JP2004351400A - 泥水の濃縮方法、および泥水濃縮ポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透水性を有する材料で透水性シリンダ3を構成するとともに、ウェアリング3dを装着されたピストン2を上記透水性シリンダ3の中に収納してプランジャポンプを構成する。上記ピストン2を上昇させてシリンダヘッド室Ch内に泥水Mwを吸入した後、該ピストン2を下降させて上記の泥水を加圧すると、泥水の構成成分である浄水は浄水室5に移動する。濾し分けられた泥粒子はピストンのウェアリング2dで掻き取られ、多量の泥水によって稀釈される。上記泥粒子を溶かし込んだ泥水は濃度を増す(濃縮される)。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、泥水の中から浄水を濾別,抽出して、該泥水を濃縮し得るように創作されたポンプ技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
土木工事には非常に多くの種類が有り、その中で「泥水処理」を行わねばならない場合が少なくない。
泥水の由来も各種各様であって、泥水が湧出する場合も有れば、自然に貯溜されていた場合も有り、また産業廃棄物として発生する場合も有る。
戦後の約20年間は、土木工事現場から泥水を河川に放出するのが常であったが、昭和45年12月25日に水質汚濁防止法が制定され、翌46年6月12日に同法の施行令が制定されて以来、泥水の放流は激しく規制されるようになり、その後、平成12年までに法改正を重ねて、ますます厳重に規制されるに至っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
泥水を処理して水質汚濁防止法をクリアーできるようにする方式を大別すると、(イ)薬剤を加える方式。(ロ)フィルタで濾過する方式。が主流である。
この他に、(ハ)鎮静池に泥水を貯溜して泥粒子の沈降を待つ方式も有るが、長時間を要するので実用的でない。
【0004】
前記イ項の薬剤添加方式は薬剤コストが割高である。また、ロ項のフィルタ方式として、例えば特開平11−15611号公報に開示された「フィルタープレス用脱水濾盤」が公知であるが、作業形態が「加圧濾過」と「分解・清掃・組立」とを繰り返すものであるため、作業能率が低く、従って処理コストが割高である。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、前記ロ項のフィルタ方式と併用することを前提として、低コスト高能率で泥水を濃縮する技術を提供することを目的とする。
泥水を濃縮すれば、その後工程における泥水濾過作業が格段に軽減されることを、当然に期待し得る。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、過去の数年に亙って、泥水の加圧・送給に関して鋭意努力を重ね、高能率,低コストで泥水を圧送し得る技術を創作した。さらに、この技術に係る装置の耐久性,信頼性が実用上充分であることも確認した。
そこで本発明者は、上記の泥水加圧技術を更に発展させ、泥水の濃縮を可能ならしめて本願発明を完成した。
本発明に係る泥水の濃縮は、本質的に広義の濾過の範疇に属するものであるが、従来技術における濾過と本発明における濾過とを区別するための便宜上、
泥水から脱水して塑性体に加工する操作をフィルタプレスと呼び、
泥水から脱水した結果、流動性を失わない場合は濃縮と呼ぶことにする。
【0006】
図2は、本発明者の創作に係る先行技術であるところの泥水加圧・送給用のプランジャポンプを説明するために示したもので、(A)は模式的な断面図、(B)はピストンを抽出して描いた外観図である。
シリンダ1の中にピストン2を収納してプランジャポンプが形成されている。
プランジャポンプの定義は、各種の技術用語辞典の間で一定していないが、本発明においてプランジャポンプとは、ピストン形ポンプとプランジャ形ポンプとを総称する最も広義の意であって、必ずしも片ピストンロッド形に限定されないものとする。
【0007】
本例のピストン2は片側にピストンロッド2aを備えており、該ビスとンロッド2aはシリンダ1のシリンダボトムを貫通して突出している。このピストンロッドを介して、ピストン2は図の上下方向に往復駆動される。
そして、上記シリンダ1のシリンダヘッドに、吸入口1aと吐出口1bとが設けられている。
前記のピストン2にはリング溝が設けられていて、Vパッキン2b、およびピストンリング2cが、それぞれ嵌め合わされている。
【0008】
図2を参照して、段落番号0007段で述べた事項だけでは泥水の圧送に適応し得ない。
本発明者の創作に係る先行技術(図2)の特徴的な構成は、ピストン2にウェアリング2dを設けたことである。
このウェアリング2dを設ける以前の泥水ポンプは、泥粒子が摺動面に噛み込まれて早期摩耗を生じた。
摺動面が磨耗するとリークを生じ、ポンプ効率が低下する。
従来技術(ウェアリング装着前)においては、「泥水ポンプは早期摩耗するものである」という既成概念が常識となり、所要のポンプ容量に数倍する大容量のポンプを設置して、「ポンプ効率が低下した状態」を常用性能としていた。
【0009】
前記のウェアリング2dの装着によって、摺動部の摩耗進行は著しく軽減された。
摩耗の進行情況は、作業条件とりわけ泥粒子の種類,粒径,含有率によって変化するので一概には言えないが、本発明者の6年間に亙る杭打設工事における平均的条件において、ピストンにウェアリングを装着したプランジャポンプの体積効率が定格値の80%まで低下する期間は、約1000時間であった。
土木基礎工事における1000時間の意義は重大である。すなわち、「ポンプの耐用命数が尽きたため、工事全体に支障を及ぼす」という概念から、ポンプに求められる耐久性の目安が1000時間だからである。
【0010】
土木建設工事は多種多様であり、工期も長短さまざまである。
しかし、一連の工程の中で基礎工事は最初に位置しており、基礎工事が或る程度進捗しなければ次の工程に入れない。従って(例外が無いとは限らないが)、一工区における基礎工事の工期は半年未満である。
そして、泥水処理に追われるのは、通常、基礎工事期間の前半である。
斯うした事情を総合して、泥水ポンプの耐久性が1000時間であれば、該泥水ポンプの整備休止が建設工事全体に支障を及ぼす虞れが無い。
【0011】
例えば巨大建設事業の機材プールにおいては、多数の工事の計画表に対応して所要泥水ポンプを整備しておいて送り出す。一方、使用を終えて返納された泥水ポンプは整備して在庫しておき、次の送り出しに備える。
この場合、泥水ポンプに求められる信頼性は、送り出されてから返納されるまでの半年間(ポンプ稼働時間約800Hr)である。従って、体積効率80%で1000時間働いてくれれば、実用上充分な耐久性,信頼性であると言い得る。
中,小工事は何らかと言えば、機械のリース業者が前記機材プールの役割りを果たす。この場合においても泥水ポンプに求められる耐久性,信頼性は前記と同様(1000時間)である。
【0012】
本発明においてウェアリングとは、繊維性の柔軟な厚布状の環形部材をいう。
図2に示した例では布入り合成樹脂を用いた。微視的にポーラスな材質であれば、いっそう望ましい。
このウェアリング2dの追加装着によって従来例の泥水ポンプの耐久性,信頼性が飛躍的に向上したことは実験的事実である。
耐久性,信頼性向上のメカニズムは、理論的に未だ解明されてないいが、
ウェアリングの表面に捕捉された微細な泥粒子(粘土ないしコロイドの領域)が潤滑剤として作用し、ピストンの往復動に伴って上記の循環性微粒子がシリンダ1の内周面に塗り付けられる形になるものと推測される。
だだし、「ウェアリングを装着した泥水用プランジャポンプ」は、本日現在において公知になっているので、「ウェアリングを装着した泥水用プランジャポンプ」は新規性を有しない。従って、本願発明は「ウェアリングを装着したプランジャポンプ」だけを必須の構成要件とするものではない。
【0013】
図2に示した先行技術例においては、泥水を30Kg/cm2に加圧して、1ストローク当たり50リットルを圧送する。
このようにして泥水圧送が可能となれば、これをフィルタ装置に流通させることによって泥粒子を濾別除去できることは容易に想到し得るところである。
しかし乍ら、このような手段によると、定期的にフィルタを分解して清掃しなければならないので多大の労力を要し、その上、濾過作業が間欠的に行なわれるので作業能率が低い。
本発明は、泥水を直ちに濾過(フィルタプレス)しようとせず、フィルタプレスの予備操作として「濃縮」を行うことが基本的な原理である。
【0014】
上述の原理に基づいて、請求項1の発明に係る「泥水の濃縮方法」の構成は、(図1参照)、透水性と剛性とを有するシリンダ(3)内にピストン(2)を収納してプランジャポンプを構成するとともに、
前記シリンダ(3)の周囲を外筒(4)で取り囲んで浄水室(5)を形成し、前記ピストンを往復駆動することによって、
イ.処理対象である泥水を、前記プランジャポンプのシリンダヘッド室に吸入し、
ロ.吸入した泥水を、該シリンダヘッド室内で加圧し、
ハ.加圧された泥水に含まれている浄水成分を、シリンダ(3)の透水性によって濾過して浄水室(5)内に流入させるとともに、
ハ.濾し分けた泥粒子成分をシリンダ(3)内に残留させ、
ニ.濾別されてシリンダ(3)の内壁面に付着したスラッジ状の泥粒子を、前記ピストン(2)の往復摺動によって掻き落とし、
ホ.掻き落とされた泥粒子の混入によっていっそう濃厚になった泥水を、ピストンの往復駆動により加圧して間欠的にシリンダヘッド室から排出し、
上記の作業サイクルを繰り返すことによって、処理対象である泥水の中から浄水を採取しつつ、該泥水を濃縮することを特徴とする。
【0015】
以上に説明した請求項1の発明方法によると、処理対象である泥水を連続的に循環流動させながら、高能率で濃縮することができる。
泥水の成分である浄水は、シリンダ壁を透過して浄水室に分離・抽出され、
泥水の成分である固形粒子はシリンダ壁の内側に残留する。しかし、この固形粒子(泥粒子)は塑性体として取り出されることなく、ピストンによってシリンダの内周面に薄く塗れ広げられ、潤滑剤として機能し、余分の固形成分はピストンで掻き取られて、多量の泥水と混合して稀釈される(泥粒子に着目すると稀釈され、泥水全体を基準として眺めると濃縮されることになる)。
濃縮された泥水はフィルタプレスによって最終的に仕上げられるが、
イ.濃縮されていない場合に比して、フィルタプレス処理が格段に容易になり、
ロ.濃縮された泥水は、濃縮されていない原水(泥水)に比して、その輸送が著しく容易である。
その上、本請求項1の発明方法によると、泥水の濃縮手段であるプランジャポンプが、濃縮された泥水を圧送する機能を兼ねるので、泥水輸送用の機器を増加させることなく実施することができる。
現実的には、従来例の泥水処理設備における泥水送給用ポンプを若干改修することによって、フィルタプレスの容量を格段に縮小して、しかも所要の泥水処理能力を維持することができる。
【0016】
請求項2に係る発明方法の構成は、前記請求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記のピストン(2)にウェアリング(2d)を装着し、前記の浄水室(5)内へ流入した浄水を、真空吸引して浄水室内から導出し、作業用水ないし雑用水としての使用に供し、または上水の源水として利用することを特徴とする。
【0017】
以上に説明した請求項2の発明方法によると、「シリンダヘッド室内で加圧され、シリンダとピストンとの間を漏洩してシリンダボトム室内に流入した泥水」を、透水性のシリンダで濃縮して浄水室に移動させ、「漏洩しなかった浄水」と合流させ、「浄水」として抽出することができる。
抽出された浄水は、目視では清水と感じられる程度であるから、これを作業用水ないし雑用水として有効に利用することができる。また、更に処理を加えれば上水として使用することも可能である。
【0018】
請求項3に係る発明方法の構成は、前記請求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記ピストン(2)にウェアリング(2d)を装着し、前記プランジャポンプのシリンダボトム室に、チェックバルブ(19)を介して圧力空気を送給し、
前記のピストン(2)がシリンダヘッドから遠ざかる方向に移動してシリンダヘッド室内の圧力が低下したとき、前記圧力空気の1部を、浄水室(5)経由でシリンダヘッド室内に流動させ、該シリンダヘッド室を形成している透水性シリンダ(3)を逆洗して、付着している泥粒子を離脱させることを特徴とする。
【0019】
以上に説明した請求項3の発明方法によると、透水性を有するシリンダがフィルタとして作用することによって生じる目詰まりを自動的に逆洗して清掃することができ、信頼性が一層向上し、メンティナンスが容易である。
すなわち、シリンダボトム室に圧力空気が供給されていない場合は、ピストンの往復動に伴ってシリンダヘッド室とシリンダボトム室とが交互に正圧,負圧となるが、本請求項3を適用してシリンダボトム室に圧力空気を供給すると、シリンダボトム室内は常に正圧となり、かつ、ほとんど空気で満たされる。
シリンダボトム室に充満した圧力空気の一部は、透水性シリンダを透過して浄水室内に流入し、更にその一部は透水性シリンダを透過してシリンダヘッド室に流入する。このようにしてシリンダヘッド室に流入する空気の流動方向は「プランジャポンプで加圧されて浄水室へ流入する浄水の流動方向」の反対である。
このようにして、透水性シリンダを目詰まりさせた泥粒子が逆洗される。この清浄作用は、使用者の目に見えない所で、自動的に行なわれる。
また、浄水室内に流入した浄水を、該浄水室から上方へ抽出する場合は、浄水室内に流入した圧力空気の一部が気泡となって浄水流路中を上昇し、気泡ポンプとして作用するので,浄水の抽出が促進される。
【0020】
請求項4に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明の構成要件に加えて、(図3参照)前記のプランジャポンプ、および、これに付属する機器を、主として陸上に設置し、
泥水池(11)内の泥水をシリンダヘッド室内に吸い込んで濃縮し、
濃縮された泥水を濃縮泥水タンク(12)に貯溜し、
上記濃縮タンク(12)内の濃縮泥水を「弁手段(22)を備えたリターン管路(14)」によって前記シリンダヘッド室内に再吸入させて循環流動せしめることにより、濃縮作用を更に進行させることを特徴とする。
【0021】
以上に説明した請求項4の発明方法によると、泥水池内の泥水をプランジャポンプで汲み上げて濃縮し、濃縮された泥水を濃縮泥水タンクに貯えて、次工程であるフィルタプレスに供給することにより、該フィルタプレスの作業量を減少させることができる。
その上、上記泥水濃縮タンクとプランジャポンプとの間で泥水を循環流動させて濃縮度を増加させ、濃縮泥水の体積を更に減小させることができる。
濃縮度の増加は、濃縮された泥水が流動性を失わない範囲内で任意に調節することができ、フィルタプレスの負担軽減は極めて大きい。
上記フィルタプレス作業は高コストであるから、該フィルタプレスの作業量を軽減することの経済的効果は多大である。
【0022】
請求項5に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明の構成要件に加えて、(図4参照)前記プランジャポンプおよびその付属機器の少なくとも一部を泥水池(11)の泥水中、もしくは泥水面付近に設置し、
泥水池内の泥水をプランジャポンプのシリンダヘッド室の中に吸入,加圧し、浄水成分を濾別して濃縮し、
濃縮された泥水を前記泥水池(11)の中に還流,循環させ、
上記の操作を繰り返し継続することによって、泥水池の中から浄水を採取しつつ、該泥水池内の泥水全体を次第に濃縮させることを特徴とする。
【0023】
以上に説明した請求項5の発明方法によると、泥水池(または、これに準ずる泥水の貯溜槽)の中にプランジャポンプを設置し、または吊り下げて、これを運転することにより、該プランジャポンプに付属する浄水室から浄水を抽出しつつ、前記泥水池の中の泥水を次第に濃縮させるという、従来技術では思いも及ばなかった新規な実用的効果が得られる。
泥水池に貯められる泥水を、本請求項5の発明方法によって連続的に濃縮すると、該泥水池内の泥水量が減少する。これによって後工程であるフィルタプレス作業量が軽減されることは勿論であるが、その他にも次のような目に見えない効果が得られる。
すなわち、万一、泥水発生量が予想外に増加しても、泥水池内の泥水が溢れない。これは単に作業量や作業コストの問題ではなく、工事災害を未然に防止するという重要な意義を有している。
これを、工事計画全体について考察すると、本請求項5を適用して泥水を濃縮することによって、フィルタプレスの所要容量が縮小されるだけでなく、泥水池の貯水容量が少なくて足りる。
【0024】
請求項6に係る発明装置の構成は、(図1参照)透水性を有する材料で形成されたシリンダ(3)の中に、ウェアリング(2d)を装着されたピストン(2)が収納されてプランジャポンプが構成されており、
上記プランジャポンプのシリンダヘッドに吸入弁(3a)と吐出弁(3d)とが設けられるとともに、
前記透水性シリンダ(3)に外筒(4)が外嵌されていて、両者の間に浄水室(5)が形成されていることを特徴とする。
【0025】
以上に説明した請求項6の発明に係る泥水濃縮ポンプ装置を適用すると、泥水を循環流動させて濃縮することができる。
本請求項1に係るプランジャポンプは、そのシリンダが透水性であるから、シリンダヘッド室内に吸入された泥水がピストンで加圧されると、該泥水の成分である浄水はシリンダ壁を透過して浄水室に流動して抽出され、固形成分(泥粒子)は濾別されてシリンダヘッド室内に残る。このため、シリンダヘッド室内の泥水は固形成分含有率が上昇する(すなわち濃縮される)。
上述のようにして濾別された固形成分は透水性シリンダの内周面に付着するが、直ちにウェアリングによって塗り広げられるとともに、余分は掻き取られる。
塗り広げられた固形成分(泥の微粒子)は潤滑剤として作用し、掻き取られた多量の泥水と混合して稀釈される。その反面、固形成分を溶かし込んだ泥水は濃度を増す。すなわち濃縮される。
泥水の濃縮によって、その体積が減少し、次工程であるフィルタプレスの作業量が軽減される。これにより、泥水処理の総コストが著しく低減されるという優れた実用的効果を奏する。
【0026】
請求項7に係る発明装置の構成は、前記請求項6の発明に係る泥水濃縮ポンプの構成要件に加えて、(図3参照)前記の浄水室(5)が、気水分離器(15)を介して真空ポンプ(16)に接続されていることを特徴とする。
【0027】
以上に説明した請求項7の発明装置によると、浄水室に流動して泥水から分離された浄水を抽出して利用に供することができる。
すなわち、前記プランジャポンプ(請求項6の構成要件)のシリンダヘッド室内は、ピストンの往復動に伴って正圧になったり負圧になったりするが、浄水室内を真空吸引することによって、浄水室内の浄水が、シリンダヘッド室内へ逆流することなく定常的に抽出される。
また、抽水された浄水は気水分離器に流入するので、該浄水が真空ポンプに流入してこれを損傷させる虞れが無い。
【0028】
請求項8に係る発明装置の構成は、前記請求項6の発明装置の構成要件に加えて(図1,図4を併せて参照)前記プランジャポンプのシリンダボトム室が、チェックバルブ(19)を介して圧力空気源(17)に接続されていることを特徴とする。
【0029】
以上に説明した請求項8の発明装置によると、透水性のシリンダが常に逆洗作用を受けて清浄されるので目詰まりしない。
すなわち、本請求項を適用して圧力空気を供給する、という構成でない場合、プランジャポンプのシリンダボトム室内は、ピストンの往復動に伴って正圧になったり負圧になったりし、これを繰り返す。
しかし、本請求項5を適用してシリンダボトム室を圧力空気源に接続すると、ピストンの往復動に拘らず、該シリンダボトム室内は常に正圧が保たれる。
このピストンボトム室内の正圧空気は、「泥水がシリンダヘッド室からシリンダボトム室にリークすること」を防止する。
さらに、シリンダボトム室内の圧力空気はシリンダ壁を透過して浄水室内に入り、再度シリンダ壁を透過してシリンダヘッド室内へ流動する。
上記の「シリンダヘッド室内への流動」は「泥水中の浄水成分がピストンに押されて浄水室内へ移動する際の流動」と比較して逆方向である。これにより、透水性シリンダのシリンダ壁が圧力空気によって逆洗され、シリンダ壁の目詰まりを防止する。
【0030】
請求項9に係る発明装置の構成は、前記請求項6の発明装置の構成要件に加えて、(図3参照)前記プランジャポンプが陸上設置機器として構成されており、前記の吐出弁(3b)から流出した濃縮泥水が導かれる濃縮泥水タンク(12)と、
該濃縮泥水タンク(12)内の濃縮泥水を前記吸入弁(3a)に導くリターン管路(14)と、該リターン管路(14)に介挿接続された「締切り機能を有する絞り弁(22)とを具備していることを特徴とする。
【0031】
以上に説明した請求項9の発明装置によると、プランジャポンプで濃縮された泥水が濃縮泥水タンクに貯えられる。
さらに、絞り弁を開くと、濃縮泥水タンク内の濃縮泥水が再びプランジャポンプのシリンダヘッド室に吸い込まれ、いっそう濃縮されて濃縮泥水タンクに送入される。
上述の作動を連続的に繰り返すことにより、泥水が濃縮泥水ポンプとプランジャポンプとの間を循環流動して濃縮が進行する。
上記の循環流動は絞り弁の操作によって調節することができ、該絞り弁を締め切ることにより、循環を止めて一方通行にすることもできる。
循環流量を増して濃縮度を上げれば、濃縮泥水タンクの容量が小さくて足り、これを可搬型に構成することも容易になる。
【0032】
請求項10に係る発明装置の構成は、前記請求項6ないし同8の発明の構成要件に加えて、(図4参照)前記プランジャポンプが水中ポンプとして構成されており、前記の吐出弁(3b)の流出口側が泥水池(11)内の泥水に対して開放されていて、
前記浄水室(5)内に濾別,抽出された浄水(21)を、陸上もしくは水面上に送給する浄水採取管(20)が設けられていることを特徴とする。
【0033】
以上に説明した請求項10の発明装置によると、泥水中に設置されたプランジャポンプから浄水が送られてくるので、作業用水ないし雑用水として用いることができ、または更に浄化処理を加えて上水として用いることもできる。
上述のようにして浄水成分が分離,抽出されるので、泥水池内の泥水が濃縮されて体積が減少する。
泥水の体積が減少すると、次工程であるフィルタプレスの作業量が軽減される。このフィルタプレス作業は本質的に間欠操業されて多大の労力を要するから、この作業の軽減は泥水処理全体のコスト低減に貢献するところ多大である。
さらに、泥水が濃縮されて体積を減じるので、雨天や不時の出水やフィルタプレスの故障などの悪条件が重なっても、泥水が泥水池から溢れる虞れが無く、防災面においても有効である。
【0034】
請求項11に係る発明装置の構成は、前記請求項6ないし請求項10の発明装置の構成要件に加えて、(図3,図4参照)前記プランジャポンプのシリンダボトム側に対して、これと同心に油圧シリンダ(6)が設置されるとともに、
上記プランジャポンプのピストンロッド(2a)の他端に「上記油圧シリンダ用の油圧ピストン(7)」が装着されていて、
該油圧シリンダが、ピストンロッド(2a)を共用して、前記プランジャポンプのピストン(2)を往復駆動するようになっていることを特徴とする。
【0035】
以上に説明した請求項11の発明装置によると、プランジャポンプのピストンを油圧力によって往復駆動することができる。
クランク機構を用いることなくピストンを駆動するので、ピストンに側圧が掛からず、耐久性向上に有効である。
この請求項11の発明に係る駆動方式は、当該プランジャポンプを水中ポンプとして用いる場合に特に好適であり、泥水池の泥水の近くに送電線を発生する必要が無いので漏電事故を生じる虞れが無く、安全である。
【0036】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の1実施形態における要部を示し、透水性と剛性とを有するシリンダの中にピストンを収納して成るプランジャポンプの断面図に配管シンボル図を付記した図である。
ピストン2の周囲に設けられたリング溝に、Vパッキン2b、ピストンリング2c、およびウェアリング2dが嵌め付けられている。
上記ウェアリング2dは、前掲の図2を参照して先に説明した構成部材であって、繊維性の柔軟な環状部材である。
【0037】
ピストン2が、透水性のシリンダ3内に収納されてプランジャポンプを形成している。2aはピストンロッドである。
本例においては、前記透水性シリンダ3を東洋スクリーン工業株式会社製のファインウェッジ(商標名)によって構成した。
この部材は、断面が三角形状をなすステンレス鋼線を、間隙寸法10ミクロンメートルで並べたものである。この微細隙間は概要的な目安として、コロイドは通過させるが粘土粒子は通過させない。
【0038】
本発明を実施する際、透水性シリンダの構成部材は前記ファインウェッジに限られるものではなく、ミクロン単位の孔と適宜の剛性とを有するものであれば良い。例えば径がミクロンオーダーの無数の透孔を穿たれたステンレス筒でも良く、また、ポーラスな焼結合金やセラミックスであっても良い。
さらに、単一材料であることを要せず、剛性部材で補強された柔軟なシート状材料であっても良く、
要するに、泥水中の固形成分(泥粒子)を濾別し得る透水性と、ポンプ用シリンダとして耐え得る剛性とを有していれば良い。
【0039】
前記透水性シリンダ3の周囲を外筒4で取り囲み、両者の間に浄水室5が形成されている。本図1は、構造の理解に便なるごとく模式化して描いてあるが、この浄水室5は大きい容積を要しない。本実施形態における実体の外筒4は、透水性シリンダ3の外周に対して「遊び嵌め」程度に嵌合する内周を有する鋼製の筒状部材であって、その内周面に導水溝を彫ってある。
上記の浄水室5は、真空ポンプ16に接続されていて、真空吸引Vcされるように構成されている。
【0040】
符号Chを付して示したのはシリンダヘッド室、同じくCbはシリンダボトム室である。シリンダヘッド,シリンダボトムの語は、各種の技術用語辞典においても確定しておらず、技術的現場の通俗語としてしばしば誤用されている。
しかし、これらの語は本願発明の必須構成要件を特定しているので、その定義を次のように定めておく。
「シリンダヘッド」という語が混乱した理由は、元来、内燃機関の燃焼室を構成する部材として呼称され、この時は読んで字の如くシリンダブロックの上に載せられていたのであるが、この語が油圧,水圧シリンダに転用され、必ずしも本体の上に「頭」の如く乗せられていない為に呼び名が不確定になったものと考えられる。現に、本図1において符号Chを付した箇所は、頭(ヘッド)という感じでなく底(ボトム)と呼びたくなる。
また、内燃機関においてはピストン1個に対して連結杆(コンロッド)1本が取り付けられているのに比して、油圧,水圧,空圧機器においては片ピストンロッド形と両ピストンロッド形とが有り、両ピストンロッド形シリンダにおいてはシリンダヘッド,シリンダボトムという概念が通用しなくなっている。
【0041】
そこで本発明においては、説明の便宜上、片ロッド形シリンダ構造の実施形態について図示し、加圧室として機能する空間をシリンダヘッド室と呼び、このシリンダヘッド室に泥水の吸入弁(流入口)、吐出弁(流出口)を設ける。
片ロッド形以外のシリンダを用いた各種の変形例が有り得るが、いずれも、
泥水が加圧される圧力室をシリンダヘッド室とし、
ピストンを介してシリンダヘッド室に対向する空間をシリンダボトム室とする。
両ロッド形シリンダでは、ピストンの往復動に伴って圧力室が交互に変わる。このような場合は、シリンダヘッド室とシリンダボトム室とが交互に交替することになるが、加圧室側がシリンダヘッド室であり、その反対側がシリンダボトム室である。
【0042】
シリンダヘッド室Chには吸入弁3aと吐出弁3bとが設けられていて、この吐出弁3bに接続されている管路には絞り弁13が介挿接続されている。
シリンダボトム室Cbには、チェックバルブ19を介して圧力空気源17が接続されていて、圧力空気Caを送給し得るようになっている。
前記ピストンロッド2aは、図外の駆動手段によって図の上下方向に往復駆動される。
上記駆動手段としては、公知の駆動機器を適宜に選定して用い得るが、好適な駆動手段の1例について図3,図4を参照して後に説明する。
【0043】
ピスとン2が上昇するとシリンダヘッド室Ch内が負圧になり、泥水Mwが吸入される。
次いでピストン2が下降すると、吸入弁3aが閉じ、シリンダヘッド室Ch内は吐出弁3bを押し開いて流出しようとするが、絞り弁13によって流量を制限されるので昇圧する。本例では、約30気圧(相対圧力)となるように「ピストン2の下降速度と、絞り弁13の流通抵抗との関係」を、泥水の性状に応じて調節してある。
圧力空気Caの圧力は適宜に設定することができる。この圧力をシリンダヘッド室Ch内圧力とほぼ等しくしておくと、加圧された泥水がピストン2の外周に沿ってシリンダボトム室Cbにリークすることが防止される。
【0044】
シリンダヘッド室Ch内の泥水が加圧されると、該泥水を構成している浄水成分は矢印aのように透水性シリンダ3の筒壁を透過して浄水室5内へ流入する。
上記の泥水の成分である泥粒子(固形粒子)は透水性シリンダ3の透過流路の径よりも大きいので透過できず、該透水性シリンダ3の内周面に堆積する。
堆積した泥粒子は、次の瞬間にピストン2で掻き取られる。
泥粒子の一部は、繊維性材料で作られたウェアリングの表面付近に吸着されて潤滑剤として作用し、摩耗を防止する。
【0045】
掻き取られた泥粒子は多量の泥水と混合して稀釈される。この現象を泥水について見ると、泥水は浄水成分を分離抽出されて濃縮される。
濃縮された泥水Cmは、吐出弁3bおよび絞り弁13を経て送出される。
本発明装置(図1)においては、上述のようにプランジャポンプのシリンダ壁がフィルタの役目を兼ねている。
従来技術においてはポンプ(すなわち加圧手段)とフィルタ(濾過手段)とが別体に構成されていたので、フィルタを定期的に分解して「濾別された固形成分を排出しなければならず、多大の労力と時間とを費やしていた。
これに比して本発明装置においては、濾別された固形成分(泥粒子)がピストンで掻き取られて原水(泥水)と混合するので、フィルタプレスは行なわれず、専ら泥水の濃縮が遂行される。従って、フィルタ手段を分解してメンティナンスする必要が無く、連続的かつ自動的に稼働する。
【0046】
シリンダボトム室Cbに圧力空気Caを供給するという構成は絶対不可欠な要件ではないが、該圧力空気Caを供給すると次のようにして逆洗が行なわれる。
ピストン2の往復動に伴って、シリンダヘッド室Ch内は正圧になったり負圧になったりする。
負圧になったとき、シリンダボトム室Cbの圧力空気の一部は矢印bのように浄水室5内に流入し、さらに矢印cのようにシリンダヘッド室Chに流入する。
この流入空気(矢印c)は、先に述べた浄水の透過方向(矢印a)と反対方向に流動する。
【0047】
泥水が矢印a方向に流動すると、固形粒子は透水性シリンダ3の内周面に堆積する。この堆積物のほとんど全部は、直ちにピストン2で掻き取られ、その一部はウェアリング2dに吸着されて塗り広げられて潤滑作用を果たすが、更にそのごく一部は透水性シリンダ3の内周面付近で目詰まりを生じる。詳しくは、透水性シリンダの透水孔の入口付近に嵌まり込んで該透水孔を塞いでしまって、濾過作用を妨げる。
圧力空気が上記矢印aと反対方向(矢印c)に吹き抜けるので、透水性シリンダ3の内周面付近に目詰まりしていた泥粒子は、逆洗されてシリンダヘッド室Ch内に戻され、多量の泥水の中に混入する。堆積泥粒子の混入を受けた泥水は、微小ながら濃縮を受けることになる。逆洗作用を終えた空気は、ピストン2の下降時に再び矢印a方向に流動して浄水室5に入り、または濃縮泥水Cm中に混入する。
【0048】
図3は、前掲の図1に示したプランジャポンプを陸上に設置して、泥水池内の泥水を汲み上げて濃縮するとともに、分離された浄水を利用可能に抽出するように構成した泥水処理プラントの1実施形態を示し、模式的に描いた断面図に、配管シンボルマークを付記した系統図である。
本図3に示した透水性シリンダ3にピストン2を収納して成るプランジャポンプは、前掲の図1に示したプランジャポンプの略図であり、ピストン2にはウェアリング2dが装着され、透水性シリンダ3の周囲は外筒4によって取り囲まれ、浄水室5が形成されている。
【0049】
透水性シリンダ3のシリンダボトムに対して、これと同心に油圧シリンダ6が装着され、該油圧シリンダ6の油圧ピストン7が「前記プランジャポンプのピストンロッド2a」に取り付けられている。これにより、該ピストンロッド2dはプランジャポンプと油圧シリンダとに共用される。
油圧ポンプ9は、作動油タンク8内の作動油を吸入し、自動切換弁10を介して前記油圧シリンダ6に送給する。
これにより、油圧ピストン7がピストンロッド2aを伸縮駆動し、ピストン2を図の上下方向に往復動させる。
【0050】
真空ポンプ16は、気水分離器15を介して前記プランジャポンプの浄水室5を真空吸引する。
浄水室5内から真空吸引された浄水は気水分離器15で気泡と分離され、浄水21は浄水採取管20を経て取り出される。このように構成されているから、浄水が真空ポンプ16に流入してこれを破損させる虞れが無い。
本例においては、前記プランジャポンプおよび同付属部材、真空ポンプ16および同付属部材、並びに油圧ポンプ9および同付属部材は陸上に設置されている。ただし、本発明において陸上とは船上を含み、要するに泥水池の水面よりも上方の意である。
【0051】
前記プランジャポンプは、吸入弁3aを経て泥水池11内の泥水を吸入する。上記の泥水池とは狭義の池に限らず、湖沼河川もしくは湧水など、要するに処理対象とされる多量の泥水を意味している。
プランジャポンプで濃縮された泥水は、吐出弁3bを経て濃縮泥水タンク12に注入される。
上記濃縮泥水タンク12は、締切り操作可能な絞り弁22を備えたリターン管路14を介して吸入弁3aに連通されている。
【0052】
前記の絞り弁22を締め切ると、リターン管路14が設けられていないのと同様になり、プランジャポンプで濃縮された泥水は濃縮泥水タンク12に一時的に貯溜され、図外のフィルタプレスに送って処理される。
前記の絞り弁22を開くと、濃縮泥水タンク12内の濃縮泥水はリターン管路14を通ってプランジャポンプに還流し、再び濃縮されて濃縮泥水タンク12に送出され、これを繰り返して循環流動する。
上記の循環流動の継続に伴って濃縮作用がいっそう進行し、濃縮泥水が流動性を失わない限りにおいて濃縮される。このように極度に濃縮されると、後工程であるフィルタプレス作業が著しく軽減される。
その上、濃縮泥水タンク12が小容量で足りるようになり、これをポータブルな部材として構成することもできる。
【0053】
泥水の濃縮に伴って分離抽出された浄水21は浄水採取管20を経て取り出され、作業用水ないし雑用水としての利用に供される。
本発明において浄水とは、純水ではないが濾過された水を言い。目視によっては透きとおった水、ないし、これに準ずる程度に浄化された水である。これを飲用に供することは不適切であるが、殺菌処理や再濾過処理を施して上水とすることは、公知の水処理技術を適用して容易に可能である。
【0054】
図4は、前掲の図1に示したプランジャポンプを泥水中に設置して、泥水池内の泥水を濃縮するとともに、分離された浄水を陸上に送給して利用できるように構成した泥水処理プラントの1実施形態を示し、模式的に描いた断面図に配管シンボルマークを付記した系統図である。
プランジャポンプ、および、これに対して機械的に固着された外筒4,油圧シリンダ6などの付属部材は泥水池11の泥水内に設置されている。
【0055】
本実施形態においては、空気ポンプ17がブリーザ18を介して吸入した空気を、チェックバルブ19経由でシリンダボトム室Cbに送給している。これにより、該シリンダボトム室Cb内に泥水が漏れ込まなくなる。
プランジャポンプに油圧シリンダ6が装着されていて、油圧ポンプ9から圧力油の供給を受けてピストン2を上下駆動する構成部材は、前掲の図3に示した実施形態におけると同様である。
【0056】
ピストン2が図の上方に動くと、泥水池11内の泥水が吸入弁3aを流通してシリンダヘッド室Chに吸い込まれ、ピストン2が図の下方に動くとシリンダヘッド室Ch内の泥水は吐出弁3bおよび絞り弁13を流通して泥水池11の中へ還流する。
このとき、シリンダヘッド室Ch内には「絞り弁13の流通抵抗に見合った圧力」が発生し、シリンダヘッド室Ch内の泥水を構成している浄水成分の一部が透水性シリンダ3を透過して浄水室5に流入する。
【0057】
図4について以上に説明した作用が総合されて、泥水はプランジャポンプのシリンダヘッド室Ch内と泥水池11内との間を循環流動しながら次第に濃縮され、分離された浄水21は浄水採取管20によって陸上に送給され、作業用水等として利用される。
泥水池11内の泥水は次第に濃縮されて体積を減じるので、図外のフィルタプレスによる泥水処理コストが格段に低減される。
その上、泥水池11内の泥水量の減少によって、予想外の大雨や不測の出水などが有っても泥水池11の泥水が溢れる虞れが無くなり、安全管理の面でも有効である。
【0058】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を挙げてその構成,作用を明らかならしめたように、請求項1の発明方法によると、処理対象である泥水を連続的に循環流動させながら、高能率で濃縮することができる。
泥水の成分である浄水は、シリンダ壁を透過して浄水室に分離・抽出され、
泥水の成分である固形粒子はシリンダ壁の内側に残留する。しかし、この固形粒子(泥粒子)は塑性体として取り出されることなく、ピストンによってシリンダの内周面に薄く塗れ広げられ、潤滑剤として機能し、余分の固形成分はピストンで掻き取られて、多量の泥水と混合して稀釈される(泥粒子に着目すると稀釈され、泥水全体を基準として眺めると濃縮されることになる)。
濃縮された泥水はフィルタプレスによって最終的に仕上げられるが、
イ.濃縮されていない場合に比して、フィルタプレス処理が格段に容易になり、
ロ.濃縮された泥水は、濃縮されていない原水(泥水)に比して、その輸送が著しく容易である。
その上、本請求項1の発明方法によると、泥水の濃縮手段であるプランジャポンプが、濃縮された泥水を圧送する機能を兼ねるので、泥水輸送用の機器を増加させることなく実施することができる。
現実的には、従来例の泥水処理設備における泥水送給用ポンプを若干改修することによって、フィルタプレスの容量を格段に縮小して、しかも所要の泥水処理能力を維持することができる。
【0059】
請求項2の発明方法によると、「シリンダヘッド室内で加圧され、シリンダとピストンとの間を漏洩してシリンダボトム室内に流入した泥水」を、透水性のシリンダで濃縮して浄水室に移動させ、「漏洩しなかった浄水」と合流させ、「浄水」として抽出することができる。
抽出された浄水は、目視では清水と感じられる程度であるから、これを作業用水ないし雑用水として有効に利用することができる。また、更に処理を加えれば上水として使用することも可能である。
【0060】
請求項3の発明方法によると、透水性を有するシリンダがフィルタとして作用することによって生じる目詰まりを自動的に逆洗して清掃することができ、信頼性が一層向上し、メンティナンスが容易である。
すなわち、シリンダボトム室に圧力空気が供給されていない場合は、ピストンの往復動に伴ってシリンダヘッド室とシリンダボトム室とが交互に正圧,負圧となるが、本請求項3を適用してシリンダボトム室に圧力空気を供給すると、シリンダボトム室内は常に正圧となり、かつ、ほとんど空気で満たされる。
シリンダボトム室に充満した圧力空気の一部は、透水性シリンダを透過して浄水室内に流入し、更にその一部は透水性シリンダを透過してシリンダヘッド室に流入する。このようにしてシリンダヘッド室に流入する空気の流動方向は「プランジャポンプで加圧されて浄水室へ流入する浄水の流動方向」の反対である。
このようにして、透水性シリンダを目詰まりさせた泥粒子が逆洗される。この清浄作用は、使用者の目に見えない所で、自動的に行なわれる。
また、浄水室内に流入した浄水を、該浄水室から上方へ抽出する場合は、浄水室内に流入した圧力空気の一部が気泡となって浄水流路中を上昇し、気泡ポンプとして作用するので,浄水の抽出が促進される。
【0061】
請求項4の発明方法によると、泥水池内の泥水をプランジャポンプで汲み上げて濃縮し、濃縮された泥水を濃縮泥水タンクに貯えて、次工程であるフィルタプレスに供給することにより、該フィルタプレスの作業量を減少させることができる。
その上、上記泥水濃縮タンクとプランジャポンプとの間で泥水を循環流動させて濃縮度を増加させ、濃縮泥水の体積を更に減小させることができる。
濃縮度の増加は、濃縮された泥水が流動性を失わない範囲内で任意に調節することができ、フィルタプレスの負担軽減は極めて大きい。
上記フィルタプレス作業は高コストであるから、該フィルタプレスの作業量を軽減することの経済的効果は多大である。
【0062】
請求項5の発明方法によると、泥水池(または、これに準ずる泥水の貯溜槽)の中にプランジャポンプを設置し、または吊り下げて、これを運転することにより、該プランジャポンプに付属する浄水室から浄水を抽出しつつ、前記泥水池の中の泥水を次第に濃縮させるという、従来技術では思いも及ばなかった新規な実用的効果が得られる。
泥水池に貯められる泥水を、本請求項5の発明方法によって連続的に濃縮すると、該泥水池内の泥水量が減少する。これによって後工程であるフィルタプレス作業量が軽減されることは勿論であるが、その他にも次のような目に見えない効果が得られる。
すなわち、万一、泥水発生量が予想外に増加しても、泥水池内の泥水が溢れない。これは単に作業量や作業コストの問題ではなく、工事災害を未然に防止するという重要な意義を有している。
これを、工事計画全体について考察すると、本請求項5を適用して泥水を濃縮することによって、フィルタプレスの所要容量が縮小されるだけでなく、泥水池の貯水容量が少なくて足りる。
【0063】
請求項6の発明に係る泥水濃縮ポンプ装置を適用すると、泥水を循環流動させて濃縮することができる。
本請求項1に係るプランジャポンプは、そのシリンダが透水性であるから、シリンダヘッド室内に吸入された泥水がピストンで加圧されると、該泥水の成分である浄水はシリンダ壁を透過して浄水室に流動して抽出され、固形成分(泥粒子)は濾別されてシリンダヘッド室内に残る。このため、シリンダヘッド室内の泥水は固形成分含有率が上昇する(すなわち濃縮される)。
上述のようにして濾別された固形成分は透水性シリンダの内周面に付着するが、直ちにウェアリングによって塗り広げられるとともに、余分は掻き取られる。
塗り広げられた固形成分(泥の微粒子)は潤滑剤として作用し、掻き取られた多量の泥水と混合して稀釈される。その反面、固形成分を溶かし込んだ泥水は濃度を増す。すなわち濃縮される。
泥水の濃縮によって、その体積が減少し、次工程であるフィルタプレスの作業量が軽減される。これにより、泥水処理の総コストが著しく低減されるという優れた実用的効果を奏する。
【0064】
請求項7の発明装置によると、浄水室に流動して泥水から分離された浄水を抽出して利用に供することができる。
すなわち、前記プランジャポンプ(請求項6の構成要件)のシリンダヘッド室内は、ピストンの往復動に伴って正圧になったり負圧になったりするが、浄水室内を真空吸引することによって、浄水室内の浄水が、シリンダヘッド室内へ逆流することなく定常的に抽出される。
また、抽水された浄水は気水分離器に流入するので、該浄水が真空ポンプに流入してこれを損傷させる虞れが無い。
【0065】
請求項8の発明装置によると、透水性のシリンダが常に逆洗作用を受けて清浄されるので目詰まりしない。
すなわち、本請求項を適用して圧力空気を供給する、という構成でない場合、プランジャポンプのシリンダボトム室内は、ピストンの往復動に伴って正圧になったり負圧になったりし、これを繰り返す。
しかし、本請求項5を適用してシリンダボトム室を圧力空気源に接続すると、ピストンの往復動に拘らず、該シリンダボトム室内は常に正圧が保たれる。
このピストンボトム室内の正圧空気は、「泥水がシリンダヘッド室からシリンダボトム室にリークすること」を防止する。
さらに、シリンダボトム室内の圧力空気はシリンダ壁を透過して浄水室内に入り、再度シリンダ壁を透過してシリンダヘッド室内へ流動する。
上記の「シリンダヘッド室内への流動」は「泥水中の浄水成分がピストンに押されて浄水室内へ移動する際の流動」と比較して逆方向である。これにより、透水性シリンダのシリンダ壁が圧力空気によって逆洗され、シリンダ壁の目詰まりを防止する。
【0066】
請求項9の発明装置によると、プランジャポンプで濃縮された泥水が濃縮泥水タンクに貯えられる。
さらに、絞り弁を開くと、濃縮泥水タンク内の濃縮泥水が再びプランジャポンプのシリンダヘッド室に吸い込まれ、いっそう濃縮されて濃縮泥水タンクに送入される。
上述の作動を連続的に繰り返すことにより、泥水が濃縮泥水ポンプとプランジャポンプとの間を循環流動して濃縮が進行する。
上記の循環流動は絞り弁の操作によって調節することができ、該絞り弁を締め切ることにより、循環を止めて一方通行にすることもできる。
循環流量を増して濃縮度を上げれば、濃縮泥水タンクの容量が小さくて足り、これを可搬型に構成することも容易になる。
【0067】
請求項10の発明装置によると、泥水中に設置されたプランジャポンプから浄水が送られてくるので、作業用水ないし雑用水として用いることができ、または更に浄化処理を加えて上水として用いることもできる。
上述のようにして浄水成分が分離,抽出されるので、泥水池内の泥水が濃縮されて体積が減少する。
泥水の体積が減少すると、次工程であるフィルタプレスの作業量が軽減される。このフィルタプレス作業は本質的に間欠操業されて多大の労力を要するから、この作業の軽減は泥水処理全体のコスト低減に貢献するところ多大である。
さらに、泥水が濃縮されて体積を減じるので、雨天や不時の出水やフィルタプレスの故障などの悪条件が重なっても、泥水が泥水池から溢れる虞れが無く、防災面においても有効である。
【0068】
請求項11の発明装置によると、プランジャポンプのピストンを油圧力によって往復駆動することができる。
クランク機構を用いることなくピストンを駆動するので、ピストンに側圧が掛からず、耐久性向上に有効である。
この請求項11の発明に係る駆動方式は、当該プランジャポンプを水中ポンプとして用いる場合に特に好適であり、泥水池の泥水の近くに送電線を発生する必要が無いので漏電事故を生じる虞れが無く、安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態における要部を示し、透水性と剛性とを有するシリンダの中にピストンを収納して成るプランジャポンプの断面図に配管シンボル図を付記した図である。
【図2】本発明者の創作に係る先行技術であるところの泥水加圧・送給用のプランジャポンプを説明するために示したもので、(A)は模式的な断面図、(B)はピストンを抽出して描いた外観図である。
【図3】前掲の図1に示したプランジャポンプを陸上に設置して、泥水池内の泥水を汲み上げて濃縮するとともに、分離された浄水を利用可能に抽出するように構成した泥水処理プラントの1実施形態を示し、模式的に描いた断面図に、配管シンボルマークを付記した系統図である。
【図4】前掲の図1に示したプランジャポンプを泥水中に設置して、泥水池内の泥水を濃縮するとともに、分離された浄水を陸上に送給して利用できるように構成した泥水処理プラントの1実施形態を示し、模式的に描いた断面図に配管シンボルマークを付記した系統図である。
【符号の説明】
1…シリンダ
1a…吸入口
1b…吐出口
2…ピストン
2a…ピストンロッド
2b…Vパッキン
2c…ピストンリング
2d…ウェアリング
3…透水性シリンダ
3a…吸入弁
3b…吐出弁
4…外筒
5…浄水室
6…油圧シリンダ
7…油圧ピストン
8…作動油タンク
9…油圧ポンプ
10…自動切換弁
11…泥水池
12…濃縮泥水タンク
13…絞り弁
14…リターン管路
15…気水分離器
16…真空ポンプ
17…空気ポンプ
18…ブリーザ
19…チェックバルブ
20…浄水採取管
21…浄水
22…絞り弁
Ca…圧力空気
Cb…シリンダボトム室
Ch…シリンダヘッド室
Cm…濃縮泥水
Mw…泥水
Claims (11)
- 透水性と剛性とを有するシリンダ(3)内にピストン(2)を収納してプランジャポンプを構成するとともに、
前記シリンダ(3)の周囲を外筒(4)で取り囲んで浄水室(5)を形成し、前記ピストンを往復駆動することによって、
イ.処理対象である泥水を、前記プランジャポンプのシリンダヘッド室に吸入し、
ロ.吸入した泥水を、該シリンダヘッド室内で加圧し、
ハ.加圧された泥水に含まれている浄水成分を、シリンダ(3)の透水性によって濾過して浄水室(5)内に流入させるとともに、
ハ.濾し分けた泥粒子成分をシリンダ(3)内に残留させ、
ニ.濾別されてシリンダ(3)の内壁面に付着したスラッジ状の泥粒子を、前記ピストン(2)の往復摺動によって掻き落とし、
ホ.掻き落とされた泥粒子の混入によっていっそう濃厚になった泥水を、ピストンの往復駆動により加圧して間欠的にシリンダヘッド室から排出し、
上記の作業サイクルを繰り返すことによって、処理対象である泥水の中から浄水を採取しつつ、該泥水を濃縮することを特徴とする、泥水の濃縮方法。 - 前記のピストン(2)にウェアリング(2d)を装着し、前記の浄水室(5)内へ流入した浄水を、真空吸引して浄水室内から導出し、作業用水ないし雑用水としての使用に供し、または上水の源水として利用することを特徴とする、請求項1に記載した泥水の濃縮方法。
- 前記ピストン(2)にウェアリング(2d)を装着し、前記プランジャポンプのシリンダボトム室に、チェックバルブ(19)を介して圧力空気を送給し、
前記のピストン(2)がシリンダヘッドから遠ざかる方向に移動してシリンダヘッド室内の圧力が低下したとき、前記圧力空気の1部を、浄水室(5)経由でシリンダヘッド室内に流動させ、該シリンダヘッド室を形成している透水性シリンダ(3)を逆洗して、付着している泥粒子を離脱させることを特徴とする、請求項1に記載した泥水の濃縮方法。 - 前記のプランジャポンプ、および、これに付属する機器を、主として陸上に設置し、
泥水池(11)内の泥水をシリンダヘッド室内に吸い込んで濃縮し、
濃縮された泥水を濃縮泥水タンク(12)に貯溜し、
上記濃縮タンク(12)内の濃縮泥水を「弁手段(22)を備えたリターン管路(14)」によって前記シリンダヘッド室内に再吸入させて循環流動せしめることにより、濃縮作用を更に進行させることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れかに記載した泥水の濃縮方法。 - 前記プランジャポンプおよびその付属機器の少なくとも一部を泥水池(11)の泥水中、もしくは泥水面付近に設置し、
泥水池内の泥水をプランジャポンプのシリンダヘッド室の中に吸入,加圧し、浄水成分を濾別して濃縮し、
濃縮された泥水を前記泥水池(11)の中に還流,循環させ、
上記の操作を繰り返し継続することによって、泥水池の中から浄水を採取しつつ、該泥水池内の泥水全体を次第に濃縮させることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れかに記載した泥水の濃縮方法。 - 透水性を有する材料で形成されたシリンダ(3)の中に、ウェアリング(2d)を装着されたピストン(2)が収納されてプランジャポンプが構成されており、
上記プランジャポンプのシリンダヘッドに吸入弁(3a)と吐出弁(3d)とが設けられるとともに、
前記透水性シリンダ(3)に外筒(4)が外嵌されていて、両者の間に浄水室(5)が形成されていることを特徴とする、泥水濃縮ポンプ装置。 - 前記の浄水室(5)が、気水分離器(15)を介して真空ポンプ(16)に接続されていることを特徴とする。請求項6に記載した泥水濃縮ポンプ装置。
- 前記プランジャポンプのシリンダボトム室が、チェックバルブ(19)を介して圧力空気源(17)に接続されていることを特徴とする、請求項6に記載した泥水濃縮ポンプ装置。
- 前記プランジャポンプが陸上設置機器として構成されており、
前記の吐出弁(3b)から流出した濃縮泥水が導かれる濃縮泥水タンク(12)と、
該濃縮泥水タンク(12)内の濃縮泥水を前記吸入弁(3a)に導くリターン管路(14)と、該リターン管路(14)に介挿接続された「締切り機能を有する絞り弁(22)とを具備していることを特徴とする、請求項6に記載した泥水濃縮ポンプ装置。 - 前記プランジャポンプが水中ポンプとして構成されており、前記の吐出弁(3b)の流出口側が泥水池(11)内の泥水に対して開放されていて、
前記浄水室(5)内に濾別,抽出された浄水(21)を、陸上もしくは水面上に送給する浄水採取管(20)が設けられていることを特徴とする、請求項6ないし請求項8の何れかに記載した泥水濃縮ポンプ装置 - 前記プランジャポンプのシリンダボトム側に対して、これと同心に油圧シリンダ(6)が設置されるとともに、
上記プランジャポンプのピストンロッド(2a)の他端に「上記油圧シリンダ用の油圧ピストン(7)」が装着されていて、
該油圧シリンダが、ピストンロッド(2a)を共用して、前記プランジャポンプのピストン(2)を往復駆動するようになっていることを特徴とする、請求項6ないし請求項10の何れかに記載した泥水濃縮ポンプ装置。
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