JP2004500147A - 寒冷環境下における湿式消火システム - Google Patents
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Abstract
冷凍倉庫や寒冷環境下(11)のスプリンクラシステムにおいて、主配管(17)は、チェックバルブ(25)を介し冷凍環境下にある消火剤を放出するスプリンクラヘッド(13)まで延び、消火用水供給源(23)と連結されている。冷凍環境下の主配管(17)には乳酸カリ溶液が充填されている。火災が発生すると、1つ以上のスプリンクラヘッドが作動し、乳酸カリがスプリンクラヘッドから発火点に向かって放出される。この操作によりスプリンクラ配管内圧が低下して用水供給源の水圧より低くなるため、用水供給源からスプリンクラ配管に用水が流出し、作動していたスプリンクラヘッド(13)から火災に向かって放水される。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
この特許出願において、(アメリカ合衆国における)1999年6月10日出願に係る出願番号第60/138533号及び1999年4月30日出願に係る出願番号第60/131847号の仮出願に基づく優先権を主張する。
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スプリンクラシステムに関し、更に詳しくは、冷凍倉庫及び他の寒冷環境下において消火活動をするため設計されたスプリンクラ消火装備システムに係る。
【0002】
【発明の背景】
大型貯蔵冷蔵倉庫内や氷点下の寒冷環境におけるスプリンクラ消火システムでは、スプリンクラヘッド群迄のパイプ配管内における消火剤を凍結から回避できる手段が設計されていなければならない。この目的を達するための一例は、加圧下で消火用水を供給できる乾燥パイプシステムを用いることであって、寒冷環境下ではパイプ配管内は空気か他の気体を充満させることにより乾燥状態を維持している。スプリンクラヘッド直下における火災に対応するべくスプリンクラヘッドが作動するとき、火災に放水される前に用水は貯水源からスプリンクラヘッドまでパイプ配管内を運ばれる。その結果、スプリンクラヘッドが作動する時からスプリンクラヘッドの放水が実際に始まる時までの許容できない時間的遅滞が起これば、大型貯蔵冷蔵倉庫に対する迅速対応消火システムは完成されていないことになる。
【0003】
寒冷環境下の湿式パイプシステムでは、スプリンクラヘッドまでの充填剤としてプロピレングリコールが用いられているが、このプロピレングリコールは凍結防止に充分な濃度で使用されるものの、この溶液は可燃性であって、それ故、このスプリンクラシステムの効用は実質的な妥協による。塩化カルシウム溶液は凍結を防ぐものの、それは腐食性であり、スプリンクラシステムを作動したとき財産的損害を増大させる惧がある。湿式スプリンクラシステムに適用できると思われる他の溶液として、グリセリン、メタノール、酢酸カリ及び尿素が挙げられる。しかしながら、これらの溶液の何れも可燃性、腐食性及び/又は環境安全性に課題がある。而して、有効的で速やかな鎮火手段、迅速な対応を満たし、水の凍結点よりも実質的に低温の環境においてスプリンクラヘッド群までの用水を輸送し得るパイプ配管を備えた冷凍倉庫や寒冷環境のためのスプリンクラシステムが求められる。
【0004】
【発明の概要】
本発明によれば、冷凍倉庫及び寒冷環境下において使用できるスプリンクラシステムが提供され、低温環境下で消火液を通過させるためのパイプ配管内には選択された乳酸カリ溶液が充填されている。パイプ配管は加圧下でチェックバルブを介して通常の貯水源と連結されている。配管内の乳酸カリ溶液の圧力は用水供給源における用水よりも高く維持され、スプリンクラが作動しないときチェックバルブは閉じられている。水溶液における乳酸カリの濃度は、スプリンクラシステムのパイプ配管内の溶液凍結を防ぐのに充分な高い濃度と、標準的なスプリンクラシステムのパイプ配管内溶液の流速が妨げられない粘性を呈する低い濃度との範囲から選択される。実用上、乳酸カリ濃度は30重量%乃至60重量%の範囲となる。10°Fにおける冷凍倉庫や寒冷環境では、乳酸カリとして30重量%濃度のものが使用できる。最も汎用的には、乳酸カリ濃度は40から50重量%の範囲である。冷凍倉庫又は寒冷環境の温度が16°Fから0°Fまでのとき、40重量%の乳酸カリ溶液が用いられる。0°からマイナス20°Fに維持されている低温冷凍倉庫では、乳酸カリ濃度は47重量%のものが好ましく使用される。このシステムでは、乳酸カリ溶液が貯留されたタンクはパイプ配管と連結され、またパイプ配管から漏出して失われた乳酸カリを補充するため供給される乳酸カリの補充量を汲み上げるためのジョッキーポンプが準備され、貯水源の圧力よりもパイプ配管内圧を高く維持できる。
【0005】
スプリンクラヘッドが作動したとき、貯水源内圧よりもパイプ配管が低くなるように圧力が減少し、また貯水源とスプリンクラシステムとの間のチェックバルブが開くために、スプリンクラヘッドに至るまでのパイプ配管内の乳酸カリはスプリンクラから放出される。次いで、貯水源から作動したスプリンクラヘッドまでの配管を用水が流れる。
【0006】
適度な濃度の乳酸カリはスプリンクラシステムのパイプ配管内において極めて適切なものとして使用されるが、この理由は乳酸カリが可燃性でなく、腐食性がなく、また毒性もなく、しかも環境的に安全であるからである。事実、乳酸カリは食用に供され、しばしば食品添加物として使用される。そして消火剤としても効果的である。
【0007】
【図面の簡単な記述】
この単一図面は倉庫式冷凍設備におけるスプリンクラシステムを模式的に説明したものである。
【0008】
【好ましい実施態様の説明】
図1に示したように、倉庫式冷凍庫の外壁11(屋根を取り外して図示)には、スプリンクラヘッド群13を含む高架のスプリンクラシステムが提示されており、このスプリンクラヘッド群は直径3インチの分岐ライン15と連結されて組み込まれ、またこのスプリンクラシステムは直径6インチの交差する主ライン17間に延びている。スプリンクラヘッド群13は冷凍倉庫の外壁11の天井に一様の分布となるように配置されている。冷却装置ユニット19は外壁11の内部を冷凍温度に保っている。通常の冷凍倉庫では、冷却装置ユニットは0°F及び16°Fの間の温度に維持され、そして厳しい低温冷凍倉庫ではマイナス20°Fから0°Fまでの範囲の温度に維持される。交差主ライン17の1つは8インチ径の上向管に連結しているが、これはチェックバルブ25及びゲートバルブ27を介して加圧された用水供給源23と冷凍倉庫内においてパイプ配管に連結している。スプリンクラシステムのパイプ配管は、乳酸カリ溶液及び用水が充填され、加圧用水供給源23の圧力より高圧に維持されている交差主管17及び支管15からなる。消火活動の際に、ゲートバルブ27は開く状態になり、またチェックバルブ25の上流側における用水供給源23の呈する圧力よりもチェックバルブ25の下流側の圧力が高圧であるため、チェックバルブ25はその下流側圧力によって閉じた状態を維持する。
【0009】
建屋(外壁)11内部に火災が発生すると、発火点の上方にある1つ又は幾つかのスプリンクラヘッド群が作動し、火災に向けて乳酸カリ溶液の放出が始まる。作動したスプリンクラヘッド群近傍のパイプ配管中の乳酸カリ溶液は急速に消費され、そしてスプリンクラヘッド群に向かう配管中の溶液の流れはチェックバルブ25の下流側の圧力を減少させ、また作動したスプリンクラヘッド群から火災に放水されるために配管15及び17及び上向管21を経て加圧用水供給源23から用水が流出することを許容するようにチェックバルブが開く原因となる。消火用水はこの配管システムにより相当高速に放水されるので、建屋(外壁)11内部が氷点下であっても配管15及び17内で消火用水が凍ることはない。
【0010】
パイプ配管15及び17から乳酸カリが漏れたときの修復に、乳酸カリ溶液が溜められたタンク29が準備されている。乳酸カリはそのタンク29から上向管21へジョッキーポンプ手段35により供給されるが、ポンプは修復用乳酸カリをゲートバルブ37、チェックバルブ39及び上向管21を介して配管15及び17に提供する。消火活動では、ゲートバルブ37は開き、またチェックバルブ39はスプリンクラ配管からの背圧によって閉じたままの状態となる。このスプリンクラシステムで乳酸カリの漏出が起こると、漏れた乳酸カリは用水供給源23の圧力よりもパイプ配管15及び17の圧力が高く維持されるようにジョッキーポンプによってタンク29にある乳酸カリから補われる。スプリンクラヘッドが作動すると、スプリンクラシステムにおけるパイプ配管内圧を供給消火用水の圧力より高く維持するジョッキーポンプの機能は消失される。
【0011】
乳酸カリの濃度が高まると、スプリンクラシステム配管内の流動性は減少し、溶液の粘性は増大する。40重量%濃度の乳酸カリ溶液では、消火用水と同等の流動性を達成するためにはスプリンクラシステム配管のサイズ(管径)を約10%太くしなければならない。47重量%濃度の乳酸カリ溶液の例では、用水と同等の流動性を達成するためには配管のサイズを約20%太くしなければならない。60重量%濃度の乳酸カリ溶液の例では、用水と同等の流動性を達成するためには配管のサイズを約50%太くすることになる。パイプ配管のサイズを太くすると、スプリンクラシステムの設備コストは嵩む。したがって、このスプリンクラシステムが適用される環境下における凍結回避に要する乳酸カリ濃度を選択し、次いで火災が発生したとき迅速に対応できる要件を満たす作動スプリンクラヘッドへの配管内消火剤の流量から配管サイズを設定選択すべきである。
【0012】
最も多い適用例では冷凍倉庫や他の寒冷環境における温度がマイナス20°F以上であり、濃度40から50重量%の乳酸カリが使用される。
【0013】
冷凍倉庫に好ましく使用される態様では0°から16°Fの範囲の温度に維持され、乳酸カリ溶液に占める乳酸カリの好ましい濃度は40重量%である。
低温冷凍倉庫では0°からマイナス20°Fまでの範囲に温度は維持され、溶液における乳酸カリの好ましい濃度は47重量%である。極めて寒冷な環境又は冷凍倉庫ではマイナス60°Fとなるが、この場合濃度を60重量%とすべきであろう。もしもスプリンクラ配管が単に10°F又はその程度以上の温度であれば、乳酸カリの濃度は30重量%となる。
【0014】
上述した本発明における特定の実施態様は倉庫式冷凍設備において履行するものである。本発明は、冬季に厳寒の環境に曝されるとか、又はパイプ配管内の貯留用水の凍結による破裂の原因となる厳しい寒さを受けたスプリンクラパイプ配管のような他の寒冷環境下でも使用できる。
【0015】
上述した好ましい実施態様は、追記した特許請求項で特定した本発明の精神と範囲を逸脱しない限り本発明及びその応用に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この単一図面は倉庫式冷凍庫におけるスプリンクラシステムを模式的に説明した説明図である。
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スプリンクラシステムに関し、更に詳しくは、冷凍倉庫及び他の寒冷環境下において消火活動をするため設計されたスプリンクラ消火装備システムに係る。
【0002】
【発明の背景】
大型貯蔵冷蔵倉庫内や氷点下の寒冷環境におけるスプリンクラ消火システムでは、スプリンクラヘッド群迄のパイプ配管内における消火剤を凍結から回避できる手段が設計されていなければならない。この目的を達するための一例は、加圧下で消火用水を供給できる乾燥パイプシステムを用いることであって、寒冷環境下ではパイプ配管内は空気か他の気体を充満させることにより乾燥状態を維持している。スプリンクラヘッド直下における火災に対応するべくスプリンクラヘッドが作動するとき、火災に放水される前に用水は貯水源からスプリンクラヘッドまでパイプ配管内を運ばれる。その結果、スプリンクラヘッドが作動する時からスプリンクラヘッドの放水が実際に始まる時までの許容できない時間的遅滞が起これば、大型貯蔵冷蔵倉庫に対する迅速対応消火システムは完成されていないことになる。
【0003】
寒冷環境下の湿式パイプシステムでは、スプリンクラヘッドまでの充填剤としてプロピレングリコールが用いられているが、このプロピレングリコールは凍結防止に充分な濃度で使用されるものの、この溶液は可燃性であって、それ故、このスプリンクラシステムの効用は実質的な妥協による。塩化カルシウム溶液は凍結を防ぐものの、それは腐食性であり、スプリンクラシステムを作動したとき財産的損害を増大させる惧がある。湿式スプリンクラシステムに適用できると思われる他の溶液として、グリセリン、メタノール、酢酸カリ及び尿素が挙げられる。しかしながら、これらの溶液の何れも可燃性、腐食性及び/又は環境安全性に課題がある。而して、有効的で速やかな鎮火手段、迅速な対応を満たし、水の凍結点よりも実質的に低温の環境においてスプリンクラヘッド群までの用水を輸送し得るパイプ配管を備えた冷凍倉庫や寒冷環境のためのスプリンクラシステムが求められる。
【0004】
【発明の概要】
本発明によれば、冷凍倉庫及び寒冷環境下において使用できるスプリンクラシステムが提供され、低温環境下で消火液を通過させるためのパイプ配管内には選択された乳酸カリ溶液が充填されている。パイプ配管は加圧下でチェックバルブを介して通常の貯水源と連結されている。配管内の乳酸カリ溶液の圧力は用水供給源における用水よりも高く維持され、スプリンクラが作動しないときチェックバルブは閉じられている。水溶液における乳酸カリの濃度は、スプリンクラシステムのパイプ配管内の溶液凍結を防ぐのに充分な高い濃度と、標準的なスプリンクラシステムのパイプ配管内溶液の流速が妨げられない粘性を呈する低い濃度との範囲から選択される。実用上、乳酸カリ濃度は30重量%乃至60重量%の範囲となる。10°Fにおける冷凍倉庫や寒冷環境では、乳酸カリとして30重量%濃度のものが使用できる。最も汎用的には、乳酸カリ濃度は40から50重量%の範囲である。冷凍倉庫又は寒冷環境の温度が16°Fから0°Fまでのとき、40重量%の乳酸カリ溶液が用いられる。0°からマイナス20°Fに維持されている低温冷凍倉庫では、乳酸カリ濃度は47重量%のものが好ましく使用される。このシステムでは、乳酸カリ溶液が貯留されたタンクはパイプ配管と連結され、またパイプ配管から漏出して失われた乳酸カリを補充するため供給される乳酸カリの補充量を汲み上げるためのジョッキーポンプが準備され、貯水源の圧力よりもパイプ配管内圧を高く維持できる。
【0005】
スプリンクラヘッドが作動したとき、貯水源内圧よりもパイプ配管が低くなるように圧力が減少し、また貯水源とスプリンクラシステムとの間のチェックバルブが開くために、スプリンクラヘッドに至るまでのパイプ配管内の乳酸カリはスプリンクラから放出される。次いで、貯水源から作動したスプリンクラヘッドまでの配管を用水が流れる。
【0006】
適度な濃度の乳酸カリはスプリンクラシステムのパイプ配管内において極めて適切なものとして使用されるが、この理由は乳酸カリが可燃性でなく、腐食性がなく、また毒性もなく、しかも環境的に安全であるからである。事実、乳酸カリは食用に供され、しばしば食品添加物として使用される。そして消火剤としても効果的である。
【0007】
【図面の簡単な記述】
この単一図面は倉庫式冷凍設備におけるスプリンクラシステムを模式的に説明したものである。
【0008】
【好ましい実施態様の説明】
図1に示したように、倉庫式冷凍庫の外壁11(屋根を取り外して図示)には、スプリンクラヘッド群13を含む高架のスプリンクラシステムが提示されており、このスプリンクラヘッド群は直径3インチの分岐ライン15と連結されて組み込まれ、またこのスプリンクラシステムは直径6インチの交差する主ライン17間に延びている。スプリンクラヘッド群13は冷凍倉庫の外壁11の天井に一様の分布となるように配置されている。冷却装置ユニット19は外壁11の内部を冷凍温度に保っている。通常の冷凍倉庫では、冷却装置ユニットは0°F及び16°Fの間の温度に維持され、そして厳しい低温冷凍倉庫ではマイナス20°Fから0°Fまでの範囲の温度に維持される。交差主ライン17の1つは8インチ径の上向管に連結しているが、これはチェックバルブ25及びゲートバルブ27を介して加圧された用水供給源23と冷凍倉庫内においてパイプ配管に連結している。スプリンクラシステムのパイプ配管は、乳酸カリ溶液及び用水が充填され、加圧用水供給源23の圧力より高圧に維持されている交差主管17及び支管15からなる。消火活動の際に、ゲートバルブ27は開く状態になり、またチェックバルブ25の上流側における用水供給源23の呈する圧力よりもチェックバルブ25の下流側の圧力が高圧であるため、チェックバルブ25はその下流側圧力によって閉じた状態を維持する。
【0009】
建屋(外壁)11内部に火災が発生すると、発火点の上方にある1つ又は幾つかのスプリンクラヘッド群が作動し、火災に向けて乳酸カリ溶液の放出が始まる。作動したスプリンクラヘッド群近傍のパイプ配管中の乳酸カリ溶液は急速に消費され、そしてスプリンクラヘッド群に向かう配管中の溶液の流れはチェックバルブ25の下流側の圧力を減少させ、また作動したスプリンクラヘッド群から火災に放水されるために配管15及び17及び上向管21を経て加圧用水供給源23から用水が流出することを許容するようにチェックバルブが開く原因となる。消火用水はこの配管システムにより相当高速に放水されるので、建屋(外壁)11内部が氷点下であっても配管15及び17内で消火用水が凍ることはない。
【0010】
パイプ配管15及び17から乳酸カリが漏れたときの修復に、乳酸カリ溶液が溜められたタンク29が準備されている。乳酸カリはそのタンク29から上向管21へジョッキーポンプ手段35により供給されるが、ポンプは修復用乳酸カリをゲートバルブ37、チェックバルブ39及び上向管21を介して配管15及び17に提供する。消火活動では、ゲートバルブ37は開き、またチェックバルブ39はスプリンクラ配管からの背圧によって閉じたままの状態となる。このスプリンクラシステムで乳酸カリの漏出が起こると、漏れた乳酸カリは用水供給源23の圧力よりもパイプ配管15及び17の圧力が高く維持されるようにジョッキーポンプによってタンク29にある乳酸カリから補われる。スプリンクラヘッドが作動すると、スプリンクラシステムにおけるパイプ配管内圧を供給消火用水の圧力より高く維持するジョッキーポンプの機能は消失される。
【0011】
乳酸カリの濃度が高まると、スプリンクラシステム配管内の流動性は減少し、溶液の粘性は増大する。40重量%濃度の乳酸カリ溶液では、消火用水と同等の流動性を達成するためにはスプリンクラシステム配管のサイズ(管径)を約10%太くしなければならない。47重量%濃度の乳酸カリ溶液の例では、用水と同等の流動性を達成するためには配管のサイズを約20%太くしなければならない。60重量%濃度の乳酸カリ溶液の例では、用水と同等の流動性を達成するためには配管のサイズを約50%太くすることになる。パイプ配管のサイズを太くすると、スプリンクラシステムの設備コストは嵩む。したがって、このスプリンクラシステムが適用される環境下における凍結回避に要する乳酸カリ濃度を選択し、次いで火災が発生したとき迅速に対応できる要件を満たす作動スプリンクラヘッドへの配管内消火剤の流量から配管サイズを設定選択すべきである。
【0012】
最も多い適用例では冷凍倉庫や他の寒冷環境における温度がマイナス20°F以上であり、濃度40から50重量%の乳酸カリが使用される。
【0013】
冷凍倉庫に好ましく使用される態様では0°から16°Fの範囲の温度に維持され、乳酸カリ溶液に占める乳酸カリの好ましい濃度は40重量%である。
低温冷凍倉庫では0°からマイナス20°Fまでの範囲に温度は維持され、溶液における乳酸カリの好ましい濃度は47重量%である。極めて寒冷な環境又は冷凍倉庫ではマイナス60°Fとなるが、この場合濃度を60重量%とすべきであろう。もしもスプリンクラ配管が単に10°F又はその程度以上の温度であれば、乳酸カリの濃度は30重量%となる。
【0014】
上述した本発明における特定の実施態様は倉庫式冷凍設備において履行するものである。本発明は、冬季に厳寒の環境に曝されるとか、又はパイプ配管内の貯留用水の凍結による破裂の原因となる厳しい寒さを受けたスプリンクラパイプ配管のような他の寒冷環境下でも使用できる。
【0015】
上述した好ましい実施態様は、追記した特許請求項で特定した本発明の精神と範囲を逸脱しない限り本発明及びその応用に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この単一図面は倉庫式冷凍庫におけるスプリンクラシステムを模式的に説明した説明図である。
Claims (20)
- 氷点下の寒冷環境におけるシステムであって、液体放出の操作可能なスプリンクラヘッド群と、加圧された消火液源と、前記スプリンクラヘッド群と前記消火液源との間の寒冷環境において延在するパイプ配管と、前記パイプ配管に充填された乳酸カリ水溶液と、前記スプリンクラヘッド群が寒冷環境での火災発生に際して充填された消火剤を放出して迅速に対応できることを含む寒冷環境下の消火システム。
- 前記溶液の乳酸カリの濃度が30から60重量%である請求項1に記載の消火システム。
- 前記溶液の乳酸カリの濃度が40から50重量%である請求項1に記載の消火システム。
- 前記スプリンクラヘッド群が冷凍倉庫に配置されており、前記パイプ配管は消火液源から前記冷凍倉庫まで延在している請求項1に記載の消火システム。
- 前記冷凍倉庫を0からマイナス20°Fまでの温度に維持し、また前記溶液の乳酸カリの濃度を約47重量%に保つことからなる請求項4に記載の消火システム。
- 前記冷凍倉庫を0°Fから16°Fまでの温度に維持し、また前記溶液の乳酸カリの濃度を約40重量%に保つことからなる請求項4に記載の消火システム。
- パイプ配管内圧よりも消火液源圧力を高くして消火液源からの流出を許容するように前記消火液源と前記パイプ配管との間にチェックバルブを更に設けてなる請求項1の消火システム。
- 消火液源が貯水源である請求項7に記載の消火システム。
- 前記乳酸カリを含有するタンクと、前記スプリンクラヘッド群が作動していないとき消火液源内圧よりもパイプ配管圧力が高く維持されている前記パイプ配管へ前記タンクから前記乳酸カリが供給されるように接続されるポンプと、を更に含む請求項6に記載の消火システム。
- 前記パイプ配管は鉄道線路のように交差する主及び従ラインの配列からなり、前記主ラインは前記チェックバルブを介して消火液源と連結され、従ラインは前記交差した主ラインの間に延在して、前記スプリンクラヘッドと連結する請求項1に記載の消火システム。
- 加圧状態の消火液源とスプリンクラヘッド群とを寒冷環境で延在するパイプ配管によって連結すること、前記パイプ配管には乳酸カリ水溶液と用水とが充填されること、火災発生に際して前記パイプ配管から充填された消火剤を放出して前記スプリンクラヘッド群を作動させることからなる氷点下寒冷環境における消火方法。
- 前記溶液の乳酸カリの濃度が30から60重量%である請求項11に記載の消火方法。
- 前記溶液の乳酸カリの濃度が40から50重量%である請求項11に記載の消火方法。
- 冷凍倉庫内が氷点下環境にある請求項11に記載の消火システム。
- 前記冷凍倉庫の温度が0からマイナス20°Fまでに維持され、また前記溶液における乳酸カリ濃度が約47重量%に保たれてなる請求項14に記載の消火方法。
- 前記冷凍倉庫の温度が16°Fから0°Fまでの範囲に維持され、また前記溶液の乳酸カリ濃度が約40重量%に保たれてなる請求項14に記載の消火方法。
- チェックバルブを介して前記消火液源と前記スプリンクラヘッド群とを連結してなる消火方法であって、
前記スプリンクラヘッド群が作動しない場合、前記チェックバルブを閉じてパイプ配管内圧力を前記消火液源内圧力より高く維持しておくこと、
スプリンクラヘッド群の一つが作動する場合、前記消火液源からパイプ配管に消火液が流出し、火災現場上方の前記作動プリンクラヘッドに前記消火液が達するように、前記パイプ配管の圧力を減少せしめること、
を更に含む請求項11記載の消火方法。 - 前記消火液源が貯水源を含む請求項17に記載の消火方法。
- パイプ配管から漏出した乳酸カリ溶液を補うため、及び漏出したときに消火液源内圧よりも前記パイプ配管内圧を高く維持するために、乳酸カリ溶液をジョッキーポンプ手段により前記パイプ配管に供給することを更に含む請求項17に記載の消火方法。
- 消火液源が貯水源である請求項11に記載の消火方法。
Applications Claiming Priority (4)
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US13184799P | 1999-04-30 | 1999-04-30 | |
US13853399P | 1999-06-10 | 1999-06-10 | |
US09/559,101 US6367560B1 (en) | 1999-04-30 | 2000-04-27 | Wet sprinkler system for cold environments |
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JP2004500147A true JP2004500147A (ja) | 2004-01-08 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000615108A Pending JP2004500147A (ja) | 1999-04-30 | 2000-04-28 | 寒冷環境下における湿式消火システム |
Country Status (6)
Country | Link |
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US (1) | US6367560B1 (ja) |
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