JP2004355667A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】DDR SDRAM のデータ取込み部の配線領域を増加させずに、データ信号の取込みマージンを最大に高め、チップサイズの縮小や消費電流の削減を図る。
【解決手段】外部から入力されるストローブ信号に対してセットアップ時間とホールド時間を持った複数のデータ信号を同時にデータラッチ回路103 に取り込むデータ取込み部を備えたDDR SDRAM において、ストローブ信号の入力レシーバ112 と各データ信号の入力レシーバ102 との物理的な中点にそれぞれに対応するデータラッチ回路を配置するフロアプランによって、入力レシーバからデータラッチ回路までにおけるデータ信号とストローブ信号の物理的な配線長を揃え、外部から与えられたセットアップ時間とホールド時間のバランスをデータラッチ回路で保持する。
【選択図】 図1
【解決手段】外部から入力されるストローブ信号に対してセットアップ時間とホールド時間を持った複数のデータ信号を同時にデータラッチ回路103 に取り込むデータ取込み部を備えたDDR SDRAM において、ストローブ信号の入力レシーバ112 と各データ信号の入力レシーバ102 との物理的な中点にそれぞれに対応するデータラッチ回路を配置するフロアプランによって、入力レシーバからデータラッチ回路までにおけるデータ信号とストローブ信号の物理的な配線長を揃え、外部から与えられたセットアップ時間とホールド時間のバランスをデータラッチ回路で保持する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に係り、特にクロック同期型半導体装置において外部から入力されるストローブ信号によって外部から与えられる複数の入力信号を同時にラッチする回路に関するもので、例えば同期型半導体メモリに使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体記憶装置は、同期型ダイナミックメモリ(Synchronous DRAM;SDRAM)からダブルデータレイト(DDR)SDRAMへの進化に見られるように、世代が代わる毎にクロック周波数が益々高まっており、一方では、外部から入力される入力信号(コマンドやアドレス信号、データ信号など)のクロックに対するセットアップ時間やホールド時間が短縮される傾向にある。
【0003】
図4は、DDR SDRAM のコマンド、アドレスとデータの取込みタイミングの一例を記述したタイミング波形図である。
【0004】
DDR SDRAM においては、コマンドCommand とアドレスAddress はクロックVCLKの立ち上がりエッジだけで取込まれるが、データDQはVCLKと同相に入力されるデータストローブ信号DQS の立ち上がりと立下りの両方のエッジを使って内部に取込まれるDDR 方式を採用している。このため、セットアップとホールド時間のタイミング仕様は、通常はコマンドやアドレスに対してデータの方が厳しくなっている。タイミング仕様の一具体例として、VCLKのサイクルタイムtCK が7.5 ナノ秒で、アドレスやコマンドのセットアップ時間tSETとホールド時間tHOLD は共に0.9 ナノ秒であるのに対して、書込みデータDQのセットアップ時間tDS とホールド時問tDH は共に0.5 ナノ秒である。
【0005】
図5は、DDR SDRAM のデータ取込み部の回路構成の一例を示す。
【0006】
このデータ取込み部において、111 はチップ外部から入力されるデータストローブ信号DQS を受けるボンディングパッド、112 は上記パッド111 の近傍に配置され、それを経由した入力を受け、チップ内部で使用するCMOSレベルに変換するDQS 入力レシーバである。101 はチップ外部から同時に入力される複数ビットの書込みデータDQ<O> 〜DQ<n> を受けるn+1 個のボンディングパッド、102 は上記各パッド101 の近傍に配置され、それを経由した入力をCMOSレベルに変換するn+1 個のDQ入力レシーバである。
【0007】
n+1 個のデータラッチ回路103 は、それぞれ対応して前記各DQ入力レシーバ102 の出力DQIN<0:n> および前記DQS 入カレシーバ112 の出力DQSIN およびデータ転送タイミング制御回路104 の出力DXFRが入力し、DQSIN の立上がりエッジと立下りエッジでDQIN<0:n> を取り込み、内部書込みデータバスへ書込みデータWD<0:n> を転送する。この書込みデータWD<0:n> を転送するタイミングは、データ転送タイミング制御回路104 により制御される。
【0008】
図6は、図5の回路における動作波形の一例を示す。
【0009】
DDR SDRAM の仕様では、VCLKに同期した書込みコマンド(Write Command) を受け取った後、次のサイクル以降、VCLKに同期してデータストローブ信号DQS が同相にトグルを開始し、このDQS の立上がり、立下りエッジに対してそれぞれセットアップ時間tDS とホールド時問tDH を持って書込みデータDQ<0:n> が入力される。
【0010】
この時、入力された信号DQS は、入力レシーバ(図5中112 )によってCMOSレベルに変換されると同時に、遅延時間tDQS_delay後にDQSIN として出力される。一方、書込みデータDQ<0:n> も、入力レシーバ(図5中102 )によってレベル変換されると同時に遅延時間tDQ_delay 後にDQIN<0:n> として出力される。
【0011】
上記した各入力レシーバの出力はデータラッチ回路(図5中103 )に入力され、DQIN<0:n> の例えば最初のデータ“a”は、DQSIN の最初の立上がりエッジでラッチされ、DQSIN の最初の立下りエッジに同期して発生されるデータ転送信号DXFRによって内部書込みデータバスWD<0:n> に転送される。
【0012】
図7は、例えば8 ビット入出力の256Mビット DDR SDRAMの実際のパッケージ(66pin TSOP Package)およびピンアサインの一例を示す平面図である。
【0013】
図7から分かるように、破線丸で囲んだDQ<0> 〜DQ<7> ピン(8 本のDQピン)はパッケージの左半分に配置されており、破線四角で囲んだDQS ピンは中央付近に配置されている。したがって、パッケージ内部に封入されたチップにおいても、DQピンからの配線が接続されるDQボンディングパッド(図示せず)は、チップのパッド配列部における左半分に配置され、DQS ピンからの配線が接続されるDQSボンディングパッドは、チップのパッド配列部における中央付近に配置されているのが普通である。ここでは、チップの中央部に入力端子等のパッド群が配列されているセンターパッドレイアウト構成のチップを用いる場合を示している。
【0014】
図8は、図5に示したデータ取込み部の各回路を配置したレイアウトフロアプランの一例を示す。ここで、図5中と同一部分には同一符号を付しており、各構成要素は、図7に示したピン配置に対応してチップ上に配置されている。
【0015】
図8において、チップの左半分(Left Half of chip) には、複数個のDQ<o:n>ボンディングパッド101 と、それぞれの近傍に対応してDQ入力レシーバ102 が配置されている。チップの中央付近(Center of chip)には、DQS ボンディングパッド111 と、その近傍に対応してDQS 入力レシーバ112 が配置されており、データ転送タイミング制御回路104 とデータラッチ回路103 群も配置されている。
【0016】
前記各DQ入力レシーバ102 の出力DQIN<0:n> は、水平方向に走るグローバルDQIN<0:n> バスを経由して各データラッチ回路103 のうち対応する番号<0> 〜<n>のものに入力し、前記入力レシーバ112 の出力DQSIN は各データラッチ回路103に共通に入力する。前記データ転送タイミング制御回路104 の出力DXFRは、各データラッチ回路103 に共通に入力し、各データラッチ回路103 から内部データバスに書込みデータWD<0:n> を送出するタイミングを決定している。
【0017】
次に、上記構成のデータ取込み部における問題点を説明する。
【0018】
前述したように、近年の半導体記憶装置においてはクロックの周波数が上昇するに応じて、ストローブ信号に対する入力信号のセットアップ時間、ホールド時間も短縮される傾向にある。したがって、外部より与えられた信号のセットアップ時間、ホールド時間はチップ内部のラッチ回路でラッチされるまで極力保存されることが望ましい。つまり、図6に示したタイミング図における内部DQS の遅延時間tDQS_delayと内部DQ<0:n> の遅延時間tDQ_delay を完全に等しく揃えることができれば、データラッチ回路103 でのDQSIN に対するDQIN<0:n> のセットアップ時間とホールド時間を最も有効に活用することができる。
【0019】
図9および図10は、図6に示したタイミング図におけるtDQS_delayとtDQ_delay の関係が崩れた場合の動作波形の一例を示している。
【0020】
図9は遅延時間がtDQS_delay > tDQ_delayの関係にある場合、図10は遅延時間がtDQS_delay < tDQ_delayの関係にある場合を示している。
【0021】
図9では、tDQS_delayが長いので、データラッチ回路103 におけるデータのラッチタイミングは、図9中に丸印を付けたようにタイミングデータの有効ウインドウ時間の最後部になってしまっている。したがって、仮に、外部より与えられるデータホールド時間が少しでも短ければ誤って次のデータを取込む可能性がある。例えばデータ“a”を取込むべきDQSIN の最初の立上がりエッジでは、少しのタイミングのずれによって次のデータ“b”を取込んでしまう危険性が大きい。
【0022】
一方、図10では、tDQ_delay が長いのでDQSIN に対してタイミングデータDQIN<0:n> が後退してしまっており、データラッチ回路103 におけるデータのラッチタイミングは、図10中に丸印を付けたようにタイミングデータのデータ有効ウインドウ時間の最前部になってしまっている。したがって、仮に、外部より与えられるデータセットアップ時間が少しでも短ければ誤って前のデータを取込んでしまう可能性がある。例えばデータ“b”を取込むべきDQSIN の最初の立下りエッジでは、少しのタイミングのずれによって直前のデータ“a”を取込んでしまう危険性が大きい。
【0023】
上述したような遅延時間tDQS_delayとtDQ_delay のずれは、DQS 用の入力レシーバ112 とDQ用の入力レシーバ102 の回路構成を同じにしたり、図8中に示すようにDQIN<0:n> とDQSIN のグローバルバスに等長配線を用いてそれぞれの寄生容量C0、C1、C2、C3、...Cn とCdqsを揃えることによって、ある程度は低減することが可能である。
【0024】
しかし、図8に示したような構成では、DQS パッド111 からデータラッチ回路103 までの距離と、DQパッド101 からデータラッチ回路103 までの距離が異なるので、図8中に示した配線の寄生抵抗Rdqs、R0、R1、R2、R3、...Rn を揃えることができない。さらに、DQパッド101 における各DQ<0:n> パッド相互間でも、各対応するデータラッチ回路103 までの距離が異なるので、セットアップ時間、ホールド時間にDQピン間依存が生じる原因になっている。
【0025】
図11は、図8中に示した配線の寄生抵抗Rdqs、R0、R1、R2、R3、...Rn を揃えるように改良した一例を示している。
【0026】
この構成では、DQ<0:n> パッド101 に対応するDQ用の入力レシーバ102 のうちでデータラッチ回路103 までの距離が最も長いDQIN<n> 出力用の入力レシーバ102 から対応するデータラッチ回路103 までのグローバルバスの距離を基準にとる。そして、他のDQ<0:n−1> 出力用の入力レシーバ102 から対応するデータラッチ回路103 までのグローバルバスを、当該入力レシーバ102 の位置からデータラッチ回路103 の方向とは逆方向へ延長させた後に折り返して対応するデータラッチ回路103 に入力させている。このグローバルバスを折り返す位置は、基準となるDQIN<n> 用のグローバルバスに配線長が揃うように調節している。
【0027】
上記と同様に、DQSIN 出力用の入力レシーバ112 から対応するデータラッチ回路103 までのグローバルバスを、当該入力レシーバ112 の位置からデータラッチ回路103 の方向とは逆方向へ延長させた後に折り返して各データラッチ回路103に入力させている。このグローバルバスを折り返す位置は、DQSIN 出力用の入力レシーバ112 からDQ<n> 出力用の入力レシーバ102 位置までの中点とし、基準となるDQIN<n> 用のグローバルバスに配線長が揃うように調節している。
【0028】
このような構成によれば、各DQIN<0:n> 用のグローバルバスとDQSIN 用のグローバルバス長が揃うことから、配線の寄生容量C0、C1、C2、C3、...Cn 、Cdqsを等しくできるだけでなく、各パッド101,111 からデータラッチ回路103 までの配線長も一致するので、配線の寄生抵抗R0、R1、R2、R3、...Rn 、Rdqsをも等しく揃えることができる。
【0029】
しかし、図11の構成では、図8に示した構成と比べて、グローバルバスを折り返すための余分な配線領域が必要となり、近年の半導体記憶装置のようにI/Oピンの数が益々増加するデバイスにとってはチップサイズを圧迫することになり、不利な構成であると言える。
【0030】
なお、特許文献1の「半導体集積回路」には、2つの信号のラッチタイミングを調節するために遅延時間を自動制御する技術が開示されている。
【0031】
【特許文献1】
特開2001−126481号公報
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来のDDR SDRAM のデータ取込み部は、データ取込み部におけるストローブ信号の伝播距離と複数のデータ信号の各伝播距離との相違によりデータ信号の取込みマージンが小さく、誤動作が発生するおそれがあった。
【0033】
また、ストローブ信号の伝播距離と複数のデータ信号の各伝播距離を揃えるようにグローバルバスを折り返すと、余分な配線領域が必要となり、チップサイズを圧迫するという問題があった。
【0034】
本発明は上記の問題点を解決すべくなされたもので、データ取込み部における配線領域を増加させることなく、データ信号の取込みマージンを最大に高め、チップサイズの縮小や消費電流の削減も可能になる半導体装置を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置は、内部データラッチ信号を発生するデータラッチ信号発生回路と、内部データ信号を生成する複数のデータ発生回路と、前記複数のデータ発生回路に対応して設けられ、対応するデータ発生回路からの内部データ信号および前記内部データラッチ信号が入力し、対応する前記内部データ信号と内部データラッチ信号の伝播距離が等しくなるように対応する前記データ発生回路と前記ラッチ信号発生回路との間の物理的な距離の中点に配置されている複数のデータラッチ回路とを具備することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0037】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の半導体装置の第1の実施形態に係るDDR SDRAM のデータ取込み部の回路を配置したフロアプランの一例を示している。このDDR SDRAM のチップは、本例では周辺パッドレイアウト構成を有する。
【0038】
図1において、チップの左半分のチップ周辺部には、チップ外部から複数(n+1 )ビットの書込みデータDQ<0:n> が入力するn+1 個のDQ<0:n> ボンディングパッド101 と、それぞれの近傍に対応してDQ入力を受け、チップ内部で使用するCMOSレベルに変換して内部データ信号DQIN<0:n> を生成する複数のDQ入力レシーバ(データ信号発生回路)102 が配置されている。
【0039】
チップの中央付近のチップ周辺部には、チップ外部からデータストローブ信号DQS が入力するDQS ボンディングパッド111 と、その近傍に対応してDQS 入力を受け、チップ内部で使用するCMOSレベルに変換して内部データラッチ信号DQSINを生成するDQS 入力レシーバ(データラッチ信号発生回路)112 が配置されている。また、チップの中央付近のチップ周辺部には、チップ内部に取込まれた書込みデータDQ<0:n> を内部書込みデータバスに転送するタイミングを制御するデータ転送タイミング制御回路104 も配置されている。
【0040】
前記DQS ボンディングパッド111 とn+1 個のDQ<0:n> ボンディングパッド101はチップ周辺部に一列に配列されており、前記DQS 入力レシーバ112 およびn+1個のDQ入力レシーバ102 は前記ボンディングパッド111 、101 の配列に沿って一列に配列されている。
【0041】
そして、チップの中央付近で前記パッドの配列領域に並ぶ領域には、前記複数のDQ入力レシーバ102 に対応して複数のデータラッチ回路103 が設けられており、これらのデータラッチ回路103 は対応するDQ入力レシーバ102 の出力(内部データ信号)DQIN<0:n> およびDQS 入力レシーバ112 の出力(内部データラッチ信号)DQS が入力する。
【0042】
この場合、前記各DQ入力レシーバ102 の出力DQIN<0:n> は、水平方向に走る内部データ信号配線105 を経由して各データラッチ回路103 のうち対応する番号<0> 〜<n> のものに入力し、前記DQS 入力レシーバ112 の出力(内部データラッチ信号)DQSIN は内部データラッチ信号配線106 を経由して各データラッチ回路103 に共通に入力する。また、前記データ転送タイミング制御回路104 の出力DXFRは、各データラッチ回路103 に共通に入力し、各データラッチ回路103 から内部データバスに書込みデータWD<0:n> を送出するタイミングを決定している。
【0043】
図1の構成は、図8を参照して前述した従来例の構成と比べて、各データ信号DQIN<0:n> に対応するデータラッチ回路103 が、対応するDQ入力レシーバ102 とDQS 入力レシーバ112 との間の物理的な距離の中点に分散配置され、各データラッチ回路103 までの内部データ信号DQIN<0:n> と内部データラッチ信号DQSIN の伝播距離が等しい点が異なる。
【0044】
即ち、n+1 個のデータラッチ回路103 は、チップ中央付近でDQS ボンディングパッド111 からn+1 個のDQ<0:n> ボンディングパッド101 側にずれた位置からDQ<0:n> ボンディングパッド101 群に沿って一列に配列されている。そして、DQS入力レシーバ112 から内部データラッチ信号DQSIN をn+1 個のデータラッチ回路103 まで伝搬させる内部データラッチ信号配線106 が形成されおり、n+1 個のDQ入力レシーバ102 からデータ信号DQIN<0:n> をそれぞれ対応するデータラッチ回路103 まで伝搬させる複数の内部データ信号配線105 が形成されている。
【0045】
この場合、複数の内部データ信号配線105 は、それぞれ対応するDQ入力レシーバ102 の出力ノードを基準にしてDQS 入力レシーバ112 とは反対側の方向へ内部データラッチ信号配線106 の総延長距離に合うように延長されている。さらに、n+1 個のデータラッチ回路103 の出力信号配線107 は、内部データ信号配線105の延長方向とは反対側方向の領域に配置されている。換言すれば、複数の内部データ信号配線105 が使用する配線トラックと同一トラックを使用し、かつデータラッチ回路103 の出力ノードを起点として、DQ入力レシーバ102 の配置位置とは反対方向の領域に向かって配置されている。
【0046】
具体的には、DQS 入力レシーバ112 の位置を基準点“0”とし、DQ<0> 、DQ<1>、DQ<2> 、DQ<3> 、....DQ<n> に対応するDQ入力レシーバ102 までの水平方向の距離をそれぞれ2mm 、3mm 、4mm 、5mm 、...7mmと仮定すると、DQS 入力レシーバ112 からDQ<0:n> に各対応するデータラッチ回路103 までの距離は1mm 、1.5mm 、2mm 、2.5mm 、...3.5mmである。
【0047】
このような構成によれば、複数のDQ入力レシーバ102 から各対応するデータラッチ回路103 までの信号伝播距離は各DQ<0:n> 毎に異なるが、各データラッチ回路103 における2つの入力信号DQIN<0:n> /DQSIN の配線距離を揃え、両信号配線の寄生抵抗の値を揃えることができる。
【0048】
さらに、図1に示すように、DQSIN の最大伝播距離が3.5mm であることから、DQSIN 用の信号配線106 の長さに合わせるようにDQIN<0:n> 用の信号配線105 をそれぞれデータラッチ回路103 とは反対方向に所定の長さだけ引き伸ばすことによって、配線領域を増加させることなくDQIN<0:n> とDQSIN の信号配線長を揃えることができる。
【0049】
これによって、図8に示した従来例の構成の等長配線と同様の効果が得られ、DQIN<0:n> とDQSIN で配線の寄生容量も揃えることができる。しかも、最大信号配線長を、図8に示した従来例の構成による7mm の約半分の3.5mm に抑制することができるので、各入力レシーバ102 、112 のドライバーサイズを半減できるという効果もある。
【0050】
さらに、図1に示すように、DQIN<0:n> 用の信号配線105 領域からDQS 入力レシーバ112 側の領域に、複数のデータラッチ回路103 の出力信号配線107 を通すようにレイアウトすることによって、図8に示した従来例の構成に比べて配線領域が増加することもない。
【0051】
図2は、図1の回路における動作波形の一例を示す。
【0052】
図1に示した構成では複数のデータラッチ回路103 が分散配置されているので、DQS 遅延時間tDQS_delayとDQ遅延時間tDQ_delay は各データラッチ回路103 の位置によって異なる。図2中では、各データラッチ回路103 の位置によって異なる遅延時間@D.L<n> (n はDQの番号)を前記遅延時間tDQS_delay/tDQ_delay に続けて@<n>で表している。
【0053】
図1に示したように、DQ<0> に対応するデータラッチ回路103 からDQ<n> に対応するデータラッチ回路103 に向かうにつれてDQSIN とDQIN<0:n> の伝播距離が長くなるので、それぞれのtDQS_delay/tDQ_delay が伸びていくことが分かる。しかし、各データラッチ回路103 におけるDQSIN とDQIN<0:n> のタイミング関係は、信号の伝播距離が共に等しいことから常に一定であり、且つ、入力信号DQSに対するDQ<0:n> のセットアップ時問、ホールド時間がそのまま保存されていることが分かる。
【0054】
上述した第1の実施形態によれば、DDR SDRAM のデータ取込み部の回路配置を図1に示したように工夫し、ストローブ信号の伝播距離と複数のデータ信号の各伝播距離(各データラッチ回路103 における各DQIN<0:n> /DQSIN の伝播距離)を揃えている。この場合、配線領域を増加させることなく、各DQIN<0:n> とDQSIN の配線長を等長にすることが可能となり、各DQIN<0:n> とDQSIN の配線の寄生抵抗と寄生容量は共に一致する。
【0055】
したがって、外部から与えられた書込みデータDQ<0:n> のセットアップ時間とホールド時間のタイミング仕様が厳しい場合でも、そのセットアップ時間とホールド時間のバランスを各データラッチ回路103 の位置において保持し、データ取り込みのマージンを最大限に確保することができる。
【0056】
また、各DQIN<0:n> の配線長は従来例の構成による等長配線に比べて約2分の1の長さでよく、各DQ入力レシーバ102 およびDQS 入力レシーバ112 のドライバーのサイズを半減できるので、チップサイズの縮小や消費電流の削減にも効果がある。さらに、図1に示したように、各DQ入力レシーバ102 から各データラッチ回路103 に至るDQIN<0:n> が占める配線領域のDQS 入力レシーバ112 側の領域は、各データラッチ回路103 の出力を伝搬させる信号配線を通すようにレイアウトすることによって、図8に示した従来例の構成に比べて配線領域が増加することもない。
【0057】
<第2の実施形態>
図3は、本発明の半導体装置の第2の実施形態に係るDDR SDRAM のデータ取込み部の回路を配置したフロアプランの一例を示している。
【0058】
このDDR SDRAM はセンターパッドレイアウト構成を有しており、例えばリードオンチップ(Lead On Chip;LOC)などのリードフレームを採用するデバイスに適している。
【0059】
図3に示す回路配置は、図1を参照して前述した回路配置と比べて、各データ信号DQIN<0:n> に対応するデータラッチ回路103 が対応するDQ入力レシーバ102とDQS 入力レシーバ112 との間の物理的な距離の中点に分散配置されている点は同じであるが、センターパッドレイアウト構成に伴って具体的な回路配置に工夫がなされている点が異なる。
【0060】
即ち、図3に示したレイアウトでは、DQS ボンディングパッド111 とn+1 個のDQボンディングパッド101 はチップ中央部のパッド配列領域に一列に配列されており、パッド配列領域の両側のチップ領域にそれぞれメモリセルアレイ108,109が配置されている。一般に、センターパッドレイアウト構成のチップでは、パッド配列領域とその両側のメモリセルアレイ配置領域との間に均等な回路配置スペースが生じているので、図1に示したように入力レシーバ102/112 群やデータラッチ回路103 群をパッド配列領域の片側の領域に集めて配置するよりも、パッド配列領域の両側の領域に分散して配置する方が、その他の回路をレイアウトし易いといった事情が考えられる。
【0061】
そこで、図3に示したレイアウトでは、パッド配列領域と各メモリセルアレイ配置領域との間で、DQS 入力レシーバ112 がDQS ボンディングパッド111 の近傍にそれぞれ配置されており、n+1 個のDQ入力レシーバ102 がDQボンディングパッド101 の近傍でパッド配列領域に沿ってその両側に交互に分散されて配置されている。
【0062】
そして、n+1 個のデータラッチ回路103 は、それぞれ対応するDQ入力レシーバ102 の配列に沿ってパッド配列領域の両側の領域に分散されて配置されて2つのデータラッチ回路群に二分されている。この場合、各データラッチ回路群は、DQS ボンディングパッド111 からn+1 個のDQボンディングパッド101 側にずれた位置からn+1 個のDQボンディングパッド101 に沿って一列に配列されている。
【0063】
さらに、パッド配列領域の両側の領域において、DQS 入力レシーバ112 から内部データラッチ信号DQSIN をデータラッチ回路103 群まで伝搬させる内部データラッチ信号配線106 が形成されおり、n+1 個のDQ入力レシーバ102 からデータ信号DQIN<0:n> をそれぞれ対応するデータラッチ回路103 まで伝搬させる複数の内部データ信号配線105 が形成されている。
【0064】
また、複数の内部データ信号配線105 は、それぞれ対応するDQ入力レシーバ102 の出力ノードを基準にしてDQS 入力レシーバ112 とは反対側の方向へ内部データラッチ信号配線106 の総延長距離に合うように延長されている。
【0065】
この場合、パッド配列領域の一方の片側の領域では、DQIN<0>,DQIN<2>,…,DQIN<n>に各対応するDQ入力レシーバ102 とDQS 入力レシーバ112 との中間点に各対応するデータラッチ回路103 が配置され、且つ、DQIN<0>,DQIN<2>,…,DQIN<n>に各対応するグローバルバスの配線長は、最も遠いDQIN<n> に対応する配線長である3.5mm に揃えられている。
【0066】
また、パッド配列領域の他方の片側の領域では、DQIN<1>,DQIN<3>,…に各対応するDQ入力レシーバ102 とDQS 入力レシーバ112 との中間点に各対応するデータラッチ回路103 が配置され、且つ、DQIN<1>,DQIN<3>,…に各対応するグローバルバスの配線長は、最も遠いDQIN<3> に対応する配線長である2.5mm に揃えられている。
【0067】
さらに、n+1 個のデータラッチ回路103 の出力信号配線107 は、内部データ信号配線105 の延長方向とは反対側方向の領域に配置されている。
【0068】
上述した第2の実施形態によれば、図3の構成を用いることによって、データ取り込みマージンを最大に確保しつつ、パッド配列領域の両側の領域に回路と配線を均等に振り分けることができるので、他の回路や配線のレイアウトがし易くなる。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態のDDR SDRAM に限らず、外部から入力されるクロックなどのストローブ信号に対してセットアップ時間とホールド時間を持った複数のデータ信号(アドレスや書込みデータなど)を同時にデータラッチ回路に取り込むデータ取込み部を備えた半導体装置に適用可能である。この場合、ストローブ信号の入力レシーバと各データ信号の入力レシーバとの物理的な中点にそれぞれのラッチ回路を配置し、入力レシーバからデータラッチ回路までにおけるデータ信号とストローブ信号の物理的な配線長を揃え、データ信号とストローブ信号の伝播距離を揃える。これによって、外部から与えられたセットアップ時間とホールド時間のバランスをデータラッチ回路で保持し、セットアップ時間とホールド時間を最大限に有効に活用し、データ信号の取込みマージンを最大に高めることができ、チップサイズの増加を抑制することができる。
【0070】
【発明の効果】
上述したように本発明の半導体装置によれば、データ取込み部における配線領域を増加させることなく、データ信号の取込みマージンを最大に高め、チップサイズの縮小や消費電流の削減も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の第1の実施形態に係るDDR SDRAM のデータ取込み部の回路を配置したフロアプランの一例を示す図。
【図2】図1の回路における動作例を示すタイミング波形図。
【図3】本発明の半導体装置の第2の実施形態に係るDDR SDRAM のデータ取込み部の回路を配置したフロアプランの一例を示す図。
【図4】DDR SDRAM のコマンド、アドレスとデータの取込みタイミングの一例を記述した仕様図。
【図5】DDR SDRAM のデータ取込み部の回路構成の一例を示す図。
【図6】図5の回路における動作例を示すタイミング波形図。
【図7】8 ビット入出力の256Mビット DDR SDRAMのパッケージおよびピンアサインの実際例を示す平面面。
【図8】図5に示したデータ取込み部の各回路を配置したレイアウトフロアプランの一例を示す図。
【図9】図6に示したタイミング図におけるtDQS_delayとtDQ_delay の関係が崩れた場合の動作波形の一例を示すタイミング波形図。
【図10】図6に示したタイミング図におけるtDQS_delayとtDQ_delay の関係が崩れた場合の動作波形の他の例を示すタイミング波形図。
【図11】図8中に示した配線の寄生抵抗Rdqs、R0、R1、R2、R3、...Rnを揃えるように改良したレイアウトフロアプランの一例を示す図。
【符号の説明】
101 …DQボンディングパッド、102 …DQ入力レシーバ、103 …データラッチ回路、104 …データ転送タイミング制御回路、105 …内部データ信号配線、106 …内部データラッチ信号配線、107 …出力信号配線、111 …DQS ボンディングパッド、112 …DQS 入力レシーバ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に係り、特にクロック同期型半導体装置において外部から入力されるストローブ信号によって外部から与えられる複数の入力信号を同時にラッチする回路に関するもので、例えば同期型半導体メモリに使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体記憶装置は、同期型ダイナミックメモリ(Synchronous DRAM;SDRAM)からダブルデータレイト(DDR)SDRAMへの進化に見られるように、世代が代わる毎にクロック周波数が益々高まっており、一方では、外部から入力される入力信号(コマンドやアドレス信号、データ信号など)のクロックに対するセットアップ時間やホールド時間が短縮される傾向にある。
【0003】
図4は、DDR SDRAM のコマンド、アドレスとデータの取込みタイミングの一例を記述したタイミング波形図である。
【0004】
DDR SDRAM においては、コマンドCommand とアドレスAddress はクロックVCLKの立ち上がりエッジだけで取込まれるが、データDQはVCLKと同相に入力されるデータストローブ信号DQS の立ち上がりと立下りの両方のエッジを使って内部に取込まれるDDR 方式を採用している。このため、セットアップとホールド時間のタイミング仕様は、通常はコマンドやアドレスに対してデータの方が厳しくなっている。タイミング仕様の一具体例として、VCLKのサイクルタイムtCK が7.5 ナノ秒で、アドレスやコマンドのセットアップ時間tSETとホールド時間tHOLD は共に0.9 ナノ秒であるのに対して、書込みデータDQのセットアップ時間tDS とホールド時問tDH は共に0.5 ナノ秒である。
【0005】
図5は、DDR SDRAM のデータ取込み部の回路構成の一例を示す。
【0006】
このデータ取込み部において、111 はチップ外部から入力されるデータストローブ信号DQS を受けるボンディングパッド、112 は上記パッド111 の近傍に配置され、それを経由した入力を受け、チップ内部で使用するCMOSレベルに変換するDQS 入力レシーバである。101 はチップ外部から同時に入力される複数ビットの書込みデータDQ<O> 〜DQ<n> を受けるn+1 個のボンディングパッド、102 は上記各パッド101 の近傍に配置され、それを経由した入力をCMOSレベルに変換するn+1 個のDQ入力レシーバである。
【0007】
n+1 個のデータラッチ回路103 は、それぞれ対応して前記各DQ入力レシーバ102 の出力DQIN<0:n> および前記DQS 入カレシーバ112 の出力DQSIN およびデータ転送タイミング制御回路104 の出力DXFRが入力し、DQSIN の立上がりエッジと立下りエッジでDQIN<0:n> を取り込み、内部書込みデータバスへ書込みデータWD<0:n> を転送する。この書込みデータWD<0:n> を転送するタイミングは、データ転送タイミング制御回路104 により制御される。
【0008】
図6は、図5の回路における動作波形の一例を示す。
【0009】
DDR SDRAM の仕様では、VCLKに同期した書込みコマンド(Write Command) を受け取った後、次のサイクル以降、VCLKに同期してデータストローブ信号DQS が同相にトグルを開始し、このDQS の立上がり、立下りエッジに対してそれぞれセットアップ時間tDS とホールド時問tDH を持って書込みデータDQ<0:n> が入力される。
【0010】
この時、入力された信号DQS は、入力レシーバ(図5中112 )によってCMOSレベルに変換されると同時に、遅延時間tDQS_delay後にDQSIN として出力される。一方、書込みデータDQ<0:n> も、入力レシーバ(図5中102 )によってレベル変換されると同時に遅延時間tDQ_delay 後にDQIN<0:n> として出力される。
【0011】
上記した各入力レシーバの出力はデータラッチ回路(図5中103 )に入力され、DQIN<0:n> の例えば最初のデータ“a”は、DQSIN の最初の立上がりエッジでラッチされ、DQSIN の最初の立下りエッジに同期して発生されるデータ転送信号DXFRによって内部書込みデータバスWD<0:n> に転送される。
【0012】
図7は、例えば8 ビット入出力の256Mビット DDR SDRAMの実際のパッケージ(66pin TSOP Package)およびピンアサインの一例を示す平面図である。
【0013】
図7から分かるように、破線丸で囲んだDQ<0> 〜DQ<7> ピン(8 本のDQピン)はパッケージの左半分に配置されており、破線四角で囲んだDQS ピンは中央付近に配置されている。したがって、パッケージ内部に封入されたチップにおいても、DQピンからの配線が接続されるDQボンディングパッド(図示せず)は、チップのパッド配列部における左半分に配置され、DQS ピンからの配線が接続されるDQSボンディングパッドは、チップのパッド配列部における中央付近に配置されているのが普通である。ここでは、チップの中央部に入力端子等のパッド群が配列されているセンターパッドレイアウト構成のチップを用いる場合を示している。
【0014】
図8は、図5に示したデータ取込み部の各回路を配置したレイアウトフロアプランの一例を示す。ここで、図5中と同一部分には同一符号を付しており、各構成要素は、図7に示したピン配置に対応してチップ上に配置されている。
【0015】
図8において、チップの左半分(Left Half of chip) には、複数個のDQ<o:n>ボンディングパッド101 と、それぞれの近傍に対応してDQ入力レシーバ102 が配置されている。チップの中央付近(Center of chip)には、DQS ボンディングパッド111 と、その近傍に対応してDQS 入力レシーバ112 が配置されており、データ転送タイミング制御回路104 とデータラッチ回路103 群も配置されている。
【0016】
前記各DQ入力レシーバ102 の出力DQIN<0:n> は、水平方向に走るグローバルDQIN<0:n> バスを経由して各データラッチ回路103 のうち対応する番号<0> 〜<n>のものに入力し、前記入力レシーバ112 の出力DQSIN は各データラッチ回路103に共通に入力する。前記データ転送タイミング制御回路104 の出力DXFRは、各データラッチ回路103 に共通に入力し、各データラッチ回路103 から内部データバスに書込みデータWD<0:n> を送出するタイミングを決定している。
【0017】
次に、上記構成のデータ取込み部における問題点を説明する。
【0018】
前述したように、近年の半導体記憶装置においてはクロックの周波数が上昇するに応じて、ストローブ信号に対する入力信号のセットアップ時間、ホールド時間も短縮される傾向にある。したがって、外部より与えられた信号のセットアップ時間、ホールド時間はチップ内部のラッチ回路でラッチされるまで極力保存されることが望ましい。つまり、図6に示したタイミング図における内部DQS の遅延時間tDQS_delayと内部DQ<0:n> の遅延時間tDQ_delay を完全に等しく揃えることができれば、データラッチ回路103 でのDQSIN に対するDQIN<0:n> のセットアップ時間とホールド時間を最も有効に活用することができる。
【0019】
図9および図10は、図6に示したタイミング図におけるtDQS_delayとtDQ_delay の関係が崩れた場合の動作波形の一例を示している。
【0020】
図9は遅延時間がtDQS_delay > tDQ_delayの関係にある場合、図10は遅延時間がtDQS_delay < tDQ_delayの関係にある場合を示している。
【0021】
図9では、tDQS_delayが長いので、データラッチ回路103 におけるデータのラッチタイミングは、図9中に丸印を付けたようにタイミングデータの有効ウインドウ時間の最後部になってしまっている。したがって、仮に、外部より与えられるデータホールド時間が少しでも短ければ誤って次のデータを取込む可能性がある。例えばデータ“a”を取込むべきDQSIN の最初の立上がりエッジでは、少しのタイミングのずれによって次のデータ“b”を取込んでしまう危険性が大きい。
【0022】
一方、図10では、tDQ_delay が長いのでDQSIN に対してタイミングデータDQIN<0:n> が後退してしまっており、データラッチ回路103 におけるデータのラッチタイミングは、図10中に丸印を付けたようにタイミングデータのデータ有効ウインドウ時間の最前部になってしまっている。したがって、仮に、外部より与えられるデータセットアップ時間が少しでも短ければ誤って前のデータを取込んでしまう可能性がある。例えばデータ“b”を取込むべきDQSIN の最初の立下りエッジでは、少しのタイミングのずれによって直前のデータ“a”を取込んでしまう危険性が大きい。
【0023】
上述したような遅延時間tDQS_delayとtDQ_delay のずれは、DQS 用の入力レシーバ112 とDQ用の入力レシーバ102 の回路構成を同じにしたり、図8中に示すようにDQIN<0:n> とDQSIN のグローバルバスに等長配線を用いてそれぞれの寄生容量C0、C1、C2、C3、...Cn とCdqsを揃えることによって、ある程度は低減することが可能である。
【0024】
しかし、図8に示したような構成では、DQS パッド111 からデータラッチ回路103 までの距離と、DQパッド101 からデータラッチ回路103 までの距離が異なるので、図8中に示した配線の寄生抵抗Rdqs、R0、R1、R2、R3、...Rn を揃えることができない。さらに、DQパッド101 における各DQ<0:n> パッド相互間でも、各対応するデータラッチ回路103 までの距離が異なるので、セットアップ時間、ホールド時間にDQピン間依存が生じる原因になっている。
【0025】
図11は、図8中に示した配線の寄生抵抗Rdqs、R0、R1、R2、R3、...Rn を揃えるように改良した一例を示している。
【0026】
この構成では、DQ<0:n> パッド101 に対応するDQ用の入力レシーバ102 のうちでデータラッチ回路103 までの距離が最も長いDQIN<n> 出力用の入力レシーバ102 から対応するデータラッチ回路103 までのグローバルバスの距離を基準にとる。そして、他のDQ<0:n−1> 出力用の入力レシーバ102 から対応するデータラッチ回路103 までのグローバルバスを、当該入力レシーバ102 の位置からデータラッチ回路103 の方向とは逆方向へ延長させた後に折り返して対応するデータラッチ回路103 に入力させている。このグローバルバスを折り返す位置は、基準となるDQIN<n> 用のグローバルバスに配線長が揃うように調節している。
【0027】
上記と同様に、DQSIN 出力用の入力レシーバ112 から対応するデータラッチ回路103 までのグローバルバスを、当該入力レシーバ112 の位置からデータラッチ回路103 の方向とは逆方向へ延長させた後に折り返して各データラッチ回路103に入力させている。このグローバルバスを折り返す位置は、DQSIN 出力用の入力レシーバ112 からDQ<n> 出力用の入力レシーバ102 位置までの中点とし、基準となるDQIN<n> 用のグローバルバスに配線長が揃うように調節している。
【0028】
このような構成によれば、各DQIN<0:n> 用のグローバルバスとDQSIN 用のグローバルバス長が揃うことから、配線の寄生容量C0、C1、C2、C3、...Cn 、Cdqsを等しくできるだけでなく、各パッド101,111 からデータラッチ回路103 までの配線長も一致するので、配線の寄生抵抗R0、R1、R2、R3、...Rn 、Rdqsをも等しく揃えることができる。
【0029】
しかし、図11の構成では、図8に示した構成と比べて、グローバルバスを折り返すための余分な配線領域が必要となり、近年の半導体記憶装置のようにI/Oピンの数が益々増加するデバイスにとってはチップサイズを圧迫することになり、不利な構成であると言える。
【0030】
なお、特許文献1の「半導体集積回路」には、2つの信号のラッチタイミングを調節するために遅延時間を自動制御する技術が開示されている。
【0031】
【特許文献1】
特開2001−126481号公報
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来のDDR SDRAM のデータ取込み部は、データ取込み部におけるストローブ信号の伝播距離と複数のデータ信号の各伝播距離との相違によりデータ信号の取込みマージンが小さく、誤動作が発生するおそれがあった。
【0033】
また、ストローブ信号の伝播距離と複数のデータ信号の各伝播距離を揃えるようにグローバルバスを折り返すと、余分な配線領域が必要となり、チップサイズを圧迫するという問題があった。
【0034】
本発明は上記の問題点を解決すべくなされたもので、データ取込み部における配線領域を増加させることなく、データ信号の取込みマージンを最大に高め、チップサイズの縮小や消費電流の削減も可能になる半導体装置を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置は、内部データラッチ信号を発生するデータラッチ信号発生回路と、内部データ信号を生成する複数のデータ発生回路と、前記複数のデータ発生回路に対応して設けられ、対応するデータ発生回路からの内部データ信号および前記内部データラッチ信号が入力し、対応する前記内部データ信号と内部データラッチ信号の伝播距離が等しくなるように対応する前記データ発生回路と前記ラッチ信号発生回路との間の物理的な距離の中点に配置されている複数のデータラッチ回路とを具備することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0037】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の半導体装置の第1の実施形態に係るDDR SDRAM のデータ取込み部の回路を配置したフロアプランの一例を示している。このDDR SDRAM のチップは、本例では周辺パッドレイアウト構成を有する。
【0038】
図1において、チップの左半分のチップ周辺部には、チップ外部から複数(n+1 )ビットの書込みデータDQ<0:n> が入力するn+1 個のDQ<0:n> ボンディングパッド101 と、それぞれの近傍に対応してDQ入力を受け、チップ内部で使用するCMOSレベルに変換して内部データ信号DQIN<0:n> を生成する複数のDQ入力レシーバ(データ信号発生回路)102 が配置されている。
【0039】
チップの中央付近のチップ周辺部には、チップ外部からデータストローブ信号DQS が入力するDQS ボンディングパッド111 と、その近傍に対応してDQS 入力を受け、チップ内部で使用するCMOSレベルに変換して内部データラッチ信号DQSINを生成するDQS 入力レシーバ(データラッチ信号発生回路)112 が配置されている。また、チップの中央付近のチップ周辺部には、チップ内部に取込まれた書込みデータDQ<0:n> を内部書込みデータバスに転送するタイミングを制御するデータ転送タイミング制御回路104 も配置されている。
【0040】
前記DQS ボンディングパッド111 とn+1 個のDQ<0:n> ボンディングパッド101はチップ周辺部に一列に配列されており、前記DQS 入力レシーバ112 およびn+1個のDQ入力レシーバ102 は前記ボンディングパッド111 、101 の配列に沿って一列に配列されている。
【0041】
そして、チップの中央付近で前記パッドの配列領域に並ぶ領域には、前記複数のDQ入力レシーバ102 に対応して複数のデータラッチ回路103 が設けられており、これらのデータラッチ回路103 は対応するDQ入力レシーバ102 の出力(内部データ信号)DQIN<0:n> およびDQS 入力レシーバ112 の出力(内部データラッチ信号)DQS が入力する。
【0042】
この場合、前記各DQ入力レシーバ102 の出力DQIN<0:n> は、水平方向に走る内部データ信号配線105 を経由して各データラッチ回路103 のうち対応する番号<0> 〜<n> のものに入力し、前記DQS 入力レシーバ112 の出力(内部データラッチ信号)DQSIN は内部データラッチ信号配線106 を経由して各データラッチ回路103 に共通に入力する。また、前記データ転送タイミング制御回路104 の出力DXFRは、各データラッチ回路103 に共通に入力し、各データラッチ回路103 から内部データバスに書込みデータWD<0:n> を送出するタイミングを決定している。
【0043】
図1の構成は、図8を参照して前述した従来例の構成と比べて、各データ信号DQIN<0:n> に対応するデータラッチ回路103 が、対応するDQ入力レシーバ102 とDQS 入力レシーバ112 との間の物理的な距離の中点に分散配置され、各データラッチ回路103 までの内部データ信号DQIN<0:n> と内部データラッチ信号DQSIN の伝播距離が等しい点が異なる。
【0044】
即ち、n+1 個のデータラッチ回路103 は、チップ中央付近でDQS ボンディングパッド111 からn+1 個のDQ<0:n> ボンディングパッド101 側にずれた位置からDQ<0:n> ボンディングパッド101 群に沿って一列に配列されている。そして、DQS入力レシーバ112 から内部データラッチ信号DQSIN をn+1 個のデータラッチ回路103 まで伝搬させる内部データラッチ信号配線106 が形成されおり、n+1 個のDQ入力レシーバ102 からデータ信号DQIN<0:n> をそれぞれ対応するデータラッチ回路103 まで伝搬させる複数の内部データ信号配線105 が形成されている。
【0045】
この場合、複数の内部データ信号配線105 は、それぞれ対応するDQ入力レシーバ102 の出力ノードを基準にしてDQS 入力レシーバ112 とは反対側の方向へ内部データラッチ信号配線106 の総延長距離に合うように延長されている。さらに、n+1 個のデータラッチ回路103 の出力信号配線107 は、内部データ信号配線105の延長方向とは反対側方向の領域に配置されている。換言すれば、複数の内部データ信号配線105 が使用する配線トラックと同一トラックを使用し、かつデータラッチ回路103 の出力ノードを起点として、DQ入力レシーバ102 の配置位置とは反対方向の領域に向かって配置されている。
【0046】
具体的には、DQS 入力レシーバ112 の位置を基準点“0”とし、DQ<0> 、DQ<1>、DQ<2> 、DQ<3> 、....DQ<n> に対応するDQ入力レシーバ102 までの水平方向の距離をそれぞれ2mm 、3mm 、4mm 、5mm 、...7mmと仮定すると、DQS 入力レシーバ112 からDQ<0:n> に各対応するデータラッチ回路103 までの距離は1mm 、1.5mm 、2mm 、2.5mm 、...3.5mmである。
【0047】
このような構成によれば、複数のDQ入力レシーバ102 から各対応するデータラッチ回路103 までの信号伝播距離は各DQ<0:n> 毎に異なるが、各データラッチ回路103 における2つの入力信号DQIN<0:n> /DQSIN の配線距離を揃え、両信号配線の寄生抵抗の値を揃えることができる。
【0048】
さらに、図1に示すように、DQSIN の最大伝播距離が3.5mm であることから、DQSIN 用の信号配線106 の長さに合わせるようにDQIN<0:n> 用の信号配線105 をそれぞれデータラッチ回路103 とは反対方向に所定の長さだけ引き伸ばすことによって、配線領域を増加させることなくDQIN<0:n> とDQSIN の信号配線長を揃えることができる。
【0049】
これによって、図8に示した従来例の構成の等長配線と同様の効果が得られ、DQIN<0:n> とDQSIN で配線の寄生容量も揃えることができる。しかも、最大信号配線長を、図8に示した従来例の構成による7mm の約半分の3.5mm に抑制することができるので、各入力レシーバ102 、112 のドライバーサイズを半減できるという効果もある。
【0050】
さらに、図1に示すように、DQIN<0:n> 用の信号配線105 領域からDQS 入力レシーバ112 側の領域に、複数のデータラッチ回路103 の出力信号配線107 を通すようにレイアウトすることによって、図8に示した従来例の構成に比べて配線領域が増加することもない。
【0051】
図2は、図1の回路における動作波形の一例を示す。
【0052】
図1に示した構成では複数のデータラッチ回路103 が分散配置されているので、DQS 遅延時間tDQS_delayとDQ遅延時間tDQ_delay は各データラッチ回路103 の位置によって異なる。図2中では、各データラッチ回路103 の位置によって異なる遅延時間@D.L<n> (n はDQの番号)を前記遅延時間tDQS_delay/tDQ_delay に続けて@<n>で表している。
【0053】
図1に示したように、DQ<0> に対応するデータラッチ回路103 からDQ<n> に対応するデータラッチ回路103 に向かうにつれてDQSIN とDQIN<0:n> の伝播距離が長くなるので、それぞれのtDQS_delay/tDQ_delay が伸びていくことが分かる。しかし、各データラッチ回路103 におけるDQSIN とDQIN<0:n> のタイミング関係は、信号の伝播距離が共に等しいことから常に一定であり、且つ、入力信号DQSに対するDQ<0:n> のセットアップ時問、ホールド時間がそのまま保存されていることが分かる。
【0054】
上述した第1の実施形態によれば、DDR SDRAM のデータ取込み部の回路配置を図1に示したように工夫し、ストローブ信号の伝播距離と複数のデータ信号の各伝播距離(各データラッチ回路103 における各DQIN<0:n> /DQSIN の伝播距離)を揃えている。この場合、配線領域を増加させることなく、各DQIN<0:n> とDQSIN の配線長を等長にすることが可能となり、各DQIN<0:n> とDQSIN の配線の寄生抵抗と寄生容量は共に一致する。
【0055】
したがって、外部から与えられた書込みデータDQ<0:n> のセットアップ時間とホールド時間のタイミング仕様が厳しい場合でも、そのセットアップ時間とホールド時間のバランスを各データラッチ回路103 の位置において保持し、データ取り込みのマージンを最大限に確保することができる。
【0056】
また、各DQIN<0:n> の配線長は従来例の構成による等長配線に比べて約2分の1の長さでよく、各DQ入力レシーバ102 およびDQS 入力レシーバ112 のドライバーのサイズを半減できるので、チップサイズの縮小や消費電流の削減にも効果がある。さらに、図1に示したように、各DQ入力レシーバ102 から各データラッチ回路103 に至るDQIN<0:n> が占める配線領域のDQS 入力レシーバ112 側の領域は、各データラッチ回路103 の出力を伝搬させる信号配線を通すようにレイアウトすることによって、図8に示した従来例の構成に比べて配線領域が増加することもない。
【0057】
<第2の実施形態>
図3は、本発明の半導体装置の第2の実施形態に係るDDR SDRAM のデータ取込み部の回路を配置したフロアプランの一例を示している。
【0058】
このDDR SDRAM はセンターパッドレイアウト構成を有しており、例えばリードオンチップ(Lead On Chip;LOC)などのリードフレームを採用するデバイスに適している。
【0059】
図3に示す回路配置は、図1を参照して前述した回路配置と比べて、各データ信号DQIN<0:n> に対応するデータラッチ回路103 が対応するDQ入力レシーバ102とDQS 入力レシーバ112 との間の物理的な距離の中点に分散配置されている点は同じであるが、センターパッドレイアウト構成に伴って具体的な回路配置に工夫がなされている点が異なる。
【0060】
即ち、図3に示したレイアウトでは、DQS ボンディングパッド111 とn+1 個のDQボンディングパッド101 はチップ中央部のパッド配列領域に一列に配列されており、パッド配列領域の両側のチップ領域にそれぞれメモリセルアレイ108,109が配置されている。一般に、センターパッドレイアウト構成のチップでは、パッド配列領域とその両側のメモリセルアレイ配置領域との間に均等な回路配置スペースが生じているので、図1に示したように入力レシーバ102/112 群やデータラッチ回路103 群をパッド配列領域の片側の領域に集めて配置するよりも、パッド配列領域の両側の領域に分散して配置する方が、その他の回路をレイアウトし易いといった事情が考えられる。
【0061】
そこで、図3に示したレイアウトでは、パッド配列領域と各メモリセルアレイ配置領域との間で、DQS 入力レシーバ112 がDQS ボンディングパッド111 の近傍にそれぞれ配置されており、n+1 個のDQ入力レシーバ102 がDQボンディングパッド101 の近傍でパッド配列領域に沿ってその両側に交互に分散されて配置されている。
【0062】
そして、n+1 個のデータラッチ回路103 は、それぞれ対応するDQ入力レシーバ102 の配列に沿ってパッド配列領域の両側の領域に分散されて配置されて2つのデータラッチ回路群に二分されている。この場合、各データラッチ回路群は、DQS ボンディングパッド111 からn+1 個のDQボンディングパッド101 側にずれた位置からn+1 個のDQボンディングパッド101 に沿って一列に配列されている。
【0063】
さらに、パッド配列領域の両側の領域において、DQS 入力レシーバ112 から内部データラッチ信号DQSIN をデータラッチ回路103 群まで伝搬させる内部データラッチ信号配線106 が形成されおり、n+1 個のDQ入力レシーバ102 からデータ信号DQIN<0:n> をそれぞれ対応するデータラッチ回路103 まで伝搬させる複数の内部データ信号配線105 が形成されている。
【0064】
また、複数の内部データ信号配線105 は、それぞれ対応するDQ入力レシーバ102 の出力ノードを基準にしてDQS 入力レシーバ112 とは反対側の方向へ内部データラッチ信号配線106 の総延長距離に合うように延長されている。
【0065】
この場合、パッド配列領域の一方の片側の領域では、DQIN<0>,DQIN<2>,…,DQIN<n>に各対応するDQ入力レシーバ102 とDQS 入力レシーバ112 との中間点に各対応するデータラッチ回路103 が配置され、且つ、DQIN<0>,DQIN<2>,…,DQIN<n>に各対応するグローバルバスの配線長は、最も遠いDQIN<n> に対応する配線長である3.5mm に揃えられている。
【0066】
また、パッド配列領域の他方の片側の領域では、DQIN<1>,DQIN<3>,…に各対応するDQ入力レシーバ102 とDQS 入力レシーバ112 との中間点に各対応するデータラッチ回路103 が配置され、且つ、DQIN<1>,DQIN<3>,…に各対応するグローバルバスの配線長は、最も遠いDQIN<3> に対応する配線長である2.5mm に揃えられている。
【0067】
さらに、n+1 個のデータラッチ回路103 の出力信号配線107 は、内部データ信号配線105 の延長方向とは反対側方向の領域に配置されている。
【0068】
上述した第2の実施形態によれば、図3の構成を用いることによって、データ取り込みマージンを最大に確保しつつ、パッド配列領域の両側の領域に回路と配線を均等に振り分けることができるので、他の回路や配線のレイアウトがし易くなる。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態のDDR SDRAM に限らず、外部から入力されるクロックなどのストローブ信号に対してセットアップ時間とホールド時間を持った複数のデータ信号(アドレスや書込みデータなど)を同時にデータラッチ回路に取り込むデータ取込み部を備えた半導体装置に適用可能である。この場合、ストローブ信号の入力レシーバと各データ信号の入力レシーバとの物理的な中点にそれぞれのラッチ回路を配置し、入力レシーバからデータラッチ回路までにおけるデータ信号とストローブ信号の物理的な配線長を揃え、データ信号とストローブ信号の伝播距離を揃える。これによって、外部から与えられたセットアップ時間とホールド時間のバランスをデータラッチ回路で保持し、セットアップ時間とホールド時間を最大限に有効に活用し、データ信号の取込みマージンを最大に高めることができ、チップサイズの増加を抑制することができる。
【0070】
【発明の効果】
上述したように本発明の半導体装置によれば、データ取込み部における配線領域を増加させることなく、データ信号の取込みマージンを最大に高め、チップサイズの縮小や消費電流の削減も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の第1の実施形態に係るDDR SDRAM のデータ取込み部の回路を配置したフロアプランの一例を示す図。
【図2】図1の回路における動作例を示すタイミング波形図。
【図3】本発明の半導体装置の第2の実施形態に係るDDR SDRAM のデータ取込み部の回路を配置したフロアプランの一例を示す図。
【図4】DDR SDRAM のコマンド、アドレスとデータの取込みタイミングの一例を記述した仕様図。
【図5】DDR SDRAM のデータ取込み部の回路構成の一例を示す図。
【図6】図5の回路における動作例を示すタイミング波形図。
【図7】8 ビット入出力の256Mビット DDR SDRAMのパッケージおよびピンアサインの実際例を示す平面面。
【図8】図5に示したデータ取込み部の各回路を配置したレイアウトフロアプランの一例を示す図。
【図9】図6に示したタイミング図におけるtDQS_delayとtDQ_delay の関係が崩れた場合の動作波形の一例を示すタイミング波形図。
【図10】図6に示したタイミング図におけるtDQS_delayとtDQ_delay の関係が崩れた場合の動作波形の他の例を示すタイミング波形図。
【図11】図8中に示した配線の寄生抵抗Rdqs、R0、R1、R2、R3、...Rnを揃えるように改良したレイアウトフロアプランの一例を示す図。
【符号の説明】
101 …DQボンディングパッド、102 …DQ入力レシーバ、103 …データラッチ回路、104 …データ転送タイミング制御回路、105 …内部データ信号配線、106 …内部データラッチ信号配線、107 …出力信号配線、111 …DQS ボンディングパッド、112 …DQS 入力レシーバ。
Claims (10)
- 内部データラッチ信号を発生するデータラッチ信号発生回路と、
内部データ信号を生成する複数のデータ発生回路と、
前記複数のデータ発生回路に対応して設けられ、対応するデータ発生回路からの内部データ信号および前記内部データラッチ信号が入力し、対応する前記内部データ信号と内部データラッチ信号の伝播距離が等しくなるように対応する前記データ発生回路と前記ラッチ信号発生回路との間の物理的な距離の中点に配置されている複数のデータラッチ回路
とを具備することを特徴とする半導体装置。 - チップ外部からデータラッチ信号入力が入力されるデータラッチ信号入力端子と、チップ外部からデータ信号入力が入力される複数のデータ信号入力端子とをさらに具備し、
前記データラッチ信号発生回路は、前記データラッチ信号入力端子を介して前記データラッチ信号入力を受けて内部データラッチ信号を生成するラッチ信号入力回路であり、
前記複数のデータ発生回路は、それぞれ対応して前記複数のデータ信号入力端子を介して前記データ信号入力を受けて内部データ信号を生成するデータ入力回路であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 前記データラッチ信号入力端子および複数のデータ信号入力端子はチップ内の第1の領域に一列に配列されており、
前記データラッチ信号発生回路および複数のデータ発生回路は前記各入力端子の配列に沿って一列に配列されており、
前記複数のデータラッチ回路は、前記第1の領域に並設された第2の領域で前記データラッチ信号入力端子から複数のデータ信号入力端子側にずれた位置から前記複数のデータ信号入力端子に沿って一列に配列されており、
前記データラッチ信号発生回路から内部データラッチ信号を前記複数のデータラッチ回路まで伝搬させる内部データラッチ信号配線が形成されおり、
前記複数のデータ信号発生回路から内部データ信号をそれぞれ対応するデータラッチ回路まで伝搬させる複数の内部データ信号配線が形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。 - 前記複数の内部データ信号配線は、それぞれ対応するデータ発生回路の出力ノードを基準にして前記内部データラッチ信号発生回路とは反対側の方向へ前記内部データラッチ信号配線の総延長距離に合うように延長されていることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
- 前記複数のデータラッチ回路の出力信号配線は、前記複数の内部データ信号配線が使用する配線トラックと同一のトラックを使用し、かつ前記データラッチ回路の出力ノードを起点として前記データ信号発生回路の配置位置とは反対方向の領域に向かって配置されていることを特徴とする請求項3または4記載の半導体装置。
- 前記データラッチ信号入力端子および複数のデータ信号入力端子はチップ中央部の入力端子配列領域に一列に配列されており、
前記データラッチ信号発生回路は前記入力端子配列領域の両側にそれぞれ配置され、前記複数のデータ発生回路は前記入力端子配列領域に沿ってその両側の領域に分散されて配置されており、
前記複数のデータラッチ回路は、それぞれ対応するデータ信号発生回路の配列に沿って前記入力端子配列線領域の両側の領域に分散されて配置されて2つのデータラッチ回路群に二分されており、
前記各データラッチ回路群は、前記データラッチ信号入力端子から複数のデータ信号入力端子側にずれた位置から前記入力端子配列線領域に沿って一列に配列されており、
前記入力端子配列領域の両側の領域において前記データラッチ信号発生回路から内部データラッチ信号をデータラッチ回路群まで伝搬させる内部データラッチ信号配線が形成されおり、
前記入力端子配列領域の両側の領域において前記複数のデータ信号発生回路から内部データ信号をそれぞれ対応するデータラッチ回路まで伝搬させる複数の内部データ信号配線が形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。 - 前記複数の内部データ信号配線は、それぞれ対応するデータ発生回路の出力ノードを基準にして前記内部データラッチ信号発生回路とは反対側の方向へ前記内部データラッチ信号配線の総延長距離に合うように延長されていることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
- 前記複数の内部データ信号配線は、それぞれ対応するデータ発生回路の出力ノードを基準にして前記内部データラッチ信号発生回路とは反対側の方向へ前記内部データラッチ信号配線の総延長距離に合うように延長されていることを特徴とする請求項6または7記載の半導体装置。
- 前記複数のデータラッチ回路の出力を前記出力信号配線へ転送するタイミングを制御する転送タイミング制御信号を生成する転送タイミング制御信号発生回路をさらに具備することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項記載の半導体装置。
- 前記半導体装置はDDR SDRAM であり、前記データ信号入力は書込みデータであり、前記データラッチ信号入力はデータストローブ信号であり、前記書込みデータは前記データストローブ信号の立ち上がりエッジと立下りエッジのタイミングで内部に取込まれることを特徴とする請求項2乃至9のいずれか1項記載の半導体装置。
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JP2013020678A (ja) * | 2011-07-13 | 2013-01-31 | Elpida Memory Inc | 半導体記憶装置 |
-
2003
- 2003-05-26 JP JP2003148240A patent/JP2004355667A/ja not_active Withdrawn
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