JP2004340883A - 超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】周波数の異なる、あるいは送信開始時間や送信間隔の異なる個別の超音波の直接波方式を利用して、水中の静止または動作する個々の物体の三次元座標位置を計測する。
【解決手段】プール・河川・湖沼・海等の水中で静止または動作する物体の超音波による三次元座標位置計測装置において、被計測対象物の所定箇所に取着され、所定の周波数の超音波を送信する超音波送信手段10と、それぞれ異なる位置に配置され、超音波送信手段から送信される超音波を受信する少なくとも3つ以上の受信手段30と、超音波送信手段と受信手段とを同期させる同期手段20と、各受信手段により受信した超音波を解析して超音波送信手段が位置する三次元座標位置を検出する解析手段40と、を備えて構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】プール・河川・湖沼・海等の水中で静止または動作する物体の超音波による三次元座標位置計測装置において、被計測対象物の所定箇所に取着され、所定の周波数の超音波を送信する超音波送信手段10と、それぞれ異なる位置に配置され、超音波送信手段から送信される超音波を受信する少なくとも3つ以上の受信手段30と、超音波送信手段と受信手段とを同期させる同期手段20と、各受信手段により受信した超音波を解析して超音波送信手段が位置する三次元座標位置を検出する解析手段40と、を備えて構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数の異なる、あるいは送信開始時間や送信間隔の異なる個別の超音波の直接波方式を利用して、水中の静止または動作する個々の物体の三次元座標位置を計測する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水中での位置計測としては、特開2001−90101号に記載されたものが知られている。これは、GPSを用いて、グラブを昇降する滑車の空中での三次元位置を計測しながら、ゆれているグラブが水中に降ろされた後の位置を超音波で補正するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−90101号(第2頁〜第3頁、第1図、第2図)
【0004】
しかし、前述した特許文献1に係る発明は、超音波単独で、水中の三次元座標位置を求めるものでなく、同時刻には一つの三次元座標位置の計測しかできない。また、これ以外の水中での計測方法としては、魚群探知機のように、超音波の反射を利用して、その画像からだいたいの形状を計測する方法があるが、これも大きな物体や群のだいたいの形状を計測するもので、個々の動的な物体の三次元座標位置を求めるものとは全く異なる技術である。
一方、空中で、数mの距離で三次元座標位置を計測する方法は、既知のものとして存在する。しかしながらこの方法は、1つの超音波送信機からの信号を3つの超音波受信機で受けて、三次元座標位置を計測するもので、同周波数でしか受信できない。その為、静止または動作している複数個の物体の三次元座標位置を同時に計測するためには、送信開始の時間をずらして、いくつかの超音波送信機から順々に信号を送信し、それを同じ3つの超音波受信機で受信することでしか三次元座標位置を計測できない。その為、信号処理の関係で、超音波送信機の個数もあまり増やせず、せいぜい8個くらいが限度で、8個も使うと、計測周波数が1個当たり、最速のものでも50Hzとなり、カメラの60Hzよりも遅くなる。しかも個々の超音波送信機の信号送信には同期性もない。また、信号送信するタイミングを取る為には、送信開始を知らせる為の信号の送受信も必要となり、超音波送信機用バッテリーとそのコントローラ部分が一体となり、それと受信機は有線化されている。水中では空気中に比べて減衰の問題が改善され数kmの送受信が可能になるが、この有線の部分がネックになり、基本的には、それほど離れた距離での計測はできない。有線ゆえに、線による拘束性の問題もあり、実用化には適さない。
このように、超音波により、水中で数kmも離れた距離で、静止または動作する物体の連続的な三次元座標位置を同時に複数箇所計測する方法は、存在していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は以上のような問題点を解決するものであり、周波数の異なる、あるいは送信開始時間や送信間隔の異なる超音波送信手段を被計測対象者に複数取付け、水中で、数km先までの複数個の超音波送信機の連続的な三次元座標位置及び/又は絶対三次元座標位置として計測することによって、その計測値から被計測対象者の動きを二次元又は三次元的に表示することによって被計測対象者の位置や運動状態を認識することができる超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、プール・河川・湖沼・海等の水中で静止または動作する物体の超音波による三次元座標位置計測装置において、被計測対象物の所定箇所に取着され、所定の周波数の超音波を送信する超音波送信手段と、それぞれ異なる位置に配置され、超音波送信手段から送信される超音波を受信する少なくとも3つ以上の受信手段と、超音波送信手段と受信手段とを同期させる同期手段と、各受信手段により受信した超音波を解析して超音波送信手段が位置する三次元座標位置を検出する解析手段と、を備えて構成されたことを特徴とする。
【0007】
前記目的を達成するため請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波を利用した三次元座標計測装置において、同じ周波数の超音波を送信する超音波送信手段を複数備えると共に、各超音波送信手段から送信される超音波の送信開始時間及び送信タイミングをずらすことにより各超音波送信手段が位置する三次元座標位置をそれぞれ検出可能としたことを特徴とする。
【0008】
前記目的を達成するため請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の超音波を利用した三次元座標計測装置において、異なる周波数の超音波を送信する超音波送信手段を複数備えると共に、各超音波送信機及び受信機との同期を取る同期手段とをさらに備え、それにより各超音波送信手段が位置する三次元座標位置をそれぞれ同時に検出可能としたことを特徴とする。
【0009】
前記目的を達成するため請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中の三次元座標位置計測装置において、三次元座標位置の原点をGPSにより測位することにより超音波送信手段の絶対位置を計測可能とされたことを特徴とする。
【0010】
前記目的を達成するため請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中の三次元座標位置計測装置において、超音波送信手段により送信される超音波を送信する時間の間隔は調整可能とされ、予め設定した時間が経過した後は送信間隔を伸ばして超音波を送信するように構成されたことを特徴とする。
【0011】
前記目的を達成するため請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水中の三次元座標位置計測装置において、被計測対象物がダイバーのような水中を潜水する人であり、超音波送信手段を少なくとも1つ又は複数個の場合にはダイバーの関節に取着することにより水中における位置又は動きを知ることができるように構成されたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1は、図1に示すように、超音波送信手段である超音波送信機10と、同期手段であるトリガー装置20と、受信手段である受信機30と、解析手段である解析装置40と、GPS装置50と、を備えて構成され、特に、水中でのダイビングにおいて、ダイバーのウエットスーツに当該超音波送信機10を取り付けておくことによって、ダイバーの海中での三次元座標位置が判り、ダイバーが予定していた潜水範囲と外れた場合や危険地域に侵入してしまった場合、ダイバーの行方が分からなくなった場合に、その三次元座標位置を検出して、ダイバーへ警告を出したり、行方が分からなくなったダイバーを捜索したりすることができる。
【0013】
超音波送信機10は、図2に示すように、送信要求信号受信部12と、送信要求信号復調部14と、原子時計15と、超音波信号コントロール部16と、超音波信号発生部17と、発信素子18と、バッテリ19とを備えて構成されている。
【0014】
送信要求信号受信部12は、受信機30から超音波送信機10と受信機30との送受信の動機を取るための信号である送信要求信号100を受信し、その送信要求信号100を送信要求信号復調部14へ送出する。送信要求信号100としては光又は電磁波が有効に利用できる。
【0015】
送信要求信号復調部14は、送信要求信号受信部12で受信した光又は電磁波などの送信要求信号100を電子回路で処理できるように、電気信号である受信信号110に変換するものである。そして送信要求信号復調部14は、原子時計15に受信信号110を送出する。一方、超音波コントロール部16にも受信信号110を送出するが、これによって超音波コントロール部16に内装されているCPU装置やメモリに蓄積されている残存データが消去され初期状態に戻される。
【0016】
原子時計15は、LSI等のチップで構成されており、超音波送信機10に内装されているものである。当該原子時計15は、超音波の発生開始の合図として前記受信信号110を受け取る。原子時計15は、トリガー信号として前記受信信号110を一回だけ受けることによってその動作を開始し、その後は超音波を発生させるタイミングとして原子時計15が有する発信周波数で超音波発生タイミング信号120を超音波信号コントロール部16へ送出することができる。
【0017】
超音波信号コントロール部16は、送信要求信号復調部14からの受信信号110を受け取り、超音波送信機10における各種の内部処理を行う図示しないCPUの動作開始を制御すると共に、原子時計15からの超音波発生タイミング信号120を受けて、所定の周波数の超音波制御信号130を超音波信号発生部17へ送出する。また、超音波信号コントロール部16は、図示しない内部メモリに記憶されているプログラム又は受信信号110の入力のタイミングによって、所定の範囲で超音波制御信号130の発信周波数及び発信間隔を調整することが可能とされている。
【0018】
超音波信号発生部17は、超音波信号コントロール部16からの電気信号である超音波制御信号130をさらに超音波発生信号140へ変換し発信素子18へ送出する。超音波発生信号140は、超音波信号発生部17へ供給されるバッテリ19によって所定の電力を受けて、超音波発生信号140の周波数で発信素子18を振動させることが可能となる。
【0019】
発信素子18は、所定の帯域の発信周波数を有する圧電素子であり超音波信号発生部17を受信して超音波150を発信する。
【0020】
トリガー装置20は、図3に示すように、少なくとも3つの受信機30に有線又は無線により接続され、前記受信機30、30相互の同期をとるためのトリガー信号200を送信するためのトリガー信号発信部22を備えて構成されている。
トリガー装置20は、各受信機30、30にそれぞれ設けられており、各受信機30、30に対してトリガー信号200を送信し、受信機30、30相互の同期をとるものである。
【0021】
受信機30は、図3に示すように、受信素子31と、超音波検出部32と、信号制御部34と、原子時計35と、トリガー信号受信部36と、トリガー信号復調部37と、信号送信部38と、送信要求信号送信部39と、を備えて構成されている。
【0022】
受信素子31は、圧電素子であり、所定の周波数帯域において当該範囲内の周波数の超音波を受信することができる。超音波信号送信機20から発信された超音波150を受信し、その超音波の周波数に対応した受信信号300を超音波検出部32へ送出する。
【0023】
超音波検出部32は、受信信号300を受信して整流処理等を行い信号制御部34へ送出する。
【0024】
一方、トリガー信号受信部36は、トリガー装置20から送信されたトリガー信号200を受信して、そのトリガー信号200をトリガー復調部37に送出する。
【0025】
トリガー復調部37は、トリガー信号200を受信して電気信号であるトリガー処理信号310に変換する。さらに、信号制御部34及び原子時計35に当該トリガー処理信号310を送信する。
【0026】
信号制御部34は、トリガー復調部37から送出されたトリガー処理信号310を受け取り、図示しない内装されたCPU装置を動作開始させる。また、正確な周期を有する原子時計35から送出されたタイミング信号320を受信して当該タイミングに従って信号送信部38に対して受信信号300を送出する。
【0027】
原子時計35は、LSI等のチップで構成されており、超音波送信機30に内装されている。また、原子時計35は、各超音波送信機10に対応する少なくとも3つの受信機30、30がそれぞれ同じ時刻に受信した信号である受信信号300を同じタイミングで解析装置40へ送出するために、信号制御部34に対して受信信号300の送出開始の合図として前記タイミング信号320を送出する。尚、原子時計35は、トリガー処理信号310を1回だけ受けることによって、その動作を開始し、その後は超音波を受信するタイミングとして原子時計35が有する発信周波数で送信要求信号100を送信要求信号送信部39へ送出することができる。
【0028】
受信信号送信部38は、信号制御部34から受信信号300を受信して、解析装置40へ送出する。尚、受信信号300の送出は有線又は無線送信のどちらでも行うことができる。
【0029】
送信要求信号送信部39は、原子時計35から送信要求信号100を受け取り、各超音波送信機10、10へ当該送信要求信号100を送信する。これにより、受信機30、30が受信可能な状態となった時に、その合図として超音波送信機10、10に対して送信要求信号100を送り、それを受けた超音波送信手段10、10は超音波150を発信する合図となる。
【0030】
次に、解析装置40は、図4に示すように、信号受信部42と、演算部44と、信号送信部46と、を備えて構成されている。
【0031】
信号受信部42は、対応する各受信機30、30からの受信信号300、300を受信し、それを演算部44へ送出する。
【0032】
演算部44は、複数の受信信号300、300から被計測対象者500の三次元座標位置を演算により算出する。受信信号300、300の受信方向と発信から受信までの時間から被計測対象者500の距離を算出して三次元座標位置を算出する。
【0033】
演算部44では、さらに被計測対象者500に取り付けられた複数の超音波送信機10、10の位置を実時間で算出し被計測対象者500の運動状態を検出しているが、この時、それぞれの超音波送信機10、10相互の速度、加速度、角度、角加速度などの物理量から被計測対象者500の運動状態を検出する。
【0034】
演算部44は、さらに被計測対象者500の三次元座標位置及び運動状態を検出した後、その情報に仮想キャラクターデータと共に、座標信号400として信号送信部46へ送出する。
【0035】
信号送信部46は、座標信号400を受け取り、その後船体内にある図示しないデータ記憶装置へ当該座標信号400を送信し、必要な場合には外部出力装置によりダイバーの仮想キャラクターを表示するようにする。この送信は、有線又は無線送信のどちらでもよいことは言うまでもない。
【0036】
以上の装置によって、本発明では、ダイバー500の水中での三次元座標位置とそのダイバー500の運動状態を知ることができる。また、ダイバー500が想定される最大移動領域から外れた場合には、ダイバー500に装着された音声発生器や発光装置によって、自分の位置を確認して前記領域から外れている場合には修正をするように、音や光によって知らせることもできる。
【0037】
次に、以上で説明した超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1の第一の実施例について説明する。
【0038】
まず、図1に示すように、ダイビングにおいて、入水する前に、ダイバー500が着用するダイビングスーツに1又は2以上の本発明に係る超音波送信機10を取り付けておく。この際、ダイバー500の頭、首、腰又は腕や足の関節部分にそれぞれ1つずつ装着されるようにするのが望ましい。次に、船体600に本発明に係るトリガー装置20、受信機30、解析装置40を装備する。トリガー装置20、1又は2以上の受信機30並びに解析装置40は一つのパッケージで構成されており、その全体が船体600の船底から海中へ下ろされる。この時、複数の受信機30は、全てダイバー500の方角へ向けられるようにする。
【0039】
次に、ダイバー500が入水した後、トリガー装置20を作動させる。トリガー装置20を作動させると、トリガー装置20から受信機30に対してトリガー信号200が送信される。当該トリガー信号200を受信した受信機30は内装されている原子時計15が動作を開始し、時間が計測される。ここで、ダイバー500に複数の受信機30、30が装着されている場合には、それぞれの受信機30,30にトリガー信号200がほぼ同時に送信される。したがって、全ての受信機30,30に内装されている原子時計15、15は同時刻を刻むこととなる。つまり、複数の受信機30、30は全て同じ時間で信号を処理することができ、その意味では同期がとれた状態であるといえる。
【0040】
次に、受信機30が受信可能な状態である場合には、当該受信機30の1つから対応する送信機10、10に対して送信要求信号100を同時に送信する。その、送信要求信号100を受信した受信機10、10は、内装された原子時計35の動作を開始し、ダイバー500に装着されたすべての超音波送信機10、10は、所定の時間間隔ごとに同時に超音波150を発信することが可能となる。
【0041】
当該超音波150を受信した前記受信機30、30は超音波150、150を受信して、復調等の信号処理をし、受信信号300、300に変換する。その後、受信機30、30は解析装置40に受信信号300、300を送信する。
【0042】
解析装置40では、少なくとも3箇所の受信機30、30から得られた受信信号300、300を受け取り、その受信信号300、300から水中でのダイバー500の三次元座標位置を算出すると共に、その各受信信号300、300の相対的な位置関係から速度、加速度、角速度、角加速度を検出してその検出結果を利用して、ダイバー500の頭、首、腕、腰、足の位置を計算し、ダイバー500の運動状態を検出して、仮想キャラクターデータと共に座標信号400として船体600へ送信する。
【0043】
船体600では、前記座標信号400をデータ記憶装置に蓄積し、そのデータを基にディスプレイ装置などの外部出力装置へダイバー500の三次元座標位置又はダイバー500の運動状態を出力する。
【0044】
また、データ記憶装置には、ダイバー500が潜水している海底の地形が地図データとして蓄積されており、ダイバー500の現在位置がその地図データと照らし合わせて、ダイバー500の想定移動範囲外であれば、そのことをダイバー500に音や光で知らせ注意を促す。この通知手段は、ダイバー500のゴーグルに音声発生器や発光装置を設けておくことや、ダイバー500の体の一部に振動装置等を取り付けておくことによって実現できる。
【0045】
これによって、ダイバー500は不用意に遠へ行ってしまうことや、危険な海域へ入ってしますことを防止することができる。
【0046】
また、地図データや、ダイバー500の位置データは、船体600に設けられたGPS装置50によって船体600の座標位置を絶対位置として、そこから倍バー500の位置を絶対位置として得ることができる。これによって、船体600全体が流されて危険な海域へ入ってしまう前に、船体600の乗員はそのことを知ることができ、予め危険を回避することができる。また、GPS装置50により、地図データも常に更新できる状態となる。
【0047】
次に、超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1の第二の実施例について説明する。
この第二の実施例は、泳者の各関節に本発明に係る超音波送信機10をそれぞれ取り付けるものである。1つの超音波送信機10に対して、対応する受信機30、30は少なくとも3つ必要であり、それぞれ、異なる場所に設置されている。
ここで、トリガー装置20による超音波送信機10並びに受信機30との同期をとるための方法は第一の実施例においてすでに詳細に述べたのでここでは割愛する。
【0048】
泳者の各関節に取り付けた超音波送信機10、10から、超音波150,150が送信され、当該超音波150、150は対応する受信機30、30により受信される。その受信信号300、300は解析装置40へと送られ、解析装置40において少なくとも3つの受信機30、30から得られた受信信号300、300から、泳者500の三次元座標位置並びに泳者500の運動状態を検出する。
また、解析装置40には、見本となる泳者の水泳フォームが蓄積されたデータ記憶装置が接続されている。見本となる見本水泳フォームデータと泳者500の水泳フォームのデータを比較し、泳者500の水泳フォームが見本水泳フォームデータに対して大きくずれている場合には、そのことを、音や光や振動などの警告によって泳者500に、水泳フォームの修正が必要なことを知らせるようにされている。
【0049】
当該警告により、泳者500は疲れ等で水泳フォームが崩れてきたことを知ることができ、事故の水泳フォームを修正することができる。
【0050】
次に、超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1の第三の実施例について説明する。
この第三の実施例は、本発明に係る超音波送信機10をプールや海で泳ぐ人の一人一人に装着して、それぞれの超音波送信機10、10が送信する超音波150を対応する受信機30により受信して、常にその三次元座標位置を検知しておくことで、記憶装置に蓄積されている地図データと比較し、その人が予想移動領域から外れた場合には、その人が溺れた状態又は溺れそうになっている状態であると判断して、監視員等に知らせることができるものである。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置によれば、被計測対象物の所定箇所に取着され、所定の周波数の超音波を送信する超音波送信手段と、それぞれ異なる位置に配置され、超音波送信手段から送信される超音波を受信する少なくとも3つ以上の受信手段と、超音波送信手段と受信手段とを同期させる同期手段と、各受信手段により受信した超音波を解析して超音波送信手段が位置する三次元座標位置を検出する解析手段と、を備えて構成されているので、水中の被計測対象者の三次元座標位置を計測できると共に、超音波を用いているので被計測対象者が超音波送信手段を隠すような姿勢をとっても、その運動状態を正確に計測をすることができるという効果がある。
【0052】
また、同じ周波数の超音波を送信する超音波送信手段を複数備えると共に、各超音波送信手段から送信される超音波の送信開始時間及び送信タイミングをずらすことにより各超音波送信手段が位置する三次元座標位置をそれぞれ検出することができるとう効果がある。
【0053】
また、異なる周波数の超音波を送信する超音波送信手段を複数備えると共に、各超音波送信機及び受信機との同期を取る同期手段とをさらに備え、それにより各超音波送信手段が位置する三次元座標位置をそれぞれ同時に検出することができるという効果がある。
【0054】
また、三次元座標位置の原点をGPSにより測位することにより超音波送信手段の絶対位置を計測することができるという効果がある。
【0055】
また、超音波送信手段により送信される超音波を送信する時間の間隔は調整可能とされ、予め設定した時間が経過した後は送信間隔を伸ばして超音波を送信するように構成されているので、所定の時間を経過後、被計測対象者が不明になった場合に、超音波の送信可能時間を長くすることができるという効果がある。
【0056】
また、被計測対象物がダイバーのような水中を潜水する人であり、超音波送信手段を少なくとも1つ又は複数個の場合にはダイバーの関節に取着することにより水中における位置又は動きを知ることができるように構成されたているので、複数の超音波送信手段の相互の動き方によって、ダイバーの意思により動いているのか意識が無く漂っているのかを判断することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1のシステム図である。
【図2】本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1の超音波送信機10のブロック図である。
【図3】本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1のトリガー装置20及び受信機30のブロック図である。
【図4】本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1の解析装置40のブロック図である。
【符号の説明】
10 超音波送信機
12 送信要求信号受信部
14 送信要求信号復調部
15 原子時計
16 超音波コントロール部
17 超音波信号発生部
18 発信素子
19 バッテリ
20 トリガー装置
22 トリガー信号発信部
30 受信機
31 受信素子
32 超音波検出部
34 信号制御部
35 原子時計
36 トリガー信号受信部
37 トリガー信号復調部
38 信号送信部
39 送信要求信号送信部
40 解析装置
42 信号受信部
44 演算部
46 信号送信部
50 GPS装置
100 送信要求信号
110 受信信号
120 超音波発生タイミング信号
130 超音波制御信号
140 超音波発生信号
150 超音波
200 トリガー信号
300 受信信号
310 トリガー処理信号
320 タイミング信号
400 座標信号
500 ダイバー
600 船体
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数の異なる、あるいは送信開始時間や送信間隔の異なる個別の超音波の直接波方式を利用して、水中の静止または動作する個々の物体の三次元座標位置を計測する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水中での位置計測としては、特開2001−90101号に記載されたものが知られている。これは、GPSを用いて、グラブを昇降する滑車の空中での三次元位置を計測しながら、ゆれているグラブが水中に降ろされた後の位置を超音波で補正するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−90101号(第2頁〜第3頁、第1図、第2図)
【0004】
しかし、前述した特許文献1に係る発明は、超音波単独で、水中の三次元座標位置を求めるものでなく、同時刻には一つの三次元座標位置の計測しかできない。また、これ以外の水中での計測方法としては、魚群探知機のように、超音波の反射を利用して、その画像からだいたいの形状を計測する方法があるが、これも大きな物体や群のだいたいの形状を計測するもので、個々の動的な物体の三次元座標位置を求めるものとは全く異なる技術である。
一方、空中で、数mの距離で三次元座標位置を計測する方法は、既知のものとして存在する。しかしながらこの方法は、1つの超音波送信機からの信号を3つの超音波受信機で受けて、三次元座標位置を計測するもので、同周波数でしか受信できない。その為、静止または動作している複数個の物体の三次元座標位置を同時に計測するためには、送信開始の時間をずらして、いくつかの超音波送信機から順々に信号を送信し、それを同じ3つの超音波受信機で受信することでしか三次元座標位置を計測できない。その為、信号処理の関係で、超音波送信機の個数もあまり増やせず、せいぜい8個くらいが限度で、8個も使うと、計測周波数が1個当たり、最速のものでも50Hzとなり、カメラの60Hzよりも遅くなる。しかも個々の超音波送信機の信号送信には同期性もない。また、信号送信するタイミングを取る為には、送信開始を知らせる為の信号の送受信も必要となり、超音波送信機用バッテリーとそのコントローラ部分が一体となり、それと受信機は有線化されている。水中では空気中に比べて減衰の問題が改善され数kmの送受信が可能になるが、この有線の部分がネックになり、基本的には、それほど離れた距離での計測はできない。有線ゆえに、線による拘束性の問題もあり、実用化には適さない。
このように、超音波により、水中で数kmも離れた距離で、静止または動作する物体の連続的な三次元座標位置を同時に複数箇所計測する方法は、存在していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は以上のような問題点を解決するものであり、周波数の異なる、あるいは送信開始時間や送信間隔の異なる超音波送信手段を被計測対象者に複数取付け、水中で、数km先までの複数個の超音波送信機の連続的な三次元座標位置及び/又は絶対三次元座標位置として計測することによって、その計測値から被計測対象者の動きを二次元又は三次元的に表示することによって被計測対象者の位置や運動状態を認識することができる超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、プール・河川・湖沼・海等の水中で静止または動作する物体の超音波による三次元座標位置計測装置において、被計測対象物の所定箇所に取着され、所定の周波数の超音波を送信する超音波送信手段と、それぞれ異なる位置に配置され、超音波送信手段から送信される超音波を受信する少なくとも3つ以上の受信手段と、超音波送信手段と受信手段とを同期させる同期手段と、各受信手段により受信した超音波を解析して超音波送信手段が位置する三次元座標位置を検出する解析手段と、を備えて構成されたことを特徴とする。
【0007】
前記目的を達成するため請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波を利用した三次元座標計測装置において、同じ周波数の超音波を送信する超音波送信手段を複数備えると共に、各超音波送信手段から送信される超音波の送信開始時間及び送信タイミングをずらすことにより各超音波送信手段が位置する三次元座標位置をそれぞれ検出可能としたことを特徴とする。
【0008】
前記目的を達成するため請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の超音波を利用した三次元座標計測装置において、異なる周波数の超音波を送信する超音波送信手段を複数備えると共に、各超音波送信機及び受信機との同期を取る同期手段とをさらに備え、それにより各超音波送信手段が位置する三次元座標位置をそれぞれ同時に検出可能としたことを特徴とする。
【0009】
前記目的を達成するため請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中の三次元座標位置計測装置において、三次元座標位置の原点をGPSにより測位することにより超音波送信手段の絶対位置を計測可能とされたことを特徴とする。
【0010】
前記目的を達成するため請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中の三次元座標位置計測装置において、超音波送信手段により送信される超音波を送信する時間の間隔は調整可能とされ、予め設定した時間が経過した後は送信間隔を伸ばして超音波を送信するように構成されたことを特徴とする。
【0011】
前記目的を達成するため請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水中の三次元座標位置計測装置において、被計測対象物がダイバーのような水中を潜水する人であり、超音波送信手段を少なくとも1つ又は複数個の場合にはダイバーの関節に取着することにより水中における位置又は動きを知ることができるように構成されたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1は、図1に示すように、超音波送信手段である超音波送信機10と、同期手段であるトリガー装置20と、受信手段である受信機30と、解析手段である解析装置40と、GPS装置50と、を備えて構成され、特に、水中でのダイビングにおいて、ダイバーのウエットスーツに当該超音波送信機10を取り付けておくことによって、ダイバーの海中での三次元座標位置が判り、ダイバーが予定していた潜水範囲と外れた場合や危険地域に侵入してしまった場合、ダイバーの行方が分からなくなった場合に、その三次元座標位置を検出して、ダイバーへ警告を出したり、行方が分からなくなったダイバーを捜索したりすることができる。
【0013】
超音波送信機10は、図2に示すように、送信要求信号受信部12と、送信要求信号復調部14と、原子時計15と、超音波信号コントロール部16と、超音波信号発生部17と、発信素子18と、バッテリ19とを備えて構成されている。
【0014】
送信要求信号受信部12は、受信機30から超音波送信機10と受信機30との送受信の動機を取るための信号である送信要求信号100を受信し、その送信要求信号100を送信要求信号復調部14へ送出する。送信要求信号100としては光又は電磁波が有効に利用できる。
【0015】
送信要求信号復調部14は、送信要求信号受信部12で受信した光又は電磁波などの送信要求信号100を電子回路で処理できるように、電気信号である受信信号110に変換するものである。そして送信要求信号復調部14は、原子時計15に受信信号110を送出する。一方、超音波コントロール部16にも受信信号110を送出するが、これによって超音波コントロール部16に内装されているCPU装置やメモリに蓄積されている残存データが消去され初期状態に戻される。
【0016】
原子時計15は、LSI等のチップで構成されており、超音波送信機10に内装されているものである。当該原子時計15は、超音波の発生開始の合図として前記受信信号110を受け取る。原子時計15は、トリガー信号として前記受信信号110を一回だけ受けることによってその動作を開始し、その後は超音波を発生させるタイミングとして原子時計15が有する発信周波数で超音波発生タイミング信号120を超音波信号コントロール部16へ送出することができる。
【0017】
超音波信号コントロール部16は、送信要求信号復調部14からの受信信号110を受け取り、超音波送信機10における各種の内部処理を行う図示しないCPUの動作開始を制御すると共に、原子時計15からの超音波発生タイミング信号120を受けて、所定の周波数の超音波制御信号130を超音波信号発生部17へ送出する。また、超音波信号コントロール部16は、図示しない内部メモリに記憶されているプログラム又は受信信号110の入力のタイミングによって、所定の範囲で超音波制御信号130の発信周波数及び発信間隔を調整することが可能とされている。
【0018】
超音波信号発生部17は、超音波信号コントロール部16からの電気信号である超音波制御信号130をさらに超音波発生信号140へ変換し発信素子18へ送出する。超音波発生信号140は、超音波信号発生部17へ供給されるバッテリ19によって所定の電力を受けて、超音波発生信号140の周波数で発信素子18を振動させることが可能となる。
【0019】
発信素子18は、所定の帯域の発信周波数を有する圧電素子であり超音波信号発生部17を受信して超音波150を発信する。
【0020】
トリガー装置20は、図3に示すように、少なくとも3つの受信機30に有線又は無線により接続され、前記受信機30、30相互の同期をとるためのトリガー信号200を送信するためのトリガー信号発信部22を備えて構成されている。
トリガー装置20は、各受信機30、30にそれぞれ設けられており、各受信機30、30に対してトリガー信号200を送信し、受信機30、30相互の同期をとるものである。
【0021】
受信機30は、図3に示すように、受信素子31と、超音波検出部32と、信号制御部34と、原子時計35と、トリガー信号受信部36と、トリガー信号復調部37と、信号送信部38と、送信要求信号送信部39と、を備えて構成されている。
【0022】
受信素子31は、圧電素子であり、所定の周波数帯域において当該範囲内の周波数の超音波を受信することができる。超音波信号送信機20から発信された超音波150を受信し、その超音波の周波数に対応した受信信号300を超音波検出部32へ送出する。
【0023】
超音波検出部32は、受信信号300を受信して整流処理等を行い信号制御部34へ送出する。
【0024】
一方、トリガー信号受信部36は、トリガー装置20から送信されたトリガー信号200を受信して、そのトリガー信号200をトリガー復調部37に送出する。
【0025】
トリガー復調部37は、トリガー信号200を受信して電気信号であるトリガー処理信号310に変換する。さらに、信号制御部34及び原子時計35に当該トリガー処理信号310を送信する。
【0026】
信号制御部34は、トリガー復調部37から送出されたトリガー処理信号310を受け取り、図示しない内装されたCPU装置を動作開始させる。また、正確な周期を有する原子時計35から送出されたタイミング信号320を受信して当該タイミングに従って信号送信部38に対して受信信号300を送出する。
【0027】
原子時計35は、LSI等のチップで構成されており、超音波送信機30に内装されている。また、原子時計35は、各超音波送信機10に対応する少なくとも3つの受信機30、30がそれぞれ同じ時刻に受信した信号である受信信号300を同じタイミングで解析装置40へ送出するために、信号制御部34に対して受信信号300の送出開始の合図として前記タイミング信号320を送出する。尚、原子時計35は、トリガー処理信号310を1回だけ受けることによって、その動作を開始し、その後は超音波を受信するタイミングとして原子時計35が有する発信周波数で送信要求信号100を送信要求信号送信部39へ送出することができる。
【0028】
受信信号送信部38は、信号制御部34から受信信号300を受信して、解析装置40へ送出する。尚、受信信号300の送出は有線又は無線送信のどちらでも行うことができる。
【0029】
送信要求信号送信部39は、原子時計35から送信要求信号100を受け取り、各超音波送信機10、10へ当該送信要求信号100を送信する。これにより、受信機30、30が受信可能な状態となった時に、その合図として超音波送信機10、10に対して送信要求信号100を送り、それを受けた超音波送信手段10、10は超音波150を発信する合図となる。
【0030】
次に、解析装置40は、図4に示すように、信号受信部42と、演算部44と、信号送信部46と、を備えて構成されている。
【0031】
信号受信部42は、対応する各受信機30、30からの受信信号300、300を受信し、それを演算部44へ送出する。
【0032】
演算部44は、複数の受信信号300、300から被計測対象者500の三次元座標位置を演算により算出する。受信信号300、300の受信方向と発信から受信までの時間から被計測対象者500の距離を算出して三次元座標位置を算出する。
【0033】
演算部44では、さらに被計測対象者500に取り付けられた複数の超音波送信機10、10の位置を実時間で算出し被計測対象者500の運動状態を検出しているが、この時、それぞれの超音波送信機10、10相互の速度、加速度、角度、角加速度などの物理量から被計測対象者500の運動状態を検出する。
【0034】
演算部44は、さらに被計測対象者500の三次元座標位置及び運動状態を検出した後、その情報に仮想キャラクターデータと共に、座標信号400として信号送信部46へ送出する。
【0035】
信号送信部46は、座標信号400を受け取り、その後船体内にある図示しないデータ記憶装置へ当該座標信号400を送信し、必要な場合には外部出力装置によりダイバーの仮想キャラクターを表示するようにする。この送信は、有線又は無線送信のどちらでもよいことは言うまでもない。
【0036】
以上の装置によって、本発明では、ダイバー500の水中での三次元座標位置とそのダイバー500の運動状態を知ることができる。また、ダイバー500が想定される最大移動領域から外れた場合には、ダイバー500に装着された音声発生器や発光装置によって、自分の位置を確認して前記領域から外れている場合には修正をするように、音や光によって知らせることもできる。
【0037】
次に、以上で説明した超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1の第一の実施例について説明する。
【0038】
まず、図1に示すように、ダイビングにおいて、入水する前に、ダイバー500が着用するダイビングスーツに1又は2以上の本発明に係る超音波送信機10を取り付けておく。この際、ダイバー500の頭、首、腰又は腕や足の関節部分にそれぞれ1つずつ装着されるようにするのが望ましい。次に、船体600に本発明に係るトリガー装置20、受信機30、解析装置40を装備する。トリガー装置20、1又は2以上の受信機30並びに解析装置40は一つのパッケージで構成されており、その全体が船体600の船底から海中へ下ろされる。この時、複数の受信機30は、全てダイバー500の方角へ向けられるようにする。
【0039】
次に、ダイバー500が入水した後、トリガー装置20を作動させる。トリガー装置20を作動させると、トリガー装置20から受信機30に対してトリガー信号200が送信される。当該トリガー信号200を受信した受信機30は内装されている原子時計15が動作を開始し、時間が計測される。ここで、ダイバー500に複数の受信機30、30が装着されている場合には、それぞれの受信機30,30にトリガー信号200がほぼ同時に送信される。したがって、全ての受信機30,30に内装されている原子時計15、15は同時刻を刻むこととなる。つまり、複数の受信機30、30は全て同じ時間で信号を処理することができ、その意味では同期がとれた状態であるといえる。
【0040】
次に、受信機30が受信可能な状態である場合には、当該受信機30の1つから対応する送信機10、10に対して送信要求信号100を同時に送信する。その、送信要求信号100を受信した受信機10、10は、内装された原子時計35の動作を開始し、ダイバー500に装着されたすべての超音波送信機10、10は、所定の時間間隔ごとに同時に超音波150を発信することが可能となる。
【0041】
当該超音波150を受信した前記受信機30、30は超音波150、150を受信して、復調等の信号処理をし、受信信号300、300に変換する。その後、受信機30、30は解析装置40に受信信号300、300を送信する。
【0042】
解析装置40では、少なくとも3箇所の受信機30、30から得られた受信信号300、300を受け取り、その受信信号300、300から水中でのダイバー500の三次元座標位置を算出すると共に、その各受信信号300、300の相対的な位置関係から速度、加速度、角速度、角加速度を検出してその検出結果を利用して、ダイバー500の頭、首、腕、腰、足の位置を計算し、ダイバー500の運動状態を検出して、仮想キャラクターデータと共に座標信号400として船体600へ送信する。
【0043】
船体600では、前記座標信号400をデータ記憶装置に蓄積し、そのデータを基にディスプレイ装置などの外部出力装置へダイバー500の三次元座標位置又はダイバー500の運動状態を出力する。
【0044】
また、データ記憶装置には、ダイバー500が潜水している海底の地形が地図データとして蓄積されており、ダイバー500の現在位置がその地図データと照らし合わせて、ダイバー500の想定移動範囲外であれば、そのことをダイバー500に音や光で知らせ注意を促す。この通知手段は、ダイバー500のゴーグルに音声発生器や発光装置を設けておくことや、ダイバー500の体の一部に振動装置等を取り付けておくことによって実現できる。
【0045】
これによって、ダイバー500は不用意に遠へ行ってしまうことや、危険な海域へ入ってしますことを防止することができる。
【0046】
また、地図データや、ダイバー500の位置データは、船体600に設けられたGPS装置50によって船体600の座標位置を絶対位置として、そこから倍バー500の位置を絶対位置として得ることができる。これによって、船体600全体が流されて危険な海域へ入ってしまう前に、船体600の乗員はそのことを知ることができ、予め危険を回避することができる。また、GPS装置50により、地図データも常に更新できる状態となる。
【0047】
次に、超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1の第二の実施例について説明する。
この第二の実施例は、泳者の各関節に本発明に係る超音波送信機10をそれぞれ取り付けるものである。1つの超音波送信機10に対して、対応する受信機30、30は少なくとも3つ必要であり、それぞれ、異なる場所に設置されている。
ここで、トリガー装置20による超音波送信機10並びに受信機30との同期をとるための方法は第一の実施例においてすでに詳細に述べたのでここでは割愛する。
【0048】
泳者の各関節に取り付けた超音波送信機10、10から、超音波150,150が送信され、当該超音波150、150は対応する受信機30、30により受信される。その受信信号300、300は解析装置40へと送られ、解析装置40において少なくとも3つの受信機30、30から得られた受信信号300、300から、泳者500の三次元座標位置並びに泳者500の運動状態を検出する。
また、解析装置40には、見本となる泳者の水泳フォームが蓄積されたデータ記憶装置が接続されている。見本となる見本水泳フォームデータと泳者500の水泳フォームのデータを比較し、泳者500の水泳フォームが見本水泳フォームデータに対して大きくずれている場合には、そのことを、音や光や振動などの警告によって泳者500に、水泳フォームの修正が必要なことを知らせるようにされている。
【0049】
当該警告により、泳者500は疲れ等で水泳フォームが崩れてきたことを知ることができ、事故の水泳フォームを修正することができる。
【0050】
次に、超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1の第三の実施例について説明する。
この第三の実施例は、本発明に係る超音波送信機10をプールや海で泳ぐ人の一人一人に装着して、それぞれの超音波送信機10、10が送信する超音波150を対応する受信機30により受信して、常にその三次元座標位置を検知しておくことで、記憶装置に蓄積されている地図データと比較し、その人が予想移動領域から外れた場合には、その人が溺れた状態又は溺れそうになっている状態であると判断して、監視員等に知らせることができるものである。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置によれば、被計測対象物の所定箇所に取着され、所定の周波数の超音波を送信する超音波送信手段と、それぞれ異なる位置に配置され、超音波送信手段から送信される超音波を受信する少なくとも3つ以上の受信手段と、超音波送信手段と受信手段とを同期させる同期手段と、各受信手段により受信した超音波を解析して超音波送信手段が位置する三次元座標位置を検出する解析手段と、を備えて構成されているので、水中の被計測対象者の三次元座標位置を計測できると共に、超音波を用いているので被計測対象者が超音波送信手段を隠すような姿勢をとっても、その運動状態を正確に計測をすることができるという効果がある。
【0052】
また、同じ周波数の超音波を送信する超音波送信手段を複数備えると共に、各超音波送信手段から送信される超音波の送信開始時間及び送信タイミングをずらすことにより各超音波送信手段が位置する三次元座標位置をそれぞれ検出することができるとう効果がある。
【0053】
また、異なる周波数の超音波を送信する超音波送信手段を複数備えると共に、各超音波送信機及び受信機との同期を取る同期手段とをさらに備え、それにより各超音波送信手段が位置する三次元座標位置をそれぞれ同時に検出することができるという効果がある。
【0054】
また、三次元座標位置の原点をGPSにより測位することにより超音波送信手段の絶対位置を計測することができるという効果がある。
【0055】
また、超音波送信手段により送信される超音波を送信する時間の間隔は調整可能とされ、予め設定した時間が経過した後は送信間隔を伸ばして超音波を送信するように構成されているので、所定の時間を経過後、被計測対象者が不明になった場合に、超音波の送信可能時間を長くすることができるという効果がある。
【0056】
また、被計測対象物がダイバーのような水中を潜水する人であり、超音波送信手段を少なくとも1つ又は複数個の場合にはダイバーの関節に取着することにより水中における位置又は動きを知ることができるように構成されたているので、複数の超音波送信手段の相互の動き方によって、ダイバーの意思により動いているのか意識が無く漂っているのかを判断することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1のシステム図である。
【図2】本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1の超音波送信機10のブロック図である。
【図3】本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1のトリガー装置20及び受信機30のブロック図である。
【図4】本発明に係る超音波による水中の三次元座標位置計測方法と装置1の解析装置40のブロック図である。
【符号の説明】
10 超音波送信機
12 送信要求信号受信部
14 送信要求信号復調部
15 原子時計
16 超音波コントロール部
17 超音波信号発生部
18 発信素子
19 バッテリ
20 トリガー装置
22 トリガー信号発信部
30 受信機
31 受信素子
32 超音波検出部
34 信号制御部
35 原子時計
36 トリガー信号受信部
37 トリガー信号復調部
38 信号送信部
39 送信要求信号送信部
40 解析装置
42 信号受信部
44 演算部
46 信号送信部
50 GPS装置
100 送信要求信号
110 受信信号
120 超音波発生タイミング信号
130 超音波制御信号
140 超音波発生信号
150 超音波
200 トリガー信号
300 受信信号
310 トリガー処理信号
320 タイミング信号
400 座標信号
500 ダイバー
600 船体
Claims (6)
- プール・河川・湖沼・海等の水中で静止または動作する物体の超音波による三次元座標位置計測装置において、
被計測対象物の所定箇所に取着され、所定の周波数の超音波を送信する超音波送信手段と、
それぞれ異なる位置に配置され、前記超音波送信手段から送信される超音波を受信する少なくとも3つ以上の受信手段と、
前記超音波送信手段と前記受信手段とを同期させる同期手段と、
各前記受信手段により受信した超音波を解析して前記超音波送信手段が位置する三次元座標位置を検出する解析手段と、
を備えて構成されたことを特徴とする超音波による水中の三次元座標位置計測装置。 - 請求項1に記載の超音波を利用した三次元座標計測装置において、
同じ周波数の超音波を送信する超音波送信手段を複数備えると共に、各超音波送信手段から送信される超音波の送信開始時間及び送信タイミングをずらすことにより各前記超音波送信手段が位置する三次元座標位置をそれぞれ検出可能としたことを特徴とする超音波による水中の三次元座標位置計測装置。 - 請求項1に記載の超音波を利用した三次元座標計測装置において、
異なる周波数の超音波を送信する超音波送信手段を複数備えると共に、各前記超音波送信機及び受信機との同期を取る同期手段とをさらに備え、それにより各前記超音波送信手段が位置する三次元座標位置をそれぞれ同時に検出可能としたことを特徴とする超音波による水中の三次元座標位置計測装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中の三次元座標位置計測装置において、
前記三次元座標位置の原点をGPSにより測位することにより前記超音波送信手段の絶対位置を計測可能とされたことを特徴とする超音波による水中の三次元座標位置計測装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中の三次元座標位置計測装置において、
前記超音波送信手段により送信される超音波を送信する時間の間隔は調整可能とされ、予め設定した時間が経過した後は送信間隔を伸ばして超音波を送信するように構成されたことを特徴とする超音波による水中の三次元座標位置計測装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の水中の三次元座標位置計測装置において、
前記被計測対象物がダイバーのような水中を潜水する人であり、前記超音波送信手段を少なくとも1つ又は複数個の場合にはダイバーの関節に取着することにより水中における位置又は動きを知ることができるように構成されたことを特徴とする超音波による水中の三次元座標位置計測装置。
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2003
- 2003-05-19 JP JP2003140680A patent/JP2004340883A/ja active Pending
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