JP2004347954A - 符号化音声評価方法、装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】浮動小数点演算から固定小数点演算への置き換えによる音質劣化の度合いを客観的方法により評価し、固定小数点演算のみを用いた音声符号化方式の音質評価を行うことを課題とする。
【解決手段】まず、浮動小数点演算により原音信号(101)を符号化して第1の圧縮データ(104)を生成し、固定小数点演算により原音信号(101)を符号化して第2の圧縮データ(105)を生成する。次に、第1及び第2の圧縮データをそれぞれ復号して第1及び第2の音声信号(107,108)を生成する。次に、原音信号と第1又は第2の音声信号とのSN比を第1のSN比として演算し、第1の音声信号及び第2の音声信号のSN比を第2のSN比として演算する。次に、第1のSN比及び第2のSN比を基に第2の圧縮データの劣化度を判定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、符号化された音声信号の評価技術に関し、特に固定小数点演算により符号化した音声信号の評価技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
音声符号化の国際標準として、MPEGが定めるMP3、MPEG2−AACなどの符号化方式がある。これらの符号化方式は入力音声信号(原音)に対し、「周波数スペクトル変換」、「人間の聴覚特性を利用した情報の省略」、「量子化」、「符号化」を行うことによって、データ量の削減を可能とする。この際、人間の聴覚特徴を利用した情報の省略や量子化の処理部分での情報の欠落のために、符号化された音声信号を復号しても、原音と同じ音声信号を得ることができない。このような音声符号化方式を非可逆符号化方式という。
【0003】
非可逆音声符号化方式では原音に対し音質の変化や劣化が起こりうる。音質の変化や劣化の度合いを評価する方法として、主観評価と客観評価がある。評価者が符号化された音声を復号し試聴することによって、音質の変化や劣化の度合いを評価する方法を主観評価、数値により変化や劣化の度合いを表現し評価する方法を客観評価と呼ぶ。客観評価には原音と符号化信号を復号した音声信号のSN比をとる方法のほかに下記の特許文献1や下記の特許文献2が知られているが、通常は主観評価とともに行われる。
【0004】
計算精度の不足による音質の劣化を防ぐため浮動小数点演算を用いた符号化方式が望ましい。しかしながら、浮動小数点演算器を持たず、固定小数点演算器のみを有するプロセッサで音声符号を実行する場合に、速度性能を向上させるために浮動小数点演算を固定小数点演算におきかえることが有効である。この場合、演算精度が低下し音質の劣化の度合いが大きくなりうる。固定小数点化による演算精度の低下の影響を少なくする手法として、小数点位置をある一定の入力信号列毎に変化させる手法や下記の特許文献3及び特許文献4などが知られている。
【0005】
また、下記の特許文献5には、特徴パラメータを抽出することにより、音声入力信号を符号化及び復号化した再生音声信号の音質評価を行う装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−3097号公報
【特許文献2】
特開平7−84596号公報
【特許文献3】
特開平8−286700号公報
【特許文献4】
特開平5−73095号公報
【特許文献5】
特許第2972459号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、主観評価や客観評価により、十分高い音質であると評価された浮動小数点演算を用いた音声符号化方式を固定小数点演算のみを用いて実現する場合において音質の劣化が問題となる。
【0008】
本発明の目的は、浮動小数点演算から固定小数点演算への置き換えによる音質劣化の度合いを客観的方法により評価し、固定小数点演算のみを用いた音声符号化方式の音質評価を行うことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、まず、浮動小数点演算により原音信号を符号化して第1の圧縮データを生成し、固定小数点演算により原音信号を符号化して第2の圧縮データを生成する。次に、第1及び第2の圧縮データをそれぞれ復号して第1及び第2の音声信号を生成する。次に、原音信号と第1又は第2の音声信号とのSN比を第1のSN比として演算し、第1の音声信号及び第2の音声信号のSN比を第2のSN比として演算する。次に、第1のSN比及び第2のSN比を基に第2の圧縮データの劣化度を判定する。
【0010】
本発明によれば、第1のSN比及び第2のSN比を基に、固定小数点演算により原音信号を符号化した第2の圧縮データの劣化度を判定する。浮動小数点演算により原音信号を符号化した第1の圧縮データが、十分な品質をもつものであると保証されていれば、その性質を利用して、第2の圧縮データの劣化度を適切に評価することができる。また、浮動小数点演算の符号化器から固定小数点演算の符号化器へ置き換えたときの音質劣化の評価を定量的に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態による符号化音声評価装置の構成例を示す。浮動小数点符号化器102は、入力音声信号(原音信号)101を入力し、浮動小数点演算により入力音声信号101を符号化して圧縮データ104を生成する。固定小数点符号化器103は、固定小数点演算により入力音声信号101を符号化して圧縮データ105を生成する。符号化器102及び103は、例えばMPEG2−AAC等の同一の非可逆符号化方式で符号化する。例えば、符号化器102は32ビットの固定小数点演算を行い、符号化器103も32ビット(仮数部及び指数部を含む)の浮動小数点演算を行う。なお、符号化器102及び103は、ビット数が同じでなくてもよい。
【0012】
復号器106は、圧縮データ104を復号して出力音声信号107を生成して出力し、圧縮データ105を復号して出力音声信号108を生成して出力する。復号器106は、符号化器102及び103に対応し、例えばMPEG2−AAC等の同一の方式で圧縮データ104及び105を復号する。圧縮データ104及び105は、復号器106により、共に浮動小数点演算により復号されるか、又は共に固定小数点演算により復号される。
【0013】
SN比算出部109は、入力音声信号101と出力音声信号107とのSN比A_SSNRを演算する。SN比算出部110は、入力音声信号101と出力音声信号108とのSN比B_SSNRを演算する。SN比算出部111は、出力音声信号107と出力音声信号108とのSN比C_SSNRを演算する。SN比算出部109〜111のSN比算出方法は、後に図2を参照しながら説明する。
【0014】
判定器112は、SN比A_SSNR、B_SSNR及び/又はC_SSNRを基に、固定小数点演算による圧縮データ105の劣化度を判定し、判定結果113を出力する。具体的には、判定器112は、SN比A_SSNR及びC_SSNRを基に圧縮データ105の劣化度を判定、又はSN比B_SSNR及びC_SSNRを基に圧縮データ105の劣化度を判定する。この判定方法の詳細は、後に図3(A)及び(B)を参照しながら説明する。
【0015】
図1の符号化音声評価装置は、十分な音質評価を行い高品質な浮動小数点符号化器102がすでに完成されていることを前提としたものである。すなわち、計算精度の不足による音質の劣化を防ぐため、浮動小数点演算を用いた符号器102を用いることが望ましい。そこで、浮動小数点符号化器102は、十分な音質評価を行い、合格したものとして完成している。
【0016】
しかしながら、浮動小数点符号化器102は、速度が遅い欠点がある。そこで、速度性能を向上させるために、浮動小数点符号化器102を固定小数点符号化器103に置き換えることが有効である。この場合、演算精度が低下し、音質の劣化の度合いが大きくなりうる。図1の符号化音声評価装置は、固定小数点符号化器103の音質評価を行い、音質劣化度が小さく、かつ高速処理可能な固定小数点符号化器103を提供するものである。固定小数点符号化器103の音質変化や劣化の度合いの評価を、以下に述べる方法により行い音質の評価とする。
【0017】
図2は、図1のSN比算出部109〜111のSN比算出例を説明するための図である。SN比算出部109〜111が、2つの音声信号Xa及びXbのSN比を算出する例を示す。音声信号Xa及びXbは、N個(例えば1024個)ずつのデータ200に分けることができる。N個のデータ200の集まりは、フレームと呼ばれる。例えば、音声信号Xa及びXbは、M個のフレームで構成される。
【0018】
まず、次式により、m番目のフレームにおける、音声信号Xa及びXbのSN比SNR(m)を演算する。
【数1】
Figure 2004347954
【0019】
次に、次式により、M個のフレームのSN比SNR(m)の平均値として、SN比SSNRを演算する。
【数2】
Figure 2004347954
【0020】
このSN比SSNRが、図1のSN比A_SSNR、B_SSNR及びC_SSNRに相当する。具体的には、SN比算出部109は、音声信号Xaを入力音声信号101とし、音声信号Xbを出力音声信号107とし、SN比A_SSNRを演算する。SN比算出部110は、音声信号Xaを入力音声信号101とし、音声信号Xbを出力音声信号108とし、SN比B_SSNRを演算する。SN比算出部111は、音声信号Xaを出力音声信号107とし、音声信号Xbを出力音声信号108とし、SN比C_SSNRを演算する。なお、SN比は、上式に限定されず、重み付け平均等の他の演算式により求めてもよい。
【0021】
図3(A)及び(B)は、図1の判定器112の2種類の判定例を示す。ビットレートが64kbps、サンプリング周波数が24kHzのステレオタイプの音声信号についての判定例を示す。ビットレートは、圧縮度に相当し、ビットレートが小さいほど圧縮度が大きくなる。
【0022】
図3(A)は、第1の判定例を示す。横軸はSN比A_SSNRを示し、縦軸はSN比C_SSNRを示す。評価用音声信号として、100曲の音声信号に対して、SN比A_SSNR及びC_SSNRを測定し、グラフ上にプロットする。C_SSNR=A_SSNRの判定基準線301を引くと、このグラフは二つの領域302及び303に分けられる。判定基準線301よりも縦軸のSN比C_SSNRが大きい領域302にプロットした点がある場合には固定小数点化による劣化の度合いが小さいと判定できる。評価用音声信号を用いて測定された点の全てがこの領域302にある場合は、その固定小数点演算を用いた符号化器103は浮動小数点演算を用いた符号化器102と比較して音質劣化が少ないと判定できる。
【0023】
逆に、判定基準線301よりも縦軸のSN比C_SSNRが小さい領域303にプロットした点が1つでもある場合には、固定小数点化による劣化の度合いが大きいと判定できる。その場合、より詳細に音質確認を行う必要があると判定し、その領域303に存在する音声信号のみを主観評価又は客観評価の別の音声評価方法により評価する。その音質劣化が許容範囲内であれば、劣化が少ないと評価される領域302に位置した評価用音声信号と合わせて、音質評価の判定を合格とすることができる。また、音質劣化度が大きいと判定された場合には、固定小数点演算の精度を調整した後、再評価を行う。固定小数点演算の精度調整は、例えば固定小数点演算の小数点位置を変えることにより、精度を調整する。
【0024】
図3(B)は、第2の判定例を示す。横軸はSN比B_SSNRを示し、縦軸はSN比C_SSNRを示す。評価用音声信号として、100曲の音声信号に対して、SN比B_SSNR及びC_SSNRを測定し、グラフ上にプロットする。C_SSNR=B_SSNRの判定基準線311を引くと、このグラフは二つの領域312及び313に分けられる。判定基準線311よりも縦軸のSN比C_SSNRが大きい領域312にプロットした点がある場合には固定小数点化による劣化の度合いが小さいと判定できる。評価用音声信号を用いて測定された点の全てがこの領域312にある場合は、その固定小数点演算を用いた符号化器103は浮動小数点演算を用いた符号化器102と比較して音質劣化が少ないと判定できる。
【0025】
逆に、判定基準線311よりも縦軸のSN比C_SSNRが小さい領域313にプロットした点が1つでもある場合には、固定小数点化による劣化の度合いが大きいと判定できる。その場合、より詳細に音質確認を行う必要があると判定し、その領域313に存在する音声信号のみを主観評価又は客観評価の別の音声評価方法により評価する。その音質劣化が許容範囲内であれば、劣化が少ないと評価される領域312に位置した評価用音声信号と合わせて、音質評価の判定を合格とすることができる。また、音質劣化度が大きいと判定された場合には、固定小数点演算の精度を調整した後、再評価を行う。固定小数点演算の精度調整は、例えば固定小数点演算の小数点位置を変えることにより、精度を調整する。
【0026】
なお、図3(A)及び(B)の判定基準線301及び311は、傾きを変えることにより、評価基準を厳しくしたり緩くすることができる。
【0027】
図4は、図1の符号化音声評価装置の音質評価テスト例を示すフローチャートである。まず、ステップS401では、浮動小数点演算を用いた符号化器102で入力音声信号101を符号化し、圧縮データ104を生成する。次に、復号器106で圧縮データ104を復号し、音声信号107を得る。
【0028】
次に、ステップS402では、固定小数点演算を用いた符号化器103で入力音声信号101を符号化し、圧縮データ105を生成する。次に、復号器106で圧縮データ105を復号し、音声信号108を得る。
【0029】
次に、ステップS403では、SN比の算出を行う。SN比算出部109は、入力音声信号(原音)101及び音声信号107のSN比A_SSNRを算出する。SN比算出部110は、入力音声信号(原音)101及び音声信号108のSN比B_SSNRを算出する。SN比算出部111は、音声信号107及び音声信号108のSN比C_SSNRを算出する。
【0030】
次に、ステップS404では、図3(A)に示す横軸がSN比A_SSNR、縦軸がSN比C_SSNRのグラフ、及び/又は図3(B)に示す横軸がB_SSNR、縦軸がSN比C_SSNRのグラフを作成する。そして、それらのグラフ上に、上記の算出値をプロットし、基準線301及び/又は311を引く。なお、図3(A)の評価方法と図3(B)の評価方法のいずれか1つを行えば十分である。
【0031】
次に、ステップS405では、すべてのプロットが判定基準線301,311より上にあるか否かを判定する。すべてのプロットが上にあれば、合格の音質評価を得て、終了する。1以上のプロットが下にある場合には、音質を再確認する必要があるので、ステップS406へ進む。
【0032】
ステップS406では、判定基準線301,311より下にあるNGデータの音声信号を主観評価するか否かを判定する。主観評価を行う場合にはステップS407へ進み、行わない場合にはステップS408へ進む。
【0033】
ステップS407では、判定基準線301,311より下にあるNGデータの音声信号のみ主観評価する。主観評価に合格すれば、合格の音質評価を得て、終了する。主観評価に合格しなければ、ステップS408へ進む。なお、主観評価の代わりに、他の客観評価を行ってもよい。
【0034】
ステップS408では、固定小数点符号化器103の固定小数点演算の精度を調整する。具体的には、固定小数点演算の小数点位置を変える。その後、ステップS402へ戻り、再評価を行う。
【0035】
図5は、コンピュータのハードウエア構成図である。図1の符号化音声評価装置は、図5のコンピュータを用いて、コンピュータプログラムにより実現することができる。
【0036】
バス501には、中央処理装置(CPU)502、ROM503、RAM504、ネットワークインタフェース505、入力装置506、出力装置507及び外部記憶装置508が接続されている。
【0037】
CPU502は、データの処理及び演算を行うと共に、バス501を介して接続された上記の構成ユニットを制御するものである。ROM503には、予めブートプログラムが記憶されており、このブートプログラムをCPU502が実行することにより、コンピュータが起動する。外部記憶装置508にコンピュータプログラムが記憶されており、そのコンピュータプログラムがRAM504にコピーされ、CPU502により実行される。このコンピュータは、コンピュータプログラムを実行することにより、上記の符号化音声評価処理を行う。
【0038】
外部記憶装置508は、例えばハードディスク記憶装置等であり、電源を切っても記憶内容が消えない。外部記憶装置508は、コンピュータプログラム及び音声信号等を記録媒体に記録したり、記録媒体からコンピュータプログラム等を読み出すことができる。
【0039】
ネットワークインタフェース505は、ネットワークに対してコンピュータプログラム及び音声信号等を入出力することができる。入力装置506は、例えばキーボード及びポインティングデバイス(マウス)等であり、各種指定又は入力等を行うことができる。出力装置507は、ディスプレイ及びプリンタ等である。
【0040】
本実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びコンピュータプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0041】
以上のように、本実施形態によれば、SN比A_SSNR又はB_SSNRとSN比C_SSNRとを基に、固定小数点符号化器103が符号化した圧縮データ105の劣化度を判定する。浮動小数点演算を用いた符号化器102は、十分な品質をもつものである。本実施形態による判定では、固定小数点演算を用いた符号化器103は浮動小数点演算を用いた符号化器102と比べて、劣化が少ないか否かを判定する。劣化が少なければ、固定小数点演算を用いた符号化器103は十分な品質を持つと推定される。本実施形態によれば、浮動小数点演算の符号化器102から固定小数点演算の符号化器103へ置き換えたときの音質劣化の評価を定量的に行うことができる。
【0042】
なお、本実施形態の符号化方式は、MPEG2−AACに限定されず、MPEGが定めるMP3等の他の符号化方式にも適用できる。
【0043】
上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0044】
本発明の実施形態は、例えば以下のように種々の適用が可能である。
【0045】
(付記1)浮動小数点演算により原音信号を符号化して第1の圧縮データを生成する第1の符号化ステップと、
固定小数点演算により前記原音信号を符号化して第2の圧縮データを生成する第2の符号化ステップと、
前記第1及び第2の圧縮データをそれぞれ復号して第1及び第2の音声信号を生成する復号ステップと、
前記原音信号と前記第1又は第2の音声信号とのSN比を第1のSN比として演算する第1の演算ステップと、
前記第1の音声信号及び前記第2の音声信号のSN比を第2のSN比として演算する第2の演算ステップと、
前記第1のSN比及び前記第2のSN比を基に前記第2の圧縮データの劣化度を判定する判定ステップと
を有する符号化音声評価方法。
(付記2)前記第1の演算ステップは、前記原音信号と前記第1の音声信号とのSN比を第1のSN比として演算する付記1記載の符号化音声評価方法。
(付記3)前記第1の演算ステップは、前記原音信号と前記第2の音声信号とのSN比を第1のSN比として演算する付記1記載の符号化音声評価方法。
(付記4)前記判定ステップは、前記第2の圧縮データの劣化度が大きいと判定したときには、他の音質評価を行うことにより、前記第2の圧縮データの劣化度を判定する付記1〜3のいずれか1項に記載の符号化音声評価方法。
(付記5)前記判定ステップは、前記他の音質評価として主観評価を行う付記4記載の符号化音声評価方法。
(付記6)前記判定ステップは、前記他の音質評価として客観評価を行う付記4記載の符号化音声評価方法。
(付記7)前記判定ステップにて前記第2の圧縮データの劣化度が大きいと判定されたときには、前記固定小数点演算の小数点位置を変えて、再び前記第2の圧縮データの劣化度を判定する付記1〜6のいずれか1項に記載の符号化音声評価方法。
(付記8)前記第1及び第2の符号化ステップは、非可逆符号化方式で符号化を行う付記1〜7のいずれか1項に記載の符号化音声評価方法。
(付記9)浮動小数点演算により原音信号を符号化して第1の圧縮データを生成する第1の符号化手段と、
固定小数点演算により前記原音信号を符号化して第2の圧縮データを生成する第2の符号化手段と、
前記第1及び第2の圧縮データをそれぞれ復号して第1及び第2の音声信号を生成する復号手段と、
前記原音信号と前記第1又は第2の音声信号とのSN比を第1のSN比として演算する第1の演算手段と、
前記第1の音声信号及び前記第2の音声信号のSN比を第2のSN比として演算する第2の演算手段と、
前記第1のSN比及び前記第2のSN比を基に前記第2の圧縮データの劣化度を判定する判定手段と
を有する符号化音声評価装置。
(付記10)浮動小数点演算により原音信号を符号化して第1の圧縮データを生成する第1の符号化ステップと、
固定小数点演算により前記原音信号を符号化して第2の圧縮データを生成する第2の符号化ステップと、
前記第1及び第2の圧縮データをそれぞれ復号して第1及び第2の音声信号を生成する復号ステップと、
前記原音信号と前記第1又は第2の音声信号とのSN比を第1のSN比として演算する第1の演算ステップと、
前記第1の音声信号及び前記第2の音声信号のSN比を第2のSN比として演算する第2の演算ステップと、
前記第1のSN比及び前記第2のSN比を基に前記第2の圧縮データの劣化度を判定する判定ステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、第1のSN比及び第2のSN比を基に、固定小数点演算により原音信号を符号化した第2の圧縮データの劣化度を判定する。浮動小数点演算により原音信号を符号化した第1の圧縮データが、十分な品質をもつものであると保証されていれば、その性質を利用して、第2の圧縮データの劣化度を適切に評価することができる。また、浮動小数点演算の符号化器から固定小数点演算の符号化器へ置き換えたときの音質劣化の評価を定量的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による符号化音声評価装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】SN比算出例を説明するための図である。
【図3】図3(A)及び(B)は音質劣化判定例を示すグラフである。
【図4】音質評価テスト例を示すフローチャートである。
【図5】符号化音声評価装置を構成するコンピュータのハードウエア構成図である。
【符号の説明】
101 入力音声信号
102 浮動小数点演算を用いた符号化器
103 固定小数点演算を用いた符号化器
104,105 圧縮データ
106 復号器
107,108 出力音声信号
109〜111 SN比算出部
112 判定器
113 判定結果
501 バス
502 CPU
503 ROM
504 RAM
505 ネットワークインタフェース
506 入力装置
507 出力装置
508 外部記憶装置

Claims (5)

  1. 浮動小数点演算により原音信号を符号化して第1の圧縮データを生成する第1の符号化ステップと、
    固定小数点演算により前記原音信号を符号化して第2の圧縮データを生成する第2の符号化ステップと、
    前記第1及び第2の圧縮データをそれぞれ復号して第1及び第2の音声信号を生成する復号ステップと、
    前記原音信号と前記第1又は第2の音声信号とのSN比を第1のSN比として演算する第1の演算ステップと、
    前記第1の音声信号及び前記第2の音声信号のSN比を第2のSN比として演算する第2の演算ステップと、
    前記第1のSN比及び前記第2のSN比を基に前記第2の圧縮データの劣化度を判定する判定ステップと
    を有する符号化音声評価方法。
  2. 前記判定ステップは、前記第2の圧縮データの劣化度が大きいと判定したときには、他の音質評価を行うことにより、前記第2の圧縮データの劣化度を判定する請求項1記載の符号化音声評価方法。
  3. 前記判定ステップにて前記第2の圧縮データの劣化度が大きいと判定されたときには、前記固定小数点演算の小数点位置を変えて、再び前記第2の圧縮データの劣化度を判定する請求項1又は2記載の符号化音声評価方法。
  4. 浮動小数点演算により原音信号を符号化して第1の圧縮データを生成する第1の符号化手段と、
    固定小数点演算により前記原音信号を符号化して第2の圧縮データを生成する第2の符号化手段と、
    前記第1及び第2の圧縮データをそれぞれ復号して第1及び第2の音声信号を生成する復号手段と、
    前記原音信号と前記第1又は第2の音声信号とのSN比を第1のSN比として演算する第1の演算手段と、
    前記第1の音声信号及び前記第2の音声信号のSN比を第2のSN比として演算する第2の演算手段と、
    前記第1のSN比及び前記第2のSN比を基に前記第2の圧縮データの劣化度を判定する判定手段と
    を有する符号化音声評価装置。
  5. 浮動小数点演算により原音信号を符号化して第1の圧縮データを生成する第1の符号化ステップと、
    固定小数点演算により前記原音信号を符号化して第2の圧縮データを生成する第2の符号化ステップと、
    前記第1及び第2の圧縮データをそれぞれ復号して第1及び第2の音声信号を生成する復号ステップと、
    前記原音信号と前記第1又は第2の音声信号とのSN比を第1のSN比として演算する第1の演算ステップと、
    前記第1の音声信号及び前記第2の音声信号のSN比を第2のSN比として演算する第2の演算ステップと、
    前記第1のSN比及び前記第2のSN比を基に前記第2の圧縮データの劣化度を判定する判定ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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