JP2004362274A - 遠隔保守システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シミュレータ14が設置された訓練サイト11と、シミュレータ14に関する質問事項への回答や訓練の支援情報を提供する保守サイト12とをネットワーク13を介して接続し、訓練サイト11ではシミュレータ14の保守のためのシステムデータおよびシミュレータ14の運転状況画像を常時記録し、シミュレータ14の動作結果についての質問事項を保守サイト12に送信する。保守サイト12では送信されてきた質問事項に回答するのに必要なシステムデータおよび運転状況画像を訓練サイト11から取得し、その取得したシステムデータおよび運転状況画像に基づいて回答を作成し訓練サイト11に提供する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラントシミュレータを用いたシステムやプラントの監視制御システムの遠隔保守や解析等を支援する遠隔保守システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、原子力発電プラントなどの発電プラントや化学プラントは、それぞれ遠隔地に設置されている場合が多く、また、その動作を監視制御するためのプラント監視制御装置や運転訓練をするためのシミュレータ装置も同様に遠隔地に設置されることが多い。そのため、ユーザーがこれらの装置の動作に疑問を持った場合や装置に不具合が発生した場合は、保守員が現地へ出張してその原因を究明して補修を行うと言うことが多い。
【0003】
プラントの運転訓練や事象の学習などのために使われるシミュレータを例に取ると、もし、そのシミュレータの動作結果に疑問点があった場合には、その動作概要を記述したメモなどを保守サイトに送付し、保守サイトではこれら送付資料を検討してシミュレータの動作状況の解釈を行い利用者に回答していた。
【0004】
この場合、シミュレータ動作に対する疑問を示した資料は断片的なものであるので、利用者からの情報を基に系統特性を検討したり、あるいは設計側の持っているシステムで再現してみたりして動作状況を把握していた。シミュレータの動作結果のレビューや問題点の解決などには、シミュレータの内部データを使うことが望ましいが、現状、保守に必要な内部データが十分に保存されているわけではない。この結果、詳細な内容については現地に保守員を派遣してシステムを修正することになり、事象の説明やモデルの調整が完了するまでに時間がかかった。
【0005】
また、シミュレータだけでなく、プラント制御装置やプラントそのものの動作結果について疑問を持った場合にも、それら対象となる機器のデータ、すなわち、プラント制御装置の内部データやプラント特性データを入手し、検討・解析することが必要となる。従って、人手を介してのデータの入手となり手間と時間がかかり有効ではなかった。
【0006】
これに対して、情報の収集などネットワークを介して作業をするコンピュータープログラムにエージェントを使用したものが開発されている。このエージェントは人間の作業を代行するソフトとして定義され、ネットワーク間で移動してネットワークの離れたコンピューターにも移動して移動先のコンピューターで作業して戻って来ると言うものである。例えば、ネットワーク上を移動する移動プログラムであるモバイルエージェントを発行して変電所間を巡回して監視データを収集するプラント監視制御システムである(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−32122号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開2002−32122号公報のものでは、モバイルエージェントを発行して変電所間を巡回し監視データを収集できるが、無人の変電所を対象としていることから、プラントの動作結果に対する質問の送信やその質問に対する回答を返信するための機能は付加されていない。
【0009】
本発明の目的は、動作結果に対する質問の回答に必要な保守用データの入手を迅速に行え、保守用データを有効に活用して質問に対する回答や支援情報を効果的に提供できる遠隔保守システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の遠隔保守システムは、プラントの運転訓練を行うためのシミュレータが設置された訓練サイトと、シミュレータに関する質問事項への回答や訓練の支援情報を提供する保守サイトとをネットワークを介して接続し、訓練サイトでは、シミュレータの保守のためのシステムデータおよびシミュレータの運転状況画像を常時記録し、シミュレータの動作結果についての質問事項を保守サイトに送信する。保守サイトでは、訓練サイトより送信されてきた質問事項に回答するのに必要なシステムデータおよび運転状況画像を訓練サイトから取得し、その取得したシステムデータおよび運転状況画像に基づいて回答を作成し訓練サイトに提供する。
【0011】
また、プラントの制御を行うためのプラント制御装置が設置された現地サイトと、プラント制御装置に関する質問事項への回答や支援情報を提供する保守サイトとをネットワークを介して接続し、現地サイトでは、プラント制御装置の保守のためのシステムデータを常時記録し、プラント制御装置の動作結果についての質問事項を保守サイトに送信する。保守サイトでは、現地サイトより送信されてきた質問事項に回答するのに必要なシステムデータを現地サイトから取得し、その取得したシステムデータに基づいて回答を作成し現地サイトに提供する。
【0012】
さらに、プラントの監視を行うためのプラント監視装置が設置された現地サイトと、プラントの特性に関する予測要求への回答や運転の支援情報を提供する保守サイトとをネットワークで接続し、現地サイトでは、プラントの特性データを常時記録し、プラントの特性についての予測要求を保守サイトに送信する。保守サイトでは、現地サイトより送信されてきた予測要求に回答するのに必要なプラント特性データを取得し、その取得したプラント特性データに基づいてプラント特性の予測結果を作成し現地サイトに提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る遠隔保守システムのブロック構成図である。この第1の実施の形態は、クライアントである訓練サイトにプラントの運転訓練を行うためのシミュレータを設置したものである。
【0014】
クライアントである訓練サイト11とサーバーである保守サイト12とはネットワーク13を介して接続されている。訓練サイト11にはプラントの運転訓練を行うためのシミュレータ14およびシミュレータ14の運転状態を記録するカメラ15が設置され、シミュレータの保守のためのシステムデータおよびシミュレータの運転状況画像を常時記録している。また、訓練サイト11にはコメント生成エージェント16が設けられており、このコメント生成エージェント16によりシミュレータ14の動作結果についての質問事項をコメントとして保守サイト12に送信する。
【0015】
保守サイト12では、訓練サイトより送信されてきた質問事項をコメント受理エージェント17で受信し、その質問事項に回答するのに必要なシステムデータをシステムデータ収集エージェント18で訓練サイト11から収集すると共に、その際の運転状況画像を運転データ収集エージェント19で訓練サイト11から収集する。そして、コメント判定エージェント20は、収集したシステムデータおよび運転状況画像に基づいて回答を作成し、コメント回答エージェント21はネットワーク13を介してコメントについての回答22を提供すると共に、必要に応じて保守作業内容23を訓練サイト11に提供する。コメント判定エージェント20は回答の作成にあたり、質問事項のコメントに対する判定ロジック24、基準データ25、過去の保守データ26、模擬範囲・仕様27を参照する。
【0016】
すなわち、クライアントである訓練サイト11側に、シミュレータ14の内部データを記録するデータの記録機能と、シミュレータ14の運転状態を記録するカメラ15とを設け、これらはシミュレータ14の動作中にはデータを常時記録している。データの記録機能ではシミュレータ14の操作・表示信号やモデルの内部信号を記録する。また、シミュレータ14の動作結果についてのコメントがあるときには、そのコメントをコメント生成エージェント16によりコメント票として入力して作成し、これをサーバーである保守サイト12に送信する。
【0017】
保守サイト12では、このコメント受理をコメント受理エージェント17によって行う。コメント受理エージェント17はクライアントからコメントが入力されることによって起動され、システムデータ収集エージェント18および運転データ収集エージェント19を起動する。
【0018】
まず、コメント受理エージェント17は、コメント票からコメントの対象領域疑問点の発生した時刻等を入力してシステムデータ収集エージェント18および運転データ収集エージェント19に信号を渡す。システムデータ収集エージェント18はネットワークを介してクライアント側に移動しシミュレータ14のデータのログ(記録)の中で対象とする領域および時刻のものを検索する。そして対象とするデータを持ってサーバーである保守サイトに戻って来る。同様に、運転データ収集エージェント19もクライアント側に移動し対象領域で対象時刻の運転操作状況の画像を検索して該当するデータを持ってサーバーである保守サイト12に帰ってくる。
【0019】
これら収集したシステムデータは、コメント判定エージェント20によりコメントに対する判定ロジック24を用いてコメントの内容にスクリーニングをかけられる。コメント判定エージェント20でのコメントに対する判定は例えば以下のように行われる。
【0020】
図2はコメント判定エージェント20でのコメントに対する判定の処理内容を示すフローチャートである。まず、ユーザーの質問事項および保守データを受け取る(S1)。質問事項はコメント票に入力されたコメント項目であり、保守データはシステムデータ収集エージェント18や運転データ収集エージェント19で入手した、例えば、トレンドグラフ、操作信号、初期値、画面の画像、ANN、計器の指示値等である。
【0021】
質問事項や保守データを入力すると、まずコメント票のデータから質問が第1回目かどうか判断し(S2)、2回目以降である場合にはコメント票に文書で書かれた内容を含めて2回以上の質問であることを表示する(S3)。一方、質問がその事象について第1回目であるときには、収集したプラントデータがシミュレータ14の設計仕様の範囲か否かを判断する(S4)。仕様の範囲外である場合には、模擬範囲データベースから模擬範囲の拡張の可能性についてのデータをピックアップし(S5)、ユーザー(訓練サイト側)へ回答する(S6)。
【0022】
次に、ステップS4の判定で仕様の範囲内と判断された場合には、シミュレータの設計の精度の範囲か否かを判断する(S7)。シミュレータ精度の基準内であれば、ユーザーと製作者間での事象の解釈の違いと判断し、事象解説データベースより事象の説明内容と基準データとを入力し(S8)、この内容をユーザーへ回答する(S6)。一方、ステップS7の判定で、シミュレータの設計の精度の基準外であれば、これは人間系で処理することになるため「本システムの範囲外となる」ことのメッセージを出力する(S9)。
【0023】
いま、シミュレータの事象模擬において、原子炉水位の応答に疑問が生じた場合について説明する。図3はコメント作成エージェントで作成されるコメント票の説明図である。図3では、作業要求仕様がシミュレータの変動量の過大・過小についてのコメントである場合を示している。
【0024】
図3に示すように、穴埋め形式の画面から質問の内容を設定する。すなわち、詳細な内容をフォーマットの画面に対して必要事項を穴埋めし、コメント票を作成して保守サイトに送信する。保守サイトでは、システムデータ収集エージェント18および運転データ収集エージェントを起動し、この状態のシミュレーションデータを保守データとして収集すると共に、さらに、疑問発生の根拠となった運転操作状況画面などの映像も保守データとして収集する。
【0025】
保守サイトでは、コメント判定エージェント20により、これら保守データの中の作業要求仕様に従って、判定ロジックにて模擬範囲内か否かを判断する。模擬範囲内か否かの判定は、以下に述べる判定ロジックで判断する。
【0026】
<判定ロジック>
[1]使用の範囲の判定ロジック
(1)燃料表面温度>1200℃
仕様の範囲外であり、燃料温度モデルの拡張および苛酷事故用のモデルが必要。
【0027】
(2)再循環流量の設定>150%、かつ原子炉出力>150%
仕様の範囲外であり、通常運転の範囲外である。
【0028】
(3)炉水温度<20℃
仕様の範囲外であり、通常運転の範囲外である。
【0029】
(4)格納容器水素濃度>AA%
仕様の範囲外であり、燃料温度モデルの拡張および苛酷事故用のモデルが必要。
【0030】
[2]精度の判定ロジック
(1)基本事象(スクラム、MSIV開、LOCAなど)かつ(原子炉水位の基準データの平均誤差>xx%または最大・最小値など特性値との差>yy%)
精度の基準外である。
【0031】
[3]パラメータで調整できる範囲かどうかの判定ロジック
(1)基準定常状態(起動前、25%出力、50%出力、100%出力など)であり、かつ中性子検出器の読みの基準値との差>zz%
パラメータ(検出器ゲインまたは核定数)を調整する。
【0032】
図4は、異常事象により原子炉が停止し冷却水が注入されなくなった場合のシミュレータの模擬動作の特性図である。図4に示すように、異常事象により原子炉が停止し冷却水が注入されなくなった場合には、崩壊熱により燃料温度が上昇していく。このとき、シミュレーションモデルは事象の模擬範囲に対して設計するのが普通であり、燃料が破損する燃料温度1200℃以上については模擬範囲外としている。従って、判定ロジックでは、「燃料表面温度>1200℃」が選択され「仕様の範囲外であり、燃料温度モデルの拡張および苛酷事故モデルが必要」というメッセージを選択し、これを回答することになる。
【0033】
次に、シミュレータの設計の精度について説明する。図5は原子炉の給水喪失が発生しMSIVが閉鎖した場合のシミュレータの模擬動作の特性図である。シミュレータの設計の精度については、図5に示すように、基準データ(基準信号)からの偏差を計算し、判定ロジック[2]によって精度を判定する。基準データからの偏差の基準xxあるいは偏差の基準yyは予めシミュレーションなどにより決めておく。この偏差がその基準内であるときは精度の範囲内であり、シミュレータの応答に不具合はなく事象の解釈の違いと判断する。その場合には、事象説明データベースから全給水喪失に関する内容をピックアップしてユーザーに回答する。図6は、事象解説データベースに格納された全給水喪失に関する内容の説明図である。
【0034】
すなわち、図5に示すような原子炉水位の特性について、「(全給水喪失だから)給水が停止しているのになぜ水位が上昇するのか」という意味の質問であるため、図6に示すような「(精度に問題は有りません。) 主蒸気隔離弁(MSIV)が閉じているため原子炉圧力容器から流出する蒸気はなく、崩壊熱により炉水が加熱され膨張するため、原子炉水位が上昇します」といった回答になる。
【0035】
このように、コメントの内容についての判定ができたならばコメント回答エージェント21により回答文書を作成し、その回答をクライアントである訓練サイト11に送付する。このとき、回答内容としては異常事象のシステムデータ、運転データ、回答の判断基準となった基準データや過去の保守データ、および模擬範囲のデータが添付される。
【0036】
次に、エージェントによる処理の実現方法について説明する。エージェントによる処理の実現方法の一例としては、信学論(D−I), Vol. J82−D−I, No. 9, pp. 1165−1180, 1999、「Bee−gent:移動型仲介エージェントによる既存システムの柔軟な活用を目的としたマルチエージェントフレームワーク」に記載されているBee−gentによって実現できる。図7はエージェントの構成の説明図である。図7に示すように、Bee−gentフレームワークは、既存アプリケーション28をエージェント化するエージェントラッパー(Agent Wrapper)29と、アプリケーション間の連携手続きを組み込む仲介エージェント(Mediation Agent)30とで構成されている。エージェント化したアプリケーションはアプリケーションエージェントと呼べるがここでは以下の説明では単にエージェントと省略する場合もある。
【0037】
仲介エージェント30は、アプリケーションの存在する場所に移動してエージェントラッパー29と対話しながら連携手続きを実現する。エージェントラッパー29はアプリケーションの状態を管理し、必要に応じてアプリケーション処理を起動することによって、仲介エージェント30からの要求に応える。
【0038】
図8はエージェントによるデータ収集の一例の説明図である。ユーザの起動によりコメント生成エージェント16のアプリケーションにコメントが入力されエージェントがコメント票を持ってコメント受理エージェント17にコメント対応のメッセージを送る。コメント受理エージェント17はデータ収集依頼を仲介エージェント30に託してシステムデータ収集エージェント18に送る。システムデータ収集エージェント18はデータの検索依頼をデータ検索エージェント31に送りシミュレータ14のデータを検索してコメントに関連したデータを検索してシステムデータ収集エージェント18に検索データを返す。検索データを受け取ったシステムデータ収集エージェント18はコメント判定エージェント20に仲介エージェント30を介して判定の依頼とこのデータを送る。
【0039】
図8では、運転データ収集エージェント19の記載を省略しているが、運転データ収集エージェント19もシステムデータ収集エージェント18でのデータ検索の場合と同様に、データ検索エージェント31に対してデータの検索依頼を行い訓練サイト11からデータを検索する。
【0040】
第1の実施の形態によれば、訓練サイトではシミュレータの動作結果に対する質問を送信でき、保守サイトではその質問に対する回答に必要なデータを収集しその回答を返信するので、シミュレータの動作結果に対する質問の回答を的確にしかも迅速に行うことができる。
【0041】
次に、発明の第2の実施の形態を説明する。図9は本発明の第2の実施の形態に係わる遠隔保守システムのブロック構成図である。この第2の実施の形態は、クライアントである現地サイトに設置されたプラントを制御するプラント制御装置に関する質問事項への回答や支援情報を保守サイトから提供するようにしたものである。図1に示した第1の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0042】
現地サイト32にはプラント33を制御するプラント制御装置34が設置されており、プラント制御装置34は常時プラント制御装置の内部データを記録しログを取るデータの記録機能を有している。クライアントである現地サイト32側では動作結果についてのコメント票をコメント生成エージェント16で作成し、サーバーである保守サイト12に送る。サーバーである保守サイト12ではコメント受理エージェント17がシステムデータ収集エージェント18にコメント内容を送る。システムデータ収集エージェント18はネットワーク13を介してプラント制御装置34の内部データの記録を検索して対応する部分を取り出しサーバー側に持ってくる。
【0043】
そして、コメント判定エージェント20により予め準備された基準データ25、仕様情報35などを基に判定ロジック24で比較判定して回答を作成し、判定された内容をコメント回答エージェント21によりクライアントに送ることになる。コメント内容を判断して保守作業が必要な場合には保修データを送信するなどして人間が保守作業に移ることになる。
【0044】
第2の実施の形態によれば、プラント33の制御を行うためのプラント制御装置34が設置された現地サイト32と、プラント制御装置34に関する質問事項への回答や支援情報を提供する保守サイト12とをネットワーク13で接続し、現地サイト32は、プラント制御装置34の保守のためのシステムデータを常時記録し、プラント制御装置の動作結果についての質問事項を保守サイトに送信する。保守サイト12は、現地サイト32より送信されてきた質問事項に回答するのに必要なシステムデータを現地サイトから取得し、その取得したシステムデータに基づいて回答を作成し現地サイトに提供する。従って、プラント制御装置の動作結果についても遠隔保守が可能となる。
【0045】
次に、発明の第3の実施の形態を説明する。図10は本発明の第3の実施の形態に係わる遠隔保守システムのブロック構成図である。この第3の実施の形態は、クライアントである現地サイトのプラント特性に関する予測要求への回答や運転の支援情報を保守サイトから提供するようにしたものである。図1に示した第1の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0046】
現地サイト32にはプラント33を監視するプラント監視装置36が設置されており、プラント監視装置36は常時プラント監視装置36で収集したプラント特性データを記録しログを取るデータの記録機能を有している。
【0047】
クライアントである現地サイトからプラント特性についての予測要求を行う場合には、予測条件票をネットワーク13を介してサーバーである保守サイト12に送信する。保守サイト12ではこれをコメント受理エージェント17で受け取り、コメント受理エージェント17はシステムデータ収集エージェント18を起動する。システムデータ収集エージェント18はネットワーク13を介してクライアント側に移りコメントの対象となるプラント特性データを検索し保守サイト12に持ち帰り運転予測エージェント37に渡す。
【0048】
運転予測エージェント37は過去のプラント特性のシミュレーションデータ38に基づいてプラントモデルにより目的とする時点のプラント状態を予測する。そして、コメント判定エージェント20は予測結果に対する判定ロジック39に基づいて予測結果が物理的に正しいかなど精度を判定し、その判定結果をコメント回答エージェント21に渡し、コメント回答エージェント21は予測計算要求に対する回答を現地サイト32に送信する。このときの精度についての判定は、計算結果の正・負など定性的に正しいかどうかの程度で判定する。
【0049】
第3の実施の形態によれば、プラントの監視を行うためのプラント監視装置36が設置された現地サイト32と、プラントの特性に関する予測要求への回答や運転の支援情報を提供する保守サイト12とをネットワーク13で接続し、現地サイト32では、プラントの特性データを常時記録し、プラントの特性についての予測要求を保守サイトに送信し、保守サイト12では、現地サイト32より送信されてきた予測要求に回答するのに必要なプラント特性データを取得し、その取得したプラント特性データに基づいてプラント特性の予測結果を作成し現地サイト32に提供する。従って、プラント状態の予測にも適用できる。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ネットワークを利用することで保守員が現地まで行く必要がなく、またエージェントが移動してデータを持ち帰るため、保守員やユーザーに保守のためのデータ収集作業を依頼することがなくなり、必要な情報を人間の手を煩わせること無く入手できる。従って、効率的により正確な判断ができるようになり、迅速かつ低コストな保守あるいは計算サービスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る遠隔保守システムのブロック構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるコメント判定エージェントでのコメントに対する判定の処理内容を示すフローチャート。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるコメント作成エージェントで作成されるコメント票の説明図。
【図4】本発明の第1の実施の形態での異常事象により原子炉が停止し冷却水が注入されなくなった場合のシミュレータの模擬動作の特性図。
【図5】本発明の第1の実施の形態での原子炉の給水喪失が発生しMSIVが閉鎖した場合のシミュレータの模擬動作の特性図。
【図6】本発明の第1の実施の形態における事象解説データベースに格納された全給水喪失に関する内容の説明図。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるエージェントの構成の説明図。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるエージェントによるデータ収集の一例の説明図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係わる遠隔保守システムのブロック構成図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係わる遠隔保守システムのブロック構成図。
【符号の説明】
11…訓練サイト、12…保守サイト、13…ネットワーク、14…シミュレータ、15…カメラ、16…コメント生成エージェント、17…コメント受理エージェント、18…システムデータ収集エージェント、19…運転データ収集エージェント、20…コメント判定エージェント、21…コメント回答エージェント、22…コメントについての回答、23…保守作業内容、24…コメントに対する判定ロジック、25…基準データ、26…過去の保守データ、27…模擬範囲・仕様、28…既存アプリケーション、29…エージェントラッパー、30…仲介エージェント、31…データ検索エージェント、32…現地サイト、33…プラント、34…プラント制御装置、35…仕様情報、36…プラント監視装置、37…運転予測エージェント、38…過去のプラントの特性シミュレーションデータ、39…予測結果に対する判定ロジック
Claims (8)
- プラントの運転訓練を行うためのシミュレータが設置された訓練サイトと、前記訓練サイトとネットワークを介して接続され前記シミュレータに関する質問事項への回答や訓練の支援情報を提供する保守サイトとを備え、前記訓練サイトは、前記シミュレータの保守のためのシステムデータおよび前記シミュレータの運転状況画像を常時記録する機能を有すると共に前記シミュレータの動作結果についての質問事項を前記保守サイトに送信する機能を有し、前記保守サイトは、前記訓練サイトより送信されてきた前記質問事項に回答するのに必要な前記システムデータおよび前記運転状況画像を前記訓練サイトから取得しその取得した前記システムデータおよび前記運転状況画像に基づいて回答を作成し前記訓練サイトに提供することを特徴とする遠隔保守システム。
- 前記システムデータは、前記シミュレータの内部データ、表示データおよび操作データであることを特徴とする請求項1記載の遠隔保守システム。
- 前記保守サイトは、前記システムデータや前記運転状況画像をエージェントによって取得することを特徴とする請求項1記載の遠隔保守システム。
- 前記保守サイトは、前記質問事項、前記システムデータおよび前記運転状況画像に基づいて、前記シミュレータが仕様の範囲内であるか否かを判定し、仕様の範囲内でないときは前記シミュレータの保修が必要と判断する請求項1記載の遠隔保守システム。
- プラントの制御を行うためのプラント制御装置が設置された現地サイトと、前記現地サイトとネットワークを介して接続され前記プラント制御装置に関する質問事項への回答や支援情報を提供する保守サイトとを備え、前記現地サイトは、前記プラント制御装置の保守のためのシステムデータを常時記録する機能を有すると共に前記プラント制御装置の動作結果についての質問事項を前記保守サイトに送信する機能を有し、前記保守サイトは、前記現地サイトより送信されてきた前記質問事項に回答するのに必要な前記システムデータを前記現地サイトから取得しその取得した前記システムデータに基づいて回答を作成し前記現地サイトに提供することを特徴とする遠隔保守システム。
- 前記保守サイトは、前記システムデータをエージェントによって取得することを特徴とする請求項5記載の遠隔保守システム。
- プラントの監視を行うためのプラント監視装置が設置された現地サイトと、前記現地サイトとネットワークを介して接続され前記現地サイトのプラント特性に関する予測要求への回答や運転の支援情報を提供する保守サイトとを備え、前記現地サイトは、前記プラントの特性データを常時記録する機能を有すると共に前記プラントの特性についての予測要求を前記保守サイトに送信する機能を有し、前記保守サイトは、前記現地サイトより送信されてきた前記予測要求に回答するのに必要な前記プラント特性データを前記現地サイトから取得しその取得した前記プラント特性データに基づいてプラント特性の予測結果を作成し前記現地サイトに提供することを特徴とする遠隔保守システム。
- 前記保守サイトは、前記プラント特性データをエージェントによって取得することを特徴とする請求項7記載の遠隔保守システム。
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