JP2004508580A - ビニルフィルムに積層された光学コアを有するシート、再帰反射性物品、および方法 - Google Patents
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Abstract
再帰反射性シートなどのシート、かかるシートの作製方法、およびかかるシートを含む物品。シートは、2つの主面を有するビニルフィルム、ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コア、ビニルフィルムと予備成形光学コアとの間に配置されていてウレタンポリマーを含むプライマー、および任意選択で、プライマーと光学コアとの間またはプライマーとビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスを含む。
Description
【0001】
発明の分野
本発明は、ビニルフィルムを含むグラフィック・デザインや再帰反射性製品など、種々の用途に役立つ再帰反射性物品およびその他の物品に関する。
【0002】
背景
ポリマーフィルムを含む物品は、広告用および再帰反射性製品用の商業グラフィックスなどの用途で、幅広い実用性がある。具体的には、再帰反射性製品(たとえば、ビーズをベースにした、またプリズム型(たとえば、コーナーキューブ)の再帰反射性シート)が、特に見通しが悪くなった状態のときの安全性を高めるために開発されてきた。これらの物品は、極端な温度、大気汚染や塩化カルシウムからくる化学的な問題、および太陽光線の赤外線、可視光線、および紫外線が関係した光反応など、過酷な要求が求められる環境に遭遇することがある。
【0003】
従来の再帰反射性ベースシートの一つに、光学素子の単一層があり、光学素子は、通常、ポリマーバインダー層とポリマー層を覆っている鏡面反射層とに埋め込まれたガラス小球体(すなわち、ビーズ)の形ものである。透明カバーフィルムは、物品、特にナンバープレートや標識などの再帰反射性物品を保護する(たとえば、耐候性を与える)のに使用される。かかるカバーフィルムは、基材を浸漬コーティングしたり、予備成形カバーフィルムを取り付けたりして、作製されてきた。たとえば、予備成形カバーフィルムとしては、ポリ(メチルメタクリレート)およびポリ(エチレンテレフタレート)を挙げることができる。かかるカバーフィルムは、道路標識など堅い平面支持体が再帰反射性シートにある場合には十分に機能するが、適合性や伸縮性があまりないので、ナンバープレートなどエンボス加工の必要な製品には使用できない。さらに、これらのカバーフィルムは、通常、ベースシートに接着するための感圧性接着剤層を必要とする。
【0004】
もっと柔軟性があり、それゆえに、エンボス加工を必要とする製品に有用であるカバーフィルムも知られている。たとえば、米国特許第4,767,659号(Baileyら)は、脂肪族ウレタン、エチレンまたはプロピレンのコポリマー、あるいはエチレンおよびプロピレンのホモポリマーを含む押出熱可塑性フィルムを開示している。好適なカバーフィルムとしては、エチレンとアクリル酸(EAA)のコポリマーがある。かかるカバーフィルムは、再帰反射性シート、特にナンバープレート用の極めて有効なカバーフィルムである。しかしながら、欠点が1つあり、それはインクジェットプロセスや高温箔押プロセスを行うのが難しいという点である。
【0005】
そのため、たとえば、インクジェットプロセス、熱物質転写(thermal mass transfer)プロセス、および高温箔押プロセスなどを一層行いやすい、グラフィック・デザインや再帰反射性製品などの種々の用途に役立つ再帰反射性物品およびその他の物品を提供することが望まれている。
【0006】
発明の概要
たとえば、インクジェットプロセス、熱物質転写プロセス、および高温箔押プロセスなどを用いた印刷を一層行いやすい再帰反射性物品用のカバーフィルムに対する要望を満たす1つの方法は、商業グラフィックス製品に使用されているようなビニルフィルムを用いることである。しかしながら、かかるビニルフィルムは、ガラス小球体またはプリズム要素などの光学素子を含む、従来の予備成形光学コア(preformed optical cores)に容易に接着しない。本発明は、この問題を解決することを目的としたものであり、ウレタンポリマーおよび、任意選択で、エチレンとアクリル酸(EAA)とのコポリマーなどのオレフィンコポリマーを含むプライマーを使用することが関係している。
【0007】
したがって、本発明の一実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルム、前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コア、前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていて、ウレタンポリマーを含んでおり、好ましくは(乾燥)厚さが約12.5マイクロメートル以下のプライマー、および任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスを含む、シート(好ましくは、再帰反射性シート)が提供される。
【0008】
プライマーのウレタンポリマーは、水性ウレタン樹脂または溶液型ウレタン樹脂によって与えることができる。ウレタンを、EAAコポリマーなどのオレフィンコポリマーと混合するような実施態様においては、通常、水性ウレタン樹脂を使用する。通常、ウレタンポリマーの重量平均分子量は、約8000〜約500,000である。
【0009】
ある特定の好ましい実施態様においては、プライマーは、エチレン/アクリル酸(EAA)コポリマーなどの、オレフィンモノマーとペンダントカルボキシル基を含む別のモノマーとのコポリマーも含む。これは、ウレタンポリマー(通常は、水性ウレタン樹脂から形成される)と混合(たとえば、ブレンド)することができる。あるいは、プライマーは、2つの別個の層、たとえば、ウレタンポリマーの層とEAAコポリマーの層を含むことができる。混合物、たとえばウレタンポリマーとEAAコポリマーの混合物(たとえば、ブレンド)は、複数の層(通常は2層)を含むプライマーに使用することもできる。好ましいウレタンポリマーとオレフィンコポリマーの混合物では、オレフィンコポリマーは、ポリマー固形分に基づいて約7重量パーセント(重量%)〜約87重量%の量だけ存在し、ウレタンポリマーは、ポリマー固形分に基づいて約13重量%〜約93重量%の量だけ存在する。混合物の形で使用するにしても、層の形で使用するにしても、ウレタンポリマーは、好ましくはビニルフィルムに隣接する。
【0010】
本発明の別の実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルム、前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コアと、前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていて本質的にウレタンポリマーからなるプライマーと、任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスとを含む、シート(好ましくは、再帰反射性シート)が提供される。
【0011】
本発明のさらに別の実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルムと、前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コアと、前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていて、前記ビニルフィルムに隣接したウレタンポリマーを含む第1層とエチレン/アクリル酸コポリマーを含む第2層とを含むプライマーと、任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスとを含む、シート(好ましくは、再帰反射性シート)が提供される。好ましくは、層のいずれかまたは両方が、エチレン/アクリル酸コポリマーおよびウレタンポリマーの混合物を含むことができる。
【0012】
別の実施態様では、2つの主面を有するビニルフィルム、前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コア、前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていて溶液型ウレタン樹脂から形成されたプライマー、および任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスを含む、シート(好ましくは、再帰反射性シート)が提供される。
【0013】
本発明の別の実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルムと、前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コアと、前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていてウレタンポリマーを含む、厚さが約12.5マイクロメートル以下のプライマーと、任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスとを含む、再帰反射性シートが提供される。
【0014】
本発明は、かかるシート(好ましくは、再帰反射性シート)の作製方法も提供する。一般に、それらの方法は、ビニルフィルムを予備成形光学コアに積層することを伴う。ビニルフィルム、予備成形光学コア、またはその両方には、互いに積層工程の前に、ウレタンプライマーを含むプライマーを塗布する。また、積層の前に、任意選択で、グラフィックスを、ビニルフィルム、予備成形光学コア、またはその両方に被着することができる。
【0015】
好ましい実施態様の1つによれば、その第1主面に配置されウレタンポリマーを含むプライマーを含むビニルフィルムを設けてプライマー塗布表面を形成させる工程と、2つの主面を有する予備成形光学コアを設ける工程と、さらに前記予備成形光学コアの第1主面を前記ビニルフィルムの前記プライマー塗布表面に積層する工程と、を含む方法が提供される。この方法では、ビニルフィルムには、水性ウレタン樹脂または溶液型ウレタン樹脂によって与えられるウレタンポリマーを下塗りすることができる。
【0016】
別の好ましい実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルムを設ける工程と、ウレタンポリマーを含むプライマーがその第1主面に配置されている予備成形光学コアを設けてプライマー塗布表面を形成する工程と、前記ビニルフィルムの第1主面を前記予備成形光学コアの前記プライマー塗布表面に積層する工程と、を含む方法が提供される。この方法では、光学コアには、好ましくは、水性ウレタン樹脂によって与えられるウレタンポリマーを下塗りする。
【0017】
シートに関して上で論じたように、これら方法において使用するプライマーは、エチレン/アクリル酸(EAA)コポリマーなどのオレフィンコポリマーも含むことができる。これは、ウレタンポリマー(通常は、水性ウレタン樹脂から形成される)と混合(たとえば、ブレンド)することができる。あるいは、プライマーは、2つの別個の層(ウレタンポリマーの層とEAAコポリマーの層)を含むことができる。ただし、それが可能なのは、ウレタンポリマーがビニルフィルムに隣接する場合に限られる。
【0018】
ここで説明したすべての実施態様において、予備成形光学コアは、光学素子を、通常は、たとえばガラス小球体(すなわち、ビーズ)またはプリズムの形で含む。小球体は、たとえば、ポリマーバインダー層に埋め込むか、あるいはポリマーフィルムに押し込むことができる。かかる予備成形光学コアは、当業者によく知られている。
【0019】
本発明のシートは、ナンバープレート、反射性グラフィック物品、および路面表示を含む、種々の製品に使用できるが、それらに限定されるわけではない。
【0020】
ここで用いられている「ウレタンポリマー」という言葉は、ウレタン含有ポリマーまたはコポリマーを指す。かかる物質はまた、「ポリウレタン」と呼ばれる場合もある。「ポリウレタン」という用語は、通常、ウレタンおよび/または尿素結合を有するポリマーを含み、ここで意図しているのはその意味である。
【0021】
ここで用いられている「プライマー」または「プライマー層」という言葉は、通常、プライマーが間に存在しなければ十分に相互に接着しないような場合に、2つ以上の他の層、フィルム、および/またはシートを互いに接着する層を指す。
【0022】
以下の図を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0023】
これらの図は、理想図であり、一定の縮尺に従ったものではなく、単なる例示のためのものであって、限定されるものではない。
【0024】
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、2つの主面を有するビニルフィルムおよび前記ビニルフィルムの第1主面に積層したシート材の形の予備成形光学コアを含むシート(好ましくは、再帰反射性シート)を提供する。意義深い点として、ウレタンポリマーを含むプライマーは、予備成形光学コアに積層するビニルフィルムの接着性を高めるのに使用する。
【0025】
好ましくは、存在するプライマーは、乾燥塗り厚が約12.5マイクロメートル以下、さらに好ましくは約6マイクロメートル以下、最も好ましくは約5マイクロメートル以下である。好ましくは、ビニルフィルムへの光学コアの接着が好適となるのは、実施例の項で説明してある180°剥離試験での剥離力が、少なくとも約356グラム/センチメートル(g/cm)(2.0ポンド/インチ(lb/in))、好ましくは、少なくとも約455g/cm(2.5lb/in)、さらに好ましくは、少なくとも約535g/cm(3.0lb/in)である場合である。
【0026】
一般に、再帰反射性物品では、予備成形光学コアは光学素子の単一層を含むことができ、光学素子は、通常、ガラス小球体(すなわち、ビーズ)の形である。これらの小球体は、たとえば、ポリマーバインダー層に埋め込むか、あるいはポリマーフィルムに押し込むことができる。あるいは、予備成形光学コアは、プリズム型光学素子を含むこともできる。かかる予備成形光学コア(すなわち、光学コアシート)は、当業者によく知られている。好ましくは、光学コアは、封入レンズ光学コアか、または埋め込みレンズ光学コアである。
【0027】
一般に、再帰反射性物品では、ビニルフィルムは、再帰反射性物品の第1主要表示面を形成する。これはしばしば、面部材、オーバーレイ、カバーフィルム、上部フィルム、前面、上部層、または上塗りと呼ばれる。本出願の目的においては、これらはすべて同等の用語である。好適なカバーフィルムでは、実質的に透明な表示面が得られ、この表面は、汚れ、水、風雨や屋外の条件への暴露といった種々のあり得る破壊的影響から光学素子を保護する。カバーフィルムとして選択するポリマーは、好ましくは、寸法安定性、耐久性、耐候性があり、所望の形状に容易に成形可能である。ここでは、ビニルカバーフィルムは、たとえば、インクジェット印刷プロセス、高温箔押プロセス、および熱物質転写プロセスで使用されるインクが付きやすいものでもある。
【0028】
プライマー
プライマーは、ウレタンポリマー(すなわち、ウレタン含有ポリマーまたはコポリマーのこと、あるいはポリウレタンとも呼ばれるもので、ウレタンおよび/または尿素結合を有するポリマーを含む)を含む(また、ある特定の実施態様では、本質的にウレタンポリマーからなる)。
【0029】
好ましくは、プライマーは、エチレン/アクリル酸(EAA)コポリマーなど、オレフィンモノマーとペンダントカルボキシル基を含む別のモノマー(たとえば、以下の式1の化合物)とのコポリマーも含む。これは、ウレタンポリマー(通常は、水性ウレタン樹脂から形成される)と混合(たとえば、ブレンド)することができる。あるいは、プライマーは、2つの別個の層、たとえば、ウレタンポリマーの層とオレフィンコポリマーの層を含むことができる。ウレタンポリマーとオレフィンコポリマーの混合物(たとえば、ブレンド)は、複数の層(通常は2層)を含むプライマーに使用することもできる。たとえば、ウレタンポリマーとオレフィンコポリマーの混合物は、ウレタンポリマー、オレフィンコポリマー、またはその2つの混合物の第2層を持つ、ビニルフィルムに隣接した第1層を形成することができる。好ましいウレタンポリマーとオレフィンコポリマーの混合物では、オレフィンコポリマーは、ポリマー固形分に基づいて約7重量%〜約87重量%の量だけ存在し、ウレタンポリマーは、ポリマー固形分に基づいて約13重量%〜約93重量%の量だけ存在する。かかる混合物は、米国特許第5,468,532号(Hoら)に記載されている。しかしながら、本発明のプライマーは、好ましくは架橋されていないものである。また、本発明のプライマーは、好ましくは着色剤を含んでいない。混合物の形で使用するにしても、層の形で使用するにしても、ウレタンポリマーは、光学コアへの望ましい接着が行われるようビニルフィルムに隣接している。
【0030】
プライマーに使用する好適なウレタンポリマーまたはコポリマーとしては、脂肪族または芳香族ウレタン、あるいはそれらのブレンドがある。好ましくは、ウレタンポリマーは脂肪族ウレタンである。通常、多数の好適なポリウレタンは、次の3つの主成分、すなわち、脂肪族または芳香族ジイソシアネート、連鎖延長剤(エチレン、プロピレン、またはブタンのジオールなど)、ソフトセグメント(soft segment)ポリオール(ポリエーテル、ポリエステル、またはポリカーボネートなど、たとえば、ポリエチレンオキシド、ポリアジペート、またはポリカプロラクトン)を含む。水性ウレタンの場合、プロピオン酸ジメチルまたはジエタノールアミンなどの水分散性セグメントも含まれている。
【0031】
好適なウレタンポリマーの重量平均分子量は、約8,000〜約500,000である。プライマーのウレタンポリマーは、水性ウレタン樹脂または溶液型ウレタン樹脂によって与えることができる。かかるウレタン樹脂(分散系)は種々の供給元から市販されている。かかるものとして、脂肪族ポリエステルポリウレタン、脂肪族ポリエーテルポリウレタン、脂肪族ポリカーボネートポリウレタン、およびそれらのブレンドがある。好適な分散等級のウレタンポリマーの例としては、商品名「Neorez 972」、「Neorez 9679」、および「Neorez 960」(これらはすべて水性脂肪族ポリエステルウレタン樹脂である)としてAvecia(以前のZeneca)(Wilmington,MA)から市販されているもの、および商品名「QC 4820」としてKJ Quinn(Seabrook,NH)から市販されている溶液型脂肪族ポリエステルウレタン樹脂がある。ウレタンをEAAコポリマーと混合するような実施態様においては、通常、水性ウレタン樹脂を使用する。
【0032】
プライマーは、光学コアへの接着性をよくするために、オレフィンモノマーとペンダントカルボキシル基を含む別のモノマーとのコポリマーも含むことができる。それらのオレフィンコポリマーは、好ましくは以下の式(式1)を有する。
【化1】
ここで、R1はHまたはC1 〜 6のアルキル基であり、R2はH、C1 〜 6のアルキル基、−CN、エステル基、またはR3−COOH(ここでR3は任意のアルキル基である)、XおよびYは、別個にオレフィンモノマーの残基または別のモノマーの残基であり、nは、オレフィンモノマーがコポリマーバインダーの約70モルパーセント(モル%)〜約99モル%となるように選択された数値であり、さらにmは、別のモノマーがこれに応じてコポリマーバインダーの約1モル%〜約30モル%となるように選択された数値である。好ましいかかるコポリマーとしては、エチレンとアクリル酸のコポリマーまたはエチレンとメタクリル酸のコポリマーがある。
【0033】
好適なエチレンとアクリル酸(EAA)のコポリマーとしては、商品名「Michem 4983R」としてMichelman Inc.(Cincinnati,OH)から市販されている分散等級EAAがある。好適なエチレンとメタクリル酸(EMAA)のコポリマーとしては、商品名「Adcote 56220」としてMorton International(Seabrook,NH)から市販されている分散等級EMAAがある。
【0034】
プライマーは、任意選択で界面活性剤(すなわち、湿潤剤)を含むことができる。均一な塗膜またはフィルムが得られるように、通常は十分な量の界面活性剤を使用する。好ましくは、プライマーは、プライマーの全重量(塗布可能な組成物または溶液の重量)に基づいて、0〜約5重量%の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤を多く含めすぎると、得られる積層シートの防湿性が劣ったものとなる場合があり、その結果、屋外での耐久性も劣ることがある。含める界面活性剤が少なすぎると、プライマーは、塗布時に十分な表面のぬれを示さなくなるであろう。界面活性剤は、表面張力を下げる働きをして、プライマーの塗布のしやすさを向上させる。必要とされる表面張力は、塗布する基材によって異なる。
【0035】
水性組成物用の有用な界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および陽イオン界面活性剤からなる群より選ばれるものがあるが、それらに限定されるわけではない。好ましい界面活性剤は非イオンのものである。水性組成物用の好ましい非イオン界面活性剤の例としては、商品名「Surfynol」440、420、465、104 PA、および485としてAir Products and Chemicals(Allentown,PA)から入手できるエトキシ化テトラメチルデシネジオール(ethoxylated tetramethyldecynediol)および商品名「Foamex」−800、−805、および−810としてTego Chemie Service USA(Hopewell,VA)から市販されているポリエーテル−ポリシロキサンコポリマーからなる群より選ばれるものがあるが、これらに限定されるわけではない。
【0036】
非水性組成物についても、有用な界面活性剤として、非イオン界面活性剤がある。一般に、非イオン界面活性剤は、有機溶剤を削減できるので、本発明の非水性組成物に有用である。有用な非イオン界面活性剤としては、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートブタンジオエート(cellulose acetate butyrate butanedioate)(これらは、商品名「CAB」−398−3、−381−0.1、−381−0.5、−531.1、および−482−0.5としてEastman Chemical(Kingsport,TN)から市販されているものである)などのセルロース誘導体からなる群より選ばれるものがあるが、これらに限定されるわけではない。ほかにも数多くの界面活性剤が市販されている。
【0037】
プライマーには、望ましい効果を得るために他の種々の添加剤を含めることもできる。かかるものには、たとえば、商品名「Byk 024」としてByk Chemie(Wilmington,DE)から市販されているような脱泡剤、商品名「Troysan Polyphase AF−1」としてTroy Chemical(Troy,MI)から市販されているような殺カビ剤、および商品名「Tinuvin 123」としてCiba−Geigy Corp.(Greensboro,NC)から市販されているヒンダードアミン光安定剤(「HAL」)のような紫外線防護剤および商品名「Tinuvin 1130」としてCiba−Geigy Corp.(Greensboro,NC)から市販されている紫外線吸収剤がある。
【0038】
プライマーの成分、たとえば、ウレタン分散系、EAA分散系、および界面活性剤は、水、イソプロパノール、およびN−メチルピロリドンなどの溶媒を含む。任意に、さらに水および/または有機溶剤をプライマー組成物に加えて、実際に塗布がしやすくなるように固形分濃度を調整すること、および/または添加剤の相溶性を高めることができる。かかる有機溶剤としては、アルコール、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、キシレン、酢酸アミル、メチルアミルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、またはミネラルスピリット溶剤、またはそれらの組合わせがある。通常、塗布のしやすい好適な固形分は、水性ウレタン樹脂を含むプライマーの場合、約20重量%〜約35重量%の範囲であり、溶液型ウレタンを含むプライマーの場合、約10重量%〜約15重量%である。
【0039】
好ましい塗布可能なプライマー組成物は、27.9重量%の「Neorez 972」水性ウレタンポリマー樹脂、65.2重量%の「Michem 4983R」EAA、0.5重量%の「Surfynol 104PA」界面活性剤、0.3重量%の「Byk 024」脱泡剤、および6重量%の溶液(2.8重量%の「Troysan Polyphase AF−1」殺カビ剤、4.2重量%の「Tinuvin 123」紫外線防護剤、および12.6重量%の「Tinuvin 1130」紫外線吸収剤を80.4重量%のプロピレングリコールモノエチルエーテルに溶かしたもの)を含む。
【0040】
プライマーは、種々の成分を混合して、ビニルフィルムまたは光学コアのいずれかに塗布することで作製できる。当業者によく知られている、バーコーティング(bar coating)およびグラビアコーティングなどのコーティング技法を使用できる。
【0041】
好ましくは、プライマーは、1つの層を含むか、複数の層を含むかにかかわらず、いったん乾燥させたその全厚さは約12.5マイクロメートル以下である。さらに好ましくは、プライマーは、1つの層かそれ以上の層かにかかわらず、全厚さが約6マイクロメートル以下、最も好ましくは約5マイクロメートル以下である。好ましくは、この厚さは、望ましい接着性をもたせるためには、少なくとも約1マイクロメートルである。
【0042】
ビニルフィルム
好適なフィルムとしては、ビニル含有のプラスチックフィルムがある。ここでは、「ビニルフィルム」および「ビニル含有フィルム」は同じように使用されており、ビニル官能性を有するフィルムが含まれる。ビニル官能性は、幅広いポリマー、好ましくは、商品名「Geon 178」としてUnion Carbide(Danbury,CT)から市販されているようなポリ塩化ビニルによって与えることができる。
【0043】
好ましいビニルフィルムは、約42重量%〜約56重量%のポリ塩化ビニル、約0〜約25重量%のアクリル樹脂、約15〜約25重量%の可塑剤、約0.5重量%〜約8重量%の熱安定剤、および約0.1〜約6重量%の紫外線防護剤という配合の透明ビニルフィルムである。任意選択で、ビニルフィルムは、米国特許第5,874,158号(Ludwigら)に記載されている顔料などの着色剤(たとえば、染料または顔料)を含むことができる。
【0044】
アクリル樹脂は、好ましくは、耐久性や非ブロッキング特性を得るために、ビニルフィルムの配合に含む。アクリル樹脂の例としては、ポリ(メチルメタクリレート)およびメチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレートコポリマーがあるが、これに限定されない。好適なアクリル樹脂は、商品名「Acryloid B66」、「Acryloid A11」、および「Acryloid A21」としてRohn & Haasから、また商品名「Elvacite 2008」、「Elvacite 2010」および「Elvacite 2042」としてDuPontから市販されている。
【0045】
紫外線防護剤の例としては、商品名「Hal−Lub」、「Hal−Base」、「Hal−Carb」、および「Hal−Stab」としてHal−stab Company(Hammond,IN)から、あるいは商品名「Tinuvin」(たとえば、「Tinuvin 123」および「Tinuvin 292」)としてCiba−Geigy Corp.(Greensboro,NC)から市販されているヒンダードアミン光安定剤(「HAL」)、および商品名「Uvinul」(たとえば、「Univul N−539」)としてBASF(Williamsburg,VA)から市販されているジフェニルアクリレート防護剤などの紫外線吸収剤があるが、これらに限定されない。
【0046】
熱安定剤の例としては、商品名「Mark V−1923」としてWitco(Greenwich,CN)から市販されているものなどのCaZn化合物、商品名「Sympron 940」としてFerro Corp.(Cleveland,OH)から市販されているものなどのBaZn化合物、商品名「Ferro 1237」および「Sympron 856」としてFerro Corp.から市販されているものなどのBaCdZn化合物、および商品名「Termolite 31」としてM&T Chemicals(Rahway,NJ)から市販されているものなどのスズメルカプチドがあるが、これらに限定されない。
【0047】
可塑剤としては、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルオクチルテレフタレート、およびポリエステル可塑剤(商品名「Plastolein 9777」(ヘキサンニ酸、1,3−ブタンジオール、および2−エチルヘキシルエステルの組合わせ)としてHenkelから市販されているものなど)があるが、これらに限定されない。
【0048】
ビニルフィルムは、たとえば、ポリエステル、事前に所定の大きさにされた紙、または事前に所定の大きさにされたポリエステルライナーにバーコーティングして調製できる。そのフィルムの配合は、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、キシレン、酢酸アミル、メチルアミルアセテート、またはミネラルスピリット溶剤に溶かしたものである。乾燥した厚さが約20マイクロメートル〜約80マイクロメートルのフィルムが好ましい。塗布には、オルガノゾルをライナーにバーコーティングし、移動ウェブ基材から一定距離の位置に滑らかな固定バーを置いて、所望の厚さのフィルムおよび滑らかで均一なフィルムを得ることが関係している。
【0049】
好適なビニルフィルムの例としては、米国特許第5,874,158号(Ludwigら)に開示されているものがある。その他のフィルムは、Achilles USA(Everett,WA)の圧延ビニルを含め、市販のビニルフィルムである。
【0050】
光学コア
予備成形光学コアには、たとえば、通常はガラス小球体(すなわち、ビーズ)の形の光学素子またはプリズム要素がある。小球体は、たとえば、ポリマーバインダー層に埋め込むか、あるいはポリマーフィルムに押し込むことができる。ここでは、「予備成形」とは、プライマーの塗布またはビニルフィルムの被着の前に光学コアを調製したことを意味している。
【0051】
本発明の好ましい物品の再帰反射性ポリマーシートは、たとえば、封入レンズシート、埋め込みレンズシート、またはカプセル化レンズシートの形の「ビーズを含んだ(beaded)シート」、ならびにコーナーキューブ再帰反射性シートにすることができる。かかる物品は、たとえば、米国特許第2,407,680号、第4,511,210号、第4,950,525号、第3,190,178号、第4,025,159号、第4,896,943号、第5,064,272号、第5,066,098号、第3,684,348号、第4,801,193号、第4,895,428号、および第4,938,563号に記載されている。以下に、かかる光学コアシートの説明に役立つ実施態様について説明する。好ましい光学コアとしては、埋め込みレンズおよび封入レンズの光学コアがある。
【0052】
ビニルフィルムを積層する光学コアの表面の材料としては、幅広い種類のポリマーを挙げることができる。例としては、ポリ(ビニルブチラール)、脂肪族ポリエステルポリウレタン、脂肪族ポリエーテルポリウレタン、脂肪族ポリカーボネートポリウレタン、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、架橋アクリレートポリマー、およびポリカーボネートがあるが、これらに限定されない。ビニルフィルムを積層する光学コア表面の好ましいポリマーとしては、ポリ(ビニルブチラール)およびポリエステルポリウレタンを挙げることができる。
【0053】
通常の「埋め込みレンズ」再帰反射性シート10を図1に例示する。光学コア17は、透明な接着層およびスペーシング層(12、13)の間に埋め込まれた光学素子11の単一層、鏡面反射層14(これは、通常は、スペーシング層13にアルミニウムを蒸着させたもの)、および前記反射層を覆う感圧性接着剤15の層を含む。シートの外部前面を形成する透明カバーフィルム16は、ここで説明するビニルフィルムにすることができる。シートに対する入射光線は、層16および12を通過して光学素子11に達するが、この光学素子は、適切な間隔があけられた鏡面反射層14に入射光の焦点を大まかに合わせるレンズとしての働きをする。その結果、光線は、シートに伝わったときと実質的に同じ経路に沿ってシートから逆反射される。説明した埋め込みレンズシートには、次のような利点がある。すなわち、光学素子はシートに埋め込まれているので、シートの前面が濡れているか乾いているかににかかわらず、入射光線は鏡面反射層に焦点が合わせられる。
【0054】
埋め込みレンズ光学コアの具体例は、米国特許第4,950,525号(Bailey)および第4,511,210(Tungら)に開示されている。たとえば、光学素子は、押出熱可塑性脂肪族ポリウレタンフィルムに押し込むことができる。あるいは、ポリウレタンの代わりに、押出エチレンアクリル酸フィルムを使用することもできる。
【0055】
通常の「封入レンズ」再帰反射性シート28を図2に例示する。光学コアシート(再帰反射基材と呼ぶこともよくある)20は、バインダー層21、光学素子22の実質的な単一層、鏡面反射層24、および除去可能なライナー27によって覆われている感圧性接着剤層26を含む。この実施態様では、光学素子は、実質的に完全にバインダー層に埋め込まれている。シートの外部前面を形成する透明カバーフィルム29は、ここで説明するビニルフィルムにすることができる。かかるシートの実例は、商品名「Scotchlite Reflective License Plate Sheeting No.3750」として、Minnesota Mining and Manufacturing Company(「3M」)(St.Paul,MN)から市販されている。
【0056】
通常の「封入レンズ」再帰反射性シート38の別の実施例を図3に例示する。この実施態様では、光学コアシート30は、バインダー層31、光学素子32の実質的な単一層、鏡面反射層34、および除去可能なライナー37によって覆われている感圧性接着剤層36を含む。この実施態様では、光学素子は、一般に約50パーセントだけバインダー層に埋め込まれている。シートの外部前面を形成する透明カバーフィルム39は、ここで説明するビニルフィルムにすることができる。
【0057】
図2および3に示されている説明に役立つ実施態様では、バインダー層の厚さは、通常約20マイクロメートル〜約120マイクロメートルである。この層は、通常、架橋ポリ(ビニルブチラール)樹脂を含むか、あるいはブチル化メラミン樹脂と架橋させた合成ポリエステル樹脂を含む。光学素子は、通常、ガラスで作られた小球体で、屈折率が約2.1〜約2.3であり、直径が約30マイクロメートル〜約200マイクロメートルの範囲にあり、好ましくは直径の平均が約60マイクロメートルのものである。反射性材料は、金属フレークの層または蒸着金属または化学析出金属の層(アルミニウムまたは銀など)であってよい。したがって、シートは、反射性材料が金属的な外観であるため、銀または灰色に見えることになる。しかし、スペーシング層、ビーズボンド層、カバーフィルム、および/またはプライマー層に染料または顔料(好ましくは光透過性のもの)を入れて、着色シートを調製することもできる。
【0058】
「封入レンズ」再帰反射性シートの代替実施態様は、図2および3に例示されているバインダー層の代わりに、ビーズボンド層とスペースコート層を含む。反射層は、スペースコート層により、光学素子に対して協同的な位置に保持される。すなわち、光学素子は、ビーズボンド層に封入された第1半球形部分と、スペースコート層により反射性塗膜から間隔をあけて協同的な位置にある反対側の第2半球形部分とを有している。スペースコート層は、通常、小球体の平均直径の約4分の1だけ小球体の表面から張り出した厚さを有する。かかる光学コアの例は、米国特許第5,882,771号(Kleinら)の中でナンバープレートとの関連で開示されている。
【0059】
図4は、「カプセル化レンズ」再帰反射性物品48を例示している。光学コアシート40は、第1半球形空気暴露部分と、反射性塗膜44をその上に持つ反対側の第2半球形部分とを有する透明ビーズ41含む。表示面43とは反対側の第2主面45を有するシール部材46は、カバーフィルム49の複数部分に接着してシールレッグ(42として示されているものなど)のパターンを形成している。ここで、カバーフィルム49、シール部材46、およびシールレッグ42は、複数のカプセル化空気セル47を形成しており、カバーフィルム49は、シール部材46およびセル内のビーズの空気暴露部分とは間隔のあいた位置にある。
【0060】
面部材とシール部材との間の接着部分は、シールレッグを形成している。これらのレッグは、面部材の未接着部分に対して空気境界面を形成できるほど十分な高さを有している。シールレッグは、たとえば、米国特許第3,190,178号(McKenzie)に開示されているようにシール部材およびカバーフィルムに熱と圧力を加えることにより形成できる。この実施態様では、シールレッグは、各々が表示面43上に小さな面積を持つ個別気密セルのシールパターンを形成することができる。シールレッグは、シール壁、ボンド、ボンドライン、隔壁、またはシールレッグ材と呼ぶこともあるが、本出願の目的においては、これらはすべて同等の用語である。
【0061】
図5aは、主要表示面53を持つカバーフィルム52(ここで説明したビニルフィルム)と再帰反射性部材54とを有する反射材コートプリズム型再帰反射性物品50を例示している。再帰反射性部材54は、面部材と接触した第1主面と、反射性塗膜がその上にある再帰反射性要素56(プリズムなど)を有する反対側の第2微細構造表面とを有している。
【0062】
コーナーキューブ再帰反射性要素を有する再帰反射性部材の全厚さは、通常、約0.2mm〜0.7mmであるが、使用するポリマーによって多少異なる場合がある。再帰反射性部材の厚さが減少するにつれ、再帰反射性部材の可撓性が増大することが予期される場合もある。
【0063】
得られる物品についての望ましい特性、再帰反射性表面を形成するのに使用する方法、シール部材に対する望ましい接着性、および再帰反射性物品の他の任意の部材の性質を考慮して、再帰反射性部材54のポリマーを選択する。微細構造層用に選択するポリマーは、好ましくは、再帰反射性のために望ましい正確な形状大きさが維持されるように、寸法安定性のあるコーナーキューブ要素を形成すべきである。微細構造表面用に選択するポリマー材料は、他のポリマーと比較してビカー軟化温度が高い、比較的可撓性のない、堅くて硬質の材料になる傾向がある。したがって、そうしたポリマーは、室温またはそれより低い温度で、もろいか、または容易に壊れる可能性がある。しかしながら、注目すべき点として、そうしたポリマーの多くは、悪条件の下でも透明性およびその形状を保持する。好適なポリマーとしては、希望に応じて、熱可塑性または熱硬化性の材料がある。再帰反射性表面を形成するポリマーは、好ましくは実質的に光学的に透明であるが、希望に応じて着色することもできる。そうしたポリマーは、以下に挙げる1つまたはそれ以上の理由で選択することがよくある:熱安定性、寸法安定性、耐環境安定性、透明性、成形用具または鋳型からの優れた離型性、および反射性塗膜の付着性。
【0064】
好適な微細構造表面には、たとえば、種々の幾何学的設計にすることができるコーナーキューブ要素がある。光学素子は、コーナーキューブ、プリズム、マイクロプリズム、または三面鏡と呼ぶこともあるが、本出願の目的においては、これらはすべて同等の用語である。基本的なコーナーキューブ再帰反射性要素は、一般に、たとえば、入射光を協力して再帰反射する、1つの底面三角形と3つの実質的に互いに直角を成す光学面を有している四面体構造である。光学面は、好ましくは、頂点で交差し、底面三角形は頂点の反対側に位置している。それぞれのコーナーキューブ要素は光学軸も有しており、この光学軸は、コーナーキューブの頂点を通って伸びており、コーナーキューブ要素の内部空間を3等分している軸である。第1主要表示面に入射する光は、底面三角形に入り、キューブの内部空間を伝わり、3つの光学面のそれぞれから反射され、入ってきた入射光と同じ一般方向を逆方向に向きを変えられる。キューブの面を空気境界面に曝すか、アルミニウムなどの反射性塗膜で覆うかは、任意である。図5aは、再帰反射性部材の光学的性能を変更する手段として、金属または他の好適な反射性塗膜でスペクトル的に覆われている微細構造表面を例示している。この実施態様では、再帰反射の損失なしに、任意選択でシール部材(示されていない)を微細構造表面にぴったり接触させることができる。
【0065】
光学軸の長さとして定義されるコーナーキューブ要素の高さは、好ましくは、シーリングを容易にするために製造可能なかぎり小さいものであるが、材料の無駄を避けたり、物品の厚さを増やしたりすることが望ましいことを認識して、必要な範囲で大きくすることができる。最小の高さは、好ましくは約0.01mmであり、最大の高さは、好ましくは1mm未満である。キューブ要素の高さは、さらに好ましくは0.02mm〜0.5mmである。当業者に知られている種々の技法のいずれかを用いて、この微細構造表面を成形してキューブ層を得る。
【0066】
図5bは、主要表示面53を持つカバーフィルム52と再帰反射性部材54とを有する封入プリズム型再帰反射性物品50を例示している。再帰反射性部材54は、面部材と接触した第1主面と、反射性塗膜がその上にある再帰反射性要素56(プリズムなど)を有する反対側の第2微細構造表面とを有している。下層55は、反射性塗膜に押しつけられた状態になっており、こうしてプリズムが封入されている。面部材は、好ましくは、図5aに関して前で論じたように、透明多層フィルムを含む。
【0067】
図6は、主要表示面63を持つカバーフィルム62、微細構造表面を形成する再帰反射性要素56を持つ再帰反射性部材64、および主面67を持つシール部材66を有する、カプセル化プリズム型再帰反射性物品60の断面図を例示している。シール部材66は、微細構造表面に接着するか、または再帰反射性部材64に接着して、シールレッグ(図6の42)を形成させる。微細構造表面、シール部材、およびシールレッグは、複数のカプセル化空気セル65を形成している。
【0068】
通常、シールレッグは、微細構造表面の未接着部分に対して空気境界面を形成できるほど十分な高さを有している。シールレッグの幅は、好適には約0.2mm〜4mm、好ましくは約0.4mm〜1mmの範囲にすることができ、最も好ましくは、微細構造表面に対するシール部材の接着力を十分なものに維持した状態で、再帰反射性を最大化するのに十分な狭い幅である。シールレッグは、米国特許第3,190,178号(McKenzie)に開示されているように再帰反射性部材およびシール部材に熱と圧力を加えて形成できる。
【0069】
シール部材の厚さは、光学的効率を低下させる汚れや水などの因子への暴露から微細構造表面を保護し、かつ基材へ物品を接着するのに十分なものである。シール部材の厚さは、好ましくは少なくとも0.02mm、さらに好ましくは少なくとも0.06mmであるが、一般には、この厚さは約0.3mmを超えない。
【0070】
シールレッグは、通常、面部材の表示面上のシールパターンを形成する。六角形、長方形、正方形、円形、六角形、またはチェーンリンクなどのパターンを、希望に応じて使用できる。シールレッグは、セル内の面積ほどの光を再帰反射しないので、表示面上にパターンが生じることになる。通常、個別にシールされたそれぞれの空気セルには、長さと幅の寸法AおよびBがある。寸法AおよびBは、好ましくは約4mm〜約50mmの範囲である。寸法AおよびBによって、表示面上のそれぞれのセルの面積が決まる。セルの面積は、好ましくは小さい。たとえば、それぞれのセルの表面積は、5平方センチメートル未満であり、好ましくは4センチメートル未満、さらに好ましくは1平方センチメートル未満、最も好ましくは0.5平方センチメートル未満であるが、面積は、セルによって変わることがある。セルの寸法は、メートル定規を用いて測ることができ、セルの面積は、当業者に知られている式で計算できる。
【0071】
シール部材用の材料の説明に役立ついくつかの例としては、熱可塑性、加熱活性化、紫外線硬化、および電子線硬化のポリマー系がある。好ましくは、シール部材のビカー軟化温度は、微細構造表面のそれよりも少なくとも約30℃だけ低い。
【0072】
その他の光学コアとしては、再帰反射性要素が再帰反射性部材上に微細構造表面を形成しており、隆起部のパターンを有している、隆起部プリズム型再帰反射性物品を挙げることができる。
【0073】
任意選択のグラフィックス
任意選択で、プライマーの塗布前および光学コアとビニルフィルムの被着の前に、グラフィックスを光学コアまたはビニルフィルムに被着することができる。画像をこのようにしてシート内に埋め込むと、画像は一般にさらに耐久性がでてくる。かかる画像は、たとえば、グラビアコーティングで形成することができる。あるいは、画像は、米国特許第4,634,220号(Hicksら)および第4,688,894号(Hockert)に開示されているように、レーザーを使用して、光学コアシートの反射層に形成することができる。
【0074】
グラフィックスを市販のインク(ビニルベースのインクなど)を使用して付ける場合、任意選択で、グラフィックスと光学コアまたはビニルフィルムとの間にプライマーを使用することもできる。ここで記載したプライマーを使用でき、それは、任意選択で、たとえば、アジリジン架橋剤(商品名「Neocryl CX−100」としてZeneca(Wilmington,MA)から市販されているものなど)で架橋されたものである。オレフィンモノマーとここで記載したペンダントカルボキシル基を含む別のモノマーとのコポリマーを単独で、またはここで記載したウレタンポリマーと混合した形で含むプライマーと一緒に、EAAベースのインクなどのその他のインクを使用できる。その他の好適な共有結合架橋剤は、米国特許第5,468,532号(Hoら)に記載されている。
【0075】
シートの作製方法
本発明のシート(好ましくは、再帰反射性シート)の作製方法は、ビニルフィルムを予備成形光学コアに積層することを伴っている。ビニルフィルム、予備成形光学コア、またはその両方には、互いに積層する前に、ウレタンプライマーを含むプライマーを塗布する。
【0076】
好ましい実施態様の1つによれば、ウレタンポリマーを含むプライマーがその第1主面に配置されているビニルフィルムを設けてプライマー塗布表面を形成する工程と、2つの主面を有する予備成形光学コアを設ける工程と、前記予備成形光学コアの第1主面を前記ビニルフィルムの前記プライマー塗布表面に積層する工程と、を含む方法が提供される。この方法では、ビニルフィルムには、水性ウレタン樹脂または溶液型ウレタン樹脂によって与えられるウレタンポリマーを下塗りすることができる。
【0077】
別の好ましい実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルムを設ける工程と、ウレタンポリマーを含むプライマーがその第1主面に配置されている予備成形光学コアを設けてプライマー塗布表面を形成する工程と、前記ビニルフィルムの第1主面を前記予備成形光学コアの前記プライマー塗布表面に積層する工程と、を含む方法が提供される。この方法では、光学コアには、好ましくは、水性ウレタン樹脂によって与えられるウレタンポリマーを下塗りする。
【0078】
光学コアシートおよびビニルフィルムの少なくとも1つにウレタンポリマー含有プライマーが塗布されており、それらは、通常の熱的/機械的方法で直接一緒に積層することができる。通常、積層温度は、光学コアをビニルフィルムに熱的に接着するのに十分高いものである。通常、向かい合ったニップロール(nip rolls)を使用するが、それらは両方を滑らかにすることができる。あるいは、ここで開示されている望ましい実施態様のいくつかで述べられたシールレッグを形成させるために、一方を滑らかにし、他方を型押しすることもできる。熱成形技法に加えて、超音波溶接、高周波溶接、熱溶融、および反応溶接(reactive welding)など、他の技法も使用できる。
【0079】
好ましい積層プロセスにおいては、温度および圧力は、ニップロールプロセスを用いて加える。通常、ニップ力(nip force)は約17kg/cm幅〜約21kg/cm幅、高温缶温度は約140℃〜約200℃、ライン速度は約5メートル/分〜約50メートル/分である。当業者は、ライン速度、ニップ力およびその他の積層条件(たとえば、高温缶温度)を最適化して、本発明の完成積層シート、好ましくは再帰反射性シートの特性を望ましいものにするであろう。
【0080】
積層プロセスの前に、接着促進処理を、光学コアシートおよび/またはビニルフィルムの表面に施すのが望ましいことがある。この処理としては、コロナまたはプラズマ処理を挙げることができる。かかる処理は、通常、光学コアおよび/またはビニルフィルムの表面に施し、その後、任意選択で、プライマーをその処理表面に被着する。
【0081】
製品
本発明のシートは、ナンバープレート、反射性グラフィック物品(たとえば、交通標識)、路面表示物品、道路標識、車両誘目性シート、衣料品(たとえば、警告チョッキ)、履物(たとえば、ランニングシューズ)、整理ケース、リュックサック、保護カバー、シート、防水シート(たとえば、トラックトレーラーカバー)、警告テープ、化粧ウェブ、構造ウェブ、あるいはこうした品物に取り付けるテープ、ふち飾り、パッチおよび紋章を含む、種々の製品に使用できるが、これらに限定されるわけではない。
【0082】
多数の用途において、ビニルフィルムを有する再帰反射性物品は、接着剤を使って硬質の基材(道路標識用またはナンバープレート用のアルミニウムプレートなど)、または道路面(コンクリートまたはアスファルトなど)に取り付ける。通常、標識やナンバープレートでは、ビニルフィルムはそれぞれの物品の一番外側の表面を形成する。
【0083】
本発明のビニルカバーフィルムとプライマーを使用できるであろう典型的なナンバープレートは、米国特許第5,882,771号に記載されており、それには、型押しされた文字および接着された再帰反射性シートを有する基材(たとえば、金属またはプラスチック)が記載されている。本発明のビニルフィルムとプライマーを使用できるであろう典型的なグラフィックス物品は、可撓性スクリム強化支持体に取り付けられたビニルフィルムを含む巻き上げ式標識であり、これは、米国特許第09/393,369号(Atty. Docket No.55056 USA 2A)(出願日1999年9月10日、名称「Retroreflective Articles Having Multilayer Films and Methods of Manufacturing Same(多層フィルムを有する再帰反射性物およびその製造方法)」)に開示されている。本発明のビニルカバーフィルムとプライマーを使用できるであろう典型的な路面表示物品または他の交通整理物品は、米国特許第5,981,033号(Haunschildら)ならびに国際公開WO98/40562号、WO97/01677号、およびWO97/01678号に開示されている。たとえば、本発明のビニルフィルムとプライマーは、次のものに使用される従来の光学コアシートで使用できる:たて型の用途(ジャージーバリケードまたはガード・レールでの場合など)、曲面を持つ用途(トラフィックバレル(traffic barrels)、トラフィックチューブ(traffic tubes)、およびコーンなど)、車体表面、路面、標識、ナンバープレート、反射性グラフィックスなど。
【0084】
実施例
本発明の特徴および利点を、以下の説明に役立つ例でさらに説明する。特に断りがなければ、ここでの部およびパーセントはすべて重量によるものである。実施例および比較例で引き合いに出されている構造物は、以下の試験により評価した。
【0085】
180゜剥離力試験
剥離力は、試験パネル上のそれぞれの積層構造物に対して行い、試験パネルをSintech1引張り試験装置(MTS(Eden Prairie,MN)の下ジョーに固定し、積層構造物のフィラメントテープタブを上ジョーに固定して実行した。積層構造物は、30.5cm/分のクロスヘッド速度を用いて180゜剥離背面角で分離した。剥離力は、グラム/cm(lb/in)で記録し、積層構造物の残りの部分からビニルフィルムを引き剥がすことができなかった場合には、「分離不可(Could Not Be Separated)(CS)」と評価した。
【0086】
実施例1〜2
プライマー塗布封入レンズ光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムとの間の剥離力
顔料を加えず、商品名「Elvacite 2013」としてDuPontから市販されているアクリル樹脂を「Acryloid B66」アクリル樹脂の代わりに使用したこと以外は、米国特許第5,874,158号(Ludwigら)の実施例5に従って調製されたポリエステル(PET)支持体にオルガノゾルからの0.06mm(2.5ミル)の厚さのビニルフィルムをキャストして、第1構造物を作製した。
【0087】
第2構造物は、商品名「Scotchlite Reflective License PlateSheeting No.3750」として、Minnesota Mining and Manufacturing Company(「3M」)(St.Paul,MN)から市販されている封入レンズ光学コアからなる。光学コアの表面は、空気雰囲気下において1.4キロワット/メートル幅でコロナ処理した。表1にリストしたプライマーと商品名「Surfynol104PA」としてAir Products(Allentown,PA)から市販されている0.05重量%湿潤剤(すなわち界面活性剤)とを混ぜ合わせて、99.95:0.05(重量で)のプライマー溶液を得て調製したプライマー溶液を、コロナ処理されたそれぞれの光学コア構造物に別個に塗布した。
【0088】
#8ワイヤーバーを使用して、そのプライマー溶液を光学コアに塗布して、0.018mm(0.72ミル)の厚さの未乾燥塗膜を得た。プライマーは、121℃(250°F)のオーブン中で5分間乾燥させた。
【0089】
プライマー塗布光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムの両方の露出表面を、光学コアに関して上で記載したようにして空気コロナ処理した。商品名「3M #8402」として3Mから市販されている5.1cm(幅)×25.4cm(長さ)の緑色テープのストリップを、第1構造物と第2構造物の間をウェブ横断(crossweb)するような形で配置し、構造体の両端と合わせた。緑色テープを間に挟んだ2つの構造物を、154℃(310°F)の高温缶表面温度を使用して9.1メートル/分で互いに積層した。得られた積層構造物を、室温で約24時間保存した。
【0090】
ビニルフィルム上のPET支持体を除去し、その後、安全かみそりの刃を用い、積層構造物を緑色テープの中心に沿って切断して、2つの部分に分けた。積層構造物の一方の部分を2.5cm(幅)×12.7cm(長さ)のストリップに切断して、片方の端に緑色テープを有するストリップを得た。剥離ライナーを、構造物(すなわち、第2構造物)の光学コア部分の接着剤から除去した。ストリップの露出接着剤表面を、7cm(幅)×28cm(長さ)のアルミニウムパネル(Q Panel Company(Cleveland,OH)の6061T6(食刻およびデスマット表面を持つ合金)に被着し、ストリップの緑色テープ部分の端をアルミニウムパネルの端に合わせた。ハンドプレッシャー(hand pressure)を用いて、5cm幅のゴム付きローラーをストリップの長さ方向に沿って2回前後に動かして、ストリップをパネルに被着した。
【0091】
積層構造物の残りから緑色テープ領域の部分でビニルフィルムを持ち上げて、商品名「Scotch 898 Tape」として3Mから市販されているフィラメントテープのストリップ(2.5cm(幅)×20cm(長さ))を包み込み、構造物の残りから引き離した領域(すなわち、緑色テープの領域)のビニルフィルムに接着して、長さが約10cmのタブを形成した。すぐに剥離力試験を行って、表1に示す剥離力データを得た。
【0092】
表Iの180°剥離力試験データは、プライマー塗布光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムが強く接着していたことを示している。プライマー塗布光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムとの間の剥離力は、光学コアが壊れるほど強いものであった。すなわち、2つの構造物を分離することができなかった。
【0093】
【表1】
【0094】
実施例3〜6
プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布封入レンズ光学コアとの間の剥離力
プライマー溶液(表2にリストしたプライマーと0.05%「Surfynol 104PA」界面活性剤を組み合わせて得た99.95:0.05(重量で)のプライマー溶液)を、光学コアの代わりにビニルフィルムに別個に塗布したこと以外は、実施例1〜2について詳述したようにして実施例3〜6の構造物を作製した。
【0095】
実施例5では、プライマー溶液の第2塗膜は、第1塗膜を乾燥させた後に、その第1塗膜の上に被着した。プライマー溶液の第2塗膜は、「Michem 4983R」EAA分散系と「Surfynol 104PA」界面活性剤から成っており、99.95:0.05の重量比のものであった。第2塗膜の被着、未乾燥塗膜の厚さ、および乾燥条件は、第1塗膜についての説明と同様である。
【0096】
実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層、積層構造物の試料を調製し、180゜剥離力試験に従って試験した。剥離力試験の値は、表IIに示してある。
【0097】
表IIの180°剥離力試験データは、プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布光学コアが強く接着していたことを示している。プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布光学コアとの間の剥離力は、光学コアが壊れるほど強いものであった。すなわち、2つの構造物を分離することができなかった。
【0098】
【表2】
【0099】
実施例7〜8
プライマー塗布埋め込みレンズ光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムとの間の剥離力
実施例7〜8の構造物は、埋め込みレンズ光学コアを封入レンズ光学コアの代わりに使用したこと以外は、実施例1〜2について詳述したようにして調製した。埋め込みレンズ光学コアは、米国特許第4,511,210号(Tungら)の実施例2に従って調製した。
【0100】
実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層し、積層構造物の試料を調製し、180゜剥離力試験に従って試験した。剥離力試験の値は、表IIIに示してある。
【0101】
表IIIの剥離力試験データは、プライマー塗布光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムとの間の剥離力が大きく、容易に引き剥がすことができない構造物が得られたことを示している。
【0102】
【表3】
【0103】
実施例9〜11
プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布埋め込みレンズ光学コアとの間の剥離力
実施例9〜11の構造物は、埋め込みレンズ光学コアを封入レンズ光学コアの代わりに使用したこと以外は、実施例3〜6について詳述したとおりに調製した。埋め込みレンズ光学コアは、米国特許第4,511,210号(Tungら)の実施例2に従って調製した。
【0104】
実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層し、積層構造物の試料を調製し、180゜剥離力試験に従って試験した。剥離力試験の値は、表IVに示してある。
【0105】
表IVの剥離力試験データは、プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布光学コアとの間の剥離力が大きく、容易に引き剥がすことができない構造物が得られたことを示している。
【0106】
【表4】
【0107】
実施例12〜13
プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布埋め込みレンズ光学コアとの間の剥離力
実施例12〜13の構造物は、埋め込みレンズ光学コアを封入レンズ光学コアの代わりに使用したこと以外は、実施例3〜6について詳述したとおりに調製した。その後、脂肪族ポリウレタンの代わりに「Primacor3440」(Dow Chemical(Midland,MI)のエチレンアクリル酸樹脂)を用いてフィルムを押し出したこと以外は、米国特許第4,950,525号の実施例1に従って、埋め込みレンズ光学コアを調製した。
【0108】
コロナ処理はすべて空気雰囲気下において0.2キロワット/メートル幅で実施し、第1および第2構造物は157℃(315°F)の高温缶表面温度を用いて1.5メートル/分で互いに積層したこと以外は、実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層、積層構造物の試料を調製した。試験試料は、180°剥離力試験に従って試験した。その値は表Vに示してある。
【0109】
表Vの剥離力試験データは、プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布光学コアとの間の剥離力が大きく、容易に引き剥がすことができない構造物が得られたことを示している。
【0110】
【表5】
【0111】
比較例A
プライマー未塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布封入レンズ光学コアとの間の剥離力
比較例Aの構造物は、封入レンズ光学コアにプライマー塗布しなかったこと以外は、実施例1〜2について詳述したとおりに調製した。
【0112】
実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層し、積層構造物の試料を調製し、180゜剥離力試験に従って試験した。剥離力試験の値は53.5g/cm(0.3lb/in)であった。
【0113】
比較例B
プライマー未塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布埋め込みレンズ光学コアとの間の剥離力
比較例Bの構造物は、埋め込みレンズ光学コアにプライマー塗布しなかったこと以外は、実施例7〜8について詳述したとおりに調製した。
【0114】
実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層し、積層構造物の試料を調製し、180゜剥離力試験に従って試験した。剥離力試験の値は410.2g/cm(2.3lb/in)であった。
【0115】
すべての特許、特許文献、および刊行物の完全な開示は、個々のものが示されている場合のように、ここに参考のために示す。この発明の範囲と精神から逸脱しない範囲で、本発明のさまざまな修正や変更は当業者にとっては明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、埋め込みレンズ再帰反射性物品の断面図である。
【図2】
図2は、封入レンズ再帰反射性物品の断面図である。
【図3】
図3は、封入レンズ再帰反射性物品の代替の実施態様の断面図である。
【図4】
図4は、カプセル化レンズ再帰反射性物品の断面図である。
【図5a】
図5aは、露出プリズム型再帰反射性物品の断面図である。
【図5b】
図5bは、封入プリズム型再帰反射性物品の断面図である。
【図6】
図6は、カプセル化プリズム型再帰反射性物品の断面図である。
発明の分野
本発明は、ビニルフィルムを含むグラフィック・デザインや再帰反射性製品など、種々の用途に役立つ再帰反射性物品およびその他の物品に関する。
【0002】
背景
ポリマーフィルムを含む物品は、広告用および再帰反射性製品用の商業グラフィックスなどの用途で、幅広い実用性がある。具体的には、再帰反射性製品(たとえば、ビーズをベースにした、またプリズム型(たとえば、コーナーキューブ)の再帰反射性シート)が、特に見通しが悪くなった状態のときの安全性を高めるために開発されてきた。これらの物品は、極端な温度、大気汚染や塩化カルシウムからくる化学的な問題、および太陽光線の赤外線、可視光線、および紫外線が関係した光反応など、過酷な要求が求められる環境に遭遇することがある。
【0003】
従来の再帰反射性ベースシートの一つに、光学素子の単一層があり、光学素子は、通常、ポリマーバインダー層とポリマー層を覆っている鏡面反射層とに埋め込まれたガラス小球体(すなわち、ビーズ)の形ものである。透明カバーフィルムは、物品、特にナンバープレートや標識などの再帰反射性物品を保護する(たとえば、耐候性を与える)のに使用される。かかるカバーフィルムは、基材を浸漬コーティングしたり、予備成形カバーフィルムを取り付けたりして、作製されてきた。たとえば、予備成形カバーフィルムとしては、ポリ(メチルメタクリレート)およびポリ(エチレンテレフタレート)を挙げることができる。かかるカバーフィルムは、道路標識など堅い平面支持体が再帰反射性シートにある場合には十分に機能するが、適合性や伸縮性があまりないので、ナンバープレートなどエンボス加工の必要な製品には使用できない。さらに、これらのカバーフィルムは、通常、ベースシートに接着するための感圧性接着剤層を必要とする。
【0004】
もっと柔軟性があり、それゆえに、エンボス加工を必要とする製品に有用であるカバーフィルムも知られている。たとえば、米国特許第4,767,659号(Baileyら)は、脂肪族ウレタン、エチレンまたはプロピレンのコポリマー、あるいはエチレンおよびプロピレンのホモポリマーを含む押出熱可塑性フィルムを開示している。好適なカバーフィルムとしては、エチレンとアクリル酸(EAA)のコポリマーがある。かかるカバーフィルムは、再帰反射性シート、特にナンバープレート用の極めて有効なカバーフィルムである。しかしながら、欠点が1つあり、それはインクジェットプロセスや高温箔押プロセスを行うのが難しいという点である。
【0005】
そのため、たとえば、インクジェットプロセス、熱物質転写(thermal mass transfer)プロセス、および高温箔押プロセスなどを一層行いやすい、グラフィック・デザインや再帰反射性製品などの種々の用途に役立つ再帰反射性物品およびその他の物品を提供することが望まれている。
【0006】
発明の概要
たとえば、インクジェットプロセス、熱物質転写プロセス、および高温箔押プロセスなどを用いた印刷を一層行いやすい再帰反射性物品用のカバーフィルムに対する要望を満たす1つの方法は、商業グラフィックス製品に使用されているようなビニルフィルムを用いることである。しかしながら、かかるビニルフィルムは、ガラス小球体またはプリズム要素などの光学素子を含む、従来の予備成形光学コア(preformed optical cores)に容易に接着しない。本発明は、この問題を解決することを目的としたものであり、ウレタンポリマーおよび、任意選択で、エチレンとアクリル酸(EAA)とのコポリマーなどのオレフィンコポリマーを含むプライマーを使用することが関係している。
【0007】
したがって、本発明の一実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルム、前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コア、前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていて、ウレタンポリマーを含んでおり、好ましくは(乾燥)厚さが約12.5マイクロメートル以下のプライマー、および任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスを含む、シート(好ましくは、再帰反射性シート)が提供される。
【0008】
プライマーのウレタンポリマーは、水性ウレタン樹脂または溶液型ウレタン樹脂によって与えることができる。ウレタンを、EAAコポリマーなどのオレフィンコポリマーと混合するような実施態様においては、通常、水性ウレタン樹脂を使用する。通常、ウレタンポリマーの重量平均分子量は、約8000〜約500,000である。
【0009】
ある特定の好ましい実施態様においては、プライマーは、エチレン/アクリル酸(EAA)コポリマーなどの、オレフィンモノマーとペンダントカルボキシル基を含む別のモノマーとのコポリマーも含む。これは、ウレタンポリマー(通常は、水性ウレタン樹脂から形成される)と混合(たとえば、ブレンド)することができる。あるいは、プライマーは、2つの別個の層、たとえば、ウレタンポリマーの層とEAAコポリマーの層を含むことができる。混合物、たとえばウレタンポリマーとEAAコポリマーの混合物(たとえば、ブレンド)は、複数の層(通常は2層)を含むプライマーに使用することもできる。好ましいウレタンポリマーとオレフィンコポリマーの混合物では、オレフィンコポリマーは、ポリマー固形分に基づいて約7重量パーセント(重量%)〜約87重量%の量だけ存在し、ウレタンポリマーは、ポリマー固形分に基づいて約13重量%〜約93重量%の量だけ存在する。混合物の形で使用するにしても、層の形で使用するにしても、ウレタンポリマーは、好ましくはビニルフィルムに隣接する。
【0010】
本発明の別の実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルム、前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コアと、前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていて本質的にウレタンポリマーからなるプライマーと、任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスとを含む、シート(好ましくは、再帰反射性シート)が提供される。
【0011】
本発明のさらに別の実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルムと、前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コアと、前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていて、前記ビニルフィルムに隣接したウレタンポリマーを含む第1層とエチレン/アクリル酸コポリマーを含む第2層とを含むプライマーと、任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスとを含む、シート(好ましくは、再帰反射性シート)が提供される。好ましくは、層のいずれかまたは両方が、エチレン/アクリル酸コポリマーおよびウレタンポリマーの混合物を含むことができる。
【0012】
別の実施態様では、2つの主面を有するビニルフィルム、前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コア、前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていて溶液型ウレタン樹脂から形成されたプライマー、および任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスを含む、シート(好ましくは、再帰反射性シート)が提供される。
【0013】
本発明の別の実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルムと、前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コアと、前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていてウレタンポリマーを含む、厚さが約12.5マイクロメートル以下のプライマーと、任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスとを含む、再帰反射性シートが提供される。
【0014】
本発明は、かかるシート(好ましくは、再帰反射性シート)の作製方法も提供する。一般に、それらの方法は、ビニルフィルムを予備成形光学コアに積層することを伴う。ビニルフィルム、予備成形光学コア、またはその両方には、互いに積層工程の前に、ウレタンプライマーを含むプライマーを塗布する。また、積層の前に、任意選択で、グラフィックスを、ビニルフィルム、予備成形光学コア、またはその両方に被着することができる。
【0015】
好ましい実施態様の1つによれば、その第1主面に配置されウレタンポリマーを含むプライマーを含むビニルフィルムを設けてプライマー塗布表面を形成させる工程と、2つの主面を有する予備成形光学コアを設ける工程と、さらに前記予備成形光学コアの第1主面を前記ビニルフィルムの前記プライマー塗布表面に積層する工程と、を含む方法が提供される。この方法では、ビニルフィルムには、水性ウレタン樹脂または溶液型ウレタン樹脂によって与えられるウレタンポリマーを下塗りすることができる。
【0016】
別の好ましい実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルムを設ける工程と、ウレタンポリマーを含むプライマーがその第1主面に配置されている予備成形光学コアを設けてプライマー塗布表面を形成する工程と、前記ビニルフィルムの第1主面を前記予備成形光学コアの前記プライマー塗布表面に積層する工程と、を含む方法が提供される。この方法では、光学コアには、好ましくは、水性ウレタン樹脂によって与えられるウレタンポリマーを下塗りする。
【0017】
シートに関して上で論じたように、これら方法において使用するプライマーは、エチレン/アクリル酸(EAA)コポリマーなどのオレフィンコポリマーも含むことができる。これは、ウレタンポリマー(通常は、水性ウレタン樹脂から形成される)と混合(たとえば、ブレンド)することができる。あるいは、プライマーは、2つの別個の層(ウレタンポリマーの層とEAAコポリマーの層)を含むことができる。ただし、それが可能なのは、ウレタンポリマーがビニルフィルムに隣接する場合に限られる。
【0018】
ここで説明したすべての実施態様において、予備成形光学コアは、光学素子を、通常は、たとえばガラス小球体(すなわち、ビーズ)またはプリズムの形で含む。小球体は、たとえば、ポリマーバインダー層に埋め込むか、あるいはポリマーフィルムに押し込むことができる。かかる予備成形光学コアは、当業者によく知られている。
【0019】
本発明のシートは、ナンバープレート、反射性グラフィック物品、および路面表示を含む、種々の製品に使用できるが、それらに限定されるわけではない。
【0020】
ここで用いられている「ウレタンポリマー」という言葉は、ウレタン含有ポリマーまたはコポリマーを指す。かかる物質はまた、「ポリウレタン」と呼ばれる場合もある。「ポリウレタン」という用語は、通常、ウレタンおよび/または尿素結合を有するポリマーを含み、ここで意図しているのはその意味である。
【0021】
ここで用いられている「プライマー」または「プライマー層」という言葉は、通常、プライマーが間に存在しなければ十分に相互に接着しないような場合に、2つ以上の他の層、フィルム、および/またはシートを互いに接着する層を指す。
【0022】
以下の図を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0023】
これらの図は、理想図であり、一定の縮尺に従ったものではなく、単なる例示のためのものであって、限定されるものではない。
【0024】
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、2つの主面を有するビニルフィルムおよび前記ビニルフィルムの第1主面に積層したシート材の形の予備成形光学コアを含むシート(好ましくは、再帰反射性シート)を提供する。意義深い点として、ウレタンポリマーを含むプライマーは、予備成形光学コアに積層するビニルフィルムの接着性を高めるのに使用する。
【0025】
好ましくは、存在するプライマーは、乾燥塗り厚が約12.5マイクロメートル以下、さらに好ましくは約6マイクロメートル以下、最も好ましくは約5マイクロメートル以下である。好ましくは、ビニルフィルムへの光学コアの接着が好適となるのは、実施例の項で説明してある180°剥離試験での剥離力が、少なくとも約356グラム/センチメートル(g/cm)(2.0ポンド/インチ(lb/in))、好ましくは、少なくとも約455g/cm(2.5lb/in)、さらに好ましくは、少なくとも約535g/cm(3.0lb/in)である場合である。
【0026】
一般に、再帰反射性物品では、予備成形光学コアは光学素子の単一層を含むことができ、光学素子は、通常、ガラス小球体(すなわち、ビーズ)の形である。これらの小球体は、たとえば、ポリマーバインダー層に埋め込むか、あるいはポリマーフィルムに押し込むことができる。あるいは、予備成形光学コアは、プリズム型光学素子を含むこともできる。かかる予備成形光学コア(すなわち、光学コアシート)は、当業者によく知られている。好ましくは、光学コアは、封入レンズ光学コアか、または埋め込みレンズ光学コアである。
【0027】
一般に、再帰反射性物品では、ビニルフィルムは、再帰反射性物品の第1主要表示面を形成する。これはしばしば、面部材、オーバーレイ、カバーフィルム、上部フィルム、前面、上部層、または上塗りと呼ばれる。本出願の目的においては、これらはすべて同等の用語である。好適なカバーフィルムでは、実質的に透明な表示面が得られ、この表面は、汚れ、水、風雨や屋外の条件への暴露といった種々のあり得る破壊的影響から光学素子を保護する。カバーフィルムとして選択するポリマーは、好ましくは、寸法安定性、耐久性、耐候性があり、所望の形状に容易に成形可能である。ここでは、ビニルカバーフィルムは、たとえば、インクジェット印刷プロセス、高温箔押プロセス、および熱物質転写プロセスで使用されるインクが付きやすいものでもある。
【0028】
プライマー
プライマーは、ウレタンポリマー(すなわち、ウレタン含有ポリマーまたはコポリマーのこと、あるいはポリウレタンとも呼ばれるもので、ウレタンおよび/または尿素結合を有するポリマーを含む)を含む(また、ある特定の実施態様では、本質的にウレタンポリマーからなる)。
【0029】
好ましくは、プライマーは、エチレン/アクリル酸(EAA)コポリマーなど、オレフィンモノマーとペンダントカルボキシル基を含む別のモノマー(たとえば、以下の式1の化合物)とのコポリマーも含む。これは、ウレタンポリマー(通常は、水性ウレタン樹脂から形成される)と混合(たとえば、ブレンド)することができる。あるいは、プライマーは、2つの別個の層、たとえば、ウレタンポリマーの層とオレフィンコポリマーの層を含むことができる。ウレタンポリマーとオレフィンコポリマーの混合物(たとえば、ブレンド)は、複数の層(通常は2層)を含むプライマーに使用することもできる。たとえば、ウレタンポリマーとオレフィンコポリマーの混合物は、ウレタンポリマー、オレフィンコポリマー、またはその2つの混合物の第2層を持つ、ビニルフィルムに隣接した第1層を形成することができる。好ましいウレタンポリマーとオレフィンコポリマーの混合物では、オレフィンコポリマーは、ポリマー固形分に基づいて約7重量%〜約87重量%の量だけ存在し、ウレタンポリマーは、ポリマー固形分に基づいて約13重量%〜約93重量%の量だけ存在する。かかる混合物は、米国特許第5,468,532号(Hoら)に記載されている。しかしながら、本発明のプライマーは、好ましくは架橋されていないものである。また、本発明のプライマーは、好ましくは着色剤を含んでいない。混合物の形で使用するにしても、層の形で使用するにしても、ウレタンポリマーは、光学コアへの望ましい接着が行われるようビニルフィルムに隣接している。
【0030】
プライマーに使用する好適なウレタンポリマーまたはコポリマーとしては、脂肪族または芳香族ウレタン、あるいはそれらのブレンドがある。好ましくは、ウレタンポリマーは脂肪族ウレタンである。通常、多数の好適なポリウレタンは、次の3つの主成分、すなわち、脂肪族または芳香族ジイソシアネート、連鎖延長剤(エチレン、プロピレン、またはブタンのジオールなど)、ソフトセグメント(soft segment)ポリオール(ポリエーテル、ポリエステル、またはポリカーボネートなど、たとえば、ポリエチレンオキシド、ポリアジペート、またはポリカプロラクトン)を含む。水性ウレタンの場合、プロピオン酸ジメチルまたはジエタノールアミンなどの水分散性セグメントも含まれている。
【0031】
好適なウレタンポリマーの重量平均分子量は、約8,000〜約500,000である。プライマーのウレタンポリマーは、水性ウレタン樹脂または溶液型ウレタン樹脂によって与えることができる。かかるウレタン樹脂(分散系)は種々の供給元から市販されている。かかるものとして、脂肪族ポリエステルポリウレタン、脂肪族ポリエーテルポリウレタン、脂肪族ポリカーボネートポリウレタン、およびそれらのブレンドがある。好適な分散等級のウレタンポリマーの例としては、商品名「Neorez 972」、「Neorez 9679」、および「Neorez 960」(これらはすべて水性脂肪族ポリエステルウレタン樹脂である)としてAvecia(以前のZeneca)(Wilmington,MA)から市販されているもの、および商品名「QC 4820」としてKJ Quinn(Seabrook,NH)から市販されている溶液型脂肪族ポリエステルウレタン樹脂がある。ウレタンをEAAコポリマーと混合するような実施態様においては、通常、水性ウレタン樹脂を使用する。
【0032】
プライマーは、光学コアへの接着性をよくするために、オレフィンモノマーとペンダントカルボキシル基を含む別のモノマーとのコポリマーも含むことができる。それらのオレフィンコポリマーは、好ましくは以下の式(式1)を有する。
【化1】
ここで、R1はHまたはC1 〜 6のアルキル基であり、R2はH、C1 〜 6のアルキル基、−CN、エステル基、またはR3−COOH(ここでR3は任意のアルキル基である)、XおよびYは、別個にオレフィンモノマーの残基または別のモノマーの残基であり、nは、オレフィンモノマーがコポリマーバインダーの約70モルパーセント(モル%)〜約99モル%となるように選択された数値であり、さらにmは、別のモノマーがこれに応じてコポリマーバインダーの約1モル%〜約30モル%となるように選択された数値である。好ましいかかるコポリマーとしては、エチレンとアクリル酸のコポリマーまたはエチレンとメタクリル酸のコポリマーがある。
【0033】
好適なエチレンとアクリル酸(EAA)のコポリマーとしては、商品名「Michem 4983R」としてMichelman Inc.(Cincinnati,OH)から市販されている分散等級EAAがある。好適なエチレンとメタクリル酸(EMAA)のコポリマーとしては、商品名「Adcote 56220」としてMorton International(Seabrook,NH)から市販されている分散等級EMAAがある。
【0034】
プライマーは、任意選択で界面活性剤(すなわち、湿潤剤)を含むことができる。均一な塗膜またはフィルムが得られるように、通常は十分な量の界面活性剤を使用する。好ましくは、プライマーは、プライマーの全重量(塗布可能な組成物または溶液の重量)に基づいて、0〜約5重量%の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤を多く含めすぎると、得られる積層シートの防湿性が劣ったものとなる場合があり、その結果、屋外での耐久性も劣ることがある。含める界面活性剤が少なすぎると、プライマーは、塗布時に十分な表面のぬれを示さなくなるであろう。界面活性剤は、表面張力を下げる働きをして、プライマーの塗布のしやすさを向上させる。必要とされる表面張力は、塗布する基材によって異なる。
【0035】
水性組成物用の有用な界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および陽イオン界面活性剤からなる群より選ばれるものがあるが、それらに限定されるわけではない。好ましい界面活性剤は非イオンのものである。水性組成物用の好ましい非イオン界面活性剤の例としては、商品名「Surfynol」440、420、465、104 PA、および485としてAir Products and Chemicals(Allentown,PA)から入手できるエトキシ化テトラメチルデシネジオール(ethoxylated tetramethyldecynediol)および商品名「Foamex」−800、−805、および−810としてTego Chemie Service USA(Hopewell,VA)から市販されているポリエーテル−ポリシロキサンコポリマーからなる群より選ばれるものがあるが、これらに限定されるわけではない。
【0036】
非水性組成物についても、有用な界面活性剤として、非イオン界面活性剤がある。一般に、非イオン界面活性剤は、有機溶剤を削減できるので、本発明の非水性組成物に有用である。有用な非イオン界面活性剤としては、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートブタンジオエート(cellulose acetate butyrate butanedioate)(これらは、商品名「CAB」−398−3、−381−0.1、−381−0.5、−531.1、および−482−0.5としてEastman Chemical(Kingsport,TN)から市販されているものである)などのセルロース誘導体からなる群より選ばれるものがあるが、これらに限定されるわけではない。ほかにも数多くの界面活性剤が市販されている。
【0037】
プライマーには、望ましい効果を得るために他の種々の添加剤を含めることもできる。かかるものには、たとえば、商品名「Byk 024」としてByk Chemie(Wilmington,DE)から市販されているような脱泡剤、商品名「Troysan Polyphase AF−1」としてTroy Chemical(Troy,MI)から市販されているような殺カビ剤、および商品名「Tinuvin 123」としてCiba−Geigy Corp.(Greensboro,NC)から市販されているヒンダードアミン光安定剤(「HAL」)のような紫外線防護剤および商品名「Tinuvin 1130」としてCiba−Geigy Corp.(Greensboro,NC)から市販されている紫外線吸収剤がある。
【0038】
プライマーの成分、たとえば、ウレタン分散系、EAA分散系、および界面活性剤は、水、イソプロパノール、およびN−メチルピロリドンなどの溶媒を含む。任意に、さらに水および/または有機溶剤をプライマー組成物に加えて、実際に塗布がしやすくなるように固形分濃度を調整すること、および/または添加剤の相溶性を高めることができる。かかる有機溶剤としては、アルコール、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、キシレン、酢酸アミル、メチルアミルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、またはミネラルスピリット溶剤、またはそれらの組合わせがある。通常、塗布のしやすい好適な固形分は、水性ウレタン樹脂を含むプライマーの場合、約20重量%〜約35重量%の範囲であり、溶液型ウレタンを含むプライマーの場合、約10重量%〜約15重量%である。
【0039】
好ましい塗布可能なプライマー組成物は、27.9重量%の「Neorez 972」水性ウレタンポリマー樹脂、65.2重量%の「Michem 4983R」EAA、0.5重量%の「Surfynol 104PA」界面活性剤、0.3重量%の「Byk 024」脱泡剤、および6重量%の溶液(2.8重量%の「Troysan Polyphase AF−1」殺カビ剤、4.2重量%の「Tinuvin 123」紫外線防護剤、および12.6重量%の「Tinuvin 1130」紫外線吸収剤を80.4重量%のプロピレングリコールモノエチルエーテルに溶かしたもの)を含む。
【0040】
プライマーは、種々の成分を混合して、ビニルフィルムまたは光学コアのいずれかに塗布することで作製できる。当業者によく知られている、バーコーティング(bar coating)およびグラビアコーティングなどのコーティング技法を使用できる。
【0041】
好ましくは、プライマーは、1つの層を含むか、複数の層を含むかにかかわらず、いったん乾燥させたその全厚さは約12.5マイクロメートル以下である。さらに好ましくは、プライマーは、1つの層かそれ以上の層かにかかわらず、全厚さが約6マイクロメートル以下、最も好ましくは約5マイクロメートル以下である。好ましくは、この厚さは、望ましい接着性をもたせるためには、少なくとも約1マイクロメートルである。
【0042】
ビニルフィルム
好適なフィルムとしては、ビニル含有のプラスチックフィルムがある。ここでは、「ビニルフィルム」および「ビニル含有フィルム」は同じように使用されており、ビニル官能性を有するフィルムが含まれる。ビニル官能性は、幅広いポリマー、好ましくは、商品名「Geon 178」としてUnion Carbide(Danbury,CT)から市販されているようなポリ塩化ビニルによって与えることができる。
【0043】
好ましいビニルフィルムは、約42重量%〜約56重量%のポリ塩化ビニル、約0〜約25重量%のアクリル樹脂、約15〜約25重量%の可塑剤、約0.5重量%〜約8重量%の熱安定剤、および約0.1〜約6重量%の紫外線防護剤という配合の透明ビニルフィルムである。任意選択で、ビニルフィルムは、米国特許第5,874,158号(Ludwigら)に記載されている顔料などの着色剤(たとえば、染料または顔料)を含むことができる。
【0044】
アクリル樹脂は、好ましくは、耐久性や非ブロッキング特性を得るために、ビニルフィルムの配合に含む。アクリル樹脂の例としては、ポリ(メチルメタクリレート)およびメチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレートコポリマーがあるが、これに限定されない。好適なアクリル樹脂は、商品名「Acryloid B66」、「Acryloid A11」、および「Acryloid A21」としてRohn & Haasから、また商品名「Elvacite 2008」、「Elvacite 2010」および「Elvacite 2042」としてDuPontから市販されている。
【0045】
紫外線防護剤の例としては、商品名「Hal−Lub」、「Hal−Base」、「Hal−Carb」、および「Hal−Stab」としてHal−stab Company(Hammond,IN)から、あるいは商品名「Tinuvin」(たとえば、「Tinuvin 123」および「Tinuvin 292」)としてCiba−Geigy Corp.(Greensboro,NC)から市販されているヒンダードアミン光安定剤(「HAL」)、および商品名「Uvinul」(たとえば、「Univul N−539」)としてBASF(Williamsburg,VA)から市販されているジフェニルアクリレート防護剤などの紫外線吸収剤があるが、これらに限定されない。
【0046】
熱安定剤の例としては、商品名「Mark V−1923」としてWitco(Greenwich,CN)から市販されているものなどのCaZn化合物、商品名「Sympron 940」としてFerro Corp.(Cleveland,OH)から市販されているものなどのBaZn化合物、商品名「Ferro 1237」および「Sympron 856」としてFerro Corp.から市販されているものなどのBaCdZn化合物、および商品名「Termolite 31」としてM&T Chemicals(Rahway,NJ)から市販されているものなどのスズメルカプチドがあるが、これらに限定されない。
【0047】
可塑剤としては、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルオクチルテレフタレート、およびポリエステル可塑剤(商品名「Plastolein 9777」(ヘキサンニ酸、1,3−ブタンジオール、および2−エチルヘキシルエステルの組合わせ)としてHenkelから市販されているものなど)があるが、これらに限定されない。
【0048】
ビニルフィルムは、たとえば、ポリエステル、事前に所定の大きさにされた紙、または事前に所定の大きさにされたポリエステルライナーにバーコーティングして調製できる。そのフィルムの配合は、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、キシレン、酢酸アミル、メチルアミルアセテート、またはミネラルスピリット溶剤に溶かしたものである。乾燥した厚さが約20マイクロメートル〜約80マイクロメートルのフィルムが好ましい。塗布には、オルガノゾルをライナーにバーコーティングし、移動ウェブ基材から一定距離の位置に滑らかな固定バーを置いて、所望の厚さのフィルムおよび滑らかで均一なフィルムを得ることが関係している。
【0049】
好適なビニルフィルムの例としては、米国特許第5,874,158号(Ludwigら)に開示されているものがある。その他のフィルムは、Achilles USA(Everett,WA)の圧延ビニルを含め、市販のビニルフィルムである。
【0050】
光学コア
予備成形光学コアには、たとえば、通常はガラス小球体(すなわち、ビーズ)の形の光学素子またはプリズム要素がある。小球体は、たとえば、ポリマーバインダー層に埋め込むか、あるいはポリマーフィルムに押し込むことができる。ここでは、「予備成形」とは、プライマーの塗布またはビニルフィルムの被着の前に光学コアを調製したことを意味している。
【0051】
本発明の好ましい物品の再帰反射性ポリマーシートは、たとえば、封入レンズシート、埋め込みレンズシート、またはカプセル化レンズシートの形の「ビーズを含んだ(beaded)シート」、ならびにコーナーキューブ再帰反射性シートにすることができる。かかる物品は、たとえば、米国特許第2,407,680号、第4,511,210号、第4,950,525号、第3,190,178号、第4,025,159号、第4,896,943号、第5,064,272号、第5,066,098号、第3,684,348号、第4,801,193号、第4,895,428号、および第4,938,563号に記載されている。以下に、かかる光学コアシートの説明に役立つ実施態様について説明する。好ましい光学コアとしては、埋め込みレンズおよび封入レンズの光学コアがある。
【0052】
ビニルフィルムを積層する光学コアの表面の材料としては、幅広い種類のポリマーを挙げることができる。例としては、ポリ(ビニルブチラール)、脂肪族ポリエステルポリウレタン、脂肪族ポリエーテルポリウレタン、脂肪族ポリカーボネートポリウレタン、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、架橋アクリレートポリマー、およびポリカーボネートがあるが、これらに限定されない。ビニルフィルムを積層する光学コア表面の好ましいポリマーとしては、ポリ(ビニルブチラール)およびポリエステルポリウレタンを挙げることができる。
【0053】
通常の「埋め込みレンズ」再帰反射性シート10を図1に例示する。光学コア17は、透明な接着層およびスペーシング層(12、13)の間に埋め込まれた光学素子11の単一層、鏡面反射層14(これは、通常は、スペーシング層13にアルミニウムを蒸着させたもの)、および前記反射層を覆う感圧性接着剤15の層を含む。シートの外部前面を形成する透明カバーフィルム16は、ここで説明するビニルフィルムにすることができる。シートに対する入射光線は、層16および12を通過して光学素子11に達するが、この光学素子は、適切な間隔があけられた鏡面反射層14に入射光の焦点を大まかに合わせるレンズとしての働きをする。その結果、光線は、シートに伝わったときと実質的に同じ経路に沿ってシートから逆反射される。説明した埋め込みレンズシートには、次のような利点がある。すなわち、光学素子はシートに埋め込まれているので、シートの前面が濡れているか乾いているかににかかわらず、入射光線は鏡面反射層に焦点が合わせられる。
【0054】
埋め込みレンズ光学コアの具体例は、米国特許第4,950,525号(Bailey)および第4,511,210(Tungら)に開示されている。たとえば、光学素子は、押出熱可塑性脂肪族ポリウレタンフィルムに押し込むことができる。あるいは、ポリウレタンの代わりに、押出エチレンアクリル酸フィルムを使用することもできる。
【0055】
通常の「封入レンズ」再帰反射性シート28を図2に例示する。光学コアシート(再帰反射基材と呼ぶこともよくある)20は、バインダー層21、光学素子22の実質的な単一層、鏡面反射層24、および除去可能なライナー27によって覆われている感圧性接着剤層26を含む。この実施態様では、光学素子は、実質的に完全にバインダー層に埋め込まれている。シートの外部前面を形成する透明カバーフィルム29は、ここで説明するビニルフィルムにすることができる。かかるシートの実例は、商品名「Scotchlite Reflective License Plate Sheeting No.3750」として、Minnesota Mining and Manufacturing Company(「3M」)(St.Paul,MN)から市販されている。
【0056】
通常の「封入レンズ」再帰反射性シート38の別の実施例を図3に例示する。この実施態様では、光学コアシート30は、バインダー層31、光学素子32の実質的な単一層、鏡面反射層34、および除去可能なライナー37によって覆われている感圧性接着剤層36を含む。この実施態様では、光学素子は、一般に約50パーセントだけバインダー層に埋め込まれている。シートの外部前面を形成する透明カバーフィルム39は、ここで説明するビニルフィルムにすることができる。
【0057】
図2および3に示されている説明に役立つ実施態様では、バインダー層の厚さは、通常約20マイクロメートル〜約120マイクロメートルである。この層は、通常、架橋ポリ(ビニルブチラール)樹脂を含むか、あるいはブチル化メラミン樹脂と架橋させた合成ポリエステル樹脂を含む。光学素子は、通常、ガラスで作られた小球体で、屈折率が約2.1〜約2.3であり、直径が約30マイクロメートル〜約200マイクロメートルの範囲にあり、好ましくは直径の平均が約60マイクロメートルのものである。反射性材料は、金属フレークの層または蒸着金属または化学析出金属の層(アルミニウムまたは銀など)であってよい。したがって、シートは、反射性材料が金属的な外観であるため、銀または灰色に見えることになる。しかし、スペーシング層、ビーズボンド層、カバーフィルム、および/またはプライマー層に染料または顔料(好ましくは光透過性のもの)を入れて、着色シートを調製することもできる。
【0058】
「封入レンズ」再帰反射性シートの代替実施態様は、図2および3に例示されているバインダー層の代わりに、ビーズボンド層とスペースコート層を含む。反射層は、スペースコート層により、光学素子に対して協同的な位置に保持される。すなわち、光学素子は、ビーズボンド層に封入された第1半球形部分と、スペースコート層により反射性塗膜から間隔をあけて協同的な位置にある反対側の第2半球形部分とを有している。スペースコート層は、通常、小球体の平均直径の約4分の1だけ小球体の表面から張り出した厚さを有する。かかる光学コアの例は、米国特許第5,882,771号(Kleinら)の中でナンバープレートとの関連で開示されている。
【0059】
図4は、「カプセル化レンズ」再帰反射性物品48を例示している。光学コアシート40は、第1半球形空気暴露部分と、反射性塗膜44をその上に持つ反対側の第2半球形部分とを有する透明ビーズ41含む。表示面43とは反対側の第2主面45を有するシール部材46は、カバーフィルム49の複数部分に接着してシールレッグ(42として示されているものなど)のパターンを形成している。ここで、カバーフィルム49、シール部材46、およびシールレッグ42は、複数のカプセル化空気セル47を形成しており、カバーフィルム49は、シール部材46およびセル内のビーズの空気暴露部分とは間隔のあいた位置にある。
【0060】
面部材とシール部材との間の接着部分は、シールレッグを形成している。これらのレッグは、面部材の未接着部分に対して空気境界面を形成できるほど十分な高さを有している。シールレッグは、たとえば、米国特許第3,190,178号(McKenzie)に開示されているようにシール部材およびカバーフィルムに熱と圧力を加えることにより形成できる。この実施態様では、シールレッグは、各々が表示面43上に小さな面積を持つ個別気密セルのシールパターンを形成することができる。シールレッグは、シール壁、ボンド、ボンドライン、隔壁、またはシールレッグ材と呼ぶこともあるが、本出願の目的においては、これらはすべて同等の用語である。
【0061】
図5aは、主要表示面53を持つカバーフィルム52(ここで説明したビニルフィルム)と再帰反射性部材54とを有する反射材コートプリズム型再帰反射性物品50を例示している。再帰反射性部材54は、面部材と接触した第1主面と、反射性塗膜がその上にある再帰反射性要素56(プリズムなど)を有する反対側の第2微細構造表面とを有している。
【0062】
コーナーキューブ再帰反射性要素を有する再帰反射性部材の全厚さは、通常、約0.2mm〜0.7mmであるが、使用するポリマーによって多少異なる場合がある。再帰反射性部材の厚さが減少するにつれ、再帰反射性部材の可撓性が増大することが予期される場合もある。
【0063】
得られる物品についての望ましい特性、再帰反射性表面を形成するのに使用する方法、シール部材に対する望ましい接着性、および再帰反射性物品の他の任意の部材の性質を考慮して、再帰反射性部材54のポリマーを選択する。微細構造層用に選択するポリマーは、好ましくは、再帰反射性のために望ましい正確な形状大きさが維持されるように、寸法安定性のあるコーナーキューブ要素を形成すべきである。微細構造表面用に選択するポリマー材料は、他のポリマーと比較してビカー軟化温度が高い、比較的可撓性のない、堅くて硬質の材料になる傾向がある。したがって、そうしたポリマーは、室温またはそれより低い温度で、もろいか、または容易に壊れる可能性がある。しかしながら、注目すべき点として、そうしたポリマーの多くは、悪条件の下でも透明性およびその形状を保持する。好適なポリマーとしては、希望に応じて、熱可塑性または熱硬化性の材料がある。再帰反射性表面を形成するポリマーは、好ましくは実質的に光学的に透明であるが、希望に応じて着色することもできる。そうしたポリマーは、以下に挙げる1つまたはそれ以上の理由で選択することがよくある:熱安定性、寸法安定性、耐環境安定性、透明性、成形用具または鋳型からの優れた離型性、および反射性塗膜の付着性。
【0064】
好適な微細構造表面には、たとえば、種々の幾何学的設計にすることができるコーナーキューブ要素がある。光学素子は、コーナーキューブ、プリズム、マイクロプリズム、または三面鏡と呼ぶこともあるが、本出願の目的においては、これらはすべて同等の用語である。基本的なコーナーキューブ再帰反射性要素は、一般に、たとえば、入射光を協力して再帰反射する、1つの底面三角形と3つの実質的に互いに直角を成す光学面を有している四面体構造である。光学面は、好ましくは、頂点で交差し、底面三角形は頂点の反対側に位置している。それぞれのコーナーキューブ要素は光学軸も有しており、この光学軸は、コーナーキューブの頂点を通って伸びており、コーナーキューブ要素の内部空間を3等分している軸である。第1主要表示面に入射する光は、底面三角形に入り、キューブの内部空間を伝わり、3つの光学面のそれぞれから反射され、入ってきた入射光と同じ一般方向を逆方向に向きを変えられる。キューブの面を空気境界面に曝すか、アルミニウムなどの反射性塗膜で覆うかは、任意である。図5aは、再帰反射性部材の光学的性能を変更する手段として、金属または他の好適な反射性塗膜でスペクトル的に覆われている微細構造表面を例示している。この実施態様では、再帰反射の損失なしに、任意選択でシール部材(示されていない)を微細構造表面にぴったり接触させることができる。
【0065】
光学軸の長さとして定義されるコーナーキューブ要素の高さは、好ましくは、シーリングを容易にするために製造可能なかぎり小さいものであるが、材料の無駄を避けたり、物品の厚さを増やしたりすることが望ましいことを認識して、必要な範囲で大きくすることができる。最小の高さは、好ましくは約0.01mmであり、最大の高さは、好ましくは1mm未満である。キューブ要素の高さは、さらに好ましくは0.02mm〜0.5mmである。当業者に知られている種々の技法のいずれかを用いて、この微細構造表面を成形してキューブ層を得る。
【0066】
図5bは、主要表示面53を持つカバーフィルム52と再帰反射性部材54とを有する封入プリズム型再帰反射性物品50を例示している。再帰反射性部材54は、面部材と接触した第1主面と、反射性塗膜がその上にある再帰反射性要素56(プリズムなど)を有する反対側の第2微細構造表面とを有している。下層55は、反射性塗膜に押しつけられた状態になっており、こうしてプリズムが封入されている。面部材は、好ましくは、図5aに関して前で論じたように、透明多層フィルムを含む。
【0067】
図6は、主要表示面63を持つカバーフィルム62、微細構造表面を形成する再帰反射性要素56を持つ再帰反射性部材64、および主面67を持つシール部材66を有する、カプセル化プリズム型再帰反射性物品60の断面図を例示している。シール部材66は、微細構造表面に接着するか、または再帰反射性部材64に接着して、シールレッグ(図6の42)を形成させる。微細構造表面、シール部材、およびシールレッグは、複数のカプセル化空気セル65を形成している。
【0068】
通常、シールレッグは、微細構造表面の未接着部分に対して空気境界面を形成できるほど十分な高さを有している。シールレッグの幅は、好適には約0.2mm〜4mm、好ましくは約0.4mm〜1mmの範囲にすることができ、最も好ましくは、微細構造表面に対するシール部材の接着力を十分なものに維持した状態で、再帰反射性を最大化するのに十分な狭い幅である。シールレッグは、米国特許第3,190,178号(McKenzie)に開示されているように再帰反射性部材およびシール部材に熱と圧力を加えて形成できる。
【0069】
シール部材の厚さは、光学的効率を低下させる汚れや水などの因子への暴露から微細構造表面を保護し、かつ基材へ物品を接着するのに十分なものである。シール部材の厚さは、好ましくは少なくとも0.02mm、さらに好ましくは少なくとも0.06mmであるが、一般には、この厚さは約0.3mmを超えない。
【0070】
シールレッグは、通常、面部材の表示面上のシールパターンを形成する。六角形、長方形、正方形、円形、六角形、またはチェーンリンクなどのパターンを、希望に応じて使用できる。シールレッグは、セル内の面積ほどの光を再帰反射しないので、表示面上にパターンが生じることになる。通常、個別にシールされたそれぞれの空気セルには、長さと幅の寸法AおよびBがある。寸法AおよびBは、好ましくは約4mm〜約50mmの範囲である。寸法AおよびBによって、表示面上のそれぞれのセルの面積が決まる。セルの面積は、好ましくは小さい。たとえば、それぞれのセルの表面積は、5平方センチメートル未満であり、好ましくは4センチメートル未満、さらに好ましくは1平方センチメートル未満、最も好ましくは0.5平方センチメートル未満であるが、面積は、セルによって変わることがある。セルの寸法は、メートル定規を用いて測ることができ、セルの面積は、当業者に知られている式で計算できる。
【0071】
シール部材用の材料の説明に役立ついくつかの例としては、熱可塑性、加熱活性化、紫外線硬化、および電子線硬化のポリマー系がある。好ましくは、シール部材のビカー軟化温度は、微細構造表面のそれよりも少なくとも約30℃だけ低い。
【0072】
その他の光学コアとしては、再帰反射性要素が再帰反射性部材上に微細構造表面を形成しており、隆起部のパターンを有している、隆起部プリズム型再帰反射性物品を挙げることができる。
【0073】
任意選択のグラフィックス
任意選択で、プライマーの塗布前および光学コアとビニルフィルムの被着の前に、グラフィックスを光学コアまたはビニルフィルムに被着することができる。画像をこのようにしてシート内に埋め込むと、画像は一般にさらに耐久性がでてくる。かかる画像は、たとえば、グラビアコーティングで形成することができる。あるいは、画像は、米国特許第4,634,220号(Hicksら)および第4,688,894号(Hockert)に開示されているように、レーザーを使用して、光学コアシートの反射層に形成することができる。
【0074】
グラフィックスを市販のインク(ビニルベースのインクなど)を使用して付ける場合、任意選択で、グラフィックスと光学コアまたはビニルフィルムとの間にプライマーを使用することもできる。ここで記載したプライマーを使用でき、それは、任意選択で、たとえば、アジリジン架橋剤(商品名「Neocryl CX−100」としてZeneca(Wilmington,MA)から市販されているものなど)で架橋されたものである。オレフィンモノマーとここで記載したペンダントカルボキシル基を含む別のモノマーとのコポリマーを単独で、またはここで記載したウレタンポリマーと混合した形で含むプライマーと一緒に、EAAベースのインクなどのその他のインクを使用できる。その他の好適な共有結合架橋剤は、米国特許第5,468,532号(Hoら)に記載されている。
【0075】
シートの作製方法
本発明のシート(好ましくは、再帰反射性シート)の作製方法は、ビニルフィルムを予備成形光学コアに積層することを伴っている。ビニルフィルム、予備成形光学コア、またはその両方には、互いに積層する前に、ウレタンプライマーを含むプライマーを塗布する。
【0076】
好ましい実施態様の1つによれば、ウレタンポリマーを含むプライマーがその第1主面に配置されているビニルフィルムを設けてプライマー塗布表面を形成する工程と、2つの主面を有する予備成形光学コアを設ける工程と、前記予備成形光学コアの第1主面を前記ビニルフィルムの前記プライマー塗布表面に積層する工程と、を含む方法が提供される。この方法では、ビニルフィルムには、水性ウレタン樹脂または溶液型ウレタン樹脂によって与えられるウレタンポリマーを下塗りすることができる。
【0077】
別の好ましい実施態様によれば、2つの主面を有するビニルフィルムを設ける工程と、ウレタンポリマーを含むプライマーがその第1主面に配置されている予備成形光学コアを設けてプライマー塗布表面を形成する工程と、前記ビニルフィルムの第1主面を前記予備成形光学コアの前記プライマー塗布表面に積層する工程と、を含む方法が提供される。この方法では、光学コアには、好ましくは、水性ウレタン樹脂によって与えられるウレタンポリマーを下塗りする。
【0078】
光学コアシートおよびビニルフィルムの少なくとも1つにウレタンポリマー含有プライマーが塗布されており、それらは、通常の熱的/機械的方法で直接一緒に積層することができる。通常、積層温度は、光学コアをビニルフィルムに熱的に接着するのに十分高いものである。通常、向かい合ったニップロール(nip rolls)を使用するが、それらは両方を滑らかにすることができる。あるいは、ここで開示されている望ましい実施態様のいくつかで述べられたシールレッグを形成させるために、一方を滑らかにし、他方を型押しすることもできる。熱成形技法に加えて、超音波溶接、高周波溶接、熱溶融、および反応溶接(reactive welding)など、他の技法も使用できる。
【0079】
好ましい積層プロセスにおいては、温度および圧力は、ニップロールプロセスを用いて加える。通常、ニップ力(nip force)は約17kg/cm幅〜約21kg/cm幅、高温缶温度は約140℃〜約200℃、ライン速度は約5メートル/分〜約50メートル/分である。当業者は、ライン速度、ニップ力およびその他の積層条件(たとえば、高温缶温度)を最適化して、本発明の完成積層シート、好ましくは再帰反射性シートの特性を望ましいものにするであろう。
【0080】
積層プロセスの前に、接着促進処理を、光学コアシートおよび/またはビニルフィルムの表面に施すのが望ましいことがある。この処理としては、コロナまたはプラズマ処理を挙げることができる。かかる処理は、通常、光学コアおよび/またはビニルフィルムの表面に施し、その後、任意選択で、プライマーをその処理表面に被着する。
【0081】
製品
本発明のシートは、ナンバープレート、反射性グラフィック物品(たとえば、交通標識)、路面表示物品、道路標識、車両誘目性シート、衣料品(たとえば、警告チョッキ)、履物(たとえば、ランニングシューズ)、整理ケース、リュックサック、保護カバー、シート、防水シート(たとえば、トラックトレーラーカバー)、警告テープ、化粧ウェブ、構造ウェブ、あるいはこうした品物に取り付けるテープ、ふち飾り、パッチおよび紋章を含む、種々の製品に使用できるが、これらに限定されるわけではない。
【0082】
多数の用途において、ビニルフィルムを有する再帰反射性物品は、接着剤を使って硬質の基材(道路標識用またはナンバープレート用のアルミニウムプレートなど)、または道路面(コンクリートまたはアスファルトなど)に取り付ける。通常、標識やナンバープレートでは、ビニルフィルムはそれぞれの物品の一番外側の表面を形成する。
【0083】
本発明のビニルカバーフィルムとプライマーを使用できるであろう典型的なナンバープレートは、米国特許第5,882,771号に記載されており、それには、型押しされた文字および接着された再帰反射性シートを有する基材(たとえば、金属またはプラスチック)が記載されている。本発明のビニルフィルムとプライマーを使用できるであろう典型的なグラフィックス物品は、可撓性スクリム強化支持体に取り付けられたビニルフィルムを含む巻き上げ式標識であり、これは、米国特許第09/393,369号(Atty. Docket No.55056 USA 2A)(出願日1999年9月10日、名称「Retroreflective Articles Having Multilayer Films and Methods of Manufacturing Same(多層フィルムを有する再帰反射性物およびその製造方法)」)に開示されている。本発明のビニルカバーフィルムとプライマーを使用できるであろう典型的な路面表示物品または他の交通整理物品は、米国特許第5,981,033号(Haunschildら)ならびに国際公開WO98/40562号、WO97/01677号、およびWO97/01678号に開示されている。たとえば、本発明のビニルフィルムとプライマーは、次のものに使用される従来の光学コアシートで使用できる:たて型の用途(ジャージーバリケードまたはガード・レールでの場合など)、曲面を持つ用途(トラフィックバレル(traffic barrels)、トラフィックチューブ(traffic tubes)、およびコーンなど)、車体表面、路面、標識、ナンバープレート、反射性グラフィックスなど。
【0084】
実施例
本発明の特徴および利点を、以下の説明に役立つ例でさらに説明する。特に断りがなければ、ここでの部およびパーセントはすべて重量によるものである。実施例および比較例で引き合いに出されている構造物は、以下の試験により評価した。
【0085】
180゜剥離力試験
剥離力は、試験パネル上のそれぞれの積層構造物に対して行い、試験パネルをSintech1引張り試験装置(MTS(Eden Prairie,MN)の下ジョーに固定し、積層構造物のフィラメントテープタブを上ジョーに固定して実行した。積層構造物は、30.5cm/分のクロスヘッド速度を用いて180゜剥離背面角で分離した。剥離力は、グラム/cm(lb/in)で記録し、積層構造物の残りの部分からビニルフィルムを引き剥がすことができなかった場合には、「分離不可(Could Not Be Separated)(CS)」と評価した。
【0086】
実施例1〜2
プライマー塗布封入レンズ光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムとの間の剥離力
顔料を加えず、商品名「Elvacite 2013」としてDuPontから市販されているアクリル樹脂を「Acryloid B66」アクリル樹脂の代わりに使用したこと以外は、米国特許第5,874,158号(Ludwigら)の実施例5に従って調製されたポリエステル(PET)支持体にオルガノゾルからの0.06mm(2.5ミル)の厚さのビニルフィルムをキャストして、第1構造物を作製した。
【0087】
第2構造物は、商品名「Scotchlite Reflective License PlateSheeting No.3750」として、Minnesota Mining and Manufacturing Company(「3M」)(St.Paul,MN)から市販されている封入レンズ光学コアからなる。光学コアの表面は、空気雰囲気下において1.4キロワット/メートル幅でコロナ処理した。表1にリストしたプライマーと商品名「Surfynol104PA」としてAir Products(Allentown,PA)から市販されている0.05重量%湿潤剤(すなわち界面活性剤)とを混ぜ合わせて、99.95:0.05(重量で)のプライマー溶液を得て調製したプライマー溶液を、コロナ処理されたそれぞれの光学コア構造物に別個に塗布した。
【0088】
#8ワイヤーバーを使用して、そのプライマー溶液を光学コアに塗布して、0.018mm(0.72ミル)の厚さの未乾燥塗膜を得た。プライマーは、121℃(250°F)のオーブン中で5分間乾燥させた。
【0089】
プライマー塗布光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムの両方の露出表面を、光学コアに関して上で記載したようにして空気コロナ処理した。商品名「3M #8402」として3Mから市販されている5.1cm(幅)×25.4cm(長さ)の緑色テープのストリップを、第1構造物と第2構造物の間をウェブ横断(crossweb)するような形で配置し、構造体の両端と合わせた。緑色テープを間に挟んだ2つの構造物を、154℃(310°F)の高温缶表面温度を使用して9.1メートル/分で互いに積層した。得られた積層構造物を、室温で約24時間保存した。
【0090】
ビニルフィルム上のPET支持体を除去し、その後、安全かみそりの刃を用い、積層構造物を緑色テープの中心に沿って切断して、2つの部分に分けた。積層構造物の一方の部分を2.5cm(幅)×12.7cm(長さ)のストリップに切断して、片方の端に緑色テープを有するストリップを得た。剥離ライナーを、構造物(すなわち、第2構造物)の光学コア部分の接着剤から除去した。ストリップの露出接着剤表面を、7cm(幅)×28cm(長さ)のアルミニウムパネル(Q Panel Company(Cleveland,OH)の6061T6(食刻およびデスマット表面を持つ合金)に被着し、ストリップの緑色テープ部分の端をアルミニウムパネルの端に合わせた。ハンドプレッシャー(hand pressure)を用いて、5cm幅のゴム付きローラーをストリップの長さ方向に沿って2回前後に動かして、ストリップをパネルに被着した。
【0091】
積層構造物の残りから緑色テープ領域の部分でビニルフィルムを持ち上げて、商品名「Scotch 898 Tape」として3Mから市販されているフィラメントテープのストリップ(2.5cm(幅)×20cm(長さ))を包み込み、構造物の残りから引き離した領域(すなわち、緑色テープの領域)のビニルフィルムに接着して、長さが約10cmのタブを形成した。すぐに剥離力試験を行って、表1に示す剥離力データを得た。
【0092】
表Iの180°剥離力試験データは、プライマー塗布光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムが強く接着していたことを示している。プライマー塗布光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムとの間の剥離力は、光学コアが壊れるほど強いものであった。すなわち、2つの構造物を分離することができなかった。
【0093】
【表1】
【0094】
実施例3〜6
プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布封入レンズ光学コアとの間の剥離力
プライマー溶液(表2にリストしたプライマーと0.05%「Surfynol 104PA」界面活性剤を組み合わせて得た99.95:0.05(重量で)のプライマー溶液)を、光学コアの代わりにビニルフィルムに別個に塗布したこと以外は、実施例1〜2について詳述したようにして実施例3〜6の構造物を作製した。
【0095】
実施例5では、プライマー溶液の第2塗膜は、第1塗膜を乾燥させた後に、その第1塗膜の上に被着した。プライマー溶液の第2塗膜は、「Michem 4983R」EAA分散系と「Surfynol 104PA」界面活性剤から成っており、99.95:0.05の重量比のものであった。第2塗膜の被着、未乾燥塗膜の厚さ、および乾燥条件は、第1塗膜についての説明と同様である。
【0096】
実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層、積層構造物の試料を調製し、180゜剥離力試験に従って試験した。剥離力試験の値は、表IIに示してある。
【0097】
表IIの180°剥離力試験データは、プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布光学コアが強く接着していたことを示している。プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布光学コアとの間の剥離力は、光学コアが壊れるほど強いものであった。すなわち、2つの構造物を分離することができなかった。
【0098】
【表2】
【0099】
実施例7〜8
プライマー塗布埋め込みレンズ光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムとの間の剥離力
実施例7〜8の構造物は、埋め込みレンズ光学コアを封入レンズ光学コアの代わりに使用したこと以外は、実施例1〜2について詳述したようにして調製した。埋め込みレンズ光学コアは、米国特許第4,511,210号(Tungら)の実施例2に従って調製した。
【0100】
実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層し、積層構造物の試料を調製し、180゜剥離力試験に従って試験した。剥離力試験の値は、表IIIに示してある。
【0101】
表IIIの剥離力試験データは、プライマー塗布光学コアとプライマー未塗布ビニルフィルムとの間の剥離力が大きく、容易に引き剥がすことができない構造物が得られたことを示している。
【0102】
【表3】
【0103】
実施例9〜11
プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布埋め込みレンズ光学コアとの間の剥離力
実施例9〜11の構造物は、埋め込みレンズ光学コアを封入レンズ光学コアの代わりに使用したこと以外は、実施例3〜6について詳述したとおりに調製した。埋め込みレンズ光学コアは、米国特許第4,511,210号(Tungら)の実施例2に従って調製した。
【0104】
実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層し、積層構造物の試料を調製し、180゜剥離力試験に従って試験した。剥離力試験の値は、表IVに示してある。
【0105】
表IVの剥離力試験データは、プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布光学コアとの間の剥離力が大きく、容易に引き剥がすことができない構造物が得られたことを示している。
【0106】
【表4】
【0107】
実施例12〜13
プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布埋め込みレンズ光学コアとの間の剥離力
実施例12〜13の構造物は、埋め込みレンズ光学コアを封入レンズ光学コアの代わりに使用したこと以外は、実施例3〜6について詳述したとおりに調製した。その後、脂肪族ポリウレタンの代わりに「Primacor3440」(Dow Chemical(Midland,MI)のエチレンアクリル酸樹脂)を用いてフィルムを押し出したこと以外は、米国特許第4,950,525号の実施例1に従って、埋め込みレンズ光学コアを調製した。
【0108】
コロナ処理はすべて空気雰囲気下において0.2キロワット/メートル幅で実施し、第1および第2構造物は157℃(315°F)の高温缶表面温度を用いて1.5メートル/分で互いに積層したこと以外は、実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層、積層構造物の試料を調製した。試験試料は、180°剥離力試験に従って試験した。その値は表Vに示してある。
【0109】
表Vの剥離力試験データは、プライマー塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布光学コアとの間の剥離力が大きく、容易に引き剥がすことができない構造物が得られたことを示している。
【0110】
【表5】
【0111】
比較例A
プライマー未塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布封入レンズ光学コアとの間の剥離力
比較例Aの構造物は、封入レンズ光学コアにプライマー塗布しなかったこと以外は、実施例1〜2について詳述したとおりに調製した。
【0112】
実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層し、積層構造物の試料を調製し、180゜剥離力試験に従って試験した。剥離力試験の値は53.5g/cm(0.3lb/in)であった。
【0113】
比較例B
プライマー未塗布ビニルフィルムとプライマー未塗布埋め込みレンズ光学コアとの間の剥離力
比較例Bの構造物は、埋め込みレンズ光学コアにプライマー塗布しなかったこと以外は、実施例7〜8について詳述したとおりに調製した。
【0114】
実施例1〜2で記載したようにして、第1および第2構造物を調製し、空気コロナ処理し、互いに積層し、積層構造物の試料を調製し、180゜剥離力試験に従って試験した。剥離力試験の値は410.2g/cm(2.3lb/in)であった。
【0115】
すべての特許、特許文献、および刊行物の完全な開示は、個々のものが示されている場合のように、ここに参考のために示す。この発明の範囲と精神から逸脱しない範囲で、本発明のさまざまな修正や変更は当業者にとっては明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、埋め込みレンズ再帰反射性物品の断面図である。
【図2】
図2は、封入レンズ再帰反射性物品の断面図である。
【図3】
図3は、封入レンズ再帰反射性物品の代替の実施態様の断面図である。
【図4】
図4は、カプセル化レンズ再帰反射性物品の断面図である。
【図5a】
図5aは、露出プリズム型再帰反射性物品の断面図である。
【図5b】
図5bは、封入プリズム型再帰反射性物品の断面図である。
【図6】
図6は、カプセル化プリズム型再帰反射性物品の断面図である。
Claims (50)
- 2つの主面を有するビニルフィルムと、
前記ビニルフィルムの第1主面に積層された予備成形光学コアと、
前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていてウレタンポリマーを含むプライマーと、
任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスと、を含むシート。 - 前記プライマーが、約12.5マイクロメートル以下の厚さの層を含む、請求項1に記載のシート。
- 再帰反射性シートである、請求項1に記載のシート。
- 前記プライマーが水性ウレタン樹脂または溶液型ウレタン樹脂から形成されている、請求項1に記載のシート。
- 前記プライマーが、オレフィンモノマーと、ペンダントカルボキシル基を含む第2のモノマーとを含むコポリマーをさらに含む、請求項1に記載のシート。
- 前記コポリマーがエチレン/アクリル酸コポリマーである、請求項5に記載のシート。
- 前記エチレン/アクリル酸コポリマーが前記ウレタンポリマーと混合されている、請求項6に記載のシート。
- 前記混合物が前記ビニルフィルムに隣接する第1層を形成し、前記プライマーがエチレン/アクリル酸コポリマーを含む第2層をさらに含む、請求項7に記載のシート。
- 前記第2層が、前記エチレン/アクリル酸コポリマーと混合されたウレタンポリマーをさらに含む、請求項8に記載のシート。
- 前記エチレン/アクリル酸コポリマーが、ポリマー固形分に基づいて約7重量%〜約87重量%の量だけ存在する、請求項7に記載のシート。
- 前記ウレタンポリマーが、ポリマー固形分に基づいて約13重量%〜約93重量%の量だけ存在する、請求項10に記載のシート。
- 前記光学コアが埋め込みレンズ光学コアまたは封入レンズ光学コアを含む、請求項1に記載のシート。
- 2つの主面を有するビニルフィルムと、
前記ビニルフィルムの第1主面に積層された予備成形光学コアと、
前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていて本質的にウレタンポリマーからなるプライマーと、
任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスと、を含むシート。 - 前記プライマーが、約12.5マイクロメートル以下の厚さの層を含む、請求項13に記載のシート。
- 再帰反射性シートである、請求項13に記載のシート。
- 2つの主面を有するビニルフィルムと、
前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コアと、
前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていて、前記ビニルフィルムに隣接したウレタンポリマーを含む第1層とエチレン/アクリル酸コポリマーを含む第2層とを含むプライマーと、
任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスと、を含むシート。 - 第1層と第2層とを含む前記プライマーが、約12.5マイクロメートル以下の厚さを有する、請求項16に記載のシート。
- 前記第1層が、前記ウレタンポリマーと混合されたエチレン/アクリル酸コポリマーをさらに含む、請求項16に記載のシート。
- 前記第2層が、前記エチレン/アクリル酸コポリマーと混合されたウレタンポリマーをさらに含む、請求項18に記載のシート。
- 再帰反射性シートである、請求項16に記載のシート。
- 2つの主面を有するビニルフィルムと、
前記ビニルフィルムの第1主面に積層された予備成形光学コアと、
前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていて溶液型ウレタン樹脂から形成されたプライマーと、
任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスと、を含むシート。 - 2つの主面を有するビニルフィルム、
前記ビニルフィルムの第1主面に積層した予備成形光学コア、
前記ビニルフィルムと前記予備成形光学コアとの間に配置されていてウレタンポリマーを含む、厚さが約12.5マイクロメートル以下のプライマー、および
任意選択で、前記プライマーと前記光学コアとの間または前記プライマーと前記ビニルフィルムとの間に置かれたグラフィックスを含む、再帰反射性シート。 - 請求項1に記載のシートを含むナンバープレート。
- 請求項1に記載のシートを含む再帰反射性グラフィックス物品。
- 請求項1に記載のシートを含む路面表示。
- ウレタンポリマーを含みその第1主面に配置されているプライマーを含むビニルフィルムを設けてプライマー塗布表面を形成する工程と、
2つの主面を有する予備成形光学コアを設ける工程と、
前記予備成形光学コアの第1主面を前記ビニルフィルムの前記プライマー塗布表面に積層する工程と、を含むシートの作製方法。 - プライマーを含むビニルフィルムを設ける工程には、2つの主面を有するビニルフィルムを設ける工程と、水性ウレタン樹脂を前記ビニルフィルムの第1主面に塗布する工程と、が含まれる、請求項26に記載の方法。
- プライマーを含むビニルフィルムを設ける工程には、2つの主面を有するビニルフィルムを設ける工程と、溶液型ウレタン樹脂を前記ビニルフィルムの第1主面に塗布する工程と、が含まれる、請求項27に記載の方法。
- 積層前に前記予備成形光学コアの前記第1主面にグラフィックスを適用することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
- 前記シートが再帰反射性シートである、請求項27に記載の方法。
- 前記プライマーがエチレン/アクリル酸コポリマーをさらに含む、請求項27に記載の方法。
- 前記エチレン/アクリル酸コポリマーがウレタン基および/または尿素基を含むポリマーと混合されている、請求項31に記載の方法。
- 前記混合物が前記ビニルフィルムに隣接した第1層を形成し、前記プライマーがウレタンポリマーを含む第2層をさらに含む、請求項32に記載の方法。
- 前記第2層が、前記ウレタンポリマーと混合されたエチレン/アクリル酸コポリマーをさらに含む、請求項33に記載の方法。
- 前記プライマーが、前記ビニルフィルムに隣接していてウレタンポリマーを含む第1層と、エチレン/アクリル酸コポリマーとを含む第2層とを含む、請求項26に記載の方法。
- 前記第1層が、前記ウレタンポリマーと混合されたエチレン/アクリル酸コポリマーをさらに含む、請求項35に記載のシート。
- 前記第2層が、前記エチレン/アクリル酸コポリマーと混合されたウレタンポリマーをさらに含む、請求項36に記載のシート。
- 前記光学コアがバインダーをさらに含む、請求項26に記載の方法。
- 2つの主面を有するビニルフィルムを設ける工程と、
ウレタンポリマーを含みその第1主面に配置されているプライマーを含む予備成形光学コアを設けてプライマー塗布表面を形成する工程と、
前記ビニルフィルムの第1主面を前記予備成形光学コアの前記プライマー塗布表面に積層する工程と、を含むシートの作製方法。 - プライマーを含む予備成形光学コアを設ける工程には、2つの主面を有する予備成形光学コアを設ける工程と、水性ウレタン樹脂を前記光学コアの第1主面に塗布する工程とが含まれる、請求項39に記載の方法。
- 前記シートが再帰反射性シートである、請求項39に記載の方法。
- 前記プライマーがエチレン/アクリル酸コポリマーをさらに含む、請求項39に記載の方法。
- 前記エチレン/アクリル酸コポリマーが前記ウレタンポリマーと混合されている、請求項42に記載の方法。
- 前記混合物が前記光学コアに隣接した第1層を形成し、前記プライマーがウレタンポリマーを含む第2層をさらに含む、請求項43に記載の方法。
- 前記第2層が、前記ウレタンポリマーと混合されたエチレン/アクリル酸コポリマーをさらに含む、請求項44に記載の方法。
- 前記プライマーが、前記光学コアに隣接していてウレタンポリマーを含む第1層と、ウレタンポリマーを含む第2層とを含む、請求項39に記載の方法。
- 前記第1層が、前記ウレタンポリマーと混合されたエチレン/アクリル酸コポリマーをさらに含む、請求項46に記載の方法。
- 前記第2層が、前記ウレタンポリマーと混合されたエチレン/アクリル酸コポリマーをさらに含む、請求項46に記載の方法。
- 前記ビニルフィルムが、ウレタンポリマーを含みその第1主面に配置されているプライマーを含むことでプライマー塗布表面を形成し、
前記ビニルフィルムの前記プライマー塗布表面を前記予備成形光学コアの前記プライマー塗布表面に積層する工程を含む、請求項39に記載の方法。 - 積層前に前記ビニルフィルムの前記第1主面にグラフィックスを被着する工程をさらに含む、請求項39に記載の方法。
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