JP2004511982A - 2層通信ネットワークにおける接続解除 - Google Patents

2層通信ネットワークにおける接続解除 Download PDF

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Abstract

本発明は、ターミナルへの通信チャンネルを確立するための第1通信ネットワーク層と、アプリケーション層の接続を確立するための第2通信ネットワーク層とを備えた2層通信ネットワークにおいて接続の少なくとも一部分を解除するための方法であって、上記第1及び第2通信ネットワーク層の一方において上記ターミナルに関連した上記接続の少なくとも上記一部分を解除すべきであると判断し、そして上記判断を、その判断がなされた上記一方の通信ネットワーク層から、第1及び第2の通信ネットワーク層間のインターフェイスを経て、他方の通信ネットワーク層へ転送するという段階を備えた方法を提案する。従って、各通信ネットワーク層は、接続を解除する必要があることを知り、そしてもはやアクティブでない接続コールに対してネットワーク容量を浪費しないように適当な手段を開始することがイネーブルされる。又、本発明は、それに対応して動作される通信ネットワークにも係る。

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、2層通信ネットワークにおいて接続を解除するための方法に係る。
【0002】
【背景技術】
以下の説明を通じて、2層通信ネットワークとは、コール中に通信しそしてそのコールを送信するターミナルへの通信チャンネルを確立するための第1通信ネットワーク層と、上記コールを確立するための第2通信ネットワーク層とを含む通信ネットワークを意味するものとする。又、この説明で使用されるアプリケーション層とは、1組のセキュリティメカニズム、ファイル、データ及びプロトコル(送信層プロトコルを除く)を意味するものとし、コールとは、2人又は多数のユーザ間での論理的関連性を意味するものとし、一方、通信チャンネルとは、少なくとも2つのエンドポイント間(例えば、移動ターミナルとサポートノードとの間)の送信層における論理的接続を意味するものとする。もちろん、本発明は、音声コールに限定されるものではなく、コールという表現は、セッションのサブセットも表わすものとする。
【0003】
ターミナルは、通信チャンネルを経てデータを送信及び/又は受信するように構成されたいかなる通信エンドポイントでもよい。特に、ターミナルは、ワイヤレスターミナル、又はワイヤを経て通信するターミナルである。ターミナルは、例えば、移動ステーションMSとも称される無線ターミナル、或いはユーザ装置UE(第3世代(3G)ターミナルとしても知られているUMTS規格に合致するターミナル)、又はサーバー装置である。
【0004】
図1は、このような2層通信ネットワークに対する基本的なネットワークアーキテクチャーの一例である。図示された例は、UMTS/GPRSネットワークを、コール中に通信しそしてそのコールを送信するターミナル(UE)への通信チャンネルを確立するための第1通信ネットワーク層とし、そしてインターネットプロトコルベースのIPネットワークを、コールを確立するための第2通信ネットワーク層(例えば、インターネットプロトコル電話IPT)とするものである。しかしながら、他の規格に基づいて動作するネットワークが選択されてもよく、本発明の適用性がそれによって実質的に影響されることはない。
【0005】
ユーザ装置UEは、ターミナルとして、通信ネットワークと通信し及び/又はそれを経て通信する。これは、ユーザ装置UEが別のユーザ装置(図示せず)と通信するか、又は通信ネットワーク内又はその外部のサーバーエンティティ(図示せず)と通信することを意味する。外部サーバーエンティティは、次いで、ターミナルみなすことができる。コールを開始する当事者は、発呼者と称され、一方、被呼当事者は、被呼者と称される。図1に示す通信ネットワークは、第1通信ネットワーク層の一例としてGPRS/UMTSネットワークを、そして第2通信ネットワーク層の一例としてインターネットプロトコル(IP)ベースネットワークを備えた2層通信ネットワークである。第1及び第2の通信ネットワーク層間には、少なくとも1つのインターフェイスI/Fが存在する。ここに示すケースでは、ポリシー制御ファンクション(PCF)として知られたネットワークの機能的エンティティがインターフェイスを構成する。しかし、インターフェイスは、ネットワーク層間、即ちその各々のノード間に直接設けられてもよい。このような場合には、ここに示す例を参照すれば、インターフェイスは、ゲートウェイGPRSサポートノードGGSNと、コール状態制御ファンクションCSCF(プロキシーCSCFとも称される)との間に設けられる。CSCFは、次いで、例えば、ホーム加入者サーバーHSS等(図示せず)のようなIPネットワークの他の機能的エンティティ及び要素と通信するように構成される。
【0006】
コールの際に、ユーザ装置は、パケットデータプロトコル(PDP)コンテクストを経て通信する。PDPコンテクストに対して、ユーザ装置UEと、GPRS/UMTSネットワーク層の無線アクセスネットワークRANのNode_Bとの間に無線ベアラ(RB)が確立される。(Node_Bは、GSMネットワークのベースステーションに対応する。)Node_Bは、無線ネットワークコントローラRNC(GSMのベースステーションコントローラBSCに対応する)の制御のもとにある。もちろん、無線アクセスネットワークは、一般に、複数のNode_B要素を備えている。しかしながら、図示簡略化のため、Node_Bは1つしか示されていない。このような無線アクセスネットワークの一例は、UTRAN(UMTS地上RAN)である。
【0007】
無線アクセスネットワークRANは、アクセスネットワーク(非無線アクセスネットワーク(即ち布線/固定アクセスネットワーク)も考えられる)の一例として、コアネットワークCNに接続される。コアネットワークは、ターミナルUEの接続技術とは独立したGPRS/UMTSネットワークの一部分を表す。ここに示す例では、コアネットワークは、GPRS(汎用パケット無線サービス)コアネットワークである。このコアネットワークは、サービングGPRSサポートノード(SGSN)及びゲートウェイGPRSサポートノードGGSNを備え、これらノードは良く知られており、それ故、その詳細な説明は、省略する。
【0008】
上記で簡単に述べた通信ネットワークと通信し/それを経て通信するターミナル及び/又はユーザ装置UE/MSが、GPRSと契約したと仮定する。
このようなGPRS契約は、1つ以上のPDPアドレス(パケットデータプロトコル)の契約を含む。各PDPアドレスは、ターミナル(UE及び/又はMS)、SGSN及びGGSNにおける1つ以上のPDPコンテクストにより記述される。各PDPコンテクストは、TFT(トラフィック流テンプレート)に関連している。同じPDPアドレスに関連したPDPコンテクストが、それにTFTが指定されない状態で常に存在するのは、せいぜい1つである、各PDPコンテクストは、2つのPDP状態(アクティブ/インアクティブ)の1つに独立して存在する。PDP状態は、そのPDPアドレス(及びTFT)に対してデータ転送がイネーブルされるかどうか指示する。同じPDPアドレスに関連した全てのPDPコンテクストがデアクチベートされた場合には、そのPDPアドレスのデータ転送がディスエイブルされる。加入者の全てのPDPコンテクストは、その加入者のIMSI(国際移動加入者認識)に対して同じMM(移動管理)コンテクストに関連している。
【0009】
インアクティブ状態とは、加入者のあるPDPアドレスのデータサービスを、アクチベートされないものとして特徴付ける。PDPコンテクストは、上記PDPアドレスに関連したPDP PDU(プロトコルデータユニット)を処理するためのルーティング又はマッピング情報を含まない。データを転送することはできない。
ターミナル(UE及び/又はMS)は、PDPコンテクストアクチベーション手順を開始することによりインアクティブ状態からアクティブ状態への遷移を開始する。
【0010】
アクティブな状態において、使用中のPDPアドレスに対するPDPコンテクストが、ターミナルMS、SGSN及びGGSNにおいてアクチベートされる。PDPコンテクストは、ターミナル(MS)とGGSNとの間で上記特定のPDPアドレスに対するPDP PDUを転送するためのマッピング及びルーティング情報を含む。アクティブなPDP状態は、加入者の移動管理状態がスタンバイ、レディ、PMMアイドル又はPMM接続済みであるときだけ許される。Iuインターフェイス無線アクセスベアラ(RAB)は、アクティブなPDPコンテクストに対して確立されてもよいし、されなくてもよい。
【0011】
ターミナル(MS)に対するアクティブなPDPコンテクストは、デアクチベーション手順が開始されたときにインアクティブな状態へ移行される。
GPRSネットワークと契約されそしてそのネットワークと通信し/それを経て通信しているターミナルのコールのコール解除の際に、コールは終了されるがPDPコンテクストは依然アクティブである状態が生じる。このような場合に、データパケットは、依然アクティブなPDPコンテクストに関連したPDPアドレスへ送信されるか又はそこから送信されるように依然試みられる。
【0012】
加入者に対するサービスの料金は、加入者へ及び加入者から送信されるデータの量に基づくか又はPDPコンテクストがアクティブである時間に基づくので、このような状態は、加入者が実際に利用及び/又は受信しなかったデータサービスに対して課金されるという点で加入者にとって望ましからぬものである。
又、GPRSネットワークは、限定された数の加入者にサービスするようにイネーブルされるだけであり、即ちPDPコンテクストがアクティブな状態にある限定された数のアドレスにデータを転送するだけであるから、このような状態は、通信ネットワークリソースの浪費に関しても望ましくない。というのは、他の加入者が、もはやコールに実際上参加していない加入者のアクティブなPDPコンテクストにより阻止され得るからである。
【0013】
【発明の開示】
従って、本発明の目的は、2層通信ネットワークにおいて接続又は接続の一部分を解除する方法であって、上述した欠点の発生を防止する方法を提供することである。
本発明によれば、この目的は、ターミナルへの通信チャンネルを確立するための第1通信ネットワーク層と、アプリケーション層の接続を確立するための第2通信ネットワーク層とを備えた2層通信ネットワークにおいて接続の少なくとも一部分を解除するための方法であって、上記第1及び第2通信ネットワーク層の一方において上記ターミナルに関連した上記接続の少なくとも上記一部分を解除すべきであると判断し、そして上記判断を、その判断がなされた上記一方の通信ネットワーク層から、上記第1及び第2の通信ネットワーク層間のインターフェイスを経て、他方の上記通信ネットワーク層へ転送するという段階を備えた方法により達成される。
【0014】
本発明の更に別の開発によれば、
− 上記第1通信ネットワーク層は、GPRS/UMTSシステムであり、
− 上記第2通信ネットワーク層は、IPマルチメディアサブシステムであり、
− 上記ターミナルは、移動ステーション(MS)或いはユーザ装置(UE)であり、
− 上記第1及び第2の通信ネットワーク層間のインターフェイスは、ネットワークの機能的エンティティによって構成され、
− 上記ネットワークの機能的エンティティは、ポリシー制御ファンクション(PCF)であり、
− 上記接続は、セッションであり、
− 上記方法は、更に、セッションにおいて通信する上記ターミナルへの確立されたセッションを解除し、そして上記セッションに使用される通信チャンネルを変更するという段階を備え、
− 上記変更は、デアクチベーションであり、
− 上記変更は、上記接続を定義する1組のパラメータのうち少なくとも1つのパラメータに作用し、
− 上記少なくとも1つのパラメータは、サービスクオリティパラメータ「保証されたビットレート」であり、そしてこの保証されたビットレートは、ゼロにセットされるように変更され、
− 上記変更は、上記通信チャンネルに対する課金に作用し、
− 上記通信チャンネルは、PDPコンテクストを使用することにより表わされ、
− 上記接続は、セッションであり、
− 上記方法は、更に、上記通信チャンネルを解除又は変更し、そして上記通信チャンネルを経て搬送される上記セッションを変更するという段階を備え、
− 上記変更は、解除であり、
− 上記変更は、上記セッションの課金に作用し、
− 上記通信チャンネルは、PDPコンテクストを使用することにより表わされ、
− 上記方法は、更に、上記ターミナルにより、上記2層通信ネットワークに、上記ターミナルを上記セッションから解除するよう要求する段階を備え、そして解除に関する上記判断は、上記第2通信ネットワーク層により上記ターミナルからの上記解除要求に基づいて行われ、そして上記第2通信ネットワーク層から上記第1通信ネットワーク層へ転送され、
− 上記方法は、更に、上記第1通信ネットワーク層により上記ターミナルのインアクティブな状態を監視する段階を備え、そしてインアクティブな状態を検出した場合に、解除に関する上記判断が、上記第1通信ネットワーク層により行われ、そして上記第1通信ネットワーク層から上記第2通信ネットワーク層へ転送され、
− 上記インアクティブな状態は、無線接続の切断により表わされる。
【0015】
又、本発明は、コール中に通信するターミナル(UE)への通信チャンネルを確立するための第1通信ネットワーク層と、上記コールに対するアプリケーション層接続を確立するための第2通信ネットワーク層とを備えた2層通信ネットワークとの接続を介して通信するターミナル(UE)より成る通信システムであって、上述した接続を解除する方法の段階を実行するように構成された通信システムにも係る。
【0016】
従って、本発明によれば、
1)アプリケーション層においてコールを解除し、コール解除を送信層に指示し、この指示により送信層において特定のファンクションを遂行する(例えば、通信チャンネルを解除するか、又はこの指示を課金情報に含ませる)。
2)通信チャンネル(即ちPDPコンテクスト)又は通信チャンネルの一部分(即ちRAB)を送信層において解除し、それをアプリケーション層に指示し、そしてアプリケーション層においてコールを解除するということをイネーブルする。(接続とは、コール又はPDPコンテクスト又はPDPコンテクストの一部分(即ちRAB)のいずれかを意味するものとすることを明記されたい。)
【0017】
従って、本発明は、上記通信ネットワーク層の各々が接続を解除する必要があることを知り、そしてもはやアクティブでないかアクティブになり得ない接続に対してネットワーク容量を浪費しないようにそのネットワーク層に関連した適当な手段を開始することがイネーブルされる。
更に、ターミナルは、PDPコンテクストのデアクチベーションの開始を取り扱うための負担が軽減される。というのは、この義務は、今や、ネットワークへ移管されたからである。
【0018】
更に、PDPコンテクストデアクチベーションを開始するネットワークのために、PDPコンテクストは、コール以外の目的に使用されないよう確保される。
従って、例えば、ターミナルがカバレージの外にあり及び/又は送信クオリティ(サービスクオリティ)が所定スレッシュホールドレベルより低い場合には、ネットワークが例えばIPマルチメディアコールを解除することが、ターミナルがそれを行う位置にあるかどうかに関わらず、イネーブルされる。
【0019】
コールは、所定時間周期の後にネットワークにより自動的に解除できるので、加入者は、依然としてアクティブなPDPコンテクストにより指定された自分のPDPアドレスへ無駄にルーティングされるデータパケットに対して課金されることがなくなる。
更に、ターミナルが、コール以外のトラフィックに対するPDPコンテクストを悪用しようと試みたときには、本発明によりPDPコンテクストを変更/デアクチベーションすることにより、本発明が実施されたときにこのような悪用が防止され又は少なくとも検出される。
【0020】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の上記及び他の目的並びに効果は、添付図面を参照した好ましい実施形態の以下の詳細な説明から充分に明らかとなろう。
以下、添付図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
図2及び3は、各々、個々のネットワーク部分及び/又はネットワーク要素間に送信される信号のシグナリング筋書きを示す。信号の送信方向を表わす矢印の番号は、時間経過に伴う信号の連続的な送信及び/又はプロセスの実行を表わしている。
【0021】
ターミナル(図1のUE)は、移動ステーションMSとして示され、無線アクセスネットワークRANは、UTRANを無線アクセスネットワークの一例として使用することにより表わされ、GPRSネットワーク要素SGSN及びGGSNは個々に示され、(GPRS/UMTS)第1層通信ネットワークと(IPT)第2層通信ネットワークとの間のインターフェイスは、PCF機能的要素(ポリシー制御ファンクション)により表わされる。2層通信ネットワークのIPT層(第2層)は、本発明に関連して主として含まれるネットワーク機能的要素としてプロキシーCSCFにより示されている(従って、IPT層の他のネットワーク要素は、図示省略されている)。
【0022】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態のシグナリング筋書きが図2に示されている。
図2は、ネットワークにより開始されるPDPコンテクストデアクチベーション又はPDPコンテクストの変更を示す。
簡単に述べると、ターミナルMSは、コールの解除を開始する。コールの解除は、プロキシーCSCFに通知され、これは、対応する指示をPCFに送信する。PCFは、その指示即ち判断をGGSNへ送信する。GGSNは、それに応答して、以前の判断を変更し、即ちPDPコンテクストデアクチベーション又はPDPコンテクスト変更を開始するか、或いはPCFから指示を受けた際にPDPコンテクストの変更を実行する。PDPコンテクストの変更は、料金に影響を及ぼす。その後、GGSNは、PDPコンテクストに関連した状態情報を除去するための要求をPCFに送信する。
【0023】
従って、コール解除の際には、ネットワーク層間通信が含まれ、これは、通信ネットワーク層間のインターフェイスを経て行われる。
それに伴うシグナリングの個々のステップを、図2を参照して以下に述べる。
ステップ#1では、MSがターミナルとして「バイ(Bye)」メッセージを送信する。この「バイ」メッセージは、プロキシーCSCFへ送信され、これは、そのメッセージを被呼者(図示せず)に向けて転送し、MSの意図する通信相手ターミナルにコールを終了する旨通知する。
【0024】
ステップ#2において、プロキシーCSCFは、「解除」メッセージをPCFに送信する。PCF(ポリシー制御ファンクション)は、通信ネットワークの2つの層間のインターフェイスを構成する。このファンクションは、ユーザが、約束のトラフィック特性に違反しないよう保証する。従って、ポリシー制御ファンクションのタスクは、利用可能なネットワークリソースに対して競合している1組のネットワークユーザにわたってそれらのリソースを規定のやり方で分割し、従って、接続受け入れポリシーを遂行するように働くことである。
ステップ#3では、PCFは、「解除確認」メッセージをプロキシーCSCFに送信することにより解除メッセージの受け入れを確認する。
【0025】
ステップ#4では、PCFは、「判断」メッセージ(要求IDを含む)をGGSNへ送信して、以前の判断を変更し、即ちコール解除を指示する。換言すれば、PDPコンテクストが進行中コールに対してアクティブな状態にあった(PDPコンテクストをアクティブな状態にセットする以前の判断に対応する)ときは、PCFにより行われる判断(ステップ#4)は、そのコールに関連したPDPコンテクストを変更すべきか又はインアクティブにセットすべき(デアクチベートすべき)であると決定することである。
ステップ#5では、GGSNは、「状態レポート」メッセージ(要求IDを含む)をPCFに送信することにより、判断を首尾よく完了したことをPCFにレポートし、即ち判断を適当なアクションに変換することをレポートする。
【0026】
その後のステップ#6ないし#9では、GGSNが開始したPDPコンテクストデアクチベーション又は変更が実行される。前者のケースは、図2に示されている。PDPコンテクストデアクチベーション及び変更は、既に知られており、従って、それらのステップは、詳細に説明しない。PDPコンテクストデアクチベーション又は変更とは別に、GGSNは、PDPコンテクストの変更を行うことができる。この変更は、PDPコンテクストの料金に影響し得る。実行されるファンクションは、ネットワークオペレータ特有のものである。
【0027】
ステップ#10では、GGSNは、その後、「要求状態削除」メッセージ(要求IDを含む)をPCFに送信して、PCFから要求状態を除去する。
ステップ#10に続いて、無線アクセスベアラ解除手順がステップ#11において実行される。
ステップ#4(判断)、#5(状態レポート)及び#10(要求状態削除)において送信されるメッセージは、COPSメッセージであることに注意されたい。このCOPSは、PDP(ポリシー判断ポイント)からポリシー情報を要求するためにPEP(ポリシー施行ポイント)に対してIETF(インターネットエンジニアリングタスクフォース)で指定されたプロトコルである。しかしながら、これらのメッセージがCOPSメッセージであることは要求されない。
【0028】
又、ステップ#2ないし#11は、他の通信エンドポイント(図示せず)がコール解除を開始する場合には同じであることにも注意されたい。
シグナリングステップの上記シーケンスとは別に、PCFが、プロキシーCSCFからコール解除指示を受け取ったときに要求状態情報を予め除去することも考えられる。この場合には、GGSNは、「要求状態削除」メッセージ(ステップ#10)を送信しなくてもよく、従って、シグナリングの量が減少される。
【0029】
[第2実施形態]
第2実施形態によれば、IPマルチメディアコールのようなコールは、ターミナルMSがそれを行うことが妨げられる場合にネットワークにより解除される。例えば、MSが、そのサービングNode_Bのカバレージエリアの外にいて、ハンドオーバーが成功しなかった場合である。
一般に、無線接続が切断するか、又はMSのインアクティブの状態が上記第1通信ネットワーク層により監視されそして検出されたときに、RABが解除される。
【0030】
簡単に述べると、第2の実施形態によれば、無線ネットワークコントローラRNCが、無線アクセスベアラ(RAB)解除手順を開始する。次いで、RABが解除される。SGSNは、当該PDPコンテクストを変更又はデアクチベートする(一種の変更として)。GGSNは、PDPコンテクストの変更/デアクチベーションについてPCFに通知する。PCFは、当該コールを解除又は変更するための指示をプロキシーCSCFに送信する。コールを解除するために、プロキシーCSCFは、メッセージ(例えば、SIPバイ・メッセージ(SIP=セッション開始プロトコル))を、ターミナルである(これは任意である)移動ステーションMSへ送信すると共に、他の通信エンドポイントへも送信する。プロキシーCSCFは、このメッセージに対する確認を受け取る。
【0031】
従って、RAB解除の際には、ネットワーク層間通信が含まれ、これは、通信ネットワーク層間のインターフェイスを経て行われる。
関連シグナリングの個々のステップを、図3を参照して以下に説明する。
無線接続におけるある時間の切断の後、又はある時間のインアクティビティの後に、例えば、ターミナルMSがカバレージエリアを出た場合に、ネットワークがコールを解除又は変更するようにイネーブルされる。このようにネットワークで開始されるコール解除又は変更は、コールの課金が時間に基づいて行われる場合に特に重要である。
【0032】
図3は、ターミナルMSのインアクティビティが検出された際にネットワークにより開始されるコール解除シグナリング筋書きを示す。
ステップ#1において、無線ネットワークコントローラ(RNC)は、MSへの無線接続が切断されたか又はターミナルMSがインアクティブになったことを検出し及び/又は通知する。この状態が検出されると、RNCは、「RAB解除要求」メッセージをSGSNへ送信する。
次のステップ#2において、無線アクセスベアラの解除が行われる。
【0033】
その後、ステップ#3において、SGSNは、「PDPコンテクスト更新要求」(以下に述べる変更の場合)又は「PDPコンテクスト削除要求」(デアクチベーションの場合)をGGSNに送信することにより、加入者の当該PDPコンテクストを変更及び/又はデアクチベートする。後者のケースが、図3に示されている。
ステップ#4に示すように、GGSNは、「要求状態削除」メッセージ(要求IDを含む)をPCFへ送信し、PCFから要求状態を除去する。
【0034】
それに応答して、PCFは、ステップ#5において、「解除」メッセージをプロキシーCSCFへ送信し、コール解除又は変更を要求する。
ステップ#6に示すように、プロキシーCSCFは、「解除確認」メッセージをPCFへ送信することによりメッセージの受信を確認する。
ステップ#7において、プロキシーCSCFは、(任意に)例えば、そのときカバレージから外れているターミナルに「バイ(Bye)」メッセージを送信し(ターミナルは、カバレージから外れている場合には、必ずしもこのメッセージを受信しないので、このメッセージは、任意に送信される)、そして図示されたターミナルMSの通信相手(図示せず)に「バイ」メッセージを送信する。或いは又、プロキシーCSCFは、コールを変更することもできる(図示せず)。この変更は、コールの料金に影響する。
【0035】
ステップ#8ないし#10の間に、PDPコンテクストデアクチベーション手順(良く知られた)が実行される。
ステップ#11において、ターミナルMS(例えば、カバレージから完全に外れておらず、あるシグナリングが依然考えられる場合に、任意に)及び他のエンドポイント(図示せず)は、適当な確認メッセージ(例えば、「200 OK」メッセージ)を送信することによりコール解除を確認することができる。
図3において、ステップ#4で送信されるメッセージ(要求状態削除)は、COPSメッセージである。
【0036】
両実施形態は、コールに対する当該PDPコンテクストをデアクチベーションすることに関して説明した。しかしながら、PDPコンテクストのデアクチベーションは、PDPコンテクストの変更の境界ケースを表わしている。従って、デアクチベーションに代わって、PDPコンテクストの変更も考えられる。
このようなPDPコンテクストの変更は、RAB解除(図3を参照した)の後及びRAB解除(図2を参照した)の前に実行される。従って、PDPコンテクストは、変更中にも保持されるが、(例えば)QoSパラメータ保証のビットレートは、本発明に関連して考えられる変更の際にゼロにセットされる。
【0037】
このような場合に、(第2の実施形態では)GGSNは、「要求」メッセージ(要求ID及びネゴシエーションされたQoSをパラメータとして含む)をPCFへ送信しなければならない。ゼロの(要求された)保証ビットレートで要求メッセージを受信した後、PCFは、「解除」メッセージをプロキシーCSCFへ送信しなければならない。しかしながら、第1実施形態(図2)に関しては、PCFは、デアクチベーションではなく、PDPコンテクストを変更する場合に、保証ビットレートがゼロにセットされるようにGGSNが当該PDPコンテクストを変更するという内容を有する「判断」メッセージを送信する。
【0038】
しかし、図2及び3に各々示された当該PDPコンテクストのデアクチベーションは、ネットワークリソースに対して最適なものである。即ち、PDPコンテクストは、コールに対してのみ使用されるので、コールを解除した後に、PDPコンテクストは、もはや必要とされず、それ故、何ら問題なくデアクチベートすることができる。
更に、図2を参照すれば、PDPコンテクストデアクチベーションは、直ちに生じ得る。或いは又、GGSNは、「判断」メッセージを受け取ったときにタイマーをセットし、そしてタイマーが時間切れした後にPDPコンテクストデアクチベーションを開始してもよい。
【0039】
更に、図3を参照すれば、コール解除は、直ちに生じ得る。或いは又、CSCFは、解除メッセージを受け取ったときにタイマーをセットし、そしてタイマーが時間切れした後にコール解除を開始してもよい。
以上の説明において、ネットワーク層間シグナリングは、インターフェイスネットワーク要素としてのPCFを経て行われると説明された。しかしながら、両実施形態において、GGSNとプロキシーCSCFとの間の通信は、PCFネットワーク要素を伴わずに行うことができる。PCFは、CSCFに配置されてもよいし又はGGSNに配置されてもよい。しかしながら、この場合には、GGSNと(プロキシー)CSCFとの間の新たなインターフェイスを定義しなければならない。
【0040】
従って、コール又はPDPコンテクストのいずれかがネットワーク層によって解除され、この解除が他のネットワーク層に通知される。コールの解除は、コールを搬送するのに使用されるPDPコンテクストに影響する。PDPコンテクストの解除は、PDPコンテクストを経て搬送されるコールに影響する。ここで使用した「接続」という表現は、コール又はPDPコンテクスト(或いはPDPコンテクストの一部分、即ち無線アクセスベアラ)を記述するのに選択されたが、「通信チャンネル」という用語は、PDPコンテクストを表わす。
【0041】
従って、上述したように、本発明は、ターミナルへの通信チャンネルを確立するための第1通信ネットワーク層と、アプリケーション層の接続を確立するための第2通信ネットワーク層とを備えた2層通信ネットワークにおいて接続の少なくとも一部分を解除するための方法であって、上記第1及び第2通信ネットワーク層の一方において上記ターミナルに関連した上記接続の少なくとも上記一部分を解除すべきであると判断し、そして上記判断を、その判断がなされた上記一方の通信ネットワーク層から、第1及び第2の通信ネットワーク層間のインターフェイスを経て、他方の通信ネットワーク層へ転送するという段階を備えた方法を提案する。従って、各通信ネットワーク層は、接続を解除する必要があることを知り、そしてもはやアクティブでない接続コールに対してネットワーク容量を浪費しないように適当な手段を開始することがイネーブルされる。又、本発明は、それに対応して動作される通信ネットワークにも係る。
【0042】
本発明の好ましい実施形態を以上に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに多数の変更がなされ得ることが理解されよう。このような変更は、全て、特許請求の範囲内に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】
2層通信ネットワークの一例として、GPRS/UMTS層及びIPT層の通信ネットワークを示すブロック回路図である。
【図2】
本発明の第1実施形態のシグナリングの筋書きを示す図である。
【図3】
本発明の第2実施形態のシグナリングの筋書きを示す図である。

Claims (22)

  1. ターミナルへの通信チャンネルを確立するための第1通信ネットワーク層と、アプリケーション層の接続を確立するための第2通信ネットワーク層とを備えた2層通信ネットワークにおいて接続の少なくとも一部分を解除するための方法であって、
    上記第1及び第2通信ネットワーク層の一方において上記ターミナルに関連した上記接続の少なくとも上記一部分を解除すべきであると判断し、そして
    上記判断を、上記判断がなされた上記一方の通信ネットワーク層から、上記第1及び第2の通信ネットワーク層間のインターフェイスを経て、他方の通信ネットワーク層へ転送する、
    という段階を備えた方法。
  2. 上記第1通信ネットワーク層は、GPRS/UMTSシステムである請求項1に記載の方法。
  3. 上記第2通信ネットワーク層は、IPマルチメディアサブシステムである請求項1に記載の方法。
  4. 上記ターミナルは、移動ステーション(MS)或いはユーザ装置(UE)である請求項1に記載の方法。
  5. 上記第1及び第2の通信ネットワーク層間のインターフェイスは、ネットワークの機能的エンティティによって構成される請求項1に記載の方法。
  6. 上記ネットワークの機能的エンティティは、ポリシー制御ファンクション(PCF)である請求項5に記載の方法。
  7. 上記接続は、セッションである請求項1に記載の方法。
  8. セッションにおいて通信する上記ターミナルへの確立されたセッションを解除し、そして
    上記セッションに使用される通信チャンネルを変更する、
    という段階を更に備えた請求項7に記載の方法。
  9. 上記変更は、デアクチベーションである請求項8に記載の方法。
  10. 上記変更は、上記接続を定義する1組のパラメータのうち少なくとも1つのパラメータに作用する請求項8に記載の方法。
  11. 上記少なくとも1つのパラメータは、サービスクオリティパラメータ「保証されたビットレート」であり、そしてこの保証されたビットレートは、ゼロにセットされるように変更される請求項10に記載の方法。
  12. 上記変更は、上記通信チャンネルに対する課金に作用する請求項8に記載の方法。
  13. 上記通信チャンネルは、PDPコンテクストを使用することにより表わされる請求項8に記載の方法。
  14. 上記接続は、セッションである請求項1に記載の方法。
  15. 上記通信チャンネルを解除又は変更し、そして
    上記通信チャンネルを経て搬送される上記セッションを変更する、
    という段階を更に備えた請求項14に記載の方法。
  16. 上記変更は、解除である請求項15に記載の方法。
  17. 上記変更は、上記セッションの課金に作用する請求項15に記載の方法。
  18. 上記通信チャンネルは、PDPコンテクストを使用することにより表わされる請求項15に記載の方法。
  19. 上記ターミナルにより、上記2層通信ネットワークに、上記ターミナルを上記セッションから解除するよう要求する段階を更に備え、
    解除に関する上記判断は、上記第2通信ネットワーク層により上記ターミナルからの上記解除要求に基づいて行われ、そして上記第2通信ネットワーク層から上記第1通信ネットワーク層へ転送される請求項7に記載の方法。
  20. 上記第1通信ネットワーク層により上記ターミナルのインアクティブな状態を監視する段階を更に備え、そして
    インアクティブな状態を検出した場合に、解除に関する上記判断が、上記第1通信ネットワーク層により行われ、そして上記第1通信ネットワーク層から上記第2通信ネットワーク層へ転送される請求項1に記載の方法。
  21. 上記インアクティブな状態は、無線接続の切断により表わされる請求項20に記載の方法。
  22. コール中に通信するターミナル(UE)への通信チャンネルを確立するための第1通信ネットワーク層と、上記コールに対するアプリケーション層接続を確立するための第2通信ネットワーク層とを備えた2層通信ネットワークとの接続を介して通信するターミナル(UE)より成る通信システムにおいて、請求項1ないし21のいずれかに記載の接続を解除する方法の段階を実行するよう構成された通信システム。
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