、すべての時間での平均血小板成分値は、K3EDTA抗凝固化血液において、CTAD(p < 0.04)またはE/C(p < 0.02)におけるよりも有意に高かった。
【0108】
血小板における CD62P 発現
【0109】
【表16】
Figure 2004513369
【0110】
瀉血直後にCD62Pを発現した血小板は低いパーセンテージ(K3EDTA, CTAD および E/Cについてそれぞれ、1.10±0.61%, 1.22±0.62 および 1.28±0.85、(平均±標準偏差))であったが、血液が雰囲気温度に保持された場合上昇した。180分での上昇は、K3EDTA抗凝固化血液(23.05±1.54%)でE/C抗凝固化血液(8.455±0.79%)より大きく、CTAD抗凝固化血液で最低であった(4.14±0.79 %)。
180分でのK3EDTA抗凝固化血液におけるCD62P陽性血小板のパーセンテージは、CTADまたはE/C抗凝固化血液におけるよりも有意(p < 0.01)に高かった。E/C抗凝固化血液が4℃で保持された場合、CD62P陽性血小板のパーセンテージに関して、0分での0.53±0.12 %から180分での 1.07±0.57 % までの、最小の、有意でない増加があるのみであった。
【0111】
血小板 - 白血球凝集体形成
【0112】
【表17】
Figure 2004513369
【0113】
瀉血直後において、それがどの抗凝血剤であった関わらず、提供者からの全ての血液において見出される血小板と関連した白血球の少ないパーセンテージがあった(K3EDTA, CTAD および E/Cについてそれぞれ、3.50±0.71 %、3.95±.97 %、そして、K3EDTA、CTADおよびE/Cのそれぞれ2.82±1.05 %(平均±標準偏差))。
全ての抗凝血剤において、血液が雰囲気温度で保たれるときに、血小板-白血球凝集体のパーセンテージは著しく上がった。180分での上昇は、CTAD抗凝固化血液(18.88±2.06 %)でK3EDTA抗凝固化血液(13.50±1.74%)より大きく、E/C抗凝固化血液(7.81±1.43%)で最低であった。しかし、E/C抗凝固化血液が4℃でインキュベートされた場合、180分にわたり血小板-白血球凝集体のパーセンテージの最小の増加だけがあった。
【0114】
トロンビン活性化血小板におけるCTADの効果
すでに拮抗剤に遭遇した血小板によって、CTADが効果的に更なる反応を阻害すうかどうかを確かめるために、K3EDTAに採取された血液が単独でインキュベートされる、または、トロンビンの最適状態に及ばない濃度とインキュベートされた。
10分後、トロンビン刺激された血液のアリコートは、CTADに加えられた。血小板活性化(CD62P発現によって観察)は、CTADの追加によって完全に阻止されたが、K3EDTAのみで抗凝固化された血液においてはさらなる活性化が起き、そして、期待通り、これらの試料においてトロンビンが加えられた場合の方が、それが省略された場合よりも大きかった。
【0115】
使用の前に混合された場合における EDTA および CTAD の安定性の調査
結果は、単独では血小板研究のための抗凝血剤としてE/CがK3EDTAまたはCTADより良好な抗凝固剤であろうことを今までの結果で示唆したので、2つの成分を使用前に混合する効果を調査した。血液は、14日前または直前に調製されたK3EDTAおよびCTADの混合物中に採取され、あるいは、K3EDTAにおいて集められ次いでCTADと混合された(そのことは、以前に研究の全体にわたってされた)。
全てのサンプルが、その後4℃に保持された。瀉血直後にADVIA(登録商標)120で測定された基礎血液的および血小板活性化パラメータの値は、2つの抗凝固剤が先に混合されていても、採血後に混合されたかにかかわらず同様であった。さらに、値は、3、6および24時間で分析され多場合にも、本質的に不変のままだった。免疫蛍光検査法は、白血球と凝集体において含まれる血小板のパーセンテージが24時間にわたり全ての試料(結果を示さず)においてわずかに上がる(24時間で<5%の増加)ことを示した。
【0116】
K 3 EDTA CTAD および E/C で抗凝固処理された血液における ADVIA (登録商標) 120 血液学の比較
E/Cで抗凝固処理された血液が、血液学パラメータの基礎的分析のために使われてもよいかどうか調査するために、K3EDTA、CTADおよびE/Cで抗凝固処理された7つの比較対照試料からADVIA(登録商標)120において得られた結果が比較された。3つの抗凝固剤で処理された血液において、白血球数(WBC)、赤血球数(RBC)およびヘモグロビン(HGB)濃度の測定値に、有意差はなかった。かし、ヘマトクリット値および血小板パラメータ値は、EDTAで抗凝固処理された血液におけるものと、CTADおよびE/Cで抗凝固処理された血液におけるものとでは有意(p < 0.01)に差があった(第2表)。
【0117】
【表18】
Figure 2004513369
【0118】
議 論
データは、EDTA中に前記MPVが存在することを、ここに明らかに示しており、CTADとE/Cは、0〜30分の間で低下したが、再び上昇した。EDTAのための結果は、主に、MPVが光学的手順によって決定されたとする以前の研究のそれらと一致している(Trowbridge、E.A、Reardon、D.M.D、Hutchinson、D.、Pickering、C著(1995年)「血小板の量の通常の測定法。光拡散と開口インピーダンス技術の比較。」Clin. Phys.Physiol 6.221〜236)。
【0119】
最近のレポートと一致して、CTADは、K3EDTAによって血液凝固が防止される雰囲気温度に180分間保存された結晶分に起こるCD62Pの現れの増加を抑制する(Kuhneほか、1995年;Maceyほか1999年;Modyほか、1999年)。さらに、K3EDTAによって血液凝固を阻止された血液がトロンビンに刺激された場合、CTADの次の追加は、血小板顆粒減少抑制し、一方、血液中で起こったCD62Pの現れの増加はちょうどK3EDTAとともに保たれた。我々は、K3EDTAの試験管内刺激は、未処理の血液の血液凝固を阻止させ、CD62Pの現れの増加は、並行してMPC(Maceyほか1999年)の減少を伴うことを以前に証明した。現在、我々は、CTADやE/Cよりも前記MPCが減少する雰囲気温度において、EDTAによって活性化血小板が生じることを確認していることを示す。CTDAやE/Cによって血液凝固を阻止される血液のMPCの価値は、180分以上では類似しており、K3EDTA中よりもかなり低かった。一緒に採取された、雰囲気温度でのMPVとMPCの変化の価値は、E/Cによって血液凝固を阻止される血液において、血小板は、(たぶん、最大限ではないにしろ)顆粒減少を経ることなく、球状にされる。これは、E/Cで血液凝固を阻止された血液の血小板のCD62Pの現れの低いレベルによって確かめられ、そして、CDTAのみによって血液凝固を阻止される血液の血小板上のそれと同等だった。
【0120】
今までのところ、なぜ、雰囲気温度において、CDTAによって血液凝固を阻止される血液中のCD62Pを表している血小板のパーセンテージが、60〜120分の間で僅かに減少氏なのかは明確ではないが、しかし、いくつかの活性化された血小板が、血液中の他の白血球や管壁に付着したということは、説明可能である。実際、CTADによって血液凝固を阻止される血液は、K3EDTAやE/Cによって血液凝固を阻止された血液よりも、高い血小板−白血球総数を示す。その理由は、直ちに明白にはならないが、EDTAの存在に依存しているようである。いくぶん逆説的には、EDTAは、顆粒分泌物や集合体を減らすよりはむしろ、強化する方法における、血小板膜結合レセプターに影響を及ぼすことを示している。(Golanski、J.、Pietracha、T.、Baj、Z.、Greger、J.、Watala、C.(1996年)「抗凝血剤中の分子洞察−未処理血液中での血小板の自然発生的に誘発された活性化−様々な抗凝血剤は等しくない」血栓症調査 83、199〜216)。しかしながら、外部のCa2+は、集合体のために必要であり、EDTAが、クエン酸塩よりも優れたCa2+のキレート化剤であるように、それは、これらの点において大きな抑制効果を有することができる。この説明が真実の場合、活性化された血小板が存在するが、検知されていないままであるように、CTDAが完全にCD62Pの現れの増加を抑制しないかもしれない可能性がある。なぜなら、それらは、白血球に付着しているからである。これらの結果は、血小板−白血球の集合形成が、未処理の血液中において、血小板活性の研究の間、観察されなければならないことを示唆しており、更に、生体外の血小板−白血球の集合形成が抗凝血剤に依存するという事実を目立たせている。この研究の重大な発見は、血液が、E/Cによって血液凝固を阻止されて、4℃に保たれた場合、少なくとも180分の間には、血小板活性のパラメータに最小の変化しかないことであるこの発見は、臨床の研究にとって重要である。なぜなら、病室や診療所で採取されたサンプルが、分析のために研究室に到着するために、3時間は充分な時間でだからである。実際、事前の研究は、この時間が、多分問題なく6時間まで延長されるであることを示唆している。多分、細胞内のカルシウム移動度におけるCTADの抑制効果は、微粒放出と、これに続くPLA形成を防止する。
【0121】
血液が雰囲気温度に保たれた場合、CTDAにおける血小板拮抗剤の抑制効果は、3〜4時間で消え始めることが知られており、そして、必要であれば、保存時間は、おそらく、それらの濃縮(2)Mody他、1999年)を増加することによって延長することができる。ここに記載されている条件(時間および温度)で、E/Cは、同時に顆粒減少を引き起こすことなしで、効果的に血小板を球状にし、そして、このことにより、前記ADVIA(登録商標)120においてMPCの正確な測定ができる。また、生体外で血小板−白血球の集合形成を抑制するためのE/Cの能力は、この結合された抗凝血剤が、臨床研究においてこれらの相互作用の調査のために適していることを示している。実際に、E/Cによって血液凝固を阻止された血液サンプルにおいて、炎症性腸の患者(n=62)の血液中には、通常のコントロール(n=20)(3.43±0.82、平均±標準偏差、p=0.03)よりも、血小板−白血球集合体(5.16±1.48、平均±標準偏差)がかなり多く存在する。(未発表のデータ、図3に示される実施例)。結合された抗凝血性E/Cは、ADVIA(登録商標)120における大多数の血液学パラメータの通常の分析に適しているように見える。しかしながら、臨床の見解から、第1のVacutainer(商標)中に血液を注入し、第2へそれを注ぐか、第2のVacutainer(商標)コンテナーの内容物を混合することは、現実的ではない。この理由のために、両方の抗凝血剤を含んでいる管が好ましい。
【0122】
結論として、上記の結果は、CTDA/EDTA混合物が、生体外の血小板活性の測定と、生体外の白血球活性の測定のために重大な利点を有していることを示している。
【図面の簡単な説明】
参照は、添付の図面を伴う実施例群において行われる、ここで:
実施例1
【図1】は、全血における血小板の分析を示す。領域R1の血小板は、これらの低い前方および横の散乱特性(ヒストグラムA)によって識別され、そしてCD42aの結合と関連する緑色の蛍光の分析(ヒストグラムB)によって確かめられた。
【図2】は、全血における血小板白血球凝集の分析を示す。白血球は、横の散乱(対数関数的なスケール縦座標)対オレンジ色蛍光におけるプロットにおいて識別される(ヒストグラムA)。非白血球事象がゲートされた(ヒストグラムB)。PE CD45で陽性に染色されることによって識別された白血球は、緑色の蛍光(対数関数的なスケール縦座標)およびオレンジ色蛍光(対数関数的なスケール横座標)のヒストグラムにゲートされた(ヒストグラムC)。緑色およびオレンジ色の双方であった事象は、血小板白血球凝集であると見なされた。
実施例3
【図3】は、全血の血小板白血球凝集の分析を示す。血液は、フィコエリトリン接合CD45およびフルオロセインイソシアネート接合CD42aで染色された。白血球は、横の散乱(対数関数的なスケール縦座標)対オレンジ蛍光(対数関数的なスケール横座標)においてPE CD45に対する陽性の染色によって同定(領域R1)され(ドットプロットA)、そして、緑色の蛍光(対数関数的なスケール縦座標)およびオレンジ蛍光(対数関数的なスケール横座標)のプロット線において表示された(ドットプロットB)。緑(CD42a)およびオレンジ(CD45)の双方である事象(領域R2)は、血小板白血球凝集とみなされた。横の散乱(対数関数的なスケール縦座標)対オレンジ蛍光(対数関数的なスケール横座標)のプロット(ドットプロットC)に、これらの事象をバックゲートすることは、凝集の大部分が、顆粒白血球および単球の横の光散乱特徴を有していることを示した。正常な比較対照からの血液において行われる分析の例は、上方のパネルにおいて図示され、そして炎症性腸疾患の患者からの血液において行われる分析の例は下方のパネルにおいて図示される。
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