JP2004505171A - 透明ポリカーボネートターポリマーを含む情報記録媒体 - Google Patents

透明ポリカーボネートターポリマーを含む情報記録媒体 Download PDF

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Abstract

本発明は、高密度光情報記録媒体での使用に特に適したターポリマーに関する。当該ターポリマーは、DVD記録型及び書換型媒体での使用に適している。本発明は、さらに、当該ターポリマーからDVD記録型及び書換型媒体を製造する方法に関する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばDVD記録型及び書換型材料などの高密度情報記録媒体に使用するのに適したポリカーボネートに関する。本発明は、さらに、これらのポリカーボネートから製造したDVD記録型及び書換型材料及びこれらのポリカーボネートからDVD記録型及び書換型材料を製造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリカーボネートその他のポリマー材料は、コンパクトディスクなどの光情報記録媒体に利用されている。光情報記録媒体では、ポリカーボネート樹脂が透明性、低い親水性、良好な加工性、良好な耐熱性及び低い複屈折などの良好な性能特性を有することが極めて重要である。高い複屈折は、高密度光情報記録媒体では特に望ましくない。
【0003】
情報記録密度の向上を始めとする光情報記録媒体の改良は極めて望ましく、かかる改良が達成されると、読取専用ディスク、追記型ディスク、書換型ディスク、デジタルバーサタイルディスク及び光磁気(MO)ディスクのような既存の最新コンピューター技術が改良されると期待される。
【0004】
CD−ROM技術の場合、読取られる情報はビスフェノールA(BPA)ポリカーボネートのような成形可能な透明プラスチック材料に直接刻まれる。情報はポリマー表面にエンボス加工した浅いピットの形態で記録される。表面は反射性金属膜でコートされ、ピットの位置と長さで表されたデジタル情報は低出力(5mW)集束レーザービームで光学的に読取られる。ユーザーはディスクから情報(デジタルデータ)を引出すことだけができ、データの変更又は追加は一切できない。すなわち、「読取り」は可能であるが、情報の「書込み」や「消去」はできない。
【0005】
追記型(WORM)ドライブの動作原理は、集束レーザービーム(20〜40mW)を用いてディスクの薄膜に恒久的な跡を付けることである。情報は、例えば反射率や吸光度のようなディスクの光学的性質の変化として読取られる。こうした変化は様々な形態をとることができ、「ホールバーニング」は蒸発、溶融又は剥離(レーザーアブレーションとも呼ばれる。)による材料(通常はテルルの薄膜)の除去であり、バブル又はピット形成は表面(通常は金属反射体のポリマーオーバーコート)の変形を伴う。
【0006】
CD−ROM及びWORMフォーマットは成功裡に開発され、特定の用途には十分適しているが、コンピューター産業では消去可能な光記録媒体(EOD)に関心が集中している。EODには、相変化型(PC)と光磁気型(MO)の2つのタイプがある。MO記録では、1ビットの情報は、上下いずれかの方向に磁化した直径約1μmの磁区として記録される。情報は、磁気膜表面から反射された光の偏光面の回転をモニターすることで読取ることができる。この回転は、磁気光学カー効果(MOKE)と呼ばれ、通例0.5度未満である。MO記録用の材料は一般に希土類及び遷移金属の非晶質合金である。
【0007】
非晶質材料は、「グレインノイズ」(つまり、多結晶質薄膜内の結晶粒のランダムな配向に起因する反射光の偏光面の疑似バラツキ)がないので、MO記録で極めて有利である。ビットの書込みは磁場の存在下でキュリー点Tc以上に加熱・冷却することで行われ、このプロセスは熱磁気書込みとして知られる。相変化材料では、情報は通例非晶質と結晶質の相状態の異なる領域に記録される。これらの薄膜は普通テルルの合金又は化合物であり、溶融と急冷とで非晶質状態にクエンチできる。薄膜は当初、結晶化温度以上に加熱して結晶化されている。大半の材料では、結晶化温度はガラス転移温度に近い。薄膜を短い高出力集束レーザーパルスで加熱すると、薄膜を溶融して非晶質状態にクエンチすることができる。非晶質スポットはデジタル「1」すなわち1ビットの情報を表すことができる。情報の読取りは、同じレーザーを低出力に設定してスキャンし、反射率をモニターすることによって行われる。
【0008】
WORM及びEOD技術の場合、記録層は透明な非干渉性シールド層で環境から隔てられる。かかる「リードスルー」光情報記録用途に選択される材料は、成形性、延性、一般の使用に適した丈夫さ、高温又は高湿度暴露時の変形耐性など個々の物性又はその組合せに卓越していなければならない。かかる材料は、記録デバイスから情報を取出したり追加したりする際に媒体を通過するレーザー光との干渉が最小限であるべきである。
【0009】
デジタルバーサタイルディスク(DVD)や短期又は長期情報保存用の高密度データディスクのような新技術に適合すべく光情報記録媒体における情報記録密度が増大するのに伴って、光情報記録デバイスの透明プラスチック成分に対する設計要件は次第に厳しくなっている。こうした多くの用途では、従前使用されていたBPAポリカーボネート材料のようなポリカーボネート材料は適していない。次第に短波長化しつつある現在及び将来の「読取・書込」波長で低い複屈折を示す材料が、光情報記録デバイス分野での多大な研究の対象とされている。
【0010】
低い複屈折だけでDVD記録型材料及び書換型材料用の材料の設計要件のすべてが満たされるわけではなく、高い透明性、耐熱性、低い吸水率、延性、高純度、及び不均質性や微粒子が少ないことも必要とされる。現在使われている材料はこれらの特性の1以上に欠けることが分かっており、新しい材料が必要とされている。
【0011】
ポリマー材料から成形した製品の複屈折は成分ポリマー鎖の配向及び変形に関連している。複屈折には、ポリマー材料の構造及び物性、ポリマー材料の分子配向の程度、及び加工ポリマー材料の熱応力を始めとする幾つかの原因がある。例えば、成形光学製品の複屈折は、そのポリマー成分の分子構造と、熱応力及びポリマー鎖の配向を生じる可能性のある製造時の加工条件(例えば金型充填及び冷却時に加わる力)とによってある程度定まる。
【0012】
そこで、ディスクで観察される複屈折は、固有の複屈折を左右する分子構造と、熱応力及びポリマー鎖の配向を生じる可能性のある加工条件とで決まる。具体的には、観察される複屈折は典型的には固有の複屈折に加えて光ディスクなどの製品の成形時に導入された複屈折の関数である。光ディスクで観察される複屈折は、通例、以下で詳しく説明する「面内複屈折」又はIBRと呼ばれる測定値を用いて定量化される。
【0013】
成形光ディスクでは、IBRは次の通り定義される。
【0014】
IBR=(n−nθ)d=Δn θd   (3)
式中、n及びnθはディスクの円柱座標軸r及びθに沿った屈折率であり、nは半径方向に偏光した光ビームで観察される屈折率であり、nθはディスクの平面に対してアジマス方向に偏光した光の屈折率である。ディスクの厚さはdで示される。IBRはデフォーカスマージンを支配しており、IBRの低減は機械的補正の不可能な諸問題の軽減につながる。IBRは最終光ディスクの特性の一つである。IBRは正式には「リターデーション」と呼ばれ、ナノメートルの単位を有する。
【0015】
DVD記録型及び書換型材料のような高い記録密度が必要とされる用途では、光学製品の製造に用いたポリマー材料の低複屈折及び低吸水率という性質が一段と重要性を増す。高情報記録密度化を達成するには、コンパクトディスクのような光学製品をレーザービームが通過するときの干渉が最小限となるように低い複屈折が必要とされる。
【0016】
DVD記録型及び書換型材料用の材料では、低い面内複屈折(特に好ましくは約±40nmシングルパス未満)、優れた溝構造複製性(特にスタンパーの約90%超)及びBPAポリカーボネートに比べて低減した吸水性が必要とされる。
【0017】
高情報記録密度用途(特にDVD記録型及び書換型材料)に必要とされる別の重要な特性はディスクの平坦度である。ディスクの平坦度は、射出成形プロセス直後のポリカーボネート基板の平坦度のみならず、高湿度環境暴露時の基板の寸法安定性に依存する。吸湿性が高すぎるとディスクが歪み、転じて信頼性の低下につながることが知られている。ディスクの大部分はポリマー材料からなるので、ディスクの平坦度はポリマー材料の吸水性の低さ及びポリマー材料中への水の拡散速度の低さに依存する。さらに、射出成形での高品質ディスクの生産には、ポリマーが容易に加工できなければならない。
【0018】
良好な光学的性質と良好な加工性を有し、高密度光記録媒体(特にDVD記録型及び書換型材料)での使用に適した組成物に対するニーズが存在する。ビスフェノールAのような上述の芳香族ジヒドロキシ化合物とSBIのような他のモノマーとの共重合で製造したポリカーボネートでは、妥当な複屈折を得ることができるが、ガラス転移温度及び溶融粘度が高すぎて加工特性に劣ることが多い。そのため、得られる成形品は耐衝撃性及びピット複製性が低い。さらに、かかるポリカーボネートの吸水性は高密度用途には向かない。
【0019】
【発明の概要】
本発明はこれらの問題を解決し、さらに驚くべき特性を提供する。本発明の上記その他の目的は、以下の説明及び特許請求の範囲の記載から一段と明瞭に理解できよう。
【0020】
一つの態様では、本発明は、下記構造単位A)、B)及びC)を含むターポリマーを含んでなる、高密度情報記録媒体での使用に適した材料に関する。
A)構造(I)のカーボネート構造単位
【0021】
【化10】
Figure 2004505171
【0022】
(式中、R又はRの少なくとも1つが3又は3′位にあることを条件として、R及びRはC〜Cアルキル基からなる群から独立に選択され、XはCHを表し、mは4〜7の整数であり、nは1〜4の整数であり、pは1〜4の整数であり、式(I)の構造単位はターポリマーの20〜80モル%、さらに好ましくは約40〜約60モル%をなす。)、
B)構造(II)のカーボネート構造単位
【0023】
【化11】
Figure 2004505171
【0024】
(式中、R18はハロゲン、水素、一価C〜C炭化水素基及び一価C〜C炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択され、R19はハロゲン、水素、一価C〜C炭化水素基及び一価C〜C炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択され、Wは置換又は非置換二価C〜C18炭化水素基、
【0025】
【化12】
Figure 2004505171
【0026】
からなる群から選択され、各nは0〜4の値を有する整数から独立に選択され、bは0又は1であり、構造単位(II)はターポリマーの約20〜約80モル%、好ましくは約40〜約60モル%をなす。)、及び
C)構造(V)の構造単位
【0027】
【化13】
Figure 2004505171
【0028】
(式中、ZはC〜C40枝分れ又は非枝分れアルキル基或いは枝分れ又は非枝分れシクロアルキル基であり、式(V)の構造単位はターポリマーの約0.5〜約10モル%をなす。)
このターポリマーは好ましくは約120〜約185℃のガラス転移温度Tg及び約0.33%未満の吸水率を有する。
【0029】
別の態様では、本発明は、データ記録層とそれに隣接した透明被覆層とを有する高密度情報記録媒体であって、データ記録層が透明被覆層に入射したエネルギー場をデータ層に入射する前に反射することができる高密度情報記録媒体に関する。具体的には、本発明のこの態様は、上記に規定する混和性の透明ブレンド組成物の薄い透明被覆層を有する情報記録媒体に関する。上述の通り、DVDは情報記録媒体である。DVDは通例2枚の基板を有しており、各々半径120mmで厚さ僅か0.6mmである。これらの基板を貼り合わせて両面型光学媒体を作る。
【0030】
本発明はさらにこれらの透明ブレンド組成物から情報記録媒体を製造する方法にも関する。本発明の一実施形態では、構造(I)は1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(BCC)残基であり、構造(II)はBPA残基であり、構造(III)はDDDA残基である。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明は、本発明の好ましい実施形態及びその実施例に関する以下の詳しい説明を参照することでさらに容易に理解できよう。
【0032】
本発明の組成物及び方法の開示に先だって、本発明は特定の合成方法又は特定の配合に限定されるものではなく、当然ながら様々な変更が可能であることを理解すべきである。また、本明細書中で用いる用語は特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、限定する意図はないものと理解されたい。
【0033】
本明細書及び特許請求の範囲では多くの用語を用いるが、以下の意味をもつものと定義される。
【0034】
単数形で記載したものであっても、前後関係から明らかでない限り、複数の場合も含めて意味する。
【0035】
「任意」又は「任意には」という用語は、その用語に続いて記載された事象又は状況が起きても起きなくてもよいことを意味しており、かかる記載はその事象又は状況が起こる場合と起こらない場合とを包含する。
【0036】
本明細書中「BPA」は、ビスフェノールAつまり2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと定義される。
【0037】
本明細書中「BCC」は、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサンと定義される。
【0038】
本明細書中「ポリカーボネート」という用語には、コポリカーボネート、ホモポリカーボネート及び(コ)ポリエステルカーボネートが包含される。
【0039】
本明細書中「DVD記録型及び書換型媒体」という用語には、DVD−RW、DVD+RW、DVD−Ram及び追記型DVD記録型(DVD−R)が包含される。
【0040】
本明細書中「高密度」とは、標準CD(標準CD、640メガバイト、直径約120ミリメートル)の面積密度の約4倍を上回る面積密度を有することを意味する。
【0041】
本明細書中でポリカーボネートの組成に関して「モル%」というときは、特記しない限り、ポリカーボネートの繰返し単位100モル%を基準とする。例えば、「90モル%のBCCを含むポリカーボネート」とは、繰返し単位の90モル%がBCCジフェノール又はその誘導体に由来する残基であるポリカーボネートをいう。誘導体としては、特に限定されないが、ジフェノールのオリゴマー、ジフェノールのエステル及びそのオリゴマー、並びにジフェノールのクロロホルメート及びそのオリゴマーが挙げられる。
【0042】
ポリカーボネートの構成成分について用いる「残基」という用語と「構造単位」という用語は、本明細書全体を通して同義である。
【0043】
本明細書中で文献を引用した場合、その開示内容はすべて、本発明の属する技術分野の技術水準を十分に説明するため、援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0044】
上述の通り、一つの態様では、本発明は、下記の構造単位A)、B)及びC)を含むターポリマーを含んでなる高密度情報記録媒体に関する。
A)構造(I)のカーボネート構造単位
【0045】
【化14】
Figure 2004505171
【0046】
(式中、R又はRの少なくとも1つが3又は3′位にあることを条件として、R及びRはC〜Cアルキル基からなる群から独立に選択され、XはCHを表し、mは4〜7の整数であり、nは1〜4の整数であり、pは1〜4の整数であり、式(I)の構造単位はターポリマーの約20〜約80モル%、好ましくは約40〜約60モル%をなす。)、
B)構造(II)のカーボネート構造単位
【0047】
【化15】
Figure 2004505171
【0048】
(式中、R18はハロゲン、水素、一価C〜C炭化水素基及び一価C〜C炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択され、R19はハロゲン、水素、一価C〜C炭化水素基及び一価C〜C炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択され、Wは置換又は非置換二価C〜C18炭化水素基、
【0049】
【化16】
Figure 2004505171
【0050】
からなる群から選択され、各nは0〜4の値を有する整数から独立に選択され、bは0又は1であり、構造単位(II)はターポリマーの約20〜約80モル%、好ましくは約40〜約60モル%をなす。)、及び
C)構造(V)の構造単位
【0051】
【化17】
Figure 2004505171
【0052】
(式中、ZはC〜C40枝分れ又は非枝分れアルキル基或いは枝分れ又は非枝分れシクロアルキル基であり、式(V)の構造単位はターポリマーの約0.5〜約10モル%をなす。)
【0053】
本出願人らは、本発明のターポリマーが、低い面内複屈折(好ましくは±40〜50nmシングルパス未満)及びスタンパーの90%を超える優れた溝構造複製性を始めとして、高密度情報記録媒体(特にDVD記録型及び書換型材料)での使用に特に適した性質を有するという意外な知見を得た。また、上記ターポリマーはディスクの平坦度に重要な性質である低い吸水率を有する。上記ターポリマーは、特に限定されないが、ミニディスク、8X及び16X用途を始めとするMO用途での使用にも適している。
【0054】
上述の通り、本ターポリマーは高情報記録密度媒体、特にDVD記録型媒体での使用に適した性質を有する。本発明のターポリマーは、好ましくは100〜185℃、さらに好ましくは125〜165℃、さらに一段と好ましくは130〜150℃のガラス転移温度を有する。ターポリマーの吸水率は平衡状態で好ましくは0.33%未満であり、さらに一段と好ましくは約0.2%未満である。ターポリマーから製造した高情報記録密度媒体のIBR値は、約−100〜約100ナノメートル、好ましくは約−50〜約50ナノメートル、さらに一段と好ましくは約−40〜約40ナノメートルである。
【0055】
ターポリマーの数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準として測定して、好ましくは約10000〜約100000、さらに好ましくは約10000〜約50000、さらに一段と好ましくは約12000〜約40000である。ターポリマーは、好ましくは約85%以上、さらに好ましくは約90%以上の光透過率を有する。
【0056】
ターポリマーの具体的組成は、ブレンドの最終用途及びブレンドの所望特性を始めとする数々の要因に応じて調節できる。構造Iの残基は、好ましくはターポリマーの約20〜約80モル%、好ましくはターポリマーの約40〜約60モル%、さらに一段と好ましくはターポリマーの約40〜約50モル%をなす。
【0057】
構造Iの代表的な単位には、特に限定されないが、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(BCC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘプタン及びこれらの混合物の残基がある。BCC残基が構造単位Iとして最も好ましい。
【0058】
本発明の一実施形態では、ターポリマー中の構造(I)の残基はBCC残基からなる。BCCは、シクロヘキサノンとo−クレゾールから簡単に合成できる。
【0059】
【化18】
Figure 2004505171
【0060】
本発明では、式(I)の構造単位は3又は3′位がR又はRの少なくとも1つで置換されていることが決定的重要性をもつ。nとpが1に等しく、RとRがそれぞれ3及び3′位に存在するのが好ましい。R及びRは、好ましくはC〜Cアルキル基、さらに好ましくはC〜Cアルキル基、さらに一段と好ましくはCHである。
【0061】
構造IIの残基は、好ましくはターポリマーの約20〜約80モル%、好ましくはターポリマーの約40〜約60モル%をなす。一実施形態では、ターポリマー中の構造(II)の残基はBPA残基のみからなる。
【0062】
構造IIの代表的な単位には、特に限定されないが、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びこれらの混合物の残基がある。
【0063】
構造(V)の残基は、好ましくはターポリマーの約0.5〜約10モル%、好ましくはターポリマーの約2〜約7モル%をなす。一実施形態では、ターポリマー中の構造(V)の残基はドデカン二酸(DDDA)残基からなる。
【0064】
構造(V)の代表的な単位には、特に限定されないが、ドデカン二酸、セバシン酸、アジピン酸、オクタデカン二酸、オクタデセ−9−エン二酸、9−カルボキシオクタデカン酸、10−カルボキシオクタデカン酸及びこれらの混合物の残基がある。
【0065】
一実施形態では、ターポリマーはa)約40〜約60モル%のBCC残基、さらに好ましくは約45〜50モル%のBCC残基、b)約40〜60モル%のBPA残基、さらに好ましくは約45〜50モル%のBPA残基、及びc)約1〜10モル%のDDDA残基、さらに好ましくは約2〜約10モル%のDDDA残基を含む。一実施形態では、ターポリマーは47モル%のBCC残基、47モル%のBPA残基及び6モル%のDDDA残基からなる。
【0066】
上記ターポリマーは界面法又は溶融法で製造できる。界面法を用いる場合、各種相間移動触媒の添加は任意である。適当な相間移動触媒には、特に限定されないが、トリエチルアミンのような第三アミン、臭化テトラブチルアンモニウムのようなアンモニウム塩、又は塩化ヘキサエチルグアニジウムがある。p−クミルフェノールや4−ブチルフェノールのような単官能性フェノール、カルダノールやノニルフェノールのような長鎖アルキルフェノール、及び二官能性フェノールを連鎖停止剤として使用してもよい。任意には、繰返し単位の総モル数を基準として0.1〜10モル%、さらに好ましくは4〜10モル%、さらに好ましくは4〜7%の連鎖停止剤を第一又は第二のポリカーボネートに組込んでもよい。
【0067】
場合によっては、ホスゲン化条件を調節しなければならない。特に、反応媒質中でのモノマーの溶解性及びモノマーの構造に関連したモノマー固有の反応性によって不要な環状オリゴマーの生成が優勢となる場合には、ホスゲン化条件を調節すべきである。例えばBCCの場合、標準的な界面重合条件下での環状オリゴマーの生成比率は、例えばBPAの場合よりも大きい。BCC含有量が約20モル%をかなり上回るポリカーボネートでは、線状ビスクロロホルメートオリゴマー生成を促すため過剰のホスゲンを使用するのが有利であり、線状ビスクロロホルメートオリゴマーを部分加水分解と重縮合によって高分子量ポリマーへと転化する。好ましくは、約20〜200モル%過剰のホスゲンを使用する。
【0068】
上述のポリカーボネートは溶融法つまりエステル交換法でも製造できる。この方法では、ホスゲンや溶媒を使用する必要がなく、最終ポリマー中での環状及び線状低分子量オリゴマーのような低分子量夾雑物の生成が最小限に抑えられる。カーボネート源(ジアリールカーボネートなど)及び少量の触媒(アルカリ金属水酸化物や水酸化アンモニウムなど)と共にモノマーを混合し、反応混合物上のヘッドスペースの圧力を周囲圧力から約1トルに下げながら段階的に温度を上昇させるというプロトコルに従って減圧下で加熱する。
【0069】
適当なカーボネート源、触媒及び反応条件は米国特許第5880248号及びKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,第4版、第19巻、585〜600頁にみられる(その記載内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。)。各段階の時間及び温度は、発泡などによる材料の機械的損失が避けられるようにする。フェノールと過剰のジフェニルカーボネートを塔頂から除去して重合プロセスを完了させる。高分子量ポリマー生成物はメルトとして単離されるが、そのペレット化の前に安定剤や離型剤のような他の添加剤を配合し得る。溶融法で合成した生成物は、界面法で合成した生成物に比べ、非溶解粒子の数が少なく、環状オリゴマーのような低分子量夾雑物の含有量が少ない。
【0070】
本発明のターポリマーは、任意には、光学製品の成形に当たり、特に限定されないが、染料、UV安定剤、酸化防止剤、熱安定剤及び離型剤を始めとする光学用途での慣用添加剤とブレンドしてもよい。特に、所望の光学製品を成形するためのブレンドの加工に役立つ添加剤とポリカーボネートとのブレンドを形成するのが好ましい。ブレンドは、任意には、所望の添加剤を0.0001〜10重量%、好ましくは0.0001〜1.0重量%含有し得る。
【0071】
本発明のポリカーボネートに添加し得る物質又は添加剤には、特に限定されないが、耐熱安定剤、UV吸収剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、粘着防止剤、滑剤、曇り防止剤、着色剤、天然油、合成油、ワックス、有機充填材、無機充填材及びこれらの混合物がある。適当な帯電防止剤には、ジステアリルヒドロキシルアミン、トリフェニルアミン、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、ピリジンN−オキシド、エトキシル化ソルビタンモノラウレート及びポリ(アルキレングリコール)化合物がある。
【0072】
上述の耐熱安定剤の例には、特に限定されないが、フェノール系安定剤、有機チオエーテル系安定剤、有機リン化物系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、エポキシ系安定剤及びこれらの混合物がある。耐熱安定剤は固体又は液体の形態で添加し得る。
【0073】
UV吸収剤の例には、特に限定されないが、サリチル酸系UV吸収剤、ベンゾフェノン系UV吸収剤、ベンゾトリアゾール系UV吸収剤、シアノアクリレート系UV吸収剤及びこれらの混合物がある。
【0074】
離型剤の例には、特に限定されないが、天然及び合成パラフィン、ポリエチレンワックス、フルオロカーボン、その他の炭化水素系離型剤、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、その他の高級脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸、その他の脂肪酸系離型剤、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド、その他の脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、その他の脂肪酸アミド系離型剤、ステアリルアルコール、セチルアルコール、その他の脂肪族アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、その他のアルコール系離型剤、ステアリン酸ブチル、ペンタエリトリトールテトラステアレート、その他の脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、その他の脂肪酸エステル系離型剤、シリコーンオイル、その他のシリコーン系離型剤、及びこれらの任意の混合物がある。
【0075】
着色剤は顔料でも染料でもよい。本発明では、無機着色剤と有機着色剤を別々又は組合わせて使用できる。
【0076】
本発明のターポリマーは、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でも、グラフト共重合体でもよい。グラフト共重合体その他の枝分れポリマーを製造するときには、製造時に適当な枝分れ剤を使用する。
【0077】
所望の製品、すなわちDVD記録型及び書換型媒体は、射出成形、圧縮成形、押出法及び溶液キャスト法でターポリマーを成形することで得られる。射出成形がさらに好ましい製品成形法である。
【0078】
本発明のターポリマーは低い吸水率、良好な加工性及び低い複屈折のような有利な特性を有しているので、DVD記録型材料のような高密度情報記録媒体の製造に利用するのに都合がよい。
【0079】
加えて、かかるターポリマーに改質用ポリマーをブレンドしてもよい。適当な改質用ポリマーは、ターポリマーと混和性ブレンドを生成するものである。考えられる改質用ポリマーとしては、上記以外のポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアリーレート、液晶ポリマー、ビニルポリマーなど及びこれらの混合物がある。適当な改質用ポリマーの決定は、可能な改質用ポリマーについて従来の混和性試験を実施することで当業者がなし得る事項である。
【0080】
【実施例】
以下の実施例は、特許請求の範囲に記載した組成物及び方法をいかに実施し評価するかを当業者に示すために記載するものであり、本発明者らが発明として把握している範囲を限定するものではない。数値(例えば量、温度など)に関しては正確を期したが、若干の誤差や偏差はあるであろう。特記しない限り、部は重量部であり、温度は℃又は室温であり、圧力は大気圧又はその付近である。
【0081】
以下に示す結果を得るのに用いた材料及び試験法は、以下の通りである。
【0082】
分子量は、グラム/モル単位の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)として記載した。分子量は、2つのPolymer Labs Mixed Bed Cカラムを備えたHP1090 HPLCを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで、溶媒としてクロロホルムを用い、35℃及び流量1ml/分で測定し、ポリスチレン標準に基づいて較正した。
【0083】
吸水率(%HO)は、ASTM D570に類似した以下の方法で測定した。プラスチック部材又はディスクを減圧下で1週間以上乾燥した。試料を定期的に取出して秤量し、乾燥したか否か(減量が止まったか否か)を判定した。試料をオーブンから取出し、デシケーター内で室温に平衡させ、乾燥重量を記録した。試料を23℃の水浴中に浸した。試料を定期的に浴から取出し、表面をふき取って乾かし、重量を記録した。この作業はできるだけ迅速に行い、その測定時間が測定間隔よりも小さくなるようにした。試料を繰返して浸漬し、試料が実質的に飽和するまで重量を測定した。(ASTM法D−570−98のセクション7.4に記載の通り)2週間での平均増量が全増量の1%未満となったときに、試料は実質的に飽和又は「平衡」に達したとみなした。
【0084】
Tg値は、PERKIN ELMER DSC7を用いた示差走査熱量測定で求めた。Tgは、20℃/分の昇温速度を用いた1/2Cp法に基づいて算出した。
【0085】
以下の実施例では、特記しない限り、組成に関する百分率は重量百分率である。「CS」は、パラクミルフェノールのモル%単位で表した連鎖停止剤を示す。
【0086】
粘度値はポアズ(poise)単位であり、Rheometric Dynamic Spectrometerを用いて350℃、剪断速度1205sec−1で測定した。
【0087】
HDTは熱変形温度である。
【0088】
DMA遷移温度は、ねじり動的機械分析で測定して、貯蔵弾性率がプラトー貯蔵弾性率の70%になる温度である。
【0089】
以下の表における組成はモル%である。例えば47/47/6 BCC/BPA/DDDAは、ポリマー中の繰返し単位を基準として47モル%のBCC、47モル%のBPA及び6モル%のDDDAからなるターポリマーを表す。
【0090】
下記の3つの手順で、ターポリマーの製造法を例示する。
【0091】
手順1
BCC/BPA/DDDA(47/47/6)ターポリエステルカーボネートカーボネートの製造
100Lのホスゲン化装置に、BCC(6563g、22.2mol)、BPA(5052g、22.2mol)、DDDA(651g、2.83mol)、塩化メチレン(42L)、蒸留水(42L)、p−クミルフェノール(600g、2.83mol、6.0モル%)、トリエチルアミン(89mL、1.35モル%)及び塩化メチルトリブチルアンモニウム(33wt%水溶液1067mL、3.18モル%)を仕込んだ。水酸化ナトリウム(50wt%水溶液500g)を添加し、反応系を5分間混合した。NaOH溶液を添加してpHを8.5に保ちつつ、ホスゲン(3273g、33.1mol、70モル%相当)を125g/分で添加した。pHを1.5分で10.5に上昇させ、添加量が6087g(61.5mol、30モル%過剰)に達するまでホスゲンの添加を続けた。ポリマー溶液を塩化メチレン(35L)で希釈し、ブラインから分離し、1NのHClで2回洗浄し、蒸留水で6回洗浄した。ポリマーを水蒸気沈殿で単離し、窒素下120℃で一晩乾燥した。乾燥ポリマーは、127℃のTg及び18200(ポリカーボネート標準)のMwを有していた。
【0092】
手順2
BCC/BPA/DDDA(48/48/4)ターポリエステルカーボネートカーボネートの製造
100Lのホスゲン化装置に、BCC(6710g、22.7mol)、BPA(4169g、22.7mol)、DDDA(435g、1.89mol)、塩化メチレン(42L)、蒸留水(42L)、p−クミルフェノール(575g、2.71mol、5.75モル%)、トリエチルアミン(89mL、1.35モル%)及び塩化メチルトリブチルアンモニウム(33wt%水溶液1067mL、3.18モル%)を仕込んだ。水酸化ナトリウム(50wt%水溶液500g)を添加し、反応系を5分間混合した。NaOH溶液を添加してpHを8.5に保ちつつ、ホスゲン(3273g、33.1mol、70モル%相当)を125g/分で添加した。pHを1.5分で10.5に上昇させ、添加量が6087g(61.5mol、30モル%過剰)に達するまでホスゲンの添加を続けた。ポリマー溶液を塩化メチレン(35L)で希釈し、ブラインから分離し、1NのHClで2回洗浄し、蒸留水で6回洗浄した。ポリマーを水蒸気沈殿で単離し、窒素下120℃で一晩乾燥した。乾燥ポリマーは、129℃のTg及び18300(ポリカーボネート標準)のMwを有していた。
【0093】
手順3
BCC/BPA/DDDA(49/49/2)ターポリエステルカーボネートカーボネート
100Lのホスゲン化装置に、BCC(6850g、23.1mol)、BPA(5277g、23.1mol)、DDDA(217g、0.94mol)、塩化メチレン(42L)、蒸留水(42L)、p−クミルフェノール(625g、2.95mol、6.25モル%)、トリエチルアミン(89mL、1.35モル%)及び塩化メチルトリブチルアンモニウム(33wt%水溶液1067mL、3.18モル%)を仕込んだ。水酸化ナトリウム(50wt%水溶液500g)を添加し、反応系を5分間混合した。NaOH溶液を添加してpHを8.5に保ちつつ、ホスゲン(3273g、33.1mol、70モル%相当)を125g/分で添加した。pHを1.5分で10.5に上昇させ、添加量が6087g(61.5mol、30モル%過剰)に達するまでホスゲンの添加を続けた。ポリマー溶液を塩化メチレン(35L)で希釈し、ブラインから分離し、1NのHClで2回洗浄し、蒸留水で6回洗浄した。ポリマーを水蒸気沈殿で単離し、窒素下120℃で一晩乾燥した。乾燥ポリマーは、132℃のTg及び17000(ポリカーボネート標準)のMwを有していた。
【0094】
【表1】
Figure 2004505171
【0095】
上記で製造した材料を、NETSTALL DISKJET 600、DVD金型(厚さ0.6mmの金型)及び公称溝深さ40nmのDVD+RWスタンパーを用いて成形した。実験は金型及びメルト温度を変えて設計した。非メタライズ・非接合単一基板での代表的結果を表2に示す。複屈折はDR.SCHENK社製PROMETEUS光ディスクテスターで測定した。DVD基板の溝深さは、3箇所の半径方向位置(28mm、38mm及び53mm)でAFM(原子間力顕微鏡)により測定して平均し、スタンパーの溝深さと比較した。
【0096】
【表2】
Figure 2004505171
【0097】
表2に示す通り、本発明のターポリマー組成物は特に高DDDA組成物でBPAポリカーボネートよりも格段に優れた複製性を示す。また、IBR値もBPAポリカーボネートと同程度に良好であり、概してBPAポリカーボネートよりも優れている。
【0098】
サイクル時間を最小限にするため、約110℃未満の金型温度を使用するのが望ましい。また、メルト温度が低いほど、優れた反り性能、すなわち平坦度に優れたディスクが得られる。
【0099】
以上、本発明を特にその好ましい実施形態を参照して詳しく説明してきたが、本発明の技術的思想及び技術的範囲内で様々な変形及び修正が可能である。

Claims (11)

  1. 下記構造単位A)、B)及びC)を含むターポリマーを含んでなる高密度情報記録媒体。
    A)構造(I)のカーボネート構造単位
    Figure 2004505171
    (式中、R又はRの少なくとも1つが3又は3′位にあることを条件として、R及びRはC〜Cアルキル基からなる群から独立に選択され、XはCHを表し、mは4〜7の整数であり、nは1〜4の整数であり、pは1〜4の整数であり、式(I)の構造単位はターポリマーの約20〜約80モル%をなす。)、
    B)構造(II)のカーボネート構造単位
    Figure 2004505171
    (式中、R18はハロゲン、水素、一価C〜C炭化水素基及び一価C〜C炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択され、R19はハロゲン、水素、一価C〜C炭化水素基及び一価C〜C炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択され、Wは置換又は非置換二価C〜C18炭化水素基、
    Figure 2004505171
    からなる群から選択され、各nは0〜4の値を有する整数から独立に選択され、bは0又は1であり、構造単位(II)はターポリマーの約20〜約80モル%をなす。)、及び
    C)構造(V)の構造単位
    Figure 2004505171
    (式中、ZはC〜C40枝分れ又は非枝分れアルキル基或いは枝分れ又は非枝分れシクロアルキル基であり、式(V)の構造単位はターポリマーの約0.5〜約10モル%をなす。)。
  2. 前記ターポリマーが約0.33%未満の吸水率及び約120〜約185℃のTgを有する、請求項1記載の高密度情報記録媒体。
  3. 成分A)が次式の構造を有する、請求項1記載の高密度情報記録媒体。
    Figure 2004505171
    (式中、R及びRはCHである。)
  4. 成分B)がBPA残基からなり、成分C)がDDDA残基からなる、請求項1記載の高密度情報記録媒体。
  5. 下記残基(a)、(b)及び(c)を含むターポリマーを含んでなるデジタルバーサタイルディスクであって、上記ターポリマーが約120〜約185℃のTg及び約0.33%未満の吸水率を有し、当該デジタルバーサタイルディスクが約−100〜約100ナノメートルのIBRを有するデジタルバーサタイルディスク。
    a)1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(BCC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘプタン又はこれらの混合物の残基、
    b)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン又はこれらの混合物の残基、及び
    c)ドデカン二酸、セバシン酸、アジピン酸、オクタデカン二酸、オクタデセ−9−エン二酸、9−カルボキシオクタデカン酸、10−カルボキシオクタデカン酸又はこれらの混合物の残基。
  6. 約−40〜約40ナノメートルのIBRを有する、請求項5記載のデジタルバーサタイルディスク。
  7. 1)データ層と2)データ層に隣接した透明被覆層とを含んでなる高密度情報記録媒体であって、上記透明被覆層が約0.6mm未満の厚さを有するとともに、上記透明被覆層が下記構造単位A)、B)及びC)を含むターポリマーからなる情報記録媒体。
    A)構造(I)のカーボネート構造単位
    Figure 2004505171
    (式中、R又はRの少なくとも1つが3又は3′位にあることを条件として、R及びRはC〜Cアルキル基からなる群から独立に選択され、XはCHを表し、mは4〜7の整数であり、nは1〜4の整数であり、pは1〜4の整数であり、式(I)の構造単位はターポリマーの約20〜約80モル%をなす。)、
    B)構造(II)のカーボネート構造単位
    Figure 2004505171
    (式中、R18はハロゲン、水素、一価C〜C炭化水素基及び一価C〜C炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択され、R19はハロゲン、水素、一価C〜C炭化水素基及び一価C〜C炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択され、Wは置換又は非置換二価C〜C18炭化水素基、
    Figure 2004505171
    からなる群から選択され、各nは0〜4の値を有する整数から独立に選択され、bは0又は1であり、構造単位(II)はターポリマーの約20〜約80モル%をなす。)、及び
    C)構造(V)の構造単位
    Figure 2004505171
    (式中、ZはC〜C40枝分れ又は非枝分れアルキル基或いは枝分れ又は非枝分れシクロアルキル基であり、式(V)の構造単位はターポリマーの約0.5〜約10モル%をなす。)。
  8. 当該情報記録媒体がDVD−RW、DVD+RW、DVD−RAM又は追記型DVD記録型材料である、請求項7記載の情報記録媒体。
  9. 成分A)がBCC残基からなり、成分B)がBPA残基からなり、成分C)がDDDA残基からなる、請求項7記載の高密度情報記録媒体。
  10. a)BCC残基、b)BPA残基及びc)DDDA残基を含むターポリマーを含んでなる高密度情報記録媒体。
  11. 当該情報記録媒体がDVDである、請求項9記載の情報記録媒体。
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