JP2004344411A - 筋肉運動補助機 - Google Patents
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Abstract
【課題】トリートメントの種類および目的とする身体の部位ごとに最も適当な周波数の交流および最適の通電時間を、利用者が簡単な操作で選べる。
【解決手段】低域、中域、高域の3種の周波数の交流を身体に流して、それぞれによって筋肉運動を生じさせ、シェイプアップ等の効果を得る。交流の周波数の値、通電・非通電時間を、施術モードとトリートメントする身体の部位ごとに、予め最適な値にプログラムしておき、利用者はスイッチ釦を選ぶのみで、周波数、通電・非通電時間の最適の組合せを利用して、希望するトリートメントを繰り返し簡単に実行できる。
【選択図】図1
【解決手段】低域、中域、高域の3種の周波数の交流を身体に流して、それぞれによって筋肉運動を生じさせ、シェイプアップ等の効果を得る。交流の周波数の値、通電・非通電時間を、施術モードとトリートメントする身体の部位ごとに、予め最適な値にプログラムしておき、利用者はスイッチ釦を選ぶのみで、周波数、通電・非通電時間の最適の組合せを利用して、希望するトリートメントを繰り返し簡単に実行できる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体に危険のない弱い交流を通電し、フィットネス、シェイプアップ、フェイシャル・リフティング、ケアその他トリートメントを行う筋肉運動補助機械に関し、利用者が、施術のモードやトリートメントする身体の部位に応じ、最適な周波数や通電パターンの組み合わせを簡単に選択できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
人体に低周波の電流を流し、筋肉に収縮運動をさせ、同時に脂肪を燃焼させることによって、シェイプアップ(痩身)や治療を行う機器が知られている。ところで、シェイプアップのため、食事制限によりダイエットすることもできる。しかし、食事制限では、筋肉が減り、基礎代謝量が落ち、体脂肪はアップする。その状態で一度痩せた身体が元に戻ったとき、体脂肪が増えており、以前より太る。すなわち、身体が“リバウンド”してしまう。
【0003】
したがって、痩身は、食事制限よりも、運動によって基礎代謝を上げ、脂肪燃焼効率を高めるべきなのである。そこで、利用者の身体に、低周波交流を持続的に、又は間欠的に流すことにより、筋肉に収縮運動をさせ、また脂肪を燃焼させて、トリートメントの効果を得る装置が考えられた。そのようなトリートメントによれば、有酸素運動(エアロビクス、ジョギング、軽い水泳など)を行ったと同様、リバウンドしにくい体質をつくることが可能である。しかしながら、従来のものは、ひとつの周波数の交流を利用者に加えるものであったので、トリートメントの効果が単調であった。そこで複数のパッド電極を切り換えて電流経路を変更するもの(特許文献1)、パルスの強さや速さの単一モードを変位動作モードに切り換えるもの(特許文献2)などが考えられたが、マッサージ効果を多様にはするものの、トリートメントの目的である筋肉の表皮からの深さに応じた施術を、とりわけ一般家庭内において、利用者自身が簡単な機械操作によって得るものではなかった。
【特許文献1】特開平9−38215号公報
【特許文献2】特開平8−266642号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
施術モードやトリートメントする身体の種々の部位ごとに、最も適当な周波数の交流を、最適の通電時間で加えるには、専門医師の診断および機械操作を必要とした。そのため、利用者が家庭で効果的なトリートメントやケアを実行することは、簡単にはできなかった。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明の第一の特徴は、3種の周波数の交流を用いて、多様で総合的な筋肉運動補助の効果を上げることにある。
本発明の第二の特徴は、周波数の値、通電時間比を、施術モードとトリートメントする身体の部位ごとに最適な値にプログラムする点にある。利用者はスイッチ釦を選ぶ簡単な操作のみで、周波数、通電時間・非通電時間の最適の組合せを利用して、希望するトリートメントを繰り返し実行することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
周波数の低い電流は表皮に近い部分(リンパ、毛細血管、知覚神経、表皮に近い浅い部分の筋肉、皮下脂肪)を効果的にトリートメントする。一方、周波数のより高い電流は、身体の奥深くに浸透し、深い部分の筋肉を刺激するとともに、脂肪を燃焼させる。最適な深さに作用させるには、種々の適当な周波数を同時に、かつ周波数の値を選択調節して使用する必要があることがわかった。
【0007】
本発明においては、低域、中域、高域周波数の3種の交流を同時に使用する。
低域周波は、人間の微弱な生体電気にあわせた値の交流であり、細胞神経を刺激し、筋肉の収縮運動を促す。生体電気は、人体の筋肉細胞や神経細胞から発生し、電気信号を細胞から細胞へ伝達することで、身体をコントロールしている。生体電気の伝達機能が乱れると、血行不良、肩こり、神経痛、筋肉痛が現れる。生体電気は、0.2Hz〜300Hz程度まである。これと同じ性質の低域周波の交流を身体に流すことで、血行を促進させ、筋肉痛をやわらげ、疲労回復させる。本発明ではさらに、この低域周波を、単純な正弦波でもよいが、例えば、周波数の高い矩形波パルスを階段波状に合成し、300Hz以下(例えば250Hz)の階段状の疑似正弦波として利用する。生体電気は、5Hz以下の低い周波数から約300Hzまでの範囲にわたる成分を有する。任意の周波数の疑似正弦波は、矩形波を適宜合成して作ることができる。また、合成して作られた階段状波形が生体電気と同様に作用して、トリートメントの効果と結び付く。
中域周波(たとえば5,7,9,11KHz)は、人体内への浸透度が高い。この周波の交流は、周波数の高さに従って浸透する深さが深くなる。周波数を、作用を望む部位の表皮からの深さによって選び、表皮に近い部分から奥深い部分の筋肉にまで、全体に刺激を与えて収縮運動を起こすことができる。
高域周波(12〜80KHz)は、作用させる筋肉細胞に共振して代謝率を上げる。実験では、筋肉を0.5〜2℃(望ましくは約1℃)上昇させるのに適当な値として、20KHz程度がよいことが多い。しかし、身体のサイズや電気抵抗値の個人差により、20KHzより低い周波数、又はより高い周波数、例えば60〜80KHz程度が適当な場合がある。
【0008】
【施術モード】
通電時間と非通電時間(それらの比)も、種々の施術モード(フィットネス、シェイプアップ、リラクゼーション、フェイシャル)やトリートメントするべき身体の部位によって最適の数値があることを、実験により確かめた。
施術モードおよびトリートメントする身体の全ての部位について、19才から29才の女性利用者に10日〜40日実行してもらい、体重の変化、ウエストの変化、へそ下の変化を実測した。その結果、多少の個人差はあるものの、最適と考えられる値のあることがわかった。
【0009】
ここで、施術に種々のモードがあることを説明する。
フィットネスモード(ボディメイク)では、電流は主として白筋(速筋)を刺激して強化、引締めを行い、瞬発力を増す効果がある。白筋は、糖分やタンパク質をエネルギーとして使う。収縮速度が速く、短時間に高いパワーを発揮し、いわば短距離走行に適した身体をつくる。筋繊維を大きくするのは、白筋が鍛えられるからである。このモードは、筋肉を強化するので、ダイエット中でも基礎代謝を落とすことなく、必要な部分の筋肉を鍛えることによって、筋肉を引き締め、張りを与える。
シェイプアップモード(スリミング、部分痩せ)は、主として赤筋(遅筋)を刺激して、筋肉運動を行い、脂肪燃焼を促進する。このモードは、筋肉の持久力を増す効果があり、いわば長距離走行に適した身体をつくる。赤筋は、筋肉の動きは緩やかであるが、心臓に負担をかけず、有酸素運動となる。平滑筋の動きもすすみ、血行やリンパ液の流れが盛んになり、脂肪燃焼に必要な酸素を供給し、脂肪燃焼後の老廃物除去も促進される。赤筋は、主に脂肪をエネルギー源として使う。収縮速度は遅いが、疲れ難く、酸素を多く消費するため、余分な体脂肪を減らすには、赤筋を充分に使う運動が必要である。
リラックスモード(ボディメンテナンス)も、赤筋に作用するが、さらに長い運動に耐える身体を維持するためのものである。
フェイシャルモードは、顔のリフティングであり、パッドを顔の引き締めたい筋肉部分にあてて筋肉を収縮し、顔のたるみを除く。表皮から浅い部分、白筋、赤筋両方に作用する。
これらのモードにおいて、低域・中域・高域各周波の交流とも、通電時間は、例えば、0.5、1.0、2.0、3.0秒、非通電時間は、0.5、1.0、2.0、4.0秒等の内から、最適の通電時間、非通電時間又はそれらの比として選ぶことができる。
【0010】
身体に流す交流電流の周波数および通電時間と非通電時間の比を、施術モードおよびトリートメントする身体の部位ごとに最適の組合せに予めマイクロ・コンピュータにプログラムしておくことによって、利用者は、適当なボタンを選んで押すだけで、機械を自動運転できる。
施術モードおよびトリートメント部位ごとに、周波数、通電時間、非通電時間等の最適の値は、先に述べた実験により次のようにデフォールトし、コンピュータにプログラムすることが適当であることがわかった。なお、周波数、通電時間・非通電時間等は、個人差を考え、プラスマイナス20%程度の幅を許容され、マイクロ・コンピュータに、例えばテーブルにプログラムし、実行させる。
A,フィットネス(ボディメイキング)モードの場合
【表1】
B.シェイプアップ(スリミング)モードの場合
【表2】
C.リラックス(ボディ・メンテナンス)モードの場合
【表3】
D.フェイシャル(リフティング)モードの場合
【表4】
【0011】
【実施例1】
請求項1の本発明は、人体に弱い交流を通電する筋肉運動補助機であって、生体電気に近い低域周波発振器(2)、身体の表皮からの所望の深さに浸透する中域周波発振器(3)、および筋肉細胞との共振に適した高域周波発振器(4)の各出力を人体に加える。各周波の発振器(2)(3)(4)の発振周波数(段落番号0007に例示した周波数)は、それぞれ手動又はマイクロコンピュータのCPU(5)のプログラムによって制御し、連続的に変化させ、又は任意の値に切り換えるとともに、交流の周波数および通電時間・非通電時間を希望する施術モードとトリートメントする身体の部位に応じて最適な組合せをマイクロ・コンピュータのCPU(5)にプログラムするようにした筋肉運動補助機として実施する。利用者は、希望する組合せを選ぶ釦操作によって、希望するトリートメントを自動的に実行することができる。
【0012】
【実施例2】
請求項2の本発明は、低域周波発振器(2)として、パルス波形を合成し、300Hz以下の階段状の疑似正弦波を発生させた請求項1の筋肉運動補助機として実施する。種々の周波数を持った階段波形は、例えば、パルスの振幅を正弦波状に変調したり、低い周波数の三角波状信号に高い周波数の三角波を重畳して発生させることができる。また、パルス周期に該当する単位時間に対応する正弦波振幅を、マイクロ・コンピュータ(5)を用い、計算するか、予めテーブルに記憶させておいたものを読出しながら波形合成してもよい。
【0013】
【実施例3】
請求項3の本発明は、中域周波発振器(3)の周波数および通電時間は、腕若しくは胸、腹周り、大腿部又はふくらはぎについて、約7KHzの交流が約0.5秒の通電と約1秒の非通電を繰り返えすモード、約9KHzの交流が約1秒の通電と約0.5秒の非通電を繰り返えすモード、約7KHzの交流が約0.5秒の通電および非通電を繰り返えすモード、並びに約5KHzの交流が約0.5秒の通電および非通電を繰り返えすモードをそれぞれマイクロ・コンピュータのCPU(5)にプログラムした、請求項1又は2の筋肉運動補助機として実施する。この実施例でとくに採用する数値は、前記したフィットネスモードに該当する。
【0014】
【実施例4】
請求項4の本発明は、中域周波発振器(3)の周波数および通電時間は、腹周り、ヒップ又は大腿部について、約9KHzの交流が約3秒の通電と約2秒の非通電とを繰り返えすモード、約7KHzの交流が約2秒の通電と約1.5秒の非通電とを繰り返えすモード、並びに約7KHzの交流が約2秒の通電と約1秒の非通電とを繰り返えすモードをそれぞれマイクロ・コンピュータのCPU(5)にプログラムした、請求項1〜3の筋肉運動補助機として実施する。この実施例でとくに採用する数値は、前記したシェイプアップモードに該当する。先の実施例3では、同じ腹周りでも、フィットネスの目的のために、9KHzの交流を約1秒通電し、約0.5秒非通電としたが、この実施例4では、シェイプアップの目的のために、同じ9KHzを約3秒通電し、約2秒非通電とする。目的が異なるトリートメントに合わせて、デフォールト数値を変え、望む結果を得ている。
【0015】
【実施例5】
請求項5の本発明は、中域周波発振器(3)の周波数および通電時間は、背中若しくは肩、又は腰について、約5KHzの交流が約2秒の通電と約1秒の非通電とを繰り返えすモード、約7KHzの交流が約3秒の通電と約2秒の非通電とを繰り返えすモードをそれぞれマイクロ・コンピュータのCPU(5)にプログラムした、請求項1〜4の筋肉運動補助機として実施する。この実施例でとくに採用する数値は、前記したリラックスモードに該当する。
【0016】
【実施例6】
請求項6の本発明は、中域周波発振器(3)の周波数および通電時間は、とくに顔について、約5KHzの交流が約1秒の通電および非通電を繰り返えすモードをマイクロ・コンピュータのCPU(5)にプログラムした、請求項1〜5の筋肉運動補助機として実施する。この実施例でとくに採用する数値は、前記したフェイシャルモードに該当する。
【0017】
【実施例7】
請求項7の本発明は、高域周波発振器(4)の周波数を、作用させるべき筋肉の温度をおよそ0.5〜2℃(望ましくは1℃)だけ上昇させるのに適した周波数とした請求項1〜6の筋肉運動補助機として実施する。周波数は、多くの場合、約20KHzが適当である。しかし、利用者の体型、身体のサイズや電気抵抗値によっては、より低い12KHzまでの周波数、又はより高い例えば60〜80KHzの周波数が適当な場合がある。
【0018】
【実施例8】
請求項8の本発明は、トリートメントを実行したとき選択した周波数、通電時間・非通電時間の組合せの動作を、利用後も記憶する手段と、同じ組合せの動作をトリートメントのたび実行させ得る手段を備える請求項1〜7の筋肉運動補助機として実施する。“手動”でトリートメントを実行したときのトリートメント部位、レベル、通電時間、非通電時間、周波数、タイマー等の数値は、記憶装置に保存しておけば、次回の同じ部位のトリートメントにおいても、利用者が再セットするまでは、同じ数値と時間経過で自動的に実行できる。一方、なれない利用者は、“自動”の釦を選択すれば、プログラムによってデフォールトされた最適な数値で、トリートメントを実行することができる。
【0019】
【実施例9】
請求項9の本発明は、電極パッド(6)の装着状態を検知し、過剰電流、電極の接触不良および肌の異常な乾燥の1以上がおこったとき、警告表示し、必要であれば運転を中止する安全装置(7)を備える請求項1〜8の筋肉運動補助機として実施する。この実施例は、筋肉運動補助機使用上、安全な運転をさせるための発明である。
【0020】
【使用手順の例】
実施例に補足して、本発明の筋肉運動補助機の使用手順を説明する。
図2に、たとえば、バストアップ・トリートメントを行う場合の、パッドを着けた状態を示す。パッドは、導電ゴムをベルトで留めたり、粘着導電材あるいはエアにより吸引して、身体に装着する。吸引パッドの場合、スポンジを温水に浸し、水が滴り落ちない程度に軽く絞って、パッドの中にセットし、パッドを身体の適当な位置に着けてゆく。
利用者は、身体におけるトリートメントを、いわゆる“つぼ”の部分に電極パッドを装着して行うが、バストアップの場合、バストの位置は、両耳の真下に乳頭があり、鎖骨の中心と結んだ線が正三角形になる位置を目安とする。そのため、パッド(◎)は、図2のように、
(a) 大胸筋・前鋸筋
(b) 僧帽筋・僧帽筋下部
(c) 僧帽筋・広背筋
に着ける。パッド(◎)の位置は、トリートメントする筋肉のだいたい両端部であればよく、パッドの電極を適当な大きさにしておけば、パッドの位置は、さほど厳密に正確でなくてよい。
【0021】
図3はコントローラ(1)のコントロールパネル(8)の概略図を示す。図3では、4種の施術モード(フィットネス、シェイプアップ、リラクゼーション、フェイシャル)および手動による“マイ・モード”が可能である装置のコントロールパネルを例示したが、施術モードの種類を少なくして、簡易な装置とすることもできる。
たとえば、利用者は、パネルを見ながら、“手動モード”の釦を押し、また、“□”の釦を選択的に押して、通電時間、非通電時間を0.5秒にセットする。
中域周波9〜11KHzは、手動で切り替え又は調節することができる。まず、周波数を9KHz、タイマーを15分とし、レベルを上げる。タイマーにセットした時間(10〜30分程度)に応じてタイマーLEDが点灯する。
“スタート”釦を押し、片側から通電を開始して、トリートメントを実行する。タイマーLEDは、トリートメント実行経過にしたがって消えてゆき、利用者に残り時間がわかる。
タイマーLEDが最後まで消えたなら、同じ側で、周波数を11KHzとし、タイマーを例えば30分にセットしてトリートメントを再度実行する。
次に、もう片側で、同様にトリートメントを実行する。
以上のようなトリートメントの実行の際、使用した交流の周波数、通電時間・非通電時間、レベル、タイマーの数値などは、後に0023〜0024で述べるように、記憶装置に履歴として記憶される。
もしも、トリートメントの途中でモードや部位を変更したくなったときは、コントロールパネルの“ストップ”釦を押して、改めて“スタート”釦を押し直してから、トリートメントを再開始する。
通電が終了すれば、パッドを外し、パッドの痕を温かいタオルで軽くもみほぐし、温かいタオルで身体を拭き取って、仕上げのトリートメントを行う。利用者が残余感を持つ間は、糖分の入った飲食はしないのがよい。
【0022】
以上は、バストアップをまず手動から実行した一例であるが、施術モードやトリートメント部位が違えば、それに応じ、タイマーを20分又は10分等の別の値にセットしなければならない。パワーレベルも別の値にセットするべきである。たとえば、顔をトリートメントする場合、レベルおよびタイマーの値は低めにするのがよい。
【0023】
実施例8について述べたように、トリートメントを実行したときの施術モード、トリートメント部位、交流のレベル、通電時間・非通電時間、周波数、タイマーの数値等を保存するために、図示しない記憶装置をCPU(5)の周辺に設ける。そうすると、次回、同じ部位のトリートメントで、同じ数値と時間経過を利用して、自動的にトリートメントを実行できる。
なれない利用者や、周波数などを“手動”でセットする目安が分からない利用者は、“自動”の釦を選択すれば、デフォールトした最適に近い数値でトリートメントを実行でき、また同じモードのトリートメントを、次回以降、何度でも繰り返えすことができる。
【0024】
利用者は、早急で顕著な痩身等の結果を望むことも多い。本発明を業務用機器として用いる場合、30〜40分の使用で、約800Kcalの運動量を得るような出力とすることができる。専門医師が管理して利用する場合であればそれもよいが、家庭用では、じっくり根気よく結果を求めるように、業務用の70%程度の出力とするのがよい。
周波数、通電時間や通電非通電時間比などには、利用者の体格や体質あるいは好みによって、個人差がある。そこで、利用者が適当な数値として頻繁に選択する数値を学習し、自動的に又は手動で調節することが当然有利となる。トリートメント実行のたびに最適の値を調節し直すのはたいへん面倒であるので、手動・自動いずれのモードにおいても、ある回の実行の際、前回までの手順を利用できるよう、前回までのトリートメントで選択した釦すなわち数値を記憶し、保存する手段を設けるのがよい。
【0025】
家庭用では、医師の立ち会いがないこともあり、安全には充分注意すべきである。利用者の不快感、疲労感による運転中止にまかせるだけでは充分でない。
先に実施例9について述べたものでは、安全装置(7)として、たとえば、施術実行前に、予め電極パッドに弱い計測用電流を流し、実行時にパッドに流れる過電流又は過負荷、接続不良、肌乾燥を予測し、予め設定した正常値から外れた異常な値である場合、警告表示する。さらに、トリートメント実行中、同様な不都合が生じた場合にも、警告し、必要であれば、自動的に動作を中止し、電源を遮断する。
接続不良は、パッドの貼り方が悪いか、身体の電気抵抗が大きいときおこる。正しく貼り直すか、身体を湿らせてからスタートを再開する。利用者の皮膚が乾燥し過ぎていても、同様な不都合が起こる。
あるいは又、フェイシャル・モードの場合、自動的にタイマーは短く、かつレベルは低い値に切り替わるようにするのがよい。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明の筋肉運動補助機においては、低域、中域、高域周波数を同時に用い、それぞれ(特に中域)の最適の周波数、通電時間・非通電時間等をプログラムすることにより、利用者は釦を選択するだけで、希望する部位の筋肉を、広い範囲にわたって、自動的にトリートメントできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の筋肉運動補助機の電気系統の全体図
【図2】図2は、電極バッド(◎)を装着した図であり、(a)は前側、(b)(c)は後ろである。
【図3】図3は、コントロールパネルの概略図
【符号の説明】
(1) コントローラ
(2) 低域周波発振器(300Hz以下)
(3) 中域周波発振器(5〜11KHz)
(4) 高域周波発振器(約12〜80KHz)
(5) マイクロ・コンピュータ、CPU、タイマーおよび出力装置
(6) 電極パッド
(7) 安全装置(過電流、接続不良、肌乾燥の各検出器及び動作遮断装置)
(8) コントロールパネル
(9) 大胸筋
(10) 前鋸筋
(11) 僧帽筋
(12) 僧帽筋下部
(13) 広背筋
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体に危険のない弱い交流を通電し、フィットネス、シェイプアップ、フェイシャル・リフティング、ケアその他トリートメントを行う筋肉運動補助機械に関し、利用者が、施術のモードやトリートメントする身体の部位に応じ、最適な周波数や通電パターンの組み合わせを簡単に選択できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
人体に低周波の電流を流し、筋肉に収縮運動をさせ、同時に脂肪を燃焼させることによって、シェイプアップ(痩身)や治療を行う機器が知られている。ところで、シェイプアップのため、食事制限によりダイエットすることもできる。しかし、食事制限では、筋肉が減り、基礎代謝量が落ち、体脂肪はアップする。その状態で一度痩せた身体が元に戻ったとき、体脂肪が増えており、以前より太る。すなわち、身体が“リバウンド”してしまう。
【0003】
したがって、痩身は、食事制限よりも、運動によって基礎代謝を上げ、脂肪燃焼効率を高めるべきなのである。そこで、利用者の身体に、低周波交流を持続的に、又は間欠的に流すことにより、筋肉に収縮運動をさせ、また脂肪を燃焼させて、トリートメントの効果を得る装置が考えられた。そのようなトリートメントによれば、有酸素運動(エアロビクス、ジョギング、軽い水泳など)を行ったと同様、リバウンドしにくい体質をつくることが可能である。しかしながら、従来のものは、ひとつの周波数の交流を利用者に加えるものであったので、トリートメントの効果が単調であった。そこで複数のパッド電極を切り換えて電流経路を変更するもの(特許文献1)、パルスの強さや速さの単一モードを変位動作モードに切り換えるもの(特許文献2)などが考えられたが、マッサージ効果を多様にはするものの、トリートメントの目的である筋肉の表皮からの深さに応じた施術を、とりわけ一般家庭内において、利用者自身が簡単な機械操作によって得るものではなかった。
【特許文献1】特開平9−38215号公報
【特許文献2】特開平8−266642号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
施術モードやトリートメントする身体の種々の部位ごとに、最も適当な周波数の交流を、最適の通電時間で加えるには、専門医師の診断および機械操作を必要とした。そのため、利用者が家庭で効果的なトリートメントやケアを実行することは、簡単にはできなかった。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明の第一の特徴は、3種の周波数の交流を用いて、多様で総合的な筋肉運動補助の効果を上げることにある。
本発明の第二の特徴は、周波数の値、通電時間比を、施術モードとトリートメントする身体の部位ごとに最適な値にプログラムする点にある。利用者はスイッチ釦を選ぶ簡単な操作のみで、周波数、通電時間・非通電時間の最適の組合せを利用して、希望するトリートメントを繰り返し実行することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
周波数の低い電流は表皮に近い部分(リンパ、毛細血管、知覚神経、表皮に近い浅い部分の筋肉、皮下脂肪)を効果的にトリートメントする。一方、周波数のより高い電流は、身体の奥深くに浸透し、深い部分の筋肉を刺激するとともに、脂肪を燃焼させる。最適な深さに作用させるには、種々の適当な周波数を同時に、かつ周波数の値を選択調節して使用する必要があることがわかった。
【0007】
本発明においては、低域、中域、高域周波数の3種の交流を同時に使用する。
低域周波は、人間の微弱な生体電気にあわせた値の交流であり、細胞神経を刺激し、筋肉の収縮運動を促す。生体電気は、人体の筋肉細胞や神経細胞から発生し、電気信号を細胞から細胞へ伝達することで、身体をコントロールしている。生体電気の伝達機能が乱れると、血行不良、肩こり、神経痛、筋肉痛が現れる。生体電気は、0.2Hz〜300Hz程度まである。これと同じ性質の低域周波の交流を身体に流すことで、血行を促進させ、筋肉痛をやわらげ、疲労回復させる。本発明ではさらに、この低域周波を、単純な正弦波でもよいが、例えば、周波数の高い矩形波パルスを階段波状に合成し、300Hz以下(例えば250Hz)の階段状の疑似正弦波として利用する。生体電気は、5Hz以下の低い周波数から約300Hzまでの範囲にわたる成分を有する。任意の周波数の疑似正弦波は、矩形波を適宜合成して作ることができる。また、合成して作られた階段状波形が生体電気と同様に作用して、トリートメントの効果と結び付く。
中域周波(たとえば5,7,9,11KHz)は、人体内への浸透度が高い。この周波の交流は、周波数の高さに従って浸透する深さが深くなる。周波数を、作用を望む部位の表皮からの深さによって選び、表皮に近い部分から奥深い部分の筋肉にまで、全体に刺激を与えて収縮運動を起こすことができる。
高域周波(12〜80KHz)は、作用させる筋肉細胞に共振して代謝率を上げる。実験では、筋肉を0.5〜2℃(望ましくは約1℃)上昇させるのに適当な値として、20KHz程度がよいことが多い。しかし、身体のサイズや電気抵抗値の個人差により、20KHzより低い周波数、又はより高い周波数、例えば60〜80KHz程度が適当な場合がある。
【0008】
【施術モード】
通電時間と非通電時間(それらの比)も、種々の施術モード(フィットネス、シェイプアップ、リラクゼーション、フェイシャル)やトリートメントするべき身体の部位によって最適の数値があることを、実験により確かめた。
施術モードおよびトリートメントする身体の全ての部位について、19才から29才の女性利用者に10日〜40日実行してもらい、体重の変化、ウエストの変化、へそ下の変化を実測した。その結果、多少の個人差はあるものの、最適と考えられる値のあることがわかった。
【0009】
ここで、施術に種々のモードがあることを説明する。
フィットネスモード(ボディメイク)では、電流は主として白筋(速筋)を刺激して強化、引締めを行い、瞬発力を増す効果がある。白筋は、糖分やタンパク質をエネルギーとして使う。収縮速度が速く、短時間に高いパワーを発揮し、いわば短距離走行に適した身体をつくる。筋繊維を大きくするのは、白筋が鍛えられるからである。このモードは、筋肉を強化するので、ダイエット中でも基礎代謝を落とすことなく、必要な部分の筋肉を鍛えることによって、筋肉を引き締め、張りを与える。
シェイプアップモード(スリミング、部分痩せ)は、主として赤筋(遅筋)を刺激して、筋肉運動を行い、脂肪燃焼を促進する。このモードは、筋肉の持久力を増す効果があり、いわば長距離走行に適した身体をつくる。赤筋は、筋肉の動きは緩やかであるが、心臓に負担をかけず、有酸素運動となる。平滑筋の動きもすすみ、血行やリンパ液の流れが盛んになり、脂肪燃焼に必要な酸素を供給し、脂肪燃焼後の老廃物除去も促進される。赤筋は、主に脂肪をエネルギー源として使う。収縮速度は遅いが、疲れ難く、酸素を多く消費するため、余分な体脂肪を減らすには、赤筋を充分に使う運動が必要である。
リラックスモード(ボディメンテナンス)も、赤筋に作用するが、さらに長い運動に耐える身体を維持するためのものである。
フェイシャルモードは、顔のリフティングであり、パッドを顔の引き締めたい筋肉部分にあてて筋肉を収縮し、顔のたるみを除く。表皮から浅い部分、白筋、赤筋両方に作用する。
これらのモードにおいて、低域・中域・高域各周波の交流とも、通電時間は、例えば、0.5、1.0、2.0、3.0秒、非通電時間は、0.5、1.0、2.0、4.0秒等の内から、最適の通電時間、非通電時間又はそれらの比として選ぶことができる。
【0010】
身体に流す交流電流の周波数および通電時間と非通電時間の比を、施術モードおよびトリートメントする身体の部位ごとに最適の組合せに予めマイクロ・コンピュータにプログラムしておくことによって、利用者は、適当なボタンを選んで押すだけで、機械を自動運転できる。
施術モードおよびトリートメント部位ごとに、周波数、通電時間、非通電時間等の最適の値は、先に述べた実験により次のようにデフォールトし、コンピュータにプログラムすることが適当であることがわかった。なお、周波数、通電時間・非通電時間等は、個人差を考え、プラスマイナス20%程度の幅を許容され、マイクロ・コンピュータに、例えばテーブルにプログラムし、実行させる。
A,フィットネス(ボディメイキング)モードの場合
【表1】
B.シェイプアップ(スリミング)モードの場合
【表2】
C.リラックス(ボディ・メンテナンス)モードの場合
【表3】
D.フェイシャル(リフティング)モードの場合
【表4】
【0011】
【実施例1】
請求項1の本発明は、人体に弱い交流を通電する筋肉運動補助機であって、生体電気に近い低域周波発振器(2)、身体の表皮からの所望の深さに浸透する中域周波発振器(3)、および筋肉細胞との共振に適した高域周波発振器(4)の各出力を人体に加える。各周波の発振器(2)(3)(4)の発振周波数(段落番号0007に例示した周波数)は、それぞれ手動又はマイクロコンピュータのCPU(5)のプログラムによって制御し、連続的に変化させ、又は任意の値に切り換えるとともに、交流の周波数および通電時間・非通電時間を希望する施術モードとトリートメントする身体の部位に応じて最適な組合せをマイクロ・コンピュータのCPU(5)にプログラムするようにした筋肉運動補助機として実施する。利用者は、希望する組合せを選ぶ釦操作によって、希望するトリートメントを自動的に実行することができる。
【0012】
【実施例2】
請求項2の本発明は、低域周波発振器(2)として、パルス波形を合成し、300Hz以下の階段状の疑似正弦波を発生させた請求項1の筋肉運動補助機として実施する。種々の周波数を持った階段波形は、例えば、パルスの振幅を正弦波状に変調したり、低い周波数の三角波状信号に高い周波数の三角波を重畳して発生させることができる。また、パルス周期に該当する単位時間に対応する正弦波振幅を、マイクロ・コンピュータ(5)を用い、計算するか、予めテーブルに記憶させておいたものを読出しながら波形合成してもよい。
【0013】
【実施例3】
請求項3の本発明は、中域周波発振器(3)の周波数および通電時間は、腕若しくは胸、腹周り、大腿部又はふくらはぎについて、約7KHzの交流が約0.5秒の通電と約1秒の非通電を繰り返えすモード、約9KHzの交流が約1秒の通電と約0.5秒の非通電を繰り返えすモード、約7KHzの交流が約0.5秒の通電および非通電を繰り返えすモード、並びに約5KHzの交流が約0.5秒の通電および非通電を繰り返えすモードをそれぞれマイクロ・コンピュータのCPU(5)にプログラムした、請求項1又は2の筋肉運動補助機として実施する。この実施例でとくに採用する数値は、前記したフィットネスモードに該当する。
【0014】
【実施例4】
請求項4の本発明は、中域周波発振器(3)の周波数および通電時間は、腹周り、ヒップ又は大腿部について、約9KHzの交流が約3秒の通電と約2秒の非通電とを繰り返えすモード、約7KHzの交流が約2秒の通電と約1.5秒の非通電とを繰り返えすモード、並びに約7KHzの交流が約2秒の通電と約1秒の非通電とを繰り返えすモードをそれぞれマイクロ・コンピュータのCPU(5)にプログラムした、請求項1〜3の筋肉運動補助機として実施する。この実施例でとくに採用する数値は、前記したシェイプアップモードに該当する。先の実施例3では、同じ腹周りでも、フィットネスの目的のために、9KHzの交流を約1秒通電し、約0.5秒非通電としたが、この実施例4では、シェイプアップの目的のために、同じ9KHzを約3秒通電し、約2秒非通電とする。目的が異なるトリートメントに合わせて、デフォールト数値を変え、望む結果を得ている。
【0015】
【実施例5】
請求項5の本発明は、中域周波発振器(3)の周波数および通電時間は、背中若しくは肩、又は腰について、約5KHzの交流が約2秒の通電と約1秒の非通電とを繰り返えすモード、約7KHzの交流が約3秒の通電と約2秒の非通電とを繰り返えすモードをそれぞれマイクロ・コンピュータのCPU(5)にプログラムした、請求項1〜4の筋肉運動補助機として実施する。この実施例でとくに採用する数値は、前記したリラックスモードに該当する。
【0016】
【実施例6】
請求項6の本発明は、中域周波発振器(3)の周波数および通電時間は、とくに顔について、約5KHzの交流が約1秒の通電および非通電を繰り返えすモードをマイクロ・コンピュータのCPU(5)にプログラムした、請求項1〜5の筋肉運動補助機として実施する。この実施例でとくに採用する数値は、前記したフェイシャルモードに該当する。
【0017】
【実施例7】
請求項7の本発明は、高域周波発振器(4)の周波数を、作用させるべき筋肉の温度をおよそ0.5〜2℃(望ましくは1℃)だけ上昇させるのに適した周波数とした請求項1〜6の筋肉運動補助機として実施する。周波数は、多くの場合、約20KHzが適当である。しかし、利用者の体型、身体のサイズや電気抵抗値によっては、より低い12KHzまでの周波数、又はより高い例えば60〜80KHzの周波数が適当な場合がある。
【0018】
【実施例8】
請求項8の本発明は、トリートメントを実行したとき選択した周波数、通電時間・非通電時間の組合せの動作を、利用後も記憶する手段と、同じ組合せの動作をトリートメントのたび実行させ得る手段を備える請求項1〜7の筋肉運動補助機として実施する。“手動”でトリートメントを実行したときのトリートメント部位、レベル、通電時間、非通電時間、周波数、タイマー等の数値は、記憶装置に保存しておけば、次回の同じ部位のトリートメントにおいても、利用者が再セットするまでは、同じ数値と時間経過で自動的に実行できる。一方、なれない利用者は、“自動”の釦を選択すれば、プログラムによってデフォールトされた最適な数値で、トリートメントを実行することができる。
【0019】
【実施例9】
請求項9の本発明は、電極パッド(6)の装着状態を検知し、過剰電流、電極の接触不良および肌の異常な乾燥の1以上がおこったとき、警告表示し、必要であれば運転を中止する安全装置(7)を備える請求項1〜8の筋肉運動補助機として実施する。この実施例は、筋肉運動補助機使用上、安全な運転をさせるための発明である。
【0020】
【使用手順の例】
実施例に補足して、本発明の筋肉運動補助機の使用手順を説明する。
図2に、たとえば、バストアップ・トリートメントを行う場合の、パッドを着けた状態を示す。パッドは、導電ゴムをベルトで留めたり、粘着導電材あるいはエアにより吸引して、身体に装着する。吸引パッドの場合、スポンジを温水に浸し、水が滴り落ちない程度に軽く絞って、パッドの中にセットし、パッドを身体の適当な位置に着けてゆく。
利用者は、身体におけるトリートメントを、いわゆる“つぼ”の部分に電極パッドを装着して行うが、バストアップの場合、バストの位置は、両耳の真下に乳頭があり、鎖骨の中心と結んだ線が正三角形になる位置を目安とする。そのため、パッド(◎)は、図2のように、
(a) 大胸筋・前鋸筋
(b) 僧帽筋・僧帽筋下部
(c) 僧帽筋・広背筋
に着ける。パッド(◎)の位置は、トリートメントする筋肉のだいたい両端部であればよく、パッドの電極を適当な大きさにしておけば、パッドの位置は、さほど厳密に正確でなくてよい。
【0021】
図3はコントローラ(1)のコントロールパネル(8)の概略図を示す。図3では、4種の施術モード(フィットネス、シェイプアップ、リラクゼーション、フェイシャル)および手動による“マイ・モード”が可能である装置のコントロールパネルを例示したが、施術モードの種類を少なくして、簡易な装置とすることもできる。
たとえば、利用者は、パネルを見ながら、“手動モード”の釦を押し、また、“□”の釦を選択的に押して、通電時間、非通電時間を0.5秒にセットする。
中域周波9〜11KHzは、手動で切り替え又は調節することができる。まず、周波数を9KHz、タイマーを15分とし、レベルを上げる。タイマーにセットした時間(10〜30分程度)に応じてタイマーLEDが点灯する。
“スタート”釦を押し、片側から通電を開始して、トリートメントを実行する。タイマーLEDは、トリートメント実行経過にしたがって消えてゆき、利用者に残り時間がわかる。
タイマーLEDが最後まで消えたなら、同じ側で、周波数を11KHzとし、タイマーを例えば30分にセットしてトリートメントを再度実行する。
次に、もう片側で、同様にトリートメントを実行する。
以上のようなトリートメントの実行の際、使用した交流の周波数、通電時間・非通電時間、レベル、タイマーの数値などは、後に0023〜0024で述べるように、記憶装置に履歴として記憶される。
もしも、トリートメントの途中でモードや部位を変更したくなったときは、コントロールパネルの“ストップ”釦を押して、改めて“スタート”釦を押し直してから、トリートメントを再開始する。
通電が終了すれば、パッドを外し、パッドの痕を温かいタオルで軽くもみほぐし、温かいタオルで身体を拭き取って、仕上げのトリートメントを行う。利用者が残余感を持つ間は、糖分の入った飲食はしないのがよい。
【0022】
以上は、バストアップをまず手動から実行した一例であるが、施術モードやトリートメント部位が違えば、それに応じ、タイマーを20分又は10分等の別の値にセットしなければならない。パワーレベルも別の値にセットするべきである。たとえば、顔をトリートメントする場合、レベルおよびタイマーの値は低めにするのがよい。
【0023】
実施例8について述べたように、トリートメントを実行したときの施術モード、トリートメント部位、交流のレベル、通電時間・非通電時間、周波数、タイマーの数値等を保存するために、図示しない記憶装置をCPU(5)の周辺に設ける。そうすると、次回、同じ部位のトリートメントで、同じ数値と時間経過を利用して、自動的にトリートメントを実行できる。
なれない利用者や、周波数などを“手動”でセットする目安が分からない利用者は、“自動”の釦を選択すれば、デフォールトした最適に近い数値でトリートメントを実行でき、また同じモードのトリートメントを、次回以降、何度でも繰り返えすことができる。
【0024】
利用者は、早急で顕著な痩身等の結果を望むことも多い。本発明を業務用機器として用いる場合、30〜40分の使用で、約800Kcalの運動量を得るような出力とすることができる。専門医師が管理して利用する場合であればそれもよいが、家庭用では、じっくり根気よく結果を求めるように、業務用の70%程度の出力とするのがよい。
周波数、通電時間や通電非通電時間比などには、利用者の体格や体質あるいは好みによって、個人差がある。そこで、利用者が適当な数値として頻繁に選択する数値を学習し、自動的に又は手動で調節することが当然有利となる。トリートメント実行のたびに最適の値を調節し直すのはたいへん面倒であるので、手動・自動いずれのモードにおいても、ある回の実行の際、前回までの手順を利用できるよう、前回までのトリートメントで選択した釦すなわち数値を記憶し、保存する手段を設けるのがよい。
【0025】
家庭用では、医師の立ち会いがないこともあり、安全には充分注意すべきである。利用者の不快感、疲労感による運転中止にまかせるだけでは充分でない。
先に実施例9について述べたものでは、安全装置(7)として、たとえば、施術実行前に、予め電極パッドに弱い計測用電流を流し、実行時にパッドに流れる過電流又は過負荷、接続不良、肌乾燥を予測し、予め設定した正常値から外れた異常な値である場合、警告表示する。さらに、トリートメント実行中、同様な不都合が生じた場合にも、警告し、必要であれば、自動的に動作を中止し、電源を遮断する。
接続不良は、パッドの貼り方が悪いか、身体の電気抵抗が大きいときおこる。正しく貼り直すか、身体を湿らせてからスタートを再開する。利用者の皮膚が乾燥し過ぎていても、同様な不都合が起こる。
あるいは又、フェイシャル・モードの場合、自動的にタイマーは短く、かつレベルは低い値に切り替わるようにするのがよい。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明の筋肉運動補助機においては、低域、中域、高域周波数を同時に用い、それぞれ(特に中域)の最適の周波数、通電時間・非通電時間等をプログラムすることにより、利用者は釦を選択するだけで、希望する部位の筋肉を、広い範囲にわたって、自動的にトリートメントできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の筋肉運動補助機の電気系統の全体図
【図2】図2は、電極バッド(◎)を装着した図であり、(a)は前側、(b)(c)は後ろである。
【図3】図3は、コントロールパネルの概略図
【符号の説明】
(1) コントローラ
(2) 低域周波発振器(300Hz以下)
(3) 中域周波発振器(5〜11KHz)
(4) 高域周波発振器(約12〜80KHz)
(5) マイクロ・コンピュータ、CPU、タイマーおよび出力装置
(6) 電極パッド
(7) 安全装置(過電流、接続不良、肌乾燥の各検出器及び動作遮断装置)
(8) コントロールパネル
(9) 大胸筋
(10) 前鋸筋
(11) 僧帽筋
(12) 僧帽筋下部
(13) 広背筋
Claims (9)
- 人体に弱い交流を通電する筋肉運動補助機であって、それぞれ、生体電気に近い低域周波、身体の表皮からの所望の深さに浸透する中域周波、および筋肉細胞との共振に適した高域周波である3種類の交流を人体に加えるとともに、交流の周波数、通電時間・非通電時間を希望する施術モードとトリートメントする身体の部位に応じ最適な組合せにプログラムし、利用者は組合せを選ぶ操作によって希望するトリートメントを自動的に実行するようにした筋肉運動補助機
- 低域周波は、約300Hz以下の階段状に合成した疑似正弦波である請求項1の筋肉運動補助機
- 中域周波の周波数および通電時間は、腕若しくは胸、腹周り、大腿部又はふくらはぎについて、約7KHzの交流が約0.5秒の通電と約1秒の非通電とを繰り返えすモード、約9KHzの交流が約1秒の通電と約0.5秒の非通電を繰り返えすモード、約7KHzの交流が約0.5秒の通電および非通電を繰り返えすモード、並びに約5KHzの交流が約0.5秒の通電および非通電を繰り返えすモードをそれぞれプログラムした、請求項1又は2の筋肉運動補助機
- 中域周波の周波数および通電時間は、腹周り、ヒップ又は大腿部について、約9KHzの交流が約3秒の通電と約2秒の非通電とを繰り返えすモード、約7KHzの交流が約2秒の通電と約1.5秒の非通電とを繰り返えすモード、並びに約7KHzの交流が約2秒の通電と約1秒の非通電とを繰り返えすモードをそれぞれプログラムした、請求項1〜3の筋肉運動補助機
- 中域周波の周波数および通電時間は、背中若しくは肩、腰について、約5KHzの交流が約2秒の通電と約1秒の非通電とを繰り返えすモード、約7KHzの交流が約3秒の通電と約2秒の非通電とを繰り返えすモードをそれぞれプログラムした、請求項1〜4の筋肉運動補助機
- 中域周波の周波数および通電時間は、顔について、約5KHzの交流が約1秒の通電および非通電を繰り返えすモードをプログラムした、請求項1〜5の筋肉運動補助機
- 高域周波の周波数は作用させる筋肉の温度をおよそ0.5〜2℃上昇させるのに適した12〜80KHzである請求項1〜6の筋肉運動補助機
- トリートメントを実行したとき選択した周波数、通電時間・非通電時間の組合せの動作を、利用後も記憶する手段と、同じ組合せの動作をトリートメントのたび実行させ得る手段を備える、請求項1〜7の筋肉運動補助機
- 電極の装着状態を検知し、過剰電流、電極の接触不良又は肌の異常な乾燥の1以上があったとき、警告表示し、必要に応じ運転を中止する手段を備える請求項1〜8の筋肉運動補助機
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