JP2004351383A - 凍結濃縮装置 - Google Patents

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義人 白井
Minato Wakizaka
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Abstract

【課題】本発明は、著しく高濃度の濃縮液が得られるとともに懸濁物質の分離も容易に行うことができ、また単位時間あたりに得られる濃縮液量を増やすことができ濃縮効率に優れ、さらにエネルギー効率を高めることができる溶液の凍結濃縮装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の凍結濃縮装置は、溶液を貯留する複数の溶液槽と、前記溶液槽の各々に配設され凍結物を生成する凍結部と、前記溶液槽の各々に配設され前記凍結物に気体又は蒸気を吹き付けて前記凍結物を融解させる融解部と、前記凍結物が所定の融解速度V及び/又は融解時間Tで融解されるように前記気体又は前記蒸気の温度,流速等を調整する融解調整手段と、前記凍結部と前記融解部の作動と停止とを切り換える切換部と、を備える。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液に溶解している溶質を濃縮する凍結濃縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、天然物、発酵醸造物等の液状食品、汚泥,発酵醸造残渣等の溶質成分が溶解した溶液から、目的とする溶質成分の濃縮液を得るには、水分の除去が必要となる。
このような濃縮液を得る技術として、蒸発法、膜濃縮法、電気透析法、凍結濃縮法等の濃縮操作が用いられている。なかでも、凍結濃縮法は、溶液を部分的に凍結させて水分を氷(固体)として分離し溶質を濃縮する方法であり、他の濃縮操作に比べ溶質成分の均一な濃縮が可能、低沸点物質(芳香成分等)の保持や溶質の熱変性が起こり難い等の特性を有し、高品質の濃縮液を得ることができる。
しかしながら、凍結濃縮法は、濃縮液と氷との分離を行うための操作条件や装置が複雑化し操作性や作業性に欠けるという問題を有している。また、装置全体が大型化するとともに装置コストが高くなるという問題を有している。さらに、凍結・融解に時間を要し単位時間当たりの処理量が少なくエネルギー効率が低く濃縮効率が低いという問題を有している。
そこで、近年、これらの問題点を解決する研究が種々なされている。
【0003】
例えば、(特許文献1)に「処理液体を過冷却状態に冷却する過冷却器と、前記過冷却器から送られた処理液体の過冷却を解除するとともに氷と処理液体の濃縮液とに分離する固液分離装置と、を備えた濃縮ユニットを複数段連続して設け、濃縮ユニットによって処理液体を順次濃縮していく凍結濃縮システム」が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−137610号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、過冷却状態に冷却した処理液体を衝突板に衝突させ過冷却状態を解除して氷と濃縮液との固液混相流を生成するので、処理流体は瞬間的に凍結され氷中に溶質が取り込まれ易く、固液分離装置で氷と分離された濃縮液の濃縮率が低いという課題を有していた。
(2)処理液体が瞬間的に凍結されるので懸濁物質を懸濁状態でそのまま取り込み、融解時に懸濁状態でそのまま融解されるので、懸濁物質を濃縮液から選択的に除去することが困難で、懸濁物質が濃縮液に含有されるという課題を有していた。
(3)1段の濃縮ユニットでは濃縮率が低いため複数段の濃縮ユニットを設けなければならず、このため構成が複雑になり装置の価格が高くなるとともに装置が大型化するという課題を有していた。
(4)濃縮ユニット毎に冷凍機が必要なので、凍結物を得るために多量のエネルギーを要しエネルギー効率が低いという課題を有していた。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、著しく高濃度の濃縮液が得られるとともに懸濁物質の分離も容易に行うことができ、また単位時間あたりに得られる濃縮液量を増やすことができ濃縮効率に優れ、さらにエネルギー効率を高めることができる溶液の凍結濃縮装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために本発明の凍結濃縮装置は、以下の構成を有している。
【0008】
本発明の請求項1に記載の凍結濃縮装置は、溶液を貯留する複数の溶液槽と、前記溶液槽の各々に配設され前記溶液を冷却して凍結物を生成する凍結部と、前記溶液槽の各々に配設され前記凍結物に気体又は蒸気を吹き付けて前記凍結物を融解させ前記溶液の濃縮液を生成する融解部と、前記融解部の上流側に配設され前記凍結物が(数3)を満足する融解速度V及び/又は(数4)を満足する融解時間Tで融解されるように前記気体又は前記蒸気の温度,流速,流量のいずれか1以上を調整する融解調整手段と、1の前記溶液槽に配設された前記凍結部が作動している間は1の前記溶液槽に配設された前記融解部による融解を停止させるとともに、他の前記溶液槽に配設された前記凍結部による凍結を停止させ他の前記溶液槽に配設された前記融解部を作動させて前記凍結物を融解する切換部と、を備えた構成を有している。
【数3】
Figure 2004351383
【数4】
Figure 2004351383
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)溶質が溶解した溶液は凝固点降下を示すので、溶液を凍結させると凍結部の表面の自由水から凍結し針状の氷結晶が成長する。氷結晶の近傍の溶液は自由水が少なくなって溶質の濃度が高まるので、さらに凝固点が降下し凍結し難くなる。その一方で氷結晶は、氷結晶の近傍の自由水を凍結させ成長していく。氷結晶の間隙に存在する高濃度の溶液は、成長した氷結晶に取り囲まれ氷結晶間に捕捉されるので、凍結物は、溶質が濃縮した高濃度部分と氷結晶とが点在した構造になる。凍結物を(数3)の融解速度や(数4)の融解時間で融解する融解調整手段を備えているので、融解部から気体や蒸気を凍結物に吹き付けると、凍結物の外側の凝固点が低い高濃度部分に接する氷結晶の界面から緩慢に融解し始める。氷結晶は針状に成長しているので凍結物は氷結晶の界面に沿って次々に融解され、融解の初期段階では、氷結晶に捕捉されていた凝固点の低い高濃度部分が流れ出し、著しく高濃度の濃縮液を得ることができる。
(2)溶液が懸濁物質を含有している場合は、凍結部の表面の自由水が凍結し針状の氷結晶が成長していくと、懸濁物質のフロックが氷結晶の間隙に集まりフロック群ができ始め、自由水はフロックの移動とは逆に氷結晶の表面に移動していく。氷結晶の成長が進むと氷結晶の間隙のフロック群が増加するとともに、フロック群が有する結合水が凍結し氷結晶中に取り込まれるため脱水されフロック群が収縮し、さらに氷結晶の膨張圧力を受け圧縮され高密度の粗大粒子化し凍結物内に固定化される。このため、懸濁物質の粗大粒子は、多量の氷結晶が存在する融解の初期段階では氷結晶間に捕捉されて流出し難く、若しくは流出した懸濁物質の粗大粒子をフィルタ等の固液分離装置等で除去・分離することによって懸濁物質を容易に分離させることができる。
(3)切換部を備えているので、1の溶液槽に配設された凍結部で溶液を冷却している間に他の溶液槽に配設された凍結部で凍結させた凍結物を融解させ溶質を濃縮させることができ、単位時間あたりに得られる濃縮液量を増やすことができるとともに、装置全体のエネルギー効率を高めることができる。
(4)複数の溶液槽を備えているので、1の溶液槽で得られた濃縮液を他の溶液槽でさらに濃縮させることができ、濃縮効率を高めることができる。
(5)融解調整手段を備え融解部が凍結物を緩慢に融解するので、溶液の組成や濃度等の性質を問わずに溶質を凍結濃縮することができ応用性に優れる。
【0009】
ここで、溶液としては、コーヒー,ジュース,果汁,出し汁等の液状食品、食品加工工場の廃液,焼酎製造工場の廃液等の再資源化等が可能な1種乃至複数種の有用な溶質成分が溶解した溶液、アミノ酸溶液等の医薬品、バイオマスを燃料化等によって資源化したスラリーや溶液、有機性や無機性の汚泥等が用いられる。
【0010】
凍結部としては、1乃至複数の平板状,ブロック状,ジャケット状等に形成され冷凍機によって冷却された冷媒が内部を流れることによって表面が冷却され、凍結部の表面から氷結晶が成長していくものが用いられる。
【0011】
冷凍機としては、冷媒循環路に配設されフロン,アンモニア,ブライン等を冷媒とする蒸気圧縮式冷凍機、吸収式冷凍機、空気サイクル冷凍機、ボルテックスチューブ、電子冷凍機等の−100℃程度まで冷却可能な冷凍機、空気,ヘリウム,窒素等を冷媒としこれらの圧縮ガスを熱交換器で冷却しエクスパンダーによって低温を発生する冷凍サイクルを用い−150℃程度より低温まで冷却可能な冷凍機等が用いられる。
【0012】
融解部としては、温風等に気体や蒸気を溶液槽内で生成された凍結物に送風する送風口を有するものが用いられ、具体的にはノズル,散気管等が用いられる。溶液槽内に整流板等を配設して溶液槽内を流れる気体等を滞留させ難くして、凍結物の表面全体に気体等を行き渡らせるようにすることもできる。
【0013】
融解調整手段としては、融解部の上流側や下流側に配設され、融解部から凍結物に吹き付けられる気体や蒸気の温度,流速,流量のいずれか1以上を調整するものが用いられる。具体的には、融解部の下流側に配設され気体や蒸気が通過する間に流速が調整されるとともに分散される繊維状体や多孔質体等からなるフィルタ,融解部の上流側に接続された気体・蒸気供給管に配設された可変式の送風機等の流速調整装置、気体・蒸気供給管に配設された流量調整弁やオリフィス等の流量調整装置、気体・蒸気供給管に配設され気体や蒸気を加熱したり冷却する温度調整装置が用いられる。
【0014】
融解調整手段によって調整される凍結物の融解速度V(g/分)を示す(数3)は、以下に示す実験から次のようにして誘導された。
溶液としてヤシ油の製造廃液を用い、この溶液を製氷皿に入れ−18℃の冷凍庫内で12時間凍結させ凍結物を得た。1個の凍結物の寸法は約25×25×32mmであり、1個の凍結物の重量は約20gであった。この凍結物10個ずつを開口部の大きさが1×1mmの網状に形成された合成樹脂製のメッシュの上に置き、10〜90℃の種々の温度に保たれた恒温槽内に入れて種々の融解速度で全て融解させ、メッシュを通過した融解液を採取した。凍結物10個を融解して採取された単位時間あたりの融解液の量を融解速度とした。融解液は、融解液の全量を時系列的に10等分し、前半の5等分の融解液(以下、融解前半の融解液という)と、後半の5等分の融解液(以下、融解後半の融解液という)に分けて採取した。
なお、凍結融解前に測定した溶液のpHは3.8であり、懸濁物質は26000mg/Lであり、CODは54000mg/Lであった。なお、懸濁物質の測定、融解液(懸濁物質を除去した後の融解液)のCODの測定は、APHA AWWA WPCF:”Standard Methods for the Examination of Water and Wastewater”(1985)に基づいて行った。
【0015】
次に、得られた融解液について、融解前半の融解液、融解後半の融解液、及び凍結融解前の溶液のCOD及び導電率を各々測定し、融解前半及び融解後半の融解液のCOD又は導電率を凍結濃縮前の溶液のCOD又は導電率で除したものを濃縮率とした。従って、濃縮率が1より大きければ濃縮されていることを意味し、1より小さければ希釈されていることを示している。なお、導電率の測定は、ECメータ(CM−14P、TOA製)を用いて行った。
その結果を図1に示す。図1は、融解速度と濃縮率との関係を示す図である。図中、○は融解前半の融解液の濃縮率を示し、×は融解後半の融解液の濃縮率を示している。
図1から、融解速度が7ml/分より遅くなると融解前半の融解液の濃縮率が大きくなり、特に5ml/分より遅くなると、より顕著になることがわかった。融解後半の融解液は、これとは逆に、融解速度が7ml/分より遅くなると濃縮率が低くなり(希釈されており)、特に5ml/分より遅くなると、より顕著になることがわかった。また、融解速度が0.5ml/分より遅くなるにつれ得られる融解液の量が少なく作業性に欠ける傾向がみられ、特に0.1ml/分より遅くなるとこの傾向が著しくなることもわかった。
【0016】
次に、採取された融解液の全量(融解前半と融解後半の融解液を合わせたもの)中の懸濁物質の量を測定した。
その結果を図2に示す。図2は、融解速度と融解液中の懸濁物質の濃度及び融解液中の懸濁物質の除去率との関係を示す図である。
図2から、融解速度が遅くなるにつれ融解液中の懸濁物質の量が少なくなり、融解液から懸濁物質が除去される傾向が高まることが明らかになった。このことは、融解速度が遅くなるにつれ凍結物中で粗大粒子化した懸濁物質が崩壊し難く、メッシュで除去されていることを示している。よって、溶液の凍結物の融解速度を遅くすることにより、溶液中に含まれる懸濁物質をフィルタ等の固液分離装置等で容易に除去・分離することができる。
【0017】
ここで、10個の凍結物の全表面積は332.5cmであり、凍結物の表面の氷結晶から融解していくため、凍結物の氷結晶が融解する線速度をV(cm/分)とすると、融解速度が7ml/分の場合はV=7÷332.5=0.0211cm/分となり、同様にして融解速度が5ml/分の場合はV=0.0150cm/分となり、融解速度が0.5ml/分の場合はV=0.0015cm/分となり、融解速度が0.1ml/分の場合はV=0.0003cm/分となる。よって、V=0.0211(cm/分)好ましくは0.0150(cm/分)の閾値以下、かつ、0.0003(cm/分)好ましくは0.0015(cm/分)の閾値以上で緩慢に融解することにより、高い濃縮率と懸濁物質の高い除去率とが得られ、さらに作業性に優れることがわかった。
なお、これらの閾値は、ヤシ油の製造廃液だけでなく、コーヒー,ジュース,果汁,出し汁等の液状食品、有機性や無機性の汚泥等の他の溶液についても、同様の結果が得られた。
【0018】
一方、凍結物の融解速度V(g/分)は、V:氷結晶が融解する線速度(cm/分)、ρ:氷の密度(g/cm)、A:凍結物の表面積(cm)とすると、V=ρ・V・A…(式1)と表すことができる。
以上のことから、V≦0.0150(cm/分)、V≦0.0211(cm/分)、V≧0.0015(cm/分)、V≧0.0003(cm/分)、0℃,1気圧における氷の密度ρ=0.917g/cmを(式1)に代入して、(数3)を導くことができる。
【0019】
また、凍結物の全体を融解するのに必要な融解時間T(分)は、(式1)の導入に加え、W:凍結物の重量(g)とすると、T=W/V=W/(ρ・V・A)…(式2)と表すことができる。V≦0.0150(cm/分)、V≦0.0211(cm/分)、V≧0.0015(cm/分)、V≧0.0003(cm/分)、0℃,1気圧における氷の密度ρ=0.917g/cmを(式2)に代入して、(数4)を導くことができる。
【0020】
切換部としては、各々の凍結部に接続されたいずれの冷凍機を作動させるかを選択する切換スイッチ、冷凍機が配設された冷媒循環路に複数配設された凍結部のいずれに冷媒を流すかを選択する冷媒循環路に配設されたバルブ、融解部の上流側の気体や蒸気の流路に配設され該流路を開閉する開閉弁等が用いられる。
【0021】
なお、溶液槽の下流側にフィルタやメッシュ等の固液分離装置を配設して、凍結物が融解して生成された濃縮液を通過させて、濃縮液に含まれる粗大粒子化した懸濁物質を分離することができる。
【0022】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の凍結濃縮装置であって、前記溶液槽の内部又は下流部に配設され前記凍結物が融解して生成した前記濃縮液の液量及び/又は溶質量を検出する検出部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)溶液槽の内部又は下流部に配設され生成した濃縮液の液量や溶質量を検出する検出部を備えているので、濃縮液の液量を検出することで凍結物の融解速度等の確認を行うことができ、溶質量を検出することで濃縮率の検出を行うことができる。これにより、凍結物の融解速度が速いと検出されたときは融解調整手段を作動させて融解速度等の調整を行い、濃縮率が低いと検出されたときは、融解調整手段を作動させて融解速度等の調整を行うか、濃縮液として回収せずに原料の溶液タンクに戻したり廃棄物として処理することにより、高濃度の濃縮液だけを回収するようにできる。融解時間が経過するにつれて、凝固点が低い高濃度部分に接する氷結晶の界面だけでなく氷結晶自体も融解し始めるので、濃縮率の低い濃縮液が生成するからである。
【0023】
ここで、検出部としては、濃縮液の液量を測定する液量計、濃縮液の質量を測定することで液量を検出する質量計、濃縮液中の溶質量の変化を光学的検出手段で間接的に検出する屈折率計等、濃縮液中の溶存イオン量等によって決定される導電率,pH,酸化還元電位等を測定して間接的に溶質量を検出できる導電率計,pH計,酸化還元電位計等が用いられる。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の凍結濃縮装置であって、前記凍結物が融解する際に前記溶液槽内に発生する融解熱を系内に還元する融解熱還元手段を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)融解熱還元手段を備えているので、凍結物が融解される際に発生する融解熱を系内に還元することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
【0025】
ここで、融解熱還元手段としては、溶液槽に配設された融解熱採取口と、融解熱採取口に接続された融解熱輸送管と、を備えたものが用いられる。溶液槽内で発生した融解熱(凍結物が融解する際に吸収された熱量)は、融解部の上流側に供給され凍結物に吹き付けられる気体等の冷却等に用いることができる。夏場等で気温が高く温度の高い気体等を凍結物に吹き付けると凍結物が融解し易く融解速度が高くなってしまう場合に効果がある。また、融解熱は、冷凍機で用いる冷却水を冷却する冷水塔等に供給され冷凍機等の補助熱源として用いることができる。また、融解熱は、溶液槽の上流側や溶液槽の壁面等に供給され凍結される前の溶液を予め冷却するために用いることができる。
【0026】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の凍結濃縮装置であって、前記凍結部及び前記融解部が配設された前記溶解槽の2槽を一組とする基本ユニットを1乃至複数ユニット備え、前記切換部が、前記基本ユニット内で前記凍結部及び前記融解部の停止と作動を切り換える構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)溶解槽の2槽を一組とする基本ユニットを1乃至複数ユニット備え、基本ユニット内で凍結部と融解部の停止と作動を切り換えるので、制御や運転方法を簡素化することができる。
(2)基本ユニットを増やすだけで装置のスケールアップができ、処理できる溶液の量や得られる濃縮液の量を容易に増やすことができる。
【0027】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の凍結濃縮装置であって、前記切換部が、前記基本ユニット内で前記凍結部及び前記融解部の作動時間を15〜90分間好ましくは20〜60分間で交互に切り換える構成を有している。
この構成によって、請求項4で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)凍結部及び融解部の作動時間を15〜90分間好ましくは20〜60分間で交互に切り換えるので、単位時間当たりの濃縮液の生成量を高め濃縮効率を高めることができる。凍結物の融解が律速であり時間を要するとともに融解初期に得られる濃縮液の濃縮率が高いので、凍結速度の大きな時間の間だけ1の凍結部で凍結し、凍結速度が低下してきたら他の凍結部で凍結するように切り換えて効率良く凍結させることができ、その結果、凍結と融解のサイクルのバランスを最適にすることができるからである。
【0028】
ここで、凍結部及び融解部の作動時間は、以下に示す実験から次のようにして誘導された。
図3(a)は本実験で用いた凍結部の大きさと凍結物の寸法の測定箇所を示す模式図であり、図3(b)は本実験で用いた凍結部が配設された溶液槽の大きさを示す模式図である。なお、図3(a)、図3(b)における寸法の単位はmmである。
図4は凍結時間と凍結物(凍結部を含む)の寸法の関係を示す図であり、図5は凍結時間と液面の高さの関係を示す図であり、図6は凍結時間と凍結速度の関係を示す図である。
図3(a),図3(b)に示す溶液槽にステンレス製で平板状に形成された凍結部を配設した後、溶液槽に溶液としての麦焼酎の製造廃液(減圧蒸留粕)を3300cc注入した。このとき、溶液の液面の高さと凍結部の上面の高さとが同一になるようにした。次いで、凍結部に−20℃の冷媒(ブライン)を循環させ凍結部を冷却し、凍結部の表面に凍結物を生成した。所定の凍結時間経過後に、凍結物の寸法(a側及びb側)と、凍結物が生成されることによって上昇した液面の高さ(凍結前の液面との差)と、を測定した(図4、図5)。所定時間に上昇した液面の高さと溶液槽の底面積から算出される容積は、所定時間に生成した凍結物の体積に相当するので、所定時間に増加した凍結物の寸法(a側及びb側)を考慮して、凍結物の凍結速度を求めた(図6)。
図6に示すように、凍結物の凍結速度は、凍結開始から約30分で最大になり、その後経時的に減少していくことが明らかになった。これは、氷結晶の成長に伴って伝熱抵抗が増大することによるものであると推察している。
なお、麦焼酎の製造廃液以外のコーヒー,ジュース,果汁,出し汁等の液状食品等の溶液でも同様の実験を行ってみたが、同様の結果が得られた。
【0029】
この結果、凍結部と融解部の作動時間を15〜90分間好ましくは20〜60分間で切り換えることにより、単位時間当たりの濃縮液の生成量を高め濃縮効率を高めることができることがわかった。凍結物の融解が律速であり時間を要するとともに融解初期に得られる濃縮液の濃縮率が高いので、凍結速度の大きな15〜90分間好ましくは20〜60分間で凍結・融解の切り換えを行えば、濃縮率の高い濃縮液が多量に得られる凍結と融解のサイクルのバランスを最適にすることができるからである。
【0030】
なお、凍結部及び融解部の作動時間が20分より短くなるにつれ凍結量と融解量が少なく凍結物を融解して得られる濃縮液の量が少なくなり濃縮効率が低下する傾向がみられ、90分より長くなるにつれ凍結速度がピークを超えて経時的に低下するため単位時間当たりに得られる凍結物の量が少なくなり凍結物を融解して得られる濃縮液の量が少なくなり濃縮効率が低下する傾向がみられる。特に、15分より短くなるか90分より長くなると、これらの傾向が著しくなるので、いずれも好ましくない。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図7は、本発明の実施の形態1における凍結濃縮装置のシステム構成図である。
図中、1は実施の形態1における凍結濃縮装置、2はフロン,アンモニア,窒素等を冷媒とする蒸気圧縮式冷凍機、吸収式冷凍機、空気サイクル冷凍機等の冷凍機、3は冷凍機2の蒸発器、4は冷凍機2の蒸発器3との間で熱交換を行い蒸発器3内の冷媒を蒸発させ冷却する凝縮器である。
5は蒸発器3に接続された冷媒循環路、6は蒸発器3で冷却された冷媒が流れる冷媒循環路5の冷媒往路、7は熱交換された冷媒を蒸発器3に戻す冷媒循環路5の冷媒復路、8は冷媒往路6に配設され冷媒循環路5内の冷媒を蓄える冷媒タンク、9は冷媒タンク8の下流側の冷媒往路6に配設され冷媒を送る冷媒ポンプ、10は冷媒ポンプ9の下流側の冷媒往路6に配設され冷媒往路6を開閉する切換部としての第1バルブ、11は第1バルブ10の下流側の冷媒往路6に接続され熱交換を行う第1凍結部、12は第1凍結部11が略中央に配設され液状食品等の溶液を貯留する1の溶液槽としての第1溶液槽であり、第1凍結部11は第1溶液槽12内に導入された溶液を凍結して凍結物を生成する。
【0032】
12aは第1溶液槽12の底部に接続された第1溶液菅、12bは第1溶液菅12aに配設され第1溶液菅12aを開閉する開閉弁、12cは濃縮液の液量を測定する液量計、濃縮液の質量を測定する質量計、濃縮液中の溶存イオン量等によって決定される導電率,pH,酸化還元電位等を測定して間接的に溶質量を検出する導電率計,pH計,酸化還元電位計等の検出部、13は第1凍結部11の下流側の冷媒復路7に配設され冷媒復路7を開閉する切換部としての第2バルブ、14は冷媒ポンプ9の下流側の冷媒往路6から分岐する冷媒循環路5の一部の冷媒往路分岐菅、15は冷媒往路分岐菅14に配設され冷媒往路分岐菅14を開閉する切換部としての第3バルブ、16は第3バルブ15の下流側の冷媒往路分岐菅14に接続され熱交換を行う第2凍結部、17は第2凍結部16が略中央に配設され液状食品等の溶液を貯留する他の溶液槽としての第2溶液槽であり、第2凍結部16は第2溶液槽17内に導入された溶液を凍結して凍結物を生成する。17aは第2溶液槽17の底部に接続された第2溶液菅、17bは第2溶液菅17aに配設され第2溶液菅17aを開閉する開閉弁、17cは液量計,質量計,屈折率計,導電率計,pH計,酸化還元電位計等の検出部、18は第2バルブ13の下流側の冷媒復路7と第2凍結部16とを接続する冷媒循環路5の一部の冷媒復路分岐菅、19は冷媒復路分岐菅18に配設され冷媒復路分岐菅18を開閉する切換部としての第4バルブである。
【0033】
20は凝縮器4に接続された冷却水循環路、21は冷却水循環路20に配設され冷却水を冷却する冷却塔、22は凝縮器4で温められた冷却水を冷却塔21に供給する冷却水循環路20の冷却水往路、23は冷却塔21で冷却された冷却水を凝縮器4に戻す冷却水復路、24は冷却水往路22に配設され冷却水を送る冷却水ポンプ、25は冷却水ポンプ24の下流側の冷却水往路22から分岐した冷却水往路分岐菅、26は冷却水往路分岐菅25に配設された第1熱交換器、27は第1熱交換器26の下流側に配設され冷却水往路分岐菅25が分岐した冷却水往路22の下流側と接続する冷却水戻り菅、28は冷却水往路22と冷却水戻り菅27との接続部に配設された三方弁、29は三方弁28の下流側の冷却水往路22と冷却水復路23とを接続するバイパス菅、30はバイパス菅29と冷却水復路23との接続部に配設された三方弁である。
【0034】
31は空気等の気流や蒸気を発生する気流発生装置や蒸発装置等の気体・蒸気発生装置、32は下流側に第1熱交換器26が配設された気体・蒸気供給菅、33は第1熱交換器26の下流側の気体・蒸気供給菅32に配設された第2熱交換器、34は第2熱交換器33に冷却水循環路20を流れる冷却水よりも高温の蒸気を供給する蒸気供給菅、35は第2熱交換器33の上流側の蒸気供給菅34に配設された流量調整弁、36は第2熱交換器33の下流側の気体・蒸気供給菅32に配設された送風機、37は送風機36の下流側の気体・蒸気供給菅32に接続された第1気体・蒸気供給菅、38は第1気体・蒸気供給菅37に配設された切換部としての開閉弁、39は第1気体・蒸気供給菅37の下流の第1溶液槽12に配設され気体や蒸気が吹き出す散気管やノズル等の第1融解部、40は送風機36の下流側の気体・蒸気供給菅32に接続された第2気体・蒸気供給菅、41は第2気体・蒸気供給菅40に配設された切換部としての開閉弁、42は第2気体・蒸気供給菅40の下流の第2溶液槽17に配設され気体や蒸気が吹き出す散気管やノズル等の第2融解部、43は端部が第1溶液槽12及び第2溶液槽17の融解熱採取口に接続され他端部が冷却塔21に接続された融解熱還元手段としての融解熱輸送管である。
【0035】
50は冷却水ポンプ24の上流側の冷却水往路22を流れる冷却水の水温を測定する温度検出器であり、温度検出器50が検出した水温に基づいて三方弁30の開度が調整される。51は第1熱交換器26の下流側で第2熱交換器33の上流側の気体・蒸気供給菅32を流れる気体や蒸気の温度を測定する温度検出器であり、温度検出器51が検出した温度に基づいて三方弁28の開度が調整される。52は第2熱交換器33の下流側の蒸気供給菅34を流れる蒸気の温度を測定する温度検出器、53は第2熱交換器33の下流側の気体・蒸気供給菅32を流れる気体や蒸気の温度を測定する温度検出器であり、温度検出器53が検出した温度に基づいて流量調整弁35の開度が調整される。
ここで、実施の形態1においては、第1融解部39及び第2融解部42の上流側に接続された気体・蒸気供給管32に配設され気体や蒸気の温度を調整する第1熱交換器26や第2熱交換器33、気体・蒸気供給管32に配設され気体や蒸気の流速を調整する送風機36が融解調整手段を構成している。
なお、第1融解部39及び第2融解部42が発生する気体や蒸気は、凍結物を(数5)を満足する融解速度V(g/分)及び/又は(数6)を満足する融解時間T(分)で融解する。
【数5】
Figure 2004351383
【数6】
Figure 2004351383
【0036】
また、第1凍結部11及び第2凍結部16で冷却して溶液を凍結させる時間、及び、第1融解部39及び第2融解部42で凍結物を融解させる時間が15〜90分間好ましくは20〜60分間になるように、切換部を構成する第1バルブ10、第2バルブ13、第3バルブ15、第4バルブ19、開閉弁38,41を開閉する。
【0037】
以上のように構成された本発明の実施の形態1における凍結濃縮装置について、以下それを用いた溶液の凍結濃縮方法について説明する。
まず、開閉弁12b,17bを開弁して、図示しない溶液タンクに貯留されているコーヒー,ジュース,果汁,出し汁等の液状食品等の溶液を第1溶液管12aと第2溶液管17aを介して第1溶液槽12と第2溶液槽17の各々に導入する。開閉弁12b,17bを閉止した後、第1バルブ10,第2バルブ13を全開、第3バルブ15,第4バルブ19を閉止した後、冷凍機2,冷媒ポンプ9,冷却水ポンプ24,冷却塔21を駆動する。これにより、冷却された冷媒が冷媒循環路5を循環し第1凍結部11が冷却され、第1溶液槽12に貯留された溶液中の自由水が第1凍結部11の表面で凍結し氷結晶が成長し凍結物が生成される(第1凍結工程)。
第1凍結部11で溶液を15〜90分間好ましくは20〜60分間凍結させた後、第1バルブ10,第2バルブ13を閉止、第3バルブ15,第4バルブ19を全開にして、第1凍結部11の冷却を停止して第2凍結部16の冷却を開始する(第2凍結工程)。同時に、開閉弁12bを開弁して凍結物の周囲に残留している未凍結の溶液を第1溶液槽12の底部の第1溶液菅12aから排出する。この未凍結の溶液の溶質濃度は、凍結前の溶液の溶質の濃度とほぼ同じなので、第1溶液管12aから図示しない溶液タンクに戻す。
【0038】
次に、気体・蒸気発生装置31を作動させて気体・蒸気供給菅32に気体等を供給するとともに送風機36を駆動し、開閉弁41を閉止し開閉弁38を開弁する。これにより気体・蒸気供給菅32から供給された気体等を第1気体・蒸気供給菅37を通じて第1融解部39から凍結物に供給し凍結物を(数5)の融解速度及び/又は(数6)の融解時間で融解する。凍結物は表面の氷結晶から融解し、氷結晶の界面に存在する高濃度の溶質を含んだ濃縮液が、第1溶液菅12aの図示しない分岐管に接続する図示しない濃縮液タンクに回収される(第1融解回収工程)。なお、第1融解回収工程において凍結物を融解する際に発生する融解熱は、融解熱輸送管43から系内の冷却塔21に還元され、冷凍機2の補助熱源として用いられる。
【0039】
第1溶液管12aを流れる濃縮液は、第1溶液管12aに配設された検出部12cで濃縮液の液量や濃度等の検出が行われる。この結果、融解速度や融解時間が所定範囲でなく設定通りの濃縮液の液量や濃度が得られていない場合は、温度検出器51の設定温度を調整することにより三方弁28を作動させ冷却水往路分岐管25,第1熱交換器26,冷却水戻り管27に冷却水を循環させて、気体・蒸気供給管32を流れる気体等の温度を調整し、凍結物の融解速度や融解時間を調整する。融解速度を速くしたり融解時間を短くしたいときは、気体・蒸気供給管32を流れる気体等の温度をさらに高めるために、温度検出器53の設定温度を調整することにより蒸気供給管34に冷却水循環路20を流れる冷却水よりも高温の蒸気を供給して第2熱交換器33で熱交換を行い、気体・蒸気供給管32を流れる気体等の温度を調整する。また、送風機36の回転数を調整することにより気体等の流量や流速を調整して凍結物の融解速度等を調整することもできる。これらは手動で行ってもよいし、検出部12cと連動させて自動的に行うこともできる。
【0040】
凍結物が融解して生成される濃縮液の濃縮率は経時的に低下していく。氷結晶の融解に伴って溶質が希釈されるからである。そのため、濃縮液の濃度が凍結前の溶液の溶質の濃度と略同一になったものは、第1溶液管12aから図示しない溶液タンクに戻す。凍結前の溶液の溶質の濃度より低くなった融解液は、第1溶液管12aの図示しない分岐管から系外に排出され廃棄物等として処理される。なお、融解液中の溶質の濃度が凍結前の溶液の溶質の濃度より低くなった場合は、第1融解部39から凍結物に吹き付ける気体や蒸気の流量や温度等を上げて、速い融解速度で凍結物を融解してもよい。濃縮液の濃縮液に影響を与えないからであるとともに、第1凍結部11の表面に付着している凍結物を完全に融解させ、新たな溶液の凍結に備えることができるからである。
【0041】
第1融解部39で凍結物の融解を開始してから、及び、第2凍結部16で溶液の凍結を開始してから、15〜90分間好ましくは20〜60分間経過した後、再び図示しない溶液タンクから第1溶液管12aを介して第1溶液槽12に溶液を導入する。
次いで、第1バルブ10,第2バルブ13を全開、第3バルブ15,第4バルブ19を閉止して第2凍結部16の冷却を停止して第1凍結部11の冷却を開始する(第1凍結工程)。同時に、開閉弁17bを開弁して凍結物の周囲に残留している未凍結の溶液を第2溶液槽17の底部の第2溶液菅17aから排出する。次いで、開閉弁38を閉止し開閉弁41を開弁する。これにより気体・蒸気供給菅32から供給された所定の温度や流量、流速に調整された気体等を第2気体・蒸気供給菅40を通じて第2融解部42から凍結物に供給し、凍結物を(数5)の融解速度及び/又は(数6)の融解時間で融解する。凍結物は表面の氷結晶から融解し、氷結晶の界面に存在する高濃度の溶質を含んだ濃縮液が、第2溶液菅17aの図示しない分岐管に接続する図示しない濃縮液タンクに回収される(第2融解回収工程)。これらの工程を繰り返すことにより高濃度の濃縮液を得ることができる。
【0042】
以上のように、実施の形態1における凍結濃縮装置は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)溶質が濃縮した高濃度部分と氷結晶とが点在した構造の凍結物を(数5)の融解速度や(数6)の融解時間で融解する融解調整手段を備えているので、融解部から気体や蒸気を凍結物に吹き付けると、凍結物の外側の凝固点が低い高濃度部分に接する氷結晶の界面から緩慢に融解し始める。氷結晶は針状に成長しているので凍結物は氷結晶の界面に沿って次々に融解され、融解の初期段階では、氷結晶に捕捉されていた凝固点の低い高濃度部分が流れ出し、著しく高濃度の濃縮液を得ることができる。
(2)溶液が懸濁物質を含有している場合は、懸濁物質の結合水が凍結によって脱水され収縮するとともに氷結晶の膨張圧力を受け圧縮され、懸濁物質は高密度の粗大粒子化し凍結物内に固定化される。このため、懸濁物質を濃縮液中に流出させ難くすることができ、懸濁物質の除去も行うことができる。
(3)切換部を備えているので、1の溶液槽に配設された凍結部で溶液を冷却している間に他の溶液槽に配設された凍結部で凍結させた凍結物を融解させ溶質を濃縮させることができ、単位時間あたりに得られる濃縮液量を増やすことができるとともに、装置全体のエネルギー効率を高めることができる。
(4)複数の溶液槽を備えているので、1の溶液槽で得られた濃縮液を他の溶液槽でさらに濃縮させることができ、濃縮効率を高めることができる。
(5)融解調整手段を備え融解部が凍結物を緩慢に融解するので、溶液の組成や濃度等の性質を問わずに溶質を凍結濃縮することができ応用性に優れる。
(6)融解調整手段の一つとして、冷凍機の冷却水循環路を流れる冷却水を用いて気体や蒸気の温度調整を行うので、系内のエネルギー効率を高め省エネルギー性を高めることができる。
(7)生成した濃縮液の液量や溶質量を検出する検出部を備えているので、濃縮液の液量を検出することで凍結物の融解速度の確認を行うことができ、溶質量を検出することで濃縮率の検出を行うことができる。これにより、凍結物の融解速度が速いと検出されたときは融解調整手段を作動させて融解速度の調整を行い、濃縮率が低いと検出されたときは、融解調整手段を作動させて融解速度の調整を行うか、濃縮液として回収せずに原料の溶液タンクに戻したり廃棄物として処理することにより、高濃度の濃縮液だけを回収するようにできる。
(8)融解熱還元手段を備えているので、凍結物が融解される際に発生する融解熱を系内に還元することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
(9)融解熱輸送管が第1溶液槽や第2溶液槽と冷却塔とを接続しているので、凍結物が融解する際に発生する融解熱を冷却塔に還元して冷凍機の冷却効率を高めることができ、装置のエネルギー効率を高めることができる。
(10)融解時でも凍結部内には冷却された冷媒が残っているので、凍結部を低温に保持して溶液槽内も安定して低温に保持することができ、系内に還元される冷気(融解熱)が失われるのを防止することができる。
(11)切換部が、溶解槽の2槽を一組とする基本ユニット内で凍結部と融解部の作動時間を15〜90分間好ましくは20〜60分間で切り換えるので、単位時間当たりの濃縮液の生成量を高め濃縮効率を高めることができる。また、交互に切り換えるだけなので、制御や運転方法を簡便にすることができる。また、基本ユニットの数を増やすだけで、容易にスケールアップを行うことができる。
【0043】
なお、1の溶液槽12と他の溶液槽17を基本ユニットとして、この基本ユニットを複数配設し、切換部で基本ユニット内の凍結部及び融解部の作動及び停止を交互に切り換えるようにしてもよい。この場合には、冷凍機2は各基本ユニット毎に配設してもよいし、冷却能力が高い場合は複数の基本ユニットに1台の冷凍機を配設するようにしてもよい。
また、制御や運転方法は若干複雑になるが、1の溶液槽と他の複数の溶液槽とを備えた凍結濃縮装置にして、各々の凍結部と融解部を順次切り換えていくこともできる。
また、融解熱輸送管43が冷水塔21に接続された場合について説明したが、気体・蒸気供給管32に接続して気体等の冷却等に用いる場合もある。この場合は、夏場等で気温が高く気体等を冷却する必要がある場合に適している。また、図示しない溶液タンクに配設する場合もある。これにより、凍結される前の溶液を予め冷却することができる。いずれの場合も、凍結物が融解する際に発生する融解熱を有効に活用することができ系内のエネルギー効率を高めることができる。
また、第1溶液管12a,第2溶液管17aの下流側の図示しない濃縮液タンクの上流側にフィルタやメッシュ等の固液分離装置を配設する場合もある。これにより、濃縮液に含まれる粗大粒子化した懸濁物質を分離することができるという作用が得られる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施の形態1で説明した凍結濃縮装置を用いて、溶液の凍結濃縮を行った。溶液としては、焼酎の蒸留後の焼酎廃液を用いた。焼酎廃液の糖濃度は10.0%であった。
焼酎廃液を第1溶液槽及び第2溶液槽に貯留した後、第1凍結部で第1溶液槽内の焼酎廃液を90分間凍結させ凍結物を得た。なお、凍結物の表面積は、予備実験として同じ条件で生成された凍結物について測定したところ約565cmであり、重量は534gであった。
次いで、第1溶液槽内の未凍結液を排出した後、第1融解部から流速2m/s、温度27℃の温風を凍結物に90分間吹き付け、凍結物を融解させ40分間で160mLの濃縮液(初期)を回収した。この結果、凍結物を約4g/分の融解速度で融解したことになる。
【0045】
濃縮液(初期)の糖濃度を屈折率計を用いて測定したところ16.0%であった。また、融解開始から40〜70分で180mLの濃縮液(中期)を回収した。濃縮液(中期)の糖濃度は9.4%であった。また、融解開始から70〜90分で194mLの濃縮液(終期)を回収した。濃縮液(終期)の糖濃度は5.6%であった。濃縮液(初期)は高濃度の濃縮液として回収し、濃縮液(中期)は凍結濃縮前の溶液に混ぜて再処理を行い、濃縮液(終期)は廃棄物として処分した。同時に、第2凍結部で、第2溶液槽内の焼酎廃液を90分間凍結させ凍結物を得た。
次いで、第2溶液槽内の未凍結液を排出した後、第2融解部から流速2m/s、温度27℃の温風を凍結物に90分間吹き付け、凍結物を融解させ、同様に濃縮液(初期)、濃縮液(中期)、濃縮液(終期)を回収した。
1回目の操作で回収した濃縮液(初期)を含む溶液を再び溶液槽に導入し、同様の凍結・融解操作を3回繰り返して、焼酎廃液の濃縮液(初期)を100mL得た。得られた濃縮液の糖濃度は48%であり、凍結濃縮前の4.8倍であった。
以上のように本実施例によれば、著しく高濃度の濃縮液を効率よく得られることが明らかになった。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明の凍結濃縮装置によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)凍結物を所定の融解速度や融解時間で融解する融解調整手段を備えているので、凍結物の外側の凝固点が低い高濃度部分に接する氷結晶の界面から緩慢に融解し始め、融解の初期段階では、氷結晶に捕捉されていた凝固点の低い高濃度部分が流れ出し著しく高濃度の濃縮液を得ることができる濃縮効率に優れた凍結濃縮装置を提供することができる。
(2)溶液が懸濁物質を含有している場合は、懸濁物質のフロック群の結合水が凍結によって脱水され収縮し、さらに氷結晶の膨張圧力を受け圧縮され高密度の粗大粒子化し凍結物内に固定化されるので、融解の初期段階では流出し難く、若しくは流出した懸濁物質の粗大粒子をフィルタ等の固液分離装置等で除去・分離することによって懸濁物質を容易に分離させることができ高品質の濃縮液が得られる凍結濃縮装置を提供することができる。
(3)切換部を備えているので、1の溶液槽に配設された凍結部で溶液を冷却している間に他の溶液槽に配設された凍結部で凍結させた凍結物を融解させ溶質を濃縮させることができ、単位時間あたりに得られる濃縮液量を増やすことができ生産性に優れるとともに装置全体のエネルギー効率を高め省エネルギー性に優れた凍結濃縮装置を提供することができる。
(4)複数の溶液槽を備えているので、1の溶液槽で得られた濃縮液を他の溶液槽でさらに濃縮させることができ、濃縮効率を高めることができる凍結濃縮装置を提供することができる。
(5)融解調整手段を備え融解部が凍結物を緩慢に融解するので、溶液の組成や濃度等の性質を問わずに溶質を凍結濃縮することができ応用性に優れた凍結濃縮装置を提供することができる。
(6)融解調整手段を備え融解部が凍結物を緩慢に融解するので、溶液の組成や濃度等の性質を問わずに溶質を凍結濃縮することができるので、食品産業、排水等から有用な成分を分離濃縮する環境産業、医薬品産業、化学産業等種々の産業に適用可能な応用性に優れた凍結濃縮装置を提供することができる。
【0047】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)溶液槽の内部又は下流部に配設され生成した濃縮液の液量や溶質量を検出する検出部を備えているので、濃縮液の液量や溶質量を検出することで融解調整手段を作動させて融解速度等の調整を行うか、濃縮液として回収せずに原料の溶液タンクに戻したり廃棄物として処理することにより、濃縮液の濃縮率が低下するのを防止することができ高濃度で高品質の濃縮液が得られる凍結濃縮装置を提供することができる。
【0048】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)融解熱還元手段を備えているので、凍結物が融解される際に発生する融解熱を系内に還元することができ、エネルギー効率に優れ省エネルギー性に優れた凍結濃縮装置を提供することができる。
【0049】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)溶解槽の2槽を一組とする基本ユニットを1乃至複数ユニット備え、基本ユニット内で凍結部と融解部の停止と作動を切り換えるので、制御や運転方法を簡素化でき操作性に優れた凍結濃縮装置を提供することができる。
(2)基本ユニットを増やすだけで処理できる溶液の量や得られる濃縮液の量を容易に増やすことができ装置のスケールアップが容易な凍結濃縮装置を提供することができる。
【0050】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の効果に加え、
(1)凍結部及び融解部の作動時間を15〜90分間好ましくは20〜60分間で交互に切り換えるので、単位時間当たりの濃縮液の生成量を高めることができ濃縮効率に優れた凍結濃縮装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】融解速度と濃縮率との関係を示す図
【図2】融解速度と融解液中の懸濁物質の濃度及び融解液中の懸濁物質の除去率との関係を示す図
【図3】(a)本実験で用いた凍結部の大きさと凍結物の寸法の測定箇所を示す模式図
(b)本実験で用いた凍結部が配設された溶液槽の大きさを示す模式図
【図4】凍結時間と凍結物(凍結部を含む)の寸法の関係を示す図
【図5】凍結時間と液面の高さの関係を示す図
【図6】凍結時間と凍結速度の関係を示す図
【図7】実施の形態1における凍結濃縮装置のシステム構成図
【符号の説明】
1 凍結濃縮装置
2 冷凍機
3 蒸発器
4 凝縮器
5 冷媒循環路
6 冷媒往路
7 冷媒復路
8 冷媒タンク
9 冷媒ポンプ
10 第1バルブ
11 第1凍結部
12 第1溶液槽
12a 第1溶液菅
12b 開閉弁
12c 検出部
13 第2バルブ
14 冷媒往路分岐菅
15 第3バルブ
16 第2凍結部
17 第2溶液槽
17a 第2溶液菅
17b 開閉弁
17c 検出部
18 冷媒復路分岐菅
19 第4バルブ
20 冷却水循環路
21 冷却塔
22 冷却水往路
23 冷却水復路
24 冷却水ポンプ
25 冷却水往路分岐菅
26 第1熱交換器
27 冷却水戻り菅
28,30 三方弁
29 バイパス菅
31 気体・蒸気発生装置
32 気体・蒸気供給菅
33 第2熱交換器
34 蒸気供給菅
35 流量調整弁
36 送風機
37 第1気体・蒸気供給菅
38 開閉弁
39 第1融解部
40 第2気体・蒸気供給菅
41 開閉弁
42 第2融解部
43 融解熱輸送管
50,51,52,53 温度検出器

Claims (5)

  1. 溶液を貯留する複数の溶液槽と、
    前記溶液槽の各々に配設され前記溶液を冷却して凍結物を生成する凍結部と、
    前記溶液槽の各々に配設され前記凍結物に気体又は蒸気を吹き付けて前記凍結物を融解させ前記溶液の濃縮液を生成する融解部と、
    前記融解部の上流側に配設され前記凍結物が(数1)を満足する融解速度V及び/又は(数2)を満足する融解時間Tで融解されるように前記気体又は前記蒸気の温度,流速,流量のいずれか1以上を調整する融解調整手段と、
    1の前記溶液槽に配設された前記凍結部が作動している間は1の前記溶液槽に配設された前記融解部による融解を停止させるとともに、他の前記溶液槽に配設された前記凍結部による凍結を停止させ他の前記溶液槽に配設された前記融解部を作動させて前記凍結物を融解する切換部と、
    を備えていることを特徴とする凍結濃縮装置。
    Figure 2004351383
    Figure 2004351383
  2. 前記溶液槽の内部又は下流部に配設され前記凍結物が融解して生成した前記濃縮液の液量及び/又は溶質量を検出する検出部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の凍結濃縮装置。
  3. 前記凍結物が融解する際に前記溶液槽内に発生する融解熱を系内に還元する融解熱還元手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の凍結濃縮装置。
  4. 前記凍結部及び前記融解部が配設された前記溶解槽の2槽を一組とする基本ユニットを1乃至複数ユニット備え、前記切換部が、前記基本ユニット内で前記凍結部及び前記融解部の停止と作動を切り換えることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の凍結濃縮装置。
  5. 前記切換部が、前記基本ユニット内で前記凍結部及び前記融解部の作動時間を15〜90分間好ましくは20〜60分間で交互に切り換えることを特徴とする請求項4に記載の凍結濃縮装置。
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