JP2004358972A - 実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料の感熱性要素中での使用のための結合剤 - Google Patents

実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料の感熱性要素中での使用のための結合剤 Download PDF

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Abstract

【課題】許容可能な色調を示し、還元剤、調色剤および像形成工程の生成物による目視できる沈澱が生じない非感光性モノシートサーモグラフィー記録材料の提供。
【解決手段】支持体の一面上に含まれる感熱性要素が1種以上の非感光性のカルボン酸銀塩、1種以上の還元剤および1種以上の結合剤を含み、該結合剤がビニルアセト−アセタール単量体、ビニルアルコール、酢酸ビニルおよびイタコン酸単量体よりなる群から選択される単量体よりなる1種以上の第一重合体を含み、結合剤と非感光性のカルボン酸銀塩との重量比が1.6より大きく、結合剤が場合によりビニルブチラール単量体、ビニルアルコールおよび/または酢酸ビニル単量体よりなる第二重合体を40重量%より少なく含有するサーモグラフィー記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料の感熱性要素中での使用のための結合剤に関する。
サーモグラフィーは加熱段階を含む像形成方法であり、従ってフォトサーモグラフィーを包含し、そこでは像形成方法が像通りの露出工程と直接的熱工程とを含み、そこでは像形成方法が像通りの加熱段階を含む。直接的熱印刷では、記録材料の像通りの加熱により可視像パターンが形成される。
特許文献1は少なくとも1つの要素を含んでなるサーモグラフィー材料であって、そしてここで該1つもしくは複数の要素が内部に実質的に非感光性有機重金属塩およびそのための有機還元剤を含んでなり、該材料が該有機重金属塩および還元剤から像を熱的に形成することが可能であり、ここで該材料が一般式(I):
Figure 2004358972
[式中、Rは水素、−CHOH、−(C=O)−R、−CONHR、またはMを表し、R、R、RおよびRは各々独立して水素、−O−(C=O)−ORまたは−NH−(C=O)−ORを表し且つRも水素である場合にはそれらの少なくとも1つは水素でなく、Rはいずれも置換されていてもよいアルキルまたはアリール基を表し、そしてMは1価重金属イオンを表す]
を有する1,3−ベンゾキサジン−2,4−ジオン調色剤を含有する材料を開示している。特許文献1はさらに、実質的に非感光性の有機重金属塩を含有する記録材料の膜形成性結合剤は有機重金属塩を均一に分散させうる全ての種類の天然、改質された天然もしくは合成樹脂またはそのような樹脂の混合物、例えばセルロース誘導体、例えばエチルセルロース、セルロースエステル類、例えば硝酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉エーテル類、ガラクトマンナン、α,β−エチレン系不飽和化合物から誘導される重合体、例えばポリ塩化ビニル、後塩素化されたポリ塩化ビニル、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンの共重合体、塩化ビニルおよび酢酸ビニルの共重合体、ポリ酢酸ビニルおよび部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、繰り返しビニルアルコール単位の一部だけがアルデヒドと反応していてもよい出発物質としてのポリビニルアルコールから製造されるポリビニルアセタール類、好ましくはポリビニルブチラール、アクリロニトリルおよびアクリルアミドの共重合体、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリスチレン並びにポリエチレン、またはそれらの混合物、でありうることも開示している。特許文献1はまた、セルロース誘導体、例えばエチルセルロース、メチルセルロース、硝酸セルロース、酢酸蟻酸セルロース、酢酸フタル酸水素セルロース、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸ペンタン酸セルロース、酢酸安息香酸セルロース、三酢酸セルロース;ビニル−タイプ樹脂および誘導体、例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、コポリビニルブチラール−ビニルアセタール−ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセトアセタール、ポリアクリルアミド;アクリレート類およびアクリレート誘導体から誘導される重合体および共重合体、例えばポリメタクリル酸メチルおよびスチレン−アクリレート共重合体;ポリエステル樹脂;ポリカーボネート類;コポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル);ポリスルホン類;ポリフェニレンオキシド;有機シリコーン類、例えばポリシロキサン類;エポキシ樹脂並びに天然樹脂、例えばアラビアゴム、を包含する還元剤転写印刷で使用される非有機銀塩含有供与体層中での使用に適する結合剤にも言及している。好ましくは、この発明の供与体層のための結合剤はポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)またはポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)およびトルエンスルホンアミド縮合生成物の混合物を含んでなる。
特許文献2は、実質的に非感光性の有機銀塩、それと熱操作関係にあるそのための有機還元剤および結合剤を含んでなる感熱性要素を支持体上に含んでなる実質的に非感光性の記録材料であって、ここで該感熱性要素が該実質的に非感光性の有機銀塩および該有機還元剤と反応性関係で水素原子を有する少なくとも1個の窒素原子を有し且つ炭素原子がチオン基の一部でない置換されたもしくは未置換の1,2,4−トリアゾール化合物をさらに含んでなり、該化合物が芳香族環系に縮合されていないことを特徴とする記録材料を開示している。特許文献2はさらに、感熱性要素用の適する結合剤は有機重金属塩を均一に分散させうる全ての種類の天然、改質された天然もしくは合成樹脂またはそのような樹脂の混合物、例えばセルロース誘導体、例えばエチルセルロース、セルロースエステル類、例えば硝酸セルロース、カロボキシメチルセルロース、澱粉エーテル類、ガラクトマンナン、α,β−エチレン系不飽和化合物から誘導される重合体、例えばポリ塩化ビニル、後塩素化されたポリ塩化ビニル、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンの共重合体、塩化ビニルおよび酢酸ビニルの共重合体、ポリ酢酸ビニルおよび部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、繰り返しビニルアルコール単位の一部だけがアルデヒドと反応していてもよい出発物質としてのポリビニルアルコールから製造されるポリビニルアセタール類、好ましくはポリビニルブチラール、アクリロニトリルおよびアクリルアミドの共重合体、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリスチレン並びにポリエチレン、またはそれらの混合物、でありうることも開示している。
特許文献3は、有機銀、感光性ハロゲン化銀、現像剤、および結合剤樹脂を少なくともベース材料上に含有する熱現像敏感性材料であって、該結合剤樹脂がポリビニルアセトアセタール樹脂を[全ての]結合剤樹脂の70重量%もしくはそれ以上の量で含有しており、該ポリビニルアセトアセタール樹脂が50モル%より大きいアセタール化度により特徴づけられる材料を開示している。さらに、特許文献3は下記の樹脂:セキスイ・ケミカル(Sekisui Chemical)からのポリビニルアセトアセタール類であるタイプKS−10、KS−1およびKS−5Z;アセトアセタール/ヒドロキシル−基/アセチル基=88.3モル/10.2モル/1.5モル樹脂;アセトアセタール/ブチラール/ヒドロキシル−基/アセチル基=68.5モル/22.8モル/8.3モル/0.4モル樹脂;デンキ・カガク・コウギョウ(DENKI KAGAKU KOGYO)K.K.からのアセトアルデヒドおよびブチルアルデヒドによりアセタール化されたポリビニルアルコールであるタイプ・デンカ(DENKA)ブチラール#3000K;およびソルチア(SOLUTIA)からのブトバル(Butvar)B−79を開示しており、且つポリビニルアセトアセタール樹脂をコーティング下層またはバック−コート層用にも使用できることも開示している。
特許文献4は、脂肪族カルボン酸銀粒子および感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン用の還元剤、結合剤並びに架橋結合剤を含んでなる感光層を上部に有する支持体を含んでなる銀塩フォトサーモグラフィー乾燥像形成材料であって、ここでフォトサーモグラフィー材料が1.0〜1.7g/mの銀被覆率を有し、感光性ハロゲン化銀粒子が0.03〜0.05μmの平均粒子寸法および30%より大きくない粒子寸法分散度を有し、乾燥像形成材料を100〜200℃の温度において5〜50秒間にわたりフォトサーモグラフィー処理にかけた後に感光層が46〜200℃の熱転移温度を示すような材料を開示している。この発明の銀塩フォトサーモグラフィー乾燥像形成材料では、例えば脂肪族カルボン酸銀類、感光性ハロゲン化銀粒子および還元剤を支持体上に含む感光層に加えられる結合剤として、当業界で既知の高分子重合体を使用することができる。高分子重合体は70〜105℃のTgを有する。それらの例は、構成単位としてエチレン系不飽和単量体、例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセト−アセタールおよびビニルエーテル、を含有する重合体または共重合体;ポリウレタン樹脂並びに種々の種類のゴム樹脂を包含する。特許文献4の発明に従う高分子重合体の構造は表1に示されておりそしてブチラールおよびアセト−アセタール基を有する下記の重合体を包含する:
Figure 2004358972
銀塩フォトサーモグラフィー乾燥像形成材料の感光層中での重合体P−2およびP−5の使用が例示されている。
特許文献5および特許文献6に対応する特許文献7は、ポリビニルアルコールおよびアルデヒドの間のアセタール化反応により合成されるポリビニルアセタール樹脂であり且つ1個のアセタール基を2個のアセタール化されたヒドロキシル基とみなして計算した200〜3,000の重合度、0〜25モル%の残存アセチル基含有量および17〜35モル%の残存ヒドロキシル含有量、2.5重量%より多くない水含有量並びに10ppmより多くない残存アルデヒド含有量を有し、そして酸化防止剤を含まない、好ましくは55〜110℃のガラス転移温度を有する熱現像可能な感光材料を開示している。それぞれ80、70、76、103および93℃のガラス転移温度を有するビニルアルコール、ビニルアセタールおよびビニルブチラール単量体単位を含有しそして表2に示された組成を有する樹脂が特許文献7の実施例4、5、6および8に開示されている。
Figure 2004358972
特許文献8は、感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、結合剤、および銀イオン用の還元剤を含んでなる感光層を上部に有する支持体を含んでなるフォトサーモグラフィー像形成材料であって、ここで還元剤が下記式(S):
Figure 2004358972
[式中、Zは3〜10員の非芳香族環を形成するのに必要な原子の基であり、Rは水素またはアルキル基であり、それぞれのRo’およびRo’’は独立して水素、アルキル基、または複素環式基であり、Qは置換基であり、そしてそれぞれのnおよびmは独立して0〜2の整数であり、そして複数のQo’は同一もしくは相異なりうる]
により表される材料を開示している。特許文献8はさらに、その発明で好ましく使用される下記の重合体を開示している:
Figure 2004358972
特許文献9は、有機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子および還元剤を含有する現像形成層並びに表面保護層を支持体の一面に少なくとも有する支持体を含んでなるフォトサーモグラフィー材料であって、ここで像形成層の表面上の元素組成が9より大きくない炭素元素数対酸素元素数の比を示し、そしてここで元素組成がX線光電子顕微鏡により得られるような材料を開示している。像形成層中での使用のために開示されている結合剤の実例は、ポリビニルアセタール類(例えばポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール)を包含する。これらの結合剤の中で、ビニルアセタール類、例えばポリビニルブチラールおよびポリビニルアセタール、並びにセルロースエステル類、例えば酢酸セルロースおよび酢酸−酪酸セルロール、が好ましく、それらは単独でまたは組み合わせて使用されうる。さらに、2種のアルデヒド類から得られる混合アセタール類、例えばポリビニルアセトブチラール、も特許文献9によると好ましい。しかしながら、そのような混合アセタール類はそこには例示されていない。
特許文献10は、支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤および結合剤を含んでなるフォトサーモグラフィー材料であって、ここでフォトサーモグラフィー材料が式(1)または(2):
Figure 2004358972
[式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは各々アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環式基を表し、L、L、LおよびLは各々2価結合基を表し、mおよびnは各々1〜3の整数であり、但し条件としてm+nは4であり、p1およびp2は各々1〜3の整数でありそしてq1およびq2は各々0、1または2であり、但し条件としてp1+q1およびp2+q2は各々3であり、r1およびtは各々0または1〜1000の整数であり、そしてxは0または1である]
により表されるシラン化合物を含んでなる材料を開示している。有機溶媒をベースとしたコーティング中で使用可能な結合剤は、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール誘導体、アクリレート重合体誘導体、ポリイミド誘導体、ポリアミド誘導体、フェノール樹脂誘導体、ウレタン樹脂誘導体およびポリエステル誘導体を包含する。これらの中で、特にビニルアセタール単量体単位を有する、ポリビニルアルコール誘導体および酢酸ビニル誘導体が好ましい。
特許文献11に相当する特許文献12は、1個の分子中に1個もしくはそれ以上の官能基、例えばカルボキシル基、シリル部分、ハロゲン部分、アミノ基、スルフヒドリル基、スルホニル基、チオニル基、エポキシ基、オキサゾリン部分、マレイミド部分、ヒドロキシル基など、を含有することにより特徴づけられるポリビニルアセタールを開示している。イオン性基、例えば酸性基(例えばカルボキシル基もしくはスルホン基)または塩基性基(例えば窒素原子を含有)が好ましい。
特許文献13は、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、還元剤および結合剤を含んでなる感光層を支持体上に含んでなるフォトサーモグラフィー材料であって、ここでフォトサーモグラフィー材料が30%より大きくない以下で定義されるカブリ濃度における変動割合を示す材料を開示している:カブリ濃度における変動割合=[(DFog2−DFog1)/DFog1]×100(%)[ここで、DFog1は100℃より低くない温度において現像されたフォトサーモグラフィー材料の最低濃度でありそしてDFog2は現像されそして次に300ルクスの照明強度および45℃において24時間にわたり露光されたフォトサーモグラフィー材料の最低濃度である]。結合剤は好ましくは70〜105℃のガラス転移点を有しそして好ましくは実質的にアセトアセタール構造を有するポリビニルアセタールであるかまたは式(V)により表される重合体化合物である。以下の表4に示される組成を有する式(V)により表される例示重合体化合物が開示されている:
Figure 2004358972
ワッカー・ヘミー(Wacker Chemie)により製造された、84℃のTgを有する42重量%のビニルアセタール、40重量%のビニルブチラール、16重量%のビニルアルコールおよび2重量%の酢酸ビニルよりなる共重合体であるピオロフォーム(Pioloform)TMBL16が、アグファ−ゲベルト(AGFA−GEVAERT)N.V.により製造されそしてアグファ−ゲベルトN.V.によりアグファ・フリーウェイ(AGFA FREEWAY)TMフィルムとしてそしてオートロジック(AUTOLOGIC)によりオートタイプ・アスペクト(Autotype Aspect)TMHRとして販売された実質的に非感光性のサーモグラフィー材料の感熱性要素中の単一結合剤として使用される。この感熱性要素中の実質的に非感光性の有機銀塩対ピオロフォームTMBL16の重量比は約1.0である。
実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料とフォトサーモグラフィー記録材料との間の差異
像形成が有機銀塩の還元に基づく実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料の技術はフォトサーモグラフィー記録材料のものと、両者の場合とも像形成が有機銀塩の還元から生ずる事実にもかかわらず、有意に異なる。しかしながら、これはこの還元に触媒作用を与える種の実情が完全に異なっており、フォトサーモグラフィー記録材料の場合には感光性ハロゲン化銀を含有するフォトアドレス可能な熱現像可能な要素の像通りの露出でありそしてサーモグラフィー記録材料の場合には感光性ハロゲン化銀を含有しない感熱性要素の像通りの加熱であるという事実を隠す表面的な類似性である。この技術的な差異はさらに2つのタイプの材料で使用される成分の性質によっても強められ、最も有意な差異は実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料中の感光性ハロゲン化銀および分光増感剤の不存在だけでなく、使用される異なる還元剤でも反映されて、実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料中でより強い還元剤、異なる安定剤、異なる調色剤などが使用される。さらに、フォトサーモグラフィー材料の場合には材料全体を150℃より低い温度に数秒間(例えば10s)の期間にわたり加熱するが実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料の場合には材料をはるかに高い温度でms(例えば3.5−20ms)の期間にわたり加熱する点で、熱現像方法自体も有意に異なる。ニュートラル(neutral)な像色調の実現は実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料の場合には非常に短い加熱時間のために大きな問題であるが、それはフォトサーモグラフィー記録材料でははるかに長い加熱時間のためにあまり問題ではない。
従って、本発明の特許性に関する下記の文献が既知である:
1997年1月8日に公開された特許文献1
1997年11月26日に公開された特許文献2
2001年1月19日に公開された特許文献3
2002年9月18日に公開された特許文献4
2003年1月2日に公開された特許文献7
2003年1月22日に公開された特許文献8
2001年10月10日に公開された特許文献9
2001年9月26日に公開された特許文献10
2002年10月9日に公開された特許文献12
2002年8月29日に公開された特許文献13
欧州特許出願公開第0752616号明細書 欧州特許出願公開第0809144号明細書 特開2001−13618号公報 欧州特許出願公開第1241520号明細書 国際公開第01/053357A1号パンフレット 特開2002−201215号公報 欧州特許出願公開第1270608号明細書 欧州特許出願公開第1278101号明細書 欧州特許出願公開第1143292号明細書 欧州特許出願公開第1136877号明細書 国際公開第02/059167号パンフレット 特開2002−293825号公報 米国特許出願公開第2002/0119406号明細書
実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料中でニュートラルな像色調を得るためには、印刷前および印刷後の両方の貯蔵中に最も外側の保護層の存在にもかかわらず材料の表面に拡散する還元剤および調色剤が必要でありそして極端な場合には使用者が還元剤、調色剤および像形成方法の反応生成物の沈澱を材料の表面上で目で見ることが見出されていた。従って、許容可能なニュートラルな像色調を示すが、還元剤、調色剤および像形成方法の反応生成物のそのような沈澱の生成を示さない実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料が要求される。
従って、本発明の一面は、例えば、還元剤、調色剤および像形成方法の反応生成物を含んでなる表面沈澱の生成を示さない実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料を提供することである。
従って、本発明の別の面は、表面沈殿の生成を示さず且つASTM Norm E179−90に従う分光計測定によりR(45/0)形状で測定しそしてASTM Norm E308−90に従い評価したCIELABa*およびb*値により特徴づけられる許容可能なニュートラルな像色調も示す実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料を提供することである。
本発明の別の面および利点は以下の記述から明らかになるであろう。
発明の要旨
感熱性要素の最も外側の表面がサーモグラフィー記録材料自体の最も外側の層でないなら、実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料の感熱性要素中でのビニルアセト−アセタール単量体単位並びに場合によりビニルアルコールおよび酢酸ビニル単量体単位よりなる群から選択される単量体単位よりなる重合体の使用がその中に存在する成分およびそれらの反応生成物の感熱性要素の表面に対するそしてそこからサーモグラフィー記録材料の表面に対する拡散を強く減ずることが驚くべきことに見出された。さらに、ASTM Norm E179−90に従う分光計測定によりR(45/0)形状で測定しそしてASTM Norm E308−90に従い評価したCIELABa*およびb*値により特徴づけられる像色調が、ビニルブチラール単量体単位並びに場合によりビニルアルコールおよび/または酢酸ビニル単量体単位よりなる重合体の存在により、よりニュートラルにされることが驚くべきことに見出された。
本発明の特徴は、支持体および支持体の一面上に感熱性要素を含んでなる実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料であって、感熱性要素が少なくとも1種の実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩、それと熱操作関係にある少なくとも1種のそのための還元剤および少なくとも1種の結合剤を含んでなり、少なくとも1種の結合剤がビニルアセト−アセタール単量体単位並びに場合によりビニルアルコール、酢酸ビニルおよびイタコン酸単量体単位よりなる群から選択される単量体単位よりなる少なくとも1種の第一の重合体を含んでなり、ここで感熱性要素中の少なくとも1種の結合剤対1種もしくは複数の実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩の重量比が1.6より大きく、そして少なくとも1種の結合剤が場合によりビニルブチラール単量体単位並びに場合によりビニルアルコールおよび/または酢酸ビニル単量体単位よりなる第二の重合体を40重量%より少なく含有してもよいことを特徴とするサーモグラフィー記録材料で実現される。
本発明の好ましい態様を発明の詳細な記述に開示する。
発明の詳細な記述
定義
用語アルキルはアルキル基中の各炭素数に関して可能な全ての変種、すなわち炭素数3に関してはn−プロピルおよびイソプロピル、炭素数4に関してはn−ブチル、イソブチルおよびターシャリー−ブチル、炭素数5に関してはn−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピルおよび2−メチル−ブチルなど、を意味する。
本発明の開示で使用される用語ポリ(ビニルアセタール)はポリ(ビニルアルコール)と1種もしくはそれ以上のアルデヒドとの縮合生成物をさす。
本発明の開示で使用されるビニルアセタールはビニルアルコールおよびアルデヒドの縮合生成物である。ビニルアルコールおよびアルデヒドの縮合生成物をビニルアルコールおよび未置換アルデヒド(エタナル)のものと区別するために、後者の縮合生成物は本発明の開示ではビニルアセト−アセタールと称する。
本発明の開示で使用されるビニルブチラールはビニルアルコールおよびそれ以上置換されないブチルアルデヒド(ブタナル)の縮合生成物である。
L*、a*およびb*CIELAB値はASTM Norm E179−90でR(45/0)形状で定義されそしてASTM Norm E308−90に従い評価される。
実質的に非感光性は意図的に感光性でないことを意味する。
時には「共現像剤(co−developers)」または「補助現像剤(auxiliary developers)」として同定される用語「高コントラスト剤(high contrast agents)」はそれらの主要機能として放射線露出領域中で実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩中の還元可能な銀イオンのほとんどまたは全てを還元することによる材料のコントラストにおける増加を有し、例えば引用することにより本発明の内容となる米国特許第6,352,819号明細書に開示されているアクリロニトリル共現像剤、ヒドラジド共現像剤およびイソキサゾール共現像剤である。
サーモグラフィー記録材料
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第一の態様によると、サーモグラフィー記録材料は黒白サーモグラフィー記録材料である。
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第二の態様によると、感熱性要素は高コントラスト剤を含まない。
本発明に従う実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料の第三の態様によると、サーモグラフィー記録材料は式(1)または(2):
Figure 2004358972
[式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは各々アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環式基を表し、L、L、LおよびLは各々2価結合基を表し、mおよびnは各々1〜3の整数であり、但し条件としてm+nは4であり、p1およびp2は各々1〜3の整数でありそしてq1およびq2は各々0、1または2であり、但し条件としてp1+q1およびp2+q2は各々3であり、r1およびtは各々0または1〜1000の整数であり、そしてxは0または1である]
により表されるシラン化合物を含まない。
感熱性要素
ここで使用される用語感熱性要素は、像形成に寄与する全ての成分を含有する要素である。本発明に従う実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料によると、感熱性要素は実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩、それと熱操作関係にあるそのための還元剤、および少なくとも1種の結合剤を少なくとも含有する。感熱性要素は、上記成分を異なる層に分散させうる層システムを含んでなることができ、但し条件として実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩が還元剤と反応関係にあり、すなわち熱現像工程中に還元剤はそれが実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩の粒子に拡散可能であって銀への還元が起きうるような方法で存在すべきである。そのような材料は、例えば引用することにより本発明の内容となる欧州特許出願公開第0736799号明細書に開示されているように、実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩および/またはそのための還元剤が熱反応性マイクロカプセルの中にカプセル化する可能性を有する。
第一および第二の重合体
ビニルアセト−アセタール並びに場合によりビニルブチラール単量体単位、ビニルアルコールおよび酢酸ビニル単量体単位よりなる群から選択される単量体単位よりなる第一の重合体の用語は、ビニルアセト−アセタール、ビニルブチラール、ビニルアルコールおよび場合により酢酸ビニルを共重合することにより共重合体を製造すべきことを意味するものとみなすべきでなく、単に共重合体がそのような単量体単位から構成されることを意味する。同様に、ビニルブチラール単量体単位、ビニルアルコール単量体単位および場合により酢酸ビニル単量体単位よりなる第二の重合体の用語は、ビニルブチラール、ビニルアルコールおよび場合により酢酸ビニルを共重合することにより共重合体を製造すべきことを意味するものとみなすべきでなく、単に共重合体がそのような単量体単位から構成されることを意味する。ポリビニルアルコールの主な原料はポリ酢酸ビニルの加水分解生成物であること並びにこの加水分解は普通完全には行なわれず酢酸ビニル単量体単位がポリビニルアルコール連鎖中に存在したままであることは当業者に既知である。さらに、ポリ(ビニルアルコール)を1種もしくはそれ以上のアルデヒドで処理する際のまたはポリ(酢酸ビニル)からの縮合反応で直接ポリ(ビニルアセタール)が一般に製造されることも当業者に既知である。1種もしくは複数のアルデヒドとポリ(ビニルアルコール)のヒドロキシル基との間の反応は無作為的に起きるため、幾つかのヒドロキシル基が単離されそして反応不能となる。生成物はそれ故、ビニルアセタール単位、残存ビニルアルコール単位および残存酢酸ビニル単位を含有するであろう。
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第四の態様によると、感熱性要素は少なくとも1種の別の第一重合体を含有する。
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第五の態様によると、感熱性要素中の少なくとも1種の結合剤対1種もしくは複数の非感光性のカルボン酸の銀塩の重量比は1.75より大きく、2.0より大きい比が特に好ましくそして2.5より大きい比が特別に好ましい。
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第六の態様によると、感熱性要素中の少なくとも1種の結合剤対1種もしくは複数の非感光性のカルボン酸の銀塩の重量比は6.0より小さく、5.2より小さいことが好ましくそして4.5より小さいことが特に好ましい。
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第七の態様によると、第一重合体は17重量%のビニルアルコール単量体単位を含有しており、15重量%のビニルアルコール単量体単位が好ましくそして13重量%のビニルアルコール単量体単位が特に好ましい。ビニルアルコール単位の濃度は13CNMRまたは滴定により測定することもできる。ビニルアセと−アセタール単量体単位は像色調を赤くするが、これは像色調を青くするビニルアルコール濃度を減ずることにより相殺されうる。
ABがビニルアセト−アセタールおよびビニルブチラール単量体単位の両者を含有する重合体を表しそしてAがビニルアセト−アセタール単量体単位を含有するがビニルブチラール単量体単位を含有しない重合体を表す、本発明に従う実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料中での使用に適する第一の重合体を以下の表5に示す:
Figure 2004358972
Bがビニルブチラール単量体単位を含有するがビニルアセト−アセタール単量体単位を含有しない重合体を表す本発明に従う実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料中での使用に適する第二の重合体を以下の表6に示す:
Figure 2004358972
添加剤、例えばある種の酸化防止剤(例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、またはそれらが使用されるサーモグラフィー記録材料のサーモグラフィー性質に悪影響を与える不純物を含有しない重合体が好ましい。
実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第八の態様によると、実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩は第二のカチオン、例えばマグネシウムまたは鉄イオン、と会合する銀カチオンを含有する有機複塩でない。
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第九の態様によると、実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩は実質的に非感光性の脂肪族炭素連鎖が好ましくは少なくとも12個のC原子を有する脂肪酸として知られている脂肪族カルボン酸の銀塩、例えばラウリン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、ヒドロキシステアリン酸銀、オレイン酸銀およびベヘン酸銀であり、これらの銀塩は「銀石鹸」とも称する。英国特許第1,439,478号明細書に記載されているような他の有機カルボン酸の銀塩、例えば安息香酸銀、も同様に熱現像可能な銀像を形成するために使用することができる。引用することにより本発明の内容となる欧州特許出願公開第964300号明細書に開示されているように、異なる有機カルボン酸の銀塩の組み合わせを本発明で使用することもできる。
還元剤
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第十の態様によると、還元剤はオルト−ジヒドロキシ−ベンゼン誘導体である。
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第十一の態様によると、引用することにより本発明の内容となる欧州特許出願公開第0692733号明細書、欧州特許出願公開第0903625号明細書、欧州特許出願公開第1245403号明細書および欧州特許出願公開第1245404号明細書に開示されているように、オルト−ジヒドロキシ−ベンゼン誘導体はカテコール、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸エステル類、没食子酸、没食子酸エステル類、例えば没食子酸メチル、没食子酸エチルおよび没食子酸プロピル、3,4−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシ−アセトフェノン、3,4−ブチロフェノン、3,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン誘導体、3,4−ジヒドロキシ−ベンゾニトリル、およびタンニン酸よりなる群から選択される。
加熱時に1種もしくはそれ以上の実質的に非感光性の有機銀塩の還元において反応性相手となる還元剤の組み合わせを使用することもできる。例えば、米国特許第5,464,738号明細書に開示されているような立体障害フェノールとスルホニルヒドラジドとの、米国特許第5,496,695号明細書に開示されているようなトリチルヒドラジドとホルミル−フェニル−ヒドラジドとの、米国特許第5,545,505号明細書、米国特許第5,545,507号明細書および米国特許第5,558,983号明細書に開示されているようなトリチルヒドラジドおよびホルミル−フェニル−ヒドラジドと種々の補助還元剤との、米国特許第5,545,515号明細書および米国特許第5,635,339号明細書に開示されているようなアクリロニトリル化合物の、並びに米国特許第5,654,130号明細書に開示されているような2−置換されたマロノジアルデヒド化合物の組み合わせである。
調色剤
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第十二の態様によると、感熱性要素は少なくとも1種の調色剤をさらに含有する。
本発明に従うサーモグラフィー記録材料の第十三の態様によると、この少なくとも1種の調色剤はフタラジノン、フタラジノン誘導体、ベンゾキサジンジオン、ベンゾキサジンジオン誘導体、ナフトキサジンジオンおよびナフトキサジン誘導体、ピリダゾン、ピリダゾン誘導体、式(I):
Figure 2004358972
[式中、Rは場合によりヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシエステル、アシルまたはカルボナト基で置換されていてもよいアルキル基であり、XはS、OまたはN−Rであり、Rは場合により置換されていてもよいアルキル基であり、R、R、RおよびRは独立して水素原子、ハロゲン原子またはアルキル、アルコキシ、チオ−アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシエステル、アシル、アルデヒド、アシルアミド、スルホンアミド、アシルアミノ、カルボナト、ヒドロキシもしくはアリール基を表すか、或いはRおよびR、RおよびR並びにRおよびRの少なくとも1つは独立して炭素環式もしくは複素環式基を形成するのに必要な原子を表すか、或いはRおよびR並びにRおよびRの少なくとも1つは独立して複素環式環を形成するのに必要な原子を表す]
により表される化合物、式(II):
Figure 2004358972
[式中、Rは場合により置換されていてもよいアルキル基であり、YはS、OまたはN−R10であり、R10は場合により置換されていてもよいアルキル基であり、RおよびRは独立して水素原子、ハロゲン原子またはアルキル、アルコキシ、チオ−アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシエステル、アシル、アルデヒド、アシルアミド、スルホンアミド、アシルアミノ、カルボナト、ヒドロキシもしくはアリール基を表すか、或いはRおよびRは複素環式もしくは非芳香族炭素環式環を形成するのに必要な原子を表すか、或いはRおよびR10並びにRおよびRの少なくとも1つは独立して複素環式環を形成するのに必要な原子を表し、そしてRおよびRの両者は両方ともアルキル基であることはできない]
により表される化合物、並びに2−ヒドロキシ−ピリミジンおよび2−ヒドロキシ−ピリミジン誘導体よりなる群から選択される。
、R、RおよびR10のアルキル基のための場合により存在してもよい適する置換基は独立してカルボキシおよびカルボキシエステル基を包含する。適する置換されたアルキル基は−CHCOOH、−CCOOHおよび−CCOOCを包含する。
本発明に従うサーモグラフィー記録材料中での使用に適するベンゾキサジンジオン調色剤は、引用することにより本発明の内容となる英国特許第1,439,478号明細書、米国特許第3,951,660号明細書および米国特許第5,599,647号明細書に開示されており、そして以下のものを包含する:
Figure 2004358972
Figure 2004358972
本発明に従うサーモグラフィー記録材料中での使用に適する式(I)により表される調色剤は以下のものを包含する:
Figure 2004358972
本発明に従い適する式(II)により表される調色剤は以下のものを包含する:
Figure 2004358972
本発明に従い適する2−ヒドロキシ−ピリミジン誘導体は以下のものを包含する:
Figure 2004358972
保護層
一般に、最も外側の保護層は感熱性要素を大気湿度および引っかきなどによる表面損傷から保護しそして印刷ヘッドまたは熱源と記録層との直接的接触を防止する。圧力下で熱源と接触しそしてそれを越えて移送されなければならない感熱性要素のための保護層は局部的変形に対する耐性および加熱中の熱源を越える移送中の滑り特性を示さなければならない。最も外側の層である滑り層は、溶解させた潤滑物質および/または粒状物質、例えばタルク粒子を、場合により最も外側の層から突出させて、含んでなってもよい。適する潤滑物質の例は、重合体状結合剤と一緒のまたはそれらなしでの、界面活性剤、液体潤滑剤、固体潤滑剤またはそれらの混合物である。
本発明に従う実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料の第十四の態様によると、最も外側の保護層は少なくとも1種の加水分解されたポリアルコキシシランおよびヒドロキシ−基を含有する重合体の反応生成物を含んでなる。
本発明に従う実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料の第十五の態様によると、最も外側の保護層は少なくとも1種の加水分解されたテトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランおよびヒドロキシ−基を含有する重合体の反応生成物を含んでなる。
本発明に従う実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料の第十五の態様によると、最も外側の保護層は少なくとも1種の加水分解されたポリアルコキシシランおよびポリ(ビニルアルコール)の反応生成物を含んでなる。
安定剤
本発明に従う実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料の第十六の態様によると、感熱性要素は安定剤をさらに含んでなる。
本発明に従う実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料の第十七の態様によると、感熱性要素はベンゾトリアゾール、置換されたベンゾトリアゾール類、芳香族ポリカルボン酸、例えばオルト−フタル酸、3−ニトロ−フタル酸、テトラクロロフタル酸、メリト酸、ピロメリト酸およびトリメリト酸並びにそれらの無水物、フェニル基が場合により置換されていてもよいアリール基を含有する置換基で置換された1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾール化合物、式(III):
Figure 2004358972
[式中、Rは−NR、−ORまたは場合により置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリール基であり、Rは水素または場合により置換されていてもよいアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、Rは場合により置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基であり、そしてRは場合により置換されていてもよいアリール基である]
により表される1−(5−メルカプト−1−テトラゾリル)−アセチル化合物、並びに式(IV):
Figure 2004358972
[式中、Qは5−もしくは6−員の不飽和複素環式環を形成するのに必要な原子を含んでなり、Aは水素、チオレート基の負電荷を相殺する対イオンであるかまたは2個もしくはそれ以上のA基は式(IV)により表される2個もしくはそれ以上の基の間に結合基を与える]
により表される2個もしくはそれ以上の基を有する化合物よりなる群から選択される安定剤をさらに含んでなる。
本発明に従う実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料の第十八の態様によると、感熱性要素は少なくとも1種の場合により置換されていてもよい脂肪族もしくは炭素環式ポリカルボン酸および/またはそれらの無水物を存在する全ての1種もしくは複数の有機銀塩に関して少なくとも15モル百分率で且つそれと熱操作関係でさらに含有する。ポリカルボン酸は無水物形態でもしくは少なくとも2種の遊離カルボン酸類が残存するような状態でエステル化されて使用することができまたは熱記録段階中で利用可能である。
界面活性剤および分散剤
界面活性剤および分散剤は、特定の分散媒体中に不溶性である成分の分散を助ける。本発明で使用される実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料は1種もしくはそれ以上の界面活性剤を含有することができ、それらはアニオン性、非イオン性もしくはカチオン性界面活性剤および/または1種もしくはそれ以上の分散剤でありうる。好ましいアニオン性界面活性剤は、式(3):
Figure 2004358972
[式中、aは1〜15の間の整数であり、そしてbは1〜5の間の整数である]
またはそれらのアルカリ塩類により表される界面活性剤、並びに式(4):
Figure 2004358972
[式中、Mは水素、アルカリ原子またはアンモニウム基であり、Rはアルキル、アルケニル−、アルキニル−、チオアルキル−、チオアルケニル−またはチオアルキニル−基であり、ここでアルキル−、アルケニル−またはアルキニル−基の炭素数は6〜25であり、Xは−O−、−S−または−N(R)−であり、そしてRは水素、−(CHSOM基または
Figure 2004358972
基であり、そしてmは1〜5の間の整数である]
により表される界面活性剤である。
適する界面活性剤は、
Figure 2004358972
を包含する。
適する分散剤は天然重合体状物質、合成重合体状物質および微細分割状粉末、例えば微細分割状非金属無機粉末、例えばシリカ、である。
支持体
本発明に従う実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料の第十九の態様によると、支持体は透明または半透明である。それは好ましくは、透明な樹脂フィルムから製造された、例えばセルロースエステル、例えば三酢酸セルロース、ポリプロピレン、ポリカーボネートまたはポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、から製造された、薄い柔軟性担体である。支持体はシート、リボンまたはウエブ形態であることができそして必要ならその上にコーティングされる感熱性要素に対する付着性を改良するために下塗りすることができる。支持体を染色または顔料着色して像のための透明な着色背景を与えることができる。
コーティング技術
本発明で使用される実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料のいずれかの層のコーティングはいずれかのコーティング技術、例えばエドワード・D・コーエン(Edward D.Cohen)およびエドガー・B・ガトッフ(Edgar B.Gutoff)により編集されたモダーン・コーティング・アンド・ドライング・テクノロジー(Modern Coating and Drying Technology)、(1992)VCH・パブリッシャーズ・インコーポレーテッド(VCH Publishers Inc.)、220イースト(East)23ストリート(Street)、スーツ(Suite)909ニューヨーク、NY10010、米国に記載されたもの、により行なうことができる。コーティングは、水性または溶媒媒体から、乾燥された、部分的に乾燥されたもしくは乾燥されない層のオーバーコーティングを用いて行なうことができる。
サーモグラフィー処理
サーモグラフィー像形成は、像を通る直接露出によるもしくは像からの反射によるアナログ方式、または例えばNd−YAGレーザーもしくは赤外レーザーを用いる、好ましくは赤外吸収化合物を含有する実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料を用いる赤外熱源の使用による画素毎のデジタル方式のいずれかでによる像通りの熱適用により或いは熱ヘッドを用いる直接的熱像形成により行なわれる。
熱印刷では、像信号は電気パルスに転換されそして次に駆動回路を通って選択的に熱印刷ヘッドに移される。熱印刷ヘッドは微細な熱抵抗要素よりなり、それが電気エネルギーをジュール効果により熱に転換させる。普通の熱印刷ヘッドの操作温度は300〜400℃の範囲内であり、そして1個の画要素(画素)当たりの加熱時間は1.0msより短くてよく、熱印刷ヘッドと記録材料との加圧接触は例えば200−1000g/線状cmであり、すなわち良好な熱移動を確実にするには200〜300μmの接触領域(隙間)で5000〜50,000g/cmである。
最も外側の層が保護層でない場合の感熱性要素と同じ支持体側での熱印刷ヘッドと最も外側の層との直接的接触を避けるために、熱印刷ヘッドを用いる記録材料の像通りの加熱は接触するが除去可能な樹脂シートまたはウエブを通して行なうことができ、そこから加熱中に記録材料の移動は起こり得ない。
加熱要素の作動は動力で調整するかまたは一定動力ではパルス長さで調整することができる。欧州特許出願公開第654355号明細書は電圧適用可能な加熱要素を有する熱ヘッドによる像通りの加熱により像を形成する方法を開示しており、そこでは加熱要素の作動はパルス通りにデューティーサイクロ化されて行なわれる。欧州特許出願公開第622217号明細書は連続的な色調再現性における改良を生ずる直接熱像形成要素を用いる像の形成方法を開示している。
記録材料の像通りの加熱は材料中に加えられた電気抵抗性リボンを用いて行なうこともできる。記録材料の像またはパターン通りの加熱を画素通りに調整される超音波により行なうこともできる。
工業用途
サーモグラフィー像形成は、反射タイプ印刷およびネガの製造用に、特に黒色像形成ネガがライトボックスと共に操作される検査技術において広く使用される医学診断分野における用途のために使用することができる。
本発明を以下で比較例および本発明の実施例により説明する。これらの実施例で示される百分率および比は断らない限り重量による。
上記成分に加えて、感熱性要素中の成分は以下のものである:
オイル(Oil)=バイエル(BAYER)からのシリコーン油であるベイシロン(BAYSILON)、
VL=バイエルからの4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンであるデスモデュル(DESMODUR)VL、
還元剤:
R01=3,4−ジヒドロキシベンゾニトリル、
R02=3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
安定剤:
S01=グルタル酸
S02=無水テトラクロロフタル酸
S03=ベンゾトリアゾール
S04=
Figure 2004358972
使用した感熱性要素の組成:
Figure 2004358972
保護層中の成分:
エルコル(ERKOL)TM4820=アセテックス・ヨーロッパ(ACETEX EUROPE)からのポリビニルアルコール、
レバシル(LEVASIL)TMVPAC4055=アンモニウム塩に転化されたバイエルAGからの主としてナトリウムイオンで中和された酸基および500m/gの比表面積を有するコロイド状シリカの15%水性分散液、
ウルトラフォン(ULTRAVON)TMW=イオン交換カラム中に通すことにより酸形態に転化されたチバ・ガイギー(Ciba Geigy)からのアリールスルホン酸ナトリウムの75−85%濃縮物、
シロイド(SYLOID)TM72=グレース(Grace)からのシリカ、
セルボキシル(SERVOXYL)TMVPDZ3/100=セルボ・デルデン(SERVO DELDEN)B.V.からの燐酸モノ[イソトリデシルポリグリコールエーテル(3EO)]、
セルボキシルTMVPAZ100=セルボ・デルデンB.V.からの燐酸モノラウリルおよびジラウリルの混合物、
ミクロエース・タルク(MICROACE TALC)P3=ニッポン・タルク(NIPPON TALC)からのインディアン・タルク、
リラニット(RILANIT)TMGMS=ヘンケル(HENKEL)AGからのグリセリンモノ牛脂酸エステル、
TMOS=メタンスルホン酸の存在下で加水分解されたオルト珪酸テトラメチル。
[比較例1〜4]
比較例1〜4の実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料を以下の通りにして製造された分散液をコーティングすることにより製造した:25.42gのメチルエチルケトン、12.375gの結合剤および33mgのオイル(ベイシロン)を含有する第一溶液を製造した。この溶液に、100gの分散液当たり10.7gのアグベヘネート(AgBehenate)および9.35gの結合剤を含有する36.8gのアグベヘネート−分散液を加えた。次に、0.257gのS01、0.116gのBOD2および0.164gのBOD3を加えた。これに引き続き、メチルエチルケトン中に0.567gのR02、0.596gのR01、0.126gのS02および0.100gのS03を含有する9.4gの溶液を添加した。最後に、2.2gのメチルエチルケトン中8重量%デスモデュルVL溶液を加えた。生じた分散液を、乳剤でコーティングされた側面に下塗り層01がそれぞれ下塗りされた−9.5および−17.9のCIELABa*−およびb*−値を有する下塗りされた175μm厚さの青色顔料着色されたポリエチレンテレフタレート支持体上にドクターブレードコーティングして、乾燥棚で50℃において1時間にわたり乾燥した後に、上記の組成を有するタイプ1感熱性要素を与えた。
ベヘン酸銀の被覆率並びに感熱性要素中で使用される重合体の量およびタイプを以下の表7に示す。
Figure 2004358972
感熱性要素を次に場合により、1N硝酸を用いて3.8のpHに調節された下記の成分を有する水性組成物で85μmの湿潤層厚さまでコーティングしそして次に50℃において15分間にわたり乾燥してこの組成を有する保護層を製造した:
エルコルTM4820=2.1g/m
レバシルTMVPAC4055=1.05g/m
ウルトラフォンTMW=0.075g/m
シロイドTM72=0.09g/m
セルボキシルTMVPDZ3/100=0.075g/m
セルボキシルTMVPAZ100=0.075g/m
ミクロエース・タルクP3=0.045g/m
リラニットTMGMS=0.15g/m
TMOS=0.87g/m(TMOSがSiOに完全に転化されたと仮定)
コーティング後に、実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料を45℃に7日間にわたり70%の相対湿度で加熱することにより保護層を硬化させた。
ヘイズ測定
比較例1〜4の実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料の感熱性要素のヘイズは、ASTM標準D1003に従いBYK・ガードナー(BYK GARDNER)からのヘイズ−ガード・プラス(Haze−gard Plus)装置を用いて式:
ヘイズ、%=(Td/Tt)×100
[ここで、Tdは拡散視感透過率でありそしてTtは合計視感透過率である]
に従い百分率として測定された。
感熱性要素の表面に対する像形成方法の成分および反応生成物の拡散の評価
感熱性要素の表面に対する像形成方法の成分および反応生成物の拡散を、下記の工程により評価した:
−最初に比較例1〜4の感熱性要素を、14mm/sの印刷速度および7.1msの代わりに3.5msの線時間で操作されるように改変されており且つ75μm長さ(移送方向)および50μm幅の熱ヘッド抵抗器が動力調整されて異なる像濃度を与えるアグファ−ゲベルトからの508dpiの解像度を有するドライスター(DRYSTAR)TM4500プリンターを用いてサーモグラフィー印刷し、その間に印刷ヘッドが像形成層から薄い中間材料により分離された。この中間材料は上記の保護層と同じ組成物でコーティングされた分離可能な5μm厚さのポリエチレンテレフタレートリボンである。(これは熱ヘッドが感熱性要素の最も外側の表面に直接接触するのを防止するために必要であった。)
−次に、薄い中間材料を除去しそして感熱性要素を3日間にわたり57℃の温度および34%の相対湿度の暗所で黒紙の中に包み、そして
−最後に、表面に対する内部の成分およびその反応生成物の拡散を下記の基準で0〜5の目盛りに従い視覚的に評価した:

0の拡散評価:拡散なし
1の拡散評価:薄葉紙でこすった後に強い照明下での試験時に拡散の最初の兆候
2の拡散評価:薄葉紙でこすった後に昼光中で目に見える
3の拡散評価:薄葉紙でこすらずに昼光中でようやく目に見える
4の拡散評価:薄葉紙でこすらずに中程度に強い沈着
5の拡散評価:薄葉紙でこすらずに非常に強い沈着

結果を表7にまとめる。21.75重量%のB01の存在下ではB04およびB05は成分およびそれらの反応生成物の拡散に対して影響を有していなかったが、B02およびB07は成分およびそれらの反応生成物の拡散に対してわずかな影響を有していた。
サーモグラフィー印刷
比較例1〜4の実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料をアグファ−ゲベルトからの上記の改変されたドライスターTM4500プリンターを用いて印刷して異なる像濃度を生じた。マクベス(MACBETH)TMTR924濃度計を用いて可視フィルターを通して測定された像の最大濃度(Dmax)は全て2.0より大きかった。1.0および2.0の濃度に関するCIELABa*−およびb*−値をASTM Norm E179−90に従う分光計測定によりR(45/0)形態で測定し、ASTM Norm E308−90に従い評価した。結果を表8にまとめる。
Figure 2004358972
[比較例5および6並びに本発明の実施例1〜3]
比較例5および6並びに本発明の実施例1〜3の実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料を以下の通りにして製造された分散液をコーティングすることにより製造した:37.44gのメチルエチルケトン、12.375gの結合剤および33mgのオイル(ベイシロン)を含有する第一の溶液を製造した。この溶液に、100gの分散液当たり14gのアグベヘネートおよび12.1gの結合剤を含有する28.35gのアグベヘネート−分散液を加えた。次に、0.280gのS01および0.246gのBOD3を加えた。これに引き続き、メチルエチルケトン中に0.850gのR02、0.417gのR01、0.126gのS02および0.100gのS03を含有する7.5gの溶液を添加した。最後に、2.2gのメチルエチルケトン中8重量%デスモデュルVL溶液を加えた。生じた分散液を、乳剤でコーティングされた側面に下塗り層01がそれぞれ下塗りされた−9.5および−17.9のCIELABa*−およびb*−値を有する下塗りされた175μm厚さの青色顔料着色されたポリエチレンテレフタレート支持体上にドクターブレードコーティングして、乾燥棚で50℃において1時間にわたり乾燥した後に、上記の組成を有するタイプ2感熱性要素を与えた。ベヘン酸銀の被覆率並びに感熱性要素中で使用される重合体の量およびタイプを以下の表9に示す。
感熱性要素を通る拡散を比較例1〜4の感熱性要素に関して記載された通りにして評価し、そして結果を表9にまとめる。本発明の実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料では、21.75重量%のB01の存在下でA03およびA01は成分およびそれらの反応生成物の拡散に対してかなりの影響を有しておりそしてA02は成分およびそれらの反応生成物の拡散に対して強い影響を有していた。
Figure 2004358972
比較例5および6並びに本発明の実施例1〜3の感熱性要素を比較例1〜4の実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料に関して記載された通りにして保護層でさらにコーティングし、そして新しいサーモグラフィー記録材料の像色調を比較例1〜4に関して記載された通りにして測定し、結果を表10にまとめる。
Figure 2004358972
感熱性要素タイプ2では、最もニュートラルな像色調は分散重合体としての第二重合体B01および追加重合体としての第一重合体A03を有する本発明の実施例3のサーモグラフィー記録材料により示される。
[比較例7および8並びに本発明の実施例4および5]
比較例7および8並びに本発明の実施例4および5の実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料を以下の通りにして製造された分散液をコーティングすることにより製造した:28.0gのメチルエチルケトン、13gの結合剤および33mgのオイル(ベイシロン)を含有する第一の溶液を製造した。この溶液に、100gの分散液当たり11.4gのアグベヘネートおよび9.9gの結合剤を含有する36.3gのアグベヘネート−分散液を加えた。次に、0.246gのBOD3を加えた。これに引き続き、メチルエチルケトン中に0.894gのR02、0.438gのR01、0.130gのS02、0.033gのS03、0.082gのS04および0.331gのS01を含有する7.9gの溶液を添加した。最後に、2.2gのメチルエチルケトン中8重量%デスモデュルVL溶液を加えた。生じた分散液を、乳剤でコーティングされた側面に下塗り層01がそれぞれ下塗りされた−9.5および−17.9のCIELABa*−およびb*−値を有する下塗りされた175μm厚さの青色顔料着色されたポリエチレンテレフタレート支持体上にドクターブレードコーティングして、乾燥棚で50℃において1時間にわたり乾燥した後に、上記の組成を有するタイプ3感熱性要素を与えた。
ベヘン酸銀の被覆率並びに感熱性要素中で使用される重合体の量およびタイプを以下の表11に示す。
Figure 2004358972
感熱性要素を通る拡散を比較例1〜4の感熱性要素に関して記載された通りにして評価し、そして結果を表11にまとめる。AB03は少なくとも1種の結合剤中で39重量%〜78重量%の濃度で影響を有していた。A02は少なくとも1種の結合剤中で<<78重量%の濃度で影響を有していた。
比較例7および8並びに本発明の実施例4および5の感熱性要素を比較例1〜4の実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料に関して記載された通りにして保護層でさらにコーティングし、そして新しいサーモグラフィー記録材料の像色調を比較例1〜4に関して記載された通りにして測定し、結果を表12にまとめる。
Figure 2004358972
分散重合体としての第二の重合体B01を有する感熱性要素タイプ3を有する本発明の実施例4および5のサーモグラフィー記録材料では、像色調ニュートラル度は追加重合体としての第一重合体の順序:A03<A02で増加した。
[比較例9並びに本発明の実施例6〜8]
比較例9並びに本発明の実施例6〜8の実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料を以下の通りにして製造された分散液をコーティングすることにより製造した:36.6gのメチルエチルケトン、12.50gの結合剤および33mgのオイル(ベイシロン)を含有する第一の溶液を製造した。この溶液に、100gの分散液当たり12.7gのアグベヘネートおよび11gの結合剤を含有する32.8gのアグベヘネート−分散液を加えた。次に、0.247gのBOD3および0.320gのS01を加えた。これに引き続き、メチルエチルケトン中に0.896gのR02、0.438gのR01、0.130gのS02および0.055gのS03を含有する7.52gの溶液を添加した。最後に、2.2gのメチルエチルケトン中8重量%デスモデュルVL溶液を加えた。生じた分散液を、乳剤でコーティングされた側面に下塗り層01がそれぞれ下塗りされた−9.5および−17.9のCIELABa*−およびb*−値を有する下塗りされた175μm厚さの青色顔料着色されたポリエチレンテレフタレート支持体上にドクターブレードコーティングして、乾燥棚で50℃において1時間にわたり乾燥した後に、上記の組成を有するタイプ6感熱性要素を与えた。
ベヘン酸銀の被覆率並びに感熱性要素中で使用される重合体の量およびタイプを以下の表13に示す。
Figure 2004358972
感熱性要素を通る拡散を比較例1〜4の感熱性要素に関して記載された通りにして評価し、そして結果を表13にまとめる。B01の60%もしくはそれ以上をAB02、AB05またはA07で置換すると、少なくとも1種の結合剤が100%のB01である場合と比べて感熱性要素を通る拡散における改良が観察された。
比較例9並びに本発明の実施例6〜8の感熱性要素を比較例1〜4の実質的に非感光性のサーモグラフィー記録材料に関して記載された通りにして保護層でさらにコーティングし、そして新しいサーモグラフィー記録材料の像色調を比較例1〜4に関して記載された通りにして測定し、結果を表14にまとめる。
像色調はA07に関してはB01の濃度が増加するにつれてよりニュートラルになる。AB05をB01と共にまたはそれなしに含有する感熱性要素を有するサーモグラフィー記録材料はAB02をB01と共にまたはそれなしにまたはA07をB01と共にまたはそれなしに含有する感熱性要素を有するサーモグラフィー記録材料よりわずかだけよりニュートラルな像色調を、匹敵するB01−濃度に関して与える。
Figure 2004358972
本発明は、ここに暗黙にもしくは明示的に開示されたいずれかの特徴もしくは特徴の組み合わせまたはそれらのいずれかの包括物を、それがここに請求された発明に関連するかどうかにかかわらず、包括しうる。以上の記述からかんがみて、発明の範囲内で種々の変更を行いうることは当業者に明らかになるであろう。

Claims (3)

  1. 支持体および該支持体の一面上に感熱性要素を含んでなる実質的に非感光性のモノシートサーモグラフィー記録材料であって、該感熱性要素が少なくとも1種の実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩、それと熱操作関係にある少なくとも1種のそのための還元剤および少なくとも1種の結合剤を含んでなり、該少なくとも1種の結合剤がビニルアセト−アセタール単量体単位並びに場合によりビニルアルコール、酢酸ビニルおよびイタコン酸単量体単位よりなる群から選択される単量体単位よりなる少なくとも1種の第一の重合体を含んでなり、該感熱性要素中の該少なくとも1種の結合剤対該1種もしくは複数の実質的に非感光性のカルボン酸の銀塩の重量比が1.6より大きく、そして該少なくとも1種の結合剤が場合によりビニルブチラール単量体単位並びに場合によりビニルアルコールおよび/または酢酸ビニル単量体単位よりなる第二の重合体を40重量%より少なく含有してもよいことを特徴とするサーモグラフィー記録材料。
  2. 該感熱性要素が少なくとも1種の別の第一重合体を含有する請求項1に記載のサーモグラフィー記録材料。
  3. 該第一重合体が17重量%のビニルアルコール単量体単位を含有する請求項1または2に記載のサーモグラフィー記録材料。
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