JP2004357376A - 開閉装置用計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】断路器開閉に伴う過大なサージ電圧が電子回路等に加わることを低減すると共に、外部電磁界の影響を受けにくくした開閉装置用計測装置を提供する。
【解決手段】金属容器2内の高電圧部導体1に対向配置して検出電極3を配置し、金属容器2の開口部を気密に封じた密封端子4によって検出電極3による検出信号を取り出し、密封端子4を包囲するように金属容器2の外周部に直接取り付けた多重容器9を設け、この多重容器9内に低圧側コンデンサC2、インダクタンス7、A/D変換器27等の電子部品を配置して、A/D変換器27のデジタル信号出力を引出し端子5から伝送する。多重容器9は、三重構造であり、抵抗率の小さいアルミ製容器9aと、磁性体である鉄製容器9bと、さらに抵抗率の小さい銅製容器9cとから成る。
【選択図】 図1
【解決手段】金属容器2内の高電圧部導体1に対向配置して検出電極3を配置し、金属容器2の開口部を気密に封じた密封端子4によって検出電極3による検出信号を取り出し、密封端子4を包囲するように金属容器2の外周部に直接取り付けた多重容器9を設け、この多重容器9内に低圧側コンデンサC2、インダクタンス7、A/D変換器27等の電子部品を配置して、A/D変換器27のデジタル信号出力を引出し端子5から伝送する。多重容器9は、三重構造であり、抵抗率の小さいアルミ製容器9aと、磁性体である鉄製容器9bと、さらに抵抗率の小さい銅製容器9cとから成る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高電圧部導体からの電圧検出信号もしくは電流検出信号を計測する電圧計測装置もしくは電流計測装置等の開閉装置用計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
変電所もしくは開閉所等で使用する開閉装置においては、電力量計算や保護もしくは制御あるいはインターロック用に高電圧部導体の電圧もしくは電流を計測する開閉装置用計測装置が設けられている。
この種の従来の開閉装置用計測装置は、図10に示すように接地した金属容器2内に高電圧部導体1を配置し、この高電圧部導体1を流れる電流を検出する電流計測装置の場合、鉄心入りの巻き線12を電界シールド11の後方における金属容器2内に収納配置し、電流検出信号はJEC−1201−1996もしくはIEC60044−1(1996)で規定されている二次出力電流(1Aもしくは5A)で、密封端子4および敷設配線22を介して開閉装置から数メートル離れた現地盤もしくは数十メートル以上離れた中央制御室等24まで送られるのが一般的である。そこで、10V以下の電圧信号に変換され、さらにデジタル変換器(A/D変換器)27によりデジタル信号に変換されていた。そのため、断路器動作時に発生するサージ電圧に対しては、A/D変換器27等の電子部品を備えた基板をサージ電圧の発生源である断路器から離して減衰させ、さらに補助変流器23等を用いたりして敷設配線22からのサージ電圧を低減させ、A/D変換器27等の電子部品の絶縁仕様を軽減してコスト低減と絶縁信頼性等を確保していた。サージ電圧以外にもサージ発生時の電磁波や運転時の通電により発生する電磁界等が開閉装置外部へ洩れてくるため、検出信号にノイズが重畳することにより、S/N比が低下し高精度化の妨げになる可能性があった。そのため、検出信号を1A以上と大きくすることで、電磁波や電磁界等のノイズによるS/N比低下を防止していた。また、検出電気信号が電圧出力であるロゴスキーコイルを用いた場合でも、サージ電圧低減方法の考え方を同じにすることで、従来と同様に絶縁仕様を上げることなく、高精度な電流測定装置を構成することができることが示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、高電圧部導体1に印加された電圧を検出する電圧計測装置の場合、巻線型のPTやコンデンサ型のPDが広く使用されており、検出信号は電流計測装置と同様にJEC−1201−1996や、IEC−60044(1997)で規定されている二次出力電圧(110V)で検出された電気信号を開閉装置から数メートル離れた現地盤もしくは数十メートル離れた中央制御室まで敷設配線で送るのが一般的である。そして電流計測装置と同様に現地盤もしくは中央制御室内で10V以下の電圧信号に変換され、さらにA/D変換器(デジタル変換器)によりデジタル信号に変換されていた。そのため、断路器動作時に発生するサージ電圧に対しては、A/D変換器等の電子部品を備えた基板を接地サージ電圧の発生源である断路器から離すことによりサージ電圧を低減し、敷設配線を伝播してくるサージ電圧に対しては補助トランス等を配置して、電子部品の絶縁仕様を軽減してコスト低減と絶縁信頼性等を確保すると共に誤動作を防止していた。サージ電圧以外にサージ発生時の電磁波や運転時の通電により発生する電磁界等が開閉装置外部へ洩れてくるため、検出信号にノイズが重畳してS/N比が低下するため、高精度化の妨げになる可能性があった。しかしながら、110Vに分圧した電圧信号は、電磁波や電磁界等のノイズに比べ十分大きな信号であるためS/N比を損なわずに検出信号を伝送し、デジタル変換することで高精度の電圧計測装置を可能としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の開閉装置用計測装置は、A/D変換器等の電子部品における絶縁仕様を軽減するためにサージ電圧が比較的小さくなった現地盤もしくは中央制御室等に収納していたため、現地盤や中央制御室まで配線を引いて電気信号を伝送しなければならず、配線敷設作業等が煩雑になると共に、電磁波や電磁界等のノイズに対するS/N比を確保するために検出電気信号を大きくする必要があった。また、A/D変換器の近傍でA/D変換器に入力できる信号まで電気信号を小さくする方法をとっていたため、高精度を実現するためには電気信号を小さくするための装置まで高精度化が必要であり、部品点数の削減と小型化および低コスト化の妨げになっていた。さらに、各検出信号を配線で引き回すため、電流および電圧計測装置の二次負担を大きくする必要があり、電流もしくは電圧センサの小型化を妨げていた。
【0005】
ところで、A/D変換器等の電子部品を導電性ケースに収納し、この導電性ケースを開閉装置の接地金属容器近傍に設置すると、断路器が動作した場合に金属容器自身の電位がサージ電圧により誘起され変動し、過電圧がA/D変換器を含めた電子部品に加わる可能性がある。しかも、誘起される電圧は金属を流れる時の微小なインダクタンスの違いにより大きく異なった電圧となり、電子部品の絶縁仕様を高くすることが必須となり、大型化およびコストアップが避けられない。さらに、A/D変換器の入力電気信号は微弱であり、電磁波や運転時に発生する電磁界が外部に洩れて入力信号のS/N比が悪くなり、高精度化の妨げになってしまったり、誘起された高周波電圧によってA/D変換器を含めた電子部品が誤動作する恐れがある。
【0006】
本発明の目的は、断路器開閉に伴う過大なサージ電圧が電子回路等に加わることを低減すると共に、外部電磁界の影響を受けにくくした開閉装置用計測装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、金属容器内に高電圧部導体を配置し、この高電圧部導体からの電圧検出信号および電流検出信号の少なくとも一方を密封端子を介して上記金属容器外に導出した開閉装置用計測装置において、上記密封端子を包囲するように上記金属容器の外部に直接取り付けて上記金属容器と電気的に接続した多重容器を設け、この多重容器内に上記密封端子に接続して上記電圧検出信号および上記電流検出信号の少なくとも一方をデジタル信号に変換するA/D変換器を配置し、上記多重容器は、磁性体と非磁性体の多重構造で容器状に成したことを特徴とする。
【0008】
本発明の開閉装置用計測装置によれば、多重容器を磁性体と非磁性体の両方の金属を用いた多重構造とし、この多重容器を金属容器と直接電気的に接続するようにしたため、金属容器と多重容器間のインダクタンスを小さくし、サージ電圧が加わった場合の金属容器と多重容器間の電位差を小さくして電子部品に加わる過電圧を抑制することができる。また、多重容器に磁性体と非磁性体の両方を用いることで、外部からの電磁波や高電圧部導体を流れる電流による洩れ磁界等によりA/D変換器に入力される電気信号のS/N比の低下を防止すると共に電子部品の誤動作を防止することができる。
【0009】
また請求項2に記載の本発明は、請求項1記載のものにおいて、上記多重容器を接地する接地線を設け、この接地線の外周部にフェライトコアを配置したことを特徴とする。このような開閉装置用計測装置によれば、多重容器を接地する接地線の途中にフェライトコアを挿入しているため、このフェライトコアによって高周波電流を抑制し、多重容器と金属容器間の電位差を更に小さく抑えることが可能である。
【0010】
また請求項3に記載の本発明は、請求項1記載のものにおいて、上記電流検出信号を検出するために上記高電圧部導体の外周部に、磁性体をコア材とした巻き線と、非磁性体をコア材とした巻き線とを設け、これら両巻き線からの上記電流検出信号を切り替えて出力する出力信号切替器を設けたことを特徴とする。このような開閉装置用計測装置は、少ない電流の範囲に対しては磁性体コアとした巻き線の出力を利用し、電流が大きい範囲に対しては非磁性体コアとした巻き線の出力を利用して高電圧部導体を流れる電流を測定することができ、このように二重の巻き線を利用することによって、巻き線を大型化することなく広い範囲の電流を高精度に測定することが可能となる。
【0011】
また請求項4に記載の本発明は、請求項1記載のものにおいて、上記電流検出信号を検出するために上記高電圧部導体の外周部に巻き線を設け、上記電圧検出信号を検出するために上記高電圧部導体に対向して配置した検出電極を設け、上記電流検出信号および上記電圧検出信号を切り替えて出力する出力信号切替器を介して共通の上記A/D変換器に入力したことを特徴とする。このような開閉装置用計測装置は、一部の部品を兼用して電流計測装置と電圧計測装置を共通の多重容器内に構成することができ、全体を小型にすることができる。
【0012】
また請求項5に記載の本発明は、請求項1記載のものにおいて、上記多重容器内に、上記A/D変換器のデジタル信号を光デジタル信号に変換するE/O変換器を設けたことを特徴とする。このような開閉装置用計測装置によれば、E/O変換器によって多重容器内で外部への伝送データを光のデジタル信号に変換することができるので、外部への伝送データへの電磁波等によるノイズの影響をなくすことができる。また、外部への出力伝送路を電気的に絶縁することが可能となり、多重容器にサージ電圧によって高い電圧が誘起されたとしても安定した出力信号を伝送することができる。
【0013】
さらに請求項6に記載の本発明は、請求1記載のものにおいて、上記多重容器に、上記多重容器の外部から上記A/D変換器の動作タイミングを制御する信号を送る入力端子を設けたことを特徴とする。このような開閉装置用計測装置によれば、入力端子を介してA/D変換器に動作タイミングを制御する制御信号を与えるように構成したため、複数の電流計測装置および電圧計測装置を一体的に構成したとしても同期をはかることが容易であり、変電所全体の保護回路を組むことが可能となり、また、デジタル信号は複数の信号を1本の線でほぼ同時に伝送することが可能であり、配線の簡略化をはかることもできる。
【0014】
さらに請求項7に記載の本発明は、母線用断路器を介して遮断器の一端を母線に接続し、この遮断器の他端にライン側断路器を接続した複数のフィーダを有し、上記母線に金属容器内に配置した高電圧部導体からの電圧検出信号を密封端子を介して上記金属容器外に導出した電圧計測装置を接続した開閉装置において、上記母線に接続した上記電圧計測装置以外のところに、上記金属容器内に配置した高電圧部導体からの電圧検出信号および電流検出信号の少なくとも一方を密封端子を介して上記金属容器外に導出し、上記密封端子を包囲するように上記金属容器の外部に直接取り付けて上記金属容器と電気的に接続した多重容器を設け、この多重容器内に上記密封端子に接続して上記電圧検出信号および上記電流検出信号の少なくとも一方をデジタル信号に変換するA/D変換器を配置し、上記多重容器は、磁性体と非磁性体の多重構造で容器状に成した開閉装置用計測装置を用いたことを特徴とする。
【0015】
このような開閉装置によれば、多重容器を磁性体と非磁性体の両方の金属を用いた多重構造とし、この多重容器を金属容器と直接電気的に接続するようにしたため、金属容器と多重容器間のインダクタンスを小さくし、サージ電圧が加わった場合の金属容器と多重容器間の電位差を小さくして電子部品に加わる過電圧を抑制することができる。また、多重容器に磁性体と非磁性体の両方を用いることで、外部からの電磁波や高電圧部導体を流れる電流による洩れ磁界等によりA/D変換器に入力される電気信号のS/N比の低下を防止すると共に電子部品の誤動作を防止することができる。さらに、母線に従来の例えば巻き線式PTを配置すると、巻き線式PTの精度を他の電圧測定装置よりも高精度とすることになり、電圧計測装置はインタロック用として使用し、保護や電力計算にはこの高精度の巻き線式PTを使用することにより、変電所全体としてコスト低減と効率的な運用をはかることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による開閉装置用計測装置としての電圧計測装置を示す概略構成図である。
0.1MPa・abs以上の気体もしくは真空にされて接地された金属容器2内に、絶縁支持物8によって金属容器2から電気的に絶縁した状態で高電圧部導体1を支持している。金属容器2内において高電圧部導体1に対向配置した検出電極3は、金属容器2の開口部を気密に封じた密封端子4によって検出信号を金属容器2外に導出している。この密封端子4のために形成した開口部を包囲するように金属容器2の外周部には多重容器9が電気的に接続されて直接取り付けられている。この多重容器9内では、密封端子4に低圧側コンデンサC2およびインダクタンス7が接続され、この低圧側コンデンサC2およびインダクタンス7の他端はそれぞれ多重容器9内に配置したA/D変換器27に接続されている。また低圧側コンデンサC2の他端は多重容器9に接続され、A/D変換器27のデジタル信号出力側は引出し端子5によって多重容器9外に伝送されている。このため、検出電極3には高圧側静電容量C1と低圧側コンデンサC2によって分圧された電圧が誘起され、この電圧信号がA/D変換器27によってデジタル信号に変換されて外部へ伝送される。
【0017】
ここで多重容器9は、三重構造であり、抵抗率の小さいアルミ製容器9aと、磁性体である鉄製容器9bと、さらに抵抗率の小さい銅製容器9cとから成り、この多重容器9と金属容器2を直接連結して電気的に接続している。多重容器9と金属容器2を直接電気的に接続すると、両者間のインダクタンスが非常に小さくなりサージ発生電圧も小さくなる。また、低圧側コンデンサC2の接地側電位と金属容器2の電位を同じにすることにより、低圧側コンデンサC2の端子間に発生する電圧を大幅に低減することが可能である。加えて、インダクタンス7をA/D変換器27との間に挿入することにより、A/D変換器27に加わる高周波過電圧(サージ電圧)をさらに低減することができ、絶縁信頼性を確保しながら、開閉装置の近くにA/D変換器27等の電子部品を配置することが可能となる。
【0018】
また、電磁波に対しては、多重容器9のシールド効果により大幅に抑制することができる。つまり、電磁波は電界と磁界の両方を含んでおり、その電界成分は抵抗率が小さい非磁性体のアルミ製容器9aと銅製容器9cにより、磁界成分は透磁率の大きな磁性体の鉄製容器9bにより大幅に減衰させることが可能である。特に、金属容器2が非磁性体から製作された場合、多重容器9のうちの鉄製容器9bは、密封端子4の外径にできるだけ近づけた内径の開口部を形成するようにすると、この開口部での電界の落ち込みを一層効果的に抑制することができる。
【0019】
また、高電圧部導体1を流れる電流Iにより、高電圧部導体1の外周部に磁界が発生する。金属容器2は開閉装置運転時の温度上昇を抑えるため、ステンレスやアルミ等の非磁性体を用いられる場合が多く、その場合には高電圧部導体1を流れる電流Iにより発生する磁界によって近傍に位置するA/D変換器27などが悪影響を受ける。しかし、ここではA/D変換器27などが多重容器9、特に密封端子4の外径にできるだけ近づけた内径を有する鉄製容器9b内に収納されているため、この鉄製容器9bの磁界シールド効果によってA/D変換器27などの電子回路部品を保護することができる。こうして、電磁界のノイズによるS/N比の低下や誤動作を防止し、安定した動作が可能である。さらに従来の場合に比べ、出力された電気信号をデジタル信号にするまでの距離が非常に短くなり、計測装置を小型化することができる。
【0020】
図2は、本発明の他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に電気的に絶縁した状態で配置した高電圧部導体1の外周には、磁性体をコア材とした巻き線12が配置され、この巻き線12に加わる電界を低減するための電界緩和用シールド11を備えている。この電界緩和用シールド11は、密封端子4を介して多重容器9の銅製容器9cを介して接地されている。金属容器2と多重容器9を直接電気的に接続するよう取り付けることにより金属容器2も接地している。多重容器9は抵抗率の小さいアルミ製容器9aと、磁性体である鉄製容器9bと、さらに抵抗率の小さい銅製容器9cとから成り、その内部にA/D変換器27などを配置している。
【0021】
このA/D変換器27の入力が電圧信号入力の場合、例えば、次のようにして電流信号を電圧信号に変換することができる。つまり、巻き線12の出力端子は多重容器9内で抵抗19に接続され、この抵抗19の両端をA/D変換器27に入力することによって抵抗19を流れる電流に比例した電圧を出力することができる。高電圧部導体1には断路器開閉や雷サージ等によってサージ電流が流れる場合があり、商用周波帯の電流を測定したいときは抵抗19の端子間に発生した電圧の高周波成分をカットするローパスフィルタ28を通してA/D変換器27に入力する。また、このローパスフィルタ28はデジタル信号処理時に発生する折り返し誤差を低減する働きも兼ねることができ、さらに小型化が可能となる。
【0022】
このように金属容器2を多重容器9によって接地することにより、対地に対する多重容器9等の電位上昇を先の実施の形態の場合よりも小さくすることが可能であり、A/D変換器27などの電子部品の電源に対する過電圧対策を軽減することができる。先の実施の形態の場合と同様に、電磁波の電界成分は抵抗率が小さい非磁性体のアルミ製容器9aと銅製容器9cにより、電磁波の磁界成分は透磁率の大きな磁性体の鉄製容器9bにより大幅に減衰させることが可能であり、同様に多重容器9のシールド効果により大幅に抑制することができる。また、高電圧部導体1を流れる電流Iにより発生する磁界に対しても、A/D変換器27などが多重容器9、特に密封端子4の外径にその開口部内径を近づけた鉄製容器9b内に収納されているため、この鉄製容器9bの磁界シールド効果によってA/D変換器27などの電子部品を保護することができる。こうして、電磁界のノイズによるS/N比の低下や誤動作を防止し、安定した動作が可能である。さらに従来の場合に比べ、出力された電気信号をデジタル信号にするまでの距離が非常に短くなり、計測装置を小型化することができる。
【0023】
図3は、本発明の他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に電気的に絶縁した状態で配置した高電圧部導体1の外周には、非磁性体コアを用いた巻き線14が配置され、この巻き線14に加わる電界を低減するための電界緩和用シールド11を設けている。巻き線14の出力端子は金属容器2の開口部に配置した密封端子4を介して外部へ引き出されており、この密封端子4を包囲するように多重容器9が金属容器2の外周部に直接取り付けられている。電界緩和用シールド11は密封端子4を介して多重容器9内に電流検出信号を導入しており、巻き線14の出力端子からの電流検出信号は多重容器9内に配置したローパスフィルタ28を介してA/D変換器27に入力され、このA/D変換器27でデジタル信号に変換されて、引き出し端子5から外部に伝送されている。多重容器9は、ここでは二重構造であり、抵抗率の小さく非磁性体であるアルミ製容器9aと、磁性体である鉄製容器9bとから成る。
【0024】
このような開閉装置用計測装置としての電流計測装置によれば、高電圧部導体1を流れる電流を測定するために非磁性体コアを用いた巻き線14を使用することにより、高電圧部導体1を流れる電流の微分値に比例した出力電圧が得られる。このため、図2に示した電圧に変換する抵抗19が不要となり、部品点数を少なくして小型化をはかることができる。また、多重容器9をアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造とすることにより、非磁性体と磁性体による電磁波のシールド効果も期待できる上、多重容器9の構成を簡略化することができる。
【0025】
また、これら各実施の形態の説明から分かるように、電磁波の電界成分は少なくとも抵抗率が小さい非磁性体のアルミ製容器9aにより、電磁波の磁界成分は透磁率の大きな磁性体の鉄製容器9bにより大幅に減衰させることが可能である。また、高電圧部導体1を流れる電流Iにより発生する磁界に対しては、鉄製容器9b内にA/D変換器27などを収納することによって、この鉄製容器9bの磁界シールド効果によってA/D変換器27などの電子部品を保護することができる。
【0026】
図4は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電圧計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に高電圧部導体1を電気的に絶縁した状態で配置し、この高電圧導体1と静電容量C1を介して検出電極3を配置している。この検出電極3は密封端子4を介して金属容器2外に電圧検出信号を導出し、金属容器2の外部に密封端子4を包囲するように直接取り付けた多重容器9内に導入し、低圧側コンデンサC2を介して多重容器9に接続されて接地されている。この低圧側コンデンサC2の接地線の途中に、この接地線を包囲してフェライトコア16を配置している。ここで多重容器9はアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造としており、その内部にA/D変換器27などの電子部品を収容している。このA/D変換器27は、低圧側コンデンサC2の端子間に接続されて、低圧側コンデンサC2によって分圧された電気信号をデジタル信号に変換した後、引き出し端子5から外部に伝送している。
【0027】
このような開閉装置用計測装置としての電圧計測装置によれば、金属容器2に直接電気的に接続した多重容器9をアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造とすることによって、先の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。しかも、低圧側コンデンサC2に流れる高周波サージ電流により、低圧側コンデンサC2の端子間、多重容器9および金属容器2に過電圧(サージ電圧)が発生するが、その接地線の途中にフェライトコア16を挿入しているため、このフェライトコア16によって高周波電流を抑制し、多重容器9および金属容器2の電位上昇を小さく抑えることが可能である。
【0028】
図5は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に配置した高電圧部導体1の外周部に、非磁性体コアを持つ巻き線14と、この巻き線14の電界緩和用シールド11を配置し、巻き線14の出力端子は密封端子4を介して金属容器2外に導出し、金属容器2の外部に密封端子4を包囲するように取り付けた多重容器9内に導入している。多重容器9はアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造となっている。この多重容器9内には、ローパスフィルタ28と、A/D変換器27と、演算回路17が収納されており、ローパスフィルタ28の出力をA/D変換器27でデジタル信号に変換し、このデジタル信号を演算回路17で積分することにより高電圧部導体1に流れる電流Iに比例したデジタル信号出力を得ている。
【0029】
このような開閉装置用計測装置としての電流計測装置によれば、多重容器9の内部に演算回路17を収納することにより、伝送後のデータ処理が不要となり、現地盤や中央制御室等に収める機器を小型化することができると共に、演算回路17はデジタル値で積分するため、積分によるデータの劣化を防止でき、アナログ積分器を用いた場合のような経年変化をなくすことができる。しかも、この演算回路17やA/D変換器27を多重容器9内に収納することによって、先の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0030】
図6は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に配置した高電圧部導体1の外周部に、非磁性体コアの巻き線14と、この巻き線14の電界緩和用シールド11を配置し、巻き線14の出力端子は密封端子4を介して金属容器2外に導出し、金属容器2の外部に密封端子4を包囲するように取り付けた多重容器9内に導入している。多重容器9はアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造となっている。この多重容器9内には、ローパスフィルタ28と、A/D変換器27と、光デジタル信号に変換して出力するE/O変換器29を収納している。
【0031】
このよう開閉装置用計測装置としての電流計測装置によれば、E/O変換器29によって多重容器9内で外部への伝送データを光のデジタル信号に変換することができるので、外部への伝送データへの電磁波等によるノイズの影響をなくすことができる。また、外部への出力伝送路を電気的に絶縁することが可能となり、多重容器9にサージ電圧によって高い電圧が誘起されたとしても安定した出力信号を伝送することができる。
【0032】
図7は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に配置した高電圧部導体1を流れる電流Iを高精度に測定するため、高電圧部導体1の外周部に磁性体コアを用いた巻き線12と、非磁性体コアを用いた巻き線14をそれぞれ配置している。巻き線12および巻き線14の出力端子からの電流検出信号は密封端子4を介して金属容器2外に導出され、金属容器2の外部に密封端子4を包囲するように直接取り付けた多重容器9内に導入されている。多重容器9はアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造となっている。この多重容器9内には、巻き線12の出力端子に接続したA/D変換器27aと、巻き線14の出力端子に接続したA/D変換器27bと、これらA/D変換器27a、27bに出力側をそれぞれ接続した出力信号切替器10と、この出力信号切替器10の出力側を接続されて光デジタル信号に変換して出力するE/O変換器29が収納されている。
【0033】
磁性体コアを持つ巻き線12は、コア材の磁気飽和のため高電圧部導体1に流れる電流Iに比例した電流を出力する範囲がコアの断面積と材質により決定される。これに対して、非磁性体コアを持つ巻き線14は、磁気飽和の問題がないことから高電圧部導体1の電流に制限がない。ところが、非磁性体コアの巻き線14の出力信号は高電圧部導体1に流れる電流Iの微分に比例した電圧信号であるため、積分による誤差が生じてしまうという問題がある。これらの関係から、変電所もしくは開閉所に適用する場合、少ない電流の範囲に対しては磁性体コアとした巻き線12の出力を利用して、例えば計測用に用い、電流が大きい範囲に対しては非磁性体コアとした巻き線14の出力を利用して、例えば保護用に用いて高精度化を図ることができる。またA/D変換器27a、27bの前段に出力信号切替器10を設けてA/D変換器を共用化すれば、一層の小型化が可能である。このように二重の巻き線12、14を利用することによって、巻き線を大型化することなく広い範囲の電流を高精度に測定することが可能となる。定格電流を100%とした場合、その120〜600%の間に出力信号切替器10による切替電流値を設定すると、両方の巻き線12、14を加えたトータルの大きさを最小限にすることができる。
【0034】
図8は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流電圧計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内にはこれと電気的に絶縁した状態で配置した高電圧部導体1と、この高電圧部導体1に対向すると共に電界緩和用シールドを兼用した検出電極3が配置されており、この検出電極3の背後に磁性体コアを持つ巻き線12と、非磁性体コアを持つ巻き線14を配置している。検出電極3の端子および巻き線12、14の端子は、金属容器2の開口部を気密に封じた密封端子4によって金属容器2外に導出されている。この密封端子4を包囲するように金属容器2の外周部には多重容器9が直接取り付けられており、ここで多重容器9は、三重構造であり、抵抗率の小さいアルミ製容器9aと、磁性体である鉄製容器9bとから構成されている。
【0035】
この多重容器9内には、検出電極3の端子に接続した低圧側コンデンサC2およびインダクタンス7と、この低圧側コンデンサC2およびインダクタンス7のそれぞれ他端を接続した出力信号切替器10と、この出力信号切替器10の出力側に接続したA/D変換器27と、このA/D変換器27の出力側に接続してデジタル信号を積分することにより高電圧部導体1に流れる電流Iに比例したデジタル信号出力を得るようにした演算回路17と、この演算回路17の出力側に接続されて光デジタル信号に変換して出力するE/O変換器29とを収納している。巻き線12、14の端子はそれぞれ出力信号切替器10を介してA/D変換器27に接続され、E/O変換器29の光デジタル信号出力は引出し端子5によって多重容器9外に伝送されている。つまり、多重容器9内に電流計測装置を構成する部品と、電圧計測装置を構成する部品とを同時に収納し、これら間の出力信号を出力信号切替器10によって選択的に切り替えて引出し端子5から伝送出力するようにしている。
【0036】
このような開閉装置用計測装置によれば、多重容器9内に電流電圧計測装置を一体的に構成することができるので、それぞれ別体に構成した場合に比べて全体として小型化をはかることができる。また、検出電極3からの検出電気信号と、巻き線12、14からの検出電気信号とを出力信号切替器10を介してA/D変換器27に出力することによって、A/D変換器27やE/O変換器29等を共用化することができ、一層部品点数を減らすことができ、しかも、出力信号は引き出し端子5からの1本だけとなり、付帯機器の設置作業も簡略化することができる。
【0037】
図9は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置を示す概略構成図である。
図8に示した実施の形態の場合と同様に、共通の多重容器9内に電流計測装置と電圧計測装置とを部品の共用化を図りながら構成している。ここで、電流計測装置は非磁性体コアを有する巻き線14のみとしている。また金属容器2と多重容器9は電気的に接続されて、多重容器9に接続した接地線によって接地しており、この接地線を包囲するように上述のフェライトコア16を配置している。さらに、多重容器9には入力端子13が設けられており、外部からこの入力端子13を介してA/D変換器27に動作タイミングを制御する制御信号を与えるようにしている。
【0038】
このような開閉装置用計測装置によれば、図8の場合と同様に多重容器9内に電流電圧計測装置を一体的に構成することができるので、それぞれ別体に構成した場合に比べて全体として小型化をはかることができ、ほぼ同様の効果を得ることができる。また、入力端子13を介してA/D変換器27に動作タイミングを制御する制御信号を与えるように構成したため、複数の電流計測装置および電圧計測装置の同期をはかることが容易であり、変電所全体の保護回路を組むことが可能となる。また、図8の場合と同様にデジタル信号は複数の信号を1本の線でほぼ同時に伝送することが可能であり、配線の簡略化をはかることもできる。
【0039】
図11は、本発明による開閉装置用計測装置を採用した変電所もしくは開閉所の構成例を示す回路図である。
変電所もしくは開閉所等の回路構成は様々であるが、ここでは母線30に複数フィーダの開閉装置が接続され、各開閉装置は母線断路器32を介して遮断器31の一端を母線30に接続し、この遮断器31の他端はライン側断路器33を介して送電線34に接続して構成されている。ライン側断路器33と送電線34の間に、上述した各実施の形態で示した開閉装置用計測装置35を配置し、母線30に従来の巻き線式PT36を配置すると共に、巻き線式PT36の精度を他の開閉装置用計測装置35よりも高精度としている。このため、開閉装置用計測装置35をインタロック用もしくは保護用として使用し、電力計算や制御・保護には高精度の巻き線式PT36を使用することにより、変電所全体としてコスト低減と効率的な運用をはかることができる。
【0040】
尚、上述した実施の形態で多重容器9は、少なくともアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造とし、それぞれを容器として構成したが、必ずしもそれぞれを容器にする必要はなく全体として容器を構成すればよい。このとき、電磁波や高電圧部導体1による磁界に対してはA/D変換器27などの電子部品を保護するために全体を覆う容器状にするのが望ましく、一方、サージ電圧によって多重容器9を流れる電流に対しては、電気抵抗の小さな銅もしくはアルミを少なくとも高電圧部導体1の軸方向と径方向に通電する機能を有していれば形状は問わない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の開閉装置用計測装置によれば、断路器開閉時に発生するサージ電圧による過電圧、電磁波や電磁界によるノイズの影響を抑え、しかも多重容器内に配置した電子部品を過大なサージから保護することができ、小型で高精度かつ高絶縁信頼性とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による開閉装置用計測装置としての電圧計測装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電圧計測装置を示す概略構成図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置を示す概略構成図である。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置を示す概略構成図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置を示す概略構成図である。
【図10】従来の開閉装置用計測装置としての電圧計測装置を示す概略構成図である。
【図11】本発明による開閉装置用計測装置を採用した変電所構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 高電圧部導体
2 金属容器
3 検出電極
4 密封端子
5 引出し端子
9 多重容器
9a アルミ製容器
9b 鉄製容器
9c 銅製容器
10 切換え器
11 電界緩和用シールド
12 巻き線
14 巻き線
16 フェライトコア
17 演算回路
20 E/O変換器
27 A/D変換器
28 ローパスフィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、高電圧部導体からの電圧検出信号もしくは電流検出信号を計測する電圧計測装置もしくは電流計測装置等の開閉装置用計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
変電所もしくは開閉所等で使用する開閉装置においては、電力量計算や保護もしくは制御あるいはインターロック用に高電圧部導体の電圧もしくは電流を計測する開閉装置用計測装置が設けられている。
この種の従来の開閉装置用計測装置は、図10に示すように接地した金属容器2内に高電圧部導体1を配置し、この高電圧部導体1を流れる電流を検出する電流計測装置の場合、鉄心入りの巻き線12を電界シールド11の後方における金属容器2内に収納配置し、電流検出信号はJEC−1201−1996もしくはIEC60044−1(1996)で規定されている二次出力電流(1Aもしくは5A)で、密封端子4および敷設配線22を介して開閉装置から数メートル離れた現地盤もしくは数十メートル以上離れた中央制御室等24まで送られるのが一般的である。そこで、10V以下の電圧信号に変換され、さらにデジタル変換器(A/D変換器)27によりデジタル信号に変換されていた。そのため、断路器動作時に発生するサージ電圧に対しては、A/D変換器27等の電子部品を備えた基板をサージ電圧の発生源である断路器から離して減衰させ、さらに補助変流器23等を用いたりして敷設配線22からのサージ電圧を低減させ、A/D変換器27等の電子部品の絶縁仕様を軽減してコスト低減と絶縁信頼性等を確保していた。サージ電圧以外にもサージ発生時の電磁波や運転時の通電により発生する電磁界等が開閉装置外部へ洩れてくるため、検出信号にノイズが重畳することにより、S/N比が低下し高精度化の妨げになる可能性があった。そのため、検出信号を1A以上と大きくすることで、電磁波や電磁界等のノイズによるS/N比低下を防止していた。また、検出電気信号が電圧出力であるロゴスキーコイルを用いた場合でも、サージ電圧低減方法の考え方を同じにすることで、従来と同様に絶縁仕様を上げることなく、高精度な電流測定装置を構成することができることが示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、高電圧部導体1に印加された電圧を検出する電圧計測装置の場合、巻線型のPTやコンデンサ型のPDが広く使用されており、検出信号は電流計測装置と同様にJEC−1201−1996や、IEC−60044(1997)で規定されている二次出力電圧(110V)で検出された電気信号を開閉装置から数メートル離れた現地盤もしくは数十メートル離れた中央制御室まで敷設配線で送るのが一般的である。そして電流計測装置と同様に現地盤もしくは中央制御室内で10V以下の電圧信号に変換され、さらにA/D変換器(デジタル変換器)によりデジタル信号に変換されていた。そのため、断路器動作時に発生するサージ電圧に対しては、A/D変換器等の電子部品を備えた基板を接地サージ電圧の発生源である断路器から離すことによりサージ電圧を低減し、敷設配線を伝播してくるサージ電圧に対しては補助トランス等を配置して、電子部品の絶縁仕様を軽減してコスト低減と絶縁信頼性等を確保すると共に誤動作を防止していた。サージ電圧以外にサージ発生時の電磁波や運転時の通電により発生する電磁界等が開閉装置外部へ洩れてくるため、検出信号にノイズが重畳してS/N比が低下するため、高精度化の妨げになる可能性があった。しかしながら、110Vに分圧した電圧信号は、電磁波や電磁界等のノイズに比べ十分大きな信号であるためS/N比を損なわずに検出信号を伝送し、デジタル変換することで高精度の電圧計測装置を可能としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の開閉装置用計測装置は、A/D変換器等の電子部品における絶縁仕様を軽減するためにサージ電圧が比較的小さくなった現地盤もしくは中央制御室等に収納していたため、現地盤や中央制御室まで配線を引いて電気信号を伝送しなければならず、配線敷設作業等が煩雑になると共に、電磁波や電磁界等のノイズに対するS/N比を確保するために検出電気信号を大きくする必要があった。また、A/D変換器の近傍でA/D変換器に入力できる信号まで電気信号を小さくする方法をとっていたため、高精度を実現するためには電気信号を小さくするための装置まで高精度化が必要であり、部品点数の削減と小型化および低コスト化の妨げになっていた。さらに、各検出信号を配線で引き回すため、電流および電圧計測装置の二次負担を大きくする必要があり、電流もしくは電圧センサの小型化を妨げていた。
【0005】
ところで、A/D変換器等の電子部品を導電性ケースに収納し、この導電性ケースを開閉装置の接地金属容器近傍に設置すると、断路器が動作した場合に金属容器自身の電位がサージ電圧により誘起され変動し、過電圧がA/D変換器を含めた電子部品に加わる可能性がある。しかも、誘起される電圧は金属を流れる時の微小なインダクタンスの違いにより大きく異なった電圧となり、電子部品の絶縁仕様を高くすることが必須となり、大型化およびコストアップが避けられない。さらに、A/D変換器の入力電気信号は微弱であり、電磁波や運転時に発生する電磁界が外部に洩れて入力信号のS/N比が悪くなり、高精度化の妨げになってしまったり、誘起された高周波電圧によってA/D変換器を含めた電子部品が誤動作する恐れがある。
【0006】
本発明の目的は、断路器開閉に伴う過大なサージ電圧が電子回路等に加わることを低減すると共に、外部電磁界の影響を受けにくくした開閉装置用計測装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、金属容器内に高電圧部導体を配置し、この高電圧部導体からの電圧検出信号および電流検出信号の少なくとも一方を密封端子を介して上記金属容器外に導出した開閉装置用計測装置において、上記密封端子を包囲するように上記金属容器の外部に直接取り付けて上記金属容器と電気的に接続した多重容器を設け、この多重容器内に上記密封端子に接続して上記電圧検出信号および上記電流検出信号の少なくとも一方をデジタル信号に変換するA/D変換器を配置し、上記多重容器は、磁性体と非磁性体の多重構造で容器状に成したことを特徴とする。
【0008】
本発明の開閉装置用計測装置によれば、多重容器を磁性体と非磁性体の両方の金属を用いた多重構造とし、この多重容器を金属容器と直接電気的に接続するようにしたため、金属容器と多重容器間のインダクタンスを小さくし、サージ電圧が加わった場合の金属容器と多重容器間の電位差を小さくして電子部品に加わる過電圧を抑制することができる。また、多重容器に磁性体と非磁性体の両方を用いることで、外部からの電磁波や高電圧部導体を流れる電流による洩れ磁界等によりA/D変換器に入力される電気信号のS/N比の低下を防止すると共に電子部品の誤動作を防止することができる。
【0009】
また請求項2に記載の本発明は、請求項1記載のものにおいて、上記多重容器を接地する接地線を設け、この接地線の外周部にフェライトコアを配置したことを特徴とする。このような開閉装置用計測装置によれば、多重容器を接地する接地線の途中にフェライトコアを挿入しているため、このフェライトコアによって高周波電流を抑制し、多重容器と金属容器間の電位差を更に小さく抑えることが可能である。
【0010】
また請求項3に記載の本発明は、請求項1記載のものにおいて、上記電流検出信号を検出するために上記高電圧部導体の外周部に、磁性体をコア材とした巻き線と、非磁性体をコア材とした巻き線とを設け、これら両巻き線からの上記電流検出信号を切り替えて出力する出力信号切替器を設けたことを特徴とする。このような開閉装置用計測装置は、少ない電流の範囲に対しては磁性体コアとした巻き線の出力を利用し、電流が大きい範囲に対しては非磁性体コアとした巻き線の出力を利用して高電圧部導体を流れる電流を測定することができ、このように二重の巻き線を利用することによって、巻き線を大型化することなく広い範囲の電流を高精度に測定することが可能となる。
【0011】
また請求項4に記載の本発明は、請求項1記載のものにおいて、上記電流検出信号を検出するために上記高電圧部導体の外周部に巻き線を設け、上記電圧検出信号を検出するために上記高電圧部導体に対向して配置した検出電極を設け、上記電流検出信号および上記電圧検出信号を切り替えて出力する出力信号切替器を介して共通の上記A/D変換器に入力したことを特徴とする。このような開閉装置用計測装置は、一部の部品を兼用して電流計測装置と電圧計測装置を共通の多重容器内に構成することができ、全体を小型にすることができる。
【0012】
また請求項5に記載の本発明は、請求項1記載のものにおいて、上記多重容器内に、上記A/D変換器のデジタル信号を光デジタル信号に変換するE/O変換器を設けたことを特徴とする。このような開閉装置用計測装置によれば、E/O変換器によって多重容器内で外部への伝送データを光のデジタル信号に変換することができるので、外部への伝送データへの電磁波等によるノイズの影響をなくすことができる。また、外部への出力伝送路を電気的に絶縁することが可能となり、多重容器にサージ電圧によって高い電圧が誘起されたとしても安定した出力信号を伝送することができる。
【0013】
さらに請求項6に記載の本発明は、請求1記載のものにおいて、上記多重容器に、上記多重容器の外部から上記A/D変換器の動作タイミングを制御する信号を送る入力端子を設けたことを特徴とする。このような開閉装置用計測装置によれば、入力端子を介してA/D変換器に動作タイミングを制御する制御信号を与えるように構成したため、複数の電流計測装置および電圧計測装置を一体的に構成したとしても同期をはかることが容易であり、変電所全体の保護回路を組むことが可能となり、また、デジタル信号は複数の信号を1本の線でほぼ同時に伝送することが可能であり、配線の簡略化をはかることもできる。
【0014】
さらに請求項7に記載の本発明は、母線用断路器を介して遮断器の一端を母線に接続し、この遮断器の他端にライン側断路器を接続した複数のフィーダを有し、上記母線に金属容器内に配置した高電圧部導体からの電圧検出信号を密封端子を介して上記金属容器外に導出した電圧計測装置を接続した開閉装置において、上記母線に接続した上記電圧計測装置以外のところに、上記金属容器内に配置した高電圧部導体からの電圧検出信号および電流検出信号の少なくとも一方を密封端子を介して上記金属容器外に導出し、上記密封端子を包囲するように上記金属容器の外部に直接取り付けて上記金属容器と電気的に接続した多重容器を設け、この多重容器内に上記密封端子に接続して上記電圧検出信号および上記電流検出信号の少なくとも一方をデジタル信号に変換するA/D変換器を配置し、上記多重容器は、磁性体と非磁性体の多重構造で容器状に成した開閉装置用計測装置を用いたことを特徴とする。
【0015】
このような開閉装置によれば、多重容器を磁性体と非磁性体の両方の金属を用いた多重構造とし、この多重容器を金属容器と直接電気的に接続するようにしたため、金属容器と多重容器間のインダクタンスを小さくし、サージ電圧が加わった場合の金属容器と多重容器間の電位差を小さくして電子部品に加わる過電圧を抑制することができる。また、多重容器に磁性体と非磁性体の両方を用いることで、外部からの電磁波や高電圧部導体を流れる電流による洩れ磁界等によりA/D変換器に入力される電気信号のS/N比の低下を防止すると共に電子部品の誤動作を防止することができる。さらに、母線に従来の例えば巻き線式PTを配置すると、巻き線式PTの精度を他の電圧測定装置よりも高精度とすることになり、電圧計測装置はインタロック用として使用し、保護や電力計算にはこの高精度の巻き線式PTを使用することにより、変電所全体としてコスト低減と効率的な運用をはかることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による開閉装置用計測装置としての電圧計測装置を示す概略構成図である。
0.1MPa・abs以上の気体もしくは真空にされて接地された金属容器2内に、絶縁支持物8によって金属容器2から電気的に絶縁した状態で高電圧部導体1を支持している。金属容器2内において高電圧部導体1に対向配置した検出電極3は、金属容器2の開口部を気密に封じた密封端子4によって検出信号を金属容器2外に導出している。この密封端子4のために形成した開口部を包囲するように金属容器2の外周部には多重容器9が電気的に接続されて直接取り付けられている。この多重容器9内では、密封端子4に低圧側コンデンサC2およびインダクタンス7が接続され、この低圧側コンデンサC2およびインダクタンス7の他端はそれぞれ多重容器9内に配置したA/D変換器27に接続されている。また低圧側コンデンサC2の他端は多重容器9に接続され、A/D変換器27のデジタル信号出力側は引出し端子5によって多重容器9外に伝送されている。このため、検出電極3には高圧側静電容量C1と低圧側コンデンサC2によって分圧された電圧が誘起され、この電圧信号がA/D変換器27によってデジタル信号に変換されて外部へ伝送される。
【0017】
ここで多重容器9は、三重構造であり、抵抗率の小さいアルミ製容器9aと、磁性体である鉄製容器9bと、さらに抵抗率の小さい銅製容器9cとから成り、この多重容器9と金属容器2を直接連結して電気的に接続している。多重容器9と金属容器2を直接電気的に接続すると、両者間のインダクタンスが非常に小さくなりサージ発生電圧も小さくなる。また、低圧側コンデンサC2の接地側電位と金属容器2の電位を同じにすることにより、低圧側コンデンサC2の端子間に発生する電圧を大幅に低減することが可能である。加えて、インダクタンス7をA/D変換器27との間に挿入することにより、A/D変換器27に加わる高周波過電圧(サージ電圧)をさらに低減することができ、絶縁信頼性を確保しながら、開閉装置の近くにA/D変換器27等の電子部品を配置することが可能となる。
【0018】
また、電磁波に対しては、多重容器9のシールド効果により大幅に抑制することができる。つまり、電磁波は電界と磁界の両方を含んでおり、その電界成分は抵抗率が小さい非磁性体のアルミ製容器9aと銅製容器9cにより、磁界成分は透磁率の大きな磁性体の鉄製容器9bにより大幅に減衰させることが可能である。特に、金属容器2が非磁性体から製作された場合、多重容器9のうちの鉄製容器9bは、密封端子4の外径にできるだけ近づけた内径の開口部を形成するようにすると、この開口部での電界の落ち込みを一層効果的に抑制することができる。
【0019】
また、高電圧部導体1を流れる電流Iにより、高電圧部導体1の外周部に磁界が発生する。金属容器2は開閉装置運転時の温度上昇を抑えるため、ステンレスやアルミ等の非磁性体を用いられる場合が多く、その場合には高電圧部導体1を流れる電流Iにより発生する磁界によって近傍に位置するA/D変換器27などが悪影響を受ける。しかし、ここではA/D変換器27などが多重容器9、特に密封端子4の外径にできるだけ近づけた内径を有する鉄製容器9b内に収納されているため、この鉄製容器9bの磁界シールド効果によってA/D変換器27などの電子回路部品を保護することができる。こうして、電磁界のノイズによるS/N比の低下や誤動作を防止し、安定した動作が可能である。さらに従来の場合に比べ、出力された電気信号をデジタル信号にするまでの距離が非常に短くなり、計測装置を小型化することができる。
【0020】
図2は、本発明の他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に電気的に絶縁した状態で配置した高電圧部導体1の外周には、磁性体をコア材とした巻き線12が配置され、この巻き線12に加わる電界を低減するための電界緩和用シールド11を備えている。この電界緩和用シールド11は、密封端子4を介して多重容器9の銅製容器9cを介して接地されている。金属容器2と多重容器9を直接電気的に接続するよう取り付けることにより金属容器2も接地している。多重容器9は抵抗率の小さいアルミ製容器9aと、磁性体である鉄製容器9bと、さらに抵抗率の小さい銅製容器9cとから成り、その内部にA/D変換器27などを配置している。
【0021】
このA/D変換器27の入力が電圧信号入力の場合、例えば、次のようにして電流信号を電圧信号に変換することができる。つまり、巻き線12の出力端子は多重容器9内で抵抗19に接続され、この抵抗19の両端をA/D変換器27に入力することによって抵抗19を流れる電流に比例した電圧を出力することができる。高電圧部導体1には断路器開閉や雷サージ等によってサージ電流が流れる場合があり、商用周波帯の電流を測定したいときは抵抗19の端子間に発生した電圧の高周波成分をカットするローパスフィルタ28を通してA/D変換器27に入力する。また、このローパスフィルタ28はデジタル信号処理時に発生する折り返し誤差を低減する働きも兼ねることができ、さらに小型化が可能となる。
【0022】
このように金属容器2を多重容器9によって接地することにより、対地に対する多重容器9等の電位上昇を先の実施の形態の場合よりも小さくすることが可能であり、A/D変換器27などの電子部品の電源に対する過電圧対策を軽減することができる。先の実施の形態の場合と同様に、電磁波の電界成分は抵抗率が小さい非磁性体のアルミ製容器9aと銅製容器9cにより、電磁波の磁界成分は透磁率の大きな磁性体の鉄製容器9bにより大幅に減衰させることが可能であり、同様に多重容器9のシールド効果により大幅に抑制することができる。また、高電圧部導体1を流れる電流Iにより発生する磁界に対しても、A/D変換器27などが多重容器9、特に密封端子4の外径にその開口部内径を近づけた鉄製容器9b内に収納されているため、この鉄製容器9bの磁界シールド効果によってA/D変換器27などの電子部品を保護することができる。こうして、電磁界のノイズによるS/N比の低下や誤動作を防止し、安定した動作が可能である。さらに従来の場合に比べ、出力された電気信号をデジタル信号にするまでの距離が非常に短くなり、計測装置を小型化することができる。
【0023】
図3は、本発明の他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に電気的に絶縁した状態で配置した高電圧部導体1の外周には、非磁性体コアを用いた巻き線14が配置され、この巻き線14に加わる電界を低減するための電界緩和用シールド11を設けている。巻き線14の出力端子は金属容器2の開口部に配置した密封端子4を介して外部へ引き出されており、この密封端子4を包囲するように多重容器9が金属容器2の外周部に直接取り付けられている。電界緩和用シールド11は密封端子4を介して多重容器9内に電流検出信号を導入しており、巻き線14の出力端子からの電流検出信号は多重容器9内に配置したローパスフィルタ28を介してA/D変換器27に入力され、このA/D変換器27でデジタル信号に変換されて、引き出し端子5から外部に伝送されている。多重容器9は、ここでは二重構造であり、抵抗率の小さく非磁性体であるアルミ製容器9aと、磁性体である鉄製容器9bとから成る。
【0024】
このような開閉装置用計測装置としての電流計測装置によれば、高電圧部導体1を流れる電流を測定するために非磁性体コアを用いた巻き線14を使用することにより、高電圧部導体1を流れる電流の微分値に比例した出力電圧が得られる。このため、図2に示した電圧に変換する抵抗19が不要となり、部品点数を少なくして小型化をはかることができる。また、多重容器9をアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造とすることにより、非磁性体と磁性体による電磁波のシールド効果も期待できる上、多重容器9の構成を簡略化することができる。
【0025】
また、これら各実施の形態の説明から分かるように、電磁波の電界成分は少なくとも抵抗率が小さい非磁性体のアルミ製容器9aにより、電磁波の磁界成分は透磁率の大きな磁性体の鉄製容器9bにより大幅に減衰させることが可能である。また、高電圧部導体1を流れる電流Iにより発生する磁界に対しては、鉄製容器9b内にA/D変換器27などを収納することによって、この鉄製容器9bの磁界シールド効果によってA/D変換器27などの電子部品を保護することができる。
【0026】
図4は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電圧計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に高電圧部導体1を電気的に絶縁した状態で配置し、この高電圧導体1と静電容量C1を介して検出電極3を配置している。この検出電極3は密封端子4を介して金属容器2外に電圧検出信号を導出し、金属容器2の外部に密封端子4を包囲するように直接取り付けた多重容器9内に導入し、低圧側コンデンサC2を介して多重容器9に接続されて接地されている。この低圧側コンデンサC2の接地線の途中に、この接地線を包囲してフェライトコア16を配置している。ここで多重容器9はアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造としており、その内部にA/D変換器27などの電子部品を収容している。このA/D変換器27は、低圧側コンデンサC2の端子間に接続されて、低圧側コンデンサC2によって分圧された電気信号をデジタル信号に変換した後、引き出し端子5から外部に伝送している。
【0027】
このような開閉装置用計測装置としての電圧計測装置によれば、金属容器2に直接電気的に接続した多重容器9をアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造とすることによって、先の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。しかも、低圧側コンデンサC2に流れる高周波サージ電流により、低圧側コンデンサC2の端子間、多重容器9および金属容器2に過電圧(サージ電圧)が発生するが、その接地線の途中にフェライトコア16を挿入しているため、このフェライトコア16によって高周波電流を抑制し、多重容器9および金属容器2の電位上昇を小さく抑えることが可能である。
【0028】
図5は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に配置した高電圧部導体1の外周部に、非磁性体コアを持つ巻き線14と、この巻き線14の電界緩和用シールド11を配置し、巻き線14の出力端子は密封端子4を介して金属容器2外に導出し、金属容器2の外部に密封端子4を包囲するように取り付けた多重容器9内に導入している。多重容器9はアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造となっている。この多重容器9内には、ローパスフィルタ28と、A/D変換器27と、演算回路17が収納されており、ローパスフィルタ28の出力をA/D変換器27でデジタル信号に変換し、このデジタル信号を演算回路17で積分することにより高電圧部導体1に流れる電流Iに比例したデジタル信号出力を得ている。
【0029】
このような開閉装置用計測装置としての電流計測装置によれば、多重容器9の内部に演算回路17を収納することにより、伝送後のデータ処理が不要となり、現地盤や中央制御室等に収める機器を小型化することができると共に、演算回路17はデジタル値で積分するため、積分によるデータの劣化を防止でき、アナログ積分器を用いた場合のような経年変化をなくすことができる。しかも、この演算回路17やA/D変換器27を多重容器9内に収納することによって、先の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0030】
図6は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に配置した高電圧部導体1の外周部に、非磁性体コアの巻き線14と、この巻き線14の電界緩和用シールド11を配置し、巻き線14の出力端子は密封端子4を介して金属容器2外に導出し、金属容器2の外部に密封端子4を包囲するように取り付けた多重容器9内に導入している。多重容器9はアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造となっている。この多重容器9内には、ローパスフィルタ28と、A/D変換器27と、光デジタル信号に変換して出力するE/O変換器29を収納している。
【0031】
このよう開閉装置用計測装置としての電流計測装置によれば、E/O変換器29によって多重容器9内で外部への伝送データを光のデジタル信号に変換することができるので、外部への伝送データへの電磁波等によるノイズの影響をなくすことができる。また、外部への出力伝送路を電気的に絶縁することが可能となり、多重容器9にサージ電圧によって高い電圧が誘起されたとしても安定した出力信号を伝送することができる。
【0032】
図7は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内に配置した高電圧部導体1を流れる電流Iを高精度に測定するため、高電圧部導体1の外周部に磁性体コアを用いた巻き線12と、非磁性体コアを用いた巻き線14をそれぞれ配置している。巻き線12および巻き線14の出力端子からの電流検出信号は密封端子4を介して金属容器2外に導出され、金属容器2の外部に密封端子4を包囲するように直接取り付けた多重容器9内に導入されている。多重容器9はアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造となっている。この多重容器9内には、巻き線12の出力端子に接続したA/D変換器27aと、巻き線14の出力端子に接続したA/D変換器27bと、これらA/D変換器27a、27bに出力側をそれぞれ接続した出力信号切替器10と、この出力信号切替器10の出力側を接続されて光デジタル信号に変換して出力するE/O変換器29が収納されている。
【0033】
磁性体コアを持つ巻き線12は、コア材の磁気飽和のため高電圧部導体1に流れる電流Iに比例した電流を出力する範囲がコアの断面積と材質により決定される。これに対して、非磁性体コアを持つ巻き線14は、磁気飽和の問題がないことから高電圧部導体1の電流に制限がない。ところが、非磁性体コアの巻き線14の出力信号は高電圧部導体1に流れる電流Iの微分に比例した電圧信号であるため、積分による誤差が生じてしまうという問題がある。これらの関係から、変電所もしくは開閉所に適用する場合、少ない電流の範囲に対しては磁性体コアとした巻き線12の出力を利用して、例えば計測用に用い、電流が大きい範囲に対しては非磁性体コアとした巻き線14の出力を利用して、例えば保護用に用いて高精度化を図ることができる。またA/D変換器27a、27bの前段に出力信号切替器10を設けてA/D変換器を共用化すれば、一層の小型化が可能である。このように二重の巻き線12、14を利用することによって、巻き線を大型化することなく広い範囲の電流を高精度に測定することが可能となる。定格電流を100%とした場合、その120〜600%の間に出力信号切替器10による切替電流値を設定すると、両方の巻き線12、14を加えたトータルの大きさを最小限にすることができる。
【0034】
図8は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流電圧計測装置を示す概略構成図である。
金属容器2内にはこれと電気的に絶縁した状態で配置した高電圧部導体1と、この高電圧部導体1に対向すると共に電界緩和用シールドを兼用した検出電極3が配置されており、この検出電極3の背後に磁性体コアを持つ巻き線12と、非磁性体コアを持つ巻き線14を配置している。検出電極3の端子および巻き線12、14の端子は、金属容器2の開口部を気密に封じた密封端子4によって金属容器2外に導出されている。この密封端子4を包囲するように金属容器2の外周部には多重容器9が直接取り付けられており、ここで多重容器9は、三重構造であり、抵抗率の小さいアルミ製容器9aと、磁性体である鉄製容器9bとから構成されている。
【0035】
この多重容器9内には、検出電極3の端子に接続した低圧側コンデンサC2およびインダクタンス7と、この低圧側コンデンサC2およびインダクタンス7のそれぞれ他端を接続した出力信号切替器10と、この出力信号切替器10の出力側に接続したA/D変換器27と、このA/D変換器27の出力側に接続してデジタル信号を積分することにより高電圧部導体1に流れる電流Iに比例したデジタル信号出力を得るようにした演算回路17と、この演算回路17の出力側に接続されて光デジタル信号に変換して出力するE/O変換器29とを収納している。巻き線12、14の端子はそれぞれ出力信号切替器10を介してA/D変換器27に接続され、E/O変換器29の光デジタル信号出力は引出し端子5によって多重容器9外に伝送されている。つまり、多重容器9内に電流計測装置を構成する部品と、電圧計測装置を構成する部品とを同時に収納し、これら間の出力信号を出力信号切替器10によって選択的に切り替えて引出し端子5から伝送出力するようにしている。
【0036】
このような開閉装置用計測装置によれば、多重容器9内に電流電圧計測装置を一体的に構成することができるので、それぞれ別体に構成した場合に比べて全体として小型化をはかることができる。また、検出電極3からの検出電気信号と、巻き線12、14からの検出電気信号とを出力信号切替器10を介してA/D変換器27に出力することによって、A/D変換器27やE/O変換器29等を共用化することができ、一層部品点数を減らすことができ、しかも、出力信号は引き出し端子5からの1本だけとなり、付帯機器の設置作業も簡略化することができる。
【0037】
図9は、本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置を示す概略構成図である。
図8に示した実施の形態の場合と同様に、共通の多重容器9内に電流計測装置と電圧計測装置とを部品の共用化を図りながら構成している。ここで、電流計測装置は非磁性体コアを有する巻き線14のみとしている。また金属容器2と多重容器9は電気的に接続されて、多重容器9に接続した接地線によって接地しており、この接地線を包囲するように上述のフェライトコア16を配置している。さらに、多重容器9には入力端子13が設けられており、外部からこの入力端子13を介してA/D変換器27に動作タイミングを制御する制御信号を与えるようにしている。
【0038】
このような開閉装置用計測装置によれば、図8の場合と同様に多重容器9内に電流電圧計測装置を一体的に構成することができるので、それぞれ別体に構成した場合に比べて全体として小型化をはかることができ、ほぼ同様の効果を得ることができる。また、入力端子13を介してA/D変換器27に動作タイミングを制御する制御信号を与えるように構成したため、複数の電流計測装置および電圧計測装置の同期をはかることが容易であり、変電所全体の保護回路を組むことが可能となる。また、図8の場合と同様にデジタル信号は複数の信号を1本の線でほぼ同時に伝送することが可能であり、配線の簡略化をはかることもできる。
【0039】
図11は、本発明による開閉装置用計測装置を採用した変電所もしくは開閉所の構成例を示す回路図である。
変電所もしくは開閉所等の回路構成は様々であるが、ここでは母線30に複数フィーダの開閉装置が接続され、各開閉装置は母線断路器32を介して遮断器31の一端を母線30に接続し、この遮断器31の他端はライン側断路器33を介して送電線34に接続して構成されている。ライン側断路器33と送電線34の間に、上述した各実施の形態で示した開閉装置用計測装置35を配置し、母線30に従来の巻き線式PT36を配置すると共に、巻き線式PT36の精度を他の開閉装置用計測装置35よりも高精度としている。このため、開閉装置用計測装置35をインタロック用もしくは保護用として使用し、電力計算や制御・保護には高精度の巻き線式PT36を使用することにより、変電所全体としてコスト低減と効率的な運用をはかることができる。
【0040】
尚、上述した実施の形態で多重容器9は、少なくともアルミ製容器9aと鉄製容器9bの二重構造とし、それぞれを容器として構成したが、必ずしもそれぞれを容器にする必要はなく全体として容器を構成すればよい。このとき、電磁波や高電圧部導体1による磁界に対してはA/D変換器27などの電子部品を保護するために全体を覆う容器状にするのが望ましく、一方、サージ電圧によって多重容器9を流れる電流に対しては、電気抵抗の小さな銅もしくはアルミを少なくとも高電圧部導体1の軸方向と径方向に通電する機能を有していれば形状は問わない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の開閉装置用計測装置によれば、断路器開閉時に発生するサージ電圧による過電圧、電磁波や電磁界によるノイズの影響を抑え、しかも多重容器内に配置した電子部品を過大なサージから保護することができ、小型で高精度かつ高絶縁信頼性とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による開閉装置用計測装置としての電圧計測装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電圧計測装置を示す概略構成図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置としての電流計測装置を示す概略構成図である。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置を示す概略構成図である。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置を示す概略構成図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態による開閉装置用計測装置を示す概略構成図である。
【図10】従来の開閉装置用計測装置としての電圧計測装置を示す概略構成図である。
【図11】本発明による開閉装置用計測装置を採用した変電所構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 高電圧部導体
2 金属容器
3 検出電極
4 密封端子
5 引出し端子
9 多重容器
9a アルミ製容器
9b 鉄製容器
9c 銅製容器
10 切換え器
11 電界緩和用シールド
12 巻き線
14 巻き線
16 フェライトコア
17 演算回路
20 E/O変換器
27 A/D変換器
28 ローパスフィルタ
Claims (7)
- 金属容器内に高電圧部導体を配置し、この高電圧部導体からの電圧検出信号および電流検出信号の少なくとも一方を密封端子を介して上記金属容器外に導出した開閉装置用計測装置において、上記密封端子を包囲するように上記金属容器の外部に直接取り付けて上記金属容器と電気的に接続した多重容器を設け、この多重容器内に上記密封端子に接続して上記電圧検出信号および上記電流検出信号の少なくとも一方をデジタル信号に変換するA/D変換器を配置し、上記多重容器は、磁性体と非磁性体の多重構造で容器状に成したことを特徴とする開閉装置用計測装置。
- 請求項1記載のものにおいて、上記多重容器を接地する接地線を設け、この接地線の外周部にフェライトコアを配置したことを特徴とする開閉装置用計測装置。
- 請求項1記載のものにおいて、上記電流検出信号を検出するために上記高電圧部導体の外周部に、磁性体コアを用いた巻き線と、非磁性体コアを用いた巻き線とを設け、これら両巻き線からの上記電流検出信号を切り替えて出力する出力信号切替器を設けたことを特徴とする開閉装置用計測装置。
- 請求項1記載のものにおいて、上記電流検出信号を検出するために上記高電圧部導体の外周部に巻き線とを設け、上記電圧検出信号を検出するために上記高電圧部導体に対向して配置した検出電極を設け、上記電流検出信号および上記電圧検出信号を切り替えて出力する出力信号切替器を介して共通の上記A/D変換器に入力したことを特徴とする開閉装置用計測装置。
- 請求項1記載のものにおいて、上記多重容器内に、上記A/D変換器のデジタル信号を光デジタル信号に変換するE/O変換器を設けたことを特徴とする開閉装置用計測装置。
- 請求項1記載のものにおいて、上記多重容器に、上記多重容器の外部から上記A/D変換器の動作タイミングを制御する信号を送る入力端子を設けたことを特徴とする開閉装置用計測装置。
- 母線用断路器を介して遮断器の一端を母線に接続し、この遮断器の他端にライン側断路器を接続した複数のフィーダを有し、上記母線に金属容器内に配置した高電圧部導体からの電圧検出信号を密封端子を介して上記金属容器外に導出した電圧計測装置を接続した開閉装置において、上記母線に接続した上記電圧計測装置以外の手段で、上記金属容器内に配置した高電圧部導体からの電圧検出信号および電流検出信号の少なくとも一方を密封端子を介して上記金属容器外に導出し、上記密封端子を包囲するように上記金属容器の外部に直接取り付けて上記金属容器と電気的に接続した多重容器を設け、この多重容器内に上記密封端子に接続して上記電圧検出信号および上記電流検出信号の少なくとも一方をデジタル信号に変換するA/D変換器を配置し、上記多重容器は、磁性体と非磁性体の多重構造で容器状に成した開閉装置用計測装置を配置したことを特徴とする開閉装置。
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- 2003-05-28 JP JP2003150174A patent/JP2004357376A/ja active Pending
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