JP2004341986A - 情報保管システム及び情報保管サービス方法 - Google Patents
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- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
Abstract
【課題】利便性とセキュリティ性を高める。
【解決手段】ネットワーク上のリモート保管サーバに、送信元ユーザから宛先ユーザへ送信した保管対象データを保管するための個別ユーザ用データ保管部を設ける情報保管システムであって、宛先ユーザを収容する収容施設側に配置される収容施設側システムを有し、収容施設側システムは、宛先ユーザを収容施設に収容しているか否かを管理する収容管理部を備え、リモート保管サーバは、個別ユーザ用データ保管部を、宛先ユーザに対応付けて管理するための保管管理部を備え、リモート保管サーバは、収容施設が宛先ユーザを収容している期間に対応する有効期間のあいだ有効で、少なくとも収容施設側システムの内部において宛先ユーザを一意に指定する機能を持つ期間限定ユーザ名を発行するユーザ名発行部を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】ネットワーク上のリモート保管サーバに、送信元ユーザから宛先ユーザへ送信した保管対象データを保管するための個別ユーザ用データ保管部を設ける情報保管システムであって、宛先ユーザを収容する収容施設側に配置される収容施設側システムを有し、収容施設側システムは、宛先ユーザを収容施設に収容しているか否かを管理する収容管理部を備え、リモート保管サーバは、個別ユーザ用データ保管部を、宛先ユーザに対応付けて管理するための保管管理部を備え、リモート保管サーバは、収容施設が宛先ユーザを収容している期間に対応する有効期間のあいだ有効で、少なくとも収容施設側システムの内部において宛先ユーザを一意に指定する機能を持つ期間限定ユーザ名を発行するユーザ名発行部を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報保管システム及び情報保管サービス方法に関し、例えば、宿泊施設や公共交通機関の利用中、電子メールの送受を行う場合などに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
ホテルなどでは、外部から宿泊者へ情報を届けるための通信手段としてファクシミリが用いられることが多い。このケースでは、宿泊者にファクシミリが届いた場合、ホテルの従業員がそのファクシミリを管理しておき、フロントなどを介して宿泊者へ渡す形になる。
【0003】
また、ホテルの客室内にインターネット接続用のコネクタなどを用意しておき、客室に泊まった宿泊者のパーソナルコンピュータなどを当該コネクタに接続することで、インターネットアクセスが行えるようにしてあることも少なくない。その場合、宿泊者は、自宅などからインターネットアクセスするときと同様、自身が契約しているISP(インターネットサービスプロバイダ)のメールサーバに確保した自身のメールボックスにアクセスすることにより、当該メールボックスに着信している自身宛ての電子メールを受信して閲覧したり、反対に当該メールサーバ経由で電子メールを送信したりすること等も可能である。また当該パーソナルコンピュータを用いれば、イントラネット(例えば、当該宿泊者が勤務している会社のLAN(ローカルエリアネットワーク))へ、インターネット経由または公衆電話網経由でリモートアクセス(例えば、VPN(バーチャルプライベートネットワーク)などを利用したリモートアクセス)することも可能である。
【0004】
さらに、当該宿泊者がオンラインストレージサービスの契約を行っている場合には、当該インターネット接続用のコネクタにパーソナルコンピュータなどを接続することで、インターネット上のストレージサーバに保管されているファイルを受信することもできる。これにより、ファイルを保管した者と宿泊者のあいだでメッセージ交換を行うこと等も可能である。
【0005】
なお、ホテルの内部にはビジネスセンタを設け、当該ビジネスセンタ内に設置したパーソナルコンピュータやプリンタを、多くの宿泊者が共用できるようにしてあることも多い。このケースでは、個々の宿泊者は、宿泊時に自身のパーソナルコンピュータを携帯していなくても、ビジネスセンタ内のパーソナルコンピュータを用いてインターネットアクセス(電子メールの送受、前記ストレージサーバへのアクセス、リモートアクセスを含む)を行ったり、インターネットアクセスにより当該パーソナルコンピュータに受信したファイルの内容をプリンタを介して印刷出力したりすることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したファクシミリを用いるケースでは、ファクシミリで受信され印刷出力された紙の文書の管理が適切に行われるか否かは、ホテル側の管理体制やホテルの従業員のセキュリティ意識に依存する。したがって、管理体制や従業員のセキュリティ意識などに問題がある場合、その文書が機密性の高いものであっても、機密が維持できない可能性もある。
【0007】
また、宿泊者が自身のパーソナルコンピュータを客室のインターネット接続用コネクタに接続するケースでは、携帯電話機などに比べるとサイズも重量も大きいパーソナルコンピュータ(例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ)を携帯し、ホテルに持ち込まなければならない点で不便である。携帯電話機などにもメーラを搭載し、電子メールの送受、閲覧が可能なものもあるが、携帯電話ネットワークを運営する携帯電話事業者により、添付ファイルの受信はできない旨の制約が課されていることが少なくない。また、たとえ当該制約がないケースであっても、携帯電話機の画面は小さく、キー操作は煩雑であるため、電子メール閲覧時の利便性に欠け、電子メールを印刷出力することは困難である。
【0008】
なお、宿泊者自身のパーソナルコンピュータには、通常、ホテルのビジネスセンタなどに設置されたプリンタに対応するプリンタドライバがインストールされていないため、電子メールや添付ファイルの内容を印刷出力するには、プリンタドライバのインストールを行うか、あるいは、すでにプリンタドライバがインストールされている前記ビジネスセンタ内のパーソナルコンピュータを利用する必要がある。
【0009】
プリンタドライバのインストールを行うことは宿泊者にとって煩わしいし、ビジネスセンタ内のパーソナルコンピュータを利用する場合には、次に述べるように、宿泊者自身のパーソナルコンピュータを用いず、最初からビジネスセンタ内のパーソナルコンピュータを利用する場合と同様な問題が発生する。
【0010】
ホテルのビジネスセンタに設置されているパーソナルコンピュータを利用するケースでは、当該パーソナルコンピュータは、所有権がホテル側にあり、多数の宿泊者に共用されるものである点などで、宿泊者から見た場合、セキュリティ性に不安が残る。
【0011】
例えば、前記ストレージサーバがパスワードを用いたユーザ認証を行うものであるケースや、VPNによるリモートアクセスを行うケースなどでは、パスワードなどの機密性の高い情報をパーソナルコンピュータに入力する必要があるため、ユーザ自身に所有権がなく、なおかつ共用される当該パーソナルコンピュータを介して機密性の高い情報が漏洩する可能性があるからである。もちろん、受信または送信した電子メールや添付ファイルの内容が漏洩する可能性もある。これらの情報の漏洩は、宿泊者が削除することを忘れたり、削除は行っても(論理的にはメーラなどのアプリケーションにより、削除したものとして扱われていても)一般的なパーソナルコンピュータの機構上、削除したファイルの内容が物理的にはハードディスクなどに残存すること等に起因して発生し得る。
【0012】
なお、ストレージサーバを利用しないケースや、リモートアクセスを行わないケースでも、電子メールや添付ファイルの内容が漏洩する可能性がある点は同じである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の本発明では、送信元または宛先となる各ユーザが各通信装置からアクセスし得るネットワーク上のリモート保管サーバ(例えば、仮想プリントサーバ20など)に、送信元ユーザ(例えば、ユーザU1など)から宛先ユーザ(例えば、ユーザU2など)へ送信した保管対象データ(例えば、電子メールME1やその添付ファイルF1など)を保管するための個別ユーザ用データ保管部(例えば、メールボックス部64など)を設ける情報保管システムであって、前記宛先ユーザを収容する収容施設(例えば、ホテルHT1,HT2など)側に配置される収容施設側システム(例えば、ホテルサーバ24など)を有し、当該収容施設側システムは、前記宛先ユーザを当該収容施設に収容しているか否かを管理する収容管理部(例えば、宿泊管理部43など)を備え、前記リモート保管サーバは、前記個別ユーザ用データ保管部を、前記宛先ユーザに対応付けて管理するための保管管理部(例えば、メールボックス管理部63など)を備え、前記収容施設側システムまたはリモート保管サーバは、前記収容施設が宛先ユーザを収容している期間に対応する有効期間(例えば、サービス期間ST1,ST2など)のあいだ有効で、少なくとも当該収容施設側システムの内部において宛先ユーザを一意に指定する機能を持つ期間限定ユーザ名(例えば、AC21など)を発行するユーザ名発行部(例えば、アカウント発行部55など)を有することを特徴とする。
【0014】
また、第2の本発明では、送信元または宛先となる各ユーザが各通信装置からアクセスし得るネットワーク上のリモート保管サーバに、送信元ユーザから宛先ユーザへ送信した保管対象データを保管するための個別ユーザ用データ保管部を用いる情報保管サービス方法であって、前記宛先ユーザを収容する収容施設側に配置される収容施設側システムが、収容管理部を用いて、前記宛先ユーザを当該収容施設に収容しているか否かを管理し、前記リモート保管サーバでは、保管管理部が、前記個別ユーザ用データ保管部を、前記宛先ユーザに対応付けて管理し、前記収容施設側システムまたはリモート保管サーバに設けられたユーザ名発行部が、前記収容施設が宛先ユーザを収容している期間に対応する有効期間のあいだ有効で、少なくとも当該収容施設側システムの内部において宛先ユーザを一意に指定する機能を持つ期間限定ユーザ名を発行することを特徴とする。
【0015】
これにより、前記有効期間のあいだ期間限定ユーザ名を用いて宛先ユーザと個別ユーザ用データ保管部を関連付けることができ、宛先ユーザに宛てた保管対象データの送信が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる情報保管システム及び情報保管サービス方法を、インターネット上に配置された仮想プリントサーバを含む通信システムに適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0017】
(A−1)実施形態の構成
本実施形態の通信システム10の全体構成例を図1に示す。
【0018】
図1において、当該通信システム10は、インターネット11と、LAN(ローカルエリアネットワーク)12,13と、前記仮想プリントサーバ20と、MMK(マルチメディアキオスク)端末21と、パソコン(パーソナルコンピュータ)22、28,29と、フロント端末23と、ホテルサーバ24と、テレビ端末25と、電話端末26と、プリント端末27とを備えている。
【0019】
このうちLAN12は、ホテルHT1の内部に構築されたLANであり、LAN13は、HT1とは別のホテルHT2の内部に構築されたLANである。図1上でLAN12に接続するように図示した構成要素23〜27は、LAN12内に含まれる構成要素である。本実施形態において、ユーザU2はホテルHT1に宿泊したあと、ホテルHT2に宿泊するものとする。ただしユーザU2は、ホテルHT1などの宿泊客となる以前に仮想プリントサーバ20の会員であり、仮想プリントサーバ20にその個人情報を申告した上で会員登録を行っている。ただしユーザU2は、一般的な仮想プリントサービスの提供を受けるために登録している会員とは別個に、本実施形態で述べるサービスだけを受けることを目的として会員登録を行っている者であってもよい。
【0020】
図1上は省略しているが、ホテルHT2側のLAN13にも、構成要素23〜27と同様な構成要素が含まれる。なお、LAN12,13には、図示しないファイアウオール、ルータ、DNSサーバなどが含まれていてよいことは当然である。
【0021】
LAN12内の構成要素23〜27のうち、フロント端末23は、ホテルHT1のフロント業務に従事する従業員CL1などに操作される情報処理装置で、ユーザU2の宿泊の予約、チェックイン、チェックアウトなどの宿泊管理は、このフロント端末23を介して入力される情報に基づいて実行される。
【0022】
フロント端末23は、例えば、図4に示す内部構成を有するものであってよい。
【0023】
なお、フロント端末23以外の構成要素21,22,25〜27の内部構成も、図示したレベルの詳細さでみる限り、図4と同じであってよい。
【0024】
(A−1−1)フロント端末の内部構成例
図4において、当該フロント端末23は、通信部30と、制御部31と、操作部32と、表示部33と、記憶部34とを備えている。
【0025】
このうち通信部30はLAN12を経由した通信のために機能する部分である。通信部30の主な通信相手はホテルサーバ24なので、LAN12内の通信だけを行うもので足りるが、必要に応じて、インターネット11経由の通信を行えるようにしてもよい。
【0026】
操作部32は、ホテルHT1の従業員CL1が操作してフロント端末23に指示を伝える部分で、例えば、マウスなどのポインティングデバイスやキーボードなどを有する。ただし図4にテレビ端末25を示したものとみる場合には、操作部32にはテレビ端末25を操作するためのリモコン送信機などが該当する。同様に、電話端末26を示したものとみる場合には電話端末26上に配列されたボタンが、プリント端末(プリンタ)27を示したものとみる場合には、プリント端末27上に配列されたボタンが、当該操作部32に該当し得る。
【0027】
また、図4にパソコン22を示したものとみる場合には、操作部32を操作するのはユーザU1(または、ユーザU2)であり、MMK端末21,テレビ端末25,電話端末26,またはプリント端末27を示したものとみる場合には、操作部32を操作するのは、通常、ユーザU2である。ここで、ユーザU1は、ホテルHT1に宿泊するユーザU2に宛てて電子メールME1を送信するユーザを示している。当該電子メールME1には添付ファイルF1が添付されているものであってよい。
【0028】
表示部33は、フロント端末23が搭載するアプリケーションソフト(例えば、メーラやWebブラウザなど)の機能に応じて画面表示を行うディスプレイ装置に対応する部分である。図4にフロント端末23以外の構成要素21,22,25〜27を示したものとみる場合、表示部33の具体的な構成や、表示を目視する主体が変化し得る点は、前記操作部32の場合と同様であるのは当然である。
【0029】
制御部31は、ハードウエア的には当該フロント端末23のCPU(中央処理装置)に相当し、ソフトウエア的にはOS(オペレーティングシステム)、前記メーラ、Webブラウザなどの各種プログラムに相当する部分である。
【0030】
記憶部34はハードウエア的には、RAM(ランダムアクセスメモリ)や、ハードディスクなどによって構成される記憶資源であり、ソフトウエア的には、各種のファイルがこの部分に含まれ得る。前記メーラやWebブラウザなどのプログラムファイルもこのようなファイルの一つであるから、メーラやWebブラウザなども、その物理的な実体は、この記憶部34に位置する。
【0031】
なお、本実施形態の構成上、ユーザU2がホテル(例えば、HT1)に宿泊する際には、ユーザ認証を行って、なりすましを検知、防止できることが望ましい。なりすましの検知のためには、対面で身分証明書(例えば、運転免許証など)の提示を求めること等も考えられるが、例えば、次のような方法を用いることも簡便である。
【0032】
すなわち、フロント端末23側へ予め仮想プリントサーバ20の会員(当然、U2も含む)の公開鍵(ここでは、ユーザU2の公開鍵をPK2とする)を配送しておき、ユーザU2がホテルHT1の宿泊を予約するときには、その旨の電子メール(この電子メールは、例えば、Webアクセスなどに置換可能)を前記公開鍵PK2に対応する自身の秘密鍵(ここでは、VK2とする)で暗号化した上で送信する構成とする。秘密鍵VK2を使用できるのはユーザU2のみであるから、予約のための当該電子メールを公開鍵PK2を用いて正しく復号できれば、その電子メールを送信した者が、ユーザU2自身であることをフロント端末23側で検証することができる。
【0033】
さらに、当該検証の結果がOKであれば、固有の文字列(宿泊用パスワードSJ2)を記述した電子メールを公開鍵PK2で暗号化した上でフロント端末23(または、仮想プリントサーバ20)側からユーザU2へ返送するようにすれば、その電子メールを受信したユーザU2は前記秘密鍵VK2でこの電子メールを復号して当該宿泊用パスワードSJ2を取得することができるから、宿泊のため実際にホテルHT1のフロントへ出向いたときには、従業員CL1に、自身の氏名などとともに当該宿泊用パスワードSJ2を申告するようにする。
【0034】
その後、宿泊期間中に外出先から戻ったユーザU2がホテルHT1における自身の客室の鍵をフロントから受け取るとき等にも、適宜、前記宿泊用パスワードSJ2を申告させて、ユーザ認証を行うようにしてもよい。
【0035】
ただし従業員CL1に口頭で申告する替わりに、自動的に当該宿泊用パスワードSJ2の申告を行うことができる機構(例えば、いわゆるICタグなど)を利用するようにしてもよい。これにより従業員CL1を介して宿泊用パスワードSJ2の漏洩などが起きる危険性も排除できる。
【0036】
当該宿泊用パスワードSJ2は、1つの宿泊期間中のみ有効な一種のワンタイムパスワードとすることが望ましい。
【0037】
ユーザU2に関するパスワードとしては、仮想プリントサーバ(仮想プリントサービス)20の会員としてのパスワード(ここでは、PW2とする)もあるが、仮想プリントサービスの会員としてのパスワードPW2は基本的に恒久的なパスワードであるため、宿泊用パスワードSJ2をワンタイムパスワードとして、パスワードPW2と使い分けることで、いっそう強固なセキュリティ性を確保することも可能になる。
【0038】
例えば、テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27を使用するときには、事前に各構成要素25〜27に対し、当該宿泊用パスワードSJ2を入力させてユーザ認証を行うようにするとよい。
【0039】
ここで、テレビ端末25は、基本的に通常のテレビ受像機としての機能を持つものであってよいが、電子メールME1や添付ファイルF1の内容(後述するように、データ形式は変換する)を画面表示する必要がある。必要に応じて、例えば、BML(Broadcast Markup Language)を処理する機能を当該テレビ端末25に搭載してもよい。
【0040】
ユーザU2がテレビ端末25に電子メールME1や添付ファイルF1の内容(必要に応じて、メールヘッダの情報(例えば、送信元のメールアドレスなど)も含む)を画面表示させるには、その画面表示のもとになるデータを保管しているサーバ(仮想プリントサーバ20でもよいが、本実施形態ではホテルサーバ24とする)に対し、アカウントを送信する必要があるが、アカウントは秘密の情報ではないし、ホテルの客室は、ユーザU2の不在のときに、例えば、清掃作業員が入室したり、ホテルの従業員が入室する可能性もあるため、確実に、ユーザU2以外の者が電子メールME1や添付ファイルF1の内容を知ることができないようにするには、アカウントのほかに秘密の情報を利用してユーザ認証を行う構成とすることが望ましい。この秘密の情報として、上述した宿泊用パスワードSJ2を用いることが考えられる。
【0041】
テレビ端末25の所有権はホテルHT1側にある点や、ユーザU2のあとには他の宿泊客が当該テレビ端末25を利用する点などを考慮すると、当該テレビ端末25はセキュリティ上、上述したビジネスセンタ内に設置されているパーソナルコンピュータに類似した位置づけになるとみることができるから、恒久的なパスワードPW2を当該テレビ部端末25に入力することは好ましくないといえるが、ワンタイムパスワードとしての宿泊用パスワードSJ2を入力するなら、そのような弊害は軽減または解消される。
【0042】
また、前記電話端末26は基本的に通常の電話機としての機能を持つものであってよいが、電子メールME1や添付ファイルF1の内容を音声出力してユーザU2に聴取させる必要がある。ただし通常の電話端末は公衆電話網に接続されるものであるため、図示したようにLAN12に直接、接続するには、LAN12内の通信プロトコルとしてOSI参照モデルのネットワーク層ではIPプロトコルを用い、なおかつ、当該電話端末26をVoIP対応のIP電話機などとする必要がある。もちろん、VoIPゲートウエイやIP−PBXを経由すれば、VoIP非対応の通常の電話端末をLANに接続することも可能である。
【0043】
アカウントや宿泊用パスワードSJ2が、数字以外の文字を含む文字列である場合、電話端末26を介して当該アカウントや宿泊用パスワードSJ2を入力することは容易ではないと考えられるが、例えば、合成音声などによるガイダンスを利用すれば必ずしも不可能ではない。
【0044】
また、電話端末26は必ずしもホテルHT1の客室内に設置されたものである必要はないので、前記ビジネスセンタ内に設置された電話端末や、ホテルHT1の外に設置された電話端末を利用することも可能である。
【0045】
なお、電話端末26がIP電話機の場合、その外観は必ずしも一般的な電話機に類似したものとは限らず、例えば、通常のパーソナルコンピュータにIP電話用のソフトウエアを搭載することによってIP電話機の機能が実現されること等も少なくない。そのようなケースでは、ユーザU2がアカウントや宿泊用パスワードSJ2を入力するためのユーザインタフェース(例えば、キーボード、マウス、画面など)は十分に用意することができるから、入力の困難性は緩和することが可能である。
【0046】
前記プリント端末27は、基本的に通常のプリンタとしての機能を持つものであってよいが、電子メールME1や添付ファイルF1の内容を印刷出力する必要がある。プリント端末27は一般的に、アカウントや宿泊用パスワードSJ2を入力するためのユーザインタフェースに乏しい点で、前記電話端末26と類似しているが、ホテルHT2内でユーザU2が利用するプリント端末27は、ビジネスセンタ内に設置されたものであるため、その近傍にはパーソナルコンピュータも存在する。したがって、当該パーソナルコンピュータとプリント端末27を連携させ、パーソナルコンピュータのユーザインタフェースを用いてアカウントや宿泊用パスワードSJ2を入力させることにより、プリント端末27から電子メールME1や添付ファイルF1の内容の印刷出力を行う構成としてもよい。ただし当該プリント端末27が、情報をタッチパネル等から入力でき、サーバと通信を行うことができ、印刷機とのインタフェースを持つ情報端末機能付きのMFP(複合機)をはじめとする情報処理装置である場合には、このような連携は必要ない。
【0047】
なお、仮想プリントサーバ20は、多様なプリンタに対応する多様なプリンタドライバを搭載しているため、当該プリント端末27が、どのような機種のプリンタ製品であっても、それに適合するデータ形式に電子メールME1やその添付ファイルF1を変換することができる。
【0048】
また、パソコン28は、ホテルHT1のビジネスセンタなどに設置されたパーソナルコンピュータであり、パソコン29は、ホテルHT1の客室からLAN12に接続するパーソナルコンピュータである。本実施形態の構成上、基本的に、当該パソコン29は存在しなくてもよいが、ユーザU2がノート型パソコンなどを客室に持ち込んで使用するケースや、ホテルHT1が客室にパソコンを設置してあるケースなどに、当該パソコン29が存在する。
【0049】
パソコン28や29を使用すれば、ユーザU2は、後述するステップS32やS35などでデータ形式を変換するまえの電子メールME1やその添付ファイルF1を取り扱い、閲覧し、必要ならば編集なども行うことができるので、利便性が高まる。
【0050】
前記MMK端末21は、コンビニエンスストアや駅など、多くの人が集まる街中の随所に設置される情報処理装置で、ユーザ(例えば、U2)の操作に応じて仮想プリントサーバ20に対し該当文書(例えば、電子メールME1,添付ファイルF1など)を転送するように要求し、転送されてきた文書を一時的に記憶して印刷出力するために利用される。印刷出力を行うための印刷機能は、MMK端末21自体が搭載している場合と、MMK端末21の近傍に設置された外部のプリンタ装置の印刷機能を利用する場合がある。
【0051】
したがって、MMK端末21は、前記プリント端末27とほぼ同等な装置であるとみることができるが、プリント端末27がホテルHT1のビジネスセンタの内部に設置されたものであるのに対し、MMK端末21は、ホテルHT1の外部に設定されている点が異なる。
【0052】
一方、当該フロント端末23とLAN12経由で通信するホテルサーバ24は、例えば、図3に示す内部構成を有するものであってよい。
【0053】
(A−1−2)ホテルサーバの内部構成例
図3において、当該ホテルサーバ24は、通信部40と、制御部41と、記憶部42と、宿泊管理部43と、データ格納部44とを備えている。
【0054】
このうち通信部40は前記通信部30に対応し、制御部41は前記制御部31に対応し、記憶部42は前記記憶部34に対応するので、その詳しい説明は省略する。
【0055】
ただし制御部41は、前記フロント端末23の制御部31と異なり、必要が生じたときに、通信部40を介して前記仮想プリントサーバ20と通信する機能を備えている。
【0056】
前記宿泊管理部43は、ホテルHT1の客(例えば、ユーザU2)による宿泊の予約、チェックイン、チェックアウトなどに関する情報(宿泊管理情報)を管理する部分で、必要に応じて、これらの宿泊管理情報を仮想プリントサーバ20へ通知する。宿泊管理部43内で、当該宿泊管理情報は、予約データベースDB2にまとめられて管理される。当該宿泊管理部43の機能は、ホテルの予約を管理するホテル予約システムに対応する。
【0057】
本実施形態は、仮想プリントサーバ20内に一時的なメールボックスを用意し、当該メールボックスを介した電子メールの送受信(主として、受信)、および受信した電子メールやその添付ファイルの内容を、データ形式を変換して、宿泊客(ここでは、ユーザU2)に提供することを内容とするサービスに特徴を有し、このサービスが行われる期間(サービス期間)は、基本的に、仮想プリントサーバ20のある会員(例えば、ユーザU2)が、あるホテル(例えば、HT1)に宿泊している期間(チェックインからチェックアウトまで)であり、この期間を基本サービス期間とする。
【0058】
ただしここでは、ユーザU2がホテルに対して宿泊の予約を行う場合には、予約の受付が行われてからチェックインが行われるまでの期間(第1拡張期間)も包含するように、当該サービス期間を拡張するものとする。同様に、チェックアウトが行われたあと所定の期間(第2拡張期間)も包含するように、当該サービス期間を拡張するものとする。チェックイン前やチェックアウト後にも、当該ユーザU2宛ての電子メールが届く可能性があるからである。
【0059】
したがって、サービス期間をST1とし、そのサービス期間に含まれる第1拡張期間をST11、基本サービス期間をST12,第2拡張期間をST13とすると、次の式(1)の関係が成立する。
【0060】
ST1=ST11+ST12+ST13 …(1)
また、ここでは、ユーザU2がホテルHT1に宿泊したあと、ホテルHT2に宿泊するものとしているが、当該ホテルHT2に関するサービス期間ST2に関しても、第1拡張期間をST21、基本サービス期間をST22,第2拡張期間をST23とすると、次の式(2)の関係が成立する。
【0061】
ST2=ST21+ST22+ST23 …(2)
ホテルHT1に対する第2拡張期間ST13とホテルHT2に対する第1拡張期間ST21(または、基本サービス期間ST22)を連続的に結合することができる。
【0062】
なお、ユーザU2が予約をすることなくホテル(HT1またはHT2)に宿泊することもあり得るが、その場合には、前記第1拡張期間ST11,ST21は存在しないことは当然である。さらに、基本サービス期間ST12,ST22は、ユーザU2のそのホテルに対する宿泊日数に対応して動的に変化することは当然である。
【0063】
第1拡張期間ST11、ST21や第2拡張期間ST13,ST23も動的に変化させてもよいが、ここでは、一定の固定期間を設定するものとする。第1拡張期間(例えば、ST11)を示す固定期間は、予約の受付が行われた日時から第1拡張期間ST11が開始するケースで最大値となるが、予約の受付からチェックインまでの期間が長い場合などには、必ずしも予約の受付が行われた日時から開始させず、チェックインが予定されている日時の所定期間前(例えば、2週間前)から第1拡張期間ST11が開始させるようにしてもよい。
【0064】
また、第1拡張期間を示す固定期間は、すべてのホテルに関して統一してもよく、ホテルごとに相違させてもよい。
【0065】
第2拡張期間ST13,ST23を示す固定期間のほうには第1拡張期間ST11,ST21のような制約はないため、どのように設定することも基本的に自由であるが、一例としては、1週間程度であってよい。ユーザU2がホテルHT1,HT2に連続して宿泊する場合、通常は、ホテルHT1をチェックアウトした当日、またはその翌日には、ホテルHT2にチェックインするものと考えられるので、第2拡張期間ST13が1週間程度あれば、確実に、次の基本サービス期間ST22(または第1拡張期間ST21)と連続的に結合することができる。
【0066】
同じユーザ(ここでは、U2)に対する第2拡張期間ST13が終了する前に、次の第1拡張期間ST21(または基本サービス期間ST22)が開始した場合には、その時点で、当該第2拡張期間ST13は終了し、第1拡張期間ST21(または基本サービス期間ST22)が優先されるようにするとよい。すでにチェックアウトしたホテル(例えば、HT1)に関する第2拡張期間ST13よりも、現に宿泊しているホテル(例えば、HT2)に関する基本サービス期間ST22(または第1拡張期間ST21)を優先したほうが、電子メールの宛先であるユーザU2にとっても、電子メールの送信元であるユーザ(例えば、U1)にとっても、有利であると考えられるからである。
【0067】
なお、宿泊スケジュールにも依存するが、2つのホテルHT1,HT2に連続的に宿泊する場合、最初のホテルHT1に関する基本サービス期間ST12が終了すると同時、またはそれ以前に、次のホテルHT2に対する第1拡張期間ST21が開始することが多いものと考えられるが、そのようなケースでは、最初のホテルHT1に関する第2拡張期間ST13は存在せず、基本サービス期間ST12の終了後ただちに、次のホテルHT2に関する第1拡張期間ST21が開始する形になる。この場合にはまた、最初のホテルHT1に関する基本サービス期間ST12と次のホテルHT2に関する第1拡張期間ST21が重複することも多いが、重複した場合には、重複している期間に関して、最初のホテルHT1に関する基本サービス期間ST22を優先するほうが望ましい。
【0068】
このような期間のあいだ前記サービスを提供するために使用されるメールボックスの本体は一貫して仮想プリントサーバ20側に存在するため、前記宿泊管理部43が管理している宿泊管理情報(例えば、予約の受付が行われた日時、予約の内容、実際にチェックインが行われた日時、チェックアウトが行われた日時など)を、ホテルサーバ24から、仮想プリントサーバ20へ通知する必要がある。各ホテル(例えば、HT1,HT2)から届く当該宿泊管理情報に応じて、仮想プリントサーバ20は、メールボックスの生成や削除、転送先の変更などの制御を実行することになる。
【0069】
ホテルサーバ24から仮想プリントサーバ20へ宿泊管理情報を届けるための通信プロトコルとしては様々なものを利用することができるが、例えば、FTPプロトコルやHTTPプロトコルを利用することができる。また、SOAPプロトコルを用いるWebサービスを活用してもよい。
【0070】
前記データ格納部44は主として、後述するように、電子メールME1やその添付ファイルF1からデータ形式を変換して得られたデータ(出力用データ)を格納する部分で、メールボックス部64(図2参照)と同様、(期限付きアカウント名(メールボックスID)で区別して)各ユーザ(例えば、U2)ごとに設けられ、その物理的な実体は、記憶部42上に確保された記憶領域のうちの1つであり、論理的には、フォルダ(ディレクトリ)の1つである。ここで、電子メールME1をテレビ端末25のためのデータ形式に変換して得られる出力用データをOM1とし、添付ファイルF1をテレビ端末25のためのデータ形式に変換して得られる出力用データをOF1とする。
【0071】
同様に、電子メールME1を電話端末26のためのデータ形式に変換して得られる出力用データをOM2とし、添付ファイルF1を電話端末26のためのデータ形式に変換して得られる出力用データをOF2とし、電子メールME1をプリント端末27のためのデータ形式(MMK端末21のためのデータ形式も同じであってよい)に変換して得られる出力用データをOM3とし、添付ファイルF1をプリント端末27のためのデータ形式に変換して得られる出力用データをOF3とする。
【0072】
ここで、メールボックスIDとは、個々の前記メールボックス部(例えば、64)を一意に識別するために付与される識別情報である。前記期限付きアカウント名と当該メールボックスIDは、1対1の対応関係さえ確保されていれば必ずしも同じ値である必要はないが、管理の効率化のためには同じ値とすることも望ましい。
【0073】
なお、前記パソコン28や29を使用するケースに備え、データ形式を変換するまえの電子メールME1やその添付ファイルF1も、当該データ格納部44に格納しておくとよい。
【0074】
前記仮想プリントサーバ20は例えば図2に示す内部構成を備えたものであってよい。
【0075】
(A−1−3)仮想プリントサーバの内部構成例
図2において、当該仮想プリントサーバ20は、通信部50と、制御部51と、記憶部52と、メールサーバ部53と、ユーザ管理部54と、アカウント発行部55と、アカウント蓄積部56と、アカウント比較部57と、宿泊スケジュール管理部58と、データ変換部59と、転送アドレス登録部60と、転送制御部61と、通知メール生成部62と、メールボックス管理部63と、メールボックス部64とを備えている。
【0076】
このうち通信部50は前記通信部40に対応し、制御部51は前記制御部41に対応し、記憶部52は前記記憶部42に対応するので、その詳しい説明は省略する。
【0077】
ただし構成要素53〜64の多くは、機能上は、当該制御部51に含まれ、物理的な実体は、記憶部52に存在するものである。
【0078】
構成要素53〜64のうちメールボックス部64は、仮想プリントサーバ20内に一時的に用意される上述したメールボックスに対応する部分である。図2上では記憶部52の外に図示しているが、当該メールボックス部64の物理的な実体は、記憶部52上に確保された記憶領域のうちの1つであり、論理的には、フォルダ(ディレクトリ)の1つである。
【0079】
前記サービス期間(必要に応じて、第1拡張期間なども含む)の開始にともなって、個々のユーザ(ここでは、U2)のためのメールボックス部64が生成され、サービス期間(最後の第2拡張期間なども含む)の終了にともなって当該ユーザU2のためのメールボックス部64が削除される。このような生成や削除を行うのは、前記メールボックス管理部63である。一般的なメールボックスの管理は、メールサーバ部53の役割であるが、本実施形態では、当該メールボックス管理部63が、ホテルサーバ24から供給される前記宿泊管理情報に応じて、メールボックス部64の生成や削除を行う。
【0080】
メールサーバ部53は、メールサーバ機能に対応する部分である。本実施形態で電子メールME1はインターネット11上を転送されるため、メール配送用のプロトコルはSMTPである。着信した電子メール(例えば、ME1)を当該メールボックス部64から取り出すためのプロトコルとしては、POP3やIMAP4を利用するのが一般的であるが、本実施形態の構成上、ユーザU2が直接、仮想プリントサーバ20にログインして当該メールボックス部64から電子メールなどを取り出すことは基本的に行わず、電子メールや添付ファイルは出力用データに変換されたあと、ホテルサーバ24のデータ格納部44で保存され、ユーザU2が電子メールや添付ファイルの内容を知りたいときには、前記テレビ端末25などを介して当該データ格納部44から出力用データを取り出す手順となる。このときの取り出しでは、後述する期限付きアカウント名などを用いてユーザ認証を行うため、必要に応じて、POP3やIMAP4に対応したプロトコルを利用することもできる。
【0081】
ただし、ユーザU2がホテルの外部に設置されているMMK端末21から前記出力データの出力(印刷出力や画面表示出力)を行う場合には、ホテルサーバ24などを経由せずに、ユーザU2が直接、仮想プリントサーバ20にログインして当該メールボックス部64から電子メールなど(例えば、前記出力用データOM3,OF3)を取り出す形になる。この取り出しでは、POP3やIMAP4などを利用することが可能である。
【0082】
したがって、当該メールサーバ部53は、SMTPサーバやPOPサーバなどに相当する機能を備えることになる。
【0083】
すなわち、電子メールME1(およびその添付ファイルF1)はSMTPプロトコルにしたがってインターネット11上を配送されてきて、ユーザU2のための前記メールボックス部64に着信し、出力時(例えば、MMK端末21からの印刷出力や画面表示出力などの際)には、POP3などの取り出し用プロトコルにしたがって、メールME1や添付ファイルF1のデータ形式を変換した後のデータが、前記ホテルサーバ24などへ転送される手順となる。
【0084】
ユーザ管理部54は、当該仮想プリントサーバ20の会員(ユーザU2もその一人)に関する会員情報を管理する部分である。
【0085】
仮想プリントサーバ20からみた会員は大きく2つに分けることができる。その1つは、ホテルHT1やHT2のようなホテル会員であり、もう1つは、ユーザU2のような個人会員である。個人会員に関して当該ユーザ管理部54が管理する会員情報は、いわゆる個人情報である。当該個人情報には様々なものがあり得るが、例えば、個人会員の住所、氏名、ユーザID、パスワード(前記PW2)、電子メールアドレスなどが含まれ得る。そのユーザに対し、すでに期限付きアカウント名を発行している場合には、その期限付きアカウント名も、当該個人情報の一部としてユーザ管理部54で管理するようにしておくとよい。また、各ホテルサーバ24などから供給される前記宿泊管理情報も、個人会員ごとに整理されて当該ユーザ管理部54に格納するものであってよい。
【0086】
ホテル会員の会員情報も基本的に個人会員の会員情報と同じであってよく、ホテルの名称、所在地、ホテルID(ユーザIDに対応)などが、ユーザ管理部54で管理される。ホテル会員に関するこれらの会員情報は、ユーザ管理部54に搭載されるホテルデータベースDB1に格納されるものとする。前記サービス期間ST1,ST2の具体値なども、ホテルごとに整理して当該ホテルデータベースDB1に格納しておくことができる。
【0087】
このうちユーザIDは、仮想プリントサーバ20内において各個人会員を一意に識別するための識別情報であり、ホテルIDは、各ホテル会員を一意に識別するための識別情報である。
【0088】
また、パスワードは、仮想プリントサーバ20内に保管されたデータ(例えば、前記電子メールME1,添付ファイルF1や、その出力用データ)をMMK端末21などから出力する際に各個人会員に入力させる情報である。
【0089】
また、電子メールアドレスは、仮想プリントサーバ20が提供する仮想プリントサービス以外でも使用される各個人会員の電子メールアドレスのことである。
【0090】
ここで、前記ユーザU2の電子メールアドレスは、AD2とする。
【0091】
ユーザU2の氏名が例えば「山田太郎」である場合、当該電子メールアドレスAD2の具体的な値は、「tarou.yamada@ddd.ne.jp」などであってよい。
【0092】
この電子メールアドレスの値のうち、@マークより左側に記述される文字列をアカウント名と呼び、@より右側に記述される文字列をドメイン名と呼ぶ。ドメイン名は階層構造を持っており、この例では、「jp」が最も上位(ただし階層構造の最上位にあたる根には名前が付与されていない。この「jp」は、根の下位に位置するいくつかのドメインのなかの1つである)の階層に属するトップレベルドメイン(TLD(この例では、ccTLD))であり、「ne」は当該「jp」に包含され(すなわち、当該「jp」の下位にあたる)、「ddd」は当該「ne」に包含される関係となる。ここで、「ne」は組織の分類を示し、「ddd」はその分類に属する具体的な組織の名称(組織名)を示している。必要ならば、組織名の下位にさらに階層を追加することで、1つの組織内に複数のサブドメインを設定することもできる。階層の数に制約はないため、追加する階層の数は複数であってもよく、サブドメインのなかにさらに複数のサブドメインを設定することもできる。
【0093】
アカウント名は通常、ISP(あるいは、企業内のイントラネットの管理者)などが自ドメイン内で電子メールユーザ(ここでは、ユーザU2)を識別するために用いる文字列であり、どのような文字列を許すかは、基本的に、電子メールユーザとISPなどの関係において決まり、通常、ISPなどは、そのドメイン(ここでは、「ddd.ne.jp」)の内部で、当該電子メールユーザを一意に識別することができるアカウント名でさえあれば、ユーザU2が希望した文字列をそのユーザのアカウント名として登録する。当該アカウント名は、ユーザU2がISPのメールサーバなどに確保された自身のメールボックスに着信した電子メールを取り出す際などに利用される。
【0094】
したがって、アカウント名自体に、ドメインと同様な階層構造を持たせることも、ISPなどの自由であるが、一般的にはそのようなことは行われていない。
【0095】
RFCの規格(RFC821)により、@マークの左右(すなわち、アカウント名とドメイン名)の文字数は、最大、64文字に制限されているが、メールサーバ側のOSの種類などにより、実際のISPなどでは、当該64文字よりはるかに少ない文字数に制限(例えば、アカウント名を8文字以内に制限)することもある。ログインの際の文字数などは、OSの仕様によって決まっているからである。
【0096】
アカウント発行部55は、ユーザ管理部54に登録されている当該電子メールアドレスAD2をもとに、仮想プリントサーバ20の内部においてユーザ(例えば、U2)がいずれかのホテル会員に宿泊(予約なども含む)を行っている期間にのみ使用する一時的なアカウント名(期限付きアカウント名)を発行する部分である。期限付きアカウント名の発行は、仮想プリントサーバ20に会員登録する際に行ってもよく、すでに会員登録を行ったユーザが発行を要求したときに行うようにしてもよい。なお、アカウントという用語には課金の意味が含まれているが、ここでは必ずしも、期限付きアカウント名を利用してユーザU2に課金を行う必要はなく、本実施形態で説明するサービスは無料奉仕として提供するものであってよい。
【0097】
この期限付きアカウント名には、ユーザU2自身やユーザU2宛てに電子メール(例えば、ME1)を送信するユーザ(例えば、U1)が記憶しやすい文字列であることが求められる。
【0098】
記憶しやすい文字列とするには、ユーザU2自身や、ユーザU2に何回も電子メールを送信したことのあるユーザ(例えば、U1)が慣れている前記電子メールアドレスAD2をもとに、当該期限付きアカウント名の文字列を決めることが有効である。例えば、前記電子メールアドレスAD2の@マークを、単なる区切り記号として使用されるドット(すなわち、「.」)に置換した文字列である「tarou.yamada.ddd.ne.jp」を、当該期限付きアカウント名として利用することも望ましい。必要に応じて、@マークをドットと置換するのではなく、単に除去して得られる文字列(「tarou.yamadaddd.ne.jp」)などを期限付きアカウント名として利用してもよい。
【0099】
ここでは、他の記号に置換したり、単に除去したりして電子メールアドレスAD2内の@マークを除いているが、送信元のメールサーバ(図示せず)などは、@マークから右側の文字列をドメイン名と解釈してDNSサーバに対する問い合わせを行い、通信相手となるメールサーバ(例えば、仮想プリントサーバ20またはメールサーバ部53)を指定するためのIPアドレスを取得するが、もし@マークを残したまま、電子メールアドレスAD2を期限付きアカウント名として利用すれば、当該期限付きアカウント名を含む新たな電子メールアドレスAD21内には、@マークが2つ含まれることとなり、DNSサーバへの問い合わせ等が正常に行えず、送信元のユーザ(例えば、U1)へエラーメールの返送などが行われる可能性があるからである。
【0100】
前記仮想プリントサーバ20のドメイン名が例えば「virtualp.com」であるとすると、前記期限付きアカウント名を含む電子メールアドレスAD21は、「tarou.yamada.ddd.ne.jp@virtualp.com」となる。
【0101】
このようにして、アカウント発行部55は、ユーザU2やU1に記憶しやすい期限付きアカウント名を発行することができるが、この方法では、期限付きアカウント名の文字列の文字数が多くなる傾向がある。
【0102】
現実的に、前記64文字の制限を越えることは、ほとんどあり得ないとしても、期限付きアカウント名の文字数が多いと、期限付きアカウント名を各種の装置に入力する必要のあるユーザU2やU1にとって、入力時の操作負担が大きくなって不便である。この操作負担は例えば次のような方法によって期限付きアカウント名の文字数を削減することにより、軽減することができる。
【0103】
すなわち、アカウント蓄積部56に、これまで発行したすべての期限付きアカウント名(過去に発行し、現時点では利用されていない期限付きアカウント名も含む)を蓄積しておき、電子メールアドレスAD2を仮想プリントサーバ20に登録したユーザU2に期限付きアカウント名を発行する際には、その電子メールアドレスAD2の@マークをドットで置換した文字列(例えば、「tarou.yamada.ddd.ne.jp」)を、アカウント蓄積部56に蓄積されている各期限付きアカウント名と比較する。
【0104】
この比較は、当該文字列の下位の階層から順番に行い、すでに蓄積されているいずれの期限付きアカウント名とも一致しなくなるところで停止する。
【0105】
当該文字列は、グローバルな範囲で一意な電子メールアドレスAD2の@マークをドットで置換して得られたものであるから、当然、グローバルな範囲で一意である。したがって、最上位の階層(例えば、「tarou.yamada.ddd.ne.jp」の場合ならば、「jp」)まで比較すれば、必ず一致しないことが保証されている。なお、ここで一致とは、相互に比較される2つの文字列が、全文字について完全に一致していることであり、文字数が相違するために一部だけ一致しているようなケースは、一致しないものとみなす。例えば、「tarou.yamada.ddd.ne.jp」と「tarou」を比較する場合、一致しないとの比較結果が得られる。
【0106】
なお、上述したサブドメインを設定し、「virtualp」の下位に例えばホテルごとのサブドメインを設定した場合(例えば、ホテルHT1とHT2を異なるサブドメイン(例えば、「ht1」、「ht2」など)に対応付ける場合など)には、比較対象となるすでに発行されている期限付きアカウント名の探索範囲は、そのサブドメインの内部だけとしても、そのサブドメイン内における期限付きアカウント名の一意性は確保できる。
【0107】
ただし、探索範囲をサブドメイン内に限定すると、発行した期限付きアカウント名の一意性はそのサブドメインのなかでしか確認されていないため、ここで取り上げているように、一人のユーザU2が複数のホテルに宿泊するケースでは、同じユーザ(例えば、U2)でも、宿泊するホテルが変われば使用する期限付きアカウント名も変更しなければならないことが起こり得、利便性が犠牲になる。また、電子メールの送信元のユーザ(例えば、U1)の立場からすると、電子メールの宛先メールアドレスの記述に、サブドメイン(個々のホテル)まで指定しなければならず、ユーザU2の宿泊スケジュールを知っていなければ、電子メールを送信できない不便がある。したがってここでは、サブドメインの設定は行わないものとし、送信元ユーザU1は宛先のユーザU2が宿泊しているホテルを特定しないまま、電子メール(例えば、ME1)を送信できるものとする。
【0108】
この場合にはまた、最初に発行する時点の比較で、各期限付きアカウント名は、ドメイン名「virtualp」に属する全範囲(この範囲には、ホテルHT1,HT2など、仮想プリントサーバ20の全ホテル会員が含まれる)における一意性が確認されることになる。なお、ユーザU1,U2にサブドメインの存在を意識させない限り、システム内部でこのようなサブドメインを設定して処理に活用することは自由である。
【0109】
以上のような比較によれば、ユーザU2に対して期限付きアカウント名を発行する時点で、前記アカウント蓄積部56に、例えば、「tarou」が蓄積されていなければ、当該「tarou」が、ユーザU2の期限付きアカウント名として発行される。また、「tarou」は蓄積されているものの「tarou.yamada」が蓄積されていなければ、当該「tarou.yamada」が、ユーザU2の期限付きアカウント名として発行される。
【0110】
同様に、「tarou」と「tarou.yamada」はすでに蓄積されているものの、「tarou.yamada.ddd」が蓄積されていなければ、「tarou.yamada.ddd」が、ユーザU2の期限付きアカウント名として発行される。
【0111】
電子メールアドレスAD2などのアカウントには通常、階層構造は存在しないが、ここでは、左側ほど下位の階層に属するものとしている。また、必ずしもこのように比較する文字列をドット単位で増加させていく必要はなく、1文字単位で増加させるようにしてもよい。ただし電子メールアドレスにおけるドットは、意味の区切りを示すために利用されることが多く、ドット単位で増加させることによって、人間にとっての可読性の高さ(理解しやすさ)を維持することができる。
【0112】
なお、過去に発行され、現時点では利用されていない期限付きアカウント名でも、アカウント蓄積部56に蓄積されている限り当該比較の対象とするのは、同じユーザ(例えば、U2)がホテルに宿泊する際には、同じ期限付きアカウント名を再利用させる構成とするためである。同じ期限付きアカウント名を他のユーザに発行することを許すと、本来、そのユーザに宛てたものではない電子メールがそのユーザに読まれる等の不都合が生じる可能性が高まるからである。ただし、ある期限付きアカウント名の発行を受けていたユーザ(例えば、U2)が仮想プリントサービスの会員でなくなった場合などには、十分な期間を置いた後、当該期限付きアカウント名を他の個人ユーザに発行することも可能である。
【0113】
このような比較を実行するのは、前記アカウント比較部57である。
【0114】
データ変換部59は、メールボックス部64に着信した電子メール(例えば、ME1)やその添付ファイル(例えば、F1)のデータ形式を、前記テレビ端末25,電話端末26,またはプリント端末27に適合するデータ形式の前記出力用データOM1〜OM3やOF1〜OF3に変換する部分である。
【0115】
変換後に得られる出力用データは、各ユーザ(例えば、U2)のメールボックス部(例えば、64)とは別個に設けた記憶領域に格納するようにしてもよいが、ここでは、メールボックス部(例えば、64)に格納するものとする。
【0116】
宿泊スケジュール管理部58は、仮想プリントサーバ20の各個人会員(例えば、U2)の宿泊スケジュールを管理する部分である。この宿泊スケジュールには、個々のホテル(例えば、HT1)における宿泊スケジュールだけでなく、複数のホテルにまたがる宿泊スケジュール(例えば、ホテルHT1に宿泊したあと、何月何日からホテルHT2に宿泊する等)も含まれ得る。当該宿泊スケジュールは、前記メールボックスID別に構成されたスケジュールファイルF11に格納される。当該スケジュールファイルF11に、実際の宿泊管理情報の内容を格納するようにしてもよい。
【0117】
転送制御部61は、メールボックス部64に着信した電子メールおよびその添付ファイルの転送を制御する部分である。本実施形態では、あるホテル(例えば、HT1)に対し、あるユーザ(例えば、U2)のチェックインが行われたとき、メールボックス部64内に保存されていた電子メールおよびその添付ファイルのデータ形式を変換したあとの出力用データ(例えば、OM1〜OM3,OF1〜OF3)を、ホテルサーバ24の前記データ格納部44へ転送する。この場合の転送先のアドレスはホテルごとに一定(もちろん、ユーザごとの区別は必要)であってよいので、予めホテルごとに転送アドレス登録部60に登録しておくことができる。ユーザU2がホテルHT1の次に宿泊するホテルHT2のホテルサーバ(24に対応)のデータ格納部(44に対応)へ転送する場合も、これと同様である。
【0118】
仮想プリントサーバ20側では、各ユーザ(例えば、U2)の宿泊スケジュールと各ユーザに発行した期限付きアカウント名が分かっているため、ユーザU2が宿泊する予定のホテル(例えば、HT1)に出力用データを転送するホテルに出力用データを転送する際、そのユーザU2の期限付きアカウント名をホテルサーバ24に伝えることができ、ホテルサーバ24では、前記メールボックス部64と同様、期限付きアカウント名ごとに区別して出力用データを該当するデータ格納部(例えば、44)に格納しておくことができる。
【0119】
なお、上述したサービス期間(例えば、ST2)が終了した時点で、メールボックス部(例えば、64)に未読の電子メールやその添付ファイルが残っている場合や、チェックアウト後の前記第2の拡張期間内に着信した電子メールが存在する場合などには、個々のユーザ(例えば、U2)が個別に指定した転送先へ転送するようにしてもよい。その場合、転送のための通信アプリケーションとして電子メールを用いるなら、前記出力用データへデータ形式を変換する前の電子メールや添付ファイルもメールボックス部64内に残しておき、その電子メールや添付ファイルを転送するようにするのが効率的である。
【0120】
この場合にはまた、転送先の電子メールアドレスとして、ユーザU2自身の前記電子メールアドレスAD2などをそのまま利用することができるが、AD2以外の宛先への転送を希望する場合などには、動的にユーザU2が転送先のアドレスを指定できるようにしてもよい。
【0121】
いずれにしても転送先のアドレスは転送アドレス登録部60に登録されており、転送制御部61は、当該転送アドレス登録部60に登録されている転送先アドレスへデータ(例えば、データ形式変換前の電子メールや添付ファイル)を転送する。
【0122】
通知メール生成部62は、前記第2の拡張期間内に電子メールが届いた場合、その電子メールの送信元に対して送信するための所定の通知メールを生成する部分である。この通知メールは、すでに当該ユーザ(例えば、U2)は、ホテル(例えば、HT2)に宿泊していない(サービス期間(例えば、前記ST2)が経過した)ので、これ以上、電子メールを送らないように依頼する内容の電子メールであってよい。通知メール生成部62により自動的に生成された当該通知メールは、当該送信元の電子メールアドレスに宛てて、自動的に送信される。
【0123】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について、図5〜図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0124】
図5のフローチャートはS11〜S21の各ステップから構成されており、図6のフローチャートはS11〜S22の各ステップから構成されており、図7のフローチャートはS30〜S38の各ステップから構成されており、図8のフローチャートはS40〜S45の各ステップから構成されており、図9のフローチャートはS30〜S58の各ステップから構成されており、図10のフローチャートはS60〜S66の各ステップから構成されており、図11のフローチャートはS70〜S73の各ステップから構成されている。
【0125】
(A−2)実施形態の動作
仮想プリントサーバ20に対するホテル会員であるホテルHT1,HT2の会員登録、および個人会員であるユーザU2の会員登録はすでに完了しているものとし、上述したように、ユーザU2が、ホテルHT1に宿泊したあと、ホテルHT2に宿泊するものとする。
【0126】
予約なく宿泊することもあり得るが、図5の例では、ユーザU2はホテルHT1に宿泊する前に、ホテルHT1に宿泊の予約を行い(S11)、その予約に関する情報が前記フロント端末23に入力され、予約の受付・登録が行われる(S12)。予約の情報は、前記宿泊管理情報の一部であるから、ホテルサーバ24の宿泊管理部43に管理され、ホテル会員としてのホテルHT1のホテルID、予約者の氏名(ユーザU2の氏名)などとともに、ホテルサーバ24を介して前記仮想プリントサーバ20に通知される(S13,S14)。この通知は、仮想プリントサーバ20に対し、メールボックス部64の生成を依頼する意味をも有する。
【0127】
この通知を受信すると、仮想プリントサーバ20は、通知の送信元のホテルサーバ24の認証を行い、認証結果がOKであると(S15)、前記期限付きアカウント名を発行する(S16)。この認証は、予め前記ホテルデータベースDB1に格納されている情報をもとに実行する。当該認証のために必要ならば、ホテルごとに異なる暗号鍵、パスワード、ハッシュ関数などの情報を、前記ホテルデータベースDB1に格納しておくとよい。
【0128】
期限付きアカウント名を発行するステップS16の詳細は、例えば、図11のフローチャートに示す通りであってよい。
【0129】
上述したように、期限付きアカウント名の発行時点には様々なものがあり得るが、図11では、仮想プリントサーバ20が、いずれかのホテル会員のホテルサーバ(例えば、24)から送信された宿泊管理情報を受信した時点で、期限付きアカウント名を発行している(S70,S71)。
【0130】
また、期限付きアカウント名を構成する具体的な値を決定する際には、前記アカウント比較部57の機能を利用して、できるだけ短い文字列からなる期限付きアカウント名を発行することも望ましいが、ステップS71では、単純に、ユーザU2の電子メールアドレスAD2で、@マークをドットに置き換えた文字列をそのまま、当該ユーザU2の期限付きアカウント名AC21としている。
【0131】
この場合、上述したように、電子メールアドレスAD2の具体的な値が「tarou.yamada@ddd.ne.jp」であり、前記仮想プリントサーバ20のドメイン名が「virtualp.com」であるとすると、当該期限付きアカウント名AC21は、「tarou.yamada.ddd.ne.jp」となり、期限付きアカウント名AC21を含む電子メールアドレスAD21は、「tarou.yamada.ddd.ne.jp@virtualp.com」となる。
【0132】
なお、上述したように、同じユーザ(ここでは、U2)に関して同じ期限付きアカウント名(例えば、AC21)を再利用する構成を取る場合、アカウント蓄積部56にすでに当該ユーザU2に発行済みの期限付きアカウント名が蓄積されていれば、電子メールアドレスAD2の@マークをドットに置き換える等の処理を行うことなく、蓄積されている期限付きアカウント名をそのまま再発行すればよい。
【0133】
発行(または再発行)した期限付きアカウント名AC21をユーザU2に通知する手段としては様々な方法が考えられるが、ステップS72,S73では、電子メールを用いて通知している。なお、ステップS72で発行しているパスワードは、ユーザU2が前記電子メールME1や添付ファイルF1の内容を知るために、ホテルサーバ24にログインするためのパスワードであるが、例えば、前記宿泊用パスワードSJ2と同じものであってよい。
【0134】
当該パスワードは、発行した期限付きアカウント名AC21とともに電子メールを用いてユーザU2に通知される。この電子メールには暗号化や電子署名などのセキュリティ対策を施したほうがよいことは当然である。
【0135】
当該期限付きアカウント名AC21の発行や通知を行ったあと、図5のステップS17では、前記ステップS14,S15で受信した宿泊管理情報をもとに、ユーザU2のスケジュールを作成し、前記スケジュールファイルF11に収容して保存する。このスケジュールは、単一のホテル(例えば、HT1)だけでなく、複数のホテル(ここでは、HT1,HT2)にまたがる宿泊のスケジュールである。
【0136】
次に、ステップS18では、ユーザU2のための前記メールボックス部64を生成(開設)している。
【0137】
なお、ステップS18につづくステップS19では、メールボックスID(期限付きアカウント名)であるAC21をホテルサーバ24へ通知している。上述したように、ユーザU2に対しては、すでに図11に示すステップS73で通知済みであるが、ホテルサーバ24に対しては、このステップS19で期限付きアカウント名AC21が通知される。この通知には、ホテルサーバ24側で予約者(ここでは、ユーザU2)と期限付きアカウント名AC21の対応関係が分かるように、当該期限付きアカウント名AC21とともに、当該ユーザU2の個人情報(例えば、住所、氏名や、前記電子メールアドレスAD2など)が含まれる。
【0138】
この通知を受けると、ホテルサーバ24は、宿泊管理部43の予約データベースDB2に含まれているユーザU2の個人情報と対応付けて、当該期限付きアカウント名AC21を予約データベースDB2に格納する。
【0139】
なお、ステップS21では、メールボックスID(期限付きアカウント名)AC21を予約者(ここでは、ユーザU2)も受信しているが、ユーザU2に対して図11に示すステップS73で通知する場合には、当該ステップS21は省略可能である。
【0140】
また、前記ステップS16〜S19の順番は必ずしも図示した通りである必要はない。例えば、上述したように、予約の受付からチェックインまでの期間が長く、チェックインが予定されている日時の所定期間前(例えば、2週間前)から第1拡張期間が開始するケースなどでは、ステップS18はS19のあとで実行されてもよい。
【0141】
なお、図6のフローチャートは、ホテルがWebサーバを公開しており、ユーザU2が当該Webサーバにアクセスすることによって予約などを行うケースを示しているが、実質的な処理の内容は図6とほぼ同様である。前記ホテルサーバ24がWebサーバの機能を備え、ホテルHT1のLAN12において例えば前記ファイアウオールのDMZ(Demilitarized Zone)などに設置され、公開されている場合などが、これに該当する。
【0142】
図6において、図5と同じ符号S11〜S21を付与した各ステップの処理は図5と同じなので、その詳しい説明は省略する。
【0143】
ただし図6ではWebアクセスが用いられるため、ステップS12〜S14でユーザU2からホテルHT1へ供給される宿泊管理情報は、Webサーバとしてのホテルサーバ24が提供するWebページ上に(フォームの仕組みを利用して用意される)各種入力欄などにユーザU2が必要事項を入力することによって、ホテルサーバ24側に収集されることになる。
【0144】
また、図6のステップS16などで発行される前記期限付きアカウント名AC21やパスワードは、図6の場合でも、電子メールを用いて通知することも可能であるが、HTTPレスポンスメッセージとして、ユーザU2側へ通知する構成とすることができる。
【0145】
なお、図6のステップS22では、前記宿泊管理情報に対応する情報を前記ホテルサーバ24の宿泊管理部43に対応するホテル予約システムに供給し、前記予約データベースDB2に格納しているが、このような処理は、例えば、CGIプログラムなどを利用して実現可能である。
【0146】
図7のフローチャートは、ユーザU2が宿泊の予約を行ってから、チェックインを実行するまでの期間(前記第1拡張期間に対応)の処理を示している。
【0147】
図7において、期限付きアカウント名AC21を含む新たな電子メールアドレスAD21に宛てて電子メール(例えば、ME1)を送信すると(S30)、当該電子メールME1は、受信されて、仮想プリントサーバ20内の前記メールボックス部64に着信する(S31)。
【0148】
なお、図1の例では、ユーザU2とは異なるユーザU1が、ユーザU2宛ての当該電子メールME1を送信しているが、ユーザU2自身が当該電子メールME1を送信してもよいことは当然である。例えば、ユーザU2が自身のパソコン(22)に保存しているファイルの内容を、ホテルHT1(またはHT2)に宿泊している時間を利用して閲覧したいと希望することもあり得、そのようなケースでは当該ファイルを添付ファイルF1とした電子メールME1を送信することになるからである。
【0149】
ステップS31につづくステップS32〜S37の各処理では、電子メールME1や添付ファイルF1から上述した出力用データOM1〜OM3(OF1〜OF3)を得るためのデータ形式の変換を実行している。所望のデータ形式の出力用データさえ得られれば、必ずしも図示した通りの順番で、図示した通りの処理を実行する必要はないが、図示の例では、前記出力用データOM2,OF2を得るため、電子メールME1の内容を音声出力用のデータOM2に変換し(S32)、当該出力データOM2をファイルに収容している(S33)。これにより、電子メールME1や添付ファイルF1に含まれる自然言語などの文字列は、合成音声などによる音声出力が可能な状態となる。
【0150】
また、前記出力用データOM1やOF1を得るためには、添付ファイルF1を展開し(S34)当該添付ファイルF1の内容に応じた画面イメージを作成したあと(S35)、電子メールME1の本文部分や、必要に応じてメールヘッダの各フィールドの情報などを画面イメージに合成してテレビ出力用の当該出力用データOM1やOF1を生成している。
【0151】
さらに、出力用データOM3やOF3を得るためには、前記ステップS35で生成した画面イメージ(画像データ)を用いて、添付ファイルF1の内容に対応する印刷出力用の出力用データOF3としている。もちろん、前記ステップS36で生成した画面イメージを用いて、電子メールME1の本文部分や、メールヘッダの各フィールドの情報などの内容に対応した印刷出力用のデータOM3を生成してもよいことは当然である。
【0152】
これらステップS32〜S37は、電子メールME1の本文部分に有効な記述が存在し、添付ファイルF1が画像データ(静止画像データ)であるケースに対応する処理であるが、一般的には、例えば、添付ファイルF1のデータが静止画像データでないこともあり得る。添付ファイルF1のデータが、例えば、音声データや動画像データである場合には、処理は図示したものとは異なるものになる。
【0153】
音声データに対応する音声出力は、通常、プリント端末27から印刷出力することはできず、テレビ端末25から画面表示出力することもできないからである。したがって、前記ステップS32やS34の中で、元の添付ファイルF1のデータ形式(例えば、MIMEタイプ)を判定し、その判定結果に応じて、実行するデータ形式変換処理(この変換処理では、さらに詳細なレベルでのデータ形式の整合性を獲得するため、例えば、MIMEのサブタイプを一致させるような変換処理を実行する)の内容を決めたり、そのデータ形式変換処理を実行するか否かを決めたりすることも望ましい。
【0154】
なお、元の添付ファイルF1のデータが例えば音声データであっても、音声認識などの技術を利用して、当該音声データに対応する文字列を生成し、その文字列を示す画像データを生成する場合には、音声データに対応する当該画像データをもとに、プリント端末27から印刷出力を行ったり、テレビ端末25から画面表示出力を行うこと等も可能となる。
【0155】
また、元の添付ファイルF1のデータが動画像データである場合、テレビ端末25からは、そのまま当該動画像データに対応する動画を画面表示出力することが可能である。プリント端末27では通常、動画像データに応じた動画をそのまま印刷出力することはできないが、動画像データを複数の画像データ(静止画像データ)に分解すれば、各静止画像データに応じた印刷出力を行うことが可能である。
【0156】
この点からも明らかなように、電子メールME1の状態(有効な本文部分の有無)や添付ファイルF1のデータのデータ形式、およびステップS32〜S37で実行する処理の内容などの条件によっては、必ずしも、出力用データOM1〜OM3,およびOF1〜OF3の全種類が得られるとは限らないが、これらの出力用データが1種類でも得られた場合には、得られた出力用データは、メールボックス部64に格納される(S38)。
【0157】
なお、上述した転送などに備えるため、出力用データOM1〜OM3,およびOF1〜OF3に変換する前の元の電子メールME1や添付ファイルF1も、当該メールボックス部64に残しておくことが望ましい。
【0158】
次に、図8のフローチャートを用いてユーザU2がチェックインしたときの処理について説明する。
【0159】
ユーザU2がホテルHT1に宿泊するために、ノート型パソコンなどを携帯することなく当該ホテルHT1のフロントまで出向いてチェックインを行う。この場合、ホテルHT1の従業員CL1の操作などに応じて、前記フロント端末23がユーザU2のチェックインを検知すると(S40)、ホテルサーバ24は、ユーザU2の氏名(宿泊用パスワードSJ2等でも可)などを検索キーとして、前記ステップS20で予約データベースDB2に格納した期限付きアカウント名AC21を抽出することができるので(S41)、当該期限付きアカウント名AC21を通知して仮想プリントサーバ20へユーザU2のチェックインが行われたことを示す宿泊管理情報を伝えることができる(S42)。
【0160】
このステップS40の実行時に、ユーザU2は自身の氏名などとともに、前記ワンタイムパスワードとしての宿泊用パスワードSJ2を、フロントの従業員CL1に告げるようにしてもよい。この場合、ホテルサーバ24または仮想プリントサーバ22などで、発行済みの宿泊用パスワードと照合することによりユーザ認証を行うことができるから、なりすましを検知、防止することが可能となり、ユーザU2宛ての電子メールME1やその添付ファイルF1の内容を、第3者に知られることを防止できる。
【0161】
ステップS42につづくステップS43では、仮想プリントサーバ20が、前記期限付きアカウント名AC21を用いて、当該ユーザU2のために確保された前記メールボックス部64を特定し、当該メールボックス部64に保管されている前記出力用データOM1〜OM3(OF1〜OF3)をホテルサーバ24へ送信する。
【0162】
これを受信したホテルサーバ24は、ユーザU2のために設けた前記データ格納部44に、当該出力用データOM1〜OM3(OF1〜OF3)を格納する(S44)。なお、データ形式を変換する前の電子メールME1やその添付ファイルF1ではなく、当該出力用データOM1〜OM3(OF1〜OF3)、すなわちF31を格納するのは、電子メールME1や添付ファイルF1のままでは、通常、テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27などによる各種出力を行うことができず、ノート型パソコンなどを携帯していないユーザU2が電子メールや添付ファイルの内容を知ることができないからである。
【0163】
有効な出力用データ(例えば、OM1など)が、データ格納部44に格納されると、ユーザU2には電子メールが届いている旨が通知される(S45)。この通知は、チェックインが行われたあと、ユーザU2の宿泊している客室などに電話などをかけること等によって知らせるようにしてもよいが、仮想プリントサーバ20側のメールボックス部64に着信している電子メールの存否だけを予め確認し確認結果をフロント端末23などに表示できるようにしておけば、着信している電子メールがあることは、チェックインの時点に従業員CL1からユーザU2へ告げることが可能である。
【0164】
チェックインによりホテルHT1の宿泊者となったユーザU2は、前記テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27のうちの所望の端末を利用して当該出力用データの出力を行わせ、電子メールME1や添付ファイルF1の内容を知ることができる。その際、ユーザU2は、前記テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27などに、前記宿泊用パスワードSJ2を入力してホテルサーバ24にログインし、データ格納部44に格納されている出力用データ(例えば、OM1など)を取り出すことになる。
【0165】
ここで、ステップS43によって出力用データ(例えば、OM1など)がインターネット11上を送信されるときや、出力用データがデータ格納部44に格納されているときには、当該出力用データは暗号化された状態にあり、前記テレビ端末25などから出力する際に復号することが望ましい。インターネット11上を送信されるときに暗号化しておくのは、インターネット11上で情報盗聴されることを防止するためであり、データ格納部44に格納されているときに暗号化しておくのは、ホテルHT1側のシステム管理者などによって、データ格納部44に格納されている出力用データの内容が知られることを防止するためである。システム管理者には制限のないアクセス権限が与えられ、ホテルサーバ24内の各種資源(データ格納部44も含む)に自由にアクセスすることができるのが普通であり、暗号化を施しておかなければ、出力用データの内容もシステム管理者に知られる可能性があるからである。
【0166】
同様な理由で、仮想プリントサーバ20側のメールボックス部64に格納されているときにも、電子メールやその添付ファイル、および出力用データを暗号化しておくことが望ましい。
【0167】
なお、ユーザU2がチェックインを行ったことは、ホテルサーバ24などを経由して仮想プリントサーバ20に伝えられ、前記ユーザ管理部54に格納されるため、制御部51はいつでも、当該ユーザ管理部54や宿泊スケジュール管理部58に格納されているユーザU2に対応する宿泊管理情報を検査することにより、ユーザU2がホテルHT1にチェックインを行ったことを検知することができる。
【0168】
図9のフローチャートは、主として、ユーザU2がホテルHT1でチェックインを行ったあとの処理を示す。
【0169】
図9において、図7と同じ符号を付与したステップS30,S31の処理は、図7に対応するので、その詳しい説明は省略する。
【0170】
また、ステップS31につづいて実行されるステップS50の処理の詳細は、すでに説明した図7のステップS32〜S38と同じである。したがって、ステップS50が終了した時点で、メールボックス部64に着信している電子メールやその添付ファイルとそれらに対応する出力用データは、すでにメールボックス部64に保存されている。
【0171】
ユーザU2のためのメールボックス部64に電子メール(例えば、ME1)が着信しその添付ファイル(例えば、F1)なども含むデータのデータ形式変換処理が完了すると(S50)、仮想プリントサーバ20の制御部51は、ユーザU2がホテルHT1にチェックインしたか否かなどの宿泊状況を、ユーザ管理部54に格納されているユーザU2に関する前記宿泊管理情報をもとに検査する(S51)。このステップS51の検査は、新たな電子メールおよびその添付ファイルがメールボックス部64に着信するたびに繰り返し実行されるものであってよい。
【0172】
この検査の結果には、次の3通りがある。すなわち、まだチェックイン(CI)を行っておらず、なおかつ、チェックアウト(CO)を行っていないとの検査結果(CI未、CO未)と、チェックインを行っており、なおかつ、チェックアウトを行っていないとの検査結果(CI済み、CO未)と、チェックインを行っており、なおかつ、チェックアウトも行っているとの検査結果(CI済み、CO済み)の3通りである。
【0173】
このうち検査結果(CI未、CO未)は、前記第1拡張期間(ここでは、ST11)に対応し、検査結果(CI済み、CO未)は、前記基本サービス期間(ここでは、ST12)に対応し、検査結果(CI済み、CO済み)は、前記第2拡張期間(ここでは、ST13)に対応する。
【0174】
検査結果(CI未、CO未)の分岐につづくステップS58では、すでにステップS50で実行されたように、メールボックス部64へ出力用データを保存した状態を維持するだけである。
【0175】
検査結果(CI済み、CO未)の分岐につづくステップS55では、メールボックス部64にユーザU2宛ての電子メールが着信したことを、前記ホテルサーバ24へ通知している。このあと、ステップS56,S57およびそれ以降のステップで実行される処理は、すでに図8に示したステップS43以降の処理と実質的に同じである。
【0176】
すなわち、ステップS56で出力用データの収容した保管ファイルをメールボックス部64から引き出すことを指示すると、仮想プリントサーバ20側で前記ステップS43に対応する処理などが実行され、出力用データが、ホテルサーバ24側のデータ格納部44に格納されて、前記ステップS45と同様に、ユーザU2に対しメールが届いていることが通知される(S57)。
【0177】
この通知は、宿泊中のユーザU2がフロントに訪れたときに従業員CL1などが伝えてもよく、ユーザU2が宿泊している客室に電話をかけること等によって伝えてもよいことは、前記ステップS45の場合と同様である。また、この通知を受けてユーザU2が行う対応や各部の処理も、ステップS45以降と同様であり、ユーザU2は、前記宿泊用パスワードSJ2を入力してホテルサーバ24にログインし、データ格納部44に格納されている出力用データ(例えば、OM1など)を取り出して、前記テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27などから当該出力用データの出力を行わせることになる。
【0178】
なお、前記検査結果(CI済み、CO済み)の分岐につづくステップS52では、仮想プリントサーバ20側の転送制御部61が、前記メールボックス部64のなかに保存しておいた出力用データに変換する前の電子メールやその添付ファイルを、転送アドレス登録部60に登録されている転送先のアドレスへ転送する。
【0179】
そして、このように前記第2拡張期間内に届いた電子メールの送信元(メール送信者)に対しては、前記通知メール生成部62が生成した通知メールを送信する。この通知メールを読んだ当該メール送信者は、それ以後、当該電子メールアドレスAD21に宛てた電子メールの送信を控えることになる。なお、転送制御部61が前記転送アドレス登録部60に登録されている転送先のアドレスに宛てて電子メールを送信しても送達することができず、エラーメールなどが戻ってくることがあり得るが、そのようなケースでは、第2拡張期間内にメールボックス部64に着信した電子メールを、その送信元メールアドレスをもとに、メール送信者へ転送するようにしてもよい。
【0180】
転送先のアドレスに当該電子メールが転送できた場合(S54)、ユーザU2は、その電子メールや添付ファイルを閲覧することができる。ここでは、転送のための通信アプリケーションとして電子メールを用いる場合を示している。ユーザU2が転送先のアドレスとして例えば前記電子メールアドレスAD2などを指定してある場合には、例えば、自宅に設置したパソコンなどを用いて当該電子メールを閲覧することができる。
【0181】
ここで説明したステップS52〜S54の処理と一部重複するが、チェックアウト時の処理の詳細は、図10に示したフローチャートのようになる。
【0182】
ホテルHT1のフロント端末23で、ユーザU2がホテルHT1からチェックアウトしたことを検知すると(S60)、その検知は、所定の検索キー(ユーザU2の氏名や宿泊用パスワードSJ2など)とともにホテルサーバ24へ伝えられ、ホテルサーバ24では、当該検索キーを用いて予約データベースDB2を検索することでユーザU2の期限付きアカウント名AC21を特定し(S61)、仮想プリントサーバ20へ通知する(S62)。
【0183】
また、前記ステップS60におけるチェックアウトの検知を受けてホテルサーバ24では、データ格納部44に格納されている各出力用データを収容したファイルF31を削除する(S66)。なお、ここでは、ファイルの削除ではなく、フォルダ(ディレクトリ)の1つとしてユーザU2のために生成された当該データ格納部64そのものを削除するようにしてもよい。
【0184】
一方、前記ステップS62の通知を受けた仮想プリントサーバ20では、前記宿泊スケジュール管理部58内のスケジュールファイルF11またはユーザ管理部54に格納されている宿泊管理情報の内容を変更する(S63)。
【0185】
次のステップS64は、前記ステップS52に対応する転送処理であり、転送処理の実行後も、メールボックス部64において、一定期間、出力用データまたは、電子メールやその添付ファイルを収容したファイルの保管を継続している(S64)。
【0186】
ホテルHT1につづいてユーザU2が宿泊するホテルHT2に関しても、以上と同様な処理が実行され得るが、ホテルHT2も、ホテルHT1と同様、仮想プリントサーバ20のホテル会員である場合には、上述したように最初のホテルHT1における前記第2拡張期間ST13は存在せず、ホテルHT1に関する基本サービス期間ST12の終了後ただちに、次のホテルHT2に関する第1拡張期間ST21(または基本サービス期間ST22)が開始する。
【0187】
これは、最初のホテルHT1に関する処理では、図9に示したステップS51の検査結果(CI済み、CO済み)に対応する分岐が存在しないことを意味するから、最初のホテルHT1に関しては、ステップS52〜S54に対応する処理も実行されない。
【0188】
(A−2)実施形態の効果
本実施形態によれば、宿泊時にノート型パソコンや携帯電話機などを携帯していないユーザ(U2)でも、ホテル(HT1,HT2)に関する前記サービス期間内などに届いた電子メールや添付ファイルの内容を知ることができるため、利便性が高い。
【0189】
また、この際、プリンタドライバのインストールなどの煩わしい作業を行う必要がない点も、利便性の向上に寄与してる。
【0190】
さらに、前記期限付きアカウント名(AC21)として、記憶しやすいアカウント名や短いアカウント名を利用することができる点も、利便性の向上に寄与する。
【0191】
また本実施形態は、基本的に恒久的なパスワード(例えば、PW2)などの機密性の高い情報を、ビジネスセンタの装置(例えば、パソコンなど)等に入力する必要がない構成であるため、セキュリティ性が高い。
【0192】
(B)他の実施形態
上記実施形態では、一人のユーザ(例えば、U2)のために設けるフォルダ(ディレクトリ)の数を1つとしたが、一人のユーザのためのデータ格納部44として複数のフォルダ(ディレクトリ)を用意してもよいことは当然である。この点、前記メールボックス部64も同様である。
【0193】
また、上記実施形態では、ホテルに宿泊するユーザU2が電子メールを受信する場合を例に説明したが、ホテルに宿泊中のユーザU2から電子メールを送信することも可能である。例えば、テレビ端末25などに、電子メールの本文部分の内容などを編集する機能を設ければ、編集し作成した電子メール(あるいは、その内容)を、上述した電子メールME1を受信しその内容をユーザU2が知るための経路を反対方向に転送させ、転送中の各過程で必要な処理を施すことによって、電子メールを送信することができるからである。
【0194】
なお、上記実施形態では、「tarou.yamada@ddd.co.jp」などの電子メールアドレスを前提としたが、すべての電子メールシステムにおいて、このような電子メールアドレスが用いられるとは限らない。例えば、アカウント名とドメイン名のあいだに、@マークではなく、!マークを配置する場合や、ドメインの階層構造のうち上位のものほど左側に記述する場合などもあり得、本発明は、そのような電子メールアドレスを用いるケースにも適用可能である。
【0195】
また、前記インターネット11はその他のネットワークに置換可能である。例えば、特定の通信事業者が提供するIP網や、IP−VPN網などに置換可能である。
【0196】
さらに、上記実施形態にかかわらず、テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27は、必ずしもこれら3種類すべてを用意する必要はない。また、3種類の一部または全部を他の種類の出力装置と置換してもかまわない。
【0197】
なお、上記実施形態で仮想プリントサーバ20に搭載した多数の機能(構成要素53〜64などの機能)は、複数のサーバに分散して配置してもよいことは当然である。
【0198】
また、上記実施形態では、ユーザU2が2つのホテルHT1,HT2に連続的に宿泊するケースを例に説明したが、連続的に宿泊するホテルの数は3つ以上であってもよい。また、1つのホテルだけに宿泊するケースにも本発明は適用可能である。
【0199】
以上の説明にかかわらず、前記ホテルはホテル以外の宿泊施設に置換可能である。また、宿泊施設にも限定せず、新幹線、飛行機、船など、予めその利用を予約するか、予約しないとしても、利用する際に何らかの個人情報を登録する必要のある公共交通機関などにも置換可能である。
【0200】
また、一連のスケジュールのなかに異種の宿泊施設や異種の公共交通機関が混在しているケースにも、本発明は適用可能である。
【0201】
さらに上記実施形態では、電子メール(ME1など)を前提として説明したが、本発明は電子メール以外の通信手段にも適用可能である。例えば、FTPプロトコルによるファイル転送などにも本発明は適用することができる。この場合、前記仮想プリントサーバ20には、FTPサーバとしての機能を搭載することになる。
【0202】
以上の説明では主としてハードウエア的に本発明を実現したが、本発明はソフトウエア的に実現することも可能である。
【0203】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、利便性が高く、セキュリティ性に優れた情報保管システム及び情報保管サービス方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る通信システムの全体構成例を示す概略図である。
【図2】実施形態で使用する仮想プリントサーバの主要部の構成例を示す概略図である。
【図3】実施形態で使用するホテルサーバの主要部の構成例を示す概略図である。
【図4】実施形態で使用するフロント端末等の主要部の構成例を示す概略図である。
【図5】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図6】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図9】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図10】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図11】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…通信システム、11…インターネット、12,13…LAN、21…MMK端末、22…パソコン、23…フロント端末、24…ホテルサーバ、25…テレビ端末、26…電話端末、27…プリント端末、30,40、50…通信部、31,41、51…制御部、32…操作部、33…表示部、34,42、52…記憶部、43…宿泊管理部、44…データ格納部、54…ユーザ管理部、55…アカウント発行部、56…アカウント蓄積部、57…アカウント比較部、58…宿泊スケジュール管理部、59…データ変換部、60…転送アドレス登録部、61…転送制御部、62…通知メール生成部、63…メールボックス管理部、64…メールボックス部、AC21…期限付きアカウント名、ME1…電子メール、F1…添付ファイル、OM1〜OM3,OF1〜OF3…出力用データ。
【発明の属する技術分野】
本発明は情報保管システム及び情報保管サービス方法に関し、例えば、宿泊施設や公共交通機関の利用中、電子メールの送受を行う場合などに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
ホテルなどでは、外部から宿泊者へ情報を届けるための通信手段としてファクシミリが用いられることが多い。このケースでは、宿泊者にファクシミリが届いた場合、ホテルの従業員がそのファクシミリを管理しておき、フロントなどを介して宿泊者へ渡す形になる。
【0003】
また、ホテルの客室内にインターネット接続用のコネクタなどを用意しておき、客室に泊まった宿泊者のパーソナルコンピュータなどを当該コネクタに接続することで、インターネットアクセスが行えるようにしてあることも少なくない。その場合、宿泊者は、自宅などからインターネットアクセスするときと同様、自身が契約しているISP(インターネットサービスプロバイダ)のメールサーバに確保した自身のメールボックスにアクセスすることにより、当該メールボックスに着信している自身宛ての電子メールを受信して閲覧したり、反対に当該メールサーバ経由で電子メールを送信したりすること等も可能である。また当該パーソナルコンピュータを用いれば、イントラネット(例えば、当該宿泊者が勤務している会社のLAN(ローカルエリアネットワーク))へ、インターネット経由または公衆電話網経由でリモートアクセス(例えば、VPN(バーチャルプライベートネットワーク)などを利用したリモートアクセス)することも可能である。
【0004】
さらに、当該宿泊者がオンラインストレージサービスの契約を行っている場合には、当該インターネット接続用のコネクタにパーソナルコンピュータなどを接続することで、インターネット上のストレージサーバに保管されているファイルを受信することもできる。これにより、ファイルを保管した者と宿泊者のあいだでメッセージ交換を行うこと等も可能である。
【0005】
なお、ホテルの内部にはビジネスセンタを設け、当該ビジネスセンタ内に設置したパーソナルコンピュータやプリンタを、多くの宿泊者が共用できるようにしてあることも多い。このケースでは、個々の宿泊者は、宿泊時に自身のパーソナルコンピュータを携帯していなくても、ビジネスセンタ内のパーソナルコンピュータを用いてインターネットアクセス(電子メールの送受、前記ストレージサーバへのアクセス、リモートアクセスを含む)を行ったり、インターネットアクセスにより当該パーソナルコンピュータに受信したファイルの内容をプリンタを介して印刷出力したりすることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したファクシミリを用いるケースでは、ファクシミリで受信され印刷出力された紙の文書の管理が適切に行われるか否かは、ホテル側の管理体制やホテルの従業員のセキュリティ意識に依存する。したがって、管理体制や従業員のセキュリティ意識などに問題がある場合、その文書が機密性の高いものであっても、機密が維持できない可能性もある。
【0007】
また、宿泊者が自身のパーソナルコンピュータを客室のインターネット接続用コネクタに接続するケースでは、携帯電話機などに比べるとサイズも重量も大きいパーソナルコンピュータ(例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ)を携帯し、ホテルに持ち込まなければならない点で不便である。携帯電話機などにもメーラを搭載し、電子メールの送受、閲覧が可能なものもあるが、携帯電話ネットワークを運営する携帯電話事業者により、添付ファイルの受信はできない旨の制約が課されていることが少なくない。また、たとえ当該制約がないケースであっても、携帯電話機の画面は小さく、キー操作は煩雑であるため、電子メール閲覧時の利便性に欠け、電子メールを印刷出力することは困難である。
【0008】
なお、宿泊者自身のパーソナルコンピュータには、通常、ホテルのビジネスセンタなどに設置されたプリンタに対応するプリンタドライバがインストールされていないため、電子メールや添付ファイルの内容を印刷出力するには、プリンタドライバのインストールを行うか、あるいは、すでにプリンタドライバがインストールされている前記ビジネスセンタ内のパーソナルコンピュータを利用する必要がある。
【0009】
プリンタドライバのインストールを行うことは宿泊者にとって煩わしいし、ビジネスセンタ内のパーソナルコンピュータを利用する場合には、次に述べるように、宿泊者自身のパーソナルコンピュータを用いず、最初からビジネスセンタ内のパーソナルコンピュータを利用する場合と同様な問題が発生する。
【0010】
ホテルのビジネスセンタに設置されているパーソナルコンピュータを利用するケースでは、当該パーソナルコンピュータは、所有権がホテル側にあり、多数の宿泊者に共用されるものである点などで、宿泊者から見た場合、セキュリティ性に不安が残る。
【0011】
例えば、前記ストレージサーバがパスワードを用いたユーザ認証を行うものであるケースや、VPNによるリモートアクセスを行うケースなどでは、パスワードなどの機密性の高い情報をパーソナルコンピュータに入力する必要があるため、ユーザ自身に所有権がなく、なおかつ共用される当該パーソナルコンピュータを介して機密性の高い情報が漏洩する可能性があるからである。もちろん、受信または送信した電子メールや添付ファイルの内容が漏洩する可能性もある。これらの情報の漏洩は、宿泊者が削除することを忘れたり、削除は行っても(論理的にはメーラなどのアプリケーションにより、削除したものとして扱われていても)一般的なパーソナルコンピュータの機構上、削除したファイルの内容が物理的にはハードディスクなどに残存すること等に起因して発生し得る。
【0012】
なお、ストレージサーバを利用しないケースや、リモートアクセスを行わないケースでも、電子メールや添付ファイルの内容が漏洩する可能性がある点は同じである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の本発明では、送信元または宛先となる各ユーザが各通信装置からアクセスし得るネットワーク上のリモート保管サーバ(例えば、仮想プリントサーバ20など)に、送信元ユーザ(例えば、ユーザU1など)から宛先ユーザ(例えば、ユーザU2など)へ送信した保管対象データ(例えば、電子メールME1やその添付ファイルF1など)を保管するための個別ユーザ用データ保管部(例えば、メールボックス部64など)を設ける情報保管システムであって、前記宛先ユーザを収容する収容施設(例えば、ホテルHT1,HT2など)側に配置される収容施設側システム(例えば、ホテルサーバ24など)を有し、当該収容施設側システムは、前記宛先ユーザを当該収容施設に収容しているか否かを管理する収容管理部(例えば、宿泊管理部43など)を備え、前記リモート保管サーバは、前記個別ユーザ用データ保管部を、前記宛先ユーザに対応付けて管理するための保管管理部(例えば、メールボックス管理部63など)を備え、前記収容施設側システムまたはリモート保管サーバは、前記収容施設が宛先ユーザを収容している期間に対応する有効期間(例えば、サービス期間ST1,ST2など)のあいだ有効で、少なくとも当該収容施設側システムの内部において宛先ユーザを一意に指定する機能を持つ期間限定ユーザ名(例えば、AC21など)を発行するユーザ名発行部(例えば、アカウント発行部55など)を有することを特徴とする。
【0014】
また、第2の本発明では、送信元または宛先となる各ユーザが各通信装置からアクセスし得るネットワーク上のリモート保管サーバに、送信元ユーザから宛先ユーザへ送信した保管対象データを保管するための個別ユーザ用データ保管部を用いる情報保管サービス方法であって、前記宛先ユーザを収容する収容施設側に配置される収容施設側システムが、収容管理部を用いて、前記宛先ユーザを当該収容施設に収容しているか否かを管理し、前記リモート保管サーバでは、保管管理部が、前記個別ユーザ用データ保管部を、前記宛先ユーザに対応付けて管理し、前記収容施設側システムまたはリモート保管サーバに設けられたユーザ名発行部が、前記収容施設が宛先ユーザを収容している期間に対応する有効期間のあいだ有効で、少なくとも当該収容施設側システムの内部において宛先ユーザを一意に指定する機能を持つ期間限定ユーザ名を発行することを特徴とする。
【0015】
これにより、前記有効期間のあいだ期間限定ユーザ名を用いて宛先ユーザと個別ユーザ用データ保管部を関連付けることができ、宛先ユーザに宛てた保管対象データの送信が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる情報保管システム及び情報保管サービス方法を、インターネット上に配置された仮想プリントサーバを含む通信システムに適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0017】
(A−1)実施形態の構成
本実施形態の通信システム10の全体構成例を図1に示す。
【0018】
図1において、当該通信システム10は、インターネット11と、LAN(ローカルエリアネットワーク)12,13と、前記仮想プリントサーバ20と、MMK(マルチメディアキオスク)端末21と、パソコン(パーソナルコンピュータ)22、28,29と、フロント端末23と、ホテルサーバ24と、テレビ端末25と、電話端末26と、プリント端末27とを備えている。
【0019】
このうちLAN12は、ホテルHT1の内部に構築されたLANであり、LAN13は、HT1とは別のホテルHT2の内部に構築されたLANである。図1上でLAN12に接続するように図示した構成要素23〜27は、LAN12内に含まれる構成要素である。本実施形態において、ユーザU2はホテルHT1に宿泊したあと、ホテルHT2に宿泊するものとする。ただしユーザU2は、ホテルHT1などの宿泊客となる以前に仮想プリントサーバ20の会員であり、仮想プリントサーバ20にその個人情報を申告した上で会員登録を行っている。ただしユーザU2は、一般的な仮想プリントサービスの提供を受けるために登録している会員とは別個に、本実施形態で述べるサービスだけを受けることを目的として会員登録を行っている者であってもよい。
【0020】
図1上は省略しているが、ホテルHT2側のLAN13にも、構成要素23〜27と同様な構成要素が含まれる。なお、LAN12,13には、図示しないファイアウオール、ルータ、DNSサーバなどが含まれていてよいことは当然である。
【0021】
LAN12内の構成要素23〜27のうち、フロント端末23は、ホテルHT1のフロント業務に従事する従業員CL1などに操作される情報処理装置で、ユーザU2の宿泊の予約、チェックイン、チェックアウトなどの宿泊管理は、このフロント端末23を介して入力される情報に基づいて実行される。
【0022】
フロント端末23は、例えば、図4に示す内部構成を有するものであってよい。
【0023】
なお、フロント端末23以外の構成要素21,22,25〜27の内部構成も、図示したレベルの詳細さでみる限り、図4と同じであってよい。
【0024】
(A−1−1)フロント端末の内部構成例
図4において、当該フロント端末23は、通信部30と、制御部31と、操作部32と、表示部33と、記憶部34とを備えている。
【0025】
このうち通信部30はLAN12を経由した通信のために機能する部分である。通信部30の主な通信相手はホテルサーバ24なので、LAN12内の通信だけを行うもので足りるが、必要に応じて、インターネット11経由の通信を行えるようにしてもよい。
【0026】
操作部32は、ホテルHT1の従業員CL1が操作してフロント端末23に指示を伝える部分で、例えば、マウスなどのポインティングデバイスやキーボードなどを有する。ただし図4にテレビ端末25を示したものとみる場合には、操作部32にはテレビ端末25を操作するためのリモコン送信機などが該当する。同様に、電話端末26を示したものとみる場合には電話端末26上に配列されたボタンが、プリント端末(プリンタ)27を示したものとみる場合には、プリント端末27上に配列されたボタンが、当該操作部32に該当し得る。
【0027】
また、図4にパソコン22を示したものとみる場合には、操作部32を操作するのはユーザU1(または、ユーザU2)であり、MMK端末21,テレビ端末25,電話端末26,またはプリント端末27を示したものとみる場合には、操作部32を操作するのは、通常、ユーザU2である。ここで、ユーザU1は、ホテルHT1に宿泊するユーザU2に宛てて電子メールME1を送信するユーザを示している。当該電子メールME1には添付ファイルF1が添付されているものであってよい。
【0028】
表示部33は、フロント端末23が搭載するアプリケーションソフト(例えば、メーラやWebブラウザなど)の機能に応じて画面表示を行うディスプレイ装置に対応する部分である。図4にフロント端末23以外の構成要素21,22,25〜27を示したものとみる場合、表示部33の具体的な構成や、表示を目視する主体が変化し得る点は、前記操作部32の場合と同様であるのは当然である。
【0029】
制御部31は、ハードウエア的には当該フロント端末23のCPU(中央処理装置)に相当し、ソフトウエア的にはOS(オペレーティングシステム)、前記メーラ、Webブラウザなどの各種プログラムに相当する部分である。
【0030】
記憶部34はハードウエア的には、RAM(ランダムアクセスメモリ)や、ハードディスクなどによって構成される記憶資源であり、ソフトウエア的には、各種のファイルがこの部分に含まれ得る。前記メーラやWebブラウザなどのプログラムファイルもこのようなファイルの一つであるから、メーラやWebブラウザなども、その物理的な実体は、この記憶部34に位置する。
【0031】
なお、本実施形態の構成上、ユーザU2がホテル(例えば、HT1)に宿泊する際には、ユーザ認証を行って、なりすましを検知、防止できることが望ましい。なりすましの検知のためには、対面で身分証明書(例えば、運転免許証など)の提示を求めること等も考えられるが、例えば、次のような方法を用いることも簡便である。
【0032】
すなわち、フロント端末23側へ予め仮想プリントサーバ20の会員(当然、U2も含む)の公開鍵(ここでは、ユーザU2の公開鍵をPK2とする)を配送しておき、ユーザU2がホテルHT1の宿泊を予約するときには、その旨の電子メール(この電子メールは、例えば、Webアクセスなどに置換可能)を前記公開鍵PK2に対応する自身の秘密鍵(ここでは、VK2とする)で暗号化した上で送信する構成とする。秘密鍵VK2を使用できるのはユーザU2のみであるから、予約のための当該電子メールを公開鍵PK2を用いて正しく復号できれば、その電子メールを送信した者が、ユーザU2自身であることをフロント端末23側で検証することができる。
【0033】
さらに、当該検証の結果がOKであれば、固有の文字列(宿泊用パスワードSJ2)を記述した電子メールを公開鍵PK2で暗号化した上でフロント端末23(または、仮想プリントサーバ20)側からユーザU2へ返送するようにすれば、その電子メールを受信したユーザU2は前記秘密鍵VK2でこの電子メールを復号して当該宿泊用パスワードSJ2を取得することができるから、宿泊のため実際にホテルHT1のフロントへ出向いたときには、従業員CL1に、自身の氏名などとともに当該宿泊用パスワードSJ2を申告するようにする。
【0034】
その後、宿泊期間中に外出先から戻ったユーザU2がホテルHT1における自身の客室の鍵をフロントから受け取るとき等にも、適宜、前記宿泊用パスワードSJ2を申告させて、ユーザ認証を行うようにしてもよい。
【0035】
ただし従業員CL1に口頭で申告する替わりに、自動的に当該宿泊用パスワードSJ2の申告を行うことができる機構(例えば、いわゆるICタグなど)を利用するようにしてもよい。これにより従業員CL1を介して宿泊用パスワードSJ2の漏洩などが起きる危険性も排除できる。
【0036】
当該宿泊用パスワードSJ2は、1つの宿泊期間中のみ有効な一種のワンタイムパスワードとすることが望ましい。
【0037】
ユーザU2に関するパスワードとしては、仮想プリントサーバ(仮想プリントサービス)20の会員としてのパスワード(ここでは、PW2とする)もあるが、仮想プリントサービスの会員としてのパスワードPW2は基本的に恒久的なパスワードであるため、宿泊用パスワードSJ2をワンタイムパスワードとして、パスワードPW2と使い分けることで、いっそう強固なセキュリティ性を確保することも可能になる。
【0038】
例えば、テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27を使用するときには、事前に各構成要素25〜27に対し、当該宿泊用パスワードSJ2を入力させてユーザ認証を行うようにするとよい。
【0039】
ここで、テレビ端末25は、基本的に通常のテレビ受像機としての機能を持つものであってよいが、電子メールME1や添付ファイルF1の内容(後述するように、データ形式は変換する)を画面表示する必要がある。必要に応じて、例えば、BML(Broadcast Markup Language)を処理する機能を当該テレビ端末25に搭載してもよい。
【0040】
ユーザU2がテレビ端末25に電子メールME1や添付ファイルF1の内容(必要に応じて、メールヘッダの情報(例えば、送信元のメールアドレスなど)も含む)を画面表示させるには、その画面表示のもとになるデータを保管しているサーバ(仮想プリントサーバ20でもよいが、本実施形態ではホテルサーバ24とする)に対し、アカウントを送信する必要があるが、アカウントは秘密の情報ではないし、ホテルの客室は、ユーザU2の不在のときに、例えば、清掃作業員が入室したり、ホテルの従業員が入室する可能性もあるため、確実に、ユーザU2以外の者が電子メールME1や添付ファイルF1の内容を知ることができないようにするには、アカウントのほかに秘密の情報を利用してユーザ認証を行う構成とすることが望ましい。この秘密の情報として、上述した宿泊用パスワードSJ2を用いることが考えられる。
【0041】
テレビ端末25の所有権はホテルHT1側にある点や、ユーザU2のあとには他の宿泊客が当該テレビ端末25を利用する点などを考慮すると、当該テレビ端末25はセキュリティ上、上述したビジネスセンタ内に設置されているパーソナルコンピュータに類似した位置づけになるとみることができるから、恒久的なパスワードPW2を当該テレビ部端末25に入力することは好ましくないといえるが、ワンタイムパスワードとしての宿泊用パスワードSJ2を入力するなら、そのような弊害は軽減または解消される。
【0042】
また、前記電話端末26は基本的に通常の電話機としての機能を持つものであってよいが、電子メールME1や添付ファイルF1の内容を音声出力してユーザU2に聴取させる必要がある。ただし通常の電話端末は公衆電話網に接続されるものであるため、図示したようにLAN12に直接、接続するには、LAN12内の通信プロトコルとしてOSI参照モデルのネットワーク層ではIPプロトコルを用い、なおかつ、当該電話端末26をVoIP対応のIP電話機などとする必要がある。もちろん、VoIPゲートウエイやIP−PBXを経由すれば、VoIP非対応の通常の電話端末をLANに接続することも可能である。
【0043】
アカウントや宿泊用パスワードSJ2が、数字以外の文字を含む文字列である場合、電話端末26を介して当該アカウントや宿泊用パスワードSJ2を入力することは容易ではないと考えられるが、例えば、合成音声などによるガイダンスを利用すれば必ずしも不可能ではない。
【0044】
また、電話端末26は必ずしもホテルHT1の客室内に設置されたものである必要はないので、前記ビジネスセンタ内に設置された電話端末や、ホテルHT1の外に設置された電話端末を利用することも可能である。
【0045】
なお、電話端末26がIP電話機の場合、その外観は必ずしも一般的な電話機に類似したものとは限らず、例えば、通常のパーソナルコンピュータにIP電話用のソフトウエアを搭載することによってIP電話機の機能が実現されること等も少なくない。そのようなケースでは、ユーザU2がアカウントや宿泊用パスワードSJ2を入力するためのユーザインタフェース(例えば、キーボード、マウス、画面など)は十分に用意することができるから、入力の困難性は緩和することが可能である。
【0046】
前記プリント端末27は、基本的に通常のプリンタとしての機能を持つものであってよいが、電子メールME1や添付ファイルF1の内容を印刷出力する必要がある。プリント端末27は一般的に、アカウントや宿泊用パスワードSJ2を入力するためのユーザインタフェースに乏しい点で、前記電話端末26と類似しているが、ホテルHT2内でユーザU2が利用するプリント端末27は、ビジネスセンタ内に設置されたものであるため、その近傍にはパーソナルコンピュータも存在する。したがって、当該パーソナルコンピュータとプリント端末27を連携させ、パーソナルコンピュータのユーザインタフェースを用いてアカウントや宿泊用パスワードSJ2を入力させることにより、プリント端末27から電子メールME1や添付ファイルF1の内容の印刷出力を行う構成としてもよい。ただし当該プリント端末27が、情報をタッチパネル等から入力でき、サーバと通信を行うことができ、印刷機とのインタフェースを持つ情報端末機能付きのMFP(複合機)をはじめとする情報処理装置である場合には、このような連携は必要ない。
【0047】
なお、仮想プリントサーバ20は、多様なプリンタに対応する多様なプリンタドライバを搭載しているため、当該プリント端末27が、どのような機種のプリンタ製品であっても、それに適合するデータ形式に電子メールME1やその添付ファイルF1を変換することができる。
【0048】
また、パソコン28は、ホテルHT1のビジネスセンタなどに設置されたパーソナルコンピュータであり、パソコン29は、ホテルHT1の客室からLAN12に接続するパーソナルコンピュータである。本実施形態の構成上、基本的に、当該パソコン29は存在しなくてもよいが、ユーザU2がノート型パソコンなどを客室に持ち込んで使用するケースや、ホテルHT1が客室にパソコンを設置してあるケースなどに、当該パソコン29が存在する。
【0049】
パソコン28や29を使用すれば、ユーザU2は、後述するステップS32やS35などでデータ形式を変換するまえの電子メールME1やその添付ファイルF1を取り扱い、閲覧し、必要ならば編集なども行うことができるので、利便性が高まる。
【0050】
前記MMK端末21は、コンビニエンスストアや駅など、多くの人が集まる街中の随所に設置される情報処理装置で、ユーザ(例えば、U2)の操作に応じて仮想プリントサーバ20に対し該当文書(例えば、電子メールME1,添付ファイルF1など)を転送するように要求し、転送されてきた文書を一時的に記憶して印刷出力するために利用される。印刷出力を行うための印刷機能は、MMK端末21自体が搭載している場合と、MMK端末21の近傍に設置された外部のプリンタ装置の印刷機能を利用する場合がある。
【0051】
したがって、MMK端末21は、前記プリント端末27とほぼ同等な装置であるとみることができるが、プリント端末27がホテルHT1のビジネスセンタの内部に設置されたものであるのに対し、MMK端末21は、ホテルHT1の外部に設定されている点が異なる。
【0052】
一方、当該フロント端末23とLAN12経由で通信するホテルサーバ24は、例えば、図3に示す内部構成を有するものであってよい。
【0053】
(A−1−2)ホテルサーバの内部構成例
図3において、当該ホテルサーバ24は、通信部40と、制御部41と、記憶部42と、宿泊管理部43と、データ格納部44とを備えている。
【0054】
このうち通信部40は前記通信部30に対応し、制御部41は前記制御部31に対応し、記憶部42は前記記憶部34に対応するので、その詳しい説明は省略する。
【0055】
ただし制御部41は、前記フロント端末23の制御部31と異なり、必要が生じたときに、通信部40を介して前記仮想プリントサーバ20と通信する機能を備えている。
【0056】
前記宿泊管理部43は、ホテルHT1の客(例えば、ユーザU2)による宿泊の予約、チェックイン、チェックアウトなどに関する情報(宿泊管理情報)を管理する部分で、必要に応じて、これらの宿泊管理情報を仮想プリントサーバ20へ通知する。宿泊管理部43内で、当該宿泊管理情報は、予約データベースDB2にまとめられて管理される。当該宿泊管理部43の機能は、ホテルの予約を管理するホテル予約システムに対応する。
【0057】
本実施形態は、仮想プリントサーバ20内に一時的なメールボックスを用意し、当該メールボックスを介した電子メールの送受信(主として、受信)、および受信した電子メールやその添付ファイルの内容を、データ形式を変換して、宿泊客(ここでは、ユーザU2)に提供することを内容とするサービスに特徴を有し、このサービスが行われる期間(サービス期間)は、基本的に、仮想プリントサーバ20のある会員(例えば、ユーザU2)が、あるホテル(例えば、HT1)に宿泊している期間(チェックインからチェックアウトまで)であり、この期間を基本サービス期間とする。
【0058】
ただしここでは、ユーザU2がホテルに対して宿泊の予約を行う場合には、予約の受付が行われてからチェックインが行われるまでの期間(第1拡張期間)も包含するように、当該サービス期間を拡張するものとする。同様に、チェックアウトが行われたあと所定の期間(第2拡張期間)も包含するように、当該サービス期間を拡張するものとする。チェックイン前やチェックアウト後にも、当該ユーザU2宛ての電子メールが届く可能性があるからである。
【0059】
したがって、サービス期間をST1とし、そのサービス期間に含まれる第1拡張期間をST11、基本サービス期間をST12,第2拡張期間をST13とすると、次の式(1)の関係が成立する。
【0060】
ST1=ST11+ST12+ST13 …(1)
また、ここでは、ユーザU2がホテルHT1に宿泊したあと、ホテルHT2に宿泊するものとしているが、当該ホテルHT2に関するサービス期間ST2に関しても、第1拡張期間をST21、基本サービス期間をST22,第2拡張期間をST23とすると、次の式(2)の関係が成立する。
【0061】
ST2=ST21+ST22+ST23 …(2)
ホテルHT1に対する第2拡張期間ST13とホテルHT2に対する第1拡張期間ST21(または、基本サービス期間ST22)を連続的に結合することができる。
【0062】
なお、ユーザU2が予約をすることなくホテル(HT1またはHT2)に宿泊することもあり得るが、その場合には、前記第1拡張期間ST11,ST21は存在しないことは当然である。さらに、基本サービス期間ST12,ST22は、ユーザU2のそのホテルに対する宿泊日数に対応して動的に変化することは当然である。
【0063】
第1拡張期間ST11、ST21や第2拡張期間ST13,ST23も動的に変化させてもよいが、ここでは、一定の固定期間を設定するものとする。第1拡張期間(例えば、ST11)を示す固定期間は、予約の受付が行われた日時から第1拡張期間ST11が開始するケースで最大値となるが、予約の受付からチェックインまでの期間が長い場合などには、必ずしも予約の受付が行われた日時から開始させず、チェックインが予定されている日時の所定期間前(例えば、2週間前)から第1拡張期間ST11が開始させるようにしてもよい。
【0064】
また、第1拡張期間を示す固定期間は、すべてのホテルに関して統一してもよく、ホテルごとに相違させてもよい。
【0065】
第2拡張期間ST13,ST23を示す固定期間のほうには第1拡張期間ST11,ST21のような制約はないため、どのように設定することも基本的に自由であるが、一例としては、1週間程度であってよい。ユーザU2がホテルHT1,HT2に連続して宿泊する場合、通常は、ホテルHT1をチェックアウトした当日、またはその翌日には、ホテルHT2にチェックインするものと考えられるので、第2拡張期間ST13が1週間程度あれば、確実に、次の基本サービス期間ST22(または第1拡張期間ST21)と連続的に結合することができる。
【0066】
同じユーザ(ここでは、U2)に対する第2拡張期間ST13が終了する前に、次の第1拡張期間ST21(または基本サービス期間ST22)が開始した場合には、その時点で、当該第2拡張期間ST13は終了し、第1拡張期間ST21(または基本サービス期間ST22)が優先されるようにするとよい。すでにチェックアウトしたホテル(例えば、HT1)に関する第2拡張期間ST13よりも、現に宿泊しているホテル(例えば、HT2)に関する基本サービス期間ST22(または第1拡張期間ST21)を優先したほうが、電子メールの宛先であるユーザU2にとっても、電子メールの送信元であるユーザ(例えば、U1)にとっても、有利であると考えられるからである。
【0067】
なお、宿泊スケジュールにも依存するが、2つのホテルHT1,HT2に連続的に宿泊する場合、最初のホテルHT1に関する基本サービス期間ST12が終了すると同時、またはそれ以前に、次のホテルHT2に対する第1拡張期間ST21が開始することが多いものと考えられるが、そのようなケースでは、最初のホテルHT1に関する第2拡張期間ST13は存在せず、基本サービス期間ST12の終了後ただちに、次のホテルHT2に関する第1拡張期間ST21が開始する形になる。この場合にはまた、最初のホテルHT1に関する基本サービス期間ST12と次のホテルHT2に関する第1拡張期間ST21が重複することも多いが、重複した場合には、重複している期間に関して、最初のホテルHT1に関する基本サービス期間ST22を優先するほうが望ましい。
【0068】
このような期間のあいだ前記サービスを提供するために使用されるメールボックスの本体は一貫して仮想プリントサーバ20側に存在するため、前記宿泊管理部43が管理している宿泊管理情報(例えば、予約の受付が行われた日時、予約の内容、実際にチェックインが行われた日時、チェックアウトが行われた日時など)を、ホテルサーバ24から、仮想プリントサーバ20へ通知する必要がある。各ホテル(例えば、HT1,HT2)から届く当該宿泊管理情報に応じて、仮想プリントサーバ20は、メールボックスの生成や削除、転送先の変更などの制御を実行することになる。
【0069】
ホテルサーバ24から仮想プリントサーバ20へ宿泊管理情報を届けるための通信プロトコルとしては様々なものを利用することができるが、例えば、FTPプロトコルやHTTPプロトコルを利用することができる。また、SOAPプロトコルを用いるWebサービスを活用してもよい。
【0070】
前記データ格納部44は主として、後述するように、電子メールME1やその添付ファイルF1からデータ形式を変換して得られたデータ(出力用データ)を格納する部分で、メールボックス部64(図2参照)と同様、(期限付きアカウント名(メールボックスID)で区別して)各ユーザ(例えば、U2)ごとに設けられ、その物理的な実体は、記憶部42上に確保された記憶領域のうちの1つであり、論理的には、フォルダ(ディレクトリ)の1つである。ここで、電子メールME1をテレビ端末25のためのデータ形式に変換して得られる出力用データをOM1とし、添付ファイルF1をテレビ端末25のためのデータ形式に変換して得られる出力用データをOF1とする。
【0071】
同様に、電子メールME1を電話端末26のためのデータ形式に変換して得られる出力用データをOM2とし、添付ファイルF1を電話端末26のためのデータ形式に変換して得られる出力用データをOF2とし、電子メールME1をプリント端末27のためのデータ形式(MMK端末21のためのデータ形式も同じであってよい)に変換して得られる出力用データをOM3とし、添付ファイルF1をプリント端末27のためのデータ形式に変換して得られる出力用データをOF3とする。
【0072】
ここで、メールボックスIDとは、個々の前記メールボックス部(例えば、64)を一意に識別するために付与される識別情報である。前記期限付きアカウント名と当該メールボックスIDは、1対1の対応関係さえ確保されていれば必ずしも同じ値である必要はないが、管理の効率化のためには同じ値とすることも望ましい。
【0073】
なお、前記パソコン28や29を使用するケースに備え、データ形式を変換するまえの電子メールME1やその添付ファイルF1も、当該データ格納部44に格納しておくとよい。
【0074】
前記仮想プリントサーバ20は例えば図2に示す内部構成を備えたものであってよい。
【0075】
(A−1−3)仮想プリントサーバの内部構成例
図2において、当該仮想プリントサーバ20は、通信部50と、制御部51と、記憶部52と、メールサーバ部53と、ユーザ管理部54と、アカウント発行部55と、アカウント蓄積部56と、アカウント比較部57と、宿泊スケジュール管理部58と、データ変換部59と、転送アドレス登録部60と、転送制御部61と、通知メール生成部62と、メールボックス管理部63と、メールボックス部64とを備えている。
【0076】
このうち通信部50は前記通信部40に対応し、制御部51は前記制御部41に対応し、記憶部52は前記記憶部42に対応するので、その詳しい説明は省略する。
【0077】
ただし構成要素53〜64の多くは、機能上は、当該制御部51に含まれ、物理的な実体は、記憶部52に存在するものである。
【0078】
構成要素53〜64のうちメールボックス部64は、仮想プリントサーバ20内に一時的に用意される上述したメールボックスに対応する部分である。図2上では記憶部52の外に図示しているが、当該メールボックス部64の物理的な実体は、記憶部52上に確保された記憶領域のうちの1つであり、論理的には、フォルダ(ディレクトリ)の1つである。
【0079】
前記サービス期間(必要に応じて、第1拡張期間なども含む)の開始にともなって、個々のユーザ(ここでは、U2)のためのメールボックス部64が生成され、サービス期間(最後の第2拡張期間なども含む)の終了にともなって当該ユーザU2のためのメールボックス部64が削除される。このような生成や削除を行うのは、前記メールボックス管理部63である。一般的なメールボックスの管理は、メールサーバ部53の役割であるが、本実施形態では、当該メールボックス管理部63が、ホテルサーバ24から供給される前記宿泊管理情報に応じて、メールボックス部64の生成や削除を行う。
【0080】
メールサーバ部53は、メールサーバ機能に対応する部分である。本実施形態で電子メールME1はインターネット11上を転送されるため、メール配送用のプロトコルはSMTPである。着信した電子メール(例えば、ME1)を当該メールボックス部64から取り出すためのプロトコルとしては、POP3やIMAP4を利用するのが一般的であるが、本実施形態の構成上、ユーザU2が直接、仮想プリントサーバ20にログインして当該メールボックス部64から電子メールなどを取り出すことは基本的に行わず、電子メールや添付ファイルは出力用データに変換されたあと、ホテルサーバ24のデータ格納部44で保存され、ユーザU2が電子メールや添付ファイルの内容を知りたいときには、前記テレビ端末25などを介して当該データ格納部44から出力用データを取り出す手順となる。このときの取り出しでは、後述する期限付きアカウント名などを用いてユーザ認証を行うため、必要に応じて、POP3やIMAP4に対応したプロトコルを利用することもできる。
【0081】
ただし、ユーザU2がホテルの外部に設置されているMMK端末21から前記出力データの出力(印刷出力や画面表示出力)を行う場合には、ホテルサーバ24などを経由せずに、ユーザU2が直接、仮想プリントサーバ20にログインして当該メールボックス部64から電子メールなど(例えば、前記出力用データOM3,OF3)を取り出す形になる。この取り出しでは、POP3やIMAP4などを利用することが可能である。
【0082】
したがって、当該メールサーバ部53は、SMTPサーバやPOPサーバなどに相当する機能を備えることになる。
【0083】
すなわち、電子メールME1(およびその添付ファイルF1)はSMTPプロトコルにしたがってインターネット11上を配送されてきて、ユーザU2のための前記メールボックス部64に着信し、出力時(例えば、MMK端末21からの印刷出力や画面表示出力などの際)には、POP3などの取り出し用プロトコルにしたがって、メールME1や添付ファイルF1のデータ形式を変換した後のデータが、前記ホテルサーバ24などへ転送される手順となる。
【0084】
ユーザ管理部54は、当該仮想プリントサーバ20の会員(ユーザU2もその一人)に関する会員情報を管理する部分である。
【0085】
仮想プリントサーバ20からみた会員は大きく2つに分けることができる。その1つは、ホテルHT1やHT2のようなホテル会員であり、もう1つは、ユーザU2のような個人会員である。個人会員に関して当該ユーザ管理部54が管理する会員情報は、いわゆる個人情報である。当該個人情報には様々なものがあり得るが、例えば、個人会員の住所、氏名、ユーザID、パスワード(前記PW2)、電子メールアドレスなどが含まれ得る。そのユーザに対し、すでに期限付きアカウント名を発行している場合には、その期限付きアカウント名も、当該個人情報の一部としてユーザ管理部54で管理するようにしておくとよい。また、各ホテルサーバ24などから供給される前記宿泊管理情報も、個人会員ごとに整理されて当該ユーザ管理部54に格納するものであってよい。
【0086】
ホテル会員の会員情報も基本的に個人会員の会員情報と同じであってよく、ホテルの名称、所在地、ホテルID(ユーザIDに対応)などが、ユーザ管理部54で管理される。ホテル会員に関するこれらの会員情報は、ユーザ管理部54に搭載されるホテルデータベースDB1に格納されるものとする。前記サービス期間ST1,ST2の具体値なども、ホテルごとに整理して当該ホテルデータベースDB1に格納しておくことができる。
【0087】
このうちユーザIDは、仮想プリントサーバ20内において各個人会員を一意に識別するための識別情報であり、ホテルIDは、各ホテル会員を一意に識別するための識別情報である。
【0088】
また、パスワードは、仮想プリントサーバ20内に保管されたデータ(例えば、前記電子メールME1,添付ファイルF1や、その出力用データ)をMMK端末21などから出力する際に各個人会員に入力させる情報である。
【0089】
また、電子メールアドレスは、仮想プリントサーバ20が提供する仮想プリントサービス以外でも使用される各個人会員の電子メールアドレスのことである。
【0090】
ここで、前記ユーザU2の電子メールアドレスは、AD2とする。
【0091】
ユーザU2の氏名が例えば「山田太郎」である場合、当該電子メールアドレスAD2の具体的な値は、「tarou.yamada@ddd.ne.jp」などであってよい。
【0092】
この電子メールアドレスの値のうち、@マークより左側に記述される文字列をアカウント名と呼び、@より右側に記述される文字列をドメイン名と呼ぶ。ドメイン名は階層構造を持っており、この例では、「jp」が最も上位(ただし階層構造の最上位にあたる根には名前が付与されていない。この「jp」は、根の下位に位置するいくつかのドメインのなかの1つである)の階層に属するトップレベルドメイン(TLD(この例では、ccTLD))であり、「ne」は当該「jp」に包含され(すなわち、当該「jp」の下位にあたる)、「ddd」は当該「ne」に包含される関係となる。ここで、「ne」は組織の分類を示し、「ddd」はその分類に属する具体的な組織の名称(組織名)を示している。必要ならば、組織名の下位にさらに階層を追加することで、1つの組織内に複数のサブドメインを設定することもできる。階層の数に制約はないため、追加する階層の数は複数であってもよく、サブドメインのなかにさらに複数のサブドメインを設定することもできる。
【0093】
アカウント名は通常、ISP(あるいは、企業内のイントラネットの管理者)などが自ドメイン内で電子メールユーザ(ここでは、ユーザU2)を識別するために用いる文字列であり、どのような文字列を許すかは、基本的に、電子メールユーザとISPなどの関係において決まり、通常、ISPなどは、そのドメイン(ここでは、「ddd.ne.jp」)の内部で、当該電子メールユーザを一意に識別することができるアカウント名でさえあれば、ユーザU2が希望した文字列をそのユーザのアカウント名として登録する。当該アカウント名は、ユーザU2がISPのメールサーバなどに確保された自身のメールボックスに着信した電子メールを取り出す際などに利用される。
【0094】
したがって、アカウント名自体に、ドメインと同様な階層構造を持たせることも、ISPなどの自由であるが、一般的にはそのようなことは行われていない。
【0095】
RFCの規格(RFC821)により、@マークの左右(すなわち、アカウント名とドメイン名)の文字数は、最大、64文字に制限されているが、メールサーバ側のOSの種類などにより、実際のISPなどでは、当該64文字よりはるかに少ない文字数に制限(例えば、アカウント名を8文字以内に制限)することもある。ログインの際の文字数などは、OSの仕様によって決まっているからである。
【0096】
アカウント発行部55は、ユーザ管理部54に登録されている当該電子メールアドレスAD2をもとに、仮想プリントサーバ20の内部においてユーザ(例えば、U2)がいずれかのホテル会員に宿泊(予約なども含む)を行っている期間にのみ使用する一時的なアカウント名(期限付きアカウント名)を発行する部分である。期限付きアカウント名の発行は、仮想プリントサーバ20に会員登録する際に行ってもよく、すでに会員登録を行ったユーザが発行を要求したときに行うようにしてもよい。なお、アカウントという用語には課金の意味が含まれているが、ここでは必ずしも、期限付きアカウント名を利用してユーザU2に課金を行う必要はなく、本実施形態で説明するサービスは無料奉仕として提供するものであってよい。
【0097】
この期限付きアカウント名には、ユーザU2自身やユーザU2宛てに電子メール(例えば、ME1)を送信するユーザ(例えば、U1)が記憶しやすい文字列であることが求められる。
【0098】
記憶しやすい文字列とするには、ユーザU2自身や、ユーザU2に何回も電子メールを送信したことのあるユーザ(例えば、U1)が慣れている前記電子メールアドレスAD2をもとに、当該期限付きアカウント名の文字列を決めることが有効である。例えば、前記電子メールアドレスAD2の@マークを、単なる区切り記号として使用されるドット(すなわち、「.」)に置換した文字列である「tarou.yamada.ddd.ne.jp」を、当該期限付きアカウント名として利用することも望ましい。必要に応じて、@マークをドットと置換するのではなく、単に除去して得られる文字列(「tarou.yamadaddd.ne.jp」)などを期限付きアカウント名として利用してもよい。
【0099】
ここでは、他の記号に置換したり、単に除去したりして電子メールアドレスAD2内の@マークを除いているが、送信元のメールサーバ(図示せず)などは、@マークから右側の文字列をドメイン名と解釈してDNSサーバに対する問い合わせを行い、通信相手となるメールサーバ(例えば、仮想プリントサーバ20またはメールサーバ部53)を指定するためのIPアドレスを取得するが、もし@マークを残したまま、電子メールアドレスAD2を期限付きアカウント名として利用すれば、当該期限付きアカウント名を含む新たな電子メールアドレスAD21内には、@マークが2つ含まれることとなり、DNSサーバへの問い合わせ等が正常に行えず、送信元のユーザ(例えば、U1)へエラーメールの返送などが行われる可能性があるからである。
【0100】
前記仮想プリントサーバ20のドメイン名が例えば「virtualp.com」であるとすると、前記期限付きアカウント名を含む電子メールアドレスAD21は、「tarou.yamada.ddd.ne.jp@virtualp.com」となる。
【0101】
このようにして、アカウント発行部55は、ユーザU2やU1に記憶しやすい期限付きアカウント名を発行することができるが、この方法では、期限付きアカウント名の文字列の文字数が多くなる傾向がある。
【0102】
現実的に、前記64文字の制限を越えることは、ほとんどあり得ないとしても、期限付きアカウント名の文字数が多いと、期限付きアカウント名を各種の装置に入力する必要のあるユーザU2やU1にとって、入力時の操作負担が大きくなって不便である。この操作負担は例えば次のような方法によって期限付きアカウント名の文字数を削減することにより、軽減することができる。
【0103】
すなわち、アカウント蓄積部56に、これまで発行したすべての期限付きアカウント名(過去に発行し、現時点では利用されていない期限付きアカウント名も含む)を蓄積しておき、電子メールアドレスAD2を仮想プリントサーバ20に登録したユーザU2に期限付きアカウント名を発行する際には、その電子メールアドレスAD2の@マークをドットで置換した文字列(例えば、「tarou.yamada.ddd.ne.jp」)を、アカウント蓄積部56に蓄積されている各期限付きアカウント名と比較する。
【0104】
この比較は、当該文字列の下位の階層から順番に行い、すでに蓄積されているいずれの期限付きアカウント名とも一致しなくなるところで停止する。
【0105】
当該文字列は、グローバルな範囲で一意な電子メールアドレスAD2の@マークをドットで置換して得られたものであるから、当然、グローバルな範囲で一意である。したがって、最上位の階層(例えば、「tarou.yamada.ddd.ne.jp」の場合ならば、「jp」)まで比較すれば、必ず一致しないことが保証されている。なお、ここで一致とは、相互に比較される2つの文字列が、全文字について完全に一致していることであり、文字数が相違するために一部だけ一致しているようなケースは、一致しないものとみなす。例えば、「tarou.yamada.ddd.ne.jp」と「tarou」を比較する場合、一致しないとの比較結果が得られる。
【0106】
なお、上述したサブドメインを設定し、「virtualp」の下位に例えばホテルごとのサブドメインを設定した場合(例えば、ホテルHT1とHT2を異なるサブドメイン(例えば、「ht1」、「ht2」など)に対応付ける場合など)には、比較対象となるすでに発行されている期限付きアカウント名の探索範囲は、そのサブドメインの内部だけとしても、そのサブドメイン内における期限付きアカウント名の一意性は確保できる。
【0107】
ただし、探索範囲をサブドメイン内に限定すると、発行した期限付きアカウント名の一意性はそのサブドメインのなかでしか確認されていないため、ここで取り上げているように、一人のユーザU2が複数のホテルに宿泊するケースでは、同じユーザ(例えば、U2)でも、宿泊するホテルが変われば使用する期限付きアカウント名も変更しなければならないことが起こり得、利便性が犠牲になる。また、電子メールの送信元のユーザ(例えば、U1)の立場からすると、電子メールの宛先メールアドレスの記述に、サブドメイン(個々のホテル)まで指定しなければならず、ユーザU2の宿泊スケジュールを知っていなければ、電子メールを送信できない不便がある。したがってここでは、サブドメインの設定は行わないものとし、送信元ユーザU1は宛先のユーザU2が宿泊しているホテルを特定しないまま、電子メール(例えば、ME1)を送信できるものとする。
【0108】
この場合にはまた、最初に発行する時点の比較で、各期限付きアカウント名は、ドメイン名「virtualp」に属する全範囲(この範囲には、ホテルHT1,HT2など、仮想プリントサーバ20の全ホテル会員が含まれる)における一意性が確認されることになる。なお、ユーザU1,U2にサブドメインの存在を意識させない限り、システム内部でこのようなサブドメインを設定して処理に活用することは自由である。
【0109】
以上のような比較によれば、ユーザU2に対して期限付きアカウント名を発行する時点で、前記アカウント蓄積部56に、例えば、「tarou」が蓄積されていなければ、当該「tarou」が、ユーザU2の期限付きアカウント名として発行される。また、「tarou」は蓄積されているものの「tarou.yamada」が蓄積されていなければ、当該「tarou.yamada」が、ユーザU2の期限付きアカウント名として発行される。
【0110】
同様に、「tarou」と「tarou.yamada」はすでに蓄積されているものの、「tarou.yamada.ddd」が蓄積されていなければ、「tarou.yamada.ddd」が、ユーザU2の期限付きアカウント名として発行される。
【0111】
電子メールアドレスAD2などのアカウントには通常、階層構造は存在しないが、ここでは、左側ほど下位の階層に属するものとしている。また、必ずしもこのように比較する文字列をドット単位で増加させていく必要はなく、1文字単位で増加させるようにしてもよい。ただし電子メールアドレスにおけるドットは、意味の区切りを示すために利用されることが多く、ドット単位で増加させることによって、人間にとっての可読性の高さ(理解しやすさ)を維持することができる。
【0112】
なお、過去に発行され、現時点では利用されていない期限付きアカウント名でも、アカウント蓄積部56に蓄積されている限り当該比較の対象とするのは、同じユーザ(例えば、U2)がホテルに宿泊する際には、同じ期限付きアカウント名を再利用させる構成とするためである。同じ期限付きアカウント名を他のユーザに発行することを許すと、本来、そのユーザに宛てたものではない電子メールがそのユーザに読まれる等の不都合が生じる可能性が高まるからである。ただし、ある期限付きアカウント名の発行を受けていたユーザ(例えば、U2)が仮想プリントサービスの会員でなくなった場合などには、十分な期間を置いた後、当該期限付きアカウント名を他の個人ユーザに発行することも可能である。
【0113】
このような比較を実行するのは、前記アカウント比較部57である。
【0114】
データ変換部59は、メールボックス部64に着信した電子メール(例えば、ME1)やその添付ファイル(例えば、F1)のデータ形式を、前記テレビ端末25,電話端末26,またはプリント端末27に適合するデータ形式の前記出力用データOM1〜OM3やOF1〜OF3に変換する部分である。
【0115】
変換後に得られる出力用データは、各ユーザ(例えば、U2)のメールボックス部(例えば、64)とは別個に設けた記憶領域に格納するようにしてもよいが、ここでは、メールボックス部(例えば、64)に格納するものとする。
【0116】
宿泊スケジュール管理部58は、仮想プリントサーバ20の各個人会員(例えば、U2)の宿泊スケジュールを管理する部分である。この宿泊スケジュールには、個々のホテル(例えば、HT1)における宿泊スケジュールだけでなく、複数のホテルにまたがる宿泊スケジュール(例えば、ホテルHT1に宿泊したあと、何月何日からホテルHT2に宿泊する等)も含まれ得る。当該宿泊スケジュールは、前記メールボックスID別に構成されたスケジュールファイルF11に格納される。当該スケジュールファイルF11に、実際の宿泊管理情報の内容を格納するようにしてもよい。
【0117】
転送制御部61は、メールボックス部64に着信した電子メールおよびその添付ファイルの転送を制御する部分である。本実施形態では、あるホテル(例えば、HT1)に対し、あるユーザ(例えば、U2)のチェックインが行われたとき、メールボックス部64内に保存されていた電子メールおよびその添付ファイルのデータ形式を変換したあとの出力用データ(例えば、OM1〜OM3,OF1〜OF3)を、ホテルサーバ24の前記データ格納部44へ転送する。この場合の転送先のアドレスはホテルごとに一定(もちろん、ユーザごとの区別は必要)であってよいので、予めホテルごとに転送アドレス登録部60に登録しておくことができる。ユーザU2がホテルHT1の次に宿泊するホテルHT2のホテルサーバ(24に対応)のデータ格納部(44に対応)へ転送する場合も、これと同様である。
【0118】
仮想プリントサーバ20側では、各ユーザ(例えば、U2)の宿泊スケジュールと各ユーザに発行した期限付きアカウント名が分かっているため、ユーザU2が宿泊する予定のホテル(例えば、HT1)に出力用データを転送するホテルに出力用データを転送する際、そのユーザU2の期限付きアカウント名をホテルサーバ24に伝えることができ、ホテルサーバ24では、前記メールボックス部64と同様、期限付きアカウント名ごとに区別して出力用データを該当するデータ格納部(例えば、44)に格納しておくことができる。
【0119】
なお、上述したサービス期間(例えば、ST2)が終了した時点で、メールボックス部(例えば、64)に未読の電子メールやその添付ファイルが残っている場合や、チェックアウト後の前記第2の拡張期間内に着信した電子メールが存在する場合などには、個々のユーザ(例えば、U2)が個別に指定した転送先へ転送するようにしてもよい。その場合、転送のための通信アプリケーションとして電子メールを用いるなら、前記出力用データへデータ形式を変換する前の電子メールや添付ファイルもメールボックス部64内に残しておき、その電子メールや添付ファイルを転送するようにするのが効率的である。
【0120】
この場合にはまた、転送先の電子メールアドレスとして、ユーザU2自身の前記電子メールアドレスAD2などをそのまま利用することができるが、AD2以外の宛先への転送を希望する場合などには、動的にユーザU2が転送先のアドレスを指定できるようにしてもよい。
【0121】
いずれにしても転送先のアドレスは転送アドレス登録部60に登録されており、転送制御部61は、当該転送アドレス登録部60に登録されている転送先アドレスへデータ(例えば、データ形式変換前の電子メールや添付ファイル)を転送する。
【0122】
通知メール生成部62は、前記第2の拡張期間内に電子メールが届いた場合、その電子メールの送信元に対して送信するための所定の通知メールを生成する部分である。この通知メールは、すでに当該ユーザ(例えば、U2)は、ホテル(例えば、HT2)に宿泊していない(サービス期間(例えば、前記ST2)が経過した)ので、これ以上、電子メールを送らないように依頼する内容の電子メールであってよい。通知メール生成部62により自動的に生成された当該通知メールは、当該送信元の電子メールアドレスに宛てて、自動的に送信される。
【0123】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について、図5〜図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0124】
図5のフローチャートはS11〜S21の各ステップから構成されており、図6のフローチャートはS11〜S22の各ステップから構成されており、図7のフローチャートはS30〜S38の各ステップから構成されており、図8のフローチャートはS40〜S45の各ステップから構成されており、図9のフローチャートはS30〜S58の各ステップから構成されており、図10のフローチャートはS60〜S66の各ステップから構成されており、図11のフローチャートはS70〜S73の各ステップから構成されている。
【0125】
(A−2)実施形態の動作
仮想プリントサーバ20に対するホテル会員であるホテルHT1,HT2の会員登録、および個人会員であるユーザU2の会員登録はすでに完了しているものとし、上述したように、ユーザU2が、ホテルHT1に宿泊したあと、ホテルHT2に宿泊するものとする。
【0126】
予約なく宿泊することもあり得るが、図5の例では、ユーザU2はホテルHT1に宿泊する前に、ホテルHT1に宿泊の予約を行い(S11)、その予約に関する情報が前記フロント端末23に入力され、予約の受付・登録が行われる(S12)。予約の情報は、前記宿泊管理情報の一部であるから、ホテルサーバ24の宿泊管理部43に管理され、ホテル会員としてのホテルHT1のホテルID、予約者の氏名(ユーザU2の氏名)などとともに、ホテルサーバ24を介して前記仮想プリントサーバ20に通知される(S13,S14)。この通知は、仮想プリントサーバ20に対し、メールボックス部64の生成を依頼する意味をも有する。
【0127】
この通知を受信すると、仮想プリントサーバ20は、通知の送信元のホテルサーバ24の認証を行い、認証結果がOKであると(S15)、前記期限付きアカウント名を発行する(S16)。この認証は、予め前記ホテルデータベースDB1に格納されている情報をもとに実行する。当該認証のために必要ならば、ホテルごとに異なる暗号鍵、パスワード、ハッシュ関数などの情報を、前記ホテルデータベースDB1に格納しておくとよい。
【0128】
期限付きアカウント名を発行するステップS16の詳細は、例えば、図11のフローチャートに示す通りであってよい。
【0129】
上述したように、期限付きアカウント名の発行時点には様々なものがあり得るが、図11では、仮想プリントサーバ20が、いずれかのホテル会員のホテルサーバ(例えば、24)から送信された宿泊管理情報を受信した時点で、期限付きアカウント名を発行している(S70,S71)。
【0130】
また、期限付きアカウント名を構成する具体的な値を決定する際には、前記アカウント比較部57の機能を利用して、できるだけ短い文字列からなる期限付きアカウント名を発行することも望ましいが、ステップS71では、単純に、ユーザU2の電子メールアドレスAD2で、@マークをドットに置き換えた文字列をそのまま、当該ユーザU2の期限付きアカウント名AC21としている。
【0131】
この場合、上述したように、電子メールアドレスAD2の具体的な値が「tarou.yamada@ddd.ne.jp」であり、前記仮想プリントサーバ20のドメイン名が「virtualp.com」であるとすると、当該期限付きアカウント名AC21は、「tarou.yamada.ddd.ne.jp」となり、期限付きアカウント名AC21を含む電子メールアドレスAD21は、「tarou.yamada.ddd.ne.jp@virtualp.com」となる。
【0132】
なお、上述したように、同じユーザ(ここでは、U2)に関して同じ期限付きアカウント名(例えば、AC21)を再利用する構成を取る場合、アカウント蓄積部56にすでに当該ユーザU2に発行済みの期限付きアカウント名が蓄積されていれば、電子メールアドレスAD2の@マークをドットに置き換える等の処理を行うことなく、蓄積されている期限付きアカウント名をそのまま再発行すればよい。
【0133】
発行(または再発行)した期限付きアカウント名AC21をユーザU2に通知する手段としては様々な方法が考えられるが、ステップS72,S73では、電子メールを用いて通知している。なお、ステップS72で発行しているパスワードは、ユーザU2が前記電子メールME1や添付ファイルF1の内容を知るために、ホテルサーバ24にログインするためのパスワードであるが、例えば、前記宿泊用パスワードSJ2と同じものであってよい。
【0134】
当該パスワードは、発行した期限付きアカウント名AC21とともに電子メールを用いてユーザU2に通知される。この電子メールには暗号化や電子署名などのセキュリティ対策を施したほうがよいことは当然である。
【0135】
当該期限付きアカウント名AC21の発行や通知を行ったあと、図5のステップS17では、前記ステップS14,S15で受信した宿泊管理情報をもとに、ユーザU2のスケジュールを作成し、前記スケジュールファイルF11に収容して保存する。このスケジュールは、単一のホテル(例えば、HT1)だけでなく、複数のホテル(ここでは、HT1,HT2)にまたがる宿泊のスケジュールである。
【0136】
次に、ステップS18では、ユーザU2のための前記メールボックス部64を生成(開設)している。
【0137】
なお、ステップS18につづくステップS19では、メールボックスID(期限付きアカウント名)であるAC21をホテルサーバ24へ通知している。上述したように、ユーザU2に対しては、すでに図11に示すステップS73で通知済みであるが、ホテルサーバ24に対しては、このステップS19で期限付きアカウント名AC21が通知される。この通知には、ホテルサーバ24側で予約者(ここでは、ユーザU2)と期限付きアカウント名AC21の対応関係が分かるように、当該期限付きアカウント名AC21とともに、当該ユーザU2の個人情報(例えば、住所、氏名や、前記電子メールアドレスAD2など)が含まれる。
【0138】
この通知を受けると、ホテルサーバ24は、宿泊管理部43の予約データベースDB2に含まれているユーザU2の個人情報と対応付けて、当該期限付きアカウント名AC21を予約データベースDB2に格納する。
【0139】
なお、ステップS21では、メールボックスID(期限付きアカウント名)AC21を予約者(ここでは、ユーザU2)も受信しているが、ユーザU2に対して図11に示すステップS73で通知する場合には、当該ステップS21は省略可能である。
【0140】
また、前記ステップS16〜S19の順番は必ずしも図示した通りである必要はない。例えば、上述したように、予約の受付からチェックインまでの期間が長く、チェックインが予定されている日時の所定期間前(例えば、2週間前)から第1拡張期間が開始するケースなどでは、ステップS18はS19のあとで実行されてもよい。
【0141】
なお、図6のフローチャートは、ホテルがWebサーバを公開しており、ユーザU2が当該Webサーバにアクセスすることによって予約などを行うケースを示しているが、実質的な処理の内容は図6とほぼ同様である。前記ホテルサーバ24がWebサーバの機能を備え、ホテルHT1のLAN12において例えば前記ファイアウオールのDMZ(Demilitarized Zone)などに設置され、公開されている場合などが、これに該当する。
【0142】
図6において、図5と同じ符号S11〜S21を付与した各ステップの処理は図5と同じなので、その詳しい説明は省略する。
【0143】
ただし図6ではWebアクセスが用いられるため、ステップS12〜S14でユーザU2からホテルHT1へ供給される宿泊管理情報は、Webサーバとしてのホテルサーバ24が提供するWebページ上に(フォームの仕組みを利用して用意される)各種入力欄などにユーザU2が必要事項を入力することによって、ホテルサーバ24側に収集されることになる。
【0144】
また、図6のステップS16などで発行される前記期限付きアカウント名AC21やパスワードは、図6の場合でも、電子メールを用いて通知することも可能であるが、HTTPレスポンスメッセージとして、ユーザU2側へ通知する構成とすることができる。
【0145】
なお、図6のステップS22では、前記宿泊管理情報に対応する情報を前記ホテルサーバ24の宿泊管理部43に対応するホテル予約システムに供給し、前記予約データベースDB2に格納しているが、このような処理は、例えば、CGIプログラムなどを利用して実現可能である。
【0146】
図7のフローチャートは、ユーザU2が宿泊の予約を行ってから、チェックインを実行するまでの期間(前記第1拡張期間に対応)の処理を示している。
【0147】
図7において、期限付きアカウント名AC21を含む新たな電子メールアドレスAD21に宛てて電子メール(例えば、ME1)を送信すると(S30)、当該電子メールME1は、受信されて、仮想プリントサーバ20内の前記メールボックス部64に着信する(S31)。
【0148】
なお、図1の例では、ユーザU2とは異なるユーザU1が、ユーザU2宛ての当該電子メールME1を送信しているが、ユーザU2自身が当該電子メールME1を送信してもよいことは当然である。例えば、ユーザU2が自身のパソコン(22)に保存しているファイルの内容を、ホテルHT1(またはHT2)に宿泊している時間を利用して閲覧したいと希望することもあり得、そのようなケースでは当該ファイルを添付ファイルF1とした電子メールME1を送信することになるからである。
【0149】
ステップS31につづくステップS32〜S37の各処理では、電子メールME1や添付ファイルF1から上述した出力用データOM1〜OM3(OF1〜OF3)を得るためのデータ形式の変換を実行している。所望のデータ形式の出力用データさえ得られれば、必ずしも図示した通りの順番で、図示した通りの処理を実行する必要はないが、図示の例では、前記出力用データOM2,OF2を得るため、電子メールME1の内容を音声出力用のデータOM2に変換し(S32)、当該出力データOM2をファイルに収容している(S33)。これにより、電子メールME1や添付ファイルF1に含まれる自然言語などの文字列は、合成音声などによる音声出力が可能な状態となる。
【0150】
また、前記出力用データOM1やOF1を得るためには、添付ファイルF1を展開し(S34)当該添付ファイルF1の内容に応じた画面イメージを作成したあと(S35)、電子メールME1の本文部分や、必要に応じてメールヘッダの各フィールドの情報などを画面イメージに合成してテレビ出力用の当該出力用データOM1やOF1を生成している。
【0151】
さらに、出力用データOM3やOF3を得るためには、前記ステップS35で生成した画面イメージ(画像データ)を用いて、添付ファイルF1の内容に対応する印刷出力用の出力用データOF3としている。もちろん、前記ステップS36で生成した画面イメージを用いて、電子メールME1の本文部分や、メールヘッダの各フィールドの情報などの内容に対応した印刷出力用のデータOM3を生成してもよいことは当然である。
【0152】
これらステップS32〜S37は、電子メールME1の本文部分に有効な記述が存在し、添付ファイルF1が画像データ(静止画像データ)であるケースに対応する処理であるが、一般的には、例えば、添付ファイルF1のデータが静止画像データでないこともあり得る。添付ファイルF1のデータが、例えば、音声データや動画像データである場合には、処理は図示したものとは異なるものになる。
【0153】
音声データに対応する音声出力は、通常、プリント端末27から印刷出力することはできず、テレビ端末25から画面表示出力することもできないからである。したがって、前記ステップS32やS34の中で、元の添付ファイルF1のデータ形式(例えば、MIMEタイプ)を判定し、その判定結果に応じて、実行するデータ形式変換処理(この変換処理では、さらに詳細なレベルでのデータ形式の整合性を獲得するため、例えば、MIMEのサブタイプを一致させるような変換処理を実行する)の内容を決めたり、そのデータ形式変換処理を実行するか否かを決めたりすることも望ましい。
【0154】
なお、元の添付ファイルF1のデータが例えば音声データであっても、音声認識などの技術を利用して、当該音声データに対応する文字列を生成し、その文字列を示す画像データを生成する場合には、音声データに対応する当該画像データをもとに、プリント端末27から印刷出力を行ったり、テレビ端末25から画面表示出力を行うこと等も可能となる。
【0155】
また、元の添付ファイルF1のデータが動画像データである場合、テレビ端末25からは、そのまま当該動画像データに対応する動画を画面表示出力することが可能である。プリント端末27では通常、動画像データに応じた動画をそのまま印刷出力することはできないが、動画像データを複数の画像データ(静止画像データ)に分解すれば、各静止画像データに応じた印刷出力を行うことが可能である。
【0156】
この点からも明らかなように、電子メールME1の状態(有効な本文部分の有無)や添付ファイルF1のデータのデータ形式、およびステップS32〜S37で実行する処理の内容などの条件によっては、必ずしも、出力用データOM1〜OM3,およびOF1〜OF3の全種類が得られるとは限らないが、これらの出力用データが1種類でも得られた場合には、得られた出力用データは、メールボックス部64に格納される(S38)。
【0157】
なお、上述した転送などに備えるため、出力用データOM1〜OM3,およびOF1〜OF3に変換する前の元の電子メールME1や添付ファイルF1も、当該メールボックス部64に残しておくことが望ましい。
【0158】
次に、図8のフローチャートを用いてユーザU2がチェックインしたときの処理について説明する。
【0159】
ユーザU2がホテルHT1に宿泊するために、ノート型パソコンなどを携帯することなく当該ホテルHT1のフロントまで出向いてチェックインを行う。この場合、ホテルHT1の従業員CL1の操作などに応じて、前記フロント端末23がユーザU2のチェックインを検知すると(S40)、ホテルサーバ24は、ユーザU2の氏名(宿泊用パスワードSJ2等でも可)などを検索キーとして、前記ステップS20で予約データベースDB2に格納した期限付きアカウント名AC21を抽出することができるので(S41)、当該期限付きアカウント名AC21を通知して仮想プリントサーバ20へユーザU2のチェックインが行われたことを示す宿泊管理情報を伝えることができる(S42)。
【0160】
このステップS40の実行時に、ユーザU2は自身の氏名などとともに、前記ワンタイムパスワードとしての宿泊用パスワードSJ2を、フロントの従業員CL1に告げるようにしてもよい。この場合、ホテルサーバ24または仮想プリントサーバ22などで、発行済みの宿泊用パスワードと照合することによりユーザ認証を行うことができるから、なりすましを検知、防止することが可能となり、ユーザU2宛ての電子メールME1やその添付ファイルF1の内容を、第3者に知られることを防止できる。
【0161】
ステップS42につづくステップS43では、仮想プリントサーバ20が、前記期限付きアカウント名AC21を用いて、当該ユーザU2のために確保された前記メールボックス部64を特定し、当該メールボックス部64に保管されている前記出力用データOM1〜OM3(OF1〜OF3)をホテルサーバ24へ送信する。
【0162】
これを受信したホテルサーバ24は、ユーザU2のために設けた前記データ格納部44に、当該出力用データOM1〜OM3(OF1〜OF3)を格納する(S44)。なお、データ形式を変換する前の電子メールME1やその添付ファイルF1ではなく、当該出力用データOM1〜OM3(OF1〜OF3)、すなわちF31を格納するのは、電子メールME1や添付ファイルF1のままでは、通常、テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27などによる各種出力を行うことができず、ノート型パソコンなどを携帯していないユーザU2が電子メールや添付ファイルの内容を知ることができないからである。
【0163】
有効な出力用データ(例えば、OM1など)が、データ格納部44に格納されると、ユーザU2には電子メールが届いている旨が通知される(S45)。この通知は、チェックインが行われたあと、ユーザU2の宿泊している客室などに電話などをかけること等によって知らせるようにしてもよいが、仮想プリントサーバ20側のメールボックス部64に着信している電子メールの存否だけを予め確認し確認結果をフロント端末23などに表示できるようにしておけば、着信している電子メールがあることは、チェックインの時点に従業員CL1からユーザU2へ告げることが可能である。
【0164】
チェックインによりホテルHT1の宿泊者となったユーザU2は、前記テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27のうちの所望の端末を利用して当該出力用データの出力を行わせ、電子メールME1や添付ファイルF1の内容を知ることができる。その際、ユーザU2は、前記テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27などに、前記宿泊用パスワードSJ2を入力してホテルサーバ24にログインし、データ格納部44に格納されている出力用データ(例えば、OM1など)を取り出すことになる。
【0165】
ここで、ステップS43によって出力用データ(例えば、OM1など)がインターネット11上を送信されるときや、出力用データがデータ格納部44に格納されているときには、当該出力用データは暗号化された状態にあり、前記テレビ端末25などから出力する際に復号することが望ましい。インターネット11上を送信されるときに暗号化しておくのは、インターネット11上で情報盗聴されることを防止するためであり、データ格納部44に格納されているときに暗号化しておくのは、ホテルHT1側のシステム管理者などによって、データ格納部44に格納されている出力用データの内容が知られることを防止するためである。システム管理者には制限のないアクセス権限が与えられ、ホテルサーバ24内の各種資源(データ格納部44も含む)に自由にアクセスすることができるのが普通であり、暗号化を施しておかなければ、出力用データの内容もシステム管理者に知られる可能性があるからである。
【0166】
同様な理由で、仮想プリントサーバ20側のメールボックス部64に格納されているときにも、電子メールやその添付ファイル、および出力用データを暗号化しておくことが望ましい。
【0167】
なお、ユーザU2がチェックインを行ったことは、ホテルサーバ24などを経由して仮想プリントサーバ20に伝えられ、前記ユーザ管理部54に格納されるため、制御部51はいつでも、当該ユーザ管理部54や宿泊スケジュール管理部58に格納されているユーザU2に対応する宿泊管理情報を検査することにより、ユーザU2がホテルHT1にチェックインを行ったことを検知することができる。
【0168】
図9のフローチャートは、主として、ユーザU2がホテルHT1でチェックインを行ったあとの処理を示す。
【0169】
図9において、図7と同じ符号を付与したステップS30,S31の処理は、図7に対応するので、その詳しい説明は省略する。
【0170】
また、ステップS31につづいて実行されるステップS50の処理の詳細は、すでに説明した図7のステップS32〜S38と同じである。したがって、ステップS50が終了した時点で、メールボックス部64に着信している電子メールやその添付ファイルとそれらに対応する出力用データは、すでにメールボックス部64に保存されている。
【0171】
ユーザU2のためのメールボックス部64に電子メール(例えば、ME1)が着信しその添付ファイル(例えば、F1)なども含むデータのデータ形式変換処理が完了すると(S50)、仮想プリントサーバ20の制御部51は、ユーザU2がホテルHT1にチェックインしたか否かなどの宿泊状況を、ユーザ管理部54に格納されているユーザU2に関する前記宿泊管理情報をもとに検査する(S51)。このステップS51の検査は、新たな電子メールおよびその添付ファイルがメールボックス部64に着信するたびに繰り返し実行されるものであってよい。
【0172】
この検査の結果には、次の3通りがある。すなわち、まだチェックイン(CI)を行っておらず、なおかつ、チェックアウト(CO)を行っていないとの検査結果(CI未、CO未)と、チェックインを行っており、なおかつ、チェックアウトを行っていないとの検査結果(CI済み、CO未)と、チェックインを行っており、なおかつ、チェックアウトも行っているとの検査結果(CI済み、CO済み)の3通りである。
【0173】
このうち検査結果(CI未、CO未)は、前記第1拡張期間(ここでは、ST11)に対応し、検査結果(CI済み、CO未)は、前記基本サービス期間(ここでは、ST12)に対応し、検査結果(CI済み、CO済み)は、前記第2拡張期間(ここでは、ST13)に対応する。
【0174】
検査結果(CI未、CO未)の分岐につづくステップS58では、すでにステップS50で実行されたように、メールボックス部64へ出力用データを保存した状態を維持するだけである。
【0175】
検査結果(CI済み、CO未)の分岐につづくステップS55では、メールボックス部64にユーザU2宛ての電子メールが着信したことを、前記ホテルサーバ24へ通知している。このあと、ステップS56,S57およびそれ以降のステップで実行される処理は、すでに図8に示したステップS43以降の処理と実質的に同じである。
【0176】
すなわち、ステップS56で出力用データの収容した保管ファイルをメールボックス部64から引き出すことを指示すると、仮想プリントサーバ20側で前記ステップS43に対応する処理などが実行され、出力用データが、ホテルサーバ24側のデータ格納部44に格納されて、前記ステップS45と同様に、ユーザU2に対しメールが届いていることが通知される(S57)。
【0177】
この通知は、宿泊中のユーザU2がフロントに訪れたときに従業員CL1などが伝えてもよく、ユーザU2が宿泊している客室に電話をかけること等によって伝えてもよいことは、前記ステップS45の場合と同様である。また、この通知を受けてユーザU2が行う対応や各部の処理も、ステップS45以降と同様であり、ユーザU2は、前記宿泊用パスワードSJ2を入力してホテルサーバ24にログインし、データ格納部44に格納されている出力用データ(例えば、OM1など)を取り出して、前記テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27などから当該出力用データの出力を行わせることになる。
【0178】
なお、前記検査結果(CI済み、CO済み)の分岐につづくステップS52では、仮想プリントサーバ20側の転送制御部61が、前記メールボックス部64のなかに保存しておいた出力用データに変換する前の電子メールやその添付ファイルを、転送アドレス登録部60に登録されている転送先のアドレスへ転送する。
【0179】
そして、このように前記第2拡張期間内に届いた電子メールの送信元(メール送信者)に対しては、前記通知メール生成部62が生成した通知メールを送信する。この通知メールを読んだ当該メール送信者は、それ以後、当該電子メールアドレスAD21に宛てた電子メールの送信を控えることになる。なお、転送制御部61が前記転送アドレス登録部60に登録されている転送先のアドレスに宛てて電子メールを送信しても送達することができず、エラーメールなどが戻ってくることがあり得るが、そのようなケースでは、第2拡張期間内にメールボックス部64に着信した電子メールを、その送信元メールアドレスをもとに、メール送信者へ転送するようにしてもよい。
【0180】
転送先のアドレスに当該電子メールが転送できた場合(S54)、ユーザU2は、その電子メールや添付ファイルを閲覧することができる。ここでは、転送のための通信アプリケーションとして電子メールを用いる場合を示している。ユーザU2が転送先のアドレスとして例えば前記電子メールアドレスAD2などを指定してある場合には、例えば、自宅に設置したパソコンなどを用いて当該電子メールを閲覧することができる。
【0181】
ここで説明したステップS52〜S54の処理と一部重複するが、チェックアウト時の処理の詳細は、図10に示したフローチャートのようになる。
【0182】
ホテルHT1のフロント端末23で、ユーザU2がホテルHT1からチェックアウトしたことを検知すると(S60)、その検知は、所定の検索キー(ユーザU2の氏名や宿泊用パスワードSJ2など)とともにホテルサーバ24へ伝えられ、ホテルサーバ24では、当該検索キーを用いて予約データベースDB2を検索することでユーザU2の期限付きアカウント名AC21を特定し(S61)、仮想プリントサーバ20へ通知する(S62)。
【0183】
また、前記ステップS60におけるチェックアウトの検知を受けてホテルサーバ24では、データ格納部44に格納されている各出力用データを収容したファイルF31を削除する(S66)。なお、ここでは、ファイルの削除ではなく、フォルダ(ディレクトリ)の1つとしてユーザU2のために生成された当該データ格納部64そのものを削除するようにしてもよい。
【0184】
一方、前記ステップS62の通知を受けた仮想プリントサーバ20では、前記宿泊スケジュール管理部58内のスケジュールファイルF11またはユーザ管理部54に格納されている宿泊管理情報の内容を変更する(S63)。
【0185】
次のステップS64は、前記ステップS52に対応する転送処理であり、転送処理の実行後も、メールボックス部64において、一定期間、出力用データまたは、電子メールやその添付ファイルを収容したファイルの保管を継続している(S64)。
【0186】
ホテルHT1につづいてユーザU2が宿泊するホテルHT2に関しても、以上と同様な処理が実行され得るが、ホテルHT2も、ホテルHT1と同様、仮想プリントサーバ20のホテル会員である場合には、上述したように最初のホテルHT1における前記第2拡張期間ST13は存在せず、ホテルHT1に関する基本サービス期間ST12の終了後ただちに、次のホテルHT2に関する第1拡張期間ST21(または基本サービス期間ST22)が開始する。
【0187】
これは、最初のホテルHT1に関する処理では、図9に示したステップS51の検査結果(CI済み、CO済み)に対応する分岐が存在しないことを意味するから、最初のホテルHT1に関しては、ステップS52〜S54に対応する処理も実行されない。
【0188】
(A−2)実施形態の効果
本実施形態によれば、宿泊時にノート型パソコンや携帯電話機などを携帯していないユーザ(U2)でも、ホテル(HT1,HT2)に関する前記サービス期間内などに届いた電子メールや添付ファイルの内容を知ることができるため、利便性が高い。
【0189】
また、この際、プリンタドライバのインストールなどの煩わしい作業を行う必要がない点も、利便性の向上に寄与してる。
【0190】
さらに、前記期限付きアカウント名(AC21)として、記憶しやすいアカウント名や短いアカウント名を利用することができる点も、利便性の向上に寄与する。
【0191】
また本実施形態は、基本的に恒久的なパスワード(例えば、PW2)などの機密性の高い情報を、ビジネスセンタの装置(例えば、パソコンなど)等に入力する必要がない構成であるため、セキュリティ性が高い。
【0192】
(B)他の実施形態
上記実施形態では、一人のユーザ(例えば、U2)のために設けるフォルダ(ディレクトリ)の数を1つとしたが、一人のユーザのためのデータ格納部44として複数のフォルダ(ディレクトリ)を用意してもよいことは当然である。この点、前記メールボックス部64も同様である。
【0193】
また、上記実施形態では、ホテルに宿泊するユーザU2が電子メールを受信する場合を例に説明したが、ホテルに宿泊中のユーザU2から電子メールを送信することも可能である。例えば、テレビ端末25などに、電子メールの本文部分の内容などを編集する機能を設ければ、編集し作成した電子メール(あるいは、その内容)を、上述した電子メールME1を受信しその内容をユーザU2が知るための経路を反対方向に転送させ、転送中の各過程で必要な処理を施すことによって、電子メールを送信することができるからである。
【0194】
なお、上記実施形態では、「tarou.yamada@ddd.co.jp」などの電子メールアドレスを前提としたが、すべての電子メールシステムにおいて、このような電子メールアドレスが用いられるとは限らない。例えば、アカウント名とドメイン名のあいだに、@マークではなく、!マークを配置する場合や、ドメインの階層構造のうち上位のものほど左側に記述する場合などもあり得、本発明は、そのような電子メールアドレスを用いるケースにも適用可能である。
【0195】
また、前記インターネット11はその他のネットワークに置換可能である。例えば、特定の通信事業者が提供するIP網や、IP−VPN網などに置換可能である。
【0196】
さらに、上記実施形態にかかわらず、テレビ端末25,電話端末26,プリント端末27は、必ずしもこれら3種類すべてを用意する必要はない。また、3種類の一部または全部を他の種類の出力装置と置換してもかまわない。
【0197】
なお、上記実施形態で仮想プリントサーバ20に搭載した多数の機能(構成要素53〜64などの機能)は、複数のサーバに分散して配置してもよいことは当然である。
【0198】
また、上記実施形態では、ユーザU2が2つのホテルHT1,HT2に連続的に宿泊するケースを例に説明したが、連続的に宿泊するホテルの数は3つ以上であってもよい。また、1つのホテルだけに宿泊するケースにも本発明は適用可能である。
【0199】
以上の説明にかかわらず、前記ホテルはホテル以外の宿泊施設に置換可能である。また、宿泊施設にも限定せず、新幹線、飛行機、船など、予めその利用を予約するか、予約しないとしても、利用する際に何らかの個人情報を登録する必要のある公共交通機関などにも置換可能である。
【0200】
また、一連のスケジュールのなかに異種の宿泊施設や異種の公共交通機関が混在しているケースにも、本発明は適用可能である。
【0201】
さらに上記実施形態では、電子メール(ME1など)を前提として説明したが、本発明は電子メール以外の通信手段にも適用可能である。例えば、FTPプロトコルによるファイル転送などにも本発明は適用することができる。この場合、前記仮想プリントサーバ20には、FTPサーバとしての機能を搭載することになる。
【0202】
以上の説明では主としてハードウエア的に本発明を実現したが、本発明はソフトウエア的に実現することも可能である。
【0203】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、利便性が高く、セキュリティ性に優れた情報保管システム及び情報保管サービス方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る通信システムの全体構成例を示す概略図である。
【図2】実施形態で使用する仮想プリントサーバの主要部の構成例を示す概略図である。
【図3】実施形態で使用するホテルサーバの主要部の構成例を示す概略図である。
【図4】実施形態で使用するフロント端末等の主要部の構成例を示す概略図である。
【図5】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図6】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図9】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図10】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図11】実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…通信システム、11…インターネット、12,13…LAN、21…MMK端末、22…パソコン、23…フロント端末、24…ホテルサーバ、25…テレビ端末、26…電話端末、27…プリント端末、30,40、50…通信部、31,41、51…制御部、32…操作部、33…表示部、34,42、52…記憶部、43…宿泊管理部、44…データ格納部、54…ユーザ管理部、55…アカウント発行部、56…アカウント蓄積部、57…アカウント比較部、58…宿泊スケジュール管理部、59…データ変換部、60…転送アドレス登録部、61…転送制御部、62…通知メール生成部、63…メールボックス管理部、64…メールボックス部、AC21…期限付きアカウント名、ME1…電子メール、F1…添付ファイル、OM1〜OM3,OF1〜OF3…出力用データ。
Claims (16)
- 送信元または宛先となる各ユーザが各通信装置からアクセスし得るネットワーク上のリモート保管サーバに、送信元ユーザから宛先ユーザへ送信した保管対象データを保管するための個別ユーザ用データ保管部を設ける情報保管システムであって、
前記宛先ユーザを収容する収容施設側に配置される収容施設側システムを有し、
当該収容施設側システムは、
前記宛先ユーザを当該収容施設に収容しているか否かを管理する収容管理部を備え、
前記リモート保管サーバは、
前記個別ユーザ用データ保管部を、前記宛先ユーザに対応付けて管理するための保管管理部を備え、
前記収容施設側システムまたはリモート保管サーバは、
前記収容施設が宛先ユーザを収容している期間に対応する有効期間のあいだ有効で、少なくとも当該収容施設側システムの内部において宛先ユーザを一意に指定する機能を持つ期間限定ユーザ名を発行するユーザ名発行部を有することを特徴とする情報保管システム。 - 請求項1の情報保管システムにおいて、
前記保管対象データが、電子メールまたはその添付ファイルである場合、
前記期間限定ユーザ名は電子メールアドレスのアカウントに対応する部分であり、なおかつ、前記宛先ユーザが通常使用している自身の電子メールアドレスに対応する文字列をドメイン名まで含めて使用したものであることを特徴とする情報保管システム。 - 請求項1の情報保管システムにおいて、
前記保管対象データが、電子メールまたはその添付ファイルである場合、
前記ユーザ名発行部は、
既発行の前記期間限定ユーザ名を、その有効期間の経過後も蓄積し続ける期間限定ユーザ名蓄積部と、
前記宛先ユーザが通常使用している自身の電子メールアドレスに対応する文字列から、アカウントとドメインを区切るための所定の区切り記号を除去、または他の区切り記号と置換した階層構造を有する文字列を、最下位の階層から順番に、当該期間限定ユーザ名蓄積部から得られた既発行の期間限定ユーザ名のいずれかと一致するか否かを検査し、最下位の階層から、一致しないとの検査結果が得られた階層までの文字列を、期間限定ユーザ名として該当する宛先ユーザに発行する発行制御部とを備えたことを特徴とする情報保管システム。 - 請求項1の情報保管システムにおいて、
前記リモート保管サーバは、
前記宛先ユーザが複数の収容施設に順次、収容される間のスケジュールを管理する収容スケジュール管理部を備え、
同一の宛先ユーザが異なる収容施設に収容されたときにも、同一の個別ユーザ用データ保管部を提供することを特徴とする情報保管システム。 - 請求項1の情報保管システムにおいて、
前記リモート保管サーバは、
前記宛先ユーザに宛てた保管対象データが届くと、当該保管対象データを、電話による音声出力、テレビ受像機による画面表示出力、または、印刷装置による印刷出力のためのデータ形式に変換するデータ形式変換部を備え、
データ形式変換後の保管対象データを、前記個別ユーザ用データ保管部に保管することを特徴とする情報保管システム。 - 請求項1の情報保管システムにおいて、
前記リモート保管サーバは、
前記宛先ユーザに宛てた保管対象データが届くと、当該保管対象データを個別ユーザ用データ保管部に保管したあと、そのデータ形式を変換することなく、前記収容施設側システムへ転送することを特徴とする情報保管システム。 - 請求項5の情報保管システムにおいて、
前記リモート保管サーバは、
前記保管対象データが、電子メールまたはその添付ファイルである場合、保管対象データの転送先のアドレスを予め登録しておく転送先登録部と、
前記データ形式変換部による変換前の保管対象データを、変換後の保管対象データとともに、前記個別ユーザ用データ保管部に保管させる保管制御部と、
前記収容施設側システム内の収容管理部が、前記宛先ユーザを収容しなくなったことを伝えてきたとき所定の転送条件が満たされるか否かを検査し、転送条件が満たされたことを示す検査結果が得られると、前記変換前の保管対象データを、前記転送先のアドレスに宛てて転送する転送処理制御部とを備えたことを特徴とする情報保管システム。 - 請求項7の情報保管システムにおいて、
前記リモート保管サーバは、
前記転送条件が満たされたことを示す検査結果が得られた後、その宛先ユーザに宛てた保管対象データが届いた場合、所定の過渡期間のあいだは、その保管対象データを、前記転送先のアドレスに宛てて転送すると共に、当該保管対象データを送信した送信元ユーザに宛てて、該当する個別ユーザ用データ保管部が閉鎖されたことを伝える電子メールを送信する過渡状態対応部を備えたことを特徴とする情報保管システム。 - 送信元または宛先となる各ユーザが各通信装置からアクセスし得るネットワーク上のリモート保管サーバに、送信元ユーザから宛先ユーザへ送信した保管対象データを保管するための個別ユーザ用データ保管部を用いる情報保管サービス方法であって、
前記宛先ユーザを収容する収容施設側に配置される収容施設側システムが、収容管理部を用いて、前記宛先ユーザを当該収容施設に収容しているか否かを管理し、
前記リモート保管サーバでは、
保管管理部が、前記個別ユーザ用データ保管部を、前記宛先ユーザに対応付けて管理し、
前記収容施設側システムまたはリモート保管サーバに設けられたユーザ名発行部が、前記収容施設が宛先ユーザを収容している期間に対応する有効期間のあいだ有効で、少なくとも当該収容施設側システムの内部において宛先ユーザを一意に指定する機能を持つ期間限定ユーザ名を発行することを特徴とする情報保管サービス方法。 - 請求項9の情報保管サービス方法において、
前記保管対象データが、電子メールまたはその添付ファイルである場合、
前記期間限定ユーザ名は電子メールアドレスのアカウントに対応する部分であり、なおかつ、前記宛先ユーザが通常使用している自身の電子メールアドレスに対応する文字列をドメイン名まで含めて使用したものであることを特徴とする情報保管サービス方法。 - 請求項9の情報保管サービス方法において、
前記保管対象データが、電子メールまたはその添付ファイルである場合、
前記ユーザ名発行部では、
期間限定ユーザ名蓄積部が、既発行の前記期間限定ユーザ名を、その有効期間の経過後も蓄積し続け、
発行制御部が、前記宛先ユーザが通常使用している自身の電子メールアドレスに対応する文字列から、アカウントとドメインを区切るための所定の区切り記号を除いた階層構造を有する文字列を、最下位の階層から順番に、当該期間限定ユーザ名蓄積部から得られた既発行の期間限定ユーザ名のいずれかと一致するか否かを検査し、最下位の階層から、一致しないとの検査結果が得られた階層までの文字列を、期間限定ユーザ名として該当する宛先ユーザに発行することを特徴とする情報保管サービス方法。 - 請求項9の情報保管サービス方法において、
前記リモート保管サーバでは、
収容スケジュール管理部が、前記宛先ユーザが複数の収容施設に順次、収容される間のスケジュールを管理し、
同一の宛先ユーザが異なる収容施設に収容されたときにも、同一の個別ユーザ用データ保管部を提供することを特徴とする情報保管サービス方法。 - 請求項9の情報保管サービス方法において、
前記リモート保管サーバでは、
前記宛先ユーザに宛てた保管対象データが届くと、当該保管対象データを、データ形式変換部が、電話による音声出力、テレビ受像機による画面表示出力、または、印刷装置による印刷出力のためのデータ形式に変換し、
データ形式変換後の保管対象データを、前記個別ユーザ用データ保管部に保管することを特徴とする情報保管サービス方法。 - 請求項9の情報保管サービス方法において、
前記リモート保管サーバは、
前記宛先ユーザに宛てた保管対象データが届くと、当該保管対象データを個別ユーザ用データ保管部に保管したあと、そのデータ形式を変換することなく、前記収容施設側システムへ転送することを特徴とする情報保管サービス方法。 - 請求項14の情報保管サービス方法において、
前記リモート保管サーバでは、
前記保管対象データが、電子メールまたはその添付ファイルである場合、転送先登録部に、保管対象データの転送先のアドレスを予め登録しておき、
保管制御部が、前記データ形式変換部による変換前の保管対象データを、変換後の保管対象データとともに前記個別ユーザ用データ保管部に保管させ、
前記収容施設側システム内の収容管理部が、前記宛先ユーザを収容しなくなったことを伝えてきたとき、当該リモート保管サーバ内の転送処理制御部が、所定の転送条件が満たされるか否かを検査し、転送条件が満たされたことを示す検査結果が得られると、前記変換前の保管対象データを、前記転送先のアドレスに宛てて転送することを特徴とする情報保管サービス方法。 - 請求項15の情報保管サービス方法において、
前記リモート保管サーバ内の過渡状態対応部は、
前記転送条件が満たされたことを示す検査結果が得られた後、その宛先ユーザに宛てた保管対象データが届いた場合、所定の過渡期間のあいだは、その保管対象データを、前記転送先のアドレスに宛てて転送すると共に、当該保管対象データを送信した送信元ユーザに宛てて、該当する個別ユーザ用データ保管部が閉鎖されたことを伝える電子メールを送信することを特徴とする情報保管サービス方法。
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