JP2004502976A - 小型金管楽器用安定化装置 - Google Patents
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Abstract
小型の金管楽器用の安定化装置(10)は、楽器のユーザの胸部に当たる第1の要素(16)と、楽器のピボット運動を平衡させる第2の要素(22)とを含む。
Description
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2000年7月11日に出願され、引用によって本明細書に全体的に組み入れられた、「小型金管楽器用安定化装置という名称の米国特許仮出願第60/217,295号の継続出願である。
【0002】
技術分野
本発明は、楽器用の安定化装置に関する。
【0003】
背景
トランペット、トロンボーン、フレンチ・ホーンのような小型の金管楽器の演奏者は、楽器を安定化し支持するためにアンブシュール、姿勢、呼吸、音色、技術、および/または忍耐力を犠牲にすることがあまりにも多い。このような演奏者は、楽器を演奏している間楽器を安定させる方法として、歌口に過度の圧力を加え、体を過度に緊張させ、極端なアンブシュールを用いる傾向がある。というのも、演奏者が楽器のバルブ、スライド、およびトリガを動かすにつれ、かつ演奏者が自分の体を動かすにつれて、楽器の重心が移動するからである。動きの自由度を維持しつつ、小型の金管楽器の、融通性に富んだ自然な感覚の安定化および支持を可能にする、小型の金管楽器用の装置が必要である。
【0004】
概要
本発明は、動きの自由度を維持しつつ小型の金管楽器を支持し安定化し平衡させる装置を特徴とする。同時に、この装置は好ましくはまた、演奏者の楽器の振動に応答して振動し、体/楽器の共鳴を生じさせる。
【0005】
この装置は、楽音を発生させるうえで無用な肉体的緊張を軽減させることによって、体の、楽音に寄与する部分をより集中的にかつより効率的に使用できるようにする。その結果、演奏者は、「ホーンと格闘する」ことが少なくなり、音楽に集中できるようになる。この装置は、楽器と演奏者の体との間に共鳴リンクを設けることによって、楽器の与えられたコア・サウンドを発生させ、演奏者の体、特に演奏者の胸骨の自然な共鳴の多くを利用する助けになる。
【0006】
この装置は、演奏の助けとなるだけでなく、学習ツールまたは認識ツールとして働き、演奏者が演奏に伴う微妙な感覚に対する感性を向上させるのを可能にする。この装置は、あらゆるレベルの学生およびプロのミュージシャンによってこのように使用することができる。
【0007】
一般に、この装置は、楽器のピボット運動を平衡させる第2の要素に連結された、ユーザの胸に当たる第1の要素を含んでいる。「連結される」を本明細書で使用するときは、中間構造による連結も含む。
【0008】
この装置の好ましい態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでよい。この装置は、ユーザの首を滑り、たとえばキー・リングを通して第1の要素に取り付けられる首ストラップを含んでよい。第1の要素は、ユーザの胸骨に当たる平坦な部材を含んでよい。この装置は、第1の要素に対して垂直にピボット運動する、第1の要素に連結されたアーム要素をさらに含んでよい。この装置は、上部アームを調整可能に伸ばし、第2の要素用のピボット取付け点を形成する伸長アセンブリをさらに含んでよい。第2の要素は、楽器用のピボットおよび接触点として働くことのできるクレードルであってよい。クレードルは、ユーザの手のための休止点または接触点として働くこともできる。
【0009】
本発明は、安定化装置を用いて小型金管楽器を安定させる方法も特徴とする。
【0010】
この装置は、原型の説明に記載されるかまたは装置の図に示された特徴のうちの任意の特徴を含んでもよい。
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになろう。
【0012】
詳細な説明
各図を参照すると分かるように、安定化装置10は、首ストラップ12およびキー・リング14と、胸部プレート・アセンブリ16と、上部アーム18と、前腕・伸長ロッド・アセンブリ20と、クレードル・ピボット・ダウエル・アセンブリ22とを含んでいる。胸部プレート・アセンブリ、上部アーム、前腕・伸長ロッド・アセンブリ、およびクレードル・ピボット・ダウエル・アセンブリは、メープル・ウッドで作ら、標準金具にピボット運動可能に接合されている。いくつかの構成要素は、想像上の第3の腕が、演奏者の胸骨から前方に伸びて楽器を平衡させ支持する場合に、この第3の腕とまったく同じように演奏者から外側に伸びるという点で、人体の各部にちなんで名付けられている。以下の説明では、首ストラップおよびキー・リングから、最終的に演奏者の楽器の平衡がとられるクレードル・ピボット・ダウエル・アセンブリまで、各構成部品を演奏者の体に近い順に並べてある。各構成部品の説明は、演奏者がこの原型を使用する際の指示となるものであり、旋盤加工を含む木工当業者が原型を作成するのを可能にするものである。
【0013】
注: 図面に関連して用いられる以下の定義は、装置のあらゆる部分の詳細な説明に当てはまる。
【0014】
右側(または左側)の表面(または面)は、装置を装着しているときに装置の右側(または左側)を見ている演奏者が見る表面を指す。
【0015】
頂部(または上部)の表面は、装置を装着しているときに装置を見下ろしている演奏者が見る表面を指す。
【0016】
底部(または下部)の表面は、装置を逆さまにした後に演奏者が見る表面を指す。
【0017】
部品の前部の表面(または前方の端部)は、装置を装着しているときに演奏者の胸部から最も遠い表面である。
【0018】
部品の後部の表面(または後方の端部)は、装置を装着しているときに演奏者の胸部に最も近い表面である。
【0019】
1)首ストラップ12およびキー・リング14:
首ストラップおよびキー・リングは、演奏者の首を滑るアセンブリを形成する。首ストラップは、各端部が、閉ループを形成するようにキー・リングのリムの周りに縫い付けられた、幅1インチ、長さ26インチのウェブ状ナイロン材料のベルトである。首ストラップは、演奏者の胸骨上(概ね演奏者ののレベル)にキー・リングを吊り下げる。キー・リングは、直径5/4インチ、厚さ1/8インチの標準金具である。一対の調整バックルによって、演奏者は、首ストラップが演奏者の頭部に配置された後首ストラップのループを短くすることができ、胸部プレート・アセンブリを胸骨の領域内に快適に位置させることができる。
【0020】
2)胸部プレート・アセンブリ16:
原型胸部プレート・アセンブリはプレート24、舌部26、ウィング28、およびバランス・ビーム30を含んでいる。
【0021】
a)プレート24は、長さ5インチ、幅7/4インチ、厚さ1/2インチの、長方形のメープル・ウッドで形成される。次いで、右下の縁部の5/4インチ上の点から右上の縁部から1/4インチの点までテーパ線を引くことによって側面の長さを頂部の表面の方へ先細りにする(次いで、プレートの左側に対称的なテーパ線を引く)。各テーパ線に沿って長方形を切り取り、プレートの最終的な6面形状を形成する。これで、プレートの頂部は長さ5/4インチ、幅1/2インチになり、プレートの底部は長さ7/4インチ、幅1/2インチになり、頂部および底部に垂直な線の長さは5インチになり、底部の5/4インチの長さによって左右の表面を有する長方形が形成され、上部の19/4インチの長さによって左右の表面を有す台形が形成される。
【0022】
底部からプレートの長手方向軸に沿って延び、頂部から1インチ下で終わる、長さ4インチ、幅3/8インチ、幅1/4インチの溝を、プレートの前方の表面上に切り込む。この溝は、胸部プレート・アセンブリの舌部を受け入れる働きをする。
【0023】
プレートの頂部の3/8インチ下から始まり、プレートの頂部から7/8インチ下で終わり、プレートの上部の表面を中心とする、幅3/8インチ、長さ1/2インチのほぞ穴を、のみを用いて前部から後部に向かって掘削する。このほぞ穴は、胸部プレート・アセンブリのバランス・ビームを受け入れる働きをする。
【0024】
プレートの頂部の表面上の中心点に、ほぞ穴と交差する10−24タップを設ける。このねじ穴は、胸部プレート・アセンブリのバランス・ビームをほぞ穴にねじ込む10−24x1/2インチ・ソケット・ヘッド押えねじを受け入れる働きをする。このねじ穴によって、運搬時にバランス・ビームを取り外すことができる。
【0025】
プレートの後部に、底部の縁部に沿って、幅5/4インチ、深さ1/8インチのラベットを作る。ラベットを有する領域の中心点を深さ1/2インチまで掘削して10−24タップを設け、胸部プレート・アセンブリのウィングをプレートの後部に固定する10/24 x 1/2インチ・ソケット・ヘッド押えねじ用のねじ穴を形成する。ラベットは、胸部プレート・アセンブリのウィングが、プレートの後部に同一平面をなすように嵌るのを可能にする。
【0026】
b)舌部26は、プレートの溝にしっかりと接着され、アーム・クレードル・アセンブリが垂直にピボット運動できる取付け点を形成する働きをする。(舌部は、アーム・クレードル・アセンブリが取り付けられる点の強度を高くするために、木目が木材の長さではなく幅と共に延びている唯一の木材であることに留意されたい。)
【0027】
舌部は、長さ4インチ、幅5/4インチ、厚さ3/8インチの長方形のメープルで形成する。次いで、舌部の底部の縁部から3/8インチ上で舌部の前方の縁部から3/8インチ後方の点を通して、直径が25/64インチの穴を掘削する。この穴はアーム用の取付け穴として働く。
【0028】
底部から3/4インチ上に位置する右前の縁部上の点を見付け、対角線を引き、この点を、後部の縁部から前方に1/4インチに位置する長方形の右上の縁部上の点と連結し、この対角線に沿って切ることによって、舌部をその最初の長方形から修正する。次いで、舌部の4インチの後部の面をプレートの溝にしっかりと接着し、舌部の底部の面をプレートの底部と同一平面をなすようにする。
【0029】
c)ウィング28は、演奏者の胸部に接触したときに胸部プレート・アセンブリを水平方向に安定させると共に、演奏者の胸部の重量を分散させる働きをする。ウィング28は、長さ5インチ、幅5/4インチ、厚さ1/8インチの長方形の、可撓性で強度の高い透明なプラスチックであり、その後部の中心を通って掘削された直径3/16インチの穴を有しており、10−24 x 1/2インチ・ソケット・ヘッド押えねじによってウィングをラベットに固定するのを可能にする。
【0030】
d)バランス・ビーム30は、装置を首ストラップ・キー・リングから吊り下げるためのくぼんだ取付け点を形成する働きをする。このくぼみは、前腕部がその伸長位置にあるとき(アームから約3インチ前方)に概ね装置の重心の上方に位置する。このくぼみはそれにより、プレートおよびウィングを平衡させて演奏者の胸部に接触させ、装置がより適切に演奏者の楽器の平衡をとれるようにする。
【0031】
バランス・ビームは、前方の端部から1/2インチ後方にくぼみを有する、長さ9/2インチ、幅1/2インチ、厚さ3/8インチの長方形のメープルであり、首ストラップのキー・リングを受け入れる。
【0032】
前方の端部から1/2インチで底部から3/16インチ上の点に、ビームの厚さにわたって直径が9/64インチの穴を掘削する。この穴は、キー・リングのわずかな遊びを可能にする。次いで、この穴と交差するように底部の縁部から上に切込みを入れることによってキー・リング挿入くぼみを形成する。前方の切込みは、ビームの長さに垂直であり、穴の円周との接線を成す。後方の切込みは、第1の切込みから1/8インチ後方に作られ、やはりビームの長さに垂直であり、穴の円周と交差する。このように形成されたくぼみは、直径が11/8インチで厚さが1/8インチのキー・リングを受け入れる働きをする。くぼみの適切なサイズによってキー・リングを挿入し取り外すことができ、キー・リングの、その穴の中でのわずかな遊びが可能になり、装置の使用中にキー・リングがビーム内にしっかりと位置させられる。
【0033】
3)上部アーム18:
上部アームは、胸部プレート・アセンブリの舌部穴のところで垂直にピボット運動する。上部アームは、長さ6インチ、幅3/4インチ、厚さ3/4インチの長方形のメープルで形成される。後部の縁部から前方に1/2インチで右側の面の底部から上に3/8インチの点に長方形の厚さ全体にわたって、25/64インチ穴を掘削する。
【0034】
3/8インチx3/8インチのほぞ穴を、のみを用いて、アームの前方の端部に、前部の表面の中心を通して、深さ7/4インチに掘削する。このほぞ穴は、前腕アセンブリの伸長ロッドを受け入れる働きをする。
【0035】
アームの右側の、右側の端部から3/4インチで底部の縁部から3/8インチの点に、10−24ねじ穴を深さ3/8インチに形成する。このねじ穴は、伸長ロッドの調整値を設定する働きをする10−24 x 1/2インチ・ソケット・ヘッド押えねじを受け入れる。
【0036】
後部の表面から始まり、アームの長手方向軸をまたいで延びる、長さ5/2インチ、幅3/8インチ、深さ3/4インチの溝4を頂部から底部に向かって切込み、前部の表面から3/2インチ後方で停止する。この溝は、伸長ロッドの長さに対処する働きをする。この溝によって、運搬時にアームを舌部の周りでジャックナイフ式に折り畳むことができる。
【0037】
アームの後方の端部を、アームの長さを犠牲にせずに、直径が3/4インチの半円を形成するように丸める。これによって、アームは、その後方の端部が胸部プレート・アセンブリのプレートに接触したときにも垂直にピボット運動することができる。
【0038】
アームの右側の面から挿入された5/16 x 1インチ・ソケット・ヘッド押えねじおよび5/16座金と、左側から挿入された5/16−18インチ、5/8インチx7/8インチT字ナット・ファスナによって、胸部プレート・アセンブリの舌部穴にアームを取り付ける。1/4インチ・アレン・レンチを用いて5/16ソケット・ヘッド押えねじを締め付け、それによって、演奏者はアームをその垂直ピボット運動における任意の点にしっかりと固定することができる。
【0039】
4)前腕・伸長ロッドアセンブリ20:
前腕部32は、アームを演奏者の胸部から前方に伸ばす働きをする。前腕部32は、長さ2インチ、幅3/4インチ、厚さ3/4インチのメープル部材から成る。前腕部の後部の表面は、伸長ロッド34を受け入れるように、前腕部の中心点を通って深さ3/4インチに切り込まれた3/8インチx3/8xインチのほぞ穴を有する。
【0040】
前頂部の縁部から3/8インチ後方に前腕部の長手方向軸を中心として、直径が3/8インチの穴を頂部から後部に掘削する。この穴は、クレードル・ピボット・ダウエルを受け入れる働きをする。
【0041】
右側の表面上の、前部の表面から3/8インチ後方の、前腕部の長手方向軸に平行な線上の点に、ピボット・ダウエル穴と交差するように10−24ねじ穴を設ける。このねじ穴は、クレードル・ピボット・ダウエルの円周上の溝に緩く嵌る10−24 x 1/2インチ・ソケット・ヘッド押えねじを受け入れる働きをする。
【0042】
ピボット・ダウエル穴の後方の2つの点に(演奏者が決定すべき位置)、前腕部の円周に沿って2つの#16ゴム製Oリングを取り付ける。これらのOリングは、楽器の第3のバルブの底部バルブ・キャップ穴から漏れる可能性のある水分が、ピボット・ダウエル穴に流れ込みその領域の木材を膨らませるのを妨げる水分リッジとして働く。
【0043】
伸長ロッド34は、長さ21/4インチ、幅3/8インチ、厚さ3/8インチのメープル木材でできている。伸長ロッド34は、前腕部のほぞ穴にしっかりと接着されるが、押えねじを上部アームの前方の端部に締め付けることによって伸長ロッド34の位置が固定去れないかぎり、上部アームのほぞ穴および溝を容易に通過しなければならない。
【0044】
5)クレードル・ピボット・ダウエル・アセンブリ22:
クレードル36は、演奏者用の水平ピボット運動接触点として働く、かつ演奏者の左手用の休止点または接触点を形成する。クレードルは、2つの端部が、直径が1/2インチである中央部の方へ円錐状に先細りになるように、長さ3インチ、直径2インチのメープル・ロッド部材3を旋盤加工することによって形成される。次いで、結果として得られた二重円錐の底部から3/4インチのところをせん断し、前腕部の頂部の表面に自由に当たる平坦な底部の表面を形成するように、二重円錐をその長さにわたって端部から端部まで切断する。結果として得られる形状の2つの円錐状の肩部は、ベースから立ち上がり、演奏者の楽器の平衡点をぴったりとしかも自由に支え、かつ様々な直径のチューブに適合することのできる円錐状のV字溝を形成する。
【0045】
次いで、クレードルのベースの中心点を通る、直径が3/8インチの穴を3/8インチの深さに掘削する。この穴はクレードル・ピボット・ダウエル(図示せず)を受け入れる働きをする。
【0046】
ピボット・ダウエルによって、クレードルは前腕部上で水平方向に回転することができる。ピボット・ダウエルは長さ9/8インチ、直径3/8インチのメープル・ダウエルであり、幅3/16インチ、深さ1/32インチの、旋盤加工された溝を有する。この溝は、ダウエルの底部の端部から3/8インチ上のところに引かれた円周線をまたいで延びている。この溝は、ピボット・ダウエルが前腕部の穴の中で回転するのを可能にし、ダウエルは、溝内のピボット・ダウエル押えねじの先端と線接触することによって緩く保持される。ピボット・ダウエルの頂部の端部をクレードル穴の深さ全体にわたってしっかりと接着し、クレードル・ピボット・ダウエル・アセンブリを形成する。
【0047】
他の態様
他の態様も本発明の範囲内である。
【0048】
たとえば、胸部プレート、伸長可能なアーム、およびクレードルに適切な軽量プラスチックを用い、実施可能なら金具の成形を可能にする成形プロセスを介して装置を大量生産することができる。不要な質量をなくすことによってより小型でより軽量の構成が得られる。たとえば、舌部の中央部を無くし、クレードルの質量をさらに減らし、クレードルの質量のさらに多くの部分を無くすことができる。一般に、演奏者の楽器と組み合わされたときに耐久性、機能、平衡性、および共鳴に関して最小限の整合をもたらすようにすべての既存の部品の質量を修正することができる。
【0049】
さらに、一方の手によって楽器を演奏位置に保持しつつ、他方の手による調整を容易にするように、伸長可能なアームの長さ調整金具を変更することができる。原型では、演奏者は、押えねじを緩め、次いで前腕部を所望の位置に伸ばすかまたは引き込み、次いで締め付け直す必要がある。他の調整金具は、顕微鏡または双眼鏡または望遠鏡を合焦させるのに用いられるのと同様のラック・アンド・ピニオン装置であってよい。他の調整金具は、アームが長方形ではなく円筒状であると仮定した場合、三脚またはイーゼルの調整可能な脚部上で用いられるのと同様の締付けカラーであってよい。他の調整金具は、上部アームにねじ込まれるねじ付きボルト型装置であってよい。他の調整金具は、引掛り解除ボタンを持つばね機構を使用することができる。他の調整金具は、上部アームの垂直調整を設定する際に、舌部穴のところのソケット・ヘッド押えねじを、アレン・レンチを不要にする軽量のノブ締付け金具と交換することができる。金具の他の変更態様として、ねじ付きインサートを用いて調整ねじを収容することができる。他の変更態様として、バランス・ビームの長さを調整可能にすることができる。他の変更態様として、バランス・ビームのリング・ホルダくぼみをバランス・ビームの長さ上で移動可能にすることができる。個々の演奏者の個人的な要件を満たすように装置をカスタマイズするオプションも存在する。
【0050】
装置に固有の共鳴要素に関連する他の変更態様には、演奏者の楽器および体と組み合わされたときに装置の共鳴特性を向上させる働きをすることのできる他の木材および他の材料を用いることを含めてよい。他の変更態様には、装置の共鳴特性を向上させるように装置の形状および密度を修正することを含めてよい。たとえば、固体材料部材ではなくクレードルに、さらに共鳴を向上させる働きをするキャビティを含めてよい。
【0051】
原型についての上記の説明は特にトランペット向けに構成されている。トロンボーンまたはフレンチ・ホーン向けに構成される装置は原型と異なるものであってよいが、その構成および使用法の基本的な原則は同じである。
【0052】
他の態様は添付の特許請求の範囲の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】トランペット奏者によって使用されている安定化装置の斜視図である。
【図2】首ストラップおよびキー・リングのない、図1の安定化装置の、より近くから見た斜視図である。
関連出願の相互参照
本出願は、2000年7月11日に出願され、引用によって本明細書に全体的に組み入れられた、「小型金管楽器用安定化装置という名称の米国特許仮出願第60/217,295号の継続出願である。
【0002】
技術分野
本発明は、楽器用の安定化装置に関する。
【0003】
背景
トランペット、トロンボーン、フレンチ・ホーンのような小型の金管楽器の演奏者は、楽器を安定化し支持するためにアンブシュール、姿勢、呼吸、音色、技術、および/または忍耐力を犠牲にすることがあまりにも多い。このような演奏者は、楽器を演奏している間楽器を安定させる方法として、歌口に過度の圧力を加え、体を過度に緊張させ、極端なアンブシュールを用いる傾向がある。というのも、演奏者が楽器のバルブ、スライド、およびトリガを動かすにつれ、かつ演奏者が自分の体を動かすにつれて、楽器の重心が移動するからである。動きの自由度を維持しつつ、小型の金管楽器の、融通性に富んだ自然な感覚の安定化および支持を可能にする、小型の金管楽器用の装置が必要である。
【0004】
概要
本発明は、動きの自由度を維持しつつ小型の金管楽器を支持し安定化し平衡させる装置を特徴とする。同時に、この装置は好ましくはまた、演奏者の楽器の振動に応答して振動し、体/楽器の共鳴を生じさせる。
【0005】
この装置は、楽音を発生させるうえで無用な肉体的緊張を軽減させることによって、体の、楽音に寄与する部分をより集中的にかつより効率的に使用できるようにする。その結果、演奏者は、「ホーンと格闘する」ことが少なくなり、音楽に集中できるようになる。この装置は、楽器と演奏者の体との間に共鳴リンクを設けることによって、楽器の与えられたコア・サウンドを発生させ、演奏者の体、特に演奏者の胸骨の自然な共鳴の多くを利用する助けになる。
【0006】
この装置は、演奏の助けとなるだけでなく、学習ツールまたは認識ツールとして働き、演奏者が演奏に伴う微妙な感覚に対する感性を向上させるのを可能にする。この装置は、あらゆるレベルの学生およびプロのミュージシャンによってこのように使用することができる。
【0007】
一般に、この装置は、楽器のピボット運動を平衡させる第2の要素に連結された、ユーザの胸に当たる第1の要素を含んでいる。「連結される」を本明細書で使用するときは、中間構造による連結も含む。
【0008】
この装置の好ましい態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでよい。この装置は、ユーザの首を滑り、たとえばキー・リングを通して第1の要素に取り付けられる首ストラップを含んでよい。第1の要素は、ユーザの胸骨に当たる平坦な部材を含んでよい。この装置は、第1の要素に対して垂直にピボット運動する、第1の要素に連結されたアーム要素をさらに含んでよい。この装置は、上部アームを調整可能に伸ばし、第2の要素用のピボット取付け点を形成する伸長アセンブリをさらに含んでよい。第2の要素は、楽器用のピボットおよび接触点として働くことのできるクレードルであってよい。クレードルは、ユーザの手のための休止点または接触点として働くこともできる。
【0009】
本発明は、安定化装置を用いて小型金管楽器を安定させる方法も特徴とする。
【0010】
この装置は、原型の説明に記載されるかまたは装置の図に示された特徴のうちの任意の特徴を含んでもよい。
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになろう。
【0012】
詳細な説明
各図を参照すると分かるように、安定化装置10は、首ストラップ12およびキー・リング14と、胸部プレート・アセンブリ16と、上部アーム18と、前腕・伸長ロッド・アセンブリ20と、クレードル・ピボット・ダウエル・アセンブリ22とを含んでいる。胸部プレート・アセンブリ、上部アーム、前腕・伸長ロッド・アセンブリ、およびクレードル・ピボット・ダウエル・アセンブリは、メープル・ウッドで作ら、標準金具にピボット運動可能に接合されている。いくつかの構成要素は、想像上の第3の腕が、演奏者の胸骨から前方に伸びて楽器を平衡させ支持する場合に、この第3の腕とまったく同じように演奏者から外側に伸びるという点で、人体の各部にちなんで名付けられている。以下の説明では、首ストラップおよびキー・リングから、最終的に演奏者の楽器の平衡がとられるクレードル・ピボット・ダウエル・アセンブリまで、各構成部品を演奏者の体に近い順に並べてある。各構成部品の説明は、演奏者がこの原型を使用する際の指示となるものであり、旋盤加工を含む木工当業者が原型を作成するのを可能にするものである。
【0013】
注: 図面に関連して用いられる以下の定義は、装置のあらゆる部分の詳細な説明に当てはまる。
【0014】
右側(または左側)の表面(または面)は、装置を装着しているときに装置の右側(または左側)を見ている演奏者が見る表面を指す。
【0015】
頂部(または上部)の表面は、装置を装着しているときに装置を見下ろしている演奏者が見る表面を指す。
【0016】
底部(または下部)の表面は、装置を逆さまにした後に演奏者が見る表面を指す。
【0017】
部品の前部の表面(または前方の端部)は、装置を装着しているときに演奏者の胸部から最も遠い表面である。
【0018】
部品の後部の表面(または後方の端部)は、装置を装着しているときに演奏者の胸部に最も近い表面である。
【0019】
1)首ストラップ12およびキー・リング14:
首ストラップおよびキー・リングは、演奏者の首を滑るアセンブリを形成する。首ストラップは、各端部が、閉ループを形成するようにキー・リングのリムの周りに縫い付けられた、幅1インチ、長さ26インチのウェブ状ナイロン材料のベルトである。首ストラップは、演奏者の胸骨上(概ね演奏者ののレベル)にキー・リングを吊り下げる。キー・リングは、直径5/4インチ、厚さ1/8インチの標準金具である。一対の調整バックルによって、演奏者は、首ストラップが演奏者の頭部に配置された後首ストラップのループを短くすることができ、胸部プレート・アセンブリを胸骨の領域内に快適に位置させることができる。
【0020】
2)胸部プレート・アセンブリ16:
原型胸部プレート・アセンブリはプレート24、舌部26、ウィング28、およびバランス・ビーム30を含んでいる。
【0021】
a)プレート24は、長さ5インチ、幅7/4インチ、厚さ1/2インチの、長方形のメープル・ウッドで形成される。次いで、右下の縁部の5/4インチ上の点から右上の縁部から1/4インチの点までテーパ線を引くことによって側面の長さを頂部の表面の方へ先細りにする(次いで、プレートの左側に対称的なテーパ線を引く)。各テーパ線に沿って長方形を切り取り、プレートの最終的な6面形状を形成する。これで、プレートの頂部は長さ5/4インチ、幅1/2インチになり、プレートの底部は長さ7/4インチ、幅1/2インチになり、頂部および底部に垂直な線の長さは5インチになり、底部の5/4インチの長さによって左右の表面を有する長方形が形成され、上部の19/4インチの長さによって左右の表面を有す台形が形成される。
【0022】
底部からプレートの長手方向軸に沿って延び、頂部から1インチ下で終わる、長さ4インチ、幅3/8インチ、幅1/4インチの溝を、プレートの前方の表面上に切り込む。この溝は、胸部プレート・アセンブリの舌部を受け入れる働きをする。
【0023】
プレートの頂部の3/8インチ下から始まり、プレートの頂部から7/8インチ下で終わり、プレートの上部の表面を中心とする、幅3/8インチ、長さ1/2インチのほぞ穴を、のみを用いて前部から後部に向かって掘削する。このほぞ穴は、胸部プレート・アセンブリのバランス・ビームを受け入れる働きをする。
【0024】
プレートの頂部の表面上の中心点に、ほぞ穴と交差する10−24タップを設ける。このねじ穴は、胸部プレート・アセンブリのバランス・ビームをほぞ穴にねじ込む10−24x1/2インチ・ソケット・ヘッド押えねじを受け入れる働きをする。このねじ穴によって、運搬時にバランス・ビームを取り外すことができる。
【0025】
プレートの後部に、底部の縁部に沿って、幅5/4インチ、深さ1/8インチのラベットを作る。ラベットを有する領域の中心点を深さ1/2インチまで掘削して10−24タップを設け、胸部プレート・アセンブリのウィングをプレートの後部に固定する10/24 x 1/2インチ・ソケット・ヘッド押えねじ用のねじ穴を形成する。ラベットは、胸部プレート・アセンブリのウィングが、プレートの後部に同一平面をなすように嵌るのを可能にする。
【0026】
b)舌部26は、プレートの溝にしっかりと接着され、アーム・クレードル・アセンブリが垂直にピボット運動できる取付け点を形成する働きをする。(舌部は、アーム・クレードル・アセンブリが取り付けられる点の強度を高くするために、木目が木材の長さではなく幅と共に延びている唯一の木材であることに留意されたい。)
【0027】
舌部は、長さ4インチ、幅5/4インチ、厚さ3/8インチの長方形のメープルで形成する。次いで、舌部の底部の縁部から3/8インチ上で舌部の前方の縁部から3/8インチ後方の点を通して、直径が25/64インチの穴を掘削する。この穴はアーム用の取付け穴として働く。
【0028】
底部から3/4インチ上に位置する右前の縁部上の点を見付け、対角線を引き、この点を、後部の縁部から前方に1/4インチに位置する長方形の右上の縁部上の点と連結し、この対角線に沿って切ることによって、舌部をその最初の長方形から修正する。次いで、舌部の4インチの後部の面をプレートの溝にしっかりと接着し、舌部の底部の面をプレートの底部と同一平面をなすようにする。
【0029】
c)ウィング28は、演奏者の胸部に接触したときに胸部プレート・アセンブリを水平方向に安定させると共に、演奏者の胸部の重量を分散させる働きをする。ウィング28は、長さ5インチ、幅5/4インチ、厚さ1/8インチの長方形の、可撓性で強度の高い透明なプラスチックであり、その後部の中心を通って掘削された直径3/16インチの穴を有しており、10−24 x 1/2インチ・ソケット・ヘッド押えねじによってウィングをラベットに固定するのを可能にする。
【0030】
d)バランス・ビーム30は、装置を首ストラップ・キー・リングから吊り下げるためのくぼんだ取付け点を形成する働きをする。このくぼみは、前腕部がその伸長位置にあるとき(アームから約3インチ前方)に概ね装置の重心の上方に位置する。このくぼみはそれにより、プレートおよびウィングを平衡させて演奏者の胸部に接触させ、装置がより適切に演奏者の楽器の平衡をとれるようにする。
【0031】
バランス・ビームは、前方の端部から1/2インチ後方にくぼみを有する、長さ9/2インチ、幅1/2インチ、厚さ3/8インチの長方形のメープルであり、首ストラップのキー・リングを受け入れる。
【0032】
前方の端部から1/2インチで底部から3/16インチ上の点に、ビームの厚さにわたって直径が9/64インチの穴を掘削する。この穴は、キー・リングのわずかな遊びを可能にする。次いで、この穴と交差するように底部の縁部から上に切込みを入れることによってキー・リング挿入くぼみを形成する。前方の切込みは、ビームの長さに垂直であり、穴の円周との接線を成す。後方の切込みは、第1の切込みから1/8インチ後方に作られ、やはりビームの長さに垂直であり、穴の円周と交差する。このように形成されたくぼみは、直径が11/8インチで厚さが1/8インチのキー・リングを受け入れる働きをする。くぼみの適切なサイズによってキー・リングを挿入し取り外すことができ、キー・リングの、その穴の中でのわずかな遊びが可能になり、装置の使用中にキー・リングがビーム内にしっかりと位置させられる。
【0033】
3)上部アーム18:
上部アームは、胸部プレート・アセンブリの舌部穴のところで垂直にピボット運動する。上部アームは、長さ6インチ、幅3/4インチ、厚さ3/4インチの長方形のメープルで形成される。後部の縁部から前方に1/2インチで右側の面の底部から上に3/8インチの点に長方形の厚さ全体にわたって、25/64インチ穴を掘削する。
【0034】
3/8インチx3/8インチのほぞ穴を、のみを用いて、アームの前方の端部に、前部の表面の中心を通して、深さ7/4インチに掘削する。このほぞ穴は、前腕アセンブリの伸長ロッドを受け入れる働きをする。
【0035】
アームの右側の、右側の端部から3/4インチで底部の縁部から3/8インチの点に、10−24ねじ穴を深さ3/8インチに形成する。このねじ穴は、伸長ロッドの調整値を設定する働きをする10−24 x 1/2インチ・ソケット・ヘッド押えねじを受け入れる。
【0036】
後部の表面から始まり、アームの長手方向軸をまたいで延びる、長さ5/2インチ、幅3/8インチ、深さ3/4インチの溝4を頂部から底部に向かって切込み、前部の表面から3/2インチ後方で停止する。この溝は、伸長ロッドの長さに対処する働きをする。この溝によって、運搬時にアームを舌部の周りでジャックナイフ式に折り畳むことができる。
【0037】
アームの後方の端部を、アームの長さを犠牲にせずに、直径が3/4インチの半円を形成するように丸める。これによって、アームは、その後方の端部が胸部プレート・アセンブリのプレートに接触したときにも垂直にピボット運動することができる。
【0038】
アームの右側の面から挿入された5/16 x 1インチ・ソケット・ヘッド押えねじおよび5/16座金と、左側から挿入された5/16−18インチ、5/8インチx7/8インチT字ナット・ファスナによって、胸部プレート・アセンブリの舌部穴にアームを取り付ける。1/4インチ・アレン・レンチを用いて5/16ソケット・ヘッド押えねじを締め付け、それによって、演奏者はアームをその垂直ピボット運動における任意の点にしっかりと固定することができる。
【0039】
4)前腕・伸長ロッドアセンブリ20:
前腕部32は、アームを演奏者の胸部から前方に伸ばす働きをする。前腕部32は、長さ2インチ、幅3/4インチ、厚さ3/4インチのメープル部材から成る。前腕部の後部の表面は、伸長ロッド34を受け入れるように、前腕部の中心点を通って深さ3/4インチに切り込まれた3/8インチx3/8xインチのほぞ穴を有する。
【0040】
前頂部の縁部から3/8インチ後方に前腕部の長手方向軸を中心として、直径が3/8インチの穴を頂部から後部に掘削する。この穴は、クレードル・ピボット・ダウエルを受け入れる働きをする。
【0041】
右側の表面上の、前部の表面から3/8インチ後方の、前腕部の長手方向軸に平行な線上の点に、ピボット・ダウエル穴と交差するように10−24ねじ穴を設ける。このねじ穴は、クレードル・ピボット・ダウエルの円周上の溝に緩く嵌る10−24 x 1/2インチ・ソケット・ヘッド押えねじを受け入れる働きをする。
【0042】
ピボット・ダウエル穴の後方の2つの点に(演奏者が決定すべき位置)、前腕部の円周に沿って2つの#16ゴム製Oリングを取り付ける。これらのOリングは、楽器の第3のバルブの底部バルブ・キャップ穴から漏れる可能性のある水分が、ピボット・ダウエル穴に流れ込みその領域の木材を膨らませるのを妨げる水分リッジとして働く。
【0043】
伸長ロッド34は、長さ21/4インチ、幅3/8インチ、厚さ3/8インチのメープル木材でできている。伸長ロッド34は、前腕部のほぞ穴にしっかりと接着されるが、押えねじを上部アームの前方の端部に締め付けることによって伸長ロッド34の位置が固定去れないかぎり、上部アームのほぞ穴および溝を容易に通過しなければならない。
【0044】
5)クレードル・ピボット・ダウエル・アセンブリ22:
クレードル36は、演奏者用の水平ピボット運動接触点として働く、かつ演奏者の左手用の休止点または接触点を形成する。クレードルは、2つの端部が、直径が1/2インチである中央部の方へ円錐状に先細りになるように、長さ3インチ、直径2インチのメープル・ロッド部材3を旋盤加工することによって形成される。次いで、結果として得られた二重円錐の底部から3/4インチのところをせん断し、前腕部の頂部の表面に自由に当たる平坦な底部の表面を形成するように、二重円錐をその長さにわたって端部から端部まで切断する。結果として得られる形状の2つの円錐状の肩部は、ベースから立ち上がり、演奏者の楽器の平衡点をぴったりとしかも自由に支え、かつ様々な直径のチューブに適合することのできる円錐状のV字溝を形成する。
【0045】
次いで、クレードルのベースの中心点を通る、直径が3/8インチの穴を3/8インチの深さに掘削する。この穴はクレードル・ピボット・ダウエル(図示せず)を受け入れる働きをする。
【0046】
ピボット・ダウエルによって、クレードルは前腕部上で水平方向に回転することができる。ピボット・ダウエルは長さ9/8インチ、直径3/8インチのメープル・ダウエルであり、幅3/16インチ、深さ1/32インチの、旋盤加工された溝を有する。この溝は、ダウエルの底部の端部から3/8インチ上のところに引かれた円周線をまたいで延びている。この溝は、ピボット・ダウエルが前腕部の穴の中で回転するのを可能にし、ダウエルは、溝内のピボット・ダウエル押えねじの先端と線接触することによって緩く保持される。ピボット・ダウエルの頂部の端部をクレードル穴の深さ全体にわたってしっかりと接着し、クレードル・ピボット・ダウエル・アセンブリを形成する。
【0047】
他の態様
他の態様も本発明の範囲内である。
【0048】
たとえば、胸部プレート、伸長可能なアーム、およびクレードルに適切な軽量プラスチックを用い、実施可能なら金具の成形を可能にする成形プロセスを介して装置を大量生産することができる。不要な質量をなくすことによってより小型でより軽量の構成が得られる。たとえば、舌部の中央部を無くし、クレードルの質量をさらに減らし、クレードルの質量のさらに多くの部分を無くすことができる。一般に、演奏者の楽器と組み合わされたときに耐久性、機能、平衡性、および共鳴に関して最小限の整合をもたらすようにすべての既存の部品の質量を修正することができる。
【0049】
さらに、一方の手によって楽器を演奏位置に保持しつつ、他方の手による調整を容易にするように、伸長可能なアームの長さ調整金具を変更することができる。原型では、演奏者は、押えねじを緩め、次いで前腕部を所望の位置に伸ばすかまたは引き込み、次いで締め付け直す必要がある。他の調整金具は、顕微鏡または双眼鏡または望遠鏡を合焦させるのに用いられるのと同様のラック・アンド・ピニオン装置であってよい。他の調整金具は、アームが長方形ではなく円筒状であると仮定した場合、三脚またはイーゼルの調整可能な脚部上で用いられるのと同様の締付けカラーであってよい。他の調整金具は、上部アームにねじ込まれるねじ付きボルト型装置であってよい。他の調整金具は、引掛り解除ボタンを持つばね機構を使用することができる。他の調整金具は、上部アームの垂直調整を設定する際に、舌部穴のところのソケット・ヘッド押えねじを、アレン・レンチを不要にする軽量のノブ締付け金具と交換することができる。金具の他の変更態様として、ねじ付きインサートを用いて調整ねじを収容することができる。他の変更態様として、バランス・ビームの長さを調整可能にすることができる。他の変更態様として、バランス・ビームのリング・ホルダくぼみをバランス・ビームの長さ上で移動可能にすることができる。個々の演奏者の個人的な要件を満たすように装置をカスタマイズするオプションも存在する。
【0050】
装置に固有の共鳴要素に関連する他の変更態様には、演奏者の楽器および体と組み合わされたときに装置の共鳴特性を向上させる働きをすることのできる他の木材および他の材料を用いることを含めてよい。他の変更態様には、装置の共鳴特性を向上させるように装置の形状および密度を修正することを含めてよい。たとえば、固体材料部材ではなくクレードルに、さらに共鳴を向上させる働きをするキャビティを含めてよい。
【0051】
原型についての上記の説明は特にトランペット向けに構成されている。トロンボーンまたはフレンチ・ホーン向けに構成される装置は原型と異なるものであってよいが、その構成および使用法の基本的な原則は同じである。
【0052】
他の態様は添付の特許請求の範囲の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】トランペット奏者によって使用されている安定化装置の斜視図である。
【図2】首ストラップおよびキー・リングのない、図1の安定化装置の、より近くから見た斜視図である。
Claims (21)
- 小型の金管楽器用の安定化装置であって、楽器のピボット運動を平衡させる第2の要素に連結された、楽器のユーザの胸部に当たる第1の要素を含む装置。
- 第1の要素に連結された首ストラップをさらに含む、請求項1記載の装置。
- 第1の要素が、ユーザの胸部から離れる方向に延び、首ストラップに連結された伸長部を含む、請求項2記載の装置。
- 第1の要素が、ユーザの胸部に当たる背部の平坦な表面を有する垂直プレートを含む、請求項1記載の装置。
- 第1の要素が、装置を水平方向に安定させる、ユーザの胸部に接触する背部の概ね平坦な表面を有する、水平に延びる部分をさらに含む、請求項4記載の装置。
- 第1の要素が、垂直ピボット連結部を含む外側に延びる部分をさらに含む、請求項4記載の装置。
- 垂直ピボット連結部にピボット運動可能に連結された第1の端部と、第2の要素に連結された第2の端部とを有するアーム要素をさらに含む、請求項6記載の装置。
- 第1の要素に、垂直方向にピボット運動可能に連結された第1の端部と、第2の要素に連結された第2の端部とを有するアーム要素をさらに含む、請求項1記載の装置。
- 第2の要素に連結され、アーム要素の第2の端部に滑り可能に連結された伸長アセンブリをさらに含む、請求項7記載の装置。
- 第2の要素に連結され、アーム要素の第2の端部に滑り可能に連結された伸長アセンブリをさらに含む、請求項8記載の装置。
- 第1の要素に滑り可能に連結された伸長要素をさらに含む、請求項1に記載の装置。
- 伸長アセンブリが、アーム要素の第2の端部の開口部を通してアーム要素に滑り可能に取り付けられたロッドを含む、請求項9記載の装置。
- 伸長アセンブリが上部の表面を有し、第2の要素が、伸長アセンブリの上部の表面に回転可能に取り付けられた、楽器用の休止要素を含む、請求項12記載の装置。
- 伸長アセンブリが上部の表面を有し、第2の要素が、伸長アセンブリの上部の表面に回転可能に取り付けられた、楽器用の休止要素を含む、請求項11記載の装置。
- 装置が、使用時に楽器の振動に応答して振動し、それによって振動を装置を通じてユーザの胸骨に伝える、請求項1記載の装置。
- 楽器のユーザの胸部に当たる胸部プレート・アセンブリと、胸部プレート・アセンブリに連結された首ストラップと、胸部プレート・アセンブリに垂直ピボット運動可能に連結された第1の端部、および第2の端部を有する上部アームと、上部アームの第2の端部に滑り可能に連結された前腕部・伸長ロッド・アセンブリと、前腕部・伸長ロッド・アセンブリ上に取り付けられた楽器のピボット運動を平衡させるクレードル・ピボット・ダウエル・アセンブリとを含む、小型の金管楽器用の安定化装置。
- 楽器のユーザの胸部に当たる第1の要素と、楽器を受け入れる第2の要素とを含む、小型の金管楽器用の安定化装置。
- ユーザの胸部に当たる第1の要素と、楽器が当たる第2の要素とを含む安定化装置を使用時に使用することを含む、ユーザによる小型の金管楽器の使用時に楽器を安定させる方法。
- 楽器がトランペットである、請求項18記載の方法。
- 楽器がトロンボーンである、請求項18記載の方法。
- 楽器がフレンチ・ホーンである、請求項18記載の方法。
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