JP2004348171A - 環境影響評価方法、環境影響評価システム、プログラム、および記録媒体 - Google Patents

環境影響評価方法、環境影響評価システム、プログラム、および記録媒体 Download PDF

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夕佳 岡田
Takayoshi Ueno
貴由 上野
Tetsuji Kawakami
哲司 川上
Hiroshi Onishi
宏 大西
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Abstract

【課題】対象物が複合物の場合、対象物から環境中に排出される有害化学物質が人間および生物に与える影響の定量評価が困難であった。
【解決手段】部品および材料から排出される有害化学物質について、環境への排出量を、溶出試験により発生する有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への有害化学物質の存在量、ならびに部品および材料の使用量を用いて決定する排出量決定手段2と、有害化学物質が、環境から人体および/または生物へいかに暴露されるかを示す運命係数を格納する運命係数データベース4と、有害化学物質の毒性係数を格納する毒性係数データベース5を備えており、有害化学物質の排出量、運命係数ならびに毒性係数を用いて、前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する環境影響評価手段3を備えた環境影響評価システム。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つ以上の有害化学物質を排出する可能性のある部品および材料、ないし複数の前記部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価方法、環境影響評価システム、プログラム、および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
部品および材料ないし製品の環境への影響を評価する方法として、従来よく実施されてきた方法の一つに、ライフサイクルアセスメントがある。ライフサイクルアセスメントは、原料採掘から廃棄・リサイクルに至る製品のライフサイクルにおける環境負荷を定量化する手法であり、ISO14040シリーズに規格化されている。ライフサイクルアセスメントにおけるインパクト評価の際に使用するカテゴリーはISO14040シリーズ上には規格化されていないが、比較的多く使用されるカテゴリーとして、エネルギー消費、地球温暖化、オゾン層破壊、大気汚染、水質汚濁および資源枯渇などが挙げられる。
【0003】
一方、環境中に排出された化学物質が環境中にてどのように移行し、最終的に人間や環境中の生物にどれだけ影響を及ぼすかについて評価する技術は、主にリスクアセスメントの分野にて研究がなされてきた。化学物質の環境中の挙動予測については、Mackayのフガシティーモデルを原型とするモデルが多く構築されており、これらのモデルを使用して化学物質が環境に与える影響を評価するリスクアセスメントプログラムも開発されている(例えば、非特許文献1参照。)。また、これらの運命予測モデルを使用して各化学物質の毒性ポテンシャルを算出し、ライフサイクルアセスメントの分野に化学物質が人間ならびに生物に与える影響の評価を取り入れようとする動きも見られる(例えば、非特許文献2参照。)。
【0004】
これらの評価方法を使用して、材料ないし製品に含有される化学物質が人間に及ぼす影響を定量化し、より環境負荷が小さい材料ないし製品の選択や設計に展開する技術が検討されている(例えば、特許文献1ならびに2参照。)。これらの技術においては、化学物質の運命モデルを使用する際のデータ取得の困難性を避けるため、材料ないし製品中に含有される化学物質が、廃棄プロセスにおいてそのまま全量が環境中に排出されるという条件のもとに評価が実施されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−118024号公報(第1−3頁、第1図)
【特許文献2】
米国特許5311437号
【非特許文献1】
ディ.マッケイ(D.Mackay),エンバイオロンメンタルサイエンステクノロジー(Environmental Science Technology),アメリカ,15,1006−1014(1981)
【非特許文献2】
エム.エイ.ジェイ.フィブレッツら(M.A.J.Huijbregts,et al.),ケモスファー(Chemosphere),オランダ,41,541−573(2000)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
部品および材料ないし製品から環境中に排出された化学物質が、人間ならびに生物に与える影響を詳細に評価する際、特に困難となるのが、一般に複数の化学物質からなる複合物である部品および材料ないし製品から、どれだけの量の有害化学物質が排出されるかの推定である。
【0007】
先に示した特開2001−118024号公報においては、化学物質の排出量として製品中における含有量を使用している。しかし、焼却やサーマルリサイクルなどの熱処理時に生成するとされるダイオキシンなど、製品のライフサイクルにおいて非意図的に発生する有害化学物質による影響は、製品における化学物質の含有量から評価することは困難である。また、埋め立て廃棄時における有害化学物質溶出を考慮した場合、部品および材料ないし製品の組成や状態ならびに廃棄される地域の条件により、その溶出量は大きく異なり、単純に含有量を使用して評価することはリスクの過大評価につながる可能性がある。これらの理由から、化学物質の排出量を簡易に推定する方法が、部品および材料ないし製品から排出される化学物質が人間ならびに生物に与える影響の合理的な評価において非常に重要となる。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、混合物や複合物からの有害化学物質の環境への排出量を合理的に推定し、その推定結果を使用して有害化学物質排出による環境への影響の評価を簡易に実施できる環境影響評価方法、環境影響評価システム、プログラム、および記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、部品および材料から排出される有害化学物質について、環境への排出量を、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定し、(1)前記有害化学物質の環境への排出量、(2)前記有害化学物質が、環境から人体および/または生物へいかに曝露されるかを示す運命係数、(3)前記有害化学物質の毒性係数を用いて演算することにより、前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する環境影響評価方法である。
【0010】
また、第2の本発明は、前記運命係数が、少なくとも(1)金属または無機化合物、(2)有機ハロゲン化合物、(3)(2)以外の有機化合物、からなる物質群につき、土壌への排出に対応する係数および大気への排出に対応する係数として決定されている第1の本発明の環境影響評価方法である。
【0011】
また、第3の本発明は、複数の部品および材料を使用している製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価方法であって、各々の前記部品および材料について、第1の本発明の環境影響評価方法を用いて前記有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出し、前記部品および材料についての前記評価値を合算することにより、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する環境影響評価方法である。
【0012】
また、第4の本発明は、前記部品および材料ないし製品についての前記有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を、基準となる部品および材料ないし製品からの前記有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値に対する相対値として算出する第1〜3の本発明のいずれかの環境影響評価方法である。
【0013】
また、第5の本発明は、部品および材料から排出される有害化学物質について、環境への排出量を、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定する排出量決定手段と、
前記有害化学物質が、環境から人体および/または生物へいかに暴露されるかを示す運命係数を格納する運命係数データベースと、
前記有害化学物質の毒性係数を格納する毒性係数データベースとを備えており、
前記有害化学物質の排出量、運命係数ならびに毒性係数を用いて、前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する環境影響評価手段を備えた環境影響評価システムである。
【0014】
また、第6の本発明は、前記運命係数が、少なくとも(1)金属または無機化合物、(2)有機ハロゲン化合物、(3)(2)以外の有機化合物、からなる物質群につき、土壌への排出に対応する係数および大気への排出に対応する係数として決定されている第5の本発明の環境影響評価システムである。
【0015】
また、第7の本発明は、前記部品および材料からの前記有害化学物質の環境への排出量の決定において、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量、および加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量のうちの複数が使用できる場合、各々の前記溶出量および存在量を用いて前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出し、前記評価値がより小さくなる処理方法を評価者に提示する機能を有する第5の本発明の環境影響評価システムである。
【0016】
また、第8の本発明は、前記有害化学物質の運命係数は、統計的数値範囲を有しており、前記演算の結果得られる前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値も数値範囲を有している第5の本発明の環境影響評価システムである。
【0017】
また、第9の本発明は、複数の部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
各々の前記部品および材料について、前記有害化学物質の環境への排出量を、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定する排出量決定手段と、
前記有害化学物質の排出量を少なくとも用いて、各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する部品材料環境影響評価手段と、
各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を合算し、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する製品環境影響評価手段とを備えた環境影響評価システムである。
【0018】
また、第10の本発明は、複数の部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、各々の前記部品および材料における化学物質の使用情報を統合し、前記有害化学物質の環境への排出量を増加させうる化学物質が存在する場合、前記排出量の補正を実施した後、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する第9の本発明の環境影響評価システムである。
【0019】
また、第11の本発明は、複数の部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
前記部品および材料に対応する、有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値から、前記部品および材料からの前記有害化学物質の排出量を算出する排出量逆計算手段を備え、
前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を前記部品および材料毎に対応させて出力した後、代替を希望する部品および材料と、前記代替を希望する部品および材料が実現すべき評価値をユーザに入力させ、前記実現すべき評価値を用いて、前記部品および材料を代替する新しい部品および材料に許容される前記有害化学物質の排出量を算出し、前記新しい部品および材料の満足すべき仕様として出力する機能を有する第9の本発明の環境影響評価システムである。
【0020】
また、第12の本発明は、複数の部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
1つないし複数の前記部品および材料において、前記有害化学物質の環境への排出量の決定において、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量、および加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量のうちの複数が使用できる場合、各々の前記溶出量および存在量を用いて前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出し、各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を合算して前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出した後、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値が最も小さくなる処理方法を評価者に提示する機能を有する第9の本発明の環境影響評価システムである。
【0021】
また、第13の本発明は、複数の部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
廃棄・リサイクル業者各々の処理手法についての情報を格納する廃棄リサイクルデータベースを備えており、前記廃棄リサイクルデータベースに登録された各々の廃棄・リサイクル業者毎に、前記製品の廃棄・リサイクルを委託した場合の前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出し、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値が最も小さくなる廃棄・リサイクル業者を評価者に提示する機能を有する第9の本発明の環境影響評価システムである。
【0022】
また、第14の本発明は、1つ以上の有害化学物質を排出する可能性のある部品および材料、ないし複数の前記部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量の認証を行う排出量データ認証手段と、
前記部品および材料に対する前記有害化学物質の溶出量および/または存在量と、前記部品および材料に対応する識別コードを格納した分析結果データベースと、
前記有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する評価手段とを備えており、
前記排出量データ認証手段は、ユーザが入力した前記識別コードに一致する前記部品および材料に対する前記有害化学物質の溶出量および/または存在量を、前記分析結果データベースより取得し、前記評価手段に転送し、
前記評価手段は、各々の前記有害化学物質の環境への排出量を、転送された前記部品および材料に対する前記有害化学物質の溶出量および/または存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定し、前記有害化学物質の環境への排出量を少なくとも用いて演算することにより、前記部品および材料ないし製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する環境影響評価システムである。
【0023】
また、第15の本発明は、1つ以上の有害化学物質を排出する可能性のある部品および材料、ないし複数の前記部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
公的機関による認証を受けた機関が分析した、前記部品および材料に対する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量を分析結果データベースに格納する第14の本発明の環境影響評価システムである。
【0024】
また、第16の本発明は、第5の本発明の環境影響評価システムにおける、各々の前記有害化学物質について、前記環境への排出量を、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定する排出量決定手段と、前記有害化学物質の環境への排出量を少なくとも用いて前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する環境影響評価手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0025】
また、第17の本発明は、第9の本発明の環境影響評価システムにおける、各々の前記部品および材料について、前記有害化学物質の排出量を、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定する排出量決定手段と、前記有害化学物質の環境への排出量を少なくとも用いて、各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する部品材料環境影響評価手段と、各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を合算し、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する製品環境影響評価手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0026】
また、第18の本発明は、第14の本発明の環境影響評価システムにおける、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量の認証を行う排出量データ認証手段と、前記部品および材料に対する前記有害化学物質の溶出量および/または存在量と、前記部品および材料に対応する識別コードを格納した分析結果データベースと、前記有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する評価手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0027】
また、第19の本発明は、第16〜18の本発明のいずれかのプログラムを担持した記録媒体であって、コンピュータにより処理可能な記録媒体である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による環境影響評価方法、環境影響評価システムの実施の形態について説明する。
【0029】
まず、部品および材料からの有害化学物質の環境への排出量を、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定する方法について説明する。
【0030】
従来、化学物質に関連するリスクアセスメントは、汚染物質のリスクに基づいた環境基準の設定や、化学物質を排出する工場などの周辺における影響の評価などを目的として、単一の化学物質を対象に実施されることが主であり、その結果、化学物質の物理化学的データとして単一化合物の文献値を使用することが多かった。しかし、化学物質の排出による環境影響評価の対象物が、部品および材料、ないし複数の前記部品および材料から構成される製品である場合、これらが単一の化学物質より構成されていることは極めて稀である。
【0031】
部品および材料、ないし製品からの有害化学物質の生成ならびに排出は、主に部品および材料の組成に支配され、評価対象である有害化学物質の含有量以外に、共存する物質の種類ならびに量により、有害化学物質の排出量が変動する場合も少なくない。例えば合金からの重金属溶出を考慮した場合、共存金属との電位差による電気化学反応により、その溶出量が大きく変動することが考えられる。
【0032】
また、部品および材料ないし製品から排出される有害化学物質の中にはダイオキシンのように、元々含有されているのではなく、焼却などのプロセスにおける化学反応の結果生成するとされているものがある。こうしたダイオキシンのような有害化学物質による環境影響は、部品および材料ないし製品中における化学物質の含有量を使用して評価することは不可能である。
【0033】
しかし一方で、水への溶出性、大気への揮発性あるいは加熱焼却残渣への残留性など、各々の有害化学物質の環境への排出量を決定する物性に対して、共存する複数の化学物質が与える影響について詳細に研究された例は非常に少ない。したがって、こうした複合物である部品および材料、ないし製品を対象として、環境中に排出される有害化学物質が環境に与える影響の評価を実施した場合、有害化学物質の含有量から環境への排出量を直接推定することは困難であり、結果として、得られる影響評価値の不確実性が大きくなる課題がある。したがって、評価対象である部品および材料、ないし製品からの有害化学物質の環境への排出量を合理的に推定することが,前記有害化学物質の排出による環境影響評価の精度を向上するにあたっては必要不可欠である。
【0034】
本発明による環境影響評価の対象物として工業製品や消費者製品、ならびにこれらを構成する部品および材料を考えた場合、これらに含有される化学物質が環境中に排出される重要なプロセスとして、廃棄・リサイクルプロセスが考えられる。廃棄・リサイクルプロセスにおける有害化学物質の排出経路の主なものとして、焼却やサーマルリサイクルなどの高温処理により発生するガスおよび/または飛灰を経由した大気への拡散、部品および材料ないし製品自身や、前記高温処理後の残渣を埋立処理した後の土壌への溶出が挙げられる。
【0035】
そこで、本発明による環境影響評価方法において、部品および材料ないし複数の前記部品および材料から構成される製品からの有害化学物質の環境への排出量として、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量を使用することにより、複数の化学物質が共存することによる不確実性を排除し、より精度の高い環境影響評価を実施することが可能となる。
【0036】
溶出試験としては、日本の環境庁告示13号法試験ないし46号法試験、アメリカのTCLP試験、オランダのアベイラビリティ試験などに代表される各国の公定試験を実施することが一般的と考えられるが、その他にも条件に応じてバッチ式やカラム式の溶出試験などを選択することができる。
【0037】
また、加熱燃焼試験としては、JIS K7217(プラスチック燃焼ガスの分析方法)に準じた加熱燃焼試験や、管状炉や熱重量分析装置などを使用した加熱燃焼試験が一例として挙げられるが、当然これらに限定されるものではない。
【0038】
続いて、有害化学物質の排出量、運命係数、ならびに毒性係数を演算することにより、前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する方法について説明する。大気、水、土壌などの環境媒体中に放出された化学物質は、さまざまな媒体を経由して人間ならびに生物への曝露を引き起こし、その曝露の結果として人間および/または生物は、化学物質の毒性による影響を受ける。すなわち、人間および/または生物に対する化学物質の影響は、環境への化学物質の排出量、環境から人間および/または生物への曝露に至るまでの化学物質の運命を示す指標、および化学物質固有の毒性を示す指標の3つの要素を組み合わせることにより表現できると考えられる。
【0039】
このことにしたがって、前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響Eは、模式的に下記(数1)のように表現できる。ここで、Ciは有害化学物質iの環境への排出量、Fiは化学物質iの運命係数、Tiは有害化学物質iの毒性係数である。
【0040】
【数1】
E=Σf(Ci,Fi,Ti)
運命係数Fiは、化学物質1単位の排出に対する、人体への摂取量または環境媒体ヘの残留量の指数であると定義することができ、大気、水、土壌などの各環境媒体への排出についてそれぞれ求められる。化学物質の環境中における挙動を数式化したモデルに、降水量や土壌流出量などの気象・地理的データ、人間の食事摂取パターン、各化学物質の物理化学的性質、環境中における分解性、生物濃縮性などのパラメータを代入することにより、定量的に決定することが可能である。
【0041】
運命係数Fiの決定方法の一例として、鉛を土壌に放出した場合の人間への運命係数決定を示す。鉛の土壌固液分配係数4m/kgと土壌粒子の密度2500kg/mを乗算し、土壌粒子のフガシティー容量10000(無次元量)を得る。同様に算出した空気、水などのフガシティー容量と体積分率より、土壌のフガシティー容量5200(無次元量)を得る。大気、水、底質などの各コンパートメントについても、同様にフガシティー容量を算出する。このフガシティー容量と、系の面積400000m、降水量1600mm/年等の地域特有のパラメータ、および拡散係数0.000002m/h、分解速度定数0(1/h)等の物質特有のパラメータを使用し、各コンパートメントにおける物質移動係数Dを算出する(例えば土壌から水への移動のDは6000000m/hである)。
【0042】
各コンパートメントにつき、排出量(土壌は1kg/日、土壌以外は0kg/日)と物質移動係数Dを使用して数式化モデルであるマスバランス方程式を組み、この連立方程式を解くことにより各コンパートメントにおける濃度が決定される(例えば水系の鉛濃度は0.0003mg/mとなる)。決定された各コンパートメントの濃度、および食物への濃縮係数(魚への濃縮係数:0.008m/kg等)、ならびに食事に関するパラメータ(魚の摂取量100g/日、等)を演算することにより、鉛1kg/日の土壌への排出に対する人間の摂取量0.0000043μg/kg−体重が得られる。したがって、鉛を土壌に放出した場合の人間への運命係数は1000/0.000000000004=4.3×10−15(1/kg−体重)となる。
【0043】
また、運命係数の決定に使用する前記パラメータのうち、化学物質に固有のものは物理化学的性質、環境中における分解性、生物濃縮性などであるが、これらのパラメータは化学物質の構造に大きく支配されることから、有害化学物質が排出される地域を固定した場合、化学構造ならびに物性が類似した化学物質は、環境中における挙動も類似するものと考えることができる。したがって、多様な化学物質を構造式ならびに物理化学的な物性により物質群に分類し、この物質群に共通の運命係数Fiを与えることにより、有害化学物質の環境中における挙動の評価、ならびにその化学物質の排出が環境に与える影響の評価をより簡易に実施することも可能でなる。
【0044】
物質群としては、現在人間ならびに生物への影響が懸念されている化学物質を考慮した場合、少なくとも金属および/または無機化合物、有機ハロゲン化合物、その他の有機化合物の3群が必要である。金属、無機化合物は鉛、カドミウムなどに代表され、環境中における分解性ならびに大気への揮発性が非常に低いことが特徴である。有機ハロゲン化合物はトリハロメタン、ダイオキシン、PCBなどを含む物質群であり、環境中における分解性が低い点において一般の有機化合物とは区別する必要がある。もちろん、物質群については必要に応じてさらに細かい分類を実施しても差し支えない。
【0045】
運命係数は、化学物質の放出先に応じて異なる値を有する。本評価方法においては、製品の廃棄・リサイクルプロセスを評価対象の1つとしているため、放出先としては少なくとも埋立に対応する土壌、ならびに焼却および高温処理に対応する大気を考慮しておく必要がある。
【0046】
図1に、物質群ならびに放出先に対応した運命係数の一例を示す。
【0047】
毒性係数Tiは、動物実験や疫学情報などより得られた無影響量(NOAEL)、予測無影響濃度(PNEC:生態系の生物について、その化学物質の毒性による影響が出てこないと予測される、水中または土壌中の化学物質濃度)、一日耐容摂取量/一日許容摂取量(TDI/ADI:人間が生涯摂取し続けても、その化学物質の毒性による影響が出てこない、とされる量)、発がん性ユニットリスク(化学物質の単位量を生涯摂取または曝露した時の発がん確率の上限推定値)、障害調整生存年(DALY:各種の疾病に関連して損失される生存年数ならびに生活の質の損失の表す障害生存年数の和)などのデータを使用し、必要に応じて安全係数などを加味した上で算出する。現段階では、各有害化学物質の人間に対するTDI/ADIの逆数を、基準物質(1,4−ジクロロベンゼンなど)に対して規格化した値が比較的一般的とされているが、当然これに限定されるものではない。
【0048】
(実施の形態1)
図2に、本発明の環境影響評価方法を実現する環境影響評価システムの第1の実施の形態の構成図を示す。本システムは、入力手段1、排出量決定手段2、環境影響評価手段3、運命係数データベース4、毒性係数データベース5ならびに出力手段6より構成される。
【0049】
運命係数データベース4には、化学物質の識別コードならびに対応する運命係数が格納されている。化学物質の識別コードとしては、CAS番号やPRTR法施行令における号番号、あるいはユーザが定義したコードなど、評価対象となる化学物質に対して重複することのないコードを使用することが望ましい。また毒性係数データベース5には、前記化学物質の識別コードならびに対応する毒性係数が格納されている。
【0050】
本システムにおいては、運命係数データベース4に直接運命係数を格納する構成をとっているが、入力手段ないしデータベースより取得した運命係数を算出するために必要なパラメータ、すなわち溶解度、蒸気圧などの物理化学的性質、分解性、生物濃縮性などのデータを使用して、化学物質の運命係数を算出する運命係数決定手段を運命係数データベース4とは別に有し、本システム内において運命係数を算出する構成としても差し支えない。
【0051】
なお化学物質の運命係数は、先に示した化学物質に固有のパラメータ以外に、土壌の性質や気象条件、また人間の食事パターンなど、評価対象とする地域に依存するパラメータにも支配される。つまり、同一の化学物質であっても、評価対象とする地域により運命係数が異なる場合があると考えられる。あるいは、運命係数を算出するために必要なパラメータの中には、不確実性を考慮すべきデータが存在する場合がある。このような地域差あるいはパラメータの不確実性を反映するため、運命係数データベースには、運命係数の代表値および/または地域差および/またはデータの不確実性を反映した運命係数の統計的範囲を格納する構成をとっても差し支えない。
【0052】
以上2種類のデータベースは、図2ではシステム内部に存在している構成をとっている。この場合、各データベースの情報はICメモリや、磁気記録媒体、光記録媒体に代表されるリムーバブルメディアなどに記録される。なお、データベースの一方ないし双方について、ネットワークを介して本システムとは離れて外部に配置されたデータベースを適宜使用する構成をとっても、本発明の構成は維持される。
【0053】
本システムの具体例としては、パーソナルコンピュータやワークステーションを、入力手段1としては、キーボード、スキャナ、バーコードリーダ、各種試験分析装置など、出力手段6としては、CRTや液晶などのディスプレイ、プリンタならびにICメモリ書き込み装置などをそれぞれ使用することができる。この点については以下の実施の形態も同様である。
【0054】
図3は、図2の構成における環境影響評価システムにおいて、部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響を評価する方法を説明するフローチャートである。この図をもとに、本システムの動作を説明するとともに、本発明の環境影響評価方法を説明する。
【0055】
手順1では、本システムのユーザが入力手段1より、部品および材料の使用量、前記部品および材料から排出される有害化学物質の種類、ならびに、前記部品および材料に対して溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量を入力する。
【0056】
部品および材料の使用量は、部品および材料自身による環境影響を評価したい場合は1単位とすればよいし、必要に応じて、製品1単位あたりの使用量や決められた地理的ないし時間的範囲内(日本国内における1年間など)における使用量などを指定してもよい。有害化学物質の種類は、名称、識別コード、化学式、試験分析装置の出力データなどのうちの1つ以上を使用して入力する。
【0057】
手順2では、排出量決定手段2が、手順1にて入力された部品および材料の使用量、ならびに有害化学物質の溶出量および/またはガス、飛灰ないし残渣中への存在量を用いて、各々の有害化学物質の環境への排出量を決定する。
【0058】
有害化学物質の環境への排出量の決定方法としては、部品および材料の使用量と、部品および材料1単位あたりの各々の有害化学物質の溶出量および/または存在量の積を求めることが一般的であるが、この限りではない。また先に説明したように、部品および材料中に共存する物質により有害化学物質の排出量が変動する場合、必要に応じてさらに排出量補正係数を乗じてもよい。
【0059】
手順3では、環境影響評価手段3が、入力手段1より得られた情報より評価対象となる有害化学物質を特定し、対応する識別コードを取得する。続いて手順4では、環境影響評価手段3が、手順3にて取得された識別コードを使用して運命係数データベース4ならびに毒性係数データベース5を検索することにより、評価対象となる有害化学物質の運命係数ならびに毒性係数を取得する。
【0060】
手順5では、環境影響評価手段3が、手順2にて決定された有害化学物質の環境への排出量、手順4にて取得された運命係数ならびに毒性係数を使用し、前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する。得られた評価結果は、手順6にて出力手段を介して表示される。
【0061】
図4に本システムによる環境影響評価結果の表示例を示す。なお、図において、「E±x」は「×10± 」を意味する。例えば、「E−02」は「×10−2」、「E+02」は「×10」という意味である。
【0062】
図4に示した環境影響評価結果は、一例として、各有害化学物質A〜Dの排出が環境に与える影響について、各々の排出量(単位:kg/日)、運命係数(化学物質1kgの排出に対応する人間の体重1kgあたりの摂取量の割合として算出、単位:(kg−体重)−1)および毒性係数(ADI/TDIの逆数、単位:(kg/kg−体重・日)−1)の積を算出し、部品および材料全体の環境影響として、各々の化学物質ごとに算出された環境影響の総和をとる評価方法を採用した場合の結果を示している。評価値の算出手法はこれに限定されるものではない。
【0063】
なお、先に示したように、各有害化学物質の運命係数の統計的範囲が運命係数データベースに格納されている場合、手順5にて算出される評価値も、統計的範囲を有する形で表現される。
【0064】
このように、本システムによれば、従来確実性の高い推定が困難であった部品および材料からの有害化学物質の環境への排出量を、有害化学物質の排出による環境への影響を容易かつ合理的に定量評価することが可能となる。
【0065】
(実施の形態2)
図5に、本発明の環境影響評価方法を実現する環境影響評価システムの第2の実施の形態の構成図を示す。本システムは、入力手段1、排出量決定手段2、運命係数データベース4、毒性係数データベース5、部品材料環境影響評価手段7、製品環境影響評価手段8、評価結果データベース9ならびに出力手段6より構成される。
【0066】
評価結果データベース9は、以前に本システムを使用して、排出される化学物質による環境影響を評価した部品および材料、ないし製品の品番、ならびに対応する評価結果が格納されている。図1ではシステム内部に存在している構成をとっているが、ネットワークを介して本システムとは離れて外部に配置されたデータベースを適宜使用する構成をとっても、本発明の構成は維持される。
【0067】
図6は、図5の構成における環境影響評価システムにおいて、1つ以上の部品および材料より構成される製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響を評価する方法を説明するフローチャートである。この図をもとに、本システムの動作を説明するとともに、本発明の環境影響評価方法を説明する。
【0068】
手順1では、ユーザが入力手段1より、評価対象とする製品の品番、前記製品を構成する部品および材料の品番と使用量、ならびに基準製品の品番を入力する。また必要に応じて、前記部品および材料から排出される有害化学物質の種類についての情報、ならびに前記部品および材料に対して溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量を入力する。
【0069】
手順2では、部品材料環境影響評価手段7が、手順1にて入力された、評価対象とする製品を構成する各々の部品および材料の品番を使用して、評価結果データベース9を検索する。評価結果データベース9に環境影響評価値が存在する部品および材料については、手順3’に進み、部品材料環境影響評価手段7が対象となる部品および材料の環境影響評価値を取得し、手順7に進む。評価結果データベースにデータが存在しない部品および材料の処理については手順3に進んで行う。手順3である部品および材料からの有害化学物質の排出量の決定から手順6である環境影響評価値の算出については、実施の形態1の手順2から5までと同様である。
【0070】
手順7では、製品環境影響評価手段8が、手順3’にて取得、あるいは手順6にて算出された、各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を合算し、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する。
【0071】
合算の方法としては、各々の部品および材料に対応する評価値に使用数量を乗じた上、製品に使用される全ての部品および材料に対して足し合わせることが一般的であるが、当然この方法に限定されるわけではない。
【0072】
先に説明したように、製品中に共存する物質により有害化学物質の排出量が変動する場合がある。製品環境影響評価手段8は、各々の部品および材料における化学物質の使用情報を統合した上で、有害化学物質の排出量を増大させうる化学物質が製品中に共存する場合においては、各々の部品および材料に対応する環境影響評価値に、必要に応じて排出量補正係数を乗じ、製品全体の環境影響評価値の算出に使用してもよい。
【0073】
手順8では、製品環境影響評価手段8が、手順1にて入力された基準製品の品番を使用して評価結果データベースを検索し、前記基準製品の環境影響評価値を取得する。
【0074】
なお、本フローチャートにおいては、基準製品の環境影響評価値がすでに評価結果データベースに格納されている場合を示しているが、基準製品についての評価結果が存在していない場合については、手順1から手順7にしたがって基準製品についても環境影響評価値を算出する必要がある。
【0075】
手順9では、製品環境影響評価手段8が、手順7にて算出された評価対象となる製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を、手順8にて取得した基準製品についての評価値で除すことにより、評価対象となる製品の環境影響の相対スコアを算出する。手順10では、手順9にて算出された相対スコアが、手順7にて算出された評価値とともに評価結果データベース9に格納された後、出力手段6を介して表示される。
【0076】
部品および材料ないし製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響を、基準となる部品および材料ないし製品に対する相対スコアとして算出することにより、仕様の変更に伴う環境影響の変動をユーザにより理解しやすい形で提示することができ、環境負荷の低い製品の開発支援が可能となる。
【0077】
このように、本システムによれば、複数の部品および材料より構成される製品についても、環境中に排出される有害化学物質による環境への影響を容易かつ合理的に評価することが可能となり、より環境負荷の低い製品の開発を促進することにより社会全体としての有害化学物質によるリスクを低減することにつながる。
【0078】
(実施の形態3)
図7に、本発明の環境影響評価方法を実現する環境影響評価システムの第3の実施の形態の構成図を示す。本システムは、入力手段1、排出量決定手段2、運命係数データベース4、毒性係数データベース5、部品材料環境影響評価手段7、製品環境影響評価手段8、評価結果データベース9、出力手段6ならびに排出量逆計算手段10より構成される。
【0079】
図8は、図7の構成における環境影響評価システムにおいて、製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響を評価するとともに、その評価結果ならびにユーザが許容できる環境影響の変化率より前記部品および材料を代替する新しい部品および材料に許容される前記有害化学物質の排出量を算出し、前記新しい部品および材料の満足すべき仕様として出力する方法を説明するフローチャートである。この図をもとに本システムの動作を説明する。なお手順1から手順7までは、先に説明した図6と同様である。
【0080】
手順8では、手順7にて算出された製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値とともに、手順3’にて取得、あるいは手順6にて算出された、各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を、出力手段6を介して表示する。
【0081】
続いて手順9では、ユーザが入力手段1より、手順8にて出力された各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を参考として、代替を希望する部品ないし材料の品番、代替する部品ないし材料を構成する化学物質の種類、ならびに代替する部品ないし材料が実現すべき環境影響評価値を入力する。化学物質の種類は、名称、識別コード、化学式、試験分析装置の出力データなどのうちの1つ以上を使用して入力する。
【0082】
各々の部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を参照することにより、ユーザはどの部品ないし材料を代替することにより、有害化学物質の排出が環境に与える影響をより効率的に削減することが可能であるか判断することが容易となる。
【0083】
手順10では、排出量逆計算手段10が、手順9にて入力された化学物質の種類より評価対象となる有害化学物質を特定し、対応する識別コードを取得する。続いて手順11では、排出量逆計算手段10が、手順10にて取得された識別コードを使用して運命係数データベース4ならびに毒性係数データベース5を検索することにより、評価対象となる有害化学物質の運命係数ならびに毒性係数を取得する。
【0084】
手順12では、排出量逆計算手段10が、手順11にて取得された評価対象となる有害化学物質の運命係数ならびに毒性係数、ならびに手順9にて入力された代替する部品ないし材料が実現すべき環境影響評価値を使用して、代替する部品ないし材料からの有害化学物質の許容排出量を算出する。
【0085】
算出方法として、評価対象となる有害化学物質が1種類である場合の一例を示す。手順9にて入力された代替する部品ないし材料が実現すべき環境影響評価値を、手順11にて取得された運命係数および毒性係数にて除すことにより、有害化学物質の許容排出量が求められる。評価対象となる有害化学物質が2種類以上であれば、前記の方法にて得られた各々の有害化学物質の許容排出量を、組成比などのデータを使用して最適化すればよい。当然、有害化学物質の許容排出量の算出方法は、この方法に限定されるわけではない。算出された有害化学物質の許容排出量は、手順13において出力手段6を介して表示される。図9は、本システムにおける環境影響評価値の表示例である。
【0086】
このように、本システムによれば、製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響を効率的に削減する部品および材料の仕様を容易に知ることが可能となり、化学物質が環境に与える影響について専門知識のないユーザであっても、環境負荷の小さい部品および材料の開発ないし選択を実施することができる。
【0087】
(実施の形態4)
図10に、本発明の環境影響評価方法を実現する環境影響評価システムの第4の実施の形態の構成図を示す。本システムは、入力手段1、排出量決定手段2、環境影響評価手段3、運命係数データベース4、毒性係数データベース5、出力手段6ならびにシナリオ比較手段11より構成される。
【0088】
図11は、図10の構成における環境影響評価システムにおいて、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量、および加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量のうちの複数が使用できる場合、各々の前記溶出量および存在量を用いて前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出し、前記評価値がより小さくなる処理方法を評価者に提示する方法を説明するフローチャートである。この図をもとに本システムの動作を説明する。
【0089】
手順1では、図3と同様に、本システムのユーザが入力手段1より、部品および材料の使用量、前記部品および材料から排出される有害化学物質の種類、ならびに、前記部品および材料に対して溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量を入力する。この際、同一の部品及び材料に対して、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量、および加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量の双方のデータが存在する場合、双方のデータとも入力しておく。
【0090】
手順2では、排出量決定手段2が、手順1にて入力された部品および材料の使用量、ならびに有害化学物質の溶出量および/またはガス、飛灰ないし残渣中への存在量を用いて、各々の有害化学物質の環境への排出量を、排出される媒体、ならびに部品および材料が廃棄・リサイクルされるシナリオごとに決定する。
【0091】
先に示したとおり、本発明による環境影響評価の対象物に含有される化学物質が環境申に排出される重要なプロセスとして、廃棄・リサイクルプロセスがあり、有害化学物質の排出経路の主なものとして、焼却やサーマルリサイクルなどの高温処理により発生するガスおよび/または飛灰を経由した大気への拡散、部品および材料ないし製品自身や、前記高温処理後の残渣を埋立処理した後の土壌への溶出が挙げられる。この点をふまえて、有害化学物質の排出量を、排出される各媒体、つまり大気ならびに土壌についてそれぞれ決定する。
【0092】
前記部品ないし材料を高温処理した場合を考えると、加熱燃焼試験により発生するガスおよび/または飛灰中における存在量から有害化学物質の大気への排出量を、残渣中における存在量から有害化学物質の土壌への排出量をそれそれ算出することができる。また、前記部品ないし材料が埋立廃棄される場合については、有害化学物質の溶出量から土壌への有害化学物質の排出量を決定することができる。
【0093】
手順3から手順4については、図3と同様である。続いて手順5では、環境影響評価手段3が、手順2にて部品および材料が廃棄・リサイクルされるシナリオごとに決定された有害化学物質の環境への排出量、手順4にて取得された運命係数ならびに毒性係数を使用し、前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を、前記シナリオごとに算出する。
【0094】
手順6では、シナリオ比較手段11が、手順5にて前記シナリオごとに算出された評価値の比較を行い、環境に与える影響が最小となる前記部品および材料の廃棄・リサイクルのシナリオを決定する。手順6にて決定された、環境に与える影響が最小となる前記部品および材料の廃棄・リサイクルのシナリオは、手順5にて算出された評価値とともに、手順7にて出力手段6を介して表示される。
【0095】
ここでは、部品および材料について、評価値がより小さくなる処理方法を評価者に提示する方法について示したが、複数の部品及び材料より構成される製品についても、同様の手法により評価を実施することが可能である。
【0096】
このように、本システムによれば、製品のライフサイクルにおいて有害化学物質を排出する可能性が高いプロセスである廃棄・リサイクル段階において、有害化学物質の排出が環境に与える影響を最小化できる処理方法を容易に決定することが可能となり、製品のライフサイクル全体における環境負荷を効率的に低減することができる。
【0097】
(実施の形態5)
図12に、本発明の環境影響評価方法を実現する環境影響評価システムの第4の実施の形態の構成図を示す。本システムは、入力手段1、排出量決定手段2、運命係数データベース4、毒性係数データベース5、部品材料環境影響評価手段7、製品環境影響評価手段8、評価結果データベース9、出力手段6ならびに廃棄リサイクルデータベース12より構成される。
【0098】
廃棄リサイクルデータベース12は、各々の廃棄・リサイクル業者について、識別コード、処理手法(解体、分別、破砕、埋立、焼却、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルなど)、処理による有害化学物質の各環境媒体(大気、水、土壌など)への排出率、排ガス・排水の後処理方法(バグフィルター、電気集塵、スクラバ、凝集沈殿、活性汚泥など)、ならびに後処理による有害化学物質の除去率を格納している。化学物質の処理による移行率ならびに後処理による除去率については、各業者について個別のデータが存在する場合はこれを格納し、個別のデータが存在しない場合は、各処理手法に対応したデフォルト値を使用する。
【0099】
また、有害化学物質の処理による移行率ならびに後処理による除去率は、化学物質の種類によっても異なってくると考えられるため、各々の有害化学物質に対応するデータ、もしくは先に示したような物質群に対応したデータの形にて扱ってもよい。
【0100】
図13は、図12の構成における環境影響評価システムにおいて、廃棄リサイクルデータベースに登録された各々の廃棄・リサイクル業者毎に、前記製品の廃棄・リサイクルを委託した場合の前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出し、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値が最も小さくなる廃棄・リサイクル業者を評価者に提示する方法を説明するフローチャートである。この図をもとに本システムの動作を説明する。なお、手順1から手順2までは、先に説明した図6と同様である。
【0101】
手順3では、部品材料環境影響評価手段7が、製品を構成する各部品および材料について、図3の手順2と同様に、使用量、ならびに有害化学物質の溶出量および/またはガス、飛灰ないし残渣中への存在量を用いて、各々の有害化学物質の、各環境媒体(大気、水、土壌など)への潜在的排出量を決定する。潜在的排出量とは、溶出ないし加熱燃焼により有害化学物質が排出された後、後処理による浄化が全くなされない場合の排出量と考えられる。この際、溶出量および/またはガス、飛灰ないし残渣中への存在量のうち複数のデータが存在する場合、各々のデータを使用して環境への潜在的排出量を算出しておく。あるいは、手順1における諸条件の入力の際、ユーザが廃棄・リサイクル時の処理方法を同時に指定するようにし、この指定された処理方法に対応するデータのみ使用して環境への潜在的排出量を算出することも可能である。
【0102】
続いて手順4では、部品材料環境影響評価手段7が、廃棄リサイクルデータベース12を検索し、各々の廃棄・リサイクル業者に対応した、有害化学物質の処理による各環境媒体への排出率ならびに後処理による除去率を取得する。手順1にて処理方法が指定されている場合は、指定された処理方法を実施している廃棄・リサイクル業者に対応したデータのみを取得すればよい。
【0103】
手順5では、各々の部品および材料について、手順3にて決定された有害化学物質の環境への潜在的排出量、および手順4にて取得された有害化学物質の処理による各環境媒体への排出率ならびに後処理による除去率を使用し、各々の廃棄・リサイクル業者に廃棄・リサイクル処理を委託した場合の有害化学物質の排出量を算出する。
【0104】
排出量算出の一例として、埋立処理後、浸出水中の重金属を95%除去する浄化処理を実施する廃棄業者Aに、合金X(1kgあたりの鉛の溶出量100mg)500g/日の処理を委託した場合の、環境中への鉛の排出量を考える。合金Xにおける鉛の環境への潜在的排出量は、
(500/1000)×100=50mg/日
である。重金属の埋立処理の場合、大気への揮発は考慮しなくてよいこと、土壌から水への移行は後の運命係数にて考慮されることから、廃棄業者Aの埋立処理による鉛の環境への排出率は、大気0%、水0%、土壌100%と考えられる。この排出率と、浄化処理による鉛の除去率より、廃棄業者Aへの合金Xの処理委託による、鉛の環境への排出量は、土壌に対して
50×(100/100)×(1−0.95)=2.5mg/日
と算出され、残る大気、水への排出量は0となる。
【0105】
手順6から手順8では、部品材料環境影響評価手段7が、図6の手順4から手順6と同様の手法にて、各廃棄・リサイクル業者に処理を委託した場合の、各々の部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する。手順9では、製品環境影響評価手段8が、手順8にて得られた各々の評価値を合算することにより、各廃棄・リサイクル業者に対応した、製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する。
【0106】
手順10では、製品環境影響評価手段8が、手順9にて算出された評価値を比較し、環境に与える影響が小さい順に廃棄・リサイクル業者をランキングする。ランキングの結果は、手順9にて算出された評価値とともに、手順11にて評価結果データベース9に格納された後、出力手段6を介して表示される。図14は、本システムにおける環境影響評価値ならびに廃棄・リサイクル業者のランキングの表示例である。
【0107】
このように、本システムによれば、製品のライフサイクルにおいて有害化学物質を排出する可能性が高いプロセスである廃棄・リサイクル段階において、有害化学物質の排出が環境に与える影響を最小化できる処理を実施する業者を容易に選定することが可能となり、製品のライフサイクル全体における環境負荷を効率的に低減することができる。
【0108】
(実施の形態6)
図15に、本発明の環境影響評価方法を実現する環境影響評価システムの第5の実施の形態の構成図を示す。本システムは、排出量データ認証手段13ならびに通信手段14より構成されるサーバ15、入力手段1、排出量決定手段2、部品材料環境影響評価手段7、製品環境影響評価手段8、評価結果データベース9ならびに出力手段6ならびに通信手段14より構成される端末16、運命係数データベース4、毒性係数データベース5、ならびに分析結果データベース17がネットワーク18を介して接続される構成をとる。当然、システム構成はこれに限定されるものではない。
【0109】
分析結果データベース17は、部品および材料の識別コード、ならびに前記部品および材料に対応する分析試験結果のデータ、つまり溶出試験により発生する有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量のデータを格納する。本システムにおいて最終的に算出される、有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値の精度を保証する観点から、分析結果データベース17に格納されるデータについては、各種公的機関による認証を受けた分析機関が実施した分析試験の結果であることが望ましい。
【0110】
公的機関による認証を受けた分析機関の例としては、計量法に基づく環境計量証明事業者、水道法に基づく水質検査機関、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関、環境省によるダイオキシン類測定分析機関の受注資格審査に合格した機関などが挙げられる。また、OECDのGLP(Good Laboratory Practice:優良試験所機関)適合施設やダイオキシン類測定に関するISO/IEC17025のような国際規格を取得した機関など、国際的な機関による認証を受けた機関であっても全く問題ない。
【0111】
図16は、図15の構成における環境影響評価システムにおいて、複数の前記部品および材料から構成される製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響を評価する方法を説明するフローチャートである。この図をもとに、本システムの動作を説明するとともに、本発明の環境影響評価方法を説明する。
【0112】
手順1では、本システムのユーザが入力手段1より、評価対象となる製品を構成する部品および材料の使用量、および前記部品および材料に対応する識別コードを入力する。
【0113】
識別コードとしては、部品および材料の品番が考えられるが、例えばネットワークを介して複数のユーザが本システムを使用する場合、同一品目においてもユーザに応じて異なる品番が使用されたり、異なる部品ないし材料に対して偶然に同一の品番が指定されている可能性が否定できない。このため、各々の部品ないし材料に対して重複することのない、本システムのユーザ間において共通のコードを指定することが望ましい。このコードを適切に指定することにより、本システムのセキュリティを向上させる効果も期待できる。
【0114】
続いて手順2では、部品材料環境影響評価手段7が、手順1にて入力された前記部品および材料に対応する識別コードを、通信手段14を介してサーバ15に送信する。
【0115】
手順3では、排出量データ認証手段13が、手順2にて送信された識別コードを使用して分析結果データベース17を検索する。前記識別コードに一致する部品ないし材料に対応するデータが分析結果データベース17中に存在しない場合、手順4’に進み、排出量データ認証手段13がエラーメッセージを生成し、手順5’にて通信手段14を介して端末16に送信する。手順6’では、手順5’にて送信されたエラーメッセージを出力手段6を介して表示し、処理を終了する。
【0116】
一方、前記識別コードに一致する部品ないし材料に対応する、溶出試験により発生する有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量のデータが、分析結果データベース17中に存在する場合、手順4に進み、排出量データ認証手段13が、対応する分析試験結果データを分析結果データベースより取得する。続いて手順5にて、排出量データ認証手段13が、取得した分析試験結果データを通信手段14を介して端末16に送信する。
【0117】
手順6以降においては、手順5にて取得された、各々の部品および材料に対応する、溶出試験により発生する有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量のデータを使用し、製品から排出される有害化学物質が環境に与える影響の評価値を算出していく。この算出方法については、図6の手順3以降と同様である。
【0118】
このように、本システムによれば、予め分析結果データベースに格納された溶出試験により発生する有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量を、評価値の算出に使用することにより、各々の部品および材料に対するこれらのデータをユーザが自ら入力する必要がなくなり、評価に要する工数を削減することができる。
【0119】
特に、ネットワークを介して複数のユーザが本システムを使用できる構成をとることにより、例えば部品および材料のサプライヤーが一度分析試験結果データをデータベースに登録しておくと、その後は個別ユーザの要求に対して都度データを提供する必要がなくなり、業界全体としての業務の効率化を図ることができる。
【0120】
またこの構成においては、分析結果データベースを一元管理することにより、メンテナンスを容易に実施することが可能となる。さらに、分析結果データベースに格納するデータとして、各種公的機関による認証を受けた分析機関が実施した分析試験の結果を使用することにより、評価値の精度を保証することがより容易になる。
【0121】
本発明において、評価対象となる製品としては、耐久消費財や薬品等の工業生産物が例として挙げられるが、複数の化学物質の混合物であれば、他のものでもよい。
【0122】
尚、本発明のプログラムは、上述した本発明の環境評価装置の全部又は一部の手段(又は、装置、素子等)の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0123】
又、本発明のプログラムは、上述した本発明の環境影響評価方法の全部又は一部のステップ(又は、工程、動作、作用等)の動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0124】
又、本発明の記録媒体は、上述した本発明の環境評価装置の全部又は一部の手段(又は、装置、素子等)の全部又は一部の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムを担持した記録媒体であり、コンピュータにより読み取り可能且つ、読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協動して前記機能を実行する記録媒体である。
【0125】
又、本発明の記録媒体は、上述した本発明の環境影響評価方法の全部又は一部のステップ(又は、工程、動作、作用等)の全部又は一部の動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムを担持した記録媒体であり、コンピュータにより読み取り可能且つ、読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協動して前記動作を実行する記録媒体である。
【0126】
尚、本発明の上記「一部の手段(又は、装置、素子等)」とは、それらの複数の手段の内の、一つ又は幾つかの手段を意味し、本発明の上記「一部のステップ(又は、工程、動作、作用等)」とは、それらの複数のステップの内の、一つ又は幾つかのステップを意味する。
【0127】
又、本発明の上記「手段(又は、装置、素子等)の機能」とは、前記手段の全部又は一部の機能を意味し、本発明の上記「ステップ(又は、工程、動作、作用等)の動作」とは、前記ステップの全部又は一部の動作を意味する。
【0128】
又、本発明のプログラムの一利用形態は、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
【0129】
又、本発明のプログラムの一利用形態は、伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
【0130】
又、本発明のデータ構造としては、データベース、データフォーマット、データテーブル、データリスト、データの種類などを含む。
【0131】
又、記録媒体としては、ROM等が含まれ、伝送媒体としては、インターネット等の伝送媒体、光・電波・音波等が含まれる。
【0132】
又、上述した本発明のコンピュータは、CPU等の純然たるハードウェアに限らず、ファームウェアや、OS、更に周辺機器を含むものであっても良い。
【0133】
尚、以上説明した様に、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。
【0134】
【発明の効果】
本発明により、従来合理的な推定が困難であった、複合物である部品、材料ないし製品からの有害化学物質の排出量について、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定することにより、前記部品、材料ないし製品から排出される有害化学物質が環境に与える影響を、より簡易かつ高精度にて定量評価することが可能となる。この結果、製品の設計、開発段階や、廃棄・リサイクル段階など、化学物質を含有する対象物のライフサイクルの段階において、より容易に環境影響の定量評価を実施することができ、環境負荷を効率的に低減する施策の選択が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における運命係数の例
【図2】本発明の第1の実施の形態における環境影響評価システムの構成を示す図
【図3】本発明の第1の実施の形態における環境影響評価方法を示すフローチャートを示す図
【図4】本発明の第1の実施の形態における環境影響評価結果の表示例を示す図
【図5】本発明の第2の実施の形態における環境影響評価システムの構成を示す図
【図6】本発明の第2の実施の形態における環境影響評価方法を示すフローチャートを示す図
【図7】本発明の第3の実施の形態における環境影響評価システムの構成を示す図
【図8】本発明の第3の実施の形態における環境影響評価方法を示すフローチャートを示す図
【図9】本発明の第3の実施の形態における環境影響評価結果の表示例を示す図
【図10】本発明の第4の実施の形態における環境影響評価システムの構成を示す図
【図11】本発明の第4の実施の形態における環境影響評価方法を示すフローチャートを示す図
【図12】本発明の第5の実施の形態における環境影響評価システムの構成を示す図
【図13】本発明の第5の実施の形態における環境影響評価方法を示すフローチャートを示す図
【図14】本発明の第6の実施の形態における環境影響評価結果の表示例を示す図
【図15】本発明の第6の実施の形態における環境影響評価システムの構成を示す図
【図16】本発明の第6の実施の形態における環境影響評価方法を示すフローチャートを示す図
【符号の説明】
1 入力手段
2 排出量決定手段
3 環境影響評価手段
4 運命係数データベース
5 毒性係数データベース
6 出力手段
7 部品材料環境影響評価手段
8 製品環境影響評価手段
9 評価結果データベース
10 排出量逆計算手段
11 シナリオ比較手段
12 廃棄リサイクルデータベース
13 排出量データ認証手段
14 通信手段
15 サーバ
16 端末
17 分析結果データベース
18 ネットワーク

Claims (19)

  1. 部品および材料から排出される有害化学物質について、環境への排出量を、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定し、(1)前記有害化学物質の環境への排出量、(2)前記有害化学物質が、環境から人体および/または生物へいかに曝露されるかを示す運命係数、(3)前記有害化学物質の毒性係数を用いて演算することにより、前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する環境影響評価方法。
  2. 前記運命係数が、少なくとも(1)金属または無機化合物、(2)有機ハロゲン化合物、(3)(2)以外の有機化合物、からなる物質群につき、土壌への排出に対応する係数および大気への排出に対応する係数として決定されている請求項1記載の環境影響評価方法。
  3. 複数の部品および材料を使用している製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価方法であって、各々の前記部品および材料について、請求項1記載の環境影響評価方法を用いて前記有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出し、前記部品および材料についての前記評価値を合算することにより、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する環境影響評価方法。
  4. 前記部品および材料ないし製品についての前記有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を、基準となる部品および材料ないし製品からの前記有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値に対する相対値として算出する請求項1〜3のいずれかに記載の環境影響評価方法。
  5. 部品および材料から排出される有害化学物質について、環境への排出量を、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定する排出量決定手段と、
    前記有害化学物質が、環境から人体および/または生物へいかに暴露されるかを示す運命係数を格納する運命係数データベースと、
    前記有害化学物質の毒性係数を格納する毒性係数データベースとを備えており、
    前記有害化学物質の排出量、運命係数ならびに毒性係数を用いて、前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する環境影響評価手段を備えた環境影響評価システム。
  6. 前記運命係数が、少なくとも(1)金属または無機化合物、(2)有機ハロゲン化合物、(3)(2)以外の有機化合物、からなる物質群につき、土壌への排出に対応する係数および大気への排出に対応する係数として決定されている請求項5記載の環境影響評価システム。
  7. 前記部品および材料からの前記有害化学物質の環境への排出量の決定において、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量、および加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量のうちの複数が使用できる場合、各々の前記溶出量および存在量を用いて前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出し、前記評価値がより小さくなる処理方法を評価者に提示する機能を有する請求項5記載の環境影響評価システム。
  8. 前記有害化学物質の運命係数は、統計的数値範囲を有しており、前記演算の結果得られる前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値も数値範囲を有している請求項5記載の環境影響評価システム。
  9. 複数の部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
    各々の前記部品および材料について、前記有害化学物質の環境への排出量を、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定する排出量決定手段と、
    前記有害化学物質の排出量を少なくとも用いて、各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する部品材料環境影響評価手段と、
    各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を合算し、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する製品環境影響評価手段とを備えた環境影響評価システム。
  10. 複数の部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、各々の前記部品および材料における化学物質の使用情報を統合し、前記有害化学物質の環境への排出量を増加させうる化学物質が存在する場合、前記排出量の補正を実施した後、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する請求項9記載の環境影響評価システム。
  11. 複数の部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
    前記部品および材料に対応する、有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値から、前記部品および材料からの前記有害化学物質の排出量を算出する排出量逆計算手段を備え、
    前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を前記部品および材料毎に対応させて出力した後、代替を希望する部品および材料と、前記代替を希望する部品および材料が実現すべき評価値をユーザに入力させ、前記実現すべき評価値を用いて、前記部品および材料を代替する新しい部品および材料に許容される前記有害化学物質の排出量を算出し、前記新しい部品および材料の満足すべき仕様として出力する機能を有する請求項9記載の環境影響評価システム。
  12. 複数の部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
    1つないし複数の前記部品および材料において、前記有害化学物質の環境への排出量の決定において、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量、および加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量のうちの複数が使用できる場合、各々の前記溶出量および存在量を用いて前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出し、各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を合算して前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出した後、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値が最も小さくなる処理方法を評価者に提示する機能を有する請求項9記載の環境影響評価システム。
  13. 複数の部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
    廃棄・リサイクル業者各々の処理手法についての情報を格納する廃棄リサイクルデータベースを備えており、前記廃棄リサイクルデータベースに登録された各々の廃棄・リサイクル業者毎に、前記製品の廃棄・リサイクルを委託した場合の前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出し、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値が最も小さくなる廃棄・リサイクル業者を評価者に提示する機能を有する請求項9記載の環境影響評価システム。
  14. 1つ以上の有害化学物質を排出する可能性のある部品および材料、ないし複数の前記部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
    溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量の認証を行う排出量データ認証手段と、
    前記部品および材料に対する前記有害化学物質の溶出量および/または存在量と、前記部品および材料に対応する識別コードを格納した分析結果データベースと、
    前記有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する評価手段とを備えており、
    前記排出量データ認証手段は、ユーザが入力した前記識別コードに一致する前記部品および材料に対する前記有害化学物質の溶出量および/または存在量を、前記分析結果データベースより取得し、前記評価手段に転送し、
    前記評価手段は、各々の前記有害化学物質の環境への排出量を、転送された前記部品および材料に対する前記有害化学物質の溶出量および/または存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定し、前記有害化学物質の環境への排出量を少なくとも用いて演算することにより、前記部品および材料ないし製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する環境影響評価システム。
  15. 1つ以上の有害化学物質を排出する可能性のある部品および材料、ないし複数の前記部品および材料から構成される製品の、環境に対する影響を評価する環境影響評価システムであって、
    公的機関による認証を受けた機関が分析した、前記部品および材料に対する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量を分析結果データベースに格納する請求項14記載の環境影響評価システム。
  16. 請求項5記載の環境影響評価システムにおける、各々の前記有害化学物質について、前記環境への排出量を、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定する排出量決定手段と、前記有害化学物質の環境への排出量を少なくとも用いて前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する環境影響評価手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  17. 請求項9記載の環境影響評価システムにおける、各々の前記部品および材料について、前記有害化学物質の排出量を、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量、ならびに前記部品および材料の使用量を用いて決定する排出量決定手段と、前記有害化学物質の環境への排出量を少なくとも用いて、各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する部品材料環境影響評価手段と、各々の前記部品および材料からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を合算し、前記製品からの有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する製品環境影響評価手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  18. 請求項14記載の環境影響評価システムにおける、溶出試験により発生する前記有害化学物質の溶出量および/または加熱燃焼試験により発生するガス、飛灰ないし残渣中への前記有害化学物質の存在量の認証を行う排出量データ認証手段と、前記部品および材料に対する前記有害化学物質の溶出量および/または存在量と、前記部品および材料に対応する識別コードを格納した分析結果データベースと、前記有害化学物質の排出が環境に与える影響の評価値を算出する評価手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  19. 請求項16〜18のいずれかに記載のプログラムを担持した記録媒体であって、コンピュータにより処理可能な記録媒体。
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