JP2004510992A - 離散的検知要素を具備する検知器用の散乱防止放射線グリッド - Google Patents
離散的検知要素を具備する検知器用の散乱防止放射線グリッド Download PDFInfo
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Abstract
散乱した放射線からセンサーを保護するために離散的な非隣接的な放射線センサーからなるアレイと共に使用する放射線吸収物質から構成した遮蔽用グリッド。該センサーは、各々、幅(Ws)と長さ(Ls)の放射線感応性区域を有している。グリッドを設計する場合に、プロトタイル幅(Wp)を有するプロトタイル(50)は、整数で割算した放射線感応性区域幅(Ws)に等しく且つプロトタイル長さも整数で割算した放射線感応性区域長さに等しい。プロトタイルは専らプロトタイル内に包含されるモチーフ(52)を包含しており、それは離散的なセンサーからなるアレイを被覆するのに充分な複数個のプロトタイルが隣接して配列された場合にパターンを形成する。本グリッドは、このパターンにおいて放射線吸収物質を設けて構成される。
【選択図】図3a
【選択図】図3a
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数個の離隔されている離散的放射線検知要素を有する放射線検知パネルと共に使用する放射線遮蔽用グリッドに関するものであって、更に詳細には、モアレパターンを排除するためにこのようなグリッドを設計する方法及びその結果得られるグリッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線によって発生した画像を捕獲するために微小のセンサーからなる二次元アレイを有するパネルを使用する直接的放射線写真法画像形成は当該技術において公知である。放射線は異なる放射線吸収区域を具備する物体を介して通過する場合に画像通りに変調される。画像を表わす情報は二次元マトリクスに配列された個別的なセンサーにおける複数個の電荷格納コンデンサ内に格納される電荷分布として捕獲される。
【0003】
X線画像は画像形成されるオブジェクトから散乱されるX線によってコントラストが減少される。主要なX線を通過させる一方、散乱されたX線を吸収するために散乱防止グリッドが長い間使用されている(Gustov Buckyの1915年に発行された米国特許第1,164,987号)。X線検知パネル分解能がグリッドの間隔と同等であるか又はそれより高い場合には、グリッドからの画像アーチファクト即ち人工的効果が見られる場合がある。散乱防止グリッド(勿論、オブジェクトではない)の画像をぼやかすことによりその画像アーチファクトを除去するためにBuckyは、更に、散乱防止グリッドを移動させることを記載している。散乱防止グリッドは直線的又は交差型のものとすることが可能である。Buckyは、更に、フォーカス型散乱防止グリッドを記載している。
【0004】
散乱防止グリッドの構成に対する改良はグリッドを移動させる必要性を減少させており、それにより装置及び散乱防止グリッドの運動とX線発生器との間のタイミングを簡単化させている。然しながら、このような装置からのフィルムをデジタル化する場合にモアレパターンアーチファクトが導入される場合がある。蛍光透視法用画像増倍管もモアレパターンアーチファクトを発生する場合がある。直線型散乱防止グリッドのバーをスキャン方向に対して垂直に整合させることが知られており且つ推奨されている「ザ・エッセンシャル・フィジックス・オブ・メデカル・イメージング(The Essential Physics of Medical Imaging)」、Jerrold T Bushberg、J. Anthony Seibert、Edwin M. Leidholdt,Jr.、John M. Boone、c1994 Williams & Wilkins、ボルチモア、pg.162ff.)。
【0005】
X線検知パネルが、フィルム又はラスタースキャン型スクリーンではなく、ピクチャ要素又はX線センサーからなる二次元アレイから構成されている場合には、感応性区域の空間周波数と散乱防止グリッドの空間周波数との間のうなりが低い空間周波数を有する干渉パターン、即ちモアレパターンを発生させる。Tsukamoto et al.の米国特許第5,666,395号は、感応性区域ピッチの整数割合であるグリッドピッチを有するスタチックリニアグリッドでモアレパターンを防止することを記載している。
【0006】
上述した特許においては2つの場合が説明されている。第一の場合においては、センサー要素間にデッドスペースが存在しないようにセンサーをアレイ状に位置決めさせている。この場合においては、グリッドピッチはセンサーピッチ、即ち隣接するセンサー中心間距離、の整数割合に等しくされる。
【0007】
センサーがデッドスペース、即ち放射線検知に対して非感応性である間隙空間によって離隔されている第二の場合においては、グリッドピッチはセンサーピッチに対応するようにされ且つグリッド要素が実質的に間隙空間上に中心位置決めされるように検知パネルに対して安定した位置関係に保持される。
【0008】
上に提案されている解決方法における問題は、隣接するセンサー要素間に間隙空間を有することのない放射線検知パネルを構成することは困難であるということである。間隙空間が存在する場合には、放射線センサーアレイに対して散乱防止グリッドを固定した位置に維持することは非現実的であることが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、離散的非隣接的要素からなるX線放射線センサーアレイを入射散乱放射線から遮蔽し、放射線検知パネルに対して固定した位置決めを必要とすることがなく、又モアレパターンを形成することを回避するために露光期間中に移動することを必要とすることのないグリッドに対する必要性が存在している。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、複数個のタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフに対応するパターンを表わす放射線吸収物質を有する散乱放射線遮蔽用グリッドが提供され、各プロトタイルは幅W(p)と、長さと、専ら該プロトタイル内のモチーフとを有しており、該プロトタイルの幅はW(p)=W(I)であり、尚Wは幅Dを有している間隙空間によって離隔されている複数個の同じ寸法の放射線センサーを有する放射線検知パネルの放射線センサーの放射線感応性区域の幅であり、その上に該グリッドが位置されており、且つIは整数である。
【0011】
本発明によれば、放射線吸収物質を有する散乱放射線遮蔽用グリッド及び該グリッドの上に位置されている放射線検知パネルが提供され、該放射線パネルは幅Dを有する放射線非感応性間隙空間によって離隔されている放射線感応性区域幅Wを有している複数個の同じ寸法の放射線センサーを有しており、且つ該グリッド吸収物質はタイル張りした複数個の実質的に同一のプロトタイルの結合したモチーフを表わすパターンを形成しており、各プロトタイルは、
(a) 幅W(p)=W/I、尚Iは整数;
(b) 長さ;
(c) 専ら該プロトタイル内に含まれるモチーフ、
を有している。
【0012】
又、本発明によれば、該検知パネルは、更に、前記検知パネルと関連する利得補正回路を有することが可能であり、その場合に、W(p)=W/(I±0.05I)及びW(p)≠W+Dである。
【0013】
本発明に基づく散乱放射線グリッド及び検知パネルが放射線供給源と共に使用され、且つ該グリッドが該パネルと該放射線供給源との間であって前記パネルから固定した既知の距離に位置される場合には、プロトタイル幅W(p)は前記パネル上での投影プロトタイル幅である。
【0014】
又、本発明によれば、各センサーが放射線感応性区域を有しており各放射線感応性区域が幅Dを有する間隙空間によって各隣接する放射線感応性区域から離隔されるように配列されている複数個のセンサーからなるアレイを有する放射線検知パネル用の散乱放射線遮蔽用グリッドを形成するために使用すべき吸収物質に対するパターンを設計する方法が提供され、該方法は、
(a)該センサーの放射線感応性区域の幅に対応するセンサー幅Wを決定し、
(b)幅W(p)=W/I、尚Iは整数、を有するプロトタイルを作成し、
(c)前記プロトタイル内にモチーフを生成し、且つ
(d)複数個の前記プロトタイルをタイル張りして前記パターンを生成し、前記パターンはタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフから構成される、
ことを包含している。
【0015】
又、本発明によれば、各センサーが幅Wと長さとを有する放射線感応性区域を有しており各放射線感応性区域が幅Dを有する間隙空間によって各隣接する放射線感応性区域から離隔されるように配列されている複数個のセンサーからなるアレイを有する放射線検知パネル用の放射線吸収物質のパターンを有する散乱放射線遮蔽用グリッドを製造する方法が提供され、該方法は、
(a)該センサーの放射線感応性区域の幅に対応するセンサー幅Wを決定し、
(b)幅W(p)=W/I、尚Iは整数、を有するプロトタイルを作成し、
(c)前記プロトタイル内にモチーフを生成し、
(d)複数個の前記プロトタイルをタイル張りしてタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフからなるパターンを生成し、
(e)前記結合したモチーフの形状に前記グリッド内に前記放射線吸収物質を形成する、
ことを包含している。
【0016】
又、本発明によれば、放射線供給源と放射線検知パネルとを有しており、前記放射線検知パネルは、各々が幅Wと長さとを有する放射線感応性区域を有する複数個のセンサーからなるアレイを有しており、前記センサーは、各放射線感応性区域が幅Dを有する間隙空間によって各隣接する放射線感応性区域から離隔されるように配列されている露光システムでラジオグラムを形成する方法が提供され、該方法は、
各プロトタイルが幅W(p)と、長さと、モチーフとを有しており、前記モチーフは専ら該プロトタイル内に包含されており、該プロトタイルの幅はW(p)=W/I、尚Iは整数、である複数個の実質的に同一のタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフを表わすパターンに形成された放射線吸収物質を有するグリッドを前記放射線供給源と前記パネルとの間に位置決めさせる、
ことを包含している。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下の詳細な説明全体にわたって、同様の参照符号は全ての図面において同様の要素を参照する。現在の文脈においては、タイリング即ちタイル張りとは、複数個のプロトタイルを有する大きな区域を形成するためにプロトタイルを隣接して並置して配設させることによる複数個のプロトタイルの組立体のことを意味する。「数理科学における一連の本(A series of books in the mathematacil sciences)」、Victor Klee編集、著作権1987、20頁、基本的概念、パラグラフ1.2「幾つかの形状のタイルでのタイル張り(Tilings with tiles of a few shapes)」において説明されているように、モノフィードラルタイリング即ち単一面タイル張りは複数個の同一寸法及び形状のタイルを組み付けるプロセスである。これらのタイルの各々はプロトタイルと呼ばれる。本明細書においては、タイリング即ちタイル張りのことを参照する場合には、単一面タイル張りのことを意味し、且つ受付けられている用語と一貫して「プロトタイル」のことを参照する場合には、同一の寸法及び形状のタイルからなるグループのうちの個々のタイルのことを意味する。このようなプロトタイルは仮想的なもの、即ち数学的表現としてのみ存在するものである場合があり、又は表示されたソフト又はハードの画像等の物理的形状をとる場合がある。プロトタイルがそのプロトタイル内にここでは「モチーフ」として参照するデザインを包含している場合には、全てのタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフはパターンを形成する。
【0018】
次に、図1を参照すると、蛍光透視法画像形成適用例に有用な放射線検知パネル10が示されている。
【0019】
パネル10は規則的なパターンに配列された複数個のセンサー12を有している。各センサーはスイッチングトランジスタ14と、センサー放射線検知区域を画定する放射線検知電極16とを有している。各放射線検知区域は幅「WS」と長さ「LS」とを有しており、且つ間隙空間「S」によって隣接する放射線検知区域から離隔されている。間隙空間は実質的に入射放射線を検知することは不可能である。これらのセンサーと関連してセンサー長さに沿ってのセンサーピッチ「PL」及びセンサー幅に沿ってのセンサーピッチ「PW」が存在している。
【0020】
図2は、図1における矢印2−2に沿って見たパネル10の一部の概略断面図を示している。本発明を例示するために使用するセンサーは本願出願人に譲渡されておりLee et al.に対して発行された米国特許5,319,206号において、及び本願出願人に譲渡されており1997年12月9日付で出願したLee et al.の係属中の出願番号08/987,485に記載されているタイプのものである。
【0021】
簡単に説明すると、このタイプのセンサーは誘電体支持用ベース20を有している。このベース20上に、通常は薄膜技術を使用して構成したFETであるスイッチングトランジスタ22が構成されている。該FETは半導体物質25と、ゲート24と、ソース26と、ドレイン28とを有している。該FETに隣接して第一電極30が構築されている。誘電体層32が該FET及び第一電極30の上側に配置されている。コレクター電極34は第一電極30及びFET22の上側に配置されている。コレクター電極の上側にはバリア即ち絶縁層36が配置されており且つ絶縁層36の上側には放射線検知層38が設けられており、それは、好適には、アモルファスセレンの層である。第二誘電体層40が放射線検知層の上側に付着形成されており且つ上部電極42が上部誘電体層の上側に付着形成されている。
【0022】
バリア即ち絶縁層36、放射線検知層38、第二誘電体層40及び上部電極層は該FET及びコレクタ電極全ての上側に延在している連続的な層である。
【0023】
動作について説明すると、上部電極と第一電極との間にDC電圧を印加することにより該センサーに対して静電界を印加する。X線放射線に露光されると、該放射線検知層内に電子と正孔とが形成され、それらは静電界の影響下において上部電極及びコレクター電極に向かって移動する。各コレクター電極はその直上の区域からの電荷及び直接的な電極区域外側の幾らかのフリンジ電荷を回収する。従って、このタイプのセンサーに関連して実効放射線感応性区域「W」が存在しており、それはコレクター電極の物理的区域よりも幾分大きい。これらの感応性区域はデッドスペースDによって離隔されている。実効感応性区域が電極区域と等しい場合には、Dは間隙S空間となる。
【0024】
放射線検知層をコラム状とした、即ち放射線検知層が孤立したコラムでコレクター電極から上方へ延在する実施例においては、放射線感応性区域はコレクター電極の物理的区域と同一である。このことは、放射線変換蛍光体層と共にホトダイオードを使用するセンサーのタイプにおいて特に言えることである。このような場合においては、蛍光体層は、通常、ホトダイオードの上方に隆起する離散的なコラムとして構成される。
【0025】
本発明の説明にあたって、それがセンサーの物理的区域と同一であるか否かに拘わらず、放射線感応性である実際の区域を指定する用語として「放射線感応性区域」という用語を使用する。放射線吸収性物質を示す用語として「不透明」という用語を使用する。更に、実際の使用においては、散乱防止グリッドは(a)三次元であり且つ(b)時々放射線検知層の表面から離隔して配置されるので、プロトタイル幅及びプロトタイル長さという用語は、プロトタイルがグリッド面内にある場合に、その感応性表面上に投影された画像がプロトタイル寸法と感応性表面寸法との間の所要の関係を満足するようなプロトタイルの幅及び長さのことを意味する。設計の目的のためには、これはグリッドの幅及び長さに平行なグリッドを介しての任意の面とすることが可能である。好適には、この面は感応性表面に最も近い面である。最後に、グリッドは、通常、その幅及び長さに対して垂直な高さを有するものとして記述されるが、放射線供給源から放射状に発散する経路である場合がある入射放射線経路と整合した不透明要素を有するグリッドを生成するために垂直線に関して傾斜させることが可能であることを理解すべきである。このタイプのグリッド要素の配向状態も当該技術において公知であり且つこのように傾斜した壁を有するグリッドは前述した米国特許第4,951,305号Moore et al.(特に、Moore、図8参照)に記載されている。このように配向された要素を具備するグリッドは、グリッド高さに対して参照する場合にも包含されるものとして考慮すべきである。
【0026】
実際に、特にグリッドが感応性表面と接触して又はその近くに配置される場合には、投影寸法及び実際の寸法は実質的に同一であり、その場合には、実際の寸法を使用するのが便利である。
【0027】
図3はパネルの上に散乱放射線遮蔽用グリッド44を配置させた上述したタイプの放射線検知パネルを示している。図面に示したように、このグリッドはパネルの幅及び長さに沿って整合された複数個の不透明なストリップ46及び48からなるパターンを有している。
【0028】
このタイプの散乱防止グリッドは使用可能な散乱防止グリッドの一般的なタイプであり且つ容易に製造することが可能である。例えば、Pellegrino et al.に対して発行された米国特許第5,606,589号を参照すると良く、それはこのような交差グリッド及びその製造方法及び医学的蛍光透視法における使用について開示している。
【0029】
然しながら、上述したタイプの放射線検知パネルと共にこのタイプのグリッドを使用することは、Tsukamoto et al.の米国特許第5,666,395号によって示されるように、グリッドが下側に存在する放射線センサーのアレイに対して固定した関係、即ちグリッドピッチがアレイピッチと同一であり、且つグリッドバーが間隙空間の中心に整合されるものでない限り、モアレパターンを発生する傾向がある。
【0030】
本発明は従来技術のグリッドの正確な配置を必要とすることなしに、モアレパターンを発生することのない吸収物質のパターンを有するグリッドを使用している。図3に示されるように、グリッド4の吸収物質パターンは下側に存在する感応性区域11のアレイの間隙即ちデッドスペースと整合するものではない。Tsukamotoのグリッドと異なり、グリッド44は任意の箇所に配置させることが可能であり且つそれでも効果的に機能する。更に、このグリッドは放射線露光期間中に移動させることが可能である。
【0031】
グリッド44は、吸収物質用のパターンを発生するために、図3に点線で示した複数個のプロトタイルをタイル張りすることにより本発明に基づいて構成されている。
【0032】
図3Aにより良く示したように、プロトタイル50は幅WPと長さLPとを有している。プロトタイルの幅WPはパネルのセンサーの放射線感応性区域11の幅WSを整数Aで割算したものに等しい。従って、WP=WS/Aである。殆どの場合には、A=1である。
【0033】
同じことが感応性区域の長さLSに対してのプロトタイルの長さLPに対しても適用可能であり、この場合も、LP=LS/Bであり、尚Bは整数であり、この場合も、好適にはB=1である。
【0034】
プロトタイルの各々はモチーフ52を有しており、それはグリッドの不透明部分を構成するために使用される。図3Aにおいてこのモチーフはクロスである。プロトタイルがタイル張りされた場合に、複数個のタイル張りしたプロトタイルのモチーフが結合されて図3に示したパターンを形成するようにモチーフが選択される。これはグリッドにおける不透明物質に対するパターンである。
【0035】
このグリッドパターンは、90゜の角度で交差する複数個のストリップである必要はない。Dickerson et al.に対して発行された米国特許第5,259,016号において開示されている技術を使用して多数の異なるグリッドデザインを発生することが可能である。直線以外の形状を有する放射線吸収グリッドを生成するための写真技術を使用することがその文献に示されており且つ本発明を使用して設計したグリッドを製造するために使用することが可能であり、その場合に不透明なグリッドストリップは直線以外のものである。Moore et al.に対して発行された前述した米国特許第4,951,305号も複雑なグリッド形状を製造する方法を示している。
【0036】
図4は幅WPと長さLPと単一のバーとして示したモチーフ54とを有するプロトタイル50から形成したグリッド44を示している。放射線感応性区域11は幅WSと長さLSとを有している。間隙空間Sは感応性区域を離隔させている。その結果得られる散乱防止グリッド44は、多くの点において、不透明領域の間の距離がセンサーの感応性区域幅と等しいことを除いて、今日一般的に使用されている通常の直線状散乱防止グリッドと類似している。135ミクロンの幅を有する感応性区域の場合には、グリッド44は、好適には、188.1個のバー/インチ(7.407/mm)を有することになる。
【0037】
上述した説明はxy面におけるグリッドデザインに制限されているが、グリッドはz軸に沿って3番目の次元を有しており、即ち、グリッドの壁は高さを有していることを理解すべきである。
壁の高さは壁の厚さの約2乃至16倍の範囲である。好適な高さの比は約6乃至12である。プロトタイル幅に対する壁厚さの比は約1/10乃至1/2の範囲であり、好適な比は約1/6である。
【0038】
放射線は垂直、即ちz軸に沿ってではなく異なる角度でパネルに入射するので、パネル上のグリッドの投影は放射線感応性表面からのグリッドの距離に依存して、且つある程度、放射線供給源の距離及び特性に依存して拡大され且つ歪曲される。
【0039】
例えば、コリメート型放射線供給源は拡大や歪み効果を発生するものではないが、点供給源はこれら両方を発生する。これらの効果は当該技術において良く理解されており且つパネル上に投影されたプロトタイルが上に展開した基準を満足するようにグリッドを設計することによりグリッド設計に対して適切な補償が行われる。これらの効果は、グリッドを感応性区域と近接させて、好適には、緊密に接触して配置させることにより、且つグリッド壁高さを最小とすることにより最小化される。
【0040】
上述した例においては、グリッド44が検知パネルの感応性区域から1cm離隔されており且つX線発生器が1メートル離れている場合には、好適なグリッド44は、幾何学的拡大を補正するために、188.1個のバー/インチ(7.407/mm)の代わりに190.0対/インチ(7.480/mm)を有することになる。
【0041】
図4を検査すると、不透明物質からなる正確に1個のバー54が各放射線感応性区域11の上に投影されることを示している。これは該バーの殆どの並進に対して自明である。更に、自明なことであるが、2個のバーが感応性区域11上に部分的に投影する場合には、感応性区域上に投影することのない一方のバーの部分は他方のバーによって投影される部分と正確に等しい。任意の感応性区域へ通過するX線の量は一定であるので、静的であるか又はいずれかのラインに沿っての並進であるかによらず、モアレパターン干渉が導入されることはない。この散乱防止グリッドは水平方向に配向させることが可能であり、その場合には、タイル張りピッチは実効感応性区域幅ではなく実効感応性区域長さと等しくされる。
【0042】
放射線検知パネルの放射線感応性区域11が規則的なアレイである必要性がないということは本発明の顕著すべき特徴である。図5に示したように、不均一なアレイとすることが可能であり尚且つ本発明の利点を享受することが可能である。然しながら、放射線感応性区域は形状、寸法、配向状態が同一でなければならない。図5及びそれと関連する図5Aに示したプロトタイルも、放射線感応性区域幅が感応性区域長さと異なる場合に対してのグリッド構成及びプロトタイルモチーフ56を例示している。図示したように、結果的に得られるプロトタイル幅及び長さも異なっている。
【0043】
プロトタイルにおける不透明領域に対するモチーフを選択する上で大きな余裕が存在しているが、好適なX線透明領域は図5のグリッドに示したように感応性区域のいずれの端部とも同一線状の端部を有するものではない。好適なX線不透明モチーフは円、楕円、矩形、及びその他の形状を包含することが可能である。その意図は、パネル表面に沿って感応性区域に関してモチーフがその相対的な位置を移動させる場合に、感応性区域境界上に投影されるプロトタイルの不透明モチーフの量を最小とさせることである。タイル張りに従う結果的に得られる不透明パターンはセンサーピッチよりも小さなピッチを有しているので、不透明パターンは、不可避的に、間隙区域から感応性区域を分割するライン上に該当する(図4参照)。又、グリッドピッチのために、不透明区域が感応性区域の一端部から出る場合に、別の不透明区域が反対側端部から入る。不透明区域の厚さが、それが常に同一であるように、絶対的な精度で再現される場合には、感応性区域を被覆する不透明区域は、常に、一定である。然しながら、実際には、絶対的に同一の厚さの不透明区域を形成することは困難であるので、間隙空間と感応性区域との間の境界に平行な不透明区域なしでパターンを形成するモチーフを選択することが望ましい。
【0044】
図6A及び7Aは前述した境界に対して平行な不透明区域を包含することのない図6及び7に示したグリッド44の構成となる代替的なモチーフMを示している。
【0045】
図8,9,10は全て、本発明に基づいて設計された異なるグリッド44を示している。これらの場合に使用したプロトタイル50及びモチーフMは、夫々、図8A、9A、10Aに示してある。全ての場合において、プロトタイル50は、上に定義したような幅WP及び長さLPを有している。
【0046】
全ての場合において、結果的に得られる放射線吸収パターンのグリッドは、該グリッドの放射線不透明区域が、グリッドの位置に拘わらずに、各センサーにおける放射線感応性区域の同一の量を被覆するものである。
【0047】
要約すると、グリッドは以下のようにして構成される。最初に、パネルセンサーの実効放射線検知区域を決定して放射線感応性区域を識別し且つ次いで上述した関係に従ってプロトタイルの寸法を決定する。次に、プロトタイル内に所望のモチーフを作成する。次いで、プロトタイルを複製し且つ複数個のプロトタイルを組み付けてプロトタイルの結合したモチーフから発生するグリッドのパターンを形成する。パターンを形成するためにオリジナルのプロトタイルと共にそのプロトタイルの鏡像を使用することが可能である。次いで、このパターンを散乱防止グリッドを形成する放射線吸収物質に対して使用する。この物質は鉛とすることが可能である。このグリッドはDickerson et al.、Pellegrino et al.又はMoore et al.への前述した米国特許の示唆に従って構成することが可能である。グリッドがセンサーと接触しておらず且つ放射線供給源が点供給源である場合には、プロトタイル設計はグリッドの感応性区域への投影を考慮に入れる。
【0048】
上の説明から推察されるように、全く製造上の欠陥がない正確に必須の吸収物質間隔及び厚さでグリッドを得ることは非常に困難である。更に、熱膨張が幾分グリッド要素間隔を変更する場合があり且つ据え付け期間中の移動がグリッド要素と検知パネルとの間の最初に計算した距離を変更する場合があり、従ってW(p)=W/Iの関係が最早絶対的に正しくない場合がある。驚くことに、特定の検知パネル及びグリッド位置決めに対しての理論的に最適なグリッドパターンのある程度のそれは、殆ど常にそうであるように検知パネルが関連する利得制御回路を包含する場合には、許容可能なものであることが判明した。
【0049】
検知パネルが一様な強度の放射線によって照明された場合に、各センサーの出力が同一となるように各センサーの個々の出力を補正することによりこれらのセンサーからなるアレイにおける異なる個別的なセンサーの異なる出力レベルに対して補償するために利得制御回路が使用される。典型的なデジタル利得補正システムにおいては、このことは、キャリブレーションステップを包含しており、それにより、画像検知システムにおいて検知パネルを使用する前に、そのパネルを所定のレベルの強度において一様な放射線に露光させる。個別的なセンサー出力の各々を記録し、且つ各個別的なセンサーに対して、補正係数を発生し、且つ、通常、ルックアップテーブル(LUT)の形態で格納する。画像を獲得すると、各センサーの生の出力はLUTからの対応する補正係数によって補正される。
【0050】
本発明によれば、グリッドを所定位置においてキャリブレーションステップを行う場合には、グリッド画像がパネル上に投影される実質的に一様な照明レベルの代わりに、計算された大きさからの高々+又は−5%のグリッド吸収物質パターンにおける変動は利得補正システムによって補償される。従って、そのパターンがプロトタイル幅W(p)=W/(I±0.05I)及びW(p)≠W+Dに対応する製造されたグリッドは何等問題となるモアレパターンを発生することのないグリッドとなる。
【0051】
図11はラジオグラム即ち放射線透過写真を得るためのシステムにおけるこのグリッドの使用を例示している。このシステムは放射線供給源60を包含しており、それは、典型的に、放射線62のビームを射出するX線供給源である。ターゲット即ち患者64がビーム経路内に配置されている。患者の反対側には、グリッド66と検知パネル68の結合体が配置されている。該グリッドは本発明に基づいて形成されたグリッドであり、且つ例えば前述した図3に示したような吸収物質からなるパターンを有している。グリッド66の後ろ側でそれから固定した距離において例えば図1及び2に関連して前述したパネルのような放射線検知パネル68が位置されている。このパネルはワイヤー70を介して制御コンソール72へ接続しており、該コンソールはディスプレイスクリーン74及び/又はラジオグラムのハードコピーを生成するためのハードコピー出力装置(不図示)を包含することが可能である。典型的に、該制御コンソールは、又、複数個の画像処理回路を有しており、それらは全て当該技術分野において公知である。好適には、検知パネル自身の一部として又は制御コンソールの一部として利得制御回路が包含されている。
【0052】
好適には、該グリッドは、元々は、W(p)=W/Iであるように設計されている。然しながら、製造上の欠陥、熱的変化、据え付けたグリッドと検知パネルとの間の実際の間隔又は何等かのその他の理由に起因して、このような関係は完全に満足されるものではなく、実際のグリッドパターンが上述したW/p=W/(I±0.05I)の関係を満足する限り、このようなグリッドは許容可能なものである。
【0053】
ラジオグラムを得る場合に、最初に、検知パネルのブランク露光、即ちターゲットが存在しない状態での露光を得、且つフラットフィールド出力画像、即ち画像区域にわたって一様な密度を有する画像を発生するために利得制御回路を使用することによってシステムのキャリブレーションを行う。次いで、ターゲットを所定位置に配置させ且つ放射線に露光させる。放射線は、それがターゲットをトラバースする場合に画像通りに変調され且つグリッドを通過した後に検知パネル上に入射する。その結果得られる画像はモアレ干渉パターンが実質的に存在しないものであることが判明した。グリッドが露光中に静止状態にあるか又はグリッドが検知パネルの面と実質的に平行な面内において露光期間中グリッドを移動させる移動支持体上に装着されているかに拘わらず同一の結果が得られた。
【0054】
感応性区域と相対的なグリッドの配置に拘わらずに不透明区域が常に感応性区域の同一の量を被覆するように放射線不透明区域のグリッドを設計することにより放射線非感応性間隙空間によって離隔されている感応性区域からなるアレイを具備する放射線検知パネル上に散乱された放射線が入射することを制限するグリッドについて記載する上述した開示の利益を享受したものはこの結果を達成するために本発明を多数の態様で修正することが可能である。これらの修正は特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内に含まれるものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射線検知センサーからなるアレイを有する典型的な放射線検知パネルを示した概略図。
【図2】概略的にアレイセンサーの1つを示した図1における2−2線に沿ってのパネルの断面図。
【図3】本発明の1実施例に基づくプロトタイルを使用して構成したグリッドで検知パネル上に配置された散乱防止グリッドを示した概略図、3aは図3のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図4】本発明に基づく複数個のプロトタイルの組立体から構成される別のグリッドを示した概略図、4aは図4のグリッドを設計する場合に使用されるプロトタイルを示した概略図。
【図5】本発明の更に別の実施例に基づいて設計されたグリッドを示した概略図、5aは図5のグリッドを設計する場合に使用されるプロトタイルを示した概略図。
【図6】本発明の更に別の実施例に基づいて構成したグリッドを示した概略図、6aは図6のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図7】本発明の更に別の実施例に基づいて構成したグリッドを示した概略図、7aは図7のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図8】本発明の更に別の実施例に基づいて構成したグリッドを示した概略図、8aは図8のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図9】本発明の更に別の実施例に基づいて構成したグリッドを示した概略図、9aは図9のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図10】本発明の更に別の実施例に基づいて構成したグリッドを示した概略図、10aは図10のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図11】放射線供給源と、放射線検知パネルと、該供給源及び該放射線検知パネルの間において固定した距離に配置したグリッドとを有しておりターゲットのラジオグラムを得るためのシステムを示した概略図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数個の離隔されている離散的放射線検知要素を有する放射線検知パネルと共に使用する放射線遮蔽用グリッドに関するものであって、更に詳細には、モアレパターンを排除するためにこのようなグリッドを設計する方法及びその結果得られるグリッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線によって発生した画像を捕獲するために微小のセンサーからなる二次元アレイを有するパネルを使用する直接的放射線写真法画像形成は当該技術において公知である。放射線は異なる放射線吸収区域を具備する物体を介して通過する場合に画像通りに変調される。画像を表わす情報は二次元マトリクスに配列された個別的なセンサーにおける複数個の電荷格納コンデンサ内に格納される電荷分布として捕獲される。
【0003】
X線画像は画像形成されるオブジェクトから散乱されるX線によってコントラストが減少される。主要なX線を通過させる一方、散乱されたX線を吸収するために散乱防止グリッドが長い間使用されている(Gustov Buckyの1915年に発行された米国特許第1,164,987号)。X線検知パネル分解能がグリッドの間隔と同等であるか又はそれより高い場合には、グリッドからの画像アーチファクト即ち人工的効果が見られる場合がある。散乱防止グリッド(勿論、オブジェクトではない)の画像をぼやかすことによりその画像アーチファクトを除去するためにBuckyは、更に、散乱防止グリッドを移動させることを記載している。散乱防止グリッドは直線的又は交差型のものとすることが可能である。Buckyは、更に、フォーカス型散乱防止グリッドを記載している。
【0004】
散乱防止グリッドの構成に対する改良はグリッドを移動させる必要性を減少させており、それにより装置及び散乱防止グリッドの運動とX線発生器との間のタイミングを簡単化させている。然しながら、このような装置からのフィルムをデジタル化する場合にモアレパターンアーチファクトが導入される場合がある。蛍光透視法用画像増倍管もモアレパターンアーチファクトを発生する場合がある。直線型散乱防止グリッドのバーをスキャン方向に対して垂直に整合させることが知られており且つ推奨されている「ザ・エッセンシャル・フィジックス・オブ・メデカル・イメージング(The Essential Physics of Medical Imaging)」、Jerrold T Bushberg、J. Anthony Seibert、Edwin M. Leidholdt,Jr.、John M. Boone、c1994 Williams & Wilkins、ボルチモア、pg.162ff.)。
【0005】
X線検知パネルが、フィルム又はラスタースキャン型スクリーンではなく、ピクチャ要素又はX線センサーからなる二次元アレイから構成されている場合には、感応性区域の空間周波数と散乱防止グリッドの空間周波数との間のうなりが低い空間周波数を有する干渉パターン、即ちモアレパターンを発生させる。Tsukamoto et al.の米国特許第5,666,395号は、感応性区域ピッチの整数割合であるグリッドピッチを有するスタチックリニアグリッドでモアレパターンを防止することを記載している。
【0006】
上述した特許においては2つの場合が説明されている。第一の場合においては、センサー要素間にデッドスペースが存在しないようにセンサーをアレイ状に位置決めさせている。この場合においては、グリッドピッチはセンサーピッチ、即ち隣接するセンサー中心間距離、の整数割合に等しくされる。
【0007】
センサーがデッドスペース、即ち放射線検知に対して非感応性である間隙空間によって離隔されている第二の場合においては、グリッドピッチはセンサーピッチに対応するようにされ且つグリッド要素が実質的に間隙空間上に中心位置決めされるように検知パネルに対して安定した位置関係に保持される。
【0008】
上に提案されている解決方法における問題は、隣接するセンサー要素間に間隙空間を有することのない放射線検知パネルを構成することは困難であるということである。間隙空間が存在する場合には、放射線センサーアレイに対して散乱防止グリッドを固定した位置に維持することは非現実的であることが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、離散的非隣接的要素からなるX線放射線センサーアレイを入射散乱放射線から遮蔽し、放射線検知パネルに対して固定した位置決めを必要とすることがなく、又モアレパターンを形成することを回避するために露光期間中に移動することを必要とすることのないグリッドに対する必要性が存在している。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、複数個のタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフに対応するパターンを表わす放射線吸収物質を有する散乱放射線遮蔽用グリッドが提供され、各プロトタイルは幅W(p)と、長さと、専ら該プロトタイル内のモチーフとを有しており、該プロトタイルの幅はW(p)=W(I)であり、尚Wは幅Dを有している間隙空間によって離隔されている複数個の同じ寸法の放射線センサーを有する放射線検知パネルの放射線センサーの放射線感応性区域の幅であり、その上に該グリッドが位置されており、且つIは整数である。
【0011】
本発明によれば、放射線吸収物質を有する散乱放射線遮蔽用グリッド及び該グリッドの上に位置されている放射線検知パネルが提供され、該放射線パネルは幅Dを有する放射線非感応性間隙空間によって離隔されている放射線感応性区域幅Wを有している複数個の同じ寸法の放射線センサーを有しており、且つ該グリッド吸収物質はタイル張りした複数個の実質的に同一のプロトタイルの結合したモチーフを表わすパターンを形成しており、各プロトタイルは、
(a) 幅W(p)=W/I、尚Iは整数;
(b) 長さ;
(c) 専ら該プロトタイル内に含まれるモチーフ、
を有している。
【0012】
又、本発明によれば、該検知パネルは、更に、前記検知パネルと関連する利得補正回路を有することが可能であり、その場合に、W(p)=W/(I±0.05I)及びW(p)≠W+Dである。
【0013】
本発明に基づく散乱放射線グリッド及び検知パネルが放射線供給源と共に使用され、且つ該グリッドが該パネルと該放射線供給源との間であって前記パネルから固定した既知の距離に位置される場合には、プロトタイル幅W(p)は前記パネル上での投影プロトタイル幅である。
【0014】
又、本発明によれば、各センサーが放射線感応性区域を有しており各放射線感応性区域が幅Dを有する間隙空間によって各隣接する放射線感応性区域から離隔されるように配列されている複数個のセンサーからなるアレイを有する放射線検知パネル用の散乱放射線遮蔽用グリッドを形成するために使用すべき吸収物質に対するパターンを設計する方法が提供され、該方法は、
(a)該センサーの放射線感応性区域の幅に対応するセンサー幅Wを決定し、
(b)幅W(p)=W/I、尚Iは整数、を有するプロトタイルを作成し、
(c)前記プロトタイル内にモチーフを生成し、且つ
(d)複数個の前記プロトタイルをタイル張りして前記パターンを生成し、前記パターンはタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフから構成される、
ことを包含している。
【0015】
又、本発明によれば、各センサーが幅Wと長さとを有する放射線感応性区域を有しており各放射線感応性区域が幅Dを有する間隙空間によって各隣接する放射線感応性区域から離隔されるように配列されている複数個のセンサーからなるアレイを有する放射線検知パネル用の放射線吸収物質のパターンを有する散乱放射線遮蔽用グリッドを製造する方法が提供され、該方法は、
(a)該センサーの放射線感応性区域の幅に対応するセンサー幅Wを決定し、
(b)幅W(p)=W/I、尚Iは整数、を有するプロトタイルを作成し、
(c)前記プロトタイル内にモチーフを生成し、
(d)複数個の前記プロトタイルをタイル張りしてタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフからなるパターンを生成し、
(e)前記結合したモチーフの形状に前記グリッド内に前記放射線吸収物質を形成する、
ことを包含している。
【0016】
又、本発明によれば、放射線供給源と放射線検知パネルとを有しており、前記放射線検知パネルは、各々が幅Wと長さとを有する放射線感応性区域を有する複数個のセンサーからなるアレイを有しており、前記センサーは、各放射線感応性区域が幅Dを有する間隙空間によって各隣接する放射線感応性区域から離隔されるように配列されている露光システムでラジオグラムを形成する方法が提供され、該方法は、
各プロトタイルが幅W(p)と、長さと、モチーフとを有しており、前記モチーフは専ら該プロトタイル内に包含されており、該プロトタイルの幅はW(p)=W/I、尚Iは整数、である複数個の実質的に同一のタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフを表わすパターンに形成された放射線吸収物質を有するグリッドを前記放射線供給源と前記パネルとの間に位置決めさせる、
ことを包含している。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下の詳細な説明全体にわたって、同様の参照符号は全ての図面において同様の要素を参照する。現在の文脈においては、タイリング即ちタイル張りとは、複数個のプロトタイルを有する大きな区域を形成するためにプロトタイルを隣接して並置して配設させることによる複数個のプロトタイルの組立体のことを意味する。「数理科学における一連の本(A series of books in the mathematacil sciences)」、Victor Klee編集、著作権1987、20頁、基本的概念、パラグラフ1.2「幾つかの形状のタイルでのタイル張り(Tilings with tiles of a few shapes)」において説明されているように、モノフィードラルタイリング即ち単一面タイル張りは複数個の同一寸法及び形状のタイルを組み付けるプロセスである。これらのタイルの各々はプロトタイルと呼ばれる。本明細書においては、タイリング即ちタイル張りのことを参照する場合には、単一面タイル張りのことを意味し、且つ受付けられている用語と一貫して「プロトタイル」のことを参照する場合には、同一の寸法及び形状のタイルからなるグループのうちの個々のタイルのことを意味する。このようなプロトタイルは仮想的なもの、即ち数学的表現としてのみ存在するものである場合があり、又は表示されたソフト又はハードの画像等の物理的形状をとる場合がある。プロトタイルがそのプロトタイル内にここでは「モチーフ」として参照するデザインを包含している場合には、全てのタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフはパターンを形成する。
【0018】
次に、図1を参照すると、蛍光透視法画像形成適用例に有用な放射線検知パネル10が示されている。
【0019】
パネル10は規則的なパターンに配列された複数個のセンサー12を有している。各センサーはスイッチングトランジスタ14と、センサー放射線検知区域を画定する放射線検知電極16とを有している。各放射線検知区域は幅「WS」と長さ「LS」とを有しており、且つ間隙空間「S」によって隣接する放射線検知区域から離隔されている。間隙空間は実質的に入射放射線を検知することは不可能である。これらのセンサーと関連してセンサー長さに沿ってのセンサーピッチ「PL」及びセンサー幅に沿ってのセンサーピッチ「PW」が存在している。
【0020】
図2は、図1における矢印2−2に沿って見たパネル10の一部の概略断面図を示している。本発明を例示するために使用するセンサーは本願出願人に譲渡されておりLee et al.に対して発行された米国特許5,319,206号において、及び本願出願人に譲渡されており1997年12月9日付で出願したLee et al.の係属中の出願番号08/987,485に記載されているタイプのものである。
【0021】
簡単に説明すると、このタイプのセンサーは誘電体支持用ベース20を有している。このベース20上に、通常は薄膜技術を使用して構成したFETであるスイッチングトランジスタ22が構成されている。該FETは半導体物質25と、ゲート24と、ソース26と、ドレイン28とを有している。該FETに隣接して第一電極30が構築されている。誘電体層32が該FET及び第一電極30の上側に配置されている。コレクター電極34は第一電極30及びFET22の上側に配置されている。コレクター電極の上側にはバリア即ち絶縁層36が配置されており且つ絶縁層36の上側には放射線検知層38が設けられており、それは、好適には、アモルファスセレンの層である。第二誘電体層40が放射線検知層の上側に付着形成されており且つ上部電極42が上部誘電体層の上側に付着形成されている。
【0022】
バリア即ち絶縁層36、放射線検知層38、第二誘電体層40及び上部電極層は該FET及びコレクタ電極全ての上側に延在している連続的な層である。
【0023】
動作について説明すると、上部電極と第一電極との間にDC電圧を印加することにより該センサーに対して静電界を印加する。X線放射線に露光されると、該放射線検知層内に電子と正孔とが形成され、それらは静電界の影響下において上部電極及びコレクター電極に向かって移動する。各コレクター電極はその直上の区域からの電荷及び直接的な電極区域外側の幾らかのフリンジ電荷を回収する。従って、このタイプのセンサーに関連して実効放射線感応性区域「W」が存在しており、それはコレクター電極の物理的区域よりも幾分大きい。これらの感応性区域はデッドスペースDによって離隔されている。実効感応性区域が電極区域と等しい場合には、Dは間隙S空間となる。
【0024】
放射線検知層をコラム状とした、即ち放射線検知層が孤立したコラムでコレクター電極から上方へ延在する実施例においては、放射線感応性区域はコレクター電極の物理的区域と同一である。このことは、放射線変換蛍光体層と共にホトダイオードを使用するセンサーのタイプにおいて特に言えることである。このような場合においては、蛍光体層は、通常、ホトダイオードの上方に隆起する離散的なコラムとして構成される。
【0025】
本発明の説明にあたって、それがセンサーの物理的区域と同一であるか否かに拘わらず、放射線感応性である実際の区域を指定する用語として「放射線感応性区域」という用語を使用する。放射線吸収性物質を示す用語として「不透明」という用語を使用する。更に、実際の使用においては、散乱防止グリッドは(a)三次元であり且つ(b)時々放射線検知層の表面から離隔して配置されるので、プロトタイル幅及びプロトタイル長さという用語は、プロトタイルがグリッド面内にある場合に、その感応性表面上に投影された画像がプロトタイル寸法と感応性表面寸法との間の所要の関係を満足するようなプロトタイルの幅及び長さのことを意味する。設計の目的のためには、これはグリッドの幅及び長さに平行なグリッドを介しての任意の面とすることが可能である。好適には、この面は感応性表面に最も近い面である。最後に、グリッドは、通常、その幅及び長さに対して垂直な高さを有するものとして記述されるが、放射線供給源から放射状に発散する経路である場合がある入射放射線経路と整合した不透明要素を有するグリッドを生成するために垂直線に関して傾斜させることが可能であることを理解すべきである。このタイプのグリッド要素の配向状態も当該技術において公知であり且つこのように傾斜した壁を有するグリッドは前述した米国特許第4,951,305号Moore et al.(特に、Moore、図8参照)に記載されている。このように配向された要素を具備するグリッドは、グリッド高さに対して参照する場合にも包含されるものとして考慮すべきである。
【0026】
実際に、特にグリッドが感応性表面と接触して又はその近くに配置される場合には、投影寸法及び実際の寸法は実質的に同一であり、その場合には、実際の寸法を使用するのが便利である。
【0027】
図3はパネルの上に散乱放射線遮蔽用グリッド44を配置させた上述したタイプの放射線検知パネルを示している。図面に示したように、このグリッドはパネルの幅及び長さに沿って整合された複数個の不透明なストリップ46及び48からなるパターンを有している。
【0028】
このタイプの散乱防止グリッドは使用可能な散乱防止グリッドの一般的なタイプであり且つ容易に製造することが可能である。例えば、Pellegrino et al.に対して発行された米国特許第5,606,589号を参照すると良く、それはこのような交差グリッド及びその製造方法及び医学的蛍光透視法における使用について開示している。
【0029】
然しながら、上述したタイプの放射線検知パネルと共にこのタイプのグリッドを使用することは、Tsukamoto et al.の米国特許第5,666,395号によって示されるように、グリッドが下側に存在する放射線センサーのアレイに対して固定した関係、即ちグリッドピッチがアレイピッチと同一であり、且つグリッドバーが間隙空間の中心に整合されるものでない限り、モアレパターンを発生する傾向がある。
【0030】
本発明は従来技術のグリッドの正確な配置を必要とすることなしに、モアレパターンを発生することのない吸収物質のパターンを有するグリッドを使用している。図3に示されるように、グリッド4の吸収物質パターンは下側に存在する感応性区域11のアレイの間隙即ちデッドスペースと整合するものではない。Tsukamotoのグリッドと異なり、グリッド44は任意の箇所に配置させることが可能であり且つそれでも効果的に機能する。更に、このグリッドは放射線露光期間中に移動させることが可能である。
【0031】
グリッド44は、吸収物質用のパターンを発生するために、図3に点線で示した複数個のプロトタイルをタイル張りすることにより本発明に基づいて構成されている。
【0032】
図3Aにより良く示したように、プロトタイル50は幅WPと長さLPとを有している。プロトタイルの幅WPはパネルのセンサーの放射線感応性区域11の幅WSを整数Aで割算したものに等しい。従って、WP=WS/Aである。殆どの場合には、A=1である。
【0033】
同じことが感応性区域の長さLSに対してのプロトタイルの長さLPに対しても適用可能であり、この場合も、LP=LS/Bであり、尚Bは整数であり、この場合も、好適にはB=1である。
【0034】
プロトタイルの各々はモチーフ52を有しており、それはグリッドの不透明部分を構成するために使用される。図3Aにおいてこのモチーフはクロスである。プロトタイルがタイル張りされた場合に、複数個のタイル張りしたプロトタイルのモチーフが結合されて図3に示したパターンを形成するようにモチーフが選択される。これはグリッドにおける不透明物質に対するパターンである。
【0035】
このグリッドパターンは、90゜の角度で交差する複数個のストリップである必要はない。Dickerson et al.に対して発行された米国特許第5,259,016号において開示されている技術を使用して多数の異なるグリッドデザインを発生することが可能である。直線以外の形状を有する放射線吸収グリッドを生成するための写真技術を使用することがその文献に示されており且つ本発明を使用して設計したグリッドを製造するために使用することが可能であり、その場合に不透明なグリッドストリップは直線以外のものである。Moore et al.に対して発行された前述した米国特許第4,951,305号も複雑なグリッド形状を製造する方法を示している。
【0036】
図4は幅WPと長さLPと単一のバーとして示したモチーフ54とを有するプロトタイル50から形成したグリッド44を示している。放射線感応性区域11は幅WSと長さLSとを有している。間隙空間Sは感応性区域を離隔させている。その結果得られる散乱防止グリッド44は、多くの点において、不透明領域の間の距離がセンサーの感応性区域幅と等しいことを除いて、今日一般的に使用されている通常の直線状散乱防止グリッドと類似している。135ミクロンの幅を有する感応性区域の場合には、グリッド44は、好適には、188.1個のバー/インチ(7.407/mm)を有することになる。
【0037】
上述した説明はxy面におけるグリッドデザインに制限されているが、グリッドはz軸に沿って3番目の次元を有しており、即ち、グリッドの壁は高さを有していることを理解すべきである。
壁の高さは壁の厚さの約2乃至16倍の範囲である。好適な高さの比は約6乃至12である。プロトタイル幅に対する壁厚さの比は約1/10乃至1/2の範囲であり、好適な比は約1/6である。
【0038】
放射線は垂直、即ちz軸に沿ってではなく異なる角度でパネルに入射するので、パネル上のグリッドの投影は放射線感応性表面からのグリッドの距離に依存して、且つある程度、放射線供給源の距離及び特性に依存して拡大され且つ歪曲される。
【0039】
例えば、コリメート型放射線供給源は拡大や歪み効果を発生するものではないが、点供給源はこれら両方を発生する。これらの効果は当該技術において良く理解されており且つパネル上に投影されたプロトタイルが上に展開した基準を満足するようにグリッドを設計することによりグリッド設計に対して適切な補償が行われる。これらの効果は、グリッドを感応性区域と近接させて、好適には、緊密に接触して配置させることにより、且つグリッド壁高さを最小とすることにより最小化される。
【0040】
上述した例においては、グリッド44が検知パネルの感応性区域から1cm離隔されており且つX線発生器が1メートル離れている場合には、好適なグリッド44は、幾何学的拡大を補正するために、188.1個のバー/インチ(7.407/mm)の代わりに190.0対/インチ(7.480/mm)を有することになる。
【0041】
図4を検査すると、不透明物質からなる正確に1個のバー54が各放射線感応性区域11の上に投影されることを示している。これは該バーの殆どの並進に対して自明である。更に、自明なことであるが、2個のバーが感応性区域11上に部分的に投影する場合には、感応性区域上に投影することのない一方のバーの部分は他方のバーによって投影される部分と正確に等しい。任意の感応性区域へ通過するX線の量は一定であるので、静的であるか又はいずれかのラインに沿っての並進であるかによらず、モアレパターン干渉が導入されることはない。この散乱防止グリッドは水平方向に配向させることが可能であり、その場合には、タイル張りピッチは実効感応性区域幅ではなく実効感応性区域長さと等しくされる。
【0042】
放射線検知パネルの放射線感応性区域11が規則的なアレイである必要性がないということは本発明の顕著すべき特徴である。図5に示したように、不均一なアレイとすることが可能であり尚且つ本発明の利点を享受することが可能である。然しながら、放射線感応性区域は形状、寸法、配向状態が同一でなければならない。図5及びそれと関連する図5Aに示したプロトタイルも、放射線感応性区域幅が感応性区域長さと異なる場合に対してのグリッド構成及びプロトタイルモチーフ56を例示している。図示したように、結果的に得られるプロトタイル幅及び長さも異なっている。
【0043】
プロトタイルにおける不透明領域に対するモチーフを選択する上で大きな余裕が存在しているが、好適なX線透明領域は図5のグリッドに示したように感応性区域のいずれの端部とも同一線状の端部を有するものではない。好適なX線不透明モチーフは円、楕円、矩形、及びその他の形状を包含することが可能である。その意図は、パネル表面に沿って感応性区域に関してモチーフがその相対的な位置を移動させる場合に、感応性区域境界上に投影されるプロトタイルの不透明モチーフの量を最小とさせることである。タイル張りに従う結果的に得られる不透明パターンはセンサーピッチよりも小さなピッチを有しているので、不透明パターンは、不可避的に、間隙区域から感応性区域を分割するライン上に該当する(図4参照)。又、グリッドピッチのために、不透明区域が感応性区域の一端部から出る場合に、別の不透明区域が反対側端部から入る。不透明区域の厚さが、それが常に同一であるように、絶対的な精度で再現される場合には、感応性区域を被覆する不透明区域は、常に、一定である。然しながら、実際には、絶対的に同一の厚さの不透明区域を形成することは困難であるので、間隙空間と感応性区域との間の境界に平行な不透明区域なしでパターンを形成するモチーフを選択することが望ましい。
【0044】
図6A及び7Aは前述した境界に対して平行な不透明区域を包含することのない図6及び7に示したグリッド44の構成となる代替的なモチーフMを示している。
【0045】
図8,9,10は全て、本発明に基づいて設計された異なるグリッド44を示している。これらの場合に使用したプロトタイル50及びモチーフMは、夫々、図8A、9A、10Aに示してある。全ての場合において、プロトタイル50は、上に定義したような幅WP及び長さLPを有している。
【0046】
全ての場合において、結果的に得られる放射線吸収パターンのグリッドは、該グリッドの放射線不透明区域が、グリッドの位置に拘わらずに、各センサーにおける放射線感応性区域の同一の量を被覆するものである。
【0047】
要約すると、グリッドは以下のようにして構成される。最初に、パネルセンサーの実効放射線検知区域を決定して放射線感応性区域を識別し且つ次いで上述した関係に従ってプロトタイルの寸法を決定する。次に、プロトタイル内に所望のモチーフを作成する。次いで、プロトタイルを複製し且つ複数個のプロトタイルを組み付けてプロトタイルの結合したモチーフから発生するグリッドのパターンを形成する。パターンを形成するためにオリジナルのプロトタイルと共にそのプロトタイルの鏡像を使用することが可能である。次いで、このパターンを散乱防止グリッドを形成する放射線吸収物質に対して使用する。この物質は鉛とすることが可能である。このグリッドはDickerson et al.、Pellegrino et al.又はMoore et al.への前述した米国特許の示唆に従って構成することが可能である。グリッドがセンサーと接触しておらず且つ放射線供給源が点供給源である場合には、プロトタイル設計はグリッドの感応性区域への投影を考慮に入れる。
【0048】
上の説明から推察されるように、全く製造上の欠陥がない正確に必須の吸収物質間隔及び厚さでグリッドを得ることは非常に困難である。更に、熱膨張が幾分グリッド要素間隔を変更する場合があり且つ据え付け期間中の移動がグリッド要素と検知パネルとの間の最初に計算した距離を変更する場合があり、従ってW(p)=W/Iの関係が最早絶対的に正しくない場合がある。驚くことに、特定の検知パネル及びグリッド位置決めに対しての理論的に最適なグリッドパターンのある程度のそれは、殆ど常にそうであるように検知パネルが関連する利得制御回路を包含する場合には、許容可能なものであることが判明した。
【0049】
検知パネルが一様な強度の放射線によって照明された場合に、各センサーの出力が同一となるように各センサーの個々の出力を補正することによりこれらのセンサーからなるアレイにおける異なる個別的なセンサーの異なる出力レベルに対して補償するために利得制御回路が使用される。典型的なデジタル利得補正システムにおいては、このことは、キャリブレーションステップを包含しており、それにより、画像検知システムにおいて検知パネルを使用する前に、そのパネルを所定のレベルの強度において一様な放射線に露光させる。個別的なセンサー出力の各々を記録し、且つ各個別的なセンサーに対して、補正係数を発生し、且つ、通常、ルックアップテーブル(LUT)の形態で格納する。画像を獲得すると、各センサーの生の出力はLUTからの対応する補正係数によって補正される。
【0050】
本発明によれば、グリッドを所定位置においてキャリブレーションステップを行う場合には、グリッド画像がパネル上に投影される実質的に一様な照明レベルの代わりに、計算された大きさからの高々+又は−5%のグリッド吸収物質パターンにおける変動は利得補正システムによって補償される。従って、そのパターンがプロトタイル幅W(p)=W/(I±0.05I)及びW(p)≠W+Dに対応する製造されたグリッドは何等問題となるモアレパターンを発生することのないグリッドとなる。
【0051】
図11はラジオグラム即ち放射線透過写真を得るためのシステムにおけるこのグリッドの使用を例示している。このシステムは放射線供給源60を包含しており、それは、典型的に、放射線62のビームを射出するX線供給源である。ターゲット即ち患者64がビーム経路内に配置されている。患者の反対側には、グリッド66と検知パネル68の結合体が配置されている。該グリッドは本発明に基づいて形成されたグリッドであり、且つ例えば前述した図3に示したような吸収物質からなるパターンを有している。グリッド66の後ろ側でそれから固定した距離において例えば図1及び2に関連して前述したパネルのような放射線検知パネル68が位置されている。このパネルはワイヤー70を介して制御コンソール72へ接続しており、該コンソールはディスプレイスクリーン74及び/又はラジオグラムのハードコピーを生成するためのハードコピー出力装置(不図示)を包含することが可能である。典型的に、該制御コンソールは、又、複数個の画像処理回路を有しており、それらは全て当該技術分野において公知である。好適には、検知パネル自身の一部として又は制御コンソールの一部として利得制御回路が包含されている。
【0052】
好適には、該グリッドは、元々は、W(p)=W/Iであるように設計されている。然しながら、製造上の欠陥、熱的変化、据え付けたグリッドと検知パネルとの間の実際の間隔又は何等かのその他の理由に起因して、このような関係は完全に満足されるものではなく、実際のグリッドパターンが上述したW/p=W/(I±0.05I)の関係を満足する限り、このようなグリッドは許容可能なものである。
【0053】
ラジオグラムを得る場合に、最初に、検知パネルのブランク露光、即ちターゲットが存在しない状態での露光を得、且つフラットフィールド出力画像、即ち画像区域にわたって一様な密度を有する画像を発生するために利得制御回路を使用することによってシステムのキャリブレーションを行う。次いで、ターゲットを所定位置に配置させ且つ放射線に露光させる。放射線は、それがターゲットをトラバースする場合に画像通りに変調され且つグリッドを通過した後に検知パネル上に入射する。その結果得られる画像はモアレ干渉パターンが実質的に存在しないものであることが判明した。グリッドが露光中に静止状態にあるか又はグリッドが検知パネルの面と実質的に平行な面内において露光期間中グリッドを移動させる移動支持体上に装着されているかに拘わらず同一の結果が得られた。
【0054】
感応性区域と相対的なグリッドの配置に拘わらずに不透明区域が常に感応性区域の同一の量を被覆するように放射線不透明区域のグリッドを設計することにより放射線非感応性間隙空間によって離隔されている感応性区域からなるアレイを具備する放射線検知パネル上に散乱された放射線が入射することを制限するグリッドについて記載する上述した開示の利益を享受したものはこの結果を達成するために本発明を多数の態様で修正することが可能である。これらの修正は特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内に含まれるものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射線検知センサーからなるアレイを有する典型的な放射線検知パネルを示した概略図。
【図2】概略的にアレイセンサーの1つを示した図1における2−2線に沿ってのパネルの断面図。
【図3】本発明の1実施例に基づくプロトタイルを使用して構成したグリッドで検知パネル上に配置された散乱防止グリッドを示した概略図、3aは図3のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図4】本発明に基づく複数個のプロトタイルの組立体から構成される別のグリッドを示した概略図、4aは図4のグリッドを設計する場合に使用されるプロトタイルを示した概略図。
【図5】本発明の更に別の実施例に基づいて設計されたグリッドを示した概略図、5aは図5のグリッドを設計する場合に使用されるプロトタイルを示した概略図。
【図6】本発明の更に別の実施例に基づいて構成したグリッドを示した概略図、6aは図6のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図7】本発明の更に別の実施例に基づいて構成したグリッドを示した概略図、7aは図7のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図8】本発明の更に別の実施例に基づいて構成したグリッドを示した概略図、8aは図8のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図9】本発明の更に別の実施例に基づいて構成したグリッドを示した概略図、9aは図9のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図10】本発明の更に別の実施例に基づいて構成したグリッドを示した概略図、10aは図10のグリッドを設計する場合に使用するプロトタイルを示した概略図。
【図11】放射線供給源と、放射線検知パネルと、該供給源及び該放射線検知パネルの間において固定した距離に配置したグリッドとを有しておりターゲットのラジオグラムを得るためのシステムを示した概略図。
Claims (10)
- 散乱放射線遮蔽用グリッドにおいて、複数個のタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフに対応するパターンを表わす放射線吸収用物質を有しており、各プロトタイルは幅W(p)と、専ら該プロトタイル内のモチーフとを有しており、前記プロトタイル幅はW(p)=W/(I±0.05I)且つW(d)≠W+Dであり、尚Wは幅Dを有する間隙空間によって分離されている複数個の同寸法の放射線センサーを有する放射線検知パネルの放射線センサーの放射線感応性区域であり、その上に前記グリッドが位置されており、且つIが整数である散乱放射線遮蔽用グリッド。
- 請求項1において、W(d)=W/Iである散乱放射線グリッド。
- 散乱放射線遮蔽用グリッドにおいて、放射線吸収用物質、及びその上に前記グリッドが位置されている放射線検知パネルを有しており、前記パネルは、幅Dを有している放射線非感応性間隙空間によって分離されている放射線感応性区域幅Wを有している複数個の同寸法の放射線センサーを有しており、且つ前記グリッド吸収物質はタイル張りした複数個の実質的に同一のプロトタイルの結合したモチーフを表わすパターンを形成しており、各プロトタイルは、
(a) 幅W(p)=W/I、尚Iは整数;
(b) 長さ;
(c) 専ら前記プロトタイル内に含まれるモチーフ、
を有している散乱放射線遮蔽用グリッド。 - 請求項3において、更に、前記検知パネルと関連している利得補正回路を有しており、且つW(p)=W/(I±0.05I)及びW(p)≠W+Dである散乱放射線グリッド及び検知パネル。
- 請求項4において、更に、放射線供給源を有しており、且つ前記グリッドが前記パネルと前記放射線供給源との間において前記パネルから固定した既知の距離に位置されており、前記プロトタイル幅W(p)が前記パネル上の投影プロトタイル幅である散乱放射線グリッド及び検知パネル。
- 各々が幅Wと長さとを有している放射線感応性区域を具備している複数個のセンサーからなり各放射線感応性区域が幅Dを有している間隙空間によって各隣接する放射線感応性区域から離隔されるように前記センサーが配列されているアレイを有している放射線検知パネル用の散乱放射遮蔽用グリッド用の吸収物質に対するパターンを設計する方法において、
(a)前記センサーの放射線感応性区域の幅に対応するセンサー幅を決定し、
(b)幅W(p)=W/I、尚Iは整数、を有するプロトタイルを作成し、
(c)前記プロトタイル内にモチーフを生成し、
(d)複数個の前記プロトタイルをタイル張りして所定のパターンを生成し、前記パターンが前記タイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフから構成される、
ことを包含している方法。 - 各々が幅Wと長さとを有している放射線感応性区域を有している複数個のセンサーからなり、各放射線感応性区域が幅Dを有する間隙空間によって各隣接する放射線感応性区域から離隔されるように前記センサーが配列されているアレイを有している放射線検知パネル用放射線吸収物質からなるパターンを有する散乱放射線遮蔽用グリッドの製造方法において、
(a)前記センサーの放射線感応性区域の幅に対応するセンサー幅Wを決定し、
(b)幅W(p)=W/(I±0.05I)、W(p)≠W+D、尚Iは整数、を有するプロトタイルを作成し、
(c)前記プロトタイル内にモチーフを生成し、
(d)複数個の前記プロトタイルをタイル張りしてタイル張りしたプロトタイルの結合したモチーフからなるパターンを生成し、
(e)前記結合したモチーフの形状で前記グリッド内に前記放射線吸収用物質を形成する、
ことを包含している方法。 - 請求項7において、ステップ(b)において、プロトタイル幅がW(p)=W/Iである方法。
- 放射線供給源と放射線検知パネルとを有しており、前記放射線検知パネルが、各々が幅Wと長さとを有している放射線感応性区域を有している複数個のセンサーからなり各放射線感応性区域が幅Dを有する間隙空間によって各隣接する放射線感応性区域から離隔されるように前記センサーが配列されているアレイを有している露光システムでラジオグラムを発生する方法において、
前記放射線供給源と前記パネルとの間において複数個の実質的に同一なタイル張りしたプロトタイルからなる結合したモチーフを表わすパターンに形成された放射線吸収用物質を有するグリッドを位置決めさせる、
ことを包含しており、各プロトタイルは幅W(p)と長さと、前記モチーフとを有しており、前記モチーフは専ら前記プロトタイル内に包含されており、プロトタイル幅はW(p)=W/Iであり、尚Iは整数である方法。 - 請求項9において、前記システムが、更に、利得補正回路を有しており、前記プロトタイル幅がW(p)=W/(I±0.05I)、W(p)≠W+Dであり、且つ前記グリッドを前記供給源と前記パネルとの間に位置決めした後に、前記グリッドを介して前記パネルを放射線に露光させ且つ前記利得補正回路を調節して前記パネル内の全てのセンサーから一様な出力を発生させることを包含するキャリブレーションステップを実施する、ラジオグラムを発生する方法。
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