JP2004503175A - 自由空間光信号システム - Google Patents
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Abstract
レンズと複数の光学エレメントとを備える光学装置を有する自由空間光信号システムを記載する。光ビームを偏向するビーム偏向器が、レンズと複数の光学エレメントとの間の光路に設けられる。ビーム偏向器は複数のビーム偏向エレメントを有し、各ビーム偏向エレメントはそれぞれの光学エレメントと関連付けられて、レンズを通過する主光線が、関連付けられた光学エレメントに対して実質的に垂直になるように偏向させるよう動作可能である。光学装置は、逆反射システムに対して、格別ではあるが専用ではない適合性を有する。
Description
【0001】
本発明は、信号システムおよびその構成要素に関する。詳細には、本発明は、自由空間光ビームを変調することによってデータを伝達する信号方法および装置に関する。
【0002】
全体の内容が引用されて本明細書に組込まれる国際特許出願WO98/35328は、自由空間光ビームを使用した一点対多点通信システムを記載している。WO98/35328は、詳細には、(例えば、街路の家屋ごとに設けられた)複数のユーザ局が(例えば、街路の電柱に設けられた)ローカル分配ノードへ向けた無変調光ビームを放射するように成したシステムについて説明している。ローカル分配ノードでは、各入光ビームが、個々に駆動可能な変調器素子から成るアレイの各変調器素子によりデータ信号に従って変調され、その生成源であるユーザ局へ反射して戻される。変調光ビームはユーザ局で検出され、データ信号が再生される。
【0003】
WO98/35328に記載されたシステムのローカル分配ノードでは、各ユーザ局からの光は、生成源であるユーザ局へ向けてその光を戻すためにテレセントリックレンズの後方焦点面に配置した実質的に平面の反射体によって逆反射される。テレセントリックレンズを使用することによって、テレセントリックレンズを通過するユーザ局の各々からの主光線(すなわち、テレセントリックレンズの入射ひとみの中心を通過する光線)は、反射体の反射面に対して垂直に入射し、従って反射体は入射光をその入射路に沿って反射して戻す。このように、反射体とテレセントリックレンズは逆反射体を形成する。テレセントリックレンズを使用する別の利点は、異なるユーザ局からの光ビームが、テレセントリックレンズ視野内へのユーザ局の配置にかかわらず、それら光ビームそれぞれの変調器素子上へ同一角度で入射するである。このようにして、光ビームが変調器素子に当る角度に概ね依存する変調の効率(すなわち、変調の深さ)は全てのユーザ局からの光ビームに対してほぼ一定である。
【0004】
WO98/35328に記載されたシステムのユーザ局では、半導体レーザーが光ビームを出力し、この光ビームはコリメートされ、次にビームスプリッタを通して送信された後にテレスコープ編成によって拡張される、そして、ローカル分配ノードからの反射して戻された変調光は、テレスコープ編成を通過して戻り、光ダイオード上へビームスプリッタによって反射される。この編成に伴う問題は、半導体レーザーにより放射され、ビームスプリッタを通って送信された光の一部がテレスコープ編成の光学面により反射されてビームスプリッタへ戻され、そしてこのビームスプリッタ光ダイオード上へ光を反射し、その結果、大きな定常状態背景ノイズレベルを招き、これが、ローカル分配ノードからの反射して戻された変調光ビームによって伝達されるデータを回生するときに信号対ノイズ比を著しく低減させるとともに、光ダイオードを飽和させることである。
【0005】
本発明の一側面によれば、レンズおよび複数の光学エレメントを備える光学装置が提供される。ビーム偏向手段が、レンズと複数の光学エレメントとの間の光路に位置決めされて、レンズを通過する複数の主光線を、レンズの光軸と光学的に平行になるように偏向する。このようにして、レンズとビーム偏向手段は、WO98/35328に記載のテレセントリックレンズ編成の代替を成す。
【0006】
本発明の別の側面によれば、光放射器および光検出器を備える自由空間逆反射信号システムのための信号装置が提供される。光検出器用レンズ系を光が通って向くようにする放射光ビームの分岐に依存してレンズ系が別体に光放射器と光検出器のために設けられる。このようにして、レンズ系の構成要素を離れて光検出器上に入射する放射光の反射は低減される。更に、これらレンズ系は、光放射器および光検出器に関連する、異なった要件に従って別々に最適化できる。
【0007】
本発明の更なる側面によると、光変調器および光検出器を備える自由空間逆反射信号システムのための信号装置が提供される。レンズ系が別体に光変調器と光検出器のために設けられる。このようにして、レンズ系は、光変調器および光検出器に関連する、異なった要件に従って別々に最適化できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の例示の実施の形態を、添付図面を参照して以下に説明する。
【0009】
図1は、一点対多点信号システムを用いて、複数ユーザ局へデータを送信するとともに、それらユーザ局からデータを受信するデータ分配システムを概略的に図解する。図示のように、データ分配システムは中央分配システム1を備え、中央分配システム1は、複数のローカル分配ノード3a〜3cへそれぞれの光ファイバ5a〜5c経由で光データ信号を送信し、それらローカル分配ノードから光データ信号を受信する。
【0010】
ローカル分配ノード3aで、自由空間光リンク11a〜11d、すなわち、内部で光が光ファイバ路伝いに案内されない光リンクを使用して、中央分配システム1から受信したデータストリームがそれぞれのユーザ局7a〜7dへ送信され、中央分配1への送信用データはユーザ局7a〜7dから受信される。同様に、データはローカル分配ノード3bとユーザ局7e〜7hとの間を、自由空間光リンク11e〜11hを使用して伝送され、そしてデータはローカル分配ノード3cとユーザ局7i〜7lとの間を、自由空間光リンク11i〜11lを使用して伝送される。ユーザ局7の各々は、少なくとも一台のユーザ装置(不図示)へ接続される。この実施の形態で、ユーザ装置は、チャネル情報を中央分配システム1へ送信するとともに、応答して対応するテレビジョン信号を受信するテレビジョン受像機(不図示)、および、インターネットに中央分配システム経由でアクセスするコンピュータシステム(不図示)を含んでいる。
【0011】
この実施の形態で、各ユーザ局7は、低発散率自由空間光ビームを放射し、この光ビームは、ローカル分配ノードへ伝達されるべきデータに従って変調されて、対応するローカル分配ノード3へ向けられる。各ローカル分配ノード3は複数の変調素子(図1には不図示)を有し、これら変調素子は、各ユーザ局7からの光ビームを変調および逆反射して、ローカル分配ノード3からユーザ局7へデータを伝達する。
【0012】
図2は、図1に示すデータ分配システムの一ユーザ局7の主要構成要素をより詳細に概略的に図解する。図示のように、ユーザ局7は、コヒーレント光のビーム23を出力する半導体レーザー21を備える。この実施の形態では、ユーザ局7は、200メートルの範囲内のローカル分配ノード3との間で99.9%のリンク有効性で通信できるように設計されている。これを達成するために、半導体レーザー21は、850nmの波長を持つレーザービームを出力する50mWの半導体レーザーである。
【0013】
出力光ビーム23は、光ビーム23の発散角を低減するレンズ25、以後コリメータレンズ25と称する、を通過して、実質的に低発散率の光ビーム27を形成する。低発散率光ビームの発散率は、コリメータレンズ25と光源21間の距離を変更することによって変えることができる。しかし、この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、半導体レーザーの放射開口での回折に起因して低発散光ビーム27は完全にはコリメートできない。この実施の形態では、コリメータレンズ25が低収差レンズであるので、低発散率ビーム27は比較的均一な波面を持つが、このレンズは直径50mmで、半導体レーザー21が放射する全ての光を集光するのにまさに十分な大きさのFナンバーを持つ。
【0014】
光ビーム27の発散率が低いとはいえ、ローカル分配ノード3による反射後のユーザ局7上に入射する光ビーム29のサイズは、ユーザ局7を離れる低発散率光ビーム27の発散率より著しく大きい。この実施の形態では、図3に示すように、受信された光ビーム29のビームサイズは、レンズ、以後ダウンリンク検出レンズ31と称する、を包囲するのに十分な大きさであり、レンズはコリメータレンズ25に隣接して設けられる。この実施の形態では、コリメータレンズ25およびダウンリンク検出レンズ31の入射口ひとみは同一平面に配置される。
【0015】
図2に戻ると、図では明確にするためにダウンリンク検出レンズ31に入射する受信光ビーム29の一部だけが示されているが、ダウンリンク検出レンズ31は受信光ビーム29からの光を検出器33上に焦点を結ばせるが、検出器33は、この実施の形態ではアバランシュ光ダイオードである。ダウンリンク検出レンズ31の直径は100mmであるが、その主な目的が単に可能な限り多くの光を検出器33上へ向けることであるので、コリメータレンズ25ほどの高品質を必要としない。図4は、検出器33の検出面61と、受信光ビーム29からの光に焦点を結ばせるダウンリンク検出レンズ31によって形成される光スポット63とを概略的に示す。この実施の形態では、検出面61の直径が500μmであるのに対し、光スポット63の直径は略50μmである。
【0016】
検出器33は受信光ビームを対応電気信号に変換するが、この電気信号は、ローカル分配ノード3で成される変調に従って変化する。電気信号は増幅器35によって増幅され、次にフィルタ37にかけられる。フィルタにかけられた信号は、中央制御ユニット39へ入力され、制御ユニット39は従来のクロック回生とデータ回復操作を行って、中央分配システム1からのデータを再生する。回復データは、次にユーザ装置43へ接続されているインタフェースユニット41へ送られる。
【0017】
インタフェースユニット41はユーザ装置43からのデータも受信し、受信データを中央制御ユニット39へ入力し、中央制御ユニット39はローカル分配ノード3経由で中央分配システム1への伝送のために適切なメッセージを生成する。このメッセージはレーザー駆動器43へ出力され、駆動器43は、半導体レーザー21によって出力される光ビーム23をメッセージに従って変調する。この実施の形態では、レーザー駆動器43は、半導体レーザー21によって出力される光ビーム23に小信号変調を行う。図5はこの変調を図解するとともに、CWレーザーレベル65およびそれに対して行われた小信号変調67を示す。逆反射システムのこの非対称経路損失ゆえに、小信号変調コンセプトを用いて、「全」帯域幅アップリンクチャネルを提供することができる。この技術に精通した者には言うまでもなく、このアップリンク変調データは、ダウンリンクデータにとって更なるノイズ源となる。これを図6に図解するが、この図は、干渉アップリンクデータ67を含むダウンリンクデータ69に対するアイパターン、およびその結果としてのノイズマージン70の低減を示す。しかし、アップリンク変調深さが充分に低く保たれる場合、アップリンクおよびダウンリンクの両方は等しい帯域幅で動作できる。この実施の形態では、アップリンク変調深さは、CWレーザーレベルの略3%である。この小信号変調の更なる詳細は、国際特許出願WO01/05071に記載され、その内容全体を引用して本明細書に組込む。
【0018】
図2に戻ると、中央制御ユニット39は、水平ステッパーモータ47へ駆動信号を供給する第1モータ駆動器45a、および垂直ステッパーモータ49へ駆動信号を供給する第2モータ駆動器45bにも接続されている。この実施の形態では、半導体レーザー21、コリメータレンズ25、検出器33およびダウンリンク検出レンズ31は一緒に搭載されて、単体の光学アセンブリ51を形成し、そして水平ステッパーモータ47が光学アセンブリ51を垂直軸周りに回転させるよう動作可能であり、それによりコリメートされた光ビーム27は水平面内で移動し、垂直ステッパーモータ49が光学アセンブリ51を水平軸周りに回転させるよう動作可能であり、それによりコリメートされた光ビーム27は垂直面内で移動する。このようにして、放射光ビームの方向を変えることができる。
【0019】
図7は、一つのローカル分配ノード3の主要構成要素を概略的に図解する。図示のように、ローカル分配ノード3は通信制御ユニット71を備え、この制御ユニットは中央分配システムからのデータを伝達する光ファイバ5伝いに送信される光信号を受信して、受信光信号から伝達されたデータを再生する。通信制御ユニット71は、伝達されたデータに従って制御信号を生成し、制御信号は変調器駆動回路73へ出力され、駆動回路73は対応する駆動信号を変調器アレイ75へ供給する。この実施の形態では、変調器アレイ75の変調器素子は、変調器駆動回路73によって出力される駆動信号が変調器素子の反射率を変えるのに伴って、変調器駆動回路73によって個々にアドレス可能である。
【0020】
この実施の形態では、変調器アレイ75は、量子閉込シュタルク効果(Quantum Confined Stark Effect)(QCSE)デバイス(これは時には自己光電効果デバイス(Self Electro−optic Effect Devices )つまりSEEDとも称せられる)の2次元平面集積アレイを備える。図8Aは、一つのQCSEデバイス91の断面を概略的に図解する。図示のように、QCSEデバイス91は、しかるべきユーザ局7からの光ビームが通過する透明窓93を備え、それに続いてガリウム砒素(GaAs)ベース材料でできた3層95−1、95−2、95−3を備える。層95−1はp型導電層であり、層95−2は内部に形成された複数の量子ウエルを有する真性層であり、そして層95−3はn型導電層である。これら3層95は一緒にp−i−nダイオードを形成する。図示のように、p型導電層95−1は電極101へ接続され、n型導電層95−3は接地端子103へ接続される。この実施の形態ではブラッグ反射体である反射層97がn型導電層95−3の下に設けられ、そして基板層99が反射層97の下に設けられる。
【0021】
動作時に、ユーザ局7からの光ビームは、窓93を通過してガリウム砒素ベース層95へ入る。真性層95−2に吸収される光の量は、電極101へ印加されるDCバイアス電圧に依存する。理想的には、図8Aに図解するように、DCバイアス電圧が何ら電極101へ印加されないとき、光ビームは窓93を通過し、真性層95−2内で全部吸収される。その結果、電極101へ何らDCバイアス電圧も印加されてないとき、対応ユーザ局7へは何らの光も反射されて戻されない。それに対し、図8Bに図解するように、略−5ボルトのDCバイアス電圧が電極101へ印加されているとき、対応ユーザ局7からの光ビームは、窓93およびガリウム砒素ベース層95を通過して、反射層97により反射される。そのため、変調器駆動回路73からの駆動信号に従って電極101へ印加されるバイアス電圧を変化させることによって、QCSE変調器91は、受信した光ビームを振幅変調して、変調された光ビームをユーザ局7へ反射して戻す。
【0022】
理想的な場合には、図9に図解するように、ゼロ電圧バイアスが電極101へ印加された結果、反射光がなくなってバイナリ0を送信し、そして、−5ボルトのDCバイアス電圧が電極101へ印加された結果、ユーザ局7からの光がQDSEデバイス91から反射して戻され、バイナリ1を送信する。しかし、普通には、QCSE変調器91は、DCバイアスが電極101へ印加されないときは光ビームの70%を、そして−5ボルトのDCバイアスが電極101へ印加されたときは光ビームの95%を反射することになる。従って、実際には、バイナリ0が送信されるときと、バイナリ1が送信されるときとで、ユーザ局7で検出される光量間には約25%の差しかない。
【0023】
真性層95−2によって吸収される受信光ビーム量は、真性層95−2の深さを増加させるように追加の量子ウエルを加えることによって増やすことができる。しかし、真性層95−2の深さを増加させると、光が真性層95−2を通過できるようにするためには、より高い電圧を電極101へ印加して、真性層95−2を横切るのに必要な電界を生成しなければならない。そのために、真性層95−2の吸収率と電極101へ印加される電圧との間にはトレードオフがある。
【0024】
QCSE変調器91を使用することによって、毎秒ギガビットを超える個々の変調器セルの変調速度が達成できる。
【0025】
図10は、この実施の形態に使用される変調器アレイ75の表面を示す。図示のように、変調器アレイ75は2次元アレイであり、Y方向に設けられた16個の変調器素子91とY方向に対して垂直なX方向に設けられた2個の変調器素子91とを持つ。X方向の変調器は2個だけであるため、この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、変調器アレイ75の製作において変調器素子91をアレイの両側からアドレスできるので大いに単純化される。
【0026】
この実施の形態では、各変調器素子91は、X方向にほぼ1mmの長さとY方向にほぼ100μmの幅を有する。この配列は、フロア数の多いビルディング内の、予想されるユーザ分布に合うよう選定されたものである。詳細には、変調器アレイ75は、X方向がビルディングの水平方向に対応し、Y方向がビルディングの垂直方向に対応するよう整列され、ユーザは主にY方向に分布すると予測されるので、変調器素子91はY方向よりX方向に少なく設けられている。X方向の変調器素子91の長さは、ビルディングの側方向の的確な受信可能範囲を確保するようにY方向の幅より長くとられている。
【0027】
ローカル分配ノード3は、複数の光検出素子を有する検出器アレイ77も備える。各検出器素子は、それぞれのユーザ局7からの入射光を対応電気信号に変換し、その対応電気信号は検出回路79へ入力される。検出回路79では、検出器アレイからの電気信号が増幅され、次に検出回路79は従来のクロック回復とデータ再生処理を実行して、ユーザ局7からのメッセージデータを回生する。全ユーザ局7からの回生メッセージデータは、次に通信制御ユニット71へ出力され、制御ユニットはメッセージデータを光ファイバ5伝いの光信号として中央分配システム1へ送信する。
【0028】
図7に示すように、変調器アレイ75と検出器アレイ77のために別体の光学系が設けられる。詳細には、変調器アレイ75は、レンズ、以後変調器レンズ79と称する、の実質的に後方焦点面内に配置される。この技術に精通した者には言うまでもなく、変調器レンズ79は、ユーザ局から受信した低発散光ビームを、レンズの後方焦点面内で位置が受信光ビームの入射角に依存する一点に向ける。言い換えれば、変調器レンズ79は、その視野内の異なる方向を、変調器アレイ上の異なる位置へマップする。このようにして、変調器アレイは、変調器レンズ79の視野内の異なる場所に位置決めされた複数ユーザ局7からの光ビームを変調および反射することができる。
【0029】
この実施の形態では楔形アレイ81が設けられて、変調器レンズ79を通し送信されたユーザ局7からの光ビームを偏向し、それにより主光線は変調器アレイ75のそれぞれの変調器素子上へ垂直に入射する。この実施の形態では、楔形アレイ81は変調器アレイ75の前面に位置決めされるので、ユーザ局7からの変調器レンズ79によって集光された実質的に全ての光は楔形アレイの単体楔形プリズムを通過する。楔形アレイ81がないと、変調器レンズ79を通過する各ユーザ局7からの光の主光線は、一般的に変調器アレイ75上へ垂直に入射しないことになり、従って変調器アレイ75によって反射される変調光は、その生成源であるユーザ局7へ同一経路に沿って進行して戻らないことになる。
【0030】
図11は、楔形アレイ81の効果をより詳細に示す。図示のように、楔形アレイ81は複数の楔形プリズム111_1、111_2、111_3を備え、各プリズム111が関連変調器素子91に隣接して位置決めされるように、それらのプリズムは変調器アレイ75の対応する変調器素子91と空間的に整合される。楔形アレイ81の各楔形プリズム111は、その楔形プリズム111の楔形角度と屈折率nによって決定される角度で入射する光線を偏向する。図11に示すように、光の主光線113_1、すなわち、変調器レンズ79に対して入射口ひとみの中心を通過する光線は、楔形角度がφで表示される楔形プリズム111_2上へ、変調器アレイ75の面の垂線に対して角度θで入射する。図11に破線で示したように、楔形アレイ81がない場合、主光線113_1は、変調器素子91_2上へ、垂線に対して角度θで入射することになるので、反射してそれ自体へ戻らないことになる。楔形角度φは、次式を満足するよう選択される:
【0031】
φ=tan−1[sinθ/(n−cosθ)] (式1)
【0032】
この関係は、主光線113_1が、変調器素子91_2上へ垂直に入射し、変調器素子91_2によって反射してそれ自体へ戻されるように、主光線113_1がθに等しい角度で確実に偏向させる。概ね有効な薄い楔の近似により、主光線から離れた光線も角度θで偏向されることになるので、例えば、光線113_2は、変調器素子91_2によって光線113_3の経路に沿って反射され、その逆も同様である。
【0033】
ユーザ局7からの主光線と変調器アレイ75への垂線との間の角度が大きくなるのに従い、対応する楔形プリズムの楔形角度も、主光線が変調器アレイ75上へ垂直に入射するには大きな偏向が必要となるので、大きくしなければならない。そのため、楔形アレイ81の中心に配置された楔形プリズムは変調器レンズ79の光軸近くに位置するが、楔形アレイ81の中心から遠い楔形プリズム111の楔形角度より小さい楔形角度を有する。明瞭にするために、図11は、変調器アレイ75に対して垂直な面を通る楔形アレイ81と変調器アレイ75の断面を示す。この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、変調器アレイ75は2次元であるから、楔形アレイ81は、一般的にX方向とY方向で異なる楔形角度を有する楔形プリズムの2次元のアレイによって形成される。
【0034】
この実施の形態では、楔形アレイ111は、光学プラスチック材料の射出成形で得られる。
【0035】
検出器アレイ77は、それぞれのレンズ、以後アップリンク検出レンズ83と称する、の後方焦点面に位置決めされる。この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、アップリンク検出レンズ83を通過する主光線が検出器アレイ77に対して垂直に入射する必要はない。従って、アップリンク検出レンズ83は、単に、ユーザ局7からできるだけ多くの光を集光し、集光した光をそれぞれの検出素子へ向けるよう設計される。この実施の形態では、アップリンク検出レンズ83のサイズは変調器レンズ79の2倍であるが、ほぼ同じ焦点距離を持っている。言い換えれば、アップリンク検出レンズ79のFナンバーは、変調器レンズ83のほぼ半分である。
【0036】
初期化手順を実行した後にユーザ局7はローカル分配ノード3と通信できる。この初期化手順を以下簡単に説明する。新規ユーザ局7の設置時に、ユーザ局7が出力するレーザービームをおおまかにローカル分配ノード3へ向けるように、設置者が手動でユーザ局7を軸合わせする。次に設置者は、新規ユーザ局7を設置モードに設定するが、このモードでは自動的な微細軸合わせが水平ステッパーモータ47と垂直ステッパーモータ49を使用して行なわれる。
【0037】
設置モードは、ユーザ局7内の光学アセンブリ51が水平および垂直ステッパーモータの行程の中央に位置決めされることで始まる。ユーザ局7は、リンク要求信号(LRS)を伝達するレーザービームを出力する。光分配ノード3がLRSを検出する場合、光分配ノード3は返答をユーザ局7へ送信する。光分配ノード3が返答を送信する理由は、ユーザ局が反射LRSを検出した場合に、ユーザ局7により出力された光ビームがその視野内の何か別のものによって反射して戻されたかもしれないので、それが光分配ノード3によって今反射されている保証が何も無いからである。
【0038】
ユーザ局7がローカル分配ノード3からの返答を検出しない場合、光学アセンブリはステッパーモータによって(図12に示す)歩進的な方形スパイラル上に動かされ、それに伴って返答が検出されるまで水平および垂直ステッパーモータの各ステップの後に、ユーザ局7はローカル分配ノード3からの返答をチェックする。
【0039】
設置モード中、ユーザ局7が放射するレーザービームのパワーは、レーザービームが偶然に人間や動物に入射した場合の深刻な眼の損傷の可能性を回避するように、眼に安全なレベルに保たれる。
【0040】
この実施の形態では、ローカル分配ノード3へ入射する光ビームのビームサイズは、少なくとも変調器レンズ79およびアップリンク検出レンズ83のかなりの部分を包囲するのに充分大きくなければならない。これは、半導体レーザー21とコリメータレンズ25間の距離を、ローカル分配ノード3での所要ビームサイズが達成されるまで変えることによって得られる。ユーザ局7へ入射する反射光ビームがダウンリンク検出レンズ29のかなりの部分を包囲するのに充分なほど大きくすることも必要である。しかし、これは必ずしもそうならず、ユーザ局7では容易に是正できない。
【0041】
第2の実施の形態を図13Aと13Bを参照して以下に説明する。ここで、ユーザ局が出力した光ビームをダウンリンク検出レンズ31の光軸と軸合わせするために、反射体および偏光ビームスプリッタが、第1の実施の形態のユーザ局7の光学アセンブリへ追加される。ユーザ局の残りの構成要素は、第1の実施の形態の構成要素と同一である。図13Aと13Bにおいて、第1の実施の形態で対応する構成要素と同一の構成要素は、同じ符号が付されており、再度説明しない。
【0042】
図13Aは、第2の実施の形態のユーザ局における光学構成要素を示す。半導体レーザー21は、リニア偏光された光ビーム23を放射し、この光ビームコリメータレンズ25を通過して低発散光ビーム27を形成する。反射体121が、光ビーム27の伝播方向に対して45°の角度で軸合わせされ、それにより光ビーム27は直角に反射され、ダウンリンク検出レンズ31の光軸に対して45°に軸合わせされた偏光ビームスプリッタ123へ向けられる。反射体121からのリニア偏光された光がダウンリンク検出レンズ31の光軸に沿ってユーザ局から離れてローカル分配ノードへ向けられるように、偏光ビームスプリッタ123の偏光分離面は、その光を反射する。
【0043】
図13Bは、第2の実施の形態のローカル分配ノードの主要構成要素を示す。図示のように、第1の実施の形態のローカル分配ノードとの唯一の差異は、4分の1波長板131が変調器レンズ79の前面(すなわち、変調器アレイ75から離れた変調器レンズ79側)に設けられている点である。先に説明したように、ユーザ局のコリメータレンズ25は、ユーザ分配ノードへ入射する光ビームが変調器レンズ79およびアップリンク検出レンズ83の両方を包囲する位置まで走査される。ユーザ局からの幾らかの光は4分の1波長板131を通過し、4分の1波長板は、リニア偏光された光を円偏光の光に変換してから、変調器レンズ79を通過する。円偏光された光は次に変調器アレイ75により反射されて、変調器レンズ79および4分の1波長板131を通って戻り、4分の1波長板131は反射された円偏光の光をリニア偏光の光に変換し、そのリニア偏光方向はユーザ局からの光ビームの偏向方向に対して垂直である。
【0044】
図13Aに戻ると、ローカル分配ノードからのリニア偏光された光は、偏光ビームスプリッタ123の偏光分離面を通って送信され、次にダウンリンク検出レンズ31によって検出器33上に焦点を結ぶ。
【0045】
上で説明したように、反射体121および偏光ビームスプリッタ123を使用して、半導体レーザー21によって放射された光ビームを検出レンズ31の光軸に沿って取り回すことによって、ローカル分配ノードからの逆反射された光ビーム29の大部分がダウンリンク検出レンズ31へ入射することが確保される。更に、ダウンリンク検出レンズ31は検出器33と偏光ビームスプリッタ123間に設けられるので、半導体レーザーからの光の、ダウンリンク検出レンズ31の光学面からの戻り反射は発生しない。
【0046】
第1および第2の実施の形態において、変調器アレイ75の変調器素子91は、間隙を介して分離されている。このことは、レンズの視野内には、ユーザ局とローカル分配ノード間の通信に信頼性のおけない場所があることを意味する。なぜなら、それらの場所は画素間の間隙へマップされる方向に沿っているからである。第3の実施の形態を図14を参照して以下に説明する。ここでは、楔形アレイの楔形プリズムが曲面を持ち、関連する変調器素子の拡大像を形成する。このようにして、変調器アレイは、ローカル分配ノードの外側から観たときに100%の充填密度を持つように見える。
【0047】
図14は、楔形アレイおよび変調器アレイの一部分を示す。第3の実施の形態の残りの構成要素は、第1の実施の形態の構成要素と同一であり、従って再度説明しない。
【0048】
図14に示すように、楔形アレイの楔形プリズム135_1、135_2および135_3の各々は曲面を持つ。各楔形プリズムに対して、曲面の中心に対する接線は、変調器アレイ75の表面に平行な面に対して角度φを成す。角度φは上記式1に従って選定され、それにより変調器アレイ75の平面の表面の垂線に対して角度θで曲面の中心に到る主光線は、関連変調器素子91_2へ垂直に入射するように偏向される。楔形プリズム135の表面の曲率は、曲面上の点に対する接線と変調器アレイ75の表面に平行な面との間の角度が、楔形アレイ141の中心から更に離れた楔形プリズム135の曲面上の点に対して大きくなることを意味する。従って、この曲面は、関連変調器素子91の拡大像を形成する正の相当光学倍率を持つ。
【0049】
実効充填密度が、相当光学倍率を持つエレメントのアレイを使用することによって高くする方法の更なる詳細は、国際特許出願WO01/05069に記載されており、その内容全体を引用して本明細書に組込む。
【0050】
第1から第3の実施の形態では、ユーザ局はローカル分配ノードに対して固定位置にある。第4の実施の形態を、図15と16を参照して以下に説明する。ここでは、ユーザ局はローカル分配ノードに対して移動できる。この実施の形態では、ローカル分配ノードは第1の実施の形態と同一である。
【0051】
図15は、第4の実施の形態のローカル分配ノード3およびユーザ局の主要構成要素を概略的に図解する。第1の実施の形態で対応する構成要素と同じ構成要素は、同じ符号が付されており、再度説明しない。
【0052】
図15に示すように、インタフェースユニット41は、ユーザ装置(不図示)とユーザ局の中央制御ユニット141との間のインタフェースとして動作する。インタフェースユニット41で受信されたユーザ装置からのデータは、中央制御ユニットへ入力され、中央制御ユニットは受信データに従ってレーザー駆動器143のための制御信号を生成する。レーザー駆動器143は、放射器アレイ145のための駆動信号を生成し、放射器アレイ145は、この実施の形態では、各画素に位置決めされた面発光型半導体レーザー(vertical cavity surface emitting laser)(VCSEL)を持つ2次元の画素化平面アレイを備える。VCSELの使用は、ウェーハを切断する必要も無く、放射器アレイ145を単一の半導体ウェーハから製造できるので好ましい。これは、従来の半導体レーザーにとって可能であろう密度より高い密度のレーザー素子を可能にする。1mWと30mW間のパワーレンジで850nmの領域の波長を持つ光ビームを出力するVCSELアレイは、スイスの CSEM SA、Badenerstrasse 569, 8048 Zirichが市販している。
【0053】
この実施の形態では、レーザー駆動器143は、放射器アレイ145のVCSELを個々に駆動することができ、ユーザ装置からローカル分配ノードへのアップリンクデータを伝達するために中央制御ユニット141によって出力される制御信号に従って小信号変調を加える。各VCSELから放射される光は、楔形アレイ147のそれぞれの楔形プリズムに入射する。楔形アレイ147の楔形プリズムは放射光を偏向し、それによりVCSELによって放射される放射器アレイ145の表面に対して垂直な光線がコリメータレンズ25の開口絞りの中心を通るように向けられる。
【0054】
図16は、放射器アレイ145、楔形アレイ147およびコリメータレンズ25の拡大図を示す。図示のように、楔形アレイ145の楔形プリズムは、各VCSELが、対応する楔形プリズムに関係するように、放射器アレイ145のVCSELと空間的に整合される。更に、この実施の形態では、楔形アレイ147は、VCSELから放射される実質的に全ての光が楔形アレイ147の関連楔形プリズムを通過するように、放射器アレイ145に隣接して位置決めされる。放射器アレイ145内のVCSELから垂直に放射される光線は、コリメータレンズ25の開口絞りの中心を通過するように、関連楔形プリズムによって偏向される。楔形アレイ147内の各楔形プリズムの楔形角度φは、上記式(1)を使用して決定され、角度θは、開口絞りの中心から楔形プリズムへ通る線とコリメータレンズ25の光軸との間の内在角度である。従って、楔形角度は、楔形アレイ147の中心から楔形プリズムまでの距離に伴って大きくなる。
【0055】
楔形アレイ147を使用する利点は、放射器アレイ147内のVCSELの各々からの光のコリメータレンズ25による集光効率がほぼ一定であること、従ってユーザ局から出力される光の強度がVCSELの各々に対して同じであることである。対照的に、従来のコリメータレンズでは、光出力の強度は、VCSELアレイの中心でVCSELが放射する光の方が、放射器アレイ145の端部でVCSELが放射する光より強い。
【0056】
ローカル分配ノードから受信された変調光は、ダウンリンク検出レンズ31によって集光され、検出器アレイ149の光検出素子へ向けられる。この実施の形態では、検出器アレイ149は光ダイオードの2次元アレイである。検出器アレイ149の検出素子は、入射光を対応電気信号に変換し、電気信号は検出回路151へ入力され、この検出回路は電気信号を増幅およびフィルタにかけ、フィルタにかけられた信号は中央制御ユニット141へ入力される。中央制御ユニット141は、ローカル分配ノードから送信されたデータをフィルタにかけた信号から再生し、インタフェースユニット41を経由してデータをユーザ装置へ送る。
【0057】
内容全体を引用して本明細書に組込まれた国際特許出願WO00/48338に記載されるように、ユーザ局に対するローカル分配ノードの方向は、検出器アレイ149内の検出素子がローカル分配ノードからの変調光を検出するかを決定する。従って、トラッキング動作がなされ、その中で、ローカル分配ノードへの光ビーム出力に使用される放射器アレイ145内のVCSELが、検出器アレイ149の検出素子のうち、ローカル分配ノードから返送された光を検出する検出素子に従って選定される。
【0058】
−変形および更なる実施の形態−
図解した実施の形態では、光学エレメントのアレイへ空間的に整合させた複数の楔形プリズムを使用して楔形アレイが形成されている。楔形プリズムの楔形角度は、楔形アレイと(テレセントリックでない)標準レンズとが総合してテレセントリックレンズに近似するように、楔形アレイ内の楔形プリズムの位置に従って変えられる。
【0059】
上記実施の形態の楔形アレイは光学プラスチックを射出成形することによって製造されるが、この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、他の製造技術も利用できる。
【0060】
第3の実施の形態では、楔形プリズムの光学面は正の光学倍率を提供するように曲面を成し、この正の光学倍率が、変調器素子の実効充填密度を改善するために、関連変調器素子のサイズを拡大する。曲面は非点収差または他の光学収差を矯正するよう非球面であってもよい。曲面を持つ楔形プリズムを放射器アレイと共に使用できることは、この技術に精通した者にとっては言うまでもない。
【0061】
上記実施の形態で、光ビームは、屈折に因り楔形プリズムによって偏向される。この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、屈折効果を得るために、一定の屈折率を持つ楔形プリズムに代って、変化する屈折率分布を持つ平面構造を備えてもよい。この平面構造の屈折率分布は、各屈折エレメントが相当する正の光学倍率を持つように、そして、非点収差を矯正するように、編成できるだろう。更に、ビーム偏向を得るために屈折を利用することは必須ではない。例えば、(ホログラム等の)回折光学エレメントを使用でき、反射体のアレイでさえ使用できるだろう。
【0062】
上記実施の形態では、光検出器に当る戻り反射を減らすために、別体の光学系が光放射器と光検出器のためにユーザ局に設けられている。テレセントリック光学系を近似するために、WO98/35328およびWO00/48338に記載のように、ビームスプリッタを使用してコリメータレンズおよびダウンリンク検出レンズの光軸を光学的に軸合わせする系にも、楔形アレイ(または同等構造)が使用できることは、この技術に精通した者にとっては言うまでもない。
【0063】
第2の実施の形態では、ビーム進路取り編成が反射体121および偏光ビームスプリッタ123によって形成され、ユーザ局が放射する光ビームを検出器用のレンズ系の光軸に沿って軸合わせする。
【0064】
上記で説明したように、ユーザ局で光放射器と光検出器のために、そしてローカル分配ノードで変調器アレイと光検出器のために別体の光学系を設けることにより、レンズ系をそれらの関連光学エレメントに従って別々に最適化することが可能になる。説明した本実施の形態に提供された特定の詳細は、単に例示の目的で付与されたものであり、本発明にとって不可欠のものではない。
【0065】
楔形アレイは、光学系を分離することに伴う利点にとって不可欠ではないことは、この技術に精通した者は容易に分かるであろう。例えば、変調器アレイおよび楔形アレイはテレセントリックレンズで置換えられるであろうし、また、変調器アレイは実質的にテレセントリックレンズの後方焦点面内に位置決めできるであろう。
【0066】
第1の実施の形態では、光放射器と光検出器は単一の光学アセンブリとしてそれらの関連光学系と一緒に搭載され、単一の光学アセンブリは、放射光ビームを進路取りするために、ステッパーモータによって移動される。代替として、光放射器と関連するレンズ系は、光検出器と関連するレンズ系とは別々に搭載できるだろう。その内容全体を引用して本明細書に組込んだWO01/05072に記載のビーム進路取り技術も使用できるだろう。別の実施の形態では、光ビームは、放射器用のレンズの一部分を形成するレンズエレメントを移動させることによって進路取りできるだろう。
【0067】
放射光ビームの方向が変えられたとき、戻り光ビームは一般的に検出器の検出面の中心に焦点を結ばないことは、この技術に精通した者にとっては言うまでもない。しかし、第1の実施の形態のように、検出面が、焦点を結んだスポットサイズよりずっと大きい場合、これは問題ではない。第1の実施の形態の編成において、放射光ビームの方向が変えられたとき、検出レンズの光軸は移動させられて、放射光ビームの方向に整合するので、検出表面が、焦点を結んだスポットサイズよりずっと大きいことは不可欠でないこともこの技術に精通した者にとっては言うまでもない。
【0068】
説明した実施の形態では、複数ユーザ局からの光ビームは、ローカル分配ノード内の変調器アレイの各変調器素子上に入射し、それら光ビーム生成源のユーザ局へ逆反射して戻される。代替として、複数の光放射器をローカル分配ノード内に設け、変調器をユーザ局の各々に設けることができよう。
【0069】
第1から第3の実施の形態では、QCSE変調器が使用されている。この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、他の種類の反射体および変調器も使用できるだろう。例えば、平面ミラーを反射体として使用でき、(液晶等の)透過型変調器をレンズとミラーとの間に設けることができるだろう。更に、反射体および/または変調器を単体装置に統合する必要はなく、反射体および/または変調器を共通平面に配置することも不可欠でないことは、この技術に精通した者にとっては言うまでもないが、これらの特徴は、装置の容易な製造および容易な軸合わせにとって好ましい。
【0070】
第1から第3の実施の形態では、変調器素子は長方形マトリクスに編成されている。しかし、これは不可欠でなく、変調器素子を形状の異なる規則的アレイ、さもなければ不規則編成にさえ編成できるだろう。
【0071】
第4の実施の形態ではVCSELアレイが使用されている。この技術に精通した者にっとは言うまでもなく、他の形式の光放射器を使用できるだろう。例えば、従来の半導体レーザーを使用できるだろう。
【0072】
第1から第4の実施の形態では、全双方向伝送システムが説明されている。代替として単方向伝送システムを使用できるだろう。このシステムでは、無変調光ビームは逆反射体へ送られ、そこで変調および反射して戻され、検出器によって検出される。代替として、半双方向システムを使用できるだろう。このシステムは、ユーザ局が無変調光ビームをローカル分配ノードへ送り、そこでビームが変調され、ユーザ局へ反射して戻されて、データを一方向へ伝達するか、または、変調データがユーザ局によって放射されて、データをローカル分配ノードへ伝達する。この場合には、QCSE変調器を用いて、ユーザ局からの変調光ビームを検出できるであろう。
【0073】
用語の「光」は、可視領域だけでなく電磁波スペクトルの紫外および赤外領域での電磁波も含むことは、この技術に精通した者にとっては言うまでもない。上記実施の形態は波長が約850nmのレーザービームを使用しているが、他の波長を使用できるだろう。とりわけ、1.5μmの波長は、本質的に眼にとってより安全であり、安価な放射器と検出器が光ファイバ通信用にこの波長に対して開発されているので魅力的な代替である。
【0074】
ユーザ局およびローカル分配ノード内のレンズは単体のレンズで概略的に表されているが、実際には、各レンズは複数のレンズエレメントを有してもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、中央分配システムと複数のユーザ局との間でデータを分配する一点対多点通信システムの概略図である。
【図2】図2は、図1に示すデータ分配システムの一部分を形成するユーザ局および関連ユーザ装置の概略図である。
【図3】図3は、図2に図解するユーザ局の透視図である。
【図4】図4は、図2に図解するユーザ端末の一部分を形成する検出器の検出面を示す概略図である。
【図5】図5は、ユーザ局によって放射されるレーザービームのパワーが、ユーザ装置からローカル分配ノードへ送信されるアップリンクデータのための小信号変調を達成するように変えられる方法を図解するプロットである。
【図6】図6は、ローカル分配ノードからユーザ装置へ送信されるダウンリンクデータに及ぼす小信号変調の影響を概略的に図解するアイパターンである。
【図7】図7は、図1に図解するデータ分配システムの一部分を形成するローカル分配ノードの概略図である。
【図8A】図8Aは、図7に図解するローカル分配ノードの一部分を形成する変調器アレイ内の一変調器の、DCバイアス電圧がその電極へ印加されないときの第1動作モードにおける断面図である。
【図8B】図8Bは、図7に図解するローカル分配ノードの一部分を形成する変調器アレイ内の一変調器の、バイアス電圧がその電極へ印加されるときの第2動作モードにおける断面図である。
【図9】図9は、図8Aと8Bに示す変調器に入射する光が、画素電極へ印加されるバイアス電圧に依存して変調される方法を概略的に図解する信号図である。
【図10】図10は、図7に示すローカル分配ノードの一部分を形成する変調器アレイの表面の概略図である。
【図11】図11は、図7に図解するローカル分配ノードの一部分を形成する楔形アレイの、および変調器アレイの一部分を概略的に示す。
【図12】図12は、通信リンクを確立するよう、図2に示すユーザ局から放射された光ビームを、図7に示すローカル分配ノードと軸合わせするための探索パターンを概略的に示す。
【図13A】図13Aは、図2に図解するユーザ局のための代替光学アセンブリを概略的に示す。
【図13B】図13Bは、図7に図解するローカル分配ノードに対する代替ローカル分配ノードを概略的に示す。
【図14】図14は、図7に示すローカル分配ノードのための変調器アレイの、および代替の楔形アレイの一部分を概略的に示す。
【図15】図15は、図1に図解するデータ分配システムのための代替ユーザ局の主要構成要素を概略的に示す。
【図16】図16は、図15の拡大した一部を概略的に示す。
本発明は、信号システムおよびその構成要素に関する。詳細には、本発明は、自由空間光ビームを変調することによってデータを伝達する信号方法および装置に関する。
【0002】
全体の内容が引用されて本明細書に組込まれる国際特許出願WO98/35328は、自由空間光ビームを使用した一点対多点通信システムを記載している。WO98/35328は、詳細には、(例えば、街路の家屋ごとに設けられた)複数のユーザ局が(例えば、街路の電柱に設けられた)ローカル分配ノードへ向けた無変調光ビームを放射するように成したシステムについて説明している。ローカル分配ノードでは、各入光ビームが、個々に駆動可能な変調器素子から成るアレイの各変調器素子によりデータ信号に従って変調され、その生成源であるユーザ局へ反射して戻される。変調光ビームはユーザ局で検出され、データ信号が再生される。
【0003】
WO98/35328に記載されたシステムのローカル分配ノードでは、各ユーザ局からの光は、生成源であるユーザ局へ向けてその光を戻すためにテレセントリックレンズの後方焦点面に配置した実質的に平面の反射体によって逆反射される。テレセントリックレンズを使用することによって、テレセントリックレンズを通過するユーザ局の各々からの主光線(すなわち、テレセントリックレンズの入射ひとみの中心を通過する光線)は、反射体の反射面に対して垂直に入射し、従って反射体は入射光をその入射路に沿って反射して戻す。このように、反射体とテレセントリックレンズは逆反射体を形成する。テレセントリックレンズを使用する別の利点は、異なるユーザ局からの光ビームが、テレセントリックレンズ視野内へのユーザ局の配置にかかわらず、それら光ビームそれぞれの変調器素子上へ同一角度で入射するである。このようにして、光ビームが変調器素子に当る角度に概ね依存する変調の効率(すなわち、変調の深さ)は全てのユーザ局からの光ビームに対してほぼ一定である。
【0004】
WO98/35328に記載されたシステムのユーザ局では、半導体レーザーが光ビームを出力し、この光ビームはコリメートされ、次にビームスプリッタを通して送信された後にテレスコープ編成によって拡張される、そして、ローカル分配ノードからの反射して戻された変調光は、テレスコープ編成を通過して戻り、光ダイオード上へビームスプリッタによって反射される。この編成に伴う問題は、半導体レーザーにより放射され、ビームスプリッタを通って送信された光の一部がテレスコープ編成の光学面により反射されてビームスプリッタへ戻され、そしてこのビームスプリッタ光ダイオード上へ光を反射し、その結果、大きな定常状態背景ノイズレベルを招き、これが、ローカル分配ノードからの反射して戻された変調光ビームによって伝達されるデータを回生するときに信号対ノイズ比を著しく低減させるとともに、光ダイオードを飽和させることである。
【0005】
本発明の一側面によれば、レンズおよび複数の光学エレメントを備える光学装置が提供される。ビーム偏向手段が、レンズと複数の光学エレメントとの間の光路に位置決めされて、レンズを通過する複数の主光線を、レンズの光軸と光学的に平行になるように偏向する。このようにして、レンズとビーム偏向手段は、WO98/35328に記載のテレセントリックレンズ編成の代替を成す。
【0006】
本発明の別の側面によれば、光放射器および光検出器を備える自由空間逆反射信号システムのための信号装置が提供される。光検出器用レンズ系を光が通って向くようにする放射光ビームの分岐に依存してレンズ系が別体に光放射器と光検出器のために設けられる。このようにして、レンズ系の構成要素を離れて光検出器上に入射する放射光の反射は低減される。更に、これらレンズ系は、光放射器および光検出器に関連する、異なった要件に従って別々に最適化できる。
【0007】
本発明の更なる側面によると、光変調器および光検出器を備える自由空間逆反射信号システムのための信号装置が提供される。レンズ系が別体に光変調器と光検出器のために設けられる。このようにして、レンズ系は、光変調器および光検出器に関連する、異なった要件に従って別々に最適化できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の例示の実施の形態を、添付図面を参照して以下に説明する。
【0009】
図1は、一点対多点信号システムを用いて、複数ユーザ局へデータを送信するとともに、それらユーザ局からデータを受信するデータ分配システムを概略的に図解する。図示のように、データ分配システムは中央分配システム1を備え、中央分配システム1は、複数のローカル分配ノード3a〜3cへそれぞれの光ファイバ5a〜5c経由で光データ信号を送信し、それらローカル分配ノードから光データ信号を受信する。
【0010】
ローカル分配ノード3aで、自由空間光リンク11a〜11d、すなわち、内部で光が光ファイバ路伝いに案内されない光リンクを使用して、中央分配システム1から受信したデータストリームがそれぞれのユーザ局7a〜7dへ送信され、中央分配1への送信用データはユーザ局7a〜7dから受信される。同様に、データはローカル分配ノード3bとユーザ局7e〜7hとの間を、自由空間光リンク11e〜11hを使用して伝送され、そしてデータはローカル分配ノード3cとユーザ局7i〜7lとの間を、自由空間光リンク11i〜11lを使用して伝送される。ユーザ局7の各々は、少なくとも一台のユーザ装置(不図示)へ接続される。この実施の形態で、ユーザ装置は、チャネル情報を中央分配システム1へ送信するとともに、応答して対応するテレビジョン信号を受信するテレビジョン受像機(不図示)、および、インターネットに中央分配システム経由でアクセスするコンピュータシステム(不図示)を含んでいる。
【0011】
この実施の形態で、各ユーザ局7は、低発散率自由空間光ビームを放射し、この光ビームは、ローカル分配ノードへ伝達されるべきデータに従って変調されて、対応するローカル分配ノード3へ向けられる。各ローカル分配ノード3は複数の変調素子(図1には不図示)を有し、これら変調素子は、各ユーザ局7からの光ビームを変調および逆反射して、ローカル分配ノード3からユーザ局7へデータを伝達する。
【0012】
図2は、図1に示すデータ分配システムの一ユーザ局7の主要構成要素をより詳細に概略的に図解する。図示のように、ユーザ局7は、コヒーレント光のビーム23を出力する半導体レーザー21を備える。この実施の形態では、ユーザ局7は、200メートルの範囲内のローカル分配ノード3との間で99.9%のリンク有効性で通信できるように設計されている。これを達成するために、半導体レーザー21は、850nmの波長を持つレーザービームを出力する50mWの半導体レーザーである。
【0013】
出力光ビーム23は、光ビーム23の発散角を低減するレンズ25、以後コリメータレンズ25と称する、を通過して、実質的に低発散率の光ビーム27を形成する。低発散率光ビームの発散率は、コリメータレンズ25と光源21間の距離を変更することによって変えることができる。しかし、この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、半導体レーザーの放射開口での回折に起因して低発散光ビーム27は完全にはコリメートできない。この実施の形態では、コリメータレンズ25が低収差レンズであるので、低発散率ビーム27は比較的均一な波面を持つが、このレンズは直径50mmで、半導体レーザー21が放射する全ての光を集光するのにまさに十分な大きさのFナンバーを持つ。
【0014】
光ビーム27の発散率が低いとはいえ、ローカル分配ノード3による反射後のユーザ局7上に入射する光ビーム29のサイズは、ユーザ局7を離れる低発散率光ビーム27の発散率より著しく大きい。この実施の形態では、図3に示すように、受信された光ビーム29のビームサイズは、レンズ、以後ダウンリンク検出レンズ31と称する、を包囲するのに十分な大きさであり、レンズはコリメータレンズ25に隣接して設けられる。この実施の形態では、コリメータレンズ25およびダウンリンク検出レンズ31の入射口ひとみは同一平面に配置される。
【0015】
図2に戻ると、図では明確にするためにダウンリンク検出レンズ31に入射する受信光ビーム29の一部だけが示されているが、ダウンリンク検出レンズ31は受信光ビーム29からの光を検出器33上に焦点を結ばせるが、検出器33は、この実施の形態ではアバランシュ光ダイオードである。ダウンリンク検出レンズ31の直径は100mmであるが、その主な目的が単に可能な限り多くの光を検出器33上へ向けることであるので、コリメータレンズ25ほどの高品質を必要としない。図4は、検出器33の検出面61と、受信光ビーム29からの光に焦点を結ばせるダウンリンク検出レンズ31によって形成される光スポット63とを概略的に示す。この実施の形態では、検出面61の直径が500μmであるのに対し、光スポット63の直径は略50μmである。
【0016】
検出器33は受信光ビームを対応電気信号に変換するが、この電気信号は、ローカル分配ノード3で成される変調に従って変化する。電気信号は増幅器35によって増幅され、次にフィルタ37にかけられる。フィルタにかけられた信号は、中央制御ユニット39へ入力され、制御ユニット39は従来のクロック回生とデータ回復操作を行って、中央分配システム1からのデータを再生する。回復データは、次にユーザ装置43へ接続されているインタフェースユニット41へ送られる。
【0017】
インタフェースユニット41はユーザ装置43からのデータも受信し、受信データを中央制御ユニット39へ入力し、中央制御ユニット39はローカル分配ノード3経由で中央分配システム1への伝送のために適切なメッセージを生成する。このメッセージはレーザー駆動器43へ出力され、駆動器43は、半導体レーザー21によって出力される光ビーム23をメッセージに従って変調する。この実施の形態では、レーザー駆動器43は、半導体レーザー21によって出力される光ビーム23に小信号変調を行う。図5はこの変調を図解するとともに、CWレーザーレベル65およびそれに対して行われた小信号変調67を示す。逆反射システムのこの非対称経路損失ゆえに、小信号変調コンセプトを用いて、「全」帯域幅アップリンクチャネルを提供することができる。この技術に精通した者には言うまでもなく、このアップリンク変調データは、ダウンリンクデータにとって更なるノイズ源となる。これを図6に図解するが、この図は、干渉アップリンクデータ67を含むダウンリンクデータ69に対するアイパターン、およびその結果としてのノイズマージン70の低減を示す。しかし、アップリンク変調深さが充分に低く保たれる場合、アップリンクおよびダウンリンクの両方は等しい帯域幅で動作できる。この実施の形態では、アップリンク変調深さは、CWレーザーレベルの略3%である。この小信号変調の更なる詳細は、国際特許出願WO01/05071に記載され、その内容全体を引用して本明細書に組込む。
【0018】
図2に戻ると、中央制御ユニット39は、水平ステッパーモータ47へ駆動信号を供給する第1モータ駆動器45a、および垂直ステッパーモータ49へ駆動信号を供給する第2モータ駆動器45bにも接続されている。この実施の形態では、半導体レーザー21、コリメータレンズ25、検出器33およびダウンリンク検出レンズ31は一緒に搭載されて、単体の光学アセンブリ51を形成し、そして水平ステッパーモータ47が光学アセンブリ51を垂直軸周りに回転させるよう動作可能であり、それによりコリメートされた光ビーム27は水平面内で移動し、垂直ステッパーモータ49が光学アセンブリ51を水平軸周りに回転させるよう動作可能であり、それによりコリメートされた光ビーム27は垂直面内で移動する。このようにして、放射光ビームの方向を変えることができる。
【0019】
図7は、一つのローカル分配ノード3の主要構成要素を概略的に図解する。図示のように、ローカル分配ノード3は通信制御ユニット71を備え、この制御ユニットは中央分配システムからのデータを伝達する光ファイバ5伝いに送信される光信号を受信して、受信光信号から伝達されたデータを再生する。通信制御ユニット71は、伝達されたデータに従って制御信号を生成し、制御信号は変調器駆動回路73へ出力され、駆動回路73は対応する駆動信号を変調器アレイ75へ供給する。この実施の形態では、変調器アレイ75の変調器素子は、変調器駆動回路73によって出力される駆動信号が変調器素子の反射率を変えるのに伴って、変調器駆動回路73によって個々にアドレス可能である。
【0020】
この実施の形態では、変調器アレイ75は、量子閉込シュタルク効果(Quantum Confined Stark Effect)(QCSE)デバイス(これは時には自己光電効果デバイス(Self Electro−optic Effect Devices )つまりSEEDとも称せられる)の2次元平面集積アレイを備える。図8Aは、一つのQCSEデバイス91の断面を概略的に図解する。図示のように、QCSEデバイス91は、しかるべきユーザ局7からの光ビームが通過する透明窓93を備え、それに続いてガリウム砒素(GaAs)ベース材料でできた3層95−1、95−2、95−3を備える。層95−1はp型導電層であり、層95−2は内部に形成された複数の量子ウエルを有する真性層であり、そして層95−3はn型導電層である。これら3層95は一緒にp−i−nダイオードを形成する。図示のように、p型導電層95−1は電極101へ接続され、n型導電層95−3は接地端子103へ接続される。この実施の形態ではブラッグ反射体である反射層97がn型導電層95−3の下に設けられ、そして基板層99が反射層97の下に設けられる。
【0021】
動作時に、ユーザ局7からの光ビームは、窓93を通過してガリウム砒素ベース層95へ入る。真性層95−2に吸収される光の量は、電極101へ印加されるDCバイアス電圧に依存する。理想的には、図8Aに図解するように、DCバイアス電圧が何ら電極101へ印加されないとき、光ビームは窓93を通過し、真性層95−2内で全部吸収される。その結果、電極101へ何らDCバイアス電圧も印加されてないとき、対応ユーザ局7へは何らの光も反射されて戻されない。それに対し、図8Bに図解するように、略−5ボルトのDCバイアス電圧が電極101へ印加されているとき、対応ユーザ局7からの光ビームは、窓93およびガリウム砒素ベース層95を通過して、反射層97により反射される。そのため、変調器駆動回路73からの駆動信号に従って電極101へ印加されるバイアス電圧を変化させることによって、QCSE変調器91は、受信した光ビームを振幅変調して、変調された光ビームをユーザ局7へ反射して戻す。
【0022】
理想的な場合には、図9に図解するように、ゼロ電圧バイアスが電極101へ印加された結果、反射光がなくなってバイナリ0を送信し、そして、−5ボルトのDCバイアス電圧が電極101へ印加された結果、ユーザ局7からの光がQDSEデバイス91から反射して戻され、バイナリ1を送信する。しかし、普通には、QCSE変調器91は、DCバイアスが電極101へ印加されないときは光ビームの70%を、そして−5ボルトのDCバイアスが電極101へ印加されたときは光ビームの95%を反射することになる。従って、実際には、バイナリ0が送信されるときと、バイナリ1が送信されるときとで、ユーザ局7で検出される光量間には約25%の差しかない。
【0023】
真性層95−2によって吸収される受信光ビーム量は、真性層95−2の深さを増加させるように追加の量子ウエルを加えることによって増やすことができる。しかし、真性層95−2の深さを増加させると、光が真性層95−2を通過できるようにするためには、より高い電圧を電極101へ印加して、真性層95−2を横切るのに必要な電界を生成しなければならない。そのために、真性層95−2の吸収率と電極101へ印加される電圧との間にはトレードオフがある。
【0024】
QCSE変調器91を使用することによって、毎秒ギガビットを超える個々の変調器セルの変調速度が達成できる。
【0025】
図10は、この実施の形態に使用される変調器アレイ75の表面を示す。図示のように、変調器アレイ75は2次元アレイであり、Y方向に設けられた16個の変調器素子91とY方向に対して垂直なX方向に設けられた2個の変調器素子91とを持つ。X方向の変調器は2個だけであるため、この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、変調器アレイ75の製作において変調器素子91をアレイの両側からアドレスできるので大いに単純化される。
【0026】
この実施の形態では、各変調器素子91は、X方向にほぼ1mmの長さとY方向にほぼ100μmの幅を有する。この配列は、フロア数の多いビルディング内の、予想されるユーザ分布に合うよう選定されたものである。詳細には、変調器アレイ75は、X方向がビルディングの水平方向に対応し、Y方向がビルディングの垂直方向に対応するよう整列され、ユーザは主にY方向に分布すると予測されるので、変調器素子91はY方向よりX方向に少なく設けられている。X方向の変調器素子91の長さは、ビルディングの側方向の的確な受信可能範囲を確保するようにY方向の幅より長くとられている。
【0027】
ローカル分配ノード3は、複数の光検出素子を有する検出器アレイ77も備える。各検出器素子は、それぞれのユーザ局7からの入射光を対応電気信号に変換し、その対応電気信号は検出回路79へ入力される。検出回路79では、検出器アレイからの電気信号が増幅され、次に検出回路79は従来のクロック回復とデータ再生処理を実行して、ユーザ局7からのメッセージデータを回生する。全ユーザ局7からの回生メッセージデータは、次に通信制御ユニット71へ出力され、制御ユニットはメッセージデータを光ファイバ5伝いの光信号として中央分配システム1へ送信する。
【0028】
図7に示すように、変調器アレイ75と検出器アレイ77のために別体の光学系が設けられる。詳細には、変調器アレイ75は、レンズ、以後変調器レンズ79と称する、の実質的に後方焦点面内に配置される。この技術に精通した者には言うまでもなく、変調器レンズ79は、ユーザ局から受信した低発散光ビームを、レンズの後方焦点面内で位置が受信光ビームの入射角に依存する一点に向ける。言い換えれば、変調器レンズ79は、その視野内の異なる方向を、変調器アレイ上の異なる位置へマップする。このようにして、変調器アレイは、変調器レンズ79の視野内の異なる場所に位置決めされた複数ユーザ局7からの光ビームを変調および反射することができる。
【0029】
この実施の形態では楔形アレイ81が設けられて、変調器レンズ79を通し送信されたユーザ局7からの光ビームを偏向し、それにより主光線は変調器アレイ75のそれぞれの変調器素子上へ垂直に入射する。この実施の形態では、楔形アレイ81は変調器アレイ75の前面に位置決めされるので、ユーザ局7からの変調器レンズ79によって集光された実質的に全ての光は楔形アレイの単体楔形プリズムを通過する。楔形アレイ81がないと、変調器レンズ79を通過する各ユーザ局7からの光の主光線は、一般的に変調器アレイ75上へ垂直に入射しないことになり、従って変調器アレイ75によって反射される変調光は、その生成源であるユーザ局7へ同一経路に沿って進行して戻らないことになる。
【0030】
図11は、楔形アレイ81の効果をより詳細に示す。図示のように、楔形アレイ81は複数の楔形プリズム111_1、111_2、111_3を備え、各プリズム111が関連変調器素子91に隣接して位置決めされるように、それらのプリズムは変調器アレイ75の対応する変調器素子91と空間的に整合される。楔形アレイ81の各楔形プリズム111は、その楔形プリズム111の楔形角度と屈折率nによって決定される角度で入射する光線を偏向する。図11に示すように、光の主光線113_1、すなわち、変調器レンズ79に対して入射口ひとみの中心を通過する光線は、楔形角度がφで表示される楔形プリズム111_2上へ、変調器アレイ75の面の垂線に対して角度θで入射する。図11に破線で示したように、楔形アレイ81がない場合、主光線113_1は、変調器素子91_2上へ、垂線に対して角度θで入射することになるので、反射してそれ自体へ戻らないことになる。楔形角度φは、次式を満足するよう選択される:
【0031】
φ=tan−1[sinθ/(n−cosθ)] (式1)
【0032】
この関係は、主光線113_1が、変調器素子91_2上へ垂直に入射し、変調器素子91_2によって反射してそれ自体へ戻されるように、主光線113_1がθに等しい角度で確実に偏向させる。概ね有効な薄い楔の近似により、主光線から離れた光線も角度θで偏向されることになるので、例えば、光線113_2は、変調器素子91_2によって光線113_3の経路に沿って反射され、その逆も同様である。
【0033】
ユーザ局7からの主光線と変調器アレイ75への垂線との間の角度が大きくなるのに従い、対応する楔形プリズムの楔形角度も、主光線が変調器アレイ75上へ垂直に入射するには大きな偏向が必要となるので、大きくしなければならない。そのため、楔形アレイ81の中心に配置された楔形プリズムは変調器レンズ79の光軸近くに位置するが、楔形アレイ81の中心から遠い楔形プリズム111の楔形角度より小さい楔形角度を有する。明瞭にするために、図11は、変調器アレイ75に対して垂直な面を通る楔形アレイ81と変調器アレイ75の断面を示す。この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、変調器アレイ75は2次元であるから、楔形アレイ81は、一般的にX方向とY方向で異なる楔形角度を有する楔形プリズムの2次元のアレイによって形成される。
【0034】
この実施の形態では、楔形アレイ111は、光学プラスチック材料の射出成形で得られる。
【0035】
検出器アレイ77は、それぞれのレンズ、以後アップリンク検出レンズ83と称する、の後方焦点面に位置決めされる。この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、アップリンク検出レンズ83を通過する主光線が検出器アレイ77に対して垂直に入射する必要はない。従って、アップリンク検出レンズ83は、単に、ユーザ局7からできるだけ多くの光を集光し、集光した光をそれぞれの検出素子へ向けるよう設計される。この実施の形態では、アップリンク検出レンズ83のサイズは変調器レンズ79の2倍であるが、ほぼ同じ焦点距離を持っている。言い換えれば、アップリンク検出レンズ79のFナンバーは、変調器レンズ83のほぼ半分である。
【0036】
初期化手順を実行した後にユーザ局7はローカル分配ノード3と通信できる。この初期化手順を以下簡単に説明する。新規ユーザ局7の設置時に、ユーザ局7が出力するレーザービームをおおまかにローカル分配ノード3へ向けるように、設置者が手動でユーザ局7を軸合わせする。次に設置者は、新規ユーザ局7を設置モードに設定するが、このモードでは自動的な微細軸合わせが水平ステッパーモータ47と垂直ステッパーモータ49を使用して行なわれる。
【0037】
設置モードは、ユーザ局7内の光学アセンブリ51が水平および垂直ステッパーモータの行程の中央に位置決めされることで始まる。ユーザ局7は、リンク要求信号(LRS)を伝達するレーザービームを出力する。光分配ノード3がLRSを検出する場合、光分配ノード3は返答をユーザ局7へ送信する。光分配ノード3が返答を送信する理由は、ユーザ局が反射LRSを検出した場合に、ユーザ局7により出力された光ビームがその視野内の何か別のものによって反射して戻されたかもしれないので、それが光分配ノード3によって今反射されている保証が何も無いからである。
【0038】
ユーザ局7がローカル分配ノード3からの返答を検出しない場合、光学アセンブリはステッパーモータによって(図12に示す)歩進的な方形スパイラル上に動かされ、それに伴って返答が検出されるまで水平および垂直ステッパーモータの各ステップの後に、ユーザ局7はローカル分配ノード3からの返答をチェックする。
【0039】
設置モード中、ユーザ局7が放射するレーザービームのパワーは、レーザービームが偶然に人間や動物に入射した場合の深刻な眼の損傷の可能性を回避するように、眼に安全なレベルに保たれる。
【0040】
この実施の形態では、ローカル分配ノード3へ入射する光ビームのビームサイズは、少なくとも変調器レンズ79およびアップリンク検出レンズ83のかなりの部分を包囲するのに充分大きくなければならない。これは、半導体レーザー21とコリメータレンズ25間の距離を、ローカル分配ノード3での所要ビームサイズが達成されるまで変えることによって得られる。ユーザ局7へ入射する反射光ビームがダウンリンク検出レンズ29のかなりの部分を包囲するのに充分なほど大きくすることも必要である。しかし、これは必ずしもそうならず、ユーザ局7では容易に是正できない。
【0041】
第2の実施の形態を図13Aと13Bを参照して以下に説明する。ここで、ユーザ局が出力した光ビームをダウンリンク検出レンズ31の光軸と軸合わせするために、反射体および偏光ビームスプリッタが、第1の実施の形態のユーザ局7の光学アセンブリへ追加される。ユーザ局の残りの構成要素は、第1の実施の形態の構成要素と同一である。図13Aと13Bにおいて、第1の実施の形態で対応する構成要素と同一の構成要素は、同じ符号が付されており、再度説明しない。
【0042】
図13Aは、第2の実施の形態のユーザ局における光学構成要素を示す。半導体レーザー21は、リニア偏光された光ビーム23を放射し、この光ビームコリメータレンズ25を通過して低発散光ビーム27を形成する。反射体121が、光ビーム27の伝播方向に対して45°の角度で軸合わせされ、それにより光ビーム27は直角に反射され、ダウンリンク検出レンズ31の光軸に対して45°に軸合わせされた偏光ビームスプリッタ123へ向けられる。反射体121からのリニア偏光された光がダウンリンク検出レンズ31の光軸に沿ってユーザ局から離れてローカル分配ノードへ向けられるように、偏光ビームスプリッタ123の偏光分離面は、その光を反射する。
【0043】
図13Bは、第2の実施の形態のローカル分配ノードの主要構成要素を示す。図示のように、第1の実施の形態のローカル分配ノードとの唯一の差異は、4分の1波長板131が変調器レンズ79の前面(すなわち、変調器アレイ75から離れた変調器レンズ79側)に設けられている点である。先に説明したように、ユーザ局のコリメータレンズ25は、ユーザ分配ノードへ入射する光ビームが変調器レンズ79およびアップリンク検出レンズ83の両方を包囲する位置まで走査される。ユーザ局からの幾らかの光は4分の1波長板131を通過し、4分の1波長板は、リニア偏光された光を円偏光の光に変換してから、変調器レンズ79を通過する。円偏光された光は次に変調器アレイ75により反射されて、変調器レンズ79および4分の1波長板131を通って戻り、4分の1波長板131は反射された円偏光の光をリニア偏光の光に変換し、そのリニア偏光方向はユーザ局からの光ビームの偏向方向に対して垂直である。
【0044】
図13Aに戻ると、ローカル分配ノードからのリニア偏光された光は、偏光ビームスプリッタ123の偏光分離面を通って送信され、次にダウンリンク検出レンズ31によって検出器33上に焦点を結ぶ。
【0045】
上で説明したように、反射体121および偏光ビームスプリッタ123を使用して、半導体レーザー21によって放射された光ビームを検出レンズ31の光軸に沿って取り回すことによって、ローカル分配ノードからの逆反射された光ビーム29の大部分がダウンリンク検出レンズ31へ入射することが確保される。更に、ダウンリンク検出レンズ31は検出器33と偏光ビームスプリッタ123間に設けられるので、半導体レーザーからの光の、ダウンリンク検出レンズ31の光学面からの戻り反射は発生しない。
【0046】
第1および第2の実施の形態において、変調器アレイ75の変調器素子91は、間隙を介して分離されている。このことは、レンズの視野内には、ユーザ局とローカル分配ノード間の通信に信頼性のおけない場所があることを意味する。なぜなら、それらの場所は画素間の間隙へマップされる方向に沿っているからである。第3の実施の形態を図14を参照して以下に説明する。ここでは、楔形アレイの楔形プリズムが曲面を持ち、関連する変調器素子の拡大像を形成する。このようにして、変調器アレイは、ローカル分配ノードの外側から観たときに100%の充填密度を持つように見える。
【0047】
図14は、楔形アレイおよび変調器アレイの一部分を示す。第3の実施の形態の残りの構成要素は、第1の実施の形態の構成要素と同一であり、従って再度説明しない。
【0048】
図14に示すように、楔形アレイの楔形プリズム135_1、135_2および135_3の各々は曲面を持つ。各楔形プリズムに対して、曲面の中心に対する接線は、変調器アレイ75の表面に平行な面に対して角度φを成す。角度φは上記式1に従って選定され、それにより変調器アレイ75の平面の表面の垂線に対して角度θで曲面の中心に到る主光線は、関連変調器素子91_2へ垂直に入射するように偏向される。楔形プリズム135の表面の曲率は、曲面上の点に対する接線と変調器アレイ75の表面に平行な面との間の角度が、楔形アレイ141の中心から更に離れた楔形プリズム135の曲面上の点に対して大きくなることを意味する。従って、この曲面は、関連変調器素子91の拡大像を形成する正の相当光学倍率を持つ。
【0049】
実効充填密度が、相当光学倍率を持つエレメントのアレイを使用することによって高くする方法の更なる詳細は、国際特許出願WO01/05069に記載されており、その内容全体を引用して本明細書に組込む。
【0050】
第1から第3の実施の形態では、ユーザ局はローカル分配ノードに対して固定位置にある。第4の実施の形態を、図15と16を参照して以下に説明する。ここでは、ユーザ局はローカル分配ノードに対して移動できる。この実施の形態では、ローカル分配ノードは第1の実施の形態と同一である。
【0051】
図15は、第4の実施の形態のローカル分配ノード3およびユーザ局の主要構成要素を概略的に図解する。第1の実施の形態で対応する構成要素と同じ構成要素は、同じ符号が付されており、再度説明しない。
【0052】
図15に示すように、インタフェースユニット41は、ユーザ装置(不図示)とユーザ局の中央制御ユニット141との間のインタフェースとして動作する。インタフェースユニット41で受信されたユーザ装置からのデータは、中央制御ユニットへ入力され、中央制御ユニットは受信データに従ってレーザー駆動器143のための制御信号を生成する。レーザー駆動器143は、放射器アレイ145のための駆動信号を生成し、放射器アレイ145は、この実施の形態では、各画素に位置決めされた面発光型半導体レーザー(vertical cavity surface emitting laser)(VCSEL)を持つ2次元の画素化平面アレイを備える。VCSELの使用は、ウェーハを切断する必要も無く、放射器アレイ145を単一の半導体ウェーハから製造できるので好ましい。これは、従来の半導体レーザーにとって可能であろう密度より高い密度のレーザー素子を可能にする。1mWと30mW間のパワーレンジで850nmの領域の波長を持つ光ビームを出力するVCSELアレイは、スイスの CSEM SA、Badenerstrasse 569, 8048 Zirichが市販している。
【0053】
この実施の形態では、レーザー駆動器143は、放射器アレイ145のVCSELを個々に駆動することができ、ユーザ装置からローカル分配ノードへのアップリンクデータを伝達するために中央制御ユニット141によって出力される制御信号に従って小信号変調を加える。各VCSELから放射される光は、楔形アレイ147のそれぞれの楔形プリズムに入射する。楔形アレイ147の楔形プリズムは放射光を偏向し、それによりVCSELによって放射される放射器アレイ145の表面に対して垂直な光線がコリメータレンズ25の開口絞りの中心を通るように向けられる。
【0054】
図16は、放射器アレイ145、楔形アレイ147およびコリメータレンズ25の拡大図を示す。図示のように、楔形アレイ145の楔形プリズムは、各VCSELが、対応する楔形プリズムに関係するように、放射器アレイ145のVCSELと空間的に整合される。更に、この実施の形態では、楔形アレイ147は、VCSELから放射される実質的に全ての光が楔形アレイ147の関連楔形プリズムを通過するように、放射器アレイ145に隣接して位置決めされる。放射器アレイ145内のVCSELから垂直に放射される光線は、コリメータレンズ25の開口絞りの中心を通過するように、関連楔形プリズムによって偏向される。楔形アレイ147内の各楔形プリズムの楔形角度φは、上記式(1)を使用して決定され、角度θは、開口絞りの中心から楔形プリズムへ通る線とコリメータレンズ25の光軸との間の内在角度である。従って、楔形角度は、楔形アレイ147の中心から楔形プリズムまでの距離に伴って大きくなる。
【0055】
楔形アレイ147を使用する利点は、放射器アレイ147内のVCSELの各々からの光のコリメータレンズ25による集光効率がほぼ一定であること、従ってユーザ局から出力される光の強度がVCSELの各々に対して同じであることである。対照的に、従来のコリメータレンズでは、光出力の強度は、VCSELアレイの中心でVCSELが放射する光の方が、放射器アレイ145の端部でVCSELが放射する光より強い。
【0056】
ローカル分配ノードから受信された変調光は、ダウンリンク検出レンズ31によって集光され、検出器アレイ149の光検出素子へ向けられる。この実施の形態では、検出器アレイ149は光ダイオードの2次元アレイである。検出器アレイ149の検出素子は、入射光を対応電気信号に変換し、電気信号は検出回路151へ入力され、この検出回路は電気信号を増幅およびフィルタにかけ、フィルタにかけられた信号は中央制御ユニット141へ入力される。中央制御ユニット141は、ローカル分配ノードから送信されたデータをフィルタにかけた信号から再生し、インタフェースユニット41を経由してデータをユーザ装置へ送る。
【0057】
内容全体を引用して本明細書に組込まれた国際特許出願WO00/48338に記載されるように、ユーザ局に対するローカル分配ノードの方向は、検出器アレイ149内の検出素子がローカル分配ノードからの変調光を検出するかを決定する。従って、トラッキング動作がなされ、その中で、ローカル分配ノードへの光ビーム出力に使用される放射器アレイ145内のVCSELが、検出器アレイ149の検出素子のうち、ローカル分配ノードから返送された光を検出する検出素子に従って選定される。
【0058】
−変形および更なる実施の形態−
図解した実施の形態では、光学エレメントのアレイへ空間的に整合させた複数の楔形プリズムを使用して楔形アレイが形成されている。楔形プリズムの楔形角度は、楔形アレイと(テレセントリックでない)標準レンズとが総合してテレセントリックレンズに近似するように、楔形アレイ内の楔形プリズムの位置に従って変えられる。
【0059】
上記実施の形態の楔形アレイは光学プラスチックを射出成形することによって製造されるが、この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、他の製造技術も利用できる。
【0060】
第3の実施の形態では、楔形プリズムの光学面は正の光学倍率を提供するように曲面を成し、この正の光学倍率が、変調器素子の実効充填密度を改善するために、関連変調器素子のサイズを拡大する。曲面は非点収差または他の光学収差を矯正するよう非球面であってもよい。曲面を持つ楔形プリズムを放射器アレイと共に使用できることは、この技術に精通した者にとっては言うまでもない。
【0061】
上記実施の形態で、光ビームは、屈折に因り楔形プリズムによって偏向される。この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、屈折効果を得るために、一定の屈折率を持つ楔形プリズムに代って、変化する屈折率分布を持つ平面構造を備えてもよい。この平面構造の屈折率分布は、各屈折エレメントが相当する正の光学倍率を持つように、そして、非点収差を矯正するように、編成できるだろう。更に、ビーム偏向を得るために屈折を利用することは必須ではない。例えば、(ホログラム等の)回折光学エレメントを使用でき、反射体のアレイでさえ使用できるだろう。
【0062】
上記実施の形態では、光検出器に当る戻り反射を減らすために、別体の光学系が光放射器と光検出器のためにユーザ局に設けられている。テレセントリック光学系を近似するために、WO98/35328およびWO00/48338に記載のように、ビームスプリッタを使用してコリメータレンズおよびダウンリンク検出レンズの光軸を光学的に軸合わせする系にも、楔形アレイ(または同等構造)が使用できることは、この技術に精通した者にとっては言うまでもない。
【0063】
第2の実施の形態では、ビーム進路取り編成が反射体121および偏光ビームスプリッタ123によって形成され、ユーザ局が放射する光ビームを検出器用のレンズ系の光軸に沿って軸合わせする。
【0064】
上記で説明したように、ユーザ局で光放射器と光検出器のために、そしてローカル分配ノードで変調器アレイと光検出器のために別体の光学系を設けることにより、レンズ系をそれらの関連光学エレメントに従って別々に最適化することが可能になる。説明した本実施の形態に提供された特定の詳細は、単に例示の目的で付与されたものであり、本発明にとって不可欠のものではない。
【0065】
楔形アレイは、光学系を分離することに伴う利点にとって不可欠ではないことは、この技術に精通した者は容易に分かるであろう。例えば、変調器アレイおよび楔形アレイはテレセントリックレンズで置換えられるであろうし、また、変調器アレイは実質的にテレセントリックレンズの後方焦点面内に位置決めできるであろう。
【0066】
第1の実施の形態では、光放射器と光検出器は単一の光学アセンブリとしてそれらの関連光学系と一緒に搭載され、単一の光学アセンブリは、放射光ビームを進路取りするために、ステッパーモータによって移動される。代替として、光放射器と関連するレンズ系は、光検出器と関連するレンズ系とは別々に搭載できるだろう。その内容全体を引用して本明細書に組込んだWO01/05072に記載のビーム進路取り技術も使用できるだろう。別の実施の形態では、光ビームは、放射器用のレンズの一部分を形成するレンズエレメントを移動させることによって進路取りできるだろう。
【0067】
放射光ビームの方向が変えられたとき、戻り光ビームは一般的に検出器の検出面の中心に焦点を結ばないことは、この技術に精通した者にとっては言うまでもない。しかし、第1の実施の形態のように、検出面が、焦点を結んだスポットサイズよりずっと大きい場合、これは問題ではない。第1の実施の形態の編成において、放射光ビームの方向が変えられたとき、検出レンズの光軸は移動させられて、放射光ビームの方向に整合するので、検出表面が、焦点を結んだスポットサイズよりずっと大きいことは不可欠でないこともこの技術に精通した者にとっては言うまでもない。
【0068】
説明した実施の形態では、複数ユーザ局からの光ビームは、ローカル分配ノード内の変調器アレイの各変調器素子上に入射し、それら光ビーム生成源のユーザ局へ逆反射して戻される。代替として、複数の光放射器をローカル分配ノード内に設け、変調器をユーザ局の各々に設けることができよう。
【0069】
第1から第3の実施の形態では、QCSE変調器が使用されている。この技術に精通した者にとっては言うまでもなく、他の種類の反射体および変調器も使用できるだろう。例えば、平面ミラーを反射体として使用でき、(液晶等の)透過型変調器をレンズとミラーとの間に設けることができるだろう。更に、反射体および/または変調器を単体装置に統合する必要はなく、反射体および/または変調器を共通平面に配置することも不可欠でないことは、この技術に精通した者にとっては言うまでもないが、これらの特徴は、装置の容易な製造および容易な軸合わせにとって好ましい。
【0070】
第1から第3の実施の形態では、変調器素子は長方形マトリクスに編成されている。しかし、これは不可欠でなく、変調器素子を形状の異なる規則的アレイ、さもなければ不規則編成にさえ編成できるだろう。
【0071】
第4の実施の形態ではVCSELアレイが使用されている。この技術に精通した者にっとは言うまでもなく、他の形式の光放射器を使用できるだろう。例えば、従来の半導体レーザーを使用できるだろう。
【0072】
第1から第4の実施の形態では、全双方向伝送システムが説明されている。代替として単方向伝送システムを使用できるだろう。このシステムでは、無変調光ビームは逆反射体へ送られ、そこで変調および反射して戻され、検出器によって検出される。代替として、半双方向システムを使用できるだろう。このシステムは、ユーザ局が無変調光ビームをローカル分配ノードへ送り、そこでビームが変調され、ユーザ局へ反射して戻されて、データを一方向へ伝達するか、または、変調データがユーザ局によって放射されて、データをローカル分配ノードへ伝達する。この場合には、QCSE変調器を用いて、ユーザ局からの変調光ビームを検出できるであろう。
【0073】
用語の「光」は、可視領域だけでなく電磁波スペクトルの紫外および赤外領域での電磁波も含むことは、この技術に精通した者にとっては言うまでもない。上記実施の形態は波長が約850nmのレーザービームを使用しているが、他の波長を使用できるだろう。とりわけ、1.5μmの波長は、本質的に眼にとってより安全であり、安価な放射器と検出器が光ファイバ通信用にこの波長に対して開発されているので魅力的な代替である。
【0074】
ユーザ局およびローカル分配ノード内のレンズは単体のレンズで概略的に表されているが、実際には、各レンズは複数のレンズエレメントを有してもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、中央分配システムと複数のユーザ局との間でデータを分配する一点対多点通信システムの概略図である。
【図2】図2は、図1に示すデータ分配システムの一部分を形成するユーザ局および関連ユーザ装置の概略図である。
【図3】図3は、図2に図解するユーザ局の透視図である。
【図4】図4は、図2に図解するユーザ端末の一部分を形成する検出器の検出面を示す概略図である。
【図5】図5は、ユーザ局によって放射されるレーザービームのパワーが、ユーザ装置からローカル分配ノードへ送信されるアップリンクデータのための小信号変調を達成するように変えられる方法を図解するプロットである。
【図6】図6は、ローカル分配ノードからユーザ装置へ送信されるダウンリンクデータに及ぼす小信号変調の影響を概略的に図解するアイパターンである。
【図7】図7は、図1に図解するデータ分配システムの一部分を形成するローカル分配ノードの概略図である。
【図8A】図8Aは、図7に図解するローカル分配ノードの一部分を形成する変調器アレイ内の一変調器の、DCバイアス電圧がその電極へ印加されないときの第1動作モードにおける断面図である。
【図8B】図8Bは、図7に図解するローカル分配ノードの一部分を形成する変調器アレイ内の一変調器の、バイアス電圧がその電極へ印加されるときの第2動作モードにおける断面図である。
【図9】図9は、図8Aと8Bに示す変調器に入射する光が、画素電極へ印加されるバイアス電圧に依存して変調される方法を概略的に図解する信号図である。
【図10】図10は、図7に示すローカル分配ノードの一部分を形成する変調器アレイの表面の概略図である。
【図11】図11は、図7に図解するローカル分配ノードの一部分を形成する楔形アレイの、および変調器アレイの一部分を概略的に示す。
【図12】図12は、通信リンクを確立するよう、図2に示すユーザ局から放射された光ビームを、図7に示すローカル分配ノードと軸合わせするための探索パターンを概略的に示す。
【図13A】図13Aは、図2に図解するユーザ局のための代替光学アセンブリを概略的に示す。
【図13B】図13Bは、図7に図解するローカル分配ノードに対する代替ローカル分配ノードを概略的に示す。
【図14】図14は、図7に示すローカル分配ノードのための変調器アレイの、および代替の楔形アレイの一部分を概略的に示す。
【図15】図15は、図1に図解するデータ分配システムのための代替ユーザ局の主要構成要素を概略的に示す。
【図16】図16は、図15の拡大した一部を概略的に示す。
Claims (41)
- 光学装置であって: レンズ; 複数の光学エレメント; および、前記レンズと前記複数の光学エレメントとの間の光路に設けられた光ビームを偏向する手段;を備え、
前記ビーム偏向手段は複数のビーム偏向エレメントを備え、各ビーム偏向エレメントは、それぞれの光学エレメントと関連付けられていて、前記レンズを通過する主光線が前記関連付けられた光学エレメントに対して実質的に垂直になるように、前記主光線を偏向するよう動作可能である光学装置。 - 前記光学エレメントの各々は実質的に平面である請求項1による光学装置。
- 前記複数の光学エレメントは、共通平面内に実質的に配置される請求項2による光学装置。
- 前記複数の光学エレメントは単一装置に統合される請求項3による光学装置。
- 前記複数のビーム偏向エレメントは実質的に共通の平面内に配置される先に記載の請求項のいずれかによる光学装置。
- 前記複数のビーム偏向エレメントは単一装置に統合される請求項5による光学装置。
- 前記複数の光学エレメントは規則的なアレイに編成される先に記載の請求項のいずれかによる光学装置。
- 前記複数の光学エレメントは長方形マトリクスに編成される先に記載の請求項のいずれかによる光学装置。
- 前記複数のビーム偏向エレメントの空間編成は、前記複数の光学エレメントの空間的編成に空間と整合する先に記載の請求項のいずれかによる光学装置。
- 各光学エレメントは反射エレメントを備える先に記載の請求項のいずれかによる光学装置。
- 前記反射エレメントの反射率を変えることができる信号を与える手段を更に備える請求項10による光学装置。
- 前記信号付与手段は、前記反射エレメントを個々にアドレスするよう動作可能である請求項11による光学装置。
- 前記複数のビーム偏向エレメントの各々は、前記関連付けられた反射エレメントに隣接して位置決めされる請求項10から12のいずれかによる光学装置。
- 前記複数の光学エレメントは、少なくとも一つの量子閉込シュタルク効果デバイスを備える先に記載の請求項のいずれかによる光学装置。
- 前記複数の光学エレメントは、複数の光放射器を備え、各光放射器は光ビームを放射するよう動作可能である請求項1から9のいずれかによる光学装置。
- 前記複数の光放射器の少なくとも一つは、面発光型半導体レーザーを備える請求項15による光学装置。
- 前記複数のビーム偏向エレメントの各々は、前記光放射器によって放射される実質的に全ての光が前記関連付けられた光学エレメント上に入射するように、前記関連付けられた光放射器に隣接して位置決めされる請求項15または16による光学装置。
- 前記ビーム偏向エレメントの少なくとも一つは屈折エレメントを備える先に記載の請求項のいずれかによる光学装置。
- 前記少なくとも一つの屈折エレメントは楔形プリズムを備える請求項18による光学装置。
- 前記楔形プリズムが関連付けられた光学倍率を有するように、前記楔形プリズムの表面が曲面である請求項19による光学装置。
- 前記関連付けられた光学倍率が正である請求項20による光学装置。
- 前記楔形プリズムの前記曲面は、前記レンズおよび前記楔形アレイの少なくとも一方に起因する収差を矯正するよう編成される請求項20または21による光学装置。
- 前記少なくとも一つの屈折エレメントは、可変の屈折率の分布を持つ平面層によって形成される請求項18による光学装置。
- 前記少なくとも一つの屈折エレメントは、光学倍率を提供する屈折率分布を有する請求項23による光学装置。
- 前記関連付けられた光学倍率が正である請求項24による光学装置。
- 前記屈折率分布は、前記レンズおよび前記楔形アレイの少なくとも一方に起因する収差を矯正するよう動作可能である請求項24または25による光学装置。
- 前記ビーム偏向エレメントの少なくとも一つは回折エレメントを備える請求項1から15のいずれかによる光学装置。
- 前記ビーム偏向エレメントの少なくとも一つは反射エレメントを備える請求項1から15のいずれかによる光学装置。
- 光学装置であって: レンズ; 複数の光学エレメント; および、前記レンズと前記複数の光学エレメントとの間の光路に設けた光ビームを偏向する手段;を備え、
前記ビーム偏向手段は複数のビーム偏向エレメントを備え、各ビーム偏向エレメントは、それぞれの光学エレメントと関連付けられていて、前記レンズの光軸に対して斜めの角度で前記レンズを通過する主光線が前記レンズの前記光軸と光学的に平行になるように、前記主光線を偏向するよう動作可能である光学装置。 - 光学装置であって: レンズ; 複数の変調器素子を有する変調器アレイ; および、前記レンズと前記変調器アレイとの間の光経路に設けた光ビームを偏向する手段;を備え、
前記ビーム偏向手段は複数のビーム偏向エレメントを備え、各ビーム偏向エレメントは、それぞれの変調器素子と関係付けられていて、前記レンズを通過する主光線が前記関連付けられた変調器素子に対して垂直で入射するように、前記主光線を偏向するよう動作可能である光学装置。 - 第1および第2信号装置を備える信号システムであって、
前記第1信号装置は: 光ビームを放射する手段; 前記放射光ビームを前記第2信号装置に向ける手段; 前記第2信号装置からの変調された光ビームを受信する手段; および、前記変調光ビームからデータ信号を回復する手段;を備え、そして、
前記第2信号装置は請求項30による光学装置を備え、前記第1信号装置からの前記放射光ビームは、前記変調光ビームを生成するために前記データ信号に従って前記放射光ビームを変調し、前記変調光ビームを、前記第1信号装置へ反射して戻す前記変調器アレイの変調器素子に対して垂直で入射する信号システム。 - 光学装置であって: レンズ; 複数の光放射素子を有する放射器アレイ; および、前記レンズと前記放射器アレイとの間の光経路に設けた光ビームを偏向する手段;を備え、
前記ビーム偏向手段は複数のビーム偏向エレメントを備え、各ビーム偏向エレメントは、それぞれの光放射素子と関係付けられていて、前記光放射素子によって垂直に放射される光線が、主光線の経路に沿って前記レンズを通過するように、前記光線を偏向するよう動作可能である光学装置。 - 第1および第2信号装置を備える信号システムであって、
前記第1信号装置は請求項32による光学装置を備え、前記第1信号装置の前記複数の放射器の各々は情報を搬送するそれぞれの光ビームを放射するよう動作可能であり;そして、
前記第2信号装置は: i) 前記第1信号装置の光放射器から放射された光を集光するレンズ系; ii) 前記レンズ系からの前記集光された光を受信し、前記受信光を対応する電気信号に変換する光検出器; および、iii) 前記情報を回復するよう前記光検出器からの前記電気信号を処理する手段;を備える信号システム。 - 第1および第2信号装置を備える自由空間光信号システムであって、
前記第1信号装置は: 光ビームを放射する手段; 前記放射光ビームを前記第2信号装置に向ける手段; 前記第2信号装置からの変調された光ビームを受信する手段; 前記受信変調光ビームを対応する電気信号に変換するための光電変換器; および、前記対応電気信号からデータ信号を回復する手段;を備え、そして、
前記第2信号装置は: 前記第1信号装置からの前記放射光ビームを受信する手段; 前記受信光ビームを前記データ信号に従って変調する手段; および、前記変調光ビームを前記第1信号装置へ逆反射して戻す手段;を備え、
前記第1信号装置の前記仕向け手段は第1レンズ系を備え、そして、前記第1信号装置の前記受信手段は前記第1レンズ系とは別体の第2レンズ系を備える自由空間光信号システム。 - 前記第1および第2レンズ系は、それぞれ第1および第2光軸を有し、そして前記第1および第2レンズ系は、前記第1および第2光軸が同軸にならないように位置決めされる請求項34による信号システム。
- 第1および第2信号装置を備える自由空間光信号システムであって、
前記第1信号装置は: 光ビームを放射する手段; 前記放射光ビームを前記第2信号装置に向ける手段; 前記第2信号装置からの変調された光ビームを受信する手段; 前記受信変調光ビームを対応する電気信号に変換する光電変換器; および前記対応電気信号からデータ信号を回復する手段;を備え、そして、
前記第2信号装置は: 前記第1信号装置からの前記放射光ビームを受信する手段; 前記受信光ビームを前記データ信号に従って変調する手段; および、前記変調光ビームを前記第1信号装置へ逆反射して戻す手段;を備え、
前記第1信号装置の前記仕向け手段は、第1レンズ系、およびビーム進路取り手段を備え、そして前記第1信号装置の前記受信手段は前記第1レンズ系とは別体の第2レンズ系を備え、
そして、前記第1レンズ系は、前記放射手段によって放射される光が前記第1レンズ系を通過して前記ビーム進路取り手段へ来るように編成され、そして、前記ビーム進路取り手段は、前記放射光ビームを、前記第2レンズ系を通過することなく直に前記第2信号装置へ前記第2レンズ系の光軸に沿って進路取りするよう編成される自由空間光信号システム。 - 前記ビーム進路取り手段はビームスプリッタを備え、前記第2レンズ系は前記ビーム併合器と前記光電変換器との間へ光学的に配置される請求項36による信号システム。
- 前記第1信号装置は、前記光放射器によって放射される前記光ビームを、前記第1信号装置から前記第2信号装置へ送られるべきメッセージに従って変調する手段を更に備え、
そして、前記第2信号装置は: 前記放射光ビームを検出して前記放射光ビームを対応する電気信号に変換するための光電変換器; 前記放射光ビームの少なくとも一部分を前記光電変換器上へ向けるための手段; および、前記対応電気信号から前記メッセージを回生するための手段;を更に備える請求項34から37のいずれかによる信号システム。 - 前記第1信号装置の前記変調手段は、前記放射光ビームへ小信号変調を加えるように編成される請求項38による信号システム。
- 前記第2信号装置の前記仕向け手段は第3レンズ系を備え、そして、前記第2信号装置の前記受信手段は、前記第3レンズ系とは別体の第4レンズ系を備える請求項38または39による信号システム。
- 前記第3および第4レンズ系は、それぞれ第3および第4光軸を有し、そして前記第3および第4レンズ系は、前記第3および第4光軸が同軸にならないように位置決めされる請求項40による信号システム。
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