JP2004348548A - 制御システム及び同システムの保守サービス方法 - Google Patents
制御システム及び同システムの保守サービス方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004348548A JP2004348548A JP2003146251A JP2003146251A JP2004348548A JP 2004348548 A JP2004348548 A JP 2004348548A JP 2003146251 A JP2003146251 A JP 2003146251A JP 2003146251 A JP2003146251 A JP 2003146251A JP 2004348548 A JP2004348548 A JP 2004348548A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- maintenance
- terminal
- control device
- control
- information
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】制御システムの緊急、異常事態に対して迅速な対策が行いやすい環境を提供する制御システム及び同システムの保守サービスの方法を提供する。
【解決手段】サーバ機能を備えた制御装置11aは、ブラウザ機能を有する保守用端末19からのモニタ情報の送信要求に対して、端末/プログラム管理テーブル111aを用いて当該保守用端末19の認証を行い、前記制御装置11aが制御する制御システム11の自己診断データ、モニタプログラム及びそのデータ、及び監視画面プログラム等の制御情報から送信可能なデータとプログラムを選択して当該保守用端末19に送信する。そして、前記保守用端末19は、表示手段と入力手段を備え、前記制御装置11aから選択送信された前記データとプログラムをダウンロードし前記制御システム11の保守サービスを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】サーバ機能を備えた制御装置11aは、ブラウザ機能を有する保守用端末19からのモニタ情報の送信要求に対して、端末/プログラム管理テーブル111aを用いて当該保守用端末19の認証を行い、前記制御装置11aが制御する制御システム11の自己診断データ、モニタプログラム及びそのデータ、及び監視画面プログラム等の制御情報から送信可能なデータとプログラムを選択して当該保守用端末19に送信する。そして、前記保守用端末19は、表示手段と入力手段を備え、前記制御装置11aから選択送信された前記データとプログラムをダウンロードし前記制御システム11の保守サービスを行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼、化学等の製造プロセスを制御装置によって自動化する制御システムに係わり、特に通信手段を介して遠隔保守サービスを行う制御システム及び同システムの保守サービスの方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
稼働中の制御システムや制御システムを構成する制御装置についての保守や故障に対して、客先から調査や点検の依頼があった場合、従来は制御システムを構築したメーカの保守員が現地に出向いて対処するか、或いは簡単な故障内容であれば、電話などによって客先の使用者に対処方法を指示する場合が普通であった。
【0003】
しかし、これでは緊急な故障には迅速な対応がとれないため、最近では、客先の制御システムと制御システムを構築したメーカとをWANやLAN等の汎用回線で接続することによって、保守員が現地に出向くことなく対応することができる遠隔保守システムが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような従来の制御システムの遠隔保守システムは、各種の製造プラントで使用される多様な複数の制御システムをメーカの保守支援センタにある保守用サーバと接続し、この保守用サーバに保守サービスに関する情報を集中管理して保有し保守サービスを実行している。
【0005】
このような従来の制御システムについて、図8を参照して説明する。1及び2は離れた場所の異なる制御プラントを制御する制御システムであり、夫々の制御プラント1、2は企業内LAN3及び4を介してインターネット5に接続される。さらに、制御システムメーカの企業内LAN6を介して、この企業内LAN6に接続された保守支援センタの保守用サーバ7と接続される。
【0006】
この保守用サーバ7の端末には、企業内LAN6を介して保守用端末8aと保守用端末8bとが接続され、さらに保守用サーバ7は携帯電話プロバイダ10を介して保守員の所持する携帯電話機10aと接続できるようになっている。
【0007】
また携帯電話機10aを所持する保守員が使用する保守用端末9は、インターネット5を介して保守用サーバ7、および制御システム1及び2とe−mail等のコミュニケーション手段によって接続可能になっている。
【0008】
また、制御システム1は、制御システムの制御監視を行う制御装置1a及び監視制御モニタ1bを有し、同様に制御システム2も制御装置2a及び監視制御モニタ2bを有している。
【0009】
このように構成された制御システム1及び2の保守サービスは、保守用サーバ7の保守端末8a、8bで保守サービスの機能を分担して行っている。例えば、保守用端末8aは保守用品の供給サービスを、保守用端末8bは予防保全の技術サービスを、また保守用端末9は緊急時の技術サービスの提供を行っている。
【0010】
即ち、安全操業のために必要とされる予防保全サービスについては、客先の保守計画に基づいて、作動中の制御システムの定期的な点検と保守サービスがなされ、この制御システムの製造メーカの保守担当は、要求された保守品の供給や予防保全のための技術サービスを夫々の保守用端末8a、保守用端末8bを介して提供している。
【0011】
予測されない作動中の制御システムの異常事態、緊急事態が発生し、客先から緊急対応の要求があった場合は、迅速で高度の現場対応の技術サービスが必要となるため、保守用サーバ7を介して携帯電話機10a等によって担当する保守員を緊急呼出しする。
【0012】
そして緊急呼出しされた保守員は、保有する保守用端末9を使用して保守サーバ7を介して該当する客先の制御システム1、2の異常情報と保守情報を検索し、更には客先とコミニュケーションしながら対策を実施している。
【0013】
従来、この様な制御システム1、2のプログラミングは、専用のプログラミング機能を組み込んだ装置を使用するか、制御システム1、2には組み込まれない他のコンピュータ上で専用のソフトウエアを製作して制御装置やモニタに搭載していた。
【0014】
この場合、この制御システム1、2の制御プログラムのプログラミング機能は、制御システム1、2のモニタとなる監視制御モニタ1b、2b側に備えられ、制御装置1a、2a側にはそれにより作成されたオブジェクトプログラムを搭載する場合が多かった。
【0015】
従って、この様な制御システムでは、制御プログラムを持たない他の汎用保守端末等は簡単に監視制御モニタの情報を受けることができない。また制御装置1a(2a)と監視制御モニタ1b(2b)とが離れて設置される場合にも、制御装置1a側に簡単に監視制御モニタを増設することができない。
【0016】
一般的に各種の制御プラントの制御システムは固有の制御システムが構築されているので、その監視制御モニタの情報は各種各様存在する。例えば、作動中の運転画面等は客先毎、プラント毎に異なる。この様な客先固有の制御システムに対してメーカの保守支援センタの保守サーバで集中管理して保守を実施しようとする場合、制御システム毎の監視制御モニタの情報を備えると、保守サーバは大容量で複雑な情報管理が必要となるだけでなく、緊急時には保守員は保守支援センタに常駐することが必要になる。
【0017】
一方、客先からは操業機密を要する監視制御データを、緊急時であれ全てメーカにオープンに提供することには制約があり、従来のようなメーカ主導による集中サービスに代わるサービス体制方法が望まれていた。
【0018】
この様なことから、最近では、制御装置の自己診断機能によるアラームが発生すると、このアラームメッセージとアラームに対処するメーカの保守サービス情報を提供するように構成したWeb上の専用ページを直接ユーザの設備保守員にe−mailによって通報し、この専用ページに表示されるURL(Uniform Resource Locator)からWebページにアクセスして、このアラームに対処するサービス情報を入手する制御システムが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0019】
しかし、この保守サービスシステムにおいても、制御システムの自己診断機能によるアラームに対する緊急通報は可能であるが、作動中の制御システムの監視制御画面やトレンドデータ等のリアルタイムな制御情報をメーカの保守サービス員はモニタすることができないので的確な判断ができない問題があった。
【0020】
【特許文献1】
特開平10−55291号公報
【0021】
【非特許文献1】
芦田 和英他著、新しい制御システムにおけるコア技術
東芝レビューVol56No.10、2001年(P8)
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、一般的に各種の制御システムは客先のプラント固有の制御システムが構築されているので、異常事態の対処方法を正確に判断するためには、作動中の異常事態についてのリアルタイムな制御情報が必要になる。また、緊急事態には保守サービス者やエキスパート技術者が何処からでも要請を受けた制御システムの状態をモニタできることが必要である。
【0023】
しかしながら、上述した従来の制御システムでは緊急時に何処からでも監視制御画面等の制御情報をモニタすることができないので緊急時に的確なサービスが行えない問題があった。
【0024】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、制御システムの緊急、異常事態に対して、その制御システムのリアルタイムな制御情報をダウンロード可能とし、保守員やエキスパート技術者がどこからでも迅速な判断と対策が行いやすい環境を提供する制御システム及び同システムの保守サービスの方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の制御システム及び同システムの保守サービス方法は、端末情報を記憶する端末管理テーブルを備え、且つサーバ機能を備えた制御装置とブラウザを格納した保守端末とを有し、前記保守端末によって前記制御装置が制御するシステムの保守サービスを行う制御システムの保守サービス方法であって、前記制御装置は、前記保守端末からのモニタ情報の送信要求に対して、前記端末管理テーブルの端末情報と前記要求時に前記保守端末から送信される端末情報とを比較して前記保守端末の認証を行い、正しく認証できた保守端末である場合、前記制御装置が制御する前記システムのモニタプログラム及びそのデータ、及び監視画面プログラムの制御情報から送信可能なデータとプログラムを選択して前記制御装置から当該保守端末に送信し、前記保守端末は、前記制御装置から送信された前記制御情報を用いて前記システムの保守サービスを行うことを特徴とする。
【0026】
従って、制御装置のメーカは客先毎の制御システム固有の膨大な制御情報を保有することや、保守員を保守サービス支援センタに常駐させる必要が無く、汎用保守端末にリアルタイムに選択された制御情報をダウンロードできるので、正確な情報に基づく質の高い迅速な保守サービスの提供が可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の制御システム、及び同システムの保守の方法に係わる実施の形態の構成を示す図である。
【0028】
図1において、11、12は夫々設置場所、被制御対象が異なる制御システムである。夫々の制御システム11、12は夫々の企業内LAN3、4を介してインターネット5に接続されている。また、制御装置メーカの保守用サーバ17と、この保守用サーバ17の端末である保守用端末18とが企業内LAN6を介してインターネット5に接続され、インターネット5を介して制御システム11、12の保守サービスを行っている。
【0029】
更に、保守用サーバ17は携帯電話プロバイダ20と公衆回線で接続され、携帯電話機20aとインターネット5に接続可能な保守用端末19を所持する保守サービス員と繋がるように構成されている。
【0030】
制御システム11、12は夫々の制御装置11a、12aと夫々の監視制御モニタ11b、12bとで構成され、制御装置11a、12aと監視制御モニタ11b、12bとは内部LAN等の通信手段で接続されている。
【0031】
即ち、この制御システム11、12は、制御装置11a、11bにwwwサーバ機能を備えており、一方、この制御システム11、12の保守用端末19にはブラウザ機能を備えており、インターネット5を介して接続されている。これにより、制御システム11又は12に緊急、異常事態が発生した場合、制御システム11又は12と保守用端末19との間で各種の制御情報を送受信する通信手段を構築している。
【0032】
この制御装置11a、監視制御モニタ11bの詳細な構成を図2を参照して説明する。制御装置11aのハードウエアは、CPU21と、この制御装置11aのRAM、ROM及びハードディスクH/D等で構成されるメモリ22と、被制御対象入出力機器群11cと、及びこの被制御対象入出力機器群11cとのインタフェースである通信インタフェース26、I/Oインタフェース27とから構成され、各々は内部バス24で接続されている。
【0033】
また、後述する監視制御モニタ11bとは同じく通信インタフェース26と接続されている。この監視制御モニタ11bの詳細な構成を図3に示す。この図において、CPU31とメモリ32は、このCPU31の内部バス35を介して通信インタフェース36に接続されている。更に、通信インタフェース36は表示部33、入力操作部34と接続されている。
【0034】
この制御装置11aのソフトウエアの構成は図2に示す様に、制御システム11の制御プログラム23b、この制御システム11の監視制御モニタのためのモニタプログラム23c、通信及びI/Oインタフェースプログラム23d等で構成され、これらのソフトウエアはJava(登録商標)VM等のオブジェクト指向言語のO/S23aによって管理されている。
【0035】
次に、この様に構成された制御システム11の動作について、図4を参照して説明するが、制御システム12についても同様に制御される。図4は、制御システム11と、そのクライアントである保守用端末19及び制御システム11のメーカの保守用サーバ17との間で行う保守サービスの方法のフローチャートである。
【0036】
制御システム11に緊急な異常事態が発生すると、制御システム11からメーカのサービス支援センタに緊急対応を要求する(図4のS1)。このサービス要求111は、インターネット5を介してメーカの保守サーバ17の保守用端末18や電話機(図示せず)によって常時受付可能となっている。このサービス要求を受け付けた保守サーバ17は、サービス受付け処理171を行う。
【0037】
保守サーバ17のサービス受付処理171は、顧客管理情報ファイル171aから、この制御システム11に対応する保守用端末19のIPアドレスと携帯電話機20aの番号を参照して接続する。
【0038】
そして、保守用サーバ17は、保守用端末19及び携帯電話機20aからのサービス可能である応答(図4のAS2)を確認すると、保守サービスが開始可能な保守用端末19のIPアドレスを上記要求S1の応答として制御システム11に返信(図4のAS1)する。
【0039】
一方、保守用端末19は、保守サービスを開始可能とする端末受付処理191を立ち上げる。この端末受付処理191は、制御システム11の制御装置11aに対して、異常状態をリアルタイムでモニタできる監視制御モニタ要求(図4のA1)をインターネット5、企業内LAN3を介して送信する。
【0040】
すると、制御装置11aは保守端末認証処理112を実行する。この保守端末認証処理112は、メモリ22に格納される保守端末管理ファイル111aを参照して、予めこのファイル111aに登録された緊急サービス対応である保守用端末のIPアドレスと先に送信された保守用端末19のIPアドレスとを比較して、登録された緊急サービスの保守用端末からのアクセスであることを確認する。
【0041】
そして、この確認された保守用端末19に対して監視制御モニタを許可する応答(図4のS2)を返信する。
【0042】
保守用端末19は、制御装置11aから監視制御モニタを許可する応答S2を受信すると、監視制御モニタ選択処理192を起動する。この監視制御モニタ選択処理192は、制御装置11aが有するモニタプログラム23cのモニタメニューから該当するモニタを、ブラウザによって選択して保守用端末19にダウンロードし、モニタリングを行うものである。
【0043】
保守員は、保守用端末19に表示される監視制御モニタ選択処理192のモニタリングから異常原因の判断がつかなければ、更に監視制御モニタ選択処理192から制御装置11aに対して別のモニタ情報の送信を要求(図4のA2)する。
【0044】
すると、制御装置11aは監視制御モニタ要求選択送信処理114を実行して、その要求A2に対するモニタ情報の送信が可能か否かを判断し、可能なモニタ情報を送信(図4のS3)する。
【0045】
その結果、保守員は保守用端末19に表示される制御装置11aからのモニタリング情報から異常の診断判定処理195を行い、異常診断が確定(処理195の「Y」)すると、保守用端末19から制御装置11aに対して異常対処処理115の情報(図4のA3)が送信される。
【0046】
制御装置11aでは、保守用端末19から送信された情報A3から対策確認処理115を実行する。
【0047】
そして、発生した異常事態が解決されているかの判定処理116を行い、更に問題があれば再診断(処理116の「N」)を要求(図4のS4)を保守用端末19に送信する。この要求S4を受けた保守用端末19は、再度、監視制御モニタ選択処理192を操作して、診断対策後の制御システム11の状態をモニタリングするための要求A2を行い、同様に制御装置11aからのモニタリング情報S3を見て、診断判定処理195を繰り返す。
【0048】
その結果、異常が解決されたと判定(処理116の「Y」)されると、制御装置11aから異常完了(図4のS5)が保守用端末19、保守サーバ17に送信される。これにより、保守用端末19、保守サーバ17では完了処理197,173が実行され、保守サービスが完了する。
【0049】
次に、このような保守サービスの方法の内、制御装置11aでの監視制御モニタ要求選択送信処理114の詳細な実施の形態について説明する。前述した監視制御モニタ要求選択送信処理114は、保守用端末19からのモニタリング要求A2が制御装置11aに予め設定された送信可能なメニューであるか否かを自動的に判断して送信するものであったが、緊急時には予め設定したモニタ画面を自動的に保守用端末19に送信できれば効率が更によい。
【0050】
例えば、被制御値が所定の限界値の範囲を超えた場合に、制御システム11のエラー画面やアラーム画面のトレンドを自動的に保守用端末19に送信したい場合がある。この様なときに、保守用端末19に対して表示画面を自動選択してダウンロードできる制御命令を用意して、任意のモニタ画面を表示する方法について図5を参照して説明する。
【0051】
この図5は、LD(Ladder Diagram)を使用した画面選択命令「SELSCR」を使用した例で、この画面選択命令「SELSCR」の入力「EN」がオンのときに画面数「SCR NO」から入力された画面を、モニタアドレス「ADDRESS」で指定された制御装置11aの端末に送信して表示させる命令である。
【0052】
この画面選択命令「SELSCR」の出力が完了すると出力「ENO」がオンになり、ステータス「STS」から出力完了が出力される。表示するモニタの画面は、この制御システム11のアラーム信号と予め対応づけて画面番号とともにメモリ22に格納しておき、アラームが発生したときにこの画面選択命令「SELSCR」が実行されると、自動的に対応するモニタ端末に所定の画面がモニタされる。
【0053】
このエラー信号からのモニタは、制御プログラムが検出したエラーだけでなく、制御装置11aの管理プログラムが検出するエラー信号からも自動的にモニタすることは容易である。
【0054】
即ち、制御装置11a自身をサーバとし、保守サービス員がブラウザソフトを内蔵した保守用端末19をツールとして所有しておけば、制御システム11の緊急事態に対して、何処からでも何時でも緊急事態に対応することが可能でとなる。また、制御装置11aは送信可能な保守用端末19であるか否かを確認し、送信可能な制御情報を選択して送信できるので安心して保守サービスを受けることができる。
【0055】
以上述べた異常時の自動モニタリング以外に、緊急に制御プログラムや、モニタプログラムの変更が緊急に必要になる場合がある。この様な場合に複数台の保守端末によってプログラミングを並行して行い、迅速な作業を行う場合の実施の形態について図6及び図7を参照して説明する。
【0056】
図6は、制御装置11aの複数台のいずれかの保守端末が制御装置11aに対してプログラムの変更要求を送信した場合の複数の保守端末によるプログラム管理の処理フローである。
【0057】
制御装置11aは、保守用端末19からプログラム変更の要求(図6のステップ201)があると、端末/プログラム管理テーブル111aを用いてこの保守用端末19からのプログラム変更作業が可能か否かを確認し、該当するプログラムの作動状態を確認(図6のステップ202)する。
【0058】
そして、ステップ202が「Y」であれば、該当するプログラムの変更作業が可能であることを当該保守用端末19に送信(図6のステップ203)する。変更作業がすでに他の保守用端末が作業中のためできない場合(ステップ202の「N」)、作業中の保守端末番号を送信し、保守作業が出来ないことを当該保守用端末19に知らせる(図6のステップ204)。
【0059】
この様な端末/プログラム管理テーブル111aの例を図7に示す。この端末/プログラム管理テーブルは、この制御システム11aを保守する保守用端末として5台登録されていることを示し、それぞれのIPアドレスとポート番号が予め設定されている。
【0060】
例えば、IPアドレス「192.14.128.2」の保守用端末からプログラムタスク「1」、プログラム番号「1」のプログラム変更作業要求が行われて場合、既にプログラムタスク「1」、プログラム番号「1」のプログラムはIPアドレス「192.14.128.0」の保守用端末によってプログラム変更作業中であることが作動状態「1」に内容から判断できる。 従って、制御装置11aはこのテーブル111aの情報を参照してプログラムのアクセス可否を要求された保守用端末に知らせる様にしておく。
【0061】
この様にしておけば、保守用端末の作業が重複することなく進めることができる。また、プログラムの変更履歴を記憶しておくことも容易であるので、緊急時にプログラムの変更が生じた場合でも、該当するプログラムの編集管理も迅速に確実に行える。
【0062】
また制御装置11a、12aから保守用端末18に送信されるプログラムはオブジェクト形式のプログラムとしておけば、保守用端末18にエディタ機能を備える必要がなく、保守用端末18でのプログラミングが効率的に行える。
【0063】
【発明の効果】
以上述べた様に、本発明によれば、汎用保守端末を所持するエキスパート技術者が制御システム毎の固有のリアルタイムな制御情報をダウンロードしモニタできるので、正確な状況判断が可能となり、迅速で質の高い保守サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による制御システムのネットワーク構成図。
【図2】本発明の実施の形態による制御装置の構成図。
【図3】本発明の実施の形態による監視制御モニタの構成図。
【図4】本発明の実施の形態による保守サービスの方法の説明図。
【図5】制御プログラムから行うモニタの選択制御命令の設定画面。
【図6】本発明の実施の形態による保守端末によるプログラミングの管理方法の説明図。
【図7】本発明の実施の形態による保守端末の端末/プログラム管理テーブルの構成を示す図。
【図8】従来の制御システムの構成を示す図。
【符号の説明】
3、4、 企業内LAN
5 インターネット
6 企業内LAN
11、12 制御システム
11a、12a 制御装置
11b、12b 監視制御モニタ
11c 被制御対象入出力機器群
17 保守用サーバ
18、19 保守用端末
20 携帯電話プロバイダ
20a 携帯電話機
21 CPU
21a 内部バス
22 メモリ
26 通信インタフェース
27 I/Oインタフェース
31 CPU
31a 内部バス
32 メモリ
36 通信インタフェース
37 表示モジュール
38 入力モジュール
111a 端末/プログラム管理テーブル
171a 顧客管理情報ファイル
1、2 制御システム
1a、2a 制御装置
1b、2b 監視制御モニタ
7 保守用サーバ
8a、8b、9 保守用端末
10 携帯電話プロバイダ
10a 携帯電話機
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼、化学等の製造プロセスを制御装置によって自動化する制御システムに係わり、特に通信手段を介して遠隔保守サービスを行う制御システム及び同システムの保守サービスの方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
稼働中の制御システムや制御システムを構成する制御装置についての保守や故障に対して、客先から調査や点検の依頼があった場合、従来は制御システムを構築したメーカの保守員が現地に出向いて対処するか、或いは簡単な故障内容であれば、電話などによって客先の使用者に対処方法を指示する場合が普通であった。
【0003】
しかし、これでは緊急な故障には迅速な対応がとれないため、最近では、客先の制御システムと制御システムを構築したメーカとをWANやLAN等の汎用回線で接続することによって、保守員が現地に出向くことなく対応することができる遠隔保守システムが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような従来の制御システムの遠隔保守システムは、各種の製造プラントで使用される多様な複数の制御システムをメーカの保守支援センタにある保守用サーバと接続し、この保守用サーバに保守サービスに関する情報を集中管理して保有し保守サービスを実行している。
【0005】
このような従来の制御システムについて、図8を参照して説明する。1及び2は離れた場所の異なる制御プラントを制御する制御システムであり、夫々の制御プラント1、2は企業内LAN3及び4を介してインターネット5に接続される。さらに、制御システムメーカの企業内LAN6を介して、この企業内LAN6に接続された保守支援センタの保守用サーバ7と接続される。
【0006】
この保守用サーバ7の端末には、企業内LAN6を介して保守用端末8aと保守用端末8bとが接続され、さらに保守用サーバ7は携帯電話プロバイダ10を介して保守員の所持する携帯電話機10aと接続できるようになっている。
【0007】
また携帯電話機10aを所持する保守員が使用する保守用端末9は、インターネット5を介して保守用サーバ7、および制御システム1及び2とe−mail等のコミュニケーション手段によって接続可能になっている。
【0008】
また、制御システム1は、制御システムの制御監視を行う制御装置1a及び監視制御モニタ1bを有し、同様に制御システム2も制御装置2a及び監視制御モニタ2bを有している。
【0009】
このように構成された制御システム1及び2の保守サービスは、保守用サーバ7の保守端末8a、8bで保守サービスの機能を分担して行っている。例えば、保守用端末8aは保守用品の供給サービスを、保守用端末8bは予防保全の技術サービスを、また保守用端末9は緊急時の技術サービスの提供を行っている。
【0010】
即ち、安全操業のために必要とされる予防保全サービスについては、客先の保守計画に基づいて、作動中の制御システムの定期的な点検と保守サービスがなされ、この制御システムの製造メーカの保守担当は、要求された保守品の供給や予防保全のための技術サービスを夫々の保守用端末8a、保守用端末8bを介して提供している。
【0011】
予測されない作動中の制御システムの異常事態、緊急事態が発生し、客先から緊急対応の要求があった場合は、迅速で高度の現場対応の技術サービスが必要となるため、保守用サーバ7を介して携帯電話機10a等によって担当する保守員を緊急呼出しする。
【0012】
そして緊急呼出しされた保守員は、保有する保守用端末9を使用して保守サーバ7を介して該当する客先の制御システム1、2の異常情報と保守情報を検索し、更には客先とコミニュケーションしながら対策を実施している。
【0013】
従来、この様な制御システム1、2のプログラミングは、専用のプログラミング機能を組み込んだ装置を使用するか、制御システム1、2には組み込まれない他のコンピュータ上で専用のソフトウエアを製作して制御装置やモニタに搭載していた。
【0014】
この場合、この制御システム1、2の制御プログラムのプログラミング機能は、制御システム1、2のモニタとなる監視制御モニタ1b、2b側に備えられ、制御装置1a、2a側にはそれにより作成されたオブジェクトプログラムを搭載する場合が多かった。
【0015】
従って、この様な制御システムでは、制御プログラムを持たない他の汎用保守端末等は簡単に監視制御モニタの情報を受けることができない。また制御装置1a(2a)と監視制御モニタ1b(2b)とが離れて設置される場合にも、制御装置1a側に簡単に監視制御モニタを増設することができない。
【0016】
一般的に各種の制御プラントの制御システムは固有の制御システムが構築されているので、その監視制御モニタの情報は各種各様存在する。例えば、作動中の運転画面等は客先毎、プラント毎に異なる。この様な客先固有の制御システムに対してメーカの保守支援センタの保守サーバで集中管理して保守を実施しようとする場合、制御システム毎の監視制御モニタの情報を備えると、保守サーバは大容量で複雑な情報管理が必要となるだけでなく、緊急時には保守員は保守支援センタに常駐することが必要になる。
【0017】
一方、客先からは操業機密を要する監視制御データを、緊急時であれ全てメーカにオープンに提供することには制約があり、従来のようなメーカ主導による集中サービスに代わるサービス体制方法が望まれていた。
【0018】
この様なことから、最近では、制御装置の自己診断機能によるアラームが発生すると、このアラームメッセージとアラームに対処するメーカの保守サービス情報を提供するように構成したWeb上の専用ページを直接ユーザの設備保守員にe−mailによって通報し、この専用ページに表示されるURL(Uniform Resource Locator)からWebページにアクセスして、このアラームに対処するサービス情報を入手する制御システムが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0019】
しかし、この保守サービスシステムにおいても、制御システムの自己診断機能によるアラームに対する緊急通報は可能であるが、作動中の制御システムの監視制御画面やトレンドデータ等のリアルタイムな制御情報をメーカの保守サービス員はモニタすることができないので的確な判断ができない問題があった。
【0020】
【特許文献1】
特開平10−55291号公報
【0021】
【非特許文献1】
芦田 和英他著、新しい制御システムにおけるコア技術
東芝レビューVol56No.10、2001年(P8)
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、一般的に各種の制御システムは客先のプラント固有の制御システムが構築されているので、異常事態の対処方法を正確に判断するためには、作動中の異常事態についてのリアルタイムな制御情報が必要になる。また、緊急事態には保守サービス者やエキスパート技術者が何処からでも要請を受けた制御システムの状態をモニタできることが必要である。
【0023】
しかしながら、上述した従来の制御システムでは緊急時に何処からでも監視制御画面等の制御情報をモニタすることができないので緊急時に的確なサービスが行えない問題があった。
【0024】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、制御システムの緊急、異常事態に対して、その制御システムのリアルタイムな制御情報をダウンロード可能とし、保守員やエキスパート技術者がどこからでも迅速な判断と対策が行いやすい環境を提供する制御システム及び同システムの保守サービスの方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の制御システム及び同システムの保守サービス方法は、端末情報を記憶する端末管理テーブルを備え、且つサーバ機能を備えた制御装置とブラウザを格納した保守端末とを有し、前記保守端末によって前記制御装置が制御するシステムの保守サービスを行う制御システムの保守サービス方法であって、前記制御装置は、前記保守端末からのモニタ情報の送信要求に対して、前記端末管理テーブルの端末情報と前記要求時に前記保守端末から送信される端末情報とを比較して前記保守端末の認証を行い、正しく認証できた保守端末である場合、前記制御装置が制御する前記システムのモニタプログラム及びそのデータ、及び監視画面プログラムの制御情報から送信可能なデータとプログラムを選択して前記制御装置から当該保守端末に送信し、前記保守端末は、前記制御装置から送信された前記制御情報を用いて前記システムの保守サービスを行うことを特徴とする。
【0026】
従って、制御装置のメーカは客先毎の制御システム固有の膨大な制御情報を保有することや、保守員を保守サービス支援センタに常駐させる必要が無く、汎用保守端末にリアルタイムに選択された制御情報をダウンロードできるので、正確な情報に基づく質の高い迅速な保守サービスの提供が可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の制御システム、及び同システムの保守の方法に係わる実施の形態の構成を示す図である。
【0028】
図1において、11、12は夫々設置場所、被制御対象が異なる制御システムである。夫々の制御システム11、12は夫々の企業内LAN3、4を介してインターネット5に接続されている。また、制御装置メーカの保守用サーバ17と、この保守用サーバ17の端末である保守用端末18とが企業内LAN6を介してインターネット5に接続され、インターネット5を介して制御システム11、12の保守サービスを行っている。
【0029】
更に、保守用サーバ17は携帯電話プロバイダ20と公衆回線で接続され、携帯電話機20aとインターネット5に接続可能な保守用端末19を所持する保守サービス員と繋がるように構成されている。
【0030】
制御システム11、12は夫々の制御装置11a、12aと夫々の監視制御モニタ11b、12bとで構成され、制御装置11a、12aと監視制御モニタ11b、12bとは内部LAN等の通信手段で接続されている。
【0031】
即ち、この制御システム11、12は、制御装置11a、11bにwwwサーバ機能を備えており、一方、この制御システム11、12の保守用端末19にはブラウザ機能を備えており、インターネット5を介して接続されている。これにより、制御システム11又は12に緊急、異常事態が発生した場合、制御システム11又は12と保守用端末19との間で各種の制御情報を送受信する通信手段を構築している。
【0032】
この制御装置11a、監視制御モニタ11bの詳細な構成を図2を参照して説明する。制御装置11aのハードウエアは、CPU21と、この制御装置11aのRAM、ROM及びハードディスクH/D等で構成されるメモリ22と、被制御対象入出力機器群11cと、及びこの被制御対象入出力機器群11cとのインタフェースである通信インタフェース26、I/Oインタフェース27とから構成され、各々は内部バス24で接続されている。
【0033】
また、後述する監視制御モニタ11bとは同じく通信インタフェース26と接続されている。この監視制御モニタ11bの詳細な構成を図3に示す。この図において、CPU31とメモリ32は、このCPU31の内部バス35を介して通信インタフェース36に接続されている。更に、通信インタフェース36は表示部33、入力操作部34と接続されている。
【0034】
この制御装置11aのソフトウエアの構成は図2に示す様に、制御システム11の制御プログラム23b、この制御システム11の監視制御モニタのためのモニタプログラム23c、通信及びI/Oインタフェースプログラム23d等で構成され、これらのソフトウエアはJava(登録商標)VM等のオブジェクト指向言語のO/S23aによって管理されている。
【0035】
次に、この様に構成された制御システム11の動作について、図4を参照して説明するが、制御システム12についても同様に制御される。図4は、制御システム11と、そのクライアントである保守用端末19及び制御システム11のメーカの保守用サーバ17との間で行う保守サービスの方法のフローチャートである。
【0036】
制御システム11に緊急な異常事態が発生すると、制御システム11からメーカのサービス支援センタに緊急対応を要求する(図4のS1)。このサービス要求111は、インターネット5を介してメーカの保守サーバ17の保守用端末18や電話機(図示せず)によって常時受付可能となっている。このサービス要求を受け付けた保守サーバ17は、サービス受付け処理171を行う。
【0037】
保守サーバ17のサービス受付処理171は、顧客管理情報ファイル171aから、この制御システム11に対応する保守用端末19のIPアドレスと携帯電話機20aの番号を参照して接続する。
【0038】
そして、保守用サーバ17は、保守用端末19及び携帯電話機20aからのサービス可能である応答(図4のAS2)を確認すると、保守サービスが開始可能な保守用端末19のIPアドレスを上記要求S1の応答として制御システム11に返信(図4のAS1)する。
【0039】
一方、保守用端末19は、保守サービスを開始可能とする端末受付処理191を立ち上げる。この端末受付処理191は、制御システム11の制御装置11aに対して、異常状態をリアルタイムでモニタできる監視制御モニタ要求(図4のA1)をインターネット5、企業内LAN3を介して送信する。
【0040】
すると、制御装置11aは保守端末認証処理112を実行する。この保守端末認証処理112は、メモリ22に格納される保守端末管理ファイル111aを参照して、予めこのファイル111aに登録された緊急サービス対応である保守用端末のIPアドレスと先に送信された保守用端末19のIPアドレスとを比較して、登録された緊急サービスの保守用端末からのアクセスであることを確認する。
【0041】
そして、この確認された保守用端末19に対して監視制御モニタを許可する応答(図4のS2)を返信する。
【0042】
保守用端末19は、制御装置11aから監視制御モニタを許可する応答S2を受信すると、監視制御モニタ選択処理192を起動する。この監視制御モニタ選択処理192は、制御装置11aが有するモニタプログラム23cのモニタメニューから該当するモニタを、ブラウザによって選択して保守用端末19にダウンロードし、モニタリングを行うものである。
【0043】
保守員は、保守用端末19に表示される監視制御モニタ選択処理192のモニタリングから異常原因の判断がつかなければ、更に監視制御モニタ選択処理192から制御装置11aに対して別のモニタ情報の送信を要求(図4のA2)する。
【0044】
すると、制御装置11aは監視制御モニタ要求選択送信処理114を実行して、その要求A2に対するモニタ情報の送信が可能か否かを判断し、可能なモニタ情報を送信(図4のS3)する。
【0045】
その結果、保守員は保守用端末19に表示される制御装置11aからのモニタリング情報から異常の診断判定処理195を行い、異常診断が確定(処理195の「Y」)すると、保守用端末19から制御装置11aに対して異常対処処理115の情報(図4のA3)が送信される。
【0046】
制御装置11aでは、保守用端末19から送信された情報A3から対策確認処理115を実行する。
【0047】
そして、発生した異常事態が解決されているかの判定処理116を行い、更に問題があれば再診断(処理116の「N」)を要求(図4のS4)を保守用端末19に送信する。この要求S4を受けた保守用端末19は、再度、監視制御モニタ選択処理192を操作して、診断対策後の制御システム11の状態をモニタリングするための要求A2を行い、同様に制御装置11aからのモニタリング情報S3を見て、診断判定処理195を繰り返す。
【0048】
その結果、異常が解決されたと判定(処理116の「Y」)されると、制御装置11aから異常完了(図4のS5)が保守用端末19、保守サーバ17に送信される。これにより、保守用端末19、保守サーバ17では完了処理197,173が実行され、保守サービスが完了する。
【0049】
次に、このような保守サービスの方法の内、制御装置11aでの監視制御モニタ要求選択送信処理114の詳細な実施の形態について説明する。前述した監視制御モニタ要求選択送信処理114は、保守用端末19からのモニタリング要求A2が制御装置11aに予め設定された送信可能なメニューであるか否かを自動的に判断して送信するものであったが、緊急時には予め設定したモニタ画面を自動的に保守用端末19に送信できれば効率が更によい。
【0050】
例えば、被制御値が所定の限界値の範囲を超えた場合に、制御システム11のエラー画面やアラーム画面のトレンドを自動的に保守用端末19に送信したい場合がある。この様なときに、保守用端末19に対して表示画面を自動選択してダウンロードできる制御命令を用意して、任意のモニタ画面を表示する方法について図5を参照して説明する。
【0051】
この図5は、LD(Ladder Diagram)を使用した画面選択命令「SELSCR」を使用した例で、この画面選択命令「SELSCR」の入力「EN」がオンのときに画面数「SCR NO」から入力された画面を、モニタアドレス「ADDRESS」で指定された制御装置11aの端末に送信して表示させる命令である。
【0052】
この画面選択命令「SELSCR」の出力が完了すると出力「ENO」がオンになり、ステータス「STS」から出力完了が出力される。表示するモニタの画面は、この制御システム11のアラーム信号と予め対応づけて画面番号とともにメモリ22に格納しておき、アラームが発生したときにこの画面選択命令「SELSCR」が実行されると、自動的に対応するモニタ端末に所定の画面がモニタされる。
【0053】
このエラー信号からのモニタは、制御プログラムが検出したエラーだけでなく、制御装置11aの管理プログラムが検出するエラー信号からも自動的にモニタすることは容易である。
【0054】
即ち、制御装置11a自身をサーバとし、保守サービス員がブラウザソフトを内蔵した保守用端末19をツールとして所有しておけば、制御システム11の緊急事態に対して、何処からでも何時でも緊急事態に対応することが可能でとなる。また、制御装置11aは送信可能な保守用端末19であるか否かを確認し、送信可能な制御情報を選択して送信できるので安心して保守サービスを受けることができる。
【0055】
以上述べた異常時の自動モニタリング以外に、緊急に制御プログラムや、モニタプログラムの変更が緊急に必要になる場合がある。この様な場合に複数台の保守端末によってプログラミングを並行して行い、迅速な作業を行う場合の実施の形態について図6及び図7を参照して説明する。
【0056】
図6は、制御装置11aの複数台のいずれかの保守端末が制御装置11aに対してプログラムの変更要求を送信した場合の複数の保守端末によるプログラム管理の処理フローである。
【0057】
制御装置11aは、保守用端末19からプログラム変更の要求(図6のステップ201)があると、端末/プログラム管理テーブル111aを用いてこの保守用端末19からのプログラム変更作業が可能か否かを確認し、該当するプログラムの作動状態を確認(図6のステップ202)する。
【0058】
そして、ステップ202が「Y」であれば、該当するプログラムの変更作業が可能であることを当該保守用端末19に送信(図6のステップ203)する。変更作業がすでに他の保守用端末が作業中のためできない場合(ステップ202の「N」)、作業中の保守端末番号を送信し、保守作業が出来ないことを当該保守用端末19に知らせる(図6のステップ204)。
【0059】
この様な端末/プログラム管理テーブル111aの例を図7に示す。この端末/プログラム管理テーブルは、この制御システム11aを保守する保守用端末として5台登録されていることを示し、それぞれのIPアドレスとポート番号が予め設定されている。
【0060】
例えば、IPアドレス「192.14.128.2」の保守用端末からプログラムタスク「1」、プログラム番号「1」のプログラム変更作業要求が行われて場合、既にプログラムタスク「1」、プログラム番号「1」のプログラムはIPアドレス「192.14.128.0」の保守用端末によってプログラム変更作業中であることが作動状態「1」に内容から判断できる。 従って、制御装置11aはこのテーブル111aの情報を参照してプログラムのアクセス可否を要求された保守用端末に知らせる様にしておく。
【0061】
この様にしておけば、保守用端末の作業が重複することなく進めることができる。また、プログラムの変更履歴を記憶しておくことも容易であるので、緊急時にプログラムの変更が生じた場合でも、該当するプログラムの編集管理も迅速に確実に行える。
【0062】
また制御装置11a、12aから保守用端末18に送信されるプログラムはオブジェクト形式のプログラムとしておけば、保守用端末18にエディタ機能を備える必要がなく、保守用端末18でのプログラミングが効率的に行える。
【0063】
【発明の効果】
以上述べた様に、本発明によれば、汎用保守端末を所持するエキスパート技術者が制御システム毎の固有のリアルタイムな制御情報をダウンロードしモニタできるので、正確な状況判断が可能となり、迅速で質の高い保守サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による制御システムのネットワーク構成図。
【図2】本発明の実施の形態による制御装置の構成図。
【図3】本発明の実施の形態による監視制御モニタの構成図。
【図4】本発明の実施の形態による保守サービスの方法の説明図。
【図5】制御プログラムから行うモニタの選択制御命令の設定画面。
【図6】本発明の実施の形態による保守端末によるプログラミングの管理方法の説明図。
【図7】本発明の実施の形態による保守端末の端末/プログラム管理テーブルの構成を示す図。
【図8】従来の制御システムの構成を示す図。
【符号の説明】
3、4、 企業内LAN
5 インターネット
6 企業内LAN
11、12 制御システム
11a、12a 制御装置
11b、12b 監視制御モニタ
11c 被制御対象入出力機器群
17 保守用サーバ
18、19 保守用端末
20 携帯電話プロバイダ
20a 携帯電話機
21 CPU
21a 内部バス
22 メモリ
26 通信インタフェース
27 I/Oインタフェース
31 CPU
31a 内部バス
32 メモリ
36 通信インタフェース
37 表示モジュール
38 入力モジュール
111a 端末/プログラム管理テーブル
171a 顧客管理情報ファイル
1、2 制御システム
1a、2a 制御装置
1b、2b 監視制御モニタ
7 保守用サーバ
8a、8b、9 保守用端末
10 携帯電話プロバイダ
10a 携帯電話機
Claims (5)
- 端末情報を記憶する端末管理テーブルを備え、且つサーバ機能を備えた制御装置とブラウザを格納した保守端末とを有し、前記保守端末によって前記制御装置が制御するシステムの保守サービスを行う制御システムの保守サービス方法であって、
前記制御装置は、前記保守端末からのモニタ情報の送信要求に対して、前記端末管理テーブルの端末情報と前記要求時に前記保守端末から送信される端末情報とを比較して前記保守端末の認証を行い、
正しく認証できた保守端末である場合、前記制御装置が制御する前記システムのモニタプログラム及びそのデータ、及び監視画面プログラムの制御情報から送信可能なデータとプログラムを選択して前記制御装置から当該保守端末に送信し、前記保守端末は、前記制御装置から送信された前記制御情報を用いて前記システムの保守サービスを行うことを特徴とする制御システムの保守サービス方法。 - 端末情報を記憶する端末管理テーブルを備え、且つサーバ機能を備えた制御装置と、ブラウザを格納した保守端末と、顧客管理情報ファイルを有する保守用サーバとを有し、前記保守端末によって前記制御装置が制御するシステムの保守サービスを行う制御システムの保守サービス方法であって、
前記保守用サーバは、前記制御装置からの保守要求を受信した時、前記顧客管理情報ファイルを参照して保守サービスを司る前記端末に通知し、
保守サービスを司る前記保守端末は、前記システムのモニタ情報の取得要求を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記端末管理テーブルの端末情報と前記取得要求時に前記保守端末から送信される端末情報とを比較して前記保守端末の認証を行い、
正しく認証できた保守端末である場合、前記制御装置が制御する前記システムのモニタプログラム及びそのデータ、及び監視画面プログラムの制御情報から送信可能なデータとプログラムを選択して当該保守端末に送信し、
前記保守端末は、前記制御装置から送信された前記制御情報を用いて前記システムの保守サービスを行うことを特徴とする制御システムの保守サービス方法。 - サーバ機能を備えた制御装置とブラウザを格納した保守端末とを有し、前記制御装置が制御するシステムの保守サービスを前記保守端末によって行う制御システムにおいて、
前記制御装置は、
前記端末情報を記憶する端末管理テーブルと、
前記保守端末からモニタ要求が送信された時、前記端末管理テーブルの前記端末情報と前記要求時に前記保守端末から送信される端末情報とを比較して正しい保守端末であることを認証する端末認証手段と、
認証された正しい保守端末へ前記制御装置に格納されたプログラム及びそのデータ、及び監視画面プログラムの制御情報から送信可能な制御情報を選択して送信する選択送信手段とを備え、
前記保守端末は、
前記制御装置から送信された前記制御情報を用いて前記制御装置が制御するシステムの保守サービスを行う保守サービス手段とを備えたことを特徴とする制御システム。 - サーバ機能を備えた制御装置と、ブラウザを格納した保守端末と、保守端末を管理する保守用サーバとを有し、前記制御装置が制御するシステムの保守サービスを前記保守端末によって行う制御システムにおいて、
前記保守用サーバは、
顧客管理情報ファイルと、
前記制御装置からの保守要求を受信した時、前記顧客管理情報ファイルを参照して保守サービスを司る端末端末に通知する手段とを備え、
前記制御装置は、
前記端末情報を記憶する端末管理テーブルと、
前記保守端末からのモニタ要求を受信した時、前記端末管理テーブルの前記端末情報と前記要求時に前記保守端末から送信される端末情報とを比較して正しい保守端末であることを認証する端末認証手段と、
認証された前記保守端末へ前記制御装置に格納されたプログラム及びそのデータ、及び監視画面プログラムの制御情報から送信可能な制御情報を選択して送信する選択送信手段とを備え、
前記保守端末は、
前記保守用サーバからの前記通知を受けて、前記制御装置へ前記モニタ要求を送信する手段と、
前記制御装置から送信された前記制御情報を用いて前記制御装置が制御するシステムの保守サービスを行う保守サービス手段とを備えたことを特徴とする制御システム。 - 前記制御装置は、複数の保守端末が前記システムの制御プログラム及びモニタプログラムを変更しようとする場合に、そのアクセスを管理するプログラム管理テーブルを備える様にしたことを特徴とする請求項3または請求項4記載の制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003146251A JP2004348548A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 制御システム及び同システムの保守サービス方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003146251A JP2004348548A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 制御システム及び同システムの保守サービス方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004348548A true JP2004348548A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33533165
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003146251A Pending JP2004348548A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 制御システム及び同システムの保守サービス方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004348548A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007316962A (ja) * | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Nec Fielding Ltd | 作業者管理方法、これに用いる情報処理装置及び作業者端末、プログラム |
JP2008003962A (ja) * | 2006-06-23 | 2008-01-10 | Nec Fielding Ltd | 携帯電話を利用した端末装置認証システム、認証方法およびそのプログム |
JP2008544354A (ja) * | 2005-06-10 | 2008-12-04 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション | 計算システムにおいてコンディションに対する応答を委任する方法及び装置 |
JP2012032870A (ja) * | 2010-07-28 | 2012-02-16 | Fujitsu Frontech Ltd | 係員操作制御装置、および、係員操作制御方法 |
JPWO2016199251A1 (ja) * | 2015-06-10 | 2017-07-27 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | 設備保守管理システム、設備保守装置及びプログラム |
CN110794809A (zh) * | 2019-10-28 | 2020-02-14 | 郑州航空工业管理学院 | 基于预防维修和质量损失函数的vsi ewma控制图经济设计方法 |
-
2003
- 2003-05-23 JP JP2003146251A patent/JP2004348548A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008544354A (ja) * | 2005-06-10 | 2008-12-04 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション | 計算システムにおいてコンディションに対する応答を委任する方法及び装置 |
JP2007316962A (ja) * | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Nec Fielding Ltd | 作業者管理方法、これに用いる情報処理装置及び作業者端末、プログラム |
JP4698481B2 (ja) * | 2006-05-26 | 2011-06-08 | Necフィールディング株式会社 | 作業者管理方法、これに用いる情報処理装置及び作業者端末、プログラム |
JP2008003962A (ja) * | 2006-06-23 | 2008-01-10 | Nec Fielding Ltd | 携帯電話を利用した端末装置認証システム、認証方法およびそのプログム |
JP4698502B2 (ja) * | 2006-06-23 | 2011-06-08 | Necフィールディング株式会社 | 携帯電話を利用した端末装置認証システム、認証方法およびそのプログラム |
JP2012032870A (ja) * | 2010-07-28 | 2012-02-16 | Fujitsu Frontech Ltd | 係員操作制御装置、および、係員操作制御方法 |
JPWO2016199251A1 (ja) * | 2015-06-10 | 2017-07-27 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | 設備保守管理システム、設備保守装置及びプログラム |
CN107636545A (zh) * | 2015-06-10 | 2018-01-26 | 三菱电机大楼技术服务株式会社 | 设备维护管理系统、设备维护装置以及程序 |
CN110794809A (zh) * | 2019-10-28 | 2020-02-14 | 郑州航空工业管理学院 | 基于预防维修和质量损失函数的vsi ewma控制图经济设计方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5503875B2 (ja) | プロセス制御システム及びプロセス制御方法 | |
US9112891B2 (en) | Remote firmware management for electronic devices | |
JP7098287B2 (ja) | プロセス制御通信アーキテクチャ | |
US7469288B2 (en) | Apparatus for monitoring the status of multiple laundry appliances | |
US20060136558A1 (en) | Event manager for use in a facilities monitoring system having network-level and protocol-neutral communication with a physical device | |
JP2006221376A (ja) | プラント緊急時情報表示システムと方法、Webサーバ | |
KR101371057B1 (ko) | 중계 통신 시스템 및 액세스 관리 장치 | |
EP2308202B1 (en) | The development, test, and demonstration of automation solutions using web-based virtual computers and vpn tunneling | |
CN101515926A (zh) | 用于设备管理系统的设备管理方法 | |
EP3396917A1 (en) | Method and apparatus for isolating environment | |
CN115357308B (zh) | 基于Docker的边缘物联代理装置、系统及应用方法 | |
JPH10161880A (ja) | リモート制御方式 | |
JP2004348548A (ja) | 制御システム及び同システムの保守サービス方法 | |
JP2007251697A (ja) | 機器監視制御システム、方法およびプログラム | |
WO2002037880A1 (en) | Remote controlling system and method | |
JPH1055291A (ja) | 遠隔保守システム | |
JP3981349B2 (ja) | 遠隔操作システム | |
JP3298587B2 (ja) | 装置制御システム | |
JP2004310166A (ja) | 情報処理装置管理システム | |
EP3720096A1 (en) | Shared data center for industrial automation systems | |
JP4132702B2 (ja) | 設備の監視方法及び設備の監視システム | |
CN1402879A (zh) | 制造设备、制造设备的控制方法、制造设备的控制系统、其中记录有制造设备的控制程序的计算机可读记录介质及制造设备的控制程序 | |
KR20100091814A (ko) | 컴퓨터의 전원 및 화면을 원격으로 접속하여 제어하는 시스템 및 그 운용방법 | |
JP2008108022A (ja) | 運用保守管理装置 | |
CN109672754A (zh) | SaaS化平台 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050415 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050606 |