JP2004348588A - 業務最適化システム,業務最適化装置,業務最適化方法,業務最適化データ構造,およびそのプログラム。 - Google Patents

業務最適化システム,業務最適化装置,業務最適化方法,業務最適化データ構造,およびそのプログラム。 Download PDF

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JP2004348588A JP2003146732A JP2003146732A JP2004348588A JP 2004348588 A JP2004348588 A JP 2004348588A JP 2003146732 A JP2003146732 A JP 2003146732A JP 2003146732 A JP2003146732 A JP 2003146732A JP 2004348588 A JP2004348588 A JP 2004348588A
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Abstract

【課題】新規開発設計などの従来のMAICでは適応できない新規創造プロセスに対しても容易に適応可能な,新規かつ改良された業務最適化装置を提供する。
【解決手段】業務上起こり得る問題の最小化に向け用意された各工程を,目的とする業務形態に当てはめ解決するシックス・シグマ手法において:業務全体の流れを決定させ定義させる定義手段110と,上記定義工程の後で最適の業務実行内容を構築させる構築手段120とから構成され;上記構築手段に含まれる計測工程S310,分析工程S320,改良工程S330,設計工程S340,最適化工程S350,検証工程S360から課題業務の内容に応じて最適な工程を選択し,組み合わせることを特徴とする,業務最適化装置が提供される。かかる構成により,柔軟で自由度の高い最適化業務を構築できる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は業務最適化システム,業務最適化装置,業務最適化方法,業務最適化データ構造,およびそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,製造工程や組立工程においての品質管理や工程管理は,各工程の中で個別に行われ,品質や作業効率の向上は作業者や工程管理者からの意見を中心としたボトムアップの形がとられていた。このような管理を自動的に行う技術としては,LAN(Local Area Network)の通信効率を改善し業務情報を有効に管理する(例えば特開平6−315028号公報)システムや,管理システムの承認に関する情報を個別に保有せず一元管理する(例えば特開2001−229313)管理方法が知られるが,これらも業務個々の管理に関しての技術であり,全ての製造工程,組立工程に利用できる管理方法ではない。
【0003】
このような各種業務に対して適応する,例えば製品量産ラインにおいて欠陥率を小さくし,また,製品の品質を向上するための包括的な考え方に,シックス・シグマ(6σ)がある。シックス・シグマは,統計学の用語で分布のばらつきを示すシグマ(σ)から定義され,100万回のオペレーションで3.4回の欠陥品しか生じないシステムの構築を目標とするものである。
【0004】
このシックス・シグマの基本的な考え方は,業務上起こり得る問題の最小化に向け,予め用意されたシックス・シグマの各ステップを業務形態に当てはめ,トータルな品質管理,品質向上を行うものである。上記の例では,この業務においてどのようにして欠陥品が生じるかの測定を行い(測定工程),分析等を行って(分析工程),欠陥品の生じる原因を体系的に導き出し,品質改善に向けた今後の業務に反映していくことが考えられる。
【0005】
このような工程を有する従来のシックス・シグマの手法にMAICまたはDを加えたDMAICがある。Dは定義(Define)工程,Mは測定(Measurement)工程,Aは分析(Analysis)工程,Iは改善(Improvement)工程,Cは改善結果定着の為の管理(Control)工程を示す。
【0006】
このようなDMAICは,業務のプロセスに繰り返し性のあるものに対しては非常に効果を発揮することがわかっている。これは,業務プロセスをD,M,A,I,C各々で定型化されたパターンに当てはめることにより,過去の成功例の再利用や,潜在的問題発生の予測と未然防止が可能になるからである。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−315028号公報
【特許文献2】
特開2001−229313号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし,新規開発設計などの創造的業務プロセス領域において,定型化されたパターンであるDMAICの流れに当てはめようとすると,思ったような効果が得られない。さらには,DMAICに無理やり当てはめるための過負荷が発生し,却って業務の足かせになってしまうことが指摘されている。これは,創造領域の業務プロセスにおいては,一般的に,新規に作られるものが殆どで,それらには繰り返し性が無く,当てはめに必要な種々の条件を定義することができないからである。
【0008】
本発明は,従来の業務最適化システムが有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,新規開発設計などの従来のMAICでは適応できない新規創造プロセスに対しても容易に適応可能な,新規かつ改良された業務最適化システム,業務最適化装置,業務最適化方法,業務最適化データ構造,およびそのプログラムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,通信網に接続された入力端末装置と,通信網に接続され,上記入力端末装置からの業務情報により業務の最適化を行う業務最適化装置とからなる業務最適化システムが提供される。また,新規創造プロセスにおける業務全体の流れを構築する上で最適に導くための上記業務最適化装置であって:業務全体の流れを決定させ定義させる定義(Define)手段と,上記定義工程の後で最適の業務実行内容を構築させる構築(Configurable)手段とから構成され;上記構築手段は,課題業務に影響を与える要因を分析してその因果関係を把握し課題業務を分析する分析(Analyze)工程と,課題業務実現のための設計を行う設計(Design)工程と,業務の実行結果を検証する検証(Verify)工程とを含むことを特徴とする,業務最適化装置が提供される。
【0010】
ここでは,上記入力端末装置から新規創造プロセスにおける課題業務が入力され,通信網を介して業務最適化装置に業務情報として引き渡される。上記定義手段では,この業務情報を基に,構築手段が最適の業務実行内容を上記工程毎に構築できるように業務全体の流れや各工程の定義が決定される。その後で,構築手段において独自のソフトウェアや既存のツール等を利用して具体的な各工程を構築する。
【0011】
かかる構成では,予め構築手段に用意されている工程が分析工程,設計工程,検証工程の3工程であり,上記入力端末装置を介してかかる工程の定義を各々設定する。このように工程を絞ることにより,新規開発設計など過去の蓄積データを活用できない繰り返し性の乏しい新規創造プロセスに対しても適応でき,最適な工程構成を形成し,かつ最適な工程の定義を設定できる。
【0012】
また,上記定義手段は,上記構築工程の各工程から新規創造プロセスの内容に応じて最適な工程を選択させる選択手段をさらに含むとしても良い。ここで最適な工程の選択は,上記業務最適化装置から質問形式で入力端末装置に設けられた表示部に表示され,上記入力端末装置から回答を選ぶ形で行われる。
【0013】
かかる構成により,最適化対象である課題業務に対して最適な工程だけを抽出でき,従来のMAICでは適応困難な,繰り返し性の乏しい課題業務に対しても柔軟に対応できる。
【0014】
また,上記選択手段は,分析工程,設計工程,検証工程を必須工程とすることもできる。
【0015】
後述するように,上記構築工程は,上記分析工程,設計工程,検証工程以外の工程を含むことも可能であるが,このように多くの工程を自由に選択でき,さらに自由に構成できるとした場合,自由度が高すぎて却って課題業務最適化の支障になる。かかる分析工程,設計工程,検証工程を必須工程とすることにより最低限必要とする工程を形成でき,課題最適化が可能な範囲で自由度を確保し,様々な課題業務に適応できる。
【0016】
また,上記構築手段は,課題業務の系の出力に関する指標を定義する計測(Measure)工程,課題業務の系に要求される性能を抽出する手段を適用して課題業務を改良する改良(Improve)工程,設計パラメータを調整し最適化する最適化(Optimize)工程をさらに含むこともできる。また,新規創造プロセスの内容に応じて最適であれば上記計測工程,上記改良工程,上記最適化工程が1または2以上選択される。ここで最適化工程の選択は,上記業務最適化装置から質問形式で入力端末装置に設けられた表示部に表示され,上記入力端末装置から回答を選ぶ形で行われる。
【0017】
かかる構成により,最適化対象である課題業務に対してさらに最適な工程を抽出でき,従来のMAICでは適応困難な,繰り返し性の乏しい課題業務に対しても柔軟に対応できる。
【0018】
また,上記定義手段は,上記選択手段で選択された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成手段をさらに含むこともできる。上記選択手段により選択された工程は,この流れ図形成手段によって流れ図に自動的に配置される。流れ図が形成された結果は,入力端末装置に設けられた表示部に表示される。
【0019】
かかる構成により,抽出された最適な工程が一連の流れとして組み合わさり,各工程の位置づけを確認でき,各工程の定義を容易に決定することができる。
【0020】
また,かかる流れ図の各工程の推移順は,上記選択手段で計測工程,分析工程,改良工程,設計工程,最適化工程,検証工程が選択された場合,計測工程,分析工程,改良工程,設計工程,最適化工程,検証工程の順で推移するように形成されるとしても良い。さらに,上記構築手段の工程に未選択工程が1または2以上ある場合,上記順番に準じて,未選択工程を省略し,推移するように形成されるとしても良い。
【0021】
例えば,計測工程のみが選択された場合,計測工程,分析工程,設計工程,検証工程の順で,改良工程のみが選択された場合,分析工程,改良工程,設計工程,検証工程の順で,最適化工程のみが選択された場合,分析工程,設計工程,最適化工程,検証工程の順で推移するように形成される。また,計測工程と改良工程が選択された場合,計測工程,分析工程,改良工程,設計工程,検証工程の順で,改良工程と最適化工程が選択された場合,分析工程,改良工程,設計工程,最適化工程,検証工程の順で,計測工程と最適化工程が選択された場合,計測工程,分析工程,設計工程,最適化工程,検証工程の順で推移するように形成される。
【0022】
かかる構成により,抽出された最適な工程が,順番を有した一連の流れとして組み合わさり,一定の流れの範囲内で様々な課題業務に適応できる自由度を確保できる。これによりさらに各工程の定義を容易に決定することができる。
【0023】
また,上記計測工程と分析工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることもでき,上記分析工程と改良工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることもできる。
【0024】
かかる構成のような各工程の反復により,目的とする工程を明確に定義でき,精度良く最適な課題業務に辿り着くことができる。
【0025】
また,上記入力端末装置からの業務情報は,課題業務に影響を与える重要な要素であるCTQ(Critical to Quality),前業務領域からの入力内容,および,次業務領域への出力内容を含むこともでき,これに基づいて最適化対象である上記課題業務が決定されるとしてもよい。ここで上記CTQ,前業務領域からの入力内容,次業務領域への出力内容は,最適化対象である課題業務を特定するために利用され,入力された業務情報は,同時に入力端末装置に設けられた表示部に表示される。
【0026】
かかる構成により,目的とする課題業務を明確に特定でき,これに基づいて課題業務が決定され,上記選択手段においても上記構築工程の各工程から最適な工程を選択することが容易になる。
【0027】
また,上記定義手段は,最適化対象である課題業務が,過去の蓄積データを活用できる改善プロセスか,過去の蓄積データを活用できない新規創造プロセスかを判断させるプロセス判断手段をさらに含むとしても良い。かかる判断も,上記業務最適化装置から質問形式で入力端末装置に設けられた表示部に表示され,上記入力端末装置から回答を選ぶ形で行われる。
【0028】
かかるプロセス判断手段は,単に改善プロセスと新規創造プロセスを判断するだけではないとしても良い。最適化対象である課題業務が従来のMAIC等と本発明にかかる業務の最適化のどちらも適応困難な場合に,課題業務に内在する改善プロセスと新規創造プロセスを分離させ,上記分離された課題業務毎の業務最適化を行うことを目的とする。このようにして適切に課題業務を分析し,確実な最適化を行うことができる。
【0029】
また,予め定型化された業務の最適化手法を利用して業務実行内容を構築させる定型最適化手段をさらに含むとしても良い。ここで,定型最適化手段は,従来のDMAIC手段を含んでも良い。
【0030】
かかる構成では,上記プロセス判断手段により,最適化対象である課題業務または分離された少なくとも1つの課題業務が改善プロセスと判断された場合,上記定型最適化手段により最適な課題業務を構築することができる。
【0031】
また,業務の最適化に必要な業務情報が入力される業務情報入力手段がさらに備わるとしても良い。ここで業務情報入力手段は,上記通信網を介した入力端末装置に代わるものである。かかる構成により,上記業務最適化装置は通信網を介さずに単体として動作することができる。
【0032】
また,コンピュータによって,上記に記載された業務最適化装置として機能させるコンピュータプログラムも提供される。さらに,上記のような課題業務の最適化を実現する方法である業務最適化方法も提供される。
【0033】
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,新規創造プロセスにおける業務全体の流れを構築する上で最適に導くための業務最適化装置であって:業務全体の流れを決定し定義する定義工程を入力させる工程と,課題業務に影響を与える要因を分析してその因果関係を把握し課題業務を分析する分析工程を入力させる工程と,課題業務実現のための設計を行う設計工程を入力させる工程と,業務の実行結果を検証する検証工程を入力させる工程とを含む工程情報入力手段と;上記工程毎に分けてその入力された結果を表示する工程表示手段とを備えることを特徴とする,業務最適化装置が提供される。ここでは,最適化業務の構築において最適の業務実行内容を上記工程毎に構築できるように業務全体の流れや各工程の定義が決定される。
【0034】
かかる構成では,最適化業務の構築において用意されている工程が定義工程,分析工程,設計工程,検証工程の4工程であり,上記工程情報入力手段によりかかる工程の定義を各々設定する。このように工程を絞ることにより,従来のMAICでは適応できない,新規開発設計など過去の蓄積データを活用できない繰り返し性の乏しい新規創造プロセスに対しても適応でき,最適な工程構成を形成し,かつ最適な工程の定義を設定できる。
【0035】
また,上記工程情報入力手段は,課題業務の系の出力に関する指標を定義する計測工程,課題業務の系に要求される性能を抽出する手段を適用して課題業務を改良する改良工程,設計パラメータを調整し最適化する最適化工程を入力させることができる工程をさらに含むことも可能で,各工程を形成することができる場合その工程を入力させることもできる。ここで最適化工程の選択は,工程情報入力手段における入力により行われる。
【0036】
かかる構成により,最適化対象である課題業務に対してさらに最適な工程を抽出でき,従来のMAICでは適応困難な,繰り返し性の乏しい課題業務に対しても柔軟に対応できる。
【0037】
また,上記工程情報入力手段により入力された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成手段をさらに含むこともできる。上記選択手段により選択された工程は,この流れ図形成手段によって流れ図に自動的に配置される。流れ図が形成された結果は,入力端末装置に設けられた表示部に表示される。
【0038】
かかる構成により,抽出された最適な工程が一連の流れとして組み合わさり,各工程の位置づけを確認でき,各工程の定義を容易に決定することができる。
【0039】
また,かかる流れ図の各工程の推移順は,上記工程情報入力手段において定義工程,計測工程,分析工程,改良工程,設計工程,最適化工程,検証工程が入力された場合,定義工程,計測工程,分析工程,改良工程,設計工程,最適化工程,検証工程の順で推移するように形成されるとしても良い。さらに,上記工程情報入力手段により入力されていない未選択工程が1または2以上ある場合,上記順番に準じて,未選択工程を省略し,推移するように形成されるとしても良い。
【0040】
例えば,計測工程のみが入力された場合,定義工程,計測工程,分析工程,設計工程,検証工程の順で,改良工程のみが入力された場合,定義工程,分析工程,改良工程,設計工程,検証工程の順で,最適化工程のみが入力された場合,定義工程,分析工程,設計工程,最適化工程,検証工程の順で推移するように形成される。また,計測工程と改良工程が入力された場合,定義工程,計測工程,分析工程,改良工程,設計工程,検証工程の順で,改良工程と最適化工程が入力された場合,定義工程,分析工程,改良工程,設計工程,最適化工程,検証工程の順で,計測工程と最適化工程が入力された場合,定義工程,計測工程,分析工程,設計工程,最適化工程,検証工程の順で推移するように形成される。
【0041】
かかる構成により,抽出された最適な工程が順番を有した一連の流れとして組み合わさり,一定の流れの範囲内で様々な課題業務に適応できる自由度を確保できる。これによりさらに各工程の定義を容易に決定することができる。
【0042】
また,上記計測工程と分析工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることもでき,上記分析工程と改良工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることもできる。
【0043】
かかる構成のような各工程の反復により,目的とする工程を明確に定義でき,精度良く最適な課題業務に辿り着くことができる。
【0044】
また,上記工程情報入力手段は,課題業務に影響を与える重要な要素であるCTQを入力させる工程と,前業務領域からの入力内容を入力させる工程と,次業務領域への出力内容を入力させる工程をさらに含み,これに基づいて最適化対象である上記課題業務が決定されるとしてもよい。ここで上記CTQ,前業務領域からの入力内容,次業務領域への出力内容は,最適化対象である課題業務を特定するために利用される。また,入力された業務情報は,同時に工程情報入力手段に設けられた表示部に表示される。
【0045】
かかる構成により,目的とする課題業務を明確に特定でき,これに基づいて課題業務が決定され,上記工程情報入力手段への入力時においても上記構築工程の各工程から最適な工程を選択することが容易になる。
【0046】
また,最適化対象である課題業務が,過去の蓄積データを活用できる改善プロセスか過去の蓄積データを活用できない新規創造プロセスかを判断させるプロセス判断手段をさらに含むとしても良い。かかる判断は,上記業務最適化装置から質問形式で上記工程情報入力手段に設けられた表示部に表示され,上記工程情報入力手段から回答を選ぶ形で行われる。
【0047】
かかるプロセス判断手段は,単に改善プロセスと新規創造プロセスを判断するだけではないとしても良い。最適化対象である課題業務が従来のMAICと本発明にかかる業務の最適化のどちらも適応困難な場合に,課題業務に内在する改善プロセスと新規創造プロセスを分離し,上記分離された課題業務毎の業務最適化を行うことを目的とする。このようにして適切に課題業務を分析し,確実な最適化を行うことができる。
【0048】
また,予め定型化された業務の最適化手法を利用して業務実行内容を構築させる定型最適化手段をさらに含むとしても良い。ここで,定型最適化手段は,従来のDMAIC手段を含んでも良い。
【0049】
かかる構成では,上記プロセス判断手段により最適化対象である課題業務または分離された少なくとも1つの課題業務が改善プロセスと判断された場合,上記定型最適化手段により最適な課題業務を構築することができる。
【0050】
また,上記工程情報入力手段は,通信網を介したパーソナルコンピュータ,PDA(Personal Digital Assistant),携帯電話等の入力端末装置であってもよいし,上記業務最適化装置が単体として動作する場合のキーボード等の入力手段であっても良い。
【0051】
また,コンピュータによって,上記に記載された業務最適化装置として機能させるコンピュータプログラムも提供される。さらに,上記のような課題業務の最適化を実現する方法である業務最適化方法も提供される。
【0052】
また,上記課題を解決するため,本発明のさらに別の観点によれば,新規創造プロセスにおける業務全体の流れを構築する上で最適に導くために用いられる業務最適化データ構造であって:最適の業務実行内容を構築するために参照される構築階層からなり;上記構築階層は,課題業務に影響を与える要因を分析してその因果関係を把握し課題業務を分析する分析工程により構築された分析工程データと,課題業務実現のための設計を行う設計工程により構築された設計工程データと,業務の実行結果を検証する検証工程により構築された検証工程データとを含むことを特徴とする,業務最適化データ構造が提供される。
【0053】
かかる構成では,予め構築階層に用意されているデータが分析工程データ,設計工程データ,検証工程データの3工程データであり,少なくとも上記3工程データを参照して最適の業務実行内容を構築する。このように工程データを絞ることにより,新規開発設計など過去の蓄積データを活用できない繰り返し性の乏しい新規創造プロセスに対しても適応でき,最適な工程データ構成を形成できる。
【0054】
また,上記構築階層は,課題業務の系の出力に関する指標を定義する計測工程により構築された計測工程データ,課題業務の系に要求される性能を抽出する手段を適用して課題業務を改良する改良工程により構築された改良工程データ,設計パラメータを調整し最適化する最適化工程により構築された最適化工程データをさらに含むとしても良い。
【0055】
かかる構成により,さらに自由度の高い業務の最適化を行うことが可能であり,最適な工程データ構成を形成できる。
【0056】
また,業務全体の流れが定義された計画データからなる定義階層をさらに含み;上記計画データは,上記構築階層内の各工程データから新規創造プロセスの内容に応じて最適な工程データを1または2以上選択したデータであり,上記計画データと上記構築階層内の各工程データは互いにリンクされているとしても良い。
【0057】
かかる構成により,最適化対象である課題業務に対して最適な工程データだけを抽出でき,従来のMAICでは適応困難な,繰り返し性の乏しい課題業務に対しても柔軟に対応できる。
【0058】
また,上記計画データは,上記構築階層内の各工程データに対応した項目を,推移する順に並べられた計画表からなるとしても良い。
【0059】
また,上記計画データは,分析工程データ,設計工程データ,検証工程データが必須工程データであるとしても良い。
【0060】
上記構築階層の中からこのように多くの工程データを自由に選択でき,さらに自由に構成できるとした場合,自由度が高すぎて却って課題業務最適化の支障になる。かかる分析工程データ,設計工程データ,検証工程データを必須工程データとすることにより最低限必要とする工程データを形成でき,課題最適化が可能な範囲で自由度を確保し,様々な課題業務に適応できる。
【0061】
また,上記計画データは,課題業務に影響を与える重要な要素であるCTQ,前業務領域からの入力内容,および,次業務領域への出力内容から得られたデータであるとしても良い。
【0062】
かかる計画データは,新規創造プロセスの内容に応じて最適な工程データが選択されたものであるが,かかる選択において上記CTQ,前業務領域からの入力内容,および,次業務領域への出力内容を参照することができる。かかる構成では,目的とする課題業務を明確に特定でき,これに基づいて課題業務が決定され,上記構築階層の各工程データから最適な工程データを選択することが容易になる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0064】
(業務最適化システム)
上記シックス・シグマは,業務上起こり得る問題の最小化に向け,予め用意されたシックス・シグマの各ステップを業務形態に当てはめ,トータルな品質管理,品質向上を行うことを目的としている。
【0065】
図1は,最適化の目的となる業務の領域を概略的に表した図である。
【0066】
従来は,上述のDMAICに代表されるシックス・シグマの手法により,最適な業務形態を構築していた。このDMAICの適用範囲は,ある領域に限定される。例えば,既にプロセスが存在し,繰り返し性のある領域10であり,具体的には製造工場における製造プロセスの歩留まり改善や,コールセンターのD−COST削減等が挙げられる。いずれも過去の蓄積データを活用することができる。このような改善プロセスにおいては上記DMAICの各工程である定義工程,測定工程,分析工程,改良工程,管理工程を,目的とする課題に当てはめ最適化を行う。
【0067】
しかし,対象が変化するものや新規に開発するもので繰り返し性がない領域20として表される,新商品開発,研究開発,ソフトウェア開発や,新しい人事評価制度の構築,新規マーケット戦略,ビジネスモデル構築においては,上記DMAICを適用することは困難である。特に新商品開発等の領域30に示されるような新規創造プロセスにおいては,本実施形態による最適化手法(以下,DMAICに対応してDConfigVと言う。)を適用することが有効である。
【0068】
このDConfigVの目的は,顧客の課題に対する要求を潜在的なものも含めて的確に捉え,現状の技術的,品質的な課題を抽出し,それらを把握する。その後で,状態を決定している支配的な要因を見つけ出し,決定的要因を最適な条件に制御し,現状を顧客が満足する状態に移行することを目的とする。また,そのような最適な状態を常にバラツキ無く定常化し,さらにその状態を保障するためのシステムを構築することも目的とする。
【0069】
この目的を達成するために,DConfigVは,大きく(イ)基本コンセプト,(ロ)アプローチ,(ハ)ツールによって構成されている。このうち(イ)の基本コンセプトは,課題における基本コンセプトに乗っ取った考え方を提供する。(ハ)のツールにおいては,独自のソフトウェアや既存のツールを適材適所に使ってプロジェクトを成功に導く。本実施形態は,上記(ロ)のアプローチに関する装置または方法を提供し,上述の新規創造プロセスにおいても自由度の高い適応を可能とする。
【0070】
図2は,本実施形態における業務最適化システムを概略的に表したブロック図である。この業務最適化システムは,通信網40に接続された業務最適化装置50と,入力端末装置60とから構成される。
【0071】
上記通信網40は,例えば公衆回線網であるインターネットのネットワーク網やLANを含み,電話回線等を介して上記業務最適化装置50等に接続されている。
【0072】
上記業務最適化装置50は,新規創造プロセスにおける業務全体の流れを構築する上で最適に導くための上記DConfigVを実行する。
【0073】
上記入力端末装置60は,本実施形態にかかる最適化システムを利用しようとする利用者(最適化システムを使用する一般使用者,最適化作業を支援する支援者を含む。以下も同様)が所有または使用しているパーソナルコンピュータ,PDA(Personal Digital Assistant),携帯電話等を含み,業務の最適化に必要な業務情報が入力される。また,同時に入力内容等を確認するための表示部を備える。
【0074】
ここで,上記業務最適化装置50は,通信網40を介した入力端末装置60の代わりに,キーボード等の業務情報入力手段を備えても良い。かかる構成では,上記業務最適化装置50が通信網を介さずに単体として動作することができる。
【0075】
(業務最適化装置50)
図3は,最適化プロジェクトフローを作成する上での必要な業務情報を表した図である。ここでは,プロジェクト最適化エンジンとして,上記業務最適化装置50の概念的な位置づけを説明する。
【0076】
業務最適化装置50は,課題業務に影響を与える重要な要素としてのCTQ(本質的開発設計課題)と,本課題業務の前業務領域から入力された結果物を定義した入力内容と,次業務領域へ出力する結果物を定義した出力内容とが入力される。かかる入力により業務最適化装置50内で課題業務の最適化が行われ,その結果として,最適化プロジェクトフローが出力される。
【0077】
図4は,本実施形態における業務最適装置50の構成を表すブロック図である。
【0078】
かかる業務最適化装置50は,定義手段110と,構築手段120と,定型最適化手段124とから構成される。
【0079】
上記定義手段110は,上記入力端末装置60に対して課題業務や各パラメータの入力を求め,最適化システムの利用者がこの入力を行うことにより業務全体の流れが決定され,また,後述される構築手段の各工程が定義される。さらに既存の開発設計プロセスの改善改革を行う改善プロセスか,無の状態から新しい物を創造する新規創造プロセスかを認識して,最適化プロジェクト・フェーズを作成する。
【0080】
最初に,シックス・シグマにおける課題業務の定義を行う。ここでは,対象が既に設計プロセスを確立していて繰り返し改善改革を行うものなのか,もしくは新しい開発設計プロセスを作り上げなければならないものなのかを判断する。対象が前者つまり既に存在しているプロセスの場合は,DMAICアプローチの方が適切なのでDConfigVではなくDMAICアプローチで定義する。また,対象が後者だった場合には,サブルーチンタスクとして構築手段120に用意されている各工程の中から対象の課題に適当なものを選んで,最適なプロジェクト・フェーズを定義する。そして可能な限りそれらの各フェーズの重要度を推測し,各フェーズの重み付けをする。最後に各工程の流れ図を形成する。
【0081】
このような定義手段110またはシックス・シグマにおける定義工程S300の目的としては,(1)経営者等の意思を分析して方向性を具体化する。(2)プロジェクトチーム・メンバーを決め顧客の要求を分析し,CTQを決定する。(3)ベンチマーキングを行い,現状の実力(ステータス)を客観的に判断する。(4)戦略的プロジェクトを立案し,具体的なサブプロジェクトにブレイクダウンする。(5)DConfigV向きのプロジェクトなのか,DMAIC向きのプロジェクトなのかを明確にする。(6)プロジェクトの実行計画を立てる(WBS(Work Breakdown Structure),先行タスク,リソース分析,GANTTチャート,PERT図)。等の例がある。
【0082】
上記構築手段120は,独自のソフトウェアや既存のツール等を利用して具体的な各工程を構築する。詳細には,上記定義手段110によって形成された各工程の流れ図に応じて,定義された各工程を具体的に実現していく。
【0083】
上記定型最適化手段124は,上記定義手段110の中で入力端末装置60から入力された課題業務が過去の蓄積データを活用できる改善プロセスと判断された場合に,上述したDMAICに代表される予め定型化された業務の最適化手法により業務実行内容を構築する。
【0084】
(定義手段110)
また,上記定義手段110は,プロセス判断手段112と,選択手段114と,流れ図形成手段116とを含んで構成される。
【0085】
(プロセス判断手段112)
上記プロセス判断手段112は,最適化対象である課題業務が,過去の蓄積データを活用できる改善プロセスか,過去の蓄積データを活用できない新規創造プロセスかを判断する。このようなプロセス判断手段112により判断された結果が,新規創造プロセスであった場合,従来のDMAIC等を適用するのは困難なので,本実施形態によるDConfigVにより課題業務の最適化を行う。即ち,図4において選択手段114に移行する。また,上記判断結果が改善プロセスであった場合,上述したDMAICに代表される予め定型化された業務の最適化手法により業務実行内容を構築する定型最適化手段124に移行する。
【0086】
上記プロセス判断手段112は,上述のように単に改善プロセスと新規創造プロセスを判断するだけではない。最適化対象である課題業務が従来のMAIC等と本発明にかかる業務の最適化のどちらも適応困難な場合,つまり改善プロセスと新規創造プロセスが混合した総合プロセスである場合に,課題業務に内在する改善プロセスと新規創造プロセスを分離し,上記分離された課題業務毎の業務最適化を行うことを目的とする。このようにして適切に課題業務を分析し,確実な最適化を行うことが可能となる。
【0087】
図5は,このようなプロセスの分離を概略的に表した図である。従来は,種々のプロセスを内在した漠然とした総合プロセス130を定型化されたDMAIC132に適応しようと試み,適応しなかった。また,本実施形態にかかるDConfigV134に適応しようとしても,内在するプロセスが明確に分かれていないことから適応は困難であった。
【0088】
しかし,本実施形態ではこの総合プロセス130を,プロセス判断手段112により,新規開発領域に属する新規創造プロセス136と,繰り返し領域に属する改善プロセス138に分離する。このようにして分離された新規創造プロセス136は本実施形態によるDConfigVにより適応可能で,他方の改善プロセス138は,定型最適化手段124による例えばDMAICにより適応できる。
【0089】
図6は,プロセス判断手段112における利用者の入力画面を示す。
【0090】
ここで,業務最適化装置50から出力された上記入力画面が,入力端末装置60に設けられた表示部に表示される。利用者は,上記表示手段の入力画面に対して課題業務に影響を与える重要な要素であるCTQ140を入力する。
【0091】
次に,利用者は,与えられたCTQ140に応じた適切な対象課題142を決定し,その決定した対象課題142を入力端末装置60から入力する。さらに,上記対象課題142は,プロセス判断手段112により繰り返さないプロセスである対象課題1(新規創造プロセス)と繰り返すプロセスである対象課題2(改善プロセス)に分離され,上記入力画面に表示される(144)。
【0092】
図7は,上記プロセス判断手段112において,課題業務に内在する改善プロセスと新規創造プロセスを分離するフローチャートを示す。
【0093】
まず,入力された対象課題に対して問題の対象は既に明らかであるかどうかが判断される(S150)。ここで明らかでないと判断された場合,続いてプロセスが存在するかどうかが判断される(S152)。上記プロセスが存在する場合は,上記存在するプロセスが繰り返し性のあるプロセスかどうか判断される(S154)。上記プロセスが存在し,そのプロセスが繰り返し性を有さない場合,問題の対象を分離できるか判断される(S156)。また,上記プロセスが存在しない場合もこの判断(S156)が行われる。ここで,分離できると判断された場合,プロセスを具体的に分離し(S164),さらに分離されたプロセスに関して本工程を最初から行う。また,分離できない場合は,1つの新規創造プロセスとしてDConfigVによる最適化を試みる(S158)。通常,この工程により業務の最適化が行われる訳であるが,DConfigVをもってしても適応困難と判断(S160)された場合,プロセスの再検討を行う(S162)。
【0094】
上記繰り返し性の判断(S154)で,繰り返し性があると判断された場合は,問題の対象を明確化(S166)し,問題の対象が既に明らかであると判断(S150)されたものと同様に,1つの改善プロセスとしてDMAICによる最適化を試みる(S168)。通常,この工程により業務の最適化が行われる訳であるが,DMAICをもってしても適応困難と判断(S170)された場合,プロセスの再検討を行う(S172)。
【0095】
かかる判断は,上記業務最適化装置50から質問形式で入力端末装置60に設けられた表示部に表示され,上記入力端末装置60において利用者が回答を選ぶ形で行われる。また,このような回答結果を受けて業務最適化装置50内のデータベース,または通信網を介した蓄積データベースに回答結果を蓄積し,さらに蓄積された内容を分析し,問題提起に対して回答を導き出すことができる学習機能を備えるとしてもよい。この学習機能により,利用者への質問を徐々に削減でき,最終的には利用者の支援を必要としないで,プロセス判断手段112は,自動的に上記プロセスを判断することができる。
【0096】
また,上記プロセス判断手段112として動作するプロセス判断工程も提供される。
【0097】
(選択手段114)
上記プロセス判断手段112によって,対象課題が新規創造プロセスに絞られ,この対象課題を最適化する具体的な処理を行うことができる。
【0098】
従来のDMAICでは,予め行われる各工程(定義工程,測定工程,分析工程,改良工程,管理工程)が定められ,この工程を目的とする課題に当てはめ,最適化を行う。このことは,従来のDMAICでは各工程を省略することなく,工程の推移も変化しないことを示している。
【0099】
上記選択手段114は,これに対して,実際にツールを利用して課題に当てはめる前のアプローチ段階において,当てはめるべき工程の選択を行う。これは,本実施形態におけるDConfigVの特徴の一つである。この選択の基本的考え方は,新規創造プロセスの内容に応じて選択するのが適当であるかどうかである。上記入力端末装置60において,利用者が幾つかのパラメータを入力することにより,かかるDConfigVのアプローチが実施される。
【0100】
選択される工程は,実際には構築手段120に含まれ,かかる選択手段114で行われる選択は,構築手段120において構築するための工程の流れを定義する準備的なものである。
【0101】
上記構築手段120には,計測工程S310,分析工程S320,改良工程S330,設計工程S340,最適化工程S350,検証工程S360とを含む。
【0102】
上記計測工程S310は,開発設計課題のキーテクノロジーを明確にし,その状態を把握する為の指標を定義する。このような現状の実力を,計測データを基にして客観的に捉えることを目的とする。
【0103】
ここでは,上記CTQを達成する為に必要な技術的実力を測る指標を定義する。ただし,新規に開発するテクノロジーで測定する手段や比較する対象がない場合には,無理に指標を定義しない。プロジェクトの結果は検証工程で確認すればよいからである。
【0104】
このような計測工程S310としては,(1)要求機能(FR:Function Requirement)が定量的に量れるものであれば,モンテカルロ分析手法を使って測定し,現状を把握する。(2)競合他社の性能を調査して,自社該当課題の実力を確認する。(3)多変量解析を使用して現状を把握する。(4)ベンチマーキングを実施し,競合他社の実力を調査する。等の例が挙げられる。
【0105】
上記分析工程S320は,重要設計プロセスやキーテクノロジーの状態に影響する要因を分析し,その因果関係を把握し,創造的な発明が要求される課題対象(現象)を絞り込むことを目的とする。
【0106】
ここでは,技術的課題,即ち開発設計は何を目指すのかといった対象が具体的になった段階で,現状を分析し把握する。この分析結果をもって技術的課題対象を絞り込むことが考えられる。
【0107】
このような分析工程S320としては,(1)要求機能と,それらを効果的に制御する要因との因果関係を分析する。(2)思考展開図等を使って最適な設計パラメータ(DR:Design Parameter)を決める。(3)独立公理が満足しない技術的矛盾を把握し,要求機能と設計パラメータとの関係を明確にして,設計方程式を記述する。(4)機能分析図等を使って,課題対象となる機能を分析する。(5)伝達関数で説明できる機能については伝達関数を抽出しWCA(Worst Case Analysis)等を行う。(6)シミュレーション/エミュレーションが可能なものについては,モンテカルロ分析などを行う。(7)開発するための環境の現状を分析する。等の例が挙げられる。
【0108】
上記改良工程S330は,対象とするシステム(系)に要求される性能を抽出する手段を見つけ出し,絞り込まれた創造要求に対して関連情報,技術,頭脳を集約して発想を展開することを目的とする。
【0109】
ここでは,対象とするシステム(系)における出力が明確になり,ある程度系としての構造が具体的な形になれば,要求性能を満足させる為の調整を行う。伝達関数があればそれを使い,シミュレーション環境があればシミュレーションを行う。
【0110】
このような改良工程S330としては,(1)技術的矛盾を解決する為,設計方程式において,機能要求と設計パラメータの関係が,緩衝設計ではない独立設計になるように,独自の創造的発想やTRIZによる発想を使って解決する糸口をつかむ。(2)機能分析の結果,VE(Value Engineering)の手法等を使ってトリミングを行い対象物の価値を高める。等の例が挙げられる。
【0111】
上記設計工程S340は,発想を具現化する方法を決定し,課題を満足するものを形として実現することを目的とする。
【0112】
ここでは,主に試作を行う。試作の方法としては,プロトタイプ作成,3D−CAD等を使った仮プロトタイピング,エミュレーションシステムの構築などがある。
【0113】
このような設計工程S340としては,(1)情報公理で定義された情報量を最小とするような設計を実現する。(2)技術的な課題に対して,寛容(tolerant)な設計を行う。(3)開発設計を効率よくサポートし設計品質を保証する為の設計環境を構築する。(4)仕様書をまとめる。(4)開発設計環境を構築する。等の例が挙げられる。
【0114】
上記最適化工程S350は,設計パラメータをチューニングして機能要求に対して最適な設定条件を導き出し,開発設計環境の最適化を行うことを目的とする。
【0115】
ここでは,システムの設計が完成し,要求機能と設計パラメータの関係が決定した後で,設計パラメータを要求機能に対して最適化する。制御できないパラメータや,システムの安定性に悪影響を及ぼすような感度の高すぎる設計パラメータに対してロバストな設定を見つけ出す。
【0116】
このような最適化工程S350としては,(1)試作システムから量産システムへの移行を実現する。(2)パラメータ設計(実験計画法(DOE:Design of Experiment),田口メソッド)などを使ってロバストなシステムになるよう設計パラメータを調整する。(3)不具合を起こす危険性のあるものについてはシステム運用の条件を決め,不具合を起こさないように形成する。また,不具合が生じても損害が最小に食い止められるような仕組みを作る。(4)開発設計に必要なライブラリを作成する。(5)試作から量産に移る。等の例が挙げられる。
【0117】
上記検証工程S360は,目的とする課題が開発,設計においてけるに対する満足の得られる結果が得られたかどうかを検証することを目的とする。
【0118】
ここでは,シミュレータ,エミュレータ,試作などを用いて,定義手段110または定義工程S300で設定した目標が達成されたかどうかを確かめる。
【0119】
このような検証工程S360としては,(1)機能要求と設計パラメータの組み合わせが明確になっていて,時間的またはリソース的にテストが可能なものについては実際に即したテストパターンと期待値を使ってシステムの機能を検証する。(2)設計パラメータのパターンの組み合わせが膨大である等の理由で全てのパターン検証が出来ない場合には,モンテカルロシミュレーション等を使って統計的に機能の検証を行う。(3)実際の環境でテストする。(4)経年劣化等が設計パラメータにあり,結果が出るのに時間がかかるものについては加速試験などを行う。等の例が挙げられる。
【0120】
上記選択手段114は,このような構築手段120に含まれる上記工程の選択を行う。
【0121】
図8は,利用者が上記各工程を定義する計画表を表示した入力画面(計画表)を表している。図中Defineは定義工程を,Measureは計測工程S310を,Analyzeは分析工程S320を,Improveは改良工程S330を,Designは設計工程S340を,Optimizeは最適化工程S350を,Verifyは検証工程S360を示し,「(Optional)」は,選択可能であることを表す。以下,計画表に関する図は同様の表現を使用している。
【0122】
上記利用者は,自らの判断で各工程を選択し,直接上記入力画面に入力することもできるが,上記選択手段114による質問形式により選択することもできる。上記質問形式は,入力端末装置60に設けられた表示部に表示され,上記入力端末装置60において利用者が回答を選ぶ形で行われる。
【0123】
図9は,選択手段114における動作を示すフローチャートである。ここで,選択手段114は,計測工程の選択S190と,分析工程の選択S192と,改良工程の選択S194と,設計工程の選択S196と,最適化工程の選択S198の段階で構成される。
【0124】
図10から14は,上記工程の選択に関する詳細なフローチャートである。
【0125】
上記計測工程の選択S190は,当該新規創造プロセスの内容に応じて計測工程S310を選択するのが適当であるかどうかを判断する。
【0126】
図10を参照すると,まず対象とする課題に系(仕組み)が存在するかどうかが判断され(S210),存在する場合には,系に明確な出力があるか判断される(S212)。明確な出力がある場合,出力は数値もしくは数値化して計測できるかが判断され(S214),計測できる場合は計測工程S310を選択してレジスタに入れる(S216)。上記の判断のいずれかでNOと判断された場合は,上記計測工程の選択S190は終了し,計測工程S310は選択されなかったことになる。即ち,計測工程S310を当該課題に適応するのは不適当となる。
【0127】
上記分析工程の選択S192は,当該新規創造プロセスの内容に応じて分析工程S320を選択するのが適当であるかどうかを判断する。
【0128】
図11を参照すると,まず対象とする課題の現状は正確に把握されているかが判断され(S220),把握されている場合には,対象とする課題に関係のある現状要因は絞り込まれているか判断される(S222)。絞り込まれている場合,要因は要求される精度でコントロールできるかが判断され(S224),コントロールできる場合は,上記分析工程の選択S192は終了し,分析工程S320は選択されなかったことになる。即ち,分析工程S320を当該課題に適応するのは不適当となる。また,上記の判断のいずれかでNOと判断された場合は,分析工程S320を選択してレジスタに入れる(S226)。
【0129】
上記改良工程の選択S194は,当該新規創造プロセスの内容に応じて改良工程S330を選択するのが適当であるかどうかを判断する。
【0130】
図12を参照すると,まず対象とする系は安定しているかが判断され(S230),安定している場合には,対象とする系の出力は要求される性能を満足しているか判断される(S232)。満足している場合,要求される機能に対して有効な発想は存在するかが判断され(S234),存在する場合は,上記改良工程の選択S194は終了し,改良工程S330は選択されなかったことになる。即ち,改良工程S330を当該課題に適応するのは不適当となる。また,上記の判断のいずれかでNOと判断された場合は,改良工程S330を選択してレジスタに入れる(S236)。
【0131】
上記設計工程の選択S196は,当該新規創造プロセスの内容に応じて設計工程S340を選択するのが適当であるかどうかを判断する。
【0132】
図13を参照すると,まずビジネスモデルを作成するかが判断され(S240),作成しない場合には,プロトタイプを作るか判断される(S242)。プロトタイプを作らない場合,シミュレーション環境を作るかが判断され(S244),シミュレーション環境を作らない場合,エミュレーションシステムを作るか判断される(S246)。さらに,エミュレーションシステムも作らない場合は,ソフトウェア(SW)プログラムを作るかが判断され(S248),ソフトウェアプログラムを作らない場合は,イベント計画を作成するか判断される(S250)。さらに,イベント計画も作成しない場合は,今までにない環境を構築するか判断され(S252),このような環境も構築しない場合,新しい仕組みを作るか判断される(S254)。新しい仕組みも作らないと判断された場合は,上記設計工程の選択S196は終了し,設計工程S340は選択されなかったことになる。即ち,設計工程S340を当該課題に適応するのは不適当となる。また,上記の判断のいずれかでYESと判断された場合は,設計工程S340を選択してレジスタに入れる(S256)。
【0133】
上記最適化工程の選択S198は,当該新規創造プロセスの内容に応じて最適化工程S350を選択するのが適当であるかどうかを判断する。
【0134】
図14を参照すると,まず要求機能と設計パラメータの関係は明確かが判断され(S260),明確である場合には,最適な結果が安定して得られているか判断される(S262)。安定した結果が得られていない場合,パラメータは最適化に対して調整可能かが判断され(S264),調整可能な場合は,最適化工程S350を選択してレジスタに入れる(S266)。また,上記判断(S260)の結果明確ではない場合,および,上記判断(S264)の結果調整不可能である場合は,分析工程S320を選択してレジスタに入れる(S268)。さらに,上記判断(S262)の結果安定した結果が得られている場合,上記安定化工程の選択S198は終了し,最適化工程S350は選択されなかったことになる。即ち,最適化工程S350を当該課題に適応するのは不適当となる。
【0135】
また,検証工程S360は業務の実行結果を検証する上で必須工程であるので,選択は行われない。
【0136】
さらに,他の実施形態によれば,上記分析工程の選択S192と上記設計工程の選択S196を行わず,分析工程S320と設計工程S340は必須とすることもできる。
【0137】
このように上記選択手段114を構成することにより最低限必要とする工程を形成でき,課題最適化が可能な範囲で自由度を確保し,様々な課題業務に適応できる。
【0138】
また,上記選択手段114として動作する選択工程も提供される。
【0139】
(流れ図形成手段116)
上記流れ図形成手段116は,上記選択手段114で選択された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する。
【0140】
例えば,上記選択手段114において計測工程S310,分析工程S320,改良工程S330,設計工程S340,最適化工程S350,検証工程S360が選択された場合,上記流れ図は,定義工程S300,計測工程S310,分析工程S320,改良工程S330,設計工程S340,最適化工程S350,検証工程S360の順で推移するように形成される。
【0141】
図15は,本実施形態における流れ図形成手段116によって形成されたフローチャートを示す。
【0142】
ここでは,上述のように計測工程S310,分析工程S320,改良工程S330,設計工程S340,最適化工程S350,検証工程S360の全工程が選択されている。図中実線の四角で表されている工程は必須工程であり,波線の四角で表されている工程は本実施形態においては選択された付属工程である。かかる場合は,定義工程S300,計測工程S310,分析工程S320,改良工程S330,設計工程S340,最適化工程S350,検証工程S360の順で推移する。また,図に示すように分析工程S320と改良工程S330は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されても良い。
【0143】
また,本実施形態においては,課題業務を4つの概念的領域に分けることを試みる。この課題業務の各領域に従って,上記選択手段114で選択される工程がおおよそ定まることとなる。上記領域は,カスタマー領域と,機能領域と,実体領域と,プロセス領域とから構成される。各領域は,おおよそ業務の時系列に沿って並べられた領域である。以下,各領域の概念と例を挙げる。
【0144】
上記カスタマー領域は,業務の準備段階であるカスタマーからの要求を定義する領域である。例えば,商品設計分野においてはカスタマーの要求,LSI設計分野においてはシステムアーキテクチャー,テスト分野においてはテスト要件,ソフトウェア分野においては属性(Attribute),EDA(Electronic Design Automation)分野においては設計者の要求を示す。
【0145】
上記機能領域は,カスタマーの要求が定義された後,それを機能的に評価するための領域である。例えば,商品設計分野においては機能スペック,機能記述,LSI設計分野においては機能スペック,RTL記述,テスト分野においてはテストスペック,ソフトウェア分野においては出力,EDA分野においては設計環境としての要求(シミュレーション時間等)を示す。
【0146】
上記実体領域は,機能的な評価終了後,実質的,実体的な評価を行うための領域である。例えば,商品設計分野においては試作パラメータ設計,LSI設計分野においては物理レイアウト設計,マスク生成,試作,テスト分野においてはテストベクター,ソフトウェア分野においては入力変数アルゴリズム,EDA分野においてはセルライブラリシミュレーションモデルを示す。
【0147】
上記プロセス領域は,上記領域を終了し,実際の量産段階に入った領域である。例えば,商品設計分野においては量産プロセス,LSI設計分野においては量産移管,テスト分野においては量産テスト,ソフトウェア分野においてはルーチン,EDA分野においては設計環境を示す。
【0148】
ただし,上記プロセス領域は,過去の蓄積データを活用できる繰り返し性の高い改善プロセスであるため,定型最適化手段124によって最適化されることが望ましい。従って,本実施形態においては,上記カスタマー領域,機能領域,実体領域の3領域をモデルとし,さらにその3領域をまたがるモデルも考えられる。本実施形態においては,まず目的とする課題が決定したら,上記4パターンの領域モデルから1つを選択し,その領域に従った工程の選択を行うことができる。
【0149】
図16は,カスタマー領域としてモデル化されたフローチャートを示す。
【0150】
かかるモデルでは,計測工程S310が選択可能とされ,少なくとも定義工程S300,分析工程S320,設計工程S340,検証工程S360は,必須とされる。ここで,流れ図形成手段116は,上記工程の流れを図の矢印の順で推移するように自動的に形成される。また,図に示すように計測工程S310と分析工程S320は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されても良い。
【0151】
図17は,機能領域としてモデル化されたフローチャートを示す。
【0152】
かかるモデルでは,改良工程S330が選択可能とされ,少なくとも定義工程S300,分析工程S320,設計工程S340,検証工程S360は,必須とされる。ここで,流れ図形成手段116は,上記工程の流れを図の矢印の順で推移するように自動的に形成される。また,図に示すように分析工程S320と改良工程S330は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されても良い。
【0153】
図18は,実体領域としてモデル化されたフローチャートを示す。
【0154】
かかるモデルでは,最適化工程S350が選択可能とされ,少なくとも定義工程S300,分析工程S320,設計工程S340,検証工程S360は,必須とされる。ここで,流れ図形成手段116は,上記工程の流れを図の矢印の順で推移するように自動的に形成される。
【0155】
図19は,3つの領域をまたがるプロセスとしてモデル化されたフローチャートを示す。
【0156】
かかるモデルでは,計測工程S310,改良工程S330,最適化工程S350が各々選択可能とされ,少なくとも定義工程S300,分析工程S320,設計工程S340,検証工程S360は,必須とされる。ここで,流れ図形成手段116は,上記工程の流れを図の矢印の順で推移するように自動的に形成される。また,図に示すように計測工程S310と分析工程S320や,分析工程S320と改良工程S330は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されても良い。
【0157】
このように,課題業務のタイプを上記領域に振り分けることにより,よりいっそう工程の選択を容易にでき,流れ図の形成も容易となる。
【0158】
また,流れ図形成手段116のかかる構成により,各工程が一連の流れとして組み合わさり,一定の流れの範囲内で様々な課題業務に適応できる自由度を確保できる。
【0159】
また,上記流れ図形成手段116として動作する流れ図形成工程も提供される。また,上記プロセス判断工程,選択工程,および流れ図形成工程を含んで業務全体の流れを定義させる定義工程S300も提供される。
【0160】
(業務最適化の比較1)
図20,21は,従来のDMAICアプローチと本実施形態にかかるDConfigVアプローチを比較した例を表す図である。
【0161】
図20において,従来のDMAICアプローチで新規創造プロセスに属する研究開発(R&D:Research And Development)系のプロジェクトを進めようとすると図に示す問題が生ずる。即ち,従来のDMAIC工程を無理矢理,目的とする課題業務に当てはめようとしても,その工程を構成する要素を導き出すことができない。具体的には,新商品開発においての現場の声(VOC:Voice of Customer)を参照すると,従来の定義工程においては,PGS(Project Gain and Saving)だけでは価値が計れない。従来の計測工程においては,試作前なので何を計測するか分からない。従来の分析工程,改良工程においては,分析と改良は反復(iteration)プロセスで区別できない。従来の管理工程においては,繰り返し性がないので管理できない。等の問題を内在している。
【0162】
その結果,DMAICに合わせやすい対象を選んでシックス・シグマプロジェクトを行ってしまい,本質的課題にフォーカスできない。従って,マネジメントから開発設計課題の本質と現状が見えない状態となる。
【0163】
これに対して,図21では,同様の新規創造プロセスに属する研究開発系のプロジェクトにDConfigVでの適応を試みる。ここでは各工程(DConfigVによる定義工程S300,分析工程S320,設計工程S340,最適化工程S350,検証工程S360)に関して明確な出力を定義することができる。具体的には,定義工程S300においては,新商品のコンセプト。分析工程S320においては,機能仕様。設計工程S340においては,試作設計。最適化工程S350においては,シミュレーションパラメータの最適化。検証工程S360においては,加速試験。等の出力が得られる。
【0164】
この結果本質的な設計課題に絞ったプロジェクトを実行でき,マネジメントから開発設計課題の本質と現状を把握することができる。
【0165】
ここでは,新商品開発において定義することが不適切な計測工程S310,改良工程S330を省略している。かかる構成により,上記選択された工程をすべて定義することが可能となり,上述のような結果が得られる。
【0166】
このような各工程の定義も,利用者が考察することにより明確に設定される。また,このような定義された結果を受けて業務最適化装置50内のデータベース,または通信網を介した蓄積データベースに回答結果を蓄積し,さらに蓄積された内容を分析し,問題提起に対して回答を導き出すことができる学習機能を備えるとしてもよい。この学習機能により,利用者の負担を徐々に削減でき,種々の業務形態を扱うことにより各々の形態の部分的な最適化例を寄せ集めることが可能となる。従って,新たな課題業務にも自動的に適応できるようになり,最終的には利用者の支援を必要としないで,定義手段110は,構築手段120の各工程を定義することができるようになる。
【0167】
(業務最適化例1)
本実施形態にかかる業務最適化例1として,3−Dグラフィックスアクセラレータを取り上げる。ここでは,モバイル用ゲーム機の機能要求において,従来からの3−Dグラフィックス用ハードウェアアクセラレータ(LSI)が必要となるが,このLSIは消費電力が大きく発熱量も多い。このため技術的な課題として,LSIの低消費電力化が要求される。
【0168】
図22は,上述のような要求に対するCTQ等の入力結果を表している。
【0169】
まず,最初にCTQを定義する。本実施形態でのCTQは,「3−Dグラフィックス用LSIの消費電力」を「3ヶ月以内」に「平均消費電力を0.3W以下」にすると設定し,以上から対象課題を「従来のプロセステクノロジーで,平均消費電力0.5Wの3−Dグラフィックス用LSIを,新しいプロセステクノロジーを使って機能と処理速度はそのままに保持し,平均消費電力だけを0.3W以下にする。」と決定する。
【0170】
次に前業務領域からの入力内容であるカスタマーからの情報「機能設計仕様」と,次業務領域への出力内容であるプロセス領域への提出物「マスクデータ,LSI製造パラメータ」を入力する。
【0171】
このようにしてCTQを定義し,対象課題が決定されると,次に利用者により各工程の定義が定められる。この定義された内容は,業務最適化装置50に設けられた表示部に表示された計画表に対して,入力端末装置60から入力される。
【0172】
本課題業務に対する工程は,選択手段114により分析工程S320,設計工程S340,最適化工程S350,検証工程S360が選択される。上記の領域としては,実体領域となる。
【0173】
図23は,選択された各工程をさらに定義した計画表を示している。
【0174】
ここでは,定義工程S300として「従来の半導体製造プロセスでのデータを基にした情報を最大限に利用して,新しいプロセステクノロジーでの確実な設計を実現する。」,分析工程S320として「消費電力を下げる為の要因と,パフォーマンスを犠牲にしないための方策を調査分析する。」,設計工程S340として「分析工程で分析した要因にフォーカスを当て,機能要求からそれを実現する為の物理設計を行う。」,最適化工程S350として「シミュレーション技術と,テストビークルから得たデータを基に設計パラメータ(信号線距離,トランジスタサイズ,等)を最適化する。」,検証工程S360として「消費電力解析用のシミュレータを使って,消費電力の要求を満足したかを確かめる。信号遅延シミュレータを使ってタイミングクリティカルパスの解析を行い,要求パフォーマンスが満足されているかを検証する。」が挙げられている。
【0175】
(業務最適化の比較2)
続いて図24から27を参照し,上記の新規商品開発プロジェクトを従来のDMAICアプローチと比較し,どのように課題業務の最適化を実現していくかに関して説明する。
【0176】
図24は,従来のDMAICアプローチと本実施形態にかかるDConfigVアプローチを比較した図であり,特にDMAICにおける計測工程430とDconfigVにおける分析工程432を抽出している。また,図において図面上部にDMAICアプローチを,図面下部にDConfigVアプローチを示し,大きな矢印は工程の推移を示している。
【0177】
従来のDMAICアプローチでは,計測工程430により,消費電力を下げるためスタンバイリーク電流の計測を行おうと試みても,新しいテクノロジーであるが故,測定できない。これに対して本実施形態にかかるDConfigVアプローチでは,計測工程を行わず,直ぐに分析工程432を実施する。ここでは,消費電力を下げる為の要因と,パフォーマンスを犠牲にしないための方策を調査分析している。
【0178】
図25は,従来のDMAICアプローチと本実施形態にかかるDConfigVアプローチを比較した図であり,特にDMAICにおける分析工程440とDconfigVにおける設計工程442を抽出している。
【0179】
従来のDMAICアプローチでは,分析工程440と改良工程により指標の目標と要因との因果関係を分析するのだが,上記指標の目標が不明確なので要因との因果関係が曖昧になり値が収束しない。これに対して本実施形態にかかるDConfigVアプローチでは,改良工程を行わず,分析工程の結果を直接設計工程442に反映する。ここでは,分析工程432で分析した要因にフォーカスを当て,機能要求からそれを実現する為の物理設計を行う。
【0180】
図26は,従来のDMAICアプローチと本実施形態にかかるDConfigVアプローチを比較した図であり,特にDMAICにおける改良工程450とDconfigVにおける最適化工程452を抽出している。
【0181】
従来のDMAICアプローチでは,上記同様分析工程440と改良工程450により指標の目標と要因との因果関係を分析するのだが,上記指標の目標が不明確なので要因との因果関係が曖昧になり値が収束しない。これに対して本実施形態にかかるDConfigVアプローチでは,改良工程を行わず,設計工程442の結果を直接最適化工程452に反映する。ここでは,シミュレーション技術と,テストビークルから得たデータを基に設計パラメータ(信号線距離,トランジスタサイズ,等)を最適化する。
【0182】
図27は,従来のDMAICアプローチと本実施形態にかかるDConfigVアプローチを比較した図であり,特にDMAICにおける管理工程460とDconfigVにおける検証工程462を抽出している。
【0183】
従来のDMAICアプローチでは,管理工程460によりプロセスの標準化を行い,改良工程450の結果定着のため管理しなければならないが,試作段階なのでプロセスの標準化はできない。これに対して本実施形態にかかるDConfigVアプローチでは,今までの工程により検証すべき結果物があるので検証工程462を行うことができる。ここでは,消費電力解析用のシミュレータを使って,消費電力の要求を満足したかを確かめ,さらに信号遅延シミュレータを使ってタイミングクリティカルパスの解析を行い,要求パフォーマンスが満足されているかを検証する。
【0184】
以上のように新規創造プロセスに属する新規製品開発プロジェクトを従来のDMAICに適応しようとすることは困難であり,無理に当てはめても,その工程を構成する本来の要素を導き出すことができない。
【0185】
(業務最適化例2)
本実施形態にかかる業務最適化例2として,半導体プロセス技術における設計環境を取り上げる。
【0186】
図28は,CTQ等の入力結果を表している。
【0187】
まず,最初にCTQを定義する。本実施形態でのCTQは,「新規プロセステクノロジーを使った設計環境を構築する」を「大規模で高速動作を保障し,従来の設計期間より期間短縮」にすると設定し,以上から対象課題を「従来の設計ノウハウを活かし実用的なレイアウト設計環境を新規に構築する。」と決定する。
【0188】
次に前業務領域からの入力内容であるカスタマーからの情報「新規の半導体プロセス技術なので,設計環境の実績が無い。回路の規模が大きくなると指数関数的に検証期間が増大する。」を入力する。
【0189】
このようにしてCTQを定義し,対象課題が決定されると,次に利用者により各工程の定義が定められる。この定義された内容は,業務最適化装置50に設けられた表示部に表示された計画表に対して,入力端末装置60から入力される。
【0190】
本課題業務に対する工程は,選択手段114により計測工程S310,分析工程S320,設計工程S340,検証工程S360が選択される。上記の領域としては,3つの領域をまたがるプロセスとなる。
【0191】
図29は,選択された各工程をさらに定義した計画表を示している。
【0192】
ここでは,定義工程S300として「新しい半導体プロセス技術を使った大規模で高速なSOC(System On Chip)を設計するための設計ツール環境を新規に構築する。」,計測工程S310として「大規模で高速になったSOC設計の現状TAT(Turn Around Time)を,まだ大規模で高速でなかったときの設計の従来TATと比較測定する。」,分析工程S320として「設計TATに影響を与える要因を抽出し,色々な解決方法の効果を分析。」,設計工程S340として「大規模で高速になったSOC設計においてTATを削減する最適設計環境を構築する。」,検証工程S360として「実際のSOC設計に要するTATを測定し効果を検証する。」が挙げられている。
【0193】
以下,上記DConfigVアプローチにより定義された各工程を,実際に構築手段120によって構築する。
【0194】
図30は,DConfigVによる計測工程510の構築を示した図である。計測工程510は,定義手段110により「大規模で高速になったSOC設計の現状TATを,まだ大規模で高速でなかったときの設計の従来TATと比較測定する。」と定義されている。ここでは,設計期間増大に影響する設計プロセスを把握するために,従来のTATと現状のTATとの設計時間を測定する(512)。
【0195】
図31,32,33は,DConfigVによる分析工程520の構築を示した図である。分析工程520は,定義手段110により「設計TATに影響を与える要因を抽出し,色々な解決方法の効果を分析。」と定義されている。具体的には,全体的な設計期間に影響を与える設計シミュレーション時間をオペレーティングシステム各々に対して比較検討する(522)。また,上記設計シミュレーション時間を,シミュレーション検証ツールを使用した場合と使用しない場合とで比較検討する(524)。さらにspef減退手法を使用し,シミュレーション解析時間にどれくらいの影響または効果があるかを分析する(526)。
【0196】
図34は,DConfigVによる設計工程530の構築を示した図である。設計工程530は,定義手段110により「大規模で高速になったSOC設計においてTATを削減する最適設計環境を構築する。」と定義されている。ここでは分析工程520で分析した結果を実際の設計プロセスに反映するため,新しい設計環境を構築する(532)。
【0197】
図35,36は,DConfigVによる検証工程540の構築を示した図である。検証工程540は,定義手段110により「実際のSOC設計に要するTATを測定し効果を検証する。」と定義されている。ここではレイアウト検証期間を比較することによって,新しい設計環境を導入するにあたっての現実的有効性を検証する(542)。また,設計TAT全体の目標に対して,達成レベルを確認する(544)。
【0198】
(業務最適化例3)
本実施形態にかかる業務最適化例3として,位相同期回路(PLL:Phase locked loop)の開発を取り上げる。
【0199】
図37は,CTQ等の入力結果を表している。
【0200】
まず,最初にCTQを定義する。本実施形態でのCTQは,「高倍速対応のPLL」を「3ヶ月以内」に「試作を完了して下さい」と設定し,以上から対象課題を「NewPLL開発:Errorのモデル化をして広帯域PLLを開発する。」と決定する。
【0201】
次に前業務領域からの入力内容であるカスタマーからの情報「中国のDVDマーケットで販売を促進する必要条件として,海賊版等の粗悪ディスクでも再生を可能としなければならない。DVDのプレイアビリティーを実現する為に必要なコアテクノロジーが,広帯域PLL技術である。」を入力する。
【0202】
このようにしてCTQを定義し,対象課題が決定されると,次に利用者により各工程の定義が定められる。この定義された内容は,業務最適化装置50に設けられた表示部に表示された計画表に対して,入力端末装置60から入力される。
【0203】
本課題業務に対する工程は,選択手段114により分析工程S320,設計工程S340,最適化工程S350,検証工程S360が選択される。上記の領域では,実体領域となる。
【0204】
図38は,選択された各工程をさらに定義した計画表を示している。
【0205】
ここでは,定義工程S300として「既存のアルゴリズム開発環境はその検証方法が人手によるところが多く効率がとても悪かったので,新しくアルゴリズム開発→評価検証のシステムを構築して,新しいPLLを開発する。」,分析工程S320として「PLLに使用するアルゴリズム開発を効率よく行いPLLの性能を向上させる為に,従来のアルゴリズム開発フローを分析した。」,設計工程S340として「アルゴリズム検証の仕組みを新たにして新しい開発システムを構築した。」,最適化工程S350として「田口メソッドを使って新しいPLLの広帯域化を可能にする制御因子の最適化設定をおこなった。」,検証工程S360として「CTQ指標を達成したかどうかを検証した。」が挙げられている。
【0206】
以下,上記DConfigVアプローチにより定義された各工程を,実際に構築手段120によって構築する。
【0207】
図39,40,41は,DConfigVによる分析工程610の構築を示した図である。分析工程610は,定義手段110により「既存のアルゴリズム開発環境はその検証方法が人手によるところが多く効率がとても悪かったので,新しくアルゴリズム開発→評価検証のシステムを構築して,新しいPLLを開発する。」と定義されている。ここでは,PLLアルゴリズム開発の現状を把握するためその開発プロセスを分析し,何をすべきかを検討する(612)。また,PLLアルゴリズムが対象とするエラー補正要因を抽出する為の分析を行う(614)。さらに従来のアルゴリズムにおける開発から検証に至るまでのシステム詳細を把握し,開発期間に影響を及ぼす要因を抽出する(616)。
【0208】
図42は,DConfigVによる設計工程620の構築を示した図である。設計工程620は,定義手段110により「アルゴリズム検証の仕組みを新たにして新しい開発システムを構築した。」と定義されている。ここでは,分析工程610で得られた情報である現状の開発システムを基に創造性を働かせて新しいPLLの開発環境を構築する(622)。
【0209】
図43,44は,DConfigVによる最適化工程630の構築を示した図である。最適化工程630は,定義手段110により「田口メソッドを使って新しいPLLの広帯域化を可能にする制御因子の最適化設定をおこなった。」と定義されている。ここでは,設計工程620で構築した開発環境を使って,対象となるPLL制御因子を最適化するための実験を行い,上記制御因子の最適化を行う(632)。また,要因効果を用いることにより回路の最適設定を行う(634)。
【0210】
図45は,DConfigVによる検証工程640の構築を示した図である。検証工程640は,定義手段110により「CTQ指標を達成したかどうかを検証した。」と定義されている。ここでは,最適化工程630で最適化したPLLアルゴリズムのエラー復元率に対する有効性を確かめるため検証を行う(642)。
【0211】
以下は,業務最適化例としてDConfigVによるアプローチを主に説明する。
【0212】
(業務最適化例4)
本実施形態にかかる業務最適化例4として,ソフトウェア(シックス・シグマサポートルール)の商品戦略を取り上げる。従来SSS_Startと言う独自のシックス・シグマをサポートする為のアプリケーションソフトウェアを開発して販売していた。アンケート調査により分析したら,かかるソフトウェアは一部のマニアにしか使われていないことが確認された。また,仕事全般で使われるソフトであれば爆発的な売り上げを期待できることが分かった。そこで,確実に売れるアプリケーションソフトの商品コンセプトを決めるべく業務の最適化を行う。
【0213】
図46は,市販されているソフトの分析例を示し,人気層と使われている目的の2次元で各ソフトがどのように展開されているかを把握するための図である。
【0214】
図47は,上述のような要求に対するCTQ等の入力結果を表している。
【0215】
まず,最初にCTQを定義する。本実施形態でのCTQは,「マニア層以外にも使われる独自のシックス・シグマサポートツールの商品コンセプトを決め,定量的データに基づいた商品戦略を立てる」を「3ヶ月以内」に「具体的な開発段階に入れる」と設定し,以上から対象課題を「マニア層以外にも使われる独自のシックス・シグマサポートツールの商品コンセプトを決め,定量的データに基づいた商品戦略を立てる。」と決定する。
【0216】
次に前業務領域からの入力内容であるカスタマーからの情報「顧客アンケート調査結果」と,次業務領域への出力内容であるプロセス領域への提出物「商品コンセプト」を入力する。
【0217】
このようにしてCTQを定義し,対象課題が決定されると,次に利用者により各工程の定義が定められる。この定義された内容は,業務最適化装置50に設けられた表示部に表示された計画表に対して,入力端末装置60から入力される。
【0218】
本課題業務に対する工程は,選択手段114により計測工程S310,分析工程S320,設計工程S340,検証工程S360が選択される。上記の領域では,カスタマー領域となる。
【0219】
図48は,選択された各工程をさらに定義した計画表を示している。
【0220】
ここでは,定義工程S300として「カスタマーのニーズを的確に捉え,マニア層以外の顧客にもアピールするような戦略的商品コンセプトを創造する独自のシックス・シグマプロジェクト計画を立てる。」,計測工程S310として「他社の類似ソフトを調査し,我々のSSS_Startとの違いを定量的に測定する。」,分析工程S320として「計測工程で調査し,定量的に測定したデータに基づいて,分析を行う。また,必要な情報については多変量解析,DOE等を使って我々の商品戦略に必要な情報を抽出する。」,設計工程S340として「分析工程で抽出した情報を基に,商品コンセプトを検討し,作成する。」,検証工程S360として「商品コンセプトを基に,マニア層以外のサンプルでモニター調査して新商品コンセプトの受け入れられ方を検証する。」が挙げられている。
【0221】
上記DConfigVアプローチにより定義された各工程を,構築手段120において構築する。
【0222】
(業務最適化例5)
本実施形態にかかる業務最適化例5として,PDAの新規設計を取り上げる。新商品コンセプトとして,20代から30代前半のサラリーマンが通勤時にこれを一つ持っていれば,簡単に音楽が聴けて,本が読めて,スケジュールもチェック出来る。さらに軽量なので携帯にも便利である。そのような従来のPDAを超える新規なPDAの開発が求められていた。そこに研究段階だった新技術を使った超薄型軽量,大容量,のバッテリーが実用段階で量産可能となりそうだと言う情報が入った。このような状況下において最適な商品を生み出す。
【0223】
図49は,上述のような要求に対するCTQ等の入力結果を表している。
【0224】
まず,最初にCTQを定義する。本実施形態でのCTQは,「従来のPDAを超えるPDAの機能仕様」を「3ヶ月以内」に「他社にない斬新な商品だと言える」と設定し,以上から対象課題を「新技術の超薄型軽量,大容量バッテリーの利点を最大限に活かして現在のPDAを越えるPDAを他社より先駆けて斬新な商品とするための機能仕様を作る。」と決定する。
【0225】
次に前業務領域からの入力内容であるカスタマーからの情報「新PDAの商品コンセプト」と,次業務領域への出力内容であるプロセス領域への提出物「新PDA機能仕様書」を入力する。
【0226】
このようにしてCTQを定義し,対象課題が決定されると,次に利用者により各工程の定義が定められる。この定義された内容は,業務最適化装置50に設けられた表示部に表示された計画表に対して,入力端末装置60から入力される。
【0227】
本課題業務に対する工程は,選択手段114により分析工程S320,改良工程S330,設計工程S340,検証工程S360が選択される。上記の領域では,機能領域となる。
【0228】
図50は,選択された各工程をさらに定義した計画表を示している。
【0229】
ここでは,定義工程S300として「競合他社より,先行して実現した新技術によるバッテリーの特徴を最大限に活かして確実に他社と差異化ができる商品の機能仕様を作成するための独自のシックス・シグマプロジェクトを設定する。」,分析工程S320として「量産可能とはいえ研究段階から脱皮したばかりの超薄型軽量バッテリーの性能を商品化と言う切り口で試験,分析を行う。現在市場に出回っている一般的なPDAとその使われ方を調査,分析する。機能分析を行い,思考展開図等を使って要求機能と実現する為の技術的課題を絞り込む。」,改良工程S330として「分析工程で絞り込まれた技術的な課題に対して,TRIZを使い,発想の方向性を絞り込んで具体的な実現案を抽出する。」,設計工程S340として「改良工程で得られた発想や,情報を基にして機能仕様を作成する。」,検証工程S360として「設計工程で作成した機能で,新しく差異化技術になる部分は,実験的にデータを取り,シミュレーションを行って,その実現性を検証する。」が挙げられている。
【0230】
上記DConfigVアプローチにより定義された各工程を,構築手段120において構築する。
【0231】
(業務最適化例6)
本実施形態にかかる業務最適化例6として,トレンド商品の市場投入タイミングを取り上げる。商品は,市場での流行によって要求機能が頻繁に変動する。ただし,そのような要求機能を的確に捉えてタイムリーに商品を出せば爆発的な売り上げが期待できる。商品としての機能は既に存在するテクノロジーを組み合わせることで実現できるものが大半である。このような状況下で業務の最適化を試みる。
【0232】
図51は,上述のような要求に対するCTQ等の入力結果を表している。
【0233】
まず,最初にCTQ等を定義する。本実施形態でのCTQは,「トレンドにヒットする商品」を「クリスマス商戦」に「爆発的な利益を得る」と設定し,以上から対象課題を「3ヶ月先の商品トレンドを精度よく予測して,タイムリーに商品を市場投入することで,爆発的な利益を得る。」と決定する。
【0234】
次に前業務領域からの入力内容であるカスタマーからの情報「市場のトレンド要求」と,次業務領域への出力内容であるプロセス領域への提出物「試作品,製造パラメータ」を入力する。
【0235】
このようにしてCTQを定義し,対象課題が決定されると,次に利用者により各工程の定義が定められる。この定義された内容は,業務最適化装置50に設けられた表示部に表示された計画表に対して,入力端末装置60から入力される。
【0236】
本課題業務に対する工程は,選択手段114により計測工程S310,分析工程S320,改良工程S330,設計工程S340,最適化工程S350,検証工程S360が選択される。上記の領域では,3つの領域をまたがるプロセスとなる。
【0237】
図52は,選択された各工程をさらに定義した計画表を示している。
【0238】
ここでは,定義工程S300として「3ヶ月と言う短い設計期間に,関連商品のトレンドを予測して確実に,且つタイムリーに商品を投入する為のプロジェクトを領域横断型のプロジェクトとして実行する。」,計測工程S310として「競合他社商品の性能をベンチマークし,自社製品の位置づけを知る。」,分析工程S320として「計測工程で測定した,自社製品の位置づけと,他社製品の性能を比較分析して,それぞれの商品コンセプトと市場の関係を把握する。そして,3ヶ月後に発表する商品コンセプトを絞り込む。」,改良工程S330として「分析工程で得られた情報を基にチームで発想を展開する。」,設計工程S340として「改良工程で得られた発想を実際の機能としてシステム設計する。試作を行う。」,最適化工程S350として「設計工程で設計した試作機とシミュレーションを組み合わせて最適な条件で機能要求実現の為に,パラメータを設定する。」,検証工程S360として「3ヵ月後のカスタマー要求に満足を与えられるかを,モニターを使って検証する。」が挙げられている。
【0239】
上記DConfigVアプローチにより定義された各工程を,構築手段120において構築する。
【0240】
以上のように本実施形態にかかるDConfigVは,定義手段110によって業務全体の流れを決定し定義することから始まり,構築手段120によって工程毎に最適の業務形態を提供することを目的とする。かかる構成により新規創造プロセスも容易に最適化でき,触れることが難しいとされた業務に関しても積極的に取り組むことができる。
【0241】
また,かかる各工程の構築は,利用者が行うとしているが,このような構築結果を業務最適化装置50内のデータベース,または通信網を介した蓄積データベースに回答結果を蓄積し,さらに蓄積された内容を分析し,問題提起に対して各ツールの選択など自動的な構築を導き出すことができる学習機能を備えるとしてもよい。この学習機能により,利用者への負担を徐々に削減でき,最終的には業務最適化50における当該機能のみで業務の最適化を構築できる。
【0242】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0243】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,最適化対象である課題業務が従来のMAIC等と本発明にかかる業務の最適化のどちらも適応困難な場合に,課題業務に内在する改善プロセスと新規創造プロセスを分離させ,上記分離された課題業務毎の業務最適化を行うことができる。このようにして適切に課題業務を分析し,確実な最適化を行うことができる。
【0244】
また,本発明の定義手段によれば,最適化対象である課題業務に対して最適な工程だけを抽出でき,従来のMAICでは適応困難な,繰り返し性の乏しい課題業務に対しても柔軟に対応できる。
【0245】
また,上記抽出された最適な工程は,一連の流れとして組み合わさり,このことによって各工程の定義を容易に決定することができる。
【0246】
このように工程の選択と流れの形成によって,一定の流れの範囲内で様々な課題業務に適応できる自由度の高い最適化を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】最適化の目的となる業務の領域を概略的に表した図である。
【図2】本実施形態における業務最適化システムを概略的に表したブロック図である。
【図3】最適化プロジェクトフローを作成する上での必要な業務情報を表した図である。
【図4】本実施形態における業務最適装置の構成を表すブロック図である。
【図5】混合する総合プロセスの分離を概略的に表した図である。
【図6】プロセス判断手段における利用者の入力画面を示す図である。
【図7】プロセス判断手段において,課題業務に内在する改善プロセスと新規創造プロセスを分離するフローチャートを示す図である。
【図8】利用者が構造手段の各工程を定義する計画表を表示した入力画面を示す図である。
【図9】選択手段における動作を示すフローチャートである。
【図10】計測工程の選択に関する詳細なフローチャートである。
【図11】分析工程の選択に関する詳細なフローチャートである。
【図12】改良工程の選択に関する詳細なフローチャートである。
【図13】設計工程の選択に関する詳細なフローチャートである。
【図14】最適化工程の選択に関する詳細なフローチャートである。
【図15】本実施形態における流れ図形成手段によって形成されたフローチャートである。
【図16】カスタマー領域としてモデル化されたフローチャートである。
【図17】機能領域としてモデル化されたフローチャートである。
【図18】実体領域としてモデル化されたフローチャートである。
【図19】3つの領域をまたがるプロセスとしてモデル化されたフローチャートである。
【図20】従来のDMAICアプローチと本実施形態にかかるDConfigVアプローチを比較した例を表す図である。
【図21】従来のDMAICアプローチと本実施形態にかかるDConfigVアプローチを比較した例を表す図である。
【図22】入力画面におけるCTQ等の入力結果を表した図である。
【図23】選択された各工程をさらに定義した計画表を示した図である。
【図24】従来のDMAICアプローチと本実施形態にかかるDConfigVアプローチを比較した図である。
【図25】従来のDMAICアプローチと本実施形態にかかるDConfigVアプローチを比較した図である。
【図26】従来のDMAICアプローチと本実施形態にかかるDConfigVアプローチを比較した図である。
【図27】従来のDMAICアプローチと本実施形態にかかるDConfigVアプローチを比較した図である。
【図28】入力画面におけるCTQ等の入力結果を表した図である。
【図29】選択された各工程をさらに定義した計画表を示した図である。
【図30】DConfigVによる計測工程の構築を示した図である。
【図31】DConfigVによる分析工程の構築を示した図である。
【図32】DConfigVによる分析工程の構築を示した図である。
【図33】DConfigVによる分析工程の構築を示した図である。
【図34】DConfigVによる設計工程の構築を示した図である。
【図35】DConfigVによる検証工程の構築を示した図である。
【図36】DConfigVによる検証工程の構築を示した図である。
【図37】入力画面におけるCTQ等の入力結果を表した図である。
【図38】選択された各工程をさらに定義した計画表を示した図である。
【図39】DConfigVによる分析工程の構築を示した図である。
【図40】DConfigVによる分析工程の構築を示した図である。
【図41】DConfigVによる分析工程の構築を示した図である。
【図42】DConfigVによる設計工程の構築を示した図である。
【図43】DConfigVによる最適化工程の構築を示した図である。
【図44】DConfigVによる最適化工程の構築を示した図である。
【図45】DConfigVによる検証工程の構築を示した図である。
【図46】市販されているソフトの分析例を示した図である。
【図47】入力画面におけるCTQ等の入力結果を表した図である。
【図48】選択された各工程をさらに定義した計画表を示した図である。
【図49】入力画面におけるCTQ等の入力結果を表した図である。
【図50】選択された各工程をさらに定義した計画表を示した図である。
【図51】入力画面におけるCTQ等の入力結果を表した図である。
【図52】選択された各工程をさらに定義した計画表を示した図である。
【符号の説明】
40 通信網
50 業務最適化装置
60 入力端末装置
110 定義手段
112 プロセス判断手段
114 選択手段
116 流れ図形成手段
120 構築手段
124 定型最適化手段
140 CTQ
S300 定義工程
S310 計測工程
S320 分析工程
S330 改良工程
S340 設計工程
S350 最適化工程
S360 検証工程

Claims (70)

  1. 通信網に接続された入力端末装置と,通信網に接続され,前記入力端末装置からの業務情報により業務の最適化を行う業務最適化装置とからなる業務最適化システムであって:
    前記業務最適化装置は,業務全体の流れを決定させ定義させる定義手段と,前記定義工程の後で最適の業務実行内容を構築させる構築手段とから構成され;
    前記構築手段は,課題業務の系の出力に関する指標を定義する計測工程と,課題業務に影響を与える要因を分析してその因果関係を把握し課題業務を分析する分析工程と,課題業務の系に要求される性能を抽出する手段を適用して課題業務を改良する改良工程と,課題業務実現のための設計を行う設計工程と,設計パラメータを調整し最適化する最適化工程と,業務の実行結果を検証する検証工程とを含み;
    前記定義手段は,最適化対象である課題業務が,過去の蓄積データを活用できる改善プロセスか,過去の蓄積データを活用できない新規創造プロセスかを判断させるプロセス判断手段と;
    前記プロセス判断手段の結果が新規創造プロセスである場合には,前記構築手段の各工程から新規創造プロセスの内容に応じて最適な工程を選択させる選択手段とを含む;
    ことを特徴とする,業務最適化システム。
  2. 前記定義手段は,前記選択工程で選択された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成手段をさらに含むことを特徴とする,請求項1に記載の業務最適化システム。
  3. 新規創造プロセスにおける業務全体の流れを構築する上で最適に導くための業務最適化装置であって:
    業務全体の流れを決定させ定義させる定義手段と,前記定義工程の後で最適の業務実行内容を構築させる構築手段とから構成され;
    前記構築手段は,課題業務に影響を与える要因を分析してその因果関係を把握し課題業務を分析する分析工程と,課題業務実現のための設計を行う設計工程と,業務の実行結果を検証する検証工程とを含むことを特徴とする,業務最適化装置。
  4. 前記定義手段は,前記構築工程の各工程から新規創造プロセスの内容に応じて最適な工程を選択させる選択手段をさらに含むことを特徴とする,請求項3に記載の業務最適化装置。
  5. 前記選択手段は,分析工程,設計工程,検証工程を必須工程とすることを特徴とする,請求項4に記載の業務最適化装置。
  6. 前記構築手段は,課題業務の系の出力に関する指標を定義する計測工程をさらに含み,前記選択手段によって,新規創造プロセスの内容に応じて最適であれば前記計測工程が選択されることを特徴とする,請求項5に記載の業務最適化装置。
  7. 前記構築手段は,課題業務の系に要求される性能を抽出する手段を適用して課題業務を改良する改良工程をさらに含み,前記選択手段によって,新規創造プロセスの内容に応じて最適であれば前記改良工程が選択されることを特徴とする,請求項5に記載の業務最適化装置。
  8. 前記構築手段は,設計パラメータを調整し最適化する最適化工程をさらに含み,前記選択手段によって,新規創造プロセスの内容に応じて最適であれば前記最適化工程が選択されることを特徴とする,請求項5に記載の業務最適化装置。
  9. 前記定義手段は,前記選択手段で選択された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成手段をさらに含み,前記流れ図は,分析工程,設計工程,検証工程の順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項5に記載の業務最適化装置。
  10. 前記定義手段は,前記選択手段で選択された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成手段をさらに含み,前記流れ図は,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また計測工程が選択された場合,計測工程は前記分析工程の前に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項6に記載の業務最適化装置。
  11. 前記定義手段は,前記選択手段で選択された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成手段をさらに含み,前記流れ図は,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また改良工程が選択された場合,改良工程は前記分析工程と前記設計工程の間に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項7に記載の業務最適化装置。
  12. 前記定義手段は,前記選択手段で選択された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成手段をさらに含み,前記流れ図は,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また最適化工程が選択された場合,最適化工程は前記設計工程と前記検証工程の間に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項8に記載の業務最適化装置。
  13. 前記計測工程と分析工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることを特徴とする,請求項10に記載の業務最適化装置。
  14. 前記分析工程と改良工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることを特徴とする,請求項11に記載の業務最適化装置。
  15. 前記入力端末装置からの業務情報は,課題業務に影響を与える重要な要素であるCTQ,前業務領域からの入力内容,および,次業務領域への出力内容を含み,これに基づいて最適化対象である前記課題業務が決定されることを特徴とする,請求項3に記載の業務最適化装置。
  16. 前記定義手段は,最適化対象である課題業務が,過去の蓄積データを活用できる改善プロセスか,過去の蓄積データを活用できない新規創造プロセスかを判断させるプロセス判断手段をさらに含むことを特徴とする,請求項3に記載の業務最適化装置。
  17. 予め定型化された業務の最適化手法を利用して業務実行内容を構築させる定型最適化手段をさらに含むことを特徴とする,請求項3に記載の業務最適化装置。
  18. 業務の最適化に必要な業務情報が入力される業務情報入力手段がさらに備わることを特徴とする,請求項3に記載の業務最適化装置。
  19. コンピュータをして,請求項3から18のいずれかに記載の業務最適化装置として機能せしめることを特徴とする,コンピュータプログラム。
  20. 新規創造プロセスにおける業務全体の流れを構築する上で最適に導くための業務最適化装置であって:
    業務全体の流れを決定し定義する定義工程を入力させる工程と,課題業務に影響を与える要因を分析してその因果関係を把握し課題業務を分析する分析工程を入力させる工程と,課題業務実現のための設計を行う設計工程を入力させる工程と,業務の実行結果を検証する検証工程を入力させる工程とを含む工程情報入力手段と;
    前記工程毎に分けてその入力された結果を表示する工程表示手段とを備えることを特徴とする,業務最適化装置。
  21. 前記工程情報入力手段は,課題業務の系の出力に関する指標を定義する計測工程を入力させることができる工程をさらに含み,前記計測工程を形成することができる場合その計測工程を入力させることを特徴とする,請求項20に記載の業務最適化装置。
  22. 前記工程情報入力手段は,課題業務の系に要求される性能を抽出する手段を適用して課題業務を改良する改良工程を入力させることができる工程をさらに含み,前記改良工程を形成することができる場合その改良工程を入力させることを特徴とする,請求項20に記載の業務最適化装置。
  23. 前記工程情報入力手段は,設計パラメータを調整し最適化する最適化工程を入力させることができる工程をさらに含み,前記最適化工程を形成することができる場合その最適化工程を入力させることを特徴とする,請求項20に記載の業務最適化装置。
  24. 前記工程情報入力手段により入力された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成手段をさらに含み,前記流れ図は,定義工程,分析工程,設計工程,検証工程の順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項20に記載の業務最適化装置。
  25. 前記工程情報入力手段により入力された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成手段をさらに含み,前記流れ図は,定義工程,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また計測工程が入力された場合,計測工程は前記定義工程と前記分析工程の間に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項21に記載の業務最適化装置。
  26. 前記工程情報入力手段により入力された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成手段をさらに含み,前記流れ図は,定義工程,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また改良工程が入力された場合,改良工程は前記分析工程と前記設計工程の間に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項22に記載の業務最適化装置。
  27. 前記工程情報入力手段により入力された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成手段をさらに含み,前記流れ図は,定義工程,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また最適化工程が入力された場合,最適化工程は前記設計工程と前記検証工程の間に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項23に記載の業務最適化装置。
  28. 前記計測工程と分析工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることを特徴とする,請求項25に記載の業務最適化装置。
  29. 前記分析工程と改良工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることを特徴とする,請求項26に記載の業務最適化装置。
  30. 前記工程情報入力手段は,課題業務に影響を与える重要な要素であるCTQを入力する工程と,前業務領域からの入力内容を入力する工程と,次業務領域への出力内容を入力する工程をさらに含み,これに基づいて最適化対象である前記課題業務が決定されることを特徴とする,請求項20に記載の業務最適化装置。
  31. 最適化対象である課題業務が,過去の蓄積データを活用できる改善プロセスか,過去の蓄積データを活用できない新規創造プロセスかを判断させるプロセス判断手段をさらに含むことを特徴とする,請求項20に記載の業務最適化装置。
  32. 予め定型化された業務の最適化手法を利用して業務実行内容を構築させる定型最適化手段をさらに含むことを特徴とする,請求項20に記載の業務最適化装置。
  33. コンピュータをして,請求項20から32のいずれかに記載の業務最適化装置として機能せしめることを特徴とする,コンピュータプログラム。
  34. 新規創造プロセスにおける業務全体の流れを構築する上で最適に導くための業務最適化方法であって:
    業務全体の流れを決定させ定義させる定義工程と,前記定義工程の後で最適の業務実行内容を構築させる構築工程とからなり;
    前記構築工程は,課題業務に影響を与える要因を分析してその因果関係を把握し課題業務を分析する分析工程と,課題業務実現のための設計を行う設計工程と,業務の実行結果を検証する検証工程とを含むことを特徴とする,業務最適化方法。
  35. 前記定義工程は,前記構築工程の各工程から新規創造プロセスの内容に応じて最適な工程を選択させる選択工程をさらに含むことを特徴とする,請求項34に記載の業務最適化方法。
  36. 前記選択工程は,分析工程,設計工程,検証工程を必須工程とすることを特徴とする,請求項35に記載の業務最適化方法。
  37. 前記構築工程は,課題業務の系の出力に関する指標を定義する計測工程をさらに含み,前記選択工程によって,新規創造プロセスの内容に応じて最適であれば前記計測工程が選択されることを特徴とする,請求項36に記載の業務最適化方法。
  38. 前記構築工程は,課題業務の系に要求される性能を抽出する工程を適用して課題業務を改良する改良工程をさらに含み,前記選択工程によって,新規創造プロセスの内容に応じて最適であれば前記改良工程が選択されることを特徴とする,請求項36に記載の業務最適化方法。
  39. 前記構築工程は,設計パラメータを調整し最適化する最適化工程をさらに含み,前記選択工程によって,新規創造プロセスの内容に応じて最適であれば前記最適化工程が選択されることを特徴とする,請求項36に記載の業務最適化方法。
  40. 前記定義工程は,前記選択工程で選択された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成工程をさらに含み,前記流れ図は,分析工程,設計工程,検証工程の順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項36に記載の業務最適化方法。
  41. 前記定義工程は,前記選択工程で選択された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成工程をさらに含み,前記流れ図は,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また計測工程が選択された場合,計測工程は前記分析工程の前に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項37に記載の業務最適化方法。
  42. 前記定義工程は,前記選択工程で選択された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成工程をさらに含み,前記流れ図は,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また改良工程が選択された場合,改良工程は前記分析工程と前記設計工程の間に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項38に記載の業務最適化方法。
  43. 前記定義工程は,前記選択工程で選択された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成工程をさらに含み,前記流れ図は,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また最適化工程が選択された場合,最適化工程は前記設計工程と前記検証工程の間に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項39に記載の業務最適化方法。
  44. 前記計測工程と分析工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることを特徴とする,請求項41に記載の業務最適化方法。
  45. 前記分析工程と改良工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることを特徴とする,請求項42に記載の業務最適化方法。
  46. 前記入力端末装置からの業務情報は,課題業務に影響を与える重要な要素であるCTQ,前業務領域からの入力内容,および,次業務領域への出力内容を含み,これに基づいて最適化対象である前記課題業務が決定されることを特徴とする,請求項34に記載の業務最適化方法。
  47. 前記定義工程は,最適化対象である課題業務が,過去の蓄積データを活用できる改善プロセスか,過去の蓄積データを活用できない新規創造プロセスかを判断させるプロセス判断工程をさらに含むことを特徴とする,請求項34に記載の業務最適化方法。
  48. 予め定型化された業務の最適化手法を利用して業務実行内容を構築させる定型最適化工程をさらに含み,前記プロセス判断工程の結果が改善プロセスの場合,定型最適化工程を行うことを特徴とする,請求項47に記載の業務最適化方法。
  49. 業務の最適化に必要な業務情報が入力される業務情報入力工程をさらに含むことを特徴とする,請求項34に記載の業務最適化方法。
  50. 新規創造プロセスにおける業務全体の流れを構築する上で最適に導くための業務最適化方法であって:
    業務全体の流れを決定し定義する定義工程を入力させる工程と,課題業務に影響を与える要因を分析してその因果関係を把握し課題業務を分析する分析工程を入力させる工程と,課題業務実現のための設計を行う設計工程を入力させる工程と,業務の実行結果を検証する検証工程を入力させる工程とを含む工程情報入力工程と;
    前記工程毎に分けてその入力された結果を表示する工程表示工程とを備えることを特徴とする,業務最適化方法。
  51. 前記工程情報入力工程は,課題業務の系の出力に関する指標を定義する計測工程を入力させることができる工程をさらに含み,前記計測工程を形成することができる場合その計測工程を入力させることを特徴とする,請求項50に記載の業務最適化方法。
  52. 前記工程情報入力工程は,課題業務の系に要求される性能を抽出する手段を適用して課題業務を改良する改良工程を入力させることができる工程をさらに含み,前記改良工程を形成することができる場合その改良工程を入力させることを特徴とする,請求項50に記載の業務最適化方法。
  53. 前記工程情報入力工程は,設計パラメータを調整し最適化する最適化工程を入力させることができる工程をさらに含み,前記最適化工程を形成することができる場合その最適化工程を入力させることを特徴とする,請求項50に記載の業務最適化方法。
  54. 前記工程情報入力工程により入力された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成工程をさらに含み,前記流れ図は,定義工程,分析工程,設計工程,検証工程の順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項50に記載の業務最適化方法。
  55. 前記工程情報入力工程により入力された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成工程をさらに含み,前記流れ図は,定義工程,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また計測工程が入力された場合,計測工程は前記定義工程と前記分析工程の間に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項51に記載の業務最適化方法。
  56. 前記工程情報入力工程により入力された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成工程をさらに含み,前記流れ図は,定義工程,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また改良工程が入力された場合,改良工程は前記分析工程と前記設計工程の間に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項52に記載の業務最適化方法。
  57. 前記工程情報入力工程により入力された工程を一連の流れとして組み合わせ,流れ図を形成する流れ図形成工程をさらに含み,前記流れ図は,定義工程,分析工程,設計工程,検証工程の順で,また最適化工程が入力された場合,最適化工程は前記設計工程と前記検証工程の間に配置され,かかる順で推移するように形成されることを特徴とする,請求項53に記載の業務最適化方法。
  58. 前記計測工程と分析工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることを特徴とする,請求項55に記載の業務最適化方法。
  59. 前記分析工程と改良工程は,要求性能が所望レベルに到達するまで反復されることを特徴とする,請求項56に記載の業務最適化方法。
  60. 前記工程情報入力工程は,課題業務に影響を与える重要な要素であるCTQを入力させる工程と,前業務領域からの入力内容を入力させる工程と,次業務領域への出力内容を入力させる工程をさらに含み,これに基づいて最適化対象である前記課題業務が決定されることを特徴とする,請求項50に記載の業務最適化方法。
  61. 最適化対象である課題業務が,過去の蓄積データを活用できる改善プロセスか,過去の蓄積データを活用できない新規創造プロセスかを判断させるプロセス判断工程をさらに含むことを特徴とする,請求項50に記載の業務最適化方法。
  62. 予め定型化された業務の最適化手法を利用して業務実行内容を構築させる定型最適化工程をさらに含み,前記プロセス判断工程の結果が改善プロセスの場合,定型最適化工程を行うことを特徴とする,請求項61に記載の業務最適化方法。
  63. 新規創造プロセスにおける業務全体の流れを構築する上で最適に導くために用いられる業務最適化データ構造であって:
    最適の業務実行内容を構築するために参照される構築階層からなり;
    前記構築階層は,課題業務に影響を与える要因を分析してその因果関係を把握し課題業務を分析する分析工程により構築された分析工程データと,課題業務実現のための設計を行う設計工程により構築された設計工程データと,業務の実行結果を検証する検証工程により構築された検証工程データとを含むことを特徴とする,業務最適化データ構造。
  64. 前記構築階層は,課題業務の系の出力に関する指標を定義する計測工程により構築された計測工程データをさらに含むことを特徴とする,請求項63に記載の業務最適化データ構造。
  65. 前記構築階層は,課題業務の系に要求される性能を抽出する手段を適用して課題業務を改良する改良工程により構築された改良工程データをさらに含むことを特徴とする,請求項63に記載の業務最適化データ構造。
  66. 前記構築階層は,設計パラメータを調整し最適化する最適化工程により構築された最適化工程データをさらに含むことを特徴とする,請求項63に記載の業務最適化データ構造。
  67. 業務全体の流れが定義された計画データからなる定義階層をさらに含み;
    前記計画データは,前記構築階層内の各工程データから新規創造プロセスの内容に応じて最適な工程データを1または2以上選択したデータであり,前記計画データと前記構築階層内の各工程データは互いにリンクされていることを特徴とする,請求項63に記載の業務最適化データ構造。
  68. 前記計画データは,前記構築階層内の各工程データに対応した項目を,推移する順に並べられた計画表からなることを特徴とする,請求項67に記載の業務最適化データ構造。
  69. 前記計画データは,分析工程データ,設計工程データ,検証工程データが必須工程データであることを特徴とする,請求項67に記載の業務最適化データ構造。
  70. 前記計画データは,課題業務に影響を与える重要な要素であるCTQ,前業務領域からの入力内容,および,次業務領域への出力内容から得られたデータであることを特徴とする,請求項67に記載の業務最適化データ構造。
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