JP2004355560A - 起動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】不揮発性メモリに起動データを記憶させておく場合であっても、電子機器を確実に起動させ得るようにする。
【解決手段】デジタル放送受信機を起動させるための起動処理を実行するために、不揮発性メモリ4から第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4をRAM3に読み出す際、不良となっていない記憶領域ZN2、記憶領域ZN5、記憶領域ZN9及び記憶領域ZN13に記憶されている第1の部分起動データBD1b、第2の部分起動データBD2a、第3の部分起動データBD3a及び第4の部分起動データBD4aをRAM3に読み出すようにした。これにより、破損している可能性の高い第1の部分起動データBD1aに基づいて起動処理を実行してしまうことを回避することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】デジタル放送受信機を起動させるための起動処理を実行するために、不揮発性メモリ4から第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4をRAM3に読み出す際、不良となっていない記憶領域ZN2、記憶領域ZN5、記憶領域ZN9及び記憶領域ZN13に記憶されている第1の部分起動データBD1b、第2の部分起動データBD2a、第3の部分起動データBD3a及び第4の部分起動データBD4aをRAM3に読み出すようにした。これにより、破損している可能性の高い第1の部分起動データBD1aに基づいて起動処理を実行してしまうことを回避することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は起動装置に関し、例えば、電子機器を起動させるための起動装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子機器の内部には、当該電子機器を起動させるための起動処理を実行する起動装置が設けられている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
実際上、このような起動装置においては、例えば図7に示すように、かかる起動処理を実行するために必要な起動データ(例えば、MBR(Master Boot Record)に相当する)が予めROM(Read Only Memory)30に書き込まれており、CPU(Central Processing Unit)31がこのROM30から起動データをRAM(Random Access Memory)32に読み出して、当該起動データに基づく起動処理を実行することにより、電子機器を起動させるようになされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−210375号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年、電子機器の起動装置においては、例えば図8に示すように、起動処理を終了した後に実行するアプリケーションプログラムを、ROM40と比べて記憶容量が大きく且つ安価な不揮発性メモリ(例えば、NAND型フラッシュメモリ)41に記憶しておくものがある。
【0006】
因みにこの種の不揮発性メモリ41は、複数の記憶領域(いわゆる、ブロック)を有し、当該記憶領域ごとにデータの読み出し/書き込みが行われる。またこのような不揮発性メモリ41においては、製品として出荷された後であっても不良な記憶領域(いわゆる、不良ブロック)が突然生じてしまう場合があり、この場合、当該記憶領域に記憶されていたデータは破損してしまう可能性がある。
【0007】
ここでかかる構成の起動装置(図8)において、例えばROM40に記憶させている起動データを、アプリケーションプログラムと合わせて不揮発性メモリ41に記憶しておくようにすれば、当該ROM40を設けなくて済むので簡易な構成とすることができ、これにより起動装置の製造コストを削減し得る等の利点を得ることができると考えられる。
【0008】
しかしながら、不揮発性メモリ41に起動データを記憶させておくようにした場合、この起動データを記憶させた記憶領域が突然不良となってしまうことが考えられ、当該記憶領域が不良となってしまうと、この記憶領域に記憶しておいた起動データが破損してしまう可能性がある。
【0009】
そして起動装置のCPU42が、不揮発性メモリ41から破損してしまった起動データをRAM43に読み出して起動処理を開始したとしても、当該起動処理を異常終了させてしまう可能性が高いので、この結果、電子機器を確実に起動させ得るとは言い難い。
【0010】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、不揮発性メモリに起動データを記憶させておく場合であっても、電子機器を確実に起動させ得る起動装置を提案しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために本発明においては、電子機器を起動させるための起動処理を実行する起動装置において、複数の記憶領域を有し、当該記憶領域ごとに起動処理を実行するために必要な起動データが繰り返し記憶されている不揮発性メモリと、複数の記憶領域のそれぞれについて不良であるか否かを判定する判定手段と、判定手段によって不良と判定されていない記憶領域に記憶されている起動データを読み出して起動処理を実行する実行手段とを設けるようにした。
【0012】
また本発明においては、電子機器を起動させるための起動処理を実行する起動装置の起動処理実行方法において、複数の記憶領域を有し当該記憶領域ごとに起動処理を実行するために必要な起動データが繰り返し記憶されている起動装置の不揮発性メモリにおける複数の記憶領域のそれぞれについて不良であるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップによって不良と判定されていない記憶領域に記憶されている起動データを読み出して起動処理を実行する実行ステップとを設けるようにした。
【0013】
さらに本発明においては、電子機器を起動させるための起動処理を実行する起動装置に対して実行させるための起動処理実行プログラムに、複数の記憶領域を有し当該記憶領域ごとに起動処理を実行するために必要な起動データが繰り返し記憶されている起動装置の不揮発性メモリにおける複数の記憶領域のそれぞれについて不良であるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップによって不良と判定されていない記憶領域に記憶されている起動データを読み出して起動処理を実行する実行ステップとを設けるようにした。
【0014】
不揮発性メモリから起動処理を実行するために必要な起動データを読み出す際、不良な記憶領域に記憶されている起動データを読み出すことを避けて、不良でない記憶領域に記憶されている起動データを読み出すようにしたことにより、破損している可能性の高い起動データに基づいて起動処理を実行してしまうことを回避することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0016】
(1)起動装置の回路構成
図1において、1はデジタル放送を受信するためのデジタル放送受信機に内蔵されている起動装置を示し、当該起動装置1は、CPU2に対してRAM3とNAND型フラッシュメモリでなる不揮発性メモリ4とが接続されて構成されている。またこのCPU2は、その内部にROM(以下、これを内蔵ROMと呼ぶ)2Aを有しており、当該内蔵ROM2Aに対しては起動データ記憶領域情報(後述する)が予め記憶されている。
【0017】
不揮発性メモリ4は、データを記憶するためのデータ記憶エリアARを有する。そしてデータ記憶エリアARは、起動データ記憶部分PT1とアプリケーションプログラム記憶部分PT2とに分けられており、この起動データ記憶部分PT1には、起動処理(後述する)を実行する際に必要となる起動データBDが予め記憶されており、アプリケーションプログラム記憶部分PT2には、例えばデジタル放送を受信するためのアプリケーションプログラムが予め記憶されている。
【0018】
CPU2は、不揮発性メモリ4の起動データ記憶部分PT1に記憶されている起動データBDをRAM3に読み出して、当該起動データBDに基づく起動処理を実行することにより、デジタル放送受信機を起動させ、当該起動後には不揮発性メモリ4のアプリケーションプログラム記憶部分PT2に記憶されているアプリケーションプログラムを適宜RAM3に読み出して、例えばデジタル放送を受信するための受信処理を実行するようになされている。
【0019】
実際上、図2に示すように不揮発性メモリ4のデータ記憶エリアARは、その先頭部分から複数の記憶領域(いわゆるブロック)ZN1、ZN2、……が設けられている。
【0020】
一方、起動データBDは、例えば図3に示すように予め4つに分割されており、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4によって構成されている。
【0021】
そして不揮発性メモリ4においては、例えば図4に示すように、記憶領域ZN1〜ZN4に亘って第1の部分起動データBD1(BD1a、BD1b、BD1c及びBD1d)が繰り返し書き込まれており、記憶領域ZN5〜ZN8に亘って第2の部分起動データBD2(BD2a、BD2b、BD2c及びBD2d)が繰り返し書き込まれており、記憶領域ZN9〜ZN12に亘って第3の部分起動データBD3(BD3a、BD3b、BD3c及びBD3d)が繰り返し書き込まれており、記憶領域ZN13〜ZN16に亘って第4の部分起動データBD4(BD4a、BD4b、BD4c及びBD4d)が繰り返し書き込まれている。
【0022】
このように不揮発性メモリ4には、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4がそれぞれ4個ずつ予め記憶されている。
【0023】
(2)起動処理実行手順
次に、デジタル放送受信機を起動させる起動処理を実行するまでの手順(以下、これを起動処理実行手順と呼ぶ)を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0024】
例えば、ユーザによってデジタル放送受信機の起動ボタン(図示せず)が押下されたとき、起動装置1のCPU2は、起動処理実行手順RT1の開始ステップから入ってステップSP1へ移る。
【0025】
そして、ステップSP1において起動装置1のCPU2は、起動データBDを構成する第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4の全てをRAM3に読み出したか否かを判定し、ここで否定結果が得られると、このことは、例えば、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4の何れも未だRAM3に読み出していないことを意味しており、ステップSP2へ移る。
【0026】
ステップSP2において起動装置1のCPU2は、内蔵ROM2Aに予め記憶されている起動データ記憶領域情報を参照することにより、第1の部分起動データBD1が記憶されている不揮発性メモリ4の記憶領域ZN1〜ZN4を認識し、ステップSP3へ移る。
【0027】
因みにこの起動データ記憶領域情報には、第1の部分起動データBD1が記憶領域ZN1〜ZN4のそれぞれに記憶されている旨が示されている。またこの起動データ記憶領域情報には、第2の部分起動データBD2が記憶領域ZN5〜ZN8のそれぞれに記憶されている旨、第3の部分起動データBD3が記憶領域ZN9〜ZN12のそれぞれに記憶されている旨、第4の部分起動データBD4が記憶領域ZN13〜ZN16のそれぞれに記憶されている旨も示されている。
【0028】
ステップSP3において起動装置1のCPU2は、例えば、第1の部分起動データBD1が記憶されている記憶領域ZN1〜ZN4のうち、先頭の記憶領域ZN1を、不良な記憶領域であるか否かを判定するための判定対象として認識し、ステップSP4へ移る。
【0029】
ステップSP4において起動装置1のCPU2は、判定対象として認識している記憶領域ZN1が不良であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、例えば、記憶領域ZN1が突然不良になってしまったことを意味しており、このとき起動装置1のCPU2は、当該記憶領域ZN1に記憶されている第1の部分起動データBD1aは破損している可能性が高いと判断して、ステップSP5へ移る。
【0030】
ステップSP5において起動装置1のCPU2は、第1の部分起動データBD1が記憶されている記憶領域ZN1〜ZN4のうち、記憶領域ZN1の次に位置する記憶領域ZN2を、不良な記憶領域であるか否かを判定するための新たな判定対象として認識し、ステップSP4へ移る。
【0031】
2度目のステップSP4において起動装置1のCPU2は、判定対象として認識している記憶領域ZN2が不良であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、記憶領域ZN2が不良になっていないことを意味しており、このとき起動装置1のCPU2は、当該記憶領域ZN2に記憶されている第1の部分起動データBD1bは破損していないと判断して、ステップSP6へ移る。
【0032】
ステップSP6において起動装置1のCPU2は、記憶領域ZN2に記憶されている第1の部分起動データBD1bをRAM3へ読み出して、上述のステップSP1へ戻る。
【0033】
この後、起動装置1のCPU2は、ステップSP1〜ステップSP6を繰り返し実行することにより、例えば、不良となっていない記憶領域ZN5、記憶領域ZN9及び記憶領域ZN13のそれぞれから、第2の部分起動データBD2a、第3の部分起動データBD3a及び第4の部分起動データBD4aを、順次RAM3へ読み出すようになされている。
【0034】
一方、ステップSP1において肯定結果が得られると、このことは、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4の全てをRAM3に読み出し終えた、すなわち起動データBDを完全にRAM3に読み出し終えたことを意味しており、このとき起動装置1のCPU2はステップSP7へ移る。
【0035】
ステップSP7において起動装置1のCPU2は、RAM3上の起動データBDに基づいて起動処理を実行することによりデジタル放送受信機を起動させ、ステップSP8へ移って起動処理実行手順RT1を終了する。
【0036】
(3)動作及び効果
以上の構成において、起動装置1のCPU2は、起動処理を実行するために、不揮発性メモリ4から第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4をRAM3に読み出す際、不良となってしまった記憶領域ZN1に記憶されている第1の部分起動データBD1aを読み出すことを避けて、不良となっていない記憶領域ZN2、記憶領域ZN5、記憶領域ZN9及び記憶領域ZN13に記憶されている第1の部分起動データBD1b、第2の部分起動データBD2a、第3の部分起動データBD3a及び第4の部分起動データBD4aをRAM3に読み出すようにした。
【0037】
この結果、起動装置1のCPU2は、破損している可能性の高い第1の部分起動データBD1aに基づいて起動処理を実行してしまうことを回避することができ、かくして格段と確実に当該起動処理を正常終了させることができる。
【0038】
以上の構成によれば、デジタル放送受信機を起動させるための起動処理を実行するために、不揮発性メモリ4から第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4をRAM3に読み出す際、不良となっていない記憶領域ZN2、記憶領域ZN5、記憶領域ZN9及び記憶領域ZN13に記憶されている第1の部分起動データBD1b、第2の部分起動データBD2a、第3の部分起動データBD3a及び第4の部分起動データBD4aをRAM3に読み出すようにした。これにより、破損している可能性の高い第1の部分起動データBD1aに基づいて起動処理を実行してしまうことを回避することができるので、格段と確実に当該起動処理を正常終了させることができる。
【0039】
かくするにつき、この起動装置1によれば、不揮発性メモリ4に起動データBDを記憶させておく場合であっても、デジタル放送受信機を確実に起動させることができる。
【0040】
なお本実施の形態の起動装置1においては、アプリケーションプログラムが記憶されている不揮発性メモリ4に対して起動データBDを記憶させるようにした。これにより、起動データBDのみを記憶させるための記憶装置(例えば、ROM)を設ける必要がなくなるので、従来の構成と比して簡易な構成とすることができ、かくして起動装置1の製造コストを格段と低減させることができる。
【0041】
また本実施の形態の起動装置1においては、データの書き換えが不可能なROMではなく、データの書き換えが可能な不揮発性メモリ4に起動データBDを記憶しておくようにした。これにより、例えばデジタル放送受信機の起動方法について仕様変更が生じることにより起動データBDを更改する必要が生じた場合であっても、不揮発性メモリ4にこれまで記憶されていた起動データBDを、当該仕様変更を反映した後の起動データBDに書き換えることができ、この結果、起動データBDの更改を格段と容易に行うことができる起動装置1を実現することができる。
【0042】
さらに本実施の形態の起動装置1において、不揮発性メモリ4に記憶されている起動データBD(すなわち、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4のそれぞれ)に対して、ECC(Error Correcting Code)やCRC(Cyclic Redundancy Check)等を施しておけば、当該起動データBDにエラーが発生してしまう可能性を格段と低減させることができる。この結果、起動処理を正常終了し得る可能性を向上させることができ、かくして格段と確実にデジタル放送受信機を起動させ得る起動装置1を実現することができる。
【0043】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、起動装置1によって起動させる電子機器として、デジタル放送を受信するためのデジタル放送受信機を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ビデオテープレコーダやパーソナルコンピュータ等のこの他種々の電子機器に適用するようにしても良い。
【0044】
また上述の実施の形態においては、起動処理を実行するために必要な起動データBDを予め4個に分割しておく場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、起動データBDを更に細かな又は大まかな複数個に分割しても良く、また当該起動データBDを分割しなくても良い。
【0045】
また上述の実施の形態においては、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4を、不揮発性メモリ4に4個ずつ記憶させておく場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4を、不揮発性メモリ4に対して複数個記憶させておくようにすれば良く、その個数は限定されるものではない。因みに、不揮発性メモリ4に対して記憶させる第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4の個数を増加させるようにすれば、起動処理を正常終了し得る可能性を向上させることができる。この結果、格段と確実にデジタル放送受信機を起動させ得る起動装置1を実現することができる。
【0046】
さらに上述の実施の形態においては、例えば第1の部分起動データBD1a、BD1b、BD1c及びBD1dを、不揮発性メモリ4のデータ記憶エリアARに連続して設定されている記憶領域ZN1〜ZN4に記憶させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図6に示すように、第1の部分起動データBD1a、BD1b、BD1c及びBD1dを、記憶領域ZN1、ZN2、ZN18及びZN20のそれぞれに分散させるようにして記憶させるようにしても良い。この場合、例えば記憶領域ZN1〜記憶領域ZN4に亘ってバースト的に不良が発生したとしても、記憶領域ZN18及びZN20に記憶されている、破損していない第1の部分起動データBD1c及びBD1dを読み出すことができるので、格段と確実に起動処理を正常終了させることができる。この結果、格段と確実にデジタル放送受信機を起動させ得る起動装置1を実現することができる。
【0047】
さらに上述の実施の形態においては、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4のそれぞれが記憶されている記憶領域を示すための起動データ記憶領域情報を、データの書き換えが不可能な内蔵ROM2Aに予め記憶させておく場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、この起動データ記憶領域情報を、データの書き換えが可能な不揮発性メモリ4中の所定記憶領域に対して予め記憶させておくようにしても良い。この手法を採用すると、例えば、第1の部分起動データBD1を記憶させる記憶領域を変更する必要が生じ、これに伴ってこれまでの起動データ記憶領域情報を新たな起動データ記憶領域情報に更改する必要が生じた場合であっても、不揮発性メモリ4に記憶されていたこれまでの起動データ記憶領域情報を、新たな起動データ記憶領域情報に書き換えることができるので、起動データ記憶領域情報の更改を格段と容易に行うことができる。
【0048】
因みにこの手法を採った場合には、例えば、起動データ記憶領域情報が記憶されている不揮発性メモリ4中の所定記憶領域を表す情報を内蔵ROM2Aに対して予め記憶させておく。これにより、起動装置1のCPU2は、デジタル放送受信機の起動ボタンが押下されたとき、内蔵ROM2Aに記憶されている当該情報に基づいて、不揮発性メモリ4に記憶されている起動データ記憶領域情報を確実に参照することができる。
【0049】
さらに上述の実施の形態においては、起動装置1のCPU2が図5に示す起動処理実行手順RT1をハードウェア的に実行する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、起動処理実行手順RT1を実現するためのプログラム(以下、これを起動処理実行プログラムと呼ぶ)を起動装置1に対して予めインストールしておき、起動装置1のCPU2がこの起動処理実行プログラムに従って、起動処理実行手順RT1をソフトウェア的に実行するようにしても良い。
【0050】
さらに上述の実施の形態では、複数の記憶領域を有し、当該記憶領域ごとに起動処理を実行するために必要な起動データが繰り返し記憶されている不揮発性メモリ4として、NAND型フラッシュメモリを適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、NOR型フラッシュメモリ等を適用するようにしても良い。
【0051】
さらに上述の実施の形態では、複数の記憶領域のそれぞれについて不良であるか否かを判定する判定手段として、また、判定手段によって不良と判定されていない記憶領域に記憶されている起動データを読み出して起動処理を実行する実行手段として、CPU2を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、MPU(Micro Processing Unit)等を適用するようにしても良い。
【0052】
さらに上述の実施の形態では、実行手段によって実行されるアプリケーションプログラムとして、デジタル放送を受信するためのアプリケーションプログラムを適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の処理を実行するためのアプリケーションプログラムを適用するようにしても良い。
【0053】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、不揮発性メモリから起動処理を実行するために必要な起動データを読み出す際、不良な記憶領域に記憶されている起動データを読み出すことを避けて、不良でない記憶領域に記憶されている起動データを読み出すようにしたことにより、破損している可能性の高い起動データに基づいて起動処理を実行してしまうことを回避することができるので、当該起動処理を格段と確実に実行することができる。この結果、不揮発性メモリに起動データを記憶させておく場合であっても、電子機器を確実に起動させ得る起動装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における起動装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】不揮発性メモリの構成を示す略線図である。
【図3】起動データの構成を示す略線図である。
【図4】起動データが記憶された様子を示す略線図である。
【図5】起動処理実行手順を示すフローチャートである。
【図6】他の実施の形態を示す略線図である。
【図7】従来の起動装置の回路構成(1)を示すブロック図である。
【図8】従来の起動装置の回路構成(2)を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……起動装置、2……CPU、3……RAM、4……不揮発性メモリ。
【発明の属する技術分野】
本発明は起動装置に関し、例えば、電子機器を起動させるための起動装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子機器の内部には、当該電子機器を起動させるための起動処理を実行する起動装置が設けられている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
実際上、このような起動装置においては、例えば図7に示すように、かかる起動処理を実行するために必要な起動データ(例えば、MBR(Master Boot Record)に相当する)が予めROM(Read Only Memory)30に書き込まれており、CPU(Central Processing Unit)31がこのROM30から起動データをRAM(Random Access Memory)32に読み出して、当該起動データに基づく起動処理を実行することにより、電子機器を起動させるようになされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−210375号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年、電子機器の起動装置においては、例えば図8に示すように、起動処理を終了した後に実行するアプリケーションプログラムを、ROM40と比べて記憶容量が大きく且つ安価な不揮発性メモリ(例えば、NAND型フラッシュメモリ)41に記憶しておくものがある。
【0006】
因みにこの種の不揮発性メモリ41は、複数の記憶領域(いわゆる、ブロック)を有し、当該記憶領域ごとにデータの読み出し/書き込みが行われる。またこのような不揮発性メモリ41においては、製品として出荷された後であっても不良な記憶領域(いわゆる、不良ブロック)が突然生じてしまう場合があり、この場合、当該記憶領域に記憶されていたデータは破損してしまう可能性がある。
【0007】
ここでかかる構成の起動装置(図8)において、例えばROM40に記憶させている起動データを、アプリケーションプログラムと合わせて不揮発性メモリ41に記憶しておくようにすれば、当該ROM40を設けなくて済むので簡易な構成とすることができ、これにより起動装置の製造コストを削減し得る等の利点を得ることができると考えられる。
【0008】
しかしながら、不揮発性メモリ41に起動データを記憶させておくようにした場合、この起動データを記憶させた記憶領域が突然不良となってしまうことが考えられ、当該記憶領域が不良となってしまうと、この記憶領域に記憶しておいた起動データが破損してしまう可能性がある。
【0009】
そして起動装置のCPU42が、不揮発性メモリ41から破損してしまった起動データをRAM43に読み出して起動処理を開始したとしても、当該起動処理を異常終了させてしまう可能性が高いので、この結果、電子機器を確実に起動させ得るとは言い難い。
【0010】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、不揮発性メモリに起動データを記憶させておく場合であっても、電子機器を確実に起動させ得る起動装置を提案しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために本発明においては、電子機器を起動させるための起動処理を実行する起動装置において、複数の記憶領域を有し、当該記憶領域ごとに起動処理を実行するために必要な起動データが繰り返し記憶されている不揮発性メモリと、複数の記憶領域のそれぞれについて不良であるか否かを判定する判定手段と、判定手段によって不良と判定されていない記憶領域に記憶されている起動データを読み出して起動処理を実行する実行手段とを設けるようにした。
【0012】
また本発明においては、電子機器を起動させるための起動処理を実行する起動装置の起動処理実行方法において、複数の記憶領域を有し当該記憶領域ごとに起動処理を実行するために必要な起動データが繰り返し記憶されている起動装置の不揮発性メモリにおける複数の記憶領域のそれぞれについて不良であるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップによって不良と判定されていない記憶領域に記憶されている起動データを読み出して起動処理を実行する実行ステップとを設けるようにした。
【0013】
さらに本発明においては、電子機器を起動させるための起動処理を実行する起動装置に対して実行させるための起動処理実行プログラムに、複数の記憶領域を有し当該記憶領域ごとに起動処理を実行するために必要な起動データが繰り返し記憶されている起動装置の不揮発性メモリにおける複数の記憶領域のそれぞれについて不良であるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップによって不良と判定されていない記憶領域に記憶されている起動データを読み出して起動処理を実行する実行ステップとを設けるようにした。
【0014】
不揮発性メモリから起動処理を実行するために必要な起動データを読み出す際、不良な記憶領域に記憶されている起動データを読み出すことを避けて、不良でない記憶領域に記憶されている起動データを読み出すようにしたことにより、破損している可能性の高い起動データに基づいて起動処理を実行してしまうことを回避することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0016】
(1)起動装置の回路構成
図1において、1はデジタル放送を受信するためのデジタル放送受信機に内蔵されている起動装置を示し、当該起動装置1は、CPU2に対してRAM3とNAND型フラッシュメモリでなる不揮発性メモリ4とが接続されて構成されている。またこのCPU2は、その内部にROM(以下、これを内蔵ROMと呼ぶ)2Aを有しており、当該内蔵ROM2Aに対しては起動データ記憶領域情報(後述する)が予め記憶されている。
【0017】
不揮発性メモリ4は、データを記憶するためのデータ記憶エリアARを有する。そしてデータ記憶エリアARは、起動データ記憶部分PT1とアプリケーションプログラム記憶部分PT2とに分けられており、この起動データ記憶部分PT1には、起動処理(後述する)を実行する際に必要となる起動データBDが予め記憶されており、アプリケーションプログラム記憶部分PT2には、例えばデジタル放送を受信するためのアプリケーションプログラムが予め記憶されている。
【0018】
CPU2は、不揮発性メモリ4の起動データ記憶部分PT1に記憶されている起動データBDをRAM3に読み出して、当該起動データBDに基づく起動処理を実行することにより、デジタル放送受信機を起動させ、当該起動後には不揮発性メモリ4のアプリケーションプログラム記憶部分PT2に記憶されているアプリケーションプログラムを適宜RAM3に読み出して、例えばデジタル放送を受信するための受信処理を実行するようになされている。
【0019】
実際上、図2に示すように不揮発性メモリ4のデータ記憶エリアARは、その先頭部分から複数の記憶領域(いわゆるブロック)ZN1、ZN2、……が設けられている。
【0020】
一方、起動データBDは、例えば図3に示すように予め4つに分割されており、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4によって構成されている。
【0021】
そして不揮発性メモリ4においては、例えば図4に示すように、記憶領域ZN1〜ZN4に亘って第1の部分起動データBD1(BD1a、BD1b、BD1c及びBD1d)が繰り返し書き込まれており、記憶領域ZN5〜ZN8に亘って第2の部分起動データBD2(BD2a、BD2b、BD2c及びBD2d)が繰り返し書き込まれており、記憶領域ZN9〜ZN12に亘って第3の部分起動データBD3(BD3a、BD3b、BD3c及びBD3d)が繰り返し書き込まれており、記憶領域ZN13〜ZN16に亘って第4の部分起動データBD4(BD4a、BD4b、BD4c及びBD4d)が繰り返し書き込まれている。
【0022】
このように不揮発性メモリ4には、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4がそれぞれ4個ずつ予め記憶されている。
【0023】
(2)起動処理実行手順
次に、デジタル放送受信機を起動させる起動処理を実行するまでの手順(以下、これを起動処理実行手順と呼ぶ)を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0024】
例えば、ユーザによってデジタル放送受信機の起動ボタン(図示せず)が押下されたとき、起動装置1のCPU2は、起動処理実行手順RT1の開始ステップから入ってステップSP1へ移る。
【0025】
そして、ステップSP1において起動装置1のCPU2は、起動データBDを構成する第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4の全てをRAM3に読み出したか否かを判定し、ここで否定結果が得られると、このことは、例えば、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4の何れも未だRAM3に読み出していないことを意味しており、ステップSP2へ移る。
【0026】
ステップSP2において起動装置1のCPU2は、内蔵ROM2Aに予め記憶されている起動データ記憶領域情報を参照することにより、第1の部分起動データBD1が記憶されている不揮発性メモリ4の記憶領域ZN1〜ZN4を認識し、ステップSP3へ移る。
【0027】
因みにこの起動データ記憶領域情報には、第1の部分起動データBD1が記憶領域ZN1〜ZN4のそれぞれに記憶されている旨が示されている。またこの起動データ記憶領域情報には、第2の部分起動データBD2が記憶領域ZN5〜ZN8のそれぞれに記憶されている旨、第3の部分起動データBD3が記憶領域ZN9〜ZN12のそれぞれに記憶されている旨、第4の部分起動データBD4が記憶領域ZN13〜ZN16のそれぞれに記憶されている旨も示されている。
【0028】
ステップSP3において起動装置1のCPU2は、例えば、第1の部分起動データBD1が記憶されている記憶領域ZN1〜ZN4のうち、先頭の記憶領域ZN1を、不良な記憶領域であるか否かを判定するための判定対象として認識し、ステップSP4へ移る。
【0029】
ステップSP4において起動装置1のCPU2は、判定対象として認識している記憶領域ZN1が不良であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、例えば、記憶領域ZN1が突然不良になってしまったことを意味しており、このとき起動装置1のCPU2は、当該記憶領域ZN1に記憶されている第1の部分起動データBD1aは破損している可能性が高いと判断して、ステップSP5へ移る。
【0030】
ステップSP5において起動装置1のCPU2は、第1の部分起動データBD1が記憶されている記憶領域ZN1〜ZN4のうち、記憶領域ZN1の次に位置する記憶領域ZN2を、不良な記憶領域であるか否かを判定するための新たな判定対象として認識し、ステップSP4へ移る。
【0031】
2度目のステップSP4において起動装置1のCPU2は、判定対象として認識している記憶領域ZN2が不良であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、記憶領域ZN2が不良になっていないことを意味しており、このとき起動装置1のCPU2は、当該記憶領域ZN2に記憶されている第1の部分起動データBD1bは破損していないと判断して、ステップSP6へ移る。
【0032】
ステップSP6において起動装置1のCPU2は、記憶領域ZN2に記憶されている第1の部分起動データBD1bをRAM3へ読み出して、上述のステップSP1へ戻る。
【0033】
この後、起動装置1のCPU2は、ステップSP1〜ステップSP6を繰り返し実行することにより、例えば、不良となっていない記憶領域ZN5、記憶領域ZN9及び記憶領域ZN13のそれぞれから、第2の部分起動データBD2a、第3の部分起動データBD3a及び第4の部分起動データBD4aを、順次RAM3へ読み出すようになされている。
【0034】
一方、ステップSP1において肯定結果が得られると、このことは、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4の全てをRAM3に読み出し終えた、すなわち起動データBDを完全にRAM3に読み出し終えたことを意味しており、このとき起動装置1のCPU2はステップSP7へ移る。
【0035】
ステップSP7において起動装置1のCPU2は、RAM3上の起動データBDに基づいて起動処理を実行することによりデジタル放送受信機を起動させ、ステップSP8へ移って起動処理実行手順RT1を終了する。
【0036】
(3)動作及び効果
以上の構成において、起動装置1のCPU2は、起動処理を実行するために、不揮発性メモリ4から第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4をRAM3に読み出す際、不良となってしまった記憶領域ZN1に記憶されている第1の部分起動データBD1aを読み出すことを避けて、不良となっていない記憶領域ZN2、記憶領域ZN5、記憶領域ZN9及び記憶領域ZN13に記憶されている第1の部分起動データBD1b、第2の部分起動データBD2a、第3の部分起動データBD3a及び第4の部分起動データBD4aをRAM3に読み出すようにした。
【0037】
この結果、起動装置1のCPU2は、破損している可能性の高い第1の部分起動データBD1aに基づいて起動処理を実行してしまうことを回避することができ、かくして格段と確実に当該起動処理を正常終了させることができる。
【0038】
以上の構成によれば、デジタル放送受信機を起動させるための起動処理を実行するために、不揮発性メモリ4から第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4をRAM3に読み出す際、不良となっていない記憶領域ZN2、記憶領域ZN5、記憶領域ZN9及び記憶領域ZN13に記憶されている第1の部分起動データBD1b、第2の部分起動データBD2a、第3の部分起動データBD3a及び第4の部分起動データBD4aをRAM3に読み出すようにした。これにより、破損している可能性の高い第1の部分起動データBD1aに基づいて起動処理を実行してしまうことを回避することができるので、格段と確実に当該起動処理を正常終了させることができる。
【0039】
かくするにつき、この起動装置1によれば、不揮発性メモリ4に起動データBDを記憶させておく場合であっても、デジタル放送受信機を確実に起動させることができる。
【0040】
なお本実施の形態の起動装置1においては、アプリケーションプログラムが記憶されている不揮発性メモリ4に対して起動データBDを記憶させるようにした。これにより、起動データBDのみを記憶させるための記憶装置(例えば、ROM)を設ける必要がなくなるので、従来の構成と比して簡易な構成とすることができ、かくして起動装置1の製造コストを格段と低減させることができる。
【0041】
また本実施の形態の起動装置1においては、データの書き換えが不可能なROMではなく、データの書き換えが可能な不揮発性メモリ4に起動データBDを記憶しておくようにした。これにより、例えばデジタル放送受信機の起動方法について仕様変更が生じることにより起動データBDを更改する必要が生じた場合であっても、不揮発性メモリ4にこれまで記憶されていた起動データBDを、当該仕様変更を反映した後の起動データBDに書き換えることができ、この結果、起動データBDの更改を格段と容易に行うことができる起動装置1を実現することができる。
【0042】
さらに本実施の形態の起動装置1において、不揮発性メモリ4に記憶されている起動データBD(すなわち、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4のそれぞれ)に対して、ECC(Error Correcting Code)やCRC(Cyclic Redundancy Check)等を施しておけば、当該起動データBDにエラーが発生してしまう可能性を格段と低減させることができる。この結果、起動処理を正常終了し得る可能性を向上させることができ、かくして格段と確実にデジタル放送受信機を起動させ得る起動装置1を実現することができる。
【0043】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、起動装置1によって起動させる電子機器として、デジタル放送を受信するためのデジタル放送受信機を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ビデオテープレコーダやパーソナルコンピュータ等のこの他種々の電子機器に適用するようにしても良い。
【0044】
また上述の実施の形態においては、起動処理を実行するために必要な起動データBDを予め4個に分割しておく場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、起動データBDを更に細かな又は大まかな複数個に分割しても良く、また当該起動データBDを分割しなくても良い。
【0045】
また上述の実施の形態においては、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4を、不揮発性メモリ4に4個ずつ記憶させておく場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4を、不揮発性メモリ4に対して複数個記憶させておくようにすれば良く、その個数は限定されるものではない。因みに、不揮発性メモリ4に対して記憶させる第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4の個数を増加させるようにすれば、起動処理を正常終了し得る可能性を向上させることができる。この結果、格段と確実にデジタル放送受信機を起動させ得る起動装置1を実現することができる。
【0046】
さらに上述の実施の形態においては、例えば第1の部分起動データBD1a、BD1b、BD1c及びBD1dを、不揮発性メモリ4のデータ記憶エリアARに連続して設定されている記憶領域ZN1〜ZN4に記憶させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図6に示すように、第1の部分起動データBD1a、BD1b、BD1c及びBD1dを、記憶領域ZN1、ZN2、ZN18及びZN20のそれぞれに分散させるようにして記憶させるようにしても良い。この場合、例えば記憶領域ZN1〜記憶領域ZN4に亘ってバースト的に不良が発生したとしても、記憶領域ZN18及びZN20に記憶されている、破損していない第1の部分起動データBD1c及びBD1dを読み出すことができるので、格段と確実に起動処理を正常終了させることができる。この結果、格段と確実にデジタル放送受信機を起動させ得る起動装置1を実現することができる。
【0047】
さらに上述の実施の形態においては、第1の部分起動データBD1、第2の部分起動データBD2、第3の部分起動データBD3及び第4の部分起動データBD4のそれぞれが記憶されている記憶領域を示すための起動データ記憶領域情報を、データの書き換えが不可能な内蔵ROM2Aに予め記憶させておく場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、この起動データ記憶領域情報を、データの書き換えが可能な不揮発性メモリ4中の所定記憶領域に対して予め記憶させておくようにしても良い。この手法を採用すると、例えば、第1の部分起動データBD1を記憶させる記憶領域を変更する必要が生じ、これに伴ってこれまでの起動データ記憶領域情報を新たな起動データ記憶領域情報に更改する必要が生じた場合であっても、不揮発性メモリ4に記憶されていたこれまでの起動データ記憶領域情報を、新たな起動データ記憶領域情報に書き換えることができるので、起動データ記憶領域情報の更改を格段と容易に行うことができる。
【0048】
因みにこの手法を採った場合には、例えば、起動データ記憶領域情報が記憶されている不揮発性メモリ4中の所定記憶領域を表す情報を内蔵ROM2Aに対して予め記憶させておく。これにより、起動装置1のCPU2は、デジタル放送受信機の起動ボタンが押下されたとき、内蔵ROM2Aに記憶されている当該情報に基づいて、不揮発性メモリ4に記憶されている起動データ記憶領域情報を確実に参照することができる。
【0049】
さらに上述の実施の形態においては、起動装置1のCPU2が図5に示す起動処理実行手順RT1をハードウェア的に実行する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、起動処理実行手順RT1を実現するためのプログラム(以下、これを起動処理実行プログラムと呼ぶ)を起動装置1に対して予めインストールしておき、起動装置1のCPU2がこの起動処理実行プログラムに従って、起動処理実行手順RT1をソフトウェア的に実行するようにしても良い。
【0050】
さらに上述の実施の形態では、複数の記憶領域を有し、当該記憶領域ごとに起動処理を実行するために必要な起動データが繰り返し記憶されている不揮発性メモリ4として、NAND型フラッシュメモリを適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、NOR型フラッシュメモリ等を適用するようにしても良い。
【0051】
さらに上述の実施の形態では、複数の記憶領域のそれぞれについて不良であるか否かを判定する判定手段として、また、判定手段によって不良と判定されていない記憶領域に記憶されている起動データを読み出して起動処理を実行する実行手段として、CPU2を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、MPU(Micro Processing Unit)等を適用するようにしても良い。
【0052】
さらに上述の実施の形態では、実行手段によって実行されるアプリケーションプログラムとして、デジタル放送を受信するためのアプリケーションプログラムを適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の処理を実行するためのアプリケーションプログラムを適用するようにしても良い。
【0053】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、不揮発性メモリから起動処理を実行するために必要な起動データを読み出す際、不良な記憶領域に記憶されている起動データを読み出すことを避けて、不良でない記憶領域に記憶されている起動データを読み出すようにしたことにより、破損している可能性の高い起動データに基づいて起動処理を実行してしまうことを回避することができるので、当該起動処理を格段と確実に実行することができる。この結果、不揮発性メモリに起動データを記憶させておく場合であっても、電子機器を確実に起動させ得る起動装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における起動装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】不揮発性メモリの構成を示す略線図である。
【図3】起動データの構成を示す略線図である。
【図4】起動データが記憶された様子を示す略線図である。
【図5】起動処理実行手順を示すフローチャートである。
【図6】他の実施の形態を示す略線図である。
【図7】従来の起動装置の回路構成(1)を示すブロック図である。
【図8】従来の起動装置の回路構成(2)を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……起動装置、2……CPU、3……RAM、4……不揮発性メモリ。
Claims (5)
- 電子機器を起動させるための起動処理を実行する起動装置において、
複数の記憶領域を有し、当該記憶領域ごとに上記起動処理を実行するために必要な起動データが繰り返し記憶されている不揮発性メモリと、
上記複数の記憶領域のそれぞれについて不良であるか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段によって不良と判定されていない上記記憶領域に記憶されている上記起動データを読み出して上記起動処理を実行する実行手段と
を具えることを特徴とする起動装置。 - 上記不揮発性メモリは、NAND型フラッシュメモリである
ことを特徴とする請求項1に記載の起動装置。 - 上記不揮発性メモリは、上記起動データの他に上記実行手段によって実行されるアプリケーションプログラムも記憶している
ことを特徴とする請求項1に記載の起動装置。 - 電子機器を起動させるための起動処理を実行する起動装置の起動処理実行方法において、
複数の記憶領域を有し当該記憶領域ごとに上記起動処理を実行するために必要な起動データが繰り返し記憶されている上記起動装置の不揮発性メモリにおける上記複数の記憶領域のそれぞれについて不良であるか否かを判定する判定ステップと、
上記判定ステップによって不良と判定されていない上記記憶領域に記憶されている上記起動データを読み出して上記起動処理を実行する実行ステップと
を具えることを特徴とする起動装置の起動処理実行方法。 - 電子機器を起動させるための起動処理を実行する起動装置に対し、
複数の記憶領域を有し当該記憶領域ごとに上記起動処理を実行するために必要な起動データが繰り返し記憶されている上記起動装置の不揮発性メモリにおける上記複数の記憶領域のそれぞれについて不良であるか否かを判定する判定ステップと、
上記判定ステップによって不良と判定されていない上記記憶領域に記憶されている上記起動データを読み出して上記起動処理を実行する実行ステップと
を実行させるための起動処理実行プログラム。
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