JP2004355998A - 有機el表示体およびその配線方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線接続を容易にし、かつ低コスト化、狭額縁の配線、さらには薄型化が可能な有機EL表示体およびその配線方法を提供する。
【解決手段】有機EL構造体11を保護するための、表示側と反対側の基板111全面に被着された保護膜12と、該保護膜12上に形成された第1および第2の配線13、14と、前記有機EL構造体11の第1および第2の電極112、114と前記第1および第2の配線13、14とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段17、18とを備え、前記第1および第2の接続手段17、18の少なくとも一方が前記基板111の縁部に配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】有機EL構造体11を保護するための、表示側と反対側の基板111全面に被着された保護膜12と、該保護膜12上に形成された第1および第2の配線13、14と、前記有機EL構造体11の第1および第2の電極112、114と前記第1および第2の配線13、14とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段17、18とを備え、前記第1および第2の接続手段17、18の少なくとも一方が前記基板111の縁部に配置されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと記す)表示体およびその配線方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL表示体は、有機化合物からなる発光体に電界を印加することにより発光体が発光するエレクトロルミネッセンス現象を利用したディスプレイである。有機ELは、自発光型であり、高輝度、高視野角、高速応答性、軽量、薄型等の多くの特長を有していることから、近年研究開発が盛んに行われており、それらの成果は数多くの提案となって現れている。
そのうち、有機ELの駆動回路を接続する配線構造については特許文献1、2がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−223267号公報(段落[0040]−[0048]、図1−図3)
【特許文献2】
特開2000−3140号公報(段落[0014]−[0017]、図1、図6)
【0004】
特許文献1は、有機ELの駆動回路を封止部材(キャップ)の内側に配置し、その駆動回路に接続するための配線を封止部材の内側から有機EL表示体の裏側(つまり、封止部材の表面側)に導出するようにした配線構造を開示している。そのため、封止部材にはコネクタの取付穴が設けられており、このコネクタを介して封止部材内部の駆動回路とICを搭載した外部基板とを接続する構造となっている。
特許文献2は、有機ELの駆動回路の一部を封止部材(キャップ)に形成し、その一部の駆動回路とその他の駆動回路とを接続するための配線構造体を封止部材の周囲で基板上に配置した配線構造を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては以下のような問題点がある。
特許文献1の配線構造では、有機EL駆動回路とコネクタとを配線接続しなければならず、しかもコネクタとの接続では配線ピッチをより小さくしなければならないため、配線作業の負担が大きくコスト高となる問題がある。配線接続の工程数が多いこともコスト高や信頼性の低下を招く一因となる。
また、コネクタは少なくとも気密構造のものでなければならず、さらにキャップに設けられた取付穴との封止性をも十分に確保する必要がある。したがって、コネクタの取付作業が繁雑で、コスト高となることは免れない。
一方、特許文献2の配線構造では、有機ELの駆動回路と封止部材(キャップ)上の配線とを接続するために特殊な配線構造体を設けているので、かかる配線構造体を有機EL表示体のサイズ毎に作る必要があり、コスト高となる問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の課題に鑑みてなされたもので、配線接続を容易にし、かつ低コスト化、狭額縁の配線、さらには薄型化が可能な有機EL表示体およびその配線方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機EL表示体は、有機EL構造体を保護するための、表示側と反対側の基板全面に被着された保護膜と、該保護膜上に形成された第1および第2の配線と、前記有機EL構造体の第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段とを備え、前記第1および第2の接続手段の少なくとも一方が前記基板の縁部に配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の有機EL表示体では、有機EL構造体を保護するための保護膜を表示側と反対側の基板全面に被着し、その保護膜上に有機EL構造体の駆動回路に接続するための第1および第2の配線を形成しているので、配線パターン幅が広く配線できる、また、ピッチ変換が自由に行えるなど配線パターン配置の自由度が高く、駆動用半導体素子との接続を容易に行うことができる。しかも、第1および第2の配線はそれぞれ第1および第2の接続手段を介して有機EL構造体の駆動回路に接続されており、第1および第2の接続手段の少なくとも一方が前記基板の縁部に配置されているので、狭額縁の配線が可能になっている。また、本発明では配線構造が簡単なため、低コスト化、薄型化が可能である。
【0009】
また、本発明の有機EL表示体は、有機EL構造体を保護するための、表示側と反対側の基板全面に被着された第1の保護膜と、該第1の保護膜上に形成された第1の配線と、該第1の配線を覆い、前記第1の保護膜上に被着された第2の保護膜と、該第2の保護膜上の形成された第2の配線と、前記有機EL構造体の第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段とを備え、前記第1および第2の接続手段の少なくとも一方が前記基板の縁部に配置されていることを特徴としている。
すなわち、保護膜を積層構造とすることにより、少なくとも第1の配線を第2の保護膜で覆うことが可能となる。この構成により上記の効果に加えて、第1の配線部分を露出させることがなく外気による汚染を防止することができる。
【0010】
また、本発明の有機EL表示体において、前記第1および第2の接続手段は、内部が導電体で満たされた接続孔よりなるものである。
導電体は、例えばインクジェット法により吐出される導電性ペーストのごときものであり、かかる導電性ペーストで接続孔を満たすことにより第1および第2の接続手段が構成される。したがって、有機EL構造体の駆動回路に接続するための第1および第2の配線の接続を容易かつ高精度に行うことができる。また、接続孔は導電体で封止されているので、外気による汚染の問題は生じない。
【0011】
また、本発明の有機EL表示体において、前記第1および第2の配線は外部基板と接続するための電極端子部を有し、該第1および第2の配線のいずれかに接続された少なくとも1つの駆動用半導体素子が前記保護膜上に搭載されている。
この構成により、例えば陽極(第1の電極)ドライバの駆動用半導体素子を保護膜上に搭載し、陰極(第2の電極)ドライバの駆動用半導体素子を外部基板上に搭載することができる。したがって、保護膜上の配線の形成が容易になる。
【0012】
また、本発明の有機EL表示体は、前記第2の保護膜上に第1の駆動用半導体素子が搭載され、該第1の駆動用半導体素子は第3の接続手段により前記第1の配線に接続されているものである。
前記のように保護膜を上下に積層し、その第2の保護膜上に第1の配線に接続する第1の駆動用半導体素子を搭載する場合は、第1の駆動用半導体素子は前記第1の接続手段と同様な第3の接続手段により第1の配線に接続する。これによって、2つの半導体素子を同一の平面上に搭載することができ、有機EL表示体の薄型化が可能である。
【0013】
また、本発明の有機EL表示体は、前記第1および第2の配線は外部基板と接続するための電極端子部を前記第2の保護膜上に有し、該電極端子部が第4の接続手段により前記第1の配線に接続されている。
この構成により、電極端子部と外部基板とを平面的に接続することができる。
【0014】
また、本発明の有機EL表示体は、複数の有機EL構造体を並列に搭載した基板と、前記有機EL構造体の全体を保護するための、表示側と反対側の基板全面に被着された保護膜と、各有機EL構造体毎に前記保護膜上に形成された第1および第2の配線と、前記有機EL構造体毎の第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段とを備え、前記第1および第2の接続手段の少なくとも一方が前記有機EL構造体の境界線の近傍に配置されていることを特徴とする。
【0015】
この構成により、境界線に沿って基板を切断すれば、複数の有機EL表示体を一度に製造することができる。また、基板を切断しない場合は、複数の有機EL構造体(有機EL素子)を並べた大型の表示画面をもつ有機EL表示体となり、しかも境界線の近傍に第1および第2の接続手段の少なくとも一方が配置されているので、複数の有機EL構造体の、境界部分の画像を近接して配置することができる。このため、境界線部分に対する違和感を抑制することができる。
【0016】
また、本発明の有機EL表示体の配線方法は、有機EL構造体の第1および第2の電極と駆動回路とを接続する配線方法において、
前記有機EL構造体を保護するための保護膜を、表示側と反対側の基板全面に被着する工程と、
前記保護膜上に第1および第2の配線を形成する工程と、
前記第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段の少なくとも一方を前記基板の縁部に形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
この構成により、本発明の狭額縁、薄型の有機EL表示体を安価に製造することができる。
【0017】
また、本発明の有機EL表示体の配線方法は、有機EL構造体の第1および第2の電極と駆動回路とを接続する配線方法において、
前記有機EL構造体を保護するための第1の保護膜を、表示側と反対側の基板全面に被着する工程と、
前記第1の保護膜上に第1の配線を形成する工程と、
前記第1の配線を覆い、前記第1の保護膜上に第2の保護膜を被着する工程と、
前記第2の保護膜上に第2の配線を形成する工程と、
前記第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段の少なくとも一方を前記基板の縁部に形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
この構成により、本発明の狭額縁、薄型で、さらに第1の配線部分の外気汚染防止処理がなされた有機EL表示体を安価に製造することができる。
【0018】
また、本発明の有機EL表示体の配線方法は、有機EL構造体の第1および第2の電極と駆動回路とを接続する配線方法において、
複数の有機EL構造体を並列に搭載した基板を用い、前記有機EL構造体の全体を保護するための保護膜を、表示側と反対側の基板全面に被着する工程と、
前記保護膜上に前記有機EL構造体毎に第1および第2の配線を形成する工程と、
前記有機EL構造体毎の前記第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段の少なくとも一方を前記有機EL構造体基板の境界線の近傍に形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
この構成により、本発明の有機EL表示体の量産性を図ることができ、また逆に、大型の画面をもつ有機EL表示体を安価に製造することができる。
【0019】
また、本発明の有機EL表示体の配線方法においては、少なくとも1つの駆動用半導体素子を前記保護膜上にて第1または第2の配線に接続する工程をさらに有するものである。
この構成により、駆動用半導体素子の配線接続がさらに容易になる。
【0020】
また、本発明の有機EL表示体の配線方法において、前記第1および第2の接続手段は、保護膜を貫通して前記第1および第2の電極に達する接続孔を設け、該接続孔に印刷法、インクジェット法、液滴吐出法、無電解メッキ法、または溶射法のいずれかの方法により導電体を満たして接続するものである。
この構成により、第1および第2の接続手段の接続部において、確実で安定した接続を行うことが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。本発明は図示の例に限定されるものでないことはいうまでもない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による有機EL表示体の概略平面図で、内部配線の陽極および陰極を透視的に示してある。図2は図1のA−A線における拡大断面図、図3は図1のB−B線における拡大断面図である。
この有機EL表示体10は、有機EL構造体(有機EL素子)11と、有機EL構造体11の裏面(表示側と反対側の面で、図1の上側の面)全体に被着された絶縁性の保護膜(第1の保護膜)12と、保護膜12上に施され、有機EL構造体11の内部配線と電気的に接続された陽極用配線(第1の配線)13、陰極用配線(第2の配線)14と、これらの陽極用配線13、陰極用配線14に電気的に接続され、保護膜12上に搭載された駆動用IC等からなる半導体素子15、16とを有する構成となっている。陽極用配線13、陰極用配線14と内部配線を構成する各々の陽極(第1の電極)112および陰極(第2の電極)114とはそれぞれ第1および第2の接続手段17、18にて接続され、さらに陽極用配線13、陰極用配線14の一端にはフレキシブル基板等の外部基板(図示せず)と電気的に接続される電極端子部19が形成されている。
【0022】
有機EL構造体11の主な構成は、ガラスや合成樹脂等からなる透明な基板111と、基板111上に所定の間隔で列方向に平行に配置された複数のストライプ状の陽極(第1の電極)112と、陽極112上に配置された発光層113と、陽極112との間に発光層113を挟んで行方向に所定の間隔で平行に配置された複数のストライプ状の陰極(第2の電極)114と、陽極112の相互間および発光層113の相互間に介在するように配置され、その上面に陰極114が配置されるとともに、外気の侵入を防止する封止材として作用する絶縁層115とからなっている。
【0023】
陽極112は、ここでは光を透過させる必要があるため透明な電極、例えばITO(Indium Tin Oxide:錫ドープ酸化インジウム)薄膜電極により形成されている。陽極112に対してマトリクス状に配置される陰極114は、アルミニウム等の金属電極からなっている。マトリクス状に配置される陽極112と陰極114の間に挾持される発光層113は、1種または複数種の有機材料からなる単層、あるいは正孔注入層や正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等を含む複数層の積層構造のいずれでもよい。例えば、有機EL表示体の用途、性能、コスト等に応じて、(a)陽極−発光層−陰極、(b)陽極−正孔注入層−発光層−陰極、(c)陽極−発光層−電子注入層−陰極、(d)陽極−正孔注入層−発光層−電子注入層−陰極、等の中から適宜の組み合わせを選択すればよい。
発光層113は陽極112と陰極114の交叉部毎に各々1画素を構成し、陽極112と陰極114間に電界を印加することにより発光する。また、陽極112をデータ線電極、陰極114を走査線電極とした場合、陽極112に所望の画像データ信号を送るとともに、陰極114に走査信号を送ることにより、文字、画像等を表示させることができる。
さらに、発光層113を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色をそれぞれ発光するドットマトリクスの並びで配列することにより、いわゆるフルカラーの表示が可能となる。
【0024】
絶縁層115は、ここでは電気絶縁性と気密性(気体不透過性)を有する材料(例えば、エポキシ樹脂、SiO2等)より形成されており、陽極112および発光層113を取り囲むように被覆されている。さらに、気密性を向上させるため絶縁層115を囲繞するごとく封止キャップが装着される場合もある。
なお、本発明は、有機EL表示体10がパッシブ方式、アクティブ方式のいずれにも適用できるものである。また、アクティブ方式の場合、画素毎に設けられるTFT(薄膜トランジスタ)は基板111上に配置されている。
【0025】
図4乃至図8は、この有機EL表示体10の配線方法あるいは製造方法を説明するための工程模式図である。以下、これらの工程模式図に従って有機EL表示体10の配線方法を説明する。
【0026】
保護膜の被着工程(図4参照)
まず、図4に示すように、有機EL構造体11を保護するために、有機EL構造体11の裏面の基板全面に、絶縁膜からなる保護膜12を配置(被着)する。保護膜12は、例えばSiO2やSiNを蒸着することにより、有機EL構造体11の劣化を抑制あるいは防止することができるものであればよい。保護膜12は内部の陽極112および陰極114の電極端子部116、117を含んで基板全面に配置することで、有機EL構造体11を保護し、後述の工程を容易にすることが可能となる。このような保護膜12としては、上記蒸着膜のほかに、例えば、気体不透過性フィルムや樹脂コーティング膜、あるいはガラスが用いられる。また、スパッタ法やスピンコート法などにより保護膜12を形成してもよい。
【0027】
配線の形成工程(図5参照)
次に、図5に示すように、保護膜12上に所要の配線パターンで陽極用配線13および陰極用配線14を形成する。配線パターンの作成には、例えば、印刷法や、無電解メッキ法、電解メッキ法、あるいは導電性接着剤を吐出するインクジェット法等を用いることが可能となり、また各配線の電気抵抗値を低く抑えるために銅等の金属配線が望ましい。さらに、各配線の抵抗値を一定値とするためにパターン面積あるいは導体体積を決定すると好適である。
また、この配線加工の際に各配線13、14の一端部に外部基板(図示せず)と接続するための電極端子部19を形成する。
【0028】
接続孔の加工工程(図6参照)
次に、図6および図9、図10に示すように、基板111の縁部において、配線13、14の近傍(例えば、配線の一端から500μm以内)の保護膜12上に、保護膜12を貫通して陽極および陰極の各電極端子部116、117に達する接続孔118を設ける。図9および図10は、ある接続手段17を拡大して示す斜視図と断面図である。
接続孔118は、エッチング、レーザ、あるいは電子ビーム等により加工することができる。また、接続孔118および配線13、14の端部、ならびに陽極および陰極の電極端子部116、117は、できるだけ基板111の縁に近い位置に配置する。なお、図1などでは陰極用の接続手段(第2の接続手段)18のみが基板111の縁部に配置されているが、陽極用の接続手段(第1の接続手段)17も同様に基板111の縁部に配置してもよい。
このように接続手段17および/または18を基板の縁部に配置することによって、表示画面を十分に大きくすることが可能となり、かつ狭額縁を実現することが可能となる。
【0029】
配線の接続工程(図7参照)
接続孔118の加工後、図7および図9、図10に示すように、その接続孔118の内部および近傍に、例えば導電性ペースト119をインクジェット法により正確にスポッティングすることにより配線13、14の各一端部(電極端子部を形成してもよい)と陽極112、陰極114の各電極端子部116、117とをそれぞれ電気的に接続する。これにより、配線13と陽極112、および配線14と陰極114が結線され電気的導通状態となる。また、接続孔118の内部は導電性ペースト119のような導電体で満たされているので、この接続孔118から外気が侵入することはない。
図1〜図3に示した接続手段17、18は、ここでは上記接続孔118と、この孔118の内部および近傍に滴下されて内部配線と配線13、14を導通させる導電性ペースト119等の導電性接着剤とからなる電気的接続手段である。なお、接続手段17、18は並列の配列に限らず千鳥配列でもよい。
また、この接続手段として、上記インクジェット法のほかに、接続部のみに適宜のパターンおよびマスクを用いて、スクリーン印刷、無電解メッキや金属の溶射、吐出ディスペンサによる定量吐出、あるいははんだ等により接続してもよい。
【0030】
駆動用半導体素子の接続工程(図8参照)
次に、図8に示すように、陽極配線13の中間部に陽極用ドライバの駆動用半導体素子15を、また陰極配線14の中間部に陰極用ドライバの駆動用半導体素子16をそれぞれ接続する。駆動用半導体素子15、16の接続方法(実装方式)は、ベアチップのフリップチップ実装に限らずワイヤボンディングやはんだ付けなど通常の方法でよく、特に限定されるものではない。例えば、図11、図12に示すような接続方法でもよい。なお、図11、図12では半導体素子15の一方の端子部は省略してある。
図11の接続方法は、フリップチップ実装による接続例であり、導電性ペースト120を介して配線13と駆動用半導体素子15の端子とを接続する方法である。駆動用半導体素子15の回路面と、配線13とを対向して配置(フェイスダウンと称す)し、導電ペースト120を介して接続するが、導電ペーストのかわりに、異方性導電膜、異方性導電接着剤あるいは接着剤等の接続材により回路接続してもよい。また、半導体素子15の電極部に突起電極を配置し、突起電極と配線13とを当接又は金属接続により回路接続してもよい。また、図示は省略するが、駆動用半導体素子15の回路面と反対側の面を、保護膜12側として、駆動用半導体素子15の回路面を露出する側に配置(フェイスアップと称す)して、ワイヤボンディングによって配線13と回路接続してもよい。なお、図示は省略するが、配線14と駆動用半導体素子16との接続も同様の接続方法である。また、フリップチップボンディングや異方性導電膜等により接続してもよい。
図12の接続方法は、はんだ、導電性ペースト、あるいは異方性導電膜等により接続する方法である。
また、半導体素子15、16は、TCP(Tape Carrier Package)、COF(Chip On Film)、あるいは樹脂封止したSOP(Small Outline Package)等の形態のパッケージを用いてもよい。
【0031】
以上により、図1〜図3に示した配線構造の有機EL表示体10を製造することができる。そして、配線13、14の電極端子部19とフレキシブル基板等の外部基板(図示せず)とを通常のはんだ付けや導電ペースト、異方性導電膜、あるいはコネクタ等により電気的に接続する。また、外部基板上に一方の半導体素子を搭載してもよい。
【0032】
この有機EL表示体10の配線方法によれば、保護膜12で有機EL構造体11の基板全面を十分に保護したうえで、その保護膜12上に内部の有機EL駆動回路を駆動するための配線回路(13〜19)を施すことができる。そのため、配線回路(13〜19)の作成のためのスペースを十分に広くとることができ、かつ任意の接続ピッチにできるなど配線パターンの自由度が高いため、駆動用半導体素子15、16との接続ピッチを大きくすることが可能となり、駆動用半導体素子15、16の実装がきわめて容易となる。さらに、配線13、14と陽極112、陰極114とを接続する接続手段17、18の少なくとも一方が基板の縁部に配置されているので、狭額縁の有機EL表示体10を容易に実現することができる。また、配線構造が簡単な構成のため、低コスト化が可能である。
【0033】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2による有機EL表示体10の配線方法を図13〜図17に示す。各図の(a)は斜視図で、(b)は断面図である。
この実施の形態における配線方法は基本的に実施の形態1と同様であり、ただ駆動用半導体素子の搭載数やそれに伴う配線接続方法が相違するだけである。
本実施の形態では、1個の駆動用半導体素子、例えば画像データ送信ドライバ(陽極用ドライバ)の半導体素子15のみが保護膜12上に搭載される場合を示している。走査ドライバ(陰極用ドライバ)の半導体素子16は図示を省略しているが、外部基板上に搭載するか、または有機EL構造体11の内部に装着されている(例えば、基板111につくりこむ)。
したがって、前記の保護膜被着工程、配線作成工程、接続孔加工工程、配線接続工程、駆動用半導体素子の接続工程は基本的に同じであり、以下においては主に相違点のみを説明する。
【0034】
図13は、保護膜12の被着から陽極用配線13までの工程をあらわしている。配線13には内部配線と接続するための電極端子部20が形成されており、電極端子部20は基板の一辺の縁部に並列に設けられている。また、配線13の他端には外部基板との接続用の電極端子部19が設けられ、中間部にも半導体素子15との接続用の電極端子部21が設けられている。なお、保護膜12のみで有機EL構造体11全体を包み込む如く被着させているが、有機EL構造体11の構成は図2に示したように別途絶縁膜を有する構成でもよい。
【0035】
図14は、配線13の電極端子部20に接続孔118を設けた状態をあらわしている。この例では、接続孔118は陽極112を貫通しているが、前記のように接続孔118は少なくとも陽極112の表面に達していればよい。
図15は、接続孔118における配線接続の状態、すなわち第1の接続手段17をあらわしている。ここでは、主としてインクジェット法を用い、導電性ペースト119を接続孔118に滴下することにより配線13と陽極112とを電気的に接続している。なお、陰極114との第2の接続手段は図示していないが、同様の接続孔を保護膜上より設けることにより接続することができる。
図16は、駆動用半導体素子15の接続状態をあらわしている。したがって、この例では、前記のように2個の半導体素子15、16を同一の保護膜12の表面上に搭載するのと比較して1個の半導体素子15を搭載するのみでよいため、配線13の形成や半導体素子15の接続等がより容易に行える利点がある。また、有機EL表示体10の狭額縁化の効果に加えて薄型化することができる。
【0036】
実施の形態3.
図17は本発明の実施の形態3による有機EL表示体の配線構造を示す断面図である。
この実施の形態は、例えば一方の駆動用半導体素子15を前記のように保護膜(第1の保護膜)12上の配線(第1の配線)13に接続した後、それらの上から再度保護膜(第2の保護膜)22を蒸着等により被着し、その保護膜22上に配線(第2の配線)14を施し、その後他方の駆動用半導体素子16を配線14に前記のように接続するものである。また、内層の配線13と保護膜22上の電極端子部19とは前述した第1の接続手段17と同じ構成による柱状の突起電極部(第4の接続手段)24を介して電気的に接続されている。したがって、これらの突起電極部24により外部基板(図示せず)と平面的に接続することができる。
【0037】
この方法によれば、保護膜12と22の積層によるビルドアップの配線構造であるため、少なくとも下層の配線13および駆動用半導体素子15は保護膜22で外気から保護されることになるから下層の配線回路(13、15、17)の汚染を防止することが可能となる。また、配線回路の外気汚染防止のために、表層の配線回路(14、16、18)上にも保護膜あるいは絶縁膜または封止キャップを被着してもよい。
【0038】
実施の形態4.
図18は本発明の実施の形態4による有機EL表示体の配線構造を示す断面図である。
この実施の形態は、実施の形態3と同様にビルドアップの配線構造であるが、この場合、下層の配線回路(13、17)のみが上層の保護膜22で覆われており、2個の駆動用半導体素子15と16は同一の保護膜22の表面上に搭載されている。そして、下層の配線13には、前述した第1の接続手段17と同じ構成による柱状の突起電極部(第3の接続手段)23が立設され、これらの突起電極部23に駆動用半導体素子15の端子が導電性ペースト等により電気的に接続されている。
この方法によれば、実施の形態3と同様に内層の配線回路(13、17)の外気汚染を防止することができる。表層の配線回路(14、15、16、18)に対しても実施の形態3と同様の外気汚染防止処理が可能である。
【0039】
実施の形態5.
図19は本発明の実施の形態5による有機EL表示体の外観斜視図である。
以上の各実施の形態では個々の有機EL表示体10の配線構造および配線方法について説明したものであるが、この実施の形態では、複数の有機EL表示体10の配線を一度に行う方法を示すものである。すなわち、大きな基板200上に複数の有機EL素子11を並列に搭載した有機EL構造体201を作製する。そしてこの基板200の全面に有機EL構造体201の全体を保護する保護膜202を被着し、個々の有機EL素子11に対応する保護膜202の部分に、前述した配線方法で配線回路(13〜19)を施す。その後、境界線203、204に沿って基板200をレーザ、ダイシング、あるいはスクライブ等により切断すれば、複数の有機EL表示体10が一度に得られる。
したがって、この方法は、有機EL表示体10の多量生産に適している。
【0040】
また、この方法によれば、境界線203、204で切断しない場合は大画面を有する有機EL表示体となる。しかも、走査線電極である陰極に接続する第2の接続手段18が列方向の境界線203の近傍に配置されているので、その境界部での映像の違和感を抑制することができる。また、複数独立の有機EL素子11を備えていることから、消費電力の低減が可能で、かつ発熱を抑えることができるため寿命の長い大型の有機EL表示体が得られる。
なお、この実施の形態においても、図17、図18に示した外気汚染防止処理を保護膜202上に施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による有機EL表示体の概略平面図。
【図2】図1のA−A線における拡大断面図。
【図3】図1のB−B線における拡大断面図。
【図4】実施の形態1における配線方法を示す工程模式図。
【図5】図4に続く工程模式図。
【図6】図5に続く工程模式図。
【図7】図6に続く工程模式図。
【図8】図7に続く工程模式図。
【図9】実施の形態1における接続部の拡大斜視図。
【図10】図9の断面図。
【図11】駆動用半導体素子の接続方法の一例を示す説明図。
【図12】駆動用半導体素子の接続方法の他の例を示す説明図。
【図13】本発明の実施の形態2における配線方法を示す工程模式図。
【図14】図13に続く工程模式図。
【図15】図14に続く工程模式図。
【図16】図15に続く工程模式図。
【図17】本発明の実施の形態3による有機EL表示体の断面図。
【図18】本発明の実施の形態4による有機EL表示体の断面図。
【図19】本発明の実施の形態5による有機EL表示体の外観斜視図。
【符号の説明】
10 有機EL表示体、11 有機EL構造体(有機EL素子)、12 保護膜(第1の保護膜)、13 陽極用配線(第1の配線)、14 陰極用配線(第2の配線)、15、16 駆動用半導体素子、17 第1の接続手段、18 第2の接続手段、19、20、21 電極端子部、22 保護膜(第2の保護膜)、23 突起電極部(第3の接続手段)、24 突起電極部(第4の接続手段)、111 基板、112 陽極(第1の電極)、113 発光層、114 陰極(第2の電極)、115 絶縁層、116、117 電極端子部、118 接続孔、119 導電性ペースト、200 基板、201 有機EL構造体、202保護膜、203、204 境界線
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと記す)表示体およびその配線方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL表示体は、有機化合物からなる発光体に電界を印加することにより発光体が発光するエレクトロルミネッセンス現象を利用したディスプレイである。有機ELは、自発光型であり、高輝度、高視野角、高速応答性、軽量、薄型等の多くの特長を有していることから、近年研究開発が盛んに行われており、それらの成果は数多くの提案となって現れている。
そのうち、有機ELの駆動回路を接続する配線構造については特許文献1、2がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−223267号公報(段落[0040]−[0048]、図1−図3)
【特許文献2】
特開2000−3140号公報(段落[0014]−[0017]、図1、図6)
【0004】
特許文献1は、有機ELの駆動回路を封止部材(キャップ)の内側に配置し、その駆動回路に接続するための配線を封止部材の内側から有機EL表示体の裏側(つまり、封止部材の表面側)に導出するようにした配線構造を開示している。そのため、封止部材にはコネクタの取付穴が設けられており、このコネクタを介して封止部材内部の駆動回路とICを搭載した外部基板とを接続する構造となっている。
特許文献2は、有機ELの駆動回路の一部を封止部材(キャップ)に形成し、その一部の駆動回路とその他の駆動回路とを接続するための配線構造体を封止部材の周囲で基板上に配置した配線構造を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては以下のような問題点がある。
特許文献1の配線構造では、有機EL駆動回路とコネクタとを配線接続しなければならず、しかもコネクタとの接続では配線ピッチをより小さくしなければならないため、配線作業の負担が大きくコスト高となる問題がある。配線接続の工程数が多いこともコスト高や信頼性の低下を招く一因となる。
また、コネクタは少なくとも気密構造のものでなければならず、さらにキャップに設けられた取付穴との封止性をも十分に確保する必要がある。したがって、コネクタの取付作業が繁雑で、コスト高となることは免れない。
一方、特許文献2の配線構造では、有機ELの駆動回路と封止部材(キャップ)上の配線とを接続するために特殊な配線構造体を設けているので、かかる配線構造体を有機EL表示体のサイズ毎に作る必要があり、コスト高となる問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の課題に鑑みてなされたもので、配線接続を容易にし、かつ低コスト化、狭額縁の配線、さらには薄型化が可能な有機EL表示体およびその配線方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機EL表示体は、有機EL構造体を保護するための、表示側と反対側の基板全面に被着された保護膜と、該保護膜上に形成された第1および第2の配線と、前記有機EL構造体の第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段とを備え、前記第1および第2の接続手段の少なくとも一方が前記基板の縁部に配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の有機EL表示体では、有機EL構造体を保護するための保護膜を表示側と反対側の基板全面に被着し、その保護膜上に有機EL構造体の駆動回路に接続するための第1および第2の配線を形成しているので、配線パターン幅が広く配線できる、また、ピッチ変換が自由に行えるなど配線パターン配置の自由度が高く、駆動用半導体素子との接続を容易に行うことができる。しかも、第1および第2の配線はそれぞれ第1および第2の接続手段を介して有機EL構造体の駆動回路に接続されており、第1および第2の接続手段の少なくとも一方が前記基板の縁部に配置されているので、狭額縁の配線が可能になっている。また、本発明では配線構造が簡単なため、低コスト化、薄型化が可能である。
【0009】
また、本発明の有機EL表示体は、有機EL構造体を保護するための、表示側と反対側の基板全面に被着された第1の保護膜と、該第1の保護膜上に形成された第1の配線と、該第1の配線を覆い、前記第1の保護膜上に被着された第2の保護膜と、該第2の保護膜上の形成された第2の配線と、前記有機EL構造体の第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段とを備え、前記第1および第2の接続手段の少なくとも一方が前記基板の縁部に配置されていることを特徴としている。
すなわち、保護膜を積層構造とすることにより、少なくとも第1の配線を第2の保護膜で覆うことが可能となる。この構成により上記の効果に加えて、第1の配線部分を露出させることがなく外気による汚染を防止することができる。
【0010】
また、本発明の有機EL表示体において、前記第1および第2の接続手段は、内部が導電体で満たされた接続孔よりなるものである。
導電体は、例えばインクジェット法により吐出される導電性ペーストのごときものであり、かかる導電性ペーストで接続孔を満たすことにより第1および第2の接続手段が構成される。したがって、有機EL構造体の駆動回路に接続するための第1および第2の配線の接続を容易かつ高精度に行うことができる。また、接続孔は導電体で封止されているので、外気による汚染の問題は生じない。
【0011】
また、本発明の有機EL表示体において、前記第1および第2の配線は外部基板と接続するための電極端子部を有し、該第1および第2の配線のいずれかに接続された少なくとも1つの駆動用半導体素子が前記保護膜上に搭載されている。
この構成により、例えば陽極(第1の電極)ドライバの駆動用半導体素子を保護膜上に搭載し、陰極(第2の電極)ドライバの駆動用半導体素子を外部基板上に搭載することができる。したがって、保護膜上の配線の形成が容易になる。
【0012】
また、本発明の有機EL表示体は、前記第2の保護膜上に第1の駆動用半導体素子が搭載され、該第1の駆動用半導体素子は第3の接続手段により前記第1の配線に接続されているものである。
前記のように保護膜を上下に積層し、その第2の保護膜上に第1の配線に接続する第1の駆動用半導体素子を搭載する場合は、第1の駆動用半導体素子は前記第1の接続手段と同様な第3の接続手段により第1の配線に接続する。これによって、2つの半導体素子を同一の平面上に搭載することができ、有機EL表示体の薄型化が可能である。
【0013】
また、本発明の有機EL表示体は、前記第1および第2の配線は外部基板と接続するための電極端子部を前記第2の保護膜上に有し、該電極端子部が第4の接続手段により前記第1の配線に接続されている。
この構成により、電極端子部と外部基板とを平面的に接続することができる。
【0014】
また、本発明の有機EL表示体は、複数の有機EL構造体を並列に搭載した基板と、前記有機EL構造体の全体を保護するための、表示側と反対側の基板全面に被着された保護膜と、各有機EL構造体毎に前記保護膜上に形成された第1および第2の配線と、前記有機EL構造体毎の第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段とを備え、前記第1および第2の接続手段の少なくとも一方が前記有機EL構造体の境界線の近傍に配置されていることを特徴とする。
【0015】
この構成により、境界線に沿って基板を切断すれば、複数の有機EL表示体を一度に製造することができる。また、基板を切断しない場合は、複数の有機EL構造体(有機EL素子)を並べた大型の表示画面をもつ有機EL表示体となり、しかも境界線の近傍に第1および第2の接続手段の少なくとも一方が配置されているので、複数の有機EL構造体の、境界部分の画像を近接して配置することができる。このため、境界線部分に対する違和感を抑制することができる。
【0016】
また、本発明の有機EL表示体の配線方法は、有機EL構造体の第1および第2の電極と駆動回路とを接続する配線方法において、
前記有機EL構造体を保護するための保護膜を、表示側と反対側の基板全面に被着する工程と、
前記保護膜上に第1および第2の配線を形成する工程と、
前記第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段の少なくとも一方を前記基板の縁部に形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
この構成により、本発明の狭額縁、薄型の有機EL表示体を安価に製造することができる。
【0017】
また、本発明の有機EL表示体の配線方法は、有機EL構造体の第1および第2の電極と駆動回路とを接続する配線方法において、
前記有機EL構造体を保護するための第1の保護膜を、表示側と反対側の基板全面に被着する工程と、
前記第1の保護膜上に第1の配線を形成する工程と、
前記第1の配線を覆い、前記第1の保護膜上に第2の保護膜を被着する工程と、
前記第2の保護膜上に第2の配線を形成する工程と、
前記第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段の少なくとも一方を前記基板の縁部に形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
この構成により、本発明の狭額縁、薄型で、さらに第1の配線部分の外気汚染防止処理がなされた有機EL表示体を安価に製造することができる。
【0018】
また、本発明の有機EL表示体の配線方法は、有機EL構造体の第1および第2の電極と駆動回路とを接続する配線方法において、
複数の有機EL構造体を並列に搭載した基板を用い、前記有機EL構造体の全体を保護するための保護膜を、表示側と反対側の基板全面に被着する工程と、
前記保護膜上に前記有機EL構造体毎に第1および第2の配線を形成する工程と、
前記有機EL構造体毎の前記第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段の少なくとも一方を前記有機EL構造体基板の境界線の近傍に形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
この構成により、本発明の有機EL表示体の量産性を図ることができ、また逆に、大型の画面をもつ有機EL表示体を安価に製造することができる。
【0019】
また、本発明の有機EL表示体の配線方法においては、少なくとも1つの駆動用半導体素子を前記保護膜上にて第1または第2の配線に接続する工程をさらに有するものである。
この構成により、駆動用半導体素子の配線接続がさらに容易になる。
【0020】
また、本発明の有機EL表示体の配線方法において、前記第1および第2の接続手段は、保護膜を貫通して前記第1および第2の電極に達する接続孔を設け、該接続孔に印刷法、インクジェット法、液滴吐出法、無電解メッキ法、または溶射法のいずれかの方法により導電体を満たして接続するものである。
この構成により、第1および第2の接続手段の接続部において、確実で安定した接続を行うことが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。本発明は図示の例に限定されるものでないことはいうまでもない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による有機EL表示体の概略平面図で、内部配線の陽極および陰極を透視的に示してある。図2は図1のA−A線における拡大断面図、図3は図1のB−B線における拡大断面図である。
この有機EL表示体10は、有機EL構造体(有機EL素子)11と、有機EL構造体11の裏面(表示側と反対側の面で、図1の上側の面)全体に被着された絶縁性の保護膜(第1の保護膜)12と、保護膜12上に施され、有機EL構造体11の内部配線と電気的に接続された陽極用配線(第1の配線)13、陰極用配線(第2の配線)14と、これらの陽極用配線13、陰極用配線14に電気的に接続され、保護膜12上に搭載された駆動用IC等からなる半導体素子15、16とを有する構成となっている。陽極用配線13、陰極用配線14と内部配線を構成する各々の陽極(第1の電極)112および陰極(第2の電極)114とはそれぞれ第1および第2の接続手段17、18にて接続され、さらに陽極用配線13、陰極用配線14の一端にはフレキシブル基板等の外部基板(図示せず)と電気的に接続される電極端子部19が形成されている。
【0022】
有機EL構造体11の主な構成は、ガラスや合成樹脂等からなる透明な基板111と、基板111上に所定の間隔で列方向に平行に配置された複数のストライプ状の陽極(第1の電極)112と、陽極112上に配置された発光層113と、陽極112との間に発光層113を挟んで行方向に所定の間隔で平行に配置された複数のストライプ状の陰極(第2の電極)114と、陽極112の相互間および発光層113の相互間に介在するように配置され、その上面に陰極114が配置されるとともに、外気の侵入を防止する封止材として作用する絶縁層115とからなっている。
【0023】
陽極112は、ここでは光を透過させる必要があるため透明な電極、例えばITO(Indium Tin Oxide:錫ドープ酸化インジウム)薄膜電極により形成されている。陽極112に対してマトリクス状に配置される陰極114は、アルミニウム等の金属電極からなっている。マトリクス状に配置される陽極112と陰極114の間に挾持される発光層113は、1種または複数種の有機材料からなる単層、あるいは正孔注入層や正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等を含む複数層の積層構造のいずれでもよい。例えば、有機EL表示体の用途、性能、コスト等に応じて、(a)陽極−発光層−陰極、(b)陽極−正孔注入層−発光層−陰極、(c)陽極−発光層−電子注入層−陰極、(d)陽極−正孔注入層−発光層−電子注入層−陰極、等の中から適宜の組み合わせを選択すればよい。
発光層113は陽極112と陰極114の交叉部毎に各々1画素を構成し、陽極112と陰極114間に電界を印加することにより発光する。また、陽極112をデータ線電極、陰極114を走査線電極とした場合、陽極112に所望の画像データ信号を送るとともに、陰極114に走査信号を送ることにより、文字、画像等を表示させることができる。
さらに、発光層113を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色をそれぞれ発光するドットマトリクスの並びで配列することにより、いわゆるフルカラーの表示が可能となる。
【0024】
絶縁層115は、ここでは電気絶縁性と気密性(気体不透過性)を有する材料(例えば、エポキシ樹脂、SiO2等)より形成されており、陽極112および発光層113を取り囲むように被覆されている。さらに、気密性を向上させるため絶縁層115を囲繞するごとく封止キャップが装着される場合もある。
なお、本発明は、有機EL表示体10がパッシブ方式、アクティブ方式のいずれにも適用できるものである。また、アクティブ方式の場合、画素毎に設けられるTFT(薄膜トランジスタ)は基板111上に配置されている。
【0025】
図4乃至図8は、この有機EL表示体10の配線方法あるいは製造方法を説明するための工程模式図である。以下、これらの工程模式図に従って有機EL表示体10の配線方法を説明する。
【0026】
保護膜の被着工程(図4参照)
まず、図4に示すように、有機EL構造体11を保護するために、有機EL構造体11の裏面の基板全面に、絶縁膜からなる保護膜12を配置(被着)する。保護膜12は、例えばSiO2やSiNを蒸着することにより、有機EL構造体11の劣化を抑制あるいは防止することができるものであればよい。保護膜12は内部の陽極112および陰極114の電極端子部116、117を含んで基板全面に配置することで、有機EL構造体11を保護し、後述の工程を容易にすることが可能となる。このような保護膜12としては、上記蒸着膜のほかに、例えば、気体不透過性フィルムや樹脂コーティング膜、あるいはガラスが用いられる。また、スパッタ法やスピンコート法などにより保護膜12を形成してもよい。
【0027】
配線の形成工程(図5参照)
次に、図5に示すように、保護膜12上に所要の配線パターンで陽極用配線13および陰極用配線14を形成する。配線パターンの作成には、例えば、印刷法や、無電解メッキ法、電解メッキ法、あるいは導電性接着剤を吐出するインクジェット法等を用いることが可能となり、また各配線の電気抵抗値を低く抑えるために銅等の金属配線が望ましい。さらに、各配線の抵抗値を一定値とするためにパターン面積あるいは導体体積を決定すると好適である。
また、この配線加工の際に各配線13、14の一端部に外部基板(図示せず)と接続するための電極端子部19を形成する。
【0028】
接続孔の加工工程(図6参照)
次に、図6および図9、図10に示すように、基板111の縁部において、配線13、14の近傍(例えば、配線の一端から500μm以内)の保護膜12上に、保護膜12を貫通して陽極および陰極の各電極端子部116、117に達する接続孔118を設ける。図9および図10は、ある接続手段17を拡大して示す斜視図と断面図である。
接続孔118は、エッチング、レーザ、あるいは電子ビーム等により加工することができる。また、接続孔118および配線13、14の端部、ならびに陽極および陰極の電極端子部116、117は、できるだけ基板111の縁に近い位置に配置する。なお、図1などでは陰極用の接続手段(第2の接続手段)18のみが基板111の縁部に配置されているが、陽極用の接続手段(第1の接続手段)17も同様に基板111の縁部に配置してもよい。
このように接続手段17および/または18を基板の縁部に配置することによって、表示画面を十分に大きくすることが可能となり、かつ狭額縁を実現することが可能となる。
【0029】
配線の接続工程(図7参照)
接続孔118の加工後、図7および図9、図10に示すように、その接続孔118の内部および近傍に、例えば導電性ペースト119をインクジェット法により正確にスポッティングすることにより配線13、14の各一端部(電極端子部を形成してもよい)と陽極112、陰極114の各電極端子部116、117とをそれぞれ電気的に接続する。これにより、配線13と陽極112、および配線14と陰極114が結線され電気的導通状態となる。また、接続孔118の内部は導電性ペースト119のような導電体で満たされているので、この接続孔118から外気が侵入することはない。
図1〜図3に示した接続手段17、18は、ここでは上記接続孔118と、この孔118の内部および近傍に滴下されて内部配線と配線13、14を導通させる導電性ペースト119等の導電性接着剤とからなる電気的接続手段である。なお、接続手段17、18は並列の配列に限らず千鳥配列でもよい。
また、この接続手段として、上記インクジェット法のほかに、接続部のみに適宜のパターンおよびマスクを用いて、スクリーン印刷、無電解メッキや金属の溶射、吐出ディスペンサによる定量吐出、あるいははんだ等により接続してもよい。
【0030】
駆動用半導体素子の接続工程(図8参照)
次に、図8に示すように、陽極配線13の中間部に陽極用ドライバの駆動用半導体素子15を、また陰極配線14の中間部に陰極用ドライバの駆動用半導体素子16をそれぞれ接続する。駆動用半導体素子15、16の接続方法(実装方式)は、ベアチップのフリップチップ実装に限らずワイヤボンディングやはんだ付けなど通常の方法でよく、特に限定されるものではない。例えば、図11、図12に示すような接続方法でもよい。なお、図11、図12では半導体素子15の一方の端子部は省略してある。
図11の接続方法は、フリップチップ実装による接続例であり、導電性ペースト120を介して配線13と駆動用半導体素子15の端子とを接続する方法である。駆動用半導体素子15の回路面と、配線13とを対向して配置(フェイスダウンと称す)し、導電ペースト120を介して接続するが、導電ペーストのかわりに、異方性導電膜、異方性導電接着剤あるいは接着剤等の接続材により回路接続してもよい。また、半導体素子15の電極部に突起電極を配置し、突起電極と配線13とを当接又は金属接続により回路接続してもよい。また、図示は省略するが、駆動用半導体素子15の回路面と反対側の面を、保護膜12側として、駆動用半導体素子15の回路面を露出する側に配置(フェイスアップと称す)して、ワイヤボンディングによって配線13と回路接続してもよい。なお、図示は省略するが、配線14と駆動用半導体素子16との接続も同様の接続方法である。また、フリップチップボンディングや異方性導電膜等により接続してもよい。
図12の接続方法は、はんだ、導電性ペースト、あるいは異方性導電膜等により接続する方法である。
また、半導体素子15、16は、TCP(Tape Carrier Package)、COF(Chip On Film)、あるいは樹脂封止したSOP(Small Outline Package)等の形態のパッケージを用いてもよい。
【0031】
以上により、図1〜図3に示した配線構造の有機EL表示体10を製造することができる。そして、配線13、14の電極端子部19とフレキシブル基板等の外部基板(図示せず)とを通常のはんだ付けや導電ペースト、異方性導電膜、あるいはコネクタ等により電気的に接続する。また、外部基板上に一方の半導体素子を搭載してもよい。
【0032】
この有機EL表示体10の配線方法によれば、保護膜12で有機EL構造体11の基板全面を十分に保護したうえで、その保護膜12上に内部の有機EL駆動回路を駆動するための配線回路(13〜19)を施すことができる。そのため、配線回路(13〜19)の作成のためのスペースを十分に広くとることができ、かつ任意の接続ピッチにできるなど配線パターンの自由度が高いため、駆動用半導体素子15、16との接続ピッチを大きくすることが可能となり、駆動用半導体素子15、16の実装がきわめて容易となる。さらに、配線13、14と陽極112、陰極114とを接続する接続手段17、18の少なくとも一方が基板の縁部に配置されているので、狭額縁の有機EL表示体10を容易に実現することができる。また、配線構造が簡単な構成のため、低コスト化が可能である。
【0033】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2による有機EL表示体10の配線方法を図13〜図17に示す。各図の(a)は斜視図で、(b)は断面図である。
この実施の形態における配線方法は基本的に実施の形態1と同様であり、ただ駆動用半導体素子の搭載数やそれに伴う配線接続方法が相違するだけである。
本実施の形態では、1個の駆動用半導体素子、例えば画像データ送信ドライバ(陽極用ドライバ)の半導体素子15のみが保護膜12上に搭載される場合を示している。走査ドライバ(陰極用ドライバ)の半導体素子16は図示を省略しているが、外部基板上に搭載するか、または有機EL構造体11の内部に装着されている(例えば、基板111につくりこむ)。
したがって、前記の保護膜被着工程、配線作成工程、接続孔加工工程、配線接続工程、駆動用半導体素子の接続工程は基本的に同じであり、以下においては主に相違点のみを説明する。
【0034】
図13は、保護膜12の被着から陽極用配線13までの工程をあらわしている。配線13には内部配線と接続するための電極端子部20が形成されており、電極端子部20は基板の一辺の縁部に並列に設けられている。また、配線13の他端には外部基板との接続用の電極端子部19が設けられ、中間部にも半導体素子15との接続用の電極端子部21が設けられている。なお、保護膜12のみで有機EL構造体11全体を包み込む如く被着させているが、有機EL構造体11の構成は図2に示したように別途絶縁膜を有する構成でもよい。
【0035】
図14は、配線13の電極端子部20に接続孔118を設けた状態をあらわしている。この例では、接続孔118は陽極112を貫通しているが、前記のように接続孔118は少なくとも陽極112の表面に達していればよい。
図15は、接続孔118における配線接続の状態、すなわち第1の接続手段17をあらわしている。ここでは、主としてインクジェット法を用い、導電性ペースト119を接続孔118に滴下することにより配線13と陽極112とを電気的に接続している。なお、陰極114との第2の接続手段は図示していないが、同様の接続孔を保護膜上より設けることにより接続することができる。
図16は、駆動用半導体素子15の接続状態をあらわしている。したがって、この例では、前記のように2個の半導体素子15、16を同一の保護膜12の表面上に搭載するのと比較して1個の半導体素子15を搭載するのみでよいため、配線13の形成や半導体素子15の接続等がより容易に行える利点がある。また、有機EL表示体10の狭額縁化の効果に加えて薄型化することができる。
【0036】
実施の形態3.
図17は本発明の実施の形態3による有機EL表示体の配線構造を示す断面図である。
この実施の形態は、例えば一方の駆動用半導体素子15を前記のように保護膜(第1の保護膜)12上の配線(第1の配線)13に接続した後、それらの上から再度保護膜(第2の保護膜)22を蒸着等により被着し、その保護膜22上に配線(第2の配線)14を施し、その後他方の駆動用半導体素子16を配線14に前記のように接続するものである。また、内層の配線13と保護膜22上の電極端子部19とは前述した第1の接続手段17と同じ構成による柱状の突起電極部(第4の接続手段)24を介して電気的に接続されている。したがって、これらの突起電極部24により外部基板(図示せず)と平面的に接続することができる。
【0037】
この方法によれば、保護膜12と22の積層によるビルドアップの配線構造であるため、少なくとも下層の配線13および駆動用半導体素子15は保護膜22で外気から保護されることになるから下層の配線回路(13、15、17)の汚染を防止することが可能となる。また、配線回路の外気汚染防止のために、表層の配線回路(14、16、18)上にも保護膜あるいは絶縁膜または封止キャップを被着してもよい。
【0038】
実施の形態4.
図18は本発明の実施の形態4による有機EL表示体の配線構造を示す断面図である。
この実施の形態は、実施の形態3と同様にビルドアップの配線構造であるが、この場合、下層の配線回路(13、17)のみが上層の保護膜22で覆われており、2個の駆動用半導体素子15と16は同一の保護膜22の表面上に搭載されている。そして、下層の配線13には、前述した第1の接続手段17と同じ構成による柱状の突起電極部(第3の接続手段)23が立設され、これらの突起電極部23に駆動用半導体素子15の端子が導電性ペースト等により電気的に接続されている。
この方法によれば、実施の形態3と同様に内層の配線回路(13、17)の外気汚染を防止することができる。表層の配線回路(14、15、16、18)に対しても実施の形態3と同様の外気汚染防止処理が可能である。
【0039】
実施の形態5.
図19は本発明の実施の形態5による有機EL表示体の外観斜視図である。
以上の各実施の形態では個々の有機EL表示体10の配線構造および配線方法について説明したものであるが、この実施の形態では、複数の有機EL表示体10の配線を一度に行う方法を示すものである。すなわち、大きな基板200上に複数の有機EL素子11を並列に搭載した有機EL構造体201を作製する。そしてこの基板200の全面に有機EL構造体201の全体を保護する保護膜202を被着し、個々の有機EL素子11に対応する保護膜202の部分に、前述した配線方法で配線回路(13〜19)を施す。その後、境界線203、204に沿って基板200をレーザ、ダイシング、あるいはスクライブ等により切断すれば、複数の有機EL表示体10が一度に得られる。
したがって、この方法は、有機EL表示体10の多量生産に適している。
【0040】
また、この方法によれば、境界線203、204で切断しない場合は大画面を有する有機EL表示体となる。しかも、走査線電極である陰極に接続する第2の接続手段18が列方向の境界線203の近傍に配置されているので、その境界部での映像の違和感を抑制することができる。また、複数独立の有機EL素子11を備えていることから、消費電力の低減が可能で、かつ発熱を抑えることができるため寿命の長い大型の有機EL表示体が得られる。
なお、この実施の形態においても、図17、図18に示した外気汚染防止処理を保護膜202上に施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による有機EL表示体の概略平面図。
【図2】図1のA−A線における拡大断面図。
【図3】図1のB−B線における拡大断面図。
【図4】実施の形態1における配線方法を示す工程模式図。
【図5】図4に続く工程模式図。
【図6】図5に続く工程模式図。
【図7】図6に続く工程模式図。
【図8】図7に続く工程模式図。
【図9】実施の形態1における接続部の拡大斜視図。
【図10】図9の断面図。
【図11】駆動用半導体素子の接続方法の一例を示す説明図。
【図12】駆動用半導体素子の接続方法の他の例を示す説明図。
【図13】本発明の実施の形態2における配線方法を示す工程模式図。
【図14】図13に続く工程模式図。
【図15】図14に続く工程模式図。
【図16】図15に続く工程模式図。
【図17】本発明の実施の形態3による有機EL表示体の断面図。
【図18】本発明の実施の形態4による有機EL表示体の断面図。
【図19】本発明の実施の形態5による有機EL表示体の外観斜視図。
【符号の説明】
10 有機EL表示体、11 有機EL構造体(有機EL素子)、12 保護膜(第1の保護膜)、13 陽極用配線(第1の配線)、14 陰極用配線(第2の配線)、15、16 駆動用半導体素子、17 第1の接続手段、18 第2の接続手段、19、20、21 電極端子部、22 保護膜(第2の保護膜)、23 突起電極部(第3の接続手段)、24 突起電極部(第4の接続手段)、111 基板、112 陽極(第1の電極)、113 発光層、114 陰極(第2の電極)、115 絶縁層、116、117 電極端子部、118 接続孔、119 導電性ペースト、200 基板、201 有機EL構造体、202保護膜、203、204 境界線
Claims (12)
- 有機EL構造体を保護するための、表示側と反対側の基板全面に被着された保護膜と、該保護膜上に形成された第1および第2の配線と、前記有機EL構造体の第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段とを備え、前記第1および第2の接続手段の少なくとも一方が前記基板の縁部に配置されていることを特徴とする有機EL表示体。
- 有機EL構造体を保護するための、表示側と反対側の基板全面に被着された第1の保護膜と、該第1の保護膜上に形成された第1の配線と、該第1の配線を覆い、前記第1の保護膜上に被着された第2の保護膜と、該第2の保護膜上の形成された第2の配線と、前記有機EL構造体の第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段とを備え、前記第1および第2の接続手段の少なくとも一方が前記基板の縁部に配置されていることを特徴とする有機EL表示体。
- 前記第1および第2の接続手段は、内部が導電体で満たされた接続孔よりなることを特徴とする請求項1または2記載の有機EL表示体。
- 前記第1および第2の配線は外部基板と接続するための電極端子部を有し、該第1および第2の配線のいずれかに接続された少なくとも1つの駆動用半導体素子が前記保護膜上に搭載されていることを特徴とする請求項1または3記載の有機EL表示体。
- 前記第2の保護膜上に第1の駆動用半導体素子が搭載され、該第1の駆動用半導体素子は第3の接続手段により前記第1の配線に接続されていることを特徴とする請求項2または3記載の有機EL表示体。
- 前記第1および第2の配線は外部基板と接続するための電極端子部を前記第2の保護膜上に有し、該電極端子部が第4の接続手段により前記第1の配線に接続されていることを特徴とする請求項2、3または5のいずれかに記載の有機EL表示体。
- 複数の有機EL構造体を並列に搭載した基板と、前記の有機EL構造体の全体を保護するための、表示側と反対側の基板全面に被着された保護膜と、各有機EL構造体毎に前記保護膜上に形成された第1および第2の配線と、前記有機EL構造体毎の第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段とを備え、前記第1および第2の接続手段の少なくとも一方が前記有機EL構造体の境界線の近傍に配置されていることを特徴とする有機EL表示体。
- 有機EL構造体の第1および第2の電極と駆動回路とを接続する配線方法において、
前記有機EL構造体を保護するための保護膜を、表示側と反対側の基板全面に被着する工程と、
前記保護膜上に第1および第2の配線を形成する工程と、
前記第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段の少なくとも一方を前記基板の縁部に形成する工程と、
を含むことを特徴とする有機EL表示体の配線方法。 - 有機EL構造体の第1および第2の電極と駆動回路とを接続する配線方法において、
前記有機EL構造体を保護するための第1の保護膜を、表示側と反対側の基板全面に被着する工程と、
前記第1の保護膜上に第1の配線を形成する工程と、
前記第1の配線を覆い、前記第1の保護膜上に第2の保護膜を被着する工程と、
前記第2の保護膜上に第2の配線を形成する工程と、
前記第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段の少なくとも一方を前記基板の縁部に形成する工程と、
を含むことを特徴とする有機EL表示体の配線方法。 - 有機EL構造体の第1および第2の電極と駆動回路とを接続する配線方法において、
複数の有機EL構造体を並列に搭載した基板を用い、前記有機EL構造体の全体を保護するための保護膜を、表示側と反対側の基板全面に被着する工程と、
前記保護膜上に前記有機EL構造体毎に第1および第2の配線を形成する工程と、
前記有機EL構造体毎の前記第1および第2の電極と前記第1および第2の配線とをそれぞれ電気的に接続する第1および第2の接続手段の少なくとも一方を前記有機EL構造体基板の境界線の近傍に形成する工程と、
を含むことを特徴とする有機EL表示体の配線方法。 - 少なくとも1つの駆動用半導体素子を前記保護膜上にて第1または第2の配線に接続する工程をさらに有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の有機EL表示体の配線方法。
- 前記第1および第2の接続手段は、保護膜を貫通して前記第1および第2の電極に達する接続孔を設け、該接続孔に印刷法、インクジェット法、液滴吐出法、無電解メッキ法、または溶射法のいずれかの方法により導電体を満たして接続することを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の有機EL表示体の配線方法。
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