JP2004363679A - 回線帯域制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線回線の回線劣化に伴うスループットの低下の影響を軽減する。
【解決手段】予め入手した降雨情報から予測された降雨強度の分布と移動速度と経路と、前記無線基地局と前記無線端局装置の位置情報から、前記無線基地局と前記無線端局装置の間の無線回線の伝送品質の劣化を予測する予測情報作成部と、該予測情報作成部によって作成された予測情報に基づき回線帯域を制御する帯域制御部を有し、該帯域制御部は、通常時は各無線回線に所定の優先度をもたせて通信させ、ある無線回線の回線品質が劣化すると予測される時は、当該無線回線に通常時よりも高い優先度をもたせて通信させ、当該無線回線の回線品質が劣化した時は、他の無線回線の通信を優先させ、さらに、当該無線回線の回線品質の劣化が回復した時は、前記通常時の優先度により通信を行わせる。
【選択図】 図1
【解決手段】予め入手した降雨情報から予測された降雨強度の分布と移動速度と経路と、前記無線基地局と前記無線端局装置の位置情報から、前記無線基地局と前記無線端局装置の間の無線回線の伝送品質の劣化を予測する予測情報作成部と、該予測情報作成部によって作成された予測情報に基づき回線帯域を制御する帯域制御部を有し、該帯域制御部は、通常時は各無線回線に所定の優先度をもたせて通信させ、ある無線回線の回線品質が劣化すると予測される時は、当該無線回線に通常時よりも高い優先度をもたせて通信させ、当該無線回線の回線品質が劣化した時は、他の無線回線の通信を優先させ、さらに、当該無線回線の回線品質の劣化が回復した時は、前記通常時の優先度により通信を行わせる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムにおいて、降雨による回線品質の劣化を予測し、品質劣化が予測された回線に対して回線品質劣化前に帯域を優先的に割り当てる制御を行う回線帯域制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムに収容されている回線の稼動率を向上させる、或いは回線の信頼性を高めるため、現用回線の伝送品質が劣化若しくは断となったときに、その回線の回線マージンを一時的に向上させる手法が考案されている。このような従来技術として、小牧、“可変容量マイクロ波方式に関する検討、”電子情報通信学会論文誌B−II,Vol.J73−B−II, No.10, pp.493−503, Oct.1990や松田、渡邊、“シンボルレートによる適応変調を適用した長距離化準ミリ波帯FWAシステム、”電子情報通信学会技術研究報告 信学技報、RCS2002, VOL.102, NO.281, Aug.2002が知られている。前者の方法は多値数を下げる、後者ではシンボルレートを下げることにより回線マージンの向上を図っている。
【0003】
しかしながら、一般的に無線周波数帯域の制限された無線通信システムにおいて、これらの手法を適用すれば、伝搬状況が悪い場合でも伝送が可能となる場合があるものの、伝送速度が低下してしまう。準ミリ波帯の無線通信システムでは、降雨減衰時に大きな減衰が発生するが、その際前記のように多値数やシンボルレートを下げることによりスループットが低下することになり、さらなる改善が望まれる。
【0004】
【非特許文献1】
小牧、“可変容量マイクロ波方式に関する検討、”電子情報通信学会論文誌B−II,Vol.J73−B−II, No.10, pp.493−503, Oct.1990
【非特許文献2】
松田、渡邊、“シンボルレートによる適応変調を適用した長距離化準ミリ波帯FWAシステム、”電子情報通信学会技術研究報告 信学技報、RCS2002, VOL.102, NO.281, Aug.2002
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の技術の上記問題点を改善するもので、その目的は回線劣化に伴うスループットの低下の影響を軽減することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、無線基地局と該無線基地局に無線回線により接続される複数の無線端局装置からなる無線通信システムにおける前記無線基地局と各無線端局装置の間の回線帯域を制御する回線帯域制御装置において、予め入手した降雨情報から予測された降雨強度の分布と移動速度と経路と、前記無線基地局と前記無線端局装置の位置情報から、前記無線基地局と前記無線端局装置の間の無線回線の伝送品質の劣化を予測する予測情報作成部と、該予測情報作成部によって作成された予測情報に基づき回線帯域を制御する帯域制御部を有し、該帯域制御部は、通常時は各無線回線に所定の優先度をもたせて通信させ、ある無線回線の回線品質が劣化すると予測される時は、当該無線回線に通常時よりも高い優先度をもたせて通信させ、当該無線回線の回線品質が劣化した時は、他の無線回線の通信を優先させ、さらに、当該無線回線の回線品質の劣化が回復した時は、前記通常時の優先度により通信を行わせる回線帯域制御装置にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて、本発明を詳細に説明する。図1は本発明の実施形態であり、回線切替制御装置の構成を示すブロック図である。
【0008】
図において、1はインターネットやイントラネットなどのネットワーク、2は無線基地局、5は無線基地局2と通信を行う一つ以上の無線端局装置、6は無線基地局2と無線端局装置5とを接続する無線回線、3は各無線端局装置に対して帯域の制御を行う帯域制御部、4は降雨強度の分布や移動速度や経路などの降雨情報と、無線基地局2と無線端局装置5との位置情報とから回線品質の劣化を予測する予測情報作成部である。
【0009】
また、図2において、7はインターネットやイントラネットなどのネットワーク、11は複数の無線基地局、12は一つの無線基地局に対して1つ以上接続される無線端局装置、14は無線基地局11と無線端局装置12とを接続する無線回線、8は1つ以上の無線基地局を収容しネットワーク7とを接続する中継装置、13は集線分配装置8と1つ以上の無線基地局11との接続する回線、9は複数の無線基地局11に対して帯域の制御を行う帯域制御部、10は降雨強度の分布や移動速度などの降雨情報と、無線基地局11と無線端局装置12との位置情報とから回線品質の劣化を予測する予測情報作成部である。
【0010】
以下に実施例を示す。
【0011】
[実施例1]
実施例1として、図3と図4を用いて本発明の実施形態(図1)について詳細に説明する。図3に示すように、アクセスポイント(AP)と、APに対向して無線通信を行うワイヤレスターミナル(WT)が3台あるものとする。本実施例では、APは図1における無線基地局2、帯域制御部3、及び予測情報作成部4に、またWTは図1における無線端局装置5に相当する。このAPと各WTの間の通信は、準ミリ波帯(10〜30GHz)以上の周波数を使用する等、降雨や降雪による減衰の影響を受ける無線回線となっている。
【0012】
この無線回線の通信方式には、複信方式としてTDD(Time Division Duplex)、多元接続方式としてTDMA(Time Division Multiple Access)を使用しているものとする。上下回線の伝送容量は簡単のため50%対50%と仮定する。簡略化したフレームフォーマットを図4(a)に示す。各WTは帯域要求スロット(RS)を使ってAPに対して帯域要求を行い、APはこの要求値を考慮してフレーム制御情報スロット(BS)を用いて各WTに対して割当帯域を報知する。WTはこの割当帯域(具体的にはスロット位置指定やデータ長等)に従い、上りフレームにてAPにアクセスする。AP以下のネットワークにおいて、無線伝送帯域に比べてトラフィックが少ない場合は、WTの要求帯域通りに割り当てることが可能であるが、無線伝送容量に比べてトラフィックが多い場合には、APは公平性を考慮した帯域割当を行う。以上が通常の状態である。
【0013】
次に、無線回線に障害を与える降雨が無線サービスエリアを横切る場合を考える。予測については多くの方法が提案されているが、例えば気象レーダデータを用いた画像処理の方法がある。これは、気象レーダの時系列画像を2次元周波数領域に変換し、周波数分布の密度の違いに応じて確率密度関数の分散値を変化させて、この関数に基づいて時間方向に周波数分布の変化を予測し、周波数画像を時間領域に逆変換する、というものである。このような方法によって、降雨時間帯・降雨強度分布を予測することができる。予測情報作成部ではこのような予測を行う。一方、高精度な降水量予測には、高精度な気象レーダデータが必要である。最近では250m×250mの空間分解能、1分間の時間分解能を有する気象レーダを用いて観測されたデータが公開されており、降雨予測には有用である。
【0014】
以上のような方法により、雨域の情報、つまり降雨強度の分布や移動速度や通過経路等の予測情報は知り得ており、これらの情報から通過する雨域が無線サービスエリアのうちAPとWT1との間の無線回線のみに障害をもたらし、その時間帯を予測できているものとする。
【0015】
次に図4を用いて回線制御の流れを時系列的に説明する。初期状態はWT1/WT2/WT3に対して公平な帯域割当を行っている。以降、帯域容量の説明を簡単にするため、初期状態における割当帯域を基準(単位:SU)として考える。図4(a)を例にとると、各回線の帯域は全て1SUとなる。
【0016】
APとWT1との間の無線回線が断となることが予測された場合、状態▲1▼として、雨域到来によるWT1回線断の前にWT1へ帯域(DS1,US1)を優先的に割り当てる(図4(b))。状態▲1▼においては、WT1への割当帯域は2SUであり、WT2とWT3への割当帯域は共に0.5SUである。次に、時間が経過し雨域が到来し回線断となる場合は、図4(c)のように、状態▲2▼としてそれまで非優先制御されていたUS2・DS2及びUS3・DS3に多くの帯域が割り当てられ、WT2とWT3に対して1.5SUの帯域割当とする。図4(d)は、さらに時間が経過して雨域が通過し、通常状態に復旧した状態▲3▼を示している。図4の例において、状態▲1▼/▲2▼/▲3▼の継続時間が同じであれば、WT1・WT2・WT3それぞれに対する割当帯域が平均で2SUとなり、帯域公平性が保たれることになる。
【0017】
[実施例2]
実施例2として、図5と図6を用いて本発明の実施形態(図2)について詳細に説明する。
【0018】
まず、図5では各装置の接続形態を説明している。ネットワークに接続された中継装置は、各無線サービスエリア(SA1〜SA3)のアクセスポイント(AP1〜AP3)と無線エントランス回線(WE1〜WE3)にて接続されている。この無線エントランス回線で用いている周波数は降雨による減衰がないものとし、通信方式にはTDD/TDMAを使用していると仮定する。各SAには1つ以上の無線端末装置が各SA内のAPと無線回線によって接続されているが、このSA内における無線通信で用いる周波数は準ミリ波帯以上の周波数を使用するなど、降雨や降雪による減衰を受けるものとする。中継装置は図2における中継装置8、帯域制御部9、及び予測情報作成部10に相当し、各APは図2における無線基地局に相当する。
【0019】
WEのTDD上下回線の伝送容量は簡単のため50%対50%と仮定し、簡略化したフレームフォーマットを図6(a)に示す。各APは帯域要求スロット(RS)を使って中継装置に対して帯域要求を行い、中継装置はこの要求値を考慮してフレーム制御情報スロット(BS)を用いて各APに対して割当帯域を報知する。APはこの割当帯域(具体的にはスロット位置指定やデータ長等)に従い、上りフレームにて中継装置にアクセスする。
【0020】
次に、得られた降雨情報により、1)SA1、2)SA2の順に各SA内の無線回線に障害を与える雨域が横切る場合を考える。図5に示すように、雨域の状態を4段階に分けて、▲1▼:SA1に雨域がかかる前、▲2▼:SA1に雨域がある状態、▲3▼:SA2に雨域がある状態、▲4▼:雨域がSA2を通過した後、と考える。また簡単のため、各状態の占有時間は同一であり、各状態間の遷移時間はゼロ、すなわち瞬時に変化するものとし、雨域による無線回線に対する影響は各SAで同一であるものとする。このような雨域遷移の対して行う帯域優先制御を図6を用いて時系列的に説明する。
【0021】
まず、雨域の到来予測情報から、WE1に対する帯域すなわちDS1とUS1に対して優先的に帯域を割り当てる(図6(b)、状態▲1▼)。次に、雨域がWE1に到来したため、SA1での無線回線は断となり、残る帯域をWE2とWE3で共用する。その際、雨域がSA2にも到来することが予測されているため、WE2に対する帯域すなわちDS2とUS2に重み付けて帯域を割り当てる(図6(c)、状態▲2▼)。次に、雨域がSA2に到来するため、SA1における無線回線は回復し、SA2における無線回線が断となる。従って、帯域をWE3とWE1で共用する(図6(d)、状態▲3▼)。そして最後に雨域がSA2も通過し、SA2における無線回線も復旧し、通常状態に戻る(図6(e)、状態▲4▼)。以上が回線制御の流れである。
【0022】
帯域割当の説明を簡単にするため、初期状態における割当帯域を基準(単位:SU)として考える。たとえば、図6(a)では、各回線の帯域は全て1SUとなる。状態▲1▼でDS1=US1:2SU、DS2=DS3=US2=US3:0.5SUとし、状態▲2▼でDS1=US1:0SU、DS2=US2:2.5SU、DS3=US3:0.5SUとし、状態▲3▼ではDS1=US1:1SU、DS2=US2:0SU、DS3=US3:2SUとすれば、帯域の公平性が保たれることになる。このアルゴリズムは一例であるが、雨域の遷移時間や降雨強度の変化を事前に予測できていれば、同様に優先制御を行うことが可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、降雨による回線品質の劣化を予測し事前に帯域優先制御を行うことにより、降雨断によって伝送できない情報を事前に伝送することが可能となり、帯域の不公平性を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回線帯域制御装置の概略を説明する図である。
【図2】回線帯域制御装置の概略を説明する図である。
【図3】一つの無線サービスエリアに雨域が通過する状態を説明する図である。
【図4】雨域通過における回線帯域制御装置の動作例を示す図である。
【図5】複数の無線サービスエリアに雨域が通過する状態を説明する図である。
【図6】複数の無線サービスエリアに雨域が通過する際の回線帯域制御装置の動作例を示す図である。
【符号の説明】
1、7 ネットワーク
2、11 無線基地局
3、9 帯域制御部
4、10 予測情報作成部
5、12 無線端局装置
6、13、14 無線回線
8 中継装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムにおいて、降雨による回線品質の劣化を予測し、品質劣化が予測された回線に対して回線品質劣化前に帯域を優先的に割り当てる制御を行う回線帯域制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムに収容されている回線の稼動率を向上させる、或いは回線の信頼性を高めるため、現用回線の伝送品質が劣化若しくは断となったときに、その回線の回線マージンを一時的に向上させる手法が考案されている。このような従来技術として、小牧、“可変容量マイクロ波方式に関する検討、”電子情報通信学会論文誌B−II,Vol.J73−B−II, No.10, pp.493−503, Oct.1990や松田、渡邊、“シンボルレートによる適応変調を適用した長距離化準ミリ波帯FWAシステム、”電子情報通信学会技術研究報告 信学技報、RCS2002, VOL.102, NO.281, Aug.2002が知られている。前者の方法は多値数を下げる、後者ではシンボルレートを下げることにより回線マージンの向上を図っている。
【0003】
しかしながら、一般的に無線周波数帯域の制限された無線通信システムにおいて、これらの手法を適用すれば、伝搬状況が悪い場合でも伝送が可能となる場合があるものの、伝送速度が低下してしまう。準ミリ波帯の無線通信システムでは、降雨減衰時に大きな減衰が発生するが、その際前記のように多値数やシンボルレートを下げることによりスループットが低下することになり、さらなる改善が望まれる。
【0004】
【非特許文献1】
小牧、“可変容量マイクロ波方式に関する検討、”電子情報通信学会論文誌B−II,Vol.J73−B−II, No.10, pp.493−503, Oct.1990
【非特許文献2】
松田、渡邊、“シンボルレートによる適応変調を適用した長距離化準ミリ波帯FWAシステム、”電子情報通信学会技術研究報告 信学技報、RCS2002, VOL.102, NO.281, Aug.2002
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の技術の上記問題点を改善するもので、その目的は回線劣化に伴うスループットの低下の影響を軽減することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、無線基地局と該無線基地局に無線回線により接続される複数の無線端局装置からなる無線通信システムにおける前記無線基地局と各無線端局装置の間の回線帯域を制御する回線帯域制御装置において、予め入手した降雨情報から予測された降雨強度の分布と移動速度と経路と、前記無線基地局と前記無線端局装置の位置情報から、前記無線基地局と前記無線端局装置の間の無線回線の伝送品質の劣化を予測する予測情報作成部と、該予測情報作成部によって作成された予測情報に基づき回線帯域を制御する帯域制御部を有し、該帯域制御部は、通常時は各無線回線に所定の優先度をもたせて通信させ、ある無線回線の回線品質が劣化すると予測される時は、当該無線回線に通常時よりも高い優先度をもたせて通信させ、当該無線回線の回線品質が劣化した時は、他の無線回線の通信を優先させ、さらに、当該無線回線の回線品質の劣化が回復した時は、前記通常時の優先度により通信を行わせる回線帯域制御装置にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて、本発明を詳細に説明する。図1は本発明の実施形態であり、回線切替制御装置の構成を示すブロック図である。
【0008】
図において、1はインターネットやイントラネットなどのネットワーク、2は無線基地局、5は無線基地局2と通信を行う一つ以上の無線端局装置、6は無線基地局2と無線端局装置5とを接続する無線回線、3は各無線端局装置に対して帯域の制御を行う帯域制御部、4は降雨強度の分布や移動速度や経路などの降雨情報と、無線基地局2と無線端局装置5との位置情報とから回線品質の劣化を予測する予測情報作成部である。
【0009】
また、図2において、7はインターネットやイントラネットなどのネットワーク、11は複数の無線基地局、12は一つの無線基地局に対して1つ以上接続される無線端局装置、14は無線基地局11と無線端局装置12とを接続する無線回線、8は1つ以上の無線基地局を収容しネットワーク7とを接続する中継装置、13は集線分配装置8と1つ以上の無線基地局11との接続する回線、9は複数の無線基地局11に対して帯域の制御を行う帯域制御部、10は降雨強度の分布や移動速度などの降雨情報と、無線基地局11と無線端局装置12との位置情報とから回線品質の劣化を予測する予測情報作成部である。
【0010】
以下に実施例を示す。
【0011】
[実施例1]
実施例1として、図3と図4を用いて本発明の実施形態(図1)について詳細に説明する。図3に示すように、アクセスポイント(AP)と、APに対向して無線通信を行うワイヤレスターミナル(WT)が3台あるものとする。本実施例では、APは図1における無線基地局2、帯域制御部3、及び予測情報作成部4に、またWTは図1における無線端局装置5に相当する。このAPと各WTの間の通信は、準ミリ波帯(10〜30GHz)以上の周波数を使用する等、降雨や降雪による減衰の影響を受ける無線回線となっている。
【0012】
この無線回線の通信方式には、複信方式としてTDD(Time Division Duplex)、多元接続方式としてTDMA(Time Division Multiple Access)を使用しているものとする。上下回線の伝送容量は簡単のため50%対50%と仮定する。簡略化したフレームフォーマットを図4(a)に示す。各WTは帯域要求スロット(RS)を使ってAPに対して帯域要求を行い、APはこの要求値を考慮してフレーム制御情報スロット(BS)を用いて各WTに対して割当帯域を報知する。WTはこの割当帯域(具体的にはスロット位置指定やデータ長等)に従い、上りフレームにてAPにアクセスする。AP以下のネットワークにおいて、無線伝送帯域に比べてトラフィックが少ない場合は、WTの要求帯域通りに割り当てることが可能であるが、無線伝送容量に比べてトラフィックが多い場合には、APは公平性を考慮した帯域割当を行う。以上が通常の状態である。
【0013】
次に、無線回線に障害を与える降雨が無線サービスエリアを横切る場合を考える。予測については多くの方法が提案されているが、例えば気象レーダデータを用いた画像処理の方法がある。これは、気象レーダの時系列画像を2次元周波数領域に変換し、周波数分布の密度の違いに応じて確率密度関数の分散値を変化させて、この関数に基づいて時間方向に周波数分布の変化を予測し、周波数画像を時間領域に逆変換する、というものである。このような方法によって、降雨時間帯・降雨強度分布を予測することができる。予測情報作成部ではこのような予測を行う。一方、高精度な降水量予測には、高精度な気象レーダデータが必要である。最近では250m×250mの空間分解能、1分間の時間分解能を有する気象レーダを用いて観測されたデータが公開されており、降雨予測には有用である。
【0014】
以上のような方法により、雨域の情報、つまり降雨強度の分布や移動速度や通過経路等の予測情報は知り得ており、これらの情報から通過する雨域が無線サービスエリアのうちAPとWT1との間の無線回線のみに障害をもたらし、その時間帯を予測できているものとする。
【0015】
次に図4を用いて回線制御の流れを時系列的に説明する。初期状態はWT1/WT2/WT3に対して公平な帯域割当を行っている。以降、帯域容量の説明を簡単にするため、初期状態における割当帯域を基準(単位:SU)として考える。図4(a)を例にとると、各回線の帯域は全て1SUとなる。
【0016】
APとWT1との間の無線回線が断となることが予測された場合、状態▲1▼として、雨域到来によるWT1回線断の前にWT1へ帯域(DS1,US1)を優先的に割り当てる(図4(b))。状態▲1▼においては、WT1への割当帯域は2SUであり、WT2とWT3への割当帯域は共に0.5SUである。次に、時間が経過し雨域が到来し回線断となる場合は、図4(c)のように、状態▲2▼としてそれまで非優先制御されていたUS2・DS2及びUS3・DS3に多くの帯域が割り当てられ、WT2とWT3に対して1.5SUの帯域割当とする。図4(d)は、さらに時間が経過して雨域が通過し、通常状態に復旧した状態▲3▼を示している。図4の例において、状態▲1▼/▲2▼/▲3▼の継続時間が同じであれば、WT1・WT2・WT3それぞれに対する割当帯域が平均で2SUとなり、帯域公平性が保たれることになる。
【0017】
[実施例2]
実施例2として、図5と図6を用いて本発明の実施形態(図2)について詳細に説明する。
【0018】
まず、図5では各装置の接続形態を説明している。ネットワークに接続された中継装置は、各無線サービスエリア(SA1〜SA3)のアクセスポイント(AP1〜AP3)と無線エントランス回線(WE1〜WE3)にて接続されている。この無線エントランス回線で用いている周波数は降雨による減衰がないものとし、通信方式にはTDD/TDMAを使用していると仮定する。各SAには1つ以上の無線端末装置が各SA内のAPと無線回線によって接続されているが、このSA内における無線通信で用いる周波数は準ミリ波帯以上の周波数を使用するなど、降雨や降雪による減衰を受けるものとする。中継装置は図2における中継装置8、帯域制御部9、及び予測情報作成部10に相当し、各APは図2における無線基地局に相当する。
【0019】
WEのTDD上下回線の伝送容量は簡単のため50%対50%と仮定し、簡略化したフレームフォーマットを図6(a)に示す。各APは帯域要求スロット(RS)を使って中継装置に対して帯域要求を行い、中継装置はこの要求値を考慮してフレーム制御情報スロット(BS)を用いて各APに対して割当帯域を報知する。APはこの割当帯域(具体的にはスロット位置指定やデータ長等)に従い、上りフレームにて中継装置にアクセスする。
【0020】
次に、得られた降雨情報により、1)SA1、2)SA2の順に各SA内の無線回線に障害を与える雨域が横切る場合を考える。図5に示すように、雨域の状態を4段階に分けて、▲1▼:SA1に雨域がかかる前、▲2▼:SA1に雨域がある状態、▲3▼:SA2に雨域がある状態、▲4▼:雨域がSA2を通過した後、と考える。また簡単のため、各状態の占有時間は同一であり、各状態間の遷移時間はゼロ、すなわち瞬時に変化するものとし、雨域による無線回線に対する影響は各SAで同一であるものとする。このような雨域遷移の対して行う帯域優先制御を図6を用いて時系列的に説明する。
【0021】
まず、雨域の到来予測情報から、WE1に対する帯域すなわちDS1とUS1に対して優先的に帯域を割り当てる(図6(b)、状態▲1▼)。次に、雨域がWE1に到来したため、SA1での無線回線は断となり、残る帯域をWE2とWE3で共用する。その際、雨域がSA2にも到来することが予測されているため、WE2に対する帯域すなわちDS2とUS2に重み付けて帯域を割り当てる(図6(c)、状態▲2▼)。次に、雨域がSA2に到来するため、SA1における無線回線は回復し、SA2における無線回線が断となる。従って、帯域をWE3とWE1で共用する(図6(d)、状態▲3▼)。そして最後に雨域がSA2も通過し、SA2における無線回線も復旧し、通常状態に戻る(図6(e)、状態▲4▼)。以上が回線制御の流れである。
【0022】
帯域割当の説明を簡単にするため、初期状態における割当帯域を基準(単位:SU)として考える。たとえば、図6(a)では、各回線の帯域は全て1SUとなる。状態▲1▼でDS1=US1:2SU、DS2=DS3=US2=US3:0.5SUとし、状態▲2▼でDS1=US1:0SU、DS2=US2:2.5SU、DS3=US3:0.5SUとし、状態▲3▼ではDS1=US1:1SU、DS2=US2:0SU、DS3=US3:2SUとすれば、帯域の公平性が保たれることになる。このアルゴリズムは一例であるが、雨域の遷移時間や降雨強度の変化を事前に予測できていれば、同様に優先制御を行うことが可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、降雨による回線品質の劣化を予測し事前に帯域優先制御を行うことにより、降雨断によって伝送できない情報を事前に伝送することが可能となり、帯域の不公平性を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回線帯域制御装置の概略を説明する図である。
【図2】回線帯域制御装置の概略を説明する図である。
【図3】一つの無線サービスエリアに雨域が通過する状態を説明する図である。
【図4】雨域通過における回線帯域制御装置の動作例を示す図である。
【図5】複数の無線サービスエリアに雨域が通過する状態を説明する図である。
【図6】複数の無線サービスエリアに雨域が通過する際の回線帯域制御装置の動作例を示す図である。
【符号の説明】
1、7 ネットワーク
2、11 無線基地局
3、9 帯域制御部
4、10 予測情報作成部
5、12 無線端局装置
6、13、14 無線回線
8 中継装置
Claims (3)
- 無線基地局と該無線基地局に無線回線により接続される複数の無線端局装置からなる無線通信システムにおける前記無線基地局と各無線端局装置の間の回線帯域を制御する回線帯域制御装置において、
予め入手した降雨情報から予測された降雨強度の分布と移動速度と経路と、前記無線基地局と前記無線端局装置の位置情報から、前記無線基地局と前記無線端局装置の間の無線回線の伝送品質の劣化を予測する予測情報作成部と、
該予測情報作成部によって作成された予測情報に基づき回線帯域を制御する帯域制御部を有し、
該帯域制御部は、
通常時は各無線回線に所定の優先度をもたせて通信させ、
ある無線回線の回線品質が劣化すると予測される時は、当該無線回線に通常時よりも高い優先度をもたせて通信させ、
当該無線回線の回線品質が劣化した時は、他の無線回線の通信を優先させ、
さらに、当該無線回線の回線品質の劣化が回復した時は、前記通常時の優先度により通信を行わせることを特徴とする回線帯域制御装置。 - 無線回線の回線品質が劣化したときは当該無線回線に帯域を割り当てない、請求項1記載の回線帯域制御装置。
- 前記優先度はTDMA通信方式におけるフレームのタイムスロットに対応する請求項1記載の回線帯域制御装置。
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