JP2004351357A - 有害物質のリスクの環境経済性評価方法及び環境経済性評価プログラム - Google Patents

有害物質のリスクの環境経済性評価方法及び環境経済性評価プログラム Download PDF

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毅 山本
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Abstract

【課題】リスクアセスメントを十分に反映し、製品のライフサイクルにおけるヒト健康影響被害の経済性を評価することができる有害物質のリスクの環境経済性評価方法及び環境経済性評価プログラムの提供。
【解決手段】発がん性等の評価項目をその程度に応じてランク分類し、上記ランク分類とは別に難分解性等の評価項目をその程度に応じてカテゴリーに分類し、製品のライフサイクルの各段階に対して、ランクに対応付けられた計算式を用いて有害性をポイントとして算出すると共に、カテゴリーに対応付けられた重み付け係数を掛け合わせて総合ポイントを算出し、VOC(揮発性有機溶媒)に対して予め計算された環境経済性を参照して、総合ポイントの比率から有害物質の環境経済性を算出する。これによりライフサイクル全般について蓄積性の違いや間接暴露を加味して環境経済性を評価することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有害物質のリスクの環境経済性評価方法及び環境経済性評価プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
環境庁(環境省)のガイドライン(2000年報告)では、「企業が持続的発展を目指して、社会との良好な関係を保ちつつ環境保全への取り組みを効率的かつ効果的に推進していくことを目的として、企業活動における環境保全のためのコストと環境保全の取り組みにより得られた効果を可能な限り定量的(金額又は物量ベースで表示)に把握(測定)し、分析し、公表するための仕組み」を環境会計として定義し、社会における企業等の経済活動により生じる環境の負荷の低減ないしこれの保全果等に対しての、これらに必要なコストを金額に算定し、定量的に求める仕組みを整備することを提唱し、各企業等の「経済活動体」は、この仕組みを作る方向で検討に入っている(例えば、特開2002−342563号公報)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−342563号公報(第7−14頁、第6図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
環境会計においては環境保全効果の経済性評価だけが算出されている現状である。しかし、環境負荷低減対策の目的においては、有害物質のヒト健康影響の被害低減も重要な項目の1つである。そこで、ヒト健康影響被害の経済性評価手法の開発が検討されているが、特に現在の化学物質管理におけるリスクアセスメントの考えを反映させたモデルはまだ開発されていない。
【0005】
例えば、AIChE(American Institute of Chemical Engineers)が開発したTCA(Total Cost Assessment Methodology)の中では、有害物質の健康影響を一律に金額換算し、COのように単価を決めて計算したものが公表されている。又、健康被害の指標としては健康損失を損失余命から求める方法としてDALY(Disability Adjusted Life Years:障害調整生存年数)が開発されている。
【0006】
しかし、これらの方法では、有害物質の暴露によるライフサイクルのリスクアセスメントの考えが反映されていない。更にDALYでは、難分解性や蓄積性の有害物質が環境経由して間接的にヒトに暴露する際のリスクを評価できないというリスクアセスメント手法としての欠点がある。現在の国内外の環境法規における科学物質管理政策では、有害物質の評価は製品のライフサイクルにおけるリスクアセスメントの考えを根底としているため、上記の手法では評価方法として不十分である。
【0007】
また、LCAなど環境影響を製品のライフサイクルで評価する手法が知られているが、製品のライフサイクルにおけるヒト健康影響の経済性を評価する手法は知られていない。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、現在の国内外の環境法規における化学物質管理政策の思想、すなわちリスクアセスメントを十分に反映し、製品のライフサイクルにおけるヒト健康影響被害の経済性を評価することができる有害物質のリスクの環境経済性評価方法及び環境経済性評価プログラムを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の環境経済性評価方法は、所定の製品の製造に際して使用される有害物質のリスクの環境経済性を評価する方法であって、前記有害物質を、予め設定された評価項目の各々について強度毎に分類されたランクに振り分け、前記有害物質が振り分けられた前記ランクに対応付けられた計算式を用いて、前記有害物質の使用量から前記有害物質の有害性をポイントとして算出するものである。
【0010】
また、環境経済性評価方法は、所定の製品の製造に際して使用される有害物質のリスクの環境経済性を評価する方法であって、前記有害物質を、予め設定された濃縮性に関する評価項目の各々について程度毎に分類されたカテゴリーに振り分け、前記有害物質が振り分けられた前記カテゴリーに対応付けられた重み係数を用いて、前記有害物質の濃縮性を評価するものである。
【0011】
また、環境経済性評価方法は、所定の製品の製造に際して使用される有害物質のリスクの環境経済性を評価する方法であって、前記有害物質を、予め設定された評価項目の各々について強度毎に分類されたランクに振り分ける第1の工程と、前記有害物質を、予め設定された濃縮性に関する評価項目の各々について程度毎に分類されたカテゴリーに振り分ける第2の工程と、前記有害物質が振り分けられた前記ランクに対応付けられた計算式を用いて、前記有害物質の使用量から前記有害物質の有害性をポイントとして算出する第3の工程と、前記第3の工程で算出された前記有害性のポイントに、前記有害物質が振り分けられた前記カテゴリーに対応付けられた重み係数を掛け合わせる第4の工程と、前記製品のライフサイクルの各段階において、前記第1乃至第4の工程を実行し、前記有害物質のリスクに対する総合ポイントを算出する第5の工程と、所定の揮発性有機溶媒に対して、予め定められた方法を用いて算出された環境経済性の金額換算値を参照して、前記揮発性有機溶媒に対して算出された総合ポイントと前記有害物質の総合ポイントとの比率から、前記有害物質の環境経済性の金額換算値を算出する第6の工程と、を少なくとも有するものである。
【0012】
本発明においては、前記予め設定された評価項目は、発がん性、変異原性、生殖毒性、急性毒性、皮膚刺激性、眼刺激性、感作性、引火性、爆発性のいずれか一を含むことが好ましく、前記予め設定された濃縮性に関する評価項目は、難分解性、蓄積性、遠距離移動、有害性のいずれか一を含むことが好ましい。
【0013】
また、本発明の環境経済性評価プログラムは、コンピュータに、所定の製品の製造に際して使用される有害物質を、予め設定された評価項目の各々について強度毎に分類されたランクに振り分ける処理と、前記有害物質が振り分けられた前記ランクに対応付けられた計算式を用いて、前記有害物質の使用量から前記有害物質の有害性をポイントとして算出する処理と、を実行させるものである。
【0014】
また、本発明の環境経済性評価プログラムは、コンピュータに、所定の製品の製造に際して使用される有害物質を、予め設定された濃縮性に関する評価項目の各々について程度毎に分類されたカテゴリーに振り分ける処理と、前記有害物質が振り分けられた前記カテゴリーに対応付けられた重み係数を用いて、前記有害物質の濃縮性を評価する処理と、を実行させるものである。
【0015】
また、本発明の環境経済性評価プログラムは、コンピュータに、所定の製品の製造に際して使用される有害物質を、予め設定された評価項目の各々について強度毎に分類されたランクに振り分ける第1の処理と、前記有害物質を、予め設定された濃縮性に関する評価項目の各々について程度毎に分類されたカテゴリーに振り分ける第2の処理と、前記有害物質が振り分けられた前記ランクに対応付けられた計算式を用いて、前記有害物質の使用量から前記有害物質の有害性をポイントとして算出する第3の処理と、前記第3の処理で算出された前記有害性のポイントに、前記有害物質が振り分けられた前記カテゴリーに対応付けられた重み係数を掛け合わせる第4の処理と、前記製品のライフサイクルの各段階において、前記第1乃至第4の処理を実行し、前記有害物質のリスクに対する総合ポイントを算出する第5の処理と、所定の揮発性有機溶媒に対して、予め定められた方法を用いて算出された環境経済性の金額換算値を参照して、前記揮発性有機溶媒に対して算出された総合ポイントと前記有害物質の総合ポイントとの比率から、前記有害物質の環境経済性の金額換算値を算出する第6の処理と、を少なくとも実行させるものである。
【0016】
このように本発明は、有害物質の環境経済性評価に際して、発がんリスク、慢性毒性、変異原性、生殖毒性、急性毒性、皮膚刺激性、眼刺激性、感作性、引火性、爆発性などの評価項目についてその強度でランク分類し、ランクに対応付けられた計算式に従って有害物質の使用量からその有害性をポイントとして算出することにより、定量的な評価を可能とし、また、難分解性、蓄積性、遠距離移動、有害性などの濃縮性に関する評価項目についてその程度でカテゴリーに分類し、カテゴリーに対応付けられた重み付け係数を有害性のポイントに掛け合わせることにより、蓄積性などがある有害物質についても評価可能とすると共に、直接暴露のみならず間接暴露についても評価可能としている。更に、製品のライフサイクルの各段階において上記計算を行うことにより、ライフサイクル全体を加味した正確な環境経済性評価を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
従来技術で示したように、環境負荷の低減対策においては、有害物質のヒト健康影響の被害低減も重要な項目であり、有害物質全般に対してリスクアセスメントの考えを反映させたモデルはまだ開発されていないが、揮発性有機溶媒に関しては、以下のような方法がある。
【0018】
この方法は、まず、工場などの製造現場から大気に放出されるVOC(揮発性有機溶媒)の有害性を文献調査し、発がん性物質ならば発がんリスク、その他の有害性物質ならば慢性毒性のADI値(1日の許容摂取量)を確認した後、濃度拡散分布のシミュレーションソフトを使用して工場周辺地域へのVOC暴露濃度分布を算出し、支払い意思額(WTP)、発症確率、暴露が及ぶ人口から環境経済性を算出する方法である。
【0019】
この方法を用いることにより、有機溶媒などの周囲の媒体に拡散する物質に関しては環境経済性を評価することは可能であるが、この方法では、粉体や不揮発性液体などの化学物質に対する環境経済性を評価することができない。また、ある製品の工場での製造段階での評価に限定されてしまい、PCBのように蓄積性がある有害物質と蓄積性がない有害物質のリスクの違いを評価できないと共に、直接暴露の効果だけしか評価できないという問題がある。
【0020】
そこで、本願発明では、多様な有害物質に対して適用できるように、発がんリスクや慢性毒性のみならず、変異原性、生殖毒性、急性毒性、皮膚刺激性、眼刺激性、感作性、引火性、爆発性などの評価項目を考慮し、各々の評価項目の強度に応じてランク分類してランクに対応付けられた計算式に従って有害物質の使用量(年間使用量)から有害性をポイントとして計算する。そして、このランク分類とは別に濃縮性の程度に応じたリスクレベルを付与するために、難分解性、蓄積性、遠距離移動、有害性などの濃縮性に関する評価項目についてカテゴリーに分類してカテゴリーに対応付けられた重み付け係数を設定する。更に、製品のライフサイクルの各段階で上記有害性のポイントに上記重み付け係数を掛け合わせて総合ポイントを算出し、基準となる有害物質(揮発性有機溶媒)に対して予め算出された環境経済性の金額換算値を参照して、有害物質の総合ポイントと揮発性有機溶媒の総合ポイントととの比率から対象となる有害物質の環境経済性の金額換算値を求める。
【0021】
このような方法を用いることにより、揮発性有機溶媒に限らず粉体や固形状のものも評価することができると共に、製品のライフサイクルの各段階における環境経済性を評価することができる。更に、蓄積性のある有害物質と蓄積性のない有害物質との違いや間接暴露の効果を評価することも可能となり、汎用性の高い環境経済性評価手法を提供することができる。
【0022】
【実施例】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る有害物質のリスクの環境経済性評価方法及び環境経済性評価プログラムについて、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係る環境経済性評価の手順を示すフローチャート図であり、図2は、従来の環境経済性評価の手順を示すフローチャート図である。
【0023】
本発明の環境経済性評価方法の具体的手順を説明する前に、揮発性有機溶媒について行われている環境経済評価方法について概説し、それと対比しながら本発明の特徴を明確にする。従来の環境経済性評価方法は、図2のフローチャート図に示すように以下の3つのステップからなる。
【0024】
第1のステップ(ステップS201)は、有害物質のハザードの同定である。このステップでは、工場などの製造現場から大気に放出されるVOC(揮発性有機溶媒)の有害性を文献調査し、発がん性物質ならば発がんリスク、その他の有害性物質ならば慢性毒性のADI値(1日の許容摂取量)を確認する。
【0025】
第2のステップ(ステップS202)は、有害物質の暴露濃度の算出である。このステップでは、有害物質が製造現場(工場)から大気に放出されて、周辺住民がどの程度暴露するか定量的数値を算出する。リスクアセスメントにおける暴露量の計算は有機溶媒の拡散濃度分布を求めることによって得られる。例えば、リスクアセスメント手法として、米国EPAが開発したUSES、EUで開発されたEUSES及び日化協で開発されたchemPHESA21などが用いられる。このchemPHESA21は、フィジカルリスク評価、ヒト健康影響評価、環境生態影響評価、リスクマネジメントから成るが、ヒト健康影響評価の中の間接暴露−定常状態のモデルで計算する。
【0026】
第3のステップ(ステップS203)は、環境経済性の算定である。このステップでは周辺住民の疾病率を保険の考え方で金額換算する。計算に使用するファクターは、被害金額と疾病確率(発がん確率又は発症確率)と影響が及ぶ人口であり、被害金額としては、例えば、支払い意思額(WTP:Willingness to pay for risk reduction)が用いられ、疾病確率(発がん確率又は発症確率)としては、例えば、発がん性物質の場合、リスクアセスメントから求められる発がん確率、非発がん性物質の場合は、有害性物質の人への暴露量と毒性試験から得られた有害性が発現しない最低投与量の割合が用いられる。これらは、有害性物質が放出される個所から暴露を受ける人までの距離の関数になる。また、影響が及ぶ人口としては、例えば、有害性物質が放出され、その暴露を受ける周辺住民の人口が用いられ、これは有害性物質が放出されて暴露を受ける領域にいる人の数になる。そして、次式を用いて環境経済性を算出する。
【0027】
環境経済性=(被害金額)×(疾病確率(発がん確率又は発症確率))×(影響が及ぶ人口) …(1)
【0028】
これに対して、本発明の環境経済性評価方法は、図1のフローチャート図に示すように以下の5つのステップからなる。
【0029】
まず、第1のステップ(ステップS101)は、環境経済性評価の対象となる有害物質のハザードの同定である。このステップでは、上記従来方法と同様に有害物質の有害性を文献調査するが、本発明では、VOC(揮発性有機溶媒)のみならず各種有害物質に対して環境経済性評価ができるように、表1に示す評価項目(発がん性、変異原性、生殖毒性、急性毒性、皮膚刺激性、眼刺激性、感作性、引火性、爆発性など)について調査すると共に、各々の評価項目についてハザードを特定し、ハザードの程度に応じてランク分類する。上記各々の評価項目自体は公知であるが、各々の評価項目についてその強度に応じてランク分類するという手法は新規な手法であり、本発明の第1の特徴点である。
【0030】
具体的には、発がん性に関しては、IARC−1(International Agency for Research on Cancer(国際がん研究機関)のグループ1であり、ヒトに対して発がん性があるもの)、NTP(National Toxicology Program Report on Carcinogens(米・国家毒性プログラム)のNTP−Kであり、ヒトに対して発がん性があることが知られている物質)、ACGIH−A1(American Conference of Govermental Industrial Hygienists(米国産業衛生専門家会議)のグループA1であり、ヒトに対して発がん性が確認された物質)、日産衛−1(日本産業衛生学会の第1群であり、人間に対して発がん性のある物質と認定されたもの)を一つのランクとし、IARC−2A(ヒトに対して恐らく発がん性があると認定されたもの)、日産衛−2A(人間に対しておそらく発がん性があると考えられる物質であって、証拠がより十分な物質)、安衛−黒(がん)(安全衛生法上、がん原性が認められ、健康障害を防止するための指針が出された物質)をもう一つのランクとし、IARC−2B(ヒトに対して発がん性の可能性がある)、NTP−R(合理的に発がん性があることが予想される物質)、ACGIH−A2(ヒトに対して発がん性が疑われる物質)、日産衛−2B(人間に対しておそらく発がん性があると考えられる物質であって証拠が比較的十分でない物質)をもう一つのランクとして分類する。また、変異原性、生殖毒性、急性毒性、皮膚刺激性、眼刺激性、感作性、引火性、爆発性に関しても同様にハザードの程度に応じてランク分類する。
【0031】
なお、表1に示す評価項目は例示であり、必要に応じて評価項目を増減することもできるが、多様な有害物質の評価ができる項目で構成されていることが好ましい。また、各々の評価項目のランク分類も例示であり、ランクを増減又は分類基準を変更することもできるが、少なくとも各々の評価項目に関して2以上のランクに分類する必要がある。
【0032】
【表1】
Figure 2004351357
【0033】
第2のステップ(ステップS102)は、有害性物質のカテゴリー分類である。このステップでは、上記ランク分類とは別に、濃縮度(難分解性、蓄積性、遠距離移動、有害性など)の程度に応じたリスクレベルを付与するために、表2に示すように、有害物質を3つのカテゴリー(POP、PBT、その他有害性物質)に分類する。上記POP(Persistent Organic Pollutants)は残留性有機汚染物質であり、PCBのように難分解性で生物蓄積性があり、遠距離移動する有害物質を意味し、PBT(persistent,bioaccumulative and toxic substances)は、POPのように難分解性で生物蓄積性があるが、遠距離移動はしない有害物質を意味する。
【0034】
ここで、従来の環境経済性評価では、有害物質をこのような難分解性、蓄積性、遠距離移動、有害性などの濃縮性の観点から分類するという考え方はなかったため、PCBのように蓄積性のある有害物質と蓄積性のない有害物質のリスクの違いを評価することができず、また直接暴露の効果しか評価できなかったが、本発明では、有害物質を上記評価項目についてカテゴリーに分類することにより濃縮性の観点からの評価や間接暴露についての評価を可能としている(本発明の第2の特徴点)。
【0035】
なお、表2に示す評価項目も例示であり、必要に応じて評価項目を増減することもできるが、濃縮性の評価ができる項目で構成されていることが好ましい。また、各々の評価項目のカテゴリー分類も例示であり、カテゴリーを増減又は分類基準を変更することもできるが、表2の3つのカテゴリーが経験上妥当であると言える。
【0036】
【表2】
Figure 2004351357
【0037】
第3のステップ(ステップS103)は、有害性リスクの評価算定である。このステップでは、第1のステップで分類した各々のランクに対して経験的に得られた有害性のポイント計算式(表3参照)に従って、有害物質の年間使用量を用いて有害性をポイントとして計算する。ここで、従来の環境経済性評価では、有害性をポイントに換算する方法はなく定量的な評価が困難であったが、本発明では、ランクに対応付けられたポイント計算式に従って有害性のポイントを計算することにより定量的な評価を可能としている(本発明の第3の特徴点)。
【0038】
【表3】
Figure 2004351357
【0039】
第4のステップ(ステップS104)は、ライフサイクルのリスク算定である。このステップでは、製造に際して有害物質が使用される製品のライフサイクル(製造、ユーザでの使用、廃棄)の各段階について、第3のステップで得られた有害性のポイントに、第2のステップで分類したカテゴリーに対応付けられた重み付け係数を掛け合わせて総合ポイントを算出する。この重み付け係数は、例えば、POPに対して×100、PBTに対して×10、その他有害性物質に対して×1とする。このように、ライフサイクルを、例えば、製造時、ユーザ使用時、廃棄時(埋め立て又は焼却)の3つに分け、有害物質の濃縮性のリスクが発現する段階で上記重み付け係数を掛け合わせるため、例えば、鉛などの濃縮性の高い重金属は廃棄時の段階で重み付け係数を付与することができ、製品のライフサイクル全体でより正確な環境経済性評価が可能となる(本発明の第4の特徴点)。
【0040】
第5のステップ(ステップS105)は、環境経済性の算定である。このステップでは、上記ステップで算出した有害性の総合ポイントを金額換算する。ここで、従来の方法では、支払い意思額(WTP)と発症確率と影響が及ぶ人口とから環境経済性を算定していたが、本発明の方法では発がん性のみならず、表1に示す多様な評価項目に該当する有害物質を対象としているため、発症確率という概念を使用することは困難である。そこで、基準となる有害物質の環境経済性の金額換算値を利用して対象となる有害物質の環境経済性の金額換算値を算出する。
【0041】
すなわち、有害性の総合ポイントと環境経済性の金額換算値とは比例関係にあると考えられることから、発がん性物質であるVOC(揮発性有機溶媒)の環境経済性の金額換算値を上記従来の方法で求めると共に、そのVOCに対して本発明の方法で有害性の総合ポイントを算出する。そして、次式に示すように、VOCの環境経済性の金額換算値に総合ポイントの比率を掛け合わせて対象となる有害物質の環境経済性の金額換算値を求める。
【0042】
Figure 2004351357
【0043】
ここで、メタノールの環境経済性の金額換算値の算出方法について以下に具体例を示す。
【0044】
<メタノール慢性毒性の経済性効果>
経済効果=(WTP)×(慢性疾病の発症確率)×(影響人口)
・WTP:支払意思額(1人のリスクを減らすことに対して支払ってもよいと考える金額)であり、メタノールの場合、メタノールの暴露による慢性疾患を被るのを回避する対策費用
・慢性疾病の発症確率:確率=(暴露量)/(LOAEL)、
LOAEL:動物を用いた毒性試験によって得られた指標で、有害性が発現しない最低の投与量(無毒性量)
・影響人口:確率算出に用いた暴露量を被る人の数であり、暴露濃度算出シミュレーションソフト、例えば、日化協シスクアセスメントシステム(Chemphasa21)を用いて放出されるVOCの濃度分布関数を求める。メタノールの場合、この分布関数から発症確率10−6リスク以上の暴露量が及ぶ範囲を影響が及ぶ地域として、そこにいる住民の人数を人口密度より求める。
【0045】
なお、VOCのリスク金額の算定に関しては、本願出願人の先願(特開2002−342563号公報)が好適である。この先願は、(1)算定しようとする「生活圏へ影響を与える因子」の該生活圏の人への「被爆量」を算定する工程と、(2)上記「被爆量」から「疾病確率」を算定する工程と、(3)上記「疾病確率」と該生活圏の人口分布から「疾病人口」を算定する工程と、(4)疾病被害者の「被害金額」を「疾病人口」に換算して「生活圏へ影響を与える因子」の「環境リスク」を算定する工程とを有するものである。上記先願記載の方法を用いることにより、従前にはできなかった環境リスクの算定がそのリスク発生前にでき、環境会計へこれを含めて事前に費用算定できることから、企業などの「経済活動体」は、ある事業投資を行う際に事前にその環境会計面からのリスクを見ることができ、投資の判断材料とすることができる。
【0046】
このように、表1に示す各評価項目についてその程度に応じてランク分類し、また、上記ランク分類とは別に表2に示す評価項目についてその程度に応じてカテゴリーに分類し、製品のライフサイクルの各段階に対して、上記ランクに対応付けられた計算式を用いて有害性をポイントとして算出すると共に、カテゴリーに対応付けられた重み付け係数を掛け合わせて総合ポイントを算出し、上記先願記載の方法を用いてVOC(揮発性有機溶媒)に対して計算された環境経済性の金額換算値を参照して、VOCの総合ポイントと対象となる有害物質の総合ポイントの比率から、その有害物質の環境経済性の金額換算値を算出することにより、VOCに限らず粉体や固形状のものも評価することができ、また、製造段階のみならず、ユーザでの使用時や廃棄時を加味した総合的な環境経済性の評価を行うことができる。更に、蓄積性のある有害物質と蓄積性のない有害物質のリスクの違いや間接暴露についても評価することができ、より正確な環境経済性評価を実現することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有害物質のリスクの環境経済性評価方法及び環境経済性評価プログラムによれば下記記載の効果を奏する。
【0048】
本発明の第1の効果は、有害物質の有害性を定量的に評価することができるということである。
【0049】
その理由は、ハザードの特定に際して、発がん性や慢性毒性のみならず、変異原性、生殖毒性、急性毒性、皮膚刺激性、眼刺激性、感作性、引火性、爆発性などの評価項目をランク分類して、ランクに対応付けられた計算式に従って、有害物質の年間使用量から有害性をポイントとして算出しているからである。
【0050】
また、本発明の第2の効果は、濃縮性や間接暴露も評価することができるということである。
【0051】
その理由は、ランク分類とは別に、難分解性、蓄積性、遠距離移動、有害性などの濃縮性に関する評価項目に対しても評価し、その程度に応じてカテゴリーに分類し、各々のカテゴリーに重み付け係数を対応付けているからである。
【0052】
また、本発明の第3の効果は、製品のライフサイクル全般について総合的に評価することができるということである。
【0053】
その理由は、製品の製造、ユーザによる使用、廃棄の各々の段階について上記計算式と重み付け係数とから総合ポイントを算出しているからである。
【0054】
そして、このような方法を用いることによって、VOC(揮発性有機溶媒)のみならず、粉体や固形状等の多様な有害物質を評価することができ、汎用的な環境経済性評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る環境経済性評価の手順を示すフローチャート図である。
【図2】従来の環境経済性評価の手順を示すフローチャート図である。

Claims (10)

  1. 所定の製品の製造に際して使用される有害物質のリスクの環境経済性を評価する方法であって、
    前記有害物質を、予め設定された評価項目の各々について強度毎に分類されたランクに振り分け、前記有害物質が振り分けられた前記ランクに対応付けられた計算式を用いて、前記有害物質の使用量から前記有害物質の有害性をポイントとして算出することを特徴とする環境経済性評価方法。
  2. 所定の製品の製造に際して使用される有害物質のリスクの環境経済性を評価する方法であって、
    前記有害物質を、予め設定された濃縮性に関する評価項目の各々について程度毎に分類されたカテゴリーに振り分け、前記有害物質が振り分けられた前記カテゴリーに対応付けられた重み係数を用いて、前記有害物質の濃縮性を評価することを特徴とする環境経済性評価方法。
  3. 所定の製品の製造に際して使用される有害物質のリスクの環境経済性を評価する方法であって、
    前記有害物質を、予め設定された評価項目の各々について強度毎に分類されたランクに振り分ける第1の工程と、
    前記有害物質を、予め設定された濃縮性に関する評価項目の各々について程度毎に分類されたカテゴリーに振り分ける第2の工程と、
    前記有害物質が振り分けられた前記ランクに対応付けられた計算式を用いて、前記有害物質の使用量から前記有害物質の有害性をポイントとして算出する第3の工程と、
    前記第3の工程で算出された前記有害性のポイントに、前記有害物質が振り分けられた前記カテゴリーに対応付けられた重み係数を掛け合わせる第4の工程と、
    前記製品のライフサイクルの各段階において、前記第1乃至第4の工程を実行し、前記有害物質のリスクに対する総合ポイントを算出する第5の工程と、
    所定の揮発性有機溶媒に対して、予め定められた方法を用いて算出された環境経済性の金額換算値を参照して、前記揮発性有機溶媒に対して算出された総合ポイントと前記有害物質の総合ポイントとの比率から、前記有害物質の環境経済性の金額換算値を算出する第6の工程と、を少なくとも有することを特徴とする環境経済性評価方法。
  4. 前記予め設定された評価項目は、発がん性、変異原性、生殖毒性、急性毒性、皮膚刺激性、眼刺激性、感作性、引火性、爆発性のいずれか一を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の環境経済性評価方法。
  5. 前記予め設定された濃縮性に関する評価項目は、難分解性、蓄積性、遠距離移動、有害性のいずれか一を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の環境経済性評価方法。
  6. コンピュータに、
    所定の製品の製造に際して使用される有害物質を、予め設定された評価項目の各々について強度毎に分類されたランクに振り分ける処理と、
    前記有害物質が振り分けられた前記ランクに対応付けられた計算式を用いて、前記有害物質の使用量から前記有害物質の有害性をポイントとして算出する処理と、を実行させるための環境経済性評価プログラム。
  7. コンピュータに、
    所定の製品の製造に際して使用される有害物質を、予め設定された濃縮性に関する評価項目の各々について程度毎に分類されたカテゴリーに振り分ける処理と、
    前記有害物質が振り分けられた前記カテゴリーに対応付けられた重み係数を用いて、前記有害物質の濃縮性を評価する処理と、を実行させるための環境経済性評価プログラム。
  8. コンピュータに、
    所定の製品の製造に際して使用される有害物質を、予め設定された評価項目の各々について強度毎に分類されたランクに振り分ける第1の処理と、
    前記有害物質を、予め設定された濃縮性に関する評価項目の各々について程度毎に分類されたカテゴリーに振り分ける第2の処理と、
    前記有害物質が振り分けられた前記ランクに対応付けられた計算式を用いて、前記有害物質の使用量から前記有害物質の有害性をポイントとして算出する第3の処理と、
    前記第3の処理で算出された前記有害性のポイントに、前記有害物質が振り分けられた前記カテゴリーに対応付けられた重み係数を掛け合わせる第4の処理と、
    前記製品のライフサイクルの各段階において、前記第1乃至第4の処理を実行し、前記有害物質のリスクに対する総合ポイントを算出する第5の処理と、
    所定の揮発性有機溶媒に対して、予め定められた方法を用いて算出された環境経済性の金額換算値を参照して、前記揮発性有機溶媒に対して算出された総合ポイントと前記有害物質の総合ポイントとの比率から、前記有害物質の環境経済性の金額換算値を算出する第6の処理と、を少なくとも実行させるための環境経済性評価プログラム。
  9. 前記予め設定された評価項目は、発がん性、変異原性、生殖毒性、急性毒性、皮膚刺激性、眼刺激性、感作性、引火性、爆発性のいずれか一を含むことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一に記載の環境経済性評価プログラム。
  10. 前記予め設定された濃縮性に関する評価項目は、難分解性、蓄積性、遠距離移動、有害性のいずれか一を含むことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一に記載の環境経済性評価プログラム。
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