【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子鉄心の内部に複数の界磁用の永久磁石を有すると共に、当該回転子鉄心の隣り合った磁極間に空隙部を有する回転子を備えた永久磁石形モータ、及び駆動源にこのような永久磁石形モータを用いた洗濯機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、永久磁石形モータにおいては、回転子鉄心（ロータコア）の内部に複数の界磁用の永久磁石を有すると共に、当該回転子鉄心の隣り合った磁極間にフラックスバリアとして空隙部を有する回転子を備えたものがある（例えば、特許文献１参照）。このような構成のものでは、回転子鉄心において、隣り合った磁極間に空隙部を形成することにより、隣り合った磁極（永久磁石）間で磁束が短絡することを極力少なくすることができ、永久磁石の磁束を回転子が回転するのに有効に利用できる利点がある。
【０００３】
【特許文献１】
特開平１１−８９１４５号公報（図５）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特許文献１のものでは、永久磁石の界磁用の磁束量を変えることはできず、モータ特性は固定されていた。従って、高効率が得られる回転速度範囲及び負荷トルク範囲は、狭い範囲に限られていた。
【０００５】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その第１の目的は、回転子における永久磁石の界磁用の磁束量を可変することが可能になり、高効率が得られる回転速度範囲及び負荷トルク範囲を広げることが可能な永久磁石形モータを提供することにある。また、第２の目的は、このような永久磁石形モータを駆動源として使用することで、特にそのモータを可変速運転する場合に効率の良い運転が可能な洗濯機を提供するにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記した第１の目的を達成するために、請求項１の発明は、固定子に対して回転可能に設けられ、回転子鉄心の内部に複数の界磁用の永久磁石を有すると共に、当該回転子鉄心の隣り合った磁極間に空隙部を有する回転子を備えた永久磁石形モータにおいて、軟磁性体からなり、前記空隙部に変位可能に挿入される短絡磁路面積可変部材を備えたことを特徴とする。
【０００７】
上記した手段によれば、空隙部に対して短絡磁路面積可変部材を変位させることで、隣り合った磁極間において短絡する磁路面積が変化する。すなわち、空隙部に対する短絡磁路面積可変部材の挿入量が大きい場合には、短絡磁路面積が大きくなり、逆に挿入量が小さい場合には、短絡磁路面積が小さくなる。従って、永久磁石の界磁用の磁束量を変化させることが可能となる。
【０００８】
永久磁石形モータにおいて、回転トルクは固定子側の磁束と鎖交する鎖交磁束量に比例し、回転速度は鎖交磁束量に反比例する特性がある。このため、永久磁石の界磁用の磁束量が固定の場合には、大トルク領域と高回転速度領域の双方を高効率となるように構成することは矛盾があり、不可能である。この点、上記した手段によれば、空隙部に対して短絡磁路面積可変部材を変位させることで、永久磁石の界磁用の磁束量を変化させることが可能となるので、高効率が得られる回転速度範囲及び負荷トルク範囲を広げることが可能となる。
【０００９】
請求項２の発明は、回転子と一体に回転する回転軸の外周部に、当該回転軸と一体に回転する内輪を有する軸受を軸方向へ変位可能に設けると共に、短絡磁路面積可変部材を前記内輪に取り付け、前記軸受の外輪を軸方向へ変位させることに伴い、前記短絡磁路面積可変部材は前記内輪と共に前記軸方向へ変位する構成としたことを特徴とする。
上記した手段によれば、短絡磁路面積可変部材は、軸受の内輪を介して回転子と共回りでき、しかも、軸受の外輪を軸方向へ変位させることで、短絡磁路面積可変部材を軸方向へ変位させることが容易に可能となる。
【００１０】
請求項３の発明は、回転子鉄心は、複数の鋼板を打ち抜き積層して構成され、短絡磁路面積可変部材は、前記鋼板から空隙部を打ち抜いた部分により形成するようにしたことを特徴とする。
上記した手段によれば、回転子鉄心と短絡磁路面積可変部材とを、同じ鋼板から、いわゆる共取りすることができるため、鋼板を有効利用することができ、ひいてはコストを抑えることが可能となる。
【００１１】
請求項４の発明は、短絡磁路面積可変部材は、空隙部に対する挿入量が最も少ない場合でも、一部がその空隙部に挿入されて回転子と共回りすることを特徴とする。
上記した手段によれば、短絡磁路面積可変部材は、空隙部に対する挿入量が最も少ない場合でも、一部がその空隙部に挿入されているので、回転子と共回りすることを維持することができる。
【００１２】
請求項５の発明は、回転子の回転速度が高い場合には、空隙部に対する短絡磁路面積可変部材の挿入量を大きくし、回転子の回転速度が低い場合には、空隙部に対する短絡磁路面積可変部材の挿入量を小さくすることを特徴とする。
上記した手段によれば、回転子の回転速度が高い場合に、空隙部に対する短絡磁路面積可変部材の挿入量を大きくすることで、鎖交磁束量が少なくなって、高速回転に適するようになる。また、回転子の回転速度が低い場合に、空隙部に対する短絡磁路面積可変部材の挿入量を小さくすることで、鎖交磁束量が多くなって回転トルクが大きくなり、低速回転で大きなトルクが必要な場合に適するようになる。
【００１３】
請求項６の発明は、回転子の回転速度を低下させる場合に、空隙部に対する短絡磁路面積可変部材の挿入量を小さくすることを特徴とする。
上記した手段によれば、空隙部に対する短絡磁路面積可変部材の挿入量を小さくすることで、鎖交磁束量が多くなって回生ブレーキが作用しやすくなり、回転子を良好に早く停止させることが可能になる。
【００１４】
請求項７の発明は、上記した第２の目的を達成するために、請求項１ないし６のいずれかに記載の永久磁石形モータを駆動源に備えたことを特徴とする洗濯機である。これによれば、特にそのモータを可変速運転する場合に効率の良い運転が可能になる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。まず、図１には、本発明に係る永久磁石形モータの縦断面図が示され、図２には、このモータに用いられる回転子の横断面図が示されている。このモータは、洗濯機例えば脱水兼用洗濯機において、洗濯兼脱水槽内に配設された撹拌体のみを回転させる場合と、洗濯兼脱水槽及び撹拌体を一体に回転させる場合の駆動源として用いられる。
【００１６】
図１において、フレーム１は、第１及び第２フレーム２，３に２分割されていて、これら第１及び第２フレーム２，３間に、固定子４が固定状態に設けられている。固定子４は、環状をなす固定子鉄心５と、この固定子鉄心５に巻装された固定子巻線６とから構成されている。固定子鉄心５は、複数枚の珪素鋼板を打ち抜いて積層した構成となっている。この固定子４の中心部に、回転子７が回転自在に挿入して配設されている。
【００１７】
回転子７は、図２にも示すように、回転軸８と、この回転軸８の外周部に当該回転軸８と一体回転するように固着された回転子鉄心９と、この回転子鉄心９の内部に挿入配置された複数、この場合４個の界磁用の永久磁石１０とから構成されていて、回転軸８が上記第１及び第２フレーム２，３に第１及び第２軸受１１，１２を介して回転自在に支承されている。回転子鉄心９も、固定子鉄心５と同様に、複数枚の珪素鋼板を打ち抜いて積層した構成となっている。この場合、この回転子鉄心９と固定子鉄心５は、同じ珪素鋼板を打ち抜いて積層したもので、いわゆる同じ珪素鋼板から共取りしたものである。各永久磁石１０は、例えば焼結ネオジウム系磁石であり、隣同士は逆極となるように磁化されている。回転子鉄心５の外周面と固定子鉄心５の内周面との間には、所定の隙間が形成されている。
【００１８】
また、回転子鉄心５には、上記永久磁石１０を挿入する孔の他に、隣り合った磁極（永久磁石１０）間に位置させて、フラックスバリアとして空隙部１３が合計４個形成されている。各空隙部１３は、回転子鉄心５の軸方向に延びていて、両端部が開口している。
【００１９】
上記回転軸８の外周部には、回転子鉄心９と第１フレーム２側の第１軸受１１との間に位置させて玉軸受からなる軸受１４が設けられている。この軸受１４は、内輪１５と、外輪１６と、これらの間に転動可能に設けられた玉からなる複数の転動体１７とから構成されていて、このうちの内輪１５が、回転軸８にこれと一体に回転する共に、回転軸８に対して軸方向へ変位可能に装着されている。
【００２０】
そして、上記回転子鉄心５の各空隙部１３に、棒状をなす短絡磁路面積可変部材１８が軸方向に変位可能に挿入されている。この短絡磁路面積可変部材１８は、珪素鋼板から回転子鉄心５を打ち抜いた際に、空隙部１３を打ち抜いた部分を積層することによって形成されている。従って、短絡磁路面積可変部材１８と回転子鉄心５とは、同じ珪素鋼板から共取りしている。また、この短絡磁路面積可変部材１８を構成する珪素鋼板は、永久磁石などに使用する硬磁性体に対して、軟磁性体である。このように構成された短絡磁路面積可変部材１８は、上記軸受１４の内輪１５に取り付けられており、その内輪１５と共に軸方向へ変位が可能となっている。
【００２１】
軸受１４の外輪１６は、第１フレーム２内に軸方向へ変位可能に配設された軸受支持部材１９に支持されている。第１フレーム２には開口部２０が形成されていて、ここにアーム２１が支軸２２を介して揺動可能に取り付けられている。このアーム２１は、一端部が第１フレーム２の外部へ突出していると共に、他端部が第１フレーム２内に挿入されていて、その他端部に長孔２３が形成されている。上記軸受支持部材１９には凸部２４が設けられていて、この凸部２４が長孔２３に移動可能に挿入されている。
【００２２】
ここで、アーム２１の一端部を、図２の矢印Ａ１方向へ回動させることに伴い、軸受支持部材１９及び軸受１４を介して短絡磁路面積可変部材１８が矢印Ｂ１方向へ移動（変位）され、アーム２１の一端部を、図２の矢印Ａ２方向へ回動させることに伴い、軸受支持部材１９及び軸受１４を介して短絡磁路面積可変部材１８が矢印Ｂ２方向へ移動（変位）される。
【００２３】
脱水兼用洗濯機においては、モータの回転を、洗い運転時には撹拌体のみに伝えて撹拌体を低速で回転させ、脱水運転時には撹拌体と洗濯兼脱水槽とを一体に高速で回転させるように切り替えるためのクラッチ（図示せず）が設けられており、アーム２１は、このクラッチに連動して操作されるようにしている。
【００２４】
次に、上記構成の作用を説明する。
例えば脱水兼用洗濯機の洗い運転時には、アーム２１を矢印Ａ１方向へ回動させ、図３に示すように短絡磁路面積可変部材１８を矢印Ｂ１方向へ変位させた状態とする。この状態では、空隙部１３に対する短絡磁路面積可変部材１８の挿入量が小さくなっているため、短絡磁路面積が小さく、永久磁石１０の界磁用の磁束量を多く確保することができ、大きな回転トルクが得られるようになる。洗い運転時には、撹拌体のみを低速で回転させるため、短絡磁路面積可変部材１８を図３に示す位置に位置させることで、低速回転で大きなトルクが必要な場合に適するようになる。
【００２５】
図３は、この実施例において、空隙部１３に対する短絡磁路面積可変部材１８の挿入量を最も小さくした場合であるが、この場合でも、短絡磁路面積可変部材１８は、一部が空隙部１３に挿入されていて、回転子７と共回りする構成となっている。
【００２６】
一方、脱水兼用洗濯機の脱水運転時には、アーム２１を矢印Ａ２方向へ回動させ、図４に示すように短絡磁路面積可変部材１８を矢印Ｂ２方向へ変位させた状態とする。この状態では、空隙部１３に対する短絡磁路面積可変部材１８の挿入量が大きくなっているため、短絡磁路面積が大きく、永久磁石１０の界磁用の磁束量が少なくなる。脱水運転時には、撹拌体及び脱水兼洗濯槽を高速で回転させるため、短絡磁路面積可変部材１８を図４に示す位置に位置させることで、高速回転に適するようになる。
【００２７】
図４は、この実施例において、空隙部１３に対する短絡磁路面積可変部材１８の挿入量を最も大きくした場合であるが、この場合でも、空隙部１３が一部残っている。
【００２８】
上記した実施例においては、次のような効果を得ることができる。
回転子鉄心９の空隙部１３に対して短絡磁路面積可変部材１８を軸方向に変位可能に挿入して設け、その短絡磁路面積可変部材１８を軸方向に変位させることで、隣り合った磁極間の短絡磁路面積を変化させることができ、永久磁石１０の界磁用の磁束量を変化させることが可能となるので、高効率が得られる回転速度範囲及び負荷トルク範囲を広げることが可能となる。
【００２９】
短絡磁路面積可変部材１８は、回転軸８に対して回転は当該回転軸８と一体でかつ軸方向に変位可能に設けた軸受１４の内輪１５に取り付けた構成としたので、短絡磁路面積可変部材１８は、軸受１４の内輪１５を介して回転子７と共回りでき、しかも、軸受１４の外輪１６をアーム１１により軸方向へ変位させることで、短絡磁路面積可変部材１８をフレーム１の外部から軸方向へ変位させることが容易に可能となる。
【００３０】
回転子鉄心９と短絡磁路面積可変部材１８とを、同じ珪素鋼板から共取りすることができるため、鋼板を有効利用することができ、ひいてはコストを抑えることが可能となる。
短絡磁路面積可変部材１８は、空隙部１３に対する挿入量が最も少ない場合（図３参照）でも、一部がその空隙部１３に挿入されているので、回転子７と共回りすることを維持することができる。
【００３１】
回転子７の回転速度が高い場合に、空隙部１３に対する短絡磁路面積可変部材１８の挿入量を大きくすることで、鎖交磁束量が少なくなって、高速回転に適するようになる。また、回転子７の回転速度が低い場合に、空隙部１３に対する短絡磁路面積可変部材１８の挿入量を小さくすることで、鎖交磁束量が多くなって回転トルクが大きくなり、低速回転で大きなトルクが必要な場合に適するようになる。
【００３２】
また、脱水運転を終了する際に、回転子７にブレーキをかけて回転速度を低下させる場合に、短絡磁路面積可変部材１８を矢印Ｂ１方向へ変位させ、空隙部１３に対する短絡磁路面積可変部材１８の挿入量を小さくすることが好ましい。このようにした場合には、鎖交磁束量が多くなって回生ブレーキが作用しやすくなり、回転子７を良好に早く停止させることが可能になる。
さらに、このようなモータを脱水兼用洗濯機の駆動源に用いることにより、洗い運転及び脱水運転を効率良く行うことが可能となる。
【００３３】
本発明は、上記した実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
短絡磁路面積可変部材１８を軸方向へ変位させる手段として、電磁ソレノイドを用いるようにしても良い。
短絡磁路面積可変部材１８は、空隙部１３に対して常に挿入されている必要はなく、空隙部１３に対して出入りする構成とすることもできる。この場合、短絡磁路面積可変部材１８は、空隙部１３に対して挿入された状態では回転子７と共回りし、空隙部１３から外へ外れた状態では、回転子７と共回りせず、フレーム１側に固定される構成としても良い。
【００３４】
また、本発明のモータは、脱水兼用洗濯機に限られず、例えばドラム式の洗濯乾燥機の駆動源にも用いることができる。さらに、本発明のモータは、電気自動車における駆動用のモータにも用いることができる。
【００３５】
【発明の効果】
請求項１の発明によれば、回転子における永久磁石の界磁用の磁束量を可変することが可能になり、高効率が得られる回転速度範囲及び負荷トルク範囲を広げることが可能となる永久磁石形モータを提供できる。
請求項７の発明によれば、このような永久磁石形モータを駆動源として使用することで、特にそのモータを可変速運転する場合に効率の良い運転が可能な洗濯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示すもので、モータ全体の縦断面図
【図２】回転子の横断面図
【図３】短絡磁路面積可変部材を一方側へ変位させた状態の図１相当図
【図４】短絡磁路面積可変部材を他方側へ変位させた状態の図１相当図
【符号の説明】
１はフレーム、４は固定子、７は回転子、８は回転軸、９は回転子鉄心、１０は永久磁石、１３は空隙部、１４は軸受、１５は内輪、１６は外輪、１８は短絡磁路面積可変部材を示す。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a permanent magnet motor having a plurality of field permanent magnets inside a rotor core, a rotor having a gap between adjacent magnetic poles of the rotor core, and a drive source. The present invention also relates to a washing machine using such a permanent magnet type motor.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, in a permanent magnet type motor, a rotor having a plurality of field permanent magnets inside a rotor core (rotor core) and having a gap as a flux barrier between adjacent magnetic poles of the rotor core. (For example, see Patent Document 1). In such a configuration, in the rotor core, by forming a gap between adjacent magnetic poles, it is possible to minimize short-circuit of magnetic flux between adjacent magnetic poles (permanent magnets), There is an advantage that the magnetic flux of the permanent magnet can be effectively used for the rotation of the rotor.
[0003]
[Patent Document 1]
JP-A-11-89145 (FIG. 5)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described Patent Document 1, the amount of magnetic flux for the field of the permanent magnet cannot be changed, and the motor characteristics are fixed. Therefore, the rotational speed range and the load torque range where high efficiency can be obtained are limited to narrow ranges.
[0005]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and a first object of the present invention is to make it possible to vary the amount of magnetic flux for the field of the permanent magnet in the rotor, and to provide a high-efficiency rotational speed range. Another object of the present invention is to provide a permanent magnet motor capable of expanding a load torque range. A second object of the present invention is to provide a washing machine capable of operating efficiently by using such a permanent magnet type motor as a drive source, particularly when the motor is operated at a variable speed.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the first object, an invention according to claim 1 is provided so as to be rotatable with respect to a stator, has a plurality of permanent magnets for a field inside a rotor core, and In a permanent magnet type motor having a rotor having a gap between adjacent magnetic poles of a core, a short-circuit magnetic path area variable member made of a soft magnetic material and displaceably inserted into the gap is provided. It is characterized by.
[0007]
According to the above-described means, by displacing the short-circuit magnetic path area variable member with respect to the gap, the short-circuit magnetic path area between adjacent magnetic poles changes. In other words, when the insertion amount of the short-circuit magnetic path area variable member into the gap is large, the short-circuit magnetic path area increases, and when the insertion amount is small, the short-circuit magnetic path area decreases. Therefore, it is possible to change the amount of magnetic flux for the field of the permanent magnet.
[0008]
In a permanent magnet type motor, the rotation torque is proportional to the amount of interlinkage magnetic flux interlinking with the magnetic flux on the stator side, and the rotation speed is inversely proportional to the amount of interlinkage magnetic flux. Therefore, when the amount of magnetic flux for the field of the permanent magnet is fixed, it is inconsistent and impossible to configure both the large torque region and the high rotation speed region to have high efficiency. In this regard, according to the above-described means, it is possible to change the amount of magnetic flux for the field of the permanent magnet by displacing the short-circuit magnetic path area variable member with respect to the gap portion, so that high efficiency is obtained. It is possible to widen the rotation speed range and the load torque range that can be used.
[0009]
According to a second aspect of the present invention, a bearing having an inner ring that rotates integrally with the rotating shaft is provided on an outer peripheral portion of the rotating shaft that rotates integrally with the rotor so as to be displaceable in the axial direction, and a short-circuit magnetic path area variable member is provided. Attaching to the inner ring, the short-circuit magnetic path area variable member is configured to be displaced in the axial direction together with the inner ring when the outer ring of the bearing is displaced in the axial direction.
According to the above-described means, the short-circuit magnetic path area variable member can rotate together with the rotor via the inner ring of the bearing, and further, by displacing the outer ring of the bearing in the axial direction, the short-circuit magnetic path area variable member is axially displaced. It can be easily displaced in the direction.
[0010]
The invention according to claim 3 is characterized in that the rotor core is formed by punching and laminating a plurality of steel plates, and the short-circuit magnetic path area variable member is formed by a portion obtained by punching a gap from the steel plate. I do.
According to the above-described means, since the rotor core and the short-circuit magnetic path area variable member can be so-called co-extracted from the same steel plate, the steel plate can be effectively used, and the cost can be reduced. Become.
[0011]
The invention according to claim 4 is characterized in that even if the insertion amount of the short-circuit magnetic path area variable member into the gap is the smallest, a part thereof is inserted into the gap and rotates together with the rotor.
According to the above-described means, even when the amount of insertion into the gap is the smallest, the short-circuit magnetic path area variable member is partially inserted into the gap, so that it keeps rotating with the rotor. Can be.
[0012]
According to a fifth aspect of the present invention, when the rotational speed of the rotor is high, the amount of insertion of the short-circuit magnetic path area variable member into the gap is increased, and when the rotational speed of the rotor is low, the short-circuit It is characterized in that the insertion amount of the road area variable member is reduced.
According to the above-described means, when the rotation speed of the rotor is high, by increasing the insertion amount of the short-circuit magnetic path area variable member into the gap, the amount of interlinkage magnetic flux is reduced, so that it is suitable for high-speed rotation. Become. In addition, when the rotation speed of the rotor is low, the amount of interlinkage magnetic flux is increased by reducing the insertion amount of the short-circuit magnetic path area variable member into the gap, so that the rotation torque is increased. It will be suitable when needed.
[0013]
According to a sixth aspect of the present invention, when the rotation speed of the rotor is reduced, the amount of insertion of the short-circuit magnetic path area variable member into the gap is reduced.
According to the above-described means, by reducing the amount of insertion of the short-circuit magnetic path area variable member into the gap, the amount of interlinkage magnetic flux increases, so that the regenerative brake easily acts, and the rotor can be stopped quickly and satisfactorily. Becomes possible.
[0014]
According to a seventh aspect of the present invention, there is provided a washing machine comprising the drive source provided with the permanent magnet type motor according to any one of the first to sixth aspects, in order to achieve the second object. According to this, an efficient operation can be performed particularly when the motor is operated at a variable speed.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. First, FIG. 1 shows a longitudinal sectional view of a permanent magnet type motor according to the present invention, and FIG. 2 shows a transverse sectional view of a rotor used in the motor. This motor is used as a driving source in a washing machine, for example, a washing machine for both spinning and dehydrating, in which only the agitating body provided in the washing and spinning tub is rotated, and when the washing and spinning tub and the stirring body are integrally rotated. Can be
[0016]
In FIG. 1, the frame 1 is divided into first and second frames 2 and 3, and a stator 4 is fixed between the first and second frames 2 and 3. The stator 4 includes an annular stator core 5 and a stator winding 6 wound around the stator core 5. The stator core 5 has a configuration in which a plurality of silicon steel plates are punched and laminated. A rotor 7 is rotatably inserted and disposed at the center of the stator 4.
[0017]
As shown in FIG. 2, the rotor 7 includes a rotating shaft 8, a rotor core 9 fixed to the outer periphery of the rotating shaft 8 so as to rotate integrally with the rotating shaft 8, and a rotor core 9. And a plurality of, in this case four, permanent magnets 10 for the field inserted in the inside of the first and second frames 2, 3. , 12 so as to be rotatable. Like the stator core 5, the rotor core 9 also has a configuration in which a plurality of silicon steel plates are punched and laminated. In this case, the rotor core 9 and the stator core 5 are formed by stamping and laminating the same silicon steel plate, and are co-extracted from the same silicon steel plate. Each of the permanent magnets 10 is, for example, a sintered neodymium-based magnet, and is magnetized so that adjacent magnets have opposite polarities. A predetermined gap is formed between the outer peripheral surface of the rotor core 5 and the inner peripheral surface of the stator core 5.
[0018]
In addition to the holes for inserting the permanent magnets 10, the rotor core 5 is provided with a total of four voids 13 as flux barriers located between adjacent magnetic poles (permanent magnets 10). . Each gap 13 extends in the axial direction of the rotor core 5 and has both ends open.
[0019]
A bearing 14 made of a ball bearing is provided on the outer peripheral portion of the rotary shaft 8 between the rotor core 9 and the first bearing 11 on the first frame 2 side. The bearing 14 includes an inner ring 15, an outer ring 16, and a plurality of rolling elements 17 formed of balls provided rotatably between the inner ring 15 and the inner ring 15. It is mounted so as to rotate integrally with it and to be displaceable in the axial direction with respect to the rotating shaft 8.
[0020]
A rod-shaped short-circuit magnetic path area variable member 18 is inserted into each gap 13 of the rotor core 5 so as to be displaceable in the axial direction. The short-circuit magnetic path area variable member 18 is formed by laminating portions where the gaps 13 are punched out when the rotor core 5 is punched from a silicon steel plate. Therefore, the short-circuit magnetic path area variable member 18 and the rotor core 5 are made of the same silicon steel plate. Further, the silicon steel sheet constituting the short-circuit magnetic path area variable member 18 is a soft magnetic material with respect to a hard magnetic material used for a permanent magnet or the like. The short-circuit magnetic path area variable member 18 configured as described above is attached to the inner ring 15 of the bearing 14, and can be displaced in the axial direction together with the inner ring 15.
[0021]
The outer ring 16 of the bearing 14 is supported by a bearing support member 19 disposed in the first frame 2 so as to be displaceable in the axial direction. An opening 20 is formed in the first frame 2, and an arm 21 is swingably attached thereto via a support shaft 22. The arm 21 has one end protruding outside the first frame 2, the other end inserted into the first frame 2, and a long hole 23 formed at the other end. The bearing support member 19 is provided with a convex portion 24, and the convex portion 24 is movably inserted into the long hole 23.
[0022]
Here, as one end of the arm 21 is rotated in the direction of arrow A1 in FIG. 2, the short-circuit magnetic path area variable member 18 moves (displaces) in the direction of arrow B1 via the bearing support member 19 and the bearing 14. Then, as one end of the arm 21 is rotated in the direction of arrow A2 in FIG. 2, the short-circuit magnetic path area variable member 18 is moved (displaced) in the direction of arrow B2 via the bearing support member 19 and the bearing 14. You.
[0023]
In the spin-drying washing machine, the rotation of the motor is transmitted only to the stirrer during the washing operation to rotate the stirrer at a low speed, and during the spin-drying operation, the stirrer and the washing and spinning tub are integrally rotated at a high speed. (Not shown) is provided, and the arm 21 is operated in conjunction with the clutch.
[0024]
Next, the operation of the above configuration will be described.
For example, during the washing operation of the washing machine with dehydration, the arm 21 is rotated in the direction of arrow A1, and the short-circuit magnetic path area variable member 18 is displaced in the direction of arrow B1 as shown in FIG. In this state, since the insertion amount of the short-circuit magnetic path area variable member 18 into the gap 13 is small, the short-circuit magnetic path area is small, and a large amount of field magnetic flux of the permanent magnet 10 can be secured. A large rotating torque can be obtained. During the washing operation, only the stirrer is rotated at a low speed. Therefore, by positioning the short-circuit magnetic path area variable member 18 at the position shown in FIG. 3, it is suitable when a large torque is required at a low speed rotation.
[0025]
FIG. 3 shows a case where the insertion amount of the short-circuit magnetic path area variable member 18 into the gap 13 is minimized in this embodiment. Even in this case, the short-circuit magnetic path area variable member 18 partially has a gap. 13 and is configured to rotate together with the rotor 7.
[0026]
On the other hand, during the spin-drying operation of the spin-drying washing machine, the arm 21 is rotated in the direction of arrow A2, and the short-circuit magnetic path area variable member 18 is displaced in the direction of arrow B2 as shown in FIG. In this state, since the amount of insertion of the short-circuit magnetic path area variable member 18 into the gap 13 is large, the short-circuit magnetic path area is large, and the amount of the magnetic flux for the field of the permanent magnet 10 is small. At the time of the spin-drying operation, in order to rotate the stirring body and the spin-drying / washing tub at a high speed, the short-circuit magnetic path area variable member 18 is positioned at the position shown in FIG.
[0027]
FIG. 4 shows a case where the amount of insertion of the short-circuit magnetic path area variable member 18 into the gap 13 in this embodiment is maximized. Even in this case, a part of the gap 13 remains.
[0028]
In the embodiment described above, the following effects can be obtained.
A variable short-circuit magnetic path area member 18 is inserted into the gap 13 of the rotor iron core 9 so as to be displaceable in the axial direction, and the variable short-circuit magnetic path area variable member 18 is displaced in the axial direction to be adjacent to each other. Since the area of the short-circuit magnetic path between the magnetic poles can be changed and the amount of magnetic flux for the field of the permanent magnet 10 can be changed, the rotational speed range and the load torque range where high efficiency can be obtained can be widened. It becomes possible.
[0029]
Since the short-circuit magnetic path area variable member 18 is configured to be attached to the inner ring 15 of the bearing 14 that is integrally rotatable with the rotary shaft 8 and is axially displaceable with respect to the rotary shaft 8, the short-circuit magnetic path area The variable member 18 can rotate together with the rotor 7 via the inner ring 15 of the bearing 14, and furthermore, the outer ring 16 of the bearing 14 is displaced in the axial direction by the arm 11, so that the short-circuit magnetic path area variable member 18 is Can easily be displaced in the axial direction from outside.
[0030]
Since the rotor core 9 and the short-circuit magnetic path area variable member 18 can be co-produced from the same silicon steel plate, the steel plate can be effectively used, and the cost can be reduced.
Even when the amount of insertion into the gap 13 is the smallest (see FIG. 3), the short-circuit magnetic path area variable member 18 is partly inserted into the gap 13 so that it keeps rotating with the rotor 7. can do.
[0031]
When the rotation speed of the rotor 7 is high, by increasing the amount of insertion of the short-circuit magnetic path area variable member 18 into the gap 13, the amount of interlinkage magnetic flux is reduced, which makes it suitable for high-speed rotation. In addition, when the rotation speed of the rotor 7 is low, by reducing the insertion amount of the short-circuit magnetic path area variable member 18 into the gap portion 13, the amount of interlinkage magnetic flux increases and the rotation torque increases. It is suitable when a large torque is required.
[0032]
When the rotor 7 is braked to reduce the rotation speed at the end of the spin-drying operation, the short-circuit magnetic path area variable member 18 is displaced in the direction of arrow B1 to change the short-circuit magnetic path area relative to the gap 13. It is preferable to reduce the insertion amount of the member 18. In this case, the amount of interlinkage magnetic flux is increased, and the regenerative brake is more likely to act, so that the rotor 7 can be stopped satisfactorily and quickly.
Further, by using such a motor as the drive source of the washing machine for both dehydration and washing, it is possible to efficiently perform the washing operation and the dehydration operation.
[0033]
The present invention is not limited to the above-described embodiment, but can be modified or expanded as follows.
As means for displacing the short-circuit magnetic path area variable member 18 in the axial direction, an electromagnetic solenoid may be used.
The short-circuit magnetic path area variable member 18 does not need to be always inserted into the gap 13, and may be configured to enter and exit the gap 13. In this case, the short-circuit magnetic path area variable member 18 rotates together with the rotor 7 when inserted into the gap 13 and does not rotate with the rotor 7 when removed from the gap 13. , May be fixed to the frame 1 side.
[0034]
In addition, the motor of the present invention is not limited to a washing machine for both dehydration and washing, and can also be used as a drive source of, for example, a drum type washing and drying machine. Further, the motor of the present invention can be used as a driving motor in an electric vehicle.
[0035]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, the amount of magnetic flux for the field of the permanent magnet in the rotor can be changed, and the rotation speed range and the load torque range in which high efficiency can be obtained can be widened. A magnet type motor can be provided.
According to the seventh aspect of the present invention, by using such a permanent magnet type motor as a drive source, it is possible to provide a washing machine capable of operating efficiently when the motor is operated at a variable speed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows an embodiment of the present invention, and is a longitudinal sectional view of an entire motor. FIG. 2 is a transverse sectional view of a rotor. FIG. 3 shows a state where a short-circuit magnetic path area variable member is displaced to one side. [FIG. 4] FIG. 4 corresponds to FIG. 1 with the short-circuit magnetic path area variable member displaced to the other side.
1 is a frame, 4 is a stator, 7 is a rotor, 8 is a rotating shaft, 9 is a rotor core, 10 is a permanent magnet, 13 is a gap, 14 is a bearing, 15 is an inner ring, 16 is an outer ring, and 18 is a short circuit. 3 shows a magnetic path area variable member.
