【０００１】
本発明は、請求項１の導入部に記載された電気／音響トランスジューサ装置を有する耳内補聴器に関する。また、本発明は、請求項１０の導入部に記載された耳内補聴器の製造方法に関する。
【０００２】
耳内補聴器においては、汚れの問題、特に補聴器において鼓膜に対向する音出口部分における汚れの問題が知られている。この汚れは補聴器の効果を阻害するため、補聴器を定期的に洗浄することが必要となる。この洗浄の場合に、通常は電気／音響トランスジューサの音出口に連絡するように補聴器のハウジングに設けられた開口が大きな問題となる。
【０００３】
欧州特許ＥＰ０５４８５８０においては、耳内補聴器において、本来のスピーカダイヤフラムと同様にモータによるスピーカ駆動装置に接続されてハウジングを閉じるように設けられたダイヤフラムが開示される。しかしながら、これによれば補聴器の構造、特にスピーカ駆動装置に対するダイヤフラムの取付け手段及び洗浄時にダイヤフラムの損傷の防止を確保する手段が比較的複雑となる。
【０００４】
本発明は、上述の手段における問題点を解消するために、簡単な構造により洗浄の要件を完全に解決する耳内補聴器を提供することを課題とする。
【０００５】
この課題は、耳内補聴器において電気／音響トランスジューサ装置の音出口を、自由振動状態に取付けられたダイヤフラムによって補聴器の周辺から分離することによって達成される。
【０００６】
この際、補聴器における音響的有効空間及びダイヤフラム特性に関わる知見によれば、音響インピーダンスの適合に関して、このような自由振動状態のダイヤフラムは、補聴器におけるトランスジューサ出口側の音響伝達関係には実際上影響を与えない、即ち、ここに使用されるダイヤフラムは音響的に透明にできることが知られている。
【０００７】
必要のある場合には、このようなダイヤフラムにより所望の減衰を実現することも可能である。
【０００８】
本発明による耳内補聴器の１つの実施の形態において、ダイヤフラムの少くとも自由振動部分は、単一の、好ましくはゴム状弾性を有する、例えばラテックス又はシリコーンゴムのような材料で作られる。更に好ましくは、本発明において使用されるダイヤフラムは、その自由振動部分において一定の厚みを有する。
【０００９】
このようなダイヤフラムを用いることにより、補聴器の構成における形状の実質的増大は生じない。使用が好ましいダイヤフラム材料、例えばラテックス又はシリコーン、はコスト的に最高に有利であり、また、均一に薄く形成されても抵抗力が高く、かつ、人体組織との接触についても問題は生じない。
【００１０】
また本発明の１つの実施の形態においては、上述のダイヤフラムは補聴器の音出口の直接的領域に取付けられ、これにより補聴器において洗浄時に問題となる外形の凹部及び凹凸部は、少くとも補聴器の音出口の領域において解消される。また、トランスジューサ装置の音出口は、管状支持部材を介して補聴器ハウジングの音出口開口に連絡することができる。一方、別の実施の形態においては、電気／音響トランスジューサ装置の音出口は、補聴器ハウジングの音出口開口の領域に直接取付けられる。
【００１１】
更に補聴器の製造に関して最高に有利な本発明の実施の形態においては、補聴器の音出口開口は、補聴器ハウジングの端部に例えば溶接又は接着により接合された端部材のような板状部材で形成される。この時更に好ましくは、補聴器の音出口開口を閉じるダイヤフラムは、この板状部材と一体に形成され、又はこの板状部材に別部材として取付けられる。このダイヤフラムは必要に応じて袋状に形成され、補聴器ハウジングを通って挿入され、セットされる。
【００１２】
この板状部材がダイヤフラムと一体に形成される場合は、ダイヤフラムに要求される材料仕様はこの板状部材にも適用される。好ましくは、板状部材はゴム状弾性材料、例えばラテックス又はシリコーンによって作られる。
【００１３】
本発明による耳内補聴器の製造方法は、請求項１０に記載された特徴を有する。ここにおいて、トランスジューサ装置は、底部がダイヤフラムとして形成される支持ビーム板の袋状開口内に設置される。次いで、支持ビーム板と補聴器ハウジングとの相対的動きにより、トランスジューサ装置は補聴器ハウジングの音出口を形成する補聴器端部から補聴器ハウジング内に挿入される。次いで、支持ビーム板は、例えば溶接又は接着により補聴器ハウジングに接合され、更に補聴器ハウジングの外形に沿って成形され、切離される。
【００１４】
この製造方法は、耳内補聴器のハウジング、電気／音響トランスジューサ装置及びダイヤフラムの組立における自動化に特に適している。
【００１５】
本発明による補聴器製造方法に関わる好ましい実施の形態では、ダイヤフラムは支持ビーム板と一体に形成され、好ましくは支持ビーム板はゴム状弾性材料、例えばラテックス又はシリコーン、により作られる。又は薄層部材として形成されたダイヤフラムを貫通穴を有する支持ビーム板上に張付け、接合する。以上によって、上述の袋状開口が形成される。
【００１６】
耳内補聴器のハウジングと電気／音響トランスジューサの組立は、今まで通常手作業により行われてきたが、これは電気／音響トランスジューサ装置におけるスピーカと補聴器ハウジングとの間に音響的に作用するブリッジが形成され、これが直接的に音響信号のフィードバックを招来したり、又は周辺の耳の人体組織を介して補聴器入口側の音響／電気トランスジューサに伝わったりすることを回避する必要があるからである。即ち、上述のように手作業により、補聴器ハウジング内のトランスジューサ装置をその全面が補聴器ハウジングに触れないように挿入し、取付けるのが通常である。
【００１７】
本発明は、更なる効果として、必要な製造コストを大巾に減少させることを目的としている。これは、請求項１２に記載のように、トランスジューサ装置を補聴器ハウジング内に自動化により挿入することにより達成される。トランスジューサ装置を補聴器の上から、即ち補聴器ハウジング内を通って挿入し補聴器の音出口部分に取付ける従来の方法と比較して、本発明の製造方法に関わる実施の形態によれば、トランスジューサ装置は補聴器ハウジングの音出口を形成する開口を通って補聴器ハウジング内に挿入される。
【００１８】
更なる実施の形態においては、トランスジューサ装置は支持ビーム板における収納穴内に設置され、次いで支持ビーム板と補聴器ハウジングとの相対的な動きにより、トランスジューサ装置は、補聴器ハウジングの音出口を形成する補聴器端部から補聴器ハウジング内に挿入される。
【００１９】
更なる実施の形態では、次いで支持ビーム板は例えば溶接又は接着により補聴器ハウジングに接合される。その後支持ビーム板は補聴器ハウジングの外形に沿って成形し、切離しが行われる。トランスジューサ装置を支持ビーム板内に位置決めし、保持した場合、補聴器ハウジング内におけるトランスジューサ装置の位置は、補聴器ハウジングと支持ビーム板との間の正確な案内の動きが問題となるのみであるが、本発明による手段は、上述のように、組立の自動化には理想的である。
【００２０】
以下、本発明を添付の図面により説明する。
【００２１】
図１は、本発明の耳内補聴器に適用可能なトランスジューサモジュールにおける音響的連絡関係の原理を説明する略式図である。トランスジューサモジュール１はスピーカハウジング３を内蔵しており、このスピーカハウジング３の内部にはスピーカダイヤフラム５が設けられている。スピーカダイヤフラム５は、略式に示したモータによる駆動装置７によって起振される。スピーカハウジング３内では、スピーカダイヤフラム５によって前方側の部屋Ｒ１ と後方側の部屋Ｒ２ が形成されている。これらの２つの部屋の一方、例えば後方側の部屋Ｒ２ は、音響連絡開口９を介して、スピーカハウジング３とカプセルハウジング１３の間に形成される中間スペース１１に音響的に連絡している。カプセルハウジング１３とその内部の中間スペース１１は、弾性支持部材１５の部分を除き、スピーカハウジング３を実質的に全面で取囲んでおり、これによって、弾性支持部材１５は、スピーカハウジング３をカプセルハウジング１３内に離隔させて、実質的に遊泳状態で支持している。図１に示すように、前方側の部屋Ｒ１ はトランスジューサモジュール１の音出口ＡＡ に連絡されている。
【００２２】
このような構成において、スピーカハウジング３をカプセルハウジング１３内に実質的に遊泳状態に支持することにより、スピーカ効果のカプセルハウジング１３からの音響的分離が達成される。更に、後方側の部屋Ｒ２ は、中間スペース１１を含むことによって大巾に拡張されるので、トランスジューサモジュール１の音響特性は、ハウジング３内部にスピーカ配置を行う場合に比較して大巾に改善される。即ち、トランスジューサモジュール１の低周波特性は、ハウジング３内部にスピーカ配置を行う場合に比較して数ｄＢ拡大される。
【００２３】
図１のトランスジューサモジュール１の例では、符号１７で示すモジュールダイヤフラムが音出口ＡＡ の部分に設けられている。モジュールダイヤフラム１７は、その周辺部を固定された以外は自由振動状態に取付けられている。このダイヤフラム１７は、均質な、好ましくはゴム状弾性材、例えば、ラテックス又はシリコーンゴムで作られ、更に好ましくは、約１００μｍ、最大０．０９ｍｍの一定の厚みを有する。
【００２４】
中間スペース１１を含む後方側の部屋Ｒ２ 、モジュールダイヤフラム１７に至る前方側の部屋Ｒ１ 、モジュールダイヤフラム１７及びトランスジューサモジュール１の周辺Ｕに向う更なる拡がりのために時に設けられる音響導体の音響インピーダンスを適合させることによって、モジュールダイヤフラム１７の実際的な音響伝達効果が達成される。
【００２５】
図２（ａ）は、トランスジューサモジュール１の一実施の形態の断面を示す。既に図１の略式図の説明に用いられた引用符号と同じものが使用される。連絡開口９を有するスピーカハウジング３は、弾性支持部材１９を介してカプセルハウジング１３に支持されている。カプセルハウジング１３は、カップ状部材２０として形成され、同時に好ましくは磁気遮蔽材として機能し、このため、好ましくはμ金属で作られる。いずれの場合でも、カップ状部材２０は金属製であることが好ましい。カップ状部材２０の先端には端部材２２が取付けられる。
【００２６】
図１で説明したモジュールダイヤフラム１７は、ここでは端部材２２に直接取付けられる。端部材２２とモジュールダイヤフラム１７は完全に一体に形成することができるが、一方、この場合には、端部材２２の材料は、ダイヤフラムの材料の要件、例えば弾性、を満足させるものでなければならない。例としては、端部材２２の全体がラテックス又はシリコーンゴムで作られる。又は、モジュールダイヤフラム１７を別部材として、端部材２２に固定させる。モジュールダイヤフラム１７はまた、スピーカハウジング３における音出口Ａ３ と端部材２２における内方に向う開口との間に設けることもできる。
【００２７】
好ましくは、モジュールダイヤフラム１７は、図２（ａ）に示したように、端部材２２の内方に向う開口と同一外面をなすように設け、これによってトランスジューサモジュール１全体が密閉されカプセル化された一体物として形成され、そのまゝ洗浄可能とする。この事は、以下に述べるように、トランスジューサモジュール１の音出口ＡＡ が補聴器の音出口に直接取付けられる場合に、特に重要である。
【００２８】
トランスジューサモジュール１、ないしは、カプセルハウジング１３は、立方体、円筒体又はその他の実質的に任意の形状とすることができるが、この場合、スピーカハウジング３とカプセルハウジング１３との間に実質的にスピーカハウジング３を取囲む中間スペース１１が形成されることが必要である。図２（ｂ）は、図２（ａ）の実施の形態とは別の実施の形態を示す略式図であり、こゝにおいて、弾性袋状部材１７ａがカプセルハウジング１３を被うように取付けられている。この袋状部材１７ａは同時に端部材２２及びモジュールダイヤフラム１７の機能を有している。
【００２９】
図３は、音出口開口Ａ２４を有する耳内補聴器２４に関わる実施の形態の略式断面図である。装置ハウジング２６の内部には、図１、図２（ａ）又は（ｂ）のように構成されたトランスジューサモジュール１が組込まれている。即ち、トランスジューサモジュール１は、補聴器の装置ハウジング２６内で、保持及び位置決め用留め板２８によって、留め具固定又は留め力固定により保持され、位置決めされている。このような配置により、図１、図２（ａ）又は（ｂ）に示されたトランスジューサモジュール１において、スピーカハウジング３に対する外側のカプセルハウジング１３の音響分離の実現が可能となる。
【００３０】
図３に示した耳内補聴器におけるトランスジューサモジュール１の配置は実質的に既知である一方、トランスジューサモジュール１の音出口は、管状支持部材３０を介して装置の音出口開口Ａ２４に連絡されている。
【００３１】
耳内補聴器２４における電子部品及びハウジング２６に連なる入口側音響／電気トランスジューサ装置は、本発明に関係しないため、図３他において特に示していない。
【００３２】
更に図３に示すように、モジュールダイヤフラム１７は補聴器ハウジング２６の音出口開口Ａ２４の直接的領域を囲んで取付けられている。
【００３３】
図４においては、トランスジューサモジュール１は、補聴器２４ないしはハウジング２６の音出口開口Ａ２４の直接的領域に、留め部材２８ａによって留め具固定又は留め力固定により取付けられている。この実施の形態において、モジュールダイヤフラム１７はモジュール端部に振動可能に取付けられている。
【００３４】
図５においては、耳内補聴器２４のハウジング２６の主要部２４ａの端に板状の端部材２４ｂが接着又は溶接により取付けられている。図５において共に符号３０によって示された、図１及び図２におけるようなトランスジューサモジュール１又は既知のスピーカ装置におけるスピーカハウジングは、端部材２４ｂの出口開口３２内にはまるように配され、そこに固定、接着等により保持される。図５において総じて符号３０で示したトランスジューサモジュール１において、図１、図２（ａ）又は（ｂ）で示した如きカプセルハウジングが設けられている場合は、このようなトランスジューサモジュール１のために符号２８で示したような位置決め及び固定部材を装置ハウジング２６内に設けることができる。
【００３５】
また、図５に示した実施の形態では、モジュールダイヤフラム１７は端部材２４ｂの先端に取付けられている。このようなダイヤフラム１７の構成は、図１、図２（ａ）又は（ｂ）に示したトランスジューサモジュールを有する補聴器にも、また既知のトランスジューサ装置、即ち、スピーカハウジングを直接外側に有するトランスジューサ装置を備えた補聴器にも適用することができ、有利である。更に、ダイヤフラム１７は、端部材２４ｂと一体に形成することができる。これは、端部材２４ｂがハウジング２６とは別体となっているため、端部材２４ｂの材料選定をダイヤフラム１７の要件に合致したものとすることができるからである。
【００３６】
図６（ａ）〜（ｃ）には、耳内補聴器を製造する好ましい方法が示されている。
【００３７】
図６（ａ）において、支持ビーム板３４内に収納穴３６が設けられ、この収納穴３６は好ましくは袋状開口となっている。この収納穴３６内に耳内補聴器用トランスジューサ装置３０が挿入される。このトランスジューサ装置３０が従来のもの、即ち、スピーカハウジングが外面にあって図１、図２（ａ）又は（ｂ）に示したようなカプセルハウジングを有しないものである場合は、トランスジューサ装置３０は支持ビーム板３４内に、例えば接着により、しっかりと固定することが好ましい。トランスジューサ装置３０が図１、図２（ａ）又は（ｂ）に示したようなカプセルハウジングを外面に有するものである場合は、このトランスジューサ装置３０は支持ビーム板３４内にしっかりと保持する必要はない。というのは、このトランスジューサ装置３０は図６（ａ）において装置ハウジング２４ａ内の破線部分２８ｂにより留め具固定又は留め力固定されて保持されるからである。製造方法の手順としては、先ず、トランスジューサ装置３０を有する支持ビーム板３４と対応する数のハウジング部分２４ａとの相対的な動きにより、トランスジューサ装置３０を、従来のように上方ｏからでなく、下方から、ハウジング部材２４ａの音開口部分内に挿入する。
【００３８】
トランスジューサ装置３０がカプセルハウジングを備えている場合は、トランスジューサ装置３０を保持しハウジング２６内に挿入した後、支持ビーム板３４を移動させて、トランスジューサ装置ないしはトランスジューサモジュールをハウジング２４ａ内に保持し所定位置にセットする。トランスジューサ装置がカプセルハウジングを有しないものである場合は、トランスジューサ装置３０は、支持ビーム板３４内にトランスジューサを収納する収納穴３６内にとゞまっている。支持ビーム板３４は、例えば接着又は溶接により、ハウジング２４ａに接合される。こうして、図６（ｂ）の状態に続いて図６（ｃ）に示したように、支持ビーム板３４はハウジングの外形に滑らかに連なるように加工される。
【００３９】
こうして、図５に示したような耳内補聴器が完成する。また、図１、図２（ａ）又は（ｂ）に示したカプセルハウジングを有するトランスジューサモジュールの場合も、この方法を実施することができる。
【００４０】
更に、図６の説明から明らかなように、この方法は、装置の音出口の汚れを受けず、かつ、容易な洗浄を可能とするのに適したダイヤフラム１７又はその他のダイヤフラムを形成することにも特に適している。このために、図６（ａ）において袋状開口として形成される収納穴３６の下方の底板部分がそのまゝダイヤフラムとして形成される。これは、支持ビーム板３４の材料がダイヤフラム材料の要件に合致して選定され、かつ、それによってダイヤフラムが支持ビーム板３４と一体に形成される場合、又は、図６（ａ）の支持ビーム板３４における破線で示したように、袋状開口３６が先ず支持ビーム板３４の層３４ａを貫通して開口３６を形成し、次いで、シート状の薄層３４ｂが取付けられて、図５に示した如きモジュールダイヤフラム１７が形成される場合に適用される。
【００４１】
以上のような製造方法により、細かな位置決め作業を要することなく、図１、図２（ａ）又は（ｂ）によるトランスジューサモジュール、並びに、従来の、即ち、スピーカハウジングを外部に有する耳内補聴器のトランスジューサ装置を組立てることが可能となる。この組立作業はハウジングの音出口のある側から行うことができるので、組立作業を最高度に自動化することができる。補聴器の音出口は周囲の環境からの汚れを回避し、かつ、容易な洗浄を可能とするように形成される一方、同時に、上述のように底板部分を使用したモジュールダイヤフラム１７の形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
モジュールとして形成されたトランスジューサ装置の一例を示す略式図。
【図２】
（ａ）は図１の例によるトランスジューサ装置に関わる一実施の形態を示す長手方向断面図であり、（ｂ）は本発明のダイヤフラムを有するトランスジューサ装置に関わる別の実施の形態を示す略式図。
【図３】
本発明のダイヤフラムを有する耳内補聴器におけるトランスジューサ装置の取付を示す別の実施の形態を示す略式断面図。
【図４】
本発明のダイヤフラムを有する耳内補聴器におけるトランスジューサ装置の取付を示す更に別の実施の形態を示す略式断面図。
【図５】
本発明のダイヤフラムを有する耳内補聴器におけるトランスジューサ装置の取付を示す更に別の実施の形態を示す略式断面図。
【図６】
（ａ）〜（ｃ）は、それぞれ本発明の耳内補聴器製造方法において、トランスジューサ装置を補聴器ハウジング内に組立てる工程を説明する略式図。[0001]
The invention relates to an in-ear hearing aid having an electrical / acoustic transducer device according to the preamble of claim 1. The invention also relates to a method for manufacturing an in-ear hearing aid according to the introduction.
[0002]
2. Description of the Related Art In-ear hearing aids are known to have a problem of contamination, particularly in a sound outlet portion of the hearing aid facing the eardrum. The dirt impairs the effectiveness of the hearing aid and requires regular cleaning of the hearing aid. In this case, the opening in the housing of the hearing aid, which is usually in communication with the sound outlet of the electrical / acoustic transducer, is a major problem.
[0003]
European Patent EP 0 548 580 discloses a diaphragm in an in-ear hearing aid which is connected to a motor-driven loudspeaker drive in the same manner as the original loudspeaker diaphragm and is provided to close the housing. However, this complicates the structure of the hearing aid, in particular the means for attaching the diaphragm to the speaker drive and the means for ensuring that the diaphragm is not damaged during cleaning.
[0004]
It is an object of the present invention to provide an in-ear hearing aid that completely solves the requirements for cleaning with a simple structure in order to solve the problems in the above-mentioned means.
[0005]
This task is achieved in an in-ear hearing aid by isolating the sound outlet of the electrical / acoustic transducer device from the periphery of the hearing aid by a diaphragm mounted in a free vibration state.
[0006]
At this time, according to the knowledge on the acoustic effective space and the diaphragm characteristics of the hearing aid, regarding the adaptation of the acoustic impedance, such a diaphragm in the free vibration state has an actual effect on the acoustic transmission relation at the transducer exit side in the hearing aid. It is known not to provide, ie the diaphragm used here can be acoustically transparent.
[0007]
If necessary, such a diaphragm can provide the desired attenuation.
[0008]
In one embodiment of the in-ear hearing aid according to the invention, at least the free vibrating part of the diaphragm is made of a single, preferably rubbery, material such as latex or silicone rubber. More preferably, the diaphragm used in the present invention has a constant thickness in its free vibrating part.
[0009]
By using such a diaphragm, there is no substantial increase in the shape of the hearing aid configuration. The diaphragm material which is preferably used, such as latex or silicone, is the most advantageous in terms of cost, and has a high resistance even when formed uniformly thin, and does not cause a problem with contact with human tissue.
[0010]
Also, in one embodiment of the invention, the above-mentioned diaphragm is mounted in the direct area of the sound outlet of the hearing aid, so that the recesses and irregularities of the outer shape that are problematic when cleaning the hearing aid at least reduce the sound of the hearing aid. Eliminated in the exit area. Also, the sound outlet of the transducer device can communicate with the sound outlet opening of the hearing aid housing via the tubular support member. On the other hand, in another embodiment, the sound outlet of the electrical / acoustic transducer device is mounted directly in the region of the sound outlet opening of the hearing aid housing.
[0011]
Furthermore, in an embodiment of the invention which is most advantageous with respect to the manufacture of the hearing aid, the sound outlet opening of the hearing aid is formed by a plate-like member, such as an end member, which is for example welded or glued to the end of the hearing aid housing. You. At this time, more preferably, the diaphragm closing the sound outlet opening of the hearing aid is formed integrally with the plate-shaped member, or is attached to the plate-shaped member as a separate member. This diaphragm is formed into a bag shape as required, inserted through the hearing aid housing, and set.
[0012]
When this plate-shaped member is formed integrally with the diaphragm, the material specifications required for the diaphragm are also applied to this plate-shaped member. Preferably, the plate-like member is made of a rubber-like elastic material, such as latex or silicone.
[0013]
A method for manufacturing an in-ear hearing aid according to the present invention has the features described in claim 10. Here, the transducer device is installed in a bag-shaped opening of a support beam plate whose bottom is formed as a diaphragm. Then, due to the relative movement of the support beam plate and the hearing aid housing, the transducer device is inserted into the hearing aid housing from the hearing aid end forming the sound outlet of the hearing aid housing. The support beam plate is then joined to the hearing aid housing, for example by welding or gluing, and is shaped and cut off along the contour of the hearing aid housing.
[0014]
This manufacturing method is particularly suitable for automation in the assembly of an in-ear hearing aid housing, electrical / acoustic transducer device and diaphragm.
[0015]
In a preferred embodiment of the method for manufacturing a hearing aid according to the invention, the diaphragm is formed integrally with the support beam plate, preferably the support beam plate is made of a rubber-like elastic material, for example latex or silicone. Alternatively, a diaphragm formed as a thin layer member is stuck on a support beam plate having a through hole and joined. Thus, the above-described bag-shaped opening is formed.
[0016]
The assembly of the in-ear hearing aid housing and the electrical / acoustic transducer has hitherto usually been performed manually, but this involves the formation of an acoustically active bridge between the loudspeaker and the hearing aid housing in the electrical / acoustic transducer device. This is because it is necessary to avoid direct feedback of the acoustic signal or transmission to the acoustic / electrical transducer on the entrance side of the hearing aid through the human tissue of the surrounding ear. That is, as described above, it is usual to insert and attach the transducer device in the hearing aid housing by hand so that the entire surface thereof does not touch the hearing aid housing.
[0017]
The present invention has the further object of significantly reducing the required manufacturing costs. This is achieved by automatically inserting the transducer device into the hearing aid housing as claimed in claim 12. Compared to the conventional method of inserting the transducer device from above the hearing aid, i.e. through the hearing aid housing and attaching it to the sound outlet part of the hearing aid, according to an embodiment relating to the manufacturing method of the present invention, the transducer device comprises a hearing aid. It is inserted into the hearing aid housing through an opening forming the sound outlet of the housing.
[0018]
In a further embodiment, the transducer device is located in a receiving hole in the support beam plate, and then, by relative movement of the support beam plate and the hearing aid housing, the transducer device causes the hearing aid end to form a sound outlet of the hearing aid housing. Part is inserted into the hearing aid housing.
[0019]
In a further embodiment, the support beam plate is then joined to the hearing aid housing, for example by welding or gluing. The support beam plate is then shaped along the contour of the hearing aid housing and cut off. If the transducer device is positioned and held in the support beam plate, the position of the transducer device in the hearing aid housing is only affected by the precise guiding movement between the hearing aid housing and the support beam plate. The measures according to the invention, as mentioned above, are ideal for automation of assembly.
[0020]
Hereinafter, the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0021]
FIG. 1 is a schematic diagram illustrating the principle of acoustic communication in a transducer module applicable to the in-ear hearing aid of the present invention. The transducer module 1 has a built-in speaker housing 3, and a speaker diaphragm 5 is provided inside the speaker housing 3. The loudspeaker diaphragm 5 is vibrated by a driving device 7 driven by a motor shown in a simplified manner. In the speaker housing 3, the speaker diaphragm 5 causes the front room R 1. And the rear side room R 2 Is formed. One of these two rooms, for example, the rear room R 2 Is acoustically connected to the intermediate space 11 formed between the speaker housing 3 and the capsule housing 13 through the acoustic communication opening 9. The capsule housing 13 and the intermediate space 11 therein substantially surround the speaker housing 3 except for the elastic support member 15, so that the elastic support member 15 separates the speaker housing 3 from the capsule housing. 13 and is supported in a substantially swimming state. As shown in FIG. 1, the room R 1 on the front side Is the sound outlet A A of the transducer module 1 Has been contacted.
[0022]
In such a configuration, by acoustically supporting the speaker housing 3 in the capsule housing 13 in the swimming state, acoustic separation of the speaker effect from the capsule housing 13 is achieved. Further, the rear room R 2 Is greatly expanded by including the intermediate space 11, so that the acoustic characteristics of the transducer module 1 are greatly improved as compared with the case where a speaker is arranged inside the housing 3. That is, the low-frequency characteristics of the transducer module 1 are increased by several dB as compared with the case where the speakers are arranged inside the housing 3.
[0023]
In the example of the transducer module 1 of FIG. 1, the module diaphragm denoted by reference numeral 17 is a sound outlet A A Is provided in the part. The module diaphragm 17 is mounted in a free vibration state except that its peripheral portion is fixed. This diaphragm 17 is made of a homogeneous, preferably rubbery elastic material, such as latex or silicone rubber, and more preferably has a constant thickness of about 100 μm, up to 0.09 mm.
[0024]
Room R 2 on the rear side including the intermediate space 11 , The room R 1 on the front side reaching the module diaphragm 17 By adapting the acoustic impedance of the acoustic conductor, which is sometimes provided for further extension towards the periphery U of the module diaphragm 17 and the transducer module 1, a practical sound transmission effect of the module diaphragm 17 is achieved.
[0025]
FIG. 2A shows a cross section of one embodiment of the transducer module 1. The same reference numerals as those already used in the description of the schematic diagram of FIG. 1 are used. The speaker housing 3 having the communication opening 9 is supported by the capsule housing 13 via the elastic support member 19. The capsule housing 13 is formed as a cup 20 and at the same time preferably functions as a magnetic shield, and is therefore preferably made of μ metal. In any case, the cup-shaped member 20 is preferably made of metal. An end member 22 is attached to the tip of the cup-shaped member 20.
[0026]
The module diaphragm 17 described in FIG. 1 is directly attached to the end member 22 here. The end member 22 and the module diaphragm 17 can be formed completely integrally, while in this case the material of the end member 22 must satisfy the material requirements of the diaphragm, for example elasticity. . By way of example, the entire end member 22 is made of latex or silicone rubber. Alternatively, the module diaphragm 17 is fixed to the end member 22 as a separate member. The module diaphragm 17 also has a sound outlet A 3 in the speaker housing 3. And an inward opening in the end member 22.
[0027]
Preferably, the module diaphragm 17 is provided so as to be flush with the inward opening of the end member 22, as shown in FIG. 2 (a), whereby the entire transducer module 1 is sealed and encapsulated. It is formed as one piece and can be washed as it is. This means that the sound outlet A A of the transducer module 1 will be described below. Is particularly important if the is mounted directly on the sound outlet of the hearing aid.
[0028]
The transducer module 1 or capsule housing 13 can be cubic, cylindrical or any other substantially arbitrary shape, in which case the speaker housing 3 and the capsule housing 13 are substantially between the speaker housing 3 and the capsule housing 13. It is necessary that an intermediate space 11 surrounding 3 is formed. FIG. 2B is a schematic view showing another embodiment different from the embodiment of FIG. 2A, in which an elastic bag-like member 17a is attached so as to cover the capsule housing 13. ing. The bag-like member 17a has the functions of the end member 22 and the module diaphragm 17 at the same time.
[0029]
Figure 3 is a simplified cross-sectional view of the embodiment related to the ear hearing aid 24 having a sound outlet opening A 24. The transducer module 1 configured as shown in FIG. 1, FIG. 2A or FIG. 2B is incorporated in the inside of the device housing 26. In other words, the transducer module 1 is held and positioned in the hearing aid device housing 26 by the holding and positioning fastening plate 28 by fastening or fastening force. With such an arrangement, in the transducer module 1 shown in FIG. 1, FIG. 2A or FIG. 2B, it is possible to realize acoustic separation of the outer capsule housing 13 with respect to the speaker housing 3.
[0030]
One arrangement of the transducer module 1 in-ear hearing aid shown in FIG 3 is substantially known, the sound outlet of the transducer module 1 is contacted to the sound outlet opening A 24 of the apparatus through the tubular support member 30 .
[0031]
The electronic components of the in-ear hearing aid 24 and the entrance-side acoustic / electrical transducer connected to the housing 26 are not shown in FIG.
[0032]
As further shown in FIG. 3, the module diaphragm 17 is attached to surround the direct area of the sound outlet opening A 24 of the hearing aid housing 26.
[0033]
In Figure 4, the transducer module 1 is directly region of the sound outlet opening A 24 of the hearing aid 24 or housing 26, it is attached by fasteners fixing or fastening force fixed by fastening members 28a. In this embodiment, the module diaphragm 17 is attached to the end of the module so as to vibrate.
[0034]
In FIG. 5, a plate-shaped end member 24b is attached to an end of a main portion 24a of a housing 26 of the in-ear hearing aid 24 by bonding or welding. The transducer module 1 as in FIGS. 1 and 2 or the speaker housing in the known speaker device, both designated by the reference numeral 30 in FIG. 5, is arranged to fit into the outlet opening 32 of the end member 24b and fixed thereto. , Held by bonding or the like. In the case where the capsule housing as shown in FIG. 1, FIG. 2 (a) or (b) is provided in the transducer module 1 generally denoted by reference numeral 30 in FIG. 5, the reference numeral for such a transducer module 1 is provided. Positioning and securing members such as shown at 28 may be provided within the device housing 26.
[0035]
In the embodiment shown in FIG. 5, the module diaphragm 17 is attached to the tip of the end member 24b. Such a configuration of the diaphragm 17 may be used in a hearing aid having the transducer module shown in FIG. 1, FIG. 2A or FIG. 2B, or a known transducer device, that is, a transducer device having a speaker housing directly outside. The present invention is also applicable to a hearing aid provided, and is advantageous. Further, the diaphragm 17 can be formed integrally with the end member 24b. This is because the end member 24b is separate from the housing 26, so that the material selection of the end member 24b can be made to meet the requirements of the diaphragm 17.
[0036]
6 (a)-(c) illustrate a preferred method of manufacturing an in-ear hearing aid.
[0037]
In FIG. 6A, a storage hole 36 is provided in the support beam plate 34, and the storage hole 36 is preferably a bag-shaped opening. The transducer device 30 for an in-ear hearing aid is inserted into the storage hole 36. If the transducer device 30 is conventional, that is, if the speaker housing is on the outer surface and does not have the capsule housing as shown in FIG. 1, FIG. 2 (a) or (b), the transducer device 30 is It is preferable that the support beam plate 34 be firmly fixed, for example, by bonding. If the transducer device 30 has a capsule housing on its outer surface as shown in FIG. 1, FIG. 2 (a) or (b), it is not necessary to hold the transducer device 30 securely in the support beam plate 34. Absent. This is because the transducer device 30 is held in a fixed state or by a fixing force by a broken line portion 28b in the device housing 24a in FIG. 6A. The procedure of the manufacturing method is as follows. First, the relative movement of the support beam plate 34 having the transducer device 30 and the corresponding number of housing portions 24a causes the transducer device 30 to be moved from the lower side instead of the upper side as in the conventional case. Then, it is inserted into the sound opening portion of the housing member 24a.
[0038]
When the transducer device 30 includes a capsule housing, the transducer device 30 is held and inserted into the housing 26, and then the support beam plate 34 is moved to hold the transducer device or the transducer module in the housing 24a and move the support beam plate 34 to a predetermined position. Set to. If the transducer device does not have a capsule housing, the transducer device 30 resides in a receiving hole 36 for receiving the transducer in the support beam plate 34. The support beam plate 34 is joined to the housing 24a by, for example, bonding or welding. Thus, as shown in FIG. 6C following the state of FIG. 6B, the support beam plate 34 is processed so as to be smoothly connected to the outer shape of the housing.
[0039]
Thus, an in-ear hearing aid as shown in FIG. 5 is completed. This method can also be performed in the case of a transducer module having the capsule housing shown in FIG. 1, FIG. 2 (a) or (b).
[0040]
Further, as is evident from the description of FIG. 6, the method involves forming a diaphragm 17 or other diaphragm which is not subject to contamination of the sound outlet of the device and which is suitable for allowing easy cleaning. Are also particularly suitable. For this purpose, the bottom plate portion below the storage hole 36 formed as a bag-shaped opening in FIG. 6A is formed as a diaphragm. This is the case when the material of the support beam plate 34 is selected in accordance with the requirements of the diaphragm material, and thereby the diaphragm is formed integrally with the support beam plate 34, or the support beam plate of FIG. As indicated by the dashed line at 34, the bag-like opening 36 first penetrates the layer 34a of the support beam plate 34 to form the opening 36, and then a sheet-like thin layer 34b is attached, as shown in FIG. This is applied when such a module diaphragm 17 is formed.
[0041]
By the manufacturing method as described above, the transducer module according to FIG. 1, FIG. 2 (a) or (b) and the conventional, ie, the in-ear hearing aid having a speaker housing on the outside can be manufactured without a fine positioning operation. It becomes possible to assemble the transducer device. This assembling operation can be performed from the side of the housing having the sound outlet, so that the assembling operation can be automated to the highest degree. The sound outlet of the hearing aid is formed so as to avoid contamination from the surrounding environment and to enable easy cleaning, while at the same time, it is possible to form the module diaphragm 17 using the bottom plate portion as described above. Become.
[Brief description of the drawings]
FIG.
FIG. 2 is a schematic diagram illustrating an example of a transducer device formed as a module.
FIG. 2
FIG. 2A is a longitudinal sectional view showing one embodiment of the transducer device according to the example of FIG. 1, and FIG. 2B is a schematic diagram showing another embodiment of the transducer device having the diaphragm of the present invention.
FIG. 3
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view showing another embodiment of the mounting of the transducer device in the in-ear hearing aid having the diaphragm of the present invention.
FIG. 4
FIG. 9 is a schematic cross-sectional view showing yet another embodiment of the mounting of the transducer device in the in-ear hearing aid having the diaphragm of the present invention.
FIG. 5
FIG. 9 is a schematic cross-sectional view showing yet another embodiment of the mounting of the transducer device in the in-ear hearing aid having the diaphragm of the present invention.
FIG. 6
(A)-(c) is a schematic diagram explaining the process of assembling the transducer device in the hearing aid housing in the method of manufacturing an in-ear hearing aid of the present invention.
