JP2004507264A - インターロイキン13のアミノ酸置換変異体 - Google Patents
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Abstract
Description
関連特許
本出願は、2000年8月30日に出願された米国仮出願第60/229,194号の優先権を主張する。
【0002】
連邦政府によって後援された研究と開発に関する陳述書
本発明は、米国厚生省によって認定されたCA741145号の下で連邦政府の支援を受けて完成されたものである。本発明に対し、連邦政府が何らかの権利を有する可能性がある。
【0003】
発明の背景
ヒトインターロイキン13(hIL13)は、活性化T細胞によって分泌された114アミノ酸サイトカインである。Mintyら(1993)ネイチャー,362:248−250、及びMcKenzieら(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA,90:3735−3739。hIL13はいくつかの異なる生理学的な反応の調節に関わっている。これらの中で、hIL13は、炎症に関与するサイトカインの生成を抑制することが示されている。Mintyら、supra及びDe Waal Malefytら(1993) J. Immunol.,151:6370−6381。それが、主要組織適合性クラスII分子と単球上のCD23の発現を増強し、B細胞機能の種々の状況を調整することについても明らかにされている。De Waal Malefytら(1993) Res. Immunol.,144:629−633,McKenzieら、supra,De Waal Malefytら(1993) J. Immunol.,151:6370−6381。免疫系の調節細胞に加えて、IL13が他の細胞のタイプとして作用することも明らかにされている。例えば、IL13が内皮細胞上の血管細胞接着分子(VCAM−1)の発現を調節することが明らかにされている。Sironiら(1994)Blood,84:1913−1921,Bochnerら(1995) J. Immunol.,154:799−803,Schnyderら(1996)Blood,87:4286−4295。
【0004】
その予想される2次構造に基づき、hIL13は、束ねられたアルファ螺旋のコア配置を全てが示す成長ホルモンのようなサイトカインの成長ファミリーに加えられている。Bamboroughら(1994)Prot. Engin., 7:1077−1082。構造解析は、hIL13が主に「束ねられたコア」に配置された4つのアルファ螺旋状の領域(螺旋A,B,C及びD)から構成された球状タンパク質であるということを示した。Miyajimaや(1992)Ann. Res. Immunol.,10:295−331。
【0005】
第一級アミノ酸レベルでは異なるが、hIL13とヒトインターロイキン4(hIL4)は結合し、共有受容体複合体を介してシグナルを送る。Zurawskiら(1993)EMBO J.,12:2663−2670及びTonyら(1994)Eur. J. Biochem.,225:659−66。この共有された受容体は、p140と称される約140kDaの第一のサブユニットと、a’やIL13Ra1と称される約52kDaの第二のサブユニットを含むヘテロ二量体である。Idzerdaら(1990)J. Exp. Med.,173:861−873,Obiriら(1995)J. Biol. Chem. 270:8797−8804,HILtonら(1996)Proc. Natl. Acad. Sci. USA,93:497−501及びMilouxら(1997)FEBS Letters,401:163−166。hIL4とは異なって、hIL13はa’の非存在下ではp140に結合しない。Vitaら(1995)J. Biol. Chem.,270:3512−3517。共有受容体に加えて、制限(IL4独立)受容体と称される別のhIL13受容体が存在する。共有受容体と対比すると、後者の受容体はhIL13に結合するがhIL4に結合しない。この制限受容体はまた、高度なヒト神経膠腫を含む特定の悪性細胞において高レベルで優先的に発現することから、時々、神経膠腫関連受容体とも呼ばれる。Debinskiら(1995)Clin. Cancer Res. 1:1253−1258及びDebinskiら(1996)J. Biol. Chem. 271:22428−22433。悪性腫瘍に関連していることに加えて、hIL13はまた、他の病理学の条件にも関連している。特に、IL13は、気道炎症を調節する経路に含まれることが示されており、このことは、このサイトカインが喘息や恐らく他のアレルギー性病理学に重要な役割を果たす可能性があることを示唆している。Webbら(2000)J. Immunol. 165:108−113及びDjukanovic, R.(2000)Clin. Exp. Allergy 30 Suppl 1:46−50。
【0006】
本発明の要約
本発明は、hIL13のいくつかの変異体の開発と特徴付けに関する。これらの変異体を用いて、天然hIL13の3つの領域が共有受容体を介して信号を送るために必要とされているものとして同定された。これらの領域は、アルファ螺旋A,C及びDに局在し、通常は制限受容体への結合に含まれる領域から分かれていた。hIL13アルファ−螺旋Aの13と16の位置のグルタミン酸,螺旋Cの66と69の位置のアルギニンとセリン、及び螺旋Dの109の位置のアルギニンは、これらの変異が機能的現象を減少及び/又は増加させたことから、生物学的な情報伝達を促すことにおいて重要であることが発見された。
【0007】
本発明における変異体は、一つ以上のhIL13の天然のアミノ酸を、13,16,17,66,69,99,102,104,105,106,107,108,109,112,113及び114の位置において、異なるアミノ酸で置換したものを含む。これらの変異体を本明細書中でhIL13.X1PX2と表現され、ここでPはhIL13における変異したアミノ酸の位置に対応する番号であり、X1は置換されたアミノ酸の文字省略形であり、そしてX2は置換アミノ酸の文字省略形である。2つのアミノ酸置換変異体をhIL13X1PX2.X3P1X4,3つのアミノ酸置換変異体をhIL13X1PX2.X3P1X4.X5P2X6,4つのアミノ酸置換変異体をhIL13X1PX2.X3P1X4.X5P2X6.X7P3X8として同様の形式で複数の変異を有する変異体を示す。例えば、hIL13.E13Kは、天然hIL13の13の位置に自然に存在するグルタミン酸残基をリジン残基で置換した、hIL13の変異形を表し、hIL13.E13K.S69Dは天然hIL13の13の位置に自然に存在するグルタミン酸残基をリジン残基で置換し、天然hIL13の69の位置に自然に存在するセリン残基をアスパラギン酸残基で置換したhIL13の変異形を表す。本発明における代表的なアミノ酸置換変異体には、hIL13.E13K,hIL13.E13I,hIL13.E13C,hIL13.E13S,hIL13.E13R,hIL13.E13Y,hIL13.E13D,hIL13.E16K,hIL13.E17K,hIL13.R66D,hIL13.S69D,hIL13.D99K,hIL13.L102A,hIL13.L104K,hIL13.K105D,hIL13.K106D,hIL13.L107A,hIL13.F108Y,hIL13.R109D,hIL13.R112D,hIL13.F113D,及びhIL13.N114Dが含まれる。本発明は、2つ,3つ,4つのアミノ酸置換変異体も包含する:hIL13.E13K.S69D(SEQ ID NO:2);hIL13.E13K.R109D(SEQ ID NO:3);hIL13.E13K.R112D(SEQ ID NO:4);hIL13.E13Y.R66D(SEQ ID NO:5);hIL13.E13Y.S69D(SEQ ID NO:6);hIL13.E13K.R66D.S69D(SEQ ID NO:7);hIL13.E13Y.R66D.S69D(SEQ ID NO:8);hIL13.E13K.R66D.S69D.R112D(SEQ ID NO:9)。
【0008】
したがって、本発明は(a)天然hIL13塩基配列(SEQ ID NO:1)と少なくとも90%の塩基配列の同一性を有し、かつ(b)少なくともAアルファ螺旋で生じる第一のアミノ酸置換とDアルファ螺旋で生じる第二のアミノ酸置換の分だけ天然hIL13塩基配列と異なったアミノ酸配列を含む精製hIL13変異体分子を開示する。
【0009】
また、本発明は(a)天然hIL13塩基配列(SEQ ID NO:1)と少なくとも90%の塩基配列の同一性を有し、かつ(b)少なくとも3つのアミノ酸置換の分だけ天然hIL13塩基配列と異なったアミノ酸配列を含む精製hIL13変異体分子を開示する。前記の変形例において、このアミノ酸配列は、少なくともAアルファ螺旋で生じる第一のアミノ酸置換と、Dアルファ螺旋で生じる第二のアミノ酸置換と、Cアルファ螺旋で生じる第三のアミノ酸置換の分だけ天然hIL13塩基配列と異なる。前記の別の変形例において、このアミノ酸配列は、例えば少なくともアルファ螺旋Aで生じる第一のアミノ酸置換,アルファ螺旋Dで生じる第二のアミノ酸置換とアルファ螺旋Cで生じる第三のアミノ酸置換で、少なくとも4つのアミノ酸置換の分だけ天然hIL13配列と異なる。
【0010】
さらに、本発明には、SEQ ID NOs:2−9のいずれか一つのアミノ酸配列を持つか又はそれから構成されるポリペプチドを含む精製hIL13変異体分子が含まれる。
【0011】
また、本発明の精製hIL13変異体分子は、製剤的に許容可能なキャリアを含んでもよく及び/又は例えば細胞毒素(例えば、PE38QQR,PE1EとPE4Eなどのシュードモナス外毒素,ジフテリア毒素,リシン,アブリン,サポリン,及びヤマゴボウウイルス性タンパク質),検出可能な標識,抗体,リポソームと脂質などのエフェクター分子と結合してもよい。このエフェクター分子は、放射性核種であってもよい。
【0012】
別の特徴において、本発明は、SEQ ID NOs:2−9のいずれか一つのアミノ酸配列を持つか又はそれから構成されるポリペプチドをコード化する精製核酸を開示する。
【0013】
また、本発明は、hIL13変異体と特異的に結合するが天然hIL13と特異的に結合しない抗体を開示する。このhIL13変異体は、例えばSEQ ID NOs:2−9のいずれか一つのアミノ酸配列を含むものなど上記に記述されたhIL13変異体の一つであってもよい。
【0014】
さらに、別の特徴において、本発明には、hIL13変異体を細胞に送達する方法が含まれる。この方法は、(a)hIL13変異体(例えば、上記に記述されたもの)を準備する工程と、(b)その細胞を準備する工程と、(c)その細胞をこのhIL13変異体と接触させる工程とを含む。この方法において、このhIL13変異体をエフェクター分子に結合させてもよい。その細胞をこのhIL13変異体と接触させる工程(c)は動物で行ってもよく、例えば、注射や別の方法によってこの変異体をこの動物に投与してもよい。51。また、この方法の別の変形例において、その細胞は動物内で腫瘍の一部分を形成でき、その腫瘍は動物内である程度の速度で成長する。この変形例において、この速度は、その後の細胞をhIL13変異体と接触させる工程(c)で低下する。
【0015】
特に定義しない限り、ここで使用される全ての専門用語は、本発明が属する技術における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。分子生物学の用語の一般に理解される定義は、リーガーら著(1991)遺伝子学用語集:第5版,スプリンガー−ヴァーラグ:ニューヨーク、及びレウィン著(1994)遺伝子 V,オックスフォード大学出版:ニューヨークにおいて見出すことができる。
【0016】
本明細書で用いられる「天然hIL13」という用語は、ヒトインターロイキン13の天然型を意味し、そのアミノ酸配列は、本明細書でSEQ ID NO:1として示される。
【0017】
「hIL13変異体」,「変異体hIL13」又は「変異体hIL13分子」という用語は、天然hIL13に対応するアミノ酸と一つ以上のアミノ酸が異なるhIL13を意味する。したがって、例えば、天然hIL13が13の位置にグルタミン酸を有し、変異体hIL13は13の位置にグルタミン酸以外のアミノ酸を有してもよい(例えば、グルタミン酸はリジンで置換される)。本発明の変異体hIL13分子には別の哺乳類種(例えば、ラット,マウス,ブタ,ヒツジ,ヤギ,ヒトでない霊長類,ウシ,カヌス(canus)など)の変異体hIL13分子が含まれ、本発明はヒトの医学の条件と同様に獣医学における変異体hIL13の使用を考慮していることが理解されるであろう。
【0018】
本明細書で用いられている「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、長さや翻訳後の修飾、例えば、グリコシル化やリン酸化反応に関係なく、アミノ酸の任意のペプチド結合した鎖を意味して同意語として用いられる。「精製した」ポリペプチドとは、本質的に、ポリペプチドが生じる細胞,生物又は混合物内の別のポリペプチドから分離や単離されているものである(例えば、不純物が30,40,50,60,70,80,90,95,96,97,98,99,100%ない)。
【0019】
本明細書で用いられている「核酸」又は「核酸分子」は、例えば、RNA(リボ核酸)及びDNA(デオキシリボ核酸)などの二つ以上のヌクレオチド鎖を意味する。「精製」核酸分子は、実質的に、核酸が自然に生じる細胞や生物において別の核酸配列から分離や単離されているものである(例えば、不純物が30,40,50,60,70,80,90,95,96,97,98,99,100%ない)。この用語は、例えば、ベクター,プラスミド,ウイルス又は原核生物や真核生物のゲノムへ組み込まれた組換え型核酸分子を含む。精製核酸分子の例としては、cDNAs,ゲノム核酸のフラグメント,ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)で生成した核酸,ゲノム核酸の制限酵素処理によって形成された核酸,組換え核酸,化学的に合成された核酸分子が含まれる。「組換え型」核酸分子は、例えば化学合成や、遺伝子工学の技術で単離された核酸断片の操作によって、2つの別に分離された塩基配列の断片の人工合成により作り出されたものである。
【0020】
本明細書で用いられているような「配列の同一性」は、二つの塩基配列をサブユニットのマッチングが最大になるように、すなわち隙間と挿入を考慮して並べたときの、二つの塩基配列に対応する位置における同一のサブユニットの百分率を意味する。二つの配列の双方におけるサブユニット位置が同じ単量体サブユニットで占められたとき、例えば、与えられた位置が二つのポリペプチド分子の双方においてアラニンで占められた場合、その分子はその位置で同一である。例えば、長さが10個のアミノ酸の塩基配列の7つの位置が第2の10個のアミノ酸塩基配列の対応する位置と同一である場合、二つの塩基配列は70%の塩基配列の同一性を有する。塩基配列の同一性は、一般的に、塩基配列分析ソフトフェア(例えば、遺伝子コンピューターグループの塩基配列分析ソフトフェアパッケージ、ウィスコンシン大学生物工学センター、WI53705、マディソン、ユニバーシティーアベニュー 1710)を用いて測定される。
【0021】
「抗体」という用語は、完全な免疫グロブリンの酵素的消化や分子生物学における技法によって作成された免疫グロブリンの任意の一部分やフラグメントと同様の免疫グロブリンを意味する。またこの用語は、例えば抗血清などの免疫グロブリン(又はその一部やフラグメント)を含む混合物のことも言う。
【0022】
本明細書で用いられているような「特異結合」という用語は、ポリぺプチド(抗体を含む)や受容体を参照した場合、タンパク質と他の生物学との異種の集団中の、タンパク質やポリペプチドや受容体の存在を検出可能な結合反応のことを言う。したがって、望ましい条件(例えば、抗体の場合の免疫測定条件)の下では、特定のリガンドや抗体がその特定の「標的」に結合し(例えば、IL13はIL13受容体に特異的に結合する)、試料中に存在する他のタンパク質やリガンドや抗体が組織中で接触する可能性のある他のタンパク質へ有効には結合しない。一般に、第二の分子に「特異結合」する第一の分子は、その第二分子に約105(例えば、106,107,108,109,1010,1011,及び1012以上)モル/リッターより大きい結合親和力を有する。
【0023】
ポリペプチドの「変異」とは、ポリペプチドの特定の位置のアミノ酸をその位置の異なるアミノ酸に置換することを言う。したがって、例えば、変異hIL13.E13K.S69Dは、hIL13の13番目と69番目の位置の天然アミノ酸(グルタミン酸,E;セリン,S)がそれぞれリジン(K)とアスパラギン酸(D)に置き換わったことを示す。いくつかのケースにおいて、変異は欠失,付加,又はポリペプチドの二つ以上のアミノ酸の置換であってもよい。この変異は、問題のアミノ酸の実際の欠失と置換を必要としない。タンパク質は、望まれる変異の位置のアミノ酸の置換で新規に作り出すことができ、最終的には問題のアミノ酸の置換と同等である。
【0024】
ここで説明されたものと同様や同等の方法及び材料を本発明の実施や実験で用いることができるが、適切な方法及び材料を以下に説明する。ここで言及されたすべての出版物,特許出願,特許権,及びその他の参考文献は、完全に参考文献として組み込まれている。抵触する場合は、定義を含む本明細書は規制される。さらに、以下で論議される特定の実施例だけが説明されるが、これに限定されることを意図したものではない。
【0025】
発明の詳細な説明
本発明は、hIL13変異体に関する構成及び方法を含む。後述される好適な実施例は、これらの構成及び方法の適応を説明する。それでもなお、これらの実施例の説明から、本発明の別の特徴は、下記の説明に基づき構成及び/又は実施可能である。
【0026】
生物学的方法
通常の分子生物学技法を伴う方法を本明細書に記載する。そのような分子生物学技法は一般に当業者に知られており、分子クローニングなどの手順専門書で詳細に記載される:実験マニュアル,第2版,vol. 1−3 編集者Sambrookら, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989; 分子生物学における最近のプロトコール,編集者Ausubelら., Greene Publishing and Wiley−Interscience, New York, 1992(定期更新)。ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を用いる種々の技法は、例えば、Innisら,PCRのプロトコール:方法及び応用へのガイド,アカデミック出版局:サンディエゴ,1990に記述されている。PCRプライマー対は、その目的に合ったコンピュータープログラム(例えば、プライマー, Version 0.5, 1991, Whitehead Institute for Biomedical Research, Cambridge, MA.)を用いる等の既知の技法によって既知の配列から得ることができる。本発明で、特定のポリヌクレオチド配列を同定し増幅するのに用いられる逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)法としては、エリックら(2000)In Vivo,14:172−182に記述されるように行った。核酸の化学合成法は、例えば、Beaucage and Carruthers (1981), Tetra. Letts. 22:1859−1862 及びMatteucci et al. (1981), J. Am. Chem. Soc. 103:3185に説明されている。核酸の化学合成は、例えば、市販のオリゴヌクレオチド自動合成機で行うことができる。免疫学的方法(例えば、抗原特異の抗体の合成,免疫沈降,免疫ブロット)は、例えば、免疫学における最近のプロトコール,編集者コーリガンら(1991),John Wiley and Sons, New Yorkと、免疫学的分析法,編集者マセイフ ら(1992),John Wiley and Sons, New Yorkに説明されている。
【0027】
変異体hIL13分子
本発明の変異体hIL13分子は、天然hIL13(SEQ ID NO:1)のアミノ酸配列に基づいている。本発明の変異体hIL13分子は、天然hIL13と2つ以上のアミノ酸が異なっている。例えば、本発明のhIL13変異体は、90%以上(例えば、91,92,93,94,95,96,97,98,及び99%)の天然hIL13と同一の塩基配列を有することができる。本発明のhIL13変異体の例は、SEQ ID NOs:2〜9のアミノ酸配列を有するものである。これらの変異体は、それぞれ、天然hIL13のA(SEQ ID NO:1の9〜25残基),C(SEQ ID NO:1の59〜71残基),及び/又はD(SEQ ID NO:1の97〜113残基)アルファ螺旋のいずれかにそれぞれ対応する領域で変異を有している。これらのそれぞれは、天然hIL13で生じる少なくとも2つ(例えば、2,3,4,5,6,7,8,9,10以上)のアミノ酸残基の置換を特徴としている。本発明の他のhIL13変異体としては、欠失(例えば、切断)と付加(すなわち、天然hIL13配列に付加アミノ酸が加わったもの)変異体を有するものである。
【0028】
hIL13変異体は、この分野でよく知られた適合する多数の技術で作成することができる。例えば、サムブルックらsupra;及びオースベルらsupraを参照。例えば、hIL13の既知のアミノ酸配列(すなわち、SEQ ID NO:1)で開始して、熟練した当業者は、例えば、市販のポリペプチド自動合成機を用いて種々の変異体hIL13分子を化学合成できる。ポリペプチドの固相合成の技術はよく知られている。例えば、バラニとメリーフィールド、固相ペプチド合成;ペプチド:分析,合成,生物学 第2巻:ペプチド合成の特別な方法、パートAのpp.3−284、メリーフィールドらJ. Am. Chem. Soc., 85:2149−2156(1963)、及びスチュワートら、固相ペプチド合成、第2版、Pierce Chem. Co., Rockford, IL(1984)を参照。この技術を用いて、hIL13変異体を、単独のポリペプチドとして合成することができる。その代わりに、変異体hIL13分子の短いオリゴペプチド部分をまず最初に合成し、次いで、あるオリゴペプチド部分のアミノ末端を別のオリゴペプチド部分のカルボキシル末端と縮合してペプチド結合を形成することによって、一緒に融合して完全長の変異体を形成することができる。その融合物を、次に、標準的なタンパク質化学の技術によって精製することができる。
【0029】
また、hIL13変異体を、hIL13コード化核酸(下記参照)の組換え発現を通して生成可能であり、ここでこの核酸をランダムに又は部位特異的な方法で、コード化されたポリペプチド中のアミノ酸のいくつか又は全てを変化(置換),付加,又は欠失するように修飾する。科学及び特許文献で説明される様々な従来技術により、部位特異的な変異体をこのIL13コード化する核酸へ導入することが可能である。図式的な例は、重複伸長ポリメラーゼ連鎖反応(OE−PCR)による特定部位突然変異誘発を含み、Urban(1997)Nucleic Acids Res. 25:2227−2228;Ke(1997)Nucleic Acids Res. 25:3371−3372,及びChattopadhyay(1997)Biotechniques 22:1054−1056は、PCRに基づく特定部位の突然変異誘発「メガプライマー」法を説明し;Bohnsack(1997)Mol. Biotechnol. 7:181−188;Ailenberg(1997)Biotechniques 22:624−626は、制限酵素を用いないPCRに基づくねじれ型の再アニーリング法を用いた特定部位の突然変異誘発法を説明し;Nicolas(1997)Biotechniques 22:430−434は、長いプライマーに独特の部位脱離及びエキソヌクレアーゼIIIを用いて特定部位の突然変異誘発法を説明している。独特の部位脱離もまた使用可能である(例えば、Dangら(1992)Anal. Biochem., 200:81を参照)。INF−ベータ及びIL2のような生物学的に活性なタンパク質の変異体の生成は、米国特許第4,853,332号に詳細に説明されており、このIL13の変異は下記の実施例1で説明される。
【0030】
他のhIL13変異体は、既知の化学修飾法にしたがって、天然hIL13を化学的に修飾することによって合成可能である。例えば、Belousov(1997)Nucleic Acids Res. 25:3440−3444;Frenkel(1995)Free Radic. BioI. Med. 19:373−380;Blommers(1994)Biochemistry 33:7886−7896を参照。同様に、化学合成や上述のような核酸の発現によって作成されたhIL13変異体は、化学的に修飾して付加hIL13変異体を作成することができる。
【0031】
hIL13変異体の特徴付け
hIL13変異体は、天然hIL13とは異なる特徴を有する。例えば、天然hIL13は、共有受容体と制限受容体の両方に結合する機能的特徴を有する。天然hIL13はまた、細胞表面上に発現された結合性の共有受容体を通して膜貫通の信号を誘起する特徴も有する。このような信号伝達は、細胞の生理学において測定可能な変化を招くことができる。変化は第2のメッセンジャーの生成、例えば、細胞内〔Ca2+〕の増加,プロテインキナーゼ及び/又はホスホリラーゼの活性化,基質のリン酸化反応の変化,転写の信号トランスデューサとアクチベータの変化などである可能性がある。それらはまた、例えば、転写や翻訳の増加と減少から、細胞プロテオームにおける変化である可能性がある。或いは、それらは、細胞の機能的又は形質的特徴における変化である可能性がある。例えば、天然hIL13をTF−1細胞に付加すると、増殖率を増加させることができる。別の例として、天然hIL13を付加すると、HUVECによりVCAM−1の発現を増加させることができる。
【0032】
したがって、与えられた変異体hIL13分子の特徴は、共有受容体及び/又は制限受容体を結合する分子の能力を調べることによって検定することができる。同様に、膜貫通信号伝達を誘起する変異体分子の能力は、IL13受容体を発現する細胞が変異体分子に接触すると細胞の生理機能に変化が生じるかどうか調べることによって検定することができる。これらの方法によって、hIL13変異体を、共有受容体及び/又は制限受容体の両方に結合するもの,その受容体の一つのみに結合するもの,及びどちらの受容体にも結合しないものとして特徴付けることができる。変異体hIL13分子の親和力を定量化することによって、天然hIL13よりも親和力が小さいか,ほぼ同等か,又は大きいものとしてそれを特徴付けることができる。また、hIL13の変異体を、膜貫通信号及び/又は細胞内の機能的又は形質的変化を生じさせる能力の有無で特徴付けることもできる。変異体hIL13分子によって生じた変化は定量化され、さらに天然hIL13によって生じる変化よりもそのような変化が少ないか(規模が小さい),ほぼ同等か,又は大きい(規模が大きい)ものとしてその分子を特徴付けることがきる。細胞の生理機能に測定可能な変化を引き起こす方法で細胞と結合したhIL13受容体に特異的に結合するhIL13の変異体の一例としては、TF−1細胞のようなIL13受容体を発現する細胞株の増殖率を調節するものがある。拮抗剤のhIL13変異体は、天然hIL13により誘起されるものと比較して、細胞株の増殖率を減少させるものであり、作動剤のhIL13変異体は、天然hIL13により誘起されるものほぼ同等(例えば、50〜150%又は75〜125%)の細胞株の増殖率を誘起するものであり、超作動剤のhIL13変異体は、天然hIL13により誘起されるものと比較して、細胞株の増殖率を増加させるものである。
【0033】
変異体hIL13のキメラ分子とエフェクター分子
本発明はまた、エフェクター分子と結合した変異体hIL13分子を含むキメラ分子を提供する。このエフェクター分子は、hIL13分子と結合し、特定の機能を発揮するどのような分子であってもよい。効果分子の例として、細胞毒素,薬物,検出可能な標識,ターゲッティングリガンド,及び送達媒体が含まれる。
【0034】
一つ以上の細胞毒素と結合する変異体hIL13分子は、その変異体が結合する受容体を発現する細胞を殺すのに用いることができる。本発明で用いられる細胞毒素はhIL13やhIL13変異体に結合することができる全ての細胞毒素(すなわち、細胞と接触後その細胞を殺すことのできる分子)であることが可能である。細胞毒素の例としては、これに限定しないが、放射性核種(例えば、35S,14C,32P,125I,131I,90Y,89Zr,201T1,186Re,188Re,57Cu,213Bi,211Atなど),結合した放射性核種,及び化学療法剤が含まれる。さらに、細胞毒素の例としては、これに限定しないが、代謝拮抗剤(例えば、5−フルウロウラシル(5−flourouricil)(5−FU),メトトレキサート(MTX),フルダラビン(fludarabine)など),抗微小管毒素(例えば、ビンクリスチン,ビンブラスチン,コルヒチン,タキサン(パクリタキセル,ドセタキシル)など),カルキル化剤(例えば、シクロファスミド(cyclophasphamide),メチファラン,ビスクロロエチルニトロスレア(bischloroethylnitrosurea)(BCNU)など),白金剤(例えば、シスプチラン(cDDPとも称される),カルボプラチン,オクサリプラチン(oxaliplatin),JM−216,CI−973など),アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン,ダウノルビシンなど),抗生剤(例えば、マイトマイシン−C),トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド,テノポシド(tenoposide),カンプトセシン),或いはその他の細胞毒剤であるリシン,ヂフテリア毒素(DT),シュードモナス外毒素(PE)A,PE40,アブリン,サポリン(saporin),ヤマゴボウウイルス性タンパク質,臭化エチジウム,グルココルチコイド,その他が含まれる。例えば、米国特許第5,932,188号を参照。PE38QQR(米国特許第5,614,191号を参照),PE1EとPE4E(例えば、Chaudharyら(1995)J. Biol. Chem., 265:16306を参照),及びDT388とDT398(Chaudharyら(1991)Bioch. Biophys. Res. Comm., 180:545−551)を含むPEとDTの有用な変異体も用いることができる。
【0035】
一つ以上の検出可能な標識と結合する変異体hIL13分子は、その変異体が結合する受容体の存在を検出するため、例えば、診断上の検査(例えば、IL13受容体を過剰に発現する分断された腫瘍細胞の検出に)及び/又は腫瘍細胞の生体内の局在に用いることができる。本発明に用いる検出可能な標識は、hIL13やhIL13変異体と結合し検出可能などのような基質であってもよい。好適な検出可能な標識とは、例えば、分光学的,光化学的,生化学的,免疫学的,電気的,光学的或いは化学的手段によって検出されるものである。本発明の有用な検出可能な標識には、ビオチン,ストレプトアビジン,磁性ビーズ(例えば、ダイナビーズ(Dynabeads)(登録商標)),蛍光色素(例えば、フルオロセインイソチオシアン酸塩,テキサスレッド,ロードアミン,緑色蛍光タンパク質、など),放射性標識(例えば、3H,125I,35S,14C,32P,111In,97Ru,67Ga,68Ga,又は72As),放射線画像処理用の金属のような放射線に不透明な物質,磁気共鳴画像処理用の常磁性剤,酵素(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ,アルカリホスファターゼ及び一般的にELISAで用いられるもの),及びコロイド状の金や着色したガラスやプラスチック(例えば、ポリスチレン,ポリプロピレン,ラテックスなど)のビーズのような比色分析標識が含まれる。
【0036】
そのような標識を検出する方法は、当業者によく知られている。したがって、例えば、放射性標識は写真フィルムやシンチュウレーションカウンタを用いて検出される可能性があり、蛍光マーカーは放射された照度を検出する光検出器を用いて検出される可能性がある。酵素的な標識は一般に基質と共に酵素を供給し、基質上の酵素の作用によって生成された反応産物を検出することによって検出され、比色分析標識は着色された標識を単に可視化することによって検出される、等々。
【0037】
一つ以上のターゲッティングリガンドと結合する変異体hIL13分子(すなわち、特定の受容体を結合できる分子)は、変異体と、特定の受容体や受容体を発現する細胞との結合を媒介するために用いることができる。hIL13やhIL13変異体に結合できる全てのターゲッティングリガンドを用いることができる。そのようなターゲッティングリガンドの例としては、抗体(又は抗体の抗原結合部位),及びケモカイン,増殖因子,溶解性サイトカイン受容体(例えば、膜貫通領域を欠いているもの),超抗原,又は特定の受容体を結合するその他の分子が含まれる。これらの分子は多数知られており、例えば、IL−2,IL−4,IL−6,IL−7,腫瘍壊死因子(TNF),抗Tac,TGF−アルファ,SEA,SEBなど。代表例として、hIL13変異体は可溶型のhIL13受容体と結合可能である。この結合は、例えば、細胞上の内因性hIL13受容体を拮抗するため、及び細胞の近傍に存在する全てのhIL13を中和するための両方に用いることができるであろう。
【0038】
一つ以上の核酸に結合する変異体hIL13分子は、標的細胞(例えば、その変異体が結合する受容体を発現するもの)へその核酸を特異的に攻撃するために用いることができる。hIL13やhIL13変異体に結合できる全ての核酸を用いることができる。その核酸は、変異体hIL13に直接付着、リンカーを介して付着、変異体hIL13分子に付着する別の一部分(例えば、脂質,リポソーム,ウイルス性被膜、など)と複合体を形成したり、それらの中に包まれたりしてもよい。この核酸は、いくつものエフェクター機能を提供することができる。例えば、一つ以上のタンパク質をコードする核酸を、特定の酵素活性,基質,エピトープを標的細胞に送達するために用いることができる。核酸の発現(例えば、転写や翻訳)が望まれるこれらやその他に応用するために、その核酸は好ましくは、細胞内で核酸を発現するのに必要な全ての規定された塩基配列を含む発現カセットの構成要素である。好適な発現カセットは一般にプロモーターの開始コドンと終止コドンを含む、標的細胞内の発現を最適化するために選択される。好適な発現カセットを作り上げる方法は、当業者によく知られている。例えば、Sambrookら、supraを参照。
【0039】
一つ以上の薬剤に結合する変異体hIL13分子は、その変異体が結合する受容体を発現する細胞へそのような薬剤を送達するために用いることができる。hIL13やhIL13変異体に結合できる全ての薬剤を用いることができる。そのような薬剤の例としては、種々の癌治療に敏感な標的(例えば、腫瘍)細胞を提供する感作剤が含まれる。その感作剤は、(標的細胞での発現を誘発する適切な発現カセットのプロモーターの制御下)小さな分子の薬剤や遺伝子であってもよい。例えば、増殖細胞中の単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ(TK)遺伝子の発現がデオキシヌクレオシドアナログ,ガンシクロビルに敏感な細胞を提供していることが提唱されている。Mooltenら(1986)Cancer Res. 46:5276−5281;Mooltenら(1990)Hum. Gene Ther. 1:125−134;Mooltenら(1990)J. Natl. Cancer Inst. 82:297−300;Shortら(1990)J. Neurosci. Res. 27:427−433;Ezzedineら(1991)New Biol. 3:608−614;Boviatsisら(1994)Hum. Gene Ther. 5:183−191。HSV−TKはガンシクロビルのリン酸化反応を仲介するとともに、細胞サイクルのDNA複製(S−相)中にDNA鎖に組み込まれ、連鎖終止と細胞の死滅を導く。Elion(1983)Antimicr. Chemother. 12, sup. B:9−17。薬剤条件的な「死滅」機能を有する遺伝子の第2の例は、バクテリアのシトシン脱アミノ酵素遺伝子であり、比較的非毒性の5−フルオロウラシル前駆5−フルオロシトシンに化学感受性を与える。Mullenら(1992)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:33−37;Huberら(1993)Cancer Res. 53:4619−4626;Mullenら(1994)Cancer Res. 54:1503−1506。さらに薬剤条件的な「死滅」機能を有する遺伝子の別の例は、チトクロムP450遺伝子である。この遺伝子の発現は、化学療法の薬剤、特にシクロホスファミドやイフォスファミド(ifosphamide)に敏感な腫瘍細胞を与える。米国特許第5,688,773号を参照。使用される薬剤は、遺伝子である必要がない。例えば、米国特許第4,282,233号に開示されている感受性のある腫瘍細胞の複数の薬剤耐性を処理することのできる成分の一つであってもよい。他の薬剤も使用可能である。例えば、ドキソルビシン,ビンブラスチン,ゲニステイン,及びその他の上述のような化学療法薬は、変異体hIL13分子に結合可能である。
【0040】
一つ以上の送達媒体へ結合する変異体hIL13分子もまた、本発明に属する。その結合は、その変異体が結合する受容体を発現する細胞へ薬剤のような他の物質を送達するために用いることができる。hIL13やhIL13変異体に結合できる全ての送達媒体を用いることができる。そのような送達媒体の例としては、リポソームと脂質(例えば、ミセル)が含まれる。薬剤を封入したリポソームや、薬剤を含むミセルもまた使用可能である。タンパク質へ付着したリポソームの調製法は、当業者によく知られている。例えば、米国特許第4,957,735号、及びConnorら(1985)Pharm. Ther., 28:341−365を参照。
【0041】
エフェクター分子は、二つの分子を一緒に結合させるためのこの分野で既知のあらゆる方法によって、変異体hIL13に結合(例えば、共有結合)することができる。例えば、変異体hIL13は、直接又はリンカー(スペーサー)を用いてエフェクター分子と化学的に誘導体化されることが可能である。この結合を仲介するためのいくつかの方法と試薬(例えば、クロスリンク)が知られている。例えば、ピアスケミカルカンパニーのカタログ、及び、MeansとFeeney、タンパク質の化学修飾、ホールデンデイインク、サンフランシスコ、CA 1971を参照。例えば、欧州特許出願第188,256号;米国特許第4,671,958号;4,659,839号;4,414,148号;4,699,784号;4,680,338号;4,569,789号;及び4,589,071号;及びBorlinghausら(1987)Cancer Res. 47:4071−4075には、放射性核種金属キレート,毒素,及びタンパク質への薬剤(例えば、抗体への薬剤)を含む種々の成分を付着するための種々の方法とリンカー分子が説明されている。特に、種々の免疫毒素の生成法は本技術の範囲内でよく知られており、例えば、「モノクローナル抗体毒素の結合:特効薬を目指して」Thorpeら(1982)臨床医学におけるモノクローナル抗体、アカデミックプレス、pp.168−190;Waldmann(1991)サイエンス、252;及び米国特許第4,545,985号及び4,894,443号で見つけることができる。
【0042】
エフェクター分子がポリペプチドである場合、hIL13変異体とそのエフェクター分子を含むキメラ分子は、融合タンパク質である可能性がある。融合タンパク質は、フレーム内で二つの遺伝子を一つの核酸に加え、次に融合タンパク質が生成される条件下で適切な宿主の中で核酸を発現する、分子生物学における従来の技術を用いて調製可能である。
【0043】
変異体hIL13を、種々の配向性の一つ以上のエフェクター分子と結合させてもよい。例えば、エフェクター分子を変異体hIL13のアミノ末端又はカルボキシ末端のどちらかに加えてもよい。変異体hIL13をエフェクター分子の内部領域に加えてもよく、逆に、エフェクター分子を変異体hIL13に加えてもよい。
【0044】
ある状況において、キメラ分子がその標的部位に到着したとき、変異体hIL13分子からエフェクター分子を遊離させるのが望ましい。したがって、そのエフェクター分子が標的部位で遊離されるべきである場合、標的部位の近傍で切断可能な結合を備えたキメラ結合を用いてもよい。変異体hIL13分子からエフェクター分子を遊離させるための結合の切断は、酵素活性又は、その結合が標的細胞の内部や標的部位の近傍に置かれた状況によって促されてもよい。標的部位が腫瘍である場合、腫瘍部位で呈される条件下(例えば、腫瘍に結合する酵素や酸性のpHに曝された場合)切断可能なリンカーを用いてもよい。多数の異なる切断可能なリンカーが、当業者に知られている。例えば、米国特許第4,618,492号;4,542,225号;及び4,625,014号を参照。これらのリンカーグループから試薬を遊離するメカニズムには、例えば、感光性結合の照射法と酸触媒加水分解が含まれる。米国特許第4,671,958号には、例えば、患者の補体系のタンパク質分解酵素によって生体内の標的部位で切断されるリンカーを備えた免疫複合体の説明が含まれている。種々の放射性診断化合物,放射性治療化合物,薬剤,毒素,及びその他の抗体に対する試薬を付着させるために報告されている多数の方法を考慮して、当業者は、与えられたエフェクター分子を変異体hIL13分子へ付着させるための好適な方法を決定することができるであろう。
【0045】
変異体hIL13分子をコード化する核酸及び核酸を用いた変異体hIL13分子の作成方法
本発明はまた、変異体hIL13分子と、上述の融合タンパク質をコード化する精製された核酸を提供する。既知のタンパク質の塩基配列から始めて、変異体hIL13分子や融合タンパク質をコード化するDNAを、例えば、適切な塩基配列のクローニングと制限、或いはNarangら(1979)Meth. Enzymol. 68:90−99のリン酸トリエステル法、Brownら(1979)Meth. Enzymol. 68:109−151のリン酸ジエステル法、Beaucageら(1981)Tetra. Lett., 22:1859−1862のジエチルホスフォーアミダイド(diethylphosphoramidite)法、米国特許第4,458,066号の固体支持法などの方法によって直接化学合成すること、を含む適当な方法で調製してもよい。遺伝子コードの縮重のため、多数の異なる核酸は変異体hIL13分子及び融合タンパク質をコード化するであろう。これらのそれぞれは本発明の範囲内に含まれる。
【0046】
化学合成は、一本鎖オリゴヌクレオチドを生成する。相補的な塩基配列とのハイブリダイゼーションや、鋳型として一本鎖を用いたDNAポリメラーゼとの重合によって二本鎖DNAへ、これを変換してもよい。長いDNA塩基配列は、短い塩基配列の連結反応によって得られる。或いは、部分塩基配列を複製し、その適切な部分塩基配列を適切な制限酵素を用いて切断してもよい。その後、望ましいDNA塩基配列を生成するためにそのフラグメントを連結させてもよい。
【0047】
変異体hIL13分子や融合タンパク質をコード化するDNAを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などのDNA増幅法を用いて複製してもよい。したがって、好適な実施例において、hIL13用の遺伝子は、一つ以上の変異を誘発するプライマーを用いてPCR増幅される。そのプライマーは、好ましくは制限部位、例えば、NedIの制限部位を含むセンスプライマー、及びHindIIIの制限部位を含むアンチセンスプライマー、を含む。ある実施例において、そのプライマーは、Mckenzieら(1987)supraで説明されているように、19の位置で開始する核酸を増幅するために選択される。これは、天然IL13塩基配列(又は変異体hIL13分子)をコード化し、末端制限部位を有する核酸を生成する。
【0048】
融合タンパク質をコード化するDNAを作成するために、エフェクター分子をコード化するDNAを利用可能な出所から得ることができる。例えば、PE38QQRフラグメントは、Debinskiら(1994)Int. J. Cancer, 58:744−748、及びDebinskiら(1994)Clin. Cancer Res. 1:1015−1022にそれぞれ説明されているようにプラスミドpWDMH4−38QQRやプラスミドpSGC242FdN1から切除されてもよい。変異体IL13分子とシュードモナス外毒素の連結、及びベクターへの挿入は、シュードモナス外毒素の末端へ連結された(例えば、PE38QQR,PE1E,又はPE4E(253の位置)のアミノ末端へ連結された)変異体IL13をコード化するベクターを生成する。好適な実施例において、二つの分子を直接結合させる。或いは、介在ペプチドリンカー(例えば、制限部位によって導入されたグルタミン酸,アラニン,及びフェニルアラニンからなる3つのアミノ酸結合)が存在していてもよい。
【0049】
この二つの分子は、好ましくは基本的に直接一緒に連結される一方、ある技術では、一つ以上のアミノ酸から構成されるペプチドスペーサーによってその分子を分離してもよいということが理解されるであろう。一般に、そのスペーサーは、タンパク質に結合したり、それらの間のいくらかの最小の距離や他の空間的関係を維持するほかは、特定の生物学的な活性を持たないであろう。しかしながら、そのスペーサーの構成アミノ酸を、溶解性,重畳性,正味の電荷,又は疎水性などの分子のいくつかの性質に影響するように選択してもよい。
【0050】
変異体hIL13分子や融合タンパク質をコード化する核酸塩基配列を、大腸菌,その他のバクテリア宿主,酵母,並びにCOS,CHOとHeLa細胞株及びミエローマ細胞株などの種々の高等な真核細胞を含む種々の宿主で発現させてもよい。組換えタンパク質遺伝子は、各宿主に発現制御塩基配列を割り当てるために実施可能に連結されてもよい。大腸菌について、これはT7,trp,又はラムダプロモーターのようなプロモーター,リボソーム結合部位,及び好ましくは転写終結シグナルを含む。真核細胞について、この制御塩基配列はプロモーターと,好ましくは免疫グロブリン遺伝子,SV40,サイトメガロウイルス,などから誘導されたエンハンサー,及びポリアデニル化塩基配列を含み、スプライス供与体と受容体の塩基配列を含んでもよい。
【0051】
上記のように作られた本発明のプラスミドベクターを、塩化カルシウム法や,ヒートショック法,大腸菌への形質転換,及びリン酸カルシウム法,又は哺乳類細胞へのエレクトロポレーション法のようなよく知られた方法によって、選択された宿主細胞に移すことができる。プラスミドによって形質転換された細胞は、amp,gpt,neo及びhyg遺伝子のようなプラスミドに含まれる遺伝子によって与えられる抗生物質に対する抵抗力によって選択される。
【0052】
組換え変異体hIL13分子や融合タンパク質は、一度発現すると、硫酸アンモニウム析出反応,アフィニティカラム,カラムクロマトグラフィ,ゲル電気泳動法などを含む、この分野の標準的な方法によって精製可能である。一般的には、R. Scopes、タンパク質の精製、スプリンガー−ヴァーラグ、ニューヨーク(1982)と、Deutscher、酵素学の方法第182巻:タンパク質精製の手引き、アカデミックプレスインク、ニューヨーク(1990)を参照。少なくとも約90から95%が同質のかなり純粋な組成が好ましく、98から99%以上の同質性が医薬としての使用が最も好ましい。一度、部分的又は望ましい同質性にまで精製され、次いでこのポリペプチドを治療に用いてもよい。
【0053】
化学合成,生物学的発現,又は精製の後、変異体hIL13分子や融合タンパク質は、構成ポリペプチドの天然構造とは本質的に異なった構造を有するであろう。この場合、ポリペプチドを変性、分解し、次に、そのポリペプチドを好ましい構造へ再重畳する必要がある。タンパク質を分解、変性し、再重畳を誘発する方法は、当業者によく知られている。Debinskiら(1993)J. Biol. Chem., 268:14065−14070;KreitmanとPastan(1993)Bioconjug. Chem., 4:581−585;Buchnerら(1992)Abal. Biochem., 205:263−270を参照。
【0054】
生物学的な活性を減少させないでIL13受容体の標的とされた融合タンパク質へ修飾を施すことができる。いくつかの修飾は、クローニング,発現,又は標的タンパク質を融合タンパク質に組み込むことを促進させるかもしれない。このような修飾は当業者によく知られており、例えば、アミノ末端へ付加されたメチオニンは開始部位を与え、又はどちらかの末端に位置する付加アミノ酸は都合良く位置する制限部位や終止コドンを作り出す。
【0055】
抗体
hIL13変異体(又は免疫原生フラグメントやそのアナログ)は、抗体を本発明において有用にすることができる。そのペプチドは、上記の組換えや合成の技術によって作ることができる。一般に、hIL13変異体は、Ausubelらsupraで説明されているように、アジュバントと混合され、宿主哺乳類に注入されるKLHのようなキャリアタンパク質へ結合されることができる。その動物で作られた抗体は、その後ペプチド抗原アフィニティクロマトグラフィによって精製される。特に、多様な宿主動物は、hIL13変異体やその抗原フラグメントが注入されることによって免疫性が与えられる。通常使用される宿主動物には、ウサギ,マウス,モルモット,及びラットが含まれる。免疫学的な反応を増加させるために用いることができる種々のアジュバントは宿主の種類に依存し、フロイントのアジュバント(完全及び不完全),水酸化アルミニウムなどの無機化合物ゲル,リゾレクチン,深成ポリオール,ポリアニオン,ペプチド,油性エマルジョン,キーホールリンペットヘモシアニン,及びジニトロフェノールなどの界面活性剤が含まれる。その他の潜在的に有用なアジュバントには、BCG(カルメット−ゲラン桿菌)とコリネバクテリアパルヴムが含まれる。
【0056】
ポリクローナル抗体は、免疫性を与えられた動物の血清に含まれる抗体分子の異種の集団である。本発明の抗体には、したがって、ポリクローナル抗体及び、さらに、モノクローナル抗体,単鎖抗体,Fabフラグメント,F(ab’)2フラグメント,及びFab発現ライブラリーを用いて生成される分子が含まれる。モノクローナル抗体は、特定の抗原に対する抗体の同種の集団であり、上記に記載のhIL13変異体及び標準的なハイブリドーマ技術を用いて調製することができる(例えば、Kohlerら(1975)Nature 256:495;Kohlerら(1976)Eur. J. Immunol. 6:511;Kohlerら(1976)Eur. J. Immunol. 6:292;Hammerlingら(1981)「モノクローナル抗体とT細胞ハイブリドーマ」エルスビア、ニューヨーク;Ausubelらsupraを参照)。特に、モノクローナル抗体は、Kohlerら(1975)Nature 256:495、米国特許第4,376,110号、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosborら(1983)Immunology Today 4:72;Coleら(1983)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:2026)、EVZ−ハイブリドーマ技術(Coleら(1983)「モノクローナル抗体と癌治療」Alan R. Liss, Inc., pp. 77−96)に説明されているような培養で連続的な細胞株によって小唄異分子の生成を与えるどのような技術によっても得ることができる。このような抗体は、IgG,IgM,IgE,IgA,IgD及びそのすべてのサブクラスを含む全ての免疫グロブリンクラスであってもよい。本発明のmAbを生産するハイブリドーマを、生体内又は生体外で培養してもよい。生体内で高力価のmAbを生成する能力によって、これは特に有用な生成法となる。
【0057】
ポリクローナルやモノクローナル抗体は、一度生成されると、例えばAusubelらsupraに説明されているようは標準的な方法による、ウエスタンブロット法や免疫沈降分析によって、変異体の特異的認識性の試験にかけられる。hIL13変異体を特異的に認識し、結合する抗体は、本発明において有用である。例えば、このような抗体は、細胞と結合するhIL13変異体の量を監視し、特定の変異体と受容体の結合をブロックするために用いられる。
【0058】
本発明の抗体は、荷電残基の高周波のような基準によって、高度に保存された領域の外側にあって、抗原のように見えるhIL13変異体のフラグメントを用いて生成可能である。交差反応性のあるhIL13変異体は、この種のタンパク質を構成するものの中で保存されたhIL13変異体のフラグメントを用いて生成される。ある特定の例において、このフラグメントはPCRの標準的な技術によって産生され、次にpGEX発現ベクターの中で複製される(Ausubelらsupra)。融合タンパク質は、大腸菌で発現され、Ausubelらsupraに説明されているようなグルタチオンアガロースアフィニティーマトリックスを用いて精製される。非交差反応性の抗体は、抗体と反応しないことが望まれる抗原に抗体を吸着することによって調製される。例えば、特定のhIL13変異体に対して調製された抗血清は、別のhIL13変異体及び/又は天然のhIL13と吸着されて、交差反応性を減少又は除去できる。
【0059】
いくつかの場合、潜在する低い親和性の問題や抗血清の特異性を最小化することが望まれる。そのような状況において、2,3の融合がそれぞれのタンパク質に生じ、それぞれの融合が少なくとも二匹のウサギに注射される。抗血清は一連の注射、好ましくは少なくとも3回の追加免疫注射を含む注射によって生じる。抗血清はまた、hIL13の組換え変異体を免疫沈降する、又はグルココルチコイド受容体,CATやルシフェラーゼのようなタンパク質を制御する能力が検査される。
【0060】
単鎖抗体の生成を記述した技術(米国特許第4,946,778号、4,946,778号、及び4,704,692号)は、hIL13変異体やそのフラグメントに対する単鎖抗体を生成するために適用可能である。単鎖抗体は、アミノ酸架橋を経てFv領域の重い及び軽いフラグメントを結合することによって形成され、結果として単鎖ポリペプチドになる。
【0061】
特定のエピトープを認識し、結合する抗体フラグメントは、既知の技術によって産生可能である。例えば、そのフラグメントは、これに限定しないが、抗体分子のペプシン消化によって生成されるF(ab’)2フラグメント,及びF(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋を分解することにより生成されるFabフラグメントを含む。或いは、Fab発現ライブラリーは、望ましい特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの同定を迅速に容易にするように構成可能である(Huseら(1989)サイエンス246:1275)。
【0062】
例えば、生物学的な試料におけるhIL13変異体の検出に、本発明の抗体を用いることができる。抗体はまた、hIL13変異体と変異体(例えば、hIL13受容体)を結合する他の分子の相互作用を阻止するために使用可能である。
【0063】
hIL13変異体を細胞へ送達する方法
本発明はまた、hIL13変異体を細胞へ送達する方法も提供する。この方法は、その他の事項の中で、エフェクター分子がその機能を発揮できるようにhIL13変異体とエフェクター分子を含むキメラ分子を細胞へ導くために有用である。例えば、細胞毒素と結合したhIL13変異体は、その変異体が結合する受容体を発現する標的細胞とキメラ分子を含む成分を混合することによって標的細胞を殺すために、送達可能である。別の例として、検出可能な標識に結合したhIL13変異体は、その変異体が結合する受容体を発現する標的細胞とキメラ分子を含む成分を混合することによって標的細胞を標識化するために、送達可能である。
【0064】
変異体hIL13分子は、あらゆる既知の方法によって細胞へ送達可能である。例えば、hIL13変異体を含む成分は、培養液中に浮いた細胞に加えることができる。或いは、変異体hIL13を、その変異体が原位置で細胞と結合するようにその変異体を結合する受容体を発現する細胞を有する動物への投与(例えば、非経口の経路で)することができる。本発明の変異体IL13分子は、特に、腫瘍細胞がIL13受容体を過剰発現するので腫瘍細胞を結合するターゲッティング部分としてよく適合する。特に、悪性腫瘍細胞(例えば、腎癌細胞)は、1細胞あたり約2,100部位から150,000部位を越える範囲のレベルでIL13受容体を過剰発現する。同様に、神経膠腫とその他の変化した細胞もまた、IL13受容体を過剰発現する。したがって、本発明の方法は、エフェクター分子を種々の癌へ向けるために用いられる。そのような癌は当業者によく知られており、これに限定しないが、皮膚癌(例えば、基底細胞癌,扁平上皮癌,黒色腫,カポジ肉腫など),生殖器官の癌(例えば、精巣癌,卵巣癌,子宮頚癌),胃腸区域の癌(例えば、胃癌,小腸癌,大腸癌,結腸直腸癌,など),口と喉の癌(例えば、食道癌,喉頭癌,中咽頭癌,鼻咽頭癌,口腔癌など),頭部と頚部の癌,骨肉腫,乳癌,肝臓癌,前立腺癌(例えば、前立腺癌腫),甲状腺癌,心臓癌,網膜癌(例えば、黒色腫),腎臓癌,肺癌(例えば、中皮腫),膵臓癌,脳癌(例えば、神経膠腫,髄芽細胞腫,髄膜腫),及びリンパ系の癌(例えば、リンパ腫)が含まれる。特に好適な実施例において、本発明の方法は、エフェクター分子を脳癌(特に神経膠腫)へ向けるために用いられる。
【0065】
当業者は、他の細胞によりIL13の過剰発現の同定と確認にはよく知られた方法を用いて決まりきった検査のみが必要であることを理解するだろう。典型的に、これは、IL13受容体に特異的に結合する標識化分子(例えば、天然又は変異IL13)を準備することを含む。問題の細胞は、次に、この分子と接触させられて洗浄される。試験細胞と結合して残っている標識の量の定量化は、その細胞の表面上に存在するIL13受容体(IL13R)の量の尺度となる。好適な実施例において、IL13受容体は、問題の細胞への125Iを標識化したIL13(125I−IL13)の結合を測定することによって定量化されてもよい。その結合検定法の詳細は、米国特許第5,614,191号に開示されている。
【0066】
IL13は、喘息(Webbら(2000)J. Immunol. 165:108−113)のようなアレルギー性過敏反応において重要な調節の役割を果たすことに関係しているので、本発明はまた、一つ以上のhIL13変異体を、そのアレルギー反応に重要な細胞(例えば、B細胞,好酸球,肥満細胞のようなリンパ球,及び/又はTh2支配の炎症反応に関連する全ての他の細胞)に接触させることによって、アレルギー反応を調節する方法を提供する。したがって、例えば、細胞上に発現したhIL13受容体と天然hIL13の相互作用が、アレルギー反応(例えば、炎症を含む)で細胞の役割に寄与する膜貫通シグナルを引き起こす場合、変異体hIL13はこの相互作用を遮断し、アレルギー反応を阻止するために用いることができる。天然hIL13とこのIL13受容体の間の相互作用は、例えば、IL13受容体に結合するがその受容体を介して膜貫通シグナルを引き起こさないhIL13変異体(ときには、天然hIL13よりも親和性の強いもの)をその細胞に接触させることによって、遮断することができる。喘息には、このhIL13変異体を、この変異体を含む医薬組成の吸入によって投与可能である。
【0067】
医薬組成
本発明の変異体hIL13分子(エフェクター分子と結合するものを含む)は、予防及び/又は治療の処置のために、噴霧器や経皮投与などによって、非経口,局所,経口,又は部分的な投与に備えることができる。医薬組成は、投与方法に依存する種々の単位投薬方式で投与可能である。例えば、経口投与に適した単位投薬方式には、粉末,錠剤,丸剤,カプセルとトローチ剤が含まれる。いくつかの場合において、本発明の融合タンパク質と医薬組成を分解から(例えば、経口投与時)保護することが望まれる。これは、タンパク質を酸や酵素消化に対する抵抗性を与える成分と合成するか、リポゾームのような適切な抵抗性のあるキャリアを包み込むことによって達成することができる。消化から化合物を保護する方法は、その技術でよく知られている(例えば、治療薬の経口投与用の脂質成分を説明している米国特許第5,391,377号を参照)。
【0068】
医薬組成はまた、現在知られている全ての適切な技術による吸入によって動物に投与することができる。例えば、本発明のhIL13変異体は、加圧容器や噴霧器から製造されたエアロゾールの形態で、ジクロロジフルオロメタン,トリクロロトリフルオロメタン,ジクロロテトラフルオロエタン,二酸化炭素,あるいはその他の適切なガスのような適切な推進薬の使用を用いて投与可能である。加圧エアゾールの場合、投薬単位を計量された量を投与するためのバルブを用いて調節してもよい。hIL13変異体と適切な基剤(例えば、ラクトースやスター血)の混合粉末を含むカプセル及び薬包(例えば、ゼラチン)は、変異体を動物の呼吸系へ投与するための吸入器に使用可能である。
【0069】
本発明の薬剤組成は、静脈注射や体腔や組織の管腔のような非経口投与に特に有用である。投与のための組成は、通常、医薬的に受容可能なキャリア、好ましくは水溶性のキャリアに溶解された変異体hIL13分子の溶液から構成されるであろう。種々の水溶性キャリアには、例えば、緩衝生理食塩水などが使用可能である。これらの溶液は無菌であって、概して有害なもの(例えば、発熱物質)が含まれていない。これらの組成は、従来のよく知られた滅菌技術により無菌化してもよい。その組成は、pH調整剤と緩衝剤,毒素調整剤のようなもの、例えば、酢酸ナトリウム,塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,乳酸ナトリウムなどの生理的な状態に近づけるために医薬的に受容可能な補助的な基質を含んでもよい。これらの調剤における変異体hIL13の濃度は広く変化させることができ、第一に、体液の体積,粘性,体重などに基づき、選択された特定の投与方法と患者のニーズにしたがって、選択されるであろう。実際の非経口の投与組成の調製方法は当業者に知られており、レミントンの医薬化学、第15版、マックパブリッシングカンパニー、イーストン、ペンシルバニア(1980)のような出版物により詳細に説明されている。
【0070】
本発明で利用される医薬組成の毒性と治療効果は、LD50(集団の50%の致死量)とED50(集団の50%の治療効果量)を測定するための培養細胞か実験動物のどちらかを用いた、標準的な治療方法によって調べることができる。毒性と治療効果の投与量比は治療指数であり、LD50/ED50の比として表される。大きい治療指数を示す投与量が好ましい。毒性の副作用を示すものが使用される場合、感染していない細胞へ潜在的な損傷を最小化し、その結果、副作用を減少させるために患部へ医薬組成を標的とするデリバリーシステムを設計することを考慮しなければならない。
【0071】
細胞培養実験と動物実験から得られたデータは、ヒトに用いる投薬量の範囲を定式化するのに用いることができる。この医薬組成の投薬量は、好ましくは、毒性を殆ど伴わないED50を含む循環濃度の範囲内にある。この投薬量は、使用される投薬形態と投与の経路によって、この範囲で変化させてもよい。本発明の方法で用いられる全ての医薬組成において、治療効果のある投与量を、始めに細胞培養実験から見積もることができる。投与量は、細胞培養で測定されたようにIC50(すなわち、症状を最大の半分に抑制する試験組成物の濃度)を達成する動物モデルで定式化できる。この情報はヒトにおける有効な投薬量をさらに正確に決定するために用いられる。血漿の濃度は、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定可能である。投与量はそれぞれ特定の使用について決定すべきであるが、静脈注射投与の典型的な薬剤組成の投薬量は、一人の患者一日あたり約0.1から10mgであると予測される。特に、この医薬組成を体腔や組織の管腔のような隔離された血流のない部位へ投与した場合、一人の患者一日あたり0.1から約100mgまでの投与量を用いてもよい。
【0072】
本hIL13変異体を含む組成,又はその混合物(すなわち、別のタンパク質との混合物)は、治療処置に投与可能である。治療の使用において、組成は、病気とその合併症を治療する又は部分的に抑えるための効果的な量で、病気で苦しむ患者に投与される。これを成し遂げるのに十分な量は、「治療的効果投与量」として定義される。この使用に効果的な量は、病気の重症度と通常の患者の健康状態に依存するであろう。組成の単独或いは複合的な投与は、患者によって要求され許容される投薬量と頻度に応じて投与してもよい。いずれにせよ、その組成は、患者を効果的に治療するために本発明のタンパク質の有効量が与えられるべきである。
【0073】
本発明の細胞毒性融合タンパク質の種々の使用の中には、タンパク質の毒作用で除去されるかもしれない特定の人の細胞によって引き起こされる種々の病気の状態が含まれる。一つの好適な使用は、細胞毒(例えば、PEやPE誘導体)へ結合する変異体IL13リガンドの使用などによって、癌(例えば、神経膠腫)を治療することである。
【0074】
多量に血管新生化されないいくつかの領域、又は血流に存在する巨大分子の侵入を減少又は阻止する、密着帯及び/又は活性輸送メカニズムにより連結した細胞によって保護される領域があることが、当業者に理解されるであろう。例えば、神経膠腫やその他の脳癌を治療するための組織治療の投与は、蜘蛛膜下部位への巨大分子の侵入を妨げる血脳関門によって拘束される。したがって、本発明の治療の組成は、直接腫瘍部位へ投与することができる。例えば、脳腫瘍(例えば、神経膠腫)は、治療の組成をその腫瘍部位へ直接投与(例えば、外科的に挿入されたカテーテルを通して)することによって治療することができる。カテーテルを通して投与される液体が加圧されると、小さい分子(例えば、本発明の治療分子)は一般に腫瘍の縁部を越えて2から3センチメートルほど浸透するだろう。
【0075】
一方、その治療組成を、ゆっくりと放出される形態(例えば、トロンビン−フィブリノーゲン混合物)で標的部位に置くことができる。その形態には、例えば、生体適合性のスポンジ,又は治療組成で浸漬された別の不活性や吸収可能な基質材料,溶解時間の遅い放出カプセルやマイクロカプセルなどが含まれていてもよい。
【0076】
概して、そのカテーテル,又はカテーテル,或いは徐放形態は、外科的方法の一部分として腫瘍部位に置かれるであろう。したがって、例えば、主要な腫瘍の塊が外科的に除かれると、灌流するカテーテルや徐放形態は補助的治療として腫瘍部位に備え付け可能である。もちろん、腫瘍の塊の外科的除去が望ましくないか,必要とされないか,又は不可能かもしれない場合に、本発明の治療組成の投与が第一の治療療法を構成するかもしれない。
【0077】
画像処理
本発明はまた、生体内のhIL13変異体を結合する受容体を発現する細胞を画像処理する方法を提供する。典型的な方法において、選択された画像処理技術によって検出可能な標識に結合したhIL13変異体を、特定のhIL13変異体を結合する受容体を発現する細胞を有する動物に投与する。この動物は、次に、選択された画像処理技術を用いて画像処理される。診断画像処理に有用な標識の例としては、131I,111In,123I,99mTc,32P,125I,3H,14C,及び188Rhなどの放射性標識、フルオロセインとローダミンなどの蛍光標識、核磁気共鳴活性標識、陽電子放射型断層撮影(「PET」)スキャナーにより検出可能な陽電子放出アイソトープ、ルシフェリンなどの化学発光標識、及びペルオキシターゼやホスファターゼなどの酵素マーカーなどが含まれる。hIL13の変異体は、上記の試薬やその技術で既知の技法を用いて標識可能である。チロシンと置換した一つ以上のアミノ酸を有する変異体は、チロシン外の残基がよく標識化されるべきなので、ヨード標識することが望ましい。
【0078】
標識化hIL13変異体と相性の良い全ての画像処理技術を用いることができる。この技術の例としては、ガンマ放出ラジオアイソトープの位置と分布を検出するためにガンマカメラを用いた免疫シンチグラフィー、常磁性標識化hIL13変異体が使用されるMRI、hIL13変異体が陽電子放出標識と結合するPET、及びhIL13変異体が放射性に不透明な標識と結合するX線画像処理などが含まれる。この技術のされに詳細な説明は、画像化試薬の標的送達のハンドブック(薬理学と毒素学のハンドブック)、編集者V. Torchilin、CRC出版、1995;Armstrongら、診断画像処理、ブラクウエルサンエンスインク、1998;及び診断核医薬、編集者C. Schiepers、スプリンガーヴァーラグ、2000に与えられている。
【0079】
実例となる例として、動物の神経膠腫腫瘍細胞の位置は、検出可能な標識(例えば、ガンマ放出ラジオアイソトープ)に結合した天然hIL13又はhIL13変異体を含む組成を動物に注入(例えば、非経口又はそのまま)することにより検出することができる。その組成は、次に動物内で平衡化され、神経膠腫に結合する。この動物は、次に神経膠腫細胞の位置を画像化するために画像処理(例えば、ガンマカメラを用いて)にかけられる。
【0080】
診断キット
別の実施例において、本発明は、腫瘍の治療やIL13受容体を過剰発現する細胞の検出のためのキットを提供する。キットは一般に、本発明のキメラ分子(例えば、検出可能な標識に結合した変異体hIL13,細胞毒性に結合した変異体hIL13,標的リガンドに結合した変異体hIL13)から構成される。加えて、このキットには、一般にキメラ分子(例えば、細胞毒素として、腫瘍細胞の検出のために、免疫応答を増強するために、など)の使用方法が記載された取扱い説明書が含まれる。このキットにはまた、そのキットが意図された特定の使用を円滑にするための付加的組成が含まれる。したがって、例えば、キットは、エフェクター分子が検出可能な標識であるキメラ分子を含む場合、そのキットには標識を検出する手段(例えば、酵素標識用の酵素気質,蛍光標識を検出するためのフィルターセット,ヒツジ抗マウスHRPのような適切な二次的な標識,など)が付加的に含まれてもよい。そのキットは、付加的に、特定の方法を実施するために日常的に用いられる緩衝液と他の試薬を含んでいてもよい。このようなキット及び適切な内容物は当業者によく知られている。
【0081】
【実施例】
本発明は、下記の特定の実施例によりさらに説明される。その実施例は、説明のためだけに与えられるものであり、多少なりとも本発明の範囲や内容を制限するように解釈されるべきではない。
【0082】
第1実施例:材料及び方法
材料。IL13.E13K−PE1E,IL13.E13K−PE38QQR,及びPE38QQRのcDNAテンプレートを、前述のように複製した。Debinskiら(1996)J. Biol. Chem 271:22428−22433、Debinskiら(1998)Nature Biotech 16:449−453。ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC),U−251MGヒト神経膠芽腫細胞,及びSVG−p12正常ヒト膠細胞は、ATCC(ロックビル、メリーランド州)から得られた。固有部位脱離突然変異誘発キット,高速タンパク液体クロマトグラフィー(FPLC)システム,カラム,及び媒体は、アマーシャム ファーマシア LKBバイオテクノロジー(ピスケイタウェイ、ニュージャージー州)から得られた。オリゴヌクレオチドプライマーは、ペンステイト医科大学、高分子コア研究室(ハーシェイ、ペンシルベニア州)で合成された。ポリメラーゼ連鎖反応キットは、パーキン−エルマーシータス(ノーウォーク、コネチカット州)から購入された。細胞力価96水溶性非放射性活性細胞増殖検定用のMTS/PMS試薬,及びBL21(IDE3)大腸菌細胞は、プロメガ(マディソン、ウィスコンシン州)から得られた。DH5a大腸菌細胞,大腸菌培養用のルーリアバータニ(LB)培地,透析チューブ,リン酸緩衝生理食塩水(PBS),組織培養培地,ウシ胎児血清及びDNA標準物質は、ギブコ BRL ライフテクノロジー(ゲイサイズバーグ、メリーランド州)から購入された。SDS−PAGEの備品,及び臭化エチジウムは、バイオ−ラード(ハーキュリーズ、カルフォルニア州)から購入された。最大,最小,及びゲル抽出DNA精製キットは、キアゲンインク(サンタクララ、カリフォルニア州)から購入された。X−Omatフィルムは、イーストマンコダック社(ロチェスター、ニューヨーク)から購入された。全ての酵素と緩衝液,DTT,及びタンパク標準物質は、ニューイングランドバイオラボ(ビヴァリー、マサチューセッツ州)から得られた。アンピシリン,リゾチーム,及びフェノール/クロロフォルム/イソアミルアルコールは、ブーリンガーマンハイム(インディアナポリス、インディアナ州)から得られた。マウスアルブミン,ジチオエリスリトール(DTE),酸化グルタチオン,L−アルギニン,尿素,及びサイクロヘキサアミドは、シグマ(セントルイス、ミズーリ州)から購入された。IPTGは、イナルコスパ(ミラノ、イタリア)から購入された。0.5mlツベルクリン注射器と注射針は、ベクトンディキンソン(フランクリンレーク、ニュージャーシー州)から得られた。
【0083】
方法。変異体プライマーの設計。ベクターNTIソフトウェア一式(ベセズア、メリーランド州)を用いて、変異プライマーは、変異体プラスミドの選択と収量を増加させるために当該のアミノ酸を変化させながら、固有制限部位を除去するように設計された。別々の4つの変異体プライマーは、IL13の13,66,及び69の位置で変異を誘発するように設計された。IL13の13の位置の変異体プライマーは、Bsu36I部位を除去しながらリジンをアスパラギン酸に変化させた。3つの変異体プライマーは、B1pI部位を除去しながら66,69,及び66と69の双方の位置でグルタミン酸を取り込むように設計された。IL13.E13K/R66D/S69D/R112Dをコード化する作成物は、IL13.E13K/R66D/S69DのcDNAと、R112D変異と終止コドンの両方を含むプライマーを備えた固有部位突然変異誘発キットとを用いて作成された。
【0084】
突然変異誘発。固有部位脱離突然変異誘発は、デンとニッコロフ(Anal. Biochem. 1992;200:81−88)による方法に従って、アマーシャム ファーマシア バイオテクに説明されているように行った。制限消化は、取り込まれた変異体を含むプラスミドを同定するために単一のコロニーから単離されたDNAで行われた。このDNAは、次にキアゲン社の極大調製か極小調製キットを用いて増幅と精製が行われた。
【0085】
ポリメラーゼ連鎖反応。正プライマー及び逆プライマーは、シュードモナス外毒素変異体PE1Eを増幅するように設計された。IL13.E13K−PE1Eの融合cDNA作成物は、PCR反応の鋳型として働いた。Debinskiら J. Biol. Chem., 1996, 271:22428−22433を参照。PCR産物は、適切な制限エンドヌクレアーゼで分解し、アンピシリン耐性遺伝子を含むマルチクローニングベクターの中に結合させた。制限消化後、適当な大きさのバンドを表示するcDNAsは、次に塩基配列が確認された。PE1E挿入を含むことが示されるプラスミドは、その後、下記に説明するような原核生物のIPTG誘導タンパク質発現システムで使用された。
【0086】
組換え融合タンパク質の生成と精製。IPTG誘導T7RNAポリメラーゼ遺伝子を含む大腸菌株BL21(IDE3)細胞は、当該のプラスミドで形質転換され、1リッターのLBブロス(ギブコ/ライフテクノロジー)で培養された。大腸菌が対数増殖に達するとすぐに、そのプラスミドはキメラ融合タンパク質を発現するように誘発した。その細胞をIPTGで1.5時間培養した。その細胞は、前述のように変性及び再生された封入体に局在した。Thompson, J.P.とDebinski W.(1999)J. Biol. Chem., 274:29944−29950。透析後、再生タンパク質をFPLCを用いて二つのイオン交換カラム(Q−セファロースとモノQ)で精製した。各カラム後にフラクションの試料を取り出し、各カラムの後のタンパク質の純度と適当な大きさを評価するためにSDSポリアクリルアミドゲル(SDS−PAGE)にかけた。濃度は、当該のタンパク質の最も純粋な発現量を含むフラクションから測定された。タンパク質の濃度は、基準として牛血清アルブミン(BSA)を用いるブラッドフォード分析(ピアス「プラス」、ロックフォード、イリノイ州)により評価された。タンパク質は、その後ろ過滅菌され、試験管内分析で用いた。
【0087】
細胞毒性試験。細胞毒の細胞毒活性は、第一にU−251MG,HUVEC,及び形質転換された胎児膠細胞株であるSVGp12で検査された。その細胞は、37℃、5%CO2、90%の湿度で、ステリ−カルト(Steri−cult)200細胞培養インキュベーター(マリエッタ、オハイオ州)で制御された条件下で増殖した。その細胞は、収集され、遠心分離された、そして細胞数を血球計数板で測定した。死細胞を同定するためにトリパンブルー排除を用いた。1つのウェルあたり4.5×105個のHUVEC,1×105個のU−251MG,及び2.5×105個のSVGp12の生細胞は、1つのウェルあたり150mlのGIBCO−BRL最小必須培地における96穴組織培養プレートに蒔かれた。次に、細胞毒素を加える前に24時間その細胞を、接着させ、増殖させた。キメラ毒素の種々の濃度を、0.1%のBSA/PBSで希釈し、24時間後、それぞれの希釈液25mlをその細胞に添加した。IL13,IL13.E13K,又はIL4の過剰量25mlを、中和実験のために穴(最終濃度4mg/ml)に添加した。中和実験において、IL13,又はIL4の過剰量を添加した後の1時間、細胞毒素を細胞に添加した。両タイプの実験において、各96穴プレートから4穴はポジティブコントロールとするためにシクロヘキシミドで処理され、もう4穴はネガティブコントロールとするために0.1%のBSA/PBSのみを入れた。さらに、25mlの0.1%BSA/PBSを、毒素やブロッカーの入っていないその穴に添加し、それぞれのウェルにおいて200mlの最終体積量を維持した。細胞は、37℃でさらに48時間培養された。その細胞毒性は、比色MTS〔3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルフォニル)−2H−テトラゾリウム、内部塩〕/PMS(フェナジンメタサルフェート)細胞増殖試験を用いて測定された。MTS/PMSは、製造者によって推奨されるように、最終濃度の半分で加えられた。その細胞は、色素とともに2〜6時間培養され、次に吸光度がマイクロプレートリーダー(ケンブリッジテクノロジーインク、ウオータータウン、マサチューセッツ州)を用いてそれぞれのウェルについて490nmで測定された。
【0088】
IC50測定。各試験のマイクロプレートリーダーから得られた吸光度値が用いられた。その平均吸光度は、シクロヘキシミドで処理された細胞を含む3つのウェルから得られた。その値は、その後、試験のバックグランドとして用いられた。その3つのコントロールの吸光度の読み値は、それらから減算されたバックグランドを持ち、そしてその平均がとられた。全ての3つの実験値もまた、それらから減算されたバックグランドを有した。しかしながら、それぞれの実験の吸光度値は、次に平均コントロール吸光度値で除算された。したがって、実験群によって作り出されたそれぞれの3つの細胞の生存値は、コントロールの%として示された。
【0089】
【式1】
【0090】
第2実施例:結果
変異したIL13に基づく多数の細胞毒素の生成。この研究で作成されたすべての変異体を表1に記載する。すべてのcDNAプラスミドは、IL13とPE遺伝子の両方に組み込まれた的確な変異体を備えるために、塩基配列分析によって確認された。しかしながら、変異誘発を起こす前に、親のテンプレート(IL13.E13K−PE4E及びIL13.E13K−PE38QQR)の慎重な塩基配列の検査を通して、配列決定は、PE4Eテンプレートが実際はPE1Eであるということを示した。したがって、PE4Eは引き続いて、部位特異的突然変異誘発(表1)によって同様に作られた。
【0091】
【表1】
【0092】
表1に記載された作成物は、組換え融合タンパク質を作りだし、精製するためにうまく用いられた。SDS−PAGEによって確認されたとき、IL13に基づくPE38QQR変異体作成物は約50kDaであり、IL13に基づくPE1E変異体作成物は約78kDaの大きさであった。モノQカラムから抽出されたタンパク質は、すべてがかなり濃縮され、SDS−PAGEによって判断されたとき、IL13.E13Y.R66D.S69D−PE38QQRの顕著な例外を含めて、あらゆる不純タンパク質が約95%ないということを示した。このタンパク質は、不純物のある細菌タンパク質のバックグランドの高レベルを繰り返し有した。
【0093】
新規の抗神経膠腫細胞毒素の細胞毒性活性。U−251MG,HUVEC,及び正常膠細胞SVGp12細胞におけるIL13変異体に基づくPE含有細胞毒素の細胞毒性を測定した。IL13.E13Kに基づくPE38QQR含有作成物は高い細胞毒素をもち、U−251MG神経膠腫細胞において0.08から0.25ng/mlの範囲のIC50値を示した(図1A)。二重の変異体IL13細胞毒素であるIL13.E13K.R66D−PE38QQRは、このグループの中の他の細胞毒素と比較した場合、もっとも活性的な傾向にあった(統計上1ng/mlで有効である)。これらの二重及び三重に変異したIL13に基づく細胞毒素はまた、正常内皮細胞で検査された。神経膠腫細胞で得られた結果とはかなり違って、1000ng/mlと同等の高濃度でこれらの同じ細胞毒素を施した場合、HUVECの80%以上がまだ生存可能であった(図1B)。IL13.E13Yに基づくPE38QQR変異体作成物(表1)は、E13K変異体含有融合タンパク質より若干細胞毒素が多く、U−251MG神経膠腫細胞において0.05から0.14ng/mlの範囲のIC50値を示した(図2A)。したがって、13位のみが異なるアミノ酸置換や二つ変異したIL13では、PEの効果的な送達から癌細胞へのサイトカインを阻止しなかった。重要なことに、このグループの細胞毒素で施されたHUVECの75%以上はまだ、1000ng/mlと同等の高濃度で生存可能であった(図2B)。
【0094】
別のグループの検査された細胞毒素は、IL13.E13Kに基づくPE1E誘導体含有作成物であった。これらの細胞毒素は、0.04から0.07ng/mlの範囲のIC50値をもち、U−251MG神経膠腫細胞に対して顕著な細胞毒性を示した(図3A)。しかしながら、神経膠腫細胞上の細胞毒素活性の増加は、これらの細胞毒素によって示された正常内皮細胞(図3B)に対する測定可能な低い毒性によって損なわれた。E13K.S69DとE13K.R66D.S69DのIL13変異体に基づいた細胞毒素は、このグループの細胞毒素の中で最小の活性であり、それらはHUVECにおいて500から600ng/mlの範囲のIC50値を示した(図3B)。IL13.E13Yに基づいたPE1E作成物は、IL13.E13Kに基づいたPE1E作成物が0.04から0.06ng/mlの範囲のIC50値を有する場合、U−251MG神経膠腫細胞に対して似た細胞毒性を示した(表2とデータは図示せず)。しかしながら、IL13.E13Y細胞毒素の同じグループは、160から240ng/mlの範囲のIC50値を有し、HUVECに対して常に高い毒性があった(表2とデータは図示せず)。
【0095】
【表2】
【0096】
PEの異なる形状を有するIL13変異体に基づく種々の細胞毒素での実験は、癌細胞に向かってその強力な細胞毒素活性を保持しながら、分子の標的とされた抗神経膠腫細胞毒素において、リガンド(IL13)を頻繁に再構成することが実施可能であるという証拠を与えた。
【0097】
変異したIL13に基づく細胞毒性タンパク質の制限IL13受容体媒介性細胞毒性。神経膠腫細胞での細胞毒性活性対正常細胞に対する毒性の比率の好ましい特性を示し、頻繁に変異誘発された作成物の一つである、IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRが追実験で用いられた。これらの細胞上のIL4独立IL13受容体と相互作用するこの細胞毒素の特異性を分析した。IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRの細胞毒性が過剰量のIL13やIL4の存在でブロックされることができるかどうかを測定するために、中和試験がU−251MG神経膠腫細胞で行われた。この試験において、IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRは、U−251MG神経膠腫細胞に対して強力な細胞毒性を再び示した。この細胞毒性は、過剰量のIL13やIL13.E13Kのどちらかで中和された(図4A)。100ng/mlの細胞毒素の濃度で、過剰量のIL13やIL13.E13Kは80%以上のU−251MG神経膠腫細胞を生存可能にし、一方、細胞毒素のみで処理した場合、その細胞の5%のみが生存可能であった(図4A)。しかしながら、かなり対照的に、過剰量のIL4はU−251MG神経膠腫細胞に対して、IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRの細胞毒性をブロックするのに唯一失敗しなかったが、実際には癌細胞に対してその細胞毒素をより細胞毒性にした(図4A)。また、100ng/mlの細胞毒素の濃度で、実質的に全てのU−251MG神経膠腫細胞が過剰量のIL4の存在で殺された(図4A)。
【0098】
IL13に基づくPE含有誘導体の細胞毒性対PE誘導体のみの細胞毒性。試験された細胞上のPE誘導体の受容体依存細胞毒性をさらに説明するために、IL13変異体に基づくPE含有作成物の細胞毒性が、組換えPEsのみの相対的な細胞毒性と比較された。細胞毒性試験が、U−251MG神経膠腫細胞,HUVEC,及びSVG−p12細胞で行われた。IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRがU−251MG神経膠腫細胞(IC50が0.24ng/ml)を殺すのに非常に強力であった、一方、PE38QQR毒素のみではこれらの細胞でIC50が300ng/mlだけであった(図4B)。さらに、IL13.E13K.R66D.S69D−PE1Eの細胞毒素は神経膠腫細胞(IC50が0.052ng/ml)で非常に活発であった、一方、PE1E毒素のみではU−251MG細胞でIC50が340ng/mlだけであった(表2及びデータは図示せず)。正常内皮細胞において、しかしながら、IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRとPE38QQRの毒素のみの間の細胞毒性に著しい違いはなく、約70%のHUVECは、毒素か細胞毒素のどちらかの5000ng/mlの濃度でまだ生存可能であった(図5A)。別のグループからの細胞毒素が研究され、図3Bでわかるように、IL13.E13K.R66D.S69D−PE1Eは、IC50値が約500ng/mlであったが、PE1EのみはHUVECに対してほとんど細胞毒性を示さなかった。
【0099】
正常細胞における実験は、中枢神経系から得られた。構築した胎児膠細胞株が使用された。IL13.E13K.R66D.S69Dに基づく細胞毒素がこれらの細胞に対していくつかの毒性を示したが、IC50値は低かった。IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRのIC50値は1150ng/mlであると判断され、一方、PE38QQR毒素のみは、膠細胞でIC50が1050ng/mlであった(図5B)。IL13.E13K.R66D.S69D−PE1EのIC50値は130ng/mlであると判断され、一方、PE1E毒素のみは、膠細胞でIC50が1150ng/mlであった。IL13.E13K−PE1Eの細胞毒性と極めて異なる細胞毒性を示すIL13.E13K−PE4Eもまた検査された。IL13.E13K−PE4Eは、U−251MG神経膠腫細胞でIC50値が1ng/mlであり、一方、約100%のHUVEC細胞が、1000ng/mlの濃度で生存可能であった。
【0100】
変異したIL13に基づく多数の細胞毒素は、強力で、特異的抗神経膠腫剤であった。表2に種々の実験の結果をまとめた。通常、PE38QQR含有細胞毒素は、神経膠腫細胞で非常に活性があり、正常細胞では非常に低い活性であった。検出可能な場合、その非特異的毒性は毒素のみのものと並行であった。PE1E含有細胞毒素は、PE38QQRを備えた融合タンパク質以上に神経膠腫細胞で活性があったが、正常細胞に対するその毒性が特に顕著であった。
【0101】
第3実施例:生体内実験
IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQR細胞毒素がマウス実験で用いられた。1匹のマウスあたり5.0,1.0,及び0.2mgを被験動物に4回注射した(入手可能な細胞毒素での範囲内に納めた)。全ての動物は、全ての注射に生き残り、毒性のどんなサインも示さなかった。異なる細胞毒素を用いた以前の実験と比べて、強力な生体外の細胞毒素が、この投与範囲で動物に対して毒素がないと観察されたのはこれが初めてである。Debinskiら(1998)Nature Biotech., 16:449−453を参照。この結果は、IL13−PE38QQR(IL13.E13K.R66D.S69D)の中に組み込まれている3つ変異が細胞毒素の非特異的宿主組織の相互作用を軽減させるのに成功したということを示唆するための証拠を提供したので、特に期待されている。
【0102】
第4実施例:動物における腫瘍増殖の阻害
図6を参照すると、マウス悪性神経膠腫細胞(hIL13Rα2陽性G−26細胞)が、5から6週齢の雄BL57/J6マウスに皮下注射された(6×106細胞/マウス)。大きく構築した腫瘍が形成した後、IL13.E13Y.R66D.S69D−PE1E細胞毒素(1匹のマウスあたり1.0又は0.2μg)又は溶媒(PBS/BSA)が、1日おきに5回の腫瘍内注射によってその動物に投与され、腫瘍体積が0日から記録された。その後、種々の時点で、腫瘍体積が動物で測定された。その腫瘍は、溶媒処理した動物で急速に成長したが、腫瘍は、0日経過した種々の時点で、IL13細胞毒素を受けた動物でのみ(完全な退行は同時点で見られた)退行した(図6参照)。
【0103】
その他の実施例
本記述は、発明の構成および方法をどのように作り実行することができるかの実施例である。当業者は、種々の内容が変更されてその他の詳述された実施例に到達してもよく、この多くの実施例が本発明の範囲内に来るであろうことを理解するであろう。
【0104】
したがって、一般に本発明の範囲と本発明によって保護される実施例を知らしめるために、請求項が作成された。
【図面の簡単な説明】
本発明は添付した請求項で特定して示される。本発明の上記及びそれ以上の利点は、添付している図面と併せて以下の説明を参照することによってさらによく理解されるであろう。
【図1】
図1Aは、U−251MG細胞で、IL13.E13K−PE38QQR変異体に基づく作成物の細胞毒性を示すグラフである。標準誤差を縦棒で示す。各細胞毒素に対する実験数(n)は:IL13.E13K−PE38QQR(n=2),IL13.E13K.R66D−PE38QQR(n=4),IL13.E13K.S69D−PE38QQR(n=5),IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQR(n=7)であった。分散分析(ANOVA)により***=p<0.001。
図1Bは、HUVEC細胞で、IL13.E13K−PE38QQR変異体に基づく作成物の細胞毒性を示すグラフである。標準誤差を縦棒で示す。各細胞毒素に対する実験数(n)は:IL13.E13K−PE38QQR(n=3),IL13.E13K.R66D−PE38QQR(n=3),IL13.E13K.S69D−PE38QQR(n=4),IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQR(n=5)であった。
【図2】
図2Aは、U−251MG細胞で、IL13.E13Y−PE38QQR変異体に基づく作成物の細胞毒性を示すグラフである。標準誤差を縦棒で示す。各細胞毒素に対する実験数(n)は:IL13.E13Y−PE38QQR(n=2),IL13.E13Y.R66D−PE38QQR(n=2),IL13.E13Y.S69D−PE38QQR(n=2)であった。
図2Bは、HUVEC細胞で、IL13.E13Y−PE38QQR変異体に基づく作成物の細胞毒性を示すグラフである。標準誤差を縦棒で示す。各細胞毒素に対する実験数(n)は:IL13.E13Y−PE38QQR(n=2),IL13.E13Y.R66D−PE38QQR(n=2),IL13.E13Y.S69D−PE38QQR(n=2)であった。
【図3】
図3Aは、U−251MG細胞で、IL13.E13K−PE1E変異体に基づく作成物の細胞毒性を示すグラフである。標準誤差を縦棒で示す。各細胞毒素に対する実験数(n)は:IL13.E13K−PE1E(n=2),IL13.E13K.R66D−PE1E(n=2),IL13.E13K.S69D−PE1E(n=2),IL13.E13K.R66D.S69D−PE1E(n=2)であった。U−251MG細胞で、PE1E変異体に基づく作成物。
図3Bは、HUVEC細胞で、IL13.E13K−PE1E変異体に基づく作成物の細胞毒性を示すグラフである。標準誤差を縦棒で示す。各細胞毒素に対する実験数(n)は:IL13.E13K−PE1E(n=1),IL13.E13K.R66D−PE1E(n=2),IL13.E13K.S69D−PE1E(n=2),IL13.E13K.R66D.S69D−PE1E(n=2)であった。
【図4】
図4Aは、U−251MG細胞で、IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRのIL13受容体媒介性細胞毒性を示すグラフである。中和サイトカイン(IL13,IL13.E13K,又はIL4)が、最終濃度1ng/mlで添加された。標準誤差を縦棒で示す。IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRの細胞毒性は、IL13又はIL13.E13K(***=p<0.001)の存在で著しく低下し、IL4(分散分析(ANOVA)により*=p<0.05)の存在で著しく増加した。
図4Bは、U−251MG細胞で、IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRの細胞毒性対PE38QQRの非特異的毒性を示すグラフである。標準誤差を縦棒で示す。各細胞毒素に対する実験数(n)は: IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQR(図1からプールされた0.01〜10ng/ml値,1000から5000ng/ml値n=2),PE38QQR(n=3)であった。IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRは、PE38QQRのみよりU−251MG細胞に対して著しい細胞毒性があった(分散分析(ANOVA)により***=p<0.0001)。
【図5】
図5Aは、HUVEC細胞で、IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQRの細胞毒性対PE38QQRの非特異的毒性を示すグラフである。標準誤差を縦棒で示す。各細胞毒素に対する実験数(n)は:IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQR(n=2)及びPE38QQR(n=2)であった。
図5Bは、膠細胞で、IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQR及びPE38QQRの細胞毒性を示すグラフである。標準誤差を縦棒で示す。各細胞毒素に対する実験数(n)は:IL13.E13K.R66D.S69D−PE38QQR(n=3)及びPE38QQR(n=3)であった。
【図6】
図6は、動物にある腫瘍の成長を阻害するIL13.E13Y.R66D.S69D−PE1Eの能力を示すグラフである。
Claims (48)
- (a)天然hIL13塩基配列(SEQ ID NO:1)と少なくとも90%の塩基配列の同一性を有し、かつ(b)少なくともAアルファ螺旋で生じる第一のアミノ酸置換とDアルファ螺旋で生じる第二のアミノ酸置換の分だけ天然hIL13塩基配列と異なったアミノ酸配列から構成されたことを特徴とする精製変異体hIL13分子。
- (a)天然hIL13塩基配列(SEQ ID NO:1)と少なくとも90%の塩基配列の同一性を有し、かつ(b)少なくとも3つのアミノ酸置換の分だけ天然hIL13塩基配列と異なったアミノ酸配列から構成されたことを特徴とする精製変異体hIL13分子。
- 前記アミノ酸配列が、少なくともAアルファ螺旋で生じる第一のアミノ酸置換と、Dアルファ螺旋で生じる第二のアミノ酸置換と、Cアルファ螺旋で生じる第三のアミノ酸置換の分だけ天然hIL13塩基配列と異なることを特徴とする請求項2記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記アミノ酸配列が、少なくとも4つのアミノ酸置換の分だけ天然hIL13塩基配列と異なることを特徴とする請求項2記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記アミノ酸配列が、少なくともAアルファ螺旋で生じる第一のアミノ酸置換と、Dアルファ螺旋で生じる第二のアミノ酸置換と、Cアルファ螺旋で生じる第三のアミノ酸置換の分だけ天然hIL13塩基配列と異なることを特徴とする請求項4記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、SEQ ID NOs:2−9からなるグループから選択されたアミノ酸配列をもつポリペプチドを含むことを特徴とする精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、SEQ ID NOs:2−9からなるグループから選択されたアミノ酸配列をもつポリペプチドからなることを特徴とする精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列をもつポリペプチドを含むことを特徴とする請求項6記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列をもつポリペプチドを含むことを特徴とする請求項6記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列をもつポリペプチドを含むことを特徴とする請求項6記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列をもつポリペプチドを含むことを特徴とする請求項6記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列をもつポリペプチドを含むことを特徴とする請求項6記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列をもつポリペプチドを含むことを特徴とする請求項6記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列をもつポリペプチドを含むことを特徴とする請求項6記載の精製変異体hIL13分子。
- さらに、医薬的に受容可能なキャリアを含むことを特徴とする請求項1記載の精製変異体hIL13分子。
- さらに、医薬的に受容可能なキャリアを含むことを特徴とする請求項2記載の精製変異体hIL13分子。
- さらに、医薬的に受容可能なキャリアを含むことを特徴とする請求項6記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、エフェクター分子に結合したことを特徴とする請求項1記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、エフェクター分子に結合したことを特徴とする請求項2記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記分子が、エフェクター分子に結合したことを特徴とする請求項6記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記エフェクター分子は、細胞毒素,検出可能な標識,抗体,リポソーム,及び脂質からなるグループから選択されたことを特徴とする請求項18記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記エフェクター分子は、シュードモナス外毒素,ジフテリア毒素,リシン,アブリン,サポリン,及びヤマゴボウウイルス性タンパク質からなるグループから選択された細胞毒素であることを特徴とする請求項21記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記細胞毒素は、PE38QQR,PE1E,及びPE4Eからなるグループから選択されたことを特徴とする請求項22記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記エフェクター分子は、放射性核種を含むことを特徴とする請求項21記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記エフェクター分子は、細胞毒素,検出可能な標識,抗体,リポソーム,及び脂質からなるグループから選択されたことを特徴とする請求項19記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記エフェクター分子は、シュードモナス外毒素,ジフテリア毒素,リシン,アブリン,サポリン,及びヤマゴボウウイルス性タンパク質からなるグループから選択された細胞毒素であることを特徴とする請求項25記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記細胞毒素は、PE38QQR,PE1E,及びPE4Eからなるグループから選択されたことを特徴とする請求項26記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記エフェクター分子は、放射性核種を含むことを特徴とする請求項25記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記エフェクター分子は、細胞毒素,検出可能な標識,抗体,リポソーム,及び脂質からなるグループから選択されたことを特徴とする請求項20記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記エフェクター分子は、シュードモナス外毒素,ジフテリア毒素,リシン,アブリン,サポリン,及びヤマゴボウウイルス性タンパク質からなるグループから選択された細胞毒素であることを特徴とする請求項29記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記細胞毒素は、PE38QQR,PE1E,及びPE4Eからなるグループから選択されたことを特徴とする請求項30記載の精製変異体hIL13分子。
- 前記エフェクター分子は、放射性核種を含むことを特徴とする請求項29記載の精製変異体hIL13分子。
- SEQ ID NOs:2−9からなるグループから選択されたアミノ酸配列から構成されたポリペプチドをコードすることを特徴とする精製核酸。
- 前記ポリペプチドが、SEQ ID NOs:2−9からなるグループから選択された塩基配列からなることを特徴とする請求項33記載の精製核酸。
- hIL13変異体を特異的に結合するが、天然hIL13を結合しない精製抗体であって、前記hIL13変異体は請求項1,2,及び6記載の変異体hIL13分子からなるグループから選択されたことを特徴とする精製抗体。
- 前記hIL13変異体は、SEQ ID NOs:2−9からなるグループから選択されたアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項35記載の精製抗体。
- 前記hIL13変異体を細胞へ送達する方法であって、
(a)請求項1,2,及び6記載の変異体hIL13分子からなるグループから選択されたhIL13変異体を準備する工程と、
(b)前記細胞を準備する工程と、
(c)前記細胞を前記hIL13変異体と接触させる工程と
から構成されたことを特徴とする方法。 - 前記hIL13変異体は、SEQ ID NOs:2−9からなるグループから選択された塩基配列を含むポリペプチドであることを特徴とする請求項37記載の方法。
- 前記hIL13変異体は、エフェクター分子に結合されることを特徴とする請求項38記載の方法。
- 前記エフェクター分子は、細胞毒素,検出可能な標識,抗体,リポソーム,及び脂質からなるグループから選択されたことを特徴とする請求項40記載の方法。
- 前記エフェクター分子は、シュードモナス外毒素,ジフテリア毒素,リシン,アブリン,サポリン,及びヤマゴボウウイルス性タンパク質からなるグループから選択された細胞毒素であることを特徴とする請求項43記載の方法。
- 前記細胞毒素は、PE38QQR,PE1E,及びPE4Eからなるグループから選択されたことを特徴とする請求項44記載の方法。
- 前記エフェクター分子は、放射性核種を含むことを特徴とする請求項40記載の方法。
- 前記細胞を前記hIL13変異体と接触させる工程(c)が、動物内で行われることを特徴とする請求項37記載の方法。
- 前記hIL13変異体は、エフェクター分子に結合されることを特徴とする請求項47記載の方法。
- さらに、前記hIL13変異体を前記動物に投与する工程を含むことを特徴とする請求項47記載の方法。
- 前記hIL13変異体を前記動物に投与する工程は、注射によって行われることを特徴とする請求項49記載の方法。
- 前記細胞は動物内で腫瘍の一部分を形成し、前記腫瘍は動物内である程度の速度で成長し、前記速度は、前記細胞を前記hIL13変異体と接触させる工程(c)の後に減少することを特徴とする請求項37記載の方法。
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