JP2004501500A - 光利得ファイバ - Google Patents
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Abstract
光利得ファイバが開示される。これは、エルビウムを含有するコアと、該コアを取り囲むクラッドと、を含み、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。1つの実施例において、該光利得ファイバは、980nmにおいて励起可能である。他の実施例において、該光利得ファイバは、溶融切断可能である。更なる実施例において、該コアはエルビウム酸化物を含み、該クラッドはシリコン酸化物を含み、該光利得ファイバは、1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.5%以下の受動損失を有する。本発明による光利得ファイバは、通常の光利得ファイバに比して、より広い利得窓と、該利得窓に亘って改善された平坦性と、及び/又は増加せしめられた利得とを有する。従って、本発明による光利得ファイバは、特に長距離伝送の道程にわたって繰り返し増幅されるべき光信号を、通常の光信号増幅方法において通常遭遇される信号品質上の損失なし増幅するのに有用である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光利得ファイバに関し、特に、980nm及び1480nmにおいて励起可能であって、低リップルを有し、低受動損失を有し、及び溶融切断可能である光利得ファイバに関する。
【0002】
【従来技術】
近時、光利得ファイバ通信の利用が劇的に増加し、信号伝送の増大する速度及び透過性への裏付けにより、信号伝送のために光ファイバ利用が将来にわたって成長し続けるものにしている。光ファイバ技術は、多様な信号の伝送に用いられ得る。特に事実上無制限の帯域幅と低減衰とが有益である分野、例えば、電気通信、センサ、医療及びビデオ伝送の分野は、かかる光学技術上の利点を最大限に享受する。ケーブルテレビシステムは、光ファイバ技術が従来の同軸ケーブル配信方式の代替として効率性と経済性を提供する1つの例である。
【0003】
光信号が光ファイバに沿って伝搬するにつれて、該信号は減衰せしめられる。この減衰の程度は、通常、該信号を搬送する光ファイバの長さに比例する。従って、長距離伝送に対する障害の1つは信号再生成の必要性にある。従来、これは、光信号を電気信号に変形し該電気信号を通常の電気信号増幅技術を用いて増幅し、該増幅された電気信号を光信号に変換することにより電気的に実現されている。このプロセスは幾つかの信号操作を導入するものであり、そのうちの1つは信号品質の損失を生じるはずである。長距離伝送の道程にわたってこのプロセスが繰り返されることから、信号品質上のこれらの損失は重大な問題を引き起こすはずである。
【0004】
この問題に対処するものとして、光利得ファイバの使用が説明される。ファイバ利得モジュールは、電磁気エネルギを用いることで、光信号を電気信号に変換すること無しに光信号を励起する。かかる励起が実行される媒体には、希土金属、特にエルビウムを添加されたファイバを含む。しかし、かかる光利得ファイバは、1550nm直近の動作窓(window)を狭め、該動作窓にわたる利得の平坦性をかなり低下せしめる。結果として、これらの光利得ファイバが1550nmを中心とする狭い帯域幅の光信号を増幅するのに適切であるとしても、該信号がより広域の帯域幅有するか又は正確には1550nmを中心としない場合において、これら光利得ファイバは一様でない利得を発生することとなる。以上のように、より広い利得窓と、該利得窓にわたった改善された平坦性とを備える光利得ファイバへの必要性がある。本発明はかかる必要性に合致すること目的としている。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、コアと該コアを取り囲むクラッドを有する光利得ファイバに関する。該コアはエルビウムを含み、該光利得ファイバは、980nm及び1480nmにおいて励起される。加えて、該光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0006】
本発明は、また、他の光利得ファイバに関する。該光利得ファイバは、コアと該コアを取り囲むクラッドを含む。該コアはエルビウムを含み、該光利得ファイバは、溶融切断可能であり、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0007】
本発明は、更なる他の光利得ファイバに関する。この光利得ファイバは、コアと該コアを取り囲むクラッドを含む。該コアはエルビウム酸化物を含み、該クラッドはシリコン酸化物を含む。該光利得ファイバは、1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.5%以下の受動損失を有する。加えて、該光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0008】
本発明による光利得ファイバは、通常の光利得ファイバに比して、より広い利得窓、及び/又は、該利得窓に亘って改善された平坦性を有する。更に、本発明による光利得ファイバは、従来のエルビウム添加光利得ファイバに比べた場合、その等価な反転点において単位長さ当たりで増加した正味利得を有する。以上のように、本発明による光利得ファイバは、特に長距離伝送の道程に亘って繰り返し増幅することが要求される光信号を、通常の光信号増幅方法において通常遭遇する信号品質上の損失無しに増幅するのに有用である。
【0009】
【実施例】
本発明は、コアと該コアを取り囲むクラッドを有する光利得ファイバに関する。該コアはエルビウムを含み、該光利得ファイバは、980nm及び1480nmにおいて励起される。加えて、該光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0010】
本発明は、また、他の光利得ファイバに関する。該光利得ファイバは、コアと該コアを取り囲むクラッドを含む。該コアはエルビウムを含み、該光利得ファイバは、溶融切断可能であり、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0011】
本発明は、更なる他の光利得ファイバに関する。この光利得ファイバは、コアと該コアを取り囲むクラッドを含む。該コアはエルビウム酸化物を含み、該クラッドはシリコン二酸化物を含む。該光利得ファイバは、1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.5%以下の受動損失を有する。加えて、該光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0012】
ここで用いられる「リップル」とは、電磁気的スペクトルの領域、即ち「窓」にわたって光学利得ファイバの利得の平坦性の尺度である。特に、特定の波長、即ち次の式で与えられるλにおける利得が計算される。
【0013】
【数1】
【0014】
ここで、(利得)λは波長λ(通常dB/mで表される)における利得である。n2は該ファイバの長さ方向に沿った励起状態のイオンの平均の分数(fraction)である。g*λは、完全エネルギ反転(即ち、n2が1の場合)における波長λでの利得を表し、通常dB/mで表記される。αλは波長λにおける吸収係数、即ち小さい信号損失(減衰)の係数であり、通常dB/mで表記される。そしてLは該ファイバの長さである。
【0015】
n2は励起電力に依存する。励起電力は、リップルを最小とするように最適化される。リップル計算のために、該励起電力が、対象となる波長窓にわたってリップルを最小とするように調整される(引き続いて平均エネルギ反転、即ちn2が調整される)。
g*は、蛍光測定から決定される。完全反転された利得スペクトル(即ち、λの関数としてのg*のプロットは蛍光に比例する)。通常、蛍光スペクトルは、ファイバの短い長さ(例えば、4cm以下)に対して980nmで(例えば、GaAs/GaAlAsレーザにより)励起することと、波長の関数として蛍光(即ち、連記状態からの自然放出)を計ることにより測定される。該測定された蛍光スペクトルが任意の信号量を前提としてg*スペクトルの形が定められる。次いでg*は1で正規化される(例えば、対象となる波長幅において得られる最大g*で各λにおけるg*の値を除算することにより正規化される)。
【0016】
各λにおける吸収率αは、カットバック(cutback)手法により測定される。小さい信号が該ファイバの1端に注入され、波長λの信号が他端において測定される。次いで、該ファイバは約20dBに等価な長さに短く縮小され、該信号が再び測定される。波長λにおける吸収(即ち、αλ(例えばdBで表現される))が、最初の信号測定値から二番目の測定値を引き算し、該カットバック長さで割り算することにより計算される。該プロセスは、対象となる波長窓にわたって各波長λについて繰り返され、αλが1で正規化される(例えば、対象となる波長幅において得られる最大αλで各λにおけるαの値を除算することにより正規化される)。
【0017】
通常、ファイバの長さは、測定可能な吸収及び蛍光を与えるように選択され、該測定された吸収αと測定された螢光(従ってg*λ)がファイバ長Lで割り算され、αλ、g*λ及び(利得)λが単位長さ当たりのdB(例えば、dB/m)として表される。
以上のように、利得計算は、各波長λにおいて吸収及び蛍光を測定することを要求する。何らか既知の方法が波長λにおける吸収及び蛍光を測定するのに用いられ得る。有利的には、ダイオードアレイ機器が対象の波長窓の全体にわたって吸収又は蛍光データを即時に取り込むのに用いられ得る。該蛍光及び吸収スペクトルは各々正規化され、これら正規化された蛍光及び吸収スペクトルが上記の式で波長毎に利得スペクトルを計算するのに用いられる。
【0018】
該測定及び利得計算に関連する更なる詳細については、C.ランディ・ギリス氏及びエマニエル・デサービレ氏による「エルビウム添加ファイバ増幅器のモデル化」と題する光波技術ジャーナル誌1991年9(2)号271乃至283頁に見いだされる。かかる記載は参照により本開示に組み入れられる。
電磁気スペクトルの特定の窓内において、所与の光利得ファイバに対して最大及び最小利得が存在する。該窓内におけるリップルが、本発明の目的のために、以下に示されるように最大利得と該最小利得の差を該最小利得で割り算することより定められる。
【0019】
【数2】
【0020】
ここで、リップル(λ2、λ1)はλ1からλ2に広がる窓におけるリップルであり、(利得(λ2、λ1))最大は、λ1からλ2に広がる窓における最大利得であり、(利得(λ2、λ1))最小は、λ1からλ2に広がる窓における最小利得である。当業者により認められるように、よりサイズの大きい窓においてリップルは通常より大きくなる。例えば、本発明による光利得ファイバは、約40nmの窓にわたって、約25%以下(即ち0.25以下)のリップルを有することができ、好ましくは約22%以下であり、とりわけ好ましくは約20%以下であり、さらに好ましくは約17%以下を有することができる。40nm窓の実際の位置は、本発明の実施において決定的なものではない。好ましくは、該窓は、1550nmを含む(例えば、1510から1550nm、1520から1560nm、1530から1570nm、1540から1580nm、1550から1590nm、その他)。付加的に或いは代替的に、本発明の光利得ファイバは、約30nmの窓にわたって、約15%以下(即ち、0.15以下)のリップルを有することができ、好ましくは、約13%以下であり、とりわけ好ましくは約11%以下であり、さらに好ましくは約10%以下を有することができる。32nm窓の実際の位置は、本発明の実施において決定的なものではない。好ましくは、該窓は1550nmを含む(例えば、1518から1550nm、1526から1558nm、1534から1566nm、1542から1574nm、1550から1582nm、その他)。当然、本発明は,上述のリップルに関する判別に適合して指定されるサイズのうちで2つ以上の窓を有する光利得ファイバを含むことを意味する。本発明の好ましい光利得ファイバは、メートル当たり約15dBよりも高いことと、メートル当たり約20dBよりも高いことと、メートル当たり約25dBよりも高いことと、メートル当たり約30dBよりも高いことと、メートル当たり約35dBよりも高いことと、メートル当たり約40dBよりも高いこととのうちで最大利得(即ち、完全反転において)を有するものである。この最大利得の波長は、好ましくは,上述のように低リップルを有する窓におけるものである。通常、光利得ファイバの最大利得は、該ファイバ中のエルビウム酸化物の量を増やすことにより増加せしめられ得る。
【0021】
ここで用いられる「980nm及び1480nmで励起可能」とは、本発明の光利得ファイバが、約980nmの波長を有する光により(例えば、GaAs/GaAlAsレーザからの光により)励起され得ること、約1480nmの波長を有する光により(例えば、InGaAsPレーザからの光により)励起され得ることを意味する。実施上、該光利得ファイバは、これらの光源の何れか又は両方により励起され得る。本発明の光利得ファイバか他の波長により(例えば、Ar+イオンレーザからの514.4nm光により)励起され得るかは、本発明の実施において決定的なものではない。
【0022】
上記に示したように、本発明の光利得ファイバは、コアと該コアを取り囲むクラッドを含む。該クラッドは、好ましくは、該ファイバを溶融切断可能物とする材料により製造される。つまり、光利得ファイバと他の光利得ファイバとを接続可能とするクラッドを含むこと、即ち、接着剤又は他の方法を用いることとは相反して、加熱の如き溶融切断のよる装置を該ファイバが含むことが好ましい。
【0023】
上記に示されたように、本発明の光利得ファイバにおいて用いられるクラッドは、シリコン二酸化物を含むことが好ましい。クラッド層は、当業者により知られる他の材料を含んでも良いこと当然であるが、何ら蛍光分子を(例えば、シリコンフッ化物の形で)含まないことが好ましい。変形例において、クラッド層は何らかのフッ化分子を含み得るが、好ましくは、かかるフッ化物の存在する量は、当該クラッドにおけるシリコン分子のモル数に対する当該クラッドにおけるフッ化物分子のモル数の比率が、約0.05以下(即ち、5%以下)であり、より好ましくは約0.02以下であること、さらにより好ましくは約0.005以下である。
【0024】
本発明の光利得ファイバのコアは、エルビウム(例えば、エルビウム酸化物)を含み、且つ、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、さらに付加的に、イットリウム、ランタン、ガドリニウム及びルテチウムからなるグループから選択される1つ以上の金属酸化物を更に含むガラス材から製造し得る。
本発明の光利得ファイバの好ましいコアは、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約6%から約20%以下の重量%の量にてアルミニウム酸化物を含み、且つ、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.05%から約5%至る重量%(例えば、約0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は5の量にて)の量にてエルビウム酸化物を含む。本発明の光利得ファイバのコアは、また、他の元素の酸化物の如き他の材料を含み得る。例えば、本発明の光利得ファイバのコアは、また、アンチモンの酸化物を含み得る。図式的には、本発明の光利得ファイバのコアは、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約6%から約20%に至る重量%の量にてアルミニウム酸化物を含み得るものであり、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.05%からの重量%の量にてエルビウム酸化物を含み得るものであり、且つ、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.5%から約60%に至る重量%の量にて(例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、50又は60重量%にて)アンチモン酸化物を含み得る。
【0025】
本発明の光利得ファイバのコアの化学的組成は、例えば、分子吸収分光学等の従来の方法に決定され得る。該コアに存在する多様な金属間の比率が決定されれば、それらと対となる酸化物の重量が計算され得る。この目的のために、ガラス中に存在する全ての金属は通常の酸化物の形をなしているものと通常仮定される。(例えば、全てのアルミニウムはAl2O3の形で存在すること、全てのシリコンはSiO2の形で存在すること、全てのアンチモンはSb2O3の形で存在することと、全てのエルビウムはEr2O3の形で存在することとが仮定される)。
【0026】
本発明の光利得ファイバのコアは、他の金属を含むことができ(即ち、シリコン、アルミニウム、アンチモン、エルビウム、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及びルテチウム以外の金属)、これらは光学ガラス製造技術において通常用いられるものであり、これらの例としては、ゲルマニウム、タンタル及びチタニウムを含む。光学ガラスにおいて通常用いられる他の材料が含み得るもであり、例えば,ボロン及び燐を含有する化合物がある。本発明のファイバのコアに存在する他の金属及び材料は、光信号の伝送に有害な効果を与えず、ファイバ内にコアを引き入れる容易性に有害な効果を与えないことが好ましい。
【0027】
上記に示したように、本発明の光利得ファイバのコアは、ゲルマニウムの酸化物を含むことができる。しかし、ゲルマニウムの酸化物が存在する場合、それらは該コア中の酸化物のうちの約20%以下の量で存在し、より好ましくは約10%以下であり、さらに好ましくは約5%以下である。最も好ましくは、本発明の光利得ファイバのコアが何らゲルマニウム酸化物を含まないか或いは実質的に含まないことである。
【0028】
本発明の光利得ファイバは、低リップルを有することに加えて上記したように、好ましくは低受動損失を有する。受動損失とは、当業者において認識されるように、例えば光利得ファイバに存在する可能性のある水分子による散乱及び望ましくない吸収を原因とする信号強度における損失として参照される。受動損失は、例えば従来のPKベンチに基づくカットバック測定を用いて、単位ファイバ長当たりの減衰を(例えばdBで)測定することによる如き多様な方法により測定され得る。この方法により測定されれば、本発明の光利得ファイバは、通常、キロメートル当たり50dB以下の受動損失を有し、好ましくは、キロメートル当たり30dB以下、より好ましくはキロメートル当たり10dB以下を有する。受動損失は、また、1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収に関して測定され得る。ここで,「1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域」とは、エルビウムの基底状態に対応する吸収帯域帯を意味し、これは通常1510nmから1550nmの間である。ここで、「1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収」とは、エルビウムの基底状態に対応する吸収帯域の最大吸収を意味する。1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.5%以下(好ましくは、0.2%以下、より好ましくは0.1%以下)の受動損失を有する本発明の光利得ファイバが容易に実現され得る。典型的には、本発明の光利得ファイバは、1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.05%と約0.5%の間の受動損失を有する。
【0029】
本発明の光利得ファイバは、例えば適切なコア及びクラッド材料からの引き抜き又は押し出しにより等の従来のやり方で準備され得る。
好ましくは、該コアは、熱酸化分解を進めてそれらの対応する酸化物を生成し得る先駆物質を用いて形成されるガラスから製造される。適切な先駆物質は、液体又は固体で形成され得る。固体の場合ては、該固体は好ましくは適切な溶媒又は他の先駆物質の中に溶かされる。本発明の光利得ファイバのコアにシリコン酸化物成分のための適切な先駆物質としては、テトラ・アルコキシ・シラン(例えば、テトラ・メソキシ・シラン及びテトラ・キソキシ・シラン)及びオクタ・アルキル・シクロテトラ・シロキサン(例えば、オクタ・メチル・シクロテトラ・シロキサン)である。該コアのアルミニウム酸化成分のための適切な先駆物質は、アルミニウム・アルコキシドであり、その例としては、アルミニウム・トリ・エトキシド、アルミニウム・トリ−n−プロポキシド、アルミニウム・トリ−i−プロポキシド、及びアルミニウム・トリ−sec−ブトキシドを含み、更に、アルミニウム(III)アセチルアセトン・アートの如きアルミニウムβ−ジケトン・アートを含む。該コアのアンチモン酸化成分(含まれた場合)のための適切な先駆物質は、アンチモン・アルコキシド、であり、その例としては、アンチモン・トリ・エトキシド、アンチモン・トリ−n−プロポキシド、アンチモン・トリ−i−プロポキシド、及びアンチモン・トリ−sec−ブトキシドを含む。該コアのエルビウム酸化成分のための適切な先駆物質は、エルビウム・アルコキシド、であり、その例としては、エルビウム・トリ・エトキシド、エルビウム・トリ−n−プロポキシド、エルビウム・トリ−i−プロポキシド、及びエルビウム・トリ−sec−ブトキシドを含み、更に、エルビウム・トリ−1,3−ジケトン、特に、通常、Er(FOD)3として参照されるエルビウム−トリ−(6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフッ化−2,2−ジメチル−3,5−オクタン・ジオン・アート)の如きエルビウム・トリ−(フッ化された1,3−ジケトン)を含む。イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムの酸化物が付加的に用いられた場合には、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのコア酸化物成分の適切な先駆物質は、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのアルキシドであり、それらの例としては、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ・エトキシド、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ−n−プロポキシド、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ−i−プロポキシド、及びトリ−sec−ブトキシドを含み、更に、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ−1,3−ジケトン、特に、通常、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ−(6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフッ化−2,2−ジメチル−3,5−オクタン・ジオン・アート)の如きイットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ−(フッ化された1,3−ジケトン)を含む。
【0030】
上記に示したように、先駆物質が液体の場合においては、ニート(neat)の状態(即ち、溶媒を追加しない)で用いられ得るし、代替的に、適切な溶媒に溶解され得る。先駆物質の幾つかが液体で他が固体の場合には、該固体の先駆物質は、液体先駆物質と混合されて溶液が生成される(当然、これらの材料の性質が溶液状になり得ることを仮定している)。代替的には、該固体先駆物質は、例えば、エチレングリコール、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、及びブタノール、特に2メソキシ・エタノールの如き2アルコキシ・エタノール)、又はこれらの組み合わせの如き適切な溶媒(液体先駆物質以外の溶媒)に溶解し得る。
【0031】
該先駆物質は、次いで、液状に、個々に又は好ましくは混合物の何れかで燃焼バーナの炎の中に直接に射出される。このやり方では、該先駆物質は、最終的に分離されたアモルファス煤に変態する前には或いは同時にも蒸発することはない。
小スケールでは、本発明の光利得ファイバのコアを作るのに用いられる先駆物質は、精密針のある注射器を用いて液状に射出され、バーナの炎の中に直接に向けられた高速度の液流を生成し得る。代替例であり、特に大スケールで該プロセスが実行された場合には、噴霧器が用いられ得る。これらの点については、例として、ルフェブール氏による「噴霧及びスプレー」ヘムスフィア・パッブリッシング社 (1989)と、ベイベル氏及び他による「液体噴霧」テーラ・アンド・フランシス社(1993)とにおいて説明されており、これらは参照により本開示に組み入れられる。本発明の光利得ファイバのコアを作るために特に好ましい噴霧器は、空気噴出噴霧器である。幾つかのケースにおいては、噴霧状の先駆物質の射出が、該先駆物質の噴霧化するに用いられる好適な気体である窒素及び/又は酸素の如き搬送ガスで補助され得る。
【0032】
液体先駆物質が直接に射出されるバーナは、例えば、メタン及び酸素により燃料を供給され得る。該先駆物質の熱酸化分解は、回転可能な心棒の如き受容面上に沈積され得る最終的な分離された煤を生成する。その沈積に実質的に同時に或いは引き続いて、該煤は、従来のガラス形成方法を用いて、溶融されたガラスの本体中に、例えば、炉中で該ガラスを熱することにより合併され得る。
【0033】
煤を準備する好ましい方法に関して更なる詳細は、参照により本開示に組み入れられる米国特許仮出願第60/095,736号に見いだされ得る。
次に、例えば、参照により本開示に組み入れられる米国特許第5,703,191号の「最終利用」において説明されてように、シリカの溶融された本体は引き抜かれ、本発明の光利得ファイバが製造され得る。好ましくは、参照により本開示に組み入れられる同時係属中の米国特許出願第09/350,068号において説明されているように、直接引き抜きプロセスにより、シリカの溶融された本体は引き抜かれ、本発明の光利得ファイバが製造される。
【0034】
本発明の光利得ファイバは、光信号を増幅するに用いられ得るし、例えば、電力増幅器、前置増幅器、又は直列増幅器としても用いられ得る。かかる増幅は、コア中のこのエルビウムイオンを部分的に又は完全に反転することにより達成されると考えられ、この提示される機構は、何れにしても、本発明の範囲を制限することを意味しない。増幅される信号の性質は、特に決定的なものではなく、約1510nmから約1600nmの波長、特に約1525nmから約1575nmの波長を有する信号が本発明による光利得ファイバにより最も効果を与えられる。増幅されるべき信号は、例えば、従来の(入力)ファイバを介して信号源から該光利得ファイバの一端に供出される。レーザ光が、該光利得ファイバに(例えば、二色性ファイバカプラを介して)入るようにされ,結果として,該光信号が増幅される。該光利得ファイバの他端は、(信号操作のための)導波路、又は、ここで増幅された光信号の(更なる伝送のための)他の従来の(出力)光ファイバの如き光部品に接続される。
【0035】
該光信号を増幅するのに用いられるレーザは、好ましくは、約980nm又は約1480nmの波長を有する(即ち、GaAs/GaAlAsレーザ又はInGaAsPレーザからの光)。適切なレーザは、当業者により容易に認識され得るものであり,例えば、P.C.ベッカー氏、N.A.オルソン氏及びR.J.シンプソン氏による「エルビウム添加ファイバ増幅器の基礎と技術」アカデミック・プレス社(1999)(「ベッカー」)が参照され、これは参照により本開示に組み入れられる。
【0036】
図1は、本発明による光利得ファイバを用いて構築され得る典型的な増幅器を示している。ここで示されるように、光増幅器2は、光利得ファイバ4とレーザ6とを含む。レーザ6は、約980nm又は約1480nmの波長を有する光を放出する能力を有し、光利得ファイバ4と通信状態(例えば、光利得ファイバ8及び二色性ファイバカプラー9を介して)にある。動作において、(例えば、従来の光ファイバ14を介して送信された)入力信号10は、光利得ファイバ4の入力端12に(例えば、二色性ファイバカプラー9を介して)入り、ここで増幅される。増幅された信号は、次いで、光利得ファイバ4の出力端15を通って光利得ファイバ4を増幅信号18として出る。増幅信号18は、次いで、出力のための従来の光ファイバ20を介して更に伝送され、これは、溶融切断22を介して光利得ファイバ4の出力端16に光学的に接続される。従来の光ファイバ14を介して入力光信号10を供出させる代わりに、図示されるように、入力光信号10が他の光部品、例えば、導波路の如き光能動デバイスから供出され得ること企図される。代替的に又は付加的に、出力信号18が従来の光ファイバ20に入れられる代わりに、図示されるように、出力信号18が光能動デバイス、例えば、光減衰器又は他の光増幅器に供出され得ることが企図される。
【0037】
光利得ファイバの利用、及びレーザによるこれらの励起に関しての更なる詳細は、例えば、参照により本開示に組み入れられたベッカー氏による文献に見いだされ得る。
本発明は、以降の例示により更に説明される。
<例示>
<例1−−Si、Al、Er及びSbのアルコキドの準備>
シリコン・テトラエチル・オルソ・シリケート(105.60g、0.5069mol)と、アルミニウム・トリ(sec−ブドキシド)(18.25g、0.07409mol)、及びエルビウムFOD(0.20g、0.00019mol)とが窒素充填されたグローブボックス内のエルレンメイヤーフラスコにピペットで移される。該溶液は水晶白色であり、僅かに乳白色を呈している。該溶液は60時間はそのままであり、その後、白色のゲルが底に形成され、溶液自体は無色となる。2−メソキシ・エタノールの125mlが加えられる。該ゲルは分解し、該溶液は透明のままである。該溶液は、メタン/酸素バーナの炎に注射器を用いて1乃至2ml/分の射出レートで直接に射出される。この結果得られる煤は水晶ロッドの上に集められ、Si、Al及びErの内容量について分析される。その結果が表1に、該バーナに射出された溶液中のSi、Al及びErの酸化等価物の内容量に従って示される。
【0038】
【表1】
【0039】
<例2−−光利得ファイバの断面組成分析>
参照により本開示に組み入れられる米国準備特許出願連番第60/095,736号に説明される方法を用いて、液体先駆物質が直接にバーナの炎に射出されて煤を生成する。該煤は溶融ガラスの上に合併され、そこから95μmのファイバが引き抜かれる。このファイバが引き抜かれる半製品(blank)の断面上のアルミニウム酸化物の密度が図2Aに示され、該半製品の断面上のエルビウム酸化物の密度が図2Bに示される。
<例3−−ゲルマニウム含有及び無含有のファイバの螢光の比較>
例2に示された方法を用いて、アルゴ50(Argo 50)と称される第1のファイバコア、が、シリカ、アルミナ及びエルビアの複数の先駆物質から生成される。従来の2段階外部蒸着(「OVD」)プロセスを用いて、「ファイバX」と称される第2のファイバコアが、シリカ、アルミナ、ゲルマニア及びエルビアの複数の先駆物質から生成される。これらのファイバの組成が分析され、その結果か以下の表2に示される。
【0040】
【表2】
【0041】
図3は、980nmの光源により励起された場合における該ファイバの各々からの螢光の正規化強度を放出波長の関数として示している。図3が示すように、アルゴ50ファイバ(ゲルマニウム無添加のファイバ)は、ファイバX(ゲルマニウム添加のファイバ)よりもよりなだらか螢光ピークを有している。
<例4−−アルゴ50のリップル分析>
図4は、アルゴ50ファイバについて波長の関数としての利得を示している。以下の表3は、多様な波長窓に対するリップルを示している。
【0042】
【表3】
【0043】
本発明が説明のために詳細に示されたが、かかる詳細は当該目的のみのためであり、引き続く請求項の記載により定義される本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、当業者により変容がなし得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光利得ファイバを含む光増幅器を示している図である。
【図2A】本発明による光利得ファイバを製造するに用いられる半製品の組成であり、コアの断面におけるアルミウム酸化物を示している図である。
【図2B】本発明による光利得ファイバを製造するに用いられる半製品の組成であり、コアの断面におけるエルビウム酸化物を示している図である。
【図3】本発明による光利得ファイバ(アルゴ50)を在来のファイバXと比較した場合の正規化した蛍光スペクトルを示しているグラフである。
【図4】本発明による光利得ファイバの場合と在来の光ファイバの場合における波長の関数としての利得のグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光利得ファイバに関し、特に、980nm及び1480nmにおいて励起可能であって、低リップルを有し、低受動損失を有し、及び溶融切断可能である光利得ファイバに関する。
【0002】
【従来技術】
近時、光利得ファイバ通信の利用が劇的に増加し、信号伝送の増大する速度及び透過性への裏付けにより、信号伝送のために光ファイバ利用が将来にわたって成長し続けるものにしている。光ファイバ技術は、多様な信号の伝送に用いられ得る。特に事実上無制限の帯域幅と低減衰とが有益である分野、例えば、電気通信、センサ、医療及びビデオ伝送の分野は、かかる光学技術上の利点を最大限に享受する。ケーブルテレビシステムは、光ファイバ技術が従来の同軸ケーブル配信方式の代替として効率性と経済性を提供する1つの例である。
【0003】
光信号が光ファイバに沿って伝搬するにつれて、該信号は減衰せしめられる。この減衰の程度は、通常、該信号を搬送する光ファイバの長さに比例する。従って、長距離伝送に対する障害の1つは信号再生成の必要性にある。従来、これは、光信号を電気信号に変形し該電気信号を通常の電気信号増幅技術を用いて増幅し、該増幅された電気信号を光信号に変換することにより電気的に実現されている。このプロセスは幾つかの信号操作を導入するものであり、そのうちの1つは信号品質の損失を生じるはずである。長距離伝送の道程にわたってこのプロセスが繰り返されることから、信号品質上のこれらの損失は重大な問題を引き起こすはずである。
【0004】
この問題に対処するものとして、光利得ファイバの使用が説明される。ファイバ利得モジュールは、電磁気エネルギを用いることで、光信号を電気信号に変換すること無しに光信号を励起する。かかる励起が実行される媒体には、希土金属、特にエルビウムを添加されたファイバを含む。しかし、かかる光利得ファイバは、1550nm直近の動作窓(window)を狭め、該動作窓にわたる利得の平坦性をかなり低下せしめる。結果として、これらの光利得ファイバが1550nmを中心とする狭い帯域幅の光信号を増幅するのに適切であるとしても、該信号がより広域の帯域幅有するか又は正確には1550nmを中心としない場合において、これら光利得ファイバは一様でない利得を発生することとなる。以上のように、より広い利得窓と、該利得窓にわたった改善された平坦性とを備える光利得ファイバへの必要性がある。本発明はかかる必要性に合致すること目的としている。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、コアと該コアを取り囲むクラッドを有する光利得ファイバに関する。該コアはエルビウムを含み、該光利得ファイバは、980nm及び1480nmにおいて励起される。加えて、該光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0006】
本発明は、また、他の光利得ファイバに関する。該光利得ファイバは、コアと該コアを取り囲むクラッドを含む。該コアはエルビウムを含み、該光利得ファイバは、溶融切断可能であり、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0007】
本発明は、更なる他の光利得ファイバに関する。この光利得ファイバは、コアと該コアを取り囲むクラッドを含む。該コアはエルビウム酸化物を含み、該クラッドはシリコン酸化物を含む。該光利得ファイバは、1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.5%以下の受動損失を有する。加えて、該光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0008】
本発明による光利得ファイバは、通常の光利得ファイバに比して、より広い利得窓、及び/又は、該利得窓に亘って改善された平坦性を有する。更に、本発明による光利得ファイバは、従来のエルビウム添加光利得ファイバに比べた場合、その等価な反転点において単位長さ当たりで増加した正味利得を有する。以上のように、本発明による光利得ファイバは、特に長距離伝送の道程に亘って繰り返し増幅することが要求される光信号を、通常の光信号増幅方法において通常遭遇する信号品質上の損失無しに増幅するのに有用である。
【0009】
【実施例】
本発明は、コアと該コアを取り囲むクラッドを有する光利得ファイバに関する。該コアはエルビウムを含み、該光利得ファイバは、980nm及び1480nmにおいて励起される。加えて、該光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0010】
本発明は、また、他の光利得ファイバに関する。該光利得ファイバは、コアと該コアを取り囲むクラッドを含む。該コアはエルビウムを含み、該光利得ファイバは、溶融切断可能であり、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0011】
本発明は、更なる他の光利得ファイバに関する。この光利得ファイバは、コアと該コアを取り囲むクラッドを含む。該コアはエルビウム酸化物を含み、該クラッドはシリコン二酸化物を含む。該光利得ファイバは、1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.5%以下の受動損失を有する。加えて、該光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有するか、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有するか、又はその両者を有する。
【0012】
ここで用いられる「リップル」とは、電磁気的スペクトルの領域、即ち「窓」にわたって光学利得ファイバの利得の平坦性の尺度である。特に、特定の波長、即ち次の式で与えられるλにおける利得が計算される。
【0013】
【数1】
【0014】
ここで、(利得)λは波長λ(通常dB/mで表される)における利得である。n2は該ファイバの長さ方向に沿った励起状態のイオンの平均の分数(fraction)である。g*λは、完全エネルギ反転(即ち、n2が1の場合)における波長λでの利得を表し、通常dB/mで表記される。αλは波長λにおける吸収係数、即ち小さい信号損失(減衰)の係数であり、通常dB/mで表記される。そしてLは該ファイバの長さである。
【0015】
n2は励起電力に依存する。励起電力は、リップルを最小とするように最適化される。リップル計算のために、該励起電力が、対象となる波長窓にわたってリップルを最小とするように調整される(引き続いて平均エネルギ反転、即ちn2が調整される)。
g*は、蛍光測定から決定される。完全反転された利得スペクトル(即ち、λの関数としてのg*のプロットは蛍光に比例する)。通常、蛍光スペクトルは、ファイバの短い長さ(例えば、4cm以下)に対して980nmで(例えば、GaAs/GaAlAsレーザにより)励起することと、波長の関数として蛍光(即ち、連記状態からの自然放出)を計ることにより測定される。該測定された蛍光スペクトルが任意の信号量を前提としてg*スペクトルの形が定められる。次いでg*は1で正規化される(例えば、対象となる波長幅において得られる最大g*で各λにおけるg*の値を除算することにより正規化される)。
【0016】
各λにおける吸収率αは、カットバック(cutback)手法により測定される。小さい信号が該ファイバの1端に注入され、波長λの信号が他端において測定される。次いで、該ファイバは約20dBに等価な長さに短く縮小され、該信号が再び測定される。波長λにおける吸収(即ち、αλ(例えばdBで表現される))が、最初の信号測定値から二番目の測定値を引き算し、該カットバック長さで割り算することにより計算される。該プロセスは、対象となる波長窓にわたって各波長λについて繰り返され、αλが1で正規化される(例えば、対象となる波長幅において得られる最大αλで各λにおけるαの値を除算することにより正規化される)。
【0017】
通常、ファイバの長さは、測定可能な吸収及び蛍光を与えるように選択され、該測定された吸収αと測定された螢光(従ってg*λ)がファイバ長Lで割り算され、αλ、g*λ及び(利得)λが単位長さ当たりのdB(例えば、dB/m)として表される。
以上のように、利得計算は、各波長λにおいて吸収及び蛍光を測定することを要求する。何らか既知の方法が波長λにおける吸収及び蛍光を測定するのに用いられ得る。有利的には、ダイオードアレイ機器が対象の波長窓の全体にわたって吸収又は蛍光データを即時に取り込むのに用いられ得る。該蛍光及び吸収スペクトルは各々正規化され、これら正規化された蛍光及び吸収スペクトルが上記の式で波長毎に利得スペクトルを計算するのに用いられる。
【0018】
該測定及び利得計算に関連する更なる詳細については、C.ランディ・ギリス氏及びエマニエル・デサービレ氏による「エルビウム添加ファイバ増幅器のモデル化」と題する光波技術ジャーナル誌1991年9(2)号271乃至283頁に見いだされる。かかる記載は参照により本開示に組み入れられる。
電磁気スペクトルの特定の窓内において、所与の光利得ファイバに対して最大及び最小利得が存在する。該窓内におけるリップルが、本発明の目的のために、以下に示されるように最大利得と該最小利得の差を該最小利得で割り算することより定められる。
【0019】
【数2】
【0020】
ここで、リップル(λ2、λ1)はλ1からλ2に広がる窓におけるリップルであり、(利得(λ2、λ1))最大は、λ1からλ2に広がる窓における最大利得であり、(利得(λ2、λ1))最小は、λ1からλ2に広がる窓における最小利得である。当業者により認められるように、よりサイズの大きい窓においてリップルは通常より大きくなる。例えば、本発明による光利得ファイバは、約40nmの窓にわたって、約25%以下(即ち0.25以下)のリップルを有することができ、好ましくは約22%以下であり、とりわけ好ましくは約20%以下であり、さらに好ましくは約17%以下を有することができる。40nm窓の実際の位置は、本発明の実施において決定的なものではない。好ましくは、該窓は、1550nmを含む(例えば、1510から1550nm、1520から1560nm、1530から1570nm、1540から1580nm、1550から1590nm、その他)。付加的に或いは代替的に、本発明の光利得ファイバは、約30nmの窓にわたって、約15%以下(即ち、0.15以下)のリップルを有することができ、好ましくは、約13%以下であり、とりわけ好ましくは約11%以下であり、さらに好ましくは約10%以下を有することができる。32nm窓の実際の位置は、本発明の実施において決定的なものではない。好ましくは、該窓は1550nmを含む(例えば、1518から1550nm、1526から1558nm、1534から1566nm、1542から1574nm、1550から1582nm、その他)。当然、本発明は,上述のリップルに関する判別に適合して指定されるサイズのうちで2つ以上の窓を有する光利得ファイバを含むことを意味する。本発明の好ましい光利得ファイバは、メートル当たり約15dBよりも高いことと、メートル当たり約20dBよりも高いことと、メートル当たり約25dBよりも高いことと、メートル当たり約30dBよりも高いことと、メートル当たり約35dBよりも高いことと、メートル当たり約40dBよりも高いこととのうちで最大利得(即ち、完全反転において)を有するものである。この最大利得の波長は、好ましくは,上述のように低リップルを有する窓におけるものである。通常、光利得ファイバの最大利得は、該ファイバ中のエルビウム酸化物の量を増やすことにより増加せしめられ得る。
【0021】
ここで用いられる「980nm及び1480nmで励起可能」とは、本発明の光利得ファイバが、約980nmの波長を有する光により(例えば、GaAs/GaAlAsレーザからの光により)励起され得ること、約1480nmの波長を有する光により(例えば、InGaAsPレーザからの光により)励起され得ることを意味する。実施上、該光利得ファイバは、これらの光源の何れか又は両方により励起され得る。本発明の光利得ファイバか他の波長により(例えば、Ar+イオンレーザからの514.4nm光により)励起され得るかは、本発明の実施において決定的なものではない。
【0022】
上記に示したように、本発明の光利得ファイバは、コアと該コアを取り囲むクラッドを含む。該クラッドは、好ましくは、該ファイバを溶融切断可能物とする材料により製造される。つまり、光利得ファイバと他の光利得ファイバとを接続可能とするクラッドを含むこと、即ち、接着剤又は他の方法を用いることとは相反して、加熱の如き溶融切断のよる装置を該ファイバが含むことが好ましい。
【0023】
上記に示されたように、本発明の光利得ファイバにおいて用いられるクラッドは、シリコン二酸化物を含むことが好ましい。クラッド層は、当業者により知られる他の材料を含んでも良いこと当然であるが、何ら蛍光分子を(例えば、シリコンフッ化物の形で)含まないことが好ましい。変形例において、クラッド層は何らかのフッ化分子を含み得るが、好ましくは、かかるフッ化物の存在する量は、当該クラッドにおけるシリコン分子のモル数に対する当該クラッドにおけるフッ化物分子のモル数の比率が、約0.05以下(即ち、5%以下)であり、より好ましくは約0.02以下であること、さらにより好ましくは約0.005以下である。
【0024】
本発明の光利得ファイバのコアは、エルビウム(例えば、エルビウム酸化物)を含み、且つ、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、さらに付加的に、イットリウム、ランタン、ガドリニウム及びルテチウムからなるグループから選択される1つ以上の金属酸化物を更に含むガラス材から製造し得る。
本発明の光利得ファイバの好ましいコアは、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約6%から約20%以下の重量%の量にてアルミニウム酸化物を含み、且つ、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.05%から約5%至る重量%(例えば、約0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は5の量にて)の量にてエルビウム酸化物を含む。本発明の光利得ファイバのコアは、また、他の元素の酸化物の如き他の材料を含み得る。例えば、本発明の光利得ファイバのコアは、また、アンチモンの酸化物を含み得る。図式的には、本発明の光利得ファイバのコアは、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約6%から約20%に至る重量%の量にてアルミニウム酸化物を含み得るものであり、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.05%からの重量%の量にてエルビウム酸化物を含み得るものであり、且つ、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.5%から約60%に至る重量%の量にて(例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、50又は60重量%にて)アンチモン酸化物を含み得る。
【0025】
本発明の光利得ファイバのコアの化学的組成は、例えば、分子吸収分光学等の従来の方法に決定され得る。該コアに存在する多様な金属間の比率が決定されれば、それらと対となる酸化物の重量が計算され得る。この目的のために、ガラス中に存在する全ての金属は通常の酸化物の形をなしているものと通常仮定される。(例えば、全てのアルミニウムはAl2O3の形で存在すること、全てのシリコンはSiO2の形で存在すること、全てのアンチモンはSb2O3の形で存在することと、全てのエルビウムはEr2O3の形で存在することとが仮定される)。
【0026】
本発明の光利得ファイバのコアは、他の金属を含むことができ(即ち、シリコン、アルミニウム、アンチモン、エルビウム、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及びルテチウム以外の金属)、これらは光学ガラス製造技術において通常用いられるものであり、これらの例としては、ゲルマニウム、タンタル及びチタニウムを含む。光学ガラスにおいて通常用いられる他の材料が含み得るもであり、例えば,ボロン及び燐を含有する化合物がある。本発明のファイバのコアに存在する他の金属及び材料は、光信号の伝送に有害な効果を与えず、ファイバ内にコアを引き入れる容易性に有害な効果を与えないことが好ましい。
【0027】
上記に示したように、本発明の光利得ファイバのコアは、ゲルマニウムの酸化物を含むことができる。しかし、ゲルマニウムの酸化物が存在する場合、それらは該コア中の酸化物のうちの約20%以下の量で存在し、より好ましくは約10%以下であり、さらに好ましくは約5%以下である。最も好ましくは、本発明の光利得ファイバのコアが何らゲルマニウム酸化物を含まないか或いは実質的に含まないことである。
【0028】
本発明の光利得ファイバは、低リップルを有することに加えて上記したように、好ましくは低受動損失を有する。受動損失とは、当業者において認識されるように、例えば光利得ファイバに存在する可能性のある水分子による散乱及び望ましくない吸収を原因とする信号強度における損失として参照される。受動損失は、例えば従来のPKベンチに基づくカットバック測定を用いて、単位ファイバ長当たりの減衰を(例えばdBで)測定することによる如き多様な方法により測定され得る。この方法により測定されれば、本発明の光利得ファイバは、通常、キロメートル当たり50dB以下の受動損失を有し、好ましくは、キロメートル当たり30dB以下、より好ましくはキロメートル当たり10dB以下を有する。受動損失は、また、1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収に関して測定され得る。ここで,「1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域」とは、エルビウムの基底状態に対応する吸収帯域帯を意味し、これは通常1510nmから1550nmの間である。ここで、「1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収」とは、エルビウムの基底状態に対応する吸収帯域の最大吸収を意味する。1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.5%以下(好ましくは、0.2%以下、より好ましくは0.1%以下)の受動損失を有する本発明の光利得ファイバが容易に実現され得る。典型的には、本発明の光利得ファイバは、1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.05%と約0.5%の間の受動損失を有する。
【0029】
本発明の光利得ファイバは、例えば適切なコア及びクラッド材料からの引き抜き又は押し出しにより等の従来のやり方で準備され得る。
好ましくは、該コアは、熱酸化分解を進めてそれらの対応する酸化物を生成し得る先駆物質を用いて形成されるガラスから製造される。適切な先駆物質は、液体又は固体で形成され得る。固体の場合ては、該固体は好ましくは適切な溶媒又は他の先駆物質の中に溶かされる。本発明の光利得ファイバのコアにシリコン酸化物成分のための適切な先駆物質としては、テトラ・アルコキシ・シラン(例えば、テトラ・メソキシ・シラン及びテトラ・キソキシ・シラン)及びオクタ・アルキル・シクロテトラ・シロキサン(例えば、オクタ・メチル・シクロテトラ・シロキサン)である。該コアのアルミニウム酸化成分のための適切な先駆物質は、アルミニウム・アルコキシドであり、その例としては、アルミニウム・トリ・エトキシド、アルミニウム・トリ−n−プロポキシド、アルミニウム・トリ−i−プロポキシド、及びアルミニウム・トリ−sec−ブトキシドを含み、更に、アルミニウム(III)アセチルアセトン・アートの如きアルミニウムβ−ジケトン・アートを含む。該コアのアンチモン酸化成分(含まれた場合)のための適切な先駆物質は、アンチモン・アルコキシド、であり、その例としては、アンチモン・トリ・エトキシド、アンチモン・トリ−n−プロポキシド、アンチモン・トリ−i−プロポキシド、及びアンチモン・トリ−sec−ブトキシドを含む。該コアのエルビウム酸化成分のための適切な先駆物質は、エルビウム・アルコキシド、であり、その例としては、エルビウム・トリ・エトキシド、エルビウム・トリ−n−プロポキシド、エルビウム・トリ−i−プロポキシド、及びエルビウム・トリ−sec−ブトキシドを含み、更に、エルビウム・トリ−1,3−ジケトン、特に、通常、Er(FOD)3として参照されるエルビウム−トリ−(6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフッ化−2,2−ジメチル−3,5−オクタン・ジオン・アート)の如きエルビウム・トリ−(フッ化された1,3−ジケトン)を含む。イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムの酸化物が付加的に用いられた場合には、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのコア酸化物成分の適切な先駆物質は、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのアルキシドであり、それらの例としては、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ・エトキシド、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ−n−プロポキシド、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ−i−プロポキシド、及びトリ−sec−ブトキシドを含み、更に、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ−1,3−ジケトン、特に、通常、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ−(6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフッ化−2,2−ジメチル−3,5−オクタン・ジオン・アート)の如きイットリウム、ランタン、ガドリニウム、及び/又はルテチウムのトリ−(フッ化された1,3−ジケトン)を含む。
【0030】
上記に示したように、先駆物質が液体の場合においては、ニート(neat)の状態(即ち、溶媒を追加しない)で用いられ得るし、代替的に、適切な溶媒に溶解され得る。先駆物質の幾つかが液体で他が固体の場合には、該固体の先駆物質は、液体先駆物質と混合されて溶液が生成される(当然、これらの材料の性質が溶液状になり得ることを仮定している)。代替的には、該固体先駆物質は、例えば、エチレングリコール、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、及びブタノール、特に2メソキシ・エタノールの如き2アルコキシ・エタノール)、又はこれらの組み合わせの如き適切な溶媒(液体先駆物質以外の溶媒)に溶解し得る。
【0031】
該先駆物質は、次いで、液状に、個々に又は好ましくは混合物の何れかで燃焼バーナの炎の中に直接に射出される。このやり方では、該先駆物質は、最終的に分離されたアモルファス煤に変態する前には或いは同時にも蒸発することはない。
小スケールでは、本発明の光利得ファイバのコアを作るのに用いられる先駆物質は、精密針のある注射器を用いて液状に射出され、バーナの炎の中に直接に向けられた高速度の液流を生成し得る。代替例であり、特に大スケールで該プロセスが実行された場合には、噴霧器が用いられ得る。これらの点については、例として、ルフェブール氏による「噴霧及びスプレー」ヘムスフィア・パッブリッシング社 (1989)と、ベイベル氏及び他による「液体噴霧」テーラ・アンド・フランシス社(1993)とにおいて説明されており、これらは参照により本開示に組み入れられる。本発明の光利得ファイバのコアを作るために特に好ましい噴霧器は、空気噴出噴霧器である。幾つかのケースにおいては、噴霧状の先駆物質の射出が、該先駆物質の噴霧化するに用いられる好適な気体である窒素及び/又は酸素の如き搬送ガスで補助され得る。
【0032】
液体先駆物質が直接に射出されるバーナは、例えば、メタン及び酸素により燃料を供給され得る。該先駆物質の熱酸化分解は、回転可能な心棒の如き受容面上に沈積され得る最終的な分離された煤を生成する。その沈積に実質的に同時に或いは引き続いて、該煤は、従来のガラス形成方法を用いて、溶融されたガラスの本体中に、例えば、炉中で該ガラスを熱することにより合併され得る。
【0033】
煤を準備する好ましい方法に関して更なる詳細は、参照により本開示に組み入れられる米国特許仮出願第60/095,736号に見いだされ得る。
次に、例えば、参照により本開示に組み入れられる米国特許第5,703,191号の「最終利用」において説明されてように、シリカの溶融された本体は引き抜かれ、本発明の光利得ファイバが製造され得る。好ましくは、参照により本開示に組み入れられる同時係属中の米国特許出願第09/350,068号において説明されているように、直接引き抜きプロセスにより、シリカの溶融された本体は引き抜かれ、本発明の光利得ファイバが製造される。
【0034】
本発明の光利得ファイバは、光信号を増幅するに用いられ得るし、例えば、電力増幅器、前置増幅器、又は直列増幅器としても用いられ得る。かかる増幅は、コア中のこのエルビウムイオンを部分的に又は完全に反転することにより達成されると考えられ、この提示される機構は、何れにしても、本発明の範囲を制限することを意味しない。増幅される信号の性質は、特に決定的なものではなく、約1510nmから約1600nmの波長、特に約1525nmから約1575nmの波長を有する信号が本発明による光利得ファイバにより最も効果を与えられる。増幅されるべき信号は、例えば、従来の(入力)ファイバを介して信号源から該光利得ファイバの一端に供出される。レーザ光が、該光利得ファイバに(例えば、二色性ファイバカプラを介して)入るようにされ,結果として,該光信号が増幅される。該光利得ファイバの他端は、(信号操作のための)導波路、又は、ここで増幅された光信号の(更なる伝送のための)他の従来の(出力)光ファイバの如き光部品に接続される。
【0035】
該光信号を増幅するのに用いられるレーザは、好ましくは、約980nm又は約1480nmの波長を有する(即ち、GaAs/GaAlAsレーザ又はInGaAsPレーザからの光)。適切なレーザは、当業者により容易に認識され得るものであり,例えば、P.C.ベッカー氏、N.A.オルソン氏及びR.J.シンプソン氏による「エルビウム添加ファイバ増幅器の基礎と技術」アカデミック・プレス社(1999)(「ベッカー」)が参照され、これは参照により本開示に組み入れられる。
【0036】
図1は、本発明による光利得ファイバを用いて構築され得る典型的な増幅器を示している。ここで示されるように、光増幅器2は、光利得ファイバ4とレーザ6とを含む。レーザ6は、約980nm又は約1480nmの波長を有する光を放出する能力を有し、光利得ファイバ4と通信状態(例えば、光利得ファイバ8及び二色性ファイバカプラー9を介して)にある。動作において、(例えば、従来の光ファイバ14を介して送信された)入力信号10は、光利得ファイバ4の入力端12に(例えば、二色性ファイバカプラー9を介して)入り、ここで増幅される。増幅された信号は、次いで、光利得ファイバ4の出力端15を通って光利得ファイバ4を増幅信号18として出る。増幅信号18は、次いで、出力のための従来の光ファイバ20を介して更に伝送され、これは、溶融切断22を介して光利得ファイバ4の出力端16に光学的に接続される。従来の光ファイバ14を介して入力光信号10を供出させる代わりに、図示されるように、入力光信号10が他の光部品、例えば、導波路の如き光能動デバイスから供出され得ること企図される。代替的に又は付加的に、出力信号18が従来の光ファイバ20に入れられる代わりに、図示されるように、出力信号18が光能動デバイス、例えば、光減衰器又は他の光増幅器に供出され得ることが企図される。
【0037】
光利得ファイバの利用、及びレーザによるこれらの励起に関しての更なる詳細は、例えば、参照により本開示に組み入れられたベッカー氏による文献に見いだされ得る。
本発明は、以降の例示により更に説明される。
<例示>
<例1−−Si、Al、Er及びSbのアルコキドの準備>
シリコン・テトラエチル・オルソ・シリケート(105.60g、0.5069mol)と、アルミニウム・トリ(sec−ブドキシド)(18.25g、0.07409mol)、及びエルビウムFOD(0.20g、0.00019mol)とが窒素充填されたグローブボックス内のエルレンメイヤーフラスコにピペットで移される。該溶液は水晶白色であり、僅かに乳白色を呈している。該溶液は60時間はそのままであり、その後、白色のゲルが底に形成され、溶液自体は無色となる。2−メソキシ・エタノールの125mlが加えられる。該ゲルは分解し、該溶液は透明のままである。該溶液は、メタン/酸素バーナの炎に注射器を用いて1乃至2ml/分の射出レートで直接に射出される。この結果得られる煤は水晶ロッドの上に集められ、Si、Al及びErの内容量について分析される。その結果が表1に、該バーナに射出された溶液中のSi、Al及びErの酸化等価物の内容量に従って示される。
【0038】
【表1】
【0039】
<例2−−光利得ファイバの断面組成分析>
参照により本開示に組み入れられる米国準備特許出願連番第60/095,736号に説明される方法を用いて、液体先駆物質が直接にバーナの炎に射出されて煤を生成する。該煤は溶融ガラスの上に合併され、そこから95μmのファイバが引き抜かれる。このファイバが引き抜かれる半製品(blank)の断面上のアルミニウム酸化物の密度が図2Aに示され、該半製品の断面上のエルビウム酸化物の密度が図2Bに示される。
<例3−−ゲルマニウム含有及び無含有のファイバの螢光の比較>
例2に示された方法を用いて、アルゴ50(Argo 50)と称される第1のファイバコア、が、シリカ、アルミナ及びエルビアの複数の先駆物質から生成される。従来の2段階外部蒸着(「OVD」)プロセスを用いて、「ファイバX」と称される第2のファイバコアが、シリカ、アルミナ、ゲルマニア及びエルビアの複数の先駆物質から生成される。これらのファイバの組成が分析され、その結果か以下の表2に示される。
【0040】
【表2】
【0041】
図3は、980nmの光源により励起された場合における該ファイバの各々からの螢光の正規化強度を放出波長の関数として示している。図3が示すように、アルゴ50ファイバ(ゲルマニウム無添加のファイバ)は、ファイバX(ゲルマニウム添加のファイバ)よりもよりなだらか螢光ピークを有している。
<例4−−アルゴ50のリップル分析>
図4は、アルゴ50ファイバについて波長の関数としての利得を示している。以下の表3は、多様な波長窓に対するリップルを示している。
【0042】
【表3】
【0043】
本発明が説明のために詳細に示されたが、かかる詳細は当該目的のみのためであり、引き続く請求項の記載により定義される本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、当業者により変容がなし得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光利得ファイバを含む光増幅器を示している図である。
【図2A】本発明による光利得ファイバを製造するに用いられる半製品の組成であり、コアの断面におけるアルミウム酸化物を示している図である。
【図2B】本発明による光利得ファイバを製造するに用いられる半製品の組成であり、コアの断面におけるエルビウム酸化物を示している図である。
【図3】本発明による光利得ファイバ(アルゴ50)を在来のファイバXと比較した場合の正規化した蛍光スペクトルを示しているグラフである。
【図4】本発明による光利得ファイバの場合と在来の光ファイバの場合における波長の関数としての利得のグラフである。
Claims (44)
- 光利得ファイバであって、
エルビウムを含むコアと、
前記コアを取り囲むクラッドと、
を含み、前記光利得ファイバは、980nm及び1480nmにおいて励起可能であり、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップル、若しくは約32nm幅窓に亘って約15%以下のリップル、又はそれら2つのリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。 - 請求項1記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項1記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項1記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有し、且つ、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項1記載の光利得ファイバであって、前記コアは、エルビウム酸化物を含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項5記載の光利得ファイバであって、前記コアは、シリコン酸化物jと、アルミニウム酸化物と、付加的にイットリウム、ランタン、ガドリニウム及びルテチウムからなるグループから選択される1つ以上の金属酸化物と、を更に含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項5記載の光利得ファイバであって、前記コアは、アンチモン酸化物を更に含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項7記載の光利得ファイバであって、前記アルミニウム酸化物は、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約20%以下の重量%の量にて存在し、前記エルビウム酸化物は、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.005%から約5%至る重量%の量にて存在し、前記アンチモン酸化物は、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.5%から約60%に至る重量%の量にて存在することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項6記載の光利得ファイバであって、前記コアは、ゲルマニウム酸化物を含まないか、又は、前記コアにおける総酸化物の量の約20%以下の重量%以下の量のゲルマニウム酸化物を含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項1記載の光利得ファイバであって、前記エルビウムは、1530nm近傍における吸収帯域を有し、前記光利得ファイバは、前記1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.5%以下の受動損失を有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項10記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、前記1530nm近傍における吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.05%と0.5%との間の受動損失を有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項10記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、溶融切断可能であることを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項1記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、
溶融切断可能であることを特徴とする光利得ファイバ。 - 請求項1記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、メートル当たり約15dB以上の最大利得を有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 光利得ファイバであって、
エルビウムを含むコアと、
前記コアを取り囲むクラッドと、
を含み、前記光利得ファイバは、溶融切断可能であり、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップル、又は約32nm幅窓に亘って約15%以下のリップル、又はそれら2つのリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。 - 請求項15記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項15記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項15記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有し、且つ、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項15記載の光利得ファイバであって、前記コアは、エルビウム酸化物を含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項19記載の光利得ファイバであって、前記コアは、シリコン酸化物jと、アルミニウム酸化物と、付加的にイットリウム、ランタン、ガドリニウム及びルテチウムからなるグループから選択される1つ以上の金属酸化物と、を更に含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項20記載の光利得ファイバであって、前記コアは、アンチモン酸化物を更に含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項21記載の光利得ファイバであって、前記アルミニウム酸化物は、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約20%以下の重量%の量にて存在し、前記エルビウム酸化物は、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.005%から約5%至る重量%の量にて存在し、前記アンチモン酸化物は、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.5%から約60%に至る重量%の量にて存在することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項19記載の光利得ファイバであって、前記コアは、ゲルマニウム酸化物を含まないか、又は、前記コアにおける総酸化物の量の約20%以下の重量%以下の量のゲルマニウム酸化物を含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項15記載の光利得ファイバであって、前記エルビウムは、1530nm近傍における吸収帯域を有し、前記光利得ファイバは、前記1530nm近傍における吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.5%以下の受動損失を有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項24記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、前記1530nm近傍における吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.05%と0.5%との間の受動損失を有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項15記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、メートル当たり約15dB以上の最大利得を有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 光利得ファイバであって、
エルビウムを含むコアと、
前記コアを取り囲むクラッドと、
を含み、前記エルビウムは、1530nm近傍における吸収帯域を有し、前記光利得ファイバは、前記1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.5%以下の受動損失を有し、前記光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有し、且つ、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。 - 請求項27記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項27記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項27記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、約40nmの幅窓に亘って約25%以下のリップルを有し、且つ、約32nmの幅窓に亘って約15%以下のリップルを有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項27記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、前記1530nm近傍におけるエルビウム吸収帯域のピーク吸収のうちの約0.05%と0.5%との間の受動損失を有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項27記載の光利得ファイバであって、前記コアは、シリコン酸化物及びアルミニウム酸化物を更に含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項32記載の光利得ファイバであって、前記コアは、イットリウム、ランタン、ガドリニウム及びルテチウムからなるグループから選択される1つ以上の金属酸化物を更に含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項32記載の光利得ファイバであって、前記コアは、アンチモン酸化物を更に含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項34記載の光利得ファイバであって、前記アルミニウム酸化物は、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約20%以下の重量%の量にて存在し、前記エルビウム酸化物は、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.005%から約5%至る重量%の量にて存在し、前記アンチモン酸化物は、アルミニウム、エルビウム、アンチモン及びシリコンの各酸化物からなる総量のうちで約0.5%から約60%に至る重量%の量にて存在することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項32記載の光利得ファイバであって、前記コアは、ゲルマニウム酸化物を含まないか、又は、前記コアにおける総酸化物の量の約20%以下の重量%以下の量のゲルマニウム酸化物を含むことを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項27記載の光利得ファイバであって、前記光利得ファイバは、メートル当たり約15dB以上の最大利得を有することを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項27記載の光利得ファイバであって、前記クラッドが何ら蛍光分子を含まないか、若しくは、前記クラッドが、前記クラッド内の蛍光分子のモル数の前記クラッド内のシリコン分子のモル数に対する比率が約0.05以下であることを特徴とする光利得ファイバ。
- 請求項1記載の光利得ファイバの1端に光信号を供給するステップと、
前記光信号を増幅するに有効な条件下において前記光利得ファイバにレーザ光を供給するステップと、を含むことを特徴とする光信号を増幅する方法。 - 請求項15記載の光利得ファイバの1端に光信号を供給するステップと、前記光信号を増幅するに有効な条件下において前記光利得ファイバにレーザ光を供給するステップと、を含むことを特徴とする光信号を増幅する方法。
- 請求項27記載の光利得ファイバの1端に光信号を供給するステップと、前記光信号を増幅するに有効な条件下において前記光利得ファイバにレーザ光を供給するステップと、を含むことを特徴とする光信号を増幅する方法。
- 請求項1記載の光利得ファイバと、前記光利得ファイバによる光通信において約980nm又は約1480nmの波長を有するレーザ光を放出し得るレーザと、を含むことを特徴とする光増幅器。
- 請求項15記載の光利得ファイバと、前記光利得ファイバによる光通信において約980nm又は約1480nmの波長を有するレーザ光を放出し得るレーザと、を含むことを特徴とする光増幅器。
- 請求項27記載の光利得ファイバと、前記光利得ファイバによる光通信において約980nm又は約1480nmの波長を有するレーザ光を放出し得るレーザと、を含むことを特徴とする光増幅器。
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