JP2004345875A - 液体有機肥料の製造方法 - Google Patents

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    • Y02W30/40Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse

Abstract

【課題】自然界から得られる素材を活用し、自然界に優しくかつ使用も容易である液体有機肥料を短期間で製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】底面に電気石を沈積した分解処理槽20を所要段数配設し、原水槽に対して液体畜産廃棄物を加え、さらに海水と山岳湧水との混合水を加えたものに土壌菌を添加して前記分解処理槽において曝気を行うことにより分解処理を進行せしめ、分解処理成分を次段の分解処理槽に移送し、そして最終段の分解処理槽から液体有機肥料を連続的に取り出す液体有機肥料の製造方法において、好気性バクテリアとの接触による少なくとも1段の分解処理槽の後段に配設される微生物反応領域であって、前記液体有機肥料の中間生成物を嫌気性バクテリアと接触せしめる微生物反応領域を介在せしめた液体有機肥料の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体畜産廃棄物、山岳湧水、海水その他の天然物質を原材料とし、各種植物の栽培育成に有効な液体有機肥料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
古来より広く利用されてきた堆肥を始め各種有機肥料が、各種植物の栽培育成に使用されているが、容積・重量が大きく取扱いに難があること、速効性を欠くこと等の理由から敬遠される傾向があった。
【0003】
これに対して、化成肥料は、窒素、リン酸、カリウムを始めとする主要肥料成分を大規模工場において化学的に合成・大量生産し、適宜配合することによって得られるものである。このような化成肥料では、当該段階で必要とされる成分を集中的に与えることが可能であるため、堆肥等有機肥料に比して少容量の使用によって即効性を発揮し、労力の軽減や多収量・早期栽培等の要請に合致するものとして重用され、画期的化成肥料である硫安の発明以来長期にわたり化成肥料万能とも言われる時代が続いてきた。
【0004】
このような化成肥料では、作物類に対して必要成分を短時間で効率よく補給することができることは確かである。しかしながら、現代科学でも完全には解明されていない自然の摂理もあり、地力が次第に衰え、豊かな収穫が期待できないような事態を招きつつある。
【0005】
また、このような化成肥料や農薬万能の風潮は、自然の生態系を狂わせ、作物を介して長期にわたり人畜に何らかの悪影響を及ぼすことが懸念されている。そのため、近年このような事態を認識する人々によって、有機肥料や小動物、微生物その他自然の活力を利用した有機農業に回帰することにより地力回復を図ろうとする運動も提唱されている。
【0006】
かかる状況を考慮して、本出願人は先に海水と、山岳地帯からの湧水と、液体畜産廃棄物等と、を混合し、ミネラル分含有鉱石を加え、土壌菌によって酵素分解処理を施すことによって得られた液体有機肥料ならびにその製造法に関する特許出願を行った(特開2001−10886号公報)。この液体有機肥料は、液体畜産廃棄物、例えば豚尿と、海水、山岳湧水の混合物を槽内において曝気することにより、尿酸から、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素を経て硝酸態窒素まで酸化することにより生成される。これは堆肥製造と同様の原理で、好気性微生物の存在下で各槽内において分解処理反応が繰り返され、有機物が植物によって吸収されやすい形態まで分解されるものである。このような原理により製造される液体有機肥料は、一方では厄介もの扱いされる液体畜産廃棄物の有効利用を図りながら、窒素、リン酸、カリウムの濃度は比較的少量であるが、植物にとって必須の成分である微少ミネラル成分と発酵過程で腐植物質が形成されてくるため、土壌や植物に対して発根作用の増進、糖度の向上などに機能する効果が大きくなるものと解される。
【0007】
一般に、土壌中ではキレート作用が起こり、リン酸が活性アルミナや鉄分と化合した状態になり、植物体に吸収され難くなる現象があることはよく知られている。このような土壌に対して、前述の液体有機肥料を使用することにより、土壌中の腐植含量が高まり、このような腐植物質がリン酸の代わりに活性アルミナや鉄分に化合する結果、土壌中のリン酸が効率よく植物体に吸収され、光合成、呼吸作用、糖代謝などの諸作用に必要な中間生成物として利用されるものと解される。
【0008】
前述の公開公報においては、底面に電気石(トルマリン鉱石)を沈積した分解処理槽を所要段数配設し、該分解処理槽の第1段に対して、発酵原料としての液体畜産廃棄物等を加え、さらに、海水および山岳地帯からの湧水を混合したものを加え、さらに土壌菌を添加して酵素分解処理を進行せしめ、分解処理された上澄み溢流分を順次次段の分解処理槽に移送し、そして最終(n)段から液体有機肥料を連続的に取り出す液体有機肥料の製造方法、が開示されている。この場合の分解処理層は、主として土壌菌による分解処理反応を利用するものであり、得られる上澄み液を順次次段の分解処理槽に溢流移送させつつ、次第に不純物の少ない液体肥料の最終製品が得られるまで反応を繰り返す手段を開示している。
【0009】
このような方法においては、各種のバクテリア、微生物等による有機物への反応速度は比較的緩速であるため、多数段の分解処理層における次段への溢流には長時間を要することになる。したがって、季節や天候、外気温度、湿度等の環境の影響もあるが、液体有機肥料としての最終製品を得るまでに数週間程度にも及ぶかなりの長期間を必要としていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自然界から得られる素材を活用し、自然界に優しくかつ使用も容易である液体有機肥料を製造するための所要期間を短縮することができる液体有機肥料の製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、底面に電気石(トルマリン鉱石)を沈積した分解処理槽を所要段数配設し、原水槽に対して液体畜産廃棄物等を加え、さらに海水と山岳湧水との混合水を加えたものに土壌菌を添加して前記分解処理槽20において曝気を行うことにより分解処理を進行せしめ、分解処理成分を次段の分解処理槽に移送し、そして最終段の分解処理槽から液体有機肥料を連続的に取り出す液体有機肥料の製造方法において、好気性バクテリアとの接触による少なくとも1段の分解処理槽の後段に配設される微生物反応領域であって、前記液体有機肥料の中間生成物を嫌気性バクテリアと接触せしめる微生物反応領域30を介在せしめた液体有機肥料の製造方法によって解決される。
【0012】
本発明にあっては、好気性バクテリアによって分解処理された中間生成物を嫌気性バクテリアと接触せしめ、さらに好気性バクテリアと接触せしめる手段が、嫌気性反応領域30Aと、好気性反応領域30Bと、に区分されている微生物反応槽(バイオリアクター)30である液体有機肥料の製造方法、によって有利に解決される。前記嫌気性反応領域と好気性反応領域との配置順序は限定されないが、特に嫌気性バクテリアを含む反応領域には隣接する好気性反応領域ならびに外部からの空気が遮断される構成である必要がある。なお、この微生物反応槽は必ずしも一体化されていなければならないものではなく、嫌気性バクテリアを含む反応槽と好気性バクテリアを含む反応槽とを個別に作成し、隣接配置し両者間をパイプやダクトで連結されたものであってもよい。
【0013】
また、前記微生物反応槽30に、嫌気性バクテリアを含む反応領域30Aと、好気性バクテリアを含む反応領域30Bと、に加えて沈殿領域30Cを具備するように構成することができる。なお、本発明においては、前記微生物反応槽30に加えて沈殿槽40を付加してもよい。
【0014】
なお、本発明にかかる液体有機肥料の製造方法において、山岳地帯からの湧水(以下、山岳湧水ともいう)、海水、液体畜産廃棄物の混合比は、三者ほぼ等量から約50:20:30程度の範囲であると好適である。かかる混合比率は、得られる有機液体肥料が使用対象とする植物の種類や播種・定植・開花・結実等の使用時期等に応じて変更することも可能である。
【0015】
また、本発明における液体畜産廃棄物としては、豚、牛、馬、羊等の尿が挙げられるが特に豚尿が好ましい。また、ここにいう山岳地帯からの湧水としては、特に地質的にミネラル分に富みかつ広葉樹が繁茂している地域、一例として白神山地から得られるものが特に好ましい。また、分解処理槽の底面に沈積する物質は電気石が特に好ましいが、これに替えて多孔質のゼオライト、セラミック等を単独で又は混合して使用することができる。なお、本発明において使用する電気石は、鉄電気石、苦土電気石、貴電気石等の各種電気石が含まれる。
【0016】
本発明にかかる液体有機肥料の製造方法にあっては、土壌菌その他バクテリアによる自然の分解処理反応を利用するものであるため、処理槽における温度管理および空気(酸素)の供給が必要となる。そのため、処理槽に対して温度制御手段および/または空気供給手段(曝気手段)を設け、酵素分解反応を促進することが望ましい。なお、処理槽底部に対して空気供給を行うことにより、酸素の供給(曝気)に併せて処理槽内処理液の撹拌が同時に行われ、発酵分解処理が槽内全体にわたり均一に行われることになる。
【0017】
本発明にかかる製造方法によって得られる液体有機肥料によれば、液体畜産廃棄物等が酵素分解された肥料成分を主成分とし、さらに海水に含まれるミネラル分、ならびに山岳地帯湧水からの鉱物質および植物質の溶融成分等が混在しているものである。このような液体有機肥料は、果菜、葉菜、根菜、花卉、果樹等のいずれに対しても有効である。
【0018】
この液体有機肥料の使用にあたっては、葉面散布、土壌灌注いずれでもよく、また育苗の際における灌水に併せて与え、また定埴前に苗の根を短時間浸漬する等により植物の発根を促進することができる。しかし、このような使用法は、単なる例示にすぎないものであり、本発明にかかる製造法により製造される製品の用途を限定するものではない。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、添付図を参照しながら本発明の実施の形態について詳述する。図1は、本発明にかかる液体有機肥料の製造方法を概念的に図示したものである。本発明は、原水槽10、ここでは1段のみ図示された分解処理槽20、少なくとも嫌気性微生物による反応領域30Aを備えた微生物反応槽(バイオリアクター)30及び微小固形物を沈殿させた後最終製品を貯留して取り出すための沈殿槽40の主要ブロックから構成される。
【0020】
原水槽10は、本発明において製造原料となる自然素材としての山岳湧水11、海水12および液体畜産廃棄物13をほぼ等量から50:20:30程度の選択された適宜割合で仕込み、さらに、土壌菌14を混合して送気管15を介して圧縮空気を間欠的にまたは連続的に吹き込むことにより曝気および混合を行うものである。この場合の土壌菌の添加量は、例えば後段の分解処理槽20の容積を300リットルとした本実施例では1kgとしたが、供給される原料類の性質・成分等によって決まる発酵分解の状況に応じて適宜増減すべきものである。
【0021】
そして、原水槽10の上半部から移送ポンプ16によって吸上げられる所定量が移送管18を介して第1の分解処理槽20に移送される。なお、原水槽10の底部には撹拌装置17を配設し、より積極的に撹拌を行い、より均質な原材料を調製するように構成することも可能である。かかる構成を採用することにより、例えばプラント完成後の稼動開始時または休止後の再稼動時等における原材料仕込みを円滑に実施することができる。
【0022】
この原水の内容物は、山岳湧水11、海水12、液体畜産廃棄物13の混合比が、前述のようにほぼ等量の1/3ずつから約50:20:30程度の適宜割合となるように供給されるが、これらの混合比は当該液体肥料の用途に応じて適宜変更することができる。このように原水槽10は所定割合で投入された各原料を撹拌して適量を貯えておく機能を備えている。かかる原水槽10に代えて、適当量を適時計量して過不足なく供給する装置があれば、各原料を直接分解処理層20に供給することも可能である。
【0023】
分解処理槽20は、本発明の実施の形態においては1段が設置されているが、設置場所の気候、立地条件、原材料の性質、処理容量、製造期間の長短等に応じて同様の構造のものを複数段併設してもよい。この分解処理槽20は、底部に電気石類21が敷設されており、また上部から圧縮空気を吹き込むための送気管22が挿入されている。
【0024】
分解処理槽20には、本実施例では送気管22から空気が吹き込まれる。この空気吹き込み(エアーレーションまたは曝気)によって、槽内に多量の酸素が供給され好気性微生物を活性化すると同時に、気泡により内容物の撹拌が行われ、分解処理がさらに促進せしめられる。なお、分解処理槽20にも、原水槽10における撹拌装置17と同様の撹拌装置を付加してもよい。
【0025】
このように適当な期間にわたり原材料液に対して反応処理が行われた後、槽表面付近の上澄み中間生成物は、移送ポンプ23を介して微生物反応槽(バイオリアクター)30に移送される。この微生物反応槽30は、本実施例では気密状態に構成され嫌気性バクテリアを内包する嫌気性処理領域30A、好気性バクテリアを内包するとともに曝気用送気管32を備えた好気性処理領域30Bならびに沈殿領域30Cの3区画に分割されている。
【0026】
なお、本実施例における微生物反応槽30では、単一槽を嫌気性処理領域30A、好気性処理領域30Bならびに沈殿槽領域30Cの3区画に分割した構成としているが、3区画をそれぞれ個別に作成し、隣接配置して全体的に同様の機能を発揮するように構成してもよい。いずれにしても、原水層10、分解処理槽20において曝気により好気性微生物による反応を行っていた中間生成物に対して嫌気性微生物による嫌気性反応域を介在せしめることが重要である。
【0027】
この微生物反応槽30では、前段に位置する分解処理槽20の上表面付近から得られる中間生成物が移送ポンプ23、移送管24を介して、嫌気性処理領域30Aに気密状態で移送される。したがって、前段の分解処理槽20に設置される移送ポンプ23の吸込み口は液面よりも低い位置に設定され、仮に液面低下があれば直ちに運転を休止するように制御すべきである。また移送ポンプ23から微生物反応槽30に連結される配管24の先端は、嫌気性処理領域30Aの内部に挿入されていて移送液が空気に触れないように配設し又はそのように制御する必要がある。
【0028】
さらに、嫌気性処理領域30Aにおいて嫌気性分解処理を受けた中間生成物が好気性処理領域30Bに移送される際にも、嫌気性領域30Aに空気が入り込まないような構成または制御が必要となる。嫌気性処理領域30Aでの処理を終えた中間生成液を受ける好気性処理領域30Bでは、空気取り入れ開口または送気管32から吹き込まれる空気の存在下において再び好気性バクテリアによる分解反応が行われる。好気性処理を終えた中間生成液(上澄み液)は、図示していない移送ポンプを介して強制的にまたは自然溢流により微小不純物除去のための沈殿領域30Cに送られる。
【0029】
この沈殿領域30Cに蓄えられる内容物はすでに液体有機肥料の最終製品に近い液体であるが、ここでも必要であれば空気の吹き込みを行う。さらに製品貯留槽も兼ねた沈殿槽40に移送され、この上澄み液は液体有機肥料の最終製品となり、最終製品は図示していない下流の製品貯蔵槽に送られ取り出しを待つように構成される。
【0030】
本発明にかかる液体有機肥料の製造方法の好適な実施例(パイロットプラント)にあっては、前述の原水槽10は容量250リットル、分解処理槽20は容量300リットルとしている。また、微生物反応槽30は上流の分解処理槽20から原材料液の中間生成物を受けて、槽内の嫌気性バクテリアと接触させ、前段の分解処理槽20内において主として好気性バクテリアのみとの接触で分解処理されていたものを異質のバクテリアによって分解処理を行うものである。下流の沈殿槽40に向けて、順次約10%ずつ放流し、最終製品槽から製品としての液体有機肥料を得るものである。
【0031】
このような構成を採用した結果、分解処理に要する所要期間は、6段の分解処理槽での分解処理を行っていた先行技術(特開平2001−10886号公報)に比して、処理期間は約3/4〜1/3に短縮されることが確認された。すなわち、先行技術におけるプラントにおいては、新規装置を建設した後、第1段から最終6段に至るまでの、いわゆる初期立ち上げには約30日を要したが、本発明におけるほぼ同規模のパイロットプラントでは、新規稼動後21日で最終商品が得られるようになった。このような立ち上げが完了した後は、第1段分解処理槽10に対して原水槽10から原材料液体を流出分(約10%程度)ずつ供給していけば、最終段からは、供給原材料の約10%、日量約25リットルずつの液体有機肥料を連続的に取り出すことができた。
【0032】
このような分解処理の段階において、電気石は、多孔質で液体等に浸漬されている際にミネラル分を溶出し、液体等を活性化する機能を有する。なお、本発明においては、鉄電気石、苦土電気石、貴電気石等の各種電気石を使用することができ、また、この電気石に替えて多孔質のゼオライトや粒状セラミック等を代替品としてあるいは混合して利用することもできる。
【0033】
本実施例においては、海水は東北地方の日本海から、山岳湧水としては白神山地の湧水を、それぞれ採取したものを使用した。また液体畜産廃棄物としては、前述のように豚尿や牛尿が特に適しているが、魚類その他食品の加工時に生ずる液体廃棄物や屠殺場の液体廃棄物等においても適用可能である。本実施例では豚尿を使用し、海水、山岳湧水、土壌菌を上述の原水槽10に仕込んで混合し、以下分解処理槽20、微生物反応槽30において順次分解処理反応を進めた。得られた液体有機肥料は、表1のような成分を示した。
【0034】
【表1】
Figure 2004345875
【0035】
この表1から明らかなように、肥料として重要な成分である窒素、全燐、カリウム等が豊富である。これらの値は天然素材である原材料の原産地・成分によってある範囲で異なることもあるが、いずれにしても同様の手法によって類似する液体有機肥料が得られる。
【0036】
このような液体有機肥料は、トマト、胡瓜、茄子等の果菜類、ほうれん草、レタス、キャベツ、小松菜等の葉菜類、大根、人参、牛蒡、里芋、さつま芋等の根菜類、ばら、カーネーション、菊等の花卉類、りんご、梨、桃、栗等の果樹類等に対して、約700〜1000倍程度に希釈したものを5〜7日おき程度で葉面散布する。また、生育期や定植時には土壌に灌注することも効果があるが、この場合は約500倍に希釈したものを使用する。
【0037】
また、播種時には、約200〜300倍に希釈した液に種子を浸漬し、その後育苗時には、約1000倍程度に希釈したものを4〜5日に1回程度散布するとよい。また、生育した苗の定植に際して約700〜1000倍程度に希釈した液に鉢またはポットごと浸漬することにより生育を早め、或いは活着を促進する効果がある。
【0038】
本発明にかかる製造方法によって得られる液体有機肥料によれば、各種植物自体の病害虫への抵抗力を高めることができる。また、活着および生育を高める効果があり、葉菜類、根菜類にあっては葉肉育成を促進し、また果菜・果樹等にあっては肥大促進・糖度の向上等の効果が得られる。その上、その原材料は全て自然素材であり化成品類は含まれていない。したがって、圃場の土や鉢、プランター等の用土に対しても穏やかに作用し、土壌中の微生物をも活性化させる働きがある。したがって、地力の衰退を予防し、むしろ活性化する働きが期待できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明にかかる液体有機肥料の製造方法によれば、分解処理槽群の第1段槽に対して原水槽からの原材料を仕込み、好気性微生物による分解処理槽における処理に対して、微生物反応槽における嫌気性分解処理、好気性分解処理を交互に実施する過程を介在せしめた結果、処理期間が先行技術における製造方法よりも大幅に短縮される。
【0040】
このような分解処理反応の進行に合わせて順次原材料を補充することにより、最終段槽から液体有機肥料が所定量取り出される。その間、原材料の投入、曝気、必要に応じて付加される温度制御以外の格別の動力等を必要とせずに、省エネルギーを図りつつ厄介物扱いされている液体畜産廃棄物を有効利用し、かつ自然環境に対する負荷も極めて小さく経済的な液体有機肥料を短期間に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる液体有機肥料の製造工程を示す概念構成図である。
【符号の説明】
10 原水槽
11 山岳湧水
12 海水
13 液体畜産廃棄物
14 土壌菌
15、22、32 送気管
16、23 移送ポンプ
17 撹拌装置
18、24、31 移送管
20 分解処理槽
21 電気石
30 微生物反応槽(バイオリアクター)
30A 嫌気性処理領域
30B 好気性処理領域
30C 沈殿領域
40 沈殿槽

Claims (5)

  1. 底面に電気石を沈積した分解処理槽を所要段数配設し、原水槽に対して液体畜産廃棄物等を加え、さらに海水と山岳湧水との混合水を加えたものに土壌菌を添加して前記分解処理槽において曝気を行うことにより分解処理を進行せしめ、分解処理成分を次段の分解処理槽に移送し、そして最終段の分解処理槽から液体有機肥料を連続的に取り出す液体有機肥料の製造方法において、
    好気性バクテリアとの接触による少なくとも1段の分解処理槽の後段に配設される微生物反応領域であって、前記液体有機肥料の中間生成物を嫌気性バクテリアと接触せしめる微生物反応領域を介在せしめたことを特徴とする液体有機肥料の製造方法。
  2. 前記微生物反応領域が、嫌気性バクテリアを含む反応領域と、好気性バクテリアを含む反応領域と、に区分された微生物反応槽として構成されることを特徴とする請求項1に記載の液体有機肥料の製造方法。
  3. 前記微生物反応槽が、嫌気性バクテリアを含む反応領域と、好気性バクテリアを含む反応領域と、に加えて沈殿領域を具備することを特徴とする請求項2に記載の液体有機肥料の製造方法。
  4. 前記分解処理槽および/または前記微生物反応槽の好気性分解反応領域の底部に対して、空気吹き込みを行い、酸素供給および撹拌作用により分解処理反応を促進することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体有機肥料の製造方法。
  5. 前記分解処理槽に対して、温度制御手段が付加されており、周囲温度を考慮しつつ分解処理反応を促進することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液体有機肥料の製造方法。
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