JP2004347331A - 液面レベル検出用電極およびこれを用いた液レベル検出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】液温度変化や導電率変化、静電容量変化に影響されず、簡単な構造で正確な液位を検出できる液面レベル検出器用電極および回路を提供することを目的とする。
【解決手段】共通電極1本と測定電極2本の合計3本で構成し、液面レベルによって共通電極とそれぞれの測定電極の間の導電抵抗または静電容量による電流比が液位となるように構成した電極と、交流信号を発生する発信回路51と電極2または12へ流れる電流値を一定範囲にすることが出来る発信出力可変回路52と測定電極に流れる電流を電圧に変換する電流電圧変換回路53および54と、電流をデジタル値に変換するADコンバータ55と、電極1または11に供給した交流信号のピーク位置を取得してADコンバータの制御や、ADコンバータ出力値から電流比の演算、結果を出力用信号として出力する機能をそなえた制御回路56と出力回路57で構成する。
【選択図】図5
【解決手段】共通電極1本と測定電極2本の合計3本で構成し、液面レベルによって共通電極とそれぞれの測定電極の間の導電抵抗または静電容量による電流比が液位となるように構成した電極と、交流信号を発生する発信回路51と電極2または12へ流れる電流値を一定範囲にすることが出来る発信出力可変回路52と測定電極に流れる電流を電圧に変換する電流電圧変換回路53および54と、電流をデジタル値に変換するADコンバータ55と、電極1または11に供給した交流信号のピーク位置を取得してADコンバータの制御や、ADコンバータ出力値から電流比の演算、結果を出力用信号として出力する機能をそなえた制御回路56と出力回路57で構成する。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液面レベル検出器に用いるための電極と、それを使用して液面レベルを検出するシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の導電式液面レベルセンサや静電容量式液面レベルセンサでは、液面レベルに対する電極からの出力が、液の温度および導電率や誘電率に大きく影響されるため、特許公開平11−311561に見られるように別途参照電極を用いて液や大気の誘電率や導電率を求めてそれにより補正演算を行う方法が行われている。この場合測定用電極と参照用電極の相互干渉が避けられず、測定用電極と参照用電極の間を測定精度に影響しない距離にするか、測定用電極と参照用電極交互に通電して互いの影響をなくすようにしなければならない。また電極の数も多くなり実装上の空間が大きくなるなどの問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来技術では電極の構造などが複雑であり、製造コストも高く、簡便で低価格な液面レベル検出器を構成することができない点である。
【0004】
本発明は、液の導電率の変化や誘電率の変化に依存することなく簡便で正確かつ低価格な液面レベル検出器の電極とそれを使用した検出器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載する本発明の電極は、中央部に配置した共通電極と両側に配置した2本の電極との間の静電容量または導電抵抗による電流の比率が液位に比例することを特徴としている。
一般に電極間に発生する導電抵抗はR=r・L/Sで表される。ただしr=被抵抗でL=1、S=1のときの抵抗値、L:電極間の距値、S=電極面積とする。
同様に電極間に発生する静電容量はC=ε0・εr・S/Lで表される。ただしε0=真空の誘電率、εr=被測定液の誘電率、S=電極面積、L=電極間の距離とする。
どちらの場合も電極間に流れる電流は電極面積に比例し、距離に反比例する。
すなわち電極面積を変えるか、距離を変えることでその値を変えることが出来る。
同一幅の電極を液中に平行垂直に配置した場合は液位の変化に比例して直線的に面積が変化するため、静電容量および導電抵抗による電流も面積に比例して直線的に変化する。しかしこの場合その値は液の誘電率の変化や導電率の変化がそのまま出力の変化となる。このため変化要因を別途参照して補正しなければならない。
ここで電極の片方を斜めに配置した場合を考えると、斜めに配置したことによって電極間の距離が液位の変化に比例して変化する。同様にもう1組の電極を用意し片方の電極を上記電極とは逆方向の斜めに配置すれば、電極間の距離の変化が上記電極とは逆になる。すなわち電極間の距離が一方は下から上に向かって順次広がり、もう一方は逆に上から下に向かって順次広がる構造となる。両方の電極とも液の浸漬距離が増えるにしたがって流れる電流も多くなるが、その増加するカーブは逆特性となる。すなわち電極間の距離が、下部が狭く上部が広い方の電極は液の浸漬とともに急激に電流が増加し、液の浸漬が上部に向かうにしたがってゆるやかになる。もう一方の下部が広く上部が狭い電極の場合は前記とは逆に液の浸漬距離が小さいときは電極からの電流は緩やかに増加し、液の浸漬が上部になるにしたがって急激に増加する。このとき2組の電極から得られる電流の比率計算をすると、その値は液の誘電率の変化や導電率の変化に関係なく液位の変化のみに依存する。
さらにこの効果は電極間の距離を一定にして、電極面積を変えることでも得られる。すなわち一方の電極の幅は下から上に向かって順次広がり、もう一方の電極の幅は上から下に向かって順次広がる構造にする。しかも電極間距離を変化させる方式においても電極面積を変化させる方式においてもそれぞれの電極には同一の信号を供給すればよいことを考えるとそれぞれの電極の片方を共通電極とすることが出来るため、共通電極1本と測定電極2本の合計3本で構成することができる。
すなわち本発明の電極の基本的な形態は2通りあり、1つは電極間距離変化型で中央部に共通電極として斜めに配置し、他の2本は両側に垂直に配置する構造をとる。この基本形態を形態1として図1に示す。もう1つは電極面積変化型で中央部に同一幅の電極を配置し、両側にそれぞれ1つは上から下に向かって電極幅が広がり、もう1つは下から上に向かって幅が広がる電極を平行垂直に配置する構造をとる。この基本形態を形態2として図2に示す。また両方の形態を合成した構造でも同様の効果が得られる。
さらに電極面を向かい合わせにすることだけでなく、平面状に配置することでも同様の効果が得られる。
いずれの場合も2本の測定電極から得られた電流出力の比が液位を表し、液の誘電率の変化や導電率の変化、温度変化などに影響されないことを特徴とする。
つまり本発明の基本原理は液位の変化に応じて2本の電極の電極間の距離もしくは電極面積に違いが出るようにしておき、その比を計算することで液位を検出することができるようにしたものである。
【0006】
本発明の第一の形態であるところの電極間距離変化型(図1参照)では共通電極1から電極2および3に流れる電流は距離に応じた電流の液位までの積分値となる。第2の形態であるところの電極面積変化型(図2参照)では電極12および13に流れる電流は電極面積に応じた電流の液位までの積分値となる。この場合は電極間距離が一定であるので面積の変化がそのまま電流の変化となる。
図3および図4にそれぞれの電極の液位による電流変化と液位による比率変化を示す。
図3は電極間距離変化型(図1)での液位変化による電極2および3の電流値と電流比のシミュレーショングラフである。
図4は電極面積変化型(図2)での液位変化による電極12および13の電流値と電流比のシミュレーショングラフである。
【0007】
請求項1に記載する電極では2組の電極の電流比で液位を計測する方法であるため、その構造は様々な形をとることが出来ることを特徴としている。すなわち棒状または板状の金属や導体で構成することもできるし、電極をプリント基板で作成することも出来る。その場合基材をポリイミドのような絶縁フィルム状のものに電極や配線を金属箔で形成してタンク側面などに直接貼り付けることもできる。また絶縁板に導電ペーストなどを直接印刷して作成することも出来る。それらの場合電極面の腐食を防ぐためにメッキをほどこすのもよい。
そのために、小型省スペースで、測定範囲あるいはタンクの深さに合わせて自由な寸法で製造することができることも特徴としている。
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明に依る液面レベル検出器用電極の実施形態を説明する。
【0008】
以下、請求項1に記載する電極を使用して液面レベル検出器とする場合の回路を一例として説明する。ただし本回路は請求項1に記載する電極の実施の形態を説明するために例示的に記載したものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその技術的範囲に属する全ての実施形態を含むものとする。
【0009】
図5は実施回路ブロック図である。図6は回路原理図である。1は共通電極で2,3が測定電極である。51の発信回路部では交流信号を発生させる。図6の発信回路では三角波発信回路61となっているが、正弦波発信回路としてもよい。
52は発信出力可変部で利得可変アンプまたはオペアンプと電子ボリュームの組み合わせ等で構成する。図6ではオペアンプの利得抵抗として電子ボリューム素子を使用しCPUで制御する方法をとっている。これは電極2の出力がほぼ一定範囲に入るように共通電極に供給する信号を調整するためである。
発信出力可変部から出た交流信号は共通電極1に供給され、液の導電抵抗または静電容量を通じて測定電極2,3へ電流が流れる。53、54の電流−電圧変換回路は図6の回路63、64で示すように電極側をイマジナルショート電位(仮想接地電位)にしておけば電極2,3両方同電位となって電極2,3間は電流が流れない。そのため共通電極1からそれぞれの電極2,3に流れる電流のみを検出することができる。
測定電極2,3に流れる電流は液位によって変化するが、測定範囲が広いとその変化範囲も大きい。そのため液位が低位置にあるときは共通電極1に供給する信号を大きくし、液位が高位置にあるときは小さくすることで、53の出力が一定範囲になるように制御する。しかしこれは電流比率を求めるためであるから、一定値になるように制御する必要はなく、液位が低位置にあるときは、計算に十分な精度が出るように出力可変部52のアンプ利得を上げ、液位が高位置にあるときは検出信号が飽和しないようにアンプ利得を下げる。また54の出力ではなく53の出力が一定範囲に入るように制御するというのは図5のブロック図で示した電極2,3では2の方が出力が大きくなるため、53の出力を制御しておけば54の出力が飽和することはない。すなわち液位に対する出力が大きい方を一定範囲になるように制御する。それゆえ一定範囲の上限は次段のADコンバータ部55の検知出来る最大値付近がのぞましい。
【0010】
図5の電極1,2,3は本発明の形態1(図1参照)で例示したが、電極を本発明の形態2(図2参照)にしても動作は同じでその場合は図5の電極1は11となり、同様に2が12、3が13となる。
【0011】
発信回路部51から発信波形のピーク位置の信号を得て測定電極からの出力値はADコンバータ部55でデジタル値に変換する。デジタル値に変換された2つの電極電流値は56において電流比を求める演算が行われ、その結果が出力部57から出力される。ただしADコンバータ部に入力する前に直流変換回路を付加して電極電流を直流に変換すると測定電極からの信号は直流となるため、ADコンバータ部による変換はピーク位置のタイミングによらず任意のタイミングで変換を行うことが出来る。
現在はADコンバータ部から出力部までさまざまな機能を同一素子に組み込んだCPUが市販されているため、それらを使用することで少ない部品数で回路を構成することが出来る。また比率演算をソフトウエアで行うことによってさまざまな演算式に回路変更なしで対応させることが出来る。出力形態もDAコンバータによるアナログ出力とすることも出来るし、デジタル出力とすることも出来る。
しかしCPUではなくアナログ演算素子を使用することによりADコンバータ部による変換やソフトウエアによる演算を不要にすることも出来る。
【0012】
2つの電極電流値の比を計算することで液位を求めるが、いずれの場合も電流比は完全な直線にはならない。しかし直線からのずれを計測精度に影響しない程度に小さくすることが出来る。電流比を求める計算はさまざまな式が考えられるが、どの計算式が最適かはいちがいに言えない、そのときの電極形状や検出方式によって最適な式を選択するのがのぞましい。計算式を例として挙げると、A/B、B/A、A/(A+B)、(A−B)/(A+B)などである。ただしA,Bは各電極へ流れる電流値とする。
形態1(図1参照)では共通電極の傾きの比により理想的な直線からのずれが増減する。また形態2(図2参照)は導電抵抗による検出方式では、(A)/(A+B)で直線となるが、静電容量による検出方式では、液外の静電容量(空中部分の静電容量)が加算されるためその分が直線からのずれとなる。ただしその場合でもA=A−C,B=B−C,の後(A)/(A+B)を行えば直線となる。(Cは固定量で電極間が大気だけのときの静電容量となる。具体的には電極が全て大気間にあるときそれぞれの電極の出力が0となるようにオフセットを付加する。)
導電抵抗による検出方式でも液の静電容量や液外の静電容量があり、その分は誤差となるが、導電抵抗による検出方式のときは周波数を意図的に低くする、電極間距離を広くする、電極面積を小さくするなどによって、導電抵抗に比べて静電容量によるインピーダンスがはるかに大きくなるため無視出来る。
アプリケーションによっては必ずしも直線性が必要ない場合がある。すなわち検出した液位信号をフィードバック信号として液位を一定値に保つといった場合は液位検出信号に液位に対する直線性が必要ないため簡単な比いわゆるA/Bの信号で十分である。
【0013】
このように本発明の電極を用いた液面レベル検出システムでは発信回路51で作成した交流信号を共通電極に供給するが、片方の測定電極へ流れる電流が一定範囲に入るようにその交流信号レベルを制御することで液位が低位置にあるときでも十分な検出信号を得ることが出来るのを特徴としている。
さらに2つの電極からの検出信号を比率演算することによって液位を算出できることを特徴としている。
【0014】
以下本発明の電極を用いた液面レベル検出システムのシミュレーション内容を図示するが、この内容は試作実験結果とよく合っている。
形態1(図1参照)においてd1=3、d2=1.5、L1=50の場合の特性を例示する。液位の変化による電極電流値の変化を図7、そのときの計算式(2*B)/(A+B)による出力値と理想直線を図8、そのときの直線からのずれを100分率で表したものを図9とする。
直線性からのずれは全域にわたって最大0.5%以下となり、高精度な直線性が得られる。
このときd2=0.5とすると直線性からのずれは最大6.6%となるが、アプリケーションによってはこの程度のずれでも十分な実用性をもつ。
d2=0.5としたときの電極電流値を図10、そのときの計算式(2*B)/(A+B)による出力値と理想直線を図11、そのときの直線からのずれを100分率で表したものを図12で示す。
【0015】
本発明の電極および回路は液位の変化によって変化する電極間の導電抵抗による電流変化を利用した方式とすることが出来るが、同様に電極間の静電容量が変化するのを利用した方式とすることも出来る。どちらの方式にするかは、被測定液が導電性の液体であるかどうかによって決めることが出来る。すなわち導電性が無いかもしくは低い液体(灯油、トリクレンなど)の場合は静電容量を検出する方法が有利で、その場合は電極間距離を短く、あるいは電極面積を広くすることで相対的に電極間の静電容量を大きくして検出し易くする。感度を高めるためには共通電極と測定電極間の静電容量をなるべく大きくする必要があるが、あまりに電極面積を大きくすると全体の形状が大きくなり実装上の困難がともなう。
そこで図17で示したように円筒形状とすることにより全体の幅を小さく出来る。すなわち中心部に配置した円柱状の絶縁物70の表面に2本の測定電極を形成するが、1つは上から下に向かって電極幅が広がり、もう1つは逆に下から上に向かって広がるようにする。さらに同心円上に配置した円柱状測定電極の直径d16よりも大きい直径d17を持つ円筒状の導体11を共通電極とする。図18は測定電極の展開図である。測定電極12,13の間に隙間を持たせておくが、測定電極幅d12+d13を70の円周近くまで広げることが出来る。中心部の測定電極柱と円筒状の共通電極の間に隙間をもうけて液が浸漬出来るようにしておく。このとき測定電極柱と共通電極の隙間は上部で解放にしておき自由に空気が出入りできるようにしておく。以上のような形状にすることにより電極の幅方向のサイズを共通電極の直径とすることが出来る。
【0016】
図2は原理図であるため、測定電極が両側に分かれて書かれているが、前述したように測定電極同士はイマジナルショート(仮想接地)電位であるため同一平板上に作成して、共通電極と向かい合わせにすることが出来る。この場合共通電極板と測定電極板の間に被測定液が浸漬することになる。この電極形状を図19〜21に示す。
【0017】
導電性がある液体すなわち電解質液(水道水、食料品、現像液など)の場合は導電抵抗による電流検出方式が有利となる。その場合は電極間距離を広く、あるいは電極面積を小さくすることで相対的に電極間抵抗を高くして検出し易くする。
本発明の回路は若干の回路定数を変更することでそのどちらにも対応出来ることを特徴としている。すなわち導電抵抗検出方式の場合は発信回路61の発信周波数を低くして、電極の液外空中部分の静電容量の影響を少なくする。静電容量検出方式の場合は発信周波数を高くして十分な検出感度を得るようにする。さらに図6中のR8およびR9の値をそのときの電極電流値に合わせる必要がある。
また静電容量検出方式の場合は被測定物が液体だけでなく、粉体などにも応用出来る特徴がある。
【0018】
本発明の電極はその基本原理にしたがったあらゆる形状をとることが出来るため、6種類の形状を例として図で示す。ただしこれは本発明の電極形状を制限するものではない。本発明はその技術的範囲に属する全ての実施形態を含むものとする。
図13および図14は図1で示す原理を具体的な形状で例示したものである。
図15〜21は図2で示す原理を具体的な形状で例示したものである。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電極および検出回路は、導電抵抗検出方式と静電容量検出方式のどちらにも応用できる上、簡単な構造を持ち、液の温度変化や導電率の変化、静電容量の変化に影響されることなく液面レベル検出器を構成できるため、従来の液面レベル検出器に比較して低コストで製造でき、しかも小型省スペースである。
【0019】
さらに、タンクの深さや測定範囲に合わせて自由な寸法で製造することができるため、使用範囲および応用範囲を広げることができる。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【図1】形態1とした本発明電極の電極間距離変化型の原理図である。
【図2】形態2とした本発明電極の電極面積変化型の原理図である。
【図3】図1で示した形態1における液位変化による電極電流と電流比のシミュレーショングラフである。
【図4】図2で示した形態2における液位変化による電極電流と電流比のシミュレーショングラフである。
【図5】本発明電極を使用した液面レベル検出器のブロック図である。
【図6】図5で示したブロック図の回路図である。
【図7】図1で示した電極間距離変化型におけるd1=3,d2=1.5,L1=50の時の液位変化による電極電流のシミュレーショングラフである。
【図8】図7で示した液位変化による電流変化の電流比(2B)/(A+B)を計算し、そのときの理想直線とのシミュレーショングラフである。
【図9】図8で示した電流比の理想直線からのずれを100分率で表したグラフである。
【図10】図1で示した電極間距離変化型におけるd1=3,d2=0.5,L1=50の時の液位変化による電極電流のシミュレーショングラフである。
【図11】図10で示した液位変化による電流変化の電流比(2B)/(A+B)を計算し、そのときの理想直線とのシミュレーショングラフである。
【図12】図11で示した電流比の理想直線からのずれを100分率で表したグラフである。
【図13】図1で示した電極間距離変化型電極の内、3本の電極を1列に配置した形状例である。
【図14】図1で示した電極間距離変化型電極の内、共通電極を奥行き方向にオフセットさせて配置した形状例である。
【図15】図2で示した電極面積変化型電極の内、測定電極と共通電極を向かい合わせに配置した形状例である。
【図16】図2で示した電極面積変化型電極の内、3本の電極を同一平面上に配置した形状例である。
【図17】図2で示した電極面積変化型電極の内、円筒形状電極の形状例である。
【図18】図17で示した円筒形状電極での内部に配置した測停電極の展開図である。
【図19】図20で示した平板形状電極の内、測定電極板の見開き図である。
【図20】図2で示した電極面積変化型電極の内、平板形状電極の形状例である。
【図21】図20で示した平板形状電極の内、共通電極板の見開き図である。
【符号の説明】
形態1 電極間距離変化型電極
形態2 電極面積変化型電極
1 形態1の共通電極
2 形態1において1との間隔が下から上に向かって順次広がっている測定電極
3 形態1において1との間隔が上から下に向かって順次広がっている測定電極
4 形態1の上部電極保持部
5 形態1の下部電極保持部
11 形態2の共通電極
12 形態2において電極幅が上から下に向かって順次広がっている測定電極
13 形態2において電極幅が下から上に向かって順次広がっている測定電極
14 形態2の上部電極保持部
15 形態2の下部電極保持部
16 形態2の電極保持板
51 発信回路部
52 発信出力可変部
53 2または12用電極電流−電圧変換回路部
54 3または13用電極電流−電圧変換回路部
55 ADコンバータ部
56 電流比率演算および制御部
57 出力部
61 三角波発信回路
62 発信出力可変回路
63 2または12用電極電流−電圧変換回路
64 3または13用電極電流−電圧変換回路
65 ADコンバータ
66 制御回路
67 DAコンバータ
70 円柱状測定電極
90 形態2における測定電極保持板
91 形態2における共通電極保持板
d1 形態1での1と2および1と3の間隔の広いほうの寸法
d2 形態1での1と2および1と3の間隔の狭いほうの寸法
d11 11の電極幅
d12 12における最上部の電極幅寸法、および13における最下部の電極幅寸法
d13 12における最下部の電極幅寸法、および13における最上部の電極幅寸法
d14 11と12の間隔
d15 11と13の間隔
d16 測定電極の直径寸法
d17 共通電極の直径寸法
d16*π 円柱状測定電極の円周寸法
L1 形態1および形態2の電極長さ
L2 形態1および形態2における液浸漬寸法
【発明の属する技術分野】
本発明は液面レベル検出器に用いるための電極と、それを使用して液面レベルを検出するシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の導電式液面レベルセンサや静電容量式液面レベルセンサでは、液面レベルに対する電極からの出力が、液の温度および導電率や誘電率に大きく影響されるため、特許公開平11−311561に見られるように別途参照電極を用いて液や大気の誘電率や導電率を求めてそれにより補正演算を行う方法が行われている。この場合測定用電極と参照用電極の相互干渉が避けられず、測定用電極と参照用電極の間を測定精度に影響しない距離にするか、測定用電極と参照用電極交互に通電して互いの影響をなくすようにしなければならない。また電極の数も多くなり実装上の空間が大きくなるなどの問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来技術では電極の構造などが複雑であり、製造コストも高く、簡便で低価格な液面レベル検出器を構成することができない点である。
【0004】
本発明は、液の導電率の変化や誘電率の変化に依存することなく簡便で正確かつ低価格な液面レベル検出器の電極とそれを使用した検出器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載する本発明の電極は、中央部に配置した共通電極と両側に配置した2本の電極との間の静電容量または導電抵抗による電流の比率が液位に比例することを特徴としている。
一般に電極間に発生する導電抵抗はR=r・L/Sで表される。ただしr=被抵抗でL=1、S=1のときの抵抗値、L:電極間の距値、S=電極面積とする。
同様に電極間に発生する静電容量はC=ε0・εr・S/Lで表される。ただしε0=真空の誘電率、εr=被測定液の誘電率、S=電極面積、L=電極間の距離とする。
どちらの場合も電極間に流れる電流は電極面積に比例し、距離に反比例する。
すなわち電極面積を変えるか、距離を変えることでその値を変えることが出来る。
同一幅の電極を液中に平行垂直に配置した場合は液位の変化に比例して直線的に面積が変化するため、静電容量および導電抵抗による電流も面積に比例して直線的に変化する。しかしこの場合その値は液の誘電率の変化や導電率の変化がそのまま出力の変化となる。このため変化要因を別途参照して補正しなければならない。
ここで電極の片方を斜めに配置した場合を考えると、斜めに配置したことによって電極間の距離が液位の変化に比例して変化する。同様にもう1組の電極を用意し片方の電極を上記電極とは逆方向の斜めに配置すれば、電極間の距離の変化が上記電極とは逆になる。すなわち電極間の距離が一方は下から上に向かって順次広がり、もう一方は逆に上から下に向かって順次広がる構造となる。両方の電極とも液の浸漬距離が増えるにしたがって流れる電流も多くなるが、その増加するカーブは逆特性となる。すなわち電極間の距離が、下部が狭く上部が広い方の電極は液の浸漬とともに急激に電流が増加し、液の浸漬が上部に向かうにしたがってゆるやかになる。もう一方の下部が広く上部が狭い電極の場合は前記とは逆に液の浸漬距離が小さいときは電極からの電流は緩やかに増加し、液の浸漬が上部になるにしたがって急激に増加する。このとき2組の電極から得られる電流の比率計算をすると、その値は液の誘電率の変化や導電率の変化に関係なく液位の変化のみに依存する。
さらにこの効果は電極間の距離を一定にして、電極面積を変えることでも得られる。すなわち一方の電極の幅は下から上に向かって順次広がり、もう一方の電極の幅は上から下に向かって順次広がる構造にする。しかも電極間距離を変化させる方式においても電極面積を変化させる方式においてもそれぞれの電極には同一の信号を供給すればよいことを考えるとそれぞれの電極の片方を共通電極とすることが出来るため、共通電極1本と測定電極2本の合計3本で構成することができる。
すなわち本発明の電極の基本的な形態は2通りあり、1つは電極間距離変化型で中央部に共通電極として斜めに配置し、他の2本は両側に垂直に配置する構造をとる。この基本形態を形態1として図1に示す。もう1つは電極面積変化型で中央部に同一幅の電極を配置し、両側にそれぞれ1つは上から下に向かって電極幅が広がり、もう1つは下から上に向かって幅が広がる電極を平行垂直に配置する構造をとる。この基本形態を形態2として図2に示す。また両方の形態を合成した構造でも同様の効果が得られる。
さらに電極面を向かい合わせにすることだけでなく、平面状に配置することでも同様の効果が得られる。
いずれの場合も2本の測定電極から得られた電流出力の比が液位を表し、液の誘電率の変化や導電率の変化、温度変化などに影響されないことを特徴とする。
つまり本発明の基本原理は液位の変化に応じて2本の電極の電極間の距離もしくは電極面積に違いが出るようにしておき、その比を計算することで液位を検出することができるようにしたものである。
【0006】
本発明の第一の形態であるところの電極間距離変化型(図1参照)では共通電極1から電極2および3に流れる電流は距離に応じた電流の液位までの積分値となる。第2の形態であるところの電極面積変化型(図2参照)では電極12および13に流れる電流は電極面積に応じた電流の液位までの積分値となる。この場合は電極間距離が一定であるので面積の変化がそのまま電流の変化となる。
図3および図4にそれぞれの電極の液位による電流変化と液位による比率変化を示す。
図3は電極間距離変化型(図1)での液位変化による電極2および3の電流値と電流比のシミュレーショングラフである。
図4は電極面積変化型(図2)での液位変化による電極12および13の電流値と電流比のシミュレーショングラフである。
【0007】
請求項1に記載する電極では2組の電極の電流比で液位を計測する方法であるため、その構造は様々な形をとることが出来ることを特徴としている。すなわち棒状または板状の金属や導体で構成することもできるし、電極をプリント基板で作成することも出来る。その場合基材をポリイミドのような絶縁フィルム状のものに電極や配線を金属箔で形成してタンク側面などに直接貼り付けることもできる。また絶縁板に導電ペーストなどを直接印刷して作成することも出来る。それらの場合電極面の腐食を防ぐためにメッキをほどこすのもよい。
そのために、小型省スペースで、測定範囲あるいはタンクの深さに合わせて自由な寸法で製造することができることも特徴としている。
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明に依る液面レベル検出器用電極の実施形態を説明する。
【0008】
以下、請求項1に記載する電極を使用して液面レベル検出器とする場合の回路を一例として説明する。ただし本回路は請求項1に記載する電極の実施の形態を説明するために例示的に記載したものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその技術的範囲に属する全ての実施形態を含むものとする。
【0009】
図5は実施回路ブロック図である。図6は回路原理図である。1は共通電極で2,3が測定電極である。51の発信回路部では交流信号を発生させる。図6の発信回路では三角波発信回路61となっているが、正弦波発信回路としてもよい。
52は発信出力可変部で利得可変アンプまたはオペアンプと電子ボリュームの組み合わせ等で構成する。図6ではオペアンプの利得抵抗として電子ボリューム素子を使用しCPUで制御する方法をとっている。これは電極2の出力がほぼ一定範囲に入るように共通電極に供給する信号を調整するためである。
発信出力可変部から出た交流信号は共通電極1に供給され、液の導電抵抗または静電容量を通じて測定電極2,3へ電流が流れる。53、54の電流−電圧変換回路は図6の回路63、64で示すように電極側をイマジナルショート電位(仮想接地電位)にしておけば電極2,3両方同電位となって電極2,3間は電流が流れない。そのため共通電極1からそれぞれの電極2,3に流れる電流のみを検出することができる。
測定電極2,3に流れる電流は液位によって変化するが、測定範囲が広いとその変化範囲も大きい。そのため液位が低位置にあるときは共通電極1に供給する信号を大きくし、液位が高位置にあるときは小さくすることで、53の出力が一定範囲になるように制御する。しかしこれは電流比率を求めるためであるから、一定値になるように制御する必要はなく、液位が低位置にあるときは、計算に十分な精度が出るように出力可変部52のアンプ利得を上げ、液位が高位置にあるときは検出信号が飽和しないようにアンプ利得を下げる。また54の出力ではなく53の出力が一定範囲に入るように制御するというのは図5のブロック図で示した電極2,3では2の方が出力が大きくなるため、53の出力を制御しておけば54の出力が飽和することはない。すなわち液位に対する出力が大きい方を一定範囲になるように制御する。それゆえ一定範囲の上限は次段のADコンバータ部55の検知出来る最大値付近がのぞましい。
【0010】
図5の電極1,2,3は本発明の形態1(図1参照)で例示したが、電極を本発明の形態2(図2参照)にしても動作は同じでその場合は図5の電極1は11となり、同様に2が12、3が13となる。
【0011】
発信回路部51から発信波形のピーク位置の信号を得て測定電極からの出力値はADコンバータ部55でデジタル値に変換する。デジタル値に変換された2つの電極電流値は56において電流比を求める演算が行われ、その結果が出力部57から出力される。ただしADコンバータ部に入力する前に直流変換回路を付加して電極電流を直流に変換すると測定電極からの信号は直流となるため、ADコンバータ部による変換はピーク位置のタイミングによらず任意のタイミングで変換を行うことが出来る。
現在はADコンバータ部から出力部までさまざまな機能を同一素子に組み込んだCPUが市販されているため、それらを使用することで少ない部品数で回路を構成することが出来る。また比率演算をソフトウエアで行うことによってさまざまな演算式に回路変更なしで対応させることが出来る。出力形態もDAコンバータによるアナログ出力とすることも出来るし、デジタル出力とすることも出来る。
しかしCPUではなくアナログ演算素子を使用することによりADコンバータ部による変換やソフトウエアによる演算を不要にすることも出来る。
【0012】
2つの電極電流値の比を計算することで液位を求めるが、いずれの場合も電流比は完全な直線にはならない。しかし直線からのずれを計測精度に影響しない程度に小さくすることが出来る。電流比を求める計算はさまざまな式が考えられるが、どの計算式が最適かはいちがいに言えない、そのときの電極形状や検出方式によって最適な式を選択するのがのぞましい。計算式を例として挙げると、A/B、B/A、A/(A+B)、(A−B)/(A+B)などである。ただしA,Bは各電極へ流れる電流値とする。
形態1(図1参照)では共通電極の傾きの比により理想的な直線からのずれが増減する。また形態2(図2参照)は導電抵抗による検出方式では、(A)/(A+B)で直線となるが、静電容量による検出方式では、液外の静電容量(空中部分の静電容量)が加算されるためその分が直線からのずれとなる。ただしその場合でもA=A−C,B=B−C,の後(A)/(A+B)を行えば直線となる。(Cは固定量で電極間が大気だけのときの静電容量となる。具体的には電極が全て大気間にあるときそれぞれの電極の出力が0となるようにオフセットを付加する。)
導電抵抗による検出方式でも液の静電容量や液外の静電容量があり、その分は誤差となるが、導電抵抗による検出方式のときは周波数を意図的に低くする、電極間距離を広くする、電極面積を小さくするなどによって、導電抵抗に比べて静電容量によるインピーダンスがはるかに大きくなるため無視出来る。
アプリケーションによっては必ずしも直線性が必要ない場合がある。すなわち検出した液位信号をフィードバック信号として液位を一定値に保つといった場合は液位検出信号に液位に対する直線性が必要ないため簡単な比いわゆるA/Bの信号で十分である。
【0013】
このように本発明の電極を用いた液面レベル検出システムでは発信回路51で作成した交流信号を共通電極に供給するが、片方の測定電極へ流れる電流が一定範囲に入るようにその交流信号レベルを制御することで液位が低位置にあるときでも十分な検出信号を得ることが出来るのを特徴としている。
さらに2つの電極からの検出信号を比率演算することによって液位を算出できることを特徴としている。
【0014】
以下本発明の電極を用いた液面レベル検出システムのシミュレーション内容を図示するが、この内容は試作実験結果とよく合っている。
形態1(図1参照)においてd1=3、d2=1.5、L1=50の場合の特性を例示する。液位の変化による電極電流値の変化を図7、そのときの計算式(2*B)/(A+B)による出力値と理想直線を図8、そのときの直線からのずれを100分率で表したものを図9とする。
直線性からのずれは全域にわたって最大0.5%以下となり、高精度な直線性が得られる。
このときd2=0.5とすると直線性からのずれは最大6.6%となるが、アプリケーションによってはこの程度のずれでも十分な実用性をもつ。
d2=0.5としたときの電極電流値を図10、そのときの計算式(2*B)/(A+B)による出力値と理想直線を図11、そのときの直線からのずれを100分率で表したものを図12で示す。
【0015】
本発明の電極および回路は液位の変化によって変化する電極間の導電抵抗による電流変化を利用した方式とすることが出来るが、同様に電極間の静電容量が変化するのを利用した方式とすることも出来る。どちらの方式にするかは、被測定液が導電性の液体であるかどうかによって決めることが出来る。すなわち導電性が無いかもしくは低い液体(灯油、トリクレンなど)の場合は静電容量を検出する方法が有利で、その場合は電極間距離を短く、あるいは電極面積を広くすることで相対的に電極間の静電容量を大きくして検出し易くする。感度を高めるためには共通電極と測定電極間の静電容量をなるべく大きくする必要があるが、あまりに電極面積を大きくすると全体の形状が大きくなり実装上の困難がともなう。
そこで図17で示したように円筒形状とすることにより全体の幅を小さく出来る。すなわち中心部に配置した円柱状の絶縁物70の表面に2本の測定電極を形成するが、1つは上から下に向かって電極幅が広がり、もう1つは逆に下から上に向かって広がるようにする。さらに同心円上に配置した円柱状測定電極の直径d16よりも大きい直径d17を持つ円筒状の導体11を共通電極とする。図18は測定電極の展開図である。測定電極12,13の間に隙間を持たせておくが、測定電極幅d12+d13を70の円周近くまで広げることが出来る。中心部の測定電極柱と円筒状の共通電極の間に隙間をもうけて液が浸漬出来るようにしておく。このとき測定電極柱と共通電極の隙間は上部で解放にしておき自由に空気が出入りできるようにしておく。以上のような形状にすることにより電極の幅方向のサイズを共通電極の直径とすることが出来る。
【0016】
図2は原理図であるため、測定電極が両側に分かれて書かれているが、前述したように測定電極同士はイマジナルショート(仮想接地)電位であるため同一平板上に作成して、共通電極と向かい合わせにすることが出来る。この場合共通電極板と測定電極板の間に被測定液が浸漬することになる。この電極形状を図19〜21に示す。
【0017】
導電性がある液体すなわち電解質液(水道水、食料品、現像液など)の場合は導電抵抗による電流検出方式が有利となる。その場合は電極間距離を広く、あるいは電極面積を小さくすることで相対的に電極間抵抗を高くして検出し易くする。
本発明の回路は若干の回路定数を変更することでそのどちらにも対応出来ることを特徴としている。すなわち導電抵抗検出方式の場合は発信回路61の発信周波数を低くして、電極の液外空中部分の静電容量の影響を少なくする。静電容量検出方式の場合は発信周波数を高くして十分な検出感度を得るようにする。さらに図6中のR8およびR9の値をそのときの電極電流値に合わせる必要がある。
また静電容量検出方式の場合は被測定物が液体だけでなく、粉体などにも応用出来る特徴がある。
【0018】
本発明の電極はその基本原理にしたがったあらゆる形状をとることが出来るため、6種類の形状を例として図で示す。ただしこれは本発明の電極形状を制限するものではない。本発明はその技術的範囲に属する全ての実施形態を含むものとする。
図13および図14は図1で示す原理を具体的な形状で例示したものである。
図15〜21は図2で示す原理を具体的な形状で例示したものである。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電極および検出回路は、導電抵抗検出方式と静電容量検出方式のどちらにも応用できる上、簡単な構造を持ち、液の温度変化や導電率の変化、静電容量の変化に影響されることなく液面レベル検出器を構成できるため、従来の液面レベル検出器に比較して低コストで製造でき、しかも小型省スペースである。
【0019】
さらに、タンクの深さや測定範囲に合わせて自由な寸法で製造することができるため、使用範囲および応用範囲を広げることができる。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【図1】形態1とした本発明電極の電極間距離変化型の原理図である。
【図2】形態2とした本発明電極の電極面積変化型の原理図である。
【図3】図1で示した形態1における液位変化による電極電流と電流比のシミュレーショングラフである。
【図4】図2で示した形態2における液位変化による電極電流と電流比のシミュレーショングラフである。
【図5】本発明電極を使用した液面レベル検出器のブロック図である。
【図6】図5で示したブロック図の回路図である。
【図7】図1で示した電極間距離変化型におけるd1=3,d2=1.5,L1=50の時の液位変化による電極電流のシミュレーショングラフである。
【図8】図7で示した液位変化による電流変化の電流比(2B)/(A+B)を計算し、そのときの理想直線とのシミュレーショングラフである。
【図9】図8で示した電流比の理想直線からのずれを100分率で表したグラフである。
【図10】図1で示した電極間距離変化型におけるd1=3,d2=0.5,L1=50の時の液位変化による電極電流のシミュレーショングラフである。
【図11】図10で示した液位変化による電流変化の電流比(2B)/(A+B)を計算し、そのときの理想直線とのシミュレーショングラフである。
【図12】図11で示した電流比の理想直線からのずれを100分率で表したグラフである。
【図13】図1で示した電極間距離変化型電極の内、3本の電極を1列に配置した形状例である。
【図14】図1で示した電極間距離変化型電極の内、共通電極を奥行き方向にオフセットさせて配置した形状例である。
【図15】図2で示した電極面積変化型電極の内、測定電極と共通電極を向かい合わせに配置した形状例である。
【図16】図2で示した電極面積変化型電極の内、3本の電極を同一平面上に配置した形状例である。
【図17】図2で示した電極面積変化型電極の内、円筒形状電極の形状例である。
【図18】図17で示した円筒形状電極での内部に配置した測停電極の展開図である。
【図19】図20で示した平板形状電極の内、測定電極板の見開き図である。
【図20】図2で示した電極面積変化型電極の内、平板形状電極の形状例である。
【図21】図20で示した平板形状電極の内、共通電極板の見開き図である。
【符号の説明】
形態1 電極間距離変化型電極
形態2 電極面積変化型電極
1 形態1の共通電極
2 形態1において1との間隔が下から上に向かって順次広がっている測定電極
3 形態1において1との間隔が上から下に向かって順次広がっている測定電極
4 形態1の上部電極保持部
5 形態1の下部電極保持部
11 形態2の共通電極
12 形態2において電極幅が上から下に向かって順次広がっている測定電極
13 形態2において電極幅が下から上に向かって順次広がっている測定電極
14 形態2の上部電極保持部
15 形態2の下部電極保持部
16 形態2の電極保持板
51 発信回路部
52 発信出力可変部
53 2または12用電極電流−電圧変換回路部
54 3または13用電極電流−電圧変換回路部
55 ADコンバータ部
56 電流比率演算および制御部
57 出力部
61 三角波発信回路
62 発信出力可変回路
63 2または12用電極電流−電圧変換回路
64 3または13用電極電流−電圧変換回路
65 ADコンバータ
66 制御回路
67 DAコンバータ
70 円柱状測定電極
90 形態2における測定電極保持板
91 形態2における共通電極保持板
d1 形態1での1と2および1と3の間隔の広いほうの寸法
d2 形態1での1と2および1と3の間隔の狭いほうの寸法
d11 11の電極幅
d12 12における最上部の電極幅寸法、および13における最下部の電極幅寸法
d13 12における最下部の電極幅寸法、および13における最上部の電極幅寸法
d14 11と12の間隔
d15 11と13の間隔
d16 測定電極の直径寸法
d17 共通電極の直径寸法
d16*π 円柱状測定電極の円周寸法
L1 形態1および形態2の電極長さ
L2 形態1および形態2における液浸漬寸法
Claims (8)
- 液面レベルの変化を導電率の変化または静電容量の変化によって検出する液面レベル検出器のための電極で、2組の電極の片方を共通電極として3本で構成し、共通電極からそれぞれの電極間の静電容量または導電抵抗の比率が液位の変化に応じて変化することを特徴とする電極。
- 請求項1に記載されている電極において共通電極と他の2本の電極間の距離が1つは上から下へ順次広がり、他方は逆に下から上へ順次広がる構造となることを特徴とする電極。
- 請求項1に記載されている電極において3本とも平行垂直に配置されるが、共通電極の幅は一定で他の2本の幅が1本は上から下に向かって電極の幅が順次広がり、もう1組は逆に下から上に向かって電極の幅が順次広がることを特徴とする電極。
- 請求項1に記載されている電極において共通電極の幅は一定で垂直に配置し、両側に配置した測定電極の1つは上から下に向かって距離が広がると同時に電極幅は狭くなる構造をとり、もう1つは逆に上から下に向かって距離が狭まると同時に電極幅が広がる構造となっていることを特徴とする電極。
- 請求項1〜4に記載されている電極において電極を箔状導体で絶縁物表面に形成した構造を特徴とする電極。
- 請求項5に記載されている電極において測定電極を円柱状絶縁物表面に形成し、共通電極を円柱状測定電極より直径を大きくした円筒状導体として同心円上に配置して測定電極と共通電極の間に被測定液が浸漬できるようにした構造の電極
- 請求項1〜6に記載されているいずれかの電極を用いて、2本の測定電極の電流を計測し、その電流比から液位を算出することを特徴とした液面レベル検出器システム。
- 請求項7に記載されている液面レベル検出器システムにおいて請求項1〜6に記載されている電極の2本の測定電極の内、1本の電極からの信号が一定範囲に入るように共通電極に供給する交流信号レベルを制御した液面レベル検出器システム。
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