JP2004506819A - デンプン組成物の製紙における使用 - Google Patents

デンプン組成物の製紙における使用 Download PDF

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Abstract

カチオン性架橋デンプンを含むデンプン組成物およびこれらデンプンを製紙において使用する方法を開示する。より詳細には、カチオン化された架橋デンプンおよび製紙機のウェットエンド系における上記デンプンの使用を開示している。開示のデンプン組成物は、特定のウェットエンド系に合わせたカスタマイズに特に適しており、製紙機間におけるウェットエンドのばらつきに応じて改質できる。
【選択図】図1

Description

【0001】
本出願は、合衆国国民であり居住者であるカーギル・インコーポレイテッド(CARGILL, INCORPORATED)により、米国を除く全ての国を指定国とし、PCT出願として出願されている。
【0002】
[発明の分野]
本件の開示は、改良したデンプン組成物、ならびに上記改良デンプン組成物の製造および使用方法に関する。特に、本件開示は、製紙工程で使用するデンプン組成物、ならびに紙製品の製造中における上記デンプン組成物の調製、取扱い、および使用方法に関する。
【0003】
[発明の背景]
紙製品の多くは繊維を材料として製造されている。これらの製品は、多くの場合、種々の植物由来の修飾セルロース繊維(modified cellulose fibers)を含有する水性スラリーから製造される。上記スラリーは、製紙機のウェットエンドで調製される。上記ウェットエンドにおいて、紙繊維は希薄水スラリーに加工され、様々な材料と混合されてから製紙機のワイヤ上に送られる。次に、上記スラリーからの水分の除去を制御下において行って紙匹(web)を形成し、これをプレスし、乾燥させて、最終紙製品とする。
【0004】
上記スラリーに添加剤を加え、製紙工程の改善や、完成した紙の審美的および機能的特性の向上を図ることが可能である。上記紙のろ水性(drainage)や歩留り(retention)を向上させ、強度を増し、その地合特性を向上させるため、これらの添加剤には、製紙工程のウェットエンドで添加されるデンプン組成物が含まれていてもよい。デンプン組成物は、インク浸透時間の増加、印刷インクの水平展開(lateral spread)の減少、およびイメージングやコントラストの向上を可能にする。さらにデンプン組成物は、紙の表面一体性(surface integrity)を向上させることができ、これにより、印刷や写真複写等に使用する際における紙むけを減少させる。
【0005】
紙に添加することができる他の成分としては、特殊粘土(specialty clays)、シリカ、およびその他の機能性微細粒子を含む微粒子が挙げられる。これら微粒子は、製紙機のウェットエンドで添加される場合が多い。製造する紙の種類や、上記スラリーの特性に応じ、種々の異なる微粒子を添加することができる。製紙中に微粒子を用いる上での問題の一つは、上記紙匹から紙を形成する過程において、上記微粒子の全てが上記紙匹上に保持されるわけではないということである。保持されなかった微粒子は、多くの場合、最終的には排出されてしまい、これらの粒子が使用されないことからコスト高となる。したがって、粒子の歩留りを向上させることが望ましい。
【0006】
ろ水性、すなわち脱水能力もまた、紙の製造において重要視すべき事項である。これは、ろ水性が、製紙機がいかに速く紙匹から水分を除去できるかに関連しているためである。一般に、脱水能力が向上すれば製紙機の速度は速くなり、紙の生産速度が速くなる。紙製造業者は、経済的に可能な最高速度において、製品品質を損なうことなく、ワイヤ上にある繊維および粒子状物質を全て保持しようとしばしば試みる。しかしながら、多くの場合、紙製造業者は、製品品質を維持しようとすると、ろ水性の向上には限界があるという事実に直面する。したがって、高品質な紙を高速で製造できるような高ろ水性値とすることが望ましい。
【0007】
紙製造業者および紙原料成分の供給業者は高い歩留りやろ水性が望ましいという事実を認識してはいるが、製紙システムが全て似通っているわけではなく、かなりのばらつきが見られるということが、品質が一定かつ良好な紙を製造する上で大きな問題となっている。このようなばらつきは、完成紙料に含まれる成分の変化や、製紙設備の多様性に起因している可能性がある。このようなばらつきにより、粒子歩留りおよびろ水性が変化するため、高品質な紙を高速で生産することが困難となり得る。
【0008】
現在、上記製紙用スラリーに添加される成分のほとんどが、特定の条件下での使用のために最適化されている。このことは、例えば、製紙工程のウェットエンドに添加されるデンプン組成物に関しても言える。残念ながら、ほとんどの製紙設備における条件は、成分およびシステムの変化に伴い、時が経つにつれて変化する。したがって、製紙条件が及ぶ範囲にわたり、十分なろ水性および粒子歩留りを可能にする改良が所望されている。
【0009】
[開示の概要]
本件開示は、デンプン、例えば、カチオン性架橋デンプン、および、製紙におけるこれらデンプンの使用に関する。より詳細には、本件開示は、デンプンおよび製紙機のウェットエンドでの加工過程におけるその使用に関する。本件開示の実行は、上記デンプンの特性を特定のウェットエンド系に合わせてカスタマイズする上で特に適しており、製紙機間でのウェットエンドのばらつきに応じた上記デンプンの特性の変更を可能にする。
【0010】
上記デンプンは、製紙工程においてデンプンの官能性(functionality)を調整することによって改質できる。上記デンプンの架橋の度合いを選択的に変更することによって、上記デンプンを含有する完成紙料のろ水性および歩留りが変化する。これにより、上記デンプンが使用される完成紙料の特性に応じて、より優れた性能が得られるように上記デンプンの特性を特化することが可能となる。
【0011】
上記デンプンを上記製紙機内の特定の条件に合わせて特化するため、上記デンプンの特性を、上記製紙機のウェットエンドでの使用直前にさらに調整してもよい。このようにして、上記デンプンを特化し、ろ水性および歩留りを向上させることができる。このようなカスタマイズは、例えば、上記ウェットエンドへの添加前に行う上記デンプン組成物の蒸煮の温度を変更することによって、上記デンプンを蒸煮(cooking)する時間を変更することによって、上記デンプンの蒸煮を行う圧力を変更することによって、および/または上記デンプンの固形分含有率を蒸煮前に変更することによって行われる。これらパラメータの調整を、別々に、あるいは同時に行うことにより、上記デンプンの特性を変化させ、様々な製紙工程の特定の条件に適合させることができる。例えば、より高い温度またはより低い温度で蒸煮を行うことによって上記デンプンの特性が変化し、このように変化した特性を用いてウェットエンド性能を向上させることができる。
【0012】
本件開示の一実施形態(implementation)は、製紙方法を改良する方法である。上記方法には、水性スラリーに含まれるセルロース系繊維にデンプン組成物を添加したものを含有する製紙用完成紙料を準備することが含まれる。上記デンプン組成物は、一般的には架橋カチオン性デンプンである。上記デンプンは、上記製紙用完成紙料に添加する前に蒸煮されるが、その蒸煮温度は一般的には華氏330度(166℃)未満、より一般的には華氏180度〜250度(82℃〜121℃)、さらに一般的には華氏220度(104℃)未満または華氏230度(110℃)未満である。このような蒸煮温度は、一般的には、一定期間内に測定された2以上の温度の平均値に相当する平均蒸煮温度である。
【0013】
ナノ粒子を含む微粒子もまた、ろ水性や歩留りのような機械性能を向上させるため、上記製紙用完成紙料に含有させられる。これら微粒子の平均粒径は、一般的には1.0ミクロン(1.0μm)未満、より一般的には0.1ミクロン(0.1μm)未満である。好適な微粒子としては、例えば、各種シリカおよび粘土が挙げられる。
【0014】
開示のカチオン性架橋デンプンは、一般的には、ウェットエンド添加剤として、pH範囲が約4.0〜約9.0である完成紙料にウェットエンドにおいて添加される。「ウェットエンド」という用語を含む一般的な紙の製造工程が、Pulp & Paper Manufacture, Vol. III, Papermaking and Paperboard Making, R. G. McDonald, editor, J. N. Franklin, tech. editor, McGraw Hill Book Co., 1970に記載されている。
【0015】
特定の実施形態においては、上述のデンプンおよび方法を用いて製紙用完成紙料の脱水を向上させている。上記完成紙料を製紙工程において脱水しながら、脱水率(dewatering rate)を評価する。脱水率が不十分であれば、上記デンプンの蒸煮温度を変更して脱水特性を変化させる。上記蒸煮温度の変更は、上記製紙用完成紙料の脱水性または一次通過歩留り(first pass retention)に変化をもたらすのに十分な変更とすべきである。上記温度の変更量は、一般的に華氏1度(0.56℃)より大きく、より一般的には華氏5度(2.8℃)以上である。特定の実施形態においては、上記変更量は華氏5度〜10度(2.8℃〜5.6℃)の範囲内である。ある実施形態では、上記変更量は華氏10度(5.6℃)以上である。また、蒸煮温度を変更する前の脱水性能、すなわちろ水性に応じ、ある実施形態においては蒸煮温度を上昇させ、その他の実施形態においては蒸煮温度を低下させている。
【0016】
また、温度を繰り返し変更し、変更後に紙の特性を評価することによって適切な温度変更量を求めることが必要である場合がある。このように温度を繰り返し変更することによって、完成紙料の特性の段階的な評価および調整が可能になる。例えば、脱水特性が不十分であるか、あるいは脱水特性の劣化が見られた場合、上記蒸煮温度を、まずある特定の温度(例えば、華氏5度(−15℃))にまで低下させればよい。この低下によって脱水特性が向上すれば、上記蒸煮温度をこの新たに設定した温度に保持すればよい。あるいは、上記蒸煮温度をさらに低下させ、脱水レベルのさらなる向上を図ってもよい。このさらに低下させた温度によって脱水特性が向上した場合、上記蒸煮温度をこのレベルに保持すればよい。(あるいは、さらに低下させてさらなる向上を図ってもよい)。しかしながら、このさらに低下させた温度によって脱水特性が向上しなかった場合は、上記温度を上昇させ、低下前のレベルに戻せばよい。あるいは、上記温度をある程度上昇させて、現在の温度と低下前の温度の間の温度に設定してもよい。
【0017】
初回の温度低下によって脱水特性が向上しなかった場合、上記蒸煮温度を上記初回の温度よりも高い温度に上昇させ、脱水特性が向上するかどうかを確認するのが一般的である。脱水特性が向上しなければ、蒸煮温度を上記初回の温度に戻すか、あるいは上記初回の温度と上記上昇させた温度の中間の温度に設定する。脱水特性が向上した場合は、上記上昇させた温度を保持するか、あるいは温度をさらに上昇させて、さらに高い温度を設定してもよい。
【0018】
上述のような方法あるいはこれに類似する方法により、デンプンの蒸煮温度を利用して、蒸煮によって得られるデンプンの特性を変化させ、これにより上記デンプンの特性を製紙機のウェットエンド特性に合わせて特化する。上記デンプンの蒸煮温度の調整による歩留りおよびろ水性の調整に加え、これらの特性は、上記デンプンの蒸煮を行う圧力の変更や、蒸煮前における上記デンプンの固形分含有率の変更によっても調整できる。例えば、上記デンプンは、ジェット蒸煮器(jet cooker)内で1平方インチ当たり100ポンド(6.9×10Pa)未満の圧力で蒸煮されること、および10%未満の固形分含有率で上記ジェット蒸煮器に添加されることが一般的である。上記圧力または上記固形分含有率を変更することによって、上記デンプン組成物を、上記デンプン組成物が添加される上記ウェットエンド完成紙料の特定の特性に適合するように特化することが可能である。
【0019】
上記ウェットエンド性能を向上させるため、上記温度、圧力、および固形分レベルをそれぞれ別々に調整することが可能なだけでなく、これらを同時に調整してデンプンの特性を変更することも可能である。例えば、これら3つのパラメータを全て変更してもよいし、上記温度と圧力とを変更してもよいし、上記温度と固形分含有とを変更してもよいし、あるいは上記圧力と固形分含有量とを変更してもよい。また、ろ水性および歩留り以外のウェットエンド特性を向上させることも可能であり、一例として、ろ水性および歩留りの向上に伴ってしばしば観察される伝送速度(line speed)の向上が挙げられる。
【0020】
さらに別の実施形態は、製紙方法を調整する方法を含む。上記方法は、上記製紙用完成紙料のろ水性または歩留りを向上させるためにデンプン組成物の蒸煮温度を調整することを必然的に伴う。上記方法は、セルロース系繊維と微粒子とを含む水性スラリーを含有する製紙用完成紙料を準備すること、および上記製紙用完成紙料に添加するために調製したデンプン組成物を準備することを含んでいる。上記デンプン組成物の一部を初期温度で蒸煮してから、上記製紙用完成紙料に添加する。次に、上記完成紙料を脱水してセルロース系繊維紙匹を形成する。上記水性スラリーの脱水率または粒子歩留り率の評価を行い、上記脱水率が不十分であった場合には、上記デンプン組成物の蒸煮温度を異なる温度に変更し、上記水性スラリーの脱水率を変化させる。
【0021】
上述の開示の概要は、本件開示の各実施形態について説明しようとしたものではない。このような説明は、図面および以下に記載する詳細な説明が意図するところである。
【0022】
[図面の簡単な説明]
本発明のその他の態様および利点は、以下に示す詳細な説明を読み、以下の図面を参照することによって明らかになる。
図1は、実施例のウェットエンドデンプンの粒度分布を示すグラフである。図示した実施例のウェットエンドデンプンのうち一方は架橋させたもの、もう一方は未架橋のものである。
図2は、様々なジェット蒸煮温度で蒸煮した、架橋カチオン性デンプンの平均粒径を示すグラフである。
図3は、実施例のウェットエンド添加剤の粒度分布を示すグラフである。
図4は、様々な温度で蒸煮した架橋カチオン性デンプンおよび非架橋カチオン性デンプンのろ水性を示すグラフである。
図5は、様々な温度で蒸煮した架橋カチオン性デンプンおよび非架橋カチオン性デンプンの粘度を示すグラフである。
図6は、様々な温度で蒸煮した架橋カチオン性デンプンおよび非架橋カチオン性デンプンの平均粒径を示すグラフである。
【0023】
本件開示は様々な変更例や変形例の形態で使用できるが、具体例を例示目的で示し、詳細に説明している。しかしながら、これは本件開示を記載の特定の実施形態に限定しようとするものではないことは理解されるべきである。それどころか、このような記載の目的は、特許請求の範囲において定義した本件開示の精神および請求範囲の範囲内に属する全ての変更例、均等物、変形例を包括することである。
【0024】
[詳細な説明]
本件開示は、カチオン性架橋デンプンを含むデンプンおよび製紙におけるこれらのデンプンの使用に関する。より詳細には、本件開示は、カチオン化された架橋デンプンおよび製紙機のウェットエンド系における上記デンプンの使用に関する。上記デンプンは、様々なウェットエンドの条件に合わせてカスタマイズでき、製紙機間におけるウェットエンドのばらつきに応じて変更することができる。
【0025】
本件開示の一態様においては、カチオン化した後で架橋化したカチオン性デンプンを、紙製造時に紙パルプまたは完成紙料に添加する。上記デンプンは、製紙機のウェットエンドへの添加前に蒸煮するが、例えば、粒子歩留りやろ水性のようなウェットエンド完成紙料の特性を向上させるため、蒸煮パラメータの調整を行う。このようにして、上記デンプンの特性を、上記製紙機のウェットエンドにおける特定の条件に合うようにカスタマイズする。
【0026】
以下に示す詳細な説明には、特定のデンプン組成物、上記デンプン組成物の特性を製紙工程の条件に合うように調整する方法、およびろ水性の向上や一次通過歩留りおよび微粒子歩留りの向上を含む、製紙性能の向上に関する記載が含まれている。
【0027】
A. 改質可能なデンプン組成物
第1の態様において、本件開示は、紙の製造におけるウェットエンド段階での使用に適したデンプン組成物に関する。開示のデンプン組成物は、蒸煮時に改質できるという特性を有し、製紙工程中に性能を向上させる。
【0028】
上記デンプンは、トウモロコシ(例えば、もち性トウモロコシ(waxy corn)またはデントコーン)、ジャガイモ、モロコシ、タピオカ、コムギ、コメ等のデンプンを含む、種々のデンプンの中から選択できる。上記デンプンとしてはトウモロコシデンプンが好ましく、一般的にはデントコーンデンプン、より一般的にはカチオン化したデントコーンデンプンが用いられる。上記デンプンは、架橋化を起こさせるために、ヒドロキシル基またはその他の官能基を有している必要がある。架橋の度合いが関係するその他の特性、すなわち、粘度、置換レベル、および粒径について以下に述べる。
【0029】
上記デンプンの架橋化は、一般的に、上記デンプンのヒドロキシル官能基と反応する架橋剤を用いて行われる。架橋デンプンは、非架橋デンプンと比べて広い粒径範囲を有する。粒径範囲が広くなれば、ウェットエンド性能をより向上させやすくなる。また、使用理論にかかわらず、デンプンの粒径が完成紙料に含まれる他の粒子の粒径と高い相関関係を示す場合には、性能が向上すると考えられる。上記デンプン粒子は上記紙繊維よりも小さく、かつ添加剤微粒子よりも大きくてもよいが、各種粒子(繊維、デンプン、および微粒子)の粒径間には、何らかの関係が存在すると考えられる。
【0030】
図1には、非架橋カチオン性デントコーンデンプンの粒系分布を、架橋カチオン性デントコーンデンプンの粒系分布と比較して示したグラフが示されている。上記非架橋カチオン性デントデンプンの粒度分布は狭いが、上記架橋カチオン性デンプンの粒度分布は広い。このようなより広範囲な分布によって、上記ウェットエンド完成紙料の粒子と上記デンプンの粒子との間で粒子同士の衝突が起きる可能性が高まり、この結果、上記微粒子の歩留りが向上すると考えられる。
【0031】
上記デンプンは、架橋剤を用いて調製される。上記架橋剤は、エポキシドまたは無水物のような官能基が上記デンプンのヒドロキシル基と反応する多官能性の有機または無機化合物であってもよい。上記デンプンは、ポリアミンポリエポキシド樹脂のようなポリエポキシド化合物、オキシ塩化リン(phosphorousoxychloride)、1,4ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジアンヒドリド、アセタール、および多官能性シランにより架橋できる。上記架橋剤は、トリメタリン酸ナトリウム塩(sodium trimetaphosphate)であってもよい。これらの架橋剤および他の好適な架橋剤ならびに架橋方法が、米国特許第3,790,829号、第3,391,018号、第 3,361,590号、および第5,122,231号に記載されている。これらの米国特許は引用により本明細書に組み込まれている。
【0032】
[デンプンの粘度]
一般に、架橋の度合いは、デンプンの粘度に実質的に関連している。したがって、粘度の変化は、部分的には架橋の度合いを変更することによって引き起こすことが可能である。架橋の量は、時間や架橋剤の種類、および反応条件の関数であり、特定範囲内の粘度とするため、これら全てを選択する。
【0033】
カチオン性架橋デンプンは、一般的に、高温ペースト粘度(hot paste viscosity)が約10cps〜約3000cpsの範囲、一般的には約50cps〜約3000cpsの範囲、好ましくは約200cps〜約3000cpsの範囲になるまで架橋される。上記粘度は、引用により本明細書に組み込まれている米国特許第5,122,231号に記載の方法により、21番スピンドルを使用し、デンプン固形分2.0%、95℃、20rpmの条件でB型粘度計(Brookfield viscometer)で測定したものである。
【0034】
あるいは、高粘度デンプンの測定精度が劣る場合があるが、米国特許第5,368,690号に開示の方法論に従い、下降粘度(breakdown viscosity)を用いて上記デンプンの粘度を測定することもできる。百分率で表した下降粘度は、一般的には85%より大きく、より一般的には90%より大きい。好ましい実施形態においては、下降粘度は95%より大きい。
【0035】
[デンプンの置換レベル]
好適なデンプン組成物とは、水に溶解した際に正の電荷を有するカチオン性デンプンであることが望ましい。上記デンプンは、第4級アンモニウムイオンを含有することが好ましい。第4級アンモニウムイオンによれば、pHに関する融通性が高くなる。このような第4級アンモニウム含有デンプンは、ヒドロキシル基を適切なエーテル化剤でエーテル化することによって誘導されることが多い。上記エーテル化剤は、(3−クロロ−2ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、N−(2,3−エポキシプロピル)ジメチルアミンまたはN−(2,3−エポキシプロピル)ジブチルアミン、またはN−(2,3−エポキシプロピル)メチルアニリンのメチルクロリド四級塩(methyl chloride quaternary salt)のように、カチオンとしての性質を有している。
【0036】
本明細書中においては、置換の程度(DS)は、置換基によって誘導された、各アンヒドログルコース単位におけるヒドロキシル基の平均個数と定義する。上記DSは、カチオン化および架橋化されたデンプンにおける電荷の尺度となるものであり、各アンヒドログルコース単位のヒドロキシル基における一価のカチオンの平均個数に関連する。置換の程度についての概略的な説明が、STARCH: Chemistry and Technology, second edition, R. L. Whister, J. N. Bemiller, and E. F. Paschall, editors, Academic Press, Inc., 1984に記載されている。上記デンプンは、一般的には、置換程度(DS)が0.005より大きく0.100以下である範囲、より一般的には約0.030〜0.070の範囲になるまでカチオン化される。デンプンのDSは、0.030〜0.040の範囲であることが好ましい。
【0037】
デンプンのカチオン化は、公知の方法、例えば、上記デンプンをアルカリ性媒体中で第三級または第四級アミンと反応させ、続いてこれを中性化し、必要に応じて洗浄・乾燥することによって行える。Buikemaらの米国特許第4,146,515号およびIkedaらの米国特許第4,840,705号には、デンプンをカチオン化する公知の方法が記載されている。これらの米国特許は、引用により本明細書に組み込まれている。本件開示の一態様においては、トウモロコシデンプンのカチオン化を、水酸化ナトリウムを用いて調製したアルカリ性媒体中において上記デンプンを(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドと反応させ、モルで見たエーテルの置換程度(DS)が0.030〜0.040の範囲であるカチオン性の(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドデンプンエーテルを形成することによって行っている。
【0038】
[デンプンの粒径]
本件開示のデンプン組成物は、その粒径を、上記デンプン組成物の性質や、温度、圧力、固形分レベルを含む蒸煮の方法を利用して変更することが可能であるという利点を有する。したがって、最も有利な特性をウェットエンド完成紙料(wet end finish)に付与するために、上記粒径を変更することができる。上記デンプンの粒径は、粒度分布分析を用いて、例えば、LA910粒度分布アナライザー(LA910 size distribution analyzer)を含む、堀場製作所社(Horiba, Inc.)製の粒度分布アナライザーが採用しているミー散乱理論(Mie scattering theory)を用いて求めることができる。ミー散乱理論は、直径を直接測定するものではないが、少なくとも相対的な粒径を示す。
【0039】
図2には、本件開示に従って調製したデンプン組成物の粒度分布の例が示されている。架橋デンプンに関しては、蒸煮温度によって粒度分布が著しく変化している。図2に示す例においては、華氏約190度(88℃)から華氏265度(129℃)までの蒸煮温度の変化に伴い、上記平均粒径が変化している。最大粒径は、低蒸煮温度で得られる。蒸煮温度を変更することによって平均粒径を変化させ、これにより上記デンプンが添加される特定のウェットエンド完成紙料に合わせて上記粒径を厳密に特化することが可能になる。
【0040】
B. 微粒子成分
上記製紙用完成紙料には、微粒子も含有させられる。上記微粒子は、一般的にろ水性の向上を助け、凝集剤(flocculent)として機能し得る。好適な微粒子としては、シリカおよび粘土が挙げられる。本件開示に従って上記ウェットエンド完成紙料に添加される微粒子の濃度は、最終紙製品の所望特性や、得られる歩留りレベルによって異なる。微粒子は、一般的には繊維1トンにつき5.0ポンド(2.3kg)未満、より一般的には繊維1トンにつき2.0ポンド(0.9kg)未満の濃度となるように添加される。
【0041】
上記微粒子の平均粒径は、一般的には1.0ミクロン(1.0μm)未満、より一般的には0.5ミクロン(0.5μm)未満である。コロイドシリカのようなろ水性改良剤の平均粒径は約0.1μmであることが多く、填料は1〜50μmであることが一般的であり、ラテックス集塊は、10〜100μmの範囲であり、繊維は200μm以上であることが多い。
【0042】
図3には、シリカ、二酸化チタン、沈降炭酸カルシウム(precipitated calcium carbonate)(PCC)、および白水を含む典型的なウェットエンド成分の粒度分布を示している。図示しているように、粒子の種類によって粒径が異なる。シリカの粒径は約0.10μm、二酸化チタンの平均粒径は約0.8μmであり、0.5〜1.0μmの範囲内である。PCCは、約1.0μmから10μmを超える範囲である。白水は、1.0μm未満から10μmを超える範囲までと広範囲にわたっている。微粒子の添加量に応じ、上記デンプン組成物を調整してろ水性および粒子歩留りを最適化すべきである。また、各種微粒子の粒径に応じて、上記デンプンの粒径を調整することがしばしば必要である。このことは、上記微粒子の粒径が、粒径または濃度の意図的な変更または上記製紙用完成紙料中での偶発的な変化により、製紙過程において変化した場合にもあてはまる。
【0043】
C.デンプン調製の条件
本件開示によれば、紙製造業者は、デンプン組成物の蒸煮を、粒径および粒度分布を含むその特性が、ウェットエンドにおける粒子状物質の粒径および粒度分布を含む、上記紙製造業者の一般的なウェットエンド特性に合わせて最適化されるような方法で行うことができる。また、理論にかかわらず、上記デンプン組成物の粒径の変動は、ろ水性および歩留りの変化と相関すると考えられる。上記デンプンの粒径が、上記デンプンに添加された無機粒子および有機粒子(例えば、繊維、ラテックス)の粒径と適切に相関していれば、上記完成紙料の様々な特性の中でも特に、ろ水性および歩留りを向上させることができる。上述した広範なデンプンの粒径範囲は、上記紙製造業者のデンプン蒸煮器で取り扱うことができる。上記粒径および粒径の数(particle size population)を上記紙製造業者のウェットエンドに合わせて変化させる能力により、より優れた歩留りおよびろ水性を得ることが可能になる。
【0044】
D.デンプン組成物の特性の調整方法
[蒸煮温度の変更]
第1の実施形態において、上記デンプンの蒸煮温度、特に、上記デンプンをジェット蒸煮する温度を変更することによって、上記デンプンの特性を変更している。特定の実施形態において、改良したデンプンと蒸煮温度の調整方法を用いて製紙用完成紙料の脱水性および/または微粒子の歩留りを向上させている。上記完成紙料を製紙工程において脱水しながら、脱水率を評価する。脱水率が不十分であれば、上記デンプンの上記蒸煮温度を変更し、上記脱水特性を変化させる。
【0045】
上記蒸煮温度の変更は、上記製紙用完成紙料の脱水性または一次通過歩留りに変化をもたらすのに十分な変更とすべきである。したがって、温度変化の大きさは、上記製紙用完成紙料の特性に影響を及ぼすのに十分なものである必要がある。上記温度の変更量は、一般的に華氏1度(0.56℃)より大きく、より一般的には華氏5度(2.8℃)以上である。特定の実施形態においては、上記変更量は華氏5度〜10度(2.8℃〜5.6℃)の範囲である。ある実施形態では、上記変更量は華氏10度(5.6℃)以上である。また、蒸煮温度を変更する前の脱水性、すなわちろ水性に応じ、ある実施形態においては蒸煮温度を上昇させ、その他の実施形態においては蒸煮温度を低下させている。
【0046】
ある特定の実施形態において、上記製紙方法は、デンプン成分を蒸煮する工程と、完成紙料を脱水する工程と、その後に行われる、上記デンプン成分の蒸煮温度を変更することによって脱水率を調整する工程とを含む。第1の工程である上記デンプン成分の蒸煮は、21番スピンドルを使用し、デンプン固形分2.0%、95℃、20rpmの条件でB型粘度計で測定した高温ペースト粘度が50cps〜3000cpsの範囲であるカチオン化された架橋デンプンを、華氏330度(166℃)未満である第1の平均蒸煮温度で第1の所定時間にわたって蒸煮することを含む。得られた完成紙料は、水性スラリーに含まれるセルロース系繊維と、平均粒径1ミクロン(1μm)以下の粒子を50重量%以上含む無機粒子と、蒸煮されたデンプン成分とを含んでいる。脱水率は、上記デンプン組成物を、上記第1の平均蒸煮温度とは華氏10度(5.6℃)以上異なる第2の温度で蒸煮することによって調整される。特定の実施形態において、上記第2の平均蒸煮温度は華氏200度〜250度(93℃〜121℃)であり、その他の実施形態においては上記第2の平均蒸煮温度は華氏230度(110℃)未満である。上記微粒子は、シリカ、粘土、およびこれらを組み合わせたものを含んでいてもよい。
【0047】
追加の工程として、粒子歩留りを求め、温度を変更して歩留りを調整することが含まれていてもよい。上記デンプン組成物は、ジェット蒸煮器内において、1平方インチ当たり150ポンド(1.0×10Pa)未満の圧力で蒸煮されてもよい。特定の実施形態において、上記デンプンは、固形分含有量が1%〜10%の範囲になるように上記ジェット蒸煮器に添加される。
【0048】
上記完成紙料の特性は複雑であるため、温度を繰り返し変更し、変更後に紙の特性を評価することによって適切な温度変更量を求めることが必要である場合がある。これらの変更に伴って、これらの変更によって歩留り、ろ水性、またはその他の紙特性(paper products)が向上するかどうかを確認するための初期蒸煮温度の調整が行われる。このような変更は、上記特性が好ましい範囲に近づくまで上記蒸煮温度を調整することによってデンプンの特性を最適化するために行われる。
【0049】
例えば、脱水特性が不十分であるか、あるいは脱水特性の劣化が見られた場合、上記蒸煮温度を、まずある特定の温度(例えば、華氏5度(−15℃))にまで低下させればよい。この低下によって脱水特性が向上すれば、上記蒸煮温度をこの新たに設定した温度に保持すればよい。あるいは、上記蒸煮温度をさらに低下させ、脱水レベルのさらなる向上を図ってもよい。このさらに低下させた温度によって脱水特性が向上した場合、上記蒸煮温度をこのレベルに保持すればよい。(あるいは、さらに低下させてさらなる向上を図ってもよい)。しかしながら、このさらに低下させた温度によって脱水特性が向上しなかった場合は、上記温度を上昇させ、低下前のレベルに戻せばよい。
【0050】
あるいは、上記温度をある程度上昇させて、現在の温度と低下前の温度の間の温度に設定してもよい。初回の温度低下によって脱水特性が向上しなかった場合、上記蒸煮温度を上記初回の温度よりも高い温度に上昇させ、脱水特性が向上するかどうかを確認するのが一般的である。脱水特性が向上しなければ、蒸煮温度を上記初回の温度に戻すか、あるいは上記初回の温度と上記上昇させた温度の中間の温度に設定する。脱水特性が向上した場合は、上記上昇させた温度を保持するか、あるいは温度を再度上昇させてもよい。このようにして、デンプンの蒸煮温度を利用して、蒸煮によって得られるデンプンの特性を変化させ、これにより上記デンプンの特性を製紙機のウェットエンド特性に合わせて特化する。
【0051】
[蒸煮圧力の変更]
別の実施形態において、上記デンプンの蒸煮圧力、特に、上記デンプンをジェット蒸煮する圧力を変更することによって、上記デンプンの特性を変更している。上記完成紙料を製紙工程において脱水しながら、脱水率または歩留り率を評価する。脱水率または歩留り率が不十分であれば、上記デンプンの蒸煮圧力を変更し、上記脱水特性または歩留りを変化させる。上記蒸煮圧力の変更は、上記製紙用完成紙料の脱水性または一次通過歩留りに変化をもたらすのに十分な変更とすべきである。
【0052】
上記圧力の変更量は、一般的に少なくとも1psi(6.9×10Pa)より大きく、より一般的には5psi(3.4×10Pa)より大きい。特定の実施形態においては、上記変更量は10psi〜60psi(6.9×10Pa〜4.1×10Pa)の範囲である。ある実施形態では、上記変更量は約20psi(1.4×10Pa)以上である。また、蒸煮圧力を変更する前の脱水性、すなわちろ水性に応じ、ある実施形態においては蒸煮圧力を上昇させ、その他の実施形態においては蒸煮圧力を低下させている。
【0053】
ある特定の実施形態において、上記製紙方法は、デンプン成分を蒸煮する工程と、完成紙料を脱水する工程と、その後に行われる、上記デンプン成分の蒸煮圧力を変更することによって脱水率を調整する工程とを含む。第1の工程である上記デンプン成分の蒸煮は、21番スピンドルを使用し、デンプン固形分2.0%、95℃の条件でB型粘度計によって測定した高温ペースト粘度が約10cps〜約3000cpsの範囲、より一般的には50cps〜3000cpsの範囲、好ましくは200cps〜約3000cpsの範囲であるカチオン化された架橋デンプンを蒸煮することを含む。
【0054】
得られた完成紙料は、水性スラリーに含まれるセルロース系繊維と、平均粒径1ミクロン(1μm)以下の粒子を50重量%以上含む無機粒子と、蒸煮されたデンプン成分とを含んでいる。脱水率は、上記デンプン組成物を、上記第1の平均蒸煮圧力とは10psi(6.9×10Pa)以上異なる第2の圧力で蒸煮することによって調整される。
【0055】
追加の工程として、粒子歩留りを求め、圧力を変更して歩留りを調整することが含まれていてもよい。特定の実施形態において、上記デンプンは、固形分含有量が1%〜10%の範囲になるように上記ジェット蒸煮器に添加される。
【0056】
上記完成紙料の特性は複雑であるため、圧力を繰り返し変更し、変更後に紙の特性を評価することによって適切な圧力変更量を求めることが必要である場合がある。これらの変更に伴って、これらの変更によって歩留り、ろ水性、またはその他の紙特性(paper products)が向上するかどうかを確認するための初期蒸煮圧力の調整が行われる。このような変更は、上記特性が好ましい範囲に近づくまで上記蒸煮圧力を調整することによってデンプンの特性を最適化するために行われる。
【0057】
例えば、脱水特性または歩留りが不十分であるか、あるいはこれら特性の劣化が見られた場合、上記蒸煮圧力を、まずある特定の圧力(例えば、10psi(6.9×10Pa))にまで低下させればよい。この低下によって脱水特性または歩留りが向上すれば、上記蒸煮圧力をこの新たに設定した圧力に保持すればよい。あるいは、上記蒸煮圧力をさらに低下させ、脱水または歩留りレベルのさらなる向上を図ってもよい。このさらに低下させた圧力によって脱水特性が向上した場合、上記蒸煮圧力をこのレベルに保持すればよい。(あるいは、さらに低下させてさらなる向上を図ってもよい)。しかしながら、このさらに低下させた圧力によって脱水特性が向上しなかった場合は、上記圧力を上昇させ、低下前のレベルに戻せばよい。あるいは、上記圧力をある程度上昇させて、現在の圧力と低下前の圧力の間の圧力に設定してもよい。
【0058】
初回の圧力低下によって脱水特性または歩留りが向上しなかった場合、上記蒸煮圧力を上記初回のpsiよりも高い圧力に上昇させ、脱水特性または歩留りが向上するかどうかを確認するのが一般的である。上記特性が向上しなければ、蒸煮圧力を上記初回の圧力に戻すか、あるいは上記初回の圧力と上記上昇させた圧力の中間の圧力に設定する。上記特性が向上した場合は、上記上昇させた圧力を保持するか、あるいは上記圧力を再度上昇させて、さらに高い圧力を設定してもよい。上述のような方法あるいはこれに類似する方法により、デンプンの蒸煮圧力を利用して、蒸煮によって得られるデンプンの特性を変化させ、これにより上記デンプンの特性を製紙機のウェットエンド特性に合わせて特化する。
【0059】
[固形分レベルの変更]
さらに別の実施形態において、上記デンプンの蒸煮を行う固形分レベル、特に、上記デンプンのジェット蒸煮を行う固形分レベルを変更することによって、上記デンプンの特性を変更している。特定の実施形態において、改良したデンプンおよび方法を用いて製紙用完成紙料の脱水性および/または微粒子の歩留りを向上させている。上記完成紙料を製紙工程において脱水しながら、脱水率を評価する。脱水率が不十分であれば、上記デンプンの上記固形分レベルを変更し、上記脱水特性を変化させる。
【0060】
上記固形分レベルの変更は、上記製紙用完成紙料の脱水性または一次通過歩留りに変化をもたらすのに十分な変更とすべきである。上記固形分レベルの変更量は、一般的に1%より大きく、より一般的には2%より大きい。特定の実施形態においては、上記変更量は3%〜10%の範囲である。ある実施形態では、上記変更量は約5%以上である。また、固形分レベルを変更する前の脱水性、すなわちろ水性に応じ、ある実施形態においては固形分レベルを上げ、その他の実施形態においては固形分レベルを下げている。
【0061】
ある特定の実施形態において、上記製紙方法は、デンプン成分を蒸煮する工程と、完成紙料を脱水する工程と、その後に行われる、上記デンプン成分の固形分レベルをジェット蒸煮器内での蒸煮前に変更することによって脱水率を調整する工程とを含む。第1の工程である上記デンプン成分の蒸煮は、カチオン化された架橋デンプンをジェット蒸煮器内で蒸煮することを含む。蒸煮前の上記デンプン成分は、21番スピンドルを使用し、デンプン固形分2.0%、95℃、20rpmの条件で少量サンプル用B型粘度計システム(Small Sample Brookfield Viscometer System)(SSB)によって10分後に測定した高温ペースト粘度が約10cps〜約3000cpsの範囲、より一般的には50cps〜3000cpsの範囲、好ましくは200cps〜約3000cpsの範囲である。得られた完成紙料は、水性スラリーに含まれるセルロース系繊維と、平均粒径1ミクロン(1μm)以下の粒子を50重量%以上含む無機粒子と、蒸煮されたデンプン成分とを含んでいる。脱水率は、上記デンプン組成物を、上記第1の平均固形分レベルとは1%以上異なる第2の固形分レベルで蒸煮することによって調整される。
【0062】
特定の実施形態において、上記第2の平均固形分レベルは5%〜6%であり、その他の実施形態においては上記第2の平均固形分レベルは5%未満である。上記微粒子は、シリカ、粘土、およびこれらを組み合わせたものを含んでいてもよい。
【0063】
追加の工程として、粒子歩留りを求め、固形分レベルを変更して歩留りを調整することが含まれていてもよい。上記デンプン組成物は、ジェット蒸煮器内において、1平方インチ当たり10〜30ポンド(6.9×10〜2.1×10Pa)の圧力で蒸煮されてもよい。特定の実施形態において、上記デンプンは、華氏200度〜300度(93℃〜149℃)の温度で蒸煮される。
【0064】
上記完成紙料の特性は複雑であるため、固形分レベルを繰り返し変更し、変更後に紙の特性を評価することによって適切な固形分レベル変更量を求めることが必要である場合がある。これらの変更に伴って、これらの変更によって歩留り、ろ水性、またはその他の紙特性(paper products)が向上するかどうかを確認するための初期固形分レベルの調整が行われる。このような変更は、上記特性が好ましい範囲に近づくまで上記固形分レベルを調整することによってデンプンの特性を最適化するために行われる。
【0065】
例えば、脱水特性が不十分であるか、あるいは脱水特性の劣化が見られた場合、上記固形分レベルを、まずある特定の量だけ低下させればよい。この低下によって脱水特性が向上すれば、上記固形分レベルをこの新たに設定した固形分レベルに保持すればよい。あるいは、上記固形分レベルをさらに低下させ、脱水レベルのさらなる向上を図ってもよい。このさらに低下させた固形分レベルによって脱水特性が向上した場合、上記固形分レベルをこのレベルに保持すればよい。(あるいは、さらに低下させてさらなる向上を図ってもよい)。しかしながら、このさらに低下させた固形分レベルによって脱水特性が向上しなかった場合は、上記固形分レベルを上昇させ、低下前のレベルに戻せばよい。あるいは、上記固形分レベルをある程度上昇させて、現在の固形分レベルと低下前の固形分レベルの間のレベルに設定してもよい。
【0066】
D.製紙性能の向上
いくつかの条件の下で、例えば、走行性アップセット(runability upsets)の個数を低減すること等によって、製紙機の性能が向上し、紙製造業者が生産スループット(production throughput)を増加させることが可能になる。スループットの増加は、性能仕様に適合しない紙の量が減少し、紙スラリーのろ水性が向上し、さらに機械の速度が向上した結果起こり得る。
【0067】
上記デンプンは蒸煮され、セルロース系繊維を含有するウェットエンド完成紙料に添加される。上記完成紙料は、硬木繊維、軟木繊維、または硬木繊維/軟木繊維を混合したものを含有していてもよい。上記カチオン性架橋デンプンの添加は、湿ったパルプを乾燥した紙匹またはシートへと変換する前を含む、製紙工程における様々な時点で行える。したがって、上記繊維への上記カチオン性架橋デンプンの添加は、例えば、上記繊維がヘッドボックス、ビーター、ハイドロパルパー、またはストックチェストにあるときに行える。上記完成紙料は、添加剤、染料、および/または、例えば、粘土、CaCO、ミョウバン等のような填料を含有していてもよい。有利なことに、本件開示によれば、より多くの量のデンプンおよび填料を、より高価なセルロース系繊維の代わりに用いることができ、これにより、微粉(fines)および填料の歩留りがより高い、強度が向上した紙を、より安価な材料を用い、かつより短い工程所要時間で製造することが可能になる。
【0068】
E.実施例
蒸煮特性を変化させたことによる歩留り、ろ水性、および粘度の変化への影響を比較するため、架橋および非架橋カチオン性デントコーンデンプンを使用して紙料(paper stock)を調製した。上記デンプンを、乾燥した木材繊維1トンにつき、30ポンド(14kg)それぞれ添加した。上記デンプンの蒸煮温度は華氏192度〜265度(89℃〜129℃)とし、固形分レベルは1.28〜1.39%に保った。上記デンプンの平均粒径を、堀場製作所社製粒度分布アナライザーLA910モデル(LA910 Horiba Particle Size Distribution analyzer)を用いて測定し、ろ水性を動的ろ水性ジャー法(Dynamic Drainage Jar procedure)を用いて測定した。調製物についての詳細を、下記表1および2にまとめている。
【0069】
【表1】
Figure 2004506819
【0070】
【表2】
Figure 2004506819
【0071】
上記2種類のデンプンにおける製紙特性の違いを、図4、図5、および図6に示している。これらの図は、様々なジェット蒸煮温度で蒸煮した架橋カチオン性デントコーンデンプンおよび非架橋カチオン性デントコーンデンプンのろ水性、粘度、および粒度分布をそれぞれ示している。図4に示すように、上記架橋カチオン性デンプンにおいては、華氏約200度〜260度(93℃〜127℃)の温度範囲において、華氏約230度(110℃)をピークとして動的ろ水性(dynamic drainage)が見られた。これとは対照的に、本実施例においては、上記非架橋カチオン性デンプンは、比較的平坦なろ水性を(上記架橋カチオン性デンプンよりも低いレベルにおいて)示した。
【0072】
さらに、図5に示すように、架橋カチオン性デンプンにおいては、広い温度範囲にわたって粘度の変化が見られた。図5に示した例においては、上記架橋カチオン性デンプンの粘度は、蒸煮温度が低い場合に最も高く、蒸煮温度が高い場合に最も低かった。上記温度範囲は、華氏約200度(93℃)から265度(129℃)にまで及んでいた。上記非架橋カチオン性デンプンにおいては、同一の温度範囲内で著しい粘度の変化は見られなかった。
【0073】
図6には、架橋カチオン性デンプンを使用した場合における広範なジェット蒸煮範囲にわたる粒度分布の変化を、非架橋カチオン性デンプンを使用した場合と比較して示している。上記粒度分布は、低ジェット蒸煮温度において最大であり、温度の上昇と共に小さくなっていた。全体的に、上記非架橋デンプンにおける粒度分布の変化の程度は、同一の温度範囲においてかなり小さかった。
【0074】
これらの例は、蒸煮温度の範囲においてデンプンの特性が変化することを証明している。特に、これらの例は、蒸煮温度を変更することにより、ろ水性および歩留りが変化することを証明している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のウェットエンドデンプンの粒度分布を示すグラフである。図示した実施例のウェットエンドデンプンのうち一方は架橋させたもの、もう一方は未架橋のものである。
【図2】様々なジェット蒸煮温度で蒸煮した、架橋カチオン性デンプンの平均粒径を示すグラフである。
【図3】実施例で使用したウェットエンド添加剤の粒度分布を示すグラフである。
【図4】様々な温度で蒸煮した架橋カチオン性デンプンおよび非架橋カチオン性デンプンのろ水性を示すグラフである。
【図5】様々な温度で蒸煮した架橋カチオン性 デンプンおよび非架橋カチオン性デンプンの粘度を示すグラフである。
【図6】様々な温度で蒸煮した架橋カチオン性デンプンおよび非架橋カチオン性デンプンの平均粒径を示すグラフである。

Claims (19)

  1. a)21番スピンドルを20rpmで使用し、固形分レベル2%、約95℃でB型粘度計によって測定した高温ペースト粘度が約10cps〜約3000cpsの範囲であるカチオン化された架橋デンプンを含むデンプン成分を準備する工程と、
    b)上記デンプン成分の第1の部分を、華氏330度(166℃)未満である第1の平均蒸煮温度で第1の所定時間にわたって蒸煮(cooking)し、蒸煮済みデンプン成分を生成する工程と、
    c)水性スラリーに含まれるセルロース系繊維(i)と、平均粒径1ミクロン(1μm)以下の粒子を50重量%以上含む無機粒子(ii)と、上記蒸煮済みデンプン成分(iii)とを含む完成紙料を脱水する工程と、
    d)上記デンプン成分の第2の部分を、上記第1の平均蒸煮温度とは華氏10度(5.6℃)以上異なる第2の平均蒸煮温度で蒸煮することにより、脱水率を調整する工程とを有する製紙方法。
  2. 上記第2の平均蒸煮温度が、華氏200度〜250度(93℃〜121℃)である請求項1に記載の方法。
  3. 上記第2の平均蒸煮温度が、華氏230度(110℃)未満である請求項1に記載の方法。
  4. 上記微粒子が、シリカ、粘土、およびこれらを組み合わせたものからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  5. 粒子歩留りを求め、温度を変更して歩留りを調整することをさらに含む請求項1に記載の方法。
  6. 上記デンプン組成物をジェット蒸煮器(jet cooker)内において蒸煮する請求項1に記載の方法。
  7. 上記カチオン化された架橋デンプンがデントコーンデンプン(dense corn starch)を含む請求項1に記載の方法。
  8. 上記デンプンを、ジェット蒸煮器内で1平方インチ当たり100ポンド(6.9×10Pa)未満の圧力で蒸煮する請求項6に記載の方法。
  9. 上記デンプンを、固形分含有量が1%〜10%になるように上記ジェット蒸煮器に添加する請求項1に記載の方法。
  10. 請求項1の方法で製造した紙製品。
  11. a)21番スピンドルを20rpmで使用し、固形分レベル2%、約95℃でB型粘度計によって測定した高温ペースト粘度が約10cps〜約3000cpsの範囲であるカチオン化された架橋デンプンを含むデンプン成分を準備する工程と、
    b)上記デンプン成分の第1の部分を、華氏330度(166℃)未満である第1の平均蒸煮温度で第1の所定時間にわたって蒸煮し、蒸煮済みデンプン成分を生成する工程と、
    c)水性スラリーに含まれるセルロース系繊維(i)と、平均粒径1ミクロン(1μm)以下の粒子を50重量%以上含む無機粒子(ii)と、上記蒸煮済みデンプン成分(iii)とを含む完成紙料を脱水する工程と、
    d)上記デンプン組成物の第2の部分を、上記第1の平均蒸煮温度とは華氏10度(5.6℃)以上異なる第2の平均蒸煮温度で蒸煮することにより、脱水中における一次通過歩留り(first pass retention)を調整する工程とを有する製紙方法。
  12. 上記第1の平均蒸煮温度が、華氏200度〜250度(93℃〜121℃)である請求項11に記載の方法。
  13. 上記第1の平均蒸煮温度が、華氏230度(110℃)未満である請求項11に記載の方法。
  14. 上記微粒子が、シリカ、粘土、およびこれらを組み合わせたものからなる群から選択される請求項11に記載の方法。
  15. 粒子歩留りを求め、温度を変更して歩留りを調整することをさらに含む請求項11に記載の方法。
  16. 上記デンプン組成物をジェット蒸煮器内において蒸煮する請求項11に記載の方法。
  17. 上記デンプンを、ジェット蒸煮器内で1平方インチ当たり5〜30ポンド(3.5×10〜2.1×10Pa)の圧力で蒸煮する請求項16に記載の方法。
  18. 上記デンプンを、固形分含有量が1%〜3%になるように上記ジェット蒸煮器に添加する請求項16に記載の方法。
  19. 請求項11の方法で製造した紙製品。
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